2009年02月28日

2/28栃木・宇都宮 HARMAN


harman.jpgおよそ10ヶ月ぶりの餃子の街。まだ風は冷たいが、どこかしら春の息吹を感じ取れる。気分よく目指したのは、南側にある「秀峰堂」…しかし閉まっている。ふむ、まぁこう言うことはよくあることだ。よし、県庁近くの「間彦書店」に行くとするか。小走りで一キロほど北へ。しかし住所に該当する場所に、店は影もカタチも無い…これは今日はムリか?改めて調べてみると、宇都宮駅の三キロほど北、奥州街道沿いにお店があるのを確認。むぅ〜さすがに遠いか…時間も後一時間ほど。今日はあきらめるか………いや、あがいてみよう!時間ギリギリまでっ!と言うわけで北を目指してひた走ることに。川を越え高架下を抜け踏み切りを渡り、ちょっと不安になるほど街から離れて行く…いやもう進むしかないのだ!いつの間にか全身汗だく、そしてさすがに疲労が襲いかかる。と言う所で目指すお店らしき姿がようやくっ!『本』とドデカイ看板が私に力を与えてくれる。自然とスピードアップし店前へ。「みゆき書店」、しかしここはアダルト色が強いか?それでも『本買い取ります』と書いてあるので、普通の本もあるはずだ。少量でも入口付近に置いてあればいい!…しかしその謙虚な希望も打ち砕かれる。入口から見えるのは妖艶な女性のパッケージばかり…もうカムフラージュさえ必要ないほどのアダルト全開である…私の旅はここで終わったのか……周りを見ると、交差点の向かいに巨大な店舗。何だか本も売っているようだ。もうこうなったら背に腹は代えられない!とダッシュで駐車場を駆け抜け入口に飛び込む。するとそこは巨大な空間の、まるでアミューズメントパーク。入口付近はほとんどゲームセンター、左にレンタルDVD・CD・コミック、右に中古販売コーナー。家族連れやカップルで大変に賑わっている。私は眼球を上へ下へキョトキョトさせながら本を探す…DVD・ゲーム・CD・コミック…あ、あった。一番右隅の壁に文庫が追い詰められている。しかしこの状況、やっぱり本は主力商品足り得ないのだろうか。ライトノベルスとティーンズノベルが半分ほど。後は日本文学と海外文学。角の隅に単行本とノベルスがちょろっと並んでいる。兎にも角にも本に出合えてよかった。うう、それにしてもここは一体どこなのだ?私は無事に時間通りに帰れるのだろうか…。やはり時には引き返すことも『勇気』と言うことか…。創元SF文庫「地軸変更計画/ジュール・ヴェルヌ」を購入。
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2009年02月27日

2/27東京・東中神 古書 中神書林


nakagami.jpg駅南口から出ると、ロータリーの右手に巨大な東中神団地が聳え立っている。その足元の道沿いに続く『くじらロード』と言う商店街。こんな内陸部の西東京に何故『くじら』なのかと言うと、1.5kmほど南にある多摩川で昭和36年に鯨の化石が発見されたのを機に、『東中神商店街』から名称を改めたそうである。そこかしこに鯨のイラストや像が。そんな屋根のある広々とした商店街を西に進んで行くと、ロードの終点近くにお店を発見。白い壁に張りつけられたように、四本の店頭棚が並んでいる。真ん中に扉が開け放たれた入口があり、その上には猫避けの『黒猫プレート』が取り付けられている。猫を寄せつけないため…と言うわけではなく、店のシンボルマーク的に使われているようだ。店頭棚には、児童書・文庫・新書・単行本・ビジュアル本・洋書・全集本・ビデオ・CD・LPレコードが収まっている。古い本も多く、嫌でも店内に期待が膨らんで行く!中に入るとそこは、白熱電球が照らし出す柔らかな照度の空間。そして通りと同様広々としている。壁には、入口両脇からぐるっと本棚が置かれているが、上方は白壁が見えており額装されたポスターや紙物が飾られている。手前に背中合わせの棚が二本、奥に横向きの棚が一本置かれている。右奥にレジがあり、特徴ある長髪パーマの店主がダカンダカンとキーボードを連打中。入口左の棚は、落語・歌舞伎・骨董・旅・紀行・エッセイ・ビジュアルムックなどの棚。角を曲がり、江戸東京・歴史・アジア・思想と続き、アイドルが多めなシングルレコードのラック。足元には大量のLPが並んでいる。向かいの通路棚は、政治・哲学・科学などの硬めな本たち。その裏には、新書・岩波・ちくま・中公・学術と新しめの文庫。向かいも文庫棚で、上段に純文学・右にミステリ・真ん中に海外文学・左にSFとUFO関連ノベルスが並ぶ。絶版文庫も多し!裏側には海外文学の単行本が集められている。入口右横には、美術・建築・工芸、角を曲がり心理学・文学評論・日本文学・探偵小説・幻想文学・オカルトと力の入った充実した棚がレジまで続く。奥の横向き棚には、映画を中心に音楽・演劇・アニメ・コミックが並ぶ。そのさらに奥はちょっとした小部屋的スペース。壁際にはロックを中心とした音楽、そして後はアダルト・エロ・艶笑・美少女コミック・雑誌が欲望の小宇宙を構成している!ジャンル多し!棚造り良し!マニアックな本多し!古い本多し!通路広し!そして安しっ!…つまりはいいお店である。しかしほとんどの本棚は本が二重に置かれているので、全貌を把握するには相当な労力を必要とするであろう…。本を二冊選びレジへ向かう。店主は本を梱包するためか、立ってプチプチと格闘中。声をかけて本を差し出すと、受け取り値段を確認……ところが本が箱から出てこない…しばらく無言で、今度は本と格闘開始…しかし取り出せない。店主の顔に焦りが!…と思ったら「と、取れない!アッハッハッハ!」と高らかなよく通る笑い声!「あっ、それ多分取れた箱の背が中で引っ掛かってるんですよ」と伝えると、ハサミの持ち手を使い、本を逆に押し出した!安堵の笑顔と共に本を開くと、そこには箱の背が。「本当だ」と言い、それを箱の背にはめ込んだ。あまりにも手間取ったせいか、着脱式となった箱の背のおかげか、少し値引して頂きました。ありがとうございます!それにしても西東京は、独特だが何か共通の雰囲気があるお店に出会える…探索のしがいがありまくりです!文林書房「日本の文学都市/野田宇太郎」河出文庫「荒野/高橋たか子」を購入。
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2009年02月25日

2/25東京・駒込どちらも支店二店!

低い高架下から北と南にそれぞれ向かう。小さな街に進出した支店たちは、果たして火花を散らしているのか!?


miyahashi_komagome.jpg●駒込「古書 ミヤハシ駒込店」
駅東口を出て高架下を南へ。するとすぐにアザレア通りと言う商店街。そこをそのままズンズン200mほど進むとお店…あれ?何だか見たことあるような看板……あ!亀戸の「ミヤハシ」!…そこの支店だったのか。店名を見た時に気付かなかった私が悪い…。青いハレーションを起こしそうな看板には、店名と共に『駒込店』の文字。店頭には週刊誌と少年マンガ誌が並んでいる。このあたりは亀戸と同じ。中に入るとそれほど広くはない。角地のちょっと狭いコンビニみたいである。左にレジと行き止まりのアダルト通路。壁際は入口右側に雑誌ラックが設置され、後はぐるりと本棚。真ん中には背中合わせの棚が四本並んでいる。入口正面の細い棚には、今現在書店の平台に並ぶ超最新刊が収まっている。早過ぎるぞっ!その左後ろの通路には、美術雑誌・地図・ガイドブック・鉄道雑誌・タレント本・将棋・サブカルムックなどが並ぶ。奥の壁際は、雑学文庫・新書・女性本・BL本・ノベルスと続いている。真ん中の通路二本にはコミックがギッシリ。右端壁際に、海外文学・ミステリを中心とした日本文学・ケータイ小説。向かいには経済・経営・実用が並ぶ。その裏には海外文学と時代劇の文庫、そのさらに向かいには日本作家50音順文庫が長々と姿を見せている。棚はすべて頭くらいまでの高さ。本が少ない分、亀戸より新古書店度がアップしているようだ。それにしても人が次々と飛び込んで来る。タクシーも停まって飛び込んで来る。そしてみんな雑誌を買って行く…う〜ん、役立ってるなぁ〜。集英社新書「レンズに映った昭和/江成常夫」を購入。


heiwado_komagome.jpg●駒込「平和堂書店 駒込店」
そう言えば池袋の「平和堂書店」も駒込に支店があったはず!そこで今日のテーマを支店ツアーに決定。駅方向に戻り再び高架下を潜り抜け、駒込さつき通りに入る。そしてすぐに右へ曲がると、ビルの一階にお店が見えた。池袋と同様、表に大量に出された安売り棚には、お客さんが食い付いている。店内は右奥にアダルトとコミック、左に横に延びる棚が古本コーナーとなっている。壁際は入口横から、大判本・日本文学・ミステリ・社会&世相、角を曲がり歴史&時代劇・海外文学・戦争・コンピュータ・心理学・医学・科学、さらに角を曲がり哲学・民俗学・歴史・文学評論と言う並びで店内を取り囲んでいる。マニアックな本も見受けられ、ただ並べているだけの棚ではないことが伝わってくる。真ん中には背中合わせの棚が二本。手前から、辞書・DVD・実用・雑学文庫、その裏が日本文学作家50音順文庫、その向かいに時代劇文庫・教養系文庫・上段に少量の絶版文庫、裏には新書・ノベルス・ハーレクイン・ビジュアルムックが並んでいる。池袋より規模は小さいが、しっかりとした棚作りの高感度は大。値段は安いものもあるが、新しい本・いい本には定価の1/2〜2/3が中心。平凡社「別冊太陽 土門拳」…これも出たばっかりの本…すごいな。


speed.jpgこの地には他にも何店かリサイクル古書店がある。そのうちの一店「ブックステーション駒込店」の店頭棚は大変なことになっている!本の重みで平行四辺形になり、道路に襲い掛からんばかりなのだ!この角度によるムヤミなスピード感は果たして演出なのか?…ラルティーグの写真みたい…。他のお店もまたいずれ。
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2009年02月24日

2/24東京・椎名町で冷た過ぎる雨降り始め二店!

家を出て自転車で環七を疾走していると、冷たい雨がポツリ。今日は以前通りすがりに発見した椎名町のお店へ!急がなければ!雨が強くなると、店頭のフォーメーションが変化してしまう!先走る気持ちをペダルに乗せて、20インチの自転車が環七を疾走して行く…。


minoru.jpg●椎名町「みのる書房」
駅北口から西へ。サミット通りを抜け、長小通りに入るとその姿が見える。日除けはパン屋のようなダンダラ模様。店名がどこにもない…気付くと店の右側階段横に黄色の立看板があった。店頭には同型の平台が四つ。雑誌が積まれ雨除けのビニールが掛けられている。一番左の台には、コミックの詰まった本棚が乗せられている。入口はその平台の間に設けられた三ヶ所。真ん中の扉は、モーゼが海を分けたように、左右の引き戸を開けなければならない。一番右から入ると、通路には横積みされた大量の本が溢れている。これはすべての通路に共通していた。壁際はすべて本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本、奥にレジ。棚は前述の通路本のために、上半分しか見ることが出来ない。右壁際は戦争関連から始まり、歴史・時代劇小説・日本文学・ミステリ&エンタメ・映画と続く。向かいには、児童文学・ハーレクイン・教養&時代劇文庫が収まる。本を引っかけないよう注意しながら真ん中の通路へ。レジを正面にして、右には海外文学文庫・ミステリ&エンタメ文庫、左には実用・エッセイ・官能文庫が並ぶ。左の通路はレジ横の学術書以外はすべてコミック。街の古本屋さんである。新しめの本が中心である。唯一右壁際の棚に、このお店らしいカラーがちらり。よく見ると面白そうな本がポツポツ。値段はもちろん安いです!感謝!帰りはもちろん真ん中の扉を、両手で左右にガッと開いてモーゼ気分。集英社文庫「ブロークバック・マウンテン/アニー・プルー」を購入。


haruchika.jpg●椎名町「春近書店」
駅北口から一本奥の商店街に入り、西へ進むとすぐにお店。立派なプラ製の日除けに、ルビ付きの店名。雨が降り始めたため、店頭にはビニールのカーテンが出現している。透けて見えるその裏には、二本の本棚と三つのラック。ラックには雑誌やムック、本棚には単行本・文庫&新書(一冊100円・三冊200円)が収まっている。ガラス窓に貼られた手書きの買取ポスターには、同じく手描きの手塚治虫と鉄腕アトムがピースサイン…。中に入ると迎えてくれるのは独特なBGM…どうやら沖縄民謡のCDをかけているようだ。壁際は一面本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥にレジ。店の形は奥のレジから出入口に向かって、緩やかに扇のように少し広がっている。左の入口横にはビジュアルムックと書の棚。そのまま壁際は、新書・社会・スポーツ・文化など細かい棚となり、建築・映画・芸能・日本文学・幻想文学・海外文学・東洋文庫・岩波文庫・俳句などが並ぶ。下には古い雑誌や単行本が積まれたり並んだりしてズラリ。向かいの通路棚には文庫。ミステリ・時代劇・純文学・教養・雑学などが並ぶ。揃いの本はブカブカのビニールに包まれ、そのまま棚に入っている。レジ前の小さな棚には、探偵小説関連本が飾られている。レジの右横には宗教・芸能の箱入り本、角を曲がった壁際には、民俗学・心理学・言語学・文化・美術図録・宗教・歴史・地方本。入口横には山岳棚とノベルスのラック。向かいの通路棚には、美術・アダルト・ビジュアルムック・料理・自然・生物が収まっている。棚は少し雑然とした感があるが、動いている故の騒がしさであるのは一目瞭然である。どのジャンルも中々バラエティに富んだ品揃えで、見ていて楽しめる。そして安い!嬉しい!…それにしても先ほどから響いてくる、階上からの『ズッシンズシン!』は一体…本の整理でもしているのだろうか?まるで巨人の足音のようだ…。東京出版センター「東京の文学散歩/電電東京文藝同好会」を購入。

椎名町は、ちょっと進めばもう池袋、南に下ればすぐ目白。この辺りは街路が細く細かく、通るたびに新たな商店街を見つけたりする。おぉ、古本フロンティアはそこに古本屋があろうが無かろうが、進んでみないと納得しない、めんどくさい精神で今日も突き進むのだ!
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2009年02月23日

2/23都立大学追記


nomigawa.jpg目黒通りを越えた『八雲』で長い遊歩道を歩いていると、この光景が何か記憶の奥底に引っかかる…この辺は一度も来たことの無い場所なのに……ハッ!?『八雲』!そうか、ここは「迷走王 ボーダー」と言う劇画の舞台だった場所だ!まさかこんなところで、あの物語の場所に出会うとは!道路の真ん中に続く『呑川緑道』は、主人公たちがダベる場所として頻繁に描かれていた…。この劇画は20年ほど前、バブル真っ盛りの時代に「週刊アクション」で連載されていた。原作:狩撫麻礼、画:たなか亜希夫のコンビによるものである。遊歩道沿いに建つ木造オンボロアパート“月光荘”(近所では“私設刑務所”“野生の王国”などと噂されている)の、元便所部屋(家賃三千円)に棲む謎の男・蜂須賀を中心として、転がりまわる日々を綴った物語。蜂須賀は『無為こそ過激』を信条とし、『アンケートに名を騙った庇(へ)のような管理社会』と常に闘っている。時に激しく時に情けなく、クヨクヨ悩みながらも『真の男』を貫き、落語のようなエピソードの中で生き続けて行くのだ。そして彼の言葉は、情報という『常識バカの健康な麻薬』から目を覚まさせてくれる力を持つ。この劇画を人生のバイブルとし、未だに迷走を続けている人も多いはずである。もちろん私もかなりくたびれてはいるが『もう少しマシな夢やロマンを求めて迷走し続けている』…つもりである。物語が最高に盛り上がるのは、七巻あたりの『10億円強奪』エピソードまで。後半は蜂須賀の謎とルーツを中心に話が進むのだが、ブルーハーツの歌詞だけで丸々一話が構成されていたり、ウェイラーズを招聘して東京ドームでライブをしたりと、別な意味で大変なことになっていく。蜂須賀自身も何だか説教魔のようになり“逆・男のオバサン”化している感が否めなかった…。しかしそんなことは瑣末なことで、この劇画が未だに闘う物語であることは決して揺るがない。そろそろ60歳になり還暦を迎える蜂須賀は、今何処で何をしているのだろうか…。まだこの緑道沿いのアパートで闘い続けているのだろうか?手にした大金で静かな余生を過ごしているのだろうか?出来れば闘い続けた男の果てを、狩撫麻礼には描いてもらいたい。そう言えば「宝島」に掲載された狩撫麻礼とブルーハーツの対談…あの切り抜きは何処にいったのだろうか…緑道のベンチに座ったボーダー、頭上に広がる桜の花…今度は春にここを訪れてみたい。
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2009年02月21日

2/21東京・祐天寺 北上書房


kitagami.jpg駅東口を出て線路沿いに栄通り商店街を北上。左の建物が切れ、線路にぶつかる向かいに建つ。二階建て三軒長屋風店舗の右端で、その姿は東横線の車窓からも一瞬垣間見ることが出来る。店頭には左のショウウィンドウをほぼ覆い隠す二本の100円棚。文庫・単行本・歴史読本などが並び、文庫は古いモノも多く何か見つけられそうな予感が背中を走る。この棚には転倒防止のためか、軒下から伸びる紐が括りつけられている。右側には雑誌・ムックのラック。入口周りには単行本や大判本の棚が集まっている。中に入ると、灯油と古本がブレンドされた匂いが漂う…むぅ、かぐわしい香り!壁は一面本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、そして通路にも大量の本が横積みされ、山脈のごとく連なっている。そのため棚は上半分しか見ることが出来ない状態。入口近くの足元には、美術図録の並んだ小さな棚もある。右の壁際には、陶芸・工芸・美術・映画・風俗・性愛、角を曲がり帳場横に日本文学・文学評論と言う並び。古い箱入りの本が多く、値段などはまったく想像出来ない…。向かいの通路棚には、山岳・写真・建築・料理などが細かく並び、奥には歴史&時代劇文庫・日本文学文庫が収まる。ここは下の平台も見えており、そこにも文庫が背を見せている。値札作成中の店主の前を通り左通路へ。こちらも壁際は一段と茶褐色。帳場横はキリシタン研究本で棚が埋められている。角を曲がり、沖縄・アジア・民俗学・近世・中世・歴史・地方史と続く。向かいには少量のポケミス、岩波・ちくま・中公などの教養系文庫・絶版文庫・新書・海外文学文庫・政治・郷土本などが並ぶ。通路に横積みされている本は、決して適当に積まれているわけではない。しっかりとジャンル分けされており、横なので見難いが、ある意味把握し易くなっている。とにかく古い本の多いお店である。しっかりとした堅固な棚が、潔く気持ちいい。それにしても棚の下半分がどうなっているのか、気になってしょうがない…。値段は安く思わずニンマリ(箱本の値段は未確認)。岩波現代文庫「伊丹万作・演技指導論草案 精読/佐藤忠男」教養文庫「吉井勇のうた/臼井喜之介編」を購入。


hakubundo.jpg●おまけ・都立大学
え〜結果から言うと、古本屋に入ることが出来ませんでした…。線路沿いにあるはずの「トップ書房」は影もカタチも見えず。八雲通りの「大野書店」は貸倉庫に変貌。同じく八雲通りの「博文堂書店」は、『あ、開いてる!』と喜び勇んで駆け寄ると『店内は倉庫兼事務所ですので、小売り販売はしておりません』の貼紙…選択肢はもはや駅に戻るのみ。どっと疲労が足に襲いかかる…そしてもはや頭上は夕暮れ。
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2009年02月20日

2/19大阪・緊急出張の心斎橋で二店!

急遽大阪で仕事をすることになり、新幹線で二時間半移動の後、仕事場に向かう前にこっそりがっちり古本屋へ。早く仕事場に行かなければと思いつつも、棚に吸い付いた目が中々離れてくれないのです…。


berlin.jpg●心斎橋「Berlin Books」
駅を出て長堀通から三休橋筋を北上。すると左の角地に『大阪農林会館』と言う古めかしい昭和初期のビルディング!端の方のビル入口に集まる、種々雑多な個性あふれる看板たち。ほとんどがファッション関係のよう。その中に目指す古本屋の赤い看板を見つけた。ここか、と思いエレベーターホールに足を踏み入れる。エレベーターは新しくなっているが、内装はほぼ当時の面影をしっかりと留めている。『格好良い』!この一言に尽きるビルである。ビル内案内板も昔ながらの渋いもの。しかしそこに書かれた店名は、ほとんどがカタカナか英語表記…あぁ、近未来的カオスを感じる。アールデコ調の木製手摺りを頼りに二階へ上がる。ここにも木札で作られた案内板が。白く入り組んだ廊下を奥へ進む。廊下から見えるお店は、みな今時な内装で、ここが外観とはかけ離れたお洒落なファッションビルと化していることを教えてくれる。案内板に従って角を曲がり、奥の奥に行き着くとそこにシンプルなお店の扉。ノブを回して中に入ると、ちょっとした廊下が伸びている。右に低い棚が置かれ、アート系のちらしなどが並んでいる。部屋に入ると左のレジから「いらっしゃいませ」の声。壁際はレジと窓以外には本棚が置かれている。真ん中に背中合わせの棚が一本。中は広くはないが、シンプルでほどよく緊張感の漂う、それでいて居心地のいい空間。右の壁際には、写真・デザイン・映画・美術・建築・図録・雑誌が収まる。角を曲がり窓の下には絵本が並ぶ。そこからレジまでは、写真・文学・アート全般の新刊棚となっている。向かいには、写真集・画集・美術手帖などが。手前の通路に古本が集まっていて、背中合わせの棚には、新書・日本文学文庫・海外文庫がキレイに並ぶ。壁棚には単行本がビッシリ。生活・暮らし・日本文学・海外文学・CDなどが。新しめの本中心のアート系古本屋である。レジにはおっとりとした若い男女が座っている。値段は普通だが、アート系のお店にしては安い方と言えよう。日本文学も中々の充実っぷり。本を買うと、買取作家と買取れない本のリストを同梱してくれる。なおこのビルは現在もテナント大募集中!古いビルでお店を開きたい方は、ぜひ下見に訪れてみてください。集英社新書「カメラの前のモノローグ 埴谷雄高・猪熊弦一郎・武満徹/マリオ・A」を購入。


nakao.jpg●心斎橋「中尾書店」
長堀通から心斎橋筋を南下すると、すぐ左手に発見できる。アーケードに合ったキレイなお店。右側のウィンドウに浮世絵や和本・短冊などが飾られている。店頭台は、複製の浮世絵と特価本が並ぶ。左の壁際には雑本的な文庫本と単行本の棚。そしてさらに中に入ると、ちょっと独特な専門店と言うことが分かる。左の壁際でまず出迎えてくれるのは、上方芸能関連の本。古い箱入りのものを中心に、新しい本や映画・演劇も取り込まれている。そして明治・江戸本、関西作家を中心とした日本文学・文学評論が収まる。向かいには横積みされた画集類の上に、美術・書の本が並ぶ。右側の通路の壁棚には、大阪本や郷土史・中国哲学、奥のレジ近くには壁棚・通路棚共に占い本(東洋&西洋)で埋められている。そんなこんなでもうタイムリミット!すみません!ここは何も買えませんでした。次回来る時は、もっと上方芸能について下調べしてきます!

いつの間にか大阪は雨。それにしても大阪も古本屋さんがとにかく多い。探索する楽しみは抜群だが、全貌を掴めるのは、一体いつのことになるのやら…。
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2009年02月18日

2/18東京・新小岩 文久堂書店


bunkyu.jpg駅南口、平和橋通りを南進し三つ目の信号を右折。東栄しんきん通りに入るとすぐお店。店頭には笹塚『一新堂書店』のように小さな本棚が四つ、行儀良く一列に並んでいる。すべて100円均一で、文庫・コミックに至っては『文庫→三冊100円・一冊50円』『コミック→五冊100円・一冊50円』で売られている。店の前面には四枚のガラス戸があるが、開くのは両脇のみ。右側から店内へ入ると店頭と同じように、店内にも背中合わせの棚が三本行儀良く並んでいる。壁はもちろん本棚、そして整然とした雰囲気、BGMはテレビから流れてくる杉下右京の淀みない推理…。壁際には、歴史・民俗学・囲碁・将棋・宗教・哲学・思想・言語、少量の映画・音楽・役者本となっている。下の平台には妖艶なアダルト雑誌たちが美しい花を咲かせている。向かいには、生物・海外文学・古典と何だかちぐはぐな組み合わせ。二番目の通路は、右に日本文学・文学評論、左が岩波・中公文庫とともに官能文庫が並ぶ棚。三番目の通路は、右に時代劇文庫と文学&エンタメ文庫、左は新書とまたもや文学・エンタメ文庫……そして、猫!平台に置かれたミカン箱ほどの大きさのダンボールに、猫がお餅みたいに詰まっている!デカイ…いや、とてつもなく太ったトラ猫である。スヤスヤと寝息をたて、起きる気配はまったく無い。触りたい衝動に駆られるが『猫よ!野生を失った猫よ!』と心の中で語り掛けるだけに止めておいた。奥のレジ横には文庫本と共に、猫の水とエサが置かれている。その上の壁棚には辞書が並び、やがて工芸・美術へと変わり、角を曲がって第四の通路に入ると、壁際には大量の戦争関連単行本と歴史関連単行本が並んでいる。向かいはコミック棚となっている。先ほどの猫ダンボールの後ろから、苦労して本を取り出しレジへ(猫、微動だにせず)。あぁ、レジの椅子にも黒猫が丸まって寝ていたのか……とこのようにお店には、眠りっぱなしの猫たちと、充実した戦争関連本の棚があるのである。本は安値で嬉しい。が、いい本にはしっかりとした値段も付けられている。中公文庫「ねむれ巴里/金子光晴」を購入。
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2/18東京・亀戸 古書ミヤハシ


miyahashi.jpg駅北口、明治通りに沿って栄える亀戸十三間通商店街を進むと、右手に姿を見せてくれる。看板は『青・赤・黄』で構成され、目を惹くと共に若干ハレーション気味。その下の店頭には、週刊誌・週刊少年漫画誌の詰まったラックや本棚。漫画誌はさながら新刊書店のように、同じ号が何冊も並んでいる。入口脇には文庫の並ぶ細い本棚。中に入ると白く明るい店内。そして入って初めて分かるのだが、隣のシャッターが閉まった店舗と中でつながっている!並びの二店舗の間の壁をぶち抜き、一店舗として使っているのだろう。右部屋は壁は一面棚、背中合わせの短い棚が手前と奥にに二本ずつ、左端に長い背中合わせの棚が一本置かれている。左部屋は入口側にレジ、壁は棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、レジ横と部屋の奥側で行き来出来るようになっている。入口右横にはアダルト系雑誌のラック、そのまま壁際にはモデルガンや兵器関係を中心とした雑誌が続いて行く。向かいには100円文庫・ゲーム攻略本・全集端本など。次の通路は右に時代劇文庫、奥にエンタメ・ミステリ・文芸の単行本。左には50音順文庫。基本は作家名順だが、“ら”行に『ローダン』シリーズが並んでいたりする不思議な一面も。徹底してないところが逆に探しやすかったりするのか。奥には、社会・経済・実用などの新書・文庫・単行本セットが並ぶ。三番目の通路は両側共コミックで埋まっている。奥の壁には『新宿鮫』シリーズの目立つノベルス棚。左の部屋には、棚の所々に空きが見られる状態…最近広げたのだろうか。廉価コミックやアダルト・戦争関連・またもやノベルスがポツポツと並んでいる。左側通路の通路棚だけに、海外文学文庫がしっかりと収まっている。本は新しいものが中心で、ほとんど新古書店と呼んでもいいのだろうが、絶版文庫もチラホラ見受けられ、ちょっと妙な魅力がある。本が安いのも魅力の一つ。レジでは先ほどから店主の知り合いであろう人が「ここに戦争コーナーを作ればかっこいいよ!」と空いている棚に本を並べたりしている。店主は「そうだな〜、でも俺その本買った覚えないんだよなぁ〜…買ったのかなぁ…どうしてあるんだろうな…」と自分の記憶とバトル中!その店主に本を差し出すと「へいっ、どうもっ、あっ、100円引いときましょうっ、またどうぞっ!」とボソボソとだが、テンポよく岡っ引きを連想させるいなせな応対。きっと『がってんだ』と言われても特に違和感は感じないだろう。意味もなく『さすが亀戸』などと感心してしまう。中公文庫「珍品堂主人/井伏鱒二」を購入。
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2009年02月15日

2/15怖気づいて入れなかったお店三店+1

今回のツアーはいつもと趣向を変えて、たどり着いたが怖気づいて入れなかったお店を再び訪問。ツアーをしていると色んなお店に出会います。そこからこぼれて、いつかはなどと思っていました。しかし何度行っても勇気は奮い立ちません…。あぁ。

hourin.jpg●下井草「古書 芳林文庫」
駅南側の住宅街の中にある。マンション一階の左側部分、ガラスがはめ込まれた店舗だか何だか分からない横の入口には、木の看板が掛けられている。ドアを開けて覗けば、どうにかなる気がしないでもないが…しかしとてもそこまでの勇気は出てこなかった。ネットで調べてみると、中はほとんど事務所&倉庫状態。しっかりアポを入れると見せてくれるそうです。…入らなくてよかった……。専門は探偵小説&児童書。どうやらその筋では相当な有名店らしい。…ハッ!?もしやこの『芳林』は『小林芳雄』から命名したのでは……。


mahorobanzu.jpg●豊島園「古書 まほろばんず」
としまえんの西、石神井川とニコニコ商店街に挟まれた横道にある。もうどう見ても普通の一軒家であるが、しっかりと取り付けられた店名のプレート、ドアに貼られた『日本の古本屋』のポスター、そしてドアノブに下げられた『Open』のプレート!あぁ、そのOpenを信じていいのだろうか…?しかし、開ける勇気はありませんでした。後で調べてみると、ネット&目録販売は確認、店舗として営業しているのかどうかは不明。HPに書いてないから店舗ではないのだろうか?…あぁ、やはりあの『Open』が気になる…。


buntoku.jpg●中野「文徳書房」
駅南側、桃園通り近くの住宅街にある。思いっきりスペイン風な一軒家。しかし門柱の上に設置された看板、奥へと誘導する矢印、玄関には本が詰まっているであろうダンボールの山…明らかに店舗として営業しているアピールである。…しかし、とてもとても入る勇気は…扉に下げられた『本日休業』をこれ幸い、尻尾を巻いてその場を離れました。ここについても調べてみると、基本は目録販売らしい。しかしこの『基本は』というところがキモで、この店に入り本を買った人の文も見つけることが出来た。専門はアジア関連で、スリッパを履いて中に入るそうである。そして何も買わないで出るのは、相当ツライとのこと。…入れなくてよかった……。

まぁ単純な話、電話を一本入れて色々確認するだけで事は済むのである。しかし私の場合、それも中々…。と言うわけで、最後に正真正銘の店舗に向うことに。その店内の様子に恐れをなし、今まで前を通過するだけだったお店に…。


hodaka.jpg●阿佐ヶ谷「穂高書房」
駅北口から東に中杉通りを渡り、線路沿いの商店街をひたすら進むとたどり着く。文字や地色のかすれまくったブリキの看板。周りにはビールケースの上に置かれた平台やダンボール箱。雑誌や文庫・ポケミスなどが並んでいる。店内に目をやると、そこにはもはや隙間しかない。本たちが蛇のようにうねりながら、天井まで伸びているのだ。そっと身体を滑り込ませると、左の上部はまだ本棚が見えている。ここは山岳書の専門店。専門書・技術書・随筆・エッセイ・ノンフィクション・写真集・ガイドブック・探検・冒険などあらゆるジャンルで山岳・登山に関する本が集められている。さらに奥へと進むと、右の小さな棚に文庫や新書、さらに一歩奥へ進むと少し広めの空間に出た。左は通常の本棚で、ハードカバーや単行本が収まっている。右はガラスケースで、大判本や箱入り本・プレミア本が大量に並んでいる。奥がレジスペースなのだろうが、天井まで積みあがった本が、その奥の一面を完璧に塞いでいる。本タワーの隙間から、漏れる明かりと人の気配…。そんな中で本を選び、ハタと困った。どうすればいいんだろう…仕方なく隙間から声を掛けてみた。「あの〜すいませ〜ん」。すると笑みを浮かべた店主が『バッ!』と隙間からこちらを覗き込んだ!何だかスゴク嬉しそうである。本を見えるように掲げ「これを」と言うと、「ハイハイ」と言いつつ隙間に手を差し込んだ。こちらもそれに従って身を乗り出し、本を縦にして本タワーの間を慎重に通す。二人ともちょっとプルプルしながら受け渡し…こんな緊迫したアクション的精算は初めてのこと!お金の受け渡しも本の受け取りも、同様な危機的状況において行われた!思わず失礼を承知で「もうここが山岳みたいになってますよ」と言うと「いや〜ここも昔は通れたんだけどね。こうなっちゃったからね〜」とすっかりあきらめムード。無意味に危機的状況を疑似体験したい方はぜひお店に。ただしお値段はがっちりしっかりの高めです。みすず書房「山岳文学序説/島本恵也」を購入。
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2009年02月14日

2/14新潟・新潟 学生書房


gakusei.jpg新潟駅から北西、川幅の広い海のような信濃川を越えて古町方面へ。三越裏の新津屋小路を進んで行くと、たどり着ける。木造の二階建て三軒長屋店舗で、お店は角地に陣取っている。名前から勝手に連想してしまう学ラン、そして看板には店名と共にユニークなロゴマークが描かれている。アルファベットの“G”の中に“S”があり、その“S”は龍と化している。龍の目は“G”の縁に点った炎をじっと見つめている…。意味深長だ…知識の炎であろうか…そしてコロコロコミックのドラゴンマークに見えなくも無い…。横断歩道を渡り、中に足を踏み入れると、重みのある森閑とした空間。壁はすべて本棚、真ん中には平台、小さな棚が二本、背中合わせの棚が一本、奥にレジがありご婦人がパソコンを静かに操作しておられる。目の前の平台にはミステリ&時代劇の文庫。背をこちらに見せ、上部からノコギリ状に並べられた珍しい展示法である。右の小さい棚にも文庫が収まる。左の通路に歩を進めると、足元には100円文庫の詰まった箱が置かれ、入口端には「銀花」の並んだ棚。そして壁棚には新潟を中心とした、分厚く箱入りの市史や町史が大量に威圧的に並んでいる。何故町史などはこんなにも存在感が巨大なのだろうか…。棚上には全集本が横積みされている。先に進むと大量の良寛本・少量の文学(渡辺温・アンドロギュノスの裔のパラフィン・帯付き美本がっ!)、最後に美術本。向かいは、自然や新潟を中心とした郷土史棚となっている。右通路へ行くと、帳場横には大量の辞書&辞典。そのまま壁際には、工芸&美術・古代史・日本文学・現代日本文学と収まる。入口脇には「バイオレンスジャック」の文庫揃いが置かれていたりもする。向かいには、入口脇の棚に新書と文庫、背中合わせの棚に音楽・海外文学、そして田中角栄コーナーがっ!あぁ、こう言う棚を見られただけでも来た甲斐があると言うものだ。下には選書などの他に官能小説もあったりするのが意外である…。あの看板の炎には、官能の炎も含まれているのか…!?壁際の本はほとんど箱入りで独特の雰囲気。古い本も多く、知的レベルが高め。しかし意外に振れ幅が大きいのも面白いところ。ちなみにこのお店の近くにも古本屋があるはずなのだが、見つけることは出来なかった。移転もしくは閉店したのだろうか…。ちょっと寂しく仕事場へ戻る私を『マンガロード』の水島新司マンガキャラの銅像が、それぞれのフォームで冷たく見送ってくれたのだった…。角川スニーカー・G文庫「ファミコン10年!」を購入。
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2009年02月13日

2/13東京・東小金井 BOOK・ノーム


norm.jpg駅南口に出ると広い空。そのまま『くりやま通り』と言う商店街と飲み屋が合体したような、広くぽかんとした通りをつらつらと200mほど進む。すると右に青い日除けのお店。レンガ張り低層店舗長屋の真ん中である。近付くとちょっと高い位置に店頭台。入口から道路へのアプローチが斜めなため、台下から鉄製の踏み台が飛び出している。どうやらこれに乗って眺めるのが正しい作法らしい。おぉ、ちょっと高いぞ。学校の朝礼台に上がった気分。目の前には、一冊50円・三冊100円の文庫と、一冊100円の単行本。後ろのガラス窓下にも文庫本やコミックスが置かれている。左側の引き戸から店内へ。中はさほど広くなく、ほぼ正方形。BGMはJ-POPで、古本屋にはまったく似つかわしくないバクチクが流れている…。壁はグルリと本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥にレジ、その前に小さな棚が一本。パッと見で、古い本はほとんど置いていないのが分かる。右の通路棚には文庫が並び、エンタメ&ミステリ・時代劇・雑学と続き、締めは新書。下には雑誌が顔を見せている。また、棚脇に付けられた本棚裏にも、旅行・ガイドブック本が並ぶ。向かいの壁棚は、ノベルス(BL含む)・雑本・文庫・ハーレクイン・海外文学文庫・実用と続き、角を曲がると日本文学・エンタメ・ミステリの棚。横にはレジがあり、その向かいには経営・教育などの小さな棚(先ほどの旅行・ガイド棚の裏)。右側に入ると壁際に海外文学が少し並び、後はすべてコミック。向かいは美少女コミック&コミックが並び、下にはアダルト雑誌のラック。一点非の打ち所の無い、街の古本屋さんである。店内の手入れもよく行き届き、清々しい空間である。本はもちろん安値!レジ奥では入店した時から、レジのご婦人が横に座るおばあさんに携帯メールの操作方法を説明している。懇切丁寧である。手取り足取りである。同じ質問にも辛抱強く答えている。そしてミッションが成功するたびに喜ぶおばあさん…どのタイミングで声を掛けたら…。おずおずと本を差し出し遠慮がちに声を掛けると「あっ、すいませ〜ん」と振り向きながら照れ笑い。こちらもその状況に合わせて『ニカッ』と笑うと、向こうの笑いが一層大きくなる!おぉ!何だか知らないが、ご婦人と心が通じ合ったぞ!ムサシノは素敵な所だなぁ。ちくま新書「化石を掘る/大八木和久」を購入。
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2009年02月11日

2/11東京・三鷹 才谷屋書店


saitaniya.jpg駅北口ロータリーを抜けて中央大通りに入ると、左側のビルの地下一階にお店。目印は黄色い立看板と見上げたビルの壁に掛かる看板…地下店舗の看板が何故あんな高い所に…。一階の床屋横から曲がりくねった、細く天井の低い階段を下って行く。下で迎えてくれるのは、入口に置かれた雑誌一束と、ラジカセから大音量で流れ出るラジオ番組…これも、何故?開きっ放しの扉から中に入ると、そこは細長く廊下のような店内。奥には広がりがあり、背中合わせの棚が一本置かれている。壁はすべて棚で、どん詰まりにレジと流しがある。右壁には、最近の文庫・文学文庫・官能文庫・アニメ関連・美少女コミック・映画DVD・CD・絶版漫画が並ぶ。左壁には新書と文庫。みんな安値で澁澤本が多く目に付く。奥の背中合わせの棚には、美術・画集・図録などの下に、グラビア誌やアダルト雑誌。アイドル写真集を横目に左側へ。通路棚裏は完全アダルト。向かいの壁棚は、文化・風俗・美術・文学・建築・幻想文学などが混合された棚。奥には辞書類。何だか面白いお店である。70年代以降が中心で、雑然としていてアダルトも多い。しかし光る本がチラホラチラホラ…しかも安い。こんな地下の判りにくいお店なのに、次々とお客さんが飛び込んで来る。アプローチも不思議なら、入店ラッシュも不思議でした。東京都庭園美術館「パリ・街・人−アジェとカルティエ=ブレッソン」を購入。
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2/11東京・武蔵境 境南堂書店


kyonando.jpg駅南口を出て線路沿いを西へ。すると高架を突き抜ける山桃通りにぶつかるので、それを南へ。一つめの信号から右の天文台通り(おぉ!ロマンチック!)に入ると、すぐにお店がある。軒上に掲げられた看板文字は色褪せてすでに水色(“境”の“立”だけは何故か鮮やかなブルーを保っている)。そして第一印象は『錆』…金属部分にことごとくサビがっ!うん、いい味だ…と思いつつ店頭台に近付く。真ん中には木製の平台、左右二つある入口の脇には可動式の壁棚。これは閉店すると内側に閉じ、シャッター的役割を果たすのだろう。平台には全集の端本・学術書・小説、左棚にはノベルス、右棚には新書が収まる。しかしどれも背が焼け汚れており、状態が良いとはとても言えない。まぁ読むだけなら安値ではあるし問題なしではあるが…。右から中に入ると薄暗い店内。入口近くの蛍光灯が消されているのだ。ホコリ避けのビニールが掛かった本の山が通路を侵食し、人ひとり通るのがやっととなっている。壁を覆った棚と、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥に帳場とそのさらに奥に住居部分が続く。そこから茶碗の擦れ合う音が聞こえてくる。壁棚は、数学・化学などの学術書から始まり、社会・哲学・心理学・短歌・辞書と続く。通路棚には、英語の参考書・映画・演劇・大衆&伝統芸能・郷土史・歴史本が収まる。棚下の平台には文庫が並び、久々の講談社文庫色分け陳列に出会う。狭いレジ前を通ると、こちらはいくらか余裕のある通路。レジ横の民俗学(忍術の本まで!)・詩から壁際に移り、オカルト・海外文学・絶版劇画(宮谷一彦がっ!)・宇宙・ビジュアルムック・近代&現代日本文学・時代劇・戦争・児童文学と中々バラエティに富んだ棚作り。下にはアダルト雑誌が面出しでディスプレイ。向かいの通路棚には、入口近くにコミックスの揃いが多数・実用・将棋&囲碁・スポーツ・新書・ノベルス・山岳・絶版文庫・音楽・美術と並び、下はこちらも文庫本。古い本が多いが、いい本にはしっかりとした値付けがされている。絶版劇画にはまんだらけより高値なものがあるほど。しかし棚をつぶさに探索して行くと、他の本は高いのに何故この本がこんなに安いのか?というモノにぶつかったりする。こんなスキがあるところがグッドです!本を買うと、若店主が45度の丁寧なおじぎ(後頭部が見えるほど)をすることに驚かされます。中公新書「狂気の起源を求めて/野田正彰」フィルムアート社「特撮と怪獣/成田亨」を購入。
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2009年02月09日

2/9東京・中野 ぽちたま文庫


pochitama.jpg駅北口から線路沿いの道を右へ。壁画を眺めながら100mほど進むとたどり着く。中央線からもしっかりと見えるお店である。店頭に立つと、車窓から想像していた店舗とは違うことに気付かされる。表から見えている、安売りラックやカゴが置かれているのは、ビルのエントランスなのだ。中に入り階段を半地下まで下ると、そこがお店である。店頭&エントランスには、コミック・文庫・単行本・各種雑誌・アダルトなどが安価で並ぶ。階段下の店頭には新品雑誌のラックもある。開きっ放しの扉を潜ると、BGMはヒップホップ、左のレジには洒落たヒゲを蓄えたニット帽の若者。壁際には本棚、手前に背中合わせの棚が二本、店奥はコミックコーナー、左奥に掛けられた暖簾の向こうにはアダルトコーナー。純粋な古本が集まっているのはこの手前部分のようだ。規模にして店舗の1/3と言うところだろうか。右壁際は70年代を中心とした、ドラッグ・オカルト・精神世界・サブカルの棚から始まり、現代日本文学・スポーツ・タレント・オカルト・サブカル・クイックジャパン・風俗・官能小説と続く。棚の上には世界文学全集や、箱入りの硬めな本が通路を見下ろしている。ドアを挟み少なめの写真関連。向かいの通路棚は、ビニールに包まれて面出しされた文学プレミア本。その横には日本文学文庫作家50音順後半部分が続く。奥の棚脇には古代史や宗教の本。この棚(?)は良く見ると、透明な小さなボックスを紐でジョイントして取り付けられている。他の本棚も改めて見てみると、木の素材むき出しで手作り感満点!真ん中の通路は文庫で埋まっている。入口から見て右が日本文学作家50音順。手前には、旅・紀行・女性実用単行本も並ぶ。左は、岩波・ちくま・講談社学術・中公・河出。その奥には時代劇文庫。棚脇には写真関連の雑誌ラックが置かれている。左側通路には通路棚に200円コーナー。新書・雑学文庫などがドッサリと並ぶ。レジ脇のラックには写真集が収まり、その横の壁際は文学・社会・自然科学・音楽・映画・芸術・雑誌と続いている。夢のアダルトワールド入口を挟み、戦争・世界情勢のスチール棚が一本。そのさらに奥に、コミックコーナーに食い込む形で海外文学文庫が並ぶ。いい感じに緩いお店である。しかし棚作りには方向性がしっかりと込められている。古い本はそれほどないが、この手持ちの武器で戦っている感じがたまりません。値段は定価の半額前後が中心。人通りはそれほど多くないのに、お客さんはフラリブラリと入って来て、客足が途切れることがない。昼間からアダルト一直線の猛者連も…。それにしてもこの店名、やはりスタンダードな日本の犬の名前の組み合わせなのだろうか…。講談社「少年マガジンの黄金時代〜特集・記事と大伴昌司の世界〜」を購入。
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2009年02月08日

2/7群馬・高崎でキレイな街の二店!

意外と暖かだった北関東・高崎にてツアー決行。この街は何だか急速に整備が進み、街路が新しく統一的に変化し続けている。思えばこの街で古本屋を訪ねるのは初めてのこと。比較的駅近な二店にダッシュ&小走り!


bunkyo.jpg●高崎「文京堂」
駅西口方面にある南銀座と言う、小さめだがそれでいてしっかりと整備された通りの中ほどを、横道に入ると見つけることが出来る。外観は思いっ切り街の古本屋さん。両端に張り出す鉄平石の壁がモダンである。表には平台があり、新書・マンガ・文庫・単行本が面出し100円で並ぶ。顔を上げるとガラス窓の向こうに、棚横に掛けられた駄菓子屋的おもちゃのナイアガラ。折り紙・おもちゃのヘビ・ブロマイド・マスコット人形など、ちょっと色褪せたモノが下げられている。店頭右側には雑誌ラック、左隅には文庫の入った小さな籠。引き戸を『ララッ』と開けて店内へ入る。通路には本があふれ返っているが、どこもしっかり整頓されているのがスゴイところ。入口横には絵本や児童本が収まった回転式ラック。壁はぐるりと棚、真ん中に背中合わせの棚が二本。入店すると同時に奥の住居から、慌ただしくおじいさんが飛び出して来た。そのまま帳場に座り込み、声を掛けるまで微動だにしませんでした。壁際は雑然としているが、何となくジャンル分けがボヤ〜ンと見える。一般書・実用・文庫・句集・自然・地学・郷土本・辞書など。郷土本コーナーには『みやま文庫』という本がたくさん並んでいる。ここでは有名な出版社なのだろうか…値段も意外に高い。向かいの通路棚にはノベルスがびっしり。真ん中の通路は本が積み上げられ入ることが出来ない。しかし、右側に歴史・時代小説、左に日本文学を確認。レジ横から、大判美術本→おじいさん→古典本と眺めて右通路の壁際へ。コミック・ミステリ&エンタテイメント・ハーレクイン・児童書と収まる。向かいには宗教や経済など。通路の本たちは、一般書・文庫・コミック・アダルトなど様々なジャンルが、シャッフルされたように積み重なる。完璧なる街の古本屋さんである。辺りは静かな所なのに、フラリとお客さんがしっかり訪ねて来る。値段も安め。おじいさんは話し掛けると、しっかりと応対して頂けます。白泉社「低俗霊狩り 其の三/奥瀬サキ」を購入。


miyama.jpg●高崎「みやま書店」
駅西口、国道25号沿いの新田町交差点近くにある。店頭に出ている多数の本棚とラックはすべて100円。単行本・文庫・新書・雑誌…戦前本や和本まである。すると中から出て来た三人の高校生。おぉ、学生さんも立ち寄るお店ですか!何だか無闇に嬉しくなり、自転車で走り去る彼らと入れ替わりに店の中へ。自動ドア(一枚ガラス)が横に広く巨大である。店内は奥行きがあり、左奥は横にさらに広がっているようだ。入口横左には大判の美術本が下に置かれていて、棚は無く壁には夢二の版画が立て掛けられている。ここ以外の壁は天井までの高い棚。入口手前に背中合わせの棚が一本、奥のレジ側に背中合わせの棚が二本。手前背中合わせの棚左側は、文学全集と自然関連…ここの時点ですでに戦前本が目立っている。右側には岩波文庫と趣味の本、棚下の床には、ビニールに包まれた絶版文庫が背を見せて並んでいる…珍しい配置である。蹴飛ばさないように気をつけねば。向かいの壁棚は新しめの文庫と、奥に中公・教養・朝日文庫などが。奥に進み一番左側の通路へ。壁際には文学雑誌・社会・戦争・宗教・民俗学・歴史・古代史・地方史と硬めな通路。レジ横に郷土本が固まり、萩原朔太郎・恭次郎関連も。向かいの通路棚は文学評論と日本文学・幻想文学も紛れ込んでいる。この棚の脇には細い棚が設置してあり、あっ!ここにも『みやま文庫』がたくさん並んでいる。…ん?そう言えばこのお店の名前も『みやま書店』…何か関係があるのだろうか?真ん中の通路には、歴史小説・時代劇・全集端本・新書・実用などが並ぶ。一番右側の通路は、壁際に山岳・美術・工芸・辞書がズラリ。向かいにはまたもや新書・オカルト・文化・建築・写真・経済など。古い本が多く見応えあり。地元本の充実ぶりも頼もしい。ただし値段は少し高めである。レジで精算する際に、上品なご婦人に先ほどの疑問をぶつけてみた。「すいません、あそこに並んでいる『みやま文庫』はこのお店と何か関係があるのでしょうか?」するとにこやかな優しい笑顔で「いえいえ、全然関係ないんですよ。あれは県の図書館か何かが出している本で、たまたま名前が同じなだけなんです」との回答。いや、おかしなことを聞いて失礼しました。中公文庫「蒐集物語/柳宗悦」を購入。

路上でメモを取っていると、通りすがりのおじいさんに凝視され、あげくまわりをグルグル…最終的に目が合うと「あれかね〜、あ〜何か書いとるのかね〜」「ハイ、書いてました!」「あ〜そうかね〜」…と何かを納得して去って行った。と、このように時には不審者に間違われたりもするが、古本屋ツアーはめげずにまだまだ続くのでした。あぁ、センチメンタルトラベラー…。
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2009年02月07日

2/6神奈川・石川町 黄麦堂


kimugi.jpg駅南口から、ひらがな商店街と言う何だか泣けてくる素晴らしい通りを西へ。左側の山手方面には、とてつもなく切り立った枯れ草に覆われた崖。するとちょっと進んだ先に、これまた泣けてくるお店の姿が!木造家屋二階建て、半円形の手作り看板に、迫り出した店舗部分…。んん?窓にたくさんの貼紙が…あぁっ!?「閉店セール50%オフ」だとっ!50%オフは無条件で嬉しいが、閉店は切なさに拍車を掛ける…。店頭台は無く、そのまま引き戸を開けて中へ。店内はほぼ正方形。壁は一面棚、奥にレジ、真ん中に背中合わせの棚、両通路入口側に狛犬のように置かれたラックが一本ずつ。入口正面の通路棚脇には、ノベルスとコミックの詰まった棚。左側に進むと壁際はコミックが大半。通路棚は、上には新しめの文庫、下にはコミック、奥にはゲーム攻略本なども。ラックには安売り文庫とコミック…最近の本が中心なんだな、と思いつつ奥のレジ横に足を進めると、様相は一変。壁棚に、中国・韓国・北朝鮮を中心としたアジア本、紀行・文化・ムック・実用・経営・新書などが並び、古い本がチラホラ…さっきまでの流れと明らかに違うのである。レジの右横にも古い本があり、文学・映画(北野武本が多い)・詩歌・建築・性愛などが並ぶ。両側とも本は少なめで時間が止まっているが、ポリシーのある棚の匂いを感じる。そして壁際は日本文学(天沢退二郎の復刻本が目立つ)・海外文学・時代劇・ミステリ&エンタテイメント・児童書・ノベルスと並ぶが、基本は最近の本。向かいにはコミック文庫・時代劇&海外文庫、下にアダルト雑誌・写真集・ビジュアル本、そして安売り文庫の並んだラック。…そうかぁ、閉店かぁ…。本を二冊抜き取りレジへ。そこに人はおらず、奥の住居部分で椅子に座って書き物をしている老婦人が。「すいません」と言うと「あら、いらっしゃい」と予想以上に高く若々しいアニメ声に仰天!頭の30センチ上から声が出てるみたいだ。一冊の本に値段が付いてないことを告げると「あら、ホントだわ、失礼しちゃう」とおかんむり。そして困って迷ったあげく、予想以上に低い値を告げ、その上閉店セールでさらに半額!ありがとうございます!「この店はどなたかから引き継いだんですか?」と聞くと「そうなの。その人は今はインターネットで売ってるわ」「お店、閉められちゃうんですか?」「そう、半分ボランティアみたいなもんだったけど、今の人は本買わないからね」「でもこう言うお店は非常に助かりますよ」「アハハハハハ、ありがとう」。何だか爽やかなご婦人である。店を出ると、路地奥の階段下に白黒猫の姿。通りを一本隔てた川から、潮とヘドロの混ざった匂いが流れて来る…。この空間から古本屋が消えてしまうのは、やっぱりつまらない。線路を挟んだ、元町とは全く違う切ない空間。お時間のある方は、店が消える前にぜひ足を向けてみてください。風塵社「バルタンの星のもとに/飯島敏宏」未来社「ある奇跡=未来社25年の記録」を購入。
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2009年02月04日

2/4盛岡追記


kogen.jpgまだ寒く古本屋ツアーには早過ぎる朝、北上川沿いにある材木町へと向かう。この町には、大正十三年に宮澤賢治の「注文の多い料理店」を発刊した出版社・光原社があると言うのだ。とは言っても今は出版社ではなく、漆器や工芸品を扱うお店となっている。まだ誰もいない『いーはとーぶアベニュー』を進んで行くと、半分雪に埋もれた宮澤賢治の全身坐像を発見。雨風どころか雪にも負けない姿が、ちょっと痛ましい。その先の通りの向かいに、白い和風モダンな建物。目指す光原社である。命名は宮澤賢治、社名ロゴは棟方志功の手によるもの。店には入らず横の車寄せを通り、雪の凍った中庭へ。そこでは揃いの黒い制服を着た女性が二人、雪かきをしている。何だか山奥の修道院にでも、迷い込んでしまったように思える。左に資料を展示してある『マヂエル館』、右に喫茶店の『可否館』。さらに奥へ進むと日本庭園が現れる。そこに『注文の多い料理店出版の地』と言う碑と、宮澤賢治のレリーフが建てられている。さらに先に進むと、右に光原社の資料館(棟方志功の社名ロゴ完成を伝える手紙がデカくて笑える)と、奥には水量豊富で雄大な北上川の流れ。しばらくそれを眺めた後、「注文の多い料理店」に関する資料が展示されている『マヂエル館』に向かう。貴重な初版本や、当時の出版広告・ちらしが特に面白い。この童話集は賢治の自費出版とも言われているが、賢治は二百冊買い取っただけであって、あくまでも光原社の出版なのだそうである。値段は一円六十銭で千部。当時まったく見向きもされずに、廊下に山積みされていたと言うこの本が今や古書価で……。何ともやるせない話である。しかしこんなエピソードに、ロマンが潜んでいるのもまた事実。外に出ると未だ雪かき中の二人から「ありがとうございました」と声をかけられる。すでにお店にはお客さんの姿が見え始めている。そのまま凍った雪を踏み締め通りに出ると、目の前に何もかも吹き飛ばすほど美しい岩手山の巨大な姿。これだけは宮澤賢治の目にした光景と、何ら変わらないはずである。雪を被った山は、本当に高く大きく美しく、悠然と街を見下ろしている…。年月を飛び越える光景に感動!あぁ、マヂエル様……。
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2009年02月02日

2/1岩手・盛岡で凍結雪上行軍三店!

空は晴れ渡っているが、凍った路面は容赦無く牙を剥き、予想以上に疲労を招く。そして寒さも本当に厳しい!タクシーに乗りたい誘惑に駆られながら、おかしなスタイルの自己流雪道走法で移動して行く…。


asanuma.jpg●盛岡「浅沼古書店」
上盛岡駅の南、盛岡税務署近くの交差点脇にある。時刻は午前十一時、果たして開いているのか…と近付いて行くと、店前の雪を蹴っているおじさんが一人。店主だろうか…。店に近付き覗き込むと、明かりは点けられているようだ。思い切って店脇に立っているそのおじさんに「よろしいですか?」と声をかけると「あっ、どうぞ」と即返答。やはり店主だったか、と引き戸を開けて中へ。おおおぉっ!これはすごい!視界はすべて本と本棚で埋められ、天井も低く中々の圧迫感…薄暗くそして、さ、寒い…室内なのに吐く息は真っ白…開店したばかりらしいから仕方ないか。壁際はすべて本棚、奥は少し狭くなっているようだ。手前には背中合わせの棚が二本置かれ、一番右の通路は袋小路になっている。奥には右に帳場と、狭いスペースに背中合わせの棚が一本。棚は本の重みのせいだろうか、所々歪み傾いでいる。奥は天井もナナメになっており、期せずして表現主義的な古本屋になっているのが楽しくもある。何だか諸星大二郎の漫画にでも出てきそうだ…。店主は私を放置して開店準備に余念が無い。いつの間にかエプロンを着け、店頭棚を出し、今現在は雪かき中。手前真ん中の通路右側の棚は、ムックの横にセレクト文庫棚。質のいい本が作家ごと・ジャンルごと・出版社ごとにまとめられている。絶版文庫も多数。向かいには棚を歪ませながらの映画・音楽本。一番右の通路には、通路棚に海外文学文庫、向かいの壁際には、哲学・思想・科学・生物・数学・化学・戦争、通路入口横に原敬を中心とした近代史が。左端の通路には、入口横に詩歌・俳句、そのまま壁際に同ジャンルでつながり、文学評論・日本文学・海外文学と続いている。向かいには雑本や最近の日本文学、その横には図録や美術雑誌が並ぶ。その脇には小さな棚があり、石川啄木・宮澤賢治を中心とした岩手棚。その向かいにも小さな棚があり、柳田国男・原敬を中心とした岩手本が収まる。奥の狭い左側通路には、ここも岩手本・地方史・郷土史・岩手資料本が並んでいる。向かいには歴史や江戸がズラリ。帳場のある右側の通路もまた極細で、通路棚には東洋文庫・辞書・全集本などが。向かいの棚には、洋書・見所たっぷりの戦前&戦中の紀行・随筆・文学本。この棚を見ている時に、ラジオから流れてきた古い昭和歌謡…今は一体何年だ?などと思いつつも、その時代だったら目の前の本は新しくなきゃ駄目だろ、と多少興奮しながらこんがらがる思い。ちなみに各通路には横積みされた本が大量に唸ってます。古い本多し!質のよい本多し!欲しい本多し!そして本が安い!息は白く手はかじかむが、今ここにいることがとにかく嬉しい!地元本の豊富さも土地ならではで喜ばしい!何とか三冊をセレクトするが、店主は未だ外で雪かき中。戸を引き開けて半身を乗り出し、三冊の本を誇らしく上に掲げ「すいませ〜ん」と大声を出す。駐車場の店主は、ハッと振り向き「あっ、すいません」と駆け寄り本を受け取る。素早く値段を計算しながら、別々のルートで帳場へたどり着いた。精算を済ませて外に出ると、さっきは無かった店頭棚が。そこは先ほど店主が雪を蹴飛ばしていたあたり。北国の古本屋さんも大変である。駸々堂「喰へる雑草/織田一磨」新潮社「古都ひとり/岡部伊都子」盛岡観光協会「賢治と歩く盛岡」を購入。


tumi.jpg●盛岡「TUMI」
上盛岡から上の橋に向かう途中、本町通一丁目で見つけたお店。生憎開店はしていなかったが、喫茶店と古本屋の複合店舗らしい。決して流行の古本カフェではあらず。ガラス戸から中を覗き込むと、カウンター席の背後に本棚が設置され、ムックや最近の小説などが並んでいる。看板を見ると、レコード・ビデオ・古銭・切手・古物なども扱っているらしい。しかし店の外壁には『売家・1680万円』の貼紙が…かと言って閉店してるわけでもなさそうだが……。


toko.jpg●盛岡「東光書店」
駅東方面、中津川に架かる上の橋のたもとにある。長屋風の店舗だが、佇まいが歴史を感じさせる。年季の入った木材、二階の飾り窓の格好良さ、本をモチーフにした黄色と水色の看板。そして扉の上に掛けられた表札から、店名の由来が店主の名前からだと言うことが判明する。右側に、田中冬二が中津川について書いた直筆の文章が飾られたショウウィンドウとスコップ。下の黄色い看板には『最新中古書籍』と言う何だか矛盾したキャッチフレーズ。渋い引き戸の両側に、安売り本棚と文庫の入ったミニダンボール。中に入ると暖かさが優しく出迎えてくれる。外観にも劣らない古めかしい内装。高い天井の板張り木目が美しい。壁は天井までの棚、奥には帳場があり今は女性が座っている。右には平台と小さな箱が組み合わされて通路棚が作られている。左はしっかりとした背中合わせの棚。店内のあちらこちらに、小さな手作り箱や棚が置かれ、さながら店内は一箱古本市状態!右の平台には文庫本が並び、その後ろの棚に江戸川乱歩がメインの推理・探偵とポケミスが収まる。後半部分には美術と工芸の本が。右の壁棚には、入口横のウィンドウ裏に純文学文庫、高い壁棚には時代小説・文庫・日本文学・詩歌が並び、文学と詩歌は古さと量で充実の棚。奥には古典と石川啄木・宮澤賢治の棚。浅沼古書店と同じく、啄木本の方が種類も豊富。その下には「アララギ」が綺麗に積まれている。帳場横と下には美術&啄木本。あれ?いつの間にか座ってる人が店主らしきご老人に代わっている。真ん中通路の左側は歴史棚。下には真紅の山手樹一郎全集。細かい箱が重ねられ、狭くなった入口横をすり抜けて左通路へ。箱には文庫や新書が収まっており、そのまま壁際は戦争・近代史へ。ここにも原敬の本が多く見られる。下には岩波の赤&青が少量並ぶ。その奥は岩手本がドッサリ。向かいには、新書・将棋・囲碁・哲学・心理学・語学が並ぶ。本はすごく安いと言うわけではないが、普通ならもっと高値でもいい本が、高くなり過ぎず(と言うか安い…)売られているのが非常に嬉しい。精算する時に、千円札と五千円札を知らずに間違えて渡すと、「あ、これ五千円」と優しく返して頂きました。恐縮です。蜘蛛出版社「永田助太郎詩集」を購入。

お店には大満足だったが、仕事前に疲れきってしまったことに反省…。やはり北国をなめてはイカンですな。つれづれ書房が開いていれば、長距離移動することもなかったのだが…。いや、もはや言うまい。おかげでいい古本に出会えたのだから!
posted by tokusan at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする