2009年12月31日

12/31東京・神保町という名の本の街を駆けずり回り三店!

いよいよ2009年最後の日。しかし今日もバッチリ九段下でお仕事。今年も最後の悪あがきで仕事を脱け出して街へ…神保町に行ってみるしかない!とダッシュで坂を駆け下りる。果たして開いているお店はあるのか…もしや古本ゴーストタウンと化しているのでは…?様々な思いが胸に去来し(特に2008/12/31の出来事)、古本屋街を縦横無尽に駆け回る…。


matusmotoshoten.jpg●水道橋「松本書店」
白山通り沿い・西側、駅から南におよそ300mにあるお店。素晴らしい佇まいである。古い看板建築風の二階建て。軒の看板は比較的新しいようだ。緑のだんだら日除けの下には、左右に短い翼を広げた店頭棚。全集・自然系単行本・文庫・ノベルスが並んでいる。看板にある通り、新しめの特価本も多い。出入口には多数の全集リスト・特価本の説明・チェ=ジウのピンナップが下がっている…。店内に入ると、足元のコンクリ土間には表から吹き込んで来たのか、大量の銀杏の葉のカケラが溜まっている。壁は頑丈な鉄枠の天井までの本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本…店内も負けじと年季が入っている。奥の帳場には三木のり平的なハンサム壮年店主が、鼻歌を歌いながら読書中。左壁は、社会・経済・歴史・考古学・民俗学などがズラズラ。ホコリにまみれた本たちは、古本なのか特価本なのかいまいち見分けがつかない。向かいにはアダルトが収まる。表から恐る恐る様子を伺っていたお客が、次々と店内に入って来る。やはりみな古本に飢えているのか…。右側の通路へ移ると、帳場横に貼り出されたミニチュアダックスフントの手描きイラストが目に入る…そう言えば入口にもダックス型の札が下げられていた…きっとお店の裏側で、こいつが舌を出しながら駆けずり回っているのだろう。壁棚には、日本文学・江戸・風俗・わりと最近刊本が並ぶ。向かいには、文庫・オカルト・実用・自然・山岳・動物。ちょっと古い特価本が中心である。左は硬く右は軟らかめで、値段は定価の三割〜六割引である。大晦日までお疲れさまです!集英社文庫「青磁砧/芝木好子」を購入。


eizandoshoten.jpg●水道橋「英山堂書店」
白山通り沿い、水道橋駅より南に200mの『三崎町交差点』脇にあるお店。最初はその整然さと素っ気無さに、閉まってる!と思ったのだが、よく見るとしっかり明かりが点き、奥の帳場でご婦人が“ムンクの叫び”風に頬杖をついている。店頭には鉄製の棚が置かれ、海外文学文庫と少量の本が置かれている。その頭上には収納された緑の日除け。店構えの古さは先ほどのお店にも負けず劣らず。サッシを開けて右側から中に入ると、ご婦人が居住まいをスッと正した。壁際は本棚、真ん中には極太なスチール棚が一本置かれている。店内は整理整頓が行き届いているが、帳場の左横には様々な物が雑然と置かれている。右壁棚は大量の文庫本からスタート。日本文学文庫・時代劇&歴史文庫・海外文学文庫・ハヤカワポケミス、そして詩歌や文芸雑誌が並んでいる。文庫棚の下三段は二重になっているが、後ろが頭ひとつ飛び出ており、書名がしっかり確認出来るようになっている。下には文庫揃いがズラリ。向かいは時代劇&歴史小説を中心にミステリ&文学も。左通路に移ったところで、奥から老店主が現れ、ご婦人と店番を交代。帳場横と左壁棚奥には古めの日本文学が集中。その後は入口に向かって、山岳・自然・全集と続く。向かいは、新書・選書・全集、そしてピンポイントな「ゴルゴ13」が十冊ほど…。奥の古い本と時代劇小説が充実。値段は安め〜普通。本の包装法は“のり巻き型”である。大晦日に丁寧な応対、ありがとうございます!新潮社「殺意の風景/宮脇俊三」を購入。


shonandoshoten.jpg●神保町「湘南堂書店」
『すずらん通り』に『白山通り』側から入ると、右手50mほどの所に現れる。たくさんの人がフラフラと吸い込まれて行く…ビルは新しめなのに、一階店舗だけは何故か古くさい…不思議だ。かなり汚れて劣化したような日除けの下には、小さな店名看板。その下にはアダルト雑誌や写真集を満載したラック、雑誌を乗せた平台など。開きっ放しの自動ドアから中へ入ると、ちょっと雑然とした細長い店内。真ん中の棚を挟み、左右に通路が展開。入口左横にレジがあり、作業着ジャンパーを羽織ったオヤジさんが接客中。人が吸い込まれて行くのは左側で、予想通りアダルトゾーンとなっている。アダルトハンターたちには大晦日など関係ないのだっ!右壁は入口横から、文庫・新書・戦争・歴史・幻想文学・美術と並び、奥は倉庫状態。向かいは、コミック文庫・ビジュアル文庫・法律系学術書・世界・民俗学・文化・郷土・思想・日本文学などが並ぶ。本の量は少ないが、所々に目を惹く本や古い本がある。値段は安め〜普通だが、いい本にはカッチリな値が付いている。『すずらん通り』のしんがり死守、ありがとうございます!来年もアダルトハンターたちの狩場として繁栄せんことをっ!東書選書「史実と巷談/村上元三」を購入。

この三店以外に開店を確認出来たお店に「ブックダイバー」があったが、しかしここは気になるお店なので、また別の機会に訪れる予定。とにかく、九段下〜神保町〜水道橋とグルグル駆け足だったので、見落としたお店もあるかもしれない。とにもかくにも、大晦日にお店をツアー出来たことに感謝!2010年も、まだまだお店が呼んでいる!…と思うので、来年もよろしくお願いいたします!
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2009年12月29日

12/29東京・阿佐ヶ谷 千章堂書店


senshodo.jpg北口に出るとロータリー。西には飲み屋街の『スターロード』、東には南北に延びるけやき並木の『中杉通り』、正面には『阿佐谷北口駅前ビル』がそびえ立つ。ロータリーを突っ切りビルの足元を潜り抜けると、小さな商店街『北口アーケード街』が続く。その左手奥に、昭和の雰囲気を漂わせるお店がある。アーケードからガッチリ下がる、商店街共通の店名看板。蔵のような二階壁面には店名看板…しかしその後ろから何かがチラリと姿を見せている…あれは昔の看板文字!『千章堂』の三文字がしっかりと確認出来る。商店街に渡された荒縄には正月飾り、その下には緑の小さな日除け。アーケードが陽を遮っている現在、これはもはや無用の長物となっている。店頭には、左側に文庫揃い・戦記文庫・岩波・中公・ちくま・コミック文庫、真ん中に100均文庫&新書・料理・実用、右側に映画パンフ・雑誌・100均単行本・全集類が置かれている。通りとつながるように、扉無しで全開の左右出入口。その左側から店内へ。古い造り付けの棚にコンクリの土間、昔のお店そのままである。壁は本棚で覆われ、真ん中には背中合わせの棚、奥に番台のような帳場があり、いつもご婦人か若店主のどちらかが座っている。本日はご婦人が店番中。左壁棚はミステリ&エンタメ・海外文学・探偵小説・幻想文学・日本文学・文学評論・明治&大正本・東京随筆・詩歌と並ぶ。古い本多し。棚の上には全集がズラリ。帳場横の棚下には、アダルトと仏教の不謹慎な組み合わせ。向かいの通路棚は、趣味・映画・落語・伝統芸能・陶芸・写真・建築・美術と収まり、下には大量の図録が勢揃い。レジ下には辞書や古い雑誌類。右側通路へコツコツと移動する。帳場右横には、荒俣宏を核に博物学・妖怪・オカルトが集められ、角を曲がった右壁に古典・哲学・思想・世界・歴史・江戸・東京・阿佐ヶ谷・現代史・経済と続いて行く。向かいには、文庫・新書・音楽・山岳・旅・自然・動物が並ぶ。オールマイティなお店である。棚に様々なジャンルがバランス良く収まり、古い本も新しい本も揃っている。各ジャンルの質も均等である。お客さんも多く、街の古本屋さんとしてもしっかり機能している。この完璧さ故、逆に物足りなさを感じる人もいるかもしれない。優等生な古本屋さんなのである。値段は普通で、いい本にはしっかり値も。第一書房の本を発見し、即購入決定。帳場へ持ち込み、ついでに気になったことを聞いてみた。「年末はいつまで営業されてるんですか?」「んっ、ラストまで」と本を袋に入れながらニヤッ!…おぉっ、31日まですか!何と頼もしい言葉!「早仕舞いはするかもしれないけど、多分六時くらいまではやってるわよ」とのこと。さすがは阿佐ヶ谷の老舗店。来年も引き続きよろしくお願いします!第一書房「野口米次郎ブックレット 第十二編 ポオ評傳」を購入。
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2009年12月28日

12/28埼玉・飯能から東飯能は近かった!二店!

八王子から22kmのほぼ真北に位置するするこの街。これより先に延びる鉄道二路線は、段々と山の中へ…。この先にも古本屋さんは存在するのだろうか…そんなカビ臭いロマンを抱きつつも、まずはこの街での探索が先へと進む第一歩。それにしてもこの辺りの空は、広く、輝き、雄大である。


bunshodo.jpg●飯能「古書の店 文祥堂」
PePeの足元を抜けて駅北口を出ると、目の前はこじんまりとしたロータリー。その左隅上から、『HANNO』と書かれた銀のアーチを潜り抜け、人影の多い『飯能銀座商店街』を北へ進む。そして二つ目の交差点『東町』から東へ向かう。この『飯能中央通り商店街』を150mほど進むと、ちょっと通りから引っ込んだ左手マンションの一階にある、お店の前に立つことになる。路上には『古本』の立看板。しかしお店の前にはハイエースがドデッと横付けされ、完全にその姿を通りから隠してしまっている…何故?目隠し?店を守るため?右側から車と店の隙間に入り込むと、ベランダ下の黄色い短い日除けの下には、10個ほどの100均箱が並ぶ光景。単行本がメインである。ヒビが入ったガラス窓(ハッ!このヒビはハイエースの配置ともしや関連が?)には、古書買取の紙が貼られ、その背後では普段見せることのない本棚の背面が、無防備な姿を晒している。店内に入り込むとそこは古本の海…海と言うより海底か…。降り積もった古本が、通路をかなり占領してしまっている。壁際は本棚、右に背中合わせの棚が一本、左に背中合わせのラック&本棚が一本。入口左横に帳場があり、積み上がった本にグルリと囲まれている。その美しい姿は鉄平石の塀の如くである。BGMはラジオ番組、そして先客がひとり。右の壁棚は、学術書・郷土・風俗・都市・考古学・古代史・中国・古典・国文学・哲学・思想・心理・文学評論・詩歌・日本文学と並ぶ。古い本も多く見応えあり。棚の下半分は積み上がった本により、見ることは叶わない。向かいには、海外文学文庫・岩波文庫・絶版文庫・新書が収まり、棚上には大型本やビジュアル本が並べられている。真ん中の通路に入ると、右は日本文学文庫カオス並びと奥にノベルス。この棚は二重になっているので、根気と時間のある方はぜひとも発掘作業を。絶版や見かけない本もチラホラあるので、掘り出す楽しみが味わえる。これは通路に溢れた本も同様である。途中入って来たベレーの老人は、棚には目もくれずに、横積みされた本をひたすらつまみ上げている。左側にはアダルトラック・実用・ハーレクイン。店奥の壁棚には雑本的な日本文学や図録。左端の通路は帳場側からしか入ることは出来ない…何故なら本で塞がれているので。さらに新たに現れたお客さんは、店主と親しげに会話を交わし通路を塞いでいる。「すみません」と声を掛け、そこを通してもらう。しかし通ったその先は、ほぼ倉庫状態の古本海溝!確認出来るのは、ラックのアダルトと動物関連くらいであろうか。それにしてもお客さんが次々と訪ねて来るなぁ。古い本が多く、並びもジャンルもカオス的な部分はあるが、何かあるに違いないっ!と感じさせる魔力を持つお店である。値段は安め〜普通。何冊か目星を付けた本があったのだが、結局一冊に絞り込んで帳場に差し出す。立ち上がった壮年の店主に本を渡し、お金を準備…しかしここで私は間違いをしでかしてしまった。何冊か見た本の値が頭の中でシャッフルされ、勝手に『800円』と思ってしまったのだ。店主が値を告げなかったのも災いし、千円札を差し出す私に怪訝な顔の店主。そしてニコッと笑い「ゴメン、値段いくらだったっけ?」と袋から本を取り出す。開かれたそこにあったのは…『1500円』!しまったぁ!「す、すみません。私が間違ってました。ちょっと待って下さい」と改めて二枚のお札を差し出す。すると店主は「大丈夫?」と気遣いを示してくれる。こちらは「大丈夫です!」と買う意志を必死で示す。それでも「大丈夫?高いよな…何で高いんだろ?」と念を押しながらのトボケたセリフ。ついそのペースに乗せられ「ご自分でつけたんじゃないですか!」と軽口を叩く失礼な私。店主は笑いながら「ハハッ、そうなんだけど。大丈夫?」とさらに念押し。「大丈夫です」とお金を渡す。「これあんまりないからね…じゃあ100円引きで」えぇぇぇっ!何と素晴らしい提案!これこそ“棚から牡丹餅”“瓢箪から駒”…店主の度量の深さに感服。うぅっ、それにしても恥ずかしい。本当に失礼しました!講談社「世界の博物館/棚橋源太郎」を購入。


motokishorin.jpg●東飯能「古本 元樹書林」
先ほどのお店を出て、そのまま『東飯能駅』方面へ。駅前にも一軒の古本屋さんがあるが、どうやらお休みのよう。また来なければ!と頭の片隅にメモリーし、駅前から南に下り『国道299号線』を東へ。西武池袋線と八高線の踏切を越え、交通量の多い道を300mほど進むと右手にお店が現れる。頭でっかちとも言える、巨大な黄色のプラ日除け。店頭のラックやワゴンには、コミック・漫画誌・雑誌・ビデオなどが満載。何故か動物用の仮装グッズも入口脇に置かれている。隣の『キャワンキャワン』鳴き声が聞こえるペットショップに対抗しているのだろうか…。滑りが軽快なサッシを開けて中に入ると、すぐに右横のレジから「いらっしゃいませ」の声。白髪のオヤジさんなのだが、人相等があまり確認出来ない。店内には本がギッシリ狭めの通路で新古書店風。通路には五〜六人の老若男女…こっちもお客さんが多い!壁棚はすべてコミックで埋められ、右奥にアダルトゾーン、帳場前にゲーム攻略本・写真集・ビジュアルムック・廉価コミック。目的の古本は、左側の背中合わせの棚二本にまとめられている。エッセイ・サブカル・実用・新書・出版社別文庫・時代劇文庫・ミステリ&エンタメなど。それほど古い本は無く、至極真っ当な街の古本屋さんである。値段は安め。文庫を一冊抜き取りレジで精算。店主は基本的に俯きがちで、頭の生え際と眉&眼鏡しか印象に残らない。そしてレシート裏にスタンプを押しながら「次回これをお持ちになると7%引きになります」とのこと。やっぱり顔は俯いたまま…出入口の上を見ると、ポツンと二枚の大瀧詠一のLPが飾られている。好きなのだろうか…。新潮文庫「帝都東京の万華鏡 昭和モダンノンフィクション事件編」を購入。

この年の瀬に、二店ともしっかり開いているとは!その上お客さんが多数来店している。おみそれしました飯能!残る一店探索も含め、次は八高線か、それとも秩父に向かうのか…。
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12/27栃木・宇都宮 飛行船 鶴田店


hikosen_tsuruta.jpg仕事にて出張。今年はこれが最後の地方である。ならば当然そのチャンスを逃すわけもなく、仕事を手早く強制的に一段落させ、仕事場からコソコソと決死の脱出!東京とあまり変わらぬ寒さの宇都宮市街を、心に焦りを抱えて猛ダッシュ!それにしても航続距離が長くなりそうだ…。今日目指すのは、宇都宮の遥か西にあると言う、『バイク』『自転車』そして『古本』が売られていると言うお店。一体どんな楽しい状況になっているのだろう、と頭の中では古本屋イメージがスタンピート!途中、住宅街にある「山崎書店」(2008/05/10。おぉ!記念すべき古本屋ツアーの出発点!)に立ち寄ると、何てことだ…シャッターが閉まっている。店頭には大量の空ダンボールが置かれ、『新春 古書の市 準備の為 12月25日〜より〜1月11日まで休ませていただきます。』の貼紙。長く休むんだなぁ…「古書の市」は東武宇都宮百貨店で1/2〜1/8まで開催されるイベントである。仕方ないっ!と未練を断ち切り『鹿沼街道』をひたすらバカみたいに西へ。そして『宇都宮環状線』手前の交差点を南へ曲がると、右手に小豆色の三階建ビルが見えて来る。屋上の柵には、飛行船の形をした店看板。一階部分が店舗で、外のミニピロティには大きい古道具・家具などが置かれ、その背後にガラスに囲まれたフロアが…ん〜、何だか古道具やアンティークばかりな気が…不吉な予感。恐る恐る中に入ると、不吉な予感がバッチリ的中!家具・雑貨・食器・玩具・小物に紛れて、ノンフィクション・洋書・ソノシートなどが少量散見…案の定食指はピクリとも動かず…即座にお店を出る羽目に。うぅ、出張を生かせず誠に無念…。あぁ、こんなことなら『雀宮』のお店に賭けるべきだったか。しかし、後悔先に立たずor覆水盆に帰らず。これにて今回の宇都宮行は幕……こうなると帰りがツライ。進むごとに、古本を手に入れていない悔しさと、空虚感が募ってゆく。しかし戻って仕事に復帰せねば!勢いを失った小走りで、東に向かってヒタヒタヒタヒタ。
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2009年12月26日

12/26茨城・竜ヶ崎 古書モール 竜ヶ崎


koshomoru_ryugasaki.jpg常磐線『佐貫駅』から関東鉄道に乗り換え、一両きりのワンマンディーゼルカーで家々と田園の間を進む。のどかである。ほとんど直線で構成されているこの路線、その見通しの利き具合は怖くなるほどである。十分ほどで終点の目的地に到着。小さな田舎の小駅である。南側に出て駅沿いに西へ。すると踏切へ向かう道とは別に、住宅街に細く入り込む小道がある。そこをツラツラと進む。線路脇にある黒トタンで造られた、さながら格納庫のような建物が、異様な格好良さである。やがて右側が突然開け、大型ショッピングセンター『Ribra』が出現する。長いアプローチを通って中に入ると、ちょっと古めな地元感あふれるショッピングモール。一階を進み、途中のエスカレーターを上がり二階へ。そのまま真っ直ぐ西側奥を目指す。『ダイソー』が中心のようだが、それ以外の空きスペースにはリサイクルショップが多数出店している。「昭和空間」と言うお店は、文字通り懐かしい“昭和”を感じさせる、雑貨・古道具・玩具などを販売中。そんな空間を突き抜けると、最奥吹き抜けの手前に古本の天国が広がっていた!うひゃぁ〜、壮観だなぁ〜。中央の通路を中心に、右と左に古本をギッシリ満載した、平台付きの背中合わせの棚が並んでいる。右は帳場が真ん中にあり、コミック・児童文学・レコード・ビデオ・100均本が中心。左はぐるっと棚に囲まれた広めの空間に、長い背中合わせ平台付き通路棚が七本、他にもビデオや雑誌が並ぶ平台、古道具のみが並ぶ平台、奥にしっかりとアダルトコーナー、その他に小さな棚が無数に展開!通路には『古本市開催中』の幟、天井からは『古書モール 竜ヶ崎』『再生市場R』などの札が吊り下がる…どうやら先ほどのリサイクル店も含め、大型リサイクルゾーンを形成しているようだ。店内には帳場にご婦人がひとりと、本の補充をする壮年の男性がひとり。とにかく本の量がハンパじゃない!そして誰の姿も無く、完全に『ひとり古本市』モードっ!もはやこれは夢のレベルであるっ!日本文学・海外文学・詩歌・和本・古典・全集類・仙花紙本・雑誌・茨城本・随筆・ノンフィクション・歴史・宗教・自然・科学・戦争・美術・図録・映画・文庫・新書・アダルト・思想・教科書・趣味・風俗・エロ、etcetc....とにもかくにものオールジャンル!奥に特に古い本が集まり、探せば探すほど面白い本・珍しい本が見つかるのだ!楽しい、楽し過ぎるぞっ!こうなるともう自分に歯止めを掛けられず、およそ一時間半を棚の前で両手ブラリ戦法。そして、立ったりしゃがんだり立ったりしゃがんだり…。古い本は状態がそれほど良くないが、値段が安いので気にならず!竜ヶ崎バンザイ!植田正治のアルス写真文庫100円は嬉し過ぎる!伊藤晴雨の自伝は欲しいが、このボロさにこの値段はちょっと悩む…。と言うようにたくさんの本を見て行くと、値段票に何種類かのお店の名を発見する。どうやら茨城のお店が常設で出店しているようだ。値段は基本的には安い、が、お店によってはいい本にしっかり値段もあったりする。収穫を手に帳場へ向かうと、先ほどの男性がにこやかに「いらっしゃいませ」と優しく出迎える。胸に下がったIDカードには、値段票に記載されていたお店の名前。なるほど、持ち回りでモールの番をしているのだろう。見れば片手が不自由なよう。しかし丁寧にゆっくりと本を手にして、値段票を外して行く。そして本を積み重ね、こちらにズッと押し出し、おもむろに身体を反転させて袋を取り、その袋をこちらに差し出す。「これに本をどうぞ。その間に計算しますので」。「ハイ」と受け取り、本を速やかに袋の中へ。むぅ、何だか客と店主の一歩踏み込んだ共同作業が、ちょっと嬉しかったりするぞ。この時レジスターの横を見ると、名前・住所・電話番号・メールアドレスを記載する紙が置かれているのを発見。記入すると古書情報や目録が届くとのこと。あぁ、それにしてもこんな所に大量の古本が貯蔵されているなんて…お時間のある方は、ぜひ竜ヶ崎まで足を運んでみて下さい。帰りには、必ず数冊の古本を手にして、田園を走るワンマンカーに乗り込んでいることでしょう。竜ヶ崎、遠かったけどありがとう!アルス写真文庫「田園の写し方/植田正治」小峰書店「都会の一日/来島三郎」河出新書「みんなの住い/谷口吉郎編」創元推理文庫「沈んだ太陽/J・G・バラード」集英社文庫「鎌倉ふしぎ話/東郷隆」宝島社「帰ってきた怪獣VOW」を購入。
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2009年12月25日

12/25東京・永福町 時代屋 永福町店


jidaiya_eifukucho.jpg時代屋はチェーン店である(三軒茶屋の「時代や書店」(2009/03/17参照)とは無関係)。利用したことはあるが、ツアーの対象としては考えていなかった。ところが10月の終わりに、阿佐ヶ谷・旧中杉通り沿いの「時代屋」が突然閉店したのを見て、軽いショックを受けてしまう。何故?今まで普通に営業していたのに…。まったく突然のことであった。古本の棚は、新刊以外はあまり入れ替わらなかったが、誰も買わないような面白い本も少量並んでいたりした。ちょっと高めだったので、私も買わなかったのだが。重視していなかったお店とは言え、やはりシャッターが上がらないのは寂しいものである。そして今日見付けたのが、たまたま自転車で通り掛った永福町店だった…。駅の北口には『井の頭通り』。交番前の横断歩道を渡り、800mほど続く『永福町北口商店街』をがんばって進むと、『方南通り』とぶつかる交差点手前にお店。黄色いチェーン店共通の軒看板に黄色い日除け、さらに下のガラス窓にはコミックとゲーム関連の貼紙ばかり。『本やマンガ、CD、ゲーム、DVD、そしてアダルトなものまでみんな高価買取中!!』と言うのが、古本関連唯一のものか。中に入るとちょっとゴチャッとしており、目に入るのはコミックばかり。正面奥にレジ、左がゲーム関連、真ん中がレンタルコミック、右が販売コミックとアダルト、と言った区分けになっている。本は無いのか?と店内を動き回ると、入口右横に一本だけある古本棚を発見…これだけか…半分予想していながらもガックリと肩を落としてしまう。上から新書・四六版単行本・文庫・ラノベ・ノベルス・単行本・サブカル・タレントといった並び。瞬時に検分終了…。ノベルスはゼロ年代作家でまとめられていたりして、ちょっとだけ意志が見え隠れ。と言うわけで、ここはやはり外から見た感じそのままのチェーン店なのです。コミックやゲームを見に来るのがベストでしょう。ファミコンソフトが充実中。それでも欲しい本がしっかりと見つかったので、奥のレジへと向かう。するとそこには弾けるように元気なお姉さん。こんなに威勢の良い人が、どうしてここで働くことに…。外に出ると、そこには『大宮八幡宮』の表参道があり、お正月の準備真っ最中…あぁ、年が暮れて行く…古本屋を巡っている間に、年の瀬が…。新潮文庫「家族八景/筒井康隆」を購入。
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2009年12月24日

12/24東京・南砂町 古本 たなべ書店 駅前店


tanabe.jpgクリスマスイブも古本屋っ!と言うことで東西線に乗り込み東へ。ホームに降りたら東口に向かい、さらに『2a』出口へ。地上に出ると、そこは『南砂三丁目公園』の真っ只中。面白い所に出るものだ、と数メートル進み後ろを振り返ると、矩形の地下鉄出入口が地上より数段高く飛び出しているのが判る。この辺りは“海抜0メートル地帯”なので、ふいの冠水に備えた造りなのだろう。そして公園の中をひたすら北に進む。長方形の公園を、その軌跡で縦に両断するように、ど真ん中を突き進む。身体を寄せ合い眠る野良猫たちを眺め、散歩中の小型犬にキャウキャウ吠えられながら進んで行くと、やがて野球場と小学校に挟まれた道。そこも真っ直ぐ通り抜け、公園を出たところで西を見る。すると『古本』の巨大文字が優しく出迎えてくれる。横に広がっているお店である。色褪せ気味の黄色いプラ日除けの下には、右寄りの出入口を挟み、左に五本右に三本の壁棚。新書・文庫(山本周五郎多し)・単行本・廉価コミック・官能文庫などが主に100円でズラリ。量的に激しく見応えあり。ちなみに裏の道路に面した、店の裏側(しっかり日除けあり)の方がキレイなのが理解不能である。必死に棚を目で追っていると、棚の後ろから『ドスンドスン』と音が響いてくる…なんだろう?中へ入ると、広く何だか複雑そうな店内で、スリムな棚が林立し、多数の通路を作り出している。そして左を見ると、ご婦人が『ドスンドスン』と棚の整理中…。店内は手前と奥に分けられている。手前は右にレジ&作業場スペース、フロアに横向きに背中合わせの棚が三本、壁際は本棚で覆われている。奥はフロアーが一段下がり、縦に背中合わせの棚が七本、壁際は本棚、そしてこちらには出口専用扉がある。入口側一番手前の通路は、壁棚に古典・歴史・近現代史、向かいに歴史&時代劇文庫が並ぶ。第二通路は手前が大量の新書、奥が最新入荷本と特集棚(この時は「坂の上の雲」特集)・文化・建築・音楽・映画。第三通路は手前が実用・海外文学・文学評論・江戸・東京・囲碁・将棋、奥がまたもや新書・ガイドブック・実用・辞書となっている。この棚の裏にはノベルスがびっしりと並ぶ。左の壁棚は、歴史&時代小説とミステリ&エンタメが続き、途中から『あやしい本』と言うナゾの棚が四本ほど出現!オカルト・宗教・偽史・サブカル・陰謀・アウトロー・犯罪などなど、怪しい本も怪しくない本も絡まり合っている。このちょっと面白い棚を眺めつつ、そのまま奥のフロアに突入。『あやしい本』の続きは、ちくま文庫・中公文庫につながり、店奥の棚にさらに中公文庫・文春文庫・カラーブックス・ハーレクインと続いて行く。どうやらこちらは文庫本フロア…さながら文庫の図書館のようである。通路棚の左から五本に、作家50音順日本文学文庫がドッサリ並び、最後の一面に出版社別文庫。ちょっと広めの通路を挟んで右奥の壁棚に、出版社別文庫・教養文庫・ライトノベル・官能文庫が収まる。残り二本の通路棚には、岩波文庫・旺文社文庫・福武文庫・河出文庫・海外文学文庫……うぅ〜っ、無闇に疲れる…情報量が多過ぎるっ!とにかくお店がギュウギュウなのです。とにかく量が多いので、時間の余裕が必要なのです。それほど古い本は無く、70年代〜現代で構成されている。いい本を見つけるためには、端から端までしっかり見るのがベスト。値段は定価の半額が中心である。今年も後一週間と言うような、忙しい時に訪ねるのはおススメしません(明確に探している本があるなら可)。入店したら当分は出てこられないので…。ちなみに近くに本店もあり。時間にたっぷり余裕を持たせ再訪します!それにしても、ここは『駅前』の範疇に入るのだろうか?どちらかと言うと『公園前』なのだが…。丸善ライブラリー「パリ・一九二〇年代/渡辺淳」岩波文庫「千鳥/鈴木三重吉」を購入。
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2009年12月23日

12/23神奈川・白楽 小山書店


koyama_shoten.jpg一年四ヶ月ぶりの白楽!意外なほど古本屋が集まる、賑やかな各駅停車の街に再び降り立つ!西口改札を抜けて、緩やかな坂道の駅前大通り(市道菊名六角橋線)を南へ下る。途中「鉄塔書院」(2008/08/15参照)を左手に眺め、『六角橋ふれあいのまち』と大書された六つのアーチを潜り抜けると、『六角橋』の巨大交差点。横断歩道を渡り、北寄りの脇道を西へ進む。すると激しく行き交う車の上に、書店の看板が見え始めた。古い木造モルタルの二階建て店舗兼住宅である。外壁からは『浮世絵 版画』と書かれた店名看板、その下には隣家と共同の長〜い看板が設置されている。ちなみに隣は風呂屋さんである。ガラスサッシ前の店頭には二台のワゴンが置かれ、左が二冊150円三冊200円の文庫本、右も同様の文句が書かれているが詰まっているのは映画ビデオ…。本は激しい交通量のせいか、だいぶホコリにまみれている。また左にはショウウィンドウがあり、夢二本や和本・ピカソのビデオなどが並んでいる。サッシを開けて中に入るとかなり茶色な店内…本棚も本もである。先客がひとりと、奥の帳場では店番のご婦人が買取の電話を受けている。「外に出てる息子に連絡をさせますので…ウチは硬いモノが多いですね…経済本はあんまり…」。しかしこの時が積み重なった店内はスゴイの一言。キレイに整頓されているが、こびりついた時間経過の痕跡は落とせないようだ。左右の壁には木製造り付けの本棚、真ん中に同様の背中合わせの棚が一本、奥の帳場周りも同素材で造られている…格好良い。通路は“U”字型で、帳場前での行き来は不可。右側通路は、そのほとんどが学術本や技術書。しかも相当に古い!電気・建築・法律・経済・社会・思想・民俗・全集類…ガチガチです!一部の新書や棚下の浮世絵・紙物が、ホッと一息つかせてくれる。何でこんな色に…と思うような大判本たちに目をやってから、右側通路へ移動。ウィンドウ裏には、中途半端に古めの文庫と小説本。そのまま壁棚は、歴史・戦争・古典・海外文学・文学評論・日本文学・詩歌と並び、帳場横に日本近代文学。棚も中々楽しいが、下のガラスケースではプレミア本が雄姿を見せつけている。向かいの通路棚は、比較的最近の新書・ノベルス・文庫本・小説が少量並んだ後に、横浜関連・実用・山岳・演劇・映画・伝統芸能と、またまた古い本ばかりが続いて行く。静かな店内に流れるのは『はぐれ刑事純情派』の、安浦刑事の年老いた喋り。その時、店の奥から年配の男性が登場し、ご婦人と二言三言言葉を交わす。するとご婦人が「安浦さん、今回で死ぬらしいじゃない!」と声を弾ませ、はぐれ刑事の行く末の話題…男性はあまり興味を示さずに奥へと立ち去った。とにかく古い本が多く、それだけでもワクワクドキドキ。値段は安め〜普通。右通路は硬めだが、左通路は何とか太刀打ち出来そうな柔軟さあり。欲しい本が結構見つかったなぁ…と言うわけでゆっくりと吟味。熟考の末、二冊を抜き取り帳場へ向かう。いつの間にかニンテンドーDSに夢中のご婦人。「すいません」と至近距離から二度ほど声を掛けるが気付いてもらえない。三度目にしてようやく顔を『ハッ』と上げ、「ホホホッ、ごめんなさいね」とDSを机に置く…画面を見ると、プレイしていたのは『脳トレ』…目の前の人に気付かないとは、脳が!脳がぁ!そして白楽には、後二軒のお店があるのを確認。今日は時間が無さ過ぎるので、さらなるツアーは来年の楽しみとしておこう。学生社「建築と生活/中谷宇吉郎他編」村田書店「ロールズの正義論/村上嘉隆」を購入。
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2009年12月22日

12/22東京・本郷三丁目 大山堂書店


daisando.jpg『かねやす』を背にして『本郷通り』を北上。今日のお店は、池谷伊佐夫氏「東京古書店グラフティー」にて“本郷の中ではもっとも入りやすいお店”とされているのだ。これなら本郷古書店街初心者の私にも気楽に…と足を進める。右に見え始めた東大も、何やら大掛かりな普請の真っ最中。そして堂々の『東大赤門前』にお店はある。細長い、カブトムシの色とツヤを持つマンションの一階店舗で、右は本格的なインド料理屋。店前の歩道には、不法投棄であろう電子レンジがゴロリと転がっている。壁から店名看板が飛び出し、その下に出入口そのままの幅の店舗が、深い奥行きを見せている。店頭には思想雑誌・単行本の低い平台、安売り文庫ワゴン、思想単行本ラック、新書本棚が集まっている。文庫ワゴン以外は硬い!ゴリゴリである。しかし中に入れば、江戸・東京関連が楽しませてくれるはず!と、おずおずと店内へ。入口近くに立つと『ズォ〜ッ』と言う音が天井から降り注ぐ。思わず見上げると、出入口に平行して二台のエアコン風機械が並び、緩いエアカーテンを作り出しているようだ。左右の壁は奥まですべて本棚で、膝下に小さな平台も続く。奥にガラスケースや黒のスチールラック、そして坊主頭にヒゲのちょっと強面な青年が座っている。右壁棚は、選書・岩波新書・岩波文庫からスタートし、辞典・美学(珍しいジャンル名だ)・人類学・社会学・思想・哲学・哲学洋書と続いて行く…やっぱり硬ぇ〜。哲学棚にピッタリと張り付くオジサンがひとり…その頭の中はどんな深遠を覗きこんでいるのだろうか…?ガラスケースの中には、革装丁の古い哲学書が並んでいる。そしてここまで奥に入り込んだところで、帳場から「いらっしゃいませ」と声を掛けられる。左入口横には教育心理が並び、左壁棚は仏教・心理学・精神医学・キリスト教と続き、奥部分は箱入りの学術書&資料本がズラリ。内容は宗教・宗教民俗…ガチガチである。平台には棚に則したジャンルが並ぶが、入口近くの左側には、細かく仕切られた箱のような物が置かれ、その中にカラーブックスと講談社学術文庫を収めている。むぅ〜〜、お店の雰囲気は「東京古書店グラフティー」のイラストそのままだが、棚の中身はガラリと変わっていた。本が出てすでに13年…時が流れまくったのだなぁ、と勝手に感慨を深くする。値段は判断不能。元値が高い本が多いので、自然値段は高くなる…私が手にした本は大体三割〜四割引だったが…。そんな門外なお店で、幸運にも欲しかった本を見付けられた。帳場へ持って行くと、丁寧で礼儀正しい応対。人は見かけではないのです。帰り道『近江屋洋菓子店』に立ち寄り、マドレーヌを購入。疲れた頭には甘いモノ!星和書店「治療のテルモピュライ-中井久夫の仕事を考え直す-」を購入。
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2009年12月21日

12/21東京・京急蒲田で凍りそうになりながら二店!

冷た過ぎる、冷蔵庫と言うか冷凍庫のような外気。こんな日は家でぬくぬくするに限るのだが、どこからか古本屋が冷たい風に乗せ、古本の歌声を届けてくる……気合を入れて外へ!首をすくめて街へ!手をかじかませながら古本屋へ!


akashido.jpg●京急蒲田「明石堂書店」
普請中の(最近多いな…)ため、やたら簡素になった西口の改札を抜けると、目の前に広がるのは細路地のうらぶれた飲み屋街。恐らく本来の駅正面ではないのだろう。そこには足を踏み入れず、駅沿いに南に進むと、すぐに右手に『京急蒲田あすと』と言う三角屋根のアーケード商店街が現れる。こちらが本来の駅前なのだろう。猥雑で下町感溢れるアーケードを進み、すぐに南の脇道(アーケードあり)へ折れ曲がる。すると左手の赤ちょうちんの向こうに『古本』の文字が見え隠れ。通路に迫り出した木製ラックの表裏に『古本古本古本古本…本古本古本古』と書かれた黄色い紙が大量に貼り付けてある…江戸川乱歩の「蟲」かっ!?ちょっとコワイぞ。建物隅と言うのが相応しい小さなお店である。軒には白と黒の地に赤文字の看板、その下にはガムテープで止められたシートが短く下がっている。中に入ると、擦り切れ磨耗した床におばさんがしゃがみ込み、レディコミを漁っている。左右壁だけのシンプル過ぎる極狭店内。そして古い!大森の「松村書店」や天神橋筋の「青空書房」を連想させる。奥の帳場には、机に片肘を突き横向きに座る老婦人…何だか女流文士的雰囲気…。右の迫り出しラックには、ビジュアルムックや写真集。ヨン様の本も集められている。奥の壁棚は手塚治虫を中心にコミックが並び、古いものも多い。そして、映画・文化・日本文学・開高健・三島由紀夫・古典・大判本と続く。下には横積みされたコミック雑誌類。左側はビジュアルムックに始まり、新書・様々な聖書・ポケット辞典&ハンドブック・文庫・時代劇・歴史・江戸・落語・文学・随筆・全集類と並ぶ。こちらは壊れそうな古い本多し。下にはアダルト雑誌や落語のレコードが積まれている。本棚の下部をかじかむ手で発掘し、一冊選び抜く。帳場へ差し出すと、老婦人は値段を確認し「このままでいい?ちょっと高くてゴメンね」と言葉を掛けて頂く。「あ、大丈夫ですよ」と本を受け取り立ち去ろうとすると、老婦人は「あ、そうそう」と何か思いついた顔。「おたくね、その本いる?そこに置いてある…」な、何だろう…「え、どれですか?」老婦人は棚の下を指差し「それよ。そこに乗ってる子供の本…」子供の本?そんなのあるか…「どれですか?これ?」と裏返ったA5判の雑誌らしきものを指差すと「それよ」。その言葉と共に雑誌を手に取り裏返すと…アダルトロリコン系漫画誌…そっとそのまま戻し「あ、いらないです」と丁重にお断りする。「そう…」と言い、二カッと笑う老婦人。こちらもニヤッと笑みを返し店を出る。…ただいらない本を処分したかっただけだろうか?…それとも精一杯のサービスだったのだろうか?老婦人の真意や如何に!?新潮社「旅への憧れ/田部重治」を購入。


matsushima_kamata.jpg●京急蒲田「松島書店」
続いて『あすと』のメインストリートに戻り、二本目の脇道を北へ(アーケードなし)。ちょっと寂しい飲み屋街『柳通り』の奥左手に二店目を発見。レンガ色のビル一階から、明かりを暗い通りに放つそのお店は、軒に汚れた青い日除け、『本買います』の黄色い幟、脚立を改良した立看板、店前面には透明のビニールシートが垂れ下がっている。中に入り込むと、ビニールに取り付けられた鈴が『ガロンガロン』と鳴り響く…忍者の鳴子のような仕掛けである。中はそれほど広くはなく、雑然として本で溢れ返っている。左右の壁棚に、真ん中に背中合わせの棚が一本、入口右横に均一棚、通路には本が腰辺りまで積み上がっている。均一棚には文庫とコミック、右壁棚には中途半端に古いコミックがズラッと並んでいる。向かいには、カオス並び文庫と時代劇文庫。奥の帳場では店主が厚着で背中を丸め、お茶をすすりながらテレビを観賞中。それにしても寒い…先ほどのお店も扉は無く暖房はつけられていなかった…。横積みされた単行本を眺めて左通路に入ると、こちらはそのほとんどがアダルト。一部分に取り残されたように、ノベルスやエッセイ・ビジュアルムックが並んでいる。本は安いが買うべき本が見つからない…仕方なく均一棚から読みたい本を一冊抜き出して帳場へ。すると「いらっしゃい。それは一冊でも五冊でも100円だから、まだ持ってっていいよ」とのこと。100円を渡し本を受け取ると「持ってっていいよ」と念押し。せっかくなのでもう一冊抜き出し「じゃあこれ頂いてきま〜す」と帳場に向かって本を振る。「はーい」と店主はこちらをチラリと見ると、すぐにテレビの世界へ戻って行った。新潮文庫「オリンポスの果実/田中英光」新潮文庫「巴里に死す/芹沢光治良」を購入。

蒲田には激シブなお店が多い。街の雰囲気を裏切ることなく、街とお店が見事に融合して、同じ時間軸を過ごし続けている…。帰路は冷たい風が吹き荒れる中、JR蒲田駅へ。駅前の「一方堂書林」を猫目的に覗いてみるが、肝心のクロネコの姿は見えなかった。あぁ、ネコの毛皮で手を温めたかったのに…。
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2009年12月20日

12/20東京・高円寺 PART TIME BOOKSELLERS


ptbs.jpg駅南口を出て、工事中の噴水広場を痛ましく思いながら、ガードを貫く『高南通り』を南へ。右側歩道を通り『高円寺駅南口』信号を通過し、次の信号を過ぎた所で西へ向かう小道に入る。そしてすぐさま南へのびるさらなる小道に入り、裏通りな緩い坂を下ると、右手の茶色い低層雑居ビルの入口に立看板を発見。真っ白い存在感のある看板で、店名共に『当店は古本のセレクトショップです。』と書かれている。古く小さな入口を潜り、狭い階段を右に回りながら上がって行く。一階踊り場には営業時間の貼紙があり、店名に相応しく土日限定営業であることが書かれている。二階、開け放たれた白い扉の向こうには、これまた純白な空間が待ち受けていた!床も棚も天井もすべて真っ白。色を持つのは古本と人間のみ。入口右側に棚が一本、その横には小部屋のドア、長い左壁には棚が三本、店奥壁にも三本、右壁奥に一本、右側小部屋横に帳場と棚が一本。帳場では髪の長いうら若き女性が店番中。フロアは広々としており、とても棚が見やすい店内である。入口右横にはセレクト作家文学棚。野坂昭如・澁澤龍彦・三島由紀夫・寺山修司・長田弘・開高健・岡部伊都子・幸田文などなどと共に、下部には海外文学も。左壁棚は縦八列の棚で、各列ごとにジャンル分けがされている。左端は、写真・美術・デザイン・音楽・建築・紀行・日本文化・戦争。真ん中は、コミック評論・カルトコミック・映画。右端は、ビジュアルムック・暮らしの手帖関連・中原淳一・雑貨・生活・料理・きもの・ファッションとなっている。各列はビッシリ詰まっていたり、面出しディスプレイされたり、空きがあったりと、様々である。店奥壁は左から、ヨーロッパ系映画ビデオ・北欧・動物・イギリス・フランス・絵本。真ん中は、ロマンポルノ・ピンク映画・小津安二郎・伊丹十三・映画ビジュアル本。右端は、東映ヤクザ系絶版ビデオ・東映関連本・男はつらいよ関連・レーザーディスクが収まっている。右壁と帳場横には、12列の棚にセレクト作家文庫本がズラッと並ぶ。映画と日本文学が充実したお店である。しかし売られている本は、ほとんどが現在も新刊書店で手に入る新しめなもの。よって店主の趣味が色濃く反映された、マニアックな本屋と言う感じなのである。若い感性に全幅の信頼を込めて造り上げた棚は、決して普遍的ではないが、いい品揃えを見せている。値段は三〜四割引きだが、本は新しくキレイ。帳場で精算時に「こちらはいつ頃開かれたんですか?」と聞いてみると「こちらは…10月の中旬くらいからです」とニッコリしながら微笑ましい返答。やはり最近出来たばかりなのか。今後、棚がどのように変化して行くか、楽しみである。そのまま趣味道を走り続けるのか、さらに新しい血が入るのか、はたまた灰色に濁ってしまうのか…。行く先が気になるお店である。朝日出版社「映画:二極化する世界映画/大久保賢一」小学館「光る風/山上たつひこ」を購入。

帰り際、孤高のレンタルビデオ屋「Auviss」(2008/6/3)に立ち寄ると、相変わらずの素晴らしい品揃えにいつも通り愕然!映画の歴史の重層感にすぐさま酩酊状態!…やはりこのお店はスゴイ…そしてレーザービームのような視線が相変わらずの店長は、何だか人当たりがよくなった雰囲気。一体何が店長にっ!?
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2009年12月19日

12/19埼玉・北浦和 野出書店


nodeshoten.jpg埼玉県立近代美術館に「小村雪岱とその時代」展を見に行く。そのドイツ表現主義にも通じる、ポカンとした夢のような悪夢のような絵画たちに感動。そのさらに上を行く、装丁を担当した鏡花本たちの艶姿にハラハラと落涙。絵葉書や図録を買い込み、満腹状態で駅東口へ。多数のタクシーがナナメに停車する駅前を横目に、線路沿いの道を南へ下る。コンビニを過ぎると、左手に特異な姿のお店が顔を出す…実はこのお店は、駅ホームの南側からも確認することが出来るのだった。薬局が同居する二階建ての店舗で、外壁は一面古めのタイルに覆われている。二階には本棚の見える窓、『古書買入』と店名の文字看板、そして店名と同名の数学教室の看板…店主の副業だろうか?その下には店名の入った白い日除けがあり、脇道側にもボロボロの日除け。その下はタバコの広告と自販機が並んでいる。そして表通りの店頭は、タバコ自販機と中を伺えぬ出入口、さらにおばあちゃんが座るに相応しいタバコ売り場があるのだが、高く横積みされた本に囲まれ、完全にその機能を停止させられている…インパクト大な光景である。自動ドアから中に入ると、本がひしめく空間が広がると共に、足踏みするコートを羽織った男性の姿!店主か?と思ったら、ただのお客さんのよう。店主は入口左にある、閉ざされたタバコ販売スペースにスッポリと収まり、半藤一利的風貌を見せている。一階は壁棚と通路棚が“U”字の通路を作り出している。右側の行き止まり通路には、日本文学文庫・海外文学文庫・新書・アダルトと共に、通路には大量の本が積み重なる。その時、左通路奥から「うひゃぁ〜崩れそうだよ!」と非常に騒がしいお客さんが新登場。どうやら二階から降りて来たようだ。その後もひとりで慶応大学について喋りまくっている。左通路に移動すると、足踏み客は帳場前に座り、騒客は突然現れた私の姿に驚き、「すいません〜」と言いつつ道化師のようなステップを踏み、右側通路へと消えていった。こちらの壁際では、歴史・文化などと共に、北海道本と島崎藤村が充実した姿を見せている。向かいには山積みされた本と共に、美術・風土・大判本など。この通路の奥が、二階へと続く薄暗い階段となっている。その上がり口に貼紙があり『二階へ上がる際は手荷物を預けてください』とのこと。そこで帳場に「二階は上がってもいいんですか?」と聞くと、店主が「どうぞどうぞ」何故かお客二人も「どうぞどうぞ」…う〜んフレンドリー!「荷物は預けた方が…」とさらに聞くと「あ、別にいいよ」と何だか大雑把。そして騒客が「二階で遭難しないでね〜」とエールを送ってくれた。苦笑しつつ本が積まれた階段を上がる。二階は“L”字型のフロアとなっており、一階よりかなり広め。雑然としているが、壁棚・通路棚共に魅力的な棚造りが展開!基本的には日本文学を中心に、大量の京都本・江戸・東京・ノンフィクション・古典・思想・経済・全集類・ハヤカワポケミス・映画・美術・実用・趣味・建築・プロレタリア文学・土木・社会・評伝・郷土史・浦和本・宗教・法律・歴史・現代史・科学と、カオスな並び。半分壊れかけた古い本が所々に姿を見せて魂を震わせたりと、非常に見応えのあるフロアとなっている。暗い通路もあり寒かったりするが、そんなことは気にならないほど楽しめました。値段は普通〜ちょい高のしっかりめ。でも一生懸命探すと、報われるかのように安い本も見つかります。また一階の文庫も安め。本を手に一階へ戻ると、「おっ!篭城はしないでよ〜。学生運動は終わってるからね〜」と騒客の労いの言葉がお出迎え。帳場に進み本を差し出すと、足踏み客が「二階面白かったでしょ」「えぇ、見応えありました」「今の若者はかわいそうだね〜」「えっ?」「民主党が何も決められないからね〜」と、唐突に政治の話。すると背後から騒客が、私の後ろでまとめた髪を見て「あれ〜あなたは侍なの〜?この頭はちょんまげで侍だよ〜」と勝手にヒートアップして近付いて来た!「昨日も大学でさ、侍が学食をこうス〜っと…」…あまりにも暴走&長話になりそうなので「ところであなたはどなたなんですか?」と早めに逆襲すると、一瞬困った後に「あっ…私は福沢諭吉です…」とのたまい本棚に戻って行った。思わず店主と顔を見合わせて苦笑。みなさんに「ありがとうございました」とお礼を言い、店の外へ。棚も常連さんも愉快極まるお店でした!筑摩書房「都市空間のなかの文学/前田愛」を購入。
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2009年12月18日

12/18東京・国立 ブックステーション MON


bookstation_mon.jpg相変わらず普請中の駅を出ると、南口には巨大円形ロータリー。東へ行けばすぐに「みちくさ書店」だが、本日は西南へ真っ直ぐのびる『富士見通り』をひたすら進んで行く。商店街が『国立一番街』→『富士見通り中央商店街』→『中商店会』→『西商店街』と途切れずに続いて行く…ここまでおよそ1km…遠い、富士山にたどり着いてしまいそうだ。やがて左に現れる『コープとうきょう』を過ぎた所で、南へ折れる小道に入り込む。その住宅街の小道を抜けると、右手のマンション一階に古本屋さんが忽然と姿を現す!ここは11月にオープンしたばかりの、武蔵野限定に勢力を拡大しつつある「ブックステーション」の系列店なのである。相変わらずディスプレイや見栄えと言うことに無関心な店舗である。シンプルと言うより簡素な店頭には、観葉植物と共に定番の有機栽培野菜が売られている。その後ろは大きな窓ガラスと自動ドアで、中の様子と電話をする店員さんの姿が丸見えになっている。と言うことはこちらも当然丸見えなので、たまたま通りかかったフリ&こんな所にお店が!的動きをしながら自動ドアに近付く…おぉ、何と私は矮小な人間なのだろう…。中に入ると、表同様簡素な店内に同型のスチール棚が林立している…結構広いぞ。入口左に健康食品のテーブルがあり、その奥の窓際で店員さんが、電話をしながらパソコン操作…どうやら他店とネットシステムを調整しているようだ。店内は手前と奥の2ブロックに分かれるカタチだが、奥は何だか雑然としており、半倉庫状態。手前スペースは左右の壁棚に挟まれるように、三本の背中合わせの棚が置かれている。右端の第一通路は、壁棚に絵本・ビジュアルムック・図録・大判本が並んでいる。手前と奥の仕切り風になっている通路奥の棚には、選書と岩波文庫、裏には新書が詰まっている。左の通路棚には、スポーツ・囲碁・将棋・児童文学・落語・音楽・映画・演劇・文化・科学が並んでいる…うぉぉっ!「近代建築ガイドブック」の四冊揃いが売っている!…か、買えない…高過ぎる…。第二通路の右側は、SF文庫と時代劇文庫がビッシリ。左は作家50音順日本文学文庫・純文学文庫・江戸川乱歩・雑学文庫。第三通路右側は、江戸・東京・民俗学・歴史・戦争と並び、左には面出しビジュアルムック・動植物・哲学・思想・心理学・宗教・ノベルスと収まる。左端の通路は、右側に海外文学・日本文学・幻想文学・文学評論と並び、左はすべてコミックとなっている。一応入れるようなので、奥スペースにも足を踏み入れてみる。棚には所々空きが見られ、紐に括られた未整理本が入っている所もある。通路には本や天板・脚立。梱包材などが無造作に置かれ、通れない所も。しかしこの奥スペースは手前より圧倒的に広い。しっかりと整理されたなら、見応えのある棚になるだろう。確認出来たジャンルは、コミック・大量の絶版漫画・探偵小説・民俗学・全集類・官能小説・実用・コンピュータなどである。棚造りはいい感じで、面白い本・古い本が多い。値段は普通〜しっかりめなちょい高。途中、ひとりの男性がポケットに両手を突っ込み、厳しい顔つきで入店して来た。こんなところでもちゃんとお客さんが…と思っていると、ようやく電話を終えた店員さんに話し掛け始めた。「今、押し売り来なかった?」「えっ…押し売り?…」「しつっこいヤツがウチに来てさぁ。警察に連絡したらすぐ逃げちまったんだよ」「押し売りは…来てないっス」「いやホントしつこいヤツでさ。そうかぁ来なかったかぁ〜。ありがとね〜」と外に出て行ってしまった。様々なことがありますな。本を買って外に出ると自転車に乗った二人の警官が、ちょうど駆けつけて来たところ。ヘタに職質などされぬように、何気なさを装い表通りへ。奥が整頓された頃にまた来ます!中央公論社「我が愛する詩人の傳記/室生犀星」を購入。
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2009年12月17日

12/17東京・水道橋〜御茶ノ水ネット検索から二店!


marunuma.jpg●水道橋「丸沼書店」
「デルス・ウザーラ」が読みたくなりネット検索してみると、水道橋のお店がヒット。師走は何だか段々スケジュールが詰まり気味…あまり遠征も出来ないので、欲しい本を買いに行くツアーを決行!東口を出て『白山通り』を南に下る。暴力的なガード下を抜け少し進むと、信号脇の柳の木の前にお店を発見。水道橋駅に最も近い古本屋さんであろう。立派なプラ製日除けの下には、文庫の100均台、左右出入口の脇にナナメの一列ワゴン付きの本棚が二本。多くは硬い専門書である。中に入ると意外なほどの賑わい…老若男女が本を求めて蠢いている…が、その周りはほとんどが新刊書!背中合わせの棚を中心に、左右の壁すべてが新刊なのである!財務や法律関連など、私には縁の無い本ばかりである。しかし、奥の方に何やら茶色い物体が…ズズッと奥へ進む。レジと中央通路を通り過ぎると、左側通路と店奥棚に集まっている古本を確認。しかも相当に古い本ばかり。右の壁際に、古代・中世・近世・近代と分けられた歴史棚。店奥に法律関連。通路棚に日本思想・文化・郷土史…目指す東洋文庫は、歴史棚の足元に大量に並んでいた。「デルス・ウザーラ」の背文字を求め、左から右にじっくりと見て行く…しかし無い!もう一度逆に見ても…やはり無い!倉庫にあるのだろうか?レジへと戻り、こちらに背を向けている年配の方に声を掛ける。「すみません、東洋文庫のデルス・ウザーラはありませんでしょうか?」「ん?あぁ〜、ちょっと待ってね」と棚の上のノートパソコンに向かい、店内検索を開始。一分後、「あれ?何でだ?こんなにあったのに…全部売れてるよ…」あぁっ、もう!独り言聞こえちゃいましたよ…そしてこちらを振り向き「10冊もあったのに全部売れちゃってる。テヘヘ…」何と言うことだ…「どうもありがとうございました」と力無く頭を下げてお店の外へ。本も手に入らず、ツアーの目論見もあえなく崩れ去った…本来なら「デルス・ウザーラ」を求めてさまようべきだが、時間もないし…さてどうする?


fuko.jpg●御茶ノ水「古書 風光書房」
そこでたどりついたのがこちらのお店。以前欲しい本をネット検索し、ヒットしていたのだが、そのまま放置していたことを思い出したのだ。ええい!検索つながりにしてしまえっ!と東に足を向ける。駅からは『聖橋口』を出てすぐに西へ。そして「三進堂書店」前から南にのびる『お茶の水仲通り』を進む。左に『東京復活大聖堂教会』を眺めながら、ちょっと勾配のきつい坂を下って行く。勾配がゆるやかになり、少し左にカーブしたところで『駿河台道灌道』にぶつかる。そこを東に進むと、右手ビルの入口付近にお店の立看板を見つけることが出来る。ビルを見上げると四階のガラス窓には、店名と共に『ヨーロッパ人文系古書』の文字。中に入ると、キレイだがちょっと古い感じの雑居ビルである。案内板で店名を確認し、エレベーターに乗り込む。あ〜やっぱりビル内の古本屋さんは緊張するなぁ〜…しかしもはや審判の時!扉が開き外に出ると、階段の踊り場と共用の狭いエレベーターホール。左に一冊200円三冊500円の均一箱が置かれている。右を見ると扉が全開で中が丸見え。脇には安売り本が置かれている。ほほぅ、上野文庫店主の「古書まみれ」が混ざっているのが面白い。ヨーロッパ古書のお店なのに。中に入るともはやそこは通路で、目の前に本棚が迫り来る!お店はワンルーム程度の広さで、壁際はグルリと本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本(奥の方が長い)、入口左に横積みされた本に囲まれた帳場があり、角のない丸い印象のプリティーな店主がパソコンに向かっている。その向こうのガラス窓には、見晴らしの良い景色が広がっている。お向かいの『三井住友海上』の緑が爽やかである。お店はビル内にしてはウェルカムないい雰囲気だが、通路は激狭。棚の下を見る時は、縦にしゃがまねばならない。入口右横には文庫がズラリと並び、意外にも日本文学からスタート。詩歌・古典・小説と絶版を中心に並び、新書・海外文学と続く…何だかスゴイぞ!質が高いぞ!頭がカッと熱くなる。向かいの通路棚には、音楽を軸にしてフランス・ドイツの本が並ぶ。文庫も多く、下には吉田健一も集められている。右奥の壁棚は、とにかくフランス!思想や詩が大充実!そのまま正面奥の壁に続き、文学評論・小説が収まる。古い訳本が多いので、バラエティーに富んだ装丁と飾り文字を見るのが殊更楽しい。途中、世紀ごとに棚が分かれる細かさも。真ん中の通路はドイツ中心で、文学(世紀分類棚あり)・思想・哲学が鉄壁な並びを見せる。端には詩歌を中心にした日本文学の棚もあり。最奥の通路棚には、ロシア・東欧・北欧・イギリス・イタリア・スペインが集まっている。窓際下にはヨーロッパ美術関連など。いやぁ〜このお店はスゴイです。何と言うか、古い本も多くハイブロウなのだが、それでも面白い本がしっかりと並び、つんけんしていない懐の深さに感動!いいお店です。値段は普通なのだが、安めな印象を受ける。店主はにこやかで優しく丁寧な対応。初っ端のつまづきが、すべて吹っ飛んだいいツアーとなりました!秋田屋「ゲーテ箴言抄/土井虎和寿」河出新書「青春の季節/野田宇太郎」角川文庫「女獣心理/野溝七生子」を購入。
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2009年12月15日

12/15千葉でプチ放浪の果てに二店!

当初の目的は京成津田沼駅前にある「古本クエスト」。その冒険心を煽る名に、胸が張り裂けんばかりの思いで向かってみると、触れば皮膚が剥がれそうな冷たいシャッター…。仕方なく再び京成線に乗り込む。


sunrise.jpg●八千代台「サンライズ」
北口を出ると道路が放射状に広がるロータリー。迷わず西南に向かえば、2009/5/30に訪れた名古本屋「雄気堂」がある。今回はまだ下には降りず、駅から西北へのびる古く長い歩道橋をそのまま渡る。地上に降りたら、その『中央通り』を真っ直ぐ西北へ。夕日に染まる小学校を見ながら進んで行くと、やがて現れる交差点。そこを西南に曲がると、すぐ左手に奥まったお店がある。小さなビル一階が店舗で、路上に向かってガソリンスタンドのような看板。入口上には横長五角形の看板があるが、「古本ランド」と書かれている…。ガラス扉から中に入ると、左にすぐレジとオヤジさんが現れた。フルに微笑み「いらっしゃいませ〜」と最大限の接客を展開。しかしその店内はっ!真ん中にゲーム・CD・DVDのラック棚が一本、両壁にコミック棚、そして奥にアダルトスペースがあるのみ。…これは、やってしまった…。普通の本は無いのかっ!?と狭い通路を行ったり来たり…ゲーム攻略本しかない…どうやら古本の太陽は昇らぬようです。ガッカリしながらも一冊のコミックを執念深く購入。10%引きしていただく。オヤジさんは最後まで最大限の接客でした。ヤングジャンプ・コミックス「嘘喰い7/迫稔雄」を購入。


hourou_tsudanuma.jpg●津田沼「放浪書房」
以前、車窓から見かけた記憶を引きずり出し、あやふやな記憶を頼りに北口へと出る。ロータリーには足を踏み入れず、ひたすら西側線路沿いの道を目指す。線路沿いに出られたならば、そこをそのまま西北へ進む。辺りはすでに暗闇で、通過する電車の車内燈が道を照らし出す。50mほど進むと、白いビルの一階にお店がある…のだが、その姿はどう見ても古着屋さんなのである。しかし車窓からも見えるビル一階の壁面には、『古着 古本』と書かれた緑の看板が掛かっているのだ!その看板を改めてよく見てみると、『TRAVELING BOOKS』と言う文字や古着屋の店名と共に、古着の絵・本を読む人々・旅する男のファンシーな絵が描かれている。右の入口からそっと中を覗くと、店内に確かに本棚の姿を確認!出入口の敷居近くに立つと、左上から下がる古本屋さんの看板を発見。店名と共に『旅する本屋』『旅の本有りマス。』と書かれている。店内は表と同様、完全なる古着屋さんである。真ん中の一段高くなったレジ&ガラスケースを中心に、様々な棚や衣装掛けが周りに展開している。漂うのは古着の匂いばかり。フロアでは髪を後ろで束ねた青年店長が、ひとり洋服を畳みながら「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれた。目指す本棚は、主に店内右側に置かれている。入口左横、中央レジ横&下、右奥壁際、中段奥壁際である。ジャンルは宣言通り旅に関する本ばかりで、紀行・旅・散歩・ガイド・エッセイ・小説・コミック・アウトドア・登山・海外文学。奥にはミニコミや新刊もあり。そしてこのお店を説明するパネルも置かれており、どうやら店主は日本全国を本を携えて旅をし、各地で路上販売をしているらしい。う〜む、店名に相応しい古本キャラバンっぷり。いつかは何処かの街で出会ってみたいものである。値段は普通。レジに本を差し出すと「前にも買われたことあるんですか?」と聞かれたので「いえ、初めてです。電車から見てどんなお店なのかなと思って…」「あぁそうですか…」「ここは以前から古着と古本を?」「いえ、途中からです」「あ、この本は別な方が置かれてるんですか?」「えぇまぁ。ちょっとした縁で…」なるほど、古着と古本のお店は別なのか。それにしても、何だか喋るのが面倒そうな雰囲気。ちなみに買った本は、二週間以内にレシートと共にお店に持参すると、それなりのお値段で引き取ってくれるそうです。廣済堂文庫「ヨーロッパ青春文学紀行/岳真也」を購入。

遠い地で一時はどうなることかと思ったが、面白いお店に出会えればすべて良しっ!しかし本当に遠くまで来ての空振りはツライ。気付くと近場は段々と巡り尽くしそうな感じ…今後のツアー方針の行く末に、大いなる不安を抱え始めるのだった。…くそうぅ!まだまだ負けるもんか!
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2009年12月14日

12/14東京・神保町 大久保書店


okubo_jinbocho.jpg仕事で芝から神保町へ。二十分ほどで打ち合わせを終えて、開放感を味わいつつ『靖国通り』の街路へ。せっかくなのでどこかでツアーを、と思い店頭台をブラブラ眺めて行く。そして足を止めたのは、いつもは通り過ぎるだけだったお店…しかし何か引っ掛かる。…このお店はもしや、鉱物関連が充実したお店では…それを裏付けるかのように、扉に『鉱石トレジャーハンター』のポスター。よし!と思い入店決定!『神保町交差点』から『靖国通り』南側を、東へ80mほど進む。すると小さなお店が連続する一軒の中に発見することが出来る。軒には激シブな新宗体風看板文字、その下には風雪に耐えすぎて化石化が始まったような日除け、店前面はガラスサッシで、左右二ヶ所に出入口。真ん中には二台の平台があり、「サライ」と岩波新書が並んでいる。右から中に入ると、『これこそ古本屋だ!』と断言しても間違いのない店内。間口は狭く縦長である。造り付けの棚が左右壁に張り付き、真ん中にも背中合わせの棚が一本。奥に帳場があり、銀髪で細身の老店主が座っている…彼が鉱物好きなんだな…。棚や調度品はすべて同様の素材で造られ、同じように経年劣化中。棚は整然として美しい。右の壁棚を見ると、自然や横積みされた「ナショナルジェオグラフィック」。それを通過すると、化石・地質学・石油・温泉・火山学・地球物理学・鉱物・鉱床学・宝石・古生物学・資料本・論文・フィールドワーク・気象などが、帳場横まで展開して行く。ふぅ〜む、スゴイなぁ〜。学術書や薄手の簡素な論文本が多く並ぶが、間々にしっかりと優しい本も挟み込まれている(井尻正二の日常エッセイ本がっ!)。向かいの通路棚は海外文学や少量のUFO本に続き、論文類と目を惹く鉱物標本が棚に直に置かれている。左通路に移ると、意外にもこちらは通常の古本屋さん。壁棚に、歴史雑誌・「銀花」・思想・海外文学が並ぶ。通路棚には、日本文学・歴史・風俗・民俗学など。その昔、研究などと大層な目的は無く、ただ化石が欲しくて崖に取り付いていたことを思い出す。そういえばクリスマスプレゼントに、横浜の有隣堂で鉱物標本をお願いしたことも…。迷うことなく棚から一冊抜き出し、ちょっと高めな帳場に差し出す。値段を無愛想に告げる店主だが、本を袋に入れると「ヘイッ!」と渡していただき、机に両手を突き「ありがとうございます」と丁寧なお辞儀。こちらもペコンと頭を下げてから表へ。そして、お店の姿を写真に撮ろうとしたのだが、歩道からではうまく撮れない。「田村書店」の前から回り込み車道へと出る。そしてお店を見上げた時に気が付いた!こ、このお店はカステラのように切断されているっ!二階の上、三階を見上げるとそこには丸窓、そしてマンサール屋根。ここには、かつては「田村書店」から横に10店ほど同形状のファサードが連続する、三階建て長屋風の建物が建っていた。取り残されたかのようなこのお店は、その名残りなのであった。他のお店はすでにペンシルビル風に変貌している…。これを無残と言うか奇跡と言うか…私はそれを語る言葉を持てず、しばし車道で呆然…そして連続する丸窓をひたすら夢想する。築地書館「日曜の地学4 東京の地質をめぐって/大森昌衛編著」を購入。

帰路、『明大通り』を北上していると「文庫川村」がシャッターを閉ざしている。そこには小さな貼紙があり『誠に申し訳ありませんが暫く休業させて頂きます』…何と言うことだ。おぉ、早い復帰を期待しております。
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2009年12月13日

12/13東京・つつじヶ丘 古本と雑貨 手紙舎


tegamisha.jpg南口の地下道にある『武者小路実篤記念館』専用の掲示板を眺めてから外へ。バスの折り返し場を左に見ながら南に進むと、『品川通り』に行き当たる。そこを西へ進み、二つ目の交差点『神代団地』をグイッと南に入ると、名前の通りそこはすでに団地の圏内。植木の高さがこの団地が経てきた長い時間を想像させる。直線の通りをシタシタ歩き、『神代団地中央』の信号を越えると、右手遠くに何やら看板が見えてくる。近付くと『神代団地中央商店街』と『サンディ』のイカした文字…ここか。団地の足元を見ると、ピロティ風の通路になっており、真ん中には緑の商店街の案内板…が、そこに目指すお店の名前はない。歩を進め商店街に入る。スーパー『サンディ』を真ん中に、両翼に屋根付き通路を備えたお店が並ぶ。シャッターが閉まり寂しげな光景。スーパーを過ぎて左に回り込むと、視界が一気に開ける、公園に面したレンガブロックを敷き詰めた広場。ちょっとだけ大友克洋の「童夢」気分を味わう。そして目指すお店が、商店街の片翼右端に姿を現した!今日のお店は、古本と雑貨、そしてゴハン屋と編集室が一緒になっている複雑なお店である。しかしその外観は、シンプルでオシャレな古本カフェ。その超然とした佇まいに一瞬たじろぐが、覚悟を決めて前に進む。お店の前面は白く塗られた木枠のガラス戸、右端が出入口となっている。入口横の壁に、ゴハン屋とお店の名が飾られている。そのさらに横には、ナゾの閉ざされたボックス…。屋根下には、メニューや店名&お店の説明が書かれた小さな看板が、ポツンと二つ。やはり私にとってはだいぶ敷居が高い…しかし乗り越えなければならぬ敷居っ!軽快に開く扉から店内へ。薄暗く柔らかな照明の中に広がる白い壁と天井、床や調度はシックな木材…やはりオシャレである。テーブルにはすでに数人のお客さん。正面には雑貨棚の向こうに、作業場と厨房が立体的に展開。目指す本棚は、左壁にこれもシックに張り付いている。テーブルを回り込むように進むと、女性スタッフが「いらっしゃいませ」とにこやかに近付いて来た。席に案内していただく動きだったが、ここはしっかりと「本を見せてもらってよろしいですか?」と伝える。瞬間、女性は驚きの表情を浮かべたが、それはほんの束の間。すぐに満面の笑みを浮かべ「どうぞ」と棚へと促してくれる。おぉ、ありがとうございます。大テーブルと棚の間に滑り込む。焦げ茶の棚は角も交えて、横六列×縦六列の計36列のボックスが並ぶカタチ。面出しされた部分、キッチリ詰められた部分、緩やかに並ぶ部分と三種のボックスが展開。ジャンルは、建築・写真・散歩・料理・ファッション・フランス・文学・岡部伊都子・森茉莉・児童文学・岩波少年文庫・美術・インテリア・カラーブックス・図録・本関連・雑誌などが美しく並べられている。棚に戻す時も、並びを崩さぬよう慎重になる。昭和40年代の不思議な本たちが見ていて楽しい。ミッドセンチュリーとも違う独特なチープさ。値段はちょい高〜高いと言う感じ。棚の良質さと珍しさを考えると、むべなるかな。本を購入した後、改めてお茶を飲もうとすると、先ほどの女性スタッフが「あちらの方が、ここの本を選んで下さった方なんです」と大テーブルの一角に座る、テンガロン気味の帽子を被りヒゲを蓄えた男性を紹介してくれた。「こちら、本を見に来て下さった方です」と私も紹介していただく…やはり本を買いに来たのが珍しいのだろうか?おぉ?この方はネット古書店「古書 モダン・クラシック」の店主さんではないか!と言うわけで、しばしストーブの側で立ち話。週イチで顔を出していること、ネットとの違いに戸惑っていること、ネット販売のエース級を投入したこと、とにかく考えまくってること、実店舗が楽しくてしょうがないこと…などなど。初対面なのに楽しいお話をありがとうございました。そして色々実験&情報収集して「来年の一月には棚を入れ替えようと思ってる」とのこと。実店舗対応+ゴハン屋との共存を、「モダン・クラシック」さんがどのように提示してくるのか楽しみである。お礼を言って席に着き『ホットジンジャー』を注文。ショウガの切り身が入ったその強烈な刺激は、京都・下賀茂神社の甘酒を思い出させてくれた。ちなみに奥のレジ横には、店内閲覧専用の本棚もあります。心身共に温まり表に出ると、店前に佇むご婦人がおずおずと声を掛けてきた。「あの〜ここは何のお店なんですか?」…どうやら外から見ても良く判らない、看板を見ても良く判らない、何やら若い人が集まっている…と言うことで、思い余って声を掛けてきたようだ。古本と雑貨を売っているゴハン屋であることを告げると、その複合形態がよく理解出来ないらしい。何度か同様の説明をして「ハーブ茶とかがあるような喫茶店ね〜」と言うことで落ち着いてしまう。気付けば通りがかる高齢者の方達も、この新しく出来たお店が気になっているようだ。そりゃこの寂れた団地内商店街に、忽然と現れた異空間…興味と警戒が渦巻くのは必至!しかしそこには、その注目度を逆利用して、新たな団地の名物となる道がっ!また来ます。東京出版センター「電話文学散歩/幸尾保之」を購入。
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2009年12月12日

12/12神奈川・相武台前 青木書店


aoki_sobudaimae.jpg今日は、橋本から流れ流れて相武台……。北口を出てロータリーの端に出る。目の前に横たわる『行幸道路』を『相武台前駅』信号の横断歩道で渡り西へ。この辺り特有の白と青の欠片が混ざるアスファルトを踏み付け歩く。『虹をかける街 相武台』と書かれたアーチを潜り抜けたら、次ぎのスーパーの角を北へ。そのまま進むと左手に目的のお店が見えてくる。二階建て四軒長屋の住宅兼店舗。その左から二番目である。隣のお肉屋の焼き鳥の煙が、店頭に渦巻いている…。まず目立つのは、軒にかかる大きな日除け。だらしなくユルユルな上に、その色は紫!何故この配色をっ?前面ガラスサッシの前には三つのワゴンがあり、左から100均文庫・100均コミック・100均単行本が収まっている。内容は“100均”にふさわしい感じである。左右にある出入口の右側から中へ。店内は明るく静かで、奥の帳場では老婦人がパソコンにて作業中…雰囲気は昔ながらの正統派古本屋さんである。左右の壁は本棚、真ん中に背中合わせの平台付き棚が一本。棚はすべて天井まで届いている。左右出入口の間には全集類と小さなラックが置かれ、不可解なグッズ『防鳥ミラー』も販売中。右側通路には未整理本の束が置かれている。右の壁棚は、古典・詩歌から始まり、現代史・文学評論・哲学・思想・社会・宗教・古代史・資料本・辞書と続く。古い本がポコポコと浮き上がるように姿を見せている。一部にはホコリ本もあり。向かいは、日本文学・海外文学・歴史・神奈川本、そしてさりげない充実を見せる数学関連と少量のアダルト…不可解な、理性と本能を闘わせる棚造りである。帳場横の小さな美術棚を眺めて左通路へ。壁棚には、手塚治虫・コミック・日本文学文庫・戦争文庫・時代劇文庫、角を曲がり教養系文庫と新書が並ぶ。お店の向かいの『相武台児童遊園』で遊ぶ、子供達の歓声が間近に聞こえてくるが、決して不快ではなく、むしろこの棚を眺めている瞬間を豊潤にしてくれている…。向かいの通路棚には、囲碁・将棋・趣味・オカルト・実用・山岳・自然・謡曲・伝統芸能・物理・映画・演劇・音楽と並ぶ。下の平台には、100円文庫やビジュアル本。なかなか硬いお店である。2/3が昔からの質実剛健を受け継ぎ、1/3が街の古本屋さんとして柔軟な対応、と言ったところか。値段は普通〜ちょい高。そして今日買った本は、何と定価と同額の古書値…目にした途端、釈然としない思いと共に迷いまくる。定価より高かったら即座にあきらめていただろう。安かったら迷わず買っていただろう。…何だろう?この同額と言う違和感は…。ありえないことではないが、今まで古本屋さんは『本を安く買う所』『読めない本、入手困難な本をプレミア値で買う所』が基本の認識であった。定価で買うのは新刊書店である。本の経年劣化から来る価値の下落と、貴重な古書としてのプレミア度の上昇が、ぶつかり合いプラマイゼロにィ〜!…などと棚の前で懊悩していてもらちが明かないので、思い切って購入することに決定。重い本を手にしながら外に出る。心の中の何かが、焼き鳥の煙と子供達の声に包まれ、抗議の雄叫びを上げていた。晶文社「映画セットの歴史と技術/レオン・バルサック」を購入。
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2009年12月11日

12/11東京・早稲田 立石書店


tateishi.jpg病み上がりである。冷たい雨である。あまり遠くまで行けないのは明白である。と言うことで東西線に乗り、西から東へ。地上に出ると大量の学生と傘の花。苦労しながら『早稲田通り』を西へ向かう。『馬場下町交差点』を渡ると、穴八幡は何やら工事中。それを左に見上げながら、暗い歩道を進んで行く。『最初に出会った古本屋をツアーしよう…』と、あまり知らぬ早稲田古本街ならではの、行き当たりばったり方式!穴八幡の足元をトボトボさらに進むと、目の前に古本屋の灯りが…むぅ?何だ、この坂の途中のお店は!?雨の夜に屋外で、こんなに大量の全集に出会うなんて!て、手強そうだがこのお店に入ってみよう。ビルの横手を見上げると、夜空を切り取る蔵らしき影。視線を戻すと、店頭には全集類がズラリと並ぶ本棚。右側の出入口横に一冊100円の雑誌ラック。壁には発光する白看板、軒には『古本誠実買入』とある余白の多い白看板。その下を潜ると暖かな店内。奥の店主が重い本束をドスドスと返しながら、こちらをチラリ。が、すぐに手元に意識を戻した。店内は横長で奥行きはそれほどない。壁も窓際も本棚で覆われ、真ん中には縦に背中合わせの棚が四本、出入口正面奥に本に囲まれた帳場がある。静かである。聞こえるのは店主が動かす本の音と、雨垂れのみ。入口左横を見ると、そこはディスプレイ棚風になっており、様々なジャンルの本が集まっている。本を手に取ると、挟まれたスリップには『古本けものみち』の文字…ハッ!これは南陀楼綾繁氏の本?何かの特集棚なのだろうか?何も書かれていないので真相は不明。小田嶽夫の本が非常に気になる。その横は大判本やビジュアル本が大量に集まり、やがて音楽・落語・映画・美術となり、左壁に文学評論(漱石充実!)・古典・歴史・古代史と続く。店奥の壁には、民俗学・妖怪・オカルト・宗教・東京・江戸と並ぶ。あぁ、棚を眺めていると病み上がりのせいか、頭がボ〜ッとしてくる。どうやら大量の情報が処理しきれないようだ。ちょっと棚から目を離して休息…しかし周りは本ばかり。しかたなく通路の未整理本束に視線を落とす。これは覚えなくていいので…。左端通路の右側には岩波文庫がズラリ。奥が新で手前が旧となっている。第二通路の左側には、ちくま・中公・講談社学術&文芸を中心に、少しクセのある文庫棚。右側下段の東京&江戸関連が楽しい。向かいには新書(少し隙間あり)や茨城の「ふるさと文庫」が並ぶ。第三通路の左側は、海外文学(古い本あり)・荒俣宏・文化。右側は日本文学・最近刊文学少量・尾崎士郎・出久根達郎となっている。この間に、二人ほどお客の出入りがあり、さらに外からお店の若い衆が戻って来る。第四通路は左右共雑誌と全集で埋められており、「彷書月刊」「国文学」「思想」などが細い背を見せている。右端の通路に入ろうとすると、ちょっと狭めで入り辛い。中はちょっと雑然としているが、一応売り場のようだ。左には雑貨や古本識者の新刊やミニコミがおかれ、右は薄い資料本の棚となっている。何だか独特なお店である。外観から硬いお店だとばかり思っていたが、中は意外と軟らかなのだ。まるでシュークリームのようで、クリームはもちろん濃厚。文庫・新書は安め、単行本は安め〜普通である。帳場に本を差し出すと、そこには『ひねり揚げ』とお茶で一服する店主と若い衆…一気に人口密度が上がった感じ。さらに二人がかりでの、手早い精算作業に恐縮する。外に出て本をカバンに仕舞っていると、入口横にある黒板に初めて気付く。いくつかのお知らせと共に『旅猫雑貨店出張販売中』の文字が。あの入り辛い通路の雑貨は、旅猫さんであったか…。全集だらけの外観からは想像出来ない、柔軟な営業姿勢に感心しつつ、再び冷たい雨の中…。講談社「大東京繁盛記 山手篇・下町篇」を購入。
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2009年12月10日

12/10東京・東高円寺 BOOKS etc. イココチ


ikokochi.jpgよもや東高円寺に古本を売るお店が出現していたとは!流行のブックカフェ形式とのことであるが、何はともあれお目出度い。もう10年以上前だろうか、青梅街道の歩道橋脇にあったお店(調べて見ると「國島書店」…現在、新宿御苑前にあるお店の前身だろうか?)が、ハンコ屋に変わってしまってから、この地は『高円寺』の名を持つ土地なのに、古本不毛の地となり果てたのだった…(もしあったらスミマセン…)。駅から『青梅街道』南側の歩道を東へ。『東高円寺駅前』の信号を過ぎると、すぐにファミリーマートが見える。その先の南へのびる脇道へと入る手前の歩道に、黒いイーゼルが置かれ、カフェのメニューと『ココ右』の道案内。指示通りにその道に入ると、左手にオシャレな外装のお店を発見。レゴブロックのようなタイルに、黄色く塗られた外壁、大きく採られたウィンドウは紅茶のような色合いのガラスが嵌められている。そのオシャレさ&シンプルさに一瞬躊躇するが、中から私の姿は丸見え!こう言う時は、あえてその懐に飛び込むしかない!素早くスクリーンドアのような薄く黄色いドアを開けると、完全なるカフェ対応の店内。淡い彩りの中に二人のお客がおり、カウンター内の若い女性と『ネイティヴな発音について』と言う高尚なテーマの会話を交わしている。カウンターの女性が私の方に顔を向け「いらっしゃいませ」とにこやかに声を掛けてくる。幸い本棚は入口を入ってすぐ左に展開していた。全力でさりげなさを装い「すいません、本を見せてもらってもいいですか?」と聞くと、怪訝な顔もせず、またもやにこやかに「どうぞ」。おぉ、好印象。心置きなく本が見られるのは素晴らしいことだ!左壁際の本棚は、縦三列・横五列の黒いボックス的な形状。上部にはおススメ本が、面出しで数冊置かれている。各ボックスには見栄えを大切にした本たちが整頓して並び、古本・本・雑貨・児童文学・東京・京都・海外・文学・いけばな・建築・デザイン・大判ビジュアル本・北欧などと、ボックスごとにジャンルが細かく分けられている。古い本はほとんどなく、左半分は女性好みのビジュアルムックが核となっている。真横と奥がカフェスペースだが、あまり気にせずに棚を眺められるのは嬉しい。本自体は200冊ほどで、値段は定価の半額かそれ以上。カウンターに本を差し出しながら「ここはいつごろから?」と聞いてみた。「一年くらい前からです」「全然知りませんでした」「この道通る人少ないから。最近キッチンも改築したんですよ」。ちなみに、イベントやワークショップなども頻繁に行っているそうである。突然、古本目当てに飛び込んで来た闖入者を、こんなにも優しく迎えていただけるとは!珈琲飲まなくてすみません。あっ、カウンターを見ると「おに吉」がしっかりと置かれているではないか。これからも蚕糸の森に抱かれて、東高円寺に古本の風をよろしくお願いします。ピエ・ブックス「サルビア東京案内/セキユリヲ・木村衣有子」を購入。


hirano_cleaning.jpg●おまけ・高円寺「平野クリーニング」
高円寺駅の南、『高円寺南四丁目交差点』の東南角にあるお店。その名の通り、本業はクリーニング店だが、店前にはガチャガチャと共に、古本台が設置されている。古いくたびれたコミック・戦国&戦争ノベルス・ビデオなどが並んでいる。ここで本を購入したことは、まだない。
posted by tokusan at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする