2022年11月29日

11/29小春嵐日和。

朝から真面目に連載の原稿書きに取りかかると、珍しく滞りなくするすると書き上げることが出来た。決して気や手を抜いたわけではなく、自然と最後までは知れたのである。こういうこともあるんだなと、己の未知のポテンシャルに賛辞を贈る。午後、阿佐ヶ谷駅駅頭にて、編集さんと慌ただしく表紙の打ち合わせ。久々の東都我刊我書房のお仕事であるが、二連続で探偵小説魂が激しく燃焼する楽しい作業になりそうである。編集さんと別れた後は、雨が降る前に古本を買いに行こうと、トボトボ高円寺へ。到着した頃には、パラパラと雨が落ち始めて来てしまった…これ以上激しくならないといいが…。「ドラマ高円寺庚申通り店」で文藝春秋「伝・日本映画の黄金時代/児井英生」を110円で購入した後、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。雨を避けるように日除けの下で店頭棚に熱い視線を注いでいると、通りを靴音高く歩いて来る人がいて、やがてピタリと店頭棚の前で立ち止まった。だが棚は見ずに、こちらに身体を向け何だか注視しているようだ…そしてしばらくすると、徐にこちらに向けて手を振り出した。さすがに何だろうと思って視線を移すと、完全に雨装備の荻原魚雷氏が、はにかむような笑顔で手を振っていたのであった。あぁ、気づかずにすみません!お久しぶりです!と挨拶を交わすや否や、「では」と魚雷さんは雨の中に姿をを消したのであった。それにしても魚雷さんとは、良くサンカクヤマの店頭でお会いするなと思いつつ、二冊を選んで店内へ。保育社カラーブックス「錦鯉 観賞と池庭づくり/黒木健夫」ORESKO BOOKS「The Cat's Whisker 50YEARS OF WIRELESS DESIGN/JONATAHN HILL」を計400円で購入すると、店主の粟生田さんに傘を持っていないのを覚られつつ「雨だいぶ降って来ちゃいましたよ」「降って来ましたねぇ」「どうするんですかぁ?大丈夫ですかぁ?」「大丈夫でしょう」「本当ですかぁ?本当に大丈夫ですかぁ?」「大人なんで大丈夫ですよ」と答えておく。だが『早稲田通り』をヒタヒタ帰る途中に、雨が本降りになり、生暖かい風が吹き荒れ、小春嵐日和にびしょ濡れに…大人なのに残念ながら大丈夫じゃありませんでした…。
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「The Cat's Whisker」は洋書なのだが、古いラジオについてのビジュアル本で、様々なクラシックラジオの写真が載っているので、眺めて楽しい独特なメカメカしさに満ちた一冊なのである。
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2022年11月28日

11/28家にあった本の函に収めてみる。

午後二時前に用賀に流れ着いたので、「月世界」(2013/10/24参照)の様子を見に行ってみる。だがお店はまだ、コロナ感染対策で、買取関連での入店しか出来ない状態が続いていた…残念である。田園都市線→JRと乗り継いで阿佐ヶ谷に戻り「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、シャッターがガッチリ下りて臨時休業中。明日は定休日なので二連休ということか。お店が開く水曜日が待ち遠しいな…。家に戻り、昨日手に入れた高城高署名本「墓標なき墓場」を、以前新保博久教授からいただいた同じ本の函に収めて遊んだり、大阪に補充古本箱(いつものように一週間ほどで、「梅田蔦屋書店」の古書棚に並ぶことでしょう。今回も出血大サービスの粒ぞろいですよ!西のみなさん!)を送り出したりした後、ブラブラと荻窪に向かう。
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「竹中書店」(2009/01/23参照でセゾン美術館「メランコリア-知の翼- アンゼルム・キーファー展」(扉にボールペンでの署名入り)を200円で購入し、続いて「藍書店」(2018/12/24参照)では光文社ジャストコミック「ななこSOS1・2/吾妻ひでお」を計220円で購入。そして最後に「古書ワルツ荻窪店」で、湯川弘文館「詩集 二十四時/岩佐東一郎」(カバーナシ)第一生命保険相互会社「生誕100年 村山知義[肖像画]展」を計660円で購入し、夜道をヒタヒタ歩いて帰宅する。
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2022年11月27日

11/27「これダメだろ!」

昨日買ったばかりの講談社ディズニー絵本「白雪姫/絵ウォルト・ディズニー 文村岡花子」を見ていると、本編のカラーページが終わった後に、恐らく日本側が描いたディズニー漫画が三編収録されているのだが、その内の一編のタイトルを見た瞬間「これダメだろ!」と本当に大人げなく叫んでしまう。
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こんな、こんな、こんな………。

そして本日は正午前に古本を携え外出し、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の「フォニャルフ」棚にビシバシと補充する。結構棚が動いていたが、ちょうどその空きを埋める状態になったので、実にグッドタイミングであった。店主・小野氏と少しお仕事の話をしつつ、光風社「墓標なき墓場/高城高」(箱ナシ、貸本屋印アリ)を百円で購入する。お店を出て、連載の取材に行こうと電車に乗り、早速買ったばかりの「墓標なき墓場」を繙いてみると、ぶふぉっ!何と署名入りなのであった。見返しや扉ページではなく、本を捲って捲って初めて登場する白ページに貸本屋の印とともに、サインペンで書かれていたのだ。貸本屋の本が古本として流れ、それを手に入れた人が後年署名してもらったのだろう。ありがたく頂戴いたします。フフフフフ、とても嬉しい。と興奮しつつ某店の取材を秘密裏に終える。興奮が持続していたせいか、少し高めの本を買ってしまった。いや、取材取材。これは、しょうがない買物なのだ。
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2022年11月26日

11/26見かけるたびに連想しています。

雨の上がった午後二時前に方南町に流れ着く。『環七』でバスに乗り込み高円寺に出たいところだが、残念ながら吉祥寺に行かねばならない。トコトコ永福町まで歩き、井の頭線に乗り込む。
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…ところで、京王線のこのサインを見ると、あるものをいつも連想してしまう…。それはこれ。創元推理文庫のパターンカバーである(装幀日下弘)。
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改めて比べてみると全然違うのだが、何故かいつも目にする度に連想してしまうのだ。この腕の部分が、そう思わせるんだろうな、きっと。そんな下らないことを考えていると、すぐに吉祥寺着。おばあさん二人が「原宿の竹下通りみたいに混んでるね」などと形容した街に入り込み、まずは「古本センター」(2013/07/01参照)へ。ビル内店頭処分品棚からたちまち80円本を四冊選び出してしまう。講談社のディズニー絵本「白雪姫」「101匹わんちゃん大行進」金の星社「ひらがな ピノキオ/久保喬」東成社 現代隨筆選書「カツドオヤという名の人類/山本嘉次郎」を計320円で購入する。まずまずの収穫である。さらに「古本のんき」(2021/03/31参照)で新潮社「探偵事務所23/大藪春彦」を百円で購入し、素早く所用もこなして帰宅する。
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2022年11月25日

11/25二日連続コンコ堂にて。

午後から東京東部でproject“S”の打ち合わせ。いよいよ本格的な始動体勢に入り、すでに色々な人を巻込み始めているので、もはや後には戻れぬ状況である。粉骨砕身奮闘するしかないなと覚悟を決めつつ、少し全体の日程が後にずれ込んだので、このプロジェクトについて発表出来るのは年明けになりそうである。そんな熱い打ち合わせ後に、浅草橋の「書肆スーベニア」(2022/10/06参照)に立ち寄り、ちくま文庫「鬼太郎夜話(全)/水木しげる」を300円で購入する。そして駅から総武線下りに乗り込み、フラフラと御茶ノ水で途中下車してしまい、神保町古書街をウロウロ。「光和書房」(2021/02/19参照)で新潮文庫「蜘蛛/トロワイヤ福永武彦譯」「人外魔境の秘密/横田順彌」を計600円で購入しただけで街を離れ、水道橋から総武線と中央線を乗り継ぎ、阿佐ヶ谷へと舞い戻る。午後四時過ぎなのにすっかり夕暮れの『旧中る。深呼吸して薄暗くなってきた店頭棚をガサゴソ漁ると、赤い函入りの新潮社「星新一の作品集X*おせっかいな神々 妖精配給株式会社」が何とはなしに気になってしまう。もちろん気になる確固たる理由はないので、放っておいても良いのだが、気になるなら手にしてみよう。基本的には無駄になることが多いが、愚直に面倒くさがらずに確認することが大事なんだ。と自分に言い聞かせながら、本を掴み、真鍋博装幀の真っ白な本を引き出す。パラリパラリ…や、やった。本扉前の遊び紙に署名落款が入ってる。やはり手にしてみて良かった。そして俺はますますコンコ堂を愛するぞ!と大喜びしながら、宝石社「ヒッチコックマガジン Vol.5 No.5」とともに計220円で購入する。今日も良い古本が買えて、誠に幸せである。
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2022年11月24日

11/24狙い撃ちを予想しつつ「黒魔王」を!

THE小春日和な正午過ぎに、代々木上原の尾根に流れ着いたので、谷底にスタスタ下って「Los Papelotes」(2008/07/14参照)へ。店頭で二冊掴んで店内に進むと、BGMとして流れていたのはエンリオ・モリコーネ…『荒野の用心棒』とか『続夕陽のガンマン』とか、勇壮で野蛮でセンチで切ないメロディが、魂に直接染み通って来る。むぅ、河野典生はこんな本を出していたのか…大陸書房「芸能界考現学 イメージの中を生きる 松田聖子、ビートたけしから、山瀬まみ、所ジョージへ」…的な著作なのだろうか?良くわからぬが、これは買っておこう。講談社モーニングKC「風太郎不戦日記1/漫画・勝田文 原作・山田風太郎」青樹社「新青年ミステリ倶楽部/中島河太郎編」を計660円で購入する。お店を出たら谷底を東に伝い、『山手通り』に出てバスに乗って阿佐ヶ谷に帰還する。帰り道の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前で当然立ち止まると、ぬぉっ!東京文藝社「黒魔王/高木彬光」を発見!論創社から2020年に、高木彬光生誕百周年記念出版として復刊されてしまったが、この最初の単行本が昭和三十四年に出版されて以来、全集にも入らず、文庫化もされなかった、61年間読めない名作として知られていた一冊である。復刊されたとは言え、オリジナル本はやはり珍しく、しかもこれで読めるのなら本望である。恐らく店主・天野氏に狙い撃ちされているのだろうなと予想しつつ(ちなみに天野氏は不在で、レジは奥さまであった)、報知新聞社「雀豪列伝 牌の魔術師/阿佐田哲也」とともに計220円で購入する。今日も良い古本が買えて幸せである。
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2022年11月23日

11/23「水中」の定休日が水曜に。

十一月の冷たい雨に弄ばれ、三鷹の遥か北に流れ着いたので、駅に向かいながら道すがらの古本屋さんに立ち寄って行く。まずはかなり久しぶりの「藤子文庫」(2016/03/27参照)に、短めの白い暖簾を潜って格子戸を開けて入店。相変わらず本は少なめだが、相変わらず面白い並びの棚を楽しみつつ、日本放送出版協会「紙ヒコーキ」を200円で購入する。次はさらに南に下り「りんてん舎」(2019/03/30参照)の引戸を、真鍮の取っ手を掴んで開けて「こんにちは」。表で見付けた人文書院「十二神將變/塚本邦雄」とともに徳間書店平和新書「魔天忍法帖/山田風太郎」(『風太郎忍法新作長編怪・艶・奇・妖! 夏の夜のオトナの夢』とある帯付き)を計660円で購入する。雨はまだ降り続いているので、店主が気を利かせて本をポリ袋に入れてくれた。ありがとうございます。そして最後に「水中書店」(2014/01/18参照)に寄ると、ありゃりゃ、閉まってるぞ。臨時休業だろうか…と暗い店内をガラスの向こうに浮かべる入口ドアに近付いて見ると、そこには一枚の貼紙が…『2022年9月14日より、定休日が火曜日から水曜日に変更となります。…』し、知らなかった。この辺りで水曜が定休日の古本屋さんは、西荻窪「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)と高円寺「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)「大石書店」(2010/03/08参照)などが思い当たるが、「水中書店」が仲間入りするとは。これから火(「りんてん舎」は火曜定休)・水に三鷹に来る時に気をつけなくてはイカンな。
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2022年11月22日

11/22密やかにイレギュラーズ。

昨日は西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)からレンタカーのボンゴ号に乗り込み、盛林堂・イレギュラーズとなり、ハンドルを握る店主・小野氏とともに神奈川県某所へ買取に向かう。午前八時半に出発し、午前十時過ぎに現地着。そこから本棚およそ七本分の良質なミステリ本を、依頼人家族が日常生活を静かに送る中、こちらも密やかに本を棚から下ろし、結束して行く…限りあるスペースを上手に生かし、およそ二時間ぶっ続けの作業で五十本ほどの束を生み出し、速やかに撤収する。渋滞等には巻込まれずストレス無く帰還し(ロードサイド店でラーメン休憩あり)、本を倉庫やお店に下ろし、すべてを終えたのは午後四時過ぎ。そこであっ、そう言えば!と表紙デザインを担当したクラシックミステリ評論同人誌「Re-ClaM vol.9 特集:忘られぬROMの総て」を受け取る。小特集はパトリック・クエンティンで、短編『石膏の猫』と中短篇の書誌が掲載されている。
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そしてその後は午後五時前だが小野氏とお互いの活躍を労い、飲みに行くことにする(これはただ小野氏が、通常月曜日は市場に出た後、古本屋さん仲間と飲みに行くのが慣例になっているので、月曜の仕事後はどうしても飲まなければ気が済まないのである)。阿佐ヶ谷の二階のお蕎麦屋さんで、そばみそを舐めながら呑み、古本話やアニメの話などに打ち興じる。午後七時に解散。

本日は早朝から真面目にデザイン仕事をこなし、ここしばらく取りかかっていたある仕事の全体にようやくたどり着き、まだまだ終わらぬが少しホッとする。暖かな午後にちょっとだけ外出し、高円寺「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に顔を出す。東宝東和映画パンフ「メトロポリス」社会思想社「魔術館の一夜/泡坂妻夫」全国建設研修センター「土木の絵本 近代土木の夜明け/画・構成かこさとし 文・編集おがたひでき」を計700円で購入する。「近代土木の夜明け」は1999年刊の、かこさとしの未知のお仕事である。すぐ家に戻り、さらにデザイン仕事を続けつつ、息抜きに大阪に送る古本の準備も始める。
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2022年11月20日

11/20「随筆 猫」元本。

朝からデザイン仕事を二三進めて、午後に入ってから、雨が降る前に古本を買っておくべきだと気付き、しっかり厚着してプラプラと荻窪へ向かう。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、東峰出版株式会社「隨筆 猫/松本恵子」白水社 世界の新しい文学「刑事/B・J・フリードマン」を計220円で購入すると、店員の野村氏から「文フリには行かれないんですか?」と聞かれる。「いや、文フリ行ったことないんですよ」と答えるが、実はたくさん買ってしまいそうで恐いし、何より古本が売ってないんですよ、と心の中では返答する。

探偵小説家・松本泰の妻、翻訳家・松本恵子の「隨筆 猫」であるが、実は以前日下三蔵氏からダブり本としていただいた本があるのだが、それは1978年刊の講談社「隨筆 猫」であった。今回手に入れた東峰出版版は昭和三十七年刊。つまりこれが元本なのである。
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左が東峰版で函入り本。右が講談社版。

本文内容は同じであるが、東峰版には冒頭に猫のモノクログラビアがあり、また序文をしたためているのは式場隆三郎である(講談社版では田河水泡の妻、高見澤潤子)。そして何とこの本は、見返しに『年々や籐椅子出せば猫の座に』の句とともに署名がされているのだ。
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やはり今日も古本屋さんに出向いて良かった良かったと大いに感じつつ、「藍書店」(2018/12/24参照)で岩崎美術社「ルドン 素描と版画/解説駒井哲郎」を330円で購入し、少し小雨が降り始めた頃に帰宅すると、ヤマト運輸さんが連日のヤフオク落札品をタイミング良く届けてくれた。東京文藝社「妖奇長編時代小説 血髑髏/高木彬光」である。ライバルチョイありの620円で落札す。昭和三十一年刊だが、函も元セロも付いている良い状態なのだが嬉しい。物語の発端は、以前幕府顛覆計画の一味と目された侍が、謎の賊に襲われ一瞬気絶していたと思っていたら、何と三年の月日が経過していたという、掴みはOKな摩訶不思議な始まり!期待に胸がひょこひょこ躍ってしまうではないか。
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2022年11月19日

11/19渡辺雄吉の初単行本。

午後三時前にカレーの匂いがたくさんの路地から漂う賑わいの下北沢に流れ着いたので、「ほん吉」(2008/06/01参照)に急行する。おっ、「張り込み日記」の写真家・渡辺雄吉の本があるじゃないか。フリーの職業写真家として生涯を送った渡辺の処女出版、実業之日本社「カタコトで世界を駆ける/渡辺雄吉」である。エジプト&アフリカをカメラを提げて渡り歩いたこういう仕事もあり、「張り込み日記」のようなルポルタージュ仕事もこなしていた職業的器用さに思い至ると、頭を深く深く垂れ、敬意を表さなければならない気がして来る。他に朝日新聞社「捜査一課/西川武男」東京創元社 世界推理小説全集12「百万長者の死/G・D・H&M・コール」河出書房「臨時増刊文藝 横光利一讀本」とともに計
440円で購入する。
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家に帰り、2013年の渡辺雄吉個展『張り込み日記』鑑賞時に購入したroshin books「張り込み日記/渡辺雄吉」とともに記念撮影。

そして井の頭線とすぎ丸で阿佐ヶ谷に帰り着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で久保書店Q-T books「第3次大戦後のアメリカ大陸/アルジス・バドリス」角川ホラー文庫「新青年傑作選 爬虫館事件」中公文庫「肌色の月/久生十蘭」を計770円で購入して帰宅すると、昨日入金したばかりのヤフオク落札品が、嬉しいことにもう届いていた。小学館「女学生の友」付録「しらかばの微笑み/宮敏彦」「ジルダよ眠れ/宮敏彦」「海とみさきの青春/平岩弓枝」、すべて推理小説である。ライバルチョイありの、各540円で落札す。
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平岩弓枝のとても推理小説と思えぬ「海とみさきの青春」は、後に集英社で発売されるコバルト・シリーズの言わば元本である。これは嬉しい。それにしてもこの時代の「女学生の友」付録本の表紙イラストを手掛ける藤田ミラノの作風は、独特な魅力あふれるスマートさを湛えていますな。
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2022年11月18日

11/18四年ぶりに「ペペ古本まつり」へ。

先日室内で行方不明になった古本仕上げ用道具袋が無事に発見された。いつも於いてある場所の下の、本の山とパソコン台の狭い隙間に落込んでいたのだ。どうやら先日の地震が原因らしい。使用した後、置きそうな場所を推理し、様々な場所を探したのだが結局見つからなかったので、ダメ元で見えない暗い隙間に手を伸ばしたところ、ビンゴ!となったのである。ふぅ、これで古本に値段がつけられる…。そして本日は午後に吉祥寺に赴くはずの用事が延期になったので、思いついて本川越駅前で22日まで開かれている「ペペ古本まつり」(2015/11/19参照)を見に行くことにする。実に四年ぶりの訪問である。鷺ノ宮駅からおよそ五十分の車中を、創元推理文庫「伯母殺人事件/リチャード・ハル(今中盤なのだが、頭の中に既知感が閃き、『ウルトラマン』第34話『空の贈物』を連想していたことに気づく)を読んで過ごす。やがて終点の本川越駅に到着し、駅前広場に出ると、青空の下に十三の古本テントがノンビリ長閑に並んでいる。ちょっと肌寒い風に晒されながら、ゆっくりと一巡する。ヱスビー食品株式会社「くいしんぼうのきょうりゅうグルメ/さく・宗方あゆむ え・あべともこ」駿南社「最新映畫監督法」(箱ナシ)を計750円で購入する。「くいしんぼうのきょうりゅうグルメ」は1984年出版のヱスビー食品のノベルティ絵本である。食いしん坊の恐竜に襲われたカレーの王子さまとお姫さまとくまさんが、カレー・シチュー・ハヤシライスを作って危機を脱出する、ヱスビー食品全開な物語。
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家に戻って以前入手した同じヱスビー食品の「日華洋風S&Bカレー料理全集」(1951年)と記念撮影。三十三年+三十八年の時を越え、ヱスビー食品の新旧ノベルティ本が出会った!

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「最新映畫監督法」は昭和二年刊の映画監督の歴史と役割とテクニックを紹介する一冊。口絵の『ファウスト』撮影中のF・W・ムルナウがキャーステキ!そして実はこの本はproject“S”の周辺資料なのである。役立ちそうな本が安く買えて良かった。
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2022年11月17日

11/17猿の手ニョキニョキ。

正午過ぎに関町を東西に貫く『青梅街道』に流れ着いたので、覚悟を決めて吉祥寺までトボトボtトボトボ歩いて行く。そして裏路地の「Main Tent」(2015/03/26参照)へ。店奥の『古い絵本』コーナーに神経を集中していると、小峰書店 創作幼年童話9「おばあさんのひこうき/作=佐藤さとる え=村上勉」にロック・オンしてしまう。これは村上勉の絵が初期バージョンの一冊である(タッチは今と同様緻密で軽やかで独特に捩じれているのだが、若描き的初々しさが漂っているのだ。つまりはアーリー・村上勉!)!カバーナシで二千円だが、これは買っておかねばなるまいと、消費税をプラスした2200円で購入する。
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次に「百年」(2008/09/25参照)の階段を上がり、気になる本を見つけるが、二千円の本を買ったばかりなので、ちょっと考えることにする…明日もこちら方面に来る予定なので、その時に決めるか(まぁ結局買うんだろうな)。というわけで最後に「古本センター」(2013/07/01参照)で、前橋文学館「朔太郎と前橋/波宜亭倶楽部編著」を80円で購入して帰宅する。

そして綺想社の今月の隠し球が情報解禁になったのでお知らせ!表紙デザインを担当した「ジェイコブズ怪奇幻想作品集 猿の手/W・W・ジェイコブズ」であります。新訳未訳合わせて計21編を収録。『猿の手』はいつ読んでも、その怪奇な高い地位は、決して揺るがぬ名作である。というわけで、表紙にも裏表紙にも猿の手ニョキニョキが目印。このデザイン、楽しかったぁ〜。11/20の『文学フリマ』盛林堂ブースで発売開始。その後はいつものように盛林堂店頭&’通販サイトや中野「まんだらけ海馬」や神保町「PASSAGE」にも並ぶことでしょう。この本を右手に掴んで、声を出して願いを言えば、もしや……。
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2022年11月16日

11/16古本仕上げ用道具袋よ、何処へ…。

朝からちょっと手間のかかるデザイン仕事に真面目に取り組み、午前を過ごす。午後イチ辺りにその仕事に目処がつき、相手方にボールを投げてから、外出の準備を始める。補充用の古本をちょっと集め、クリーニングした後にさて値札を…あれ?販売古本仕上げ用の道具が入った袋が見当たらない…おかしいな?と部屋のあちこちを探すが、やはり影も形も見当たらない…これはいったいどういうことだ?四次元空間に行ってしまったのか?と焦りながらさらに探すが、やはり見つからない。このままだと埒が開かないので、古本の補充は今回は諦め、徒手空拳で出かけることにする。そしてすぎに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にたどり着き、近代社「池田大助捕物日記 春雨五人男/野村胡堂」立命館出版部「印度の古壁画を探る/杉本哲郎」を計200円で購入しつつ、今まさに帳場に大量に届きつつある盛林堂ミステリアス文庫新刊「健さんのミステリアス・イベント体験記/松坂健」を拝受する。巻末の地図ページをお手伝いで制作したのである。ミステリ・コンシェルジュの松坂健氏が、2010年〜2021年に「日本推理作家協会会報」に連載していた、ミステリに関するイベント(展示・舞台・講演などなど)を内外問わずに体験した94のルポをまとめた一冊である。外観は全480pの鈍器本!カバーデザインはYOUCHANさんで、版型は異なるが、以前に出た「海外ミステリ作家スケッチノート」を対を成す意匠に仕上げられている。盛林堂通販サイト現在予約受付中で、11月20日開催の文学フリマより発売開始とのこと。
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お店を出たら高架の北側に出て「古書音羽館」(2009/06/04参照)へ。店頭横積み列の下層に、双葉社「続・秘聞◎七幻想探偵譚 夢の陽炎館/横田順彌」を見付けたので400円で購入する。それにしても古本仕上げ用道具袋は、何処に行ってしまったのだろうか…?
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2022年11月15日

11/15ブックオフで「220えんっ!?」と叫んでしまう。

本日は雨の午前七時に盛林堂号に交差点でピックアップされ、毎度おなじみ「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏とともに、まずは一路北関東某所に向かい、水玉蛍之丞研究家・すけきよ氏をピックアップ。そこからさらに北関東某所の細谷正充氏邸(2019/06/28参照)に向かう。盛林堂・イレギュラーズとして、書庫整理のお手伝いをするのである。雨が小止みになり始めた午前十時過ぎに到着すると、家の手前にあるガレージに見なれない黒豆柴犬が繋がれており、警戒度マックスでギャウンギャウン吠えまくっている。
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以前はこんな子いなかったのに…と思ったら、新しく飼い始めたとのことであった(最初は吠えられまくったが、折りを見て何度も顔を出すうちに、終いには身体中を触らせてくれるほど仲良くなりました)。そんな嬉しい出会いがあり、細谷氏に邸内に招かれ、作業内容を打ち合わせる。まずは午前中は、三階にスチール本棚キットを五本運び上げた後組み立て、そこに二階書庫から搬出した雑誌や本を並べて行くことに決まる。まずは二階書庫に飾られた山田風太郎の色紙にご挨拶し、さらに藤村正太「星が流れる」のオリジナル本に感心した後、小野氏と私が本棚をゼイハァ運び上げ、ぎっくり腰気味で本調子ではないすけきよ氏がダンボールを開けたり本を並べて行く作業をして行く。
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本棚五本を抱きつくように運び上げた後は、必死に組み立て、所定の位置に配置したら、後は二階で小野氏は三階行きの本を掘り出しながら場を整理し、私がひたすら二階から三階へ本を地道に運び上げて行く。
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棚が二本雑誌で埋まった時点で正午を過ぎていたので、昼食を摂り英気を養う。そして午後は、二階書庫の床に直置きになった文庫本を一ヶ所に集めたり、細谷氏が苦労しながら三階行きと判断した本を運び上げ、残りの棚に収めて行く。私は広い書庫の各通路に散らばる文庫を集めたり、またもや本を三階に運び上げたり、二階廊下にプールしてあったダブり本や不要本を一階に下ろす作業に従事し、結局一日中一階から三階を階段で上り下りしていた気が…。
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そんな身体動かしっ放しのハードな労働だったので、午後四時の作業終了時には、もうヘトヘトであった。最後に茶の間で四人でお菓子を食べつつ色々話していたら、すけきよ氏が「いったい何冊くらいあるんですか?」と質問、すると細谷氏が「十六〜七万冊だよ」と答える。そこに小野氏が「いや、色々隠れていたりするので、二十万冊はありますよ」と分析。すると細谷氏が「いやぁ〜今日作業してわかったけど、全然減らないね。一万冊ぐらい、早く減らしたいよ。多分人間が所蔵する適量は、十五万冊くらいだと思うんだよね」…じゅ、十五万冊……完全に人間離れしていますよ。だが、本日の名言であります。

というわけですっかり疲労した三人を乗せた盛林堂号は、すぐさま帰ると思いきや、陽が落ちて明度を落としつつある北関東の広大な風景の中を疾走し、「ブックオフ」に寄り道して行くのであった(小野氏とすけきよ氏は細谷邸を訪れた後は、必ず「ブックオフ」を巡るのが慣例になっているのである)。寄らずにおられない二人の古本魂を多少恨みつつ、仕方なしに私も店内に吸い込まれる羽目に。だがせっかく入ったんだから何か買いたいものだと思い、「BOOKOFF SUPER BAZAAR17号鴻巣吹上」では、角川文庫「大藪春彦マインド 荒野からの銃火」左右社「ヒツクリコガツクリコ ことばの生まれる場所」を計330円で購入する。
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次の「BOOKOFF 東松山松葉店」では創元推理文庫「夜鳥/モーリス・ルヴェル」を110円で購入し、「ブックオフ」を苦手とする私にしては、そこそこ良い本が安値で買えたじゃないかと、ある程度満足していると、小野氏に声を掛けられ、奥の函本が並ぶコーナーに連れて行かれた。「ほら、国書の「ホフマン」があるんだよ。五千円だけど。他にも山尾悠子が並んでるね」などと言われたので、むぅー。渋くマニアックな並びだなと思いつつ。同じく国書刊行会の「山尾悠子作品集成」を興味本位に手にしてみた。その途端にギョッとして、「220えんっ!?」とデカイ声を出してしまった。函の裏面に、220円の値札ラベルが貼られていたのである。最初は「2200円」の見間違いと思ったが、よく見てもそれは220円…「お、小野さん、これ220円だって」「え〜っ?」「いやでも、函の表に貼られたラベルには『6800円(税込(7480円)』ってあるよ。何かの間違いなのかも」「でももしかしたら本当に220円かもしれないよ。レジで聞いてみたら?」「よし、そうする!」と興奮しながら勇躍レジへ。レジのお兄さんに函裏を見せながら「あの、これ、220円ってあるんですけど、本当に220円ですか?」と馬鹿正直に聞くと「ハイ、220円です」と明るい笑顔で即答された。「買います!」とこちらも直ちに返し、嘘のような220円で購入する。二〇一七年第六刷の帯付きで、何処にもおかしなところは見当たらない。俺、ブックオフで初めて大物を安値で釣り上げた気がする…今日このお店に立ち寄り、本当に良かった。小野さん、それにすけきよ君。心の中で「なんでこんなに疲れて帰る時間も遅くなるのに、ブックオフなんかに寄るんだよ」などと思ってゴメンナサイ!ブックオフに寄り道してくれて、感謝感激雨霰です!
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posted by tokusan at 23:02| Comment(8) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月14日

11/14意外なお店で佐藤さとるを。

昨日は雨の降る前に古本を買っておこうと、生温い強風のために生まれた真新しい落葉の堆積をカサコソ踏み分け、中村橋まで出る。「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)店頭に食いつくと、青銅社「ふらんす怪談/H・トロワイヤ 澁澤龍彦訳」河出書房新社「團十郎切腹事件/戸板康二」が手に吸い付いて来たので計400円で購入する。「團十郎切腹事件」は三版だが、この値段でオリジナル本が読めるのは嬉しいね。続いて西武池袋線に乗って保谷に出て、いつものように定点観測よろしく「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)へ。ダイヤモンド社「視覚のいたずら/長尾みのる」を110円で買うに留まったので、もっと古本が買いたい!と隣駅のひばりケ丘まで移動し、駅近くの「近藤書店」(2014/09/22参照)を見に行くが、残念ながらシャッターアウト…だがそれにしても、シャッター前に花の咲く植木鉢が多数置かれ、これではお店を開ける度に大変な移動作業が必要に…まさかお店が休業状態でこんなことに、と言うわけではないだろうが。まぁいい、また来ることにしようと思いつつ、古本に触れられなかったことを残念に思いながら帰宅する。

そして本日は駒沢大学辺りに午後三時前に流れ着いたので、素直に田園都市線で渋谷に出て『宮益坂』をタラタラ上がり、「中村書店」(2008/07/24参照)へ。店頭木箱の前に早速しゃがみ込み、背後を通過するお洒落人種たちをものともせずに、古本に集中…するとまずは、あかね書房「小鬼がくるとき/佐藤さとる」(1977年初版)を見付けて軽く有頂天になり、PARCO出版「アール・ヌーヴォー/マリオ・アマヤ」「アール・デコ/ベヴィス・ヒリアー」角川文庫「大いなる罠/ドン・スミス」を勢いで掴み出して店内へ。さらに右壁下の文庫ゾーンから帯付きの河出文庫本格ミステリコレクション2「岡田鯱彦名作選/日下三蔵編」を見つけ出し、計1000円で購入する。百均本が多いが、こんなに「中村書店」で古本を買ったのは初めてである。
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かなり嬉しい「小鬼がくるとき」。後で帯が挟み込まれているのを発見し、嬉しさが倍増いたしました。

※そろそろ古本屋さんの店頭で見かけるようになるはずの「日本古書通信 2022年11月号」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は私の番で、透明人間児童文学の名作「カポンをはいたけんじ」について、子供時代の兄妹事情とともに熱く回想しておりますので、ぜひともご笑覧くださいませ。岡崎武志の連載『昨日も今日も古本さんぽ』にもちょこっと顔を出しております。
posted by tokusan at 18:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月12日

11/12「杉野書店」の現況が壮絶だった。

昨日の夕方、阿佐ヶ谷駅駅頭にて、表紙デザインを担当した綺想社の新刊二冊を受け取る。「星は昏い/ピーター・チェイニー」(イギリスの探偵小説作家による、1943年刊の第二次大戦下に英国で繰り広げられる諜報戦非情群像劇である)「印度幻想奇譚集 小さな真鍮の神/B・M・クローカー」(キャサリン・タイナン「メアリー・キャシディの帰郷」に続く、愛蘭土女流作家幻想小説集第二弾。1890年代の作品集から印度が舞台の作品を十二編収録)。まったく相変わらずこんなレアな作品たち、何処から見つけてくるのだろうか…本日から「盛林堂書房」店頭&通販サイトや中野「まんだらけ海馬」や神保町「PASSAGE」で取扱が開始されているので、探偵諜報怪奇幻想の沼に胸までドプリと浸かりたい方々は、ぜひ!
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そして本日は午後三時過ぎに祐天寺に流れ着いたので、フラフラと「北上書房」(2009/02/21参照)を見に行ってみる…だが、お店はシャッターで鎧われており、『本日休業』の札が無情にも下がっていた…どうやら神保町の古書展に参加しているようだ。だがこのまま敗走するいわけにはいかぬので、中目黒方面までツラツラ歩き、『目黒銀座』の「杉野書店」(2009/06/25参照)を超絶久しぶりに見に行くことにしよう…果たして2022年現在、お店はどんなことになっているのか。お洒落な洋服屋や雑貨屋や飲食店が並ぶ商店街を北上して行くと、おぉ!店頭に二台のスーパーカブが並んだ古本屋さん頼もしくが営業中!しっかり現役で喜ばしいな!と感激しつつお店に近付くと、げぇぇっ…何だか店内が壮絶なことになっている。外からガラス戸越しに様子をうかがえる右側通路は、乱雑に結束本の山で埋め尽くされ、明らかに進入は不可能な状態である。
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左側通路もほぼ結束本乱雑山に支配されており、かろうじて中文書やアダルトや歴史本が並ぶ通路棚を見られるだけの状態である。こりゃまた溜め込んだものだ。幸いに店頭安売本の中から、ちくま文庫「超発明/真鍋博」を確保していたので、200円で購入し事無きを得る。あぁ、左側通路の文学棚には、もう対面出来そうにもないなぁ。
posted by tokusan at 19:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月11日

11/11午前中に古本市をハシゴする。

色々なところにメールを送った後、それらが返って来る前に古本を買っておくかと、午前九時半に外出。駅前で多少の用をこなした後に、総武線に乗り込み創元推理文庫「伯母殺人事件/リチャード・ハル」を読みながら新宿に向かう。新南口から外に出ると、上は青空左右はビルで下は線路の空中デッキで、暖かな陽の光が降り注いでいる。そしてテクテク『東急ハンズ新宿店』へ。今日から二階のイベントスペースで、「TOKYO BOOK PARK×ハンズ」(2021/11/11/参照)が始まっているのである。開店して間もないのに、すでに平台と木箱で造り上げられた各古本島には、古本好きが張り付いている。洒落た品揃えの各店をぐうるり巡り、「徒然舎」(2012/05/24参照)の島からソノラマ海外文庫「モンスター伝説/ロバート・ブロックほか」早稲田大學出版部「世界の奇觀/横山又次郎」(函ナシ)を計1200円で購入する。このイベントは11/24まで。「世界の奇觀」は大正十三年刊の、世界の七不思議を中心にその他の奇々怪々な出来事をまとめた本であるが、表紙に箔押しされているイラストが、シャム双生児というのがぶっ飛んでいる。
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古本を買ったらすぐさま新宿にサヨナラし、再び電車に飛び乗り高円寺で途中下車。「西部古書会館」(2008/07/27参照)で昨日から開催中の「BOOK&A展」を覗く…と思ったら、会館ガレージの門扉の鉄レールの車止めに思いっきり爪先をぶつけてしまった!…ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。痛みが治まってから探索開始。岩谷書店「探偵小説三十年/江戸川乱歩」文園社「美しき友情/浅原六朗」を見つけ、計2650円で購入する。この市は11/13まで。
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乱歩が1650円、浅原が1000円と、この値段ならお買い得であった。会場内では古本神・塩山芳明氏に遭遇し、劇画系エロ雑誌の古本値高騰や、氏が藤木TDC氏と始めた古本からエロスを考察追求するYouTubeチャンネルについてお話しする。
posted by tokusan at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月10日

11/10今日は何だか雑誌ばかりを。

午後三時前に上北沢の北に流れ着いたので、『環八』を伝って高井戸駅のある谷に落込み、高架ホームから井の頭線に乗って吉祥寺へ向かう。そしてまずは「古本センター」(2013/07/01参照)に潜り込むと、処分品棚で、帯は無いがデッドストック品のように函がツヤツヤで綺麗な講談社「枯草の根/陳舜臣」が目に飛び込んで来た。おぉ、元パラも付いている!と、中央公論社「日本探検/梅棹忠夫」とともに計160円で購入する。
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あまりツヤツヤ過ぎるので、俺が映り込んでしまっている…。

続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭で講談社「ベストセラー小説の書き方/ディーン・R・クーンツ」キネマ旬報社「キネマ旬報別冊 日本映画シナリオ古典全集第二巻」を掴み、店内の50均文庫棚を見に行こうとすると、入口前の300〜500円本棚に、古い学年誌や学習系児童雑誌が出されているのが目に留まる。気になるものを手に取り目次を確認して行くと、よぉっ!楠田匡介の連載探偵小説『都会の怪獣』が載っているのを二冊発見!第十一回と最終回だ。これは買っておこう。と言うわけで前述の二冊とともに、小学館「小学六年生 昭和28年二月号&三月号」を計880円で購入する。
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そしてちょっと夕闇が迫り始めた阿佐ヶ谷に帰り着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照9前で立ち止まる。店頭均一棚の上に、十冊弱の宝石社「ヒッチコックマガジン」が並んでいる…中島河太郎の『日本推理小説史ベスト・テン発表』掲載の62年4月号『'62ガン・ダイジェスト』をまずは確保。さらに横溝正史×鮎川哲也×中島河太郎×田中潤司がクロフツについて座談する『名作“樽”をめぐって』掲載の62年8月号『恐怖特集小説号』を確保すると、ある二冊が他の「ヒッチコック・マガジン」と異なっているのに気付く。同じ中綴じだが、全体が薄めの130ページほどで、表紙がツヤツヤのコート紙なのである…これは、初期の本なのか。昭和34年刊の、2号と4号なのであった。この時代の雑誌のキャッチは『都会人のためのミステリーズ』である。2号の巻頭記事『ヒッチコックマガジン発刊記念パーティー開かる』がたまらない。大下宇陀児の祝辞『シツッコク(ヒッチコック)おやんなさい』が文句なしに最低である。計440円で購入する。
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2022年11月09日

11/9連載第六十回は大物買い!

朝からデザインの構想をひとつ進めつつ、帰ったら取りかかることに決め、昼食後に外出し、ブラリブラリと荻窪へ。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で店内BGMのトレント・レズナーの歌声に身震いしながら、三一書房「殺陣/永田哲郎」弘文堂「ニイチエ譯詩集 識られざる神に」を計330円で購入する。続いて「藍書店」(2018/12/24参照)に向かうと、まずは店頭棚で落款署名入りの日本航空文化事業センター「安野光雅のスケッチブック」(1991年刊のJAL機内誌の連載をまとめた画文集である)を見つけて血流を早める。さらにカバーナシの現代社「はだかの王様 山下清の絵と日記/式場隆三郎編」を手にしてから店内に踏み込み、コダマプレス「ロック冒険記 第一部デイモンの嵐編」(奥付の発行年月日『昭和41年8月25日再版発行』がスタンプで『昭和41年12月8日』に修正されている。どうしたんだろう。巻頭にある手塚の言葉『かつての我国にはSF作家についての系図はないに等しい。押川春浪。海野十三等が惑星のように光っているだけで、…』が泣かせる)朝日新聞社「のの字ものがたり/田村義也」捕物出版「朝顔金太捕物帳/横溝正史」を手元に集め、計1540円で購入する。うむ、今日も良い古本たちが買えた。さっさと帰ってデザイン作業を進めることにしよう。
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※本日辺りから書店に並び始める「本の雑誌 千両万両大入り号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、下高井戸の駅前アーケード市場を抜けた商店街にある老舗古本屋さん「古書 豊川」へ。連載第六十回を記念するように、連載中で一番の散財をしてしまいました。その釣果の写真は記事内では惜しいモノクロなので、ここにカラー写真を掲げておきます!
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すべて非貸本で、初版本もアリ。これを目にして魂がブルブル震えてしまった方は、ぜひとも最新号の「本の雑誌」を紐解かれんことを!
posted by tokusan at 14:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月08日

11/8古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十三章】

二か月半ぶりの日下三蔵氏邸書庫片付けに向かうために、家の近くで盛林堂号の到着を午前七時から待っているのだが、なかなか姿を現さない。一体何をしているんだ?いや、原因はわかっている。昨日の定例の古本屋さん飲み会で、恐らく楽しく飲み過ぎたのであろう…。結局十五分遅れで、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)店主・小野氏が謝りながら登場。西荻窪を経由して、都心の渋滞の中に突っ込んで行く。いつもより行動が遅めなので、『環八』はもう大渋滞である。まぁ都心脱出の通過儀礼なので、そこは諦めているのだが、ナビがいつもと違う湾岸を通るルートを提示している。このまま『環八』をジリジリ進むよりは、コンピューターがこちらの方が空いていると指し示しているのだ。信じてみよう!と一路湾岸へ。すると下道から首都高に乗って、湾岸線に入るまではギュウギュウだったが、そこからは実にスムーズで快適なドライブとなった。キリン似のガントリークレーンがたくさん並ぶ港や、デストピアのような製鉄所、広大な工業地帯の向こうに煌めく海を眺めながら、およそ二時間後の午前九時半に日下邸に到着する。邸宅前で偶然であった日下氏のご母堂と挨拶を交わしていると、玄関から「お久しぶりです」と日下氏も登場。まずは仕事部屋の和室に招かれ、現在進行中の多数のアンソロジーについて、山と積まれた資料本を解説しながらレクチャーされる。いや、ここ最近書庫の資料本へのアクセスが格段にアップしたので、お仕事がスムーズに進むのは、お手伝いした身としては、大変に嬉しいことであります。ところが氏はそんな本来の仕事を進めると同時に、書庫の整理も確実に進めていたのであった。書庫の奥のコミック通路もすべて開通し、なんと勝手口から裏庭に出られるようになっているではないか!
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本来の家の機能覚醒、バンザイ!おぉ、この永井豪棚の並びが、1970年代で、年齢的にどストライクでたまらんぞ!
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というわけで午前中のミッションは、裏庭最奥の物置から単行本や漫画雑誌(大量)を引きずり出し、それを日下氏が選別し、空いた物置と勝手口から書庫に運び入れる作業となる。私は物置から埃まみれになって本を引っ張り出し、日下氏を経由して小野氏が書庫で処分本を結束して行くフォーメーションを採る。手前の単行本から作業開始すると、うわっ、城昌幸の若殿シリーズセットとか、桑山善之助(朝山蜻一)「彫金師の娘」とか横溝正史「旋風劇場」とか、早速出て来ましたよ。
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それに「PHOENIX」とか「GUILTY」とかミステリ同人誌も。良く見るとカラーボックス棚には、津原やすみの講談社ティーンズ文庫が大量に…ん?何だこの『GENIUS(天才)』とある紙袋は?うひゃぁ、ウルトラマン&仮面ライダーのカードとアルバムがギュウギュウに詰まってる。「日下さん、スゴいの出て来ましたよ!」「あぁ、これ。子供の頃集めたやつです」とこともなげに答える。「こ、こ、こんなに多種のアルバムが手に入っているなんて、どんだけカード買ってたんですか!」などと激しく嫉妬羨望してしまう。
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そんなことがありながらも、どうにか作業を順調に進め、単行本と漫画雑誌は無事に搬出に成功。と同時に、業者さんが新しい物置設置の下見に現れた。我々はそれをしばし静観した後、後片付けをして昼食に出発。美味しいお寿司をパクパク食べて、午後はマンション書庫に移動。リビング奥の棚と、台所の整理を驚くほど順調に進めて行く。こんなにも作業が滞り無く進捗するのは、広いスペースが出来、何処に何があるか把握出来るようになった、今までの地道でハードな作業のおかげなのである。嬉しいが、微妙に寂しくもある。何故なら、我々盛林堂チームのやるべきことが、段々少なくなって来ているからだ。まぁ当然それは素晴らしいことなのであるし、今での作業がハード過ぎたという一面もあるのだ。だがそれでも、まだまだ大仕事は残っている。臨時のアパート書庫の撤収作業と言う、一大難事が…。
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というわけで午後四時には作業終了し、本邸に舞い戻る。そこで一息つくために、ご家族が労いのために葉山のカフェで購入して来た、めったに買えない人気の『MARLOWE』のプリンをいただく。硬めで口にした瞬間、カスタードとカラメルの薫りが口中で濃厚に絡み合う絶品でありました。
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そしてお片付け恒例の最後のお楽しみ、労いの古本を何冊かいただく。今回特に嬉しかったのはこの二冊、早川書房ジュニア・ミステリ「赤いリスの秘密/エラリイ・クイーン」ケイブンシャ ジーンズブックス ヒッチコックスリラー・シリーズ「蜂」。とても本の開きが硬過ぎる「蜂」は、ノドが割れないようにそっと丁寧に軽めに開いて、苦労して読むつもりです。
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心地良い疲労感と古本を抱えながら表に出ると、家並みの上には、皆既月食前の月が、大きく明るく太陽の光をギラリと反射していた。本日もお疲れさまでした。
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posted by tokusan at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする