2018年09月17日

9/17ピタピタ古本を買いに行く。

朝からノンビリ昨日の片付けや古本の片付けや仕分けをしつつ、午前十一時に戻って来たような暑さに対抗して、ビーサンを履いてピタピタ外出する。もちろん向かうは荻窪の「ささま書店」(2018/08/20参照)なのだが、今日が祝日なのを良いことに、「ささま」の手前にある『丸長中華そば店』がいつも良いスープの匂いを漂わせているので(いつも通るだけで、一度も入ったことはない)、本を買い終わったらそこで昼食をと思ったりしたのだが、お店の前に差し掛かるとすでに店頭には長蛇の列が出来上がっていた…やめとこう。というわけで、いつものように午前十一時半の店頭棚に食らいつき、白水社「十三の不気味な物語/ハンス・ベニー・ヤーン 種村季弘訳」白夜書房「殺しがいっぱい ハードサスペンスアンソロジー/中田耕治編」サンリオSF文庫「ザ・ベスト・オブ・サキ/サキ」を計324円で購入する。「十三の不気味な物語」は北園克衛装幀で、表紙のオブジェ写真は、どうやら北園の写真詩『PLASTIC POEM』を使ったものみたいだ。なので家に帰ってから沖積舎「北園克衛写真集」にあたってみると、同じ素材の湾曲した針金と小石二個を使った似たカットの作品『NO.132』が確認出来たが、装幀と素材の配置も写真の露出も微妙に異なっていた。恐らく装幀には『PLASTIC POEM』を作成した時の没カットや、別パターンを使用したものと思われる。
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お店を出たら電車に乗って中野まで出る。北口駅前の立食い蕎麦屋『かさい』でアジ天そばを啜る。太麺で汁が濃いめで食べごたえアリ。満腹後に『中野ブロードウェイ』に潜入し、四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)のミステリーコーナーに直行する。しばらく来ないうちに、見慣れぬ裸本がそこかしこに紛れ込んでいるではないか。最初は香山滋の「蜥蜴夫人」に心動かされるが、背の傷みがかなりヒドい状態で三千円という値段に頭を抱える。一旦保留してさらに棚に熱い視線を注いで行くと、ほぉっ!日本公論社「マギル卿最後の旅/F・W・クロフツ」が二千円ではないか。こりゃ幸せだ!と即座に購入を決意する。この小説は、いずれ創元推理文庫の真鍋博装幀版で読むのを夢見ていたが、もう昭和十二年の訳で読めるのなら万々歳である。その他に、岩崎書店「アッシャー家の没落/エドガー・アラン・ポー 久米元一訳」とともに計2268円で購入する。
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クロス装の裸本の写真では寂しいので、少しは見栄えのする本扉をここに掲げる。

良い買物をしてブロードウェイを突き抜けて「古本案内処」(2015/08/23参照)を見に行くが、そうか、月曜日は定休日だったか!と気付き、北にピタピタ歩き続けて新井薬師前駅前の「文林堂書店」(2008/08/04参照)へ。ところがようやくお店を開け始めたところだったので、開店を待つことなく痺れを切らしてしまい、西武新宿線で帰路に着く。
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2018年09月16日

9/16久々に大台に到達する。

朝からゴロゴロ重い古本を引いて、電車に乗り、地下通路の人ごみを掻き分け、動く歩道の上を素早く移動し、「みちくさ市」に午前十一時から楽しく参加する。早速お出ましの古本神や古本高校生と情報交換したり、上目遣いに近付く「ドジブックス」さんから古本屋開店情報をタレ込まれたり、トーク登壇に向かう角田光代さんと道を挟んで手を振り合ったり、画家・武藤さんに遠目に作家の樋口毅弘さんを教えられたり、子供の手を引いたお父さんがカレル・チャペックの「園芸家十二ヶ月」を示しながら「ペチャックはいいぞ!」と真顔で言っていたり、隣りで売っていた『大鉄人17』のソノシートをきっかけに「JUNGLE BOOKS」(2018/06/16参照)ケンさんと主題歌について記憶を探ったり、オカルト関連本をゴッソリ買い占める勇者に目を丸くしたり、ママの押すベビーカーが目の前に停まり赤ちゃんと目が合ってニンマリ笑顔を見せたところ泣き出されたり、お客さんとECDについて喧々諤々の議論を交わしていたら唐突にカレーパン(豆入りで美味しかった!)を差し出されたり、塩山芳明氏の日本共産党参議院議員“吉良よし子”のニッチ過ぎるポスターヤフオク売買の話に爆笑したり、「朝霞書林」さんに一万円の両替を頼まれたり…などなどと、午後四時までの五時間を楽しく過ごす。おかげで今回は久々の大台突破となる、五十一冊を売り上げることが出来ました!会場にお越しのみなさま、足を停めて下さったみなさま、話しかけてくれたみなさま、古本をお買い上げのみなさま、わめぞのみなさま、今回もありがとうございました!そして今日の唯一の古本収穫は、市開始前に眠そうな駄々猫さんがスススと近寄り、「ハイ、これ。ようやく見つけたよ」と渡してくれた一冊。学研 昭和三十八年「中学一年コース」6月号第3付録「中学生傑作文庫 いなか保安官/レイモンド・チャンドラー」である。駄々猫さんが松本の一箱古本市で買った時から「とにかくヒドい表紙なの!」と言っていた珍品なのである。「古ツアさん向き」だと、譲り受ける約束をしてから一年以上…ようやく、新しい猫を飼い始めたために家の中を整理せざるを得なくなり、奥の奥から発見したとのことであった。うぅむ、確かにこの表紙はヒドい!表1だけだと、まぁ宙を掻きむしり無惨に琴切れた男と言った感じなのだが、実は表4に跨がるイラストを全体で見ると、ガ.ガニ股で死んでいる…こんな学習雑誌の付録があって良いものだろうか。とにかく駄々猫さん、ありがとうございます!
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2018年09月15日

9/15明日は「みちくさ市」!

本日は三鷹の天文台近くの大沢というところに流れ着き、どうにか三鷹駅にバスで帰還する。その後は吉祥寺までヒタヒタ歩き、雨上がりの「バサラブックス」(2015/03/28参照)店頭300均箱に憩いを求める。アスペクト「虹龍異聞 湊谷夢吉作品集1」青林工藝舎「月にひらく襟/鳩山郁子」を計600円で購入する。「虹龍異聞」を読みながら帰るが、やっぱり湊谷夢吉の漫画は面白いなぁ。上海・満州・特務機関・秘密結社・SF・疑似科学・民俗学・考古学・武術・飛行機・兵器などの知識が、グルグルグルグル「ちびくろサンボ」のバターのように溶け合いながらコマの中を緻密に巡り、素敵な夢を見せてくれるのだ。

そして家に帰り着き、必死に明日の「みちくさ市」へのラストスパート。どうやら天気は大丈夫そうなので、たくさん面白い本や無駄な本や懐かしい本や奇妙な本や探偵小説や附録本や絵本やブログでお披露目した本や文庫本などを並べ、下唇を噛んでお待ちしております!見に来て下さい、買って下さい!何だか秋めいた日曜日を費やして、雑司が谷で古本で遊びましょう!
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2018年09月14日

9/14失われた窓枠

今日も朝からノンビリ「みちくさ市」の準備を進めている。昼飯を食べた正午過ぎに外出し、銀行に釣り銭を作りに行く。だが、両替機の五百円玉がゼロになっている…仕方がないのでまずは百円玉を作り、その後駅の券売機で、SUICAに千円札を投入して五百円チャージを繰り返し、苦労して五百円玉を何枚か造り出す。そんなことをしていたら古本が買いたくなって来てしまったので、電車に飛び乗り武蔵小山の「九曜書房」(2009/03/26参照)に赴く。常に愛して止まない店内五百均単行本棚が、裏切らずに古本的輝きを強力に発していたので、たちまち三冊を選び取る。ほるぷ出版「注文の多い料理店/宮澤賢治」雄山閣出版「天狗の面/土屋隆夫」コバルト社「探偵クラブ 創刊6月号」(昭和五十年に発刊された、探偵小説ロマンの復活を謳った『捕物と探偵小説雑誌』。心なしか、昭和三十年代に出ていた共栄社の「探偵倶楽部」にデザインや色使いが似ている。だがコバルト社なので、ヌードグラビアがあったりSM雑誌やSM映画の広告が載っていたり、内容自体もいかがわしい方向に重心を置いている。なのに日影丈吉・加納一朗・城昌幸・中島河太郎なども寄稿しているのが意外である)を計1500円で購入する。お店を出ると、天気予報は外れてまだ雨は降りそうにもないので、テクテク歩いて西小山へ。薄暗い駅前商店街に潜り込むと「ハイカラ横丁まるや」(2015/02/18参照)は店主の姿がないのにしっかりと営業中である。中央棚奥側の本・雑誌・付録本ラックを漁る。実業之日本社「少女の友」昭和十年七月号附録「星の本」を見つけたところで、店主がアーケードに流れる懐メロに合わせて鼻歌を唄いながら帰って来た。「こんにちは」と挨拶しながら精算をお願いし、「細かくてすみません」と小銭で864円を支払う。この附録本は、星座表と星座の見方と星の神話で構成されている。表紙には贅沢にも窓枠が抜かれ、ガラス代わりに厚めのセロファンが貼付けてある。表紙下の口絵が、窓越しの景色として見える仕掛けになっているのだ。残念なことにセロファン上にあった窓枠は失われ、廃墟みたいに成り果てているが、八十三年前のセロファンが残っているのが、とてもいじらしい。当時は、いったいどんな少女が、手にしていたのだろうか。
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2018年09月12日

9/12準備とパトロール

日曜の「みちくさ市」の準備を、ジリジリノロノロ進める。あまり張り切り過ぎると、十月の「LOFT9 BOOK FES. 2018」が大変だぞ。それに大阪にも本を送らなければいけないじゃないか。などと思うが、色々思い切り、まずは目の前だけに集中することにする。午前十時過ぎに家を出て、久々の神保町パトロールに向かう。水道橋駅から『白山通り』を南下して、まずは「日本書房」(2011/08/24参照)前。木製単行本ワゴンに食指の動くものが見当たらないので、中央でやわやわ揺れる和本タワーに手を掛ける。その和本の隙間に隠れるようにして挟まっていた、田中平安堂「肥前古窯址めぐり/水町和三郎編」を300円で購入する。昭和十年刊の、九州北西部の古窯址めぐりのガイドブックである。本文は、およそ二百四十ヶ所の窯址をひたすら文章で紹介しているのだが、表見返しにはポケットが備えてあり、そこに『肥前古窯址巡リ附圖』地図が畳み込まれて入っている。広げるとかなり大きなものである。地図にプロットされた窯址と、口絵写真の掘り出された古陶器片を見ていると、何だか掘りに行きたくなってしまうじゃないか…。
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道すがら建て替え中だった「山口書店」(2017/12/01参照)前を通りかかると、すでに新しく美しい今時の店舗が誕生していた。半開きのシャッターの向こうを盗み見すると、棚に赤本を並べている真っ最中である。以前のように文庫や純文学は並べるのだろうか…秘かに、開店を心待ちにしておこう。
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『靖国通り』に入り、西端の「@ワンダー」(2009/01/21&2014/05/22参照)の歩道本棚から、カバーはないがなかなかレアな一冊を発見し、よくぞ売れずに残っていてくれたと、古本の神に感謝を捧げる。少年少女講談社文庫「わたしは幽霊を見た/村松定孝」を216円で購入する。口絵にある『大高博士をおそったほんものの亡霊』の絵が、とにかく強烈。よし、チャッチャと読み終わったら、早速「みちくさ市」で放出しちゃうことにするか!
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2018年09月11日

9/11『仁義なき戦い』の四年前。

今日は国立の北側にお昼過ぎに流れ着き、何でこっちの歩道はこう狭いんだろうと思いつつ、南側に出て「みちくさ書店」(2009/05/06参照)へ。ちくま文庫「ボン書店の幻/内堀弘」講談社文芸文庫「木山捷平全詩集」を計800円で購入する。気まぐれに「銀杏書房」(2011/11/14参照)の店先まで行ってみるが、やはり洋書絵本の波に簡単に恐れをなして、尻尾を巻いて即時退散する。中央線に乗って五駅移動して武蔵境で下車。北口に出て「浩仁堂」(2011/02/15参照)にたどり着く。絵本ラックと店頭棚が接近し過ぎているので、正面に回り、絵本ラックの足越しに棚下を眺める。すると良い映画本が集まっていたので手を伸ばして抜き出し、小さな店内でも予想外の一冊を掴み取る。キネマ旬報社「ディレクティング・ザ・フィルム/エリック・シャーマン編著」フィルムアート社「ジョン・フォードを読む/リンゼイ/アンダースン」荒地出版社「任侠映画の世界/楠本憲吉編」ボーイスカウト日本連盟「スカウティング フォア ボーイズ/ロバート・ベーデン・パウエル」を計600円で購入する。「スカウティング フォア ボーイズ」はボーイスカウト創始者の男爵による、ボーイスカウト虎の巻である。自然の中で生き抜くあらゆるテクニックや、様々な事象に対処する知恵と勇気が、克明に記されている。「任侠映画の世界」はその任侠映画全盛の一九六九年に出版された、任侠映画論考&エッセイ集である。そのなかに映画監督・深作欣二の『やくざ映画との出会い』という一編が収録されている。ギャング映画を撮り続けていた深作が、“やくざ映画”を冷笑しつつも、ある日『東京流れ者』を聴いた時にシビレてしまい、それ以来『これこそ“やくざ映画”のヒーローに通じるものではないか』という感覚が心の中で膨れ上がり、深夜興行の“ヤクザ映画”に熱心に通い詰め、のめり込み始めてしまうのだ。この時点で深作は、時代の流れに逆らえずに、すでに三本の“やくざ映画”を作っていたが、どこかまだ上すべりしていると感じていた。だが、『乗りかかった舟で、多少の無理をしても、わたしなりの“やくざ映画”を作ってみたいと思っているしだいです』と、最後の方で宣言している。深作が、“任侠映画”を越えた群像劇“やくざ映画”、名作『仁義なき戦い』を撮るのは、これを書いた四年後である。何という素晴らしき有言実行であろうか。
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2018年09月10日

9/10原稿とお知らせ。

宣言通りに朝から昨日を反芻して、原稿書きに専念する。だがごぜん十一時には家を出て、毎週恒例の月曜「ささま書店」(2018/08/20参照)詣でへ。金曜にイレギュラーで来たばかりなので、店頭では何も買えないかもと危惧するが、やはり「ささま」は大きく、そんな思いは杞憂であった。教養文庫「紙上殺人現場/大井廣介」秋元文庫「非行少女の告白日記 ツッパリぶるーす/関根洋子」羽村郷土博物館「中里介山 人と作品」筑摩書房世界「ユーモア文学全集(1)(13)」を計540円で購入する。「中里介山 人と作品」は郷土博物館で行われた五講演を収録。こういう出ていることさえ知らなかった本に、ふいに出会えるのは誠に嬉しい。第一回の講演者が谷川健一なのだが、学生時代に大菩薩峠を登っていたら、森の中で映画『大菩薩峠』の撮影現場に出会ってしまった話が愉快。さぞ驚いたことだろう。家に戻ったらば、原稿の続きに取りかかる。
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口絵写真の一枚。愛犬デン公が可愛い。

そしていくつかお知らせを。
1. そろそろ発売になる「本の雑誌 へそくり虎視眈々号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、下北沢の「ほん吉」を直撃。みなさんは、東京創元社の創元推理文庫附録「創元推理コーナー」が、どのように配布されていたかご存知であろうか?そのひとつの形を、店頭で発見することに成功しているので、ご一読いただければ幸いである。
2. もはや一週間を切りましたが、日曜の雑司が谷「みちくさ市」に懲りずに参加いたします。様々な古本をヒイコラ持って行きますので、ぜひとも遊びに来て下さい!
■「第43回 鬼子母神通り みちくさ市」
■9月16日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当
日午前八時に天候による開催の有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/
3. そして十月の話ですが、今年も派手に開催される「LOFT9 BOOK FES .2018」に古本市フリマ部門で参加いたします。多様過ぎる異常なトーク陣に負けぬよう、楽しい古本をたくさん仕込んで参ります。「みちくさ市」から半月余りのスピード出店ですが、頑張って完全新作で臨むつもりです。恐らく…いや絶対にビールを飲みながら座っていると思いますので、こちらも遠慮なく遊びに来て下さい!
■「LOFT9 BOOK FES .2018」
■10月7日(日)12:00〜19:00
■LOFT9 Shibuya
◆古本市参加店舗:ハナメガネ商会、にわとり文庫、BOOKS青い
カバ、古書現世、三楽書房、立石書店、JUNGLE BOOKS、ひぐらし
文庫、ブックギャラリー・ポポタム、トーク物販:北書店
◆古本フリマ参加者:小山力也(ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパ
ン」)、とみきち屋、つぐみ文庫、ドジブックス、えほんやハコのな
か、甘夏書店、雨の実、M&M書店、コトナ書房、モロ古書店、嫌記箱
(塩山芳明)、ロフトブックス
◆たま書店開店! 姫乃たまが1日古本屋デビュー! 蔵書
を販売します。
https://rooftop.cc/news/2018/08/01003000.php
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2018年09月09日

9/9取材!

昨日は吉祥寺に流れ着いたので、「よみた屋」(2014/08/29参照)でサンケイ新書「剣道一路/高野茂義」を100円で購入し、「バサラブックス」(2015/03/28参照)で桃源社「地獄横丁/渡辺啓助」を500円で購入し、さらに阿佐ヶ谷の「j-house」(2015/12/26参照で線引きありの桜楓社「竹久夢二 その弟子 岩田準一画文集」を108円で購入し、小さな満足感を積み重ねる。

そして本日は、午前七時前から東京を離脱し、岡崎武志氏と共著の古本屋本単独取材で静岡方面にガタゴト向かう。雨上がりの駿府の街を駆け回り、さらに長年行きたかったのだが、行く必要のない場所であることは分かり切っているので、行くべきかどうか迷っていた場所に、あえて赴いてしまう。…だが、行って良かった。人間バカみたいに、考えなしで行動してみるもんだ。下記の写真がその場所の看板なのだが、もちろん詳しくはその古本屋本にて紹介予定である。取材過程で本もたくさん買ってしまったなぁ…ふぅ、楽しかったが、やはり疲れた。早速明日起きたら、原稿を書き始めることにしよう。鉄は、熱いうちに打てっ!
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途中、「古書 音羽館」(2009/06/04参照)の広瀬氏から「今日の西荻ブックマーク(南陀楼綾繁『蒐める人』刊行記念トークイベント 『sumus』から生まれた本のこと【東京篇】)見に来て下さい」と電話があるが、念願の場所に向って酷暑の田舎の街道を歩き詰めている最中であり、とても開始時間には間に合わないので(この時点で午後二時過ぎ)、泣く泣く断念する。岡崎さん、南陀楼さん、魚雷さん、ずびばせん!
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2018年09月07日

9/7間一髪!

昨日は古本神・岡崎武志氏と共著古本屋本の取材にて、高崎&前橋へ。これが、途中下車あり・行き先変更あり・謎の飛び入りありの、見事なまでのポンコツ珍道中と相成ってしまった。後少しだけまだ取材旅をして、本格的な本作りに突入予定。発売は十月後半をどうにか目指しているので、もうしばらくだけ、刮目してお待ち下さい!

本日は天沼に流れ着いたので、線路下を潜って「ささま書店」(2018/08/20参照)へ向かう。定点観測店を不意打ちしてみるのも、たまには良いものだ。でもやっぱり月曜に来たばかりだからな…などと思っていたら、手の中にはマガジンハウス「星の都」JICC宝島COLLECTION「ミニシアターをよろしく」が滑り込んでいたのだ、計648円で購入する。ペタペタ歩いて阿佐ヶ谷にたどり着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)では十三舎「ペンで征く/海野十三」を824円でを購入し、店主・天野氏より真実味はあるが確実性のあやふやな新古本屋情報をタレ込まれる。だが、今度見に行ってみよう。この世は、何が起こるかわからないのだ。

そして家に帰り着くと、楽しみにしていたヤフオク落札品が届いていた。大盛堂書店「少年叢書 間一髪/浪」(B6版、全96頁、大正十三年刊)である。ライバルナシで1110円で落札。パラパラ読み進めてみると、函館在住の冒険家、高山岩夫と荒海航一の二青年が、獺虎の密猟に参加することに端を発し、カムチャッカ〜オホーツク辺りで、次々と罰ゲームのようなトラブル(海賊船!巨大海馬!ブリザード!人食い熊!謎の怪物!盗賊!)に巻込まれつつも、それを快闊な力とピストルを撃ちまくることでで突破して行くという冒険物語らしい。ワハハハハ、無邪気だ。荒唐無稽だ。買って良かった。
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2018年09月05日

9/5東京・国分寺 第1回国分寺大古書市&大物古本トレード!

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午後十二時半に国分寺駅着。改札から北口側に足を向けると、いつの間にか商業ビル『ミーツ国分寺』が完成しており、北への通路がかなり長くなってしまっている。本日からその『ミーツ』三階で、古本市が開かれるとのタレコミを、作家&ホームズ研究家の北原尚彦氏よりいただていたのである。感謝しながらエスカレーターを上がり、真っ白い空間に茶色の古本が集まる会場にたどり着く。およそ六十台のワゴンで六本の通路が造り出され、一般的な本や文庫や雑誌に加え、戦記・ミステリ・映画・宗教・歴史・郷土・山岳・美術・文学などが、わりと硬めな顔を見せている。高知県の「ぶっくいん高知・古書部」や広島県「ひろしま文庫」の古本が見られるのは、なかなか良い経験である。ツラツラと会場を眺めていると、いつの間にか午後一時を回っていた。すると、キビキビとした黒い影がこちらに急接近し、「どうもどうも」と挨拶の言葉を発した。タレコミ元の北原尚彦氏である。だがこれは、偶然の出会いではない。実は、北原氏がかねてから所望する私のある蔵書を、ついにトレードに出す決心をしたので、打ち合わせて本日の古本トレード会合となったわけなのである。なので、メインは古本市より当然トレード!即座に交渉に入りたいところだが、北原氏も尊い古本神なので「もちろん見ますよ」とワゴンに食らいつき始める。その間にこちらは、汐文社「絵本 はだしのゲン/中沢啓治作・絵」晶文社「ただただ右往左往/岡本喜八」湯川弘文館「天日の子ら/藏原伸二郎」(カバーナシ)現代思潮社「赤瀬川原平の文章 オブジェを持った無産者」(輸送箱ナシ)を計1980円で購入する。「はだしのゲン」は、見返しに中沢啓二の絵本出版当時のサイン入りであった。やれ、嬉しや。市は10/3までと、結構長く一ヶ月近く続く。
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そして小さな文庫サイズの『カラーブックス』のパロディ同人誌を買った北原氏と、「まずはトレード済ませてしまいましょう」と合意し、同じ階にある喫茶店の片隅に腰を落ち着ける。そして飲み物をレトロなメイド服に身を包んだウェイトレスさんに注文するや否や、ナプキンで机をテキパキ拭き清め、お互いに茶色い本をドサリと出す。こちらは磯部甲陽堂「幽霊探訪/大窪逸人」と不二書房「鐡腕拳闘王/大下宇陀児」の二冊。「幽霊探訪」の作者は実は山中峯太郎なのだが、この本はディープな峯太郎ファンでも、見かけた事のない稀少な本だそうだ。なので北原氏は、ホームズ翻訳の大家の資料として、いつかは手にいれたい!と思っていたそうである。「鐡腕拳闘王」はドイルのホームズ物『六つのナポレオン像』を翻案した「六人の眠人形」が挿絵入りで掲載されているため、こちらもホームズ研究家としては、ぜひとも入手しなければならない本なのであった。…もうこんな風に切望されたら、ウチでいつまでも横積みしているわけにはいかないのである。必要としている人のところに行って、存分に役に立ってくれ!と決断し、本日の大物トレードが実現となったわけである。お前たち、幸せになるんだよ。そして北原氏が差し出したトレード要員は、何と三冊!香風閣「現代戦争文學全集3 猛る空中艦隊/フォン・ヘルデス少佐」(イギリスとフランスの航空線を描いた未来戦記物。うひゃっ、面白そう!)三教書院「不死人/伊藤銀月」(異様な妄想に次ぐ妄想で展開して行く、世界を旅して繙く狂った書。北原氏もあまりのクレージーぶりに内容を説明しかね「横田順彌氏の「SFこてん古典」を読めば、少しは内容がわかるだろう」とのことであった…ちゃんと読んだ横田さん、すげぇ。オレ、この奇天烈な本、最後まで読むことが出来るだろうか…)世間書房「黄金假面/江戸川乱歩」である。手にして思わずニンマリ。前々回(2017/11/07参照)と前回(2018/05/12参照)のトレード同様、やはり基本的には変化球…クセは強いが特殊能力を持つ、楽しい選手をトレードに出したのであった。よし、頭がどうにかなりそうなのを覚悟して、まずは「不死人」から読み始めるか!と心に決めて、本の入手を喜ぶ北原氏を記念撮影。人の喜ぶ姿を見るのは、いつでも楽しいものである。またトレードしましょう。
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その後は古本と古本探しと古本マニアと書庫と古本屋とSFとホームズなどについて話しまくった後、お店から神輿を上げて南口に出て「まどそら堂」(2015/06/08参照)へ。店主と挨拶を交わし、「国分寺大古書市」の情報を提供しながら、福音館書店こどものとも344号「とらのゆめ/タイガー立石 さく・え」を千円で購入する。続いて激変しつつある北口に向かい、これも激変しつつある「七七舎」(2016/02/06参照)へ。現在1号店の隣りのお店を改装して、お店の拡大を図っている真っ最中である。
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トランスアート「ブルーノ・ムナーリ」を100円で購入する。駅で北原氏と分かれた後は、西荻窪駅で途中下車。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に先月の「フォニャルフ」売り上げを受け取りに行く。すると思ったより売れていたので、ついつい四千円の芸文新書アクション・シリーズ「残酷なブルース/河野典生」を購入してしまう。
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2018年09月04日

9/4当店のベストスリー

台風が関東に猛威を奮い出す前に、どうにか豪徳寺に流れ着く。ならば「靖文堂書店」だなと心を決め、ちゃんとサッシドアを開けたお店に飛び込む。入口横の児童文学棚を腰を屈めて見ていると、チャイルド社おはなしチャイルド第31号「がんばれねずみたち/作・山元護久 絵・高橋透」を見つける。作者はテレビ人形劇「ネコジャラ市の11人」(2017/09/16参照)や犯罪アクション童話「ピストルをかまえろ」(2017/10/22参照)を手掛けた人物である。これも恐らく奇天烈な物語なのだろうと頁を開くと、案の定ギャングの悪だくみを聞いたネズミが、あらゆる乗物に乗り込んで逃げると、ギャングたちがあらゆる乗物で追いかけて来ると言う、スピードアクション絵本であった。もちろん買うことにする。他に集英社コバルト文庫「ふしぎBOOK/グループMUSS編」講談社「衆妙の門/金子光晴」人文書院「物の見えたる/安東次男」を選び、計500円で購入する。

この「靖文堂書店」のサッシ扉には、「五反田遊古会」のポスターや営業時間などが貼り出されているのだが、その中になんだか見慣れぬ一枚を発見する。タイトルは『当店のベストスリー』とあり、●レコード・LP1枚100エン●洋書 オール1冊100エン●書道関係となっており、最後に■店の三分の一は文庫中心とあるのだ。…これは、何のベストスリーであろうか?売り上げなのか、得意分野のベストスリーなのか?…まぁ値段が書かれているのと、最後に文庫について書かれているので、“お店の売り”ベストスリーなんだろうなぁ。ウフフフフ、何だかアサッテの方向を狙っているようなアピールが、愉快ではないか。
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posted by tokusan at 16:24| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月03日

9/3原稿も書くし古本も買う。

と言うわけで、朝から昨日の益子行の原稿に取りかかっているのだが、午前十一時には表に飛び出し、月曜恒例の「ささま書店」(2018/08/20参照)詣でへ。雨仕様の店頭棚に張り付き、堀田時計店「堀田パーティー 欧米紀行(欧米時計業界視察旅行記)」講談社文庫「なぜぼくはここにいるのか/横尾忠則」「画家の後裔/絵・青木繁 文・福田蘭童 石橋エータロー」朝日文庫「パリの奇跡/松葉一清」を計432円で購入する。昭和四十年刊の「堀田パーティー 欧米紀行」は日本の時計店軍団による、オメガ・ロレックス・ロンジン・キンツレ・ウェストクロックなどの会社&工場見学記である。巻末にロンジンやロレックスの広告が掲載されているが、ウェストクロックの『ビッグベン』の広告がとてもキュート。『幸せを告げる2つのビッグベン。1つは英京ロンドン議事堂に在り、もう1つがここに在る』のキャッチが何とも壮大である。
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他に『ささやくようなチクタク音』『安眠が必要なあなたの目覚時計』などのキャッチも。

お店を出たら雨が降り始めたので、途中で傘を買い、テクテクと阿佐ヶ谷へ。『中杉通り』沿いの「銀星舎」(2008/10/19参照)に久々に飛び込み、平凡社ライブラリー「夢Q夢魔物語/夢野久作」航空ジャーナル社「ミステリーゾーンへの飛行」計1100円で購入する。この辺りは阿佐ヶ谷駅より低い谷なので、先日の豪雨で駅前同様冠水してしまったのだが、ダンナさんに聞くとお店に被害はまったくなかったそうである。本が濡れずに、本当に良かった。他に「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)や、良く焼物を買いに行くと言う益子の話など。さて、たくさん古本も買えたので、おとなしく家に帰り、昨日買った古本に囲まれながら原稿の続きに取りかかることにしよう。

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お店の前後は結構な坂で、先日流されて来た土がまだ歩道上に残されたりしている…不思議だ。旧中杉通りには被害に遭ったお店もあるというのに。
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2018年09月02日

9/2取材にて久々の益子へ。

今日は例の岡崎武志氏との古本屋旅本の取材にて、単独で遥々栃木県の益子へ。生憎の空模様であったが、大好きでたまらない久々の「内町工場」(2011/07/24参照)で、期待していた通り楽しい珍しい古本を買いまくれたのが、えも言われぬ快感であった。四年ぶりに訪れたというのに、店主がちゃんと覚えてくれていて感激する。古道具と古本が美しくせめぎ合う、内町工場バンザイ!このお店は益子の宝です!例えば欲しかった1937年刊の河出書房「モーパッサン短篇全集3 怪奇小説集 娼婦小説集」が100円何て言うのは序の口。店奥の古書棚が、目をつぶれば、鮮明に目蓋の裏に浮かんで来る始末である。他にも上物児童文学など買っているのだが、これは本書のお楽しみということで(今さらながら思う。あれもこれも奮発して買ってくれば良かったと…)。と言うわけでこの緩めな小旅行についても、明日、早速原稿を書いてしまおう。鉄は、熱いうちに打てっ!
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写真は益子駅の大壺前にて、「モーパッサン短篇全集」の扉を開くの図。
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2018年09月01日

9/1木々高太郎の科學小説集!

荻窪の南辺りにヒィヒィ言いながら流れ着いたので、「竹陽書房」(2008/08/23参照)に少しだけ寄って、逃げるように家に帰る。映人社「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録/新藤兼人」ポプラ社ちびっこ絵本3「もりたろうさんのじどうしゃ/ぶん・おおいしまこと え・きただたくし」(名作「チョコレート戦争」のコンビニよる、3才〜7才向絵本。北田卓史のベストワークとも言って良いほど、車の絵が細密な上、微妙なデフォルメが施された可愛らしいメカがふんだんに登場する)を計900円で購入する。

そして家で健気に待ってくれていたのは、いつもの如く嬉しいヤフオク落札品であった。昭和十三年刊、ラヂオ科學社「科學小説集 或る光線/木々高太郎」である。
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一人のライバルと多少競り合い、4200円で購入する。ネット上で見つけた時は、思わず目を疑ってしまった。なんたって、木々の“医学小説集”ならぬ“科學小説集”なのである。出版元のラヂオ科學社と言えば、海野十三の「科學小説集 地球盗難」や小栗蟲太郎「軍事小説 地中海」(茂田井武の装画が素晴らしいのだ!)が即座に思い浮かぶのだが、まさか木々高太郎までもが“科學小説集”を出していたとは…。収録作は『或る光線』『跛行文明』『蝸牛の足』『絲の瞳』『債權』『死人に口あり』『秋夜鬼』『實印』『封建性』『親友』の十編である。先にあとがきである『作者の言葉』を読んでみると、まず木々自身が海野と小栗が本を出している出版社から、“科學小説集”を出せたことを盛大に喜んでいるのに、ニヤニヤしてしまう。三人が主宰していた探偵雑誌「シュピオ」以来の再會だそうだ。そして『科學小説』は『探偵小説』の双生兒と断じ、『探偵小説を書ける人に科學小説を書けぬわけはない筈』と試みてみたものが、収録作であると書かれている(科學小説だけではなく探偵小説も混じっているとのこと)。う〜ん、こりゃ読むのが非常に楽しみだ。試しに表題作の『或る光線』を読み始めると、純粋な小説作品ではなくラジオ劇の台本で、昭和二十二年の上海・昭和三十二年の東京を舞台に、『爆發光線』の一歩先を行く、人の延髄にある呼吸中枢を攻撃する発明『殺人光線』に関する物語であった。それにしても世の中には、まだまだ読みたい知られざる本が、たくさん埋もれているのだなぁ。
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何故か本文がとても大きい。おそらく18Qはあるのではないだろうか。だから木々先生、とても読みやすいです!
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2018年08月30日

8/30古本屋ツアー・イン・教授トランクルーム【第五章】

本日は“盛林堂・イレギュラーズ”に華麗に転身し、いざ新保博久教授の、毎回過酷を極めるトランクルーム整理活動へ!だがトランクルームに到着した途端、ボスの盛林堂・小野氏が「ごめん!」と泣き笑いの表情を見せる。「か、鍵を忘れて来ちゃった…トランクルームの鍵」…ガガァ〜〜ン!ぼ〜っとここで待っているのもなんなので、西荻窪に鍵を取りに戻る盛林堂号に同乗し、クーラーを満喫しながら一時間のドライブ………今度は無事に鍵が開き、トランクルームにようやく潜入成功となる。今回の教授不在のミッションは、文庫棚九龍城を空にすることと、以前結束した本&廃棄雑誌の運び出しである。まずはひたすら九龍城から文庫をマシンのように抜き出し、小野氏がそれをマシンのように結束して行く。するとすぐさま城は、明け渡された空家状態となる。
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続いて小さな部屋に押し込めていた結束本の束を廊下に出し、さらに大部屋の棚の上に教授の手によるあやふやな結束後に置かれた雑誌束を下ろしまくって行く。
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廊下に並べるといつもよりは少なめだが、全部を台車で車まで運び出すには、やはり三往復が必要な量である。チャチャチャッとすべてを二時間半ほどで済ませ、早々と撤収作業に入る。これで大部屋の棚以外の本はほとんど運び出したことになるので、次回からは、ダンボールに詰められた本を暴き、選別して後運び出しという行程に入ることになるだろう。だが、実は京都での教授の暮しに大きな変化が生じそうなので、それに合わせて今後の整理&運送計画も練り直しが必要となるのであろう、次回九月の教授上京時に、その打ち合わせを進めるつもりである…それにしても、昨年末からず〜〜〜っと、教授の蔵書整理をしている気がする…いや、気がするんじゃなくて、確実にしているのである。とても光栄で貴重な体験で楽しいのだが、まさかこんなにも長く深く関わることになるとは、夢にも思っていなかった。果たしてゴールは、いったいいつのことになるやら……。

そして本を台車に乗せ、車へと移して行く、最初は文庫本、次はハードカバーとノベルス、最後に雑誌類。だが、この最後の雑誌類が、軽い惨劇を巻き起こす。結束は緩いのだが、まぁちょっとの距離だ大丈夫だろうと、高を括ってガラゴロガラゴロ運んで行くと、振動により次第にバランスが崩れ始め、表に出て車まで後一歩のところで、哀れ崩壊してしまう…あぁ、やはり面倒くさがらずに、もう一度縛り直すべきであったか…。
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そんな今回の労働を癒す合法的強奪本は盛光社ジュニア・ミステリ・ブックス「耳をすます家/メーベル・イーリー 深夜の外科病室/クェンティン・パトリック」である。いつも通り、教授に大感謝を!西荻窪に無事に本を運び出し、献本していただいた盛林堂ミステリアス文庫新刊「冒険小説 宝島探検/森下雨村」とともに写真に収める。
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「冒険小説 宝島探検」は探偵小説の父・森下雨村が、“母子草”の名で十代の若さで著した、明治四十二年刊の幻の冒険小説である。
posted by tokusan at 20:17| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月29日

8/29店猫・コト

連載の取材のため早稲田古本屋街に向かう。道すがらの阿佐ヶ谷では、現在「銀星舎」(2008/10/19参照)が8/31まで臨時休業の真っ最中で、「千章堂書店」(2009/12/29参照)も「所沢古本まつり」のために今週来週とお店を休む日が多い模様。少し寂しさを覚えながら、東西線に揺られて早稲田駅で下車する。件の古本屋街では、「渥美書房」(2015/04/24参照)の店頭で場違いとも思える講談社コミックス「八っ墓村1/影丸譲也 原作・横溝正史 」を見つけたので100円で購入する。その後『早稲田通り』両岸の様々なお店の店頭を覗いた挙げ句「古書現世」(2009/04/04参照)に尻を据え、店主の向井氏と長話をしていると、突然棚裏のバックヤードから、店猫のコトが奇跡的に顔を見せてくれた(コトは内気であまり姿を見せず、向井氏にもようやく最近撫でさせてくれるようになったくらいである)。向井氏が「あぁっ、珍しい。出て来ましたよ出て来ましたよ」と喜ぶ。本の山の上に、四つ足ですっくと立ち、「ニャオ。ニャオ」と何かを訴えている。あぁ可愛い。そしてこれも奇跡的に写真を一枚撮らさせてもらい(撮った瞬間、向井氏が「あぁ、カメラ目線だ!」と興奮)、古本を買うより満足を得てしまう。いつの日か、撫でさせてもらえるくらい、仲良くなりたいものだ。
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お店を出た後は高田馬場駅まで歩き、駅裏の「Book Taste」(2009/07/01参照)に立ち寄る。お店には週刊誌を売りに来るナゾの人たちが次々と現れている。幻冬舎新書「科学的とはどういう意味か/森博嗣」を290円で購入すると、レジの恐らく中国人のおばちゃんが、こちらの長髪をお団子で縛った髪型を見るなり「うわぁ、ステキ!」と花の様な妖艶な笑顔を見せた。「そういうの大好き」と言いながら手を握るようにしてお釣りを渡し「また、来て下さいね」とビリビリ秋波を送りまくる。…ここ、こんなお店だったっけ?
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2018年08月27日

8/27古本を持ったままパンクを知らせる。

朝から早々と昨日の取材の原稿書きを始める。一生懸命書き続ける。鉄は熱いうちに打て!だがしかし午前十一時過ぎともなれば、熱波の表に飛び出して月曜恒例の「ささま書店」(2018/08/20参照)詣で。今日は一番乗りである。キネマ旬報社 キネマ旬報別冊「日本映画代表シナリオ全集(1)(2)」河出文庫「メグレと消えた死体」「メグレと口の固い証人たち」共にG・シムノン、青樹社「86分署物語 名探偵退場/桜井一」(ミステリ関連のイラストを多く手掛けたイラストレーターによる名探偵パロディー小説集。目暮、シャイロック宝水、穂新、鱈尾番外、ゴロンボ、抜智小五郎など、何処かで聞いたことのある人たちが珍推理を披露。「ミステリマガジン」に連載されていたそうである)を計540円で購入する。「シナリオ全集」には、北村小松『マダムと女房』山中貞雄『街の入墨者』『盤嶽の一生』山上伊太郎『浪人街(第一話)』衣笠貞之介『十字路』『狂った一頁』が載っていて嬉しい。『狂った一頁』は“新感覚派映画連盟作品”で、川端康成・横光利一・岸田国士・片岡鉄兵らが関わっている。なのでシナリオは、短いセンテンスと情景が瞬き煌めく、まさに新感覚派の世界!
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古本を携えて帰っていると、後からパタパタと異音を立てる軽自動車が近付いて来た。気になったので、追い抜き通り過ぎる車に目をやると、なんと左の後輪がパンクしているではないか。運転手は気付いていないのか、そのまま走り続けて行くので、古本の入った袋をガサガサいわせながら慌てて追いかけ、信号待ちで停まったのを幸いと、どうにか追いつきサイドウィンドウ越しに声を掛ける。「う、後のタイヤがパンクしてますよ!」すると相手は優しいえびす顔で「おや、本当ですか。ありがとうございます」と危機感ゼロの雰囲気。信号が変わると同時に、再び発進してしまったので、もしやそのまま走り続けるのか?と思ったが、交差点を過ぎたところで路肩に停車し、パンクの様子を確かめている。まぁ事故にならなくて、よかったよかった。家に帰り、原稿の続きに取りかかる。鉄は熱いうちに打つんだ!
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2018年08月26日

8/26福島・いわき 阿武隈書房

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岡崎武志氏との共著古本本のために、本日はいわきで単独取材。すると先日メールタレコミのあった新店が、無事に開いてくれていた。元々は「つちうら古書倶楽部」(2013/03/31参照)や柏の古書市で見かけていた、古本屋さんなのであるが、福島・泉の「古書文楽」(2011/08/27参照)を引き継ぎ、当地で倉庫店を開いていたのが、いつの間にかのいわき進出となっていたのである。駅からは南口の空中デッキから『駅前大通り』に下りて、二つ目の信号を東へ。繁華なはずの駅前なのに人気のない街路をズンズン300mほど進み、『五町目(ごちょうめ)』交差点にたどり着けば、もう青い『古本』と書かれた幟が翻るのが目に入るであろう。何だか古い伝統ある商店建築であるが、元は何屋さんだったのだろうか?軒下には笹らしきシンボルマークが残されているが…。重い扉を動かして店内に進むと、入口右横には大量のスヌーピーぬいぐるみが集められている。やむなく仕入れてしまったのだろうか?天井の高い店内には、オリジナルの木製本棚が立て込み、現状では四本の通路を造り出している。奥のガラス障子の向こうには、雑然としているがとても奥行きのあるバックヤード&住居的空間が続いている。そこから現れた年配のご婦人が「いらっしゃいませ」。さらにしばらくしてクール目な男性が後姿しか見せずに「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。二人とも、なんだかとっても忙しそうである。そして目指すべき棚は、まだまだ盛大に準備中&模索中らしく、右端の通路は棚に空きがあり奥は倉庫のようになっている…。入口右横の小さな棚には、本&出版&古本関連が集まっている。入口左横にはちくま文庫・岩波文庫などの文学&教養文庫系本棚が。その裏側は、自然科学・数学・オカルト系文庫などが集まっている。左の天井近くまで延びる壁棚には、コミック・近現代史・古書・和本・戦争・社会学・社会運動&闘争・福島&いわき関連郷土本が集まり、奥の帳場脇まで郷土本の攻勢は続いて行く。頭くらいまでの棚で作られた二番目の短い通路には、棚脇やその裏も含めて絵本・児童文学・民俗学・宗教・幻想文学・海外文学・アニメDVD・貸本漫画・古い少女小説・ノンフィクション・映画DVD・映画が集合。帳場下の棚には、永島慎二・手塚治虫・辞書が並んでいる。右の高い棚には、世界文化&風俗&歴史が集まり、わりと硬めに圧巻な並びを見せている。取りあえず現状の棚造りを見ただけでも、志の高いお店を目指しているのが見て取れる。大変に喜ばしいことである。値段は普通だが、安めなのもチラホラしており探し甲斐あり。奥でご婦人が「ほら、うろうろしないのよ」などと足下に話しか
けている…何か小動物がいるのだろうか…恐らく猫なのではないかと推測するが、残念ながらその姿は確認出来ずじまい。風濤社「当世滑稽裁判譚 いかれる七人証言集/呉智英・高橋悠治・鈴木志郎康・野坂昭如・神吉拓郎・中島誠・赤瀬川原平」を購入する。
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2018年08月24日

8/24散歩がてら古本を買う。

早朝から取りかかっていた原稿仕事に一段落着いたので、散歩がてら強い風の中を外出する。フラフラと阿佐ヶ谷駅方面に向かい「穂高書房」(2009/02/15参照)の店頭台を覗き込む。晶文社「ポケットのなかのチャペック/千野栄一」牧書店「人間の尊さを守ろう/吉野源三郎」(箱ナシ)を計300円で購入する。
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相変わらず店奥の鉄扉を全開にして、そこに座っている店主のオッチャンは、上半身裸のワイルド接客であった。そのまま高架を高円寺方面に伝い、「都丸書店」(2010/09/21参照)の高架下棚から洋酒天国社「洋酒天国35 TV GUIDE」「洋酒天国39」を計千円で購入する。
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35号は全編テレビネタでギッシリ。TVドラマ『事件記者』主要出演者をバーに集めて撮った写真はレア。39号には都筑道夫訳の『エミリーという名の鼡』が載っている。

さらに『庚申通り』を北上して「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。店頭箱に古い雑誌が出ているじゃあないか。朝日新聞社の戦中航空雑誌「航空朝日」が五冊ほど100〜300円で置かれている。それぞれの目次をチェックして行くと、『成層圏飛行』の特集号に、海野十三が『成層圏飛行と私のメモ』という一文を寄稿しているので買うことにする。太田出版「失点イン・ザ・パーク/ECD」富士見文庫「実践!RPGマスター道/安田均・グループSNE」とともに計250円で購入する。精算時に店主の粟生田さんが「阿波踊りは観に行かないんですかぁ?」と質問して来た(今週末に高円寺では阿波踊り祭りが開かれるのだ)。「行かないです」「何でですかぁ?」「だって、地獄(大混雑するということである)じゃないですか。えっ、観に行くんですか?」「行かないですよぉ。だって、地獄じゃないですかぁ。うっはっはっはっはっ」…まったく面白い人だなぁ。
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2018年08月23日

8/23「モンガ堂」で涼む。

午後二時前に桃井辺りに、暑さのために塩塗れになって流れ着いたので、『青梅街道』沿いの「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)に這々の体で避難する。…おや、今日は表に一冊の本も箱も出ていないじゃないか…やっていないのだろうか?窓から店内を透かし見ると、天井の蛍光灯は点いている。おかしいな?と首を傾げながらドアを開いて涼しい店内に進む。うわ、各通路が、古本箱で一杯になっており、足の踏み場もない。右を見ると、帳場に縮こまって座るモンガさんの姿。「どうしたんですか、本出さないで」「いや、雨が降るかなぁ〜と思って」「雨、夕方からですよ」「アメッシュ見てると、西からも東からも雨雲が迫って来てるんだよ」…と言うわけで店内は乱雑になっているわけである。それでもモンガさんと古本屋話や原民喜の話をしながら、入れるところには入り込んで、古本を探って行く。すると、中央通路の奥の箱で、大阪朝日新聞が出した古い簡易写真集を見つけたので、帳場に持ち込み値段を訪ねる。「あれ?こんなのあったっけ?」と、オトボケ顔のモンガさん。「あったんですよ。自分のお店なのに、忘れてるんですか」「いやぁ〜。もうさすがにね。もうすぐお店開いて六年だから」…あぁ、「モンガ堂」も、もうそんなに営業しているのか。全く持って、素晴らしい。これからもブツクサ言いながら、頑張ってもらおう。そんなことを考え、大阪朝日新聞社「世界周遊畫帖 第一輯」「西日本現代風景」を計二千円で購入する。
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乱雑な中央通路をバックに「西日本現代風景」(昭和六年)を記念撮影。オープンカーで海辺をドライブするモボともモガが、日本画のようなタッチで精緻に色鮮やかに描かれている。そして中には華々しい昭和初期の都会風景が満載。稲垣足穂や西東三鬼が親しんだ『トア・ロード』の一枚が感激である。
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