2021年08月03日

8/3ご無沙汰してます「古書現世」!

昨日から自宅での読書には大白書房「鳥籠傳奇/國枝史郎」が加わり、移動時の読書は盛林堂ミステリアス文庫「怪奇探偵 十一号室の怪 今日泊亜蘭怪奇探偵小説小説集」を遅ればせながら読み始める。すると「鳥籠傳奇」所収の短篇『犬神娘』では犬神憑きの女が情人の目明かしの喉笛を喰い破り、「十一号室の怪」所収の短篇『人獣怪異譚 白き爪牙』は、画家男爵の美人妻が人狼の血を輸血されて狼憑きとなり、スイスの村人の喉笛を喰い破っているではないか…おぉ、凄絶で忌まわしきシンクロニシティ!…などと驚きながら、夕方に所用で高田馬場に出る。そしてここまで来たならと、夕陽を背中に浴びながら、タッタカ『早稲田通り』を東に進んで、午後六時閉店間近の、一年三ヶ月もご無沙汰してしまった「古書現世」(2009/04/04参照)に飛び込む。扉が開け放しの、外気温より少し低い室温に全身浸かりつつ、一人いた先客と距離を保って場所を譲り合いながら、じっくりと棚を楽しみ眺め回る。そして以前から狙っていた、明治三十九年刊の大學館「立志冒險 北米無銭渡航/天涯歸客」(今まで法律を勉強して立身するつもりだった青年が、実を結ばぬ学問に絶望し、堆く机上に積まれた法律書を古本屋に売り払って、簡素な旅装を整え、萬金を掴むために無銭渡米に挑む!)を気張って4500円で購入し、店主の向井氏と挨拶を交わす。お元気そうで何よりです。だが二人の間に時の隔たりはなく、たちまち古本業界話や再開待ち遠しい「みちくさ市」の話(私と同じように「現世」を訪れ「みちくさ市」再開の状況をうかがう仲間多しとのこと)や『本の雑誌スッキリ隊』や「東京古書組合百年史」や早稲田古本屋街について色々意見を交わす。そう言えば「みちくさ市」の舞台である雑司が谷は、しばらく足を運ばぬ間に、ずいぶん様相が変わってしまったとのことである。最後に行ったのは、昨年の一月だものなぁ…。
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嬉しい収穫を『子育地蔵尊』の前で記念撮影。後ではコロナ終息を願う幟が翻っていた。
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2021年08月02日

8/2大阪古本販売その後。

大規模な売場改装の大波を被り、暗礁に乗り上げたと思っていた大阪梅田『ルクア イーレ』9F「梅田蔦屋書店」での古本販売ですが、何と古書コンシェルジュさんの渾身の奮闘努力により、すでに新たな売場が確保され、古本もしっかり販売中となっておりました!バババババンザ〜イ!そして古書コンシェルジュさん、本当にありがとうございます!場所は店内中央ラウンジ(スタバ拡張エリア)の周囲の低棚と、隣接する平台二台。以前より迫力がなくなったのは否めませんが、古本の質は変わっとりませんので、ぜひとも感染予防を施しつつ、訪ねて探し当て、掘出し物をその手に掴んでいただければ幸いです。よ〜し、今も前回大量に送った古本が並んでいますが、引き続きさらに大阪におかしな古本のそよ風を吹かせるために、良い本選んで近日中にたくさん送りますので、この西の古本棚を引き続きまだまだよろしくお願いいたします!
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ともに古書コンシェルジュさん撮影。
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2021年08月01日

8/1八月最初の古本買い。

今日も暑くなりそうなので、朝のまだマシなうちから原稿書きに勤しむ。すると調子が良いのか、何だかスムーズに指が動き、午前中でひとつのカタチにまとまる。気持ち良く昼食を摂り、CSでやっていたマキノ雅弘監督の大映モノクロ映画『丹下左膳』を手に汗握って観賞してから、ひどい日射しの中を外出。当初は西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内「フォニャルフ」に補充に行こうと思っていたのだが、何と今日はお店が臨時休業なのであった。仕方なく諦め、ただ古本を買いに出かけることにする。するとまずは地元阿佐ヶ谷の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭棚に、ソノラマ文庫「蜃気楼博士/都筑道夫」があるのを見つけたので、やりぃ!と110円で購入する。そのままの勢いで荻窪まで伸して、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照。開店一周年、おめでとうございます)店内をウロウロキョロキョロ。講談社「猫は知っていた/仁木悦子」が220円で棚に挿さっていたが、残念ながら第2刷…まぁ、そうそう上手い話はないな…と己を宥めつつ、函ナシの巖翠堂書店「難件八十 殺人犯檢擧の端緒/検事 小坂良輔」を550円で購入する。元々司法研究の一環として、全国から集めた『發覺当時犯人不明の殺人犯にして犯人を推定するに至る迄の各種端緒の代表的のもの八十件を撰擇』した、昭和八年刊の犯罪捜査事例集である。
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読みでのありそうな大著で、著者の検事の献呈署名入り。変な本が買えたぁ〜と喜びながら、書店街の「竹中書店」(2009/01/23参照)に回ると、おや、シャッターが閉まっている。郵便差し込み口から下げられた小さなホワイトボード…『8/1(日)〜8/3(火)まで夏休みとさせていただきます』…くぅ、残念!ですが、ゆっくりお休
みください。そして素晴らしい古本とともに、またお会いいたしましょう!
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2021年07月31日

7/31吉祥寺パトロールだけでケリがつく。

午後二時過ぎに下連雀に流れ着いたので、『井の頭公園』近辺のスコールのように降り注ぐ蝉の声を浴びてから、吉祥寺で古本屋さん巡りをする。「一日」(2017/08/11参照)のガレージは、本&本屋さん関連本が増殖しているのを確認。だが残念ながら何も買えずに、結局手指を消毒しただけに終わる。「バサラブックス」(2015/03/28参照)も「古本センター」(2013/07/01参照)も空振りし、『もしかしたら今日は何も買えない日かも。そうしたらこのまま東に歩き続けて、西荻窪を攻めようか』…と恐れ戦きながら「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。だが店頭棚に、昭和十七年刊のアルス文化叢書23「四季の昆蟲/石澤慈鳥」を見つけて一安心する。前見返しに、「岐阜 信省堂書店」の小豆色した古い古書店ラベルあり。後で調べたところによると、1977年以降の「全国古本屋地図」には掲載されていないので、相当古いお店であることが想像出来る…。他に二宮書店「ゴビ砂漠/山上政之」を掴む、これは昭和60年出版の、戦前に青年士官が北京からゴビ砂漠を任務で旅するノンフィクション。どうやら同人出版らしい。計二冊を220円で購入する。そして最後に「古本のんき」(2021/03/30参照)にたどり着くと、店頭棚に茶色い古書多し……注意して一冊一冊確認して行くと、背が傷んでいるが、昭和十七年刊の三杏書院「書き下ろし長編 寄席/正岡容」を発見する。装幀は水島爾保布の井上安治的な良い仕事!
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嬉しい300円なので即座に購入する。これですっかり満足したので、西荻窪に行かずともよかろう。そしてその嬉しさを持続させ、「寄席」をちょっと読みながら帰ると、その文章の現代的とも言えるドライブ感に、たちまち明治三十八年の、東京の物語の中に引きずり込まれてしまう。あぁ、やめられないとまらない……。
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2021年07月30日

7/30一年半ぶりの「九曜書房」。

午後に品川区で連載の取材を済ませ、その帰路にかなり久々の愛する「九曜書房」(2009/03/26参照)に立ち寄る。恐らく一年半ぶりくらい……今しも雨が降り出しそうなので、急いで表の箱を見てから店内に飛び込み、早速入口脇の五百均壁棚にうっとりする。相変わらず豊潤な並びですなぁ…とその時、雷鳴がドドン!と鳴り響き、あまりの音のでかさに五センチほど飛び上がってしまう。店主が慌てて外に飛び出し、外の均一箱を雨耐用に素早くメタモルフォーゼさせている。そんなことがありながらも、棚を端から端までじっくり眺め、二冊を手にする。続いて一般棚もじっくり回遊し、好みの古書で眼の保養をそこかしこで行う。東京文藝社「鉄拳市長さん/城戸礼」(カバーナシ。それにしても無茶なタイトルだ…)春陽堂「不知火・人魂・狐火/神田左京」(函ナシ。昭和六年刊の、火に関する超常現象の謎に迫る一冊。図版もなかなか豊富なのが嬉しい。中公文庫「不知火・人魂・狐火」の元本である)を計千円で購入する。
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そして帰りの車中で、長らく移動時の友であった、565ページもあって古い文庫本だから文字が11Qくらい(もはや老眼の身にはツラい小ささ。眼鏡をずり下げ、ピントを合わせるのに苦労する)の角川文庫「流砂/ビクトリア・ホルト」を読み終える。おぉ、純然たるゴシックロマン恐怖小説の驚くべき幕引きに、勝利の凱歌を!と、最後まで興味を惹き付けて止まなかったその筆力と読後感に陶酔しながら、七月終わりの雨に濡れて家へと戻る。
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2021年07月29日

7/29最後は地元で國枝史郎を!

午後三時前に千歳船橋と祖師ケ谷大蔵の間の千歳台という街に流れついたので、すでに酷暑にやられまくっているが、西にとっとと歩いて「祖師谷書房」(2009/03/04参照)へ。右側通路の壁棚脇に、巨大な『古本買取』の看板が収納されていることに今更ながら気付き、PPS通信社「真実と人間愛に生きた写真家 ユージン・スミス展 昭和57年」を700円で購入する。そして駅へとタッタカ向かい、小田急線準急に乗り込んで束の間の涼をとりながら下北沢で下車。「ほん吉」(2008/06/01参照)に立ち寄り、美術出版社「新●技法シリーズ アニメーション/月岡貞夫」を550円で購入し、井の頭線とすぎ丸を乗り継いで阿佐ヶ谷に帰り着く。家に向かいつつまずは「千章堂書店」店頭に足を留め、百均単行本ワゴンから京文社「ゲーテ詩集/和田黎三譯」を購入する。アーケードから抜け出して、続いて「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前に立ち止まる。すると店頭百均単行本棚天板上の古本塊の中に、背が傷んで紙テープで簡単に補修してある、大白書房「鳥籠傳奇/國枝史郎」を見つけで喜び、110円で購入する。昭和十七年刊の時代伝奇小説の短篇集である。巻末の自社広告『新撰大衆文學傑作集』のラインナップには、蘭郁二郎「孤島の魔人」・甲賀三郎「支那服の女」・小栗虫太郎「女人果」・渡邊啓助「姿なき花嫁」・丸尾長顕「ヨットの殺人」など、非常に魅力的で気になりまくる探偵小説も含まれている。丸尾長顕著となっている「ヨットの殺人」は、デニス・ヰートレーの翻訳である。
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2021年07月28日

7/28次点!

桃源社「若殿浮世絵さばき/城昌幸」を読了したのだが、タイトル作の長編以外にも、短篇が二篇収録されていた。その内の一篇『不破洲堂の恋』はなかなかヘンテコな作品で、舞台は江戸時代なのだが、お堅い石部金吉として学問一筋に五十年余を生きて来た、不破洲堂なる男の前に、目比須戸鰭蔵と名乗る妖術の如き人智を越えた技を使う老人が現れる…そう、“不破洲堂”は“ファウスト”、“目比須戸鰭蔵”は“メフィストフェレス”なのである。この目比須戸に導かれ、不破洲堂がかつて置き去りにした青春を取り戻すために、恋の大冒険に出るお話…いや、大変に下らないのですよ。でも城は、いつも大事にしている江戸情緒から激しく逸脱した、こんな時代物も書いていたのかと、改めて知った次第。

そして本日は基本的に家で暑さを避けるようにおとなしくしていたのだが、夕方に外出。地元阿佐ヶ谷の「ネオ書房」(2019/08/11参照)で光文社「卵のひみつ 少年少女の科学物語/内田清之介」を700円で購入する。昭和二十七年八刷の帯付き美本で、鳥のエキスパートによる、生き物の命を育む卵を、多方面から易しく解説解剖図解する一冊。帯裏の『25年度毎日出版文化賞次点』の惹句が泣かせる。
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ところでつい最近、「ネオ書房」の店先に十円玉コインゲームの『カーレース』(パチンコで十円玉を飛ばし、幾多の障害物を乗り越えゴールまで到達すると景品がもらえる、古のアナログアーケードゲームマシン)が出現した。ウチの近くの駄菓子屋『やなぎや』にも同じものがあったのだが、最近見えなくなったので、もしやそこから譲り受けたのだろうか?と思って切通夫妻にことの次第を聞いてみると、なんとこの機械は別物のリースなのだそうだ。しかも『やなぎや』と同じリース元から借りているとのこと(『やなぎや』の『カーレース』はちゃんと中にあるそうだ)…ということは、阿佐ヶ谷には今、『カーレース』が二台あると言うわけか。懐かしい古いゲーム機二台が五百メートル圏内に存在…なかなかそんな楽しい街は、今時なさそうだ。それにしても『ネオ書房』、表に『駄菓子売れ行きランキング』が出ているは、ゲーム機をレンタルするは、より駄菓子屋化が進みつつあるのか!?
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2021年07月27日

7/27船食い!

昨日買った盛光社「空とぶ自動車/イアン・フレミング1」を楽しく読んでいると、ふと気付いたことがある。それは魔法の自動車“チティ・チティ・バン・バン”に乗り込み、ポット海軍中佐とその家族が初めてのドライブに出かけたときのこと。目的地はドーバーの海岸なのだが、いつしかその道のりは、同じ行楽を目指す車で大渋滞に。そこで“チティ・チティ・バン・バン”が自主的に飛行能力を発揮し(車の性能の良さと可愛さは『ナイトライダー』と同じレベルである)、一気に海岸へと飛ぶ。だがそこも溢れるほどの人波で、上空から見下ろしただけでうんざりする一家。さらにその気持ちを察知して“チティ・チティ・バン・バン”は一気に外洋へ。向かったのはグッドウィン・サンズの引き潮の時に姿を現わす砂州である。ポット中佐が説明する『砂州のはしっこからとびだしているなんぱ船のマストが見えるだろう。古代ローマのむかしから、世界のどんなにきけんな岩しょうや、暗しょうや、砂州や浅瀬よりも、あの砂州でたくさんの船がしずんだだろうね』……グッドウィン・砂州・なんぱ船・古代ローマ……これらの語彙が、今移動中に読んでいるゴシックロマン小説、角川文庫「流砂/ビクトリア・ホルト」を即座に思い起こさせた。主人公の女性ピアニストが、古代ローマ遺跡発掘中に失踪した姉の消息を探るために、遺跡のある土地を所有する貴族の館にピアノ教師として潜入するのだが、彼女や他の登場人物の心の闇や不安の象徴として、敷地から遠望出来る難破船のマストを突き出した“船食い”と称される不気味な砂州が登場するのだ。おぉ、これはまさしく同じ場所なのだ。たまたま同時に読み進めた本で、同じ砂州が登場するとは、何とも愉快なシンクロニシティ!まぁ「空とぶ自動車」の方は、“チティ・チティ・バン・バン”がいる限り恐いものなしなので、そんな船食い砂州で海水浴を存分に楽しむんですけどね…。
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台風の雨風を窓外に感じながら、そんな軽めの知的興奮をしばし味わい、午後にちょっと外出して高円寺へ。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で芸術生活社「私のための芸能野史/小沢昭一」偕成社 ちいさいえほん18「ぼくのヨット/さとうさとる ぶん●むらかみつとむ え」を計250円で購入する。
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2021年07月26日

7/26東京・国立 三日月書店

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中央改札から南口に出て、ピカピカの三角屋根の旧駅舎に出迎えられて、『旭通り』を東南へ。狭い歩道を人々と擦れ違いながら伝い歩く…この道は、いつか来た道…。ひとつ目の信号を過ぎ、NTT前の横断歩道を過ぎると、右手に古本が表に流れ出した光景に行き当たる。ここは旧「谷川書店」(2009/06/23参照)のあった所。2014年に閉店してからおよそ七年の時を経て、何と今年の七月に新たな古本屋さんが開店したのである。あの独特のクセのあった谷川のオヤジさんも、きっと何処かで仕入れノートを広げながら喜んでいることであろう。木地の美しいシンプルな立看板があり、その周りに絵本・文庫本・新書・美術・洋書などを収めた木箱が展開し、中央には「ユリイカ」などを積み重ねた文学&思想軍艦が鎮座している。入口脇の単行本木箱棚には、澁澤龍彦・寺山修司・赤瀬川原平が目立っている。タゴールの洋書と講談社文芸文庫棚の脇を通って店内に進むと、頑丈な木棚が左右両壁を覆い、正面に立ち居振る舞いがそよ風のような女性店主のいるカウンター帳場、そしてフロア中央には棚と平台の組み合わせがコンパクトに置かれている。左壁には、岩波文庫・講談社学術文庫・美術・世界・アラビア・イスラム・アジア・アフリカなどがエキゾチックに展開し、その関連の洋書も多く集められている。平台にはアラビア&イスラム系の絵本が飾られている。右壁には、哲学・精神・道教・荘子・アメリカ文学・海外文学・詩集・セレクト文庫・科学・料理などが並び、入口脇には絵本・児童文学が固まっている。ユーラシア大陸の南西にスポットを当てた、エキゾチックなお店で、知と美で編まれたアラベスクが、我々をあまり馴染みの無い未知の世界に誘う。値段は安め〜普通。何と素晴らしいことに、絵本棚で盛光社「空とぶ自動車1〜3/イアン・フレミング 常磐新平訳」を発見!2と3は持っているので、1だけを買いたいところだが、残念ながら三冊のセット販売になっている…だが、かなり安値の三冊三千円なのだ!これはぜひとも買っておかねば!と福音館書店「ロボットのくにSOS/たむらしげる」とともに購入する。ご親切に手提げ付きの紙袋に入れて下さいました。そして家に戻って手持ちの「空とぶ自動車」を確認してみると、みな1967年8月20発行なのだが、カバーが見事に違っているじゃないか。今回の購入本は、巻数のマークがみな赤なのだが、以前から持っているのは2巻が青で、3巻が縹色(はなだいろ)なのだ。カバーを捲ってみると、本体表紙はどれも、1巻が赤。2巻が青、3巻が縹色となっている…つまり今回の購入本は、後から刷って巻いたカバーということか…。この盛光堂の「空とぶ自動車」のカバーにはいくつかのパターンが存在するそうだが、これもまたひとつのパターンなのだろう。
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2021年07月24日

7/24ロボコン&山下洋輔&澁澤龍彦。

昼前に経堂に流れ着く。だが、この街にはもはや純然たる古本屋さんは存在しないのだ。以前だったら「大河堂書店」(2020/10/27参照)にすぐさま飛び込み、古本羽根をグイイッと伸ばしたものだが…シャッターががっちり下ろされた、その「大河堂書店」前を通過し、駅へと向かう。くそぅ、こうなったら、何はともあれ「祖師谷書房」(2009/03/04参照)だっ!と祖師ケ谷大蔵へ向かう。『ウルトラマン商店街』を長々と北に歩き、お店に到着。狭く短い通路に蠢き、左側通路で見つけた、ソノラマエース・パピイシリーズ「うたとドラマ がんばれ!!ロボコン(新曲)UFOはどこだ(ドラマ)」を百円で購入する。石森プロが描くロボコン絵本とソノシートが合体した一冊である。
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『がんばれ!!ロボコン』は、小学生時代に学校中で、ロボコンカードが流行ったことがあった。駄菓子屋はそのカードで大繁盛。子供間では未所持カードのトレードや、カードを賭けての真剣勝負(主流は歩道の縁に賭けるカードを飛び出させて乗せ、それを手に持った靴で打ち出し、飛距離を競うものであった)がそこかしこで勃発。中でも“6番”は究極のレアカードで、持っているヤツは英雄だった…良く兄と電車に乗っている時などに、とても立ち入れない危険な場所を指し示し「あそこに“6番”が落ちてたらどうする?」「電車を降りて今すぐ取りに行く!」などと、愚かな会話を頻繁に交わしたものであった…あんなに夢中だったのに、今はその“6番”がどんなカードだったかすら覚えていない…。さて、取りあえず素敵なものは買えたが、まだ古本心は満足しない。なのでお店を出たらテクテク京王線・芦花公園駅まで歩き、電車に乗って吉祥寺に出る。「古本センター」(2013/07/01参照)で冬樹社「山下洋輔セッション・トーク1975-79」を150円で購入。さらに「古本のんき」(2020/03/30参照)にて彰考書院「マルキ・ド・サド選集1 ジュスチイヌ あるいは淑徳の不幸/澁澤龍彦譯」を400円で購入し、暑さにうだりながら帰宅する。
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2021年07月23日

7/23東京・江古田 snowdrop

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橋上駅舎から北口に出て、正面の『浅間神社』を横目にして、駅沿いを西に歩いて行く。塀一枚を隔てたホームから漏れ聞こえるアナウンスの声。やがて踏切を過ぎると『江古田ゆうゆうロード』という名の商店街に差し掛かるので、そのまま道なりに西北に歩き続けるが、最初の三叉路で西寄りの少し寂しい道に進路を変える。そこをそのまま百メートル強突き進めば、左手に今年の二月に店売りを辞めた「ポラン書房」(2021/01/31参照)の元店員さんが始めたお店が現れる。焦茶のテント看板の下の極薄スペースには、木箱や小棚やラックが展開しているが、ちくま文庫や人文系がスラッと並び、知的に厳めしい表情が目立っている。付箋で表された110円本以外は、最終ページに値段が書かれている。手指を消毒して、シャンソンの流れる横長の小さな店内に進むと、正面はカウンター帳場ゾーンで、左は壁棚とその下に木箱やラックや未整理本、右側は帳場横から連なる壁棚、そしてフロアに平台が置かれている。帳場内では当然マスク姿のショートカットの女性が壁際に置いたパソコンに向かい合っている。左壁棚の足元には、古めの婦人雑誌やその付録類。棚には料理・暮らし・美術・映画・児童文学・児童書・手品・科学・絵本などが並び、帳場下にはセレクト絵本ラックあり。帳場カウンター脇のセレクト文学棚を見ながら右側ゾーンに到達すると、奥壁は最上段のみに文庫が並ぶ珍しい光景で、その下にセレクト日本文学が丁寧に渋く並んでいる。最下段の未整理本の山の影に、海外文学がちょっとだけチラリ。右壁には日本文学文庫が集められ、さらに絶版漫画・カルトコミック・漫画研究と続いて行く。平台には児童文学+洋書ビジュアル本が固まっている。小さいスペースに、魂を込めて選んだ本が並ぶ、厳選・端正・尖鋭なお店である。日本文学と絶版漫画が特に目立つが、他ジャンルにも必ず核になるような本が滑り込ませてあるので、何処を見ても表情が見てとれるのが楽しい。値段は普通で、良書珍書にはプレミア値。これで、催事や「井草ワニ園」(2019/01/05参照)で活躍する「一角文庫」とともに、「ポラン書房」の新たな血脈が江古田に伸び始めたというわけである。改造文庫「支那游記/芥川龍之介」を購入する。帰りに中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、雄山閣出版「東京埋蔵金考/角田喜久雄」を300円で購入してから、バスで帰宅する。
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2021年07月22日

7/22下北沢で計四冊。

無惨なパンデミック・オリンピックの開催が明日に迫る炎天下の午後、梅ヶ丘に流れ着く。すぐさま小田急線の各駅停車に飛び乗り、下北沢へ。いつも通りの若者たちと文化人たちの人波を潜り抜け、裏通りの「ほん吉」(2008/06/01参照)へ。松竹映画台本「喜劇 深夜族」(ドリフ映画を多く手掛けた渡辺裕介監督作品の準備稿。脚本は宮川一郎&森崎東である。準備稿なのに、細かく鉛筆でロケ場所や用意すべき小道具類などが多数書き付けてある。表紙に◯美とあるので、美術さんが使っていたものであろうか)講談社「たのしい幼稚園昭和三十三年九月号」を計440円で購入する。「たのしい幼稚園」は、武井武雄.馬場のぼる・若菜珪作品が目を惹くが、安泰が絵を描い『たいふうがくる』が、動物が可愛過ぎて特に絶品である。
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続いて「古書明日」(2017/01/31参照)へ。来るのはちょっと久しぶりである。店頭で講談社文庫「考えろ丹太!/木島始」(木島始初の長編少年小説にして社会派ジュブナイル・ミステリー。元本は滅多に出会えないが、この文庫版もいざ探すとなるとちょっと見つけづらい一冊)を見つけて気分を良くし、店内へ。新書サイズ本ゾーン・絵本ゾーン・文学&サブカルゾーンと見てから、ミステリ&SFゾーンへ。棚下平台で、桃源社「若殿浮世絵さばき/城昌幸」が光っていたので手に取ると、千円のお手頃価格なので買うことにする。二冊を計1100円で購入する。
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この二店ですっかり古本欲が満たされたので、京王井の頭線とすぎ丸を乗り継ぎ、阿佐ヶ谷へと戻る。
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2021年07月21日

7/21『お夏捕物帖』を見つける。

炎天下の午後に、どうにか生き延びて代田に流れ着いたので、住宅街を北にヒタヒタ歩き続け、東松原まで出て「古書瀧堂」(2014/05/01参照)に立ち寄る。何故か店頭棚に空いている部分が目立つ。いつもの四分の三くらいだろうか…などと感じつつ店内へ。左端通路に少し移動があり、文学全般が左壁棚に移動している模様。その中から裏表紙下部が少し千切れている岩谷選書20「蝶々殺人事件/横溝正史」を拾い出し、500円で購入する。その後は京王線で久我山まで出て、さらに西荻窪へ徒歩でエッチラオッチラ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、昨日の新刊・大河内配達のお礼を改めて伝え、中央公論社「バッド・ガール/ヴィニア・デルマー 牧逸馬譯」(函ナシ)時代映画社「時代映画 1960.8 夏のシナリオ特集号」を計200円で購入する。「バッド・ガール」は店主・小野氏に「買うと思ったよ」と言われてしまうほど言わずもがなだが、「時代映画」は小国英雄のシナリオ「お夏捕物帖 通り魔」が載っていたので勇んで購入。これは昨日読み耽った「マイ・ビデオ・パラダイス」の影響で、小国が隠れたミステリー系脚本の名手であり(『昨日消えた男』は本当に傑作だし)、クリスティやケストナーから巧妙にトリックをいただいているなどと書かれてあるのだ。それで今日、こんな脚本を見つけたら、これは買うしかないでしょう。あぁ、こんな風に世界が少し広がりつながる感じ、堪らないなぁ。
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これは雑誌の表3掲載の二色刷り映画広告。主演は瑳峨三智子。ちなみに表2は大映の『安珍と清姫』で表4は松田定次監督の東映『水戸黄門』…全部小国英雄が脚本じゃないか!尊敬すべき凄まじい仕事っぷりである。
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2021年07月20日

7/20夜の路上で大河内常平を。

朝のうちから仕事に取りかかり、どうにか空気が煮えたぎる前にメドをつける。すると途端に暑さにやる気を奪われ、後は細かい些事をこなしながら、キネマ旬報社「マイ・ビデオ・パラダイス/石上三登志」を読み耽ってしまう。アラカン主演の『駅馬車』のイタダキ『闇を走る馬車』、フィリップ・マクドナルドが脚本のロボット映画『偉大なるトボー』、ジョン・ウー監督のチャップリン映画完全コピー『滑稽時代 モダンタイム・キッド』はぜひとも観てみたいなぁ……な、なにぃっ!岡本喜八監督が小栗虫太郎「黒死館殺人事件」を映画化したがっていただとぉ!?…くぅ、物凄く観てみたかった…あの法水麟太郎のアクセル踏みっ放しの暴走眩惑推理が、8ビートの畳み掛ける演出で視覚化されるところをっ!などと興奮する。だが、一日中家に閉じこもっているのはしゃくなので、午後に一瞬だけ外に出て高円寺へ赴き「ドラマ高円寺庚申通り店」でNTT Ad「マイ・フェア・ブロードウェイ」を110円で購入する。バブル時代にNTTが出した、ブロードウェイ・ミュージカルを楽しむためのマニアックな本で、和田誠・野口久光・沢口靖子のトークなどが掲載されている。編集は松本正剛。デザインが凝り過ぎで、読み難いページ多々あり。そして夜、暗い路上で帰り道の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と待ち合わせ、先で来て来たばかりの盛林堂ミステリアス文庫新刊「人造人魚 他九編/大河内常平 善渡爾宗衛編」を受け取る。わざわざありがとうございます!古書価が目の飛び出るほど高い、昭和二十〜三十年代に活躍したメーターぶっちぎり気味の探偵小説作家の、変格寄り短篇探偵小説集である。今回、小野氏からは「大河内らしく、おかしく普通じゃないようにデザインしてくれ」という異様な依頼だったので、こんな飛ばし気味のカバー2にしてみました。あぁ、先日の鷲尾三郎に続き、大河内常平のデザインが出来るなんて、探偵小説好きのデザイナーとして幸せ以外の何ものでもない(現代でこの二者の本を他にデザインしているのは岩郷重力さんくらいではないだろうか…)。みなさまも手に取って。ぶっ飛ばし気味のビジュアルとともに、変格的にぶっ飛ばす楽しい楽しい小説をお楽しみ下さい。盛林堂通販サイトではすでに予約が始まっており、店頭発売は7/22よりスタート。
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家にあった唯一の大河内オリジナル「腐肉の基地」(箱コピーカバー付の裸本である)とともに記念撮影。
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2021年07月19日

7/19「Q夫人と猫」カバー予備写真!

夕方から西荻窪に赴き、打ち合わせをひとつする。これは望外の喜びと確信を持って言える、嬉しい嬉しいお話なのである。フライングになりそうなのをグッと堪えて、時期が到来したらお知らせいたします。その帰路、荻窪「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に寄り道し、朔風社「渓流物語/山本素石」を110円で購入し、まだまだ暑い空気の中を泳いで帰宅する。

午前のうちに、東方社「二度死んだ男/甲賀三郎」(アニメ『名探偵ホームズ』の『ソベリン金貨の行方(TV放映タイトル『ねらわれた巨大貯金箱』)』にそっくりな一話あり。すわ案件!?と思うが、原典にこれと似た話があるかどうか、力不足で確認出来ず。引き続き要調査である)を読了し、さらに続けて現在売れ行き好調の東都我刊我書房「Q夫人と猫/鷲尾三郎」をも読了する。…読み終わってしまうということは、この懸命に手掛けた超絶プリティーなカバーともお別れ…表題作の『Q夫人と猫』、読後に悲哀と爽快感と変態的余韻の残る佳作であった。このお話に出て来るのは白猫で、実はカバー用に予備としてスタンバっておいた写真の方がイメージにピッタリなのだが、写真が二種あり、場所が所縁あるし、イメージを固定し過ぎないようにと考え、現行のカバーデザインとなったのである。というわけで特別に予備写真を大公開。
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あぁ、コイツも幻想的なロケーションの中で、奮いつきたくなるほど可愛いなぁ……。
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2021年07月18日

7/18三鷹だけで完結す。

午後イチの炎天下に下連雀に流れ着いたので、そそくさと「りんてん舎」(2019/03/30参照)へ向かう。すると店頭の様子がいつもと違っており、普段は木箱が置かれた店前に、百均の単行本が大量に歩道直置きで並び、木箱は脇道の店脇に置かれている。
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何が起こったのか不明だが、たくさんの百均本に接するのは、古本人生において重要なことだ!と気になる本を抜き出して行く。結果、店頭では文潮社「假面天使/豊田三郎」ブルース・インターアクションズ「ぼくの伯父さんの喫茶店学入門/沼田元氣・堀内隆志編著」昭和書院「龍膽寺雄全集 第二巻 エルサレムの道」を掴み取り、店内では岩谷選書「烙印/大下宇陀兒」(表紙や扉が外れているが、チャチャッと直してみせる!その宣言通りに、家で無事に修復に成功。後ろ見返しに『「文雅堂書店」中央區築地2の2(電停前)』の古書ラベルあり。築地に文雅堂があったのか…)を抜き取り、計770円で購入する。束の間だが、百均の波に呑まれるのは、実に楽しいものだ。そうたった今の出来事を噛み締めながら「水中書店」(2014/01/18参照)に向かうと、店頭棚でキネマ旬報社「マイ・ビデオ・パラダイス「東品川アメリカ座」便り/石上三登志」が目に飛び込んで来たので、『それでは一緒に帰りましょう』と百円で購入する。「キネマ旬報」連載を元にした1991年刊の、架空の映画館で上映する、ビデオ全盛期時代のソフトを観まくり批評する、黒船のように幻の映画がビデオとなり押し寄せるバブル時代の一冊である(当時、渋谷の在庫が豊富なレンタルビデオ屋「みとや」に入り浸っていたことを思い出すなぁ)。手塚眞と岡野玲子のおそろしい結婚披露宴の話がスゴ過ぎる…。いや、いつもならこの後は吉祥寺まで伸して行くのだが、今日の三鷹はなかなか豊作だったので、ここだけで無事に気持ちが完結してしまった。
posted by tokusan at 17:00| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月15日

7/15チラシと探偵小説。

通り過ぎた土砂降りの後に西荻南に流れ着いたので、ユラユラと「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。読売新聞社「作家の舞台裏〈編集者の見た昭和文壇史〉/楢崎勤」(『編集者』とあるが、楢崎は昭和初期に新興の作家としても活躍した人物。平林初之輔と探偵小説の話や、編集者としての同僚・佐左木俊郎との付き合いなども掲載されており興味深い一冊である)を110円で購入しつつ、進行中の仕事の話や、新たな依頼などについて、店主・小野氏とアレコレ話す。そして、これもデザインを担当させていただき、早々と出来上がって来た「東京古書組合百年史」のA4チラシを受け取る。古本屋さんでお見かけの際は、どうぞ持って帰ってやってください。そしてその肝心の「東京古書組合百年史」の予約は、いよいよ明日まで!ご決断、よろしくお願いいたします!
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お申し込みは→http://www.kosho.ne.jp/100/index.html

帰り道の阿佐ヶ谷では、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、東京書店「絵説教典 空手道入門/内藤武宣」早川書房「復刻 エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3/ミステリマガジン編集部編」を計625円で購入しつつ、件のワクチン接種について聞いてみると、やはり発熱と筋肉痛の副反応が出てしまい、大事をとってお店を二連休にしたとのことであった。「八月に二回目の接種を予定しているので、その時も二連休するかもです」。何はともあれ、ここ杉並でも、集団免疫獲得のために、地道な一歩がジワジワと進んでいるのであった。そして夕焼けが恐いほど美しい夜、阿佐ヶ谷駅頭で、刷り上がって来たレア探偵小説の新刊を受け取る。東都我刊我書房 鷲尾三郎傑作撰壹「Q夫人と猫/鷲尾三郎」である。とかく元本の古書価が激高な、日本ハードボイルド先駆者のひとりの、貴重な単行本未収録&初出雑誌底本短篇選集である。カバーデザインを担当させてもらったのだが、今回表題作から連想して「猫の写真を使ってもらえないか」とのリクエストを編集さんからいただいていた。猫か…猫猫猫猫…猫の写真は普段から好きで良く撮っているのだが、鷲尾三郎選集に相応しい猫の写真………そうだ!あれを使おう!と、かつて撮っていた、鷲尾三郎にも所縁深い場所で偶然捉えた写真があった!と思い出し、使用してみたらこれが見事にベストマッチ!いやぁ、これは素晴らしい本になったぞ(編集さんが、ちゃんと使用許可取得済み)。この写真の場所が何処かわかる方は、当然探偵小説好きの方でしょう。ほどなくして「盛林堂書房」店頭&通販サイトや、中野「まんだらけ海馬」で発売となるので、探偵小説好きは、とにかく走れ走れ!
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本をガバッと開いたところ。表にも裏にも、プリティーな白黒猫!
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2021年07月14日

7/14ポスター見っけ!

午後一時ににわかに三鷹市とは思えぬ北野と言う場所に流れ着いたので、テクテクトボトボ北上して、昨日訪れたばかりの吉祥寺に出る。すると「古本センター」(2013/07/01参照)の店頭処分品棚で、1977&78年の『田宮模型』のカタログを見つける。むふぅ〜、これはいいなぁ〜。まったく面白いものを出してくれるなぁ〜。不器用なのでプラモ作りは大いに苦手だったが、それでも必死に器用な兄のマネをして、説明書に付いて行けなくても、接着剤をあちこちはみ出させても、塗装すればムラだらけでも、デカールがずれまくりでも…と言うような、無惨な組立をしていたっけ。団地の商店街の、花屋とおもちゃ屋が一緒になったお店で、あまりお金がないから、小さい箱のプラモばっかり買ってたっけ。…などと昔の記憶を呼び起こし、田宮模型「タミヤ総合カタログ」77&78と静岡模型協同組合「ウォーターラインガイドブック 日本連合艦隊編」(静岡のプラモメーカー、青島文化教材社・田宮模型・長谷川製作所・フジミ模型が、会社の垣根を越えて造った、同スケール・同タイプの艦船プラモカタログである)にプラスして、朝日新聞社「生活と芸術 アーツ&クラフト展 ウィリアム・モリスから民芸まで」を計600円で購入する。
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これはタミヤのカタログ。ページを開くだけで、プラスチックとセメダインの匂いが混然となって立ちのぼる!

そして昨日も来た「よみた屋」(2014/08/29参照)に立ち寄ると、おぉ!『次の百年のために』ポスターが入口ドアに貼られている…ちょっと上が剥がれて撓んじゃってるけど…。
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さらに「古本のんき」(2021/03/30参照)に立ち寄り、カバーナシの新日本文學社「中野・金子・小熊 詩集」(それにしてもこのタイトル、あまりにぞんざいだと思うなぁ)を300円で購入する。おっ!帳場内脇に『次の百年のために』ポスターが貼られている!う、嬉しいです!
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2021年07月13日

7/13原稿をちゃんと仕上げて古本を買いに行く。

昨日ほっぽり出した原稿を無事に仕上げて午後に外出。おや、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)はお休みしてしまったか。天野さん、やはりワクチン接種の副反応が出てしまったのか。ちょっと心配しつつ北口アーケードに至ると、おや「千章堂書店」(2009/12/29参照)も仲良くお休みである。こりゃあ、今日の阿佐ヶ谷は寂しいなぁと感じつつ、そのまま吉祥寺に出て用事をこなし、帰りに駅近くの古本屋さんを見て回る。そして「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭で、講談社ハウ=ツウ=ブックス「おれについてこい! わたしの勝負根性/ニチボー貝塚バレー=チーム監督 大松博文」を見つけたので110円で購入する。言わずと知れた、“東洋の魔女”を率いて1964年の東京オリンピックで金メダルをもぎ取った、日本女子バレーボールの鬼監督(あのスポ根必殺技“回転レシーブ”の生みの親でもある)の著書である。今ではコンプライアンスに違反するであろう、スパルタトレーニングエピソード満載の一冊……時代である。こういう時代があったからこそ、今があるのである。言わばこれは戻ってはならぬ時代の貴重な記録。だが、抜群に面白い!この本の初版は昭和38年発売で、モスクワでのバレーボール女子世界選手権で、監督するニチボーチームが優勝した過程について書かれているのだが、手にしたのは昭和39年の第57刷…翌年開催のオリンピックに向けて期待が高まり、売れに売れまくったということであろう。その期待は、金メダルと言う形に見事結実したので、恐らくその後もこの本は売れ続けたのであろう(なんたって続編まで出ているのだ)。それにしても最近、面白い新書サイズ本が手元にジワジワ集まって来て、愉快だなぁ。こういう面白本たちを読むのももちろん楽しいが、「みちくさ市」とかで店頭に並べているのを想像すると、また楽しいんだよなぁ。
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posted by tokusan at 18:32| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月12日

7/12原稿を放り出して古本を買いに行く。

朝からジワジワ原稿書きを進めつつ、午前十時過ぎに外出。テクテク荻窪へ古本を買いに行く。「竹中書店」(2009/01/23参照)をまずは覗くと、新たに図録類が店頭ワゴンに放出されている。その中の一冊、神奈川県立近代美術館「視覚の魔術展 DISGUISED VISION」を200円で購入する。大判の図録をリュックに押し込め、次は「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。じっくりと店内を一周し、桃源社「鬼火 完全版/横溝正史」東京都公園協会「アメリカの公園めぐり/森脇龍雄」(昭和卅六年刊の、東京都公園緑地部長が『国際造園会議』出席の際に、三十日間旅をしてアメリカとカナダの公園を見聞した、日記形式の記録である)を計550円で購入する。帰り際に「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、開店時間ではないのだが、シャッターに一枚の貼紙が。そこにはワクチン接種のために今日はお店をお休みすること。その代わりに定休日の明日を開店日とするが、もし副作用が出た場合は連休になってしまうことが、したためられてあった。次に店主にあったら、どんなだったか詳しく聞いてみよう。
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それにしてもアメリカの公園は広い、広過ぎる…。

午後、その原稿を書き終えることが出来ずに、ブラブラと高円寺へ。「西部古書会館」の大均一祭(開催三日目は全品50円となり、棚はすでにブランクだらけである)に立ち寄るが、哀れにも何も買えずに、さらに高円寺の街を彷徨う。そして『中通り商店街』の「ホワイトハウスのクリーニングまるや店」(2021/05/10参照)が開いていたので、フラリと入り込む。三笠書房「ニーチェ 悲劇の誕生/土井虎賀壽譯」角川文庫「長編推理小説 Zの悲劇/エラリイ・クイーン 田村隆一訳」(東君平の装画がエッシャー的でプリティ)を計150円で購入する。するとお店を出た途端に、雨がポツポツ落ち始めて来たので、急ぎ足で帰宅する。

※そろそろ書店に並んでいる「本の雑誌 塩らっきょ特盛号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では八王子の「佐藤書房」へ突撃!箱ナシですが、安値で山村正夫のジュニア怪奇探偵小説を手に入れました。そして巻頭の『本棚が見たい!』に古本販売ユニット『mondobooks』の一員・古本と手製本のヨンネさんが登場しているのだが、最後の写真の右下に「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」が映り込んでる!なんか嬉しい!そしてさらに、65pの「東京古書組合百年史」の広告は、恥ずかしながら超突貫工事で私がデザインしたものであります…。
posted by tokusan at 16:56| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする