2020年02月18日

2/18「古書ますく堂」は西へ旅立つ。

中野に出て用事を一つ片付けた後、「古本案内処」(2015/08/23参照)で小学館文庫「ミステリー作家90人のマイ・ベストミステリー映画/テレパル編集部編」を275円で購入する。さて、ここから池袋方面に向かいたいのだが、中野駅に戻るのはめんどくさいし、何処からかバスが出ていないだろうか…と『早稲田通り』を東に歩き始める。ところがしばらくして見つかったバス停は、新宿駅西口行きのみである。仕方なく歩を少し早め、『山手通り』まで出ることにする。ここなら池袋行きが…そう信じて、広くキレイな歩道を、ダイナミックに下ったり上がったりしながら北へ。ところが、そんな風にして見つかったバス停は池袋行きなのだが、時刻表を見ると、ほぼ二時間に一本と言う異様な少なさなのであった…仕方ない、諦めて歩き続けよう。そう決めてテクテク歩いて椎名町駅着。線路を渡って住宅街の中を東に進み、ようやく「古書ますく堂」(2018/01/14参照)に到着する。ふぅ。相変わらず乱暴な店頭であるが、いつもと違うのは大きな貼紙が出されていること。
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『古書ますく堂 大阪へ移転!!3月上旬引越です。御来店頂いた方々、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。』と書かれている。そう、この池袋近辺に九年間『魔窟古本屋』として君臨したお店が(居抜きの元スナック店(2011/10/15参照)→元小料理屋店(2014/07/03参照)→現在の元事務所店と変化)、大阪へ移転してしまうのである。全く持って、東の人間としては寂しい限りである…だが、西の人間にとっては、あるいは朗報なのかもしれない…そんなことを思いながら雑然とした店内に進むと、そこには誰もいない…いったいますくさんは何処に行ってしまったのか?仕方ないのでしばらく棚にへばりつき古本を漁っていると、奥からガサゴソ物音がして、ますくさんが笑顔を見せながら登場し「忍者みたいに突然現れないで下さいよ」と言われたので「お店ほっぽらかしているからですよ」と言い返す。そしてさらに古本を漁りながら、今回の移転について色々質問を繰り出す。すると、営業は2/24くらいまでということ。隣りの保育園が拡張するので、円満に立ち退くこと(何と引っ越し代を出してくれるのだ!)。大阪に引っ越すのは知り合いが多いし、昔働いていた神戸も近いしとのこと。本は全部持って行くこと。場所は阿倍野で、今度の店舗は住宅街の平屋ということ。何かイベントがあれば、東京にも時々顔を出すこと。などなどが判明する。それにしても突然で驚いたが、まぁ遠くなるけどお店がなくなるわけではないのだ。いつか大阪に足を踏み入れることがあれば、必ず訪れることにしよう。と決めて、東京店での最後の買物をする。報知新聞社「やったるで!/巨人軍・金田正一著」を千円で購入する。ますくさん、西に行っても元気でね。帰りに駅前の「春近書店」(2009/02/24参照)に立ち寄るが、店頭棚を一渡り眺めた後、中に入ろうとすると、自動ドアの向こう側で放し飼いの小さなプードル犬が、ドアにガンガンぶつかりながら吠えまくっている。
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半狂乱で、飛び出して来そうな勢いだ…あまりの剣幕に、ドアが開いたら逃走してしまうことを怖れ、入店を諦めることにする。中村橋では「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、光文社「世界の自動車/高岸清」を110円で購入して帰宅する。
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2020年02月17日

2/17ボルボ文庫!

本日月曜日は定点観測の日!というわけで早朝からしていた仕事をキッチリ終わらせて、いつものように午前十一時半の荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ。棚の潮目が少し替わっており、何かありそうな予感…おっ、店頭新書棚の上段大判本ゾーンから、ビクター出版株式会社「野鳥の歌/日本野鳥の会収録 中西悟堂著」を取り出す。函からスイッと取り出すと、野鳥の声を収録したソノシート四枚が、ちゃんと完品なのが嬉しいじゃないか…これは近所に住む、古本好きの中西悟堂研究家さんは持っているのだろうか?そんなことを頭に浮かべつつ、大事に抱え込み、続いて文庫棚を精査して行く。すると歩道に近い雑本文庫ゾーンで、見たこともない文庫本を見つける。ボルボ文庫「小説家が書いたカタログ/鈴木光司・馳せ星周・谷村志穂・新野剛志・村山由佳」という、2018年当時のボルボ最新の90シリーズを物語へのジャンプ台にした短編小説集である。非売品のノベルティなのに執筆陣が豪華だ…カバーデザインが他社の既存文庫のパロディになっており(分類番号が『ボ90』となっている)なかなかクオリティが高い…背に使われたボルボのロゴがマッチしている…そういえば、小さい本スキー&非売品文庫本スキーの北原尚彦氏はお持ちだろうか…ホームズ関連&二次創作物探索の“北原案件”に続き、こういう見たことのないドマイナーな文庫についても、また大事な別件の“北原案件”なのである。というわけでこれは確保しておこうと、計220円で購入する。「藍書店」(2018/12/29参照)では新潮社「署長日記/伊藤永之介」を220円で購入してすぐに帰路に着くと、阿佐ヶ谷『中杉通り』の緩い坂を北に上がっている時に、坂上でこちらに向かって手を振る紳士がいる。あぁ!何たる偶然!先ほど古本を買って連想したばかりの、中西悟堂研究家さんではないか!早速近寄り、買って来たばかりの「野鳥の歌」を見せると、「ソノシート入りのやつですね。もちろん持ってますよ。でも、110円は安過ぎる!」とのことであった…や、やはり持っていたか。スゲェな。感心しながら家に戻り、昼食を摂ってから今度は高円寺に外出。「DORAMA高円寺庚申通店」でハヤカワポケミス「倍額保険/A・A・フェア 田中小実昌訳」を110円で購入する。またまた家に戻ってからは、そうだ!北原氏にボルボ文庫についてお知らせしなければ!と気付き、写真を撮ってメールする。するとすぐに返信があり、なんと知らない文庫だということが判明する。よってこのボルボ文庫は、あっさりと北原氏書庫に嫁入りすることが決定した。いや、よかったよかった。と喜んでいたら、再び北原氏からメールが届き『ボルボ文庫、全く知らなかったのでネットで調べたところ、メルカリにも出ていました。日下三蔵さんに「これ、日下さんも必要なんじゃない?」と連絡したら、すぐに「買いました!」と返信が来ました。』という、なんとも素晴らしい後日談…いや後分談というほどの素早く楽しいエピソードが届いたのであった。まったくホントに面白い人たちだよ。あぁ、それにしても、間接的に日下氏の蔵書を増やしてしまったことになるのか…次の書庫整理も、罪滅ぼしに頑張って働くことにしよう。
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ビクターのマークが可愛い「野鳥の歌」と、一部の古本神に旋風を巻き起こしたボルボ文庫。
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2020年02月16日

2/16バスに乗らなくてよかった…。

午後二時過ぎに、西荻窪の北西に流れ着く。雨もどうやら上がったので、目の前にあるバス停からバスに乗り、大泉学園駅にでも出張ろうかと思い、じっとバスを待つ。だが、丁度バスの到着時刻なのに、バスはなかなか姿を現さない…ダイヤが乱れているのだろうか…と十分ほど耐えるが、状況に変化は起こらない。うぁぁぁ!と痺れを切らしてしまい、結局西荻窪駅に向かってトボトボ歩き始める。その途中で、まずは『女子大通り』奥の「花鳥風月」(2009/04/28参照)に立ち寄る。あまりに久しぶりなせいか、店内でたくさんの欲しい本に巡り会う。そんな購入候補を胸に秘めつつ、右奥の自然生物関連棚に接すると、おぉ!毎日新聞社「雪男 ヒマラヤ動物記/林寿郎」があるではないか。値段を見ると、この本にしては安値の千円なので、迷わず家に連れて帰ることにする。
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表紙写真は、雪男の頭皮の裏側だ。いやぁ、スゲェ表紙だな…。

次は店頭雨仕様の「古書 音羽館」(2009/06/04参照)に足を停め、左側店頭棚でまずは、みすず書房「空気男爵の冒険/ケストナー」を手にする。そして右側店頭では、棚を前に不動の姿勢で沈思黙考する男性越しに棚を眺める。すると単行本棚左下に、少量の古書が固まっている。そっと手を伸ばして吟味して行くと、そのうちの一冊が春陽堂 世界探偵小説全集19「ライチエスタ事件・大破滅/ウエルシーニン・フレツチヤア 森下雨村譯」なのであった。ドゴン!と心臓を轟かせ、息を荒くしながら本の状態を素早く確かめる…なるほど、後見返しに悪戯書きがあり、「大破滅」の一ページ目が消失してしまっている…だが、それでもこれは買いだ!と喜び、お客さんのたくさんいる店内へ。本日お店を取り仕切っているのは、店主・広瀬氏の奥さんである。もちろん顔見知りなのだが、引っ込み思案でどうにも人見知りな私は、帽子を目深に被っているのを幸いとし、名もなきお客として、ただ古本を計200円で買って表に出てしまう。ふぅ、とため息を一つついていると、何か違和を感じた奥さんが飛び出して来て、結局正体が露見する。…あぁ、すみません。めんどくさい性格ですみません。もぅこれからは、きちんと正々堂々と挨拶するように気をつけます。と心に社交的鞭を入れたところで、「その本、まだ出して一時間も経っていないんですよ。で、古ツアさん向きの本だな。古ツアさんが買ってくれればいいのにな、って思ってたんですよ。そしたら本当に古ツアさんが買ってくれるなんて!」とお話しされる。うぅぅぅぅぅぅ、嬉しいです。俺も買えて良かったです。そして本当に次回からは小細工せずに、しっかりご挨拶する所存です!…それにしても結果としてバスに乗らずに、ここらで古本を買って、本当に良かったなぁ。
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2020年02月15日

2/15シャーロッキアン、おそるべし。

昨日、嫁より下賜された猫のチョコの缶を開けると、なんとその一個が、ちょっと薄めではあるが“北原案件”ではないか!慌てて写真を撮って北原尚彦氏にメールを送ると、すぐに返信があり『ゴンチャロフですね。いまシャーロッキアンの間で超話題になっております(笑)』とのことであった。ゴ、ゴンチャロフ?と、超絶開け難い缶のラベルを確認すると、確かにその名の会社で作られている製品であった。こんな、猫がディアストーカーを被ってるだけなのに…お、おそるべし、シャーロッキアンたち……。
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本日は上連雀に流れ着いたので、。太宰の跨線橋を越えて「りんてん舎」(2019/03/30参照)に向かうことにする。粗い礫が多く混ざる古いセメント階段をエッチラオッチラ上がると、華奢な橋の上にはたくさんの人がおり、ほとんどが眼下を通過する電車を眺めに来ているようだ。この街の、とても大切な非日常的空間であることを肌で感じ取りながら、人の間を擦り抜けるように、橋の真ん中を渡って行く。「りんてん舎」は、土曜とあって多くのお客さんで賑わっている。さて、今日は何を買おうかな…ノンビリ考えながら、ノンビリ店内を一周する。そして結局は中央通路左側の探偵&大衆小説コーナーに狙いを定めてしまう。選んだのは、660円の桃源社「虚無僧変化/城昌幸」である。こんなに安いのに、何故今日まで残っていたのだろうか?と不思議に思いながら購入する。他にもまだ、安値の珍しい大衆時代小説が残っているので、そっちもいつか思い切って買ってやろうと、心に決める。そしてトボトボ歩いて吉祥寺へ。ついこの間来たばかりだが、やはり馴染みのお店はチェックしておかなければ気が済まない。いつ何時面白い本が入り、売れてしまうのか分からないのだから、こちらは頻繁に足を運ぶしか、それを防ぐ手だてはないわけである。…だが頻繁に訪れ過ぎると、往々にしてそれほど変化のない光景にぶつかるだけで終わることが多い…いや、それでも良いのだ。見飽きるほど見ているからこそ、変化が起これば敏感に古本の流れを感じ取るのだ!などと考えながら、各店を経巡るが、甘い考えとは裏腹に残念ながらボウズ続きである。かろうじて「よみた屋」(2014/08/29参照)にて、文藝春秋新社「黄色い革命/大宅壮一」を110円で購入する。
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2020年02月14日

2/14補充したり、古本買ったり、お話ししたり。

インスタントラーメンを食べてから(美味しかった…)古本を抱えて外出。西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内の「フォニャルフ」に久々の補充を行う。驚くことにミッシリ並んでいた単行本がごっそり消えていたので、持って来た本がそこにピッタリ収まってしまった…ありがたやありがたや。帳場には今日は小野氏がひとりだけ。奥さまは大市の準備で神保町を駆け回っているそうである。その大市のおかげで、大量の古本荷を出品した盛林堂のバックヤードが異様にスッキリしている。どうせすぐにまた古本で埋まるので、束の間の珍しい光景と言えよう。氏と『盛林堂ミステリアス文庫』の出版スケジュール、TVアニメ『映像研には手を出すな!』、春陽堂の探偵小説『六角本』などについて熱く語り合うと同時に、少年少女講談社文庫「名探偵 明智小五郎 怪人二十面相/江戸川乱歩」リブロポート「ぼくの伯父さんの休暇/ジャック・タチ原案 ジャン=クロード・カリエール作」を計200円で購入する。お店を出て駅に向かう途中で、北側の「TIMELESS BOOK STORE」(2012/06/30参照)がマイナーチェンジしていたことを思い出し、早速向かうことにする。ほぉ、いつの間にか一人掛けソファと本を描いた電飾袖看板が設置されている。
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店名ロゴが描かれたガラスドアを開けて中に進むと、フロア中央に新たに棚が置かれている。その裏側には、お店のシンボルとなっている一人掛けソファがデンと置かれている。中央棚には主に文学が並び、以前より文学の割合が増した感がある。左奥の壁にも和洋文学が集まっているようだ。私は絵本棚の下に屈み込み、カバーナシの集英社 母と子の名作童話16「てん子ちゃんとアントン/ケストナー」を引っ張り出して330円で購入する。阿佐ヶ谷では帰り道の「ネオ書房」(2019/08/11参照)に吸い込まれる。帳場にお揃いの切通ご夫妻と挨拶を交わし、新しく出来た古本屋さんについてちょっと話し合いながら、主婦の友社 TOMOコミックス「名探偵シンキングマシン 完全脱獄/原作ジャック・フットレル 劇画桑田次郎」を1078円で購入する。家で本を開いていたら、帯が滑り出て来たので、嬉しさ倍増!
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2020年02月13日

2/13東小金井唯一の古本屋さんは三月末に閉店!

夕方前に下連雀の南に流れ着いたので、ちょっと遠いが頑張って「りんてん舎」(2019/03/30参照)までトボトボ向かう。アンダーパスで線路下を潜り、玉川上水を越え、トボトボ…だが、残念なことにお店は閉まっていた…ぉぉぉぉぉぉ、非常に楽しみにしていたのに…まぁこういうこともあるか…と、涙がちょちょ切れそうになりながらも、グッと堪えて「水中書店」(2014/01/18参照)に救いを求める。文春文庫「建築探偵述入門/東京建築探偵団」(永遠の名著!)集英社文庫「ショートショート全集 泥棒/結城昌治」を計500円で購入し、落ち着きを取り戻したところで、東小金井「BOOK ノーム」(2009/02/13参照)が三月末閉店を宣言し、セールをやっていることを思い出し、二駅移動して駆け付けることにする。いつの間にか時刻はすでに夕暮れ。ママさんたちが子供を引き連れ、商店街で買物をしている。そんな生活的に賑わう道を南下して行くと、「ノーム」がいつも通り営業している姿が見えて来た。嗚呼、ウィンドウには大きく『閉店SALE 全品30%オフ!』と貼り出され、他にも35年の愛顧に感謝を捧げつつ、三月末まで閉店セールを行う旨が貼り出されている。
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ここはそれほど特色のない、街の小さな新刊系古本屋さんであるが、こういう街の隙間と言うか、緩い柔らかさが消えてしまうのは、とても切ないことである。取りたてて何か買えたと言うわけではないのだが(それでも思い出を挙げるなら、オカルト系のレア本「七次元よりの使者 第0巻(大霊感)/五井野正」を100円で買ったことだろうか)、ふとした時に立ち寄れる、心休まる空間であった…さらに嗚呼…。願わくばこのひっそりと抜ける穴が、穴としてそのまま街に残ったり、スクエアなチェーン店で埋められないことを、祈るばかりである…。店頭店内をじっくり吟味して、東京創元社「推理小説の歴史はアルキメデスに始まる/フレイドン・ホヴェイダ」を30%オフの350円で購入する。閉店までまだしばらく時間があるので、またブラリと訪れます。
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2020年02月12日

2/12十錢文庫再び!

昨日は家族的行事で実家方面に帰省し、一日を過ごす。帰りにかろうじて阿佐ヶ谷「千章堂書店」(2009/12/29参照)で買物をする。ジャストシステム「テレビゲームから見た世界/山下恒男」を100円で。1995年刊の、様々なTVゲーム&パソコンゲーム&アーケードケームから、この隆盛著しい(当時)新しい文化を考察して行く内容。アドベンチャーゲームの章では、「ねじ式」と「弟切草」が取り上げられている…渋い。それにしてもワープロソフト『一太郎』で有名だったソフト会社が、出版もしていたのか。そして本日は吉祥寺に流れ着いたので、いつものようにお気に入りのお店を覗き込んで行くが、タイミングが悪いのか、何故だか妙に馬が合わない…まぁこういう時もあるさ…と半ば諦めながら、最後に「一日」(2017/08/11参照)に流れ着く。するとほぼ300均ガレージの奥の平台に、PARCO出版「乱歩と東京 1920 都市の貌/松山巖」が300円の顔で混ざってしまっているではないか。ちくま学芸文庫から復刊されたためだろうが、やっぱりこの大きなサイズが見やすくて頼もしいよね、とニコニコしながら330円で購入する。そして家に帰ると、久々のヤフオク落札品が待ってくれていた。誠文堂十錢文庫「探偵科學の話/高田義一郎」である。ライバルナシで1000円で落札(ということは元値・十銭の一万倍か…)。以前ささま店頭で十錢文庫を購い、その時に巻末広告を熟読し、欲しくて読みたい十銭文庫を挙げておいたのだが(2019/05/27参照)、この「探偵科學の話」はその内の一冊である。高田義一郎は医学博士の作家。なので内容は、人体に関わる法医学系の蘊蓄満載である。うわっ!たった四ヶ月で十七刷に到達している。昭和六年、探偵猟奇花盛り、といったところか。
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2020年02月10日

2/10月曜は律儀に定点観測。

月曜日はやはり自分に律儀に、判で捺したように定点観測する。テクテク荻窪まで歩いて開店したばかりの「ささま書店」(2018/08/20参照)。函ナシの書肆ユリイカ「中原中也研究/中村稔編」をガッチリ掴み出した後に、講談社「花の旅 夜の旅/皆川博子」を見つけてヘラヘラ喜ぶ。扶桑社文庫の『昭和ミステリ秘宝』で復刊された、皆川博子の初期ミステリ作品である。
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ついこの間は、店内の棚に帯付き「トマトゲーム」の単行本が挿さっていたが(2000円だった。速攻で売れてしまった。買えばよかった…)、よもや均一にもその余波が及ぶとは。そんな風に大げさに喜んで、二冊を計220円で購入する。さらにテクリと「藍書店」(2018/12/29参照)に足を延ばし、新潮社 海外文學新選 第二編「チヤッテルトン/アルフレッド・ドゥ・ヴィニイ」を220円で購入する。午後には中野に所用で出たついでに、『早稲田通り』沿いの「ブックオフ中野早稲田通店」(2012/12/15参照)を覗き込む。目指すは当然左端通路に小さく陣取る安売古書棚で(今後は210均になるらしい)、ニホンオオカミや山中の野生動物や妖物を追いかける新聞記者・斐太猪之介の著作が二冊並んでいたので、迷わず掴み取る。みき書房「山中奇談 白いオオカミも見た」文藝春秋「続山がたり 日本の野生動物」を計420円で購入する。そして最後は高円寺までテクテク歩いて、「都丸書店」(2010/09/21参照)で新書館「金銀砂岸/萩尾望都」を、手術する医師のようにいつでも青い手袋を装着した店主から300円で購入する。ふぅ、これにて定点観測とその延長を終了。古本を携えお家に帰投します。

そろそろ発売になる「本の雑誌 カイツブリ居眠り号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、経堂の「大河堂書店」に、古本神・森英俊氏の導きにより駆け付けております。「店頭で古い絵本雑誌が売られている」とのタレコミに基づき、泡を食って現場に急行。当然その雑誌は購入するのですが、さらに店内でもなんやかんやと購入してしまうという、良いお店に訪れた時の宿命をつぶさにレポートしております。今月もお楽しみいただければ幸いです。
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2020年02月08日

2/8見知らぬ同人誌。

昨日のことである。「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)にバッグ1.5杯分の不要本を持ち込み、買取依頼する。査定を待つ間に店内の本をじっくり楽しんでいると、中央通路南側の棚に、大量の中井英夫本が入荷しているのに気付く。「他人の夢」なんか二冊並んじゃってるぞ!などと秘かに冷やかしていると、単行本と単行本の間に、薄く黄色い素朴な冊子が挟まっており、瞬時に気になってしまう。これも中井関連なのだろうか?と思いながら抜き出すと、青玉舎「中井英夫の世界/濤岡寿子」という、1994年刊の同人誌であった。中を開くと、冒頭の中井の詩の再録以外は、「虚無への供物」に関するフィールドワークや論考で埋まっている。現代的女性像として奈々村久生を解剖していたり、「虚無への供物」MAPや五色不動巡り、そして四十四ページに渡る論文『都市の相貌 「虚無への供物」と東京』が骨太で読み応えがあり、大変に素晴らしいのである。というわけで査定終了後、古本を売ったお金の一部で購入する。家に帰って夢中で読み始め、あっという間に読了する。東京と言う都市の成り立ち(住宅や交通も含む)と『氷沼殺人事件』を密接に関連づけ、小説に内包される虚構を交えた世界観と中井英夫の練り込まれた思考を、より現実感の強いものとして立ち上げる試み…あぁ、これでまた「虚無への供物」が読みたくなって来た…。そして『後書きにかえて』を読むと、この論考は『第一回創元推理評論賞』を受賞しているとのことである。力と面白さに満ちた論文だ。さもありなん。
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そして本日は午後三時に高井戸に流れ着いたので、テクテクテクテク歩いて歩いて、荻窪「竹陽書房」(2008/08/23参照)にたどり着き、教育一新社「教授細目 小學手工指導精鋭/山口孝行」(函ナシ)を500円で購入する。昭和十年刊の教師が使う工作や家庭科の指導要綱なのだが、作例が色刷りで掲載されており、これが大変にプリティなのである。どれも非常に独特の味があり、作例なのに、すでに立派な美術作品と言っても過言ではない出来映え。
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2020年02月07日

2/7駅直上の古本屋さん。

朝の中央線混雑の洗礼をたっぷりと受けながら、午前九時五十分の御茶ノ水駅『聖橋口』。改札を抜けてすぐに西方向に進むと、駅直上の切り通し際に建つ「三進堂書店」(2009/04/07参照)が現れる。コメントタレコミでその突然の閉店を知り、慌てて見に来たのである。一月三十一日に閉店したので、シャッターはガッチリ下ろされている。
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そしてそこには『閉店のお知らせ』の貼紙が…昭和10年に創業し、この場所で昭和20年から営業して来たお店を、昨年春の店主の逝去に加え昨今の書籍を取り巻く厳しい状況を鑑み、一旦閉店すること。しかし3月末まで不定期営業を行い、次回の営業日は2月13日(木)で、店内全品50%オフセールを行うことなどが書かれていた。あのいつも、番台で貧乏を嘆く不思議な歌を唄っていた店主が、今となっては懐かしい。何処かの機会で店内セールには滑り込みたいものだ。そう思いながら、足を神保町方面に向ける。午前十時過ぎの神保町は、開店準備真っ最中のお店が多い。慌ただしく重々しい、様々な古本屋さんの店頭構築を眺めながら、すでに開店しているお店の店頭を覗いて行く。「慶文堂書店」(2012/01/14参照)では、お店にとっては専門外の、詩集や犯罪関連や新田次郎が投げ出されているのが目に留まる。偕成社「空の艦長/山岡荘八」講談社「道化師の森」「はがね野郎」共に新田次郎を計900円で購入する。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)では開店準備意中の髯の番頭さんに挨拶をし、外で古本を持つとたちまち氷のように冷える話などを少しする。『神保町交差点』を経由して『白山通り』に入り、「日本書房」(2011/08/24参照)に到着。100均文庫ゾーンにサンリオSF文庫「解放された世界/H・G・ウェルズ」を見つけたので確保しつつ、柔柔和本タワーに神経を集中する。口絵がなくなっている明治小説本が多く放出されているようだ。切り取って飾りでもしたのだろうか。菊池幽芳の「乳姉妹」が800円…よっ!春陽堂「深山の美人/村井弦斎」が200円だぞ。とこれも確保し、計300円で購入する。「深山の美人」は、表紙にさらに手製らしき表紙が付けられているのだが、ちゃんと印刷文字で『村井弦斎著 深山之美人 春陽堂出版』とある。本が入っていた袋を貼付け作ったものだろうか…。
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これは手製表紙を開き、本来の表紙が見えているところ。
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2020年02月05日

2/5果たして、売っているのかいないのか。

本日は上石神井の端に午後イチに流れ着く。…ここからなら、どうにか三鷹まで歩いて行けるか…おまけにこの暖かさだ。のんびり行こう。そう決めて、進む方角を何となく定めて歩き始める。関町〜吉祥寺北町と武蔵野の住宅街を潜り抜け、毎度毎度の「りんてん舎」(2019/03/30参照)を目指す。何故こうまでして「りんてん舎」に向かっているかと言うと、ある一冊の、あるかないかの古本を買うつもりだからである。始まりは先日「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で求めた、「吉行理恵レクイエム「青い部屋」」で、元々彼女の捩じれた雨垂れのような詩を好ましく思っていたのだが、収録の小説類も読み始めたら、いつの間にかその、想い出と妄想が鎖のように連なる文体に脳を搦めとられ、グングンと気になる作家にランクが上がってしまったのだ。本の巻末には絶版だらけの既刊リストが載っており、それを興味深く眺めていると、自費出版の詩集「青い部屋」の次に出したのは、講談社「まほうつかいのくしゃんねこ」という童話であることを知る。これがメジャーデビュー作品なのか…よ、読みたい。そんな欲望が瞬時に頭をもたげて来たので、ネットで本を検索してみると、ヒットはするのだが、とてもしっかりとした値段が付いてしまっている。これを買うのはちょっとなぁ…いや、でも、何処かでこの本は見かけた気がするなぁ…何処だったっけ…わりと大判の本で、箱入りだった気が…窓際に面陳されてたんだっけ…何処だっけなぁ…ちゃんと絵本が充実しているお店…もしかしたら「りんてん舎」だったかなぁ…。こう思ってしまうと、もはやそこにあるとしか思えなくなって来てしまう。とまぁ、こんな経緯で、お店をテクテク目指しているわけなのである。結局三キロほど歩いて、ようやく到着。店内絵本棚に心は飛んでいるのだが、まずは店頭をしっかりチェック。双葉文庫「怪談ミステリー集/中島河太郎編」「恐怖推理小説集/鮎川哲也編」東京おとなクラブ「東京おとなクラブ 創刊4号 特集:TV・CM 小特集:キム・ウンヨン少年」(トピック記事が連続するコラムページ『コモドジャーナル』に、横田順彌氏が神保町古書センター3Fの、近年にわかにSFに力を入れ始めた古本屋を訪れる小話が載っている…)を掴み取り、ようやく店内へ。すかさず右側通路手前の窓に近寄ると、あぁ、ない。レオ・レオーニの「あおくんときいろちゃん」の英語版が面陳してあるだけ…売れちゃったのか、それともやはり「りんてん舎」ではなかったのか…切ないため息を吐きながら、諦め切れずに棚に視線を移して行く。すると嬉しいことに、その中に『吉行理恵』の文字を発見する。あった!やっぱり「りんてん舎」だったんだ!と喜び取り出すと、箱に貼られた値札には『¥1000』の印字が。さらに喜び、迷わず帳場に持ち込んで、先ほどの本とともに計1430円で購入する。
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探していた古本を古本屋さんで見つけて買える喜び、ここにあり!
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2020年02月04日

2/4「モンガ堂」で少年少女科学小説をまとめ買いする。

色々こなしてから西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にタッタカ向かい、パシフィカ「探偵読本1 シャーロック・ホームズ」を100円で購入し、先月の「フォニャルフ」の売り上げを受け取り、北原尚彦氏への献上品を託す。お店を出たら、トットコ駅を越えて北に向かい、盛林堂とともに火曜定休じゃない「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)まで足を延ばす。すると店頭均一箱の一つが、麗しの古書箱の様相。茶色い本の見難い背表紙を必死に見分け、天佑書房「名剣士名刀匠/本山荻舟」を救い出す。サッシドアを押して店内へ進み、帳場で首を竦めて縮こまるモンガさんに挨拶。聞けば暖房が故障中とのこと。そして現在も開催中の『個人名のついた『研究会誌』展』(2012/12/09参照)は、なんと期間中に百人余の人が訪れ、研究会誌もだいぶ売れたそうである。「モンガ堂」にとっては、素晴らしい出来事じゃないですか!その他に首都圏某所にあるモンガさんのコンテナ倉庫の今後について話し合ったり、上林暁作品映画化のための署名をしたりしながら、さて、今日は何を値切って買って行こうか…と企みながら店内を徘徊していると、なんと珍しくモンガさんの方から、「古ツアさん、ここの本、一冊千円でどうですか?」と値切り提案して来てくれた。右端通路の棚下に集まる、昭和三十〜四十年代の少年少女科学小説たちである。これらが千円均一なら、喜んで力の限り買いましょう!といきり立ち、比較的状態の良い五冊を選ぶ。講談社 少年少女世界科学冒険全集「地底王国/カーター 久米元一訳」少年少女世界科学名作全集「11 緑の宇宙人/ザレム作 白木茂訳」「18 なぞの惑星/ライト作 内田庶訳」「20 宇宙への門/ベルナ作 那須辰造訳」世界の科学名作「3 地球さいごの日/ワイリー作 亀山龍樹訳」を「名剣士名刀匠」とともに計五千円で購入する。これは二月早々ラッキーな買物であった。モンガさんに深く深く感謝を捧げ、少年本で重くなったバッグを提げて、ニコニコと幸せに家路に着く。
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幸せな光景…やはり小松崎茂のアートワークは、ノスタルジックでありながらも、夢の未来世界をガキッと補強する永遠性を持っている。「地球さいごの日」のみ依光隆の仕事だが、これもまたイカしているのだ。
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2020年02月03日

2/3 100〜330円で古本をたくさん買う。

月曜恒例の定点観測に、午前十一時に勇躍家を飛び出す。午前十一時半の荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)は開店一番乗り。女性店員さん二人が店頭補充に務めるのを邪魔せぬようにして、朝日新聞社「名探偵WHO'S WHO/日影丈吉」大泉書店「東京情報/ヤン・デンマン」(カバーナシ)保育社の学習絵文庫17「大むかしの人たち」を計330円で購入する。続いてそそくさと「藍書店」(2018/12/29参照)に移動し、東京図書「シャーロック・ホームズ 世紀末とその生涯/H・R・F・キーティング」を330円で購入する。そこからさらに裏道的小商店街を伝って「竹中書店」(2009/01/23参照)に到達し、店頭300均木製ワゴンを注視する。おっ、朝日新聞社「實歴阿房列車先生/平山三郎」が硬い本の中に二ヘラ〜っと混ざっているじゃないか。スパッと抜き取り300円で購入する。いやぁ、いつ何時でも古本を買うのは楽しいものだなぁ…といつもながらに実感しつつ阿佐ヶ谷へとテクテク戻り、昨日も店頭を掠めたばかりの「千章堂書店」(2009/12/29参照)を念のためチェックする。すると店頭百均単行本ミニワゴンの端に、薄手の中綴じ本が一冊紛れ込んでいるのが目に留まる。手に取ってパラパラと繙くと、1963年に国立西洋美術館などで開かれた、日本で初めての大規模なシャガール展のパンフレットであった(主催者のひとりに、伝説の“呼び屋”として有名な神彰の名が!)。175mm×175mmの小さなものだが、デザインを粟津潔が手掛け、中央の凝った色紙ページには滝口修造のシャガールへ贈る詩が載っているではないか。
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そんな偶然の出会いを喜び、100円で購入する。家に戻って昼食を摂った後、再び高円寺に向かって外出。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で文園社「吉行理恵レクイエム「青い部屋」/吉行あぐり編」リブロポート「今村太平/杉山平一」を計300円で購入しつつ、店主の粟生田さんに、JR中央線の車内モニターで最近御姿を良く見かけることを告げると(中央線の公式web「中央線が好きだ」で『BOOKハンティング』特集が編まれ、沿線沿いの古本屋さんが登場してるのだが、そのうちの一件に「サンカクヤマ」が含まれ、粟生田さんの切り抜き写真が車内CMに登場しているのだ)、「もう、それ最近よく言われるんですぅ。去年の十一月からやってて、すぐ終わるかと思ってたら、すごく長くやってるんです。もうちょっと止めて欲しいなぁって…」とはにかみながら語ってくれた。それはもう、次の特集に替わるまで、ひたすら耐えるしかないですな。みなさまも車内モニターで粟生田さんを見かけたいなら、今のうちですぞ。
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2020年02月02日

2/2「ゆたか。書房」は暫くの間…。

昨日は調布の北に流れ着いたので、調布駅方面に戻りつつ、ビルの谷間の「円居」(2009/03/02参照)に参上する。店頭ワゴンを先客のオバさんとともにじっくり眺めていると、右側の一角にサンリオSF文庫が十冊ほど出されているのを見つける。というわけで、分厚い二冊の「ザ・ベスト・オブ・サキ/サキ」「ヴァリス/フィリップ・K・ディック」を、冬でもドアが開け放しの寒い店内で二百円で購入する。そして本日は上北沢に流れ着いたので、すぎ丸を乗り継ぎ阿佐ヶ谷に帰り着く。「千章堂書店」(2009/12/29参照)で新潮文庫「アシモフの雑学コレクション/星新一編訳」ハヤカワ文庫「スキズマトリックス/ブルース・スターリング」を計二百円で購入する。そのさらに帰り道で、一月三十一日までお休みすると宣言していた「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)に立ち寄る。休み明けの昨日二月一日は、残念ながらお店が開くことはなかったのだ。ちょっと改めて心配になりながら店前に到達すると、残念ながらシャッターが下りてしまっている。うぅん、なんだか心配だなぁ…とここ二ヶ月ほど貼りっ放しの紙に目を移すと、いつの間にか新しいものに変わっているではないか。『2020.2.2 暫くの間お休みします ゆたか。書房』…な、な、な、なんだってぇ!ますますなんだか心配だなぁ。寂しいなぁ。早くオヤジさんに戻って来て欲しいなぁ。その時は復活を祝い、たんと古本を買うことにしよう…。
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2020年01月31日

1/31「修文書房」がいつの間にか古本屋遺跡に…。

めんどくさい用事で新宿の家電量販店へ。四半時で片を付け、表に出ればそこは新宿西口高層ビル街の足元である。そうだ、久しぶりに「修文書房」(2010/06/08参照)の様子を見に行くか、と『小滝橋通り』を北上して行く。大ガードを通り過ぎると、通りの両端にあるのは、ほとんどが飲食店となり、どこも良い匂いを路上に漂わせ、道行く人のお腹をグウグウ鳴らしている。やがて『税務署通り』も通り過ぎ、段々と大久保が近付いて来る。『北新宿一丁目交差点』前の脇道にフイと入り込むと、おっ「修文書房」の看板を発見する…だが、様子がおかしい。慌てて近付くと、元は古本棚が並んでいた店内は、別の会社に為り変わり、大小さまざまなダンボールを積み重ねているのであった…あぁ、これはもう古本屋さんじゃない。果たして移転したのか閉店したのかは不明だが、この様子だと随分前にここから撤退してしまったようだ(私が最後に訪れたのは、恐らく2016/01/27である)。ただ、看板だけが、古本屋遺跡として残されているのみなのである。新宿近辺に、唯一残っていた正統派の古本屋さんだったのに…。
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古本屋さんの消滅を確認してしまった心の寂しさを埋めるために、俄然古本が買いたくなってしまった。というわけで急ぎ足で新大久保駅に向かい、池袋まで西武池袋線に乗り込んで保谷駅へ。あるかなきかの歩道を車に気をつけて伝いながら「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)へ。そして店頭棚に目を凝らし、古書を掴み取って行く。南江堂書店「學校内救急處置/葛西明」毎日新聞社「ダンヒルたばこ紳士/アルフレッド・H・ダンヒル」ポイントライン「吉野繁樹作品集」東宝株式会社 東宝シナリオ選集「浮雲」を計440円で購入する。表紙周りが傷んでいるが、成瀬巳喜男監督の「浮雲」シナリオが嬉しい。表紙絵の女性像が、主演の高峰秀子というより、なんだか原節子に見えなくもない。
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2020年01月30日

1/30武蔵境古本屋トライアングル!

昨日に引き続き狂った陽気の中、午後に武蔵境の南に流れ着く。テクテク歩いて駅の北側に出て、まずは「浩仁堂」(2011/02/15参照)を覗く。店内は棚前に結束本の壁が出来上がり、多くの人が言葉を交わしながら作業している…何か大きな催事の準備だろうか?店頭に転がっていた、世界文庫 近代文芸資料復刻叢書1「新體詩抄 初編」を200円で購入する。昭和三十六年の復刻本で、ちゃんと帙入りで袋付き。そこからさらにフラフラと北西に進み、「おへそ書房」(2019/07/28参照)へ。緩やかな時が流れる知的な店内に身を浸し、短歌新聞社「歌集 未青年/春日井健」を260円で購入する。「浩仁堂」と「おへそ書房」を、初めて足で繋いで楽しむ。ここにさらに駅南側の「プリシアター・ポストシアター」(2015/01/03参照)も加え、『武蔵境古本屋トライアングル』として楽しみたいところだが、さすがにちょっと距離があるなぁ。などと楽しく古本屋さん巡りに浮かれつつ、天邪鬼にも足はそちらに向けずに、東にトボトボ歩いて、もっと遠いであろう三鷹「りんてん舎」(2019/03/30参照)を訪れてしまう。まだ店頭と店内の所々に「均一祭」(2020/01/26参照)の名残がカタチを留めているが、文庫棚に京極夏彦並みに分厚い旺文社文庫「反対尋問/ウェルマン」が並んでいるのを見つけてしまう。値段を見ると格安の五百円だったので、税を合わせた550円で購入する。いやぁ、ここまでトボトボ歩いて来た甲斐があるというものだ。
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夕陽に照らされた、今日のバラバラな収穫三冊である。
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2020年01月29日

1/29冷たい火曜日と暖かい水曜日。

昨日火曜は月曜にも増して冷たい雨の中、午前中に所用で高田馬場へ。色々済ませてブルブル震えながら、増水して茶色く濁った神田川を渡り、「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/15参照)へ。最奥の古書コーナーに直行し、東京経済大学「努力 大倉喜八郎述」小学館「彼らと愉快に過ごす/片岡義男」を計540円で購入する。「努力」は大正時代の書物を2016年に復刊したもの。大倉は明治に活躍した実業家で、様々な大倉系企業を創設した。また私立美術館『大倉集古館』を作ったことでも知られている。こんな本があったとは。「彼らと愉快に過ごす」は雑誌「BE-PAL」の連載を元にした、身の回りにあるグッズへの偏愛純愛&思い出コラムを集めたもの。男版『のんちゃんジャーナル』と言った趣きで、読んでいると、たちまちそのグッズが欲しくなって来る恐ろしい魔力を秘めている。この後、家に戻りつつ高円寺で途中下車し、昨日訪れたばかりの「DORAMA高円寺庚申通り店」に飛び込む。ふと見た昨日貰ったレシートに『次回の半額セールは1月28日!!』と書かれていたのだ。半額セールとはエラく豪気だな。何を買って帰ろうか…とほくそ笑んでいたら、なんとレンタルの半額セールであった…くぅ、馬鹿丸出し、捕らぬ狸の皮算用……。

そして本日は異常な暖かさにクレイジーな気候変動をを実感しながら、吉祥寺と西荻窪の間に流れ着く。ちょっと迷って吉祥寺方面へ。まずは『井の頭通り』で「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭に取り憑く。みすず出版の『原色版美術ライブラリー』がたくさん出されていたので、一冊一冊吟味し、滝口修造が編集・解説を担当している「ピカソ 人間喜劇」「ピカソ 戦争と平和」をセレクト。さらにカバーナシで背が傷んでいるが、学習研究社「デイズニー科学映画シリーズ 生命の神秘/ウオルト・デイズニー」を見つける。映画パンフとは異なる、ハードカバーの写真絵本である。さらに映画パンフ箱から、東宝株式会社「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」「惡魔の手鞠唄」の二冊をセレクトし、計550円で購入する。続いて南口の混雑バス通りに入り「古本センター」(2017/03/06参照)へ。双葉社「推理文壇戦後史/山村正夫」を150円で購入する。最後に「一日」(2017/08/11参照)のガレージに乗り込み、あちこちとゴソゴソ漁る。すると壁際の小冊子棚に、古い雑誌が紛れ込んでいるのが目に留まる。日本旅行協會「旅 第九巻 六月號」で、昭和七年刊の名前通りの旅行雑誌である。松崎天民の『温泉ローマンス』などが載っていて素敵だが、表四の広告『滿鐡鮮滿案内所』に何よりシビレてしまう。大きく滿鐵のマークがあり、『滿鮮支那の御相談は滿鐡鮮滿案内所』と書かれている。この案内所は東京丸ビル・大阪堺筋・下關驛前にそれぞれあったようだ。業務内容の一つに『滿鮮に関する講演及活動寫真映寫出張應需』とあるのが興味深い。
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2020年01月27日

1/27冷た過ぎる月曜日に小さく報われる。

朝から懸命に原稿書きに従事する。そして今日は月曜日…定点観測に出かけなければ…と思うが、あまりの外の冷たさに、臆する気持ちがグングンと大きくなる。だが、今日も古本は買わねばならぬのだ!と意を決して表に飛び出し、荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ。冷気にヒタヒタ脅かされながら、均一棚と戯れる。出帆社「悪戯の愉しみ アルフォンス・アレー短篇集/山田稔訳」春陽文庫「青春大学/鹿島孝二」徳間書店「地獄時計/日影丈吉」を計1320円で購入する。一旦家に戻り、昼食を摂ったり書き上げた原稿を見直したりした後、再び外出してブルブルと高円寺へ。「DORAMA高円寺庚申通り店」の古本ワゴンにしがみつき、リクルート出版「ダンディズムについての個人的意見/田村隆一」白水社「デザインの周辺/田中一光」みすず書房「芸術家とデザイナー/ブルーノ・ムナーリ」を10%引きの計297円で購入する。ブルーノ・ムナーリが99円で買える喜び。それはとても小さなものだが、こういう小さな幸せを齎してくれる、古本屋さんの百均台が、やはり大好きでたまらないのだ。今日も寒さに負けずに古本屋さんに足を運んで、小さく報われたなぁ。さて、気分がよくなったところで、もう一度原稿を見直すとするか。
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そう言えば去年から改装中だった東村山の「なごやか文庫」(2012/01/20参照)は、予定が大幅にずれ込み、今年四月に再開予定らしい。この時期に毎年開かれる古本市は、いったいどうなってしまうのだろうか?新装開店の時に、やってくれるとありがたいのだが。
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2020年01月26日

1/26午後五時の「りんてん舎」均一祭。

超遅ればせながら、「りんてん舎」(2019/03/30参照)が突然敢行した「均一祭」の二日目に駆け付ける。しかも時刻は午後五時…何か残っているだろうか?そんな風に均一古本の在庫に不安を覚えながらお店に近付くと、うひゃぁ、まだたくさんの人が均一祭を楽しんでいる。店頭に直に並べられた古本を吟味した後の人たちが、店内各通路に目白押しだ。これは活気があるなぁ、と感心しながら店頭の本に視線を落とす。井伏鱒二の「夜ふけと梅の花」があるが、背が反り返って凹み、お尻のページが落丁している…惜しい、惜しいなぁ。と言うわけで、第一書房「牧野信一全集2」(函ナシ)を抜き出して店内に進む。…むぅ、何処の通路にも入り込む余地がない…だが、左端通路の窓際に大量の均一文庫が積み重なり、先客が吟味に吟味を重ねている。どうにかしてあそこにたどり着かねば。そう決めて、ジリジリ隙を見つけて近付いて行く。現在二人の古本修羅が文庫をたくさん抱えて場所を占有中なのだが、そのうちの一人がフイとその場を離れた。チャンス!と鰻のようにヌルヌルと人の間を進み、窓の前にたどり着く。そして文庫をガシガシ鷲掴みにして、高速で気になる文庫を確保して行く。集英社文庫「洲崎パラダイス/芝木好子」ふらんす堂「芥川龍之介句集 夕ごころ」集英社文庫コバルトシリーズ「怪奇ファンタジー傑作選/武田武彦選」光文社文庫「江戸川乱歩と13人の新青年〈論理派〉編・〈文学派〉編」「探偵小説の風景 トラフィック・コレクション上・下」を選んで、計880円で購入する。うふふふふ、ちゃんと買えたなぁ。「りんてん舎」よ、今日も古本をありがとう!
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2020年01月25日

1/25東京・西荻窪 本屋ロカンタン

大阪に無事に三十冊ほどの厳選奇天烈古本たちを送り出す。しばらくすれば、「梅田蔦屋書店」の古書棚に並び始めることであろう。括目してお待ちいただければ幸いである。そして本日は、出来上がった新刊を受け取りに、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/016参照)へ馳せ参じる。手にしたのは、江戸川乱歩の旧友で竹久夢二の弟子で男色研究家・岩田準一の小説作品集「彼の偶像」(盛林堂ミステリアス文庫)である。
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カバーデザインを担当させてもらったのだが、もう山下昇平氏のカバー絵がぶっ飛び過ぎていて…何たってアレを糸で◯っている絵なんで、精密にトリミングを施し、『いや、◯っているのは、美味しいお餅なんですよ』みたいな言い訳が出来るようにしておいたのである。そんな楽しい苦労を思い出しながら、読み始めることにしよう。店頭からは、清和書院「黒い肌 ビリー・ホリデイ/ウィリアム・ダフティ 油井正一・大橋巨泉訳」(晶文社「奇妙な果実」の元版である)弘文社「處女地/村山知義」を計200円で購入すると、店主の小野氏から「なんか一本向こうの通りに、ライターさんが映画系の本屋さんを開いたらしいんだよね」とタレ込まれる。間髪入れず、そのお店に向かうことにする。
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盛林堂のある『西荻南中央通り』を、ズンズン南に下って行く。駅からは三百メートルほどの、いつも古本市でお世話になっている商店街の拠点木造建築『銀盛会館』横の細い脇道を東に入る。一本向こうの通りに出て、ちょっとだけ南に下ると、角の白タイル小ビルの一階に、確かに新しい本屋さんが出現していた。近付くと店頭には安売棚が置かれ、映画関連の単行本や、文学系文庫などが収まっている。出窓の横の壁に貼られた紙を見ると、『本。』とあるのと同時に、表現主義的な線画の鋭角人間が、本を小脇に抱えて口からタラリラ何か図形を吐き出している絵が描かれている。その横には『飲み過ぎたわけじゃない』のキャッチコピー…。店内に上がり込むと、そこは小さなちょっと薄暗い洒落た空間で、左壁に沿って華やかで知的文化的な新刊が並び、中央には新刊平台と、映画関連バーゲンブックの台が置かれるとともに、何故かコタツも可愛く鎮座している。そして右奥壁に六本の細長棚があり、古本らしい映画関連の、研究・ガイド・技術・歴史・俳優・脚本・DVD.新書・文庫・雑誌などをドバッと並べている…良く見ると棚脇に小さな紙が貼り出されており、『店主の蔵書。値段は応相談』と書かれていた。その、奥の帳場に立つ店主は、髪型もファッションも今時にビシッと決まった、男性である。「ここの本は売っていただけるんですか?」と聞いてみると、「すみません、まだ値付けしてないんですが、欲しい本があれば値段は相談に応じます」とのこと。では…と、青土社「映画はおそろしい/黒沢清」を選ぶと「オッ…では千円でいかがですか」となったので、承諾する。「これで蔵書のほとんどなんですか」「まぁだいたい。でもまだちょっと奥の方にありますよ」とのことであった。欲しい本がもし見つかれば、迷わず交渉すべし!そして受け取ったレシートに目を落とすと、上部には何やらお店のシンボル的人物が吐き出したらしいものに塗れた本の絵が…フフフフ。
posted by tokusan at 16:37| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする