2008年08月31日

8/31東京・王子近辺三店!

王子周辺だけを巡るつもりが道に迷い足立区までもさまようはめに。しかし最終的には川を渡り、都電路線までたどり着き事なきを得ました。


sanyu.jpg●王子「山遊堂王子店」
駅前から北東に向かう明治通りを進み、通りが右に折れる場所に建つ。看板を見ると赤羽・鳩ヶ谷・西川口に支店があるようだ。店前の壁にはハードカバーと文庫の均一棚。所々隙間が開き本がナナメになっている。その前の路上には雑誌や廉価コミックを載せたラックが二つ。店内に足を踏み入れると右横がレジ。そして出迎えてくれるのはゲームやCDを満載した低めのラック。どうやら古本は奥にあるようだ。雑誌や音楽の棚を左に眺めながら奥へ。四本の背中合わせの棚があり、わりと新らし目の本が、料理・生活・自然・紀行・都市風俗・エッセイ・社会・実用書・スポーツ・映画・演劇・芸術などのジャンルに分かれ収まっている。しっかりしているが普通のリサイクル書店とそう変わらない。特徴的なのは、奥の壁際を大きく占める鉄道&ホビー雑誌だろうか…などと思いつつレジに向かおうとすると、左に上階への階段を発見!何と二・三階が存在するのだ!手にしていた本を取りあえず棚に戻し上階へ。新書の棚と化している階段踊り場を通過、二階に到着すると右側に全集の棚。箱入り本たちが、ちょっと邪魔者のように端に並べられている。正面には休憩スペースがあり、椅子・テーブル・自販機が設置され、古本迷宮で吸い取られた体力を回復出来るようだ。しかしそこにもラックが置かれ、社会学など硬めの本が並ぶ…油断大敵…。左がフロアになっており、壁は棚、店内には三本の背中合わせの棚、それらと垂直に一本の棚が置かれている。右のレジ奥にはアダルトスペースが見える。レジ横には新刊コーナーがあり、ここ最近の小説が多くディスプレイされている。左の壁から見ると、海外文学・哲学・思想がパラフィン紙を掛けられ並ぶ。下の平台にもビッシリとおススメ本。向かいは江戸&東京関連・岩波文庫・宇宙・自然科学など、こちらも硬めな棚。うーん、この階はリサイクル書店とはちょっと違うなぁ…それは奥に進むほど確信に変わっていく。奥の壁際は歴史から始まり、戦記・文学評論・評伝が制圧。平台にはこれも充実のおススメ本。本自体は下の階と同様、さほど古くは無い。しかし棚に豊かさがあり、意志が感じられる。この狭い空間での焦燥感と充実感……どこかで味わった覚えが…と考えていたら、たどり着いたのは在りし日の『本のデパート・渋谷 大盛堂書店』!あの古いビルの上階に溢れていた雰囲気に似ているのだ。いつでも、見たことの無い本、それでいて読みたくなる読めそうな本に出会えるのは、嬉しいことである。右の壁は日本文学・ミステリー・時代劇、奥にアイドルの写真集がギュッと収まっている。店内の棚には文庫が並び、二階に上がって来るほとんどの人はこの棚が目当てのようだ。三階も一回りしてみたが、すべてコミックだった。値段は2/3〜半額が多く、汚れやキズのあるものは安い値が付けられている。新水社「サム・シェパード/ドン・シーウェイ」を購入。


kajiwara.jpg●王子「梶原書店」
都電『梶原駅』早稲田方面行きホームに隣接するお店。ほぼ駅の一部で、ホームからも入れるし、ホームに入らなくても入れる。そのホームより一段低くなった場所に二ヶ所の入口。店前にはワゴンが三つ。左は古本が縦に重ねられ「悪魔の飽食」が数冊顔を覗かせている。右二つは雑誌が並んでいるが、こちらは新刊らしい。左から中に入ると、暗くちょっと湿った感じ。店内と棚は線路を基準にすると、右奥へ向かってナナメになっており、何だか感覚が乱れがちに…。構造が掴めない!通路には胸くらいまでに積み上げられた、廉価コミックと古本の山。壁の棚には色褪せた実用書が多く並ぶ。奥には宗教系がスペースを取っている。向かいの背中合わせの棚は文庫本。こちらは新しい本も多く並べられている。奥の床を見ると、何とそこには排水溝!こんなの古本屋で初めて見たな…。その奥がコンクリから木製の床となり、一段高くなっている。ここは上がっていいのか?家スペース?店主がドシドシ歩いているので、いいや!上がってしまおう!壁と言うか角の部分には、コミックと時代劇文庫が収まる。ここでUターン。こちらの右スペースでは古本だけではなく、タバコやアイス(冷蔵庫が古本に覆われているが、ガラスに霜が付着しているので稼動中と見た!)、文房具を販売している。右の棚は文学のハードカバーや少量の岩波文庫が埋めている。左にレジのスペースがあり、駅のホームが目の前に見える。右から出ると、そこはホームへの階段の途中。なるほど!この高さに合わせて、右スペースは床が一段高くなっているのか。店主は店の前で缶やビンの整理中。そしてその間、ご近所の人達にメチャメチャ声を掛けられている。どうやら古本屋の店主であると同時に、梶原駅の主的ポジションにあるようだ。駅のゴミの多さに嘆いたりしており、もはや駅長と言っても過言ではないはず!いつもご苦労様です!これからも梶原駅をよろしくお願いします!


rococo.jpg●王子「古本 ろここ書店」
梶原駅近く、明治通り沿いにある。通りに並ぶ小工場や店舗に紛れ込んだ古本屋。店頭には金魚すくいの水槽のような、たわんだ丈の低いワゴン。廉価コミックやCDがスペースを大きく残し並んでいる。入口左には四つのガチャガチャと、ノベルス・ハードカバー・コミックの詰まったラック。店内に入ると右側に雑然としたレジスペース。そして『サルビア〜の〜♪』と大音量の早川義夫の洗礼!本の垣根に囲まれた店主が、パソコンとにらめっこをしている。それにしてもこの店は『棚卸し』の真っ最中なのか?通路のあらゆる所に、ダンボールや本・雑誌などが、不規則に置かれているのだ。取りあえずは歩ける所を進んで行こう。壁は本棚、中には三本の背中合わせの棚。一番目の通路はダンボールで遮られているので、二番目の通路を進む。ここは両棚とも新しいコミック。奥で左へ回り込むと、足元にミニカーの詰まった袋が転がる。仕方なく飛び越えて入口方面へ。壁際の棚は最近の文庫が50音順にブワッと並んでいる。奥には少量の絶版文庫。向かいには趣味実用・スポーツ・ミステリーなどのハードカバーが収まる。奥の壁には少量の新書。奥から三番目の通路へ行こうとすると、またもやダンボールが邪魔をする。覗き込むと、通路は惨憺たる有り様…。しかし向こう側からは入れそうだ。そのさらに向こうには、パソコンを睨み続ける店主。インストール完了の音が聞こえる(早川義夫は大音量で演奏中)。二番目の通路をレジ前まで戻り、三番目の通路に入ろうとすると、足元には開けられたままの本の入ったダンボール。どうも跨ぐには抵抗があるが、一つだけだしあきらめる訳にもいかないので、これも飛び越える。すると右には充実の幻想文学・探偵小説。中でも中井英夫の本が多く揃っている。奥には芸能と古代史。向かいは手前がラックになっており、古い漫画雑誌・グラビア誌・アダルト誌と、何だか男の成長を描くような並び。その横には幻想・探偵・推理の絶版文庫、奥が海外文学となっている。四本目の通路はアダルト専門。店に自転車で乗りつけた老人が、迷うことなくこの通路に突入し、雑誌の山を掘り返している…おぉ!勇者に栄光あれ!レジで店主に本を差し出すと、電脳世界から帰還したかのように、ハッとした顔を上げ「いらっしゃい!」と意外に高い声。角川文庫「新東京文学散歩/野田宇太郎」を購入。

王子と言えば、堀江敏幸の「いつか王子駅で」。この作品で何か追記をと目論んでいたのだが、内容をいまいち思い出せない上に復習する時間もなく、みすみす断念。ん〜確か競馬と女の子の話だったよなぁ…古本屋も出て来たっけかなぁ…面白かったのになぁ…もう一度読まないとダメなようです。
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2008年08月30日

8/30東京・立川北へ南へ二店!

電車以外にモノレールが街を貫く立川で古本屋巡り。


chikyu.jpg●立川「地球堂書店」
駅北口、立川通りを北上すると、ちょっと寂しくなって来たな…と言う所にある。おぉ!古本屋だ!と気付き、いそいそと店に近付くと、何だか違和感が訴えかけてくる…。何だ?この平台は!?って言うかワゴン?…店の両脇に木の板で作られたワゴンがあり、両方とも通りに面した部分が弧を描いているのだ!酒樽と言うか、かまぼこと言うか、船の舳先と言うか、まったくもってナゾの楽しいフォルム。ディスプレイも独特で、絵本や写真絵本ばかりが、表紙を上にして重ならないよう丁寧に並べられている。まるで夜店のようだ…。ちなみに舳先の弧の部分はスペースが余ってます!入口正面には全集の揃い達が、壁のごとく積み上げられている。店内は壁一面が棚で、右奥がレジと住居への出入口、真ん中に平台付き背中合わせの棚。先ほどの全集達も、この平台にズシンと乗せられているのだ。左の壁は法律・歴史・古代史・郷土史などがパラフィン紙に包まれ整然と並ぶ。何だか古本屋と言うよりは、酒屋とか薬種問屋にいるようだ。向かいの棚には児童書や文学全集の端本が並ぶ。それにしても、こちらのスペースには牧野信一の「鬼涙村(復刻版)」があちこちの棚に見つかる。その数三冊…何故?平台には古い雑誌類がワゴンと同じ調子でディスプレイ。「スクリーン」が目立ってます。レジ横には技術書などが並び、その下には一本の紐でまとめられた文庫(揃いではない)のブロックがゾロゾロ…売っているのだろうか…だとしたら不思議な売り方である。レジは住居の階段下にあり、時折昇り降りする音が聞こえてくる。右スペースの壁棚は辞書類から始まり、書・芸術・日本文学・戦記・時代劇、そして最後にチラッと見えるコミック。実は入口両脇の棚の一部は、ダンボールで塞がれているのだ。一体裏には何が隠されているのだろうか…?向かいは文庫・民俗学・図録などが並び、下の平台にはアダルト雑誌が、今までと同様端整にディスプレイされている。色んな表紙がたくさん並んでいるのを見ると、ちょっと芸術作品に見えてくる気が…。どデカイ名前の古本屋は、本に貴賎のない、色んなナゾの多いお店でした。いつか店主に、ナゾについて一つずつ聞き質してみたいものである。


meisei.jpg●立川「明誠書房」
立川駅南口、歓楽街の外れにある。通りに面して目立つのは、壁いっぱいの均一棚。文庫・ノベルス・ハードカバー・コミックが収まる。棚横に堂々と貼ってあるAV女優のサイン&メッセージ入りポスターと、強風にはためくソフト・オン・デマンドののぼりに『エロ古本屋なのか?』と不安を覚えながら中へ入る。すると中はしっかりとしたお店。壁一面は棚で、店内に五本の背中合わせの棚が並び、六本の細い通路を作り出している。雰囲気としてはほぼリサイクル古本屋である。左の壁際と一本目の棚、その向かいの棚はすべてコミックで埋められている。そこはスルーし三本目の通路へと進む。左は新書、右は岩波・新潮などの文庫が並ぶ。その裏の四本目は左が現代小説の文庫が50音順にズラッ、右は時代劇とミステリーが半分ずつ。本はみな新し目である。五本目の通路は海外文学・ハーレクイン・ノベルスが収まり、向かいはサブカルや実用書である。右最奥の通路には、古典・評伝・思想など硬めの本。向かいの壁際は本ではなく、LPレコードがディスプレイ&ラックに並んでいる。入口側の壁際にはハードカバーの本が並び、映画や日本文学のジャンルが目に付く。レジ側の壁棚は。CD・DVD・ビデオなどのオーディオ・ビジュアル専門。そしてその裏側には秘密の小部屋があり、アダルトスペースとなっている。…と時間をかけて見ていたら、あぁ…外はまたいつのまにか豪雨になっている…。光文社「京都の旅/松本清張/樋口清之」を購入。

実は今回は、駅南口にある『DADA書房』をメインに探訪するつもりだったのだが、店の前に着くとシャッターは降ろされ看板も外されている。残るのは店前、パイロンの置かれた駐車場に書いてあるDADA書房の文字と、『幻想アングラ』の看板のみ…。タイミングが悪かっただけなのかもしれないので、また訪ねてみるとしよう(HPは存在しているのです)。それにしても訪ねて回ってるせいもあるのだが、忽然と消えた古本屋跡地や古本屋廃墟を目にすることが増えてきた。肩を落とすと同時に『ただシャッターを閉めてるだけなんだ。また来てみよう』とあきらめが悪いこともこのうえないのである…。
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2008年08月28日

8/28東京・中野ブロードウェイ再潜入!

前回潜入時にタイミングの合わなかった『ワタナベ古書』へ行こうと四階へ。するとそこには恐るべき光景が広がっていた…。


kiokuyogen.jpg●中野「MANDARAKE大予言&記憶」
早稲田通りサイドから四階に上がり、右の通路を進む。しばらく歩くと、右側に見慣れないたくさんの赤い本棚が!?何だ?こんなの二ヶ月前には無かったぞ?不審に思いながら棚を見ると、オカルトや宗教・自己啓発・占いなど胡散臭い本がほとんどだ。通路の奥に目を凝らすと『MANDARAKE大予言』と看板に書いてある…。なんと!あの閉店した『大予言』が、まんだらけ系列店として復活しているのだ!店の入口に近付くと、左側にフロアを拡大した『MANDARAKE記憶』が開店している。こちらのジャンルは6/18に記述したものとほぼ同じ。しかし棚の量が大幅に拡大している!プレミア本を収めるガラスケースも大量に増殖している。店内に二つ、店頭にも二つ。そして大予言の隣にガラスケースのみの部屋も新たに作られている。中に鎮座するのは写真集。通路には森山大道や荒木経惟・中平卓馬・東松照明などが並び、中は若手や中堅の写真家が多く並ぶ。すべて日本人である。値段はプレミアですから当然高いです。中には安い古本として売られているのもチラホラ…。それにしてもまったくスキがありませんな。そして『大予言』は以前の店とほぼ同じ構造。前は店頭にガラスケースが置かれ、タロットや本の他にも、呪具や祭具など恐ろしげで怪しげなモノも売られていた。今はすべて本棚。入口近くは均一棚ではなく、UFO・宇宙人棚となっている。レジ前を通り中へ入ると、細長〜い店内。壁際はレジ近くのガラスケースを除きすべて本棚。真ん中に薄目の背中合わせの棚があり、中ほどで左右の行き来が出来るようになっている。ガラスケースには何やら見たことも無い不可思議な宗教の本たちが。棚には新興宗教・精神世界・占い・超文明・超能力・心霊・古代史……もう、ありとあらゆるオカルト関連本が渦巻いている!いい加減な本から大マジメな本まで、人間の想念が溢れ出し、毒気に当てられること必至!何か歌いながらカバラの本読んでる人とかいるし…。気をつけましょう。ここのレジは『記憶』のレジも兼ねているようだ。


watanabe.jpg●中野「ワタナベ古書」
中野駅サイド、ブロードウェイ通りとエレベータ通りをつなぐ細い通路に面したお店。非常に小さいが、その中はミッチリと海外の小説で埋まっている。店頭にはダンボールを積み重ねたワゴン。その後ろに本棚もあり、文庫本が収められている。店内はほぼ正方形で、壁の両側が本棚、奥にレジ。真ん中には背中合わせの棚。右の通路は海外文学のハードカバーで幻想&ミステリーが多い。左の棚には最近の本、右に古めの本が並んでいる。目を見張るのは左側の通路。SF・ミステリーをメインとした文庫が端整に並んでいる。中には日本の探偵小説・伝奇小説もあるが、ほとんどがハヤカワのSF&ミステリー、創元のSF&推理なのだ。それにしてもこれらのタイトルは見てるだけでも面白いものが多い。棚の下が見難く通路が狭いのが難点であるが、それを補って余りあるこだわりの棚たちである。ちなみに店主はちょっと高いレジ奥で本に埋もれている。用があるとスックと立ち上がります。値段はお安め。ハヤカワ文庫「幼年期の終り/アーサー・C・クラーク」を購入。


rondo.jpg●中野「BOOKSロンド社」
二階早稲田通りサイド、奥の角地にある。『趣味のふるほん』とキャッチフレーズが書いてあるが、店で売られているのは雑誌がメイン。ここまで特化してるなら、雑誌について明記した方がいい気がするのだが…。前述の通り角地にあるのだが、通路側に壁などはなくカーテンや本棚を壁代わりに使っている。そのため何だかオープンな雰囲気に。ブロードウェイには珍しい明るい感じからか、お客さんの出入りも多い。店頭には文庫がしっかり50音順に並ぶ棚。雑誌を収めたラックが小さいものも含め、六つも置かれている。店内もレジ横にラック。そのレジ前に“コ”の字を形作った本棚。棚上には転倒防止器具がしっかりとはめ込まれている。天井にはミニシャンデリア。真ん中には小さい平台も併設した棚。ここに音楽関係など、少量の書籍が収められている。そして棚のほとんどは雑誌で占められ、カルチャー・音楽・車・スポーツ・ファッション・生活などなど…多様なジャンルが高尚なセレクトで並ぶ。下品な雑誌は一切ありません。珍しいところではプロ野球選手名鑑が揃っていたりする。途中から名称が『レコードブック』になってるのが気になります。アスキー・メディアワークス「いつもレコードのことばかり考えている人のために/小西康陽×常盤響」を購入。

相変わらずのブロードウェイ激変ぶりには油断できません!それにしても恐るべきはMANDARAKEの侵略力!このままではブロードウェイは『MANDARAKEブロードウェイ』に!?あぁ、何とか多様性を保ってほしい…。
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2008年08月27日

8/27東京・三鷹台 絵本専門古本屋 B-RABBITS


rabbits.jpg井の頭線・三鷹台駅近くにある。以前通った時は古本屋だとはまったく気付かなかった。店頭入口両脇にはスダレが掛けてあるが、どうやらワゴン用の日除けらしい。絵本・児童書がタテヨコにジェンガのように積み上げられている。引き戸のガラスには、一面に絵本の挿絵が貼り付けられ、中の様子を伺うことは出来ない。戸をカラッと開けると店内には話し声。先客がいるようだ。中はさほど広くなく、ほぼ正方形。しかし何だか情報量がスゴイ!スゴイと言うか細かい!絵本・児童書は薄い分、棚にみっちりと収まるのだ!壁の両側は棚で、真ん中に背中合わせの棚、左奥のレジ横には少し凹んだスペース。本はすべてビニールに包まれキレイである。壁や天井には引き戸と同様、絵本表紙や挿絵のカラーコピーや絵ハガキが貼り付けてある。所々に松田優作のフィギュアが置いてある…。サインも貼りだしてあり、諸星大二郎の紙魚子のカラーイラスト入りサイン色紙が存在感デカ過ぎっ!本棚に挟んであるだけの岸部一徳のサインも気になります…。右の棚には大量の「こどものとも」と「かがくのとも」。そこから作家ごとにまとめられた絵本&児童書・アンソロジー本が並ぶ。向かいは福音館書店の絵本をメインとした棚が大充実。ずいぶん古いモノや絶版本も多く並ぶ。隣は児童書でここも充実。同じ本が版や時代違いで置いてあるのは嬉しいところ。児童書を探している人は、自分の読んでいた装丁やイラストの、思い入れのある本を探しているのだろう。左側の通路は海外本中心。右は美しい原書が並び、左には翻訳絵本・児童書、そして関連雑誌なども置いてある。奥の小スペースには岩波書店の箱入り児童書がドッサリ!まるで子供の頃に夢見た本棚が現れたようだ。ここには戦前児童書の復刻本も一部置いてある。先客は店主と長々と話し続けている。帰ったところを見計らい、本を手にレジへ。ついでに軽い気持ちで「スイッチョねこ」の絵を描いた「安泰」について聞いてみると、途端に女店主がフルスロットル!マシンガントークを繰り出し、店内を縦横無尽に飛び回り、あらゆることを教えてくれる。話は右に左に枝葉を伸ばし、作家のことから絵本界のこと、棚作りの苦労から売れてしまった本への思い、古本屋稼業のつらさから古本をキレイにする法&修復法まで披露して頂いた。あの一言のために30分……何と濃密な30分か……何だか弟子入りした気分…それだけ刺激的でした。絵本について質問のある方はぜひとも来店するべきと言えよう!値段は安く嬉しい。1000円以上買うと絵ハガキのプレゼントあり。そして最後は店の外まで見送ってくれます。講談社「カポンをはいたけんじ/槇ひろし」ブックローン出版「絵本ジャーナルPeeBoo/1991.4」を購入。
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2008年08月26日

8/26東京・自由が丘から14分の大井町二店!

映画館があった頃とは、すっかり変貌してしまった大井町をさまよいました。


ebihara.jpg●大井町「海老原書店」
大井銀座商店街にある。この通りは歩道に屋根が付いているので、漠然と『鶴舞駅(名古屋)横の古本屋に似ているな』と思ってしまった。そして、店の真ん前に横断歩道!大井町駅東口から来ると通りから店に入るのではなく、一本の道として真っ直ぐ店の入口に直結している感じがムダに嬉しい。店の両脇には木製のワゴンが阿吽像のように控えている。左には廉価コミック、右には通常のコミックスが二段に山積されている。店の看板には赤い文字で『古本買います』。その下の店名が異様に極小なのが、ちょっと気になります。中に入ると本がギュッと詰め込まれた、街の古本屋的雰囲気。棚横のラックには赤本や雑誌が置かれている。壁は一面本棚。店内真ん中に棚が一つ置かれ、“O”の字の回遊式通路を形作っている。棚はすべて木製で、表の阿吽ラックと同じ素材で作られている。右の棚から見ると、動きの早い新刊雑本から始まっている。よくある感じ。しかし奥に行けば行くほど、この店のカラーがジワジワと滲み出してくる。大雑把ではあるが、一列ごとに細かく色々なジャンルが収まっているのだ。しかも止まらずに動いている雰囲気。この棚の足元一列はラックになっており、雑誌類が表紙を向けて並べられている。向かいはノベルズ(オカルト多し)・文庫・新書の棚で、文庫は小説以外のジャンルがメイン。こちらも奥に向かうと面白いことになってきている。文庫・新書共にセレクトされた郷土史や地方史、街関係が多く目に付くのである。そして足元の平台には雑誌が並ぶ。レジ前を回り込み反対側へ。一見して壁際の棚が曲者であることが分かる!郷土史・江戸&東京関連(充実!)・オカルト・歴史そしてコミックとなっている。曲者一番はオカルトのコーナー。通常のモノに加えて、日本の妖怪関連が充実しているのだ。完全に民俗学棚とは違うアプローチです。向かいは文学文庫で、新しいものを中心とした棚になっている。こちら側の足元の平台は、アダルトやグラビア誌が占めている。この辺は街の古本屋さん風…。本をレジに出して精算……あ、細かいのを持ってない。「すいません、一万円でいいですか?」と言うと、店主は両の口角をキューっと上げて静かにうなずく。ありがとうございます!よく見るとレジ周りも木製。しかも棚と同じ材質。さらによく見ると、本棚とほぼ一体化している!シックなどとは違う格好良さが漂う。恐らく開店時にすべて一緒に作ったのではないだろうか…。緩さの中にしっかりとカラーが息づくお店…あ、お値段はいたってフツーでした。右文書院「東京の暴れん坊/塩山芳明」双葉文庫「ペニス/津原泰水」を購入。


shorin.jpg●大井町「松林堂書店」
緩やかに大きくカーブした、すずらん通りにある。細い店頭には一台のワゴン。降り出した雨を避けようと、店内に入ろうとすると店主と鉢合わせ!一瞬視線が激しく交錯するが、体をかわした店主に会釈して中へ。店主は外で空を見上げワゴンの本に手を乗せる。一度奥に入り布巾を持ち再び店外へ。濡れている本を丁寧に拭き、大きなビニールをワゴンに被せている。そこに一人のお客「見せてもらっていいですか?」「どうぞ」…おぉ、気持ちのいいやり取り。これぞ人間!店内は両側が本棚、店の真ん中に背中合わせの棚と言うシンプルな構造。右の壁際はラックから始まり、ビジュアル本・絵本などが並べてある。そこから児童書・料理&食・映画・辞書・雑誌・建築・美術などが収まる。向かいは100円均一からスタート。文庫やハードカバーの他に、洋書のペーパーバックなど不思議なモノも少量混ざっている。時代劇・歴史小説・新刊日本文学と続き、一つ奥に入るとノベルズが棚を大きく占領!いつもないがしろにされているノベルズが、丁重に扱われているのを見ると、目頭が熱くなります…。広々としたレジ前を通り左側へ。壁際は充実の江戸&東京コーナーから始まる。品川に関する本が多く、さすがお膝元の古本屋と言える。歴史本を過ぎるとアダルト棚。足元平台もアダルトが並んでいる。数学や技術書棚を過ぎると、後はコミック。向かいには新らし目の文庫がズラっと詰まっている。全体に何だかさっきの『海老原書店』と構造が似ている…不思議な既視感…。こう言う小さな街の古本屋には、構成の黄金率みたいなのがあるのだろうか…など、余計なことを考えてしまう20分だった。

二つのお店の棚が、時間の経過と共に頭の中でゴチャゴチャに混ざり、思い出すのに一苦労…。大井町は他にもシャッターの閉まったお店があり、またいずれさまよう予定。
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2008年08月24日

8/24東京・中目黒 COW BOOKS


cow.jpg瀟洒な目黒川沿いのビルの一階にある。今や『暮らしの手帖』編集長・松浦弥太郎氏のお店。多少道に迷いつつ近付いて行くと、オシャレな街に溶け込んだ、洋服のセレクトショップかと見紛うオシャレな外観が見えてくる。店前にはタバコも吸える木のベンチと、文庫の詰まった小さめの本棚。驚くことに雑本ではなく、すでにセレクトされたラインナップ!こんなの外に出してていいのか!?すでにここから、この本屋の本気は始まっている!棚から顔を上げると、壁のステンレススチールに店名と共に『everything for the fleedom.』の文字。…ここは完全に敵地・つまりはアウェーであることを確信した!果たして心も体も自由に振舞えるのか…自動ドアを開けて中へと入る。外観は前述した通りセレクトショップだが、中はしっかりと古本屋。しかも多くの若者で賑わっている。内装は木材を基調としているが、いつものオシャレ古本屋とはちょっと違っている…なんだ?一体?真ん中には大きな木のテーブル。カフェとしても営業しており、ここで飲んだり読書したりするようだ。両側の壁は本棚になっており、間接照明が主役の本をニクイほど浮かび上げている。奥のレジ周辺は外観と同じくステンレススチールで覆われ、宇宙船のよう。しかし、何かいつもと違う感じの正体は上にあった!天井近くの壁際、四方すべてに電光掲示板が切れ目無く設置され、ずーっと『BOOK BLESS YOU.』の赤い文字がグルグル回っている。映画で見るアメリカの教会みたいだな…などと考えつつ、ようやく棚に目を移す。本棚は右・左共に一番上がラック式になっており、表紙を向けて下のジャンルのおススメ本がディスプレイされている。その下三段は普通に本が背を向けて並べられ、さらに足元の二段は再びラック式になっており、写真集を中心とした洋書ビジュアル本が並ぶ。右の棚から見てみよう。こちらは日本文学で、かなりセレクトされ趣味に突っ走った小説やエッセイが丁寧に揃っている。山口瞳・小林信彦・伊丹十三・戸板康二・永井龍男・安藤鶴夫・吉田健一・小沼丹・森茉莉・向田邦子と言う、ちょっとしたお店だったらよくあるようなラインナップだが、冊数がスゴイ!凄すぎてちょっと引いたり感心したり!棚が一歩深みに入っているのだ。う〜んよく集めたなぁ。後半は箱入りの本が多くなり、キッチリとしたスクエアな空間を作り出している。最奥は面出しのラックとなっており、お店で取り扱っている新刊・復刻本・インディーズ本などが並んでいる。ピカピカのレジを過ぎて左側へ。まずは海外文学。ビートニクス系が目立っている。SF・音楽・ドラッグ関係もあり。半分から向こうは日本物にスイッチ。美術・民藝・映画・日本文学などが並ぶ。入口脇には直方体のガラスケースが置かれ、プレミア写真集や特製のブックエンドなどが収められている。お店をじっくり見て思ったこと、それはここまで自分の目を信じて自己主張できるスゴさ!こう潔いと、気に入ろうが気に入るまいが、逆に気持ちがいい!価格のプレミア感にも納得。何故なら、ここで本を購入する事は、確実にステイタスとなるのだから。それにしても、こんなに若い男女が激しく出入りする古本屋は、私はブックオフ以外に知りません!ここは、未来への知の伝達形式を示した未知の空間。内装も含め、未来へ飛翔しようとする宇宙船と見紛うばかり!行き先はどこか分かりませんが、確実に一つの新しいカタチを、このお店は示しているのです。アウェーどころか、ちょっと別次元の少し憧れる空間でした。私は宇宙船に乗りたくても、乗せてもらえるかどうか分かりませんが…。深夜叢書「ヌマ叔母さん/野溝七生子」、古本ではないが如月出版「SOMETHING COOL/黒田維理」を購入。包装、とても丁寧でした。
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2008年08月23日

8/23東京・荻窪 電車の窓から見える三店!

総武線の車窓から見える、いつでも途中下車を誘う三店に足を運んでみた。


sasama.jpg●荻窪「ささま書店」
新宿方面から来ると、目の前の建物が途切れ視界が広がる瞬間に見えるお店。いつも多くの人で賑わっている。店前に並ぶ小型の台形・105円均一本棚は、ここの目玉の一つ。いつもいい本が差し込まれている。この日も探していた本をいきなり発見し、ちょっとびっくり。入口横には315円均一の大型本コーナーも。さて、改めて入口に立ってみると、このお店は広く意外なほど複雑な構造をしているのに気付く。果たしてちゃんと説明できるのだろうか…ちょっと暗澹たる気持ちになる…。そこで店内を、入口側:第一ブロック、レジ前:第二ブロック、店奥:第三ブロックと分けて考えることにした。少し気が楽になった…。第一ブロック、両側の壁は棚。真ん中に平台付きの肩ぐらいまでの本棚が置かれ、通路を二本作り出している。右側の天井までの棚は新書・時代劇文庫から始まり、次のミステリー文庫からこの店の本領発揮!常に品揃えが良く、珍しい絶版文庫も意外な安値で売られていたりする。この濃い感じは、海外ミステリー&SF・岩波・中公・講談社文芸・ちくまと続く。通路棚は平台に雑誌類、その上は実用・ファッション・料理などが収まる。左の壁はコミック(絶版多少あり)・コミック文庫から始まり、新刊日本文学・オカルト・辞書類となっており、向かいには平台が雑誌、棚には旅行ガイド・紀行・宝島・デザイン・写真などが並ぶ。レジ前の第二ブロックは、右が凹んだ空間になっており、壁は一面の棚。真ん中に背中合わせの棚が二本置かれている。壁際のぐるり本棚は、児童書・民具・職人・植物・庭・日本建築・絵画展図録・伝統芸能・テレビ・音楽と言う構成。通路棚は正面が児童書・絵本・骨董、その裏が図録類(昔、売り切れの「北代省三と実験工房」を見つけた時には、全身に電流が走りました…)、向かいが写真集、そして裏には別冊太陽や趣味の道具のビジュアル本など。また、レジの横には行き止まりの細いスペースがあり、鉄道・飛行機・戦記・戦史が並び、最奥に無政府主義や差別関係の書籍が鎮座している。狭いところでこのラインナップ、何だか地下活動的な雰囲気である。そして店奥の広い空間が第三ブロック。まず目立つのは、レジ斜め前にある胸くらいまでの白い棚。何故かナナメに置いてある。動線を考えてのことなのだろうか…。表は芸術論や評伝・建築が並び、裏側は一面の性風俗関係本。古い資料的なものが中心である。この棚を挟む両側の壁は、右が充実の映画・演劇。左がこれも充実の江戸・東京関係である。奥は“コ”の字に壁一面の棚。真ん中に背中合わせの棚が三本。これも微妙なナナメ角度で置かれ、空間に不思議な動きを生み出している。壁はまたもやぐるりと、山岳から始まり国史・思想・哲学・社会学・アジア関係・易学・日本歴史と取り囲んでいる。通路棚は、右の一本目が生物・世界の民俗・数学、裏が日本文学の棚。他ではあまり見かけない本が、いつも並んでるのが嬉しい。向かいの詩歌・幻想文学も充実棚である!その裏は海外文学で埋まり、シュルレアリスム本が多く並ぶ。向かいの最後の棚は、精神・心理学・宗教、裏には仏教関係となっている。………ジャンルを羅列しただけで、何だか大作になってしまった…。以上の苦心惨憺な文を見て頂ければ分かる通り、日除けにある標語「広く楽しい古本屋」とある通り、いい古本屋です。ここは例え、その時欲しい本が無くとも、買う本が何となく見つかってしまう悪魔の古本屋です!毎日行くと古本中毒になるのは必至!!魂と財布の中身を少しずつ吸い取られていくことでしょう…。お値段は中々良心的。もちろんモノによっては、いい値がしっかりついてます。あの黄色いラインの電車に乗り、左側をボンヤリ見ていると、いつものように黄色い日除けが見えて……あぁ、また途中下車の悪魔の誘いが…。平凡社「東京映画名所図鑑/富田均」集英社文庫「開聞岳/飯尾憲士」を購入。


iwamori.jpg●荻窪「岩森書店」
駅のホームからも見える、ビルのファサードが斜めの古本屋。本が積み上げられた均一台は、ファザードに合わせてあるので、店へのアプローチはナナメになっている。入口は二ヶ所。両方の扉に『ケータイは外でお願いします』と貼ってある。当然のマナーですな。左の入口から入ると天井までの高い棚。右は社会・ノンフィクション・風俗・世界情勢などがジグザグと並び、中々本性を掴ませない。右への通路を越すと、宗教・日本史・古代史と並ぶ。向かいの壁際には文化関係の下半分がラックになっており、ビジュアル本が面差しでディスプレイ。横は戦争関係・現代日本文学・詩歌・辞書となっている。このお店は逆さの“L”字型と言ってよいカタチをしており、左に空間が広がっている。壁は途中まで普通の本棚。海外文学・幻想文学・日本文学評論がズララッと並び、角を曲がると古本や出版など本の本・詩歌がこれもズラッ。再び角を曲がると一面のガラスケース!ここには戦前の日本文学プレミア本・署名本・歴代の芥川&直木賞受賞作などが、展示物のようにキレイに収納されている。空間の真ん中には、大型の豪華画集やその上に無造作に積み上げられた、未整理の括られた本。そこにはまたもやガラスケースがあり、プレミア本・雑誌などが表紙を見せて並んでいる。レジ前を通ると右側の入口へと通じる通路。左の壁は美術図録やビジュアル本、美術・映画写真と続く。向かいは古典と科学と言う、冗談のような面白い取り合わせ。入口近くの壁際には、新書・コミック・児童書・ノベルス(見たことも無い古いノベルスも)・ハヤカワペーパーバックとなっている。その向かいは文庫が絶版も含め、棚を占領している。ここはいつ来てもいいお店だな、と思うのだが、何故か買いたい本と出会わない。いつも店内を一巡して出てくるだけ…。いつの日か出会ってみたいものである。


chikuyo.jpg●荻窪「竹陽書房」
荻窪駅を発車したときに見える、遠目から見てもギュウギュウなお店。ビルの一階にあり、店前の100円均一台は、文庫やコミック児童書が唸りをあげている。入口にもすでに未整理の本が進出し(ドアのストッパーとして使っている!?)広さを1/2にしてしまっている。店内は壁一面の棚と真ん中に背中合わせの棚が置かれるシンプルパターン。右通路では店主が本を整理中なので、左から検分開始。廉価コミックと美少女コミック棚を横目に通路に入る。目に入るのは通路に積まれた美少女コミックとアダルト雑誌。くっ!…ドギツイっす!しかしその上の棚はいつもの古本屋。左の壁際はハードカバー。一見オールジャンルの雑本が無造作に並んでいるようなビジュアルだが、よく見るとちゃんと手が入った棚になっている!本と本のゆったりとしたつながりが、ちょっと気持ちよかったりする。向かいの文庫も少ないスペースでしっかりとジャンル分けされている。動きも止まっておらず、店主の努力が垣間見られる。その店主はといえば、壮年のご夫婦(予想)。いつも仲良く何か会話している。この時は「千の風になって」の女性ボーカルバージョンについて楽しげに話していた。ちなみにレジの周りは未整理の古本の山…。そして右側の通路、ここも本が溢れている。文庫棚の裏も文庫が収まる。壁際には図録と多ジャンルのハードカバーが並んでいる。そういえば、この間の西部古書会館で購入した本は、ここの出品したものだった…。店外に出ると目の前に線路。そしていつもより大きい空が覆いかぶさってくる。このお店は上半分と下半分が違うお店のような、ギュウギュウな古本屋でした。

この三店を電車の中から見かけたら、ぜひとも次の機会に途中下車してみてください。
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2008年08月21日

8/21東京・護国寺 沼田書店


numata.jpg神田川から勾配厳しい胸突坂を登り、護国寺に向かう途中に偶然発見したお店。見つけた時は『何故こんなところに突然古本屋が!?しかもこれが古本屋!?』と興奮。店の日除けには和洋裁・糸・小物類・文房具・おもちゃ、そして古書売買と書いてある。店頭にはガチャガチャのみ。引き戸を開けて店内に入ると『ピンポ〜ンピンポ〜ン』とチャイムの音が鳴り響く。奥に住居への入口があり、そっちの方から「ハイハイハイハイ」と言う声が聞こえてくる。しかし待てど暮らせど姿は見えない。右側は壁の棚とその前の平台含め、文房具が陳列されている。取りあえず買おうと思っていたボールペンを吟味。とそこへ、おばさんが「いらっしゃいませ」と登場し、部屋への上がり框に腰をかける。おばさんにボールペンを渡しながら「ここは本も売ってるんですねぇ〜」と声をかける。「ええ、そうなんです。今、奥の方がちょっと見られないんですけどね」と照れ笑い。店の左半分が古本屋スペース。壁は一面の棚。そして手前に本棚が一つ。しかしこの本棚は、全面をほとんどおもちゃ達に覆われ、どかさないと見ることは出来ない。奥の通路はおばさんの言葉通り、印鑑のケースや積み上げられた荷物で入り込むことは出来ない。覗き込むとコミックや児童書が多いようだ。一番見やすいのは店奥の棚。80〜90年代の本が小説・実用書・ノンフィクションなど混ぜこぜに棚に収められている。棚上部は本がナナメになりジグザグに収まる。完全に『タイムカプセル古本屋』である。隅から隅まで見たわけではないが、特に欲しい本も見当たらない(その時は急いでいたので、今になってちゃんと見ておけばよかったと後悔…)。しかしマイナスのイメージがあまり感じられない。何だかここに立ち、背が焼けた本たちに囲まれているのが、楽しいのである。「もうしばらくしたら、片付けて奥も見られるようにしますんで」と再び照れ笑いのおばさん。…多分、この先も片付けないんだろうな。でもこれはこれでいいんじゃないでしょうか。先ほどのボールペンを購入し、店の外へ。ウィンドウから括られたコミックが見えている。竹宮恵子の『風と木の詩』らしい。何故らしいかと言うと、本の背が日に焼けすぎ『詩』の文字しか読めないからなのです。
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2008年08月20日

8/19東京・恵比寿門外二店!

この街で見つけた古本屋に入ると、私は全くの門外漢になってしまいました…。


good.jpg●恵比寿「GOOD DAY BOOKS」
駅近くのビルの三階にある。通りにはデカイ看板が置かれ、店名などのほかに「英会話教えます」の文字が。通りからビルに入り、エレベーターに乗り込み上へ。降りて右がお店のようだ。ドアの貼紙などは全て英語で書かれている…そう、ここは洋書専門の古本屋なのです!入口から入ってすぐの本棚に、店の配置図が貼られている(もちろん全て英語)。別に目的の本など無いので、店内をブラブラ歩いてみた。まるで図書館のように並ぶスチール棚。そこに大量のペーパーバックやハードカバーが収められている。ビジュアル系の洋書はほとんど見当たらなく残念。色とりどりのペーパーバックの、ひび割れた厚い背を眺めていると、あぁこれも古本なんだなと何だか感心。それにしても洋書は装丁が派手である。店奥に『SF』の棚があるのだが、そこに並ぶペーパーバックはほとんどビデオパッケージのようで、見ているだけでも楽しめる。………しかし、やっぱり英語が分からないので、全く太刀打ち出来ません!店内では『私は英語が読めるんですよ』と言う感じで振舞っていたが、それも五分が限界である!何だか居たたまれなくなってきた…。レジでは外人さんがパソコンを打っている。あぁ、私は一体ここで何をしているのだろう…。店内を回遊していたおじいさんが、買い物カゴをレジに差し出した瞬間、ドアを開けて店を飛び出しました。こう言うお店はしっかりとした目的を持って来店することをおススメします。いつもとは違う意味でアウェー過ぎました…。


lim.jpg●恵比寿「limArt」
駅から少し離れた、坂の途中の住宅街にある。古書とインテリアと雑貨のお店。古書は…洋書なのである!たどり着くと、そこにあるのはオシャレなショップかカフェのような外観。白い!西班牙や伊太利亜のように白い!ガラスの大きなウィンドウがあり、内部と本が飾ってあるのが見える。これは…とにかくオシャレである!大いにたじろぐが、しかし中から丸見えの道路上で、いつまでもモジモジしててもしょうがないので中へ!手をかけると意外なほど軽いドアを開け店内へ入る。中は薄暗く涼しい。天窓から光が入り込み、静謐な空間を照らし出している。中の第一印象は『ショップ+事務所+ギャラリー』。入った右にレジがあり、部屋の奥にもパソコンを操作するスペースがあったりする。三人の若者が働いているが、彼らが打ち合わせ等始めると、そこは正に事務所!本は美術の洋書ばかりで古い本も多い。芸術・絵画・写真・デザイン・タイポグラフィー…それらがラック・本棚・机・テーブルなどにセンスよくディスプレイされている。いいセンスとは、空間に余裕を持たせることが重要。要するにメリハリなのであろう。ダダやフルクサスの本を、シンとした暗がりで眺めるのは、中々背徳的な感じである。所々にある雑貨も非常にオシャレ。まぁ家に置いてみても、全く馴染まないのは目に見えているが…空間にセンスよくメリハリをつける事が出来たら購入してみよう。ショップの奥には、少し仕切られた白い部屋があり、ギャラリーになっている。内装は西や伊の山奥の、農家や教会のようでシンプルだが味わいがある。この時は、タイポグラフィー印刷作品の展覧会が行われていた。壁面と机を利用し、立体的に本や頁が展示してある。その展示作品がしっかり売れているので感心。持ち帰り自由のリーフレットが、物凄くしっかりした作りなのでここでも大いに感心。こう言うのは何気に嬉しいものだ。ビジョンや方向性がハッキリしているのは、見ていて気持ちがいい。その世界観は完璧でスキは見えない。贅沢を言えば、だからこそ入り込める部分を作って欲しいとも思うのだが…まぁこちらの勉強不足も大有りなので、自分でこじ開けるのが本来だとは思います…。古書も楽しめるが、やっぱり空間が楽しめるお店。もちろん多大なオシャレ緊張感が、もれなく付いてきます!

古本屋にも色んなカタチがあることを知った貴重な一日となりました。


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2008年08月17日

8/17東京・雨中上石神井二店

自転車で初めて上石神井を訪れたところ、雨が突然本降りに。古本屋で雨宿りと言うのは、これも初の経験。


sekibundo.jpg●東京・上石神井「せきぶんどう書店」
上石神井駅南口、南大通り商店街にある。店前には三つの平台ワゴン。右側の二つには、文学全集など箱入りの本が廉価で収まる。左側には文庫。何故か“群ようこ”の本が多い。入口前には雨降りなので、ちゃんと傘立てが出ている。自動ドアを潜り中へ入ると、そこは白い広々とした空間。雨に濡れた体でも空調がいい感じ。正面奥の真ん中がレジ。店主が文庫本の整理をテンポよく無言で進めている。壁一面は本棚。店内には三本の背中合わせの棚があり、四本の通路が出来ている。入口右にはコミックのラックが置かれてているが、この店の雰囲気からすると浮いてしまっている気が。左の通路に入る。壁際は辞書から始まり、国史・仏教など硬い本。向かいも思想・哲学など硬めだが、奥の縦一列に探偵小説や評論類が並んでいる。二本目の通路は、左が歴史・古典・俳句・日本文学・評論、そして筒井康隆が多く揃えられている。向かいは新書や日本の現代小説&ミステリー。三本目の通路はすべて文庫。左は新らしめの日本文学中心、右が時代劇文庫・ちくま・岩波・中公、そして絶版文庫が並んでいる。レジ横は、図録や大判の美術&ビジュアル本が棚を占領。レジ側から四本目の最後の通路に入ると、壁際に小さい棚がありSFと戦争の文庫本がコンパクトに収められている。そこから戦記・復刻文学本・海外文学・全集と続く。向かいにはここも文庫棚。海外文学、その下には意外なアダルト・SF・推理・エッセイ・女流作家・ノベルズ棚、となっている。店内はキレイで通路も広く、棚も非常に見やすい。こう言うお店はじっくり見られるので、ついつい時間を忘れ長居しがちになる。本の値段も安め。店内にはBGMやラジオなど何もかかっておらず、店主が本を拭いたり積んだりいている音が響くだけである。こちらも時々、何故か軽く咳払いをして自己主張。「シュッシュッ、ボン」「ンンッ〜」「シュッシュッ、トントン」…。何だか微妙な関係である。講談社文庫「飛ぶ教室/エーリッヒ・ケストナー」を購入。


noah.jpg●上石神井「古書 ノア書房」
先ほどの通りから一本西に入った庚申通りにある。雨がさっきより激しくなってきている。店頭には、右にコミック棚があり、その前には括られた揃いのコミックが地べたに置かれている……あぁっ!?ぬ、濡れている、雨に濡れているっ!!…いいのだろうか…。左には三本のスチール棚と平台。文庫やハードカバー、硬い哲学や学術書も含まれている。その前には台車に積み上げられた未整理の本……あぁっ!?こ、これも濡れているっ!?…ちゃんと店頭に傘立てが出されている…と言うことは店主は雨が降っていることを知っている…本が濡れているのを知っているのだ!面倒くさいのか豪傑なのか…後者だと救われます。店内はシンと静寂で包まれている。静か過ぎる…もしかしたら店主は不在なのだろうか?だとしたら表の惨状も納得出来る!壁はぐるりと天井までの棚。店内には背中合わせの棚が一本。“O”字型のシンプルな構成である。右の壁際はコミック、その奥が時代劇・歴史文学。棚下には平台があるのだが、その前の通路に本が壁のように積み上げられ、覗き込まないと見ることは出来ない。向かいは文庫棚。元々はしっかり50音順に並んでいたのだろうが、所々で破綻と融解が起こっている。棚を上から下に見ながら、右へ右へと移動。とここで、奥にあるレジらしき場所が目に入る。何とそこは本の山!何本もの本タワーが天を突き、玄武岩の柱状節理みたいになっている!そのタワーの隙間から、突然店主の顔がヌッ!…あ、思いっきり目が合ってしまった。気まずさを解消すべく、レジ側の壁際本棚に視線を流す。そこは幻想・日本・海外文学が並んでいる。下は積み過ぎてナナメになり始めた文庫の山。棚もよく見ると、何だか傾いている。本もこちらに迫り出したりしている…微妙に平衡感覚に違和感…何だか面白いお店だなぁ。レジ前を通らず、入口へ引き返し奥の通路へ。壁際は新書・実用書などから始まり、仏教・オカルト・戦記・映画・哲学…その奥はレジ周りに強固に立ちはだかる“本タワー”で確認不可能。下の平台にはアダルト雑誌が一面に散らばっている。向かいの棚もオールアダルト。本タワーをかわし、レジへ本を持って行く。本の中に沈み込んでいる店主に声をかける。「ああ、いらっしゃい」と本を受け取り精算。その間にこの居心地のよさげなスペースを観察…出入口らしきものが見当たらない……この極小スペースにどうやって出入りしているのだろう?まさかこの本タワーを乗り越えて!?それとも気付かない秘密の入口が…。しかしこのレジはスゴイ。例え世界が水没しようとも、この席に沈んでいれば大丈夫!それはまさにノアの箱舟!!後ほど店の前を通ると、店頭に主の姿(ジャージ)が立っていた。棚を眺めているようだが、濡れてる本は気にしてません。豪傑に決定!文藝春秋「一九四〇年 釜山/飯尾憲士」を購入。
posted by tokusan at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月15日

8/15神奈川・白楽 古書・鐵塔書院


tettou.jpg白楽駅西口を出て、緩い坂を少し下ったところにある。近くに鉄塔でもあるのかと期待したら、まったく見当たらない。その外観は、一見商店街の中のリサイクル書店。しかしその店内は、恐るべき知の宮殿だった!熱波渦巻く外と比べ、心地良く冷房の効いた店内。本を物色するお客さんも多い。本棚はすべて、天井近くまで高くそびえている。長方形の店内に、都合六つの背中合わせの棚。四本の通路と中央を貫く一本の通路、奥にはレジという風に構成されている。入口の両脇には、積み重ねられた揃いのコミックと、均一文庫のラック。まずは右端の通路に歩を進めると、壁際の棚は文庫でびっしり。一列目は鉄道関係の文庫だらけである。よくもまぁこのジャンルだけでこんなに…と思いつつ目を移していくと、棚の分類の仕方がスゴイことに気付く。ほとんど棚の一段一段が細かくジャンル分けされ、文庫・新書取り混ぜ並べられているのだ!時にはジャンルではなく、作家別・出版社別で分類されていることも!これは並大抵では作れない棚。ジャンルが細か過ぎるので、列記するのは断念せざるをえない。とにかく、棚の一段が織物のように細かく編まれ、ミニ図書館と化しているのだ!これだけでも白楽まで足を運ぶ価値ありと言えよう!そして奥のレジ近くには、手塚漫画&研究本と美少女コミックが並んでいる。向かいの棚は、時代劇文庫・現代文学文庫、レジ側の棚はコミックが収まっている。二番目の通路はすべてコミックで埋め尽くされている。レジ側の棚には絶版漫画もあり。三番目の通路は、右がハーレクイン・推理&SF文庫・オカルト、レジ側は海外文学・大充実の幻想文学・探偵&推理小説。左側は児童書・日本ミステリー・心理学、レジ近くは思想・哲学など硬めの本が並ぶ。四番目の通路は、右が実用書・紀行・ロック音楽があり、レジ側は戦記や郷土史が並ぶ。左の壁際は、全集・日本文学・出版&本関係・建築・クラッシク音楽・美術・映画・充実の江戸&東京本・写真・アダルトとなっている。店内の明るさ・白さとは裏腹に、非常に濃く素晴らしい品揃え!いい古本屋である!あの一分の隙もない棚は、細かい神経の賜物と言えよう。白楽にはまだまだ古本屋があるそうなので、再訪確実の土地に決定。晶文社「ボマルツォのどんぐり/扉野良人」を購入。
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2008年08月14日

8/14東京・神保町ではなく神田二店

よく「古本街といえば『神田』なので、神田に行くと古本屋は無く、そこから離れた『神保町』が古本街だという事を知った」的なエピソードを耳にする。そこで、正真正銘神田駅近くにある古本屋を訪ねてみた。


sawaguchi.jpg●神田「古書 澤口書店」
靖国通り沿い、地下鉄小川町駅の階段口近くにある。『本』と言うドでかい看板が印象的。アピールすべきは、店名より売っている物なのである。パッと見は新刊書店に見えなくもない。比較的新しい雑誌が並べられているからだろう。入口横には文庫のラック。何故か『雑学』と限定されているが、小説もチラホラ。店内は細長く奥深い。そしてサラリーマンで賑わいを見せている。右側の棚は、まずはここ三ヶ月以内に発売されたコミックや小説。途中から古本や古書が混ざり始め、実用書類を経て、突然三島由紀夫や幻想文学などのコアな棚に変身!さらにその横のレジ脇の棚には絶版ビデオが、東映ものを中心に棚作り。文太率高し!左側には文庫がズラ〜っ。左から古い小説類、そして現代小説。途中から時代劇文庫、出版社別文庫と分けられている。レジ前を通り過ぎると、右は映画やテレビ。左はコミック、奥に思想・哲学の硬い本が並ぶ。店奥まで行き着くと、右側に木の階段が見える。そこを数段昇るとちょっとした中二階の小部屋。真ん中に置かれた、民俗学・歴史の棚の周りを美術本棚が取り巻いている。一部には空になっている棚も。階段横には、さらに上に昇る階段がある。2F・3Fがあるようだが、両階ともアダルトのようだ。18歳未満の出入りが禁止されている。階段壁には等身大のAV女優のポスター、そして階段途中に置かれた扇風機が、ガチャガチャと風を送りながら首を振っている。やはり神保町から離れてるとはいえ、ここは神田!品揃えはしっかり!値段もいいものはしっかり!お客さんは、サッと来てサッと選んでサッと支払って行く感じで、店内滞在時間は短いようだ。店内のそこかしこにある、本のありかを示す貼紙が親切です。店外に出て看板を見上げると、ビルの谷間に青空……そこに2F・3Fらしきものは見当たらない…。一体あの階段はどこに続いているのだろうか…。八重岳書房「築地小劇場の時代/吉田謙吉」を購入。


hiyane.jpg●神田「書肆ひやね」
神田駅西口通りから一本外れたところにある。その外観はまるで古道具屋か古美術商。ショウウィンドウには、ステンドグラスや革装丁本などが飾られている。店内に入ると。右側はレジ&作業スペース、左に特徴ある木製の棚があり、文庫がびっしりと収められ、膝下の平台には辞書類、棚の上には全集などが横積みで置かれている。文庫はすべて日本のミステリーもの。古くても70年代なので、店頭とのギャップが不思議である。店は細長く、所々にダンボールが積まれ、奥には警備員が立っている。あぁ、違う店とつながってるのか…小さいお店だな、などと思っていると警備員は棚から本を出したり入れたり。本を選んでいる?奥にもまだ本棚が?そしてあの人はお客さん?と言うわけで奥へ行こうとすると、レジ横に激しい違和感!?何と大量の『こけし』が飾られている!しかも売り物!スタンダードな物から見たことの無いカタチまで…。これだけ集まると、その存在感は絶大です!その横にも本棚があるのだが、荷物が邪魔をするので近付くことは出来ない。向かいには天井までのガラスケース。プレミア本や豆本、蔵書票などが鎮座している。その横から再び例の本棚。時代劇文庫がその大半を占め、奥には少量の文庫コミック&絶版文庫。最奥には高い棚があり、少し広めのスペースとなっているが、ここにも大量の荷物があり、奥の棚はあまり見えない。高い棚には古書を中心に、本の本・幻想文学・永井荷風などが目立つ。廊下のように細長いお店で、常に壁を背にして本を見ている感じがある。店を出ると、入る時には気付かなかった掲示板。そこには『伝統こけし・古書・限定本・出版』と書いてあり、『全国こけし祭り』のポスターが貼ってある。そんなお祭り、今までまったく知りませんでした。

もし万が一、神田と神保町を間違えたら、まずは落ち着いて上記二店に行くことをおススメします。
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2008年08月12日

8/12千駄木追記


dango.jpg団子坂…いや、やはり『団子』より『D』と呼ぼう!そう、あのD坂は千駄木にあるのです!素通りするのは愚の骨頂!!!D坂の途中にある古本屋で起きる殺人事件の顛末を描いた、江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」は、実相寺昭雄監督で映画化もされた(ちなみにこの映画の中で『D坂』は模型で描写されていて驚き)。乱歩の世界観を、狭い箱庭に押し込めたような映像は、偏執的でイメージにピッタリ。俳優・真田広之のやり過ぎ&フルスロットル具合を、存分に楽しめる映画にもなっている。乱歩自身もこのD坂で若い頃、古本屋『三人書房』を経営していたそうだ。また、坂を登り切ったところを左に入ると、森鴎外の旧居『観潮楼』跡も。昔の面影はどこにも残っていないが、足裏に感じる坂の勾配があれば脳内で時間を越えられるはず!あぁ…D坂…それにしても『団子坂』の名前の由来の一つが「人が団子のように転げ落ちるから」と言うのは一体…。
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2008年08月11日

8/11東京・根千(谷抜き)三店!

ただ歩いていても非常に楽しい猫の街、根津と千駄木のお店を探訪。


oyoyo.jpg●根津「オヨヨ書林」
根津駅・南口を出ると、道路脇に「SALE古本」の看板。導かれるまま進むとすぐにお店を発見。目に飛び込むのは、歩道の段差ギリギリに危なっかしく立つ本棚の群れ。100円均一の文庫やノベルスがぎっしり詰まっている。グシャグシャにひしゃげた、アルミの泥落としを『ガシャン!』と踏み鳴らし店内へ。中は通路の所々や奥のレジ前に本が置かれ、雑然とした雰囲気。だが全体はシンプルな見やすい構成。壁一面は棚、店の真ん中にはテーブルと低い棚。テーブルの上には「谷根千」「宝島」「話の特集」などの雑誌類が積み上げられている。低い棚には、テレビ・イラスト・美術関係など大判の本が収まっている。壁際の棚に目をやると、小林信彦や山口瞳などを中心とした日本文学で棚作り。そこから、TV芸能や思想などサブカルっぽいジャンルがあっちこっちで混ざり合い、伝統芸能・風俗・艶笑とつながり、最後は江戸・東京関係が古書も含め、幅広い揃えで棚に並ぶ。レジ横にはガラスのショーケース。ここにも小林信彦の本がっ!レジ前を通り左側へと移動。そこは少し凹んだ“コ”の字のスペースで、美術・デザイン・建築・ファッション・写真などのジャンルが。そこを出ると、映画・音楽・演劇の棚。入口付近は文庫が並んでいる。全体的に非常に特徴ある棚揃え。60〜90年代のモノが中心だが、古書が所々ポイントで挿入され目を引く仕掛けに。値段は安めだが、いい本にはちゃんとした値付けがしっかりとされている。このお店には、小林信彦の「オヨヨ島の冒険」が店頭に出されているだけで、四冊もある。店名の由来と思ってしまうのは、当然の帰結であろう。店奥には、まだまだ新たなオヨヨが眠るのか…。文藝春秋「生き方の発見/真鍋博」を購入。


milk.jpg●千駄木「結構人ミルクホール」
千駄木交差点の路地奥にある古本カフェ。目印があるので、比較的たどり着きやすい。やたらと「フラッシュ撮影禁止」と言うのが目に付く。住宅街にお店を作ると色々大変みたいですな。ガラス木戸を開けて中に入ると、民家を改造した造りで、焦げ茶の木材で統一された“和”な雰囲気。高い段を上がると、一人がけの席が六席、二人がけが二席。お客さんもいますが、シ〜ンと静まり返ってます。目につくのは飾り付けられたTシャツやミニコミ誌。奥の片隅に「棚1」「棚2」に収められた古本を発見。アックス・ガロ・ナショナルジェオグラフィックなどの雑誌類、テレビ・芸能・スポーツなどサブカル的な単行本。ジャンルは細かく分けられているが、量はみんな少なめ。向かいの古めかしいショーケースには、ゲームコミック・少女漫画を中心とした品揃え。そんなに見るべき本はありません。ここで寛ぐつもりだったら、持参するのが一番かと。飲み物は出てくるのは遅いですが、非常に美味です!このお店は、一人で寛げる空間作りを大事にしているそうで、「少数派保護宣言」なるものをメニュー裏に掲出している。さらにそのために「7つの自由」と言う権利と言うかルールと言うか、何だか迷うものが掲げられている。受け入れればこの空間で楽に過ごせるのは必至です。が、色んな自由をたくさん提示されると、逆に気詰まりになるのは何故でしょうか…。まぁ合う合わないは行ってみて決めるのがベストなのでしょう。


bousingot.jpg●千駄木「book&cafe BOUSINGOT」
不忍通りに面した古本カフェ(またか…)。『ブーザンゴ』と読む。見るからに読むからにオシャレである…。一度目、夕方五時に行ったらまだ開いておらず、しばらく近所をブラブラ。30分後に再訪すると、店内でなにやら撮影中。入っていいものかどうか分からず、再度街をブラブラ。再々度訪ねるとまだ撮影中。もういいや、と投げやりに店の中へ。「いらっしゃいませ」とヒゲ面のイケ面店主(?)。左がテーブル席、右の壁が本棚になっている。カフェスペースと古本スペースを分かつのは、腰までの背中合わせの棚。ここには、復刻の日本文学・探偵小説・海外文学、その裏は写真集・イラスト集など海外を中心としたビジュアル本。壁は天井近くまでの棚。上二段はおすすめ本の表紙を向けディスプレイ。幻想文学・海外文学を中心に、いい品揃え。江戸・東京ものも充実。奥は文庫スペースで、ちくま・講談社学芸・文芸・中公が並び、岩波文庫は堂々と棚一つを占領!しばらく棚を眺めていると「何かお召し上がりになりますか?」と店主。「あ、本を見てから後で」と答えた。もしかしたら、本だけを見に来る客は珍しいのか…?カフェスペースの奥にも本棚があるのだが、撮影グループが占領し見られない。さすがにイライラするが、隙を見て突撃!フランス文学・評伝・評論の棚。その隣は日本の絶版文庫類が集結。ここまでようやくたどり着いたら、カフェスペースはいつのまにか満員。すべて女子で、誰一人として本に興味はないようでお喋りに夢中。撮影グループもなんだかキャピキャピしながら、ダラダラと撮影継続。仕事はビシッと片付けて撤収して欲しいものだ。お茶でも飲もうと思っていたのだが、満席なので本だけ買って帰ることに。カウンターの店主に「すいません、これを」と声をかけると、「あぁっ、ありがとうございます」と目を泳がせながらテンパリ中。ドリンクの準備に大わらわなのですね。「お先にそちらを…」と言うと、「すいません」と頭を下げ、女子たちにドリンクをピストン輸送。大変だなぁ。一段落つき、手をエプロンで拭き拭き本を受け取りレジへ。撮影グループが邪魔で、自分の店なのにレジに入るのに一苦労。やっぱり大変だなぁ…。と言うわけでオシャレなので、やっぱり完全にアウェーでした!本はしっかりとした堅実な値付けです。深夜叢書「エリック・サティ/ジャン・コクトー」を購入。

観光客目線で行くと楽しい街で、小旅行気分を味わえました。猫たちは例外なく、暑さにうだってました。
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2008年08月09日

8/9東京・阿佐ヶ谷北、色々事情のある二店!?

古本屋が減少傾向にある阿佐ヶ谷の、色々不思議な特徴を持つ二店を訪ねてみた。


ryutsu.jpg●阿佐ヶ谷「古本 ブック流通センター」
早稲田通り沿い、関東バス阿佐ヶ谷営業所前にある。昔から何気なくあるお店だったが、中に入ると衝撃!完全に『タイムカプセル古本屋』です。『流通』してないでしょう!?『センター』じゃないでしょう!?…と心の中で、楽しく突っ込めること請け合い。日除けに大書してある通りタバコ屋さんでもあります。店頭にはタバコ・ジュースの自販機、ガチャガチャ、フリーペーパー、そして少量の古本が入ったラック。文庫本・囲碁雑誌・小説・数冊の美味しんぼ…すべて道路の塵芥にまみれています。サッシを開けて中に入ると、左側にレジ。レジ前に新書や漫画文庫の小さい棚。当然タバコも売られている。壁はグルリと本棚で、店内には背中合わせの胸くらいまでの本棚。通路の本棚はノベルスと文庫が収められている。ほとんど80〜90年代の本。時が、時が止まっている…。壁際のコミックスやハードカバー類も同様。背の色も焼け、ホコリまみれ。奥の棚はは大判の本・雑誌・ムック・実用書などが。空いているところは、本が斜めになり歪んでいる。むぅ〜都会でこれほどのお店は逆に貴重ではないだろうか。しかし、何かありそうで何も無い。自分の眼力が足りないのかもしれないが、食指がほとんど動きません。思わず天井を見上げると、斜めに取り付けられた蛍光灯がまぶしい。荒んだ気分を鎮めつつ、辺りを見回すと、通路脇に小さい棚を発見。よく見ると新書とホコリが詰まっている。その中にようやく光る一冊がっ!よかった!意味なく肩の荷を降ろしてしまった…。レジに持って行くと、まずしてくれたのは、本を布巾で拭くこと。知ってるんですね、本がホコリまみれなことを…。でも値段はみんな安いです。ほぼ投売り状態。あぁ、本当は『センター』だったらどうしよう…ここで日本の古本の『流通』が決まっているのかもしれない…。水曜定休。中公新書「人間的映像論/羽仁進」を購入。


ganga.jpg●阿佐ヶ谷「元我堂」
旧中杉通りにある。夜遅くに緩い坂を登り、この店の明かりが見え始めると、むやみに嬉しかったのを思い出す。ここ三ヶ月ほど閉店中。このお店は、シャッターに描いてあるヒッピーオジサン(いつもガラムを吸っていた)が、店を退いてから営業が不安定状態に。通常の営業・日替わり店主営業・週末のみ営業など様々な展開をし、そのたびに休業、そして不死鳥のように開店と言う、動きの激しい状態を繰り返してきたのだ。その時々により本の内容も変化し、充実度も上下した。思えば日替わり店主の時は、企画の平台合わせ輝いていたと思う。基本はサブカル色が強いお店だったが、そこから一歩踏み込んだラインナップが、いつでも刺激を与えてくれた。今日チラッと覗いて見ると、久しぶりにシャッターが開いている。壁際の本棚は残されているが、店内の什器はすでに搬出済み。新たにテーブルやソファ、そして何やらみたこともない壁が…。まさか飲み屋とかカフェになってしまうのか!?残されている看板類に一縷の望みを賭け、再度の復活を願う!
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2008年08月08日

8/7東京・高円寺 あづま通り夜間二店

高円寺は夜遅くまで開いている古本屋が少なくない。そこで北口・あづま通りの二店を探訪。


coktail.jpg●高円寺「古本酒場コクテイル」
古本カフェならぬ『酒場』。正直なる王道の古本熱を期待しながら店前に立った。目の前には、古めかしい木造の店構え。暖簾には『BOOK SAKE』と言う不可思議な取り合わせ。たまたま通りかかった酔った女の子が「何?ここ何?え〜?変じゃねぇ?」と疑問符を連発している(男に手を引かれ消えました)。当然と言えば当然か。その疑問符の店前には三つの箱。100円均一の文庫やハードカバーが収められている。暖簾をくぐり中に入ると「いらっしゃいませ」と普通に席へ案内される。店内はUの字のカウンターと、入口横にトランクをテーブルにした席。本はどこにあるかと言うと、入口スペース両脇の壁際の棚、そしてカウンターの眼前に設置された棚に収められている。古本以外にも常連さんの新刊や店主が書いた本も売られているようだ。カウンター後ろの壁を、グルリと『本の散歩展』の歴代ポスターが囲んでいるのは壮観である。その下には絵本や外国のオシャレなデザイン集などが、またグルリ。お店の第一印象は古本屋と言うよりは、酒場の印象の方が強い。棚にはわりかし安く、多ジャンルの古本が並んでいる。やけに小沢昭一の本が多いのは何故だろうか。棚の一部を占める「BOMB!」も気になる。店主(TVドラマ『相棒』の伊丹に雰囲気が似?)が持ってきたメニューに目を通す。食べ物メニューは400字詰め原稿用紙に書いてある!面白い食べ物があり、特に檀一雄・檀流クッキングの大正コロッケと向田邦子の食卓・鳥料理はおススメ。と言うか、料理がホントにおいしいです。ふと通りの向かいを見ると、古本屋・越後屋さんが閉店準備を開始している。また今度覗いてみようと思いつつ、ビールの杯を重ねてしまう。何故か入口の横に、傘と一緒に竹刀が置いてあるのを発見…扉の斜交いにでもするのだろうか…。何だか古本屋としてではなく、酒場としてすっかり楽しんでしまいました。本は買わずとも、また来よう!


jyuugoji.jpg●高円寺「古書 十五時の犬」
以前は、同じ高円寺の中通りにあった。そこはTVドラマ『セクシーボイス&ロボ』の撮影に使われていた、ロボの家の二軒隣。今年初めに引越し、現在のあづま通りに。店前にワゴンは無く、サッシを開けると本がみっしりと詰まった心地良い空間。壁際の棚はすべて天井ギリギリまで聳え立っている。店内には肩くらいまでの、二本の背中合わせの棚。右の壁際は文庫がキレイにビッシリと収まる。岩波から始まり、ちくま・ミステリー・SF・幻想・怪奇と出版社分けからジャンル分けへと変わっていくのだ。奥のレジ横、コの字スペースは怪奇・幻想・SFのハードカバーが日本・海外併せ勢揃い!壁際には通りに出されていない、シャイな店の看板が立てかけてある。犬の絵がとてもカワイイ。こいつが十五時の犬か…。向かいは日本文学の新刊文庫とハードカバー。店の真ん中に立つと、両側の棚は海外文学が中心。一部日本文庫&文学が。レジ前のガラスケースにはプレミア本がギッシリ。サンリオ文庫が多く並んでいる。レジ横左は児童書が中心。左通路奥は雑誌が上から下まで収まる。『幻影城』の揃いも販売中。そこから壁際は、民俗学・哲学・サブカル一般・紀行・建築。入口側通路奥は音楽、そして対面は映画・TV・詩歌が。ここはいつ来ても裏切らない、落ち着いたお店。値段も安めで嬉しい限り。ちくま文庫「なめくじ艦隊/古今亭志ん生」を購入。

コクテイル→十五時の犬か、十五時の犬→コクテイルの流れが定番になりそうな夜でした。
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2008年08月06日

8/6東京・鷺ノ宮 うつぎ書房


utsugi.jpg鷺宮駅南口、川沿いにある。いつ見てもシャッターが閉まり、錆びたラックが放置されていたので「閉店」を確信させていたが、今日たまたま前を通ると、開いている!驚き、一瞬目を疑う!細身のおじさんが出入りしているが、雑誌の平台は店内通路に置かれたまま。開店してるのか…?迷っていてもしょうがないので、ままよ!と思い店に向かう。すると再び中から出て来た店主と入口で鉢合わせ!その目は「なぜ入ってくる?」と訴えている!負けるものか、負けるものか!!踵を返す店主の後にピタリとくっつき店内へ。ちなみにこの店の日除けには「風は頁をめくるが 読むことはできない」と大書してある。遠回しな人間賛歌?ふう、と一息つき棚を見る。店内は背中合わせの棚を中心とした、逆“U”字型。前述の通り、通路には雑誌を乗せた平台が置かれたままだ。右側、壁の棚は文庫からスタート。あれ?何だか新しくてびっくり。垣根涼介の文庫が細かく並んでいたりする。ただ単にめぐり合わせが悪かっただけで、店は普通に開いていたのだろうか…。棚からは頻繁に動いてる雰囲気が伝わってくる。向かいのコミック棚も同様である。しかし、アダルト文庫棚を過ぎると、そこは突然『古書の嵐』!!戦前・戦後の日本文学が、棚を茶色く染め上げている!先ほどとはうって変わって。こちらは不動の雰囲気。もはや店主の書斎と言えよう。その店主はと言えば、暖簾の後ろに控え、小銭を数えたり煙草を吸ったり茶を飲んだりしている。恐らく突然店に飛び込んだ客のせいで、彼のペースが乱れてしまっているのだろう。すぐ出ますんで、もう少しのご辛抱を…。レジ横も古書!壁・高所の作り付けの棚と下のガラスケースにたっぷりと収められている。何だか古道具屋に見えなくもない。そして左側通路の壁際には、世界・歴史・宗教・実用書が並び、向かいは学術・自然科学・評論・心理学・新書などが。新書以外はみんな古い本です。通路に置かれた「アイシールド21」の同人誌…茶色い古書の中で、燦然と輝いちゃってますね。果たして売れるのだろうか。表に出ると、コンクリで護岸された川辺でも、涼しげな風が吹き抜けるのでした。
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2008年08月04日

8/4東京・新井薬師前二店!

あのアニメ制作会社、トムス・エンタテイメントがある街(見つけてちょっとびっくりした)、新井薬師前の二店を高温多湿にめげず訪問。


oumi.jpg●新井薬師前「淡海書房」
駅前北口、車通りの激しい道路に面して建つ。読みは『おうみ』。店先は車道ギリギリの狭いスペースに、たくさんの小さなダンボール箱。そしてホコリ除けだろうか、ビニールの掛けられた本棚。雑誌・文庫・小説・海外文学・ノベルズ・思想書などバラエティに富み、すでにそこには小さな古本屋の風格がある。店内に入ると生ぬるい空気が出迎えてくれる。奥のレジでは、ランニングのおじいさんが、団扇をパタパタさせながら高校野球を観戦中。店内には二本の背中合わせのオーソドックスなスチール棚。右は天井近くまであるが、左は肩ぐらいまでの高さ。上には本が横積みされている。入口から入ると、まずは真ん中の通路に立つことになる。左にガラスのショーケースがあり、日本文学のプレミア本が収められている。扉には「勝手に開けないでください」の貼紙。右の棚はコミックが、新書・文庫取り混ぜ棚に並び、絶版も多く見られる。そこからハードカバー本になり、評伝・ノンフィクション・江戸・東京と続く。この棚は、店中ほどには通路が設けられ、右の通路にレジ前まで行かなくても入れるようになっているのだが、こちらはダンボールや本が積み上げられ、通行不可となっている。パラフィンに包まれた日本文学が、ダーッと並んでいるのに……。通路を過ぎると、こちらも文学が並ぶ。そしてレジ近くになると、探偵・推理小説度がアップ!対面は文庫がキレイに揃っている。時代劇・ちくま・岩波・中公・教養・旺文社…こちらもレジに近付くとミステリー度がアップ!レジ横にはプレミア写真集がディスプレイ。森山大道を中心に(サイン本もあり)日本写真家のものが多く見られる。あっ、この辺は少し冷房が効いている…。左通路の壁面は歴史など硬めの本から始まり、思想・美術・音楽・映画・児童書・絵本と並ぶ。そのラインナップもかなりの高レベルである。向かいは海外文庫・新刊文庫がこちらもキレイに揃う。いきなり店主が棚の横から現れ、通路の本の整理を始める。かなりの高齢と見受けるが、ランニング一丁でキビキビと汗もかかずに働いている。本を手に取り「すいません」と声をかけると、「あ〜はいはい」と本を受け取り、ゆっくりとレジへ向かう。レジの周りはもちろん本の山だが、後ろから入れない通路へと続いている棚がやはり凄そう!すべて日本の近・現代文学で埋まっているようだ。あぁ、見てみたい…。店主が本を袋に入れながら値段を告げる。あれ?300円安い?どうやら値引きしてくれたようだ。実に嬉しいサービスである。「ありがとうございます!」と馬鹿丁寧に挨拶し、店を後にする。しかし老人と大量の本の山…彼の肌の質感と共に、妙に印象に残る光景だった。みすず書房「佐谷画廊の三〇年/佐谷和彦」岩波書店「子どもの本の森へ/河合隼雄・長田弘」を購入。


bunrin.jpg●「文林堂書店」
新井薬師前駅前(ややこしい)のドまん前にある、何だかパワー溢れるお店。間口は狭いが、そのほとばしる古本パワーがカラフルな色と共に、人の足を止めさせたり遠ざけたりしている。店・にはコミックや文庫を中心に、あらゆる工夫をしたディスプレイ。そして標語のような貼紙がそこかしこに。「本好きのお客さまと、共に歩んで92年」「本の無いところ 暴力が生まれる」(北斗の拳のようだ…)など個性溢れる手書きの文字が、本の背文字以上にエネルギーを伝えている。ドアは全開&NO冷房なので、エコ度も満点!右から入るとまずはコミックで、新刊・絶版と色々並ぶ。入口上には、ここにも手書きのカード。揃いコミックの題名・巻数・価格・値引き価格などの情報がビッシリ。丁寧な仕事だが、見てるだけでクラクラしてくる。室温のせいだろうか…。入口付近は新刊本・コミック・アダルトと町の古本屋風だが、奥のレジに近付くとその様相は一変!こだわりの棚に色が変わっていく。日本文学が、純文学・大衆文学・幻想文学と70年代を中心にキレイに並ぶ。…しかしその間にも、何故かコミックやアダルトが少しずつ挿入され、何とも不思議で魅力的な並び。一言で言えば『知的な猥雑さ』があるのだ。うーん情報を処理仕切れない…。このお店には二階もあり、レジ横の細い階段から昇れるようになっている。今日は鎖が掛かり、立入禁止らしい(ちなみに表の日除けには『2F趣味と古典』と書いてある)。階段にも本が積み上げられているが、購入は可能のようだ。ここもコミックと文学が融合済み。レジ前を通ると、壁際は一転して硬い本!哲学・思想・歴史・ノンフィクションなどが、同じ店とは思えない済まし顔で並んでいる。向かいは文庫で、最近のものが中心だ。店内棚下の平台は、ほとんどがアダルトとグラビア誌。どこかの人妻が傘をさして俺を見上げている…あぁ、不思議なこだわりの本屋。すっかり毒気に当てられてしまいました。
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2008年08月02日

8/2茨城・水戸 とらや書店

イレギュラーな仕事で水戸へ。そして一瞬の間隙を突いて古本屋へ!


toraya.jpg『第48回水戸黄門まつり』で賑わう、駅北口の大通りにあるお店。店前を通ったオジサンが「昔からある古本屋だよ!」と声高に連れに説明している。店頭ワゴンは文庫がギッシリ。中々面白いのが混ざっている。入口が二つあり、左から入る。店内はレジを中心とした“U”字型。真ん中の背中合わせの棚は、膝元が平台になっており、本が詰められた木箱が置かれている。壁は当然本棚。作家ごとに面白く揃えられた文庫、そこからちくま・中公・講談社学芸&学術が並ぶ。奥は美術関係や図録などビジュアル大判の本が中心。向かいは岩波文庫から現代文学・近代文学と言う棚。膝元の木箱には雑誌やムックが納められている。ここまで店内滞在時間五分。その時!何故か「いらっしゃいませ〜」とレジから丁寧な挨拶!何故だ…本を読んでいたから気付かなかったとでも言うのか…。そのレジ後ろには、巨大な『常陸の国』の古地図が、専用の蛍光灯に照らし出され飾られている。圧巻だがこんなに煌々と照らしていいものなのだろうか…。レジを回り込んだ壁際は、箱に入った郷土史&地方史。そして、歴史・ノンフィクション・100円均一本・新書と流れ右の入口へ。向かいは奥から、古典文学と海外文庫、膝元の木箱には郷土出版の文庫古本がズラズラズラッと並ぶ。「芋銭の幼少時代」……なんてマニアックな…。木箱には戦前の絵葉書が詰まったものもあり、つい一枚一枚見たくなる。入口横のガラス戸棚にはプレミアの古書。茨城に縁のある、横瀬夜雨や前述の小川芋銭の本などが収められている。久々に来た地方の古本屋。やはり地元の特色が滲み出ているとウキウキします!値段もお安め。新潮文庫「グッド・バイ/太宰治」を購入。
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2008年08月01日

8/1東京・三鷹 book&cafe Phosphorescence


phosopho.jpg不可思議な店名『フォスフォレッセンス』は太宰治の作品名から。想像内では太宰の古本がたくさん置かれ、玉川上水の近くにあるのでは、と勘違いしていた。実際は三鷹駅南口、先日訪れた「上々堂」のさらに先の遥か彼方にある。太宰作品は教科書の「走れメロス」しか読んだことがなく、これではイカンと思い一念発起!太宰なお店で太宰治の「グッド・バイ」を購入し、読んでみようと思い立ったのだった…。駅から遠く離れても人通りの多い、大通りに面した擬似レンガ張りの小さなお店。道路側はガラス窓、窓辺に本が何冊か並べられ、中の様子も伺える。入口は路地側に。植物が植えられたプランターと、小さいラックが置かれ、ハードカバーが詰められている。そして手書きの黒板に『当店は古本屋です』の但し書きと共に、お茶を飲むのも本を見るのも、両方するのも自由!とこのお店の自由な利用の仕方を提示。そう、ここは古本カフェ…アウェーな雰囲気。中に入ると、外観と似たこじんまりとした空間。正面にレジがあり、テーブルと本棚で店内が形作られている。やはり古本屋内でのテーブルの存在感はデカイ。窓際に小テーブルと椅子一脚、中央に本棚を挟んでテーブル二つとそれぞれに椅子二脚。壁は本棚が並び、店内を“コ”の字に囲む。右から現代文学・海外文学・雑誌類、奥はノンフィクション・児童書・少女文学・文学復刻本・本関係・コミックなどがコアに並べられている。その隣に階段下のデッドスペース。木の椅子が置かれ、上には紙と様々な筆記具。そして「あなたの太宰への想いを書いてください。六月まで貼り出します」と言うメッセージ。今日現在八月ですが、三枚ほど熱い太宰のイラストがまだ飾られていた。熱い!火傷しそうだ!!太宰は未だに必要とされる作家なのだと、ちょっと実感。その横は写真集やコミックの収まったカラーボックスがあり、レジ横には日本近代文学の棚があり、文庫・ハードカバー取り混ぜ並ぶ。ん〜……目的の太宰本が見当たらない…と思っていたら、店真ん中のテーブルの仕切りとなっている、和風クラシックな本棚(戸棚?そしてこの棚の裏には、様々な太宰関係&このお店の新聞切り抜きが貼られている。)に発見。研究本・評伝から小説まで色々と並んでいる。その周りには林忠彦の撮った太宰の写真なども。しかし…買おうと決めていた「グッド・バイ」が無い…何度見ても無い…。また太宰を読む機会を逸したのか、と肩を落とし惰性で棚を眺めていると、小山清の編集本を発見!高鳴る鼓動!救われました。レジに持って行くと、作家のような雰囲気を持つ女店主が、鈴のような声で応対。後ろにはレジと一体化したキッチン。棚も含め女の城のようなガーリーな空間(禁煙)でした。あぁ、太宰作品を読むのはいつの日か…。河出新書「太宰治の手紙/小山清編」を購入。
posted by tokusan at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする