2025年03月19日

3/19様々な“雨”かんむり。

……それは雨から始まり、雷・雹・霰・霙・雪と、“雨”かんむり(うかんむり)のオンパレード……そんな冷たい危難を乗り越え、午後三時半に梅ヶ丘に流れ着く。冷え切った身体をキープしたまま、下北沢に直ぐさま移動し、「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭の古本棚で暖をとる。文藝春秋社「頭の洗濯/吉田健一」出版芸術社 ふしぎ文学館「夢の中へ/山田正紀」秋田書店 SUNDAY COMICS「鬼面帝国/山上たつひこ」を掴んで店内に進むと、おっ!入ってすぐの左側が、今まで本で塞がれていたのに、それが退かされ、いきなり左奥の通路に入れるようになっている。ちょっとしたプチ改装であるが、それでもやはり新鮮である。そしてその本の山が無くなったことにより、通路棚の下段が良く見えるようになっている……こんなところにサンリオSF文庫があったのか……むっ、「ハローサマー、グッドバイ/マイクル・ニコイ」が600円ではないか。lこれは買っておかねばと、先述の本とともに計1150円で購入する。「夢の中へ」が110円なのも嬉しいが、「ハローサマー、グッバイ」がやはり冷えた身体をポカポカ温めてくれるね。
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続いて井の頭線下りに乗って、東松原駅で途中下車して「古書瀧堂」(2014/05/01参照)へ。国書刊行会「Xに対する逮捕状/フィリップ・マクドナルド」を300円で購入し、再び井の頭線に乗り、浜田山駅ですぎ丸に乗り買え阿佐ヶ谷に無事生還する。するとポストに封筒に入った厚いゲラ束が届いていた。「古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸」の再校ゲラである。諸処の事情により、三月発売だったのが五月予定にずれ込んでいるが、作業は着々進行中である。そして明日からは、神保町で『神保町さくらみちフェスティバル春の古本まつり』がスタート!予告通りに開催四日間すべて、“盛林堂・イレギュラーズ・エクストラ”となり、『書泉グランデ』前の盛林堂ワゴンに常駐。ぜひとも古本ドッサリワンサカ買いに来て下さい。お待ちしております!
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2025年03月18日

3/18一瞬の阿佐ヶ谷で。

本日も体調回復日とし、基本的には休養して過ごすことにする。何故それほど体調の回復が急務かというと、3/20から始まる「神田古本まつり」の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)ブースに、“盛林堂・イレギュラーズ・エキストラ”として、四日間皆勤せねばならぬのである。あの過酷な連続暗算地獄に耐えるには、百パーセントの体力が必要なのだ……。だがちょっと阿佐ヶ谷に買物に出たついでに、古本屋さんに立ち寄り、精神的英気も充分に養う。『旧中杉通り』の「ネオ書房」(2019/08/11参照)では、ティーンカップルが店頭のカーレースゲーム(このコインパチンコゲーム、本当に大好きな人が多く、プレイしている姿を良く見かける)で見事当たりを出し、大喜びで駄菓子をセレクトしている中、曙出版 あけぼの入門百科「忍者チビッコ道場/監修」を1980円で購入する。
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タイトル通り、戸隠流忍法34代宗家がレクチャーする忍者忍法入門書である。この値段ならお買い得であろう。そして駅北口アーケードの「千章堂書店」(2009/12/29参照)では、角川文庫「横溝正史読本/小林信彦編」(平成二十年改版初版)をラッキーな250円で購入する。あぁ、一瞬の地元古本屋買いで、こんなにも楽しめるなんて。古本の神よ、今日もありがとう。
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2025年03月17日

3/17体調未だ低下中。

昨日は体力と気力の回復をはかるため、一日横臥して過ごす。もちろん眠気の合間に古本読書を進めていたのだが、買ったばかりの講談社「超発明/真鍋博」(現在つくま文庫で復刊されている)に手を出してしまうと、あまりに面白くて吃驚する。SF的発想の奇想天外な発明集なのだが、すべてドラえもんのひみつ道具に採用しても良いほどの、虚の突き方と柔軟な“あったらいいな”発想の連続なのである。中には現在実用化されているものもあるので、レオナルド・ダ・ヴィンチの如き先見の明と言えようか。
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そして本日は体調が回復途中のまま、午後三時に吉祥寺〜三鷹間の御殿山に流れ着いたので、とにかく早く帰ってまた横臥しようと、吉祥寺へ向かう。だがもちろん古本は買わねばならぬ!とまずは「古本センター」(2017/03/06参照)へ。ちくま文庫「禁酒宣言 上林曉・酒場小説集/坪内祐三編」を330円で購入する。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)で双葉社「ノンフィクション・マガジン 世界の秘境シリーズ第58集」(ブラッドベリの短篇『小さな殺し屋』が掲載されているが、挿絵は真鍋博である)岩谷書店「宝石 昭和二十九年三月号」(梶龍雄の『愛鼠チー公』なんて作品が)を計220円で購入し、すぐさま阿佐ヶ谷に戻る。そして強風の中、スーパーで古本を大阪に送るためのダンボールを調達し、強風にバタつかせながら帰宅する。あ〜ぁ、早く寝よ寝よ。

※「日本古書通信 2025年3月号」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は北原尚彦氏の番。1992年の兼業作家時代に、南砂町の「たなべ書店」で現在では古書価高めのコレクターズ・アイテムと化している、ポルノSFを買うお話。
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2025年03月15日

3/15蕨の「古書 なごみ堂」が明日から閉店セールを!

花粉のために体調が恐ろしいほど低下……だが、今日は出かけねばまらぬのだ!と気合いを入れてもふらつきながら、総武線→山手線→京浜東北線と乗り継ぎ、およそ一時間で蕨に到着する。そして線路沿いの古本栽培所「古書 なごみ堂」(2010/02/12参照)へ。
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いつもならじっくり店頭ワゴンを探るのだが、体調の悪さ故すぐに店内に入り、古本山の向こうの帳場に隠れたなごみ堂さんに挨拶する。そしてここに悲しむべき事態をお知らせしよう。「なごみ堂」は五月の建物立ち退き&解体に伴い、お店を閉店することを急遽決心したのである。あぁ、この棚から古本が成長して来ているような光景を見られるのも、後二ヶ月か……。というわけで急遽なごみ堂さんから声がかかり、古本神・森英俊氏とともに閉店セールスケジュールのミーティングに赴いたわけである。だがすでになごみ堂さんの中では色々決まっているようで、閉店セールはせっかちにも明日からスタート。『三月中は店内全品30%オフ』、『四月中は店内全品50%オフ』にするとのこと。営業日は一応毎日(例外あり)で、営業時間は午前十時〜午後四時半とのことである。店内の棚には。芸能風俗関連・戦争関連・戦前紙物・絶版新書サイズ本・文学・マスコミ・サブカル・ゲテモノ・昭和関連・建築・東京・都市・児童文学など、開店から一度もブレていない濃厚マニアックな棚が展開。あまり見かけぬ本がそこかしこに顔を出しているはずなので、みなさまお誘い合わせの上お越しください!
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やがて森氏が到着し。なごみ堂さんがプリンを差し出しながら「今日は閉店セール前夜祭です。本の値段よりサービスしますので、好きなだけ掘り返して買って行って下さい」とのことであった。森氏は早速気になるところを徹底的に検分して行く……ふ、古本栽培所が、激しい力で耕されている。この人の古本に対する欲望は、本当に尋常じゃない……。こちらっはそれほど気合いを入れず、それなりにボヤッと棚を見て行く。だが棚の質が良いので、それでもたちまち四冊を選んでしまう。テレビ朝日「新幹線公安官/長谷川公之」読売新聞社「建築巨人 伊東忠太」パルコ出版「ヘンタイよいこ新聞/糸井重里責任編集」講談社「超発明/真鍋博」を、フライング30%オフの計2800円で購入する。
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うわ、森氏がすげぇ買ってる。さすが。そして体調が相変わらず優れないので、早めに失礼する。本がすべて売れることを願っているます……私もまた来て買うけど。
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2025年03月14日

3/14今日もやっぱり高円寺へ。

春のような暖かさ故の花粉の攻撃に悩まされながら、午後二時過ぎに渋谷の南に流れ着いたので、坂を上がって何はともあれ「中村書店」(2008/07/24参照)へ。創元推理文庫「シャーロック・ホームズの栄冠/ロナルド・A・ノックス、アントニイ・バークリー 他/北原尚彦編訳」シンコーミュージック「異星人デビッド・ボウイの肖像」を計400円で購入する。そして一気に山手線→中央線と乗り継ぎ高円寺へ移動し、「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『BOOK&A』二日目を覗く。あまり長居せずに、昨日見逃したもの、新たに補充されたものを求め、鋭い視線を棚に走らせて行く。するとたちまち四冊が腕の中に飛び込んで来てしまう。東京文藝社「不安な証言/笹沢佐保」小山書店「日本探偵小説代表作集6 横溝正史」(函ナシ)アポロ出版社「奇談クラブ 代作戀文/野村胡堂」東京創元社 世界恐怖小説全集8「死者の誘い/W・デ・ラ・メア」(帯付きだ!)を計1300円で購入する。
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やはり今日も来てみて良かった……そう思いつつ『早稲田通り』を伝って家に帰ると、『日本の古本屋』で注文した古本が届いていた。現代教養文庫「バットマンの冒険1/MHグリーンバーグ編」である。岡山の「不死鳥BOOKS」にて550円で購入する、先日同文庫の「バットマンの冒険2」を入手したところ、内容が素晴らしく、さらにそれに載っていた「バットマンの冒険1」の内容も驚きだったので、すぐに欲しくなり安いものを探して購入したわけである。バットマンのアンソロジーなのだが、執筆陣にとにかくトキメいてしまったのである。ヘンリー・スレッサー、ロバート・シルヴァーバーグ、アイザック・アシモフ、エドワード・D・ホック、ジョージ・アレック・エフィンジャー……あぁ、今から読むのが楽しみでしょうがない……。
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2025年03月13日

3/13高円寺を思い出せてよかった。

確定申告の書類をようやく仕上げ、午前十一時に税務署に提出する。ふぅ〜〜〜〜〜〜、スッキリした。さて、では荻窪にでも回って帰ろうか…そう一瞬思ったが、運良く今日から「西部古書会館」(2008/07/27参照)で『BOOK&A』がスタートしているのを思い出す。となれば足は東に向かい、長々と歩き続けて、やがて正午前に高円寺へ。見やすい位の人出の会館内に荷物を預けて入り込むと、「ハーフノート・ブックス」が昭和三十〜四十年代の推理小説をたくさん並べているのに目を奪われる……すでに所々にブランクが生まれているな。きっと良い物が安く並んでいたのだろう、と見知らぬ客に嫉妬しつつ、遅ればせながら二冊をセレクトする。さらにしゃがみ込んで最下段を見ていると、きゃあっ!立風書房「狼男だよ!/平井和正」(1969年初版の編集者改竄回収本である!)があるではないか。八百円なので買わぬ手はないと、ギュット胸に抱え込む。さらに「新日本書籍」の棚で、越山堂「橢圓形の肖像/エドガア・アラン・ポオ作 布施延雄譯」という文庫サイズ丸背ハードカバーで大正八年刊の、見知らぬポオ短篇集を見つけて興奮する。うむ、これは今日は素晴らしい成果だ!と、税務署前で高円寺を思い出したのを心の中で大いに祝い、前述の二冊とともに、東京文藝社「多過ぎる犯人/南條範夫」文藝春秋「日本幽霊譚/柴田錬三郎」双葉社 ACTION COMICS「童夢/大友克洋」(1983年第1刷)を計2810円で購入する。
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あぁ、うっとりする眺めだ。
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2025年03月12日

3/12二日連続のイレギュラーズ!

今日も今日とて盛林堂・イレギュラーズ!と正午前に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に姿を現わし、二日連続の古本屋さん手伝いに従事する。店主・小野氏が借りて来たキャラバンに乗り込み、神奈川県某所に買取に向かう。それなりの都会的渋滞に始終巻込まれながら、およそ一時間ちょっとで現場に到着。エレベーターの無いマンション二階から、買取交渉成立後に、怒濤のように速攻で大量の古本を運び下ろし始める。主にエンタメ・サスペンス系の文庫本3500冊を、ダンボール箱に詰めたまま&結束し、長い長い二階廊下を台車でガラゴロ階段下り口まで運び、人力で一階エントランスに下ろしてプールして行く。外はいつの間にか雨が激しくなり始めていたので、本を濡らさぬよう細心の注意を払いながら作業を進めて行く。ある程度一階に本が溜まったところで、それを入口近くに横付けしたキャラバンに、さらに濡らさぬよう詰め込んで行く。いや、独りで全部下ろしましたよ。そしてキレイに荷台に詰め込みましたよ、とおよそ一時間半で作業終了。
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後は西荻に帰ってお店にドカドカ下ろすのみ…などと簡単に考えていたら、『環八』が見事に渋滞気味だったので、一時間半かかりどうにか西荻窪に帰り着く。そして小野氏と店番をしていたフミさんと、三人で力を合わせて一気に荷物を下ろしたら、およそ十五分ですべての作業が完了となる。いやいや、本当に雨の中おつかれさまでした。というわけで、とにかくハードなイレギュラーズなのであった。そんな作業の労いとして、函の下部が壊れ、本体も表紙が本文ページから剥離してしまった、宇野浩二の怪奇小説、近代文藝社「女怪/宇野浩二」を支給される。家に帰ったら、函も本体も早速自力でボンドで直すべし(無事にお家で不器用ながらも、安心して読める程度に修復完了できました)!と大いに喜ぶ。
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宇野浩二の怪奇小説なんて、ある意味江戸川乱歩の怪奇小説!などと宇野浩二に失礼な感想を抱きながら、やはりすっかり疲労した身体を引き摺り、いよいよ激しくなって行く雨の中を帰宅する。
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2025年03月11日

3/11看板建築!

午前十一時に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に姿を現わし、まずは「フォニャルフ」にそれなりに補充してから(最近入手した署名本、各種並べております)、盛林堂・イレギュラーズに変身し、店主・小野氏の駆る盛林堂号に乗り込み、移動行程およそ二時間の北関東に買取に向かう。一棚分のミステリ+二百冊ほどの一般書を買い取り積み込む作業は、およそ一時間で終了。その買取本が置いてあった場所は、元小料理屋のシンプルな看板建築の二階だったので、その昭和の生き証人のような稀少な造作に喜び、それ故の狭い階段の運び下ろしに四苦八苦する。
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看板建築の階段は、本当に狭くて急階段なのである。

帰りは「東京古書会館」(2010/03/10参照)を経由して西荻窪に帰り着いたのは午後五時前。角川書店「愚連隊/獅子文六」桃源社「蒼ざめた日曜日/曾野綾子」文武書院「大東京名所冩眞 附大東京三十五區交通地圖」小学館 小六名作文庫「怪盗ルパン」を計700円で購入する。そしてそのまま盛林堂に居座り、夜はSF本デザイナー・岩郷重力氏、ホームズ研究家・北原尚彦氏、水玉蛍之丞研究家・すけきよ氏、それに盛林堂・小野氏との飲み会に参加させていただく。もうSF界裏面史の生き字引と言っても過言でないような、岩郷氏の話が愉快愉快。いや、色々と勉強になりました。
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2025年03月10日

3/10「虚靈」と「死靈」。

昨日はようやく確定申告の書類を作成し始めるが、途中でどうにもめんどくさくなり、古本を買いに外に出てしまう。暖かいと思ったら意外に寒いなと感じつつ、まずは吉祥寺へ。「よみた屋」(2014/08/29参照)でNHKサービスセンター「[モダン昭和]展」平凡社「ガラクタ百科/石子順三」を計660円で購入する。続いて「古本センター」(2017/03/06参照)では立風書房「のらくろはわれらの同時代人 山口昌男・漫画論集」を150円で購入し、荻窪に移動する。こちらでは「竹中書店」(2009/01/23参照)で朝日新聞社「「ひとつ、村上さんでやってみるか」/村上春樹 絵・安西水丸」を200円で購入。店頭に凍えるほどの強冷風が吹き荒れていた「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)では、内田鶴圃新社「世界の珍草と奇木/か川崎勉」シグロ「貝の火 復刻版/宮澤賢治」を計220円で購入し、あまりにも寒かったので、革ジャンの分厚い衿を無理に立て、肩をすぼめてトボトボ帰宅する。そして本日は午後一時に高井戸に流れ着いたので、仕方なく昨日訪れたばかりの吉祥寺に出る……昨日の今日で果たして古本が買えるのだろうか……と思ったら性懲りもなく買えました。ありがとう吉祥寺!「古本センター」(2017/03/06参照)でサンケイ出版 第二次世界大戦ブックス84「ジープ 不滅の戦闘車輌/デンフェルド・フライ 高斎正訳」を250円で購入する。さり気なくなかなかの拾い物である。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)にて晶文社Y・A図書館3「マーク・トウエィン殺人事件/ローレンス・ヤップ」を110円で購入する。そんな風に古本を買えた勢いに乗って西荻窪までテクテク歩き、「古書音羽館」で新日本出版社「ぼくには毛もあるヘソもある/井尻正二作 伊東章夫絵」を400円で購入して帰宅する。

そして先日から埴谷雄高「死靈」リスペクト作品、新宿書房「虚靈/立木鷹志」(2024/10/14参照)を読み始めたのだが、予想に反して面白いので、本は何でも読んでみるもんだと、改めて感じ入っている。「虚靈」は、まるで「死靈」の二次創作のように、次々とそれぞれのオリジナル思想に耽りまくる陰鬱なキャラクターが登場し、その突飛な思想をバトルのようにぶつけ合っている。しかもオリジナル「死靈」に敬意を表して、これまた物語展開は探偵小説風と来ているので、「死靈」好き(日本に果たして何人いるのだろうか…)にはたまらない作品と言えよう。ところでこの「虚靈」、改めて調べてみると恐ろしく高値で取引されていることが判明……眞善美社「死靈」元本と同等の価値とはどういうわけ?というわけで二冊を記念撮影してみる。
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※そろそろ書店に並んでいる「本の雑誌 花酔てんつく号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、早稲田の激シブ店「二朗書房」を秘密取材。ここの海外文学古書棚は本当に壮観なので、早稲田を訪れた際は、ぜひとも勇気を奮って入店してみてください。
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2025年03月08日

3/8北北東でプレゼントを。

日中に粉雪が舞い、三月なのに春との遠い距離を肌で味わいながら、午後一時に三鷹台に流れ着く。神田川の谷を越えて北北東に歩き続けて、すでに店頭にビニールカーテンを巡らせている雨仕様の「盛林堂書房」へ(2012/01/06参照)。尚友館書店「海賊/バイロン」(函ナシ)東京堂出版「日本推理小説辞典/中島河太郎編」(函ナシ)金園社「探偵小説百科/九鬼紫郎」大東書院「由来噺聞書/吉岡文次郎」(函ナシ)を計400円で購入しつつ、店主・小野氏と来週から始まるハードな盛林堂・イレギュラーズについて色々打ち合わせる。エレベーターの無いマンション……が、がんばるぞ!と意気込んでいると、小野氏より嬉しい嬉しい誕生日プレゼントを手渡される。去年の「神田古本まつり」で売れ残ったという、日本小説文庫「白魔/大下宇陀児」「恐怖城/佐左木俊郎」の、昭和初期探偵小説文庫本二冊!
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ぬぉぉぉぉぉ、大好物です!古本が詰まったダンボール、バンバン階段で運び下ろします!と、単純にプレゼントに釣られて安請け合いする。というわけでニコニコしながらお店を出て、続いて総武線に乗り込み高円寺へ。「西部古書会館」の『均一祭』一日目(200円均一)を覗く。すでにそこかしこでガタガタになっている棚に、それでも諦めずに鋭い視線を投げ掛けながら、通路をわりと丁寧に一巡する。思潮社「現代詩読本 瀧口修造」時の美術社「現代美術家シリーズ4 靉光」陸軍美術協會出版部「比島従軍記 南十字星下/陸軍報道班員 向井潤吉」実業之日本社 創作幼年童話「駅長さんと青いシグナル/大石真 え・小林与志」小峰書店「さとるのじてんしゃ/作=大石真 え=北田卓史」(昭和48年初版。やった!)理論社 童話プレゼント「ゾウのかばん/神戸淳吉・作 久米宏一・絵」を計1200円で購入する。この祭は明日は半額となる。
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なかなかの掘出し物はこの二冊。よくぞ午後まで残ってくれてました。
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2025年03月07日

3/7とらわれの冬。

夜中の二時(つまりいわゆる丑三つ時である)に何故か目覚めてしまい、戯れにパソコンに向かいアレコレやっていたら、いつの間にか『日本の古本屋』で古本を一冊注文してしまう。そんな愚かな夜を乗り越え、正午前に外出して、西武新宿線で一気に所沢へ。開始三日目の「所沢古本まつり」(2010/06/02参照)を、いつもの長帳場になるのを覚悟し覗きに来たのである。まずは一階外の50均ワゴンとエントランス部分をじっくり見て回り、千代田書院「新篇 銭形平次捕物控/野村胡堂」偕成社文庫「エドガー=アラン=ポー怪奇・探偵小説集[1]」日本交通公社「たべもの東西南北」文春文庫「草のつるぎ/野呂邦暢」双葉社アクションコミックス「気分はもう戦争/矢作俊彦・大友克洋」を計580円で購入する。よし、古本準備運動は終わった……と、展望エレベータに乗り込み、足下にみるみる下がって行く駅前ロータリーを眺めながら八階へ。相変わらず広過ぎる会場、そして多過ぎる古本島に、敢然と闘いを挑み始める。入口から見て左側から取りかかり、奥まで行ったら折り返すのを繰り返し、徐々に右へと移動して行く……集中力を切らさずに、ただただ辛抱強く……。右端まで行ったら、最後に外周の文庫本をザッと流して見て行く……およそ二時間弱が経過し、手には四冊の本が掴まれていた。確実に疲労が蓄積しているが、同時に完走した達成感も抱いている。清水書店「不思議な犯罪の話/大森洪太」(函ナシ。大正十五年刊の英国に三年ほど滞在した著者が収集した面白犯罪実話集)小学館「オレのまんが道(T)/少年サンデー編集部編」中央美術社「尖端を行く/河盛久夫」(函ナシ)集英社「ふたりの女/野呂邦暢」を計1830円で購入する。「ふたりの女」は嬉しいことに識語署名入りであった。良い本が安く買えて、良かった。この市は3/11まで。
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暗い紺色の見返しに墨で署名されているので、なかなか見難い。識語『とらわれの冬』は収録作の短篇のタイトルである。それにしてももはや三月なのにこの酷い寒さ……まさに“とらわれの冬”といったところか。
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2025年03月06日

3/6「わんぱく天国」新種発見。

正午に田無と柳沢の間に流れ着いたので、いっそのこと保谷まで出てしまおうと、北に向かってエッチラオッチラ歩いて行く……だが、やはり保谷はなかなか遠かった。だが、「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)に癒してもらえれば、そんな疲れは即帳消しだ!と意気込んで店前に到着すると、無情にもパイプシャッターが下ろされた状態であった…ぐぅ、無念。仕方なく一冊の古本も手にせずに、西武池袋線の人となる。各駅停車のシートに腰を下ろし、おとなしく「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に寄って帰るか……などと最初は考えていたが、そうだ!こうなったら乗り越して、一気に江古田に出てしまおう!と思いつく。ということで江古田駅で下車し、まずは日芸前の「根元書房 日芸前店」(2008/10/07参照)へ。すると店頭では、ベレー帽を被った店主と老紳士が、夢野久作などのマニアックな話に夢中になっている。そんな気になる会話を尻目に、あちこちガサゴソする。色々掴んで一度店内通路に進み、棚の見られる部分だけ見て外に引き返すと、話を終えた店主が「何かお探しのものがありましたら、お出ししますよ」と話しかけて来た。「いや、もう中がこの状態なので(本当に本で整然と埋め尽くされているのだ)、表でしか商売が出来ません」と苦笑いしている。う〜む、やはり色々な意味で豪快なお店である。「スゴいですね」と当たり障りなく返しながら、ポプラ社「ウーフはなんにもなれないのか?/神沢利子 絵・井上洋介」ごま書房「名探偵紳士録/山村正夫」勁草書房「サイバーパンク・アメリカ/巽孝之」洋泉社「“怪奇”研究読本 怪奇秘宝 戦慄編」を計1100円で購入する。また来ようと思いつつ、続い「snowdrop」(2021/07/23参照)へ。店内に入るや否や、児童文学棚に未知のカバー版の講談社「わんぱく天国-按針塚の少年たち-/佐藤さとる」を見つけて色めき立つ。江古田に来て良かった!と思いつつ、購入手続きに入る。snowdropさんとはちょっとした顔見知りなのだが、あくまで一客として通り過ぎたい引っ込み思案の私は、気付かれないのを幸いに、550円を支払い、勧められるままスタンプカードを作り、ショップカードも勧められるままにいただく。そしてそのままお店を去ろうと背中を見せると、「古ツアさん?」と気付かれてしまった。思わず「何で今更気付くんですか!」と笑いながら突っ込んでしまう。「帽子とマスクをしてるので確証がなかったんですが、その髪の毛をまとめているのを見たら…」ということなのであった。改めて二人で爆笑する。お店、開けてくれていてありがとうございます!そしてその後はようやく中村橋にたどり着き、「古書クマゴロウ」で同人本「THE LITTLE CATS IN “SPACE OPERA”/みみ★麻利邑」(冒頭に寺山修司の献辞『ねこすけクンと友だちになる方法』あり。すげぇ)現代教養文庫「バットマンの冒険2/M・H・グリーンバーグ編」を計1055円で購入する。

さて、「わんぱく天国」であるが、これで少年少女現代日本文学版、児童文学創作シリーズの函版、そして今回入手したカバー版、青い鳥文庫版、講談社文庫版が存在することが判明した。カタチを変えて生き延びる、名作&ベストセラーの証拠ですな。
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下、左が函版、右がカバー版。残念ながら文庫本版は、咄嗟のことで見つからず終い……。
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2025年03月05日

3/5跨線橋の解体状況。

昨日は基本家に閉じこもり、仕事をしたり片付けをしたりゲラを戻したりするが、一瞬外に出て大阪に古本を送ったりもする。しばらくしたら大阪「梅田蔦屋書店」の古書棚に変な本がズラズラ並び始めるはずなので、どうぞ可愛がっていただければ幸いです。そして本日は午後三時過ぎに三鷹に流れ着く。……さて、跨線橋は現在どんなことに……北側の階段は未だ上部まで残存。南側は下部しか残っておらず、既に囲いの中に隠れてしまっている。そして肝心の橋はというと、中央部分の十メートル弱が孤立して残っている状態である。
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いよいよ消滅の日が近付いている予感を、ヒシヒシと感じてしまう。寂しいから古本を買いに行こう。と北にテクテク歩いて「りんてん舎」(2019/03/30参照)へ、アテネ文庫「花と死と運命/木村素衛」三笠書房 若草文庫「悪魔の発明/ジュール・ヴェルヌ」を計660円で購入する。昭和34年刊の「悪魔の発明」はお買い得。そして映画スチールを使ったカバーがなかなか如何わしくてステキである。
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続いてしつこい雨の中を歩き続けて吉祥寺へ。「古本センター」(2017/03/06参照)で読売新聞社「マイ・ミステリー 新西洋推理小説事情/小鷹信光」を150円で購入し、「よみた屋」(2014/08/29参照)では日本文芸社「催眠技術入門驚異の暗示実験!/守部昭夫」を110円で購入し、ようやく家に帰宅する。家で一息入れた後に、仕事部屋の片隅にまとめてあった古本をバッグに詰め込んで、夜の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に買取持ち込みする。交渉成立後、店主・天野氏としばらくコンコ堂の行く末などについて、何故かしんみりと語り合う。
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2025年03月03日

3/3寒くともやはり古本を!

早朝はわりと暖かな雨だったのに、次第に冷たい大雨となり、やがてペギラかギガスかガンダーが襲来したように気温が急降下し、雨は霙になったり雪になったりを、際限なく繰り返す……そんな過酷な気候に弄ばれ、午後二時半にすっかり身体を冷たくして、桃井の『環八』沿いに流れ着く。一刻も早く家に帰り、温かい風呂に飛び込みたいのはやまやまだが、やはり古本を買わぬと気が治まらぬ!と震えながら荻窪に向かい、店頭棚が脇のピロティやテント下に窮屈に収納された、完全雨仕様の「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に飛び込む。身体が温もりをなかなか取り戻せぬので、ブルブル震えながら東方社「新雪/藤澤桓夫」荒地出版社「推理試験〈あなたの推理力をテストする80題〉/二宮佳景編」旺文社「弁当はどこだ…!!/所ジョージ」を計660円で購入する。無事に古本は買えたが、まだ家には帰らない。実は昨日見かけて大変に心残りになってしまった古本をやはり買うことにして、高円寺に急行する。電車の中で多少温かさを得つつも、まだまだ震えながら『庚申通り』を北に向かい「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に飛び込む、そして迷わず文学棚から、東京創元社「虚無への供物/塔晶夫」をそっと掴み出し、三千円で購入する。二〇〇〇年に三十六年ぶりに復刊された塔晶夫名義の「虚無への供物」である。この復刊本には、限定百部の二重函本も存在し、そちらは軽く五桁後半の値段が付いてしまう本である。だがこの普及版も、今やすっかり高値になってしまっているので、三千円は完全にお買い得なのであった。今日も良い古本が買えて、とても幸せである。さぁ、早く家に帰って熱い熱い風呂を。
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2025年03月02日

3/2二日目でも買えました。

朝から必死に原稿書き。午前九時半までにひとまず形にし、一旦外出して高円寺へ駆け付ける。午前十時過ぎの「西部古書会館」(2008/07/27参照)『Vintage Book Lab』二日目である。ガレージに入るとやはり多少の変化が認められる。昨日館内棚にあった本が、一部値下げされ流れ出ているのだ。そして中に進むと、棚に大きなブランクが生まれたりしているが、一部補充もされており、昨日は見かけなかった本が散見される……やはり見に来て良かった。とは言え、昨日ほどの購買意欲は発揮されず、計四冊を掴むに留まる。宝石社「探偵小説年鑑 1958年版/探偵作家クラブ編」春陽堂書店「山窩綺談 瀬降と山刃/三角寛」(カバーナシ)昭和出版株式會社「名作童話繪ばなし 開けよ胡麻/文・」上野山義勝 畫・向井潤吉」雄山閣出版「急行出雲/鮎川哲也」を計1100円で購入する。「急行出雲」が500円なのはやはり嬉しい。それにしてもこのカバー、線路のレールのどアップとは、意表を突くデザインである(ちなみに表紙には列車時刻表に伸びる黒い手、本扉には鉄道信号機の写真と、鉄道尽くしなのである)。また「開けよ胡麻」は昭和二十二年刊で計22ページの粗末な絵本だが、一応オール四色で、挿絵が民家洋画家の向井潤吉なのである。絵本のレベルを超えた絵の上手さに感動する。
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家に帰って原稿を仕上げたら、大阪に送る古本箱の準備を進める。そして早くも今年もあの依頼が……できるかなぁ、どうしようかなぁ。悪戦苦闘するのは火を見るより明らかなんだけどなぁ……いや、やっぱり頑張ってやることにするか。
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2025年03月01日

3/1大遅刻でも買えました。

二月が何処かに行ってしまったような暖かな陽気に包まれながら、午後三時過ぎに宮前の果てに流れ着いたので、必死に北西に歩き続けて「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。集英社「柴錬巷談 総輯篇/柴田錬三郎」フレーベルこども文庫「ちびっこが七人/砂田弘 そうてい・さし絵 長尾みのる」を計二百円で購入する。そして帳場のフミさんに、「これからヴィンテージに行って来ます」と宣言し「行ってらっしゃい」と見送られ、総武線に乗って高円寺の「西部古書会館」(2008/07/27参照)へ。「第8回 Vintage Book lab」一日目である。……すでに開始から六時間が経過している…大遅刻であるが、果たして買えるものは残っているであろうか……。そんな心配をしながらも、ガレージで素早く二冊を手にして館内へ。各通路にはまだまだお客がたくさんおり、立ち読みしている姿がそこかしこに見受けられる。それにしても、各棚に茶色い古書が多くて、これは嬉しく楽しく興奮する展開である。というわけで、たちまち突入前の心配は呆気なく吹き飛んでしまい、腕の中に古本が次々飛び込んで来る始末。ポプラ社「風雲青葉城/土師清二」岩谷書店「探偵小説年鑑 1952年版/探偵作家クラブ編」八曜社「明日に向かって走れ/吉田拓郎」講談社書下し長編探偵小説全集「鮮血洋燈/渡辺啓助」桃源社書下し推理長編「危険な童話/土屋隆夫」桃源社 推理小説名作文庫「悪魔の火祭/高木彬光」大日本雄辯會講談社「太陽の凱歌/山中峯太郎」(カバーナシ)を計2430円で購入する。いやぁ、抑えたつもりなのに、買った買った。しかもまだまだ買えそうなのがコワい。こりゃぁ、明日も偵察に来るべきか……。
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「太陽の凱歌」と「悪魔の火祭」、残ってくれていてありがとう!「太陽の凱歌」の装幀.挿繪は富永謙太郎という未知の人であるが、なかなかスタイリッシュな作風で、昭和初期感たっぷりなのが堪らない。
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2025年02月28日

2/28ふとアルタの古本市を。

午前十時に御茶ノ水駅に姿を現わし、いつものように坂を下って『太田姫稲荷神社』にお参りしてから、「東京古書会館」(2010/03/10参照)の『ぐろりや会』一日目へ。素早く会場を一周し、春陽文庫「噫無情 上・下/黒岩涙香」(カバーナシ)角川文庫「スペイン岬の裸死事件/エラリー・クイーン」を計700円で購入し、午前のうちに神保町を離脱する。そして家に帰って昼食を摂った後、掘り出してあった特殊古本をバッグに詰め外出し、『中野ブロードウェイ』三階の「まんだらけ買取処」に持ち込む。二十冊ほどの持ち込みで、査定時間はおよそ一時間であった。待っている間に四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で、平凡社「江戸川亂歩全集 第九巻 盲獣 」(函ナシ)創元推理文庫「大空の死/アガサ・クリスチィ」を計660円で購入する。「大空の死」は再版色背である。交渉成立後、すぐに中野を離れ始め、春の陽気の『早稲田通り』をトボトボ。途中高円寺で「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に立ち寄り、芳賀書店「映画宝庫 ドラキュラ雑学写真事典」を300円で購入する。
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ところで本日、新宿の待ち合わせ名所『新宿アルタ』が閉店してしまうそうだが、そのニュースを見ていて、昔一階奥の裏口近くの階段室で、数台のワゴンの小規模な古本市が開かれていたのを、ふと思い出した。もう二十年以上前のことである。
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2025年02月27日

2/27早くも署名入り「絵の中の散歩」が完本に。

夕方、家内各所から掘り出した漫画本をバッグ二つに詰め、エッチラオッチラ吉祥寺まで移動し、最近お世話になりまくりの「バサラブックス」(2015/03/28参照)に買取持ち込みする。査定を待つ間、夕暮れの賑わいの街に、古本心をリリースする。まずは「よみた屋」(2014/08/29参照)で、日本テレビ放送網株式会社「太陽にほえろ 200回記念名場面集」マガジンハウス「BRUTUS 少年ブルータス 死ぬまでマンガを読みたい」鹿島研究出版会「SDグラフィック 帝国ホテル」(函ナシ)を計880円で購入する。昭和43年刊の「帝国ホテル」は残念ながら函ナシであるが、F・L・ライト設計の旧帝国ホテルをマクロにミクロに撮影した素晴らしい写真集である。
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続いて「藤井書店」(2009/07/23参照)まで足を延ばすと、おぉ!探していた新潮社「絵の中の散歩/洲之内徹」が、函付き帯付きで千円で売られているではないか!こんなにも早く出会えるとは、と喜び早速購入する。これで家にある箱ナシの署名本が(2024/12/14参照)、目田たく完本となった次第である。
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そん赤い物をしてバサラブックスに戻ると、無事に査定は終了し交渉成立。鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」の三巻、一生懸命探したんですが、何処に紛れているのか、どうしても見つからなかったんです。それがあれば全巻揃いだったのに……ゴメンナサイ。
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2025年02月26日

2/26東京・千歳船橋 桜丘街づくりサロン

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正午過ぎに千歳船橋に流れ着いたのだが、実は午前のうちにいつの間にか古本屋さんが無くなってしまったこの地帯に、小さな小さな古本の草が芽吹いているのを発見したのだ。南口商店街通りの、『稲荷森稲荷神社』(稲荷が先なのか森が先なのか、まったくわからん……)の斜向いにある、『桜丘街づくりサロン』の店頭リサイクルコーナーに、ささやかな古本棚が設置されているのだ。銀フレームの棚に、最上段がムックや絵本、二段目に文庫本、三段目にコミックとCDが置かれ、本はすべて百円でとなっている。例え古書がなくささやかに過ぎるとも、街角で古本を買えるのは素敵なことである。講談社文庫「人間は考えるFになる/土屋賢二 森博嗣」を買おうとすると、ドアが閉っており中には入れない……どうやら、無人販売時間らしく、代金は誠実に料金箱に投げ入れるシステムになっているようだ。というわけで百円玉を放り込む。

続いて下北沢に向かい、「ほん吉」(2008/06/01参照)でミリオン・ブックス「隨筆 ふるさとの味/森田たま」文春ネスコ「タミヤニュースの世界/田宮模型編」を計660円で購入する。「古書ビビビ」(2009/10/15参照)では角川文庫「ひでおと素子の愛の交換日記/新井素子 吾妻ひでお」を百円で購入。さらに「CLARIS BOOKS」(2013/12/01参照)で春陽文庫「網膜脈視症/木々高太郎」を300円で購入し、下北沢を離脱する。次は東松原で途中下車して「古書瀧堂」(2014/05/01参照)へ。ハヤカワポケミス「チャーリー・張の活躍/E・D・ビガース」「途中の家/エラリー・クイーン」を計200円で購入し、阿佐ヶ谷に戻る。家に帰り着き一息ついたら、またもや出来上がっていた巨大古本箱をガラゴロカートで引き摺り、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に持ち込む。折しも店内は、週末の催事の搬入準備と、市場落札品が錯綜するてんてこ舞い状態であった……こんな大変な時に古本を持ち込んでしまってすみません……と小さくなりながら、それでも査定を小野氏にお願いする。査定を待つ間店内をうろつきながら、催事用の結束本群の見えているところだけ眺めていると、ウムムムム、スゴい古書ラインナップだ…これが全品200円とは…恐らく壮絶な奪い合いになるのではなかろうか?などと余計な心配と、開始時刻に駆け付けられる人々を羨ましく思う。程なくして査定は終了し、交渉は無事成立。持ち込んだ創元推理文庫についてちょっとレクチャーを受け、知識を増やす。そして催事用にたまたま帳場で整理中の、たくさんの児童文学の中から、理論社「チョコレート戦争/大石真・作 北田卓史・え」を、函の上部が壊れているからと、プレゼントされる。ありがとうございます(実は来月、驚くほど盛林堂に駆り出される予定なので、恐らく先手を打った労いの可能性が)!うわ、この理論社の童話プレゼントシリーズ、カバー装しか見たことないのだが、最初は函入だったのか。その函には、今まで見たこともない「チョコレート戦争」の北田卓史の函絵がっ!…ううっ、生きてて良かった……。
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2025年02月25日

2/25神の古本的手腕に敬服する。

昨日は午後三時に千歳船橋に流れ着いたので、ツラツラ歩いて経堂に出て「ゆうらん古書店」(2022/09/25参照)へ。マガジンハウス「私の鉄腕アトム 100人のアーティストによる「私のアトム展」」春秋社「わが本籍は映画館/木村威夫」を計800円で購入する。お店を出たら素直に阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の前を通りかかる。すると店頭左の110均単行本棚に、小さな黒い博文館の『世界探偵小説全集』がはまり込んでいるのを目敏く発見。速やかに取り出すと、妹尾韶夫譯の「ボアゴベイ集」であった。講談社「透明な季節/梶龍雄」とともに計660円で購入する。そして本日は正午前に外出し、神保町へ。古本神・森英俊氏とある打ち合わせのため、午後一時に『書泉グランデ』一階で待ち合わせているのだが、時間前の午後十二時五十分に「@ワンダーJG」(2023/06/20参照)で古書ゾーンを見ていると、視界の隅にフラリと長身の男が入って来た……森氏であった。というわけで『靖国通り』を渡って『書泉グランデ』に行かなくて済むことになったので、二人で静かに話せる喫茶店を探し、街をウロウロ。謎の打ち合わせは無事に終わるが、その際森氏から「さっき「アカシア書店」(2010/11/03参照)で百円で買ったんですけど、どうです?百円で買いませんか?」と一冊の函入り本を差し出される。平凡社 江戸川亂歩全集第十二巻「吸血鬼」なのである。函にも本体にも傷みがあり、『新庄鐵道倶楽部』の蔵印が捺されているが、それでも昭和七年刊の江戸川亂歩全集の函付きなのである。喜んで百円玉を手渡し、譲っていただく。いや、古本神の見事な古本的手腕に、敬服することしきり。
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氏と別れた後は、電車に乗って連載の取材へ。良い本が安く買えて喜んだのも束の間、棚に欲しくて欲しくてたまらない本を発見してしまう……だがこれを買うと、我が家の経済に微細な亀裂が生じてしまう……ちょっとガマンして、余裕がある時に買いに来ることにしよう。まぁ当分は売れないだろう(こういう甘い決断が後悔のタネとなるのである……)。
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