2026年01月12日

1/12「竹中書店」で付録漫画を。

ちなみに“鷲尾漬け”は真面目に継続しており、「假面の死神」を読了。表題作はスリラーハードボイルドであったが、主人公の私立探偵が不死身過ぎる上に(滑稽なほど何度も頭を殴られ気絶し、何度もリンチに遭うのだ)、やってることはもはや必殺仕◯◯◯……あ!平井和正「狼男だよ」と同じと言っても過言ではない。そしてこの本にはさらに短篇『月蝕に消ゆ』『一対一』『盲獣』が収録されているのだが、『月蝕に消ゆ』のトリックは、もはや奇想の域。そして『盲獣』はもうとにかくヒド過ぎる……もう、ちょっと中休みが欲しい気がするが、条件反射で次の同光社「特別捜査本部」を読み始めてしまった。仕方ない、このまま突き進もう。そして本日は午後一時過ぎに松ノ木に流れ着いたので、長らく北西に住宅街を突き進み、荻窪まで出て「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。立風書房「麻雀推理 死の四暗刻/藤村正太」朝日新聞社「建築探偵東奔西走/文◉藤森照信 写真◉増田彰久」を計220円で購入し、「竹中書店」(2009/01/23参照)に移動する。店頭にも店内にもお客さんが詰めかけてるなぁと感じつつ、店内に進んで、左右通路の通路棚下の文箱の中を懸命に漁る。するとお店にはあまり似つかわしくない、小学館「小学六年生新年号付録」(昭和35年)「銀色のワルツ/芳谷圭児」を見つけたので千円で購入する。連載まんがの表題作以外に『難破船/はりま・しょうご』『ナンバー1050番/山本勝利』(探偵まんが)が収録されている。
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そんなものを買って一旦家に帰り、暗くなり始めてから外出し、鷺ノ宮でRe-ClaM三門氏と落ち合い、ちょっとしたことを打ち合わせる。ついでにミステリ四方山話にも楽しく花を咲かせてしまう。

※明日辺りから書店に並び始める「本の雑誌 焼みかん猫舌号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、九品仏の小さな古本屋風情たっぷりの「木鶏堂書店」を秘密取材。結構高い本を買ってしまいました。
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2026年01月10日

1/10ロス・マクの児童書。

春のような陽光が暖かな午後三時過ぎに上馬に流れ着いたので、トボトボ歩き続けて三宿方面へ。久々に「江口書店」(2010/03/29参照)を味わおうかと思っていたら、シャッターが下りている……くっ、残念。営業開始は12日(月)か。そこで直ぐさま「山陽書店」(2008/11/17参照)を見に行くが。こちらもシャッターアウトであった。こうなったら「e-books」に行くかと『甲州街道』に引き返すと、うあっ!長らく遺跡のように残っていた、元「三茶書房」(2017/04/16参照)のビルが跡形も無くなっている!などと驚きながら裏通りに入り込み、しっかり営業している「e-books」(2014/04/09参照)へ。暖房の効き過ぎた小さな店内を一周し、白水Uブックス「呪い/テネシー・ウィリアムズ」を300円で購入する。だがまだまだ買い足りないので、田園都市線で渋谷に出て、地獄のように混み合う山手線と総武線を乗り継ぎ、高円寺駅で電車から吐き出され、激しく混み合う構内をどうにか脱出し、すっかり夜になってしまった駅北口に出る……ふぅ、疲れた。「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『杉並書友会』一日目を覗く。入館してから、三十分→十分→三分と残り時間を告げられる中、平凡社「世界動物発見史/ヘルベルト・ヴェント」金園社実用百科選書「小菅式精神統一法応用 催眠術の習い方/小菅一男」岩崎書店 世界の名探偵物語6「なぞのスパイ団/マクドナルド 内田庶訳」(図書館本)学研ホラーノベルズ「クトルゥー怪異録 極東邪神ホラー傑作集/菊地秀行・佐野史郎ほか」を計900円で購入し、帳場で応対してくれた「古書 赤いドリル」那須氏に「こんな時間に珍しいですね」と言われつつ新年の挨拶を交わす。
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「なぞのスパイ団」のマクドナルドは、ロス・マクドナルドなのか。
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2026年01月09日

1/9やった、真物だ!

昨日は正午前に上町に流れ着いたので、足を「林書店」(2008/12/04参照)に向ける。ひっそりと鄙びた商店街であるが、お店はちゃんと営業中である。小さな店内の棚を一通り見回し、徳間書店「どうだ。/加納典明」を千円で購入する。ここから果てしなく続く住宅街を北に伝い、丘に上がって経堂に出る。「ゆうらん古書店」(2022/09/25参照)に年始の挨拶に行こうと、駅北側に出てお店にたどり着くと、残念ながらシャッターが下りている。貼り出された営業カレンダーを見ると、一月中は変則的な休日が多いようだ。まぁまた来ることにしよう。そう決めて、次第に強く冷たくなる風に脅かされながら帰宅する。さて、待望のヤフオク落札品は届いているだろうか……くぅ、届いてないか。とがっかりするが、その代わりに筑摩書房から嬉しい献呈本が届いていた。ちくま文庫「冗談に殺す 夢野久作ベストコレクション 久の巻/夢野久作 日下三蔵編」である。ありがとうございます!……嗚呼、カバーイラストの一部にあしらわれているのは、所収短篇『冗談に殺す』のジレットの剃刀の古刃であろう……痛い痛い。いやだいやだ……。そして“鷲尾三郎漬け”はしっかりと継続しており、「結婚式殺人」を読了し、三冊目の同光社「假面の死神」に突入する。今のところ、スリラー系なのか本格系なのか、判断付かず……でも文章は一人称で主人公は元捜査一課刑事の私立探偵……とくればハードボイルドか。とにかく愚直に読み続けよう。
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本日は午前に素早く行動を開始し、午前十時半過ぎの『新宿サブナード』で「古本浪漫洲Part.1」(2010/03/04参照)二日目を覗く。色々見て回っていると、「中央書房」が集英社モンキー文庫を一カゴ分出しているのに出くわす。スポーツ物やハウツー系は千円だが、人気のある怪奇物には三千円が付けられている。だが、「ノンフィクション UFO追跡大作戦」だけは1100円。中を見ると、重版のための編集者の赤鉛筆書き込みがあちこちにあるため、安くなっているらしい。読むには問題ないので、これを購入し、地下街から脱出する。阿佐ヶ谷に戻り、駅北口「千章堂書店」(2009/12/29参照)店頭百均文庫台を眺めると、帯付きの講談社X文庫「映画小説 ターミネーター/オライオン映画文・吉岡平」が紛れ込んでいたので、すぐさま百円で購入する。帰宅して午後、ポストに待ちに待ったヤフオク落札品が届いたようなので、アセアセしながら取りに行く。講談社のテレビ絵本11「ウルトラQ ゴメスをたおせのまき/山田正弘・原作 花野原芳明・絵」である。
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ライバルなしの四千円で落札す。この値段&誰も入札していないので、『もしや復刻版では?』と多少危惧していたが、届いたのは、昭和41年6月28日発行の、経年劣化で古びてはいるが、しっかりした真物であった!やった!これは本当にスゴい!嬉しい!『ウルトラQ』〜『ウルトラセブン』の当時モノグッズを手に入れるのは、いつだってハードルが高いのだ。だから、やった!「ウルトラQ」は他には、「ガラモンのしゅうげきのまき」「にじのたまごのまき」「あばれおおだこのまき」が出ているが、これをすべて集めるのは不可能に近い至難の業であろう。あぁ、ちょっと日本画のテイストがあるカラー絵が素晴らしい。もう読んでいると、頭の中に市川治の声で『リトラ〜〜〜〜〜』の叫びが木魂する。表4はマルサン商店の怪獣『バラゴン』プラモデルの広告である。
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2026年01月07日

1/7胸が踊って踊って。

昨日は午前のうちに四十冊ほど詰め込んだ古本ダンボールを大阪に送る。しばらくすると「梅田蔦屋書店」のひっそりとした古書棚に並ぶはずなので、頃合いを見計らって駆け付けていただければ幸いです。そしてゲラをひとつ戻し、正午過ぎに外出。中野で用事を片付けるとともに、元日に行ったばかりの「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)に立ち寄り、BOOK&MAGAZINE社「國防科學雑誌『機械化』特別號 未来の地下戦車長/海野十三」を440円で購入する。雑誌の誌面を挿絵入りで覆刻した一冊である。トボトボ『早稲田通り』を歩いて阿佐ヶ谷に帰る途中コンビニに立ち寄り、昨晩落札したヤフオクの代金を支払う。いや、スゴいものが落札出来たので、今から胸が踊って踊って仕方ないのである。そして読書継続中の鷲尾三郎「結婚式殺人」は表題作を読了(犯人もトリックも途中でわかったぞ!)。目次で章タイトルだとばかりと思っていた『まぼろしの女』と『影絵の女』に雪崩れ込む。『まぼろしの女』は、まるでデヴィッド・フィンチャー監督の映画『ゲーム』なのであった……それにしてもやり過ぎでは……。そして本日は震えながら午後二時に永福町に流れ着いたので、まずは東松原に移動し「古書瀧堂」(2014/05/01参照)へ。本の雑誌社「ワニ目物語/沢野ひとし」文藝春秋「盲剣楼奇譚/島田荘司」を計1110円で購入する。「盲剣楼奇譚」は見返しに銀ペンで、まるで花押のような華麗な署名が入っている。
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次は下北沢に移動して、まずは「ほん吉」(2008/06/01参照)へ。大泉書店「推理パズル100題 たっぷり、あなたを苦しめる本/田中潤司」トッパンのこども百科「はつめい物語」(ボロいがちゃんと函が付いている)を計660円で購入する。次は『茶沢通り』に流れ出て「古書ビビビ」(2009/10/15参照)へ。店頭の戸付き棚を次々とカパカパ開けて、学研「6年の学習 第1学習教材=社会科 図鑑世界のなぞと驚異 を250円で購入する。最後に「古書明日」(2017/01/31参照)に立ち寄ると、左側通路通路棚のミステリ&SFゾーン最下段に、茶色い古い文庫本二冊を発見する。一冊は日本小説文庫で帯付きの「大金塊/黒岩涙香」。もう一冊は博文館文庫「銀山王/押川春浪」なのであった……うむぅとちょっと悩み、「銀山王」と店頭本の久保書店「とんでもない話の本 事実は小説より奇なり/大森貝介」を計3100円で購入してしまう。ふぅ、今日もそれなりに買ってしまった……。
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2026年01月05日

1/5今日も古本屋さんで年始の挨拶を。

暖かなお正月明けの午後三時に下高井戸の南に流れ着いたので、ブラブラと北上し駅方面へ。途中ビル二階の「TRASMUNDO」(2011/06/19参照)に立ち寄り、秋田書店 少年チャンピオン・コミックス「やどりぎくん/吾妻ひでお」を1200円で購入する。幾つになったとしても、これから先どんなに年を重ねようとも、ずっとやどりぎくんみたいに暮らしたい……。などと現実逃避しながら、京王線と井の頭線で吉祥寺に出る。「古本センター」(2017/03/06参照)で福音館書店「月刊たくさんんのふしぎ1992年7月号 スイス鉄道ものがたり/宮脇俊三文 黒岩保美絵」を80円で購入した後は、「よみた屋」(2014/08/29参照)に移動する。店頭ビジュアル本ラック棚から、虫プロ商事 COM増刊「性蝕記/宮谷一彦」を330円で見出すと、店内はまだまだレイアウト変更の真っ最中……だがいよいよ背の高い棚に本が入り初め、完成も近いようだ。というわけで「性蝕記」を購入する。続いて荻窪に中央線で移動し、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で店頭棚を真剣に精査していると、補充に出て来た野村氏ににこやかな笑顔で「今年もよろしくお願いします」と挨拶される。水木しげる風に“フハッ”と驚きつつ、こちらも満面の笑顔で挨拶を返す。小学館「THE INTERNET/石丸元章」学研M文庫「クトルゥー神話事典 第三版/東雅夫編」を計660円で購入し、あっという間に夜の帳がおりてしまった街を歩き、阿佐ヶ谷に帰り着く。最後に「千章堂書店」(2009/12/29で、光文社文庫「死体の証言/上野正彦×山村正夫」新潮文庫「キャリー/スティーヴン・キング」(昭和六十年初版)を計200円で購入して帰宅する。
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今日の収穫はこの二冊。漫画のポジとネガと言ったところか。
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2026年01月04日

1/4西荻窪で年始回りする。

読み進めている鷲尾三郎「結婚式殺人」。読了した「地獄の罠」と違って、打って変わった本格探偵小説っぷりに舌を巻き中。午後に、大阪行き古本箱を完成させるとともに、それとは別に精選した古本をリュックに詰め込み、フラリと外出。意外な暖かさを少し感じつつ西荻窪へ。まずは南口の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に向かい、集英社ROADSHOW付録「スター・サインBOOK」(平成3年7月)「熱血監督大名鑑」(平成3年8月)を計200円で購入しつつ、「フォニャルフ」棚に補充初め。そして店主・小野氏とフミさんと新年の挨拶を交わす。と同時に、あるお店の閉店情報を聞かされ愕然とする。さらに一月の予定&近々の予定をあれこれ話す。今年もよろしくお願いいたします。続いて高架を潜って北側に出て、こちらも今日が営業開始の「古書音羽館」(2009/06/04参照)へ。静謐が支配する店頭で、ハヤカワポケミス「金庫と老婆/パトリック・クェンティン」(短篇集である)桃源社「棺の中の悦楽/山田風太郎」(帯付き)を掴み、左側ドアから店内へ。ギシギシと奥に進むと講談社「青春推理 ライダーは闇に消えた/皆川博子」が1200円で棚に挿さっていたので、喜んで帳場に持ち込む。三冊を計1800円で購入しつつ、まずは応対してくれた奥さまに挨拶し、さらに本の山の間から笑顔を覗かせた店主・広瀬氏とも新年の挨拶を交わす。お店の新規開店情報を交換したり、お店で「古本屋ツアー・イン・ジャパンの総決算」を配布してくれているお礼を言ったりと、しばし雑談。今年もよろしくお願いいたします。
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この二冊を並べると良い景色。「棺の中の悦楽」巻末に自社広告が載っているのだが、ラインナップに江戸川乱歩「探偵小説四十年」が含まれている。『探偵小説の育成発展に情熱を傾注する巨匠乱歩が歩んだ四十年の足跡。限定出版。署名番号入豪華本』とあり、値段は¥1,200となっている……昭和三十年代後半とは言え、千二百円って安くないか?ちなみに「棺の中の悦楽」の当時の値段は¥320である。
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2026年01月03日

1/3“鷲尾漬け”継続中。

昨日実家に帰省した折り、弁護士の義理の甥と話す機会があったのだが、興味深いことを聞く。年末の、法律書に強い水道橋「丸沼書店」(2009/12/17参照)の閉店に(閉店の情報は事前に得ていたのだが、見送れず終いになってしまった。無念である)、弁護士界に衝撃が走ったと言うのだ。多くの人があのお店で、司法試験の参考書を買ったり、尊敬する研究者の論文を求めたりと、大いにお世話になっていたそうである。私は店頭でしかお世話になっていなかったが、見知らぬ古本世界の一面を知ることが出来た、驚きの瞬間であった。そして家では相変わらず鷲尾三郎漬けが継続している。光風社「地獄の罠」(短篇『影のある女』と『消えた屍』も収録)を無事に楽しく興奮のうちに読了し、現在は昭和三十四年五月刊の「結婚式殺人」に突入している。没落貴族の娘と成金の息子が、東京随一の高級ホテルで政略結婚の式を挙げるのだが、そこに双方の元恋人が不穏な影と動きを齎すようで……と、まだこんなところまでしか読んでいない。さぁ、続きだ続き。
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だがその前に、大阪から古本補充通信が入ったので、来週の発送を目指し、古本箱をひとつ形作り始める。西のみなさま、今年も『梅田蔦屋書店』のけったいな古書棚を、何とぞよろしくお願いいたします!そしてさらにフラリと外出し、なんと今日と明日時短営業してくれている「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)を訪う。三が日なのに、変わらず『ひらやすみ』ファンが見物に来ているのがスゴい。賑わう店内を一周し、帳場の奥さまと年頭の挨拶を交わしつつ、新潮社「エンピツ絵描きの一人旅/安西水丸」を440円で購入する。今年も絶対に色々お世話になります!
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2026年01月01日

1/1古本初めに追加する。

2026年になりました。今年も何とぞよろしくお願いいたします。さて、現在私は宣言通りにテレビも観ずに鷲尾三郎漬け……とは言っても当然そんなに早くは読めないので、まだ一冊目である。古い順から読み始めることにして、まずは昭和三十三年五月刊の「地獄の罠」からスタート。強盗殺人の冤罪を受け罷免された派出所警察官が、処分保留で釈放後、真犯人を徒手空拳で孤独に追いかけ、暗黒街を「不思議の国のアリス」よろしく彷徨い、結果として彼の通った後に巻込まれた人々の死体が累々と積み上がって行く、ハードボイルドスリラーである。同じ昭和三十三年に日活で『拳銃無頼帖シリーズ』の野口博志監督によって映画化され、主演は長門裕之が務めている。それを知っていたので、脳内の主人公イメージは長門裕之になってしまった……。そんな読書を続けながら、お雑煮を食べ、お屠蘇を二杯三杯ときこし召した後、お正月からやっぱり古本を買うぞ!と外出。阿佐ヶ谷から電車で二駅移動して、『中野ブロードウェイ』四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)へ。ほろ酔い気分で通路を進み、『今年もたぶんたくさんお世話になります』と心中で新年の挨拶を店舗にしながら、古本棚に目を凝らす。河出新書「女豹の博士/橘外男」早川書房「女刑事の死/ロス・トーマス」福音館のペーパーバック絵本「ピッキーとポッキー/ぶん・あらしやまこうざぶろう え・あんざいみずまる」(1976年初版)を計1980円で購入する。よっしゃ!買ったぞ!古本初め無事終了!と一仕事終えた感じで帰路に着こうとしたが、そうだ。児童文学棚裏の古書棚もちゃんと見ておくか、と思いつき、奥の茶色い棚の前へ。端から順繰りに目を凝らして行くと、ふぅむ、廣島圖書株式會社 銀の鈴文庫 傳記・創作集14「古城の秘密/城昌幸」があるじゃないか!と驚き値段を確認してみると、6500円……つまり税込で7150円か……とても読みたいがどうしようか……いや、今日はお正月だ。ご祝儀だ。買ってしまおう!景気付けの散財だ!と酒精の霧が立ち籠めた頭脳で愚かに即断し、スパッと追加購入する。やはり私は、今年も古本を買わずにはいられないようです。
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「古城の秘密」は状態が良いので嬉しい。奥付には作者の検印紙が貼られておらず、代わりに『見本』のハンコが捺されている。
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2025年12月31日

12/31やはり古本納めは今日だった。

いつの間にかもう大晦日である。朝から年越しの雑事をこなしながら、偕成社「ソロモンの宝窟/香山滋」くもん出版「わがはいは中村春吉である/横田順彌」を読了する。よし、これでひとまず心置きなく鷲尾三郎ゾーンに突入出来るぞ!と意気込みつつも、浴室のシャワーホースが悲しくも断裂してしまったので、駅前の『西友』に買いに行くことにする。そんな予想外の出費にブツクサ言いながら駅北口アーケードに入り込むと、おぉ「千章堂書店」(2009/12/29参照)は今年も営業中であったか。一年間の古本屋さん通いをここに納めるつもりで古い店内をゆっくり一周。「SUMUS 10 特集・スクラップブックの時代」を1500円で購入して、本年の古本納めとする……やはり大晦日もしっかり古本を買うことになったか。コンコ堂さん、すまん……。「sumus」には付録として、雑誌『マヴォ』掲載の萩原恭次郎の絵が挟み込まれている。扉野良人氏所有の、古本市か古本屋で購入した紙箱の中に紛れ込んでいた一枚を複写したものである。そして山本善行氏の『古本泣き笑い日記6』には、角川文庫「獄門島/横溝正史」を五十円で買う記述が……どちらも羨ましい……。

さて、今年一年、古本屋さんや古本市に通いまくり、たくさんたくさん古本を買ったり、またはたくさん売ったりと、予想通りに過ごしました。恐らく来年も同様に過ごすと思うので、みなさま引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。そんな一年を古本収穫で振り返ってみると、色々買ってそりゃぁ喜び読み倒しましたが、敢て選ぶなら以下の四冊が特に印象に残っているのです。すべて、好きなと言うか、憧れの作家であり、その作家の好きな作品なので、手に入れられた喜びは一入なのであります。理論社・童話プレゼント「チョコレート戦争/大石真」500円、筑摩書房「YASUJI東京/杉浦日向子」220円、祥伝社「大東京三十五区 冥都七事件/物集高音」660円、集英社「綺譚集/津原泰水」110円。また来年も、こんな風に面白い楽しい古本を買って、大いに笑いたいものである。それではみなさま、よいお年を!
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2025年12月30日

12/30年末年始は“鷲尾漬け”!

原稿の仕上げをして、年末の雑事を少しだけ片付けた後、午後に精選古本を携えて外出。西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)を訪れると、店主・小野氏は店頭補充の真っ最中で、お客さんの間を縫い、忙しそうに立ち働いていた。補充を素早く終えた氏と店内に入り、持って来た古本の買取を依頼する。散々小野氏の古本頭脳を悩ませた後に、無事に交渉成立す。さぁ!そうなったら古本を売ったお金で古本を買わねば!といつもの愚かな思考回路が発動する。最近良い買取があった雰囲気なので、『古本を買いたいのですが、何か私向きのダブり本とか裸本とかありませんか?』と丁寧に聞くと、奥からブツブツいいながら、物凄い本たちを出してくれた。「これ全部鷲尾。全部ダブってて裸本だから、好きなの売ってあげるよ」と、裸本とは言え見たこともないほど揃った七冊の鷲尾三郎本を、ドンと帳場に置いてくれたのであった。同光社「特別捜査本部」「結婚式殺人」「假面の死神」光風社「地獄の罠」「葬られた女」青樹社「虹の死角」(これは後で気付いたが「結婚式殺人」の改題本であった)「屍臭の家」である。クラクラと目眩がし、同時に激しく血迷い、と同時に購買意欲がこの上なく激しく燃え上がってしまい、全冊を購入することを即座に決定する。金額は、一年間盛林堂・イレギュラーズとして務めた功績を考慮して、破格の計一万五千円にしてくれた。あ、あ、ありがとうござい!こりゃぁ年末年始は、完全に“鷲尾漬け”となることが決定!読んで読んで読みまくるぞ!とはしゃぎながら、小野氏とフミさんに来年もよろしくお願いしますと挨拶し、お店を後にする。
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その後はテクテク『青梅街道』まで出て、「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)へ。通路の置かれた古本がかなり行く手を阻む店内を右往左往しながら、年末年始も休まず営業すると言うモンガさんと古本屋さんに付いて色々語り合いながら、サンリオSF文庫「馬的思考/アルフレッド・ジャリ」アロー出版社「死にざまの研究/平岡正明・奥成達」を計800円で購入する。そのまま『青梅街道』をテクテク歩いて阿佐ヶ谷方面に戻りつつ、途中『荻窪警察署』前にあった巨大鳥小屋『ピーポーハウス』が消滅しているのに驚いたりする。阿佐ヶ谷にようやくたどり着いたら、今日が今年最後の営業日の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、講談社「漫画の罐詰/田河水泡」を550円で購入すると、店主・天野氏に「今年の買い納めですか?光栄です」と言われ、ついうんと頷いてしまう……あぁだが、明日何処かにやはり古本を買いに行くかも。そうなったらゴメンなさい……と先手を打って心中で謝りつつ、ブラブラと帰宅する。
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2025年12月29日

12/29久々の『早稲田古本屋街』にて。

今年の内に形を付けておこうと、朝から懸命に原稿書き。ある程度にまとまったところで昼食を摂り、午後に外出する。事あるごとに色々やり取りしていた「古書現世」(2009/04/04参照)の向井氏に、いつも『お店にうがいます!』と言っているのだが、実はもう一年以上ご無沙汰しているので、このままではあまりにも不義理である!挨拶に行こう!古本を買いに行こう!と、喧噪の高田馬場駅に降り立つ。あっ!東側ガード横の坂道に沿ってたくさん並んでいた、怪しい飲み屋や寿司屋やチケットショップなどが、すべて奇麗に立ち退き一掃されてしまっている……どんな事情があれ、ああいう街のエアポケットが無くなってしまうのは、街の多様性と豊かさを失うに等しいのだが。
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とは言え、こんな狭いところに、よくまぁお店が立ち並んでいたものだ……そんなことを漠然と考えながら、テクテク『早稲田通り』を東へ向かう。そしてやがて「古書現世」。おや、店頭ワゴンがなく、百均箱が出され、それは店内の安売棚前にも続いている。ゆっくりじっくりたっぷりと久しぶりの棚を味わい、向井氏に挨拶しながら晶文社「イラスト・ルポ 若者の街/小林安彦」(印ありで二枚ほどイラストに色鉛筆で色付けされていたので安値であった。ちなみに色鉛筆の着色は、帰宅してから消しゴムで上手く消すことに成功す)くもん出版「わがはいは中村春吉である。 自転車で世界一周無銭旅行をした男/横田順彌」を計2000円で購入する。そして色々、お互い久々さを感じさせず、古本や買取や荒俣博蔵書処分事件やみちくさ市の話に興じる。「ホント、お店にこなくてすいませんでした」と謝罪すると「いや、もう古ツアさんは一年に一回来ていただければ充分ですよ。古本ナマハゲ」ということで話が落ち着く。来年の『みちくさ市』も、何とぞよろしくお願いいたします!お店を出た後は、『早稲田古本屋街』をブラブラ。すると「浅川書店」(2010/07/24参照)前の歩道に出された台車安売箱の中から、なかなかの掘出し物を発見し、ウホウホと喜ぶ。平凡社「長信太のチチンプイプイ旅行/長信太」チュンソフト「かまいたちの夜2 オリジナルノベライズ 三日月島奇譚/我孫子武丸・田中啓文・牧野修」を計500円で購入する。「三日月島奇譚」は、スーパーファミコンソフトのノベルアドベンチャーゲーム『かまいたちの夜』の続編であるプレステ2ソフト『かまいたちの夜2〜監獄島のわらべ唄〜』のノベライズである。
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2025年12月27日

12/27下北沢にも高円寺にも。

昨日は午後に、今年中に連載の取材を済ますために外出。いろいろあったが、以前から読みたかった仙花紙本を、たまたまやっていた10%引きセールで買うことが出来、満足する。帰りに赤羽に立ち寄り、飲み屋アーケード街(居酒屋の客引きの女の子の猛攻が物凄い。向かい合う店同士で激しくそれをやらかしているので、今に「血の収穫」みたいなことになってしまうのでは……)の「紅谷書店」(2015/11/13参照)へ。通路に出張っている棚と狭い店頭を一瞬で眺め、コンビニ本の集英社「仮面ライダー【一文字隼人編】この“石ノ森”がすごい!vol.3」を110円で購入する。帰りも当然左右から楽しく激し過ぎる客引き攻勢に遭う。アダルト本の牙城「平岩書店」(2009/05/11参照)にも立ち寄るが、残念ながら良い出会いがなかったので、冷たい強風に首を竦め、帰路に着く。そして本日は午後二時に代沢に流れ着いたので、『茶沢通り』を北上して下北沢に出る。「ほん吉」(2008/06/01参照)の店頭は、年末最後の週末ということで、人が鈴なりである。その鈴の一部になり、古本をたくさんセレクトする。新潮文庫「プールサイド小景・静物/庄野潤三」(昭和四十年初版白帯)「アメリカン・スクール/小島信夫」(昭和四十二年初版白帯)「白痴/坂口安吾」(昭和二十三年初版)偕成社 世界偉人伝48「アインシュタイン/菅井準一」、そして帯付きの文化出版局「SFショートショート 吸血鬼は夜恋をする/マシスン ブラッドベリ テン 他 伊藤典夫訳編」を見つけてニヤリとし、計550円で購入する。
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その後は「古書明日」(2017/01/31参照)に回り込み、新潮社「目撃者なし ホワイトカラー殺人事件/樹下太郎」ハヤカワ・ライブラリー「アンタッチャブル/エリオット・ネス」を計200円で購入し、小田急線と総武線で高円寺に移動する。「西部古書会館」(2008/07/27参照)で、今年最後の古本市『好書会』一日目を楽しみ、奇想天外社「SFの時代 日本SFの胎動と展望/石川喬司」を五百円で購入し、いつものように『早稲田通り』を歩いて伝って帰宅する。下北沢にも高円寺にも、行くのは今年最後であろう。
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2025年12月25日

12/25まだ古本屋さんは開いていない。

午前十一時に池ノ上に流れ着いたので、坂を下って下北沢に出る。だがこの時間では、まだ古本屋さんは開いていない。というわけで、井の頭線に乗って一旦吉祥寺に出て、折り返すように中央線に乗って西荻窪へ。後は北にテクテク歩いて『青梅街道』まで出て、街道をトコトコ東に向かう。ほどなくして到着したのが『Title』である。今日から『Title 2Fの古本市』(2016/12/27参照)がスタートしているのである。すでにお客さんのいる一階店内に入り込み、左の急階段をギシギシ上がる。こちらにも先客一人あり。狭い空間に集まる新鮮な古本たちを短時間で眺め尽くし、やがて一冊を選んで、絶対に転げ落ちぬよう気をつけながら階下へ。ホリデー新書「スター36人斬り/竹中労」を1650円で購入し、帳場に置かれていた、こぐま社の『メリークリスマス』栞をいただき、お店を後にする。その後は荻窪駅方面に向かい南口に出て「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。キネマ旬報社「キネ旬ムック 動画王Vol.6 巨大怪獣特集」を330円で購入し、さらにトボトボ歩いて阿佐ヶ谷に帰還する。そして家で一休みした後、バッグ一杯の読了&不要絵本&図録を持ち出し、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)へ持ち込む。買取交渉成立後、先日の「鹿のデコイ」(2025/12/21)情報のお礼を言い、買取品の中に紛れ込んでいた特殊な漫画について一盛り上がりする。そして当然古本を売ったお金で古本を買う。ハヤカワ・SF・シリーズ「プリズナー/トーマス・M・ディッシュ」を1100円で購入する。TVドラマ『プリズナー・ナンバー6』のノベライズであるが、ドラマの一場面が刷られた函付きなのである。これは嬉しい!
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お店に貼られた『ひらやすみ』ポスター前で記念撮影。
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2025年12月24日

12/24昨日も今日も買ってます。

昨日は押入れから発掘した二十本ほどのカルト日本映画のVHSテープを紙袋にキッチリ詰め、吉祥寺の「バサラブックス」(2015/03/28参照)に持ち込む
(ちなみに現在の移動中の読書は、創元推理文庫「毒殺魔/ディクスン・カー」である。まだ全然途中なのだが、既に途方もなく面白い。コケティッシュな少女と結婚することになった劇作家が、ある男から彼女の秘密の過去を教えられる。彼女の前夫や恋人三人は、青酸を使い、自殺に見せかけ殺されたと言う。つまり彼女は毒殺魔なのだと。しかも実年齢は四十一歳なのだと。現場の状況は密室で完全に自殺なのだが、他殺だとしても、その方法がどうしてもわからない。なのでその男は、毒殺方法をどうしてもこの目で見てみたいと言うので、囮になってくれと劇作家に依頼する……何だ、この先が気になって気になってしょうがないミステリは)。三十分後、買取交渉が無事に成立するとともに。テープを売ったお金で古本を買う。ハヤカワ文庫NV「激突!/リチャード・マシスン」を、買取品大量持ち込みサービス価格の500円で(『激突!』は六十ページ弱の短篇で、スチーブン・スピルバーグ監督の出世作であるTV映画『激突!』の原作である。脚本は原作者であるリチャード・マシスンが手掛けている。日本語吹替え版で、穂積隆信が主人公を演じたのだが、粘着質な「ちぃっくしょぉ〜〜〜〜ぅ、あのやろぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜」という心の中の超絶恨み節が忘れられない……)。バサラさんには一年間、漫画やらビデオやらを持ち込み色々お世話になりました(もちろんたくさん古本も購入)。来年もまたよろしくお願いいたします。さらに「よみた屋」(2014/08/29参照)で函ナシのダヴィッド社「悲しみよ こんにちは/フランソワーズ・サガン 安東次男訳」を110円で購入し、さらに帰り着いた阿佐ヶ谷の「千章堂書店」(2009/12/29参照)で講談社ノベルス「火蛾/古泉誠十」を百円で購入して帰宅する。
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本日は午後六時前に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)を訪れ、まずは「フォニャルフ」に補充。その後帳場に向かい、新刊の盛林堂ミステリアス文庫「怪奇冒険探偵小説 魔尖塔/三津木春影」と、超久々のRe-ClaM別冊「完全不在証明/クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ」を受け取る。ともにカバーデザインを担当。「魔尖塔」は大正時代の三津木オリジナル少年少女創作探偵小説集の復刊。「完全不在証明」はドロシー・L・セイヤーズも絶賛した、夭折の作家によるユーモア探偵小説である。期せずして二冊とも、なかなかポップな仕上がりとなった。うむ、可愛い。
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などと満足しながら、小説刊行社「捜査本部 通り魔/長谷川公之」小学館「女学生の友」9月号付録「長編推理小説 その日を待っている/宮敏彦」を計2500円で購入する。「その日を待っている」は表紙絵の女性が強制的にグラサンを掛けさせられてしまっているので、500円であった。
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2025年12月22日

12/22八年振りの「キヌタ文庫」で掘り出す!

冷たい北風で頬をすっかり冷たくしながら。午後二時過ぎに成城の野川の畔に流れ着く。急な段丘に足を掛け、間延びした高級住宅街を経て、小田急線の『成城学園前駅』へ……だがその前に、当然「キヌタ文庫」(2009/10/25参照)に立ち寄る。実に八年振り……おっ、ちゃんとやってるやってる、と喜びながら店頭安売本ワゴン&棚を眺めてから店内へ。おや、以前は入れた右側の小部屋的スペースが、帳場全体が前方に迫り出すことにより、バックヤードと化しているではないか。なので現在のお店は左右の通路(前方&奥で行き来が可能なので、回遊通路である)が、自由に古本を楽しめるスペースとなっている。それにしても、文学と歴史がせめぎあう、相変わらず折目正しい棚造りである。店内に流れるラジオ放送を聞き流しながら、じっくりと一周する。そうやっって選んだ二冊は、なかなかの掘出し物と言えよう。岩波書店「ちいさいおうち/ばーじにあ・りー・ばーとん ぶんとえ いしいももこ やく」新書館For Ladeies「ある日、トツゼン恋が/白石かずこ」を計1200円で購入する。「ちいさいおうち」は『岩波のこどもの本』シリーズではなく、1965年初版の大型絵本である。カバー付きでスリップも入っており、デッドストックといった感のピンピンさが嬉しい。
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そして「ある日、トツゼン恋が」は実は下部がちょっと水ヌレ本なのだが、何と見返しに白石かずこの献呈献辞署名が入っているのだ!献辞は『詩をかくことは How to liveである そしてHow to liveは いつも人間を人生を How to loveなのである』と書かれている。アート・ディレクターは宇野亜喜良で、イラストは横尾忠則が担当している。豪華だねぇ。
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2025年12月21日

12/21東京・阿佐ヶ谷 鹿のデコイ

日曜日の午後、雨が降っていない間に古本を買っておこうと、ノンビリ外出する。まずはいつものように「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚とにらめっこし、扶桑社文庫 昭和ミステリ秘宝「なめくじに聞いてみろ/都筑道夫」講談社「海野十三敗戦日記/橋本哲男編」を計220円で購入すると、店主・天野氏が「あのお店どうですか?」と聞いて来た。実は最近氏から、あるお店についてタレ込まれたのだが、その場所を既に二度見に行っても、お店の気配すら感じられないのである。あるのはうらぶれたアパートだけ……本当にお店なんて存在するのか?と思いかけていたのだが、氏の話ではお店に入った人がおり「なかなか良かった」と言っていたとのこと。むぅ、もう一度、チャレンジしてみるか……。というわけでコンコ堂を後にして、件の場所に赴いてみる。……う〜ん、やっぱりただのアパートだけどなぁ……おや?一階のある一室が、扉を開け放しており、その扉の裏には紙がペタペタペタペタ貼付けてある。あっ!アパート外階段裏側の上部に、良く見たら細長いお店の看板が掲出されているではないか。うわぁ、本当にあったんだ。コンコ堂さん、ちょっと疑ってしまって、すみませんでした……。
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駅北口を出て、ガード沿いに東に横断歩道を渡る。すると道が化粧タイルで飾られた『阿佐谷新進会商店街』が現れる。そこに入ると、道はすぐにY字路となり二手に分かれる。北に向かう『西友』裏手の『神明宮』ぬ向かう道を選択。するとこれまた直ぐに右手に、舗装されていない砂利道が現れる。そこに入り込むと、うらぶれたアパートが二棟並んでいるのだが、手前アパート一階の102号室が件のお店である。開かれたアパートドアとは別に、新たに軽量の木の観音扉が設置されている。それをパカリと開けると、アパート一室を改装した、小さな白い空間である。入って直ぐ左が帳場となっており、ニット帽に長髪の店主が後姿を微動だにせず「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。妙なるフリージャズが流れている。上がり込む感じで一段上がると、中央にテーブル、右に銀のフレームラック、右奥の押入れだった場所にディスプレイ台、奥の窓際に幅広の棚、そして左壁沿いに十五のスペースを持つ棚が置かれている。銀フレームラックや中央テーブルには、実験音楽のカセットやCDが、数多くディスプレイされている。それに新刊が少々。古本はラックに選書類が横積み、元押入れ近くに小さな文庫棚がひとつ。押入れディスプレイには寺山修司・荒木経惟や「WAVE」の写真特集。奥の棚には建築・美術・写真・洋書・絵本。左の棚には、最上段にSF文庫がズラズラッと並び、下の十五のスペースには、コミック・生物・自然・科学・海外文学・思想・哲学・社会などが収まっている。どこも好奇心を刺激する棚造りが為されており、見ていて楽しい。最近の人は、自分の好ましい宇宙観を提示するのが、本当に上手である。まぁこれは、本の数がそれほど多くないから可能とも言えるのであるが。値段は普通。ハヤカワ文庫「カウント・ゼロ/ウィリアム・ギブスン」を購入する。定休日が水・木・時々日曜+不定休とかなり変則的だが、ここは面白いのでまた来てみよう。そんな風にお店に上手く入れてい家に帰ると、ポストにヤフオク落札品が届いていた。童心社「キリキリのパイプ/古世古和子・文 辻まこと・画」である。ライバルなしの1500円で落札す。背文字が焼けてしまっているが、ビニカバ帯付きなのが素敵。辻まことの挿絵は都合十九枚入っている。
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2025年12月20日

12/20東京・松陰神社前 Soleil et Lune

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午後二時過ぎに上馬五丁目に流れ着く。本来ならここから下北沢にでも伸して行きたいところだが、先日行ったばかりなので即座に諦め、高円寺を目指すことにする。というわけで、東急世田谷線『松陰神社前駅』にトコトコ向かうことにする。『世田谷通』でしばし信号待ちし、横断歩道を渡って北にある駅へと続く『松陰神社通り』に入る。するとその瞬間、東側の超小公園の前から丸椅子が連続し、その上に絵本が置かれているのが目に留まる。うぉっ!これは、古本!?と近付き、並ぶ絵本を目で追って行く。するとその先には小さく瀟洒な、緑がもじゃっと絡まるお店があり、店頭には単行本木箱や雑誌木箱等が出されている。小さなガラス窓から店内を覗くと、中にもしっかりと古本が並んでいるようだ。いつの間にこんなお店が出来たのだろうか?と突然の出会いを喜びながら店内に進む。そこは狭く横長の、まるでサーチライトの光が放射した形のような空間で、店主らしき初老の男性が、囁くような声で「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。中には、小さな、文学文庫本棚が二本、和洋絵本棚、奥に文学・美術・紀行・美術・図録・古書の並ぶ棚、そして窓際に食べ物・文庫本・海外文学・美術・児童文学の収まる棚があり、足元にはエンタメ系日本文学が並ぶ横長平台が二本、そして帳場も兼ねるテーブルには、アートブックなどがディスプレイされている。本の量はそれほど多くはないが、どの棚もどの本も、店主の好みが色濃く反映されているらしく、アート・キュート・ビューティ・ファンタジー・ファンシーが入り交じっている。値段は普通〜ちょい高。二階堂奥歯「八本脚の蝶」たむらしげる「一千一秒物語」「谷中安規の夢」「欧州スクーター旅行」などの楽しいレア本が所々に見えているが、どれもジャストなプレミア値が付けられている。欲するならば、覚悟とお金を持って来店すべし。サンリオ「人形ファンタジー クルミ割り人形/文=辻信太郎」を購入する。

その後は、東急世田谷線→京王線→総武線と乗り継ぎ高円寺へ乗り込む。「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『高円寺均一まつり』一日目(二百円均一)で、集英社「どぼらや人生/黒岩重吾」(昭和38年刊の随筆集。釜ヶ崎時代についての記述あり)筑摩書房「小説 黄金バット/加太こうじ」を計400円で購入する。さらに「古書十五時の犬」(2011/11/22参照)に回り込み、各極狭通路に潜む先客さんたちと位置を巧みに入れ替えながら、出版芸術社 ふしぎ文学館「月光学園/平井和正」を五百円で購入し、すっかり暗くなった『早稲田通り』をトボトボ伝って帰宅する。
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2025年12月19日

12/19読了した後古本を買いに行く。

朝のうちに、山田風太郎の「落日殺人事件」(容貌魁偉の名探偵・荊木歓喜が酔っ払いながら活躍する中短篇集。風太郎の探偵小説は、謎もトリックも推理も文体も何故かとても心地良い。もっともっとオリジナル本で読みたい……)と「人形佐七捕物帳 四巻」(残すは五巻のみに。いつ手に入るであろうか……)を読了する。そして午前九時過ぎに冷たい戸外に出て、中央線と山手線で五反田へ。午前中の寂しい享楽街裏通りを通過して、午前十時過ぎに「南部古書会館」着。『第168回五反田古書展』一日目である。まずは一階ガレージを一回りし、帳場の段々風貌が仙人化してきているような「古書 赤いドリル」那須氏と挨拶を交わしながら、幻燈社「午後四時の映画の本/東陽一」を二百円で購入する。そして荷物を預けてから階段で二階へ進む。今年最後の「南部古書会館」の賑わいを楽しみながら、四冊をセレクトする。岩谷書店「別冊宝石42号 江戸川亂歩還暦記念號」光文社「快楽主義の哲学 現代人の生き甲斐を探求する/澁澤龍彦」(13版)第一書房 今日の詩人叢書「詩集 近世無頼/城左門」アサヒ芸能出版社「野獣都市/大藪春彦」を計2200円で購入する。
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昭和五年刊の「近世無頼」(城左門こと城昌幸の第一詩集)と1962年刊でちゃんと帯付きの「野獣都市」が、喜ばしい収穫である。ちなみにどちらも「書肆ひぐらし」(2010/07/12参照)の棚より。
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2025年12月18日

12/18交番に寄ってから古本を買いに行く。

午後一時前に『ジブリ美術館』近くに流れ着くが、先ほど道に落ちていたSUICAを拾ったので、交番に届ける。そして昨日も来た吉祥寺に出て、店内一部改装中だがしっかり営業中の「よみた屋」(2014/08/29参照)で、ピエ・ブックス「雑誌をデザインする集団キャップ」を550円で購入する。そしてまだまだ古本は買いたいので、井の頭線に乗って思い切って下北沢まで移動する。「ほん吉」(2008/06/01参照)では広済堂文庫「ラヴ・フリーク/井上雅彦監修」角川書店「少々おむづかりのご様子/竹中直人」を計220円で購入する。続いて『茶沢通り』を渡って「古書ビビビ」(2009/10/15参照)に赴くと、店頭扉付き棚の中に、講談社コミックス コミックノベルス・10「狼男だよ VOL.2/原作・平井和正 画・ケン月影」を見つけてニヤリと微笑む。以前同じ「古書ビビビ」で、VOL.1とVOL.3を買っていたのだ(2025/01/06参照)。これで無事に全三巻が揃ったのである(ちなみにケン・月影描く犬神明は、わりとイメージにぴったりなので、私は好きである)。というわけで250円で購入する。でも前の二冊は確か百円だったはず……。そして「古書明日」(2017/01/31参照)に回り込み、創元推理文庫「月長石/ウイルキー・コリンズ」(上下合本1970年初版)を百円で購入する。そしてさらに井の頭線で東松原に移動し、「古書瀧堂」(2014/05/01参照)へ。講談社 現代推理小説大系1「江戸川乱歩集」美術出版社「植草甚一主義」を計2110円で購入する。「植草甚一主義」はビニカバが付いていないが、本体も帯も綺麗で、中には「和田誠百貨店」&「植草甚一主義」の広告チラシが挟まっていた。そんな獲物たちを得て、井の頭線とすぎ丸で阿佐ヶ谷に帰還すると、最後に訪れた「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で中央公論社C★NOVELS「巫女の棲む家/皆川博子」が店頭に出ていたので、これは!と喜び110円で購入して帰宅する。
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たくさん買った中で嬉しいのは、この三冊(「狼男だよ」「植草甚一主義」「巫女の棲む家」)であります。
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2025年12月17日

12/17おかげでタイトル案をひとつ思いつく。

今日も朝から原稿編集仕事をジリジリ進める。午後一時にどうにかまとめ上げ、後はタイトル案を幾つか捻り出すだけ……二つ考えたが、あともうひとつ欲しい。だがなかなか出て来ない。というわけで気分転換に古本を買いに行くことにする。ブラブラと外に出て、まずは最近TVドラマ『ひらやすみ』のせいで聖地のひとつになっている「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄る。角川文庫「獄門島/横溝正史」(三十版東宝映画化帯付き)早川書房 異色作家短篇集7「血は冷たく流れる/ロバート・ブロック」を計220円で購入する。その次は総武線に乗って吉祥寺に出て、古本屋さんをササッと巡る。「バサラブックス」(2015/03/28参照)ではペヨトル工房のスプラッタ・ホラー映画評論集「内臓幻想/友成純一」を八百円で購入する。これは先日読了した同じ友成純一の極私的映画評論「暴力/猟奇/名画座」が面白かったので。続いて「古本センター」(2017/03/06参照)でグループ・ケー「中世の街角で見たエンブレム/渡邊守治」を450円で購入。デザイナーによる、見ていて楽しい金属工芸看板の写真集である。そして最後に「よみた屋」(2014/08/29参照)に向かうと、店頭棚に郷愁を激しく刺激される本を発見する。家政教育社「狼にそだてられた子/アーノルド・ゲゼル」を110円で購入する。昭和42年初版で、後見返しに『教育書及一般書売買「宣文堂書店」文京・大塚・お茶の水女子大隣り』の古書店ラベルアリ。その昔、母が保母をしていた関係からか、小さな家の本棚に昔からあった薄手の教育研究書である。乳児の時に狼に攫われ、七年間その狼とともに洞窟で暮らしてた野生児の少女を、人間世界に引き戻す記録なのだが、巻頭のモノクログラビアがとにかく恐く、恐いながらも何度も本を開いて見ていたことを今、店頭でその本の背を見て、ブワッと思い出したのであった。ちなみに今必死に取りかかっている原稿編集仕事の内容が、まさに子供の頃に出会った強烈な本について語っているものなので、この偶然の暗合にちょっと驚いてしまう。おかげでタイトル案をもうひとつ思いつく。やはり古本を買いに外に出て、正解であった。
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これがそのグラビアの一部。少女は自分を狼だと思っているので、四足行動なのである。
posted by tokusan at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする