2010年04月29日

4/29東京・一箱古本市 根津&千駄木編


hitohako_20100429.jpg南陀楼綾繁氏の依頼により、彼が主催する「一箱古本市」をツアーすることに。4/29は根津&千駄木界隈に散らばった9ヶ所・およそ50箱!どのくらいの距離を移動し、どのくらいの時間がかかるのか全くもって不明。と言うわけで、並行して行われるスタンプラリーにも参加するため、午前中に根津駅に降り立った。

11:39 根津駅。根津神社の『つつじまつり』に向かう大量の人の流れ。駅にある公共図書棚「根津文庫」の一号車に、しっかりとパンタグラフが付けられているのを見てニヤリ。地上に出るが、まだ「一箱古本市」の気配はどこにも感じられない。取りあえずは第一のスポットを目指し、『言問通り』をテクテク歩く。古い家屋や寺町が美しい。
11:54 迷いつつ不安になりながらもどうにか「市田邸」に到着。目印となる小さな黄色い旗に『一箱古本市』の文字。この旗は今後も各スポットで、「幸福の黄色いハンカチ」のように、スポットを巡る人間を『ここにあった!』と喜ばせてくれる。古く大きな日本家屋の門前にテーブルが置かれ、男女二人がスタッフとして立っている。ここでスタンプを捺してくれたり、「一箱古本市こちらで開催中でーす」などと声を出して、イベントをアピールしている。邸内に入ると玄関までの間に3箱、苔を踏んではいけない庭に2箱が置かれている。改めて見ると一箱は結構小さい。この中で自分らしさや独自のカラーを表現するのは、至難の技と言えよう。それでもこの小宇宙にすべてを込めて、どうにか伝えようと工夫する。だからこそ何かがこぼれ始めている!この恐れを知らぬ一箱の冒険者たちに幸あらんことをっ!それにしてもこの店主さんとの近さは、やはり緊張をもたらす。箱前に人がいる時は箱内があまり見えず、誰もいない時はマンツーマンなので行動を注視されているようでムダに緊張。最初はうまく感じが掴めず、ちょっと離れた距離から盗み見るように覗き込んでいたが、どうもうまくない…しっくりこない。『このままではイカン!』とギアチェンジして、箱の前にガクッと座り込みかぶりつくように見る!気になる本には手を遠慮なく伸ばす!すると何だか乗ってきて、まずは「おやじランナーの連帯」にて講談社「悦楽王/団鬼六」を購入。趣味の良い新刊が、リサイクル古書店の最新棚より早く安く並んでいる。
12:03 会場を出て次のスポットへ向かう。途中「EXPO」と言う古道具屋に、少ないながらも古本棚があるのを見つける。しばし釘付けとなるが、本来の目的を思い出し、日射しと風の強い坂を下る。
12:08 裏路地のカフェ「COUZT CAFE 藍い月」に到着。強い日の当たる路上に4箱。人だかりが凄いので、様子を見つつ順番を待って箱前に立つ。右端の「とみきち屋」がとにかく活気にに溢れ、お客に目録を配りまくったり、「あの本は?」とビシバシ質問攻撃にあっている。知り合いも多いらしく、お互いに“古本バカ”を公認し合い楽しく笑い合っている。文学の良書が多く、ウェッジ文庫「東海道品川宿/岩本素白」日本エディタースクール出版部「詩人たち-ユリイカ抄-/伊達得夫」を購入。隣の「文庫善哉」は“散歩”をテーマに一箱宇宙を構成。なかなか緻密である。
12:20 「根津教会」着。建物が可愛らしく、幼少時にこんな教会が近所にあったなら、間違いなく心の原風景と化すであろう。その前にテーブルに並んだ7つの箱。教会のバザーも同時開催されているので、大変な人出となっている。おぉ、「四谷書房」さんがいらっしゃる。手堅い品揃えに感心しつつ、「タモリ倶楽部」に出ていた地図会社の社長が気になってしまう。そしてバザーでも古本を販売しており、その威勢のよさと、一箱を遥かに凌駕する本の多さに、一箱陣営は多少押され気味…負けるな一箱。「mondo books」にて集英社文庫「旅暮らし/森まゆみ」を購入。旅を中心に、可愛らしさを超えた品揃えが頼もしい。ショップカードを見ると、西荻窪に実店舗があるのだろうか?今度見に行ってみよう。
12:40 強い風に背中を押されながら『不忍通り』へ出る。人波にもまれながら千駄木方面へ。やがて通りに面した「クラフト芳房」に到着。お店の外に2箱。「古本 寝床や」は革のトランクにパラフィン掛けの本が詰まっている。おっ、野呂邦暢文庫が二冊も。隣の「bango books」はまだ未踏のお店である。ここで買うよりお店でじっくりと本を見てみたい。
12:45 『不忍通り』を渡り、またもや入り組んだ裏路地に突入。目指すは「ギャラリーKINGYO」。開放的なガレージのような場所に、“L”字型に低い台が置かれ、5箱がほどよい距離で並んでいる。占いをする変り種もあり。お客はみな上からそっと覗き込む体勢。「ドンベーブックス」にて中公文庫「文芸誌「海」子どもの宇宙」を購入。質の高い店頭台を見ているようで、何だかホッとしてしまう。「古本T」にて青土社「ユリイカ シュルレアリスム総特集」を購入。芸能中心の箱造りの中で、フワ〜ッと浮き上がっていたので、ついつい手に取り欲しくなってしまう。
12:55 そのまま大通りに出て「往来堂」へ。営業中の新刊書店の前に、堂々と4箱の古本箱!そのうちの一箱、「AZTECA BOOKS」は高層箱となっており、高過ぎる故か神の怒りに触れたかのように強風に煽られ、常に両手でささえなければいけない状態に。「脳天松家」が特定女性作家を核に良い品揃えを見せている。
13:05 「なか卯」にて昼食を摂る。カツ丼を注文するが、忙し過ぎるせいか完全にお店の機能が麻痺してしまっている。店内には不穏な空気が充満…。食べている間にテーマソングを刷り込まれてしまったようで、次のスポットに向かう間中、頭の中で「なかうって〜♪」がグルグル…。
13:27 結構歩いて「古書 ほうろう」にたどり着く。店頭は黒山のひとだかり。ここには三列8箱が並んでいる。トランクやダンボールにそのまま入っている、シンプルな形が多い。音楽関連が多く目に付くが、「yomyom古書部」の大森望店長の箱が圧巻で、新しめのミステリ&エンタメ単行本がドカドカと積み上がり、売れるそばからドサドサ補充。…背後の蔵書量を想像するだけで背筋が寒くなる…。隣の「アダノンキ」は北海道から遥々来たようで、酒や旅の珍しい本が並ぶ。ソ連自動車旅行本に食指が動くが、値段と折り合いがつかず断念。この後ついついお店の中にも入ってしまい、しばし棚を眺めてしまう。店内には同様の古本修羅が、一箱だけでは飽き足らずゾンビのように蠢いている…。外でスタンプを捺してもらうと、「すごい、後二つですね!」と褒められる。子供のようについつい嬉しくなってしまう自分が情けない。
13:40 裏路地をトボトボ。細道に迫り来る軒の間で少し迷う。
13:42 丘の上、立派な和風建築の「安田楠雄邸」に到着。玄関までの砂利敷きの、緑陰に覆われたアプローチに、弧を描くように5箱。ここで気になったのは「古書パタリロ」。名前はアレだが安くて良い品揃え。有紀書房「東京横浜300円味の店/山本嘉次郎」を購入。そのお向かいのロシア一筋のお店「マステルとマルガリータ」でも中公文庫「偉大なる王/ニコライ・A・バイコフ」を購入。ぜひ「デルスウ・ウザーラ」も置いて下さい。
13:52 続いてすぐ近くの「千駄木の郷」へ。大きな公共施設で、脇の遊歩道にテーブルやベンチを利用した9箱が設置されている。何故か女子本率が高いが、クイズを出題している箱や、家族つながりの文学本をプッシュする「駄々猫舎」が面白い。「orz文庫」の「ナポレオンソロ/さいとうたかを」に激しく惹かれるが、店主の「冗談みたいな値段ですが…」の言葉に値段を確認すると、適正な古書価のいい値段。思わず「ワハハ」と笑った後に、そっと優しく箱に戻す。そして何より「古書北方人」に心動かされる。硬めではあるが何となく大らかで、ツボの本たちが安い!新潮社「生涯を賭けた一冊/紀田順一郎」ちくま文庫「小説 ウルトラマン/金城哲夫」を購入。老店主が「なかなかないよ」と古本屋のように話し掛けてくる。普段のツアーのようだ、と思いニンマリ。ここは建物の谷間なので、一際風が強く吹き抜ける。店主さんはみな、箱の状態をキープするのに一苦労である。そして最後のスタンプを捺してもらうと、「やった!全部揃った!」とスタッフが大喜び。もちろん私も嬉しいのだが、多少気恥ずかしくもある…しかし何だ、この爽やかな達成感はっ!その並んだスタンプを解読すると『2・0・1・0・年・古・本・の・旅』………思わず半笑いで脱力。しかし私の旅はまだゴールを迎えていない!
14:05 各スポットを逆にたどり始める。本を並べられるのが一箱だけと言うことは、中身も回転が速い可能性大!ジリジリと一ポイントずつ逆戻り…やはり箱に動きあり。無くなっている本や、新たな本を見つけながら、往きとはちょっと違うルートを取る。途中「文庫善哉」にて中公新書「東京ひとり散歩/池内紀」を購入。さっきは無かった本である。水道橋の食堂に棚を借りているらしいので、いつかは訪ねてみたい。
14:45 ようやく旅のスタート地点「市田邸」にたどり着く。スタンプカードを差し出し、景品(秘密)を手に入れる。そして偶然にもそこで南陀楼さんに出会う。喫茶店に誘っていただき、ついでに『古本屋ツアー・イン・ジャパン賞』の受賞者を伝える。ちなみに本命は「古書北方人」で、次点に「古書パタリロ」「mondo books」でした。さて、5/2の谷中編もツアーするつもり。今度はどんな箱たちが待ち構えているのか…そしてスタンプは一字増えるようだが、もしかしたら『2010年古本の旅2』となるのであろうか…?うぅ、大作になってしまった…。
posted by tokusan at 23:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月28日

4/28春の古本屋遺跡フェアー

また少し遺跡が貯まったので、まとめてご報告。


f_iseki_suzuran.jpg●「黒猫」
川崎の武蔵白石、『国道一号』を越えた住宅街の中にある。見つけた時は『開いている!』と思ったが、近付いてよく見てみると、すでにお店ではない。看板・日除けは健在だが、お店の前面が壁で埋められている…。かつてはガラス戸の入口だったのだろうが、その枠にピッタリはまるカタチで、新たな壁が設置されているのだ。出入口は無く窓のみの、まさに壁なのである。さながら古本屋を隠すために、壁を埋めてしまったかのよう!おぉ、これではまるでポーの「黒猫」!壁の向こうからドサドサと古本の落ちる音が…。元のお店は「すずらん古書店」。側壁の店名看板は、住宅街にあるまじきドデカさです。


f_iseki_aikidou.jpg●「将棋愛」
足立区の大師前にある。去年の夏に見付けた物件であるが、再訪してみたら変わらぬ姿で佇んでいた。麗しい名のお店「愛書房」が、ただ閉店しているだけのように見えるが、シャッターにグッと近寄ると、『棋道館西新井道場』の文字が!恐らく現在は将棋道場なのであろう。一度開いているところを見てみたいのだが、その夢は未だ叶わず。頭の中では。ガラス窓の向こうで熱心な棋士たちが、盤上で静かに愛ある棋道を突き進んでいるのだが…。



f_iseki_soubundo.jpg●「気配ゼロ」
十条から東に下ると東十条。すでに先ほど見付けた古本屋は、日除けがボロボロで営業している気配はゼロ。もう一軒を求めて夜の街をウロつくが、影も形も見当たらない。住所の場所を行ったり来たりして、万策尽きて天を仰ぐと…そこに『本』の文字!雑居ビルの壁看板の頂点である。『本』とあるからには、何処かで本を商っていなければならない!元のビルをじっくり眺め、郵便受も見てみるが、古本屋さんの気配はゼロ…「宋文堂書店」は忍者のように気配を絶っている…私の能力ではもはや追跡出来ず。ただポカンと口を開け、暗闇で夜空にうっすら浮かぶ『本』を眺めている。


f_iseki_furinkazan.jpg●「武田信玄」
千葉の妙典にある物件。元の名、「風林火山」に相応しく勇ましい幟が林立する店頭だが、現在はマンガ喫茶と化している。お店の名残りは軒に残る看板のみで、そのほとんどが白く塗り潰されているが、左端に『本』の文字が雄々しく残っている。十中八九リサイクル古書店だったのであろう。
posted by tokusan at 14:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 古本屋遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月27日

4/27千葉・北松戸 万葉書房


marushin.jpgつくばエクスプレスにて埼玉県八潮へ。駅から1.5kほどのお店を目指し、スケール感のおかしい殺風景な街を進む。『この先に古本屋がある気配がない…』と思いながら先へ先へ。…しかしお店はあった。住宅の庭にあるプレハブ小屋が店舗となっており、しっかりと実店舗である。こんな所で…とちょっと感動。しかし!扉には一枚の貼紙、『閉店 長らくお世話になりましてありがとうございました』…うぅっ、達筆。扉の向こうに文庫・漫画・ビデオなどが見えており、今にも開きそうである。はぁ〜、シチュエーションといい、建物といい、非常に興味を掻き立てられるお店であった。残念ではあるが仕方ない…「丸真書房」さん、長い間お疲れさまでした。駅にビシャビシャと引き返し、つくばエクスプレス→武蔵野線→常磐線と乗り継ぎ、次なる目的地へ。


manyo_shobo.jpg上りの車窓から営業中なのを確認し、そそくさと電車を降りて東口へ。お店のイメージを頭にキープしつつ、交番横から線路沿いの道を北へ進む。100mほどで右手マンション一階にあるお店に到着。角地に建つ見るからに狭そうなお店である。もちろん仙台の「萬葉堂グループ」とは無関係。軒には青い大きな店名看板。『古本と出版』とあるので、販売以外にも出版業を行っているようだ。店頭には風で回る赤い店名看板と、風にはためく『古書販売』の幟。出入口上部には取扱品目が短冊のように貼り付けられ、ドアには『小房は古代万葉集を中心に日本文学を取り揃えております』『マンガ・アダルトは取り扱っておりません』の貼紙。むぅ、目線の高い志にあふれたお店である。ドアを開けると、通路が極狭なギュウギュウの店内…こりゃ閉所恐怖症の人は入るのに苦労しそう…。明るく整頓の行き届いた店内だが、とにかく狭いスペースに棚が多いのだ。しかも意外に奥行きがあり、棚で生まれる死角たちが、小さな迷路の濃度を高めて行く!本棚が迫る罠だったりしたら、脱け出せずに即お陀仏…。雰囲気としては西荻窪の「比良木屋」に似ている。出入口の両脇に本棚、右壁と左のナナメ壁も本棚、入口前に半円型の本棚とその後ろにも棚、左側は壁に合わせて置かれた背中合わせの棚、左奥の広めのスペースの壁も棚、その前に背中合わせの棚、右奥にガラスケースと棚に囲まれた帳場がある。その向こうに見えるのは店主の頭頂部のみ…よし!迷路に負けるものかっ!がんばってツアーするぞ!出入口左の棚は105円単行本、右は『一般書』と名付けられた日本文学・随筆・ノンフィクションなどが並ぶ。棚の間を脱け出るように蠢いて右へ。右壁は、二重に並ぶ新書・選書・日本文学初版本。半円棚には扇のように美術図録が背を見せて並び、後ろの棚には文化や社会が収まっている。ガラスケースには高そうな直筆物などが飾られている。ナナメのフロア棚には、自然・趣味・歴史・民俗学・日本語・国語・中国文学などが表裏に並ぶ。脇にはいつも外に出ているはずの、105円文庫ワゴンもあり。『冷やかしは御免でござる』と書かれた貼紙も…。左壁ナナメ部分は、社会・日本文学・文学評論&評伝・古典文学が並び、堰き止めるように飛び出た棚には文学研究本。体を横にして身を薄くしながらさらに奥へ。壁棚にはメインの万葉集関連…『柿本人麻呂』なんて棚は初めて見ました。奥壁にも古典文学、それに北海道(充実)&沖縄本と辞典が収まっている。背中合わせの棚には、時代劇&歴史文庫・教養系文庫・日本文学文庫が、表裏に六列ほど並ぶ。レジ周りには辞書・仏教・少量のミステリ文庫・カラーブックスなど。日本文学と古典が充実したお店である。研究本多し、値段は普通。何はともあれ、この複雑な構造にひたすら感服!店主は意外に年若いようで、メッセンジャー黒田の面影を持つ。万葉の迷路に迷い込みたければ、ぜひ北松戸へどうぞ。中公文庫「古墳探訪/鈴木亨」を購入。
posted by tokusan at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月26日

4/26神奈川・保土ヶ谷 古本 ミノリ堂 水野書店


minorido_mizuno.jpg仕事にひと段落を着け、午後に鶴見線の武蔵白石駅に向かう。しかしお店は古本屋遺跡と化していた…。落胆しながらも、大通りでバスに乗り鶴見駅へ。第二の目的地を目指し、横浜にて混み合う久里浜線に乗り換える…。駅東口を出ると『国道一号(東海道)』が横たわり、その向こうには山が迫っている。通りを南へ進むと、すぐにトタン屋根を持つ古びた商店街『東口商店街』が現れる。半円型の商店街の看板が、心の郷愁ボタンを連打する。薄く、頼りなく、ボロい屋根の下を進んで行くと、『保土ヶ谷東口』信号前にお店を発見。う〜む、こう言う場所に古本屋さんがあるのは幸せだなぁ〜。と喜びながら、あえて横断歩道に飛び出し眺めてみる。かなり古い建物で、五軒長屋になっている。その古さはクラシックと言うより…ボロい(すいません)…もちろん建物はしっかりとしているが。どうも二階建てと言うか、二階部分は屋根裏になっているのだろうか?と思わせるほど低いのだ…さらに格好良いぞ!商店街屋根の先には、道路の反対側から見える緑が基調の店名看板、屋根下に商店街共通の緑店名看板、軒にもしっかりと緑の店名看板…むぅ、この店名は一体何処が核となっているのか…。壁にはランプの絵と『古書誠実売買』と書かれた渋いプレート。窓には硬めのおススメ本や、『創業1916年 昔ながらの古本屋さんです。』とある。古本屋年齢96歳!左壁は「いぬのきもち」・「ねこのきもち」・アダルト雑誌・絵本の無体な並びのラック。店頭には廉価コミック・ノベルス・文庫の安売り棚が二本置かれている。自動ドアから入店すると、暗く小さく静かなお店。その時電気が点けられ、右奥の帳場に店主がスックと立った…?立ちっ放しである。良く見ると帳場の台は、電話台のような縦に細長い物が使われている。と言うわけで帳場も細くなっている。そこに両手を台に掛け、半白の髪を後ろで縛った店主が、演説でも始めるかのように立ち尽くしているのだ。何かプレッシャーを感じてしまう…。壁は一面本棚、真ん中に低めの背中合わせの棚が前後一本ずつ置かれている。左壁棚は廉価コミックから始まり、児童文学・歴史・民俗学・郷土。藤沢・鎌倉・保土ヶ谷・歴史小説・ちくま文庫・囲碁・将棋・山岳・岩波&中公などの教養系文庫と続き、帳場横に全集本の流れ。真ん中の棚は、手前が日本文学文庫、奥が時代劇文庫と官能文庫となっている。右壁を見ようと帳場前に立つと、店主も何か困るようで視線をスッと手元に落とす…店内に静かに立ち尽くす二人の男…。右壁棚は奥から、アダルト・東洋文庫・江戸・風俗・歴史・映画・尺八・文化・新書・ビジュアル本が並んでいる。街の古本屋さんと歴史や郷土に力を入れるお店が、小さく融合した感じである。硬い本に古い本が多い。値段は普通で、歴史&郷土系の本にしっかりした値付け。店主さんとは、本もお金も何故だか両手でやり取り。これからも屋根の奥から東海道に睨みを利かし、旅人に古本を手渡して下さい!長崎文献社「長崎への招待/嘉村国男編」インパクト出版会「戦時下の古本探訪/櫻本富雄」を購入。
posted by tokusan at 21:20| Comment(4) | TrackBack(1) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

4/25東京・高円寺 コクテイル書房


coctail_nakadori.jpg駅北口を出てロータリーには足を踏み入れずに西へ。横断歩道を渡り、細く西北にのびる『高円寺 中通り商店街』をひたすら進む。高円寺の四方にのびる商店街たちは、どれも明るく賑やかである。先にどんどん進み、緩い坂を下った底に、『あづま通り』から移転して来たお店があった。2008/08/08に訪れたお店である。以前と変わらぬ、格子戸や板張りで造られた店構え。『中通り』沿いに、単行本の詰まった箱や雑誌の並ぶ台が置かれている。すべて100円均一となっている。脇道の重い引き戸をスライドして店内へ。すると目の前に現れたのはご店主!何と赤ん坊をおんぶ紐で前抱っこしている。「いらっしゃいませ。あ、扉閉めますよ。こちらにどうぞ」と、前のお店から引き継がれている、トランクテーブル席に案内していただく。この後も赤ちゃんはずーっとグッスリであった。以前より広く天井の高い店内。木材で構成された、何となく“蔵”を連想させる内装である。カウンターには既に四人のお客。皆、ナナメ上の虚空を見つめながらお酒を楽しんでいる。ビールと肴を注文すると、女性店員さんが「注文されて来ていない物があったら、遠慮なくおっしゃって下さい。忘れてるかもしれないので」と笑顔。中々のぶっちゃけっぷりである。本棚は、左側窓下、入口右横、座敷壁棚、カウンター上、階段脇ラックに分布。店内BGMは、矢野顕子→フリッパーズギター(途中で音飛び)→高田渡の流れ。本棚はしっかり色々並んでいるが、少し気の無い感じで、どちらかと言うと、酒場の方がメインと言った感じである。日本文学・児童文学・洋書絵本・食物関連などが多く並ぶ。カウンター棚にはお客さんが陣取っているので近付けず。残念!しかし料理は相変わらず美味で、酒場としてのお店を充分に堪能。時間が経つごとにさらに混み合って来る。男女八人の集団、そこに何かの取材陣も乱入し、店内は“THEてんてこ舞い”に!しかしそれでも本は買わねばならぬ!一冊の本に目を付けるが、値段が付いていない。料理の追加注文ついでに女性店員に「値段の付いてない本は販売してないんですか?」と聞いてみると、「あ、それは知り合いの本なので蔵書なのかも…それか値段が付いてないだけか…イガリさ〜ん!松山俊太郎のって売ります?」「ん?売るよ」と店主即答!「おいくらで?」「550円」と答え、何故かカカトを軸にくるっとターン。その後姿に「ありがとうございます!」と声を掛ける。何はともあれ、移転おめでとうございます!忙し過ぎるようなので、お子様共々体を壊さぬようご注意下さい!白順社「インドを語る/松山俊太郎」を購入。
posted by tokusan at 22:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月24日

4/24長野・上田 斉藤書店

大宮から長野新幹線で軽井沢。およそ40分の短い行程。軽井沢で“しなの鉄道”に乗り換え。駅舎からホームに停車中の運転手に、「後二人ホームに向かっております。発車はまだお待ち下さい」と客の動きを実況中継する、楽しい鉄道である。ただし料金は高い。まだ雪を冠する山裾の、林と畑と住宅の高原風景を電車は進む。ホームには立原道造の詩が掲げられ、高原気分を一層強固なものにする…それでも私の目的地は古本屋である。


saito_shoten_ueda.jpg最初に小諸に立ち寄るが、目指すお店はシャッターが下りたまま。仕方なく駅まで戻り、上田に行くことにする。発車まで時間があったので、ホームで信州そばを立ち食い。またもや“しなの鉄道”に30分ほど揺られて駅に着くと、小諸とは違い大きく栄えているのでびっくり…新幹線の停車駅だからか。『お城口』から白っぽいロータリーに出ると、巨大な水車がぐるぐると回っている。そしてあらゆる所に蔓延る、真田家のシンボル・六文銭!標識に、ステッカーに、マンホールに六枚の銭が!さらにこの街は真田家だけではなく、映画「サマーウォーズ」の舞台としても盛り上がっていた!駅前には、劇中に登場する上田市の風景などが、説明入りで大きくプリントされ展示中。よし、今度観てみよう。ロータリーから真っ直ぐ北へのびる大通りを進む。まずは緩やかに見える『真田坂』だが、意外に足に負担が…。『中央二丁目交差点』を通過しさらに北へ。道の向こうには巨大な山塊。『池波正太郎 真田太平記館』が右手奥の視界に入ると、左側には均一棚がすでに見えていた。営業中なのでホッと胸を撫で下ろす。遠くまで来ての空振りは、想像するだけで震えが走る…。真っ青に塗られた上階には篆書文字の店名と『日本の古本屋』のロゴ。軒に青い日除けが張り出し、その下には店名と共に『入手困難な貴重な本・珍しい本・定価よりぐんとお安く買える本』と古本屋三原則のようなキャッチ。店頭には両翼に二本の100円均一棚と100均箱。だいぶ色褪せた物も並んでいる。出入口は左右二つ。右から店内に入ると、薄暗く静かでかなり広く整然としたお店。古本屋さんと言うより、地方の大きめの新刊書店と言った感じである。入口側真ん中のガラスケースに囲まれた帳場には誰もいない。壁際は左右共本棚、入口側帳場前にはガラスケースと二台の平台、フロア真ん中には背中合わせの棚が前後に四本ずつの計八本、右奥に背中合わせの棚が横向きに二本、左奥にガラスケースともう一つの帳場がある。そこでは店主のオヤジさんが、美味そうに蕎麦を食べている。入口側ガラスケースにはプレミア本、平台右に料理・ファッション・安売り揃い本、平台左に100円ビデオ・復刻本が収まっている。右壁は、実用・自然・音楽・映画・学術&教科書類・歴史・上田古地図・古典文学と並ぶ。向かいの通路棚は、時代劇文庫・女流作家文庫・日本文学文庫がギッシリ。第二の通路は、手前右にSF100均文庫・海外文学文庫、右奥に日本文学文庫続き、手前左にノベルス・ハーレクイン、左奥に実用ノベルス・新書の構成。真ん中の第三通路はすべてコミック。第四通路は、右側すべてに日本文学、手前左に長野&上田関連新刊本・池波正太郎文庫新刊・美少女コミック、左奥に海外文学。左端通路は、壁際に歴史&時代劇文学・額装された池波正太郎の書簡・政治・社会・思想・経済・法律・美術・工芸・茶・辞書、向かいは手前に長野&上田関連新刊本、奥に戦争・文学評論となっている。左奥ガラスケースには文学プレミア本。右奥の横向き棚、手前側は雑本的なちょっと安売り棚。思想〜大衆小説まで幅広く、古い本も多いので中々の見所である。裏は奥の棚も含めてアダルトとなっている。奥壁の棚には、長野&上田本・近代史が並んでいる。蔵書量が多く古い本や絶版文庫も中々充実。それでいて安い!棚脇に貼られた『当店の売価は裏表紙をめくって右肩に、定価よりぐんと安い値がついています』は真実なのである!棚造りは多少雑本的なところもあるが、探す楽しみの方が大きく上回る結果に。オヤジさんは気難しいように見えるが、とても物腰柔らかな人。DVDの事を「デーブイデー」とハッキリ発音するとこがプリティーです。改造社「放浪時代/龍胆寺雄」(600円!!!!!)読売選書「司馬江漢/細野正信」教養文庫「推理小説ノート/中島河太郎」(60円!!!!)春陽文庫「チャンスは三度ある/柴田錬三郎」を購入。

午後二時、再び小諸に戻りお店の確認に向かう…ふぅーっ、やっぱり閉まったまんまかぁ。毎日営業って書いてあったのに…。仕方なく今回は諦め、駅前の和菓子屋「虎屋」にて『藤村もなか』(二代目考案)『藤村そば(そばどらやきである)』(四代目考案)を購入。そばの方を試食させていただくと、これがしっとりもちもちで美味。お店が開いてなかった溜飲を、少しだけ下げる。
posted by tokusan at 18:51| Comment(8) | TrackBack(0) | 信越 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月23日

4/23埼玉・湘南新宿ラインに運ばれ北へ!二店!

蕨に行こうと思ったら、湘南新宿ラインの特別快速に乗り込んでしまい、新感覚派風に蕨駅を黙殺してしまう…と言うか私の方が駅に黙殺されたカタチ…。仕方なくそのまま車内に腰を据え、さらに関東平野の奥へ!


kounosu.jpg●鴻巣「鴻巣文庫」
東口を出て駅ビルの二階コンコースを通り抜ける。地上に下りてさらに東に進み、『国道17号』より手前の『旧中山道』へ。ここはコウノトリがシンボルの『おおとり商店会』にもなっている。旧家や古い商店がポツポツ残る風情ある街道を北へ。『鴻神社』を過ぎ、次の信号をさらに過ぎると、左手に『古本』の文字が現れる。何だ、この野菜即売所のような店構えは…ドキドキしてくるじゃないかっ!低く奥行きのあるプレハブ建築で、街道沿いには『古本』『古本買います』の看板。小さな敷地の奥に建物があり、もはや“屋根”と呼んでも差し支えない、大きな緑の日除けが覆い被さっている。その下左脇に青い店名テント看板。店頭には古道具や大量の植木鉢、それに釜まで転がっている。中は独特な古い雰囲気が襲い掛かる、広く長〜い店内。入口近くには大量の古着類が集まり、未整理品と販売本が混ざり合っている。そのほとんどはオバチャン用の洋服である。フロアには長い背中合わせの棚が三本、左壁に本棚、最奥に帳場があり、ガラスケース&本棚が脇に置かれている。右端通路は古着や古道具の倉庫のようになっており進入不可。第二・第三の通路はすべてコミックで埋められている。下にはポツポツと文庫の横積み山が続く。左端の通路に向かおうとすると、棚脇に飾られた額と色紙に気付く。額装されているのは…漱石の生原稿!?漱石って書いてあるし、原稿用紙も漱石山房…まぁ目を凝らしても、私に真贋が判るわけもないのだが。下の色紙は石ノ森章太郎先生の自画像入りサイン!上とは違い剥き出しな上、画鋲で留められている…。左壁棚は奥までズイッとアダルト。そして向かいの通路棚に大量の文庫本が展開。横7列・縦13段で、入口側から海外文学文庫・時代劇文庫・日本文学文庫・新書・雑学文庫と続いて行く。通路にも文庫本の山が直に置かれ、規則正しく等間隔に並んでいる。それなりに古い本も出現するが、さほど目ぼしいモノは見つからず。しかし全品150円は、兎にも角にも魅力的なことこの上ない!帳場脇にはおもちゃや絶版漫画もあり。帳場のおばあちゃんは『水戸黄門』を見ながらウトウトしていたが、声を掛けると即座に覚醒。台に敷かれた人工芝の上で、本とお金をやり取りする。学研M文庫「時代小説の風景/海野弘」を購入。


wako.jpg●北本「和幸堂」
駅に戻って上りに乗り込み、一駅だけ移動。西口を出てロータリーから線路沿いを北に進む。こちらには風情はもはや無く、新しい街の雰囲気が漂う。300mほど進み、右に見えている駅の上りホームが途切れると、いつの間にかお店の前に到着。うねった赤い建物の一階が店舗で、老舗っぽい名前とは裏腹に、リサイクル古書店全開な佇まいを見せている。店頭ワゴンにはコミックに混じって文庫が少々。サッと見てパッと店内に滑り込む。目指す古本は真ん中に集まっており、お店の左右はコミックとアダルトに占領されている。真ん中の通路は行き止まりで、“し”が逆立ちしたカタチに棚が組まれている。日本文学文庫・海外文学文庫・ノベルス・ハーレクイン・海外文学・実用・新書・日本文学、それに向かいに少量の雑学文庫と時代劇文庫。本の並びはキレイで神経が行き届いている。古い本もちょろっと顔を出すので、ついつい目がお皿になってしまう。値段は普通。春陽文庫「幽霊紳士/柴田錬三郎」を購入。

ようやく地元に戻って来ると、いつの間にか雨が本降りになっている。ここのところ、連続で帰り際に雨に降られる始末。そしてかなりの確率で傘を持っていない。と言うわけで、暗い夜道をダッシュで家路…人々が『何事か!?』とみな振り向く。突然背後から聞こえる乱暴な足音に、生命の危機を感じるのであろう。みなさん、驚かせてすみません。私は古本屋から帰る途中なのです。本を濡らしてはならないのです!バタバタゼェゼェ。
posted by tokusan at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月22日

4/22東京・幡ヶ谷から中野新橋いつの間にやら古本ロード

幡ヶ谷での打ち合わせを終え、今日も冷たい雨の中を中野新橋まで徒歩移動。するとその道筋が古本ロードとなってしまい、急がねばならぬのに寄り道三昧の午後五時。


himawari_hatagaya.jpg●幡ヶ谷「ひまわり」
駅改札を出たら北側の地上口へ。『甲州街道』を東に向かうとすぐに煙草屋があるので、そこの脇道を北へ。ビルの谷間の進めば進むほど細くなる道…終いには傘を差していると人と擦れ違うのも困難に!そんなところで目に付いたこのお店。外観はスナックや美容院のようだが、子供の天国・駄菓子屋さんなのである。しかし店頭には、オモチャのサングラス・風船・ボールなどの下に、場違いとも思える二台の古本ワゴンが置かれている!この乖離した営業状況に胸が激しくトキメク!雨なのでワゴンにはしっかりと厚手のビニールが掛けられている…駄菓子屋さんとは思えない完璧な対応である。左には一冊30円&100円の山岳系雑誌・ムックとコミックが少々、右には山岳・登山の単行本がギッシリ…子供は決して買わないのだろうな。ビニールの洗濯ばさみを外し、上に溜まった水をこぼさぬようにして本を一冊取り出す。中に入ると正真正銘の駄菓子屋さんで、古本は置かれていないようだ。ムリをすれば、お店の全商品を買い占めるのも可能であろう…そんな小さなお店である。誰もいないので奥を覗き込むと、隣の住居部分から奥さんが登場。本を手渡し、定番のフレーズを問い掛ける。「ここは何故古本を売ってるんですか?」「そうですよね、変ですよね〜。主人がね……」「ご主人が自分の本を売られてるんですか?」「そんなようなものかしら。ウフフフ…」…今まで古本が売れたことはあるのだろうか?しかし、裏路地+駄菓子+古本…こんなにも魅力的な三重奏がかつてあっただろうか!角川選書「西丸式山遊記/西丸震哉」を購入。


tongarashi.jpg●中野新橋「ふる本屋 とんがらし」
駅から『中新通り』を南へ。信号を二つ過ぎて坂道に掛かると、やがて左手に見えるセブンイレブン。その脇道を東に入ると右手にすぐにお店が見える。マンション一階の広めな店舗で、リサイクル古書店な明るい店構え。巨大な唐辛子のイラストが踊る看板が心憎い。基本色は緑と赤…共に唐辛子の色である。奥まった店頭には、左に二本の100均文庫壁棚、それに雑誌ラックやコミック本棚が続く。中に入ると、出入口の両脇に300均単行本棚と100均単行本棚。それ以外はこの辺りは、ゲーム・コミック・音楽CDの世界。奥へ進むと真ん中に横向きの通路があり、三面の日本文学文庫棚が展開している。下には手書POPが添えられたおススメ本もあり…選考基準は不明である。奥の右壁棚にアイドル・エッセイ・サブカル・日本文学・ビジネスが並び、奥壁にガイド・実用・映画・音楽・ゲーム攻略本。右奥通路棚には、二面にノベルス・新書・ハーレクイン・海外文学文庫・教養&雑学文庫となっている。右奥裏のアダルトゾーンはお客さんが入ってるなぁ…。街を潤すリサイクル古書店である。棚には少し古い本があったりもする。値段は普通。それにしても、何故店名を「とんがらし」にしたのだろうか…出前を頼む時も「とんがらしです」、領収書も「とんがらしで」…何だか「マカロニほうれん荘」の七味とうがらし先生が、頭の中で激しく点滅…。メディアワークス「ブラックロッド/古橋秀之」を購入。

上記の二店以外にも、三店に立ち寄ってしまう。幡ヶ谷「なつかし屋」(2008/07/29参照)はシャッターを降ろしていた。…路上に立看板が出しっ放しですよ!「猫額洞」(2008/10/20)は相変わらずよいお店。小さなお店なのに、予想以上に時間を食ってしまう。創元推理文庫「トリフィドの日/ジョン・ウィンダム」を購入。最後に「伊呂波文庫」(2008/07/11参照)へ。オヤジさんは相変わらずテレビっ子だが、今はテレビは一台きり。ここもやっぱりワクワク出来るお店である。さらに時間をパクパク…。新宿書房「住所と日付のある東京風景/冨田均」を購入。
posted by tokusan at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月21日

4/21神奈川・関内 なぎさ書房


nagisa.jpg川崎の東扇島で仕事。文字通りの島であり、巨大倉庫しか無く、車でしか本土との行き来は出来ない。そんな場所から仕事を終えてツアーに出発。ぐるぐる島内を回るバスに乗り込み、天然ガスが燃える白光を眺めながら、海底トンネルを通過し川崎駅へ。およそ40分後に到着し、すぐに京急に乗り換え『日ノ出町』へ。外が急激に暗くなり始め、あの地帯に夜に足を踏み入れることに、軽く緊張感を覚える。海老反った駅から東口に出て、目的の駅近くのお店へ…あっ、閉まってる。まだ18:30なのに…一流スポーツマンのように素早く気持ちを切り替え、伊勢佐木町方面へ徒歩で向かう。『長者橋』を、ぐったり吊られた鯉幟を横目に渡り、明るく賑わう長者町の大通りを東南に進む。300mほどで『イセザキモール』が見えたたのでホッとする。そこを南西に進み、商店街の奥へ奥へ…『開いている古本屋があれば即座にツアー敢行!』と心に決めてトボトボ。五丁目に入った所で、左手にようやくお店を発見。おぉ、ここはその昔、林不忘の「釘抜藤吉捕物覚書」を見つけ、随喜の涙を流したお店!しかも20:00まで営業とは助かったぁ。歩道には100均文庫ワゴンとビジュアルムックワゴン、店頭には100均単行本棚・ビジュアル本ワゴン・ムックラック、そして横の階段脇に復刻本やボロい古い本が並ぶ壁棚がある。壁の柱の低い位置に、店名と『本』のプラプレート。中に入ると暗い感じではないが、古本の重さと雑然とした空気が漂う、ちょっと複雑な構造の店内。入口手前スペース、奥に左右のスペースと言う分かれ方か。入口側は両壁は本棚、真ん中に背中合わせの本棚、その奥に低い棚と本の山と紙物が融合した島があり、その右の階段下に帳場が設置されている。左奥スペースは、壁際はぐるりと本棚、真ん中に低い平台、そして左右を分ける背中合わせの棚。右側スペースも壁際は本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本置かれている。今日も無理矢理古本屋さんに出会えたことを、古本の神(本当にいたらいいのに…)に感謝しつつツアースタート!入口右壁は実用・エッセイ・サブカル・ガイド・自然・車洋雑誌・子供の科学・ノベルスなどが並ぶ。ここの通路は人が歩き過ぎたためか、地がむき出しになっており、大胆にもその端がガムテープで補強されている。向かいはミステリ&エンタメ文庫で、左側には女流作家文庫・時代劇文庫・海外文学文庫・雑学文庫が並ぶ。入口左横の洋書ペーパーバックをスルーし、左壁には時代劇文庫・「現代思想」・廉価コミック・絶版漫画・美少女コミックなどがカオス的に並び、日本文学・社会・映画と続く。その前には厚く積み重なった大量の大判本。棚と本の島には、ちくま文庫・ハーレクイン・揃い本・地図・絵葉書など。左奥のスペース、壁際に映画パンフのカゴ、左壁に工芸・山岳・骨董・美術・書・建築・豪華本、奥壁に中国・ハヤカワポケミス・写真・「美術手帖」・音楽、平台に美術ビジュアル本、仕切り的棚に戦争・戦国時代・新書の構成。右奥のスペース、仕切り的棚にアダルト・歴史・風俗、奥壁にベルメールの額装版画・日本文学・文学評論・仏教が並び、右壁はキリスト教・自然・文化・地方・郷土・神奈川・横浜・辞書、フロア棚左に詩歌・文化、右に古く茶色い本がズラリ。文学・付録・実用・ガイド・ハンドブックなどなど。右端通路には地図・絵葉書などの紙物も多数置かれている。古い横浜の地図、いいなぁ〜。オールジャンルで古い本も多く、深くブクブク潜れるお店。値段は普通。しかし安めの本も所々に混ざり込んでいる。レジを囲む大量の絵葉書は壮観である。次回伊勢佐木ツアーの時にまた立ち寄ります!買った雑誌を家で見てみると、大阪・道頓堀の「天牛本店」の青緑の店名シートを発見。おぉ!このお店は、安藤忠雄がコルビュジエの古本を購入したお店ではないか!ぐむむむぅ、ツアーしてみたかった…。雪華社「文学散歩 第一号〜第九号」を購入。
posted by tokusan at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月20日

4/20東京・神保町 古書・古本 とかち書房


tokachi.jpg『靖国通り』から『錦華通り』に入り北へ。ちょっと歩くと右手に緑に囲まれた不規則な敷地の小学校。その向かいのビル一階にお店はある。路上には『本』の立看板が出されているが、お店は何だか良く見えない…階段と柱、それに一階の別店舗に挟まれた、路地のような通路の奥にお店の出入口を確認。通路には赤いマット、狭い通路の壁際に雑誌棚と雑誌ラック。出入口横に、大きな弧を描く赤い店名看板が置かれている。そのまま洞穴に入り込むように中へ。薄暗くジャズの流れる店内は少し雑然としている。入口から奥は通路がそのまま続いており、両壁は本棚と奥に空のラック。そこを抜けると奥に空間が現れ、左側の本棚に囲まれたフロアには、横向きに四本の背中合わせのスチール棚が置かれ、通路にも本が積み上がる…かなりギュウギュウな空間となっている。右側はスピーカーを目の前に置いた帳場があり、その背後はさらに薄暗い倉庫スペース。壮年の店主は音楽の流れるスピーカーの直近で、パソコン操作&プリントアウト中。入口通路の左には新書・音楽・映画、右には日本純文学文庫・教養系文庫・中公文庫・ちくま文庫・旺文社文庫・岩波文庫・海外文学文庫…むむむ、古く面白い本が結構並んでいる…新書も文庫も胸が躍るぞ!舐めるように眺め、ジリジリと奥へ移動して行く。奥の壁際はほとんどが箱入り本で、歴史資料・社史・工業史・地方史などがズラリと並び、奥の壁は美術・工芸の大型本となっている。手前から第一の通路は、ジャズ・企業関連など。第二の通路は、海外文学・句集・探偵小説・思想・哲学・心理・教育。第三の通路が…いかん!記憶がぽっかり空白に…あぁ何が並んでいたっけ…確か社史・日本文学・数学などがあった気が…あぁ!第四の通路は、世界・科学・建築・言葉・辞書・出版・古本・中国・宗教・易。第五の通路は、日本各地方&民俗学(アイヌ関連が充実しているのは店名とも関連ありか)、帳場横に美術と探偵小説(渡辺温「アンドロギュノスの裔」が!)がちょっぴり並ぶ。硬めだが上質なお店である。所々に混ざり込む、武術&探偵小説が心の渇きを癒してくれるようだ。文庫と新書は絶版が多く、見所のひとつとなっている。値段は安め〜高め。いい本にはしっかり値だが、何となく余裕の隙を見せている節もある気が…。帳場で精算すると、店主はキーボードの下からお釣りを取り出してくれる。あぁ、それにしても第三のいまいち思い出せない通路…心残りである。いつかこっそり確認しに行こう。中公新書「テレビCMの青春時代/今井和也」現代教養文庫「東京近郊 一日の行楽/田山花袋」を購入。
posted by tokusan at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月19日

4/19東京・田端 古本 石英書房


sekiei_shobo.jpgまたもやの田端だが、今回は南口から丘の中腹へ。改札を出て石畳の坂を少し進むと、急峻な階段が右側に現れる。51段を踏み締めて頂上に立つと、そこには『不動坂』の標識。目の前の横断歩道を渡り、すぐの住宅街に入り込む道を南西に進む。ほほぅ〜こんな所に鉄道模型屋が…おぉ!見事な文化住宅が…と街を楽しみながら進もうとすると、すでに左手にお店が出現していた。三月の終わりにオープンしたばかりのお店!鉱物の名を持つお店である!その店構えは簡素で看板などは無く、注意して貼紙や表に置かれたショップカードを見るか、サッシから中を覗き込まなければ、古本屋さんとは気付かないであろう。ガラス窓には『一箱古本市』『痕跡本てなに?』などのイベントチラシが貼られている。サッシを開けて中に入ると、正面帳場に座る主婦的女性店主と、否応なくご対面!お互いに「今日は」と頭を下げる…これでは逃げも隠れも出来ないな。店内は明るく光が入り込む横長なカタチで、棚も横向きに置かれている。古本屋ではあまり見かけないスタイルである。左側には、入口横に低めの本棚、低めの深い背中合わせの棚(上には様々なチラシ類)、その向こうに顔ぐらいまでの背中合わせの棚、奥の壁際にさらにちょっと高い棚と、奥に向かって高くなってゆく。入口右側には児童文学・児童入門書・絵本・女性系エッセイ&実用などが集まり、その前には子供用の椅子なども置かれ、親子で寛げるスペースを造り出している。その奥にはショウケースがあり、水晶の原石(おぉ!透明度の高い石英!)や古い鍵など、独特な物が飾られている。BGMはシャンソンではないフランス語(予想)の歌が流れている。入口左横は100円文庫が混ざる安売り文庫棚。しかし何故か非売品もあるとの表示が。向かいには300円均一のエッセイ・随筆本。裏側にも同様のエッセイ・随筆、そして雑誌や東京関連ガイドなどが並ぶ。その奥の棚には、田端関連(田端文士の本)・文学評論・古本・江戸・東京(充実!)、裏側に美術図録・美術系雑誌が収まっている。奥の棚はほとんどが文庫(一部新書)で、下段に集まる文学以外は、細かく丁寧にジャンル分けされている。旅・紀行・食・科学・古典・言葉・古本・東京・風俗……こう言う棚は見ているだけでワクワクするなぁ。ここには値段が付いていない本もあるが販売はされており、帳場でしっかり値付けしてくれる。何だか古本屋らしからぬお店で、不思議な空間…棚の配置や見通しの良さがそう思わせるのだろうか。古い本はほとんど無く冊数もそれほどないが、方向性をしっかり持つ趣味の良いお店である。値段は普通。営業時間が月・水・金・土の10:30〜16:30と変則的なので注意が必要。帰りに再び不動坂に立つと、横に手書きのブリキ町内図があることに気付く。しゃがみ込んで見てみると、お店のある場所は枠線のみの空白状態。いつの日かここにお店の名前が書き込まれ、しっかりと田端に根付くことを願ってます!晶文社「いま・むかし 東京逍遙/小沢信男」中公文庫「ある市井の徒/長谷川伸」を購入。
posted by tokusan at 19:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

4/18東京・阿佐ヶ谷 Re:Books NOAH


re_books_noah.jpg今日は時間が無いために、仕事へ向かう途中に前日見掛けたお店に、チラッと立ち寄ることにする。駅南口から大賑わいの商店街『阿佐ヶ谷パール商店街』を南下して行く。人の流れに動きを合わせたり、時折素早く追い越しながら、川を遡る魚のように先へ先へ。やがて左手に見える「ブックオフ」。その50mほど先の、同じく左手にあるビルの二階にお店はある。阿佐ヶ谷駅南側の古本屋はもはや「ブックオフ」のみ(南阿佐ヶ谷には孤高の古本屋「あきら書房」があるが…)。「弘栄」「星野書店」「ブックギルド」「阿佐ヶ谷南口駅前の古本屋」「風船舎」などが撤退し続け、このままでは北側も!と戦々恐々としていたところに、新たに現れたお店なのである。しかしその雰囲気は明らかにリサイクル古書店!しかも二階への入口周りに貼り出された手書きのチラシには、『コミックショップ』と高らかに宣言されている…果たして古本は…。ここは2/22に開店したばかりなのか。『本』の文字を信じて、1000円床屋とお店の広告が交互に続く階段を踏み締めて二階へ。上がった所には床屋の入口。目指すお店は右手廊下の奥にある。スウィング式のドアには、ノアの箱舟や世紀末なイラストが貼られ、取っ手には“雄”の文字…“押す”という事なのだな…。店内は明るく横長で、BUMP OF CHIKENの流れる店内。そして目に入るのはコミックやゲームばかり…やはり古本は望めないのか…と店内を怪しく徘徊する。コミックはきっちりしっかり分類され、メディアミックスコミックのコーナーなどもあったりする。そしてようやく奥のレジ前、左奥フロア棚に古本を発見!『あってくれたかぁ〜』と思った棚に並ぶのは、ラノベ・ゼロ年代青春ミステリ(舞城王太郎・西尾維新・佐藤友哉・奈須きのこ・初野晴・山田悠介・森見登美彦などなど)・雑本文庫&雑本単行本少量と言ったところ。当然コミックに比べ冊数は少なく、一瞬で見終わってしまう。しかし方向性は理解出来る!コミックばかりではなくこの棚を上手く発展させ、せめて棚一面になれば、また立ち寄る楽しみも生まれそうだ。「ブックオフ」が至近にあるので、追い付けないようなマニアックさに磨きをかけて、突っ走って欲しいものである。値段は安め。阿佐ヶ谷に二月に灯った新たな古本屋の炎…どんな色の光でもいいので、これからも阿佐ヶ谷で輝き続けていただきたい!講談社ノベルス「熊の場所/舞城王太郎」を購入。
posted by tokusan at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月17日

4/17千葉・本八幡で南口で街の谷底二店!

総武線に乗り込み、各駅停車で東を目指す。錦糸町辺りから駅周辺が派手な看板に包囲され、黄色が基本色と化し始める…。それにしても晴れてよかった。雨の日の古本屋ツアーは、もういだろうと思っていたので。


kawai.jpg●本八幡「古書 川井書店」
南口へ出て西側の階段を下りる。線路沿いに続く高架と小さなビル群に挟まれ、谷底のように細い道がのびている。そこを真っ直ぐ、鋭角に切り取られた青空に見下ろされながら進む。無味乾燥な高架側とは正反対に、向かいには小さな商店や飲み屋が連なっている。途中、横断歩道を渡りさらに先へ進むと、飲み屋の隣に目指すお店が現れる。アパートのような奥行きのある建物の一階部分に店舗があり、軒には大きく張り出した緑の日除け、その下に安売り文庫&ノベルスの平台、雑誌ラックが一台、絵本の収まる『小学館のフォト絵本』回転棚が置かれている。ふぅーっ、シチュエーションと言いその姿と言い、たまらないお店である。やけに掴み易いサッシを開けて中へ。狭い空間に棚が詰め込まれたような店内で、古臭く冷やっとしている。壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本。奥に棚に囲まれた帳場があり、その前にも棚が一本。帳場内では渡辺文雄似のオヤジさんが、がっしりと腕を組み瞑目している。通路は狭く、何もかも人間サイズのスペースより少し縮小した感じである。入口右横には郷土資料。これは他の棚上部などにも姿を見せる。右壁棚は美少女コミックと廉価コミック。帳場前には古い岩波文庫が並ぶ。向かいは日本文学文庫・雑学文庫が収まっており、いかりや長介と志村けんの本がピッタリ寄り添うのが微笑ましい。真ん中の通路は、右に女流作家文庫・教養系文庫・官能文庫、左に海外文学文庫とノベルスが並ぶ。奥に表裏両方に戦争関連が並ぶ棚あり。レジ周りは新書・資料本・歴史で固められている。左端通路の右側は時代劇文庫、左の壁際に歴史・文化・郷土本・アダルト・異色の組み合わせ歴史&SM棚となっている。この通路にはアダルト雑誌を入念に吟味する老人が一人…中々決められないようである…。周囲にバッチリ溶け込んだ街の古本屋さんだが、古い本もほどほどに並び、棚を見る喜びを味わえる。文庫などの値段は安いが、古い単行本にはちゃんとした値段が付けられている。何はともあれ、ひっそりかんがたまらなく魅力的なお店である。徳間文庫「チャイナタウン ヨコハマ/陳立人」を購入。


como_house.jpg●本八幡「CoMo House」
来た道を引き返し、再び駅南口へ。今度は線路沿いの道を東に進む。谷底的雰囲気は変わらないが、広い割にはちょっと寂しく、こちらはただの“道”と言う感じである。通りは途中から『メディアロード』と名前が付くが、何も変わるわけではないので構わずさらに進む。すると、右手の白いマンション一階部分に連なるお店の中に、本棚を発見することが出来る。軒には派手なネオンの看板があり、その下の右側に出入口、左に100均壁棚。コミックワゴンや雑誌ワゴンも置かれている。横に立てかけられた板には、「ブックオフ」のロゴを真似た、手書きの店名ロゴなどが貼り付けられている。苦笑しながら中に入ると、明るく横に広がる店内。すぐ右奥に帳場があり、出入口側フロアはコミックとアダルトが集まっている。他には実用・ビジュアルムック・絶版漫画・アニメムック・音楽なども。迷わず左奥に進むとそこが古本の世界。壁と窓は本棚で塞がれ、横向きに背中合わせの棚が三本、それ以外にも小さな棚が三本。通り側の通路窓際は、歴史・近現代史・社会が並び、向かいは何故かガラガラながら文学・絶版文庫・未整理本が少量収まっている。左壁棚には、鉄道・東京・スポーツ・サブカル・芸能・映画・美術。二番目の通路は時代劇文庫と海外文学文庫、棚脇にハヤカワSF文庫。三番目の通路は日本文学文庫と雑学文庫、棚脇に岩波文庫。最奥通路は、壁際に日本文学・幻想文学・探偵&推理・海外文学・思想・落語・詩集・美術図録・新書が並ぶ。そして向かいにはビニールに包まれた絶版文庫がビッシリ!ビニールが光って背文字が読み難いが、あまりストレスに感じないくらい棚に集中してしまう…。一見リサイクル古書店だが、分類しっかりで棚の質も高め。値段は普通で、絶版文庫はそれほど高くないジャストな値段!素敵なお店である。しかし、絶版文庫に付けられた「本道楽」の値段票は、どう言うことなのだろうか?このお店の名もしっかり印刷されているので、「本道楽」のグループ店なのだろうか?よく見ると稲毛海岸に「ポップワード」と言うお店もあるようだ。行ってみなければ。講談社文庫「私の東京地図/佐多稲子」を購入。

この辺りでは京成八幡の「山本書店」が、まだ未踏のお店である。今回の「川井書店」には驚きだったので、まだまだお店がひっそりと潜んでいそう…などと甘い妄想を抱きながら、ツアーはしつこく続いて行くのであった。
posted by tokusan at 18:54| Comment(5) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月16日

4/16埼玉・上福岡再訪で様々なお店のカタチ二店!

2009/08/02に訪れた上福岡。閉店&定休日で、何処にも入店出来なかった苦い夏の日…。そんな思い出を払拭すべく、冬に完全に逆戻りした寒さの中、定休日だった二店を目指す。


totoro.jpg●上福岡「かみふくおか作業所 トトロ」
駅東口を出て『駅前名店街』の名を持つ、ちょっと古びた商店街を南東に進む。そこを抜けると五叉路の交差点。横断歩道を渡り、寂れた商店街風の『中央通り』を東へテクテク。300mほど進み、ひとつ目の信号から、南西にカクッと鋭角に曲がり込む。細道を先に進むと、掘っ立て小屋のようなポツンとある飲み屋の向こう、白いビルの一階が目指すお店である。左に入口らしき扉があり、右側は手書きのチラシがペタペタ貼られたガラス窓。『値段改定のお知らせ』『出張トトロ』『本を読みませんか』『蟹工船ついに映画化』などなど。角には黄色い幟がはためき、『古本』の文字と共に団栗の絵と本と空き缶が握手をしている、リサイクルを連想させる絵が描かれている。建物の右側に回り込むと、どうやらこちらがお店の正面のようで、上階のベランダ下から木の看板が下がり、店名が勘亭流で刻まれている。扉枠や窓枠も木製で、店頭には古着とビジュアル本の詰まった箱が置かれている。カラリと引き戸から中に入ると、何だか不思議な雰囲気の店内。手作りの小さな箱が連結した棚が壁を覆い、分類が大きな文字でしっかり細かくされている。店内は二つの部屋に分かれており、こちらは壁棚フロア棚含め、コミック・参考書・辞書が並んでいる。左奥に進むと、マシンガントークな息継ぎの無い話し声…チラと横に目をやると、喋っていた女性が気付き、一瞬驚くようにしながらも「いらっしゃいませ」…再び何事もなかったかのように話し始める。奥の帳場にはもう一人女性がおり、何やら読みながら受け答え。どうやら忙しなく話している女性は障害者の方らしい。話を聞いてるのが一般の所員の方なのだろう。なるほど!ここは障害を持つ人が働く施設なのか。妙な店名や大きな文字、児童館のような店作りに納得がいく。パン屋とかケーキ屋ではなく、古本販売を店舗を持って営業しているのは、中々珍しいのではないだろうか!ちょっと感心しながら棚を見続ける。部屋の境目には児童書・絵本の棚。上部には、右部屋に実用ノベルスと中公新書、左部屋には絶版文庫棚が設置されている…うぅ、首がきしむ。そのまま左の部屋に滑り込んで行く。何やら作業中なのか、こちらの棚には空きが多い。壁はまたもや箱のような細かい棚、フロア真ん中にも立方体のような棚が二つ置かれ、左奥に作業場兼帳場がある。真ん中の手前島はコミック、奥は宗教・社会・海外文学文庫など。右壁には作家別日本文学文庫(旺文社文庫スペースあり)。奥壁は時代劇文庫・日本純文学文庫・ティーンズ文庫が並ぶ。左壁は出入口横に教養系文庫が並び、真ん中におススメ本、奥に音楽や文化・美術と続いて行く。上部には岩波新書や中公文庫がビッシリ。どうやら棚の入れ替え中らしいので全貌はハッキリと掴めなかったが、コミックと文庫が豊富である。通路は狭く、棚の上部と下部を見るのに一苦労。文庫は絶版も多いのでワクワク出来る。しかも安い!お店の二人は相変わらず色々話しながらも、ガッチリタッグを組んで棚に本を並べて行く。私は上部の棚から、背伸びしてプルプルと本を抜き出し、作業中の二人に声を掛ける。すると所員さんではなく、マシンガントークの彼女がレジにスルリと立った。レジはバーコードをピッと操作、値段を告げ、チラシを本に挟み、お金を受け取り、本を手渡しながら「ありがとうございます」。普通のことである。当然のことである。しかし、古本修羅の心がサラッと洗われた瞬間でもあった。角川文庫「乗りもの紳士録/阿川弘之」を購入。


ginsoudou.jpg●上福岡「銀装堂書店」
駅西口を出て線路沿いを北西に進む。しばらく歩くと跨線橋に行き当たるので、そこから通りを西南に進み、巨大団地の外郭をなぞって行く。右を見るといきなり急な坂道になっており、ここが丘の端と言うのを認識する。400mほど進むと、どうにか右手にお店が見えて来た。二階建て住宅の一階が店舗となっている。壁に『COFEE&SNACK』の消された文字があるので、元は軽食喫茶のお店だったのだろう。軒と壁に金文体の店名看板。そこには『古書一般・歴史資料・絵本・絵葉書他』『Jazz・Classic CD&DVD』と書かれている。ふぅーむ、入れるのだろうか…入口に近付くと壁面にラックがあり、ビジュアル&実用ムックが多数並んでいる。脇には赤い布が掛けられた店頭棚らしきものも。右の入口を見ると、飴色のガラスの向こうに本棚が見えている。がっ!そのガラスに『販売は店頭陳列のみ』『店内はオークション・ネット用』『会計は店内で』と書かれている…何てことだ。結局欲しい本も見つからず、また長い道のりをトボトボ駅へと戻る。

世界にはまだまだ色々な古本屋がある…そう改めて気付かされた上福岡であった。念のため「若葉文庫」に行ってみるも、やはり営業している気配は無く、その様子は夏のあの日のままで止まっている(2009/08/02写真参照)…残念である。
posted by tokusan at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

4/14東京・高田馬場 ふるほん横丁


furuhon_yokocho.jpg「飯島書店」で手にしたチラシに導かれ、『早稲田通り』を早足に西へ。目指すは高田馬場駅・早稲田口ロータリーの向かいにある『FIビル』である。一体どんな“横丁”が待ち構えているのだろうか…本当の『古本屋横丁』(2009/08/08参照)を思い出しながら、前のめりに歩いて行く。ビル前に到着すると、ビルの前面には光り輝く「芳林堂」の店名看板。エントランスに踏み込むと、「ふるほん横丁」はすでにそこにも進出していた!左右の柱脇に五台のワゴンとレジが張り付き、四階の“横丁”をアピールしている。並んでいるのは、文庫・新書・ハヤカワポケミスなど。エスカレーターで三階まで上がり、階段で四階へ。フロアに歩を進めると、天井から暖簾を模した看板が下がっているのを発見。矢印の指し示す右奥に迷わず進むと、そこには人々が棚に張り付く光景が展開。天井からはまたもや暖簾を模した看板パネルが下がり、その下で壁棚17列・通路棚三面の24列が横丁を形成している。壁棚上部には店名プレートが八店ほど貼り付けられているが、早稲田のお店だけではなく、自由が丘や吉祥寺のお店も並んでいる。これは固定なのだろうか?それとも今後入れ替わったりするのだろうか…?棚には、生物・科学・学術・法律・美術・歴史・民俗学・思想・日本文学・文学評論・幻想文学・歴史・映画・音楽・サブカル・児童文学・洋書・社会・風俗・復刻本などが並んでいる。いい本にはしっかり値段が付いているが、全体的にはちょっと安めで嬉しい。…その安い本を買えばいいのに、見つけてしまった欲しい本…やっぱり高い。…むぅ、しかしこれを買わないでどうするっ!お前の魂はそんなもんかっ!ともう一人の自分に叱咤されるのをいいことに購入を決意!…映画監督・神代辰巳の脚本集である。最近ケーブルTVでの特集を見たことにより、「青春の蹉跌のテーマ」が頭の中でヘビーローテーション中…ただ今脳内第一位!神代+ショーケンに完全にノック・アウトされっ放しなのである!そんな映画たちの秘密の一端に、どうしても触れてみたかったのだ。気付けばこの本は「飯島書店」の出品…さっきまでお店にいたと言うのに、横丁まで来て同じお店の本を買ってしまうとは……こうして早稲田の夜は更けていくのであった…うわっ!神代辰巳って早大卒なんだ…。ダヴィッド社「神代辰巳オリジナルシナリオ集」を購入。
posted by tokusan at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

4/14東京・早稲田 飯島書店


iijima.jpg市ヶ谷で午後六時半までお仕事。これらから立ち寄れる古本屋さんはあるのかと、取りあえず確率が高そうな早稲田に向かってみる。駅から地上に出て『早稲田通り』を高田馬場方面へ進む。午後七時前…おっ、「立石書店」は開いている。その後も結構開いているので、ズンズンと西に進む。坂道を上がり切り、三叉路の交差点を越えると、左手ビルの一階に集まる古本屋さんが見えて来た。歩道へ灯りを投げ掛ける一店の前に立つ。ここは確かアダルトも売っている、早稲田ではある意味珍しいお店である。ガラス扉&窓の上にはめ込まれた、青く光る店名看板。お店のエントランスは広めで、雑誌ラック・廉価コミック棚・100均文庫ワゴン・二冊100円カバー無し文庫ワゴンなどが置かれている。自動ドアから中に入ると、白い棚の並ぶちょっと天井の高い店内。壁は本棚、左側には棚で行き止まり通路が造られている。真ん中には背中合わせの棚が一本、奥に帳場があり壮年の店主がひとり座っている…まだお店を閉める気配ナシ…よし!入口左横の小空間には児童文学と絵本が並び、通路左壁にコミック・教養系文庫・新書と続いて行く。帳場横が入り口の行き止まり通路はアダルトコーナーとなっている。その入口付近には新書とビジュアル本の棚もあり。右の通路棚には、戦争文庫・戦争・現代史・社会・音楽・演劇・映画・歌舞伎が並ぶ。下には横積みされた新書や雑誌なども。帳場前を通り右側通路へ。右壁棚は奥から美術…むっ?店主が立ち上がったぞ。これはもしや…あぁっ!表に出てワゴンを仕舞い始めてしまった!やはり七時が閉店時間だったか…急がねばっ!と壁棚に意識を戻す。工芸・骨董・哲学・思想・自然・生物…ひぃっ、通路にマットやワゴンが運び込まれた!もはやこれまでか…向かいには歴史・風俗・文学評論&評伝・囲碁・将棋が収まっていた…焦って本を一冊抜き出し、通路に押し込まれたワゴンと棚の間を擦り抜けて表へ。「すいません」と片付け中の店主に声を掛けると、「あぁ、いらっしゃい」と店内に引き返して来た。客が店主を店に呼び込む、奇天烈なシチュエーションである。二人でそのまま帳場に戻って精算。ふとレジ横のチラシに目が留まる。『ふるほん横丁OPEN』?しかも「芳林堂書店」に!?チラシと本を手に表へ…。新潮社「イーハトーボの劇列車/井上ひさし」を購入。
posted by tokusan at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月13日

4/13東京・東日本橋 BOOKS-U 東日本橋店


u-books_higashinihonbashi.jpg東日本橋駅だったら『B2』、馬喰横山駅からなら『A3』を出て、『東日本橋交差点』へ。脇にある小公園は、六本の道路が見通せるので、似非パリな視界の開放を楽しめる。目指すお店は『清澄橋通り』沿いの雑居ビル一階にある。名前から想像出来る通り、BOOKS-Uの支店である。…それにしても看板系の色使いが、隣のミニストップと同色になっているのは、どう言うわけなのだろうか…。ミニストップと思わせて客を引き込む?統一感を出して街の美観を損なわないようにしている?…ナゾは尽きない。本・DVD・CD以外にも、金とプラチナの買取をしている、貪欲なお店である。店内は清潔でリサイクル古書店の雰囲気。場所柄のせいか、スーツ姿のサラリーマンが忙しなく出入りしている。店内BGMは渋いブルース。細長い店内の両壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本。左奥に階段下小スペースがあり、壁棚と細いフロア棚が一本置かれている。奥にはレジと共にアダルトスペースへの入口。右側通路はすべてコミックで、出入口正面には最近刊本&雑誌棚がある。左壁は雑学文庫・新書・自己啓発・ビジネス・実用・ミステリ&エンタメ・エッセイ・ノンフィクションと並び、向かいには時代劇文庫と日本文学文庫が収まっている。階段下には、壁際に赤川次郎・内田康夫・山村美沙・西村京太郎の専用棚がっ!…う〜む新しいアイデアだ。奥の壁際には、経営・鉄道・江戸・古代史・音楽CDなどが少量並ぶ。フロア棚には海外文学文庫とDVDが表裏に揃っている。サラリーマンには嬉しいビル街のリサイクル古書店である。が、油断は禁物!所々に鈍い光を放つ本が混ざり込んでいたりするのだ。値段は安め〜普通。油断出来ないと判ったからには、立石&お花茶屋も近々訪れなければ…と気持ちを新たに、神田方面までブラブラ歩く。するとこの辺りが、服飾関係の会社やお店が集まった街であることに気付く。何だか見たことの無い景色が、通りの縦横に広がっていた。笠倉出版社「ゾンビ大事典」講談社文庫「美を求める心/岡部伊都子」新潮新書「ニッポン最古巡礼/高田京子・清澤謙一」を購入。

その後何だかんだで神保町まで歩いてしまい、澤口書店神保町店にて広済堂出版「SF大事典/横田順彌」、巖松堂にて薔薇十字社「悪魔考/吉田八岑」を購入してしまう。
posted by tokusan at 22:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月12日

4/12埼玉・東川口 古本 武蔵野書房


musashino_higashikawaguti.jpg今日の標的は『浦和美園』…埼玉高速鉄道の終着駅である。そこは、近接する埼玉スタジアムが月面基地のように見える、荒涼とした街であった。歩き始めた瞬間に『この街に古本屋は無いっ!』と確信する。しかし万が一と言うこともあるので、下調べしたお店を求めて南へ北へ。結局冷たい雨の中を6kmほど歩き回る破目に…結果完全なる空振り…グフフ。既に身体は疲労困憊し足には豆、大型トラックの上げる水煙にも飽き飽きした。…まぁ無いことが判っただけでも良しとするか…などとポジティブシンキングで自分をごまかしながら、通りかかったバスに乗り込み、今度は『東川口』を目指す…。駅南口を出て武蔵野線沿いの道を東に進む。線路の土堤沿いに自転車がズラリと並んでいる。そんな道を200mほど進むと、右手に濃いレンガ色の三階建ビル。面取りされた角の一階にお店を発見。いかがわしい店構えである。電光看板に黒い日除け(「カスミグループ」とあるが、「かすみ書房」の系列であろうか?)、出入口の両脇にはDVDメーカーの看板が並び、『セルにしかない感動がココにある!!』の傑作な惹句が踊る。やけに角度の付いた渡し板を踏み締め、勇気を奮い店内へ。おっ、普通の古本がちゃんとある!よかった〜。しかし店内の奥はすぐにアダルト。入口側の小さな回遊式通路に、コミック・ラノベ・ティーンズ文庫・時代劇文庫・雑学文庫・日本文学文庫・ビジュアルムック・エッセイ・タレント・サブカル・エンタメなどが並んでいる。店内に響き渡るBGMはハードロック。ギター超絶早弾きに合わせて棚を見て行くと、一瞬で見終わる結果に。本は新しいものがメインで、値段は普通〜高め。文庫を一冊抜き取って、右側のレジへ。アダルト購入客への配慮なのか、レジ上からステッカーの並ぶシートが垂れ下がり、店員と客が顔を合わせぬ仕組みになっている。その見えない向こう側で、店員がキビキビと小気味よい応対をしてくれるので、意味無く何だか楽しくなる…疲れているのだろうか…。しかし、色々巡ってここにたどり着いたのが、報われるような一瞬の出来事であった。講談社文芸文庫「日日の麺麭・風貌 小山清作品集」を購入。
posted by tokusan at 19:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月11日

4/11東京・高円寺 西村屋書店


nishimuraya.jpg昨日の疲れ、いや本日深夜までの疲れが残ったダルい目覚め。暖かい日曜をちょっとノンビリ過ごしてから、近場の高円寺へトコトコ。目指すは駅南側にある『ルック商店街』の一店である。駅から南に商店街を下って行くと、「大石書店」「アニマル洋子」を通り過ぎた坂道の右手にある。もちろんこのお店は知っており入ったこともあるが、改めてツアーと言うことでまずその佇まいを眺めてみると…おぉっ!驚愕っ!何と素晴らしい看板建築!二軒つながりの銅葺きで、その前面は緑青のためにすっかり緑色。二階の上部にある青海波の文様や、イオニア式風の飾りがワンダフル!そして隣店との境目が、坂道に合わせているのか、キカイダーのようにずれている…う〜ん素晴らしい造作である。普段見ない上を見上げると、いいことが待ち構えてるんだなぁ〜。さて、古本屋さん本体に目を移すと、軒には黄色い日除けが大きく張り出し、脇には雨避けのビニールも付属している。小さな店頭には三つの細い出入口があり、その間にスチールパイプの店頭棚が四つあり、文庫(50円〜)・音楽雑誌・コミックなどが収まっている。右端の出入口から入店すると、小さな正方形の店内で狭めな通路。左右の壁は本棚、真ん中に二本の背中合わせの棚。奥にスチール机と辞書棚が置かれ、そこが帳場となっているが、店主はさらに奥の住居部分におり、コタツに横向きに潜り込んでいる。右の壁棚は、詩集・日本文学・大衆小説・歴史・思想・サブカル・音楽、そして角付近に美少女コミック&アダルトが並び、奥壁にそのまま続く。向かいは推理&エンタメ文庫・時代劇文庫・雑学文庫が並び、下には美術図録やビジュアル本。尚、本棚は足元まで続いているので、見逃し厳禁である。真ん中の通路は、右に海外文学文庫・講談社学術文庫・ちくま・中公・教養・旺文社・岩波・純文学文庫・官能文庫が並び、下にはアイドル系写真集がドッサリ。左はビジネス・海外文学文庫・実用ノベルス・新書となっている。左端通路はほとんどがコミックで、左奥に海外文学・心理学・政治・学術本があるくらい。お見事な街の古本屋さん。教養からアダルトまで満遍なくの棚造り…逆に言えば平均的な棚。値段は安め〜しっかりまで様々。帳場前に立つと、店主はガラス障子を開けて帳場に降臨!そして丁寧な応対。障子の向こうに見える生活空間には、外観に負けず劣らずな古い空間が、しっかりと息づいている。あぁ、いつまでもこのまま、このままで…。関西書院「文学散歩 東京編/関西文学散歩の会編」を購入。…この会、何故東京に出て来てしまったのか…。
posted by tokusan at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

4/10栃木・雀宮 すずめ書房


suzume_shobo.jpg仕事で宇都宮。しかし訪ねようと思っていた「秀峰堂」は、相変わらずカーテンを閉ざしたまま…もはや営業していないのだろうか…。と言うわけで、宇都宮にて未踏のお店が見つからないため、『今日はツアーはムリだな…』と決めて仕事に没頭。しかしその仕事の都合上、予想以上の空き時間が生まれることが判明。よし、行こう!隣の駅まで!行ってしまおう!雀宮へ!そうと決めたらいつものようにそっと仕事場を抜け出し、JR宇都宮駅まで猛ダッシュ!焦りながら、行けども行けども駅が近付かない夢のような感覚を味わいながら、足にダメージを溜めつつ進んで行く。宇都宮線上りに乗り込み、およそ七分電車に揺られる。…私は今、物凄いスピードで仕事場から遠ざかっている…その代わりに古本屋へと近付いて行く…そんな自分に少し恐怖を感じてしまう。いつの日か、古本屋に人生のすべてを賭けてしまうのではないだろうかっ!?…駅に着くと、何の変哲も無い住宅地が広がる、THE地方の景色。駅前広場から西にのびる通りをズンズン進む。『雀宮駅前交差点』から『国道4号』を北に進み、次の信号『足利銀行』横を西に入ると、そこは『若松原通り』。後はそこを道なりにひたすら進み続ける。小さな川を渡り、緩やかな丘を越えると、右手に古本屋の道路看板を発見!あった!開いてるのか?と奥を見ると、砂利敷きの駐車場の奥に、二階建て店舗のようなものがあり、どうやらその一階が店舗となっているようだ…薄暗いが営業しているのだろうか…何だか園芸店のようだ…。フェンスに括り付けられている色褪せた看板を見ながら、ザリザリと奥へ進む。軒には緑の日除け、その下の全面ガラスサッシには、黄色いペンキで取扱品目が書かれている。限り無くフリーハンドの世界…ドアには『営業中』と直に書かれてしまっているが、お休みの時は一体どうするつもりなのだろうか…。店頭には空っぽのワゴンが一台。カラリと中に入ると、薄暗くひんやりとしており、人の気配は感じられない。出入口の両側には、山となった全集や未整理本が積み上がり、すっかり倉庫状態となっている。左にはアダルトグッズ満載のガラスケースが、ホコリにまみれて放置されている。そんな間の通路を進んで行くと、奥2/3の広い店舗に入り込む。壁は本棚、左手前にガラスケースに囲まれた畳敷きの帳場があり、フロアには扇状に背中合わせの棚が五本並べられている。おぉ!これは帳場からすべての通路が見渡せる『パノプティコン』方式!その時、表から店主が入って来た。私は頭を下げつつ「大丈夫ですか?」と聞くと「あーいいよ」とぞんざいな返答。そのまま帳場にドッカと座り、メガネを掛けて読書を開始。兎にも角にも許可は得た。よし、時間も無いので素早く見て行こう!とここで店主の問い掛け。「何か探してるの?」「いえ、特にそう言うわけではなく、宇都宮に仕事で来たもので、せっかくだからと見に来たんです」「ふぅ〜ん…」…おぅっ!自分で聞いておいて気の無い返事。まぁいい。フロア棚はほとんどが壁際まで着けられ、五つの部屋を造り出している。右から第一の部屋は、時代劇文庫・辞書・アダルト。第二の部屋は、アダルト・絶版漫画・栃木地方史・コミック揃い。第三の部屋は、社会・日本文学・コミック揃い。第四の部屋は、日本近代文学・詩集・戦争・新書・ハーレクイン・ハヤカワポケミス&SF。第五の部屋は、栃木本・実用・実用ノベルス・女流作家文庫・ノベルス・日本文学文庫。帳場周りには、絶版漫画・和本・美術大判本(主に陶器&版画)が並び、ガラスケースには和本や紙物がドッサリ収まっている。薄暗く雰囲気満点なお店である。古い本も多く蔵書量も凄い。栃木関連本と日本近代文学(北原白秋・大佛次郎が充実)・三島由紀夫・澁澤龍彦が目立っている。値段は普通〜高めで、いい本は隙ナシ値段となっている。薄暗い中、目を凝らして本を選び、帳場に「すいません」と差し出す。「へぇ〜珍しいの買うんだねぇ〜」の一言から、亀井静香が静かに年を取ったような店主の猛攻が始まった!「普段はね、店いないんだよ。店にいても一日に客は二・三人。だから市に出るんだよ。その方が売れる。結局店はいっつも閉めてるんだよ」「あっ、じゃあ今日はたまたまですか。良かった。宇都宮も古本屋さんが少ないんで、ここまで遠征して来たんですよ」「そう、ここら辺はもう二軒くらいじゃない?ウチといつも開いてる材木の…」“材木屋”?「山崎書店ですか?」「そう!山崎書店!」何故材木屋なのかは判らないが(後の調べで住所が“材木町”だと判る)、確かにこの二軒だけかも…。「昔は東京からタクシーに乗って買いに来るマニアとかいたんだけどね〜。今は古本は売れないから」…なんてことからお話が始まり、やがて骨董界の話を経て「ウチが栃木の本は一番揃ってる」「漫画はもう売れない」「これからは世界に売らなきゃダメだ」と行き着いた。「売れないって、じゃあこの大量の本はどうするつもりなんですか?」「あ?どうにかなるだろ」と豪気な答え。「ウチは家賃がかからないからやってけるんだよ。表に倉庫もあるもん」と一緒に表へ。「ほらこれ、12mあんだ」と庭にドカンと置かれたコンテナを指差す。うひゃぁ〜この中は本でいっぱいなのか…ん?このブルーシートが掛けられた山は?…あっ!転がり出てる真っ黒な本の束…「うわっ、これ!本が腐ってるじゃないですか!」「あぁ、これはいいの。いらない本だからいいんだ。倉庫ひとつ潰したんだよ」……おおぉ、買われなかった古本たちよ、どうか安らかに。どうかキレイな土になって下さい…。などとやっていたら、もはやタイムリミット。「じゃあこれで失礼します」と辞意を告げると、「気を付けて帰ってなぁ〜〜」と途端に優しい田舎のオジサンに変化。勢いでつい「また来ます!」と言ってしまう…しかしとにかく今は宇都宮に戻らねばならない。狭い田舎の歩道をまたもやひた走りながら、頭の中では見たばかりの古本たちが走馬灯…。往きより鈍く重くなった身体に喝を入れ、仕事へ戻るべく宇都宮を目指す。光文社「鏡花・藤村・龍之介そのほか/日夏耿之介」を購入。
posted by tokusan at 02:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする