2010年08月31日

8/31東京・学芸大学 CLASKA Gallery&Shop“DO”


do.jpg仕事で自由が丘に向かう途中、学芸大学にて途中下車。もちろんツアーのためである。東口から賑わいあふれる『東口商店街』に入り込み、店並を楽しみながらひたすら東へ。商店街を抜けると五叉路が現れ、車通りが激しくなる。轢かれないよう気を付けながら、狭い歩道でさらに東へ。空を見上げると、車窓から良く見えていたオレンジと白の電波塔が、圧し掛かるようにそびえていた。やがて『目黒通り』に出ると、『目黒郵便局前交差点』。渡らずに通りを東北へ進む。すると次の信号を越えた所に、古いビルをリノベーションし、モダンな装いとなったホテルがある。一階にはブラウンの薄暗いガラスの向こうに、オシャレなカフェや犬の美容&グッズショップが見えている。左端の白い側壁と、その奥の漆黒な自動ドアの前に立ちながら、ここに本当に古本が売っているのかと、疑惑の芽がニョキニョキと急成長するのを止められない…。目指すショップは二階…自動ドアを潜ると、かなり薄暗いワンクッションがあり、さらに右側の自動ドアを開くと、そこは広い空間ですでにシックなホテルのフロント。「いらっしゃいませ」とカウンターのオシャレお兄さんが頭を下げる…いかん!早く逃げなければ!と二階への階段を探すと、フロントの横にそれらしきものが見えている。サササと進み、さらに暗い階段を上がると、左に明るいショップへの入口を発見。居場所の無いホテル空間…例え目指すのがオシャレショップであろうとも、目的地ではあるので少し救われた気分。中に入ると横長な広い空間で、目に入るのは雑貨や洋服ばかり。ヨーロッパ風・カントリー風・和風とバラエティ豊かだが、基本どれもシンプル&洗練されたデザインなので素敵なのである。しかし私は古本だけを求めて店内をウロウロキョロキョロ。そしてようやく窓際中央辺りの一段高くなった所に、一本の大きな本棚を発見。さらに救われ、砂漠にオアシスを見付けた思い。茶色い木製のモダンな本棚には、余裕を持って新刊と古本が並べられ、インテリア雑誌・建築雑誌・「太陽」安藤忠雄特集・「デジャ・ヴュ」・美術・江戸・東京・日本美・小津安二郎・辻まこと・美術大判本・写真集などが並ぶ。横のディスプレイ棚には、「太陽」澁澤龍彦特集・大江健三郎本なども。冊数は少なめ。古本は半分ほどで、値段は高め。極端にセレクトされた、雑貨類に追従の棚なのである。古本では欲しい本が見つからず、新刊で、みすず書房「見知らぬオトカム/池内紀」を購入。あぁ〜緊張した、と肩の荷をすっかり降ろし、帰りに『東口商店街』の「飯島書店」(2009/04/10参照)に立ち寄る。大好きな店頭の円型新書棚から、光文社新書「東京の島/斎藤潤」祥伝社新書「都市伝説の正体/宗佐和通」を購入。さぁ〜て、仕事が待ってるぞ!
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2010年08月30日

8/30東京・富士見台 新井書店


arai_shoten.jpg西日がまぶし過ぎる夕暮れ。自転車を石神井公園に向けて走らせている。途中、いつも閉まっている富士見台のお店も訪ねてみよう…諦め切れないのである。二年ほど前から、事あるごとに覗くようにしているのだが、シャッターが開いているのを見たのは最初の一回だけで、しかも半開き。以来シャッターが開いたのを見ることは、二度となかった。そして後に、向井透史氏「早稲田古本屋街」を読み、ここが倉庫と化していることを知り、基本的には諦めたのだった。と言うことで見に行くのもかなり久しぶりなのである…。改札を出たなら北口へ。そして高架沿いの道を西に進み、一本目の脇道・北に延びる下り坂の商店街に入り込む。私は自転車なので、スラーッと落ち込むように商店街を走り抜ける。すると坂も終わり商店街も終わる右側に、四店ほどの店舗が連なる二階が住宅の古く渋い建物。角の電柱前のお店を、さほど期待せずに覗き込むと、うわっ!開いてる!シャッターの片側だけ2/3開いている!店頭には自転車が置かれているが、通路にはしっかり灯りが点っている。こ、これは、ウェルカム状態と思っていいのではないだろうか…。肝を据え、自転車を停めて、サッサとお店の中に滑り込む。よし、入ってしまえばどうにでも出来る!奥に見える帳場後ろの住居部分には、座椅子に初老のやせぎす男性が腰掛けている。本の整理を進めながら、誰かに話しかけるような声が聞こえてくるが…。お店の中には、古本や様々なモノの匂いが、混ざり合い漂っている。壁際に木製の造り付けの本棚、真ん中に木製の背中合わせの棚。共に年季が入っている。棚下や通路には紐で括られた本が積み上げられ、左側通路はそれがさらに顕著となっている。お店が倉庫と言うのは、やはり真実であった。見られるのは棚の上半分だけだが、大体60〜90年代で時間が停まっており、本がナナメになっていたり、棚にクモの巣張っている所も。しかしワクワクするな。店主も私を咎める様子はないし…。右壁は歴史・児童文学・児童文学全集・社会・実用・学術・経済。向かいにはコミックや世界文学全集。左側通路へ進み、本の山の間に立って棚を見る。左壁は帳場横から、日本文学評論・日本近代文学・日本文学・歴史文学と続き、シャッター裏にはちょっとナナメの文庫棚。岩波文庫・海外文学文庫・日本文学文庫が詰まっている。通路棚は、ミステリ&雑学文庫・ノベルス・新書が並ぶ。棚はそんなに動いている気配が無く、括られた本たちが活発な倉庫的お店である。しかし入店出来たのはラッキーであった!諦めなければ、夢はいつか叶うっ!…こともある。座椅子の店主に声を掛けて本を差し出すと、笑いながら「100円でいいよ」の言葉。棚の本はよっぽどなモノでなければ、安売り状態の可能性。「ありがとうございます」とお礼を言って外へ。おぉ、思わぬ異次元を味わえたことに大満足。しかしその代償は、サンダル履きの四ヶ所の虫さされ…何だか猛烈にかゆくなってきたぞぅ。早く家に帰って薬を塗らなければっ!中公新書「満州脱出/武田英克」を購入。
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2010年08月29日

8/29千葉・高根木戸 BOOKSアール

気軽に行って気軽に帰って来るつもりであった…ところが西船橋にお店は跡形も無く、京成津田沼に以前は閉まっていた「古本クエスト」を見に行くも、あの時と同じようにシャッターが閉まりっ放し。さらに薬園台に向かい、長々と歩いて「古書カンカン」に到るが、これは営業しているのかいないのか…店前のベタヅキワゴン車に本を積み込んでいるようだが、とてもとてもとても…。気落ちしながら駅まで戻りつつ、疲労が溜まる道すがら、次の妙手を捻り出す!そうだ!以前、新京成線三連星(2009/05/17参照)を訪れた時、駅前で見付けたはいいが、パスしてしまったお店に行こう。当時は三店を訪れるので、いっぱいいっぱいだったのである…。


books_r.jpg改札を出て寂しい西側へ。するとすでにお店が視界に入っている。駅のホームから確認出来るほどの至近なのである。赤い店名看板の下には、たくさんのポスターが乱れ咲く。ゲーム・トレカ・世界一周・英会話・政党・探偵…。おや?看板の右下隅に、小さく『TOKIOブックチェーン』の文字。こ、これは!三河島でツアーしたお店(2010/07/21参照)の同系列店なのか!?だとしたら初発見である。何故か地下のスナックへの案内が書かれた自動ドアから店内へ。入口左にすぐ帳場があり、初老の学校教師風店主が「いらっしゃいませ」。そして店内にたむろし、トレカ物色やゲームプレイに血道をあげる小学生たちが顔を上げ、こちらにジッと視線を注ぐ。薄暗い店内に、熱気の感じられない小学生の視線…ちょっとコワイ状況ではある。私は今、彼らの縄張りに踏み入っているのだ!入口近くには、音楽CD・トレカ・ゲームソフト・攻略本・アニメが集まり、店内左側と中央はコミックで埋まっている。フロアに立つスチール棚の細さに、いささかの恐怖を感じてしまう。右奥を見るとスロットゲームがあり、その前に立膝をした少年がドンと座っている。古本はどうやらその周囲に集められているようだ。そちらに歩き、少年と視線をかち合わせながら奥へ。しょ、小学生に負けてなるものかっ!そして少年は無言でゲーム機ディスプレイに目を落とし、私は視線を棚に張り付ける。右奥は小部屋状になっており、真ん中にはアダルトラック、壁際には右から奥壁に向かって、エッセイ・女流作家・教育・ミステリ・ノンフィクション・児童文学・歴史・映画・アダルト・経済学術・アイドル系写真集・海外文学文庫・日本文学文庫と続く。仕切り的な背中合わせの棚に、官能文庫と推理文庫(ほとんど赤川次郎&西村京太郎棚)。向かいの通路棚に、新書・ノベルス・歴史&時代劇文庫が並んでいる。棚には所々不自然に膨らんでいる所があり、本をどかしてみると後ろにも本が詰まっていたりする。棚は時間が停まり気味だが、その分絶版文庫もチョロチョロ。見た限り、三河島のお店との共通点は、限り無くゼロと言えよう。値段は定価の半額が中心だが、本が中途半端に古いので、高い印象を覚える。あれ?気がつけば小学生たちの姿が消えている。私も精算を済ませ、彼らのようにお店の外へ。そこは変わらぬ気だるい駅前。ふ〜い、何とかカタチになってくれたが、千葉ツアーも段々厳しくなってきたな…。NTT出版「良平の横浜みなとスケッチ/柳原良平」を購入。
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2010年08月28日

8/28東京・月島 あいおい文庫 古本市


aioibunko.jpgネットにて特養ホームで開かれる、一日だけの古本市情報を発見。しかも住所は“佃”!これは行ってみたい!ここは元は島だった、下町の象徴のような所。そこで古本を買えるなんて!とシチュエーションにドボンと溺れ込み、地下鉄・有楽町線に乗って東へ。とにかく“佃”は日頃から、『古本屋があったら素敵だろうな』と夢想して楽しい土地のひとつである。出久根達郎「佃島ふたり書房」の影響も多分に大!それが例え市であれ、とにかくあの土地で古本に関わってみたい…。駅に着いて『出口2』から地上へ。カッと照りつける容赦ない太陽の下、目の前の『清澄通り』を北東へヒタヒタ。連続する横道を覗き込むと、緑の多い下町的路地風景。流行のレバーフライ屋さんも道沿いにある。やがて行く先には、水色のトラス橋『相生橋』。そのたもとに巨大な『相生の里』が建っていた。壁の掲示板に『古本市』の札を発見。川沿いの遊歩道入口に出ると、市への誘導立札が建物の裏手へと誘い込む。ふぉ〜、目の前の晴海運河が爽やかで美しい。吹き付ける涼しい風が、開けた景色の美しさに拍車を掛けている。それにしても、この辺りには何でこんなに高層マンションが建ってしまったのか…全棟が埋まっているとはとても思えないのだが…。運河沿い、土手上の遊歩道を奥に進むと、右手にシダに囲まれたウッドデッキが出現。ほぉ、古本ダンボールが多数並んでいるぞ!中に入ると46箱のダンボール。文庫(絶版あり、創元推理多し)・コミック・コミック文庫・新書・実用・ノベルス・歴史・民俗学・日本文学・全集などが詰まっている。この本たちは、ホームの文庫や寄贈されたモノが中心となっているようだ。ただの寄せ集めではなく、しっかり楽しむことが出来る箱の中。値段はすべて二冊100円均一と格安。必死に箱から箱へ飛び移っていると、すぐ隣で学生プロレス(UWF関東学生プロレス連盟)が始まってしまった。今初めて気付いた、リングの存在感にギョッとする。これが非常にけたたましいのだが、場内アナウンスの半プロ的うまさに、ついつい耳を傾けてしまい、集中力を欠いてしまう。学生の歓声、老人たちの笑顔、箱を覗き込む人々、。へぇ〜イベントとしてしっかり成立してるなぁ、と感心しながら精算。応対するのはボランティアの方たちである。また開催されるのを期待しつつ、運河の側を後にする。帰りに『初見橋交差点』脇の「文雅堂」(2008/07/14参照)に立ち寄る。しかしカーテンが閉ざされており、再びの入店は叶わず。残念!白泉社文庫「三原順'80s」講談社+α文庫「京都影の権力者たち/読売新聞京都総局」光文社文庫「半七捕物帳(一)/岡本綺堂」を購入。
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2010年08月27日

8/27東京・国分寺 古書こしょこしょ


kosyokosyo.jpg中央線で西へ。車窓をボーっと眺めながらも、定点観測している線路際のお店をチェック…ややっ、開いているようだ。と途中下車。大きな南口に出て、線路沿いに東に延びる『東経大通り』へ。右に殿ヶ谷戸庭園の緑を見ながら、坂道をダラダラ下る。左には味のある国分寺マンションがそびえ立つ。坂を下り切ると現れる信号。次の脇道を線路に向かって北へ。行き止まりの坂道だが、奥の方に入り込んで行くと、右手に『古本』の看板…何度か訪れ、その度に空振りだったお店なのである。…しかしこれは果たしてお店なのだろうか?何と言う見事な入り難さ!倉庫っぽい雰囲気が訪問者を完璧に拒んでいるっ!…しかし立看板(『古本買入処』)は出てるんだし、ここであきらめてはいかんのだっ!入口前にビッタリ停められたワゴン車を避け、坂道のため段差の激しい踏み段に足を掛け、本が一冊も無いラック前を通り過ぎ、デンと置かれた台車を避けて、ガラスサッシの前に立つ。雑然とした店内が見えている。どうにか中には入れそうだが…ええい、前進あるのみだ!サッシをカラリ。薄暗い店内の奥に目が慣れた瞬間、本が積まれた作業机で本の整理をしている男性と、バチッと目が合う。向こうは一瞬目を瞠り、ペコリと会釈。極度の緊張を覚えたが、入店許可が出たものと思い、ホッと胸を撫で下ろす。両壁は本棚、フロア左側に普通の本棚、右には木箱を積み上げて造られた棚。そして左右の通路には未整理本の束が積み上がり、進入不可な状態。本を見られるのは、事実上中央通路のみなのである。その通路も、帳場から真っ黒な山男風店主が、本の束を手に棚の整理にやって来る。ひとりしか通れない通路では、人と人とがトコロテン…合間を生かして素早く見なければ。右側の木箱には文庫が詰まっており、中公文庫・時代劇文庫・ミステリ&エンタメ文庫・官能文庫・女流作家文庫。左には上部を中心に、歴史・東京関連・世相・映画・文学・古い箱入り本・未整理本束がカオスに並んでいる。やはり限り無く倉庫に近いお店なのである。ジュディマリが流れる店内は雑然とし、山男さんがひたすら作業する聖域なのである。帳場後ろにも大量の棚と横積み本。しかし精算時は、普通のお店と同じく優しく素早い対応。…何か、紛れ込んですみませんでした!そして買った本を見ると、そこには「中央書房」の値段札…むむむ?ここは支店なのか?「こしょこしょ」とは一体…?小学館ライブラリー「木に学べ/西岡常一」を購入。
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2010年08月26日

8/26愛知・豊橋 東光堂


tokodo_toyohashi.jpgこれから九月にかけて忙しくなりそうなので、ムリヤリ遠出することを決意!もう本当に古本屋だけが目当ての、トチ狂った移動である。時間と資金を綿密に考慮しつつ、東京駅から西へ旅立つ…。ビュワーンと後ろめたい気分を転がしつつ、およそ一時間三十分。気温33度の豊橋に到着。結構、駅の至近に古本屋さんがあるはずなのである。改札から出ると『ようこそ ほの国豊橋へ』と言うキャッチコピーが目に入る。“ほっ”とする街と言うことらしい…。西口から外に出ると、キレイに整備された中規模のロータリー。街並を眺めると、こちらは東口に比べ、あまり栄えていないよう。雲がボカボカ浮かぶ広い青空を眺めながら、ロータリーを突っ切り西へ。すぐに『駅西交差点』に行き当たるので、交差点の四方にある『プロムナード』と言う名の薄暗い地下道に入り、北西の階段から地上へ。大通りをちょっとだけ北に進み、一本目の脇道を西に入って奥を透かし見ると、左手に古本屋らしき日除けがチラッ。開いていてくれっ!と願いつつお店の前へ…均一台が出てる!開いてるぞっ!黄色いカマボコのような日除けの下には、同系色の黄枠の引戸に、スタイリッシュな欧文の取扱品目…何となく洋書屋の面影である。左には6冊500円の文庫ワゴン…一冊およそ83.3円…割り切れないが、旺文社文庫も混ざりちょっとピカリと光っている。右は4冊200円雑誌で、こちらはバッチリ割り切れます。引戸を開けて中に入ると、誰もおらず、ただラジオ番組が淡々と流れている。目の前の棚脇には、松本清張全集とビジュアル本…。縦長の店内、壁際は本棚で、手前と奥に平台付きの背中合わせの棚が一本ずつ。お店の中間、右壁際に外への出入口と帳場、左壁際にコミックの山と住居への通路…その時、右の扉がカチャリと開き、老店主が「いらっしゃいませ」と姿を現した。埴谷雄高に似ているっ!帳場前の右壁棚は定価の1/3棚で、文学・ノンフィクション・歴史小説・評伝・サブカル・山岳・日本文学文庫・講談社文芸文庫・時代劇文庫などが、惜しみなく並び、カオスだが気合の入る雑本棚となっている。向かいは音楽CDと映画DVD。手前左側通路は、100均棚(実用&ソフトカバー多し)・コミック・絶版漫画。向かいにガイド・ビジュアルムック・雑誌が集まっている。棚脇の辞書&歌集棚を見てから、奥のゾーンへ。左側通路は毒々しいアダルトゾーン。右側通路、壁棚はLPレコード・名古屋&愛知関連本・資料本・戦争と並び、向かいは歌集・句集・三河&豊橋本・東海全般・歴史が集まる。う〜ん、地方に来た甲斐のある通路である。奥壁には、美術図録・大判本・美術・オカルト・宗教・精神・思想・辞書が並ぶ。安売り・コミック・アダルト・郷土本の、判りやすい昔ながらの古本屋さんである。このざっくりジャンル&朴訥さが非常に嬉しい。値段は安めだが、地方郷土本類は普通な値段。こう言う古本屋さんは、やっぱ落ち着くなぁ〜。埴谷店主は本が何処にあったのか私に質問。そして本屋とはまったく関係の無い、『木の実キャンディー』の袋に本を入れてくれました!お店を出ると、まだ豊橋に着いて三十分。これなら12:43の新幹線に間に合う!と駅に駆け戻り、東京へと舞い戻る。ああ、こう言うムダなことって、ホント人生に必要だなぁ〜、と必ず後で後悔する愚かな想念に囚われつつ、うなぎパイを背に抱え、日常へとグングン近付いて行く…。名古屋鉄道株式会社「東海の明治建築/日本建築学会東海支部編」講談社文芸文庫「或る年の冬 或る年の夏/藤枝静男」を購入。
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2010年08月25日

8/25東京・西荻窪 紙モノ 古本 なずな屋


nazuna.jpgまたもや八月に新規開店したお店である。『新規』と言うよりは『新装』と言った方が相応しいのだが、店名も「興居島屋」(2008/09/12参照)から変わったので、新しいお店と捉えることにした。おぉ、軒の手彫り店名看板が、新しい物に変わっている。“ず”と“な”の間に『since1995 旧興居島屋』の表記あり。店頭は以前よりスッキリした印象。今は激しく陽が当たっているから撤収中なのだろうか…。左にはチェブラーシカのぬいぐるみ、右には各種ちらしの乗ったミシン台がある。以前と同じライムグリーン枠のガラス戸を開けて中へ。薄暗く、内装や本棚は変わらぬ店内。両壁の木製棚と、真ん中の手前と奥に立つ細長い背中合わせの棚は、相変わらずな古色を醸し出している。そして店内に流れるのは、遥か昔の流行り唄…時間を飛び越えているのではなく、過去の時間を引き寄せ集め、お店を形成しているかのよう…恐るべき、強い“思い”を感じる。壁の上部や通路の頭上には、意匠や装丁で活躍する店主の作品が飾られている。布に刷られているのもあり、本とはまた違った印象である。その女性店主は、酒屋のような前掛けを着け、棚の整理や表の打ち水に飛び回っている。その働く姿は、間違いなくこの不思議な空間の主!さて、棚を見てみよう。右壁棚には、ファッション・食・建築・すみか・セレクト日本文学&海外文学・文化・民俗学・古本関連・博物学・幻想文学・シュルレアリスム・ダダ・芸術・図録・作品集。棚には麻紐で地味に区切られた部分があり、そこには新刊の「彷書月刊」や店主装丁本が収められている。下の平台にはカタログやビジュアル本が、互い違いにディスプレイ。向かいはほとんどが文庫本で、日本文学文庫・岩波・ちくま・中公・教養系文庫、奥にハヤカワSF&ミステリ・ポケミス・海外文学文庫・新書が続く。奥の帳場横に小さな棚があり、茶色く古い日本文学・尾崎一雄・上林暁などが並ぶ。左側通路に入った瞬間、紙物が大量に増えたことを認識する。もちろん本も並んでおり、右の通路棚に児童文学・音楽・映画・東京・落語、左壁棚には絵本(和洋)・電気・時計・稲垣足穂・アールデコ・アールヌーヴォー・デザインなどが、合間に顔を見せている。しかしそれらを上回る様々な紙物!絵葉書&写真葉書類・スターブロマイド・大量のマッチラベルなどが圧巻である。消えた本のジャンルもあるが、細やかさはしっかり健在。右に古本・左に紙物の店内が、新しく健やかに呼吸を開始している。値段は普通〜ちょい高で、スキはあまり見られない。本を一冊抜き取り、奥の帳場で静々と精算。そう言えば“なずな”は“ぺんぺん草”の別名を持つ強い草!今後も、思いの強さを大地にビキッと根付かせ、西荻の昭和時空間をよろしく何とぞ!ベスト新書「アメ横の戦後史/長田昭」を購入。
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2010年08月24日

8/24東京・早稲田 虹書店


niji_shoten.jpg昨日の夜中、何となくテレビを見ていると、始まったのは『天才バカボン』第七話「都の西北ワセダのとなり」…これだ!と啓示を勝手に受けて、明日は早稲田に行こうと決める。手元にある「早稲田古本街地図帖」をパラパラめくると、「西北書房」と言うお店があるではないか!…ニンマリ。次の日、またもや中野での仕事を終え、そのまま自転車で早稲田へ。『早稲田通り』をひたすら東へ。『馬場口交差点』からサーッと坂を下り、再び始まる坂をギコギコ。おっ、ようやく左手に「西北書房」の日除けが…うぁぁぁっ、閉まってる…せっかくの古本屋啓示が泡と消えてしまった。仕方なくそのまま坂を上がり、以前から気になっていたお店を訪ねることに。『早稲田通り』北側、『西早稲田』バス停手前にあり、二階から出ている店名看板に、とにかく以前から魅せられていた。看板の素材・書体・汚れ具合がとにかく素敵!以前は軒の看板も同様だったと思ったが…。その軒には茶色い大きな日除け、その下の左右出入口の周りに、左から20均単行本ワゴン・50均全集ワゴン・20均文庫ワゴンの恐るべきラインナップ!今時、20円で物が買えるのは、やはりスゴイ事である。左から中に入ると、奥まで続く木製の棚にウットリ。左右壁際は棚で覆われ、真ん中には背中合わせの木製棚が鎮座。足元は上向きに角度がつき、背が見やすくなっている。奥にシンプルな木製帳場があり、熟女的ご婦人が店番中。左壁棚は200均棚から始まり、女性史・女性問題・女性運動・文学・映画・宗教・民俗学・社会科学・思想・哲学・心理学・哲学・現代史と、最初以外は硬めな眺め。向かいは100均棚と、その後はすべて戦争関連がドドドとズラズラ…これは圧巻。帳場前を通って右側通路に行くと、棚はさらにさらに硬化する!壁棚は帳場横から出入口に向かって、社会運動・労働運動・安保・学生運動・革命・共産党・ヴェトナム・ロシア・中国・満州・経済。向かいは、法律・裁判・事件・アジア・公害・政治。むぅ…下北沢「赤いドリル」(2010/06/23参照)のご先祖のようなお店である。並んでいる本と細かい部分に無論違いがあるが、この特殊な方向性は、あの内臓のような棚と重なり合う部分が多いはず。不穏で引火しそうな思想の火薬がそこかしこに…火傷しないよう気を付けましょう。値段は安め〜普通。ご婦人に本を厳重に梱包していただき、街路へ。昨晩の『バカ田大学』から始まり、予想外の『都の西北』に着地した一日となる。駿河台書房「桜木町日記/山川三平」を購入。
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2010年08月22日

8/22栃木・新栃木 貴船堂書店


kihunedo_shoten.jpg早起きして遠出したかったのだが、昨日のダブルヘッダー仕事が意外に響き、疲労にまみれた目覚めを迎える。それでもどこかに行かなければ!と何とかお昼前に出発。乗り慣れてるんだか慣れてないんだかよく判らない、湘南新宿ラインで北上。栗橋にて東武日光線に乗り換え、栃木駅を目指す。栃木と言えば『宇都宮』が名を馳せているが、『栃木』もしっかりと存在しているのである。車窓の山が迫り始めた田園風景を眺めたり、伊藤整「若い詩人の肖像」に目を落としたりしていると、いつの間にやら夢の中へ……ウァっ!と気付くと都会的な大きな駅。『ハッ、栃木駅だ!』…しかし無情にも閉まるドア…やってしまった。仕方ない、次の新栃木で降りて引き返すか。しかし一応念のため、古本屋さんがあるかどうか調べてみると、おぉ!あるっ!駅の至近に一軒あるらしい。これはラッキーである。ケガの功名を幸いに、このお店に突撃することに決定。駅に“新”は付いているが、駅自体は古くて小さい。改札から西側に出ると、新しいコンパクトなロータリーがお出迎え。左端を抜けて南へ延びる通りに入り込む。駅の横に建つ、古いコンクリ製の変電所が、シンプルな教会のようで美しい。白昼の通りには猫の子一匹おらず、ただ静寂だけがまばゆく蔓延している。道の脇に続く閉鎖されたスイミングスクールと、青空のコントラストが中々壮絶…こんな風景を見ていると、『古本屋は開いているのだろうか?』と言う当然な不安がムクムク大きくなってゆく。そんな風に南に200m。そして目の前には三叉路。その右側の道の奥に、突然『古本』の頼もしい文字が現れている!あった!細い路地に入り込むと、そこはお店の裏手である。平屋のプレハブ建物で、黄色い屋根に青と赤の文字…店名から勝手に古風なお店を想像していたのだが…。路地を抜けるとそこがお店の正面。さらに南の大通りに面した部分には、立看板たちが一生懸命お店に視線を誘導中。正面も背部と印象は変わらない。左端に立つ里程標風ブリキ看板だけがとても渋く、想像のお店としっかり合致。しかし取扱品目に堂々と“BL”って入ってるのはスゴイな。『営業中』の札を確認して中へ。奥行きのあるお店で、左側には縦に背中合わせの棚が並んでいる。その数は三本、壁際はすべて天井までの本棚。右側は、帳場とそれを覆い隠す音楽CD&映画ビデオの壁、それにアダルト小部屋で構成されている。帳場からは「いらっしゃいませ」の声が聞こえたと思ったら、母と青年のコンビが出入りし始め、棚の整理を何やら確認しながらタントン進めて行く。帳場の向かいはすべてコミックで、第二通路&入口左横の棚もコミックである。それらをスルーして、左奥にズイズイ入り込んで行くと、第三通路から古本が出現。棚は十六列がズラリと続き、足元にはプラケースが横に連なっている。右は大量のラノベに始まり、ティーンズ文庫(少量)・海外文学文庫・時代劇文庫・官能文庫。足元には揃いの文庫本。左側はとにかく作家50音順日本文学文庫で、新旧幅広のちょっと嬉しい品揃え。足元には棚から弾かれた、ちょっと古めの文庫がギュウギュウ。どうやらこのお店は、足元が安売り台の役目を果たしているようだ。左端の通路は、右にノベルス(大量)・ハヤカワポケミス(少量)・新書・赤川次郎&西村京太郎棚・雑学文庫・岩波文庫・日本文学文庫続き。左壁は上部に海外文学が一列に並び、そしてビジネス・社会・実用・スポーツ・宗教・オカルト・栃木・郷土・民俗学・歴史・映画・音楽・サブカル・日本文学が並ぶ。下には弾かれた本や揃いの本。角に小さな児童文学・絵本の棚が置かれ、奥壁にコミックに混ざりBLノベルスの姿が見えている。本は70年代〜がほとんど。絶版文庫としっかりした棚造りが、店内移動をスローモーにさせる力あり。それは奥の日本文学も同様であり、リサイクル古書店を越えた息吹が棚から聞こえてくる。値段はちょい安〜普通。それにつけてもこの雅な店名、一体どんな由来を持つのであろうか?失礼ながら今のお店と乖離している状況が、とにかくミステリアスなのであった。廃屋の多い通りを抜けて駅へと戻る。次回はぜひとも乗り過ごさずに、栃木でしっかり下車したいものだ…古本屋さんがあったから良かったようなものの…。ちくま文庫「モロッコ革の本/栃折久美子」集英社文庫「人生だあッ/梶山季之」徳間文庫「温泉旅日記/池内紀」を購入。
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2010年08月20日

8/20東京・雑司が谷 古本と占い JUNGLE BOOKS


jungle_books.jpg先日に引き続き、連続で八月に新規開店したお店をツアー!中野で一仕事を終え、新宿から副都心線に乗り込む。池袋方面改札・出口1より地上へ。目の前には都電荒川線のレールがあり、鬼子母神前駅もすぐ近く。気持ちとしては、ここに来る時はやはり都電でのアプローチが望ましい。まずは線路沿いに北東へ。大鳥神社の緑陰を見ながら、二つ目の踏切の通りを東へ。ウネウネと進んで行くと、やがて『雑司が谷 弦巻通り商店会』。おぉ!「旅猫雑貨店」が元気に営業中。後で寄ろう。さらに通りを奥へ向かってウネウネ進む。商店街の中心を通り、お肉屋(看板のフォントがカッコいい!)の揚げ物の匂いを嗅ぎながら、先へ先へ。すると元のように寂しくなり始めた所で、右手に緑の立看板を発見。新しめなアパートのような建物の一階が店舗のようだが、入口を覗き込むと階段が下に向かっており、その先に緑の扉…お店は半地下なのか!?階段途中に店名看板と、200〜500円箱アリ。ちょっと気後れした私は、一旦路上へと避難。すると建物の角にも店名看板を発見したので、そっちに吸い寄せられる。そして脇道を覗き込むと、そこには緑の日除けと白い壁に扉と『OPEN』の札…どっちかと言うとこちらが正面のようだ。入口両脇には、150〜300円箱と100均箱。扉から中を覗くと、床はやっぱり低い位置…不思議な構造だ。よし、こっちから入ろう、と扉をカチリ。白い壁に焦げ茶の棚と床の、モノトーンな小さめな店内。扉からすぐ始まる階段を下ると、「いらっしゃいませ」と左奥に隠れている帳場から声が掛かる。階段を下り切るとその姿がようやく見え、お互いにぎこちなく会釈。狭い渡し板カウンターの向こうに、TVディレクターのような雰囲気の、ちょっと古本屋さんらしからぬ男性…。ほぼ正方形な店内で、階段右側には占いスペースであろうソファが置かれている。横の右壁には、もう一つの出入口横に一本の棚、左壁階段横には大きな文庫棚、正面奥は大きな壁棚となっており、フロア真ん中には小さな平台棚がひとつ。左壁棚は上から、講談社文芸文庫・ちくま文庫・カルチャー系文庫・民俗学系文庫・落語&芸能文庫・海外文学文庫と美しく並ぶ。すべてしっかりセレクトされた、小気味よい構成となっている。右端の細めの棚には、思想・映画文庫・海外ミステリ文庫・ハヤカワポケミスたちが少々。踵を返して右壁棚へ。ここは占いソファに隣接しているためか、すべて占い系の本がズラリ…?何で岩井志麻子の「岡山女」がここに…あっ、そうか。これ“潔斎”して占う話だったもんな。楽しい遊び心にニンマリする。そう言えばその昔、新聞に載った岩井志麻子の写真が、猟銃を腰だめして構えた姿だったのは衝撃的だった…。真ん中の平台には上に雑貨類が飾られ、側面の表裏に生活・児童文学・映画・詩集など。奥の壁棚は、エロ&性愛(充実)・美術・セレクト日本文学&幻想文学・古本関連・海外文学・役者本・ビジュアル本・音楽(細かく充実)が収まっている。少数精鋭主義な、超セレクト棚造りが美しい&潔いお店である。棚を読み切る深い知識と緩い遊び心があれば、本の数は少なくとも、より一層楽しめること請け合いである。値段は普通〜ちょい高で、スキ無しのイメージ。場所とお店の構成を考えると、その勇気に大いなるエールを送りたくなります!何はともあれ開店おめでとうございます!これからも棚の集中力をグッと保って、旅猫さんと共に『弦巻通り』に古本の風をお願いします!精算を済ませると、「またいらしてください」と優しくちょっとぎこちなく声を掛けていただく。私は少し調子に乗って、「こっちも出られるんですか?」と右壁の出入口を指差すと、「ハイ、出られますよ」と笑顔。「では帰りはこっちから」と頭を下げて外へ。フゥ〜、これで遣り残したことはないと、暗い短い階段を上がり、通りにて充足感を味わう。…ハッ!お店のもうひとつのお仕事、占いは…してもらうことはないんだろうなぁ。朝日文庫「ウルトラマンを創った男/山田輝子」晶文社「月の輪書林それから/高橋徹」を購入。

帰り道「旅猫雑貨店」に立ち寄る。久しぶり。以前より壁に本棚が集中し、段違いな線になっている。相変わらず面白い本たちが手頃な値段でウフフ。角川文庫「芳兵衛物語/尾崎一雄」を購入。
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2010年08月18日

8/18東京・高円寺 サンダル文庫


sandaru.jpg原宿での仕事を終えて高円寺へ。北口から『あづま通り』を暑さにウダりながらズルズルと進む。目指すは「古楽坊」の手前に新しく出来た古本屋さんである。店主は、先日(2010/08/03参照)お話しさせていただいた、古本市&ネット販売の「paradis」さん。そう、未ツアーのお店の方と、顔見知りになってしまったのである…これはやり難いことおびただしい。しかし一つの可能性ある情報を信じて、通りを北上しているのである。それは、水曜はバイトさんが店番していると言うもの。もし本当なら素知らぬ顔でツアーが出来る!と言うわけで、まずは何気ないフリを装いながら、店前を通過しつつ店内を透かし見る…よくは確認出来なかったが、paradisさんでは無いフォルム…。店前に引き返し、均一ワゴンを見るフリしながら再びガラスの向こうを見てみると、おお!女性が座っている。よし、ツアーが出来る!…元は何だったのだろうか、外見は古い純喫茶のようなお店である。軒には汚れた短い日除けがチョロリ。店構えは木枠とガラスで構成され、中々モダンである。左側に手書きの小さい店名看板が掛けられている。店頭には100均単行本棚・100均ワゴン二台(文庫&児童本)・大判本の入った小さな行李。奥の窓際に100均本棚がさらに二本。朝日ソノラマ文庫と富士見ドラゴン文庫が異彩を放出中。全体的には児童本から学術書まで、幅広な展開。奥の均一本棚上には、古本屋や古本イベント関係のチラシが色々置かれている。ドアをカチャッと開けて中に滑り込むと、ドア内側の営業時間札が顔に覆い被さってしまう。こじんまりとした店内は、ほとんどが木箱で構成されている特殊なカタチ。このまますぐにでも古本市に出撃出来そうである。右壁には六×四、左壁は本棚+横置きボックス二本、その上に十三箱の木箱が置かれている。フロアの真ん中には、木箱を土台にした平台が造られ、その上にビジュアル本&雑誌と文庫棚。奥は帳場で、左端に若い女性が座り控えめに留守番中。木箱の中は、つながりアリ・ナシの複雑な状況。文学・映画・思想・社会・自然・音楽・役者・世相・近現代史・ビジュアルムック・美術図録…捉え所が難しく、ちょっと雑本的な印象もあるが、古い本が多く値段も安めなのは嬉しい。ただししっかりとプレミア値の本も奥の方にアリ。色々なお店や場所に本棚が進出しているお店なので、本拠地たるこのお店が、どのように変貌を遂げ、どのような形態に進化して行くのか、非常に興味がそそられます!取りあえずは開店おめでとうございます。そして、目の前の『あづま通り』を、いつの日かアメーバのような木箱たちで埋め尽くして、本の道を出現させていただきたい!…あぁ、無事に終わって良かった。ツアー中店内では、外で何か音がするたび、帰って来たのかと思ってビクビクし通し…お邪魔しました。中公文庫「夜の果ての旅 上・下/セリーヌ」を購入。
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2010年08月17日

8/17東京・お花茶屋で灼熱のプロムナード二店!

灼熱の東京東北部をフラフラしに行く。日暮里駅の京成本線下り新ホームは、白いサンルームのようなホームで、直射日光の洗礼を受け温室状態…かなりキツイことになっている。果たしてこんなになるなんて、想定していたかどうか…。逃れるように電車に飛び乗り、川を渡って進んで行く。


aoki_ohanajyaya.jpg●お花茶屋「青木書店」
駅北口、『共栄学園』方面から出て、目の前の『プロムナードお花茶屋』と言う商店街を北へ。熱風がブワッと力強く吹き抜け、ちょっとだけメキシコ気分。三本目の十字路、青い日除けの薬局前を東に入ると、左手に強い陽に晒されたお店が出現。隣駅・堀切菖蒲園にある「青木書店」(2008/07/19参照)の支店にして、二輪四輪古書専門店なのである。果たして太刀打ち出来るのかと言うと、出来ない訳に決まってるのだが、店頭においては出来るのである!何故なら緑の無記名日除けの下には、出入口の左右に計13箱の100均ダンボール!コミック・廉価コミック・単行本・新書・文庫が詰まっており、すべて一般書となっている。ここで何か手にしておかなければ、店内で途方に暮れるのは自明の理!と後頭部を焼かれながら血眼。尚、お店のウィンドウ部分には、何故か文学や人文関係の単行本がズラリと並べられている…これは取り出せないようだが、言えば買えるのだろうか…?ギュウギュウに詰まった箱から抜き出した一冊を手に、青い店名の入ったガラス扉に手を掛けて中へ。密度の高い通路のような店内で、奥の帳場のご婦人がびっくりしたようにこちらを見詰めている…何だろう…何かしてしまっただろうか…棚に夢中なフリをして、視線からの避難を試みるが、やはり見詰められたまま。このままだとヤバイ!しかも知ってはいたが、右壁はすべて車のビデオ・雑誌・ムック。左側はこれまたすべて車関連で、文庫・ガイド・レース・法律・技術・エッセイ・評伝・自伝・会社・写真集。ガラスケースには貴重なプレミア車カタログパンフ。…て、手が伸びない…。いつの間にか、壁掛けテレビで『相棒』を鑑賞中の帳場前に来てしまっている。左側をチラと覗き込むと、壁にズラッと収納されたカタログ類と、二輪車のお尻が見えている!何故お店の中に?こりゃダメだ、とすっかり観念し、早くも精算をお願いすると、ご婦人は「ハイ!」とピョコンとバネ仕掛けのように飛び上がり、通路側にある袋を掴み取って精算。…本当に店頭箱があって救われました。尚、ここの向かいには、車雑誌がたくさん並んだ同名のお店がある。声を掛ければ見せてもらえる、倉庫的な店舗なのであろうか。中公文庫「模倣と創造/池田満寿夫」を購入。


bookstation_ohanajyaya.jpg●お花茶屋「ブックステーション お花茶屋店」
何となく不完全燃焼なので、もう少し燃え上がるため、『プロムナードお花茶屋』に戻り、さらに北に進むと左手にあるお店を訪ねる。リサイクル古書のチェーン店ではあるが、広いお店の真ん中を貫く長〜い文庫棚は、並びも揃いも中々で見応えあり。かなり古い絶版文庫が集められた部分もある。しばらく真剣に店内を徘徊してしまう。岩波新書「パタゴニア探検記/高木正孝」光文社「不惜身命/山本有三」を購入。

お花茶屋にはまだ京成立石と共に、駅前に「ブックスU」があるので、いずれまた再訪予定。とにかく今日も体温のような一日であった。他のお店に立ち寄る元気は既に無く、おとなしく帰宅する。
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2010年08月16日

8/16神奈川・上大岡 読書館 上大岡店


dokusyokan.jpg特快だと品川からおよそ三十分。大きな駅だが、そのホームはビルの腹の中にあり、やけに薄暗い。西口から明るい外に出ると、目の前には『鎌倉街道』。賑やかな横浜南東地区の街並みを眺めながら北上。通ったばかりの京急の高架下を潜り、水辺が自然な風情を見せる大岡川を渡る。渡った橋の名の付いた『最戸橋交差点』を過ぎると、遥か遠くの左手に小さく『本』の文字が見えている。ちょっと空気がヒヤッとなる生垣を通り過ぎ、一階に店舗を持つ四階建てマンション前に到着。軒には壁から突き出す『本』の看板と、赤と緑の店名看板。店頭には、出入口を中心に左右三本ずつの店頭棚が置かれ、羽ばたく翼のような、前に立つ人をそっと優しく抱え込む配置となっている。右端のコミック揃い以外は、コミックも文庫も単行本も100円均一。じっくりたっぷり眺めてから、『リサイクル書店』と大書された自動ドアから中へ。白く清潔で奥行きのある店内。手前・中間・奥と、三つのブロックに分けられる構成である。右側中間のレジに立つ大柄な男性が、しっかりとこちらを見据えて「いらっしゃいませ」。店内にはしっかり冷房が効いているが、彼は汗が止まらないらしい。そして棚の整理中に、床にペタッと這い蹲ったりする、行動派な方である。基本的に壁際は頭くらいまでの本棚。手前ゾーン、右には縦に背中合わせの棚が二本。左には横向きに背中合わせの棚が四本。棚脇棚もあり。中間には真ん中に背中合わせの棚が三本、右端壁際にレジ。奥は背中合わせの棚が三本並び、ここは三方の壁棚も含め、コミックが収まっている。お客さんの出入りは多く、結構人気店のようである。手前ゾーンの中央通路に面する棚は、上段をラックとして使用しており、最近刊の本が面出しされている。単行本・文庫本問わず、かなり新刊書店に近い本たちが集合中。右側の真ん中通路には、実用・ガイド・辞書・ビジュアルブック・美術。左端には女性実用・児童文学・絵本が収まっている。左側は壁際にカクッと作家50音順日本作家文庫。背中合わせの棚には入口側から、出版社別海外文学文庫・ハーレクイン・絶版文庫(少量)・教養&雑学系文庫・日本純文学文庫(少量)・時代劇文庫と並び、棚脇棚にちくま・中公・講談社文芸が並ぶ。壁からちょっと飛び出した、映画&テレビ原作本棚を眺めて中間ゾーンへ。右端通路はコミック・官能文庫・アイドル系写真集、二番目はノベルス・ミステリ&エンタメ、三番目はエッセイ・ノンフィクション・スポーツ・社会・芸能・ビジネス・政治、左端は海外文学・新書・選書・東洋文庫・歴史・戦争となっている。『リサイクル』の名に相応しい、本が新しいものを中心にグルグル回っているお店である。キュッと締まった広く浅くで、軽めのフィルターが機能しており、穏やかな気分で棚を見続けられる。値段は、最近刊が定価の半額よりちょい上、それ以外の古本が定価半額よりちょい下の値付け。順調に現着し順調に棚を巡り順調に精算。特に心を跳ね上げることもなく外に出ると、頭上の店名看板に『上大岡店』の文字があることに気付く。またもや静かに動揺することなく、チェーン店の可能性を胸に秘め、この先の京急沿線ツアーを続けることを決意する。朝日新書「流行り唄五十年/添田知道」ちくま文庫「昭和電車少年/実相寺昭雄」を購入。
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2010年08月15日

8/15神奈川・横浜 横浜西口 古書まつり

東横線で横浜へ向かい「そごう美術館」にて『鴨居玲 終わらない旅』を鑑賞。大味な構成にちょっと不満も感じるが、緑と赤の奔流にすっかり目玉が蕩かされる。「1982年 私」との久々の再会も感激であった。絵の前のソファに腰掛け、この巨大な絵の輸送方法を案じていると、隣に腰掛けた老夫婦。「ねぇ、あの顔の横のはモミアゲなの?」「あぁ、モミアゲだ!」…正解です!カタログと中公新書「早世の天才画家/酒井忠康」を購入して西口へ…。


yokohama_nishiguchi.jpg駅の中央コンコースを通り抜け、西口の地下街『The DAIAMOND』へ…昔はただの『ダイヤモンド地下街』と言う名前だったが…。人が溢れまくる『中央モール』を西に進み、『中央広場』を抜けると少なくなる人影。少し寂しくなるが、めげずにさらに『中央モール』を直進。緩い坂を下って行くと、左手奥の“こんな隅っこでふれ合えるのか?”と思う『ふれあい広場』から、『古書まつり』の赤い旗竿が飛び出ていた。8/12〜26まで開かれている、有隣堂が後押しする古書市で、私は初推参となる。縦に並ぶ三本の柱を中心軸にして、左右対称にワゴン+上部に棚の立体ワゴンが、背中合わせに七つずつの計28台並んでいる。そして真ん中に、何かのパネルを重ねて造られた平台が、数本の棚と共に縦に集まっている。小〜中規模の程好い古書市の様相。何だか人間のサイズに合っている。文庫本は少なく、横浜&鎌倉関連書・各郷土・民俗学・日本文学評論が充実している。偏りが不思議で楽しい棚並び。歴史・東京・新書(古い新書もあり)・映画・犯罪・美術・美術図録・作品集・自然・雑誌・版画・紙物なども、いつものようにズラリとしている。全体的にちょっと硬めで値段はふつうなのだが、プレミアが付くようないい本も、普通の値段であっさり紛れ込んでいるので、ちょっと嬉しびっくり。サービスの一環だろうか?柱前のレジでは三人の男女が忙しげに応対。出店各店持ち回りの担当なのだろう。彼らの背後にワゴンの配置図が貼られているが、知らないお店の名も結構多い。まだまだ奥が深そうだな、神奈川県!尚、会期中8/20から特集の変更があり『日本の戦史』となるそうだ。額入りの戦闘機の絵を買った老人が「いやぁ〜こんなのがあるなんて。来てよかったよ!」と大感激していたのが、印象に残った市であった。後期も一度訪ねてみたいものである。講談社「無名作家の手記/熊王徳平」ぶんか社「世界殺人鬼百選/ガース柳下」を購入。その後東口方面に舞い戻り、横濱銘菓『ハーバー』をお土産に購入。パッケージに採用されている柳原良平のイラストが、横浜にピッタリなおいしいお菓子なのである。さらに帰路、阿佐ヶ谷「銀星舎」にて冬樹社「1920年代旅行記/海野弘」学研M文庫「澁澤さん家で午後五時にお茶を/種村季弘」を購入してしまう。楽しかったが、散財三昧な一日に反省することしきり…。
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2010年08月14日

8/14東京・池袋 新栄堂書店 サンシャインアルパ店


shineido_sunshine.jpg東口から地下道を抜けて『サンシャイン大通り』へ。お盆だと言うのに恐るべき人波。その暑苦しい流れに身を任せてジリジリと進み、『東急ハンズ』脇から『サンシャインシティ』へつながる地下道へ。ここに来るのは何年ぶりだろうか。ゲーム『真女神転生』シリーズでは、何度も訪れているのだが…。そしてどこまでも途切れぬ人波。ようやくたどり着いた『サンシャインシティalpa』。しかし自分が何処にいるのかまったく把握出来ない。取り合えず、たくさんの家族とたくさんのカップルと共に二階に上がり、店内の案内図を探す。目指すお店は『2F南大通り』にあった。多くの人が立読みしている新刊書店である。しかしこのお店には。古本ワゴンや古本棚が設置されていると言うのだ!どれどれ、とまずは店頭を眺めて見ると、おっ!早速左右出入口真ん中に、『中古本祭』の札が掛かる三台のワゴンを発見。しかしそこに収まるのはコミックばかり…何とも寂しいお祭であった。なぁに、まだ店内にも棚があるはずだ。左側から店内に踏み込み、隅々まで視線で丁寧にスキャンして行く。するとレジ前を過ぎた所で、右奥スタッフルーム入口横に、二本の古本棚を発見。『古書販売中』と書かれた棚前に駆け寄ると、日本文学・ミステリ・海外文学・エッセイ・ノンフィクション・実用など。本自体はキレイだが、ちょっと前の売れた本と言うか、文庫化済みの本が多く並んでいたりする。値段は定価の半額から上。う〜む、と唸りながら棚の表面に視線を漂わせる…これ、もっとしっかり造らないと何だかもったいないなぁ。棚を二本も占領しているのに、ただある本を並べてるだけでは…。それでも一冊抜き出して、レジにて精算。貰ったレシートを見ると、名目は『バーゲンブック』となっていた…おやっ!?レジ横に文庫古本たちを発見!棚とミニワゴンで構成されており、日本文学文庫・海外文学文庫が並んでいる。ちょっと古い本もあるが、あくまでもリサイクル的な並びとなっている。あぁ!キレイな本が安く売っているだけでは、どうも魅力を感じない。もっと輝く棚を!店員が読み終えた本を持ち寄るとか、社長が担当してみるとか、新入社員が右も左も判らず担当してみるとか、何処かに貸してみるとか…新刊書店故の縛りが何だか色々ありそうですが、知恵を絞って特色ある楽しい棚をぜひっ!イースト・プレス「ヘンな間取り」を購入。
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2010年08月13日

8/13埼玉・姫宮 ブックス市川


books_ichikawa.jpg鷺が羽根を休める水田と建売住宅に囲まれた駅である。ホームに降りて電車が駅から離れると、鳥のさえずりと虫の声、それに人の歩く音しか聞こえてこない…静寂の支配する街である。シンとした駅舎から、シンとした東口の小広場に出ると、すでに前方に目的のお店が見えている。白い集合住宅兼店舗の一階がお店になっており、二店舗を一店として使用しているようだ。右側店舗に、お店本来の白い日除けと、開け放たれた薄暗い出入口。ただし自転車がグッと頭を突っ込んでいるので、出入は不可となっている。左側の店頭には、ガチャガチャや新刊雑誌ラック、それにかなり乱雑な古本箱や古本平台が十ほど展開している。値段は50〜100円で、コミック・文庫がメイン。ウィンドウには様々な近隣のお店のバイト募集のチラシ…駅前だからでしょうな。中に入ると乱雑な新刊書店+一部文房具屋の趣き。未整理の古本や古本箱が少量置かれているのみ。やはり右の店舗が本命のようだ。入口右横の帳場前を通って、薄暗くちょっと不気味な倉庫的店内へ。その帳場には小柄で痩せた白い山羊ヒゲの老店主。私が右側店舗に踏み込んだ瞬間「いらっしゃいませ」とボソリ。壁はぐるっと本棚、フロア左側に平台付きラック、右に横向きに背中合わせの棚が二本…そして通路を傍若無人に占領する、40箱余りの古本ダンボール箱たち。ホコリだらけのものも多く、とても手が入ってるとは思えない有り様。ひたすら乱雑に追加して行くのが流儀なのであろう。壁棚には、アダルト(新品DVD)・日本文学(中井英夫多し)・児童文学・エッセイ・ガイド・ノンフィクション・実用ノベルス・社会・タレント・映画・音楽・新書・スポーツ・コミック・学術と、空きを見せながらもズラズラ。ちょっと新刊書店がそのまま古本屋と化したように見えなくもない。足元の箱や平台の方が古本屋味が濃厚である。新刊アダルト雑誌を並べたラックの平台は、日本文学・思想・ノベルス・岩波新書・岩波文庫・時代劇文庫・ミステリ文庫など。奥に進むと通路には、中公文庫箱・SF文庫箱・海外ミステリ文庫箱・サンリオ文庫箱など、おっ!と思う箱たちが集まっている。その他に、歴史・民俗学・思想・社会・コミックも所々に。二本の横向き棚には、日本文学文庫(古い集英社文庫多し)・旺文社文庫・新書・選書・オカルト・歴史。桃源社怪奇小説・風俗・文学が収まっている。ふと気付くと部屋がいつの間にか明るくなっている。どうやら店主が灯りを増やしてくれたようだ。新刊と古本が曖昧に共存し、非常に乱雑なお店となっている。棚の流れは、かつての名残りがうっすら残るのみで、今は放置の投げっ放しジャーマン状態である。ただし古い本や絶版文庫が多いので、両手をホコリだらけにすれば、何か見つける可能性あり。そしてこのお店、ほぼすべての古本に値段が付けられていない…その恐るべき理由は、帳場で判明することとなる…。三冊の文庫を手に、古本箱を跨ぎ擦り抜け帳場へ向かう。立ったままパソコンに向かう店主に「すいません、本に値段が付いてないんですけど」と言うと、「ああ、ちょっと待って下さいね」と本を受け取り、改めてパソコンに向かう。そして何と!『Amazon books』を開き、書名を打ち込み値段を調べ始めたのだっ!こう言うのってアリなのだろうか?恐るべきニュースタイル!!ある意味手の内見せ過ぎな、商売一辺倒な行為!時間を結構食う上に、値段も何だか高いとこを選んでるようだ。ざっと本の値段を見た後、平均より上の値を告げながら、上目遣いにこちらをキッと見詰め「よろしいですか?」と確認を取る。何とも夢の無い光景である。このような値付けも当然アリだとは思うが、それならせめて横着せずに事前に調べて書き込んでおいて欲しいものだ…。対策としては、こちらも検索しながら納得の値の本を購入すべきか…いや、メンドクサイな。私の場合、幸いにも安値の本ばかりだったので、三冊の「よろしいですか?」に承諾を告げる。支払って表に出ると、相変わらずの森閑とした、駅前のメインストリート。そこにたちつくす私の心も、少し切なく森閑…。朝日文庫「半七捕物帳を歩く/田村隆一」サンリオSF文庫「スタージョンは健在なり/シオドア・スタージョン」新潮文庫「詩のふるさと/伊藤信吉」を購入。
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2010年08月12日

8/12代々木上原追記


kiritoshi.jpg久しぶりの追記である。
新宿駅西口から代々木上原に向かい、自転車をギコギコ。甲州街道を人の間を縫いながら進む。『西参道口交差点』で首都高と共に南に進んだところで“そう言えばこの辺に岸田劉生の切り通しが”…と思い付き、通りから西南へと落ち込む坂道を次々に覗き込んで行く。しかし最初の二本は、緩かったり細過ぎたりする印象。三本目の坂に入り込み、ツァーっと気持ち良く下ってみる。急ブレーキを掛け、下から坂を振り仰ぐと、記憶の中の絵と似た風景。マンションの谷間ではあるが、強く青い空が“ここだ”と幻惑させる。ここなのだろうか…しかし確信が持てない。写真を撮ってモニターを見ると、益々ここがそうなのだと思ってしまう。念のため、さらに南側の坂道へ下側から回り込む。こちらは割と広めな坂道で、自転車をギチギチ立ち漕ぎしながら坂の上を目指す。こっちはちょっと感じが違うな…と思ったところに、道端に立つ『岸田劉生が描いた 切通しの坂』の標札。何と!こっちだったのか、と自分の観察力の無さと、その面影の無さにショックを受ける。石垣も切り通された崖も無く、当然足元も水の流れた跡のある赤土ではない。左はマンション、右はマンションと民家、足元は固いアスファルト。同じなのは、首都高とビルの上に被さる青空。赤土の赤を求めるならば、消火栓の赤いポールと、道端に積み上げられた赤い牛乳ケースが代わりになりそうだ。大正と変わらないのは、坂道の角度と空だけなのか…。それでもここに立って坂道を見上げた後、東京国立近代美術館所蔵の「道路と土手と塀<切通之写生>」の前に立てば、ついさっきまで自分の立っていた場所が、自分の中で特別な場所と化してしまうのは、確実なことなのである。95年と言う時を経ても、人の心をギュッと掴む、暗がりに飾られた絵を思い出しながら、坂道をブレーキを掛けずに風を切り裂いて下る。あっという間に、青空の下の谷底。
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2010年08月11日

8/11東京・代々木上原 みみをすます書店


mimiwosumasu.jpg自転車で新宿から代々木上原に向かう。標的は昨夜、酔眼を血走らせ見つけた本棚である。スポットライトを浴び、光り輝く本棚に吸い寄せられながらも、アルコールによってすでに観察能力は著しく低下…。なので、『よし、明日来る!』と自分自身に宣言し、本日その約束を律儀に守ったカタチとなった。改札を出たら高架下をそのまま真っ直ぐ歩き続ける。坂道に出て、下りながら北へ向かう。下り切ると左に「ロス・パペロテス」。今日は逆方向の東へ進路を採る。『上原駅前商店街』を高架沿いに100mほど進むと、左手にカラフルな手書きダンボールPOPが咲き乱れる光景。「GAIA」と言う、オーガニック食品のお店なのだが、入口アプローチ部分に本棚が二本置かれ、結構な量の本が詰まっていたのだ。ところが!明るい陽光の下で見たその姿は、通り側の一本が空になってしまっている!…これは一体?取りあえず奥の棚を確認してみると、上二段に食品や生活関係の本がズラズラ。う〜ん、これだけじゃあどうにもならないなぁ、とかなり困り者な展開に。その時、表から「2号店開店で〜す!」と男性の呼び声。振り向くと、通りの向かいに服飾や雑貨の2号店。おぉぅ!その店前に古本が詰まったダンボールが並べられている!車に注意しながら、そそくさと通りを横断。右に小さめな二箱、左にちょっと大きめな四箱(本は縦に二重に重ねられている)。『今日は古本1割引』のラッキーなPOPと、『3月いっぱいで古本は引き上げることになりました』と書かれた残念なPOP…ん?古本販売をやめるってことか?それにしても3月って、来年の3月?ずい分先のことじゃあないか?今から宣言することなのか?と疑問に思いながらも、本の背を眺めて行く。有機野菜・農業・食品・生活・自然・旅・散歩・文学・デザインなど。新しい本が中心で、値段は定価の半額前後。私がスローライフやオーガニックな物に興味があればウハウハなはずだが、いかんせん興味ゼロなので、心は風の無い海のように穏やかである。本を手にお店の中へ。しゃがみ込んで準備に余念が無い女性店員さんに声を掛ける。「ハイ」と古本に訝しげな表情を見せながら、本を手に表へ出てしまう。そして先ほどから1号店と2号店を行き来する男性店員さんに「本はこっちでレジ打っていいの?」「いいよ〜」とやり取り。精算しながら『3月古本引き上げ』について聞いてみる…が、「え?何のことですか?…古本?表のPOPにそう書いてあるんですか?」と逆に質問攻め。どうやら何も知らないようだ。本を受け取りお礼を言いつつ外へ。「ありがとうございました〜」とこちらに来た男性店員さんに、同じ質問を投げ掛ける。「え?あっ、そう書いてありますね。来年…じゃなくて今年の3月のことでしょうね。すいません、ちょっと詳しくは判らないんで、確認してきましょうか?」と丁寧な言葉。しかしそこまでしていただく事もないので、お礼を言って店を離れる。1号店前に置いた自転車の鍵を開けると、2号店前では先ほどの二人が、例のPOPを見ながら思案中。そうですよね、おかしいですよね、それ!男性がそのダンボールを剥がし取り、1号店にスタスタと向かう。どうやら「みみをすます書店」は、これからもなし崩しに営業して行くことになりそうな展開!まぁ三月からもはや五ヶ月…その間何事も無かったのなら、これからもぜひ古本販売の継続をお願いいたします!筑摩書房「気ままな旅/司修」を購入。
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2010年08月10日

8/10東京・麻布〜神保町〜代々木上原

最初は麻布にて「古書 一路」を目指す。迷った末にたどり着いた、小ぶりなマンションに潜入すると、人の気配がゼロ。「一路」のドアチャイムを押すが反応はナシ。そのチャイムの上の付箋『居ない時は101号室に声をかけて下さい』に従い、101のチャイムをピンポン。しかしこれまた不在。さらにこれまたドアチャイム上の『居ない時は3階へ声をかけて下さい』に従い三階へ。…これは一体何のゲームなのか…。ここまで来るとプライヴェートな空間なので、慄きながらチャイムを押すも、これまた不在。…勇気を振り絞り過ぎて疲労困憊…。またいつか、と思いながら、高級住宅街の坂道をトボトボ。


eikichi.jpg●神保町「映吉書店」
続いてやって来たのは神保町。その真の目的は、人にプレゼントする本を買うためである。このプレゼントが本(古本なのだが…)と言う選択は、何故だか誇らしい気持ちが、この汚れた胸の中に満ち溢れてしまう…。場所は『靖国通り』から『明大通り』に抜ける『富士見坂』を上がり、左手一本目の脇道に入る。その脇道を抜けた左手ビルの角地がお店である。通り側のウィンドウには映画ポスターがペタペタ。角の入口には小さな店名プレートと、番犬のドーベルマン人形。小さなお店である。入口左横に映画紙物に飾られた帳場があり、壁棚&背中合わせの棚で“U”の字が造られている。両通路共、短い行き止まりとなっているのだ。入口横の小さな音楽・東京文庫から始まり、映画パンフ・文化・サブカル・犯罪・ジャーナリズム・探偵・海外幻想文学・民俗学・写真・江戸・東京と、セレクトされまくった並びが続く。奥壁には音楽系ムック、通路棚には、ジャズ・ロック・音楽雑誌・グラビア誌・映画パンフがギュッと並ぶ。帳場前を通って左側に入ると、こちらは映画ゾーン。左壁棚に、映画雑誌・評論・評伝・自伝・歴史・理論・技術・資料・エッセイ・随筆・作品集などが、和洋飛び交いズラリ。奥壁には映画DVD。向かいには特撮・アニメ・映画文庫・演劇・バレエ・フォーク・歌謡・役者本となっている。小さなお店にマニアックな本が、整然とギュウギュウと並んでいる。偏った棚を見るのは、いつでも愉快なものである。自信と勇気と無謀と後悔を棚に込めて歩き続けているのだから。値段は普通〜高め。目的の本をズイッと抜き出して帳場へ。新聞を読んでいた、アロハ姿の湘南的中年店主が、ニッコリと笑みをたたえ値段を告げる。精算を済ませると、その本が大判なため「袋が少し大きくなりますが、いいですか?」とニッコリ。「構いません」とこちらもニッコリ。ズッシリ重い紙袋を携え、本日の最終地点へと向かう。キネマ旬報社「ワイルダーならどうする?/キャメロン・クロウ」を購入。

夜は代々木上原で飲み打ち合わせ。時間前に着いたので、久しぶりに「ロス・パペロテス」(2008/07/14参照)に立ち寄る。ロゴがお店のマスコット犬をモチーフにしたものに変わっている。その本人は、ロゴとまったく同じスフィンクスのポーズで店番中。相変わらずの血の通った棚造りを堪能する。講談社文芸文庫「ゴットハルト鉄道/多和田葉子」を購入。
posted by tokusan at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月09日

8/9東京・高円寺 高円寺文庫センター


kouenji_bunkocenter.jpg二件の打ち合わせを終えて高円寺に着くと、時刻はすでに18時55分…開いていればいいのだが、と「都丸書店」を目指し、西側ガード下の通路に進入。しかし当然の如く、店仕舞いの真っ最中なのである。とてもツアー出来る状況ではない。『ちぇっ』とそれでもさらに奥に進んでみると、安売り壁棚はまだその偉大な姿を静かにさらしていた。まぁ見てみよう、と近付くと、最近気になる森岩雄の本がバシッと目に飛び込んで来た!即買いで勝手に大満足。青蛙房「大正・雑司ヶ谷/森岩雄」を購入。そのままガード下をちょっと西に進み、『庚申通り』に入って北へ。そして、8/1から棚の半分を古本で埋め始めたお店の前に立つ。そのビジュアルは以前通りの個性派新刊書店であるが、店頭に100均棚と100均ワゴンが出現し、新刊雑誌ラックと肩を並べている。ちょっと硬めでちょっと古い単行本が多い。棚には雨避けのビニールが掛けられているが、ワゴンはむき出しで降り始めた雨に少し濡れてしまっている。中に入ると、右側は凝った並びを見せる新刊書店。あっ、レジにはこの前「高円寺書林」にいらした老婦人。左側通路に進むと、確かに左壁棚に古本がズラリ。右側の通路棚は、奥の一部だけに古本が並ぶ。ちなみに私はこのお店に今まで入ったことが無かったので、違和感はゼロである。入店して来たあるカップルは「うぉっ!古本屋になってる!古本屋になったの?」「そうだよ」「ジャズ批評無いかな〜」などと嬉しそうに会話している…。棚をツラツラと見て行くと、複数のお店が出品するシステムらしい。確認出来たのは「とんぼ書林」「paradis」「にわとり文庫」。良く目にすることのある、強力な組み合わせである。ジャンルは、古本・出版・風俗・絵葉書・美術図録・映画・演劇・建築・美術・文学・古い新書・歴史・世相・社会・民俗学・思想・絶版漫画・コミック揃い・古い日本文学文庫&海外文学文庫などなど。各店かなり濃縮された並びなので、中々棚の正確は掴み難いが、全体的に教養度&文化度が高めな感じになっている。それにしても「paradis」さんが一番出品しているようなのだが、つい最近実店舗をオープンさせたばかりなのに、この大量さは大丈夫なのだろうか…まるで『あづま通り』と『庚申通り』を本棚でつなげているかのようだ。値段は全体的に安めで、非常に嬉しい。新刊書店内で古本を販売することは、巨大書店では珍しく無くなってきたが、小さな書店がこの道を選択し、どのように発展して行くのかは気になるところである。ついついたくさん買いそうになるが、ここはしっかり自制して「とんぼ書林」さんの晶文社「古本屋 月の輪書林/高橋徹」のみを購入。タイトルロゴそのままの、署名入が嬉しくてつい…。
posted by tokusan at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする