2010年02月28日

2/28神奈川・馬車道 本の木 誠文堂書店


honnoki_seibundo.jpg地下のホームは地上の雰囲気を継承し、赤レンガに囲まれた空間。金庫の扉やラジエーターなど、近代建築の遺物が埋め込まれた壁面もあったりする。5番の『馬車道口』から地上に出ると、目の前には重厚&壮麗な『神奈川県立歴史博物館』。そして、もう右手ビルの二階のウィンドウに、本棚の姿が見えている!変わった本棚の姿が見えている!このお店は三〜四年ほど前に偶然見つけたのだが、怖気づいたっきり未だ未入店なのである。ここ二・三日のリサイクル書店続きに食傷気味となり、『しっかりとした古本屋さんに!』の思いをぶつけるために、ついにたずねることにしたのだっ!しかしこの桜木町・関内周辺で、根岸線を越えて海側にある古本屋さんは、ここ一軒のみではないだろうか…。『馬車道』を南西にちょこっと進み、すぐの脇道『南仲通り』を西北へちょこっと入ると、またすぐに二階のお店への入口が出現。白い壁面にはガス灯のような外灯と、白く柔らかな光を放つ店名看板。地に赤と緑で構成された木のイメージが、ボウッと浮かび上がっている。ポッカリと口を開けた一階アプローチには二台の『100円から』ワゴンが置かれ、山岳や硬めの人文本がギチギチに詰まっている。左の本が積み上がる階段から二階へ。入口付近にはすでに本棚が進出し、思想・歴史・文化の単行本・新書・文庫本が収まっている。中は明るく小さな図書館のような雰囲気。出入口の左右は本棚、左壁は本棚、右壁は本棚と帳場、店奥は馬車道からも見えた大きなガラスウィンドウ。そしてフロアの真ん中に、木の素材が暖かな半円形の棚が、二本前後にずらされ置かれている。むむぅ、素敵で優雅な弧を描いているぞっ。出入口の右横には、本の山と背の低い棚あり。店内はキレイだが、所々に本のタワーが建てられ、ちょっと乱雑な雰囲気。各通路も狭めである。BGMは薄く流れるクラシック。出入口の左には、古典文学・日本近代文学・純文学・海外文学の文庫が岩波を核に並んでいる。少量の豆本あり。出入口の右には、文学評論・音楽・芸術が収まり、小さな棚には映画や落語が並んでいる。右奥は建築から始まり、帳場上にビニールに包まれた思想・文化、帳場左の民俗学・郷土と続く。注目の半円形棚には、哲学・思想・心理学・精神科学がズラリ。いよいよ帳場前から、二本の半円棚の内側に入り込むと、さながら貝殻の内部のような、小部屋的空間!しかも並んでいるのはすべてキリスト教関連。歴史・イスラエル・聖書・教理・研究・福音書・日本のキリスト教関連などなど。真ん中の本の島を中心に、思わずクルクル回りながら一周。窓際に出ると、足元には政治・社会関連。背後の半円棚外側には、歴史・近現代史・世界がズラリ。左壁には、アジア関連・触ってはいけないビニール包装本・数学・科学・生物、角を曲がり科学系文庫・山岳・思想系文庫・同時代ライブラリーが並んでいる。硬い!素敵に硬い!古い本も多く、哲学・思想・キリスト教が特に充実。ハードカバー&箱入り本のオンパレード。“モースの硬度計”で計測したくなるほどの、赤レンガのごとくしっかりしたお店です。それでも本を選び取り、白い帳場へと向かう。堀江敏幸が多少もっさりしたような、三十代と思しき男性が座っている。物静かに精算を済ませて外へ出ると、緊張がふーっと緩んで行く。せっかくの横浜なので『新港埠頭』経由で『みなとみらい駅』へ向かうことにする。おっ、『コスモワールド』が津波警報発令中のため、閉園中…橋の上に立つ老人が「津波は来たか?津波は来たか?」とつぶやきながら、水面を見下ろしている…。新潮文庫「博物誌/ノワール」ハヤカワライブララリ「空想自然科学入門/アイザック・アシモフ」を購入。
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2010年02月27日

2/27神奈川・さすらいの横須賀線リサイクル二店!

最初に向かったのは東逗子。前から行きたかったお店があるのだが、たどり着いてみるとシャッター半開き状態。『か、可能性が潰れた訳ではない。もう少ししたら開くのだな…』と考え、時間潰しのためにも、再び横須賀線に乗り込み、長いトンネルを抜けて衣笠へ…。


book-plus-one.jpg●衣笠「BOOKプラス1」
ホームから地下道を抜けて、古い駅舎から外に出ると、広々としているが緩やかに傾斜するロータリー…独特である。そのロータリーを東から回り込み、横断歩道を渡って『衣笠大通り商店街』を東へ進む。200mほど歩くと、お弁当屋と同じ建物に同居したお店にたどり着く…この店名、やはり「深夜プラス1」なのかっ?遥か頭上のアーケード屋根下に、弁当屋が併記された商店街共通看板。軒には隣の弁当屋を包括している、波をモチーフとした看板。白い日除けの下には立看板と安売りワゴンが二台並び、105円文庫・単行本が詰まっている。ドアや看板には『ANTIQUE BOOKSELLER』と書かれているが、ドア上部には堂々と『リサイクル書店』の文字…こっちの方が正しいのだろうな、とドアを開けて中へ。J-POPの有線が流れる細長い店内。山手の「池田屋」や小岩の「高橋書店」風である。両壁は本棚で、右側奥には“コ”の字に組まれた棚が四連続している。真ん中には背中合わせの棚が縦に三本置かれている。途中、流れを堰き止めるようにレジがあり、その奥はアダルトスペースが展開。棚や壁の所々に、絶版漫画表紙の拡大カラーコピーが貼り付けてある。左の通路はコミックで埋められ、一部にラノベが並ぶ。右壁棚は入口側がゲーム・DVDのラックから始まり、続いて文庫・新書の105円棚。四連“コ”の字棚には、1→海外文学文庫(映画原作本多し)・105円文庫、2→ノベルス・ハーレクイン・作家50音順日本文学文庫、3→作家50音順日本文学文庫、4→時代劇文庫と並ぶ。足元には数個の箱が置かれ、ムック・おもちゃ・200均時代劇文庫などが詰まっている。向かいの通路棚には、105円文庫・ゲーム攻略本・絵本・サブカル・文学・文化・思想・宗教(古い本多し)と収まる。アンティークと言うよりは、やはりリサイクル。文庫は絶版が無造作に紛れ込んでいるので、探す楽しみがある。均一以外は定価の半額前後。エプロンのご婦人に優しく応対していただく。角川文庫「東京デカメロン/末井昭」を購入。


furuhon_yomimasenka.jpg●逗子「古本よみま専科」
広々とした駅前には二つのロータリー。冬のせいか勢いの感じられない棕櫚の木を眺めながら、ロータリーの間の『天橋立』のような歩道を南へ下る。そして南西にのびる『逗子銀座通り』へ入り込む。古くさいお店が並んでいるが、海水浴場への通り道のためか、活気にあふれ力強い。低い歩道のアーケードが特徴的。ウネウネと曲がる商店街を通り抜けると、『銀座通り入口交差点』。北にのびる『池田通り』に入ると、道が曲がり始める左手にお店の姿が見える…店名はまぁ駄洒落である。ヒゲ文字と勘亭流で書かれた看板の下には、本を読む女の子のイラスト…お店のマスコットキャラクターであろうか。その下の側板がたわんだ三本の棚には、100円コミックがズラリ…またしてもリサイクルの香りである。傷だらけで曇った自動ドアから中に入ると、スチール棚と市松模様の床が広がる店内。コミックを持ち、ヒゲを生やした壮年の店主が、棚の間を歩きながら「いらっしゃいませ」。サッと店内を見渡すと、右側からゲーム・CD・DVD・コミックが並び続け、古本は左端の通路に追いやられている模様。出入口の左横には、新書・実用・サブカル・コンビニ本・安売り文学本・ハーレクインが並び、『250円以上の本、3冊以上お買い上げの方には1冊につき50円引き』の貼紙がある。左壁棚には、女流作家文庫・作家50音順日本文学文庫・官能文庫(値引対象外の注意書きあり)・時代劇文庫と並び、下に作家50音順105円文庫がズラリ。作家名の札が大量に挿し込まれ、棚を細かく分けているのがスゴイ。向かいは出版社別海外文学文庫と文学単行本棚となっている。やはりリサイクルな新古書店であった。均一以外は結構ピッタリキッチリの定価半額である。アダルトコーナー入口に貼られた『下見の方は10分したら退出して下さい』のお願いが涙を誘う…下見って…。P-Vine Books「新宿駅最後の小さなお店ベルク/井野朋也」を購入。

衣笠から東逗子に戻り、いそいそと目的のお店へ向かう…おぅぅっ!シャッターが完全に閉まっているぅ〜。これにはかなり落胆。仕方なく逗子へと向かってツアー続行…結果二店ともリサイクル書店気味で、古本屋魂が不完全燃焼……うぅっ、ガルルルルルル…。と言うわけで逗子駅前で「帰帆サブレー」なるお菓子を購入した後、帰宅。
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2010年02月26日

2/26東京・田端 古本屋の中村


furuhonyanonakamura.jpgダイナミックな吹き抜けのホームから北口へ。中空のロータリーを北東へ進み、広場のような『田端ふれあい橋』を渡る。足の下には『田端操車場』へと続く線路。渡り切ったところで、右にある階段をぐるっと下りて、道路高架の下を潜る。下の通りを、下り始めた高架に沿って南東に進むと、東にすぐに『東田端一丁目商店会』と言う商店街が現れる。ポツポツと年季の入った看板建築が並ぶ通りを進んで行くと、右手のマンションに『本CD』と書かれた赤い看板が目に入る。コンビニチックと言うか、リサイクル古書店感が満点な店構えである。軒には横長の白い看板が展開し、本のマーク・店名・取扱品目などが書かれている。大きく採られたウィンドウには、オレンジ・白・青の三色ラインが入っている。左の出入口は奥まっており、週刊漫画誌が積み重なるラックが置かれている。中は広めだが、フロアの本棚が視界を遮っている。左奥のレジでは、女性二人がキビキビと労働中。真ん中のコミック&CD棚をメインとして、店内各所に古本が配置されているようだ。まずは出入口正面に平台付きミニラックがあり、最近刊文学・ミステリ・ビジネスなどが並んでいる。その左の凹んだ小部屋的壁際には、200円単行本・日本文学・ミステリ&エンタメ・ノンフィクション・男性実用・ビジネス・時代劇文庫・歴史が収まっている。今日は雨降りのためか、安売りワゴンがここに押し込められている。それにしても蛍光灯が切れかかっているせいか、目がチカチカ…。続いて出入口右横の窓際に移動すると、児童文学・絵本・旅・紀行・ペット・占い・音楽・タレント・スポーツ・美術が並んでいる。さらに続いてコミック棚の間を擦り抜け、右奥へ移動。うわぁ〜ここも蛍光灯が素早く明滅…クラクラ…。右壁棚に、文学評論・文化・民俗学・歴史・戦争、そして奥に突然の美少女コミックと官能小説。向かいの通路棚には、政治・教育・雑学などと細かく分類された、文庫と新書が肩を並べる。端にはノベルスも。そして棚脇に細めの本棚が置かれ、純文学文庫・岩波・ちくま・講談社文芸・教養系文庫が収まっている。次の通路には作家50音順日本文学文庫。そして店奥壁に、映画・海外文学・辞書・ラノベと続く。予想通り新しい本が中心だが、古めの本もチラホラし、棚造りもしっかりしている。値段は定価の半額前後。精算を済ませて出入口扉に手を掛けると、そこに一枚の貼紙があり『12月から店名が変わりました』と書かれている…と言うことは、ここは別のお店だったのか。う〜んチェーン店っぽいなぁ…と思い後で調べてみると、「ブックマート田端」と住所が一致。一体何がこの古本チェーンにあったのか…撤退か?独立か?どちらにしても、せっかくくびきから解き放たれたんです。今後個性が出てくれば面白いことに!岩波文庫「久生十蘭短篇選/川崎賢子編」を購入。
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2010年02月25日

2/25東京・新宿&中野 路上古本販売


rojyo_s_n.jpg路上でその日発売の漫画誌を安売り…大きな駅近くで、良く見かける光景である。普通に我々の生活に、システムのひとつとして入り込む路上のお店。それを見て、ある日突然思ってしまった…『これってもしや古本屋なのか?』。もちろん正規なお店ではないだろうし、古本屋として捉えるのはちょっとズレているかもしれない。しかしとにかく古い雑誌がが売られているのだ!ましてや最近は、文庫本やノベルスも並び始めているのだ!そう思い、その考えを確かめるべく街に出ることにした。だが、いざ行こうとすると、場所が何だかボンヤリしている…あまり目立つところではなく、エアポケット的な場所で開店しているためだろうか。何とかたどり着けたのは、新宿駅南口近くと、中野駅北口近くの二ヶ所のみ。いつもより写真撮影が難しく、バレないことを願いながらドキドキ隠し撮り…私はいい年をして何をやっているんだ…。新宿はひとりの男が店番をし、ベニヤで造った平台の上に雑誌を並べている。横に箱も置かれ、文庫や廉価コミックが収まっている。途中、キャリーバッグを転がした男性が現れる。お客さんではなく、どうやら本を売りに来たようだ。店主はファイルのような厚い紙の束を手にし、男性と取り引きしている。むぅ〜恐らくは拾い集めた雑誌なのだろうが、私達の目には映らないネットワークを感じさせる瞬間である。一方中野は、いつも二〜三人の年配の男性が、立って店番をしている。こちらは路上に敷かれたシートに雑誌が並ぶ形態。横には箱が置かれ、文庫本やDVDが収まっている。ここは中央線の車窓から見下ろせるのだが、いつも人影の絶えない人気店である。雑誌が売れるそばから、近くの袋倉庫から本を補充してゆく。台車やキャリーケースを常備しているところを見ると、開店や撤収は迅速なのだろう。一体何処からやって来るのだろうか…?二店しか見つけられなかったが、やはりこの手のお店にあるのは“利”のみである。その日発売の漫画誌を素早く安値で確保し、素早く売りさばいてゆく。日が経てば経つほど、消耗品である雑誌は価値を下げ売れなくなるのである。その日に高く積み上がるほど雑誌を仕入れるには、多くの人手と供給場所が必要なはずである。私がよく利用する駅では、ホームレスと思しき人が、両手に大量の雑誌が詰まった紙袋を提げ、ゴミ箱を探る姿を目にする。ここ二年ほど同じ人なのだが、同様な人が多数おり、担当地区を持って勤勉に収集しているとしか思えない。そして、一体どのくらい同じような組織があり、その縄張りやつながりはどうなっているのであろうか…。私がそれを知る術はなく、調べるつもりもない。しかし私はあのお店たちに、戦後の銀座などに並んだ『路上の古本屋』を幻視してしまう。もちろん成り立ちも、売っている本も似て非なるものである。しかしそれでも、路上に潜んでいるあのいかがわしいお店は、限りなくその存在が魅力的なのである。いつの日か漫画雑誌ではなく、欲しかった文庫本と出会えれば、どんなに楽しいことであろうか。そんなかすかな希望を持ち、路上店を見かけては、ちょっと覗き込んでみたりしている。
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2/24東京・新宿 Brooklyn Parlor


brookryn-parlor.jpg東口から『新宿通り』を東へ。『明治通り』を越えてちょっと歩くと、右手に『新宿マルイ アネックス』のピカピカなビルが見えて来る。尚、地下道から来るなら、丸の内線・新宿三丁目駅を越えて『C1出口』が一番近い。目指すお店は地下一階の『音楽・本・食』が融合した、『ブルーノートジャパン』プロデュースのブックカフェ。すでにビルの手前に地下へのエスカレーターがあり、お店のロゴと『MUSIC CAFE BOOKS EATS BAR』の文字がシックに誘導中…限りなくオシャレの予感…。エスカレーターに乗ると、壁にはブルックリン橋の巨大な写真壁画…この先はマンハッタンなのかっ!?それとも今いた場所がマンハッタンかっ?と勝手に無意味な緊張を高めて行く…。下りた所にはオレンジの巨大看板。左に進むと、太い木枠のウィンドウ&扉。そして不揃いの荒々しいレンガ壁には、金色の金属板で造られた看板。上部の繊細なロゴ細工が秀逸。扉横に置かれた丸テーブルには、手書きのボードが置かれ、そこにはお店の簡単な説明がイラストと一緒に書かれている。この時点で緊張感はマックス!…そこにボードの『立読み大歓迎デス』の文字を発見…と言うことは席に着かずに本だけを見てもOKなのだな!では強行突破あるのみっ!重い扉を開き薄暗い店内に滑り込むと、『ワッ』と喧騒が襲い掛かる。広い店内にはテーブル席が多数配置され、平日の昼間だと言うのに、ほとんどが若者たちで埋まっている。恐ろしいほどの繁盛ぶりである…私は全然関わらずに暮らしていたのだなぁ。右壁側から奥への視線を遮るように、荒い木材の棚が飛び出している。ディスプレイ用の洋書古本に混ざり、ロバート・フランク、レム・コールハウス、アンディ・ウォホールなどのアメリカ絡み本が飾られている。そこを過ぎると右壁に沿ってレジがあり、そのまま店奥まで壁棚が展開して行く。店員と擦れ違っても未だ声は掛けられない…よし!このまま続行だ!荒く大ぶりな木材の棚には50ほどのボックスが造られ、独特なジャンル名で括られた、大判本・ビジュアル本・単行本・新書・文庫・コミックが平等に分け隔てなく、明確なつながりを持って並んでいる。『建てもの』『家の中のもの』『ぎりぎりの創作』『働こうかな』『男の生き方』『女の生き様』『不思議な話』『本の本』『ニューヨークニューヨーク』…などのジャンルが上手さを放棄した字で書かれている。通常の視点から見ると、建築・グラフィック・写真・旅・芸術・エッセイ・恋愛・ファッション・思想・文学・本・音楽・CD・アメリカ・ニューヨーク・東京・村上春樹と並んでいる。奥のステージ横には背中合わせの棚があり、動物・昆虫・映画が収まる。真ん中の柱の周りには、絵本・児童文学・家族・食の本が集まっている。左側には白く長い雑誌ラックもあり。店内で本を見ているのは私のみ。座席の背後で棚前に立っているのだが、正当な行為であるはずなのに、心は孤独な極地状態…しかし棚は意外に見易い。ちゃんと席に着いてオーダーした後、棚を見るなら堂々と振舞えるのだろう。ほとんどは新刊で、古本は1/5ほど。青山一丁目の「BOOK 246」や渋谷の「SHIBUYA BOOKSELLERS」と同質な香り。棚造りは独特で丁寧だが、手取り足取り過多と言うか、道は多方向に広がっているのだが、近道が多過ぎる感じである。知識の登山口ではなく、知識のコンビニ的…しかしこのコンビニエンスな方向が、若さゆえのアプローチと言えるのかも…。気が付いたら身体から汗が噴き出している。レジで精算を済ませて外へ。春の近付いた外気が、心地良く服の間に入り込み、一気に体温を低下させて行く…。白水社「ビールと古本のプラハ/千野栄一」(新刊)を購入。
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2010年02月23日

2/23東京・西八王子 古本 一歩堂


ippodo.jpg2009/11/23以来のの西八王子。今回は北口から出ると細長い駅前広場。東から銀杏並木の『甲州街道』へ抜けて北東へ。『千人町交差点』から『市役所通り』に入り、八王子市役所に向かってひたすら北へ。焼却灰レンガの敷き詰められた歩道を進み、『日吉町』の交差点で『陣場街道』を越えると、100mほどで右手にお店が見えて来る。一階に店舗がある、ほぼ住居のような建物である。路上に出た店名立看板と、サッシの向こうの本棚が無ければ、素通りは確実であろう。扉横に生えた黄色い実のなる木を、好ましく思いながら店内へ。奥からテレビの音が聞こえてくる。そしてニット帽&黒縁メガネの鈴木清順風老店主が、帳場にスッと腰を下ろす。店内は左右に分かれており、入口付近からは向こう側の様子を伺うことは出来ない。壁際はビッシリと本棚、真ん中に天井までの背中合わせの棚が一本。左右の行き来は奥の帳場前でしか出来ない。左側は複雑な構造になっており、手前・奥ともに背中合わせのラックが真ん中に置かれ、帳場側のラックが壁棚へとつながり、左端壁際に行き止まりの通路を前後に二本造り出している。右部屋からツアースタート。壁棚は入口側がコミック、帳場側が美少女コミックで埋め尽くされている。足元にもコミックの山が連なる。左の通路棚は、カオス並び文庫・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・講談社学術文庫・ちくま文庫・官能文庫・講談社文芸文庫・岩波文庫・新書・タレントムックと並んでいる。こちらも足元に雑誌・文庫・単行本の山が連なる。文庫は絶版が程よく混ざっているので、じっくりしっかり見る破目に。狭い帳場前を通り過ぎて左部屋へ。真ん中の通路棚は、文学評論・思想・日本文学・海外文学・詩歌などが、ちょっとカオスにズラッと収まり、奥に宗教・美術・釣り・図録などが集まっている。左部屋をさらに分ける真ん中のラックには、入口側がアジア関連・世界・美術、帳場側が文学・戦争・民俗学と並んでいる。帳場横には充実の東京(文学散歩系充実!)&多摩本。そのまま左壁にまたもや東京・江戸・歴史と続き、少量の辞書と充実の民俗学が行き止まりの通路を覆っている。途中の古い日本文学文庫を眺め、入口側左奥通路へ。ここには、落語・映画・山岳・自然・動植物・写真・料理・占い・囲碁・将棋・書・化石・新書・古い海外文学文庫が集まる。ふぅ〜む、東京本と民俗学が充実した、侮れないお店である。東京のコーナーに、ゲーム「東京魔人学園剣風帖」の副読本「東京異譚―東京魔人学園剣風帖紀行」が並んでいるのは、賞賛に値する棚造りです!値段は安〜ちょい高と様々。単行本類には比較的しっかり値が付けられている。狭い通路を縫うように戻り、帳場に本を差し出す。老店主の居場所は、分厚い多摩史が迫り来る隙間。値段を確認すると、嬉しい100円引き!「よろしいですか?」の言葉に「ハイ、ありがとうございます」と即答。そして本を包みながら「今日はだいぶ暖かいですね。ずーっと寒かったですからねぇ」「そうで…」と答えてる最中に「こんな風に暖かくなると、外も歩きやすくなりますねぇ」「今日は暖か過ぎ…」「春になったらまたお越しくださいね」…「ハイ…」と本を受け取る。滔滔と流れる演歌の前説のような語りに、まったく食い込めず…。それでも心は晴れやかに外へ。西八王子には、後一軒行きたいお店があるのだが、この日も立ち寄ったら店内は暗いまま…やってないのか?しかしあきらめずに暖かくなったら再訪します。大和書房「世界の廃墟物語/五島勉編」岩波新書「日本の天文学/中山茂」を購入。
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2010年02月22日

2/22東京・吉祥寺サンロードでさようなら一店健在なり一店!

ネットで目にした「さかえ書房」閉店の話!いつでも行けるとウカウカしてたら、取り返しのつかない事態に!矢も盾もたまらず自転車に飛び乗って吉祥寺へ。…私は果たして間に合うのか…?


sakae_shobo.jpg●吉祥寺「さかえ書房」
駅北口のロータリー左端から北にのびる巨大アーケード『吉祥寺サンロード商店街』の中央にある。…が、しかし!お店の前面にはすでにネットが掛かり、内装の工事が始まってしまっている!…間に合わなかったぁー…遅刻だ…アウトだった…。まさか伊勢丹吉祥寺店より早く閉店してしまうとは。ネットの向こうには、本棚がすでに取り払われた、寂しい店内が見えていた。唯一ここが古本屋さんだったと認識出来るのは、もはや遥か頭上の二階部分にある、アーケード共通の店名看板のみ。そこには『古書買入 さかえ書房』の文字。道行く人は店舗に一瞥も与えず通り過ぎて行く。あのガラスウィンドウのあるお店で、私が最後に買ったのは、向井透史氏の「早稲田古本屋街」。その時の、金子光晴の書画が印刷された包装紙は、今でもしっかり手元に残してある。そこには「書は以って心の糧とすべし」…。店前からさらに北へ進み、横断歩道を渡った所にある、商店街の巨大案内地図を眺めてみる。すでにお店の名前は消され、お店の場所は真っ白になっていた。長い間お疲れさまでした。


toguchi.jpg●吉祥寺「外口書店」
悔やんでも悔やみきれないので、すぐ近くにあるお店へ向かう。北口ロータリーから『サンロード』に入り、50mほど北に向かうとそのお店はある。「さかえ書房」とかなり近いので、それほど古本屋さんを意識していなかった昔は、どちらがどちらのお店なのか、この通りにあるのは一店なのか二店なのかが、こんがらがっていた覚えがある。大理石調パネルの外壁、軒に楷書体の看板文字。出入口に扉は無く、店頭にはイベントのポスターが三方に貼られた木製ワゴンが置かれている。中には200均の文庫・単行本・新書。左右出入口の左から店内へ。左右両壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、店奥に帳場のシンプルスタンダードな構成。帳場にはパワフルな雰囲気を醸し出す白髪のオヤジさんがひとり。キレイで明るい店内には、通りからお客さんも多く流れ込む。左壁棚は大量の経済・経営・仕事本から始まり、全集・国際社会・科学・宗教・辞書・語学・歴史・風俗・建築・芸術と続く。向かいには、新書・ハーレクイン・ノベルス・岩波やちくまなどの教養系文庫・時代劇文庫、下には雑誌類が平積みされている。店主が両肘を突き、組んだ手の上にアゴを乗せている帳場の下には、左に東洋文庫・右にアジア関連の本棚。右側通路奥の帳場横には、300均のノベルス・文学本の本棚が横向きに置かれている。後ろの壁には写真集や大判本、右壁棚に文学評論・探偵小説・日本文学・思想・文化・海外文学・最近刊日本文学・ノンフィクション・サブカル・趣味・実用と、入口に向かって並んでいる。向かいは海外文学文庫・官能文庫・日本文学文庫・ホラー文庫・女流作家文庫と収まり、下には箱に詰められた海外文学文庫と雑学文庫。古い本はあまり無いが、しっかり街の古本屋さんとして機能しているお店である。ビジネス関連の充実が特徴的で、値段は普通〜ちょい高。本を買うと、江戸名所図絵「井頭池 弁財天社」「小金井橋春景」が印刷された書皮を掛けてもらえます。粋!文春文庫「マルサン-ブルマァクの仕事/くらじたかし」を購入。

『いつまでも あると思うな 古本屋』…時計はジワジワと進んでいる。新しく生まれるお店もあれば、当然消えて行くお店もある…大きな流れから見れば、所詮は瞬きの瞬間に等しい出来事。それでもツアーを続けて行こう!例えそれが足跡しか見つからないとしても。時代の瞬間しか切り取れないとしても。そしてなるべく遅刻しないためにも!まだまだ行くべきお店は、この日本に散らばっているのである。
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2010年02月20日

2/20東京・五反野 古書売買 秀画堂


shugado.jpg北千住駅の心が切なくなる発車メロディを聞きながら、東武線に乗り換える。右に東京拘置所の異様な圧力を感じながら、2009/07/30以来の五反野。改札を出て『五反野駅通り商店街』を南西に進み、『五反野駅前交差点』を西北へ。しばらくツラツラと進み、次の神社脇の信号を再び南西へ。次のひとつ目の信号に着いたら、薬局とクリーニング屋の間の道を西へ…するとすぐに、古本屋魂を激しく揺さぶる光景が目の前に現れるっ!「うぉ〜」と思わずフツーに言ってしまい、『当たりっ!』と心の中でファンファーレ!簡単に言えば、そこにお店は無い。あるのは古い民家…平屋・板塀・瓦屋根…今ではむしろ見掛けなくなった、懐かしさに溢れている。しかし!住宅街の裏路地の板塀の前には、ズラリと古本の詰まった箱が並んでいた!その数12。何だ、この軽く道を踏み外した光景はっ!?すごい、スゴイぞ!楽しいぞっ!板塀には『あおぞら古本市』『本買います』『古本お売り下さい』などの貼紙。奥の広い通りには店名入りの木製看板…「デカダン文庫」の物と同形状である。…が、しかし民家。一段高くした緑色のプラボックスには、推理・ミステリ・時代劇・海外文学の文庫が詰まっている。右端には音楽CDとコケシなどの入った箱もあり。板塀の真ん中、門部分にある『営業中 中にもございますので、ご自由にお入りください』の言葉を信じて中へ…完全に人の家だ…京都の「山崎書店」とは違った緊張が背中を走る。そこは家と塀の間の横長な狭いスペースで、右には葦簀に隠された隠し切れない洗濯物たち、玄関の右に一本左に二本のスチール棚。そしてこの空間を取り囲むように、表と同様の箱が並んでいる。こちらには19個。ミステリ・SF・日本文学・純文学・官能・時代劇・岩波・中公などの文庫がギッシリ。スチール棚には新書と文庫揃いが収まっている。本は70年代〜現代が中心。基本的には安いが、いい絶版文庫にはしっかり値が付いている。少しジャリジャリしているものもあり、窓の向こうに見える本棚から察するに、家に置く必要のない本から売り始めているのかも。本を手に会計場所でもある玄関に入り込むと、「いらっしゃいませ」と上がり框から優しげな男性店主が降りてきた。土間にはミニカウンターが増設され、視線を上げると壁を覆う本棚が目に入る。精算しながら「あの、ここは家全部がお店なんですか?」と聞いてみると、笑顔を見せながら奥の右側を指し示し「こっち二部屋は家」続いて左側に手をやり「で、こっちが本。三万冊あって、もう収まんない。アハハハ」と斬新な状況を陽気に説明。思わず「いや〜外から見るとスゴイですよ」と失礼を承知で言うと、「アハハハハハ」と帰って来たのは笑顔と笑い声のみ。そして「また遊びに来て下さい」の優しい言葉。あ〜〜このお店に来たら、本当に人の家に遊びに来る感覚だな。と考えつつ路上に出て、この奇観を再び楽しむ。“古本が”と言うより、シチュエーションがとにかく楽しめるお店である。むぅ〜ゾクゾクする。こりゃ今晩夢に出てくるな…。※後の調べによると、このお店は中野駅南口の路地にあった「秀画堂」が移転したものと判明。いつのまにかなくなった…と思ってたら、こんな風に再び出会えるとは。古本屋の神に感謝!ハヤカワ文庫「消えた神の顔/光瀬龍」集英社文庫「はるかな町/三木卓」を購入。
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2010年02月18日

2/18東京・野方 こたか商店


kotaka.jpg札幌から戻り、二日間で溜まってしまった仕事を片付ける。するともはや夜。となればツアーは夜に営業しているお店しかない。よし!目をつけていた野方のあの怪しいお店に…。野方は以前は何軒か古本屋さんがあったようだが、今は「DORAMA」「BOOK OFF」などを除き古本砂漠地帯。とにもかくにも古本を販売するお店が出来たのは嬉しいことだが…。心に一抹の不安を抱えながら、この間から異音を発する自転車にまたがり、街を疾駆…。駅から『野方駅前商店街』を南へ。やがてぶつかる『野方本町通り』を西へ。ちょっと進むと、風景に豊かさを与えてくれる三叉路が現れる。迷わず右の道を選んで進むと、右手にオレンジと白のだんだら日除けを備えた『野方文化マーケット』に到着。おぉ、夜なのでシャッターはほとんど閉まっているが、昔は良く見掛けた、商店が一つの建物内に集まるミニマーケットである。一言で言おう!素敵!二ヶ所の出入口があり、中では通路が“U”の字を描いている。その西側の出入口脇に、ライトに照らし出された黄色の立看板が置かれている。店名と『リサイクル 古着 古本』の文字と共に、古着・テレビ・似顔絵・ニセアンパンマン・ニセミッキー・キリンなどの絵が描かれている…怪しい…際限無く怪しい…。通路に目を移すと、鮮やかな原色が踊るアフリカのマーケットのような店頭。通路には多数の古着や帽子などが並び、頼りなげな棚に並んだ本も見えている。さらに手前には、店名と巨大な手の描かれた台に「この方法で生きのびろ!」「お笑い革命日本共産党」などの本が飾られている。そして横に『貧乏神』と大きくパッチワークされた、ナゾのオブジェが屹立…獰猛な不安が私の心を齧って行く…。軒部分にはブルーシートが張られ、店名看板・お面・扇子・象のジョウロ、そして『BOOK OFFが好き。』と書かれた紙が飾られている…店からは物悲しいジンタの音が響いて来る。は、入りたくない!出来れば接触せずに過ごしたい!入らない方がいいのでは?もっと自分を大事にすべきでは?などと思いながらジリジリと牛歩。少しずつ自分を慣らして行く。まずは店頭の棚をあくまでもさりげなく眺めてみる。メトロノーム(実物)・薬物関連・精神世界・背後霊・サブカル・アフリカ関連などが並ぶのを確認。やっぱり怪しい…一般的な世の中との接点がほとんど見られない棚造りである。意を決して店内に入ると、古着やカラフルな布が垂れ下がる小さな店内。左側と左奥の階段前に本棚があり、後は雑貨棚や椅子が置かれている。店主は左の布の向こうにいる気配…視線を遮る布に感謝し、ツアー開始。左には「ヘリウッド」「薔薇の葬列」「白昼の通り魔」「エルトポ」などのカルト映画ビデオと共に、カルトコミック・ムック・宇宙・UFOの本。奥の棚にはサブカル全般・タレント・エロ・宗教・プロレスなどが収まる。テリー伊藤本多し。そのまま雑貨棚に移ると、古本と同じく奇天烈な物品が目白押し!まずは「詩吟エレクトロマシーン」!こ、これはかなり気になるぞっ!一体どのように使用するのかっ?あぁ、作動させてみたい…。他にも「何かの金具」「誰かの歌集(手書き)」など、買うには相当の勇気を必要とするモノが陳列されている。そんな中に、監獄関連本やB級映画ポスターが混ざり込む。本はすべてビニールで包まれており、値段は表に貼られている。とにかくサブカルと言うか、怪しいB級C級テイストの本ばかり。中野の「タコシェ」に近い感じだが、蔵書量も少なくチープで猥雑で、お店の内装と絡まり合い、まるで個人の頭の中を覗いているようである。周りのお店はこのお店のことをどう思ってるのかなぁ…ハッ!それで18:00〜24:00と言う営業時間なのか?かち合わないようにするため?と勝手に妄想しながら、本を手に布の向こうに声を掛ける。「ハイ」と黒縁メガネを掛けながら出て来たのは、まだ年若い店主。これは…立看板の似顔絵は店主の顔なのか…。しかしお店の怪しさとは反比例の丁寧な応対に、ホッと胸を撫で下ろす。よし、一回入ればこっちのものだ。面白そうだから、またしばらくしたら覗いてみよう。詩吟マシーンの行方も気になることだし…。新潮文庫「ありきたりの狂気の物語/チャールズ・ブコウスキー」を購入。
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2010年02月17日

2/17北海道・琴似 古本と喫茶 ソクラテスのカフェ


sokurates.jpg今日は仕事で札幌行。飛行機に一時間半ほど乗ると、そこはすっかり雪景色。晴れてはいるがマイナス温度の世界…。早速仕事場から消え入るようにス〜ッと脱出。何だか走りやすい雪の上を、それでも気をつけながら小ダッシュ!地下鉄・琴似駅から凍った地上に出て、『琴似栄町通』の西側歩道を南へ。右に『西区役所』、左に『琴似神社』を眺め、さらに進むと『琴似2-7』の交差点脇のビルに、目指すブックカフェの入口を発見。その『地下名店街』入口には大きな看板が設置され、周りに小さなイベント告知の立看板も置かれている。大看板には『60〜70年代の文芸書を中心に3000冊の蔵書』などと書かれている。左に折れ込む階段を下ると、そこにはすぐにお店の入口。ショウウィンドウには美術作品が飾られているが、地下名店街の雰囲気が勝っている状況。喫茶店風の扉を開けると、右に展開するカウンターから、明るい「いらっしゃいませ〜」の輪唱。年配のご婦人と若い女性が優しく微笑んでいる。店舗は横長に展開し、中央のフロアを中心に、本棚の裏に隠れるように座席が配置されている。右奥にはギャラリーもあり。出入口通路左横に三本の棚、座席への二つの入口横に四本の棚、カウンター横にL字に組まれた二本の棚、右奥にもL字に組まれた四本の棚がある。お客さんはひとりしかおらず、静かでカフェの割には意外に落ち着ける店内。カフェと言うよりは完全に喫茶店である。しかし棚の見やすさは特筆モノ!古本を売るからにはカフェと言えども、棚はしっかり見えなければいけない!…と思う!取りあえず気持ちを落ち着け、奥のボックス席にひとりで腰を下ろす。ホットミルクを注文した後、即座に席を立ち棚に突撃。出入口横には、海外文学・日本文学・全集が並び、奥の壁には評論・ノンフィクション・エッセイ・北海道本・ミステリ&エンタメ・現代文学。カウンター横には岩波文庫・岩波新書・作家50音順日本文学文庫。右奥には海外文学文庫・時代劇文庫・SF文庫・児童文学・大判ビジュアル本が収まっている。シェイプされ目の行き届いた棚が続いて行く。本は70年代〜のキレイな本が中心。そんなに珍しい本があるわけではないが、毎日訪れれば何か見つかりそうな予感と、値段が安いのが魅力的。岩波文庫&新書のみが定価の半額で、他はほとんど定価の1/3となっている。本を選んで席へ戻り、ホットミルクで身体を温める。パラパラとページをめくるが、あっという間に戻る時間となりました。カウンターでミルク代と本代をご婦人に支払い、ショップカードを手に取ると、そこには本を手に持つステレオタイプなソクラテスのイラスト。恐妻家ということを、おくびにも感じさせないファンシーな姿を晒している。外に出ると、途端に寒さが全方位から襲い掛かる。雪の交差点の上には。氷片のように薄い下弦の月。自分の吐く息に包まれ、カカトでしっかり雪を踏み締め、あぁ仕事場へ!幻影城「匣の中の失楽/竹本健治」を購入。※後で調べると古書価が大体5000〜10000円。それが何と430円!あぁ、こう言う時もやっぱり嬉しいのが私の限界なのでした。
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2010年02月15日

2/15東京・新小岩 Old Book Zeus


zeus.jpg南口に出ると、先ほどより強くなった雨が降るロータリーは、帰宅を急ぐ学生でごった返している。東の『平和橋通り』へ向かい、歩道橋を駆け上がる。通りにナナメに架かる橋を渡り、東側の歩道へ。そこから通りを南東に進み、ひとつ目の歩道橋同様ナナメな脇道『小松通り』を東に進むと、すぐに左手にお店が見えて来る。この辺りの道の直線とナナメの違和感は、新旧街路のせめぎ合いっぽいなぁ。お店はコンクリ打ちっ放しビルの一階で、店舗部分だけガラス張りになっており、ビルの解剖図解を見ているよう。軒部分にはカフェバーのような爽やかな水色の店名看板、路上にも同色の立看板が置かれている。それにしても、ギリシャ神話の神の名を冠したこのお店…日本風に言えばさしずめ「古本 アマテラス」と言ったところか。前面の右側部分は少し奥まっており、レンガが敷き詰めれ、ちょっとした花壇スペースもある。が、愛でるべき植物は一本も生えておらず、代わりにネコ避けの黒いトゲがビッシリと生えている…かなり近所のニャンコの悪さに困っているらしい…。ガラスに貼られた「泪橋古書展」のお知らせと「あしたのジョー」のコピーを眺めて店内へ。有線放送がやかましく流れ、微動だにしないお客さん一名が立読み中…。左右の壁は本棚、右側は入口側に“コ”の字に棚が組まれており、奥にはアダルトゾーン、真ん中には背中合わせの棚が三本、入口左横にワゴンとラック、奥にガラスケースと帳場があり、横向きにパソコンを操作する店主の横顔が見えている。ワゴンには60円均一のコミック、ラックには江戸関連ビジュアルムック・絵本・児童文学が並ぶ。壁には「ハンター×ハンター」のセル画が一枚。全体を見渡すと棚のほとんどは、コミック・廉価コミック・コミック文庫となっている。お目当ての古本は“コ”の字棚の四本に集められている。作家50音順日本文学文庫(70年代純文も多し)・赤川次郎・海外ミステリ文庫・教養系文庫・岩波文庫・探偵文庫・時代劇文庫・官能文庫・海外SF文庫・新書・ハヤカワポケミスなどである。冊数は少ないが、ちょこちょこ面白い本や古い本が混ざり込み、しっかりとしたセレクト棚であることを感じさせてくれる。値段はほとんどが100円だが、ビニール入りのものはそれ以上の値付けがされている…それでも安めである。通路棚の一部に映画本&芸能が収まり、レジ周りのガラスケースには、絶版漫画・映画パンフ・角田喜久雄・「吸血鬼ドラキュラ」小説・「猿の惑星」小説などが飾られている。コミックやアダルトに関しては街の新古書店と言えるが、古本部分はしっかりとポリシーの見える棚造り。このまま棚を広げれば、面白そうなお店になりそうだが、あえて抑制している雰囲気。どうやら古書展などの方が、本領発揮していそうである。文学津和野刊行会「文学 津和野」ちくまプリマー新書「西洋館を楽しむ/増田彰久」を購入。
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2010年02月14日

2/14東京・国立 ふるほん ゆず虎嘯


yuzukosyo.jpg二日連続で机にべったり……こりゃおかしくなってしまう!と2009/12/18のコメントを基に、夜&週末しか開いていないお店へ行くことを決意。早速晩御飯も食べずに、中央線に乗り込み西へ。夜もやっているお店に向かうのとは違い、夜にならないと開店しないお店を目指すのは、何故だか寂しい気持ちに襲われる…すでにセンチメンタルトラベラー気分。駅の高架ホームに立つと、いつの間にかロータリーが見下ろせるようになっていた。南口からそのロータリーに出ると、夜の中に大量のタクシーと、文字盤がボウッと浮かび上がる大時計…現在夜の八時過ぎ。ロータリーを左から回り込み『旭通り』を目指すと、おっ!「みちくさ書店」は未だ営業中!まったく頼もしい限りである。通りに入り、南東へ直線に進んで行く。外灯には小学生の書初めが飾られ、希望に溢れる言葉たちが冷たい風に舞っている…『友情不滅』ってスゲェな。ひとつ目の信号を過ぎると、右手にすでに真っ暗な「谷川書店」が見える。シャッターもカーテンも無く、外灯がガラスの向こうの大量の本を淡く照らし出している。あのオヤジさんらしいと思わず苦笑。お店に別れを告げると、次のビルの上階入口付近に、古本の詰まった100均箱を発見。『お会計は2階にて』と書かれているので、ここか!と思い視線を上げると、目の前のコルクボードに、看板代わりの夜をモチーフとした二種類のチラシが貼り付けられている。ちなみにこのお店は、レンタルスペースを借りての営業と言う、特殊な業態をとっているのだ。昼間は何と英会話教室が開かれているそうである。割と広めの階段を上がりながら、『しかしもはやこの店名“ゆずこしょう”は古本屋さんではなく、漫才コンビかバンドのような名前だな』と愚にもつかないことを考え考え、扉の前に立つ。むぅっ、緊張。しかし勇気を何とか捻り出し中に滑り込むと、奥の横向きの女性二人がクルッとこちらを注視。思わず口の中で『こんばんわ』と自分に言い聞かすように、小さくムニャムニャ唱えながら、頭を下げる。そしてすぐに右に見えた壁棚に、救いを求めるように張り付いた。ふぅ〜、取りあえずここは白い棚に、横8列×縦5列の計40のボックス。足元には文庫の入った箱も置かれている。各ボックスには、縁のギリギリまで出された本たちが、美しく並んでいる。写真関連・美術・フランス・日本文学文庫・ビジュアル全集・漫画関連・カラーブックス・自己啓発・歴史・山口瞳・開高健・阿川弘之・團伊玖磨・井上ひさし・芥川龍之介・内田百けん(けんは門に月です)・林芙美子・沢村貞子・宮澤賢治・詩集など文庫を中心に日本文学・映画・音楽・古本・書店・若者の生き方・和雑貨・民俗学・暮らしの手帖関連・旅・宮脇俊三・宮脇檀・生活・料理・雑誌などが、背後の面出しを交えながらズラリ。しかしここがレンタルスペースと言うことを考えると、本はいちいち出し入れしてるのか?…大変だなぁ。くるっとターンをしてフロア中ほどに進むと、左壁沿いにある椅子やテーブルの上には、「Ku:nel」などのホワホワしたオシャレ生活雑誌が並んでいる。奥の窓際にはテーブルと椅子二脚が置かれている。右側のカウンター下にも白いボックス棚があり、絵本・児童文学がズラリと並び、一部に教育関連も。この棚を見る時は、自然とカウンター前に立つことになり、二人の女性とモロに相対することになる。それはとっても気恥ずかしいので、スッとしゃがみこんで横移動…非常に滑稽である。映画やテレビで建物内に忍び込むために、受付をやり過ごしているカタチである。カウンターの向こうでは二人が小声で話し中。私は膝をパキパキ鳴らし中…。本はそれほど多くはないが、非常にしっかりした人の私的な本棚を覗いているようで楽しめる。並びの関連がとにかく明確。女子度は高め、値段は安め〜普通。それにしてもレンタルスペースで古本屋を開業とは、ワクワクする秀逸なアイデアである。今後も『月夜の古本屋』さんとしてがんばって下さい。そしていつの日かしっかりしたお店を開いて下さい!旺文社文庫「乗りもの紳士録/阿川弘之」淡交新社刊「京の365日」を購入。
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2010年02月12日

2/12埼玉・蕨 古書 なごみ堂


kosho_nagomi.jpg東口から出ると、いつの間にか小雪がちらつく空模様。傘を差すのも億劫なので、そのまま線路沿いの道を南東へ進む。整然と並ぶ大量の自転車と、目線より高い駅のホームを右に見ながら先へ。ホームに別れを告げ、道幅が少し広くなっても進み続けると、左手の角地に車窓に流れたお店が見えて来る。二階建住宅兼店舗の一階右側にあり、二階は薄いピンク、一階は鮮やかなブルーが支配している。軒の店名看板は大きく(電話番号デカイ!)、隣のシャッターの上にまで進出しているので、こちらはもしかしたら倉庫なのかもしれない。薄暗いガラスサッシには『店内の本一割引致します』『今月のセール ビジュアル本さらに2割引き!!』の貼紙。店頭には、ビニールが掛かった文庫&新書ワゴン、単行本が平積みで積み上がるワゴン、ビニールが掛かった単行本ワゴンが並び、どれも探索に手間取るのは必至である。と言うわけで軽めに流して店内に入ると、静かで狭いが、濃密な空気が襲い掛かってくる。壁は一面造り付けの本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、そして各棚の上部隙間にこれでもか!と本が挿し込まれ、こちらを見上げたり見下ろしたりしている…何だか古本を大事に栽培しているような光景…もしや新たな古本が、隙間からグングン成長しているのではないのか!?それにこの独特な色合いはどうだ。昭和20〜40年代の本がメインなようで、色褪せてはいるが、幻灯機で投影したような単純なカラフルさが、ワクワク感に拍車を掛ける!奥に帳場があり、気配から察するに、店主は本の山の陰で本を読んでいる模様。入口右横には講談社文芸文庫と古い新書(岩佐東一郎の軽妙なエッセイ本あり)&実用ノベルス。エッセイ・風土・ルポ・性風俗が多い。右壁には海外文学・ノンフィクション・事件・犯罪・警察・文化・映画・役者・演劇・児童文学・海外幻想文学、そして日本幻想文学が帳場の後ろまでズラズラと続いて行く。棚の下1/3は横積みされた本に覆われている。向かいには、探偵・伝奇・推理・幻想・大衆文学。下には戦争文庫がまとまっている。出入口上の、ここは割と新しめな趣味の本を眺めつつ左側へ。入口左横には、山岳・自然・鉄道が並び、左壁に東京・地方都市・紀行・ガイド・性風俗・特殊地帯・世相・戦争・兵器と続く。向かいは落語・浅草・映画・大衆演劇・ピンク映画・手品・歌手・芸術が並ぶ。膝元には雑誌や大判本。そして通路の片隅には、天井近くに手を伸ばすための脚立が置かれている。…むむぅ、いいお店と言うか、独特ないいお店である。“ルポ”と呼ぶのが相応しい本が、毒々しく美しい。よくここまで特化したジャンルを特定な時代の本で固めたものである。簡単に使い捨てられたであろう本たちが、ここに集まり新たな価値を生み出している!しかし値段はどれもジャストな感じで、迷い無く買える値付けなのである。しかも一割引!もう、う〜むう〜むと唸るしかない私…。帳場にて読書中の壮年店主に声を掛け、精算を済ませながら心の中で脱帽。あぁ“なごむ”どころか、血が不思議にざわついたお昼時でした。伸光社「都電春秋/野尻泰彦」を購入。
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2010年02月11日

2/10東京・早稲田 古本 茶屋 岩狸 / Book cafe Das


iwadanuki.jpg早稲田ツアー恒例の『馬場口交差点』から、『早稲田通り』南側の歩道を、濡れた路面を踏み締めて西に駆け下りる。坂の下に着くと右には夜の闇に優しく浮かび上がる『西早稲田子育地蔵尊』。そこから続く脇道には、「古書 現世」の灯りが見えている。しかし今日の目的は、その手前のちょっとナゾなお店。店頭には緑が生い茂り、テーブルやベンチやフクロウやカエルが置かれている。その上に『本』と書かれた黒板。軒には店名やタヌキの絵が描かれた紙が、三パターン貼られている。下には「東海道五十三次」が覆うガラスサッシ。それに手を掛け中に入ると、内側にも小さな「五十三次」がズラズラ…永谷園か?店内は二つのエリアに分かれ、手前が古本屋スペース、奥がステージのようなコタツスペースとなっている…。手前は入口横・壁際共に本棚。真ん中にテーブル的平台が置かれている。それにしても他人の家の居間に迷い込んでしまった雰囲気…アットホーム過ぎる雰囲気が微妙に気まずい…なんたってコタツには差し向かいに座っている人がいるのだ。右には文化的な過去を匂わせる初老の店主、左には暖かなセーターを着たメガネの若い女性…私はどのようなスタンスでこの空間に存在すれば良いのか?…棚を見るしかないっ!右壁には、海外文学文庫・中国文学・探検・紀行・思想・農業・映画・美術・文化・社会、下には「ユリイカ」や「美術手帖」が並ぶ。ちなみに壁と棚は一体化しており、棚部分は断崖に造られた横穴式住居のようである。右隅には宗教・詩集、コタツ右前には教養系文庫棚。上がり口を挟み左側には俳句関連が並ぶ。その横ではオリーブ石鹸も販売中。女性は店主と何事か話しながら、フロアに降り立ち棚を確認したりしている。真ん中の平台には、ミニコミや科学などが並び、その周りを本の詰まった小さい箱が取り囲む。左壁は日本純文学文庫・時代劇文庫が収まり、その横にはギターが置かれた坪庭のような、ナゾの引っ込んだスペース。左壁入口側は日本文学・文学評論・郷土関連・日本関連が並び、入口左横には食べ物・自然・温泉・野菜・ビジュアル雑誌。cafeや茶屋らしさはどこにもないが、エッジのある棚造りがされている。思想・探検・農業などが特に鋭角。値段は普通〜高めのしっかり値付け。早稲田では珍しいタイプのちょっと不思議なお店。しかしコタツから脱出するには、相当な勇気とエネルギーを必要としそうである!徳間文庫「星まんだら/野尻抱影」を購入。
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2010年02月09日

2/9東京・阿佐ヶ谷 ネオ書房


neoshobo.jpg北口のロータリーを突っ切り、『北口アーケード街』を「千章堂書店」を横目に通り抜ける。そのまま歩道にレンガが敷き詰められた『旧中杉通り』を北へ進む。100mほど歩くと、右手に電柱の陰にひっそりと隠れたお店の姿。お店の上方から飛び出した電灯看板には『新刊 貸本 売買』とあるが、今は完全なる古本屋さんである。以前は老舗貸本チェーンの「ネオ書房」だったのだろうか…。大きな日除けの下には、クリスマスの電飾が侘しくからまった『安売り一番をめざす店』と書かれた看板。店頭には、左に90円文庫・50円文庫・50円コミック・90円ビデオ(ラベルが手書きの家庭用ビデオも混入)が並ぶグラグラの棚。右には二冊50円〜五冊100円の文庫&コミック棚と、50円コミック棚が置かれている。ちなみに営業終了後も棚に放置されている本は、出入口左側に設置されたポストに料金を投入することにより、セルフで購入することが出来るのだっ!サッシを開けて中に入ると、本がギッシリの狭めな店内。壁はビッチリ古い造り付けの本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本、左奥に棚に囲まれた木の帳場があり、ニット帽を被った老店主が、座ってハサミでジョキジョキひたすら何かを切っている。正面のビジュアルムック&写真集ラックを避けるように右側通路へ。壁棚には日本文学文庫・古めの創元推理文庫・時代劇文庫がズラッと並び、下には乱雑に積まれたコミックやアニメムック。それほど状態は良くないが、絶版文庫は中々に多い。向かいはコミックが並ぶ奥に、社会運動系の本が集まっている。左通路に移ると、右の通路棚はすべてコミック、左に日本文学・ノンフィクション・社会・科学・映画などがカオスに並び、その後は共産党関連・労働運動・社会運動たちが強烈な光を放ち始める。ふおぉぉっ!金子修介(映画監督)のお父さんの本「ゼッケン8年」(ベトナム戦争当時、『アメリカはベトナムから手をひけ』と書いたゼッケンを着けて、8年間生活した男の話。洋泉社「活字秘宝 この本は怪しい」参照)が売っている!欲しいっ!欲しいが…高いなぁ…くぅ〜…。と俯くと、下にはビニールに包まれて、ズラッと並ぶ大判本。基本的にはタイムカプセル古本屋さん的である。特にコミックはその傾向にあるが、運動関連本の充実っぷりは目を瞠るものがある。値段は意外に高めのしっかり値…表の看板に偽り無く、『安売りのお店』ではなく『安売りをめざすお店』と言うことか。…「ゼッケン8年」…どうしようかなぁ…。新潮文庫「忘れ得ぬ芸術家たち/井上靖」を購入。
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2010年02月08日

2/8東京・白金高輪 リサイクル書店 白金ブックセンター


siroganebookcenter.jpg駅の4番出口を出ると『白金アエルシティ』(昭文社の「東京都市図文庫版」では“白金エアルシティ”に!)と言う、小ぶりな複合施設の足元。地上に出て東の大通りへ。そこを北に向かうと魚籃坂下の歩道橋脇に、ビルの一階に陣取るお店を見つけることが出来る。おぉ、道路の対岸には店主がマシラのように本の山に駆け上がる「小川書店」(2008/09/28参照)が見えているではないか。さて、振り返ると軒には巨大な深緑の看板、店頭の両脇には空を舞うような本のイラスト、そして七本の店頭棚にノベルス・単行本・全集端本・コミックが100円均一で並んでいる。雑誌の入ったカゴもあり。メタリックな店頭から中へ足を踏み入れると、何だか新刊書店と見紛うキレイな店内。壁際はすべて本棚で、真ん中の手前と奥に四本ずつ背中合わせの棚が置かれている。棚には『寄りかからないで』の注意書き。そのさらに奥に平台と棚があり、奥の壁際にレジと作業場が設置されている。さらに店舗スペースは右奥に広がり、壁はぐるりと本棚、真ん中に背中合わせの棚が置かれている。入口の左横には児童文学やゲーム攻略本が並ぶが、縦長フロアの左半分はコミックに占領されている。右壁にHOW TO文庫・教養系文庫・純文学文庫・歴史文庫・女流作家文庫・日本文学男性作家文庫がズラーリと並ぶ。向かいには海外文学文庫と共に、ハヤカワSF&ミステリが収まる。右から二番目の通路には、ノベルス・BL文庫・ティーンズ文庫・官能文庫・ハーレクインが手前に並び、奥には新書・自然・動植物・生き方・ガイド・資格が収まる。三番目通路の右側には、女性実用・映画・音楽・スポーツ・タレント・コミックノベライズ・サブカル…むぅ〜見かけも新刊書店なら、棚もかなりな割合で新刊書店っぽいことに…。レジ前には新刊入荷本の棚があり、さらにスピード感のある並び。ただし経済や実用書多し。その横には実用ムックが平台に並ぶ。マスクをした女性がいるレジ前を通過し、右奥のスペースへ。天井近くの梁には、大きなジャンル分けの紙がベタベタと貼られている。壁棚には左からぐるっと、日本文学男女・海外文学・ノンフィクション・宗教・オカルト・経済・パソコン・鉄道・美術・歴史・文化・住宅・全集・文芸誌と続き、一巡り。真ん中の棚には、歴史文学・写真集・雑誌・大判本・政治・日本&海外人物評伝(珍!)・みすず本・詩集・文学評論。横に写真集のラックもあり。最近刊中心の棚は驚異的であり、書店で『いつか買おう』と思ってた本が、ポコポコ見つかる恐ろしさ。値段は定価の半額前後。当然新しいものほど高値になる仕組み。取りあえず買いまくると恐ろしいことになるので、グッと堪えて今日は新書のみを購入。そして帰宅後、ポケットから出てきたレシートに目を落とすと、そこには「ぽんぽん船」の文字と舵のマーク!えっ?横浜方面に多いチェーン古書店の「ぽんぽん船」?……新たなナゾがひとつ生まれた瞬間であった。mille books「本を開いてあの頃へ/堀部篤史」アフタヌーン新書「がっかり力/本田透」を購入。

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2010年02月07日

2/7千葉・南柏 書斎


shosai.jpg西口を出るとロータリー。その中心から真っ直ぐ北西にのびる通りを進むと、『水戸街道』とぶつかる『南柏駅西口交差点』。おぉ!すでに左前方、横断歩道の向こうにお店が見えているではないか!西日できらめくアスファルトを渡り、二軒長屋的住宅兼店舗の左側に立つ。店名は…どこにも無い。煙草と清涼飲料水の自販機に囲まれた店頭には、右に雑誌ラック、左に二冊100円文庫や新書の乗った長机と、100均単行本の棚がある。入口の上にはアイドル雑誌・映画雑誌・貴乃花ムック・小野田さん帰国グラビア誌などが飾られている。サッシを開けて入店すると、棚が複雑に入り組む縦長な店内。暖かな石油の匂いが漂い、どこからかテレビの音と身じろぎが聞こえてくる。入口の両脇は“コ”の字に棚が組まれ、真ん中の棚の間を抜けると、左に帳場とその奥がカーテンで隠されたアダルトゾーン。壁を棚が覆い、真ん中に奥の壁まで続く背中合わせの棚が一本あり、狭い二本の通路を造り上げている。ジャージ姿の中年店主は横向きにテレビを鑑賞中。入口の右横は廉価コミックがビッシリ並ぶ、毒々しいコーナー。左横には、女性・実用・最近刊ミステリ・タレント・コミック・100均文庫が並ぶ。スルッと右側の通路に進むと、右壁に経済・語学・辞書・面出し最近刊・岩波文庫・ちくま文庫・雑学文庫と並び、後は日本文学・歴史・社会・探偵小説・科学・文化・自然・戦争などがせめぎ合うカオス的棚。古い本もチョイチョイ顔を見せている。前半の棚は二重で、後ろにコミック揃いがチラリと見えており、棚脇に何が収納されているのかがしっかり明記されている。奥には建築や大判本。向かいの通路棚は、時代劇文庫・純文学文庫・コミック文庫が収まっている。左の通路にそっと移ると、左壁は新書&実用ノベルス棚・アダルト入口・コミック棚。右の通路棚は、文庫揃い・官能文庫・海外文学文庫・作家50音順日本文学文庫が並ぶ。帳場の内側には絶版漫画棚も造られている。街の古本屋さん的ではあるが、文庫に絶版が多く単行本もカオスで、不思議な深さあり。値段は安め。帳場にササッと近付き、精算ついでに気になるお店の名前を尋ねてみると、俯きながら「書斎……」とポツリ。そしてここからベンガルがスッキリした風体を持つ店主の快進撃が始まった。「店の名はね…こっちの裏に…色々いたずらされて…闘いがあってね…」と中々にハードな話がスタート。そこから『世間には相手の都合をまったく考えない人がいること』『客商売&万引との闘いも大変なこと』『最終的には身内が敵になること(何があったんですかっ!?)』『三橋美智也について』『新宿で働いていた時は、キャバレーでディック・ミネや小林幸子の営業を見たこと』『夫婦は50を過ぎたら世間に相手にされなくなるので仲良くなること』などなど…。最初は全く目を合わさずに喋っていたのだが、最後には笑顔も見せていただきました。お話が一体何処に着地するのかヒヤヒヤするが、何とか話の隙間を見つけて「気をつけます!」と訳の判らないことを言って辞去。その帰り際にも「それにしてもそんな本読むんだ。取りあえず並べてたけど、どんなのが売れるか判んないんだよねぇ〜。じゃあどうも〜」のセリフ。おぉ、この暖かな“書斎”と言うシンプルな名の古本屋さんに、幸多からんことを!裳華房「ミステリーと化学/今林嘉明・山崎昶」を購入。
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2010年02月06日

2/6埼玉・高坂 古本 陽炎堂


kageroudo.jpg川越を越えると、車窓は関東平野の田園風景と、駅を中心に形成される住宅街の繰り返し。電車からホームに出ると、何かが音を吸い込んでいるように森閑としている。西口に出てロータリーの右側に進み、『川越観光バス』の2番のりばから『鳩山ニュータウン』行きに乗り込む。今日目指すお店は、何たって山の向こうなのである。駅を離れたバスは、銅像と胸像が多数建立された不思議な通りを進み、やがて緩やかな山道に入り込む。『こども動物自然公園』や『大東文化大学』を車窓に流し、雪の残るワインディングロードをユラユラリ。山をひとつ越え、次に丘に上がると、広がり始める住宅街。所要時間15分ほどの『ニュータウン中央』にて下車。バス停から来た道を振り返ると、右に住宅街、左には塔を持った複合施設が見えている。青く広い空の下で静かに佇むその『タウンセンター』は、まるでどこかの港湾施設のようである。その塔の方へ近付いて行く。広場を過ぎ、塔の前を通過し、奥の『西友』へと続く陽の当たらないアプローチに立つと、右手奥に銀色の二階建て建物があり、その一階部分に古本棚が見えている。無機質に乾いた感じが一帯を覆っている…。現代建築風の吊られた庇の下には、全面ガラス窓のファサード。出入口には紙に印刷された店名が貼り付けられている。店頭には『古書』の立看板と、単行本100均棚(料金箱付きのセルフシステム採用!)、椅子の上に置かれた戦争100均箱とビデオ箱が並んでいる。中に入るとちょっと薄暗く広めな店内。奥から店主の高らかな話し声が聞こえてくる。床はツルツルした石のタイルで、壁際にはズラリと本棚、入口右横に小さな棚が二本、真ん中に背中合わせの棚が二本。左側はラックになっており、その向こうは本と絵が雑多に置かれた倉庫状態。左奥に棚に囲まれた通路があり、そこを進むとより薄暗い研究室のような、帳場兼事務所にたどり着く。通路は広めで棚は見やすい。入口右横には海外SF&ミステリ文庫・新書・文学文庫などが並び、そのまま右壁に宗教・思想・文学評論・出版・古本・海外文学評論・戦争&戦記(充実)と続いて行く。向かいの通路棚は、ズラリと並ぶ日本文学を中心に、歴史文学・海外文学が展開。棚脇棚の教養系文庫棚は、そのまま真ん中通路の岩波文庫・中公文庫・講談社文芸文庫・絶版文庫とつながり、社会・推理・幻想・オカルト・ハヤカワポケミスと続く。左側には200円新書・古い新書・世界と収まる。店奥の棚は、歴史・埼玉・郷土・自然・心理学・科学・音楽・映画・演劇・テレビ・落語・趣味・山岳・登山が並ぶ。左端通路は棚脇に図録、左のラックにビジュアルムック・雑誌・写真集・大判本、右の通路棚は文庫揃いと100均作家50音順文庫がズラリ。各棚の上には、全集やハードカバー本が重しのようにキレイに積まれている。帳場への通路には、美術・建築・辞書が並ぶ。店主は先ほどから忙しくお店の中を行き来し、常連客と「彷書月刊」の休刊を嘆いたり、中学生三人組に「何か探してるの?」と声を掛けたり、私の前を「前を失礼します」と言って通ったり、アグレッシブな動きを続けている。お店自体は、本もジャンルも充実の良質な古本屋さん。つながりが見える棚造りが魅力的である。値段は喜びの安めな設定。店主が帳場の奥まで侵入して来た中学生たちに「漫画は無いよ」と釘を刺すと、「漫画を探してるわけじゃないけど…」と言われてました(でも明らかに無目的に店内を徘徊。三人縦に連なって棚の間を移動する姿は、ドラゴンクエストのようである)。中学生と入れ替わりに帳場へ赴き、店主に本を渡すと、さらに喜びの心意気100円引き!ありがとうございます!さて、自分が何処にいるのか今もって良く判らないのだが、目的は達成されたのでまた山を越えて帰るとしよう。陽の落ちるその前に!全音楽譜出版社「音楽入門/伊福部昭」徳間文庫「良平のヨコハマ案内/柳原良平」文春文庫「わが青春の黒沢明/植草圭之助」を購入。
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2010年02月05日

2/5神奈川・梶が谷 古本 グリーンブック


greenbook.jpg谷底のホームから上に上がると、線路の上に浮かぶ駅舎。改札前の通りを西北へ進む。左にバスロータリーを見ながらツラツラ歩くと、T字路の交差点に行き当たるので、少し細くなった通りを南西へ進む。アスファルトに混ぜ込まれた青や白の欠片を踏み締め、住宅街を100mほど進むと、そのお店は唐突に現れる。実はここは何度来ても開いていなかったお店。『どうせ開いてないんだろうな…』と決め付けながら近付くと、シャッターが開いている!中に電気が点いている!『Open』の札が下がってる!と小躍りしたほど舞い上がりながら、お店の前に仁王立ち。いやぁ〜しつこいといい事もあるんだなぁ〜と実感。ちなみにこのお店、プレハブと言うか、ほぼ“箱”なのである。住宅の前庭に、ポンと置かれたような違和感がたまらない。右側の壁に『古本』の文字、正面には店名、左側出入口の軒上に『雑誌・文庫・単行本』と書かれていて、その基本色はグリーンである。三和土に上がり、観音開きのサッシ扉を開けて中へ。新しい建材の匂いが漂う店内は、明るくほぼ正方形で、内部も“箱”の印象である。左右の壁は平台付きの本棚、真ん中に平台付きの背中合わせの棚が一本、そこに入口に向かって大きなラックが外からの目隠しのように設置されている。店奥壁には横長の雑誌ラック、レジは入口右横にあり、エプロン姿の実直そうな中年男性が、雑音の多いラジオに耳を傾けている。入口正面の巨大ラックには、児童本や絵本が面出しディスプレイ。左壁棚に目を移すと、二列の100均出版社別文庫から始まっており、100均海外文学文庫・日本文学文庫・教養系文庫と続いて行く。足元の平台下にも棚があり、文庫の他にハーレクイン・ノベルス・新書なども少量並ぶ。文庫の並びはキッチリマジメな印象で、100均棚の方が古い文庫(と言っても70年代)が多く混ざる。向かいには100円単行本と廉価コミック、足元に実用が並ぶ。店奥のラックは、最近の雑誌とビジュアルムックがズラリ。ソロソロと右側に移ると、右壁にはコミック・タレント・エッセイ・ガイド・女性・東京・猫・犬と、ちょっと女性寄りな棚。向かいは絵本・児童文学&文庫がドッサリの、一番の充実ジャンルとなっている。母と子で立ち寄るのが最適なお店である。値段も喜ばれるであろう安めな設定。棚を見終わり“回れ右”の要領で振り向き、レジに本を差し出す。「あ、いらっしゃいませ」と立ち上がり、腰の低い接客。積年の恨みと言うわけではないが、やはり気になる営業時間を聞いてみると「大体14時〜17時なんですよ。ちょっと事情がありまして…。短くてすみません」とハニカミながら答えていただいた。なるほど、入れないわけでした。お互いに会釈をして店を出ると、すぐにシャッターが下り始めた。時間を見ると17時過ぎ…正確無比ですな。文春文庫「銀河鉄道の夜探検ブック/畑山博」集英社文庫「レストラン喝采亭/石和鷹」を購入。
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2010年02月04日

2/4東京最奥部古本屋

2009/12/06へのコメント&その後の情報提供者とのやり取りを基に、奥多摩方面へ向かうことを決意。目指すは『日向和田駅』近くにあると言う、恐らくは東京最奥部の古本屋「はらしょう古書店」である!『土間部分に本棚を置いた狭いお店で、古い本も多く表の均一文庫にも珍しいものが混ざっていた』とのこと…何と胸躍る説明であろうか!googleストリートビューでお店の姿を確認した時は、何だかゲームの隠しダンジョンを見つけたように興奮!しかし五年前に訪れた時はシャッターを閉ざしていたそうで、無論閉店している可能性も…しかしそんなことで怯んではいられない。もし何らかの痕跡が残っていれば、「古本屋遺跡」に認定出来るはずだっ!と言うわけで、青梅線は山間を走っている。『青梅駅』からは四両の電車に乗り換え、ドアの開閉も乗客自らがボタンを押して乗降する。駅は片側ホームのみの無人駅で、目の前には小さく山道のようになった『青梅街道』。そこを北へ向かい、すぐに西に現れる『神代橋』を渡る。眼下では多摩川が、深い谷底を『ゾゾゾ』と音を立て流れている。橋を渡り街を進むと『吉野街道』に行き当たるので、そこを北へ。もうすぐにお店の場所である。急ぎ足に歩道を進む……が、お店は無かった。古本屋は無かった。ただ普通の住宅が建っているだけであった。あぁ…やっぱり間に合わなかったのか…今回はとにかく遅かった、大遅刻であった。その住宅の周りと近所をウロウロキョロキョロするが、何の痕跡も発見出来ない…谷間を吹き抜ける風が、ことさら肌を凍てつかせる。…私は一体ここで何をしているのか…いや、まぁ確認しただけでも良しとしなければ…。トボトボと来た道を戻って行くと、『梅郷四丁目交差点』の向こうに“へそまんじゅう”と言う看板が見えている。せめて古本が買えなかった腹いせに、まんじゅうを買って行こうと思い立ち、寂しい売店で八ヶ入り(帰宅後に食すと超美味なのでビックリ!)を購う。再び交差点に戻り信号待ち。その時何気なくまんじゅう屋の方を振り返ると、金網に取り付けられたボロい手描きの町内地図が目に入った。もしや!と思い近付いてみると、酷いシミから逃れたギリギリの部分に「はらしょう古書店」の名を発見!ああぁぁぁぁっ!あったんだ!ちゃんとあったんだ!と汚らしい地図の前で、小さな感動に打ち震えてしまう。これが現在、東京の西・最奥部にある、脆く儚い古本屋遺跡なのです。

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posted by tokusan at 19:22| Comment(8) | TrackBack(0) | 古本屋遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする