2016年08月29日

8/29高円寺を一周して二店の変化を知る

高円寺で買物ついでに「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に立ち寄り、深夜叢書社「他人の夢/中井英夫」カッパ・ブックス「頭の回転をよくする 読書術/加藤周一」を計200円で購入すると、何だか足が止まらなくなり、よせばいいのに高円寺に点在する古本屋さんを、ぐるっと回り始めてしまう。まずは『あづま通り』に抜け出て、「越後屋書店」(2009/05/16参照)では何も買えず、「古書十五時の犬」(2011/11/22参照)「Amletoron」(2013/06/10参照)「中央書籍」(2011/11/15参照)は残念ながら、三連続のシャッターアウト。そして「七星堂古書店」(2015/09/21参照)への階段を上がると、おやおや。お店の様子が少し変わっているではないか。右奥に帳場が移り、右側窓際に大きな棚が組み上がり、洋服とともに自然関連の本が並べられている。元帳場前には大きな文庫棚が設置され、後は大体以前の通り。金園社「推理小説入門/久鬼紫郎」を500円で購入し、続いて駅の南側へ。「大石書店」(2010/03/08参照)店頭でジャンプが売られているのに驚きつつ、何も買わずに「アニマル洋子」(2014/03/14参照)へ。だが残念ながら閉まっているのが見えたので坂の途中で引き返し、遊歩道をを経由して裏通りの「えほんやるすばんばんするかいしゃ」(2014/09/11参照)。店頭箱がひとつと、いつもより少ないので一瞬で見終わってしまい、坂を上がって高架下の「藍書店」(2014/01/14参照)。映画関連本が多く出ているが、良さげな本は裸本が多く残念…まぁだから壁棚に並んでいるのだが…中央公論社「日本映画發達史1/田中純一郎」(もちろん裸本)を100円で購入する。続いて「都丸書店」(2010/09/21参照)に足を延ばし、高架下側の安売壁棚から全國書房「文久二年上海日記/納富介次郎・日比野輝寛」(裸本。1862年に幕府が上海に派遣した貿易船に乗り組んだ、二人の男の日記・見聞録・筆語録である。おっ、高杉晋作もこの船に乗ってるぞ)を300円で購入し、お店の中を通り抜けるようにして『中通り』側の出口から外へ。テクテク歩いて昼間の「コクテイル書房」(2016/04/10参照)前にたどり着くと、ギョッ!入口のある路地側の外壁に、大きな壁棚が出現している!いつの間に!それは古家にすっかり馴染み、最初からあったかの如き、美しき光景なのである。大いに驚き目を凝らし、二冊を手にして、開店前の薄暗い店内へ。カウンターには店主・狩野氏が座っており、本の整理中。聞けば棚はひと月前には完成していたとのこと…着々と、ゆっくりと、改装はまだまだ継続していたのか…これは油断ならんぞ。ヘラルド出版「エレファントマン/C・スパークス」旅窓新書「ニャンチュウ物語/池部釣」を計200円で購入し、しばらくお店から目を離さぬことを心に決める。
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8/28八王子古本屋事情

二ヶ月前にすでに閉店しているのだが、やはり己の目で確かめ心と記憶に刻んでおかねばと、八王子の「まつおか書房 2号店」(正式名称“歴史館”。2012/08/30参照)の様子を見に行く。北口に出て足早に細路地に入り込み、かつては二店が仲睦まじく向かい合っていた「まつおか書房」(2010/01/05参照)前。くぅぅ、白いシャッターが下りてしまっている。袖看板は裏返され、店名はうっすらとした鏡文字となり、コンセントも抜かれてしまっている…何ともやるせない光景である。
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だが俺は、この光景を見に来たのだ。元々は支店だったわけであるが、それでもこの地の純粋な古本屋さんは、ついに二店になってしまったのである。八王子の古本屋事情が、一段と寂しくなったことを認識しつつ、改めて現存し続ける「一号館」と、近所の「佐藤書房」に敬意を表し、まずは外壁棚に食らいつく。一見何の変わりもないようだが、いつの間にか背に値札の付いた150・200・300円の本が所々に出現しているのに虚を突かれる。う〜ん、前からあったっけか?肝心の店内は以前と変わらず、しっかり「一号館」のスタイルを保っているようだ。角川文庫「戯曲 青森県のせむし男」を500円で購入する。続いて足早に「佐藤書房」(2009/08/26参照)へ向かう。店頭安売ゾーンで古本アンテナを鋭敏にして、岡本増進堂「岡本長編講談 西遊記/玉田玉秀齊」(大正十一年、大阪出版社の講談本)知恵の森文庫「少年探偵手帳/串間努」日本文芸社「図解二色刷カクテルハンドブック/浜田昌吾」を計420円で購入し、形だけでも八王子の古本屋さんに微かなエールを送っておく。

その後は西荻窪に移動して「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にて緊急の打ち合わせをする。ここは古本屋さんのはずなのに、最近出版社として訪れる頻度が急上昇…まったく持って不思議なお店だ…。ついでに筑摩書房「新青年をめぐる作家たち/山下武」を100円で購入。打ち合わせ後は駅北側に移動して『第94回 西荻ブックマーク 柳澤健×沼辺信一トークショー「林美雄とパックインミュージックの時代」』を観覧。ノンフィクション作家の仕事の意義と仕方と、正史を作る自信に満ちあふれる強さに、己にはない眩しさを感じ、非常にためになり興味深かったのだが、逆に己のだらしなさと意志の弱さを突きつけられたようで、少しへこんでしまう。終演後、会場にいた岡崎武志氏と駅前で一杯。やはり楽しい古本屋話を肴にして酔っぱらい、現金にもすぐさま元気を回復する。よし、俺の急務は、古本屋関西ツアー本をまずは完成させることなのだ。とにかく地道に出来ることをして行くべし!
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2016年08月26日

8/26読めない「悪魔のキャンバス」に魅せられる

取材とパトロールを兼ねて正午前の神保町へ向かう。色々と行程があるので、いつもと違った感じで御茶ノ水駅『聖橋口』から出て即座に「三進堂書店」(2009/04/07参照)の店頭台に目を凝らすと、ちょっと古めの新書サイズ本が多数突っ込まれている。吟味して三冊掴み取り、ハミングを越えた鼻歌を演奏中の店主に精算していただく。弘済出版社こだまブック「影の白衣/麓昌平」四季新書「紳一郎捕物帳/渡辺紳一郎」ロマン・ブックス「黒の魅惑/藤島泰輔」を計300円で購入。ニコライ堂を左に見て坂を下って下って『靖国通り』に出て、「三茶書房」(2010/10/26参照)で春陽堂文庫「南蠻秘法箋/野村胡堂」を500円で購入し、『すずらん通り』の入口に立ち、取材をスタートさせる。ところが初っ端から珍しく洋書古書店の「大島書房」(2012/11/08参照)店頭のドイツ箱に吸引され、呆気なく寄り道。Fischer Cinema「Die damonische Leinwand/Lotte H.Eisner」を200円で購入する。その後は真面目に取材をこなし、街の西の果てまで行き着いた後に『靖国通り』を逆戻りし、今日も楽しい古本屋パトロール。ちょうど昼ご飯タイムなので、何処の道も溢れんばかりの勤め人がひしめいている。「澤口書店 東京古書店」(2014/12/17参照)店頭台では鳳鳴堂書店「醫事雜考 奇珍怪/田中香涯」淡交新社「邪鬼の性/水尾比呂司」(鬼の彫刻写真集)像を計600円で購入。さらに『白山通り』北側まで伸して行き、「日本書房」(2011/08/24参照)では日本評論出版社「労働詩集 どん底で歌ふ/伊藤公敬・根本正吉」(元版は大正九年刊。これは1967年の労働詩集刊行委員会複製本である。函ナシであろうか…)を500円で購入。その後は再び取材に戻り、最後に『九段坂』上から神保町方面を眺め下ろしに行く。
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というわけでこれが今日の収穫。マイナー医学界推理小説「影の白衣」と、実はポール・ボネでジャニー喜多川の義兄でもある藤島泰輔「黒の魅惑」が嬉しい。だがそれ以上に、「どん底で歌ふ」に出会えたのは、もっと嬉しい。そんな中異色なのは、ドイツ語本「Die damonische leinwand」である。何の気なしに表紙が気になったので手にしてみると、本文は当然読めないのだが、ドイツを中心とした1920年代の怪奇・幻想・犯罪・表現主義的映画のスチール写真のオンパレード!「カリガリ博士」「ファウスト」「ゴーレム」「ノスフェラトゥ」「M」「メトロポリス」「スピオーネ」「マブゼ博士」の他にも、知らない観たくなるようなモノクロ映画が盛りだくさん!本自体は、1955年のものを1980年に再刊したものらしい。タイトルを必死に調べてみると「悪魔のキャンバス」らしいことが判明。
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写真は影について集めたページである。あぁっ、素敵っ!
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2016年08月25日

8/25古本神の従者となり高崎線を探索する

古本神・岡崎武志氏に『青春18きっぷ』の一回分を分けていただき、夏の終りの思い出を作るべく、高崎線沿線古本屋探索の旅に同行する。午前十時に阿佐ヶ谷駅で待ち合わせ、氏の切符で二回分の一日乗り放題を行使。氏の後に、従者のようにピッタリついて、有人改札を抜ける。移動中は、早々と企画を始動させるために、新・古本屋本についての打ち合わせ。細かく色々取り決めて、役割分担もおおまかにして、来年三月くらいに出せるよう張り切って行きましょう!ということで落ち着く。後は近頃の古本屋さんについて情報交換し、大阪の古本屋さんや山本善行氏の話などについてもお喋り。そんなこんなで、正午前にレンガの街・深谷に到着する。早めの昼食を摂った後、レンタサイクルを借りて、まずは「須方書店」と名を変えた「円の庭」(2012/03/17参照)のある『七ツ梅酒造跡』を目指す。だが、すぐにたどり着いた渋い中庭に面したお店は、冷たくガラス戸を閉ざし『食事に出ています』の貼紙が熱風に舞っていた…。食事ならしばらくすれば帰ってくるだろうと、再び自転車を漕ぎ出して、「ブックオフ」に立ち寄り涼んだ後に、街をチャリチャリ散策する…オッサン二人が、炎天下に古い商店建築や近代建築を見て、雀躍。無駄に体力を使ってお店に戻ると、まだ開いていない…。仕方ないので隣のシネマかふぇ『七ツ梅結ぃ房』に入り、ラムネなど飲みながら張り込み体勢に入る。だが、待てど暮らせど店主は戻って来ない。岡崎氏がカフェの店主に色々聞き込むが、どうやら定休日以外の日も、閉まっていることがあるらしい。今日は潔く諦めて、次に移動するかと腰を上げる。
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カフェに渋く馴染んで寛ぐ岡崎氏。何故か店主と話が弾んでしまっている。

続いて鴻巣「鴻巣文庫」(2010/04/23参照)に向かうが、炎天下の体力減少を予防するために、氏がお店に電話をかける。だが誰も出ないのでこちらも諦め、そのまま北本に向かうことにする。

ところが駅東口の「富士書房」(2013/08/19参照)はタイミング悪く臨時休業。不運続きにがっかりするも、店頭自販機の古本屋広告に慰められ「これは珍しい」と記念撮影。西口の「和幸堂」(2010/04/23参照)は無事に営業中だったので、角川文庫「百物語の怪談史/東雅夫」を500円で購入する。
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その後は浦和に向かい「浦和宿古本いち」(2012/03/22参照)を覗きに行く。ところが路面の会場は直射日光を容赦なく浴び、サンタナの如き熱風が吹き抜ける過酷な会場であった…古本を見ていると、目玉が溶けそうになる…。
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だが最奥の100均単行本台に集中すると、面白い本が次々と見つかったので、今日の不運続きの探索を巻き返すように、あっという間に五冊を抱え込む。東京刊行社「世界七不思議 埃及の金字塔/久保勘三郎」イッカク書店「笑いの探求/影山ひさし」蒼生社「山窩奇譚 山姫お美代/三角寛」丸善株式会社「JAPANESE EDUCATION」弘文堂「歓楽郷ラスベガス/エド・リード オビド・デマリス」を計500円で購入する。これにて本日の古本屋行脚は終了。夕方に阿佐ヶ谷まで戻り、氏に途中下車していただき、有人改札にて別れる。ありがとうございました。
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これがめぼしい本日の収穫三冊。真ん中の「笑いの探求」は講談師・田辺一鶴の経営していた古本屋「イッカク書店」発行。古今東西様々な笑いの類型と作品、それに生物学的笑いの研究が収録されている。右の「埃及の金字塔」は、大正十二年刊の『世界七不思議』を解説する四巻のうち第一巻。図版も豊富で嬉しい。巻末広告を見ると、他に「バビロンの城壁と空中園」「オリンピアのゼウス神像 エフィーサスのダイアナ神殿」「ハリカーナスのモーソラスの霊廟 ローズの巨神像 アレキサンドリアの燈臺」がある…四巻が読みたい!
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2016年08月24日

8/24ラッキー・チヤツプリン!

昼飯を食べ、何とか雨に降られないようにして用事を終えたいものだと外出する。いつもは大きな表通りを歩いて駅まで行くのだが、今日は何の気なしに裏通りの『旧中杉通り』を闊歩して行く。すると当然「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前に差し掛かったので、これまた当然のように店頭棚に視線を注ぐ。すると店頭左側単行本棚の上段隅に、見慣れぬ良い感じの本を発見する。吉田書店出版部「チヤリー・チヤツプリン世界漫遊記」(昭和九年四版)。
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まずは背の手書きタイトルフォントに魅せられ、そっと引き出すとそのカバーには、白いスーツのチャップリンが水筒を提げステッキを持ち、随行する印度人の従者がラベルを一面に貼ったトランクを持つイラストが、色鮮やかに描かれているではないか。その独特なタッチは、まるで荒木飛呂彦に見えなくもない。…こんな良い本が何故店頭の103円棚に…パラパラとページを繰ると、目次ページと最終ページに姫路の貸本屋さんの印が捺されている。そうか、コンコ堂は、瑕疵のある本は、わりと潔く店頭に並べてしまうので、それでかな…だがとても気になるので聞いてみよう!と涼しい店内に入って帳場に直行し、店主・天野氏に挨拶しながら精算。そして「こういう本を店頭に出すのは、やっぱり貸本屋の印があるからですか?」と問うと、天野氏は本をパラパラと捲り、奥付部分を開き、しばし凝視。そして本を開いたまま、何も言わずに横の結束された本の山を、さらに凝視し始める…しばらくすると「あれ、一本足りないな。もしかしたらバイトが…うわっ、こりゃヤバいかも…」と独り言。…今ので大体分かりました…手違いで表に並んでしまったのですね…。だが天野氏は顔をこちらに捻向けるとともに笑顔を作り「こ、これは…そうです、ラッキーです!ラッキーですよ!」と宣言。快く珍本を、そのまま103円で、ぐっと堪えて売ってくれたのであった。そのプロフェッショナルな様子を目にして、心の中で「イヨッ!コンコ堂っ!」と喝采。そして余計なことは言わずに「ではそのラッキー、有り難くいただきます」と遠慮呵責なく購入する。僭越ながら、どひゃっほうである。愛してるぜ、コンコ堂! 嬉しくて路上でパラパラ捲ってみると、ロンドン・オランダ・オーストリア・スイス・ハンガリー・イタリア・ベルギー・フランス・ドイツ・アルジェリア・インド・シンガポール・セイロンなどの思い出と所感とともに、喜劇王は最後に日本にたどり着いている模様。読むのが楽しみだ!とニヤニヤしながら、今日のラッキーをいきなりすべて使い果たしたことを覚悟する。その後は「ささま書店」(2008/08/23参照)に立ち寄り、雨仕様に変更中の店頭棚から暮しの手帖社「戦争中の記録/暮しの手帖編」すばる書房「絵本の作家たち1 初山滋・長新太・瀬川康男」を計210円で購入し、雨が降り出す前に西荻窪の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に滑り込んで、徳間書店「少年愛の美学/稲垣足穂」講談社「月刊小説マガジン創刊号」を計200円で購入し、「フォニャルフ」に補充した後、長々と帳場横で色々打ち合わせる。一時間ほど滞店して土砂降りをやり過ごし、もう今日はラッキーは起こらないのだと自分に言い聞かせ、喋り疲れて帰宅する。
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2016年08月23日

8/23埼玉・入間市 第1回 入間ペペ古本まつり

午前中の、レンタルしていたコピー機の引き取りに伴い、古本山で乱雑を極める部屋の片付けに汗を流す。玄関の本の山をコピー機のあった場所に収め、生活動線をスムーズにすることに成功する。そのまま思い切って外出し、昨日は台風のせいで盛大にダイヤが乱れた西武線で、狭山丘陵にまっしぐら。新しめの駅に降り立つと、ホームベルの『茶摘み』にまずは脱力。階段を上がって南口に出ると、通路がそのまま駅前の『入間ペペ』二階につながっている。ガラス戸入口まで進むと、『古本市開催中』の赤い幟と『古本市一階で開催中』の貼紙があったので、俄然やる気を出してペペ内階段を駆け下りて一階フロアに飛び出し、左右をキョロキョロ。すると入口内と入口外に十台ほどのワゴンが展開していたので、まずはそちらへ足を向ける。
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暑い外は時代劇文庫と一般文庫とコミックの布陣で、中は鉄道&自動車関連が多く並んでいる。手始めに春陽文庫「殺人狂想曲/水谷準」を216円で購入し、『別会場あり』の貼紙に胸躍らせながら、再び店内へ吸い込まれる。すると右側通路エスカレーター向かいのスペースに、古本ワゴンが四十台近く配置され、古雑誌・映画パンフ・コミック・絵本・レコード・岩波文庫・ちくま文庫・歴史・戦争・風俗・映画・文学・美術図録・少女漫画・東京・歌舞伎などが目立っており、値段札から「志賀書店」「大村書店」(2013/02/04参照)「ブック・ジャム」(2009/07/05参照)「文省堂書店」「キクヤ書店」「澤口書店」(2014/12/17参照)の出品を確認する。
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ちょっと見応えのある中規模の古本市である。「ジャム」と「文省堂」が品揃えで尖っているが、良い本の値段はしっかり。「キクヤ」と「澤口」はちょっと古い雑本vs新しめの雑本という展開だが、その安さにビリビリ痺れる。秋田書店「世界の機関車/本島三良」メディアファクトリー「昭和の怪談実話 ヴィンテージコレクション/東雅夫編」を計648円で購入する。市は8/31まで。
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2016年08月21日

8/21大阪・谷町九丁目 絶版漫画バナナクレープ

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すでに昨日の、暑い暑い大阪でのことである…。駅を出たら、巨大な『千日前通』を西へ。300m強歩けば、巨大な五角形の歩道橋が覆い被さる『下寺町交差点』にたどり着く。ここから進路を北に採り、問屋的なお店が多い『松屋町筋』をズンズン進む。四つ目の交差点に至ると、右の角地に黄色い壁面が鮮やかな古い雑居ビルが建っている。その四階を見上げると、窓に押し寄せる怪し気な紙類の影…そして『古本屋』『懐しマンガ』の文字が確認出来る。ビル脇の階段入口に近付くと、小さな立看板と入口壁に貼られた案内が、お店が空中にあることをアピールしている。狭くほぼ前のめりになる急階段に足をかけながら、階段の色が緑なので『まるでメロンみたいなビルだ』とボンヤリ思い、古ビル内をほぼ垂直移動。やがて目的階に至ると出迎えてくれたのは、通路に溢れた漫画本たちである。文庫本やVHSも見かけるその山々と少しの間格闘して、奥に見える、パッと見お店の扉とは思えぬような扉をカチャリと押し開く。狭く本棚が圧し迫る、矢印の先の鏃を、半分に割ったような空間である。入って右の本や色々な物で出来た山の中には一人の男が立ち、「いらっしゃいませ」と軽快な声を上げる…一瞬そちらに視線を送って会釈しながら、まるで山田孝之が、入れ込んで古本屋店主を演じているかのような…などと連想。店内は中央に固まる本棚群と壁棚、それに左奥のガラスケースで出来ている。入ってすぐ左には、復刻漫画と児童文学・ジュブナイル。入口右横には、古めの少年漫画雑誌にアニメ系絶版VHS。中央の本棚群には、貸本漫画・カード類・付録漫画・SF&アニメ系文庫・テレビドラマ&映画ノベライズ・横溝文庫・007・ミステリ・ゲーム攻略本・児童書・大判特撮&アニメムック本などがぐるりと収まっている。狭い通路に身体を押し込むようにして左奥に進むと、本と紙類の山が出来ており、奥のガラスケースはそのほとんどが隠れてしまっている。かろうじて壁棚のSF文庫やアニメコミカライズ絵本、右に手塚治虫・石森章太郎を確認。その手前に漫画の山があるのだが、何故か佐賀潜の本が混ざっているのが印象的。奥から次第に右へ進んで行くと、永井豪・ジュニアミステリ・大量の絶版漫画(青年や付録類も含む)・少女漫画と続き、三角の角部分の何かの山に囲まれた作業場兼帳場に至る。物凄いお店である。並んでいる絶版漫画もスゴいのだが、このギュギュッと締まった本だらけの空間が、店舗という常識を飛び越えてしまっているのに心震えてしまうのである。値段はしっかり目だが、相場より安めなものもだいぶあり。本を裏返せば、内包された値段札に詳細な情報が豆字で書き込まれている。偕成社「怪談/北條誠」少年画報社「少年ターザンは行く/山田赤麿作・豊田稔・絵」(一ページ落丁あり)を購入しながら、店主にご挨拶する。実はこの「バナナクレープ」さんには、良くブログにレアな大阪古本屋情報のコメントをいただいたりしていたのである。色々お話ししながら、次第というか当然の如く、ディープな絶版漫画の話の深みに落ち込んで行く。石森章太郎「ちゃんちきガッパ」…川崎のぼる「大魔鯨」…雑誌「DON」の単行本未収録藤子漫画…チンプンカンプンだが、無闇矢鱈に楽しくて、何か新たな扉が開いてしまいそうだ…これは、楽しく危険なお店だぞ…。さらに気になる、店内に飾られた見たこともないスペル星人のフィギュアや、サンデーコミックス版「ドラえもん」(ちなみにどちらも洒落で作られた一点製作物)について聞いたりして、店内通路各所で会話を継続し、とても楽しい時間を過ごしてしまう。よし、再び大阪に来た折りにはまた立ち寄らせていただき、絶版漫画についての講義を受け、知識を少しずつでも深めて、いずれは新しい扉の向こうに、恐る恐る飛び込もうじゃないかと考える。その時にはきっと、今まで足を運んだ古本屋さんが、また新しく輝き始めることだろう。
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8/20古本と古本屋について九時間ほど語り合う

昨日は単行本の取材で関西入りし、京都で「古書 善行堂」(2012/01/16参照)山本善行氏と待ち合わせ、氏の古本人生出発点のひとつである、かつての古本屋密集地帯・大阪は千林を酷暑にめげず、歩き回る。迷路のような小道が集まる裏通りを、段々と記憶を引きずり出しながら嬉しそうに歩き回る氏の姿が、とても軽快で愉快痛快。中でも古本修行思い出の一店である、『今市商店街』の奥の奥で孤高の営業を続けていた「山口書店」の閉店した姿には、様々な記憶と思いが去来し、「おぉ…」と唸りつつ接近。思わず「記念写真を撮りましょう」と提案し、いつかまた作るであろう「古本屋写真集」第二弾に、すでに掲載決定した一枚をパチリ。
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結局共に過ごした九時間余りを、お店に入った時以外は古本と古本屋について話すことに命を賭ける。人間って、ひとつのことでこんなにも熱く長く話せるんだと、その伸び代に感心し、お店を抜け出して来てくれた善行氏に大感謝する。

そして本日は、またまた酷署の大阪にて最後の取材を敢行するために、阪急電車でいざ西へ!だがその前に長岡京でいきなり途中下車し、テクテク歩いて長岡天神の「ヨドニカ文庫」(2010/09/12参照)に寄り道する。夏休みのためか、家族総出であの店頭を作り出している光景を、建物影から盗み見て涙し、根元書房「南島の希書を求めて-沖縄古書店めぐり-/桑原守也・小西勝広・佐藤善五郎」を1500円で購入する。表題通り、七十年代〜八十年代に沖縄で沖縄郷土&民俗学本の、古本屋での蒐集に入れ込んだ男たちの小文を集めたものなのだが、共著者で出版元でもある佐藤善五郎氏だけは、その蒐集家たちに古本を提供する側の、紛う事なき古本屋さんなのである。そのお店の名は「根元書房」……あれ?何処かで聞いたことが…そんな風にちょっと心に何かを引っかけながら、彼の執筆した『自己史から見た沖縄古本業小史』を読み込んで行くと、元々東京で古本屋を営んでいたのだが、一九七四年にそのお店を弟に引き継いでもらい、来沖して当地で再び古本屋を開業したと書かれている。…じゃあもしかしたら、江古田の「根元書房」(2008/10/07&2009/04/14参照)が、その東京のお店なのではないだろうか?そうなのか?そうなんじゃないか?と慌てて調べてみると店主の名字は見事に『佐藤』なのである。うむむむむ、これは、恐らく間違いなく、そういうことのなのだろう。何故か京都で知った、東京と沖縄の古本屋さんのつながりに、大阪に向かう阪急電車内で、震え痺れる。その後の、大阪でのツアーについてはまた明日。
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1984年発行の全100ページの薄手の本である。しかしその文中には、忘れ去られた沖縄の古本屋についての記述がいっぱい。ちなみにその中で私がわずかに知っているお店は、「安里古本センター」と「ロマン書房」くらいであった。
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2016年08月18日

8/18大阪よりの使者を歓待する

鬱陶しい気候に翻弄されながらも些事をこなし、夕方に外出して、遥々大阪からやって来た『梅田 蔦屋書店』古書市(2016/08/16参照)の首謀者と落ち合い、杯を酌み交わす。話した内容は、延々古本&古書の効用と、大阪の古本屋さんについて。なので重症の古本中毒者としては、かなり楽しい時間を過ごしてしまう。酔った勢いでそのまま使者と共に「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に雪崩れ込み、古本を買いつつせっかくなので柄にもなく使者を店主・天野氏に紹介したりする。こういう出会いが、未来のイベントへの架け橋になれば良いのだが…。そんな風に夢とアルコールに酔い痴れながら、民主評論社「トラストD.E“ヨーロッパ滅亡物語”/イリヤ・エレンブルグ」(裸本)赤爐閣出版「ムッソリィニ恐怖政治と牢獄脱走記/F・F・ニッチ」(裸本)徳間書店「幻綺行 中村春吉秘境探検記/横田順彌」二見書房「呪術の帝国/三浦信行」を計1236円で購入する。
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写真はちょっと嬉しい本日の収穫二冊。「トラストD.E」の装幀は村山知義である。

そして明日から最後の関西取材に行って参ります。早く寝て早く起きて、ある人とある地域の古本屋を巡る予定。よし!良い古本、買ってくるぞ!
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2016年08月17日

8/17「下宿人」を一気に観てしまう

今日も雨が降るそうなので、その前に色々済ませてしまおうと、台風一過の午前十一時の鮮やかな青空の下を、ペタペタ西へ歩いて行く。地上の地獄のような暑さに、たちまち全身から汗が噴き出し始める。必死に歩いて荻窪に到達し、楽しみにしていた「ささま書店」(2008/08/23参照)店頭をひょいと覗き込むと、シャッターが閉まりすっからかん…なんでだ?シャッター脇の貼紙に目を凝らすと、15〜17日が見事にお盆休みであった…それなら歩いて来るんじゃなかった。だがその後も懸命に西荻窪までヒタヒタ歩き続け、ちょっとだけ映画『続夕陽のガンマン』で、帽子なし&水なしで灼熱の砂漠を歩かされ続ける主人公ブロンディの苦しさを理解する。ハァハァしながら凍りついたように店内が冷えた「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に飛び込み「フォニャルフ」にドシドシ補充。小野氏と仕事の打ち合わせを少しする。涼んで少し体力を回復した後は、駅の北側へ向かうと「忘日舎」(2015/09/28参照)も19日までお休み中。店頭右横に集まる色んなお店の何台もの室外機が大量に排熱中の「音羽館」(2009/06/04参照)にたどり着き、クラクラしながら店頭から一冊。店内では右部屋右壁棚の映画棚で、長年観たかったヒチコック作品「下宿人」のDVDを見付け、河出書房「シナリオ文學全集 第四巻 映画人オリジナル・シナリオ集」(函ナシ。小津安二郎共作&原作のシナリオ「父ありき」「愉しき哉保吉君」なども収録。ちなみに同シリーズの「前衛シナリオ集」は、常に欲しくてたまらない本の内の一冊である)と共に計1000円で購入する。あっという間に体力が切れかけてしまうが、欲張ってさらに足を延ばし「かんばら書房」(2014/09/26参照)の地面直置き外箱を覗きに行くも、あざ笑われたように収穫ナシ。スゴスゴと駅へと戻る。
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「下宿人」DVDが嬉しかったので、家にあった可愛い表紙の原作ポケミスと記念撮影。映画は1926年製作のモノクロサイレントで、切り裂きジャック事件をモチーフにしたサスペンススリラー。試しにちょっと観てみるかとプレイヤーに入れたら、哀れ八十分を一気観してしまった…あぁ、監督三作目のヒチコックに見事に振り回され、非凡な視覚効果に目を瞠らされ、バカみたいにハラハラしてしまう。観終わっても、雨はまだ降らず、色の無い世界に耽溺していた目に、青空が痛いほど眩しく輝いている…。
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2016年08月16日

8/16大阪にて「夏の古書市2016」に参戦!

今日も地味地味に原稿整理に従事。真面目に地道に取り組んでいるおかげで、何となく先が見えて来た気がするので、激しく雨が降る前にちょっとだけ古本を買いに行くことにする。ビーサンを引っかけ、ペタペタ濡れた舗道を歩いて、近くの「ゆたか書房。」(2008/10/19参照)に飛び込む。その途端、バタバタ雨が落ち始め、地面近くに水煙が舞い始める。…しばらくここで雨宿りか…オヤジさんに挨拶して、店内をゆるゆる見て回る。気になった本、値段と折り合いのついた本を棚のあちこちに記憶して行き、最終的に脳内で吟味して、批評社「彷徨記/西丸四方」を800円で購入する。昭和初期から研究と治療に打ち込んだ精神科医の活動と人生の記録。第三章『古本屋』には、学生時代(一九二〇年代)に渋谷の古本屋の隅で埃にまみれた、暗い怪奇な石版画が何枚も入ったグスタフ・マイリング「ゴーレム」の原書を二十銭で買った記述あり。すげぇうらやましい。ちょうど雨が上がったようなので、家に急いで戻り、地味な作業に再び取りかかる。

そしてお知らせをひとつ。九月から始まる大阪「梅田 蔦屋書店」の古本市に参加いたします。梅田の駅ビルのひとつ『ルクア イーレ』九階にあるこの新刊書店では、実は『4thラウンジ』壁面で秘かに古本も販売されているほど、意外に古本にも力を入れているのです。他の参加者が「ジグソーハウス」(2016/06/11参照)さんだったり「トンカ書店」さんだったり「森岡書店」さんだったり大物ばかりなので、悩みに悩んで百冊近い本を大阪に送り込みました。それでも恐らく他店にボロ負けしたような並びを見せている可能性大なので、お近くの方やお時間ある方やたまたまスケジュールが合う方は、ぜひとも足を運んでみて下さい!なんと市と同時に、『古本屋ツアー・イン・ジャパン』のフェアも企んでいただいているので、また詳細が決まり次第お知らせいたします。
■梅田 蔦屋書店 夏の古書市2016
■会期:9/1(木)〜9/28(水)
■参加店:古書鎌田・ジグソーハウス・トンカ書店・森岡書店・小山力也 ほか
詳しくは→http://real.tsite.jp/umeda/event/2016/08/2016-51.html

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2016年08月15日

8/15古本で買った写真集に古本屋の幻を見る

まだすべての取材を終えたわけではないが、関西編単行本の原稿&写真整理に着手し始める。というわけで、遠くおよそ六百キロ離れた古本屋さんたちの情報にダイブし続け、一日を過ごしてしまいそうになる。すぐにお店を訪ね回った思い出が脳内に噴出し初め、楽しいのだが情報量の多さにどうにも苦しくなってしまい、夕方になって少し雨が通り過ぎたのを幸いとし、外出して古本を買いに行くことにする。九月十月には立て続けに古本市に参加することになりそうなので、少しは良質なストックを増やしておかなければと、安価古本天国の「なごやか文庫」(2012/01/10参照)に足を向ける…。きゃりーぱみゅぱみゅラッピングの、ピンクの西武新宿線に揺られて東村山。センター内は蒸し暑く、午後五時の文庫は、すでに無人販売時間帯。薄暗いエントランスには保安係のおやっさんが座っており、客として文庫に入ると、入口近くの明かりを灯し、なおかつ冷房のスイッチも入れてくれた。ありがとうございます。それでもまだ蒸し蒸しする店内で棚をじぃっと眺め回して行く。やけに歌集が増えたな…それに小林信彦や美術図録も…。蚊に食われないよう気をつけながら店内を一周。ニッコールクラブ「わが東京100/須田一政」麦書房「福永武彦詩集 1935***1964」文藝春秋「ホシは誰だ?」恒文社「越智正典の直撃インタビュー 野球関係者の素顔を求めて」講談社「ペレ自伝 サッカー わが人生/エドソン・ペレ」を計640円で購入する。小粒だが面白い本が買えた買えたと、ウキウキして黒雲と一瞬の夕焼けが交錯する空の下を、駅へと向かう。
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須田一政の処女写真集「わが東京100」の一ページには、古本屋さんの看板袖の写真があり、ドキリとする。巻末のデータを見ると『本郷 1977年』とあり、よく見ると写真下部にも『文京区本郷6丁目』の後に2か3の一桁の数字が書かれた住所板が映り込んでいる。…「古書店地図帖」で調べてみると、その住所に該当するお店は「井上書店」か「金子書店」のどちらかであろうか。完全なる和風商店建築で、卓上ランプと古本の絵が、なんとも愛おしい看板である。
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2016年08月14日

8/14「なごみ堂」で未知の「青空ちゃん」を入手する

つい先日、蕨の古本屋さんを取材した岡崎武志氏から連絡があり、「古書 なごみ堂」さん(2010/02/12参照)からの『乞う!来店!』という言伝を受け取る。以前、もうひとりの古本神・森英俊氏が来店した際にも、同じような言伝を受け取っていたのだが、そういえばすっかり放置してしまっていた…。申し訳なく思いながらようやく本日、京浜東北線で久しぶりの静かな蕨駅に降り立つ。しかし相変わらず店主と、いや人と面と向かって話すのが苦手な私は、まずは西口に向かい「旭書房」(2010/03/30参照)でウォーミングアップ。右奥の古玩具・駄玩具・古雑誌・古書通路で講談社「たのしい三年生」昭和三十五年12月号第3ふろく「まんがえときゴールドシリーズ 三年生の伝記文庫」を500円で購入して心を落ち着け、いざ東口に出て線路沿いに南に下り、「なごみ堂」。まずは当然の如く店頭台をガサゴソ丁寧に漁り、文海堂書店「大都會の一隅/佐藤春夫」(裸本)を抜き取り、クーラーの効いた店内へ。最初は何気なく一般客のフリをして、本がぎっしり詰まった壁棚と、その下に美しく危うく積み上がる本タワーと、棚の隙間に詰め込まれた本たちを精査して行く。
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ほどなくして右壁中ほど中段の児童文学コーナーに、源氏鶏太の児童文学を見つけて色めきたつ。う〜ん、初めて見る本だ。あのユーモア小説家がこんな児童文学を書いていたのか…東方社「青空ちゃん/源氏鶏太」(函ナシ)を抱え込み、さらに小さな店内をウロウロ。積み上がった本で隠れた帳場から、絶えずカシャカシャという男が聞こえてくる…左側通路の本を眺めながら、タワーの隙間から平沢勝栄風店主を盗み見ると、手元でルービックキューブが回転し、それが見事に六面を揃えつつあった…この音だったのか…。やがて六面が揃ったところで本を差し出し、恥ずかしながら名乗りを上げる。すると今までルービックキューブに全神経を集中していたオヤジさんは相好を崩し、「来るのを待ってたんだよ。来たら渡そうと思ってたんだよ」と言いつつ、神保町『文房堂』の戦前版ポスターカラー見本や、『らんぶる』姉妹店『名曲珈琲タクト』のハガキや神保町の鮨処「新太郎」(昭和四十七年)のチラシなどの神保町関連紙物を手渡され、歓待される。そして「あれ?岡崎さん、連れてくるって言ってたんだけど、来ちゃったんだね」。そのように一瞬戸惑いつつもその後は、古本屋とお客としてではなく、『安く古本を買う同士』として、意外なほど大いに盛り上がる。お店の仕入れは、そのほとんどが古本市で並んで闘い仕入れた100〜1000円くらいの本で、また歴史からこぼれ落ちた、その時代時代を現わす風俗関連や新書にターゲットを絞っていると聞き、このお店の奇妙で楽しい品揃えに初めて納得する。う〜ん、それにしても相変わらずこの感覚と品揃えは尖っている。あぁ、この今和次郎監修の商店建築の本など、長年探し求めているのに、そんな安値で出会っているなんて…くやしい!くやしいぞ!とうらやましがりつつ悔しがりつつ、ちょっと好みの本などを見せていただく。今の悩みはお店が小さいことで、棚の隙間にギュウギュウに本が差し込まれていたり、平台に横積み本タワーが美しく林立しているのは、どうにかしてもっと本を並べたい!見せたい!という心の表れなのである。「二号店でも出そうかな…」とポツリとつぶやかれたので「その時は喜んでバイトしますよ」と言うと「バイト代は現物支給だけど、いい?」と早速釘を刺される。だが、このお店の棚並びなら、選びようによっては充分お釣りが帰って来るのでは!と邪なことを妄想しつつ、さらに文化出版局レモン新書「フランス料理の秘密/日影丈吉」久保書店「世界神秘郷/高橋鐵」(貸本仕様)を手に取ってしまうが、それでも嬉しい合計四冊を2990円で購入する。いや、お呼び下さりありがとうございました。またたくさん古本を買う心積もりで、再訪いたします!
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本日の収穫四冊。よし、今日はビールを飲みながら「青空ちゃん」を読むぞ!
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2016年08月12日

8/12パトロールとセール

兜虫の化身はどうやらかなりシャイらしく、まだまだ姿を現しそうにないので、今日は白昼の神保町パトロールへ向かうことにする。水道橋から南に歩いて行き、いつもより若者が少なく、お店も五分の一ほどがお盆休暇に入っている、少しだけ寂しい町を彷徨う。だが…買えない…なんだか買えないのである。店頭台や棚を次々と勇んで覗き込んで行くのだが、購入まで至らないのである。財布の紐を少し堅めにしているのもあるのだが、お盆休み感が店頭の本にも、伝染してしまっているのではないだろうか…いやぁ、このままだと久々のボウズになるな…。そんな風にあきらめムードを漂わせ、最後にたどり着いた「三茶書房」(2010/10/26参照)。今日は300均・300均・500均の布陣か。とここでようやく、河出書房「暁のデッドライン/中田耕治」社会思想社「明治四十三年 ハレー彗星顛末記/三浦恵子+激団ウニッ子編」(帯のついたペーパーバック本。社会思想社もこんなライトな本を出した時代があったのか…)に目を留め、計800円で購入する。こんな日でも、俺に古本を買わせてくれるとは…なんて頼もしいお店なんだ! この後は北側の裏路地地帯に突入し、北原尚彦氏から『夏の在庫整理セール中』とのタレコミがあった「古書たなごころ」(2010/11/24参照)に向かう。路地からサッシ扉を開けて中に入ると、ぬぅっ!すでに先客が二人もいるので、私が入店したことにより、小さな店内は早くも飽和状態を迎えてしまった。だが、お互いに気をつかい譲り合いながら、それぞれ巧みに極狭通路を探索して行く。…それにしても、どこにもセール情報などはなく、肝心の何割引かさえも判然としないのだが…。入ってすぐの壁棚下段のカストリ雑誌&探偵小説雑誌に心をかすめ取られ、最奥帳場背後壁棚の探偵小説群に魂をグラグラ揺さぶられるが、結局SF棚から日本文芸社「空想科学への挑戦! SFゲーム/加納一朗」を取り出し、店主におずおずと差し出す。すると「二千円……一割引で1800円です」と、ここでようやくセールが一割引であることが判明する。精算を済ませ、文庫サイズ袋に新書サイズ本を入れられ(手頃なサイズを切らしていたのである)、その間にも、お客さんが結構訪れるので、上手く體を入れ替え、素早くお店の外へ脱出する。
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出てすぐの小さな十字路を北にひょいと曲がると、おぉ!久々に「書肆ひぐらし」(2010/07/12参照)が店頭に本を並べているのに遭遇。店内を覗き込むと、ちょっとだけ開けた入口スペースの奥では、店主が一心不乱に読書中であった。お元気そうで、なによりです!
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2016年08月11日

8/11山の日の大古本市初日に駆け付けてみる

遠い下鴨・糺の森の古本市の賑わいと闘いを漠然と想像しながら、午前のうちに渋谷に出かけ「第25回渋谷第古本市」に突入する。駅の中央改札から、一度も外には出ずに『東急東横店西館』へ。エスカレーターを上り詰めてたどり着いた、午前十一時半の八階催物場は、どのワゴンにも隙間が無いくらい、人が鈴なりになっていた…おぉ、東京も負けじとデパート内に、古本紙風がゴゥゴゥ吹き荒れてるではないか。入ってすぐの「ほん吉」(2008/06/01参照)ワゴンに囚われつつ、今日は安い本を買うことにしよう。一冊500円くらいのリミッターを己に課し、買い過ぎないよう気をつけていこう。そう初っ端から決心して、ワゴンに張り付く古本修羅越しに、必死に背文字を読み取って行く。「九曜書房」(2009/03/26参照)の品揃えに心弾ませるが、ちょっと今日の私では手が出せない感じが続く。「アート文庫」もガラスケース含め、児童文学や探偵小説がベカベカと輝きまくっているが、当然の如く手が出ない。おっ、大阪からは「杉本梁江堂」と「古書あじあ號」が参加しているのか。あぁ、この「虔十書林」(2010/01/27参照)のポスター群やパンフ群は素晴らしいなぁ…特にSF特撮系物が心を鷲掴みにするが、もちろん手は出せない。途中、夏休み中の古本中学生ケンタロウ君に声を掛けられ、名古屋・鶴舞の古本ロード(2008/06/15参照)踏破話に耳を傾ける。…いよいよ全国古本屋への道を歩き始めてしまったのかと、その早過ぎる挑戦と耽溺に微かに脅威を覚える。結局四十分ほど会場内をウロウロし、計三冊を手にして左奥のデパート店員さんが十五人ほど蠢くレジに向かい精算。洗心書林「ポオ秀詞/日夏耿之介譯」偕成社「ターザン物語/バローズ作 朝島靖之助」平凡社「ウェルズ 生命の科学 11」を計1500円で購入する。この市は8/16まで。
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帰りに阿佐ヶ谷駅北口アーケード商店街の「千章堂書店」(2009/12/29参照)店頭100均箱から、JICC「犬の生活/高橋幸宏」を素早く抜き出し購入し、早々に家へと戻る。
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2016年08月10日

8/10東京・目白 金井書店

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行く宛もなく、夏バテした重い身体を引き摺るようにして外出。この暑さに体力がすぐ底を尽きそうなので、取りあえず近場の古本屋さんにターゲットを絞り、目白の以前も確認しに行った、微かな古本屋の兆しを探しに行くことにする…結果は、何もなかった…分かってはいたのだが、悄然として幽鬼のように佇んで、対岸をぼんやりと眺めてしまう…あそこは確か、「金井書店」の事務所店…あれ?だが表に、古本が並んでいるぞ!幽鬼の如き薄さになっていた肉体は、たちまち古本のために力を取り戻し、大股で横断歩道を力強く渡る。駅からは改札を抜け、『目白通り』を西へ。北側歩道をテクテク歩み、『目白三丁目交差点』を通過し、さらに進んで『下落合三丁目交差点』を過ぎれば、すぐにお店である。中二階のガラス張り店舗であるが、左の地下への階段下り口に、300均の図録・美術&文学専門書棚があり、短い地下への階段を下ると100均文庫&コミックワゴンが、世間から隔離されたように置かれている。三冊手にして地上に戻り、お店への階段を上がって行くと、その途中には500均単行本棚が慎ましやかに設置されていた。重いガラス戸を開けて店内へ進むと、ムッとする室温が、古本をたっぷりと収めた棚とともに襲い掛かってくる。左奥のガラスウィンドウと壁棚に挟まれた細い空間には、EXILE TRIBEにもしかしたら紛れ込めるかもしれないお兄さんが、「いらっしゃいませ」と声を上げる。入ってすぐの空間は、右と奥が壁棚で、フロアには大きな楕円のテーブルが置かれている。入口左横にはガラスケースが置かれ、左壁は美しい一面の壁棚となっている。そしてどうやらここは、ついに店舗として開放されているようだ。右壁には文学・映画・演劇・落語・新書・文庫が収まり、ちょっと一般的な構成を見せている。下の平台には紙物なども集合している。奥壁にはビジュアルムックや雑誌類など、大判な本が勢揃い。テーブル上には『妖怪特集』と銘打ち、そちら方面の本が集められ飾られている。テーブルの奥脇には、新入荷本とハヤカワポケミスを並べたラックが置かれている。絵本や紙物を上に乗せ、プレミア本や刀の鍔を並べたガラスケース前を通過して、左壁棚に接近する。通り側の極狭帳場背後から、郷土関連・東京・江戸・建築・明治・美術・工芸・民藝と、単行本から大型の豪華作品集までを交えて並んで行く。美術と郷土に強いお店で、値段はちょい安〜ちょい高と千差万別。だが、私の目を惹く所々に潜む、大正〜昭和初期の古書は、なかなか安めなのが嬉しいところ。徳間文庫「良平のヨコハマ案内/柳原良平」中公文庫「詩人の旅/田村隆一」新潮文庫「洋酒天国2/開高健監修」大阪毎日新聞社「天変地異/石井重美」帝國教育研究會「叙情 日本大震災史/田中貢太郎・高山辰三編著」を購入する…た、たくさん買ってしまった…。
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今日の収穫はとにかくこの二冊。「天変地異」は昭和九年刊の、光や火に関する小規模天変地異について集めたもの。『セント・エルモスの火』『雷球』『鬼火』『極光』『蜃気楼』『ブロッケンの幽霊』『真夜中の太陽』『血雪』『地鳴り』などなどと、ウォ〜、興味津々心が燃える!燃え滾る!「日本大震災史」は大正十二年刊の、図版豊富な地震の歴史と見聞録・哀話・惨話・美説・異聞などが、これでもかと収録されている。それにしてもこの陽気の中、布装本を手にすると、熱いほどのぬくもりが発生する。何か発熱装置が仕掛けられているのではないかと、思うほど…。

夜は編集者さんと落ち合い、関西編単行本の打ち合わせ。もうすぐ取材も終り、いよいよ制作の実務的作業に今月から入る予定。打ち合わせをしつつ、したたかに酔っぱらい、帰りに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、軽く管を巻きつつ、講談社漫画文庫「八つ墓村1・2/横溝正史&影丸譲也」ちくま文庫「妖精詩集/W・デ・ラ・メア」を計309円で購入する。
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2016年08月09日

8/9兜虫の恩返しを邪に期待する

とある打ち合わせのため、石神井方面に向かうが、早く着き過ぎたので、近所にあった『南田中憩いの森』を探索する。高低差のある崖地に作られた、地主の好意で解放された武蔵野の雑木林である。ほんの少しだけ涼を感じながら歩いていると、足元に仰向けになってジタバタするメスの兜虫を発見。力強いし大きいし、こりゃ自然の生まれだなと感心しつつ、このままだと彼女はあえなくひからびてしまうぞ!と慌てて枝を拾って彼女の腹に差し出すと、渡りに船とばかりに六本の足をしがみつかせる。そのまま落ち葉の重なった地面にうつぶせにして置くと、たちまち地底戦車のように垂直に穴を掘り始めるではないか。早く潜って、たくさん卵を産むんだよ、とエールを送る。そして、昆虫と子供のようにコミュニケーションを取っている場合ではないことに気付き、慌てて待ち合わせ場所に駆け付けて打ち合わせをする。その後は、石神井公園近辺の古本屋さんを訪ね歩くが、今日は相性が悪いのか、残念ながら何も買えず。ただ最後に訪れた、今や踏切を北に越えた場所ではなく、高架を北に潜った場所にある「久保書店」(2009/05/08参照)が、少しだけ店内の整理がされており、右側通路にも三十センチほど入れるようになっていたのは、嬉しい発見であった。…それでも自転車は収納されっ放しだが…。
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このまま引き揚げるわけには行かないので、大泉学園まで移動して西武池袋線の名店「ポラン書房」(2009/05/08参照)へ。店頭で100均箱を漁っていると、中から出て来た笑顔の若番頭に声を掛けられご挨拶。その店頭で55円の創元推理文庫「シャーロック・ホームズの宇宙戦争/M・W&W・ウェルマン」を引き抜き、店内右端通路の多層で時代も深く遡れて楽しい日本文学棚を、冷房の魔力を堪能しながら眺め、彌生書房「推理小説 酔いどれ船/今日出海」を見つけ出し、計1055円で購入する。外に出ると相変わらずの熱風熱射であるが、なんだか調子が出て来たぞ!とひばりケ丘まで移動して駅近公園前の「近藤書店」(2014/09/22参照)へ。店頭の100均文庫ワゴンは、芸術的に古本タワーが多数屹立し、夕陽が当たったその姿は、まるで“100均文庫マンハッタン”…哀愁漂う光景だが、この暑さでは一冊一冊にとても目を凝らす気になれない。
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すぐさま店内に逃げ込むと、以前は無かった、ゆらゆら絶妙なバランスで揺らめく危うい古本タワーが、店内各所に出現し始めている…これでは、旧店舗(2010/11/07参照)の二の舞になるのは、時間の問題ではあるまいか…。そんなことをぼんやり思い、肘を蚊に刺されながら恒星社厚生閣「復刻版 大宇宙の旅/荒木俊馬」を棚最下段の上部隙間から見つけ、700円で購入する。

かように古本欲を満足させた時には、いつの間にか体力もかなり限界に近づいていた。家路をたどりながら、まだまだぼんやり考える。昼間救ったあの兜虫が、何日か後に姿を人間に変えて、恩返しに現れないだろうか…。「あの、こんにちは。あそこの雑木林の奥に、古本屋さんがあるんですよ。もし行ったことがなければ、ご案内します。ただし、このお店のことは、誰にも言ってはいけません。もし約束を破ったら、そこで買った本はすべて木の葉になってしまいます…」……守れるかなぁ…すごい本が買えたら守るかなぁ…でもスゴい本が買えたらブログに……あぁ、それにしても、今日は暑い日だなぁ…。
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2016年08月07日

8/7東京・新井薬師前 新井薬師骨董市

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寝苦しい夜を乗り越えて、目覚めたら午前六時過ぎ。この意にそぐわない早起きを幸いとして家を飛び出し、真横からの残酷な程強い朝日を浴びながら、西武新宿線でちょっと東へ。駅から踏切道を南西に下り、まだ弁当屋とマイナーコンビにしか開いていない寂しい商店街を抜け、二つ目の交差点で西へ向かう。住宅街の中に入って行く感じだが、行く手の建物の向こうからは、森の存在を感じさせる激しい蝉時雨が聞こえてくる。するといつの間にか『新井薬師』の参道前に到着。早速並べられている古道具入りダンボール箱に視線を落としながら、境内にジリジリ進んで行く。だが、お店の数は思ったより少なく二十店ほどしかない模様。店主たちの話に耳をそばだてると、今日はたくさんの古本市が重なり、そのためお店がかなり分散してしまっているらしい。そのせいかどうかは分からぬが、古本はほとんど見当たらず、古い映画雑誌の箱や洋書のガイドブックを見かけたくらい。多いのは陶器や着物で、着物については調査団の如き集団がおり、寸法や柄をゴザの上で正座してチェックしている…。残念だが今日はここでは何も買えずに退散する。だが、このまま古本を買わずに帰るわけにはいかない。中野駅方面に向かってスタスタ歩き続け、まだ店舗のシャッターも開かず薄暗い、ただの通路と化している『中野ブロードウェイ』を通り抜け、東西線に乗って西を目指す。午前八時に門前仲町に到着。急ぎ足で富岡八幡宮の骨董市(2016/04/24参照)に突入する。…う〜ん、やはりここもいつもより店舗の数が少ないな…。結局古本も混ざる映画関連紙物を扱うお店で、小学四年生昭和二十九年三月号付録「社会科図かん 目で見る社会科」を300円で購入し、掛軸+紙物+古本のお店で群馬県警察本部警備部警ら交通課「昭和29年 交通事故と原因」を300円で購入し、早々と市を後にする。
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「目で見る社会科」を開くと、世界の民族の服装や交通機関などと共に住まいや建物のイラストも載っている。おぉ!このフランスにある『最新アパート』のイラストは、コルビジュの『ユニテ・ダビタシオン』ではないか!微妙に違う気がするが、そこがまた可愛い!

まだまだ古本は買いたいので、東西線で西に戻りつつ、午前九時の九段下駅で途中下車。地上の坂の途中に出て、右翼の街宣車が並ぶ駐車場を突っ切り、「靖国神社青空骨董市」(2016/05/08参照)。ここはわりと出店者が多いな。日本軍物を扱うお店の店頭100均箱から、主婦の友八月号附録(一九五四年)「手軽で楽しい手藝と工作」学研昭和三十二年二年の学習夏休み特別号ふろく「おはなしなつやすみ」を計200円でまずは購入。表側の骨董小道から外れ、奥の方に進むと、老婦人が店番をする大きなお店があり、四分の一に古本箱が並ぶ嬉しい光景が広がっていた。ガサゴソガサゴソ漁って本を掴み出し、値段が分からぬので老婦人に掲げて聞いてみると「本は一冊100円よ」とのことである。安い!福音館書店「もぐらとずぼん/エドアルド・ペチシカぶん ズデネック・ミレルえ」(1969年5刷のビニカバ版)恒文社「ファンズ・ブック プロレス百科」「近代プロレスの夜明け 凄絶!!ゴッチとハックの死闘」「プロレス 黄金時代の栄光と暗黒」三冊とも田鶴浜弘を計400円で購入する。
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まさかこんなジャンルのレア本と骨董市で出会えるとは!これは『世界プロレスシリーズ全5巻』のうちの2・3・4巻。他に「不滅の王者/力道山・テーズ 血闘と友情の記録」「プロレス・ニッポン 世界をゆく」がある。こうなったら、どうにかして集めたいものである。

そして最後の入口近くの以前も買物した紙物屋さんで、地平社書房「地平社書房古書販賣目録 第一號 昭和三年一月」を200円で購入し、早朝の止まらなくなった感のある“骨董市で古本探し”に終止符を打つ。ついでに一日が終わったような気分になるが、時刻はまだ午前九時半…帰って、単行本とはまた別の、関西方面のイベントの準備を進めるか…。
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2016年08月06日

8/6東京・西荻窪 CENTURY HOUSE

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先日北原邸に向かっている途中に、偶然車窓に流れた、本棚を店頭に置いた何かのお店を目指して、炎天下の中西荻窪に向かって歩を進める。途中、最近日参しているかのような「ささま書店」(2008/08/23参照)に立ち寄り、湊書房「女同士/牧野吉晴」(この本より、巻末広告の九鬼澹「人工怪奇」三上紫郎「人生の花ひらく」に心を盛大に惹かれる…店頭にあるのがこの本ではなく、広告の二冊であってくれたならば、仮死してもよいのだが…)講談社児童文学創作シリーズ「黄金のきば/たかしよいち」(献呈署名入り)を計210円で購入し、いつの間にか西荻窪駅南口。目の前の『西荻南口仲通街』アーケードを潜り抜け、そのまま直線で遥か彼方まで続く、通称『乙女ロード』を真っ直ぐ南南西にひたすら歩き続ける。この通りに入ってほどなくして右側に現れるログハウス風飲み屋『のみ亭』には、営業時間になると店頭に小さな古本箱が置かれている。レアな漫画が中心だが、わりと値段はしっかりと付けられている。そんな通りを歩いて歩いて「古本バル 月よみ堂」(2015/04/10参照)前も通過すると『五日市街道』に到達する。ここから西に向かい、ひとつめの信号前に着くと、怪し気なお店が南側歩道に向かって佇んでいる。軒には西洋風鋳物看板が架かり、裸体で寝そべる男女のレリーフが浮かび上がり、店名とともに『西荻骨董』の文字も見える。店頭には古道具類が集まり乱雑で、扉の向こうに見える店内もまた同様である。店頭左端にわりと大きな本棚があるのだが、今日はそこに虹柄のレジャーシートが掛けられている…日除け対策だろうか。そしてその横には、椅子に座り新聞を読むハットを被った男性の姿…彼が店主だろうか?店内が暑過ぎて、中よりはマシだと、表の日影で涼をとっているのであろうか…。イカン、そんなことを考えつつ多少怖じ気づいてしまったら、店前を一旦通過してしまった…。50m先の日影に入って水分補給…そして改めて覚悟を決めて、店前に怪しく引き返す。さらに思い切って本棚に近付き、レジャーシートを捲る。隣のオヤジさんの目が、瞬間厳しく輝く…。大きな本棚は、一般文庫が二段、新書と実用系単行本が一段、そして雑誌&ムック類が一段の構成である。値段はオール100円。まぁ想像した通り、立派な雑本棚なのである。しかし店主の前でシートを捲ったならば、何か買わなきゃマズい気が…。と、岩波新書「星の古記録/斉藤国治」を取り出し、オヤジさんに「あの…」と声をかけると、途端に意外な事実が判明する。「あっ、本。本ね。今日いないんだけど、受け取っておいてあげるよ。100円ね。ちゃんと渡しておくから」「えっ?お店の方じゃないんですか?」「俺はねこっちの者。でもちゃんと渡しとくから」というので100円玉を手渡す。なるほど、このシートは日除けではなく、お休みの際のカバーだったのか。アバウトな休みの取り方に驚きつつ、「ありがとうね〜」の声に送られ、遠い駅方向へテクテク戻る。

「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に立ち寄り、「フォニャルフ」にササッと補充後、店主・小野氏とちょっと打ち合わせ。話し終えて表に出ると、店頭100均棚に理論社「とべたら本こ/山中恒」(初版で函付きで著者献呈簽入り)が並んでいるのを発見。即座に引っ掴んで店内に引き返し、たちまち我が物とする。

※お知らせ
ちょっと先の話ですが、10/2(日)に渋谷の「LOFT9 shibuya」(2016/06/28参照)で行われる『BOOKS 9 × 鬼子母神通り みちくさ市 presents「LOFT9 BOOK FES.2016」』に古本販売で参戦いたします。思えば今年は“フェス”と名の付くイベントに参加するのは二度目(2016/03/23参照)。だからと言って慢心する事無く、せっかくの「古書現世」向井氏の指名をおろそかにせぬよう、力一杯古本を売ることを、今から誓っておきます!イベントの詳細については下記をご覧下さい。フェスの名に恥じぬ豪華過ぎるトークも見どころのようです!
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/48398
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2016年08月05日

8/5下北沢で300円の國枝史郎と出会う

本日は夜半からの下北沢での野暮用に合わせ、夕方から外出。最初に目指したのは「祖師谷書房」(2009/03/05参照)。ここ最近、ちょっと見たことないくらいスッキリした店内を散策し、講談社の創作童話3「オバケちゃん」講談社児童文学創作シリーズ「ちいさいモモちゃん」共に松谷みよ子を計500円で購入する。この二冊を買えたことにある程度満足し、待ち合わせ時間まで、時間潰しにシモキタの古本屋店頭を見て回る。やがてたどり着いた「ほん吉」(2008/06/01参照)で、目を疑うような櫻木書房 國民文藝選書「鸚鵡藏/國枝史郎」(昭和二十年九月刊。『鸚鵡藏』『怪しの館』『鳥目武士』の三編を収録)を300円で掘り出し、ひゃっほうと店頭で飛び上がる。そして店内では金鈴社「世界探偵傑作集/延原正編」(巻末広告に『嵐に立つ花嫁』というタイトルの探偵小説の広告あり。説明には『本編は探偵小説であると同時に社會小説であり家庭小説である。奇智縦横敏捷快活な名探偵が剔抉(【てっけつ】えぐりだすこと…知らない漢字でした)するもろもろの事件は、清新な果汁の味覺にも似た魅惑のうちに讀者を引き入れる現代好箇の香り高き名讀物だ』とある…よ、読んでみたい…)という裸本だが見たことのない本を見つけ、計1300円で購入する。若者だらけの下北沢に久々に来たのだが、良い本&妙な本を安く買わせていただいて、大感謝である!そんあな風に満足の行くブックハントを無事に終え、後は町の片隅にて、ひたすら酔っ払う。
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写真は嬉しい獲物と「ほん吉」店頭にて。
posted by tokusan at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする