昨日は夕方四時に世田谷の奥地・深沢に流れ着いたので、暖かなのを幸いとして辛抱強く北東に歩き続け、『駒沢公園』の空が広い大階段前を通過し、どうにか明るいうちに三宿の「江口書店」(2010/03/29参照)に到達する。だが店内で古書漁りに時間を忘れていると、あっという間に外は真っ暗になってしまった…。結局店内のそこかしこに積み上がる、戦前戦中の岩波文庫と格闘し、「シャーロック・ホームズの冒險」「シャーロック・ホームズの囘想」「シャーロック・ホームズの歸還」すべてコナン・ドイル作 菊池武一譯を見つけ出し、残念ながら赤帯は付いていないが、岩波文庫ホームズ初期出版が三冊一気に揃ったぞ!と仄かに喜び、相模書房「家政のあり方/今和次郎」とともに計600円で購入する。

「冒險」は昭和十六年の七刷で「囘想」は昭和十六年の五刷だが、「歸還」は昭和十三年の初版。戦前戦中出版なので、旧字の混ざるタイトル含め、右書きになっております。そして本文の『ワトソン君』の表記は、『ウォットサン君』になっております。手塚治虫の名作古代史オカルトSF漫画『三つ目がとおる』の主人公・写楽保介の相棒であり庇護者でもある女子中学生『和登サン』の語感にかなり近いですな。
そして本日は午後イチに吉祥寺の南の牟礼に流れ着いたので、春のような陽気に誘われて集まった人々でごった返す『井の頭公園』を早足で突破し、「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。店頭棚からは、研究社「この大陸は種子なのだ アメリカ文明のゆくえ/諏訪優」(『早稲田大学政治経済学部蔵書』印アリ)ツクダオリジナル「Here's the solution Rubik's CUBE」を引っ張り出し、店内では村山書店「抵抗クラブ 青春のカレンダー/飯沢匡」に目を留めて、計550円で購入する。「Here's the solution Rubik's CUBE」は、立体パズル『ルービックキューブ』の基本解き方集で、1981年当時に380円で売られていたもの。この本は第3刷…パズルも売れて解答集も売れて、ツクダオリジナル大もうけ!そして「抵抗クラブ」は昭和三十一年刊の、銀座新橋辺りを舞台にした青春小説らしいが、表紙絵の可愛らしさにクラリと来る。

古本を携え家に戻ったら、大阪に新たに送る古本の準備をいそいそと始める。
posted by tokusan at 17:48|
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