2010年09月30日

9/30千葉・新松戸 古本生活

最近気になっていたことは「上野古書のまち」(2008/12/09参照)での検索数急増…一体何が起こったのか?何かに取り上げられたのか、それとももしや閉店?…あの建物スゴイからなぁ…。しばらく経っても検索数が減ることはなく、ネットで検索しても何も引っ掛からない。業を煮やした私は、本日打ち合わせを終えた後に、この目で成り行きを確かめるために上野へと向かった。梁が危なっかしく飛び出した通路を潜り『不忍口』から外に出ると、もはや壮絶だが、しっかりと元気に健在な『上野松竹デパート』。看板はある…ハラハラしながら左下隅を見る…ふぅ、「上野古書のまち」は健在であった。相変わらず雑然とした雰囲気を醸し、店頭台もしっかりと出されている。元は映画館入口だった店頭部分や、地下への階段部分、レジ周りなどを細かくチェックしてみるが、別に閉店や移転に関するものは何もない…よかったぁ。このビルを見上げる度に、いつまで続くのか不安にはなるが、今回は私の杞憂で終わったようだ。ならばと、安心しながら店内を簡単に回遊し、本道楽にて角川文庫「青春/伊藤整」を購入。しかし「上野古書のまち」検索数増加の原因は相変わらず判明せず…情けなや。


furuhon_seikatsu.jpgその後常磐線に乗り柏に向かうが、雨の中で見事に空振りしてしまう。そこでちょっと南に戻り新松戸へ。西側の大きなロータリーに出ると、目の前には武蔵野線の高架下。赤い鉄枠が張り渡されたその下を通り、ロータリーから西に延びる『けやき通り』へ。総武流山線の踏切・新坂川を渡る橋・謎の引込み線ガード下が密集した不思議な地帯を通り抜けると、大きなけやき並木が始まる。やがて左に「丸善」を備えた巨大ビルの『流通経済大学』。その横を通り過ぎて、二つ目の交差点で『セブンイレブン』前を南に折れると、右手にようやくお店を発見。レンガ張りビルの一階で、軒にはブックオフカラー+優しげな図案が地に入った店名看板。ウィンドウでは、コミック・トレカ・ゲームが幅を利かせ、ほんわかした店名を裏切る展開!そんな店頭左には、しっかりと50均文庫棚。ちょっと古めの文庫がほとんどだが、背が焼けまくったりしている。中に入ると完全に小〜高校生のためのお店であることが解る。右側にゲームとトレカ・デュエルスペースがあり、フロア棚はすべてコミック。棚脇にゲーム攻略本と小さなタレント本棚があるが…おっ!左壁に文庫が並んでるぞ。その前にも103円均一文庫ワゴン…103円!?…昔の消費税価格に据え置きサービスだろうか…?文庫棚は全部で五本。左の一本がラノベで埋められ、真ん中に日本文学文庫+少量の海外文学文庫、最奥にまたもやの103円均一文庫棚の構成。新しい本がメインだが、しっかり品切本も並んだりしている。103均にちょっと古めの文庫多くアリ。値段は定価の半額前後。それにしても!入口横にあるゲーム筐体がデモプレイを途切れなく流しており、様々なキャラが「倒せるかな、この短い時間で!」「やってやる!」「それそれ〜釣り上げろ〜っ!」「燃やし尽くせ〜!」などと大声で喚きまくるので、うるさいことこの上ないのだ!もうちょっとだけ、もう少しだけ、みなさん静かにしていただけませんでしょうか……。ちくま学芸文庫「ダダ・シュルレアリスムの時代/塚原史」を購入。
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2010年09月29日

9/29東京・新橋 新橋大古本まつり


shinbashi_furuhonmatsuri.jpg冷たい雨が上がり、本日は爽やかな秋晴れ。今日も遠出するような時間は無い…ならば太陽の下で古本を買おうと、定期的に開かれている新橋の古本まつりへ向かう。参戦するのは初めて…あまり古本市に行ったことがなかったのを、最近認識する機会が多い……そして、電車が駅へと滑り込む。アプローチは地下鉄ではなくJR。何故なら高架ホームから、古本修羅の集う広場が見下ろせるから!山手線外回りで来たので、隣の5・6番線へ急いで移動。ホームへの階段を駆け上がると、西側に視界が開ける。大きな広場が、ビルと機関車と街の喧騒に取り囲まれ、多数のテントを林立させている!むぅ、盛況。黄緑と白の縞模様のテントは、全部で十九。広場の中心以外にも、駅側やニュー新橋ビル下に、少量のテントが離島のように寄り添っている。階段を下りて『日比谷口』改札を抜けると、そこはもはやまつりの中。テントの下には、八〜十二台のワゴンが、棚などを搭載して組み合わされている。広場には、古本まつりと連動した献血の呼び掛け・DVD個室の呼び込み・政治結社の街頭演説・ビル壁面の街頭ビジョンの音声が錯綜し、けたたましいことこの上ない。しかし人間とは不思議なもので、段々慣れると共に古本に集中すると、雑音は次第に耳に入らなくなっていった。台の前は日が当たると暑くなるが、基本的には爽やかな風と、喫煙所の煙がスゥ〜ッと流れて行く。辺りには古本修羅…ばかりではなく、カバン片手のサラリーマンも、負けじと台に齧りついている(特に100均文庫に血眼!)。ふむふむ、素晴らしい光景だ。古本まつりなので、当然の如くオールジャンルが並んでいるが、戦記の台が割りと目に付いたり、ビデオ・紙モノ・廉価コミックなども堂々と台を占領したりしている。一冊100円以上のチャリティーテントなるものも…そんなに目ぼしい本は並んでいないが…。それにしても東京だけではなく、神奈川や埼玉からも多くのお店が出店している。おっ!土浦の「れんが堂書店」さんまで。…あぁ、以前二時間以上かけて訪ねたのが嘘のようだ。とか何とかやっていると、いつの間にやら一時間が経過して、丁度午後三時。突然SLが『ボォォォ〜〜〜ッ!』と汽笛を鳴らし、広場のテントを震わせた!まだ2/3ぐらいしか見終わってない(かなりのスピードで見たのだが)…三時半にはここを出なければならない。ならば!とさらにスピードアップして、半分流すように台と台の間を、カクカクグルグル。この日、一番胸がときめいた台は「ぶっくす丈」さん。何たって古く面白そうな本がズラズラ。…あぁ、もう三十分経ってしまったのか。まだまだ広場を回遊し続けたいが、もはやギリギリ限界のタイムリミット。古本広場に別れを告げて、今度は地下鉄のホームへ。晴れ渡った空の下の、濃密な古本時間となりました。沙羅書店にて、六興出版「居候そうそう/内田百けん著・谷中安規画」。茶々文庫にて、みやま文庫「詩人 萩原朔太郎」。麒麟堂にて、右門書院「書肆アクセスという本屋があった」。ダイドウ書店にて、文春文庫「獣どもの街/ジェイムズ・エルロイ」。ぶっくす丈にて、桃源選書「明治の東京 外国人見聞記/岡田章雄」を購入。この古本まつりは10/2まで。
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2010年09月28日

9/27東京・早稲田 渥美書房


atsumi_.jpg今日は早稲田である飲み会に参加せねばならない。ならば早稲田のお店をツアーしようと、思考が流れて行く。ではどのお店を?…早稲田を訪ねる時にぶち当たる命題である。答えはひょんなことから読み始めた「書肆ユリイカの本/田中栞」の中にあった。著者がユリイカの本を買ったお店として、「渥美書房」が出て来るのだ。よし、今日はここに行こう…。高田馬場で降りるつもりが、本に夢中になり早稲田まで行ってしまう。『早稲田通り』に出て、雨の止みかけた濡れそぼった通りを西へ。『西早稲田交差点』を過ぎた所で気付いたのは、外灯に下がる赤白の提灯。良く見ると次々現れる提灯には、古本屋の店名ばかりが書かれている。どうやら10/1から始まる「早稲田青空古本まつり」の飾りらしい。店名以外にも『W古本祭』『早稲田古書店街』の表示もあり。一足早いお祭気分を味わいながら、学生の集団と共に坂道を下って行く。丁度『西早稲田交差点』と『馬場口交差点』の、中間辺りの低地北側にお店はある。お店の前の歩道は、通りから北に延びる脇道に引っ張られたかのように、ちょっと広場状になり、真ん中にプラタナスの木がそびえ立っている。角地ビル一階の中央左寄りに口を開いたお店は、すっかり雨仕様な姿を見せている。茶色いプラ日除けの下には煌々とライトが輝き、窓際に二本の本棚、仕出し弁当を運ぶようなケースの中には50均文庫、そして最前線にビニールを掛けられた安売り単行本台が置かれている。棚には硬めな国文学本。台には日本文学・文学評論。カチッと扉を開けて中に入ると、静かでピンと空気が張り詰めた空間。硬め!が第一印象。店内は2フロアに分かれており、手前は壁際に本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本。入口右横に帳場があり、寡黙なポロシャツの三十過ぎの男性が、身体から緊張感を発しながら仕事中。奥のフロアには…おぉ!移動式書架!よし、後でじっくり楽しもう!左壁棚には箱入りの古典文学が、研究本・資料本含め、奥までズラ〜ッ…歯が立ちそうにありません。向かいには日本語関連の本が、文法含めズラ〜リ…こちらも太刀打ち出来ず。そっと右側通路に敗走すると、左には哲学・思想・講談社学術文庫・岩波現代文庫・中公文庫・国枝史郎伝奇文庫・岩波文庫。右壁には、辞書・海外文学・演劇・映画・探偵小説・幻想文学・美術・世界・中国・古代史と並び、奥壁に民俗学・遺跡と続いて行く。通路には括られた未整理本や、木箱入りの和本などが雑然と置かれている。いよいよだ!と舌なめずりしながら奥に向うと、移動式書架は勝手に動かせないことが判明。鍵がしっかりと掛かっており、店員さんに言わないと動かしてもらえないようだ。しかしチラリと見えている棚には、大量の日本近代文学や詩歌。棚脇の貼紙を見ると、児童文学・日本近代文学がタップリ50音順に収まっているらしい…書架は良く見るとかなりデカイな…。とても硬めなお店であるが、奥の大量の文学本にヨダレがタラリ。もっと勇気を持てた時に、いずれしっかり眺めさせていただきます!値段は普通〜高め。一冊の本を精算し、お店を出るまでたっぷり緊張しっ放しでした!晶文選書「秘宝十七番/アンドレ・ブルトン」を購入。
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2010年09月26日

9/26神奈川・黄金町に入り込んで二店!

色々終わらせてから京浜急行で南へ。目標は何度行っても入れない南太田のお店。昨日の勢いそのままに向えば、もしかしたら…微妙なジンクスを希望の炎に、『ドンドン商店街』の坂を上がる。…閉まってる。シャッター全閉…。くそぅ、また来てやる!と誓いつつも、憔悴したおぼつかない足取りで、フラフラと黄金町方面へ…。


momijido_nagakuraya.jpg●黄金町「紅葉堂長倉屋書店」
トプンとした緑色の大岡川沿いに歩き、ちょっと南下して『国道16号』。いつの間にか飲食店と風俗店が混ざり合う特殊な地帯。そんな中に『本買います』の巨大な看板を発見。黄金町駅からは、南側に出て高架沿いを東へ。ぶつかった大通りを南に向かい『国道16号』。東に進路を採りワンブロック進むと、南側歩道『曙町四丁目南交差点』脇に派手なお店の姿。すべての文字がとにかくデカく、真ん中のちょっと飛び出た『古本』看板が素敵である。黄色い日除けなので、何となく「ツヅキ堂書店」に見えなくもない。店頭右側は『寄りかかると崩壊します』と予告された100均ワゴン・ムックラック・100均文庫ワゴン。ウィンドウには親切にも、目の前のバス停のために、大きく最終バスの時刻が貼り出されている。左には100均ノベルス壁棚の前に、不思議なDVDの空ケースがギッシリのラック…もちろんちゃんとした売り物なのである。古本並べるよりは、ケースの方が売れると言うことか…?店内は複雑で奥深く、しっかりと整理整頓された光景。木が張られた床が、足音を大きく響かせている。左端の通路はコミックとCDのみ。右端には奥深いアダルトゾーンへの入口。一般的な古本が集まっているのは、真ん中の二本の通路のみ。入口側には棚で造られた“コ”の字ゾーンが二連続し、日本文学・エッセイ・美術・人文・エッセイ・評伝・社会・歴史・サブカルが混ざり合う棚が核となっている。合間に実用・囲碁・将棋・ビジュアル本・豪華本・大判本・箱入り本・ハヤカワポケミス&ポケSFの棚を設けるカタチ。リサイクル+古い本+放置棚+動いている棚と混ざり合い、何とも言いようのない棚となっている。メイン通路の左側は、左にノベルス・古本関連・戦争・歴史・新書・選書、下に雑誌。右に文庫揃い・教養系&探偵小説文庫・日本文学文庫と言う並び。右側の通路は行き止まりで極狭。左に海外文学文庫と時代劇文庫・右に官能文庫・岩波文庫・中公文庫・ちくま文庫・雑学文庫が収まり、通路奥の壁に古い「少年マガジン」が六冊ほど飾られている。アダルトが主力のお店で、お客さんもほとんどがそっち目当て。レコードを探すマニアのように、アダルト雑誌を高速で繰るツワモノもいる。しかし古本部分も意外にしっかりまとめられ、アダルト店+街の古本屋さんな感じなのである。値段はちょい安〜ちょい高とムラあり。幻冬舎新書「アダルトビデオ革命史/藤木TDC」を購入。


seiwado.jpg●黄金町「誠和堂書店」
「紅葉堂」を出た瞬間に目に入った、対岸の小さな建物。一階のぽっかり開いた口の中に本棚が見えている。ひとつ東寄りの『曙町四丁目交差点』を渡ってお店に近付いて行く。うむ、渋い。似たような建物に挟まれたお店は、軒に店名看板、その下にはカマボコのような緑の日除け、さらに下には木製ワゴンが二台。右には官能小説雑誌、左には文庫・単行本・廉価コミックが積み上がる。小さなお店は、棚も本もキレイでビシッとしている。しかしその折り目正しさとは裏腹に、店内にぐるっと腰高に積まれた雑誌はすべてアダルト!先ほどのお店に続き、特殊な場所柄を反映してるようだ。壁はすべて細かく分かれた造り付けの本棚で、奥に帳場があり、壮年の男性が大股開きで本のチェック中。右壁は美少女コミックから始まり、官能文庫・ミステリ文庫・性愛・時代劇文庫。帳場左横には何やら古い箱入り歴史本。そのまま左壁に歴史が続き、アダルト・戦争・廉価サブカル本・文学・映画・社会・学生運動・新書と続く。やはりアダルトが多く、古い本もほとんど無いが、歴史・文化の左壁が『ウチはそれだけではない!』と言う気概を放っている。向かいのお店と言い、ただの欲望一辺倒ではなく、文化の火を点そうとしているのは、古本屋さんとしての矜持なのだろうか…。本は安め。店主はとても丁寧で愛想良く、本を袋に入れる時、自分の足をテーブル代わりにするので、打って変わった内股っぷりがプリティーです。双葉社「好奇心ブック45 ザ・怪獣魂」を購入。

実はこの通りには、ちょっと先にも古本屋さんが存在している。見たところ「紅葉堂」と似たタイプ…こちらはまたいずれ気合を入れてレポートしたい。そう言えば立ち退きにあった「猫企画」さん。早く復活しないだろうか…。黄金町駅まで裏通りを歩いていると、素敵過ぎるヌード劇場を発見。色褪せた桃色に心を打ち抜かれてしまったので、その姿をここに掲げます。嗚呼、黄金町!

koganegekijyo.jpg
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2010年09月25日

9/25神奈川・東逗子 古書 海風舎

神奈川県立近代美術館・葉山館に『古賀春江の全貌』展を見に行く。長い車中のお供は、中央公論出版「写実と空想/古賀春江」。付け焼刃のミーハー極まる所業だが、案の定気分はメラメラと燃え上がり、キラキラ光るちょっと荒れた逗子の海が、高揚に拍車を掛ける!興奮をそのままに館内に突入。古賀の多作さと変貌っぷりに舌を巻くが、根幹には図太い何かが貫通しており、それがそのまま力強さとなり眼と心にぶつかってくる。しかし私が一番感動したのは、ショウケースに飾られた数々の装丁本!おぉ、谷譲次の「もだん・でかめろん」!こ、これは!六月に上田「斉藤書店」で偶然手に入れた、龍胆寺雄の「放浪時代」もっ!古賀春江の装丁だったのか〜、と上質なミステリーを読み終わったかのような陶酔感を味わい、ふと視線を上げると、そこには「放浪時代」装丁のデザイン画が飾られていた!感動さらに二倍!家に帰ったら、私の「放浪時代」をたっぷりと愛でてやろう…。感動に打ち震えながら図録を買い込み、再び逗子駅へ…。


kaifusya.jpgさて、せっかくここまで来たのだから、ツアーもばっちりして行くつもり。始めは帰り道の鎌倉に行こうと思ったのだが、隣の『東逗子駅』にお店が一軒あったのを思い出す。以前訪ねた時は、寂れた駅前通りにあるシャッターの下りたお店を、悲しく眺めて寂しい思い出を作っただけ…。よし、時間もあるしあまり期待せずに見に行くか。横須賀線に乗り込んで東へ少々。『逗子』と言う名は付いていても、南北を小山に挟まれた細長い街である。ひとつしかない改札を出ると、とても可愛らしいロータリー。そこから線路沿いに延びる道を東へ進む。右は駐車場、左にはほぼ同じような形状の店舗兼住宅が、ズラッと連なって行く…確か八・九軒目が古本屋だったな……ハッ、うわーい!棚が出てる!日除けが伸びてる!おじいさんが棚に吸い寄せられている!こりゃやってるぞぉーっ!長い距離をもどかしく駆け寄ると、そこには堂々たる古本屋さんの姿…以前見た時は『こりゃやってないかも』などと失礼なことを考えてしまったが、本当にすみませんでした!白いモルタルの外壁に映える青い日除け。店頭には、左に200均単行本棚が二本、右に100均文庫&新書&単行本台。少々痛んだり日に焼けたりしているが、中々興味ある並びである。おじいさんと静かなる領土争いを繰り返しながら、日除けから垂れる雨水の残りを頭に受けながら、二冊抜き出す。サッシを軽々と開けて店内へ。ちょっと横長の小さめなお店で、通路は通れるが足元には本が積まれ、床の赤いじゅうたんはビリッビリ。三方の壁際には棚が置かれ、正面右奥にガラスケースと奥まった帳場、真ん中には背中合わせのスチール棚が二本。通路は奥でしか行き来できない。帳場では、白髪・白髭をキレイに刈り込んだ壮年男性が、パソコンを静かに操作中。海も古本もお似合いな雰囲気が漂っている。中央通路の右側には、岩波文庫・講談社学術&文芸文庫・ちくま文庫・新書・東京・鎌倉・古い文学(少量)が並んでいる。左はカオスと整然が混ざり合った姿を見せ、文化・映画・随筆・美術・詩集・日本文学・海外文学・探偵&幻想小説・「美術手帖」などが収まっている。棚の中段はしっかり動いている感じだが、最上段・最下段はホコリまみれの放置棚となっている。正面の曇ったガラスケースには、何やら大事なプレミア本たち。壁棚には美術図録と古い詩集句集が並ぶ。ソロリと左側通路へ移動すると、雑然度が上昇。左壁には時代劇文庫・最上段にホコリまみれ文学文庫・逗子・郷土本・「現代詩手帖」・「ユリイカ」など。通路棚には、三浦・戦争・宗教・歴史・文学評論・落語。では最後の右端通路に、とジリジリ帳場横まで近付くと、「あっ、ゴメン。こっちは今ちょっと…」とストップが掛かった。ビニールに入った茶色く古い本や、立て掛けられた扁額が見えているが…残念、仕方ない。そのまま精算態勢へと移行する。古い本も多く多少雑本的だが、元々は上質な棚造りだったことを伺わせる。そして詩歌の残像多し!本命はやはり右奥の通路なのだろうか!?値段は安めで、中にはしっかり値な本もあるのだが、その『しっかり』も少し安めな印象である。そして店主に告げられた合計金額は、75円安くなっていた。端数をカットしていただいたようだ。本を袋に詰めながら、「シブイの読むね」と私を見てニヤリ。恐縮です!あぁ〜やっぱり来てみるもんだなぁ〜と、いつものように開店していたことに感動。店主の笑みを脳裏に浮かべ、足取り軽く帰路。講談社文庫「枯草の根/陳舜臣」泰流社「香具師の旅/田中小実昌」新生社「わが青春の仲間たち/新田潤」思潮社「田村隆一詩集」を購入。
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2010年09月24日

9/24東京・八王子 第五回 古書まつり


kosyomatsuri_hachioji_yurin.jpg四ヶ月ぶりの八王子。駅ビルから一歩も出ることなく、そのまま北側の『そごう』に入り込む。エスカレーターを丹念に折り返しながら八階に着くと、出迎えたのは地井武男の原寸大写真パネル!…颯爽と歩いている…何かと思えば、催事場では『ちい散歩フェア』の真っ最中!一角には、ちいちいの功績と軌跡を称える展示コーナーまで!高齢者たちの尽きることの無い探究心が、会場内を埋め尽くしている…。私はそこから踵を返し、下りエスカレーター側の『有隣堂八王子店』へ。ここの何処かで『古書まつり』が開かれているはずなのだが…。キョロキョロと見通しの良い店内を見回すと、右側すぐの文房具売り場との境壁際に、ポスターが貼られているのを発見。そこか!と接近し、ソファー前でこっそり一枚写真を撮って、古本ゾーンにさらに接近。平台ワゴンが六台、横長なテーブルが二卓、本棚は木箱が組み合わさったものを加えると二十本弱。そしてゆるやかにカーブを描く壁沿いに、長〜い四段の棚。隅っこで小規模ではあるが、街の小さな古本屋が一軒あるようないい感じ。…まぁ『まつり』と言う感じではないが…。特集は『戦記』と言うことで、戦争関連がワゴンの半分を占めていたり、全体的に頻繁に紛れ込んでいたりする。しかし風俗・世相・歴史・文学も充実しており、見応えしっかりあり。ポスターと巻末の値段札で確認すると、「文雅新泉堂」「麗文堂書店」「りぶる・りべろ」「ポラン書房」「閑古堂」が出店している。その中で神奈川より参戦の「閑古堂」さんが、ぶっちぎりの安さを見せており痛快至極。アッ!田辺茂一の署名本!やった!と「りぶる」さんの台から見つけたが、こちらはバッチリしっかりのスキ無し値。泣く泣く台へと本を戻す…まぁしょうがない。でも本の水準は高い気がするなぁ。二冊を選び取り、どこで精算するのかと逡巡しながら、またもや辺りをキョロキョロ。やっぱりお店のレジだろうな。本を小脇に『お会計』の表示を目指す。一応レジで「古本の会計はここでいいんですか?」と聞いてみると、「ハイ、古本も〜」と省略されながらも確認。小さく胸を撫で下ろしてお会計。レシートの名目は『書籍フェア』。古本もちゃんと有隣堂のカラー書皮で包んでもらえます。文雅新泉堂にて、ぴあ「まぼろしの大阪/坪内祐三」。ポラン書房にて、晶文社「鉄道愛[日本編]/小池滋編」を購入。開催は9/30までとなっている。

そして帰りに、本日初めて駅ビルから脱出し、「まつおか書房」にもフラリ。1号店の100均壁棚で、徳間文庫「割れる 陶展文の推理/陳舜臣」を購入する…そろそろ3号店にも行ってみなければ。
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2010年09月23日

9/23栃木〜茨城〜駒込放浪の果てに…

結露した電車に運ばれ、窓の外は滲んだ灰色と緑の繰り返し。小山で両毛線に乗り換え、西へ…。ところがこれが雨中空振りの始まりだった!最初は栃木・佐野にて、まずは「さの書店」。しっかりとお店はあったのだが、完全なるコミック&アダルト店で、常に『軍艦マーチ』が流れている、血流スピードMAXな空間!意味無く血流を早めた後、二店目へ。目指す「乾書房」は街道裏のひなびた通りにあり、最高のシチュエーションに、最上の店舗!…もし開いていたのなら…汚れたカーテンが寂しく閉められ、開店することがあるのかどうかも不明な状態。取りあえず今は開くことは無い。しかしそのあまりに素晴らしい外観は、ここにアップしておきます。
inui_shobo.jpgあぁ、あの小窓は天窓だろうか?それとも小さな屋根裏が…。と言うわけで駅まで戻り、高崎方面に進むか、それとも引き返すか思案するが、気付けば両毛線は一時間に一本しかやって来ないっ!時間の早い『下り』を選択し、駅にて三十分雨垂れを見て呆けた後、小山へ引き返し、次の目的地である茨城・古河へ。しかしその一時間後、お休みしている二店を回り、呆然としている私が古河にいるのだった。…そうだよな、祝日はみんな休みたいもんな。さらに南下して首都圏へ舞い戻るが、頼りにしていた駒込で見たものは、見つけたくなかった「古本屋遺跡」!うわぁ〜い!一体どうすればいいと言うのか、私は何処に行けばいいのかっ?………そうだ!「古書ほうろう」に行こう!


sin_hourou.jpg●西日暮里「古書ほうろう」
と言うような流れで、雨降りの夕方五時、西日暮里から『道灌山通り』を駆け下りお店へと向う。傘はすでに何処かで紛失してしまった…。『道灌山下交差点』からお店の方を見ると、ちゃんとやってます!すでに2009/05/10にツアー済みのお店ではあるが、現在谷中『夕焼けだんだん』上を営巣地とする「古書 信天翁」(2010/06/27参照)が巣立った後に、当然の如く店内に起こった変化を確認しなければならないのだ!…と思っていたが中々実行に移せず、本日の行程を『不幸中の幸い』として、駆けて来た次第。雨のため店頭には何も出ていない。店内に入る。本棚の配置などはほとんど変わらぬようだが、目の前には『一箱古本市専用ダンボール』が、しっかりと本を収めて鎮座したりしている。企画台とデモンストレーションを兼ねているようだ。左の帳場では、若々しいガンジーのような店主が口笛を吹いたりしながら店番中。右端の通路に進むと、最初の変化が目に入る。左の通路棚に四本の500均単行本棚!『これが500円は安い!』と思わせる本たちが、巧みな挿入のされ方をしている。奥には文学評論・詩集・セレクト日本文学。右壁際は新入荷本から始まり、岩波文庫(青・黄)・中公文庫・岩波現代文庫・同時代ライブラリー・インド・東西文化・思想・哲学・歴史・戦争・書物&古本関連・デザイン・建築と続く。奥のスペースにも変化があり、広くなって見通しが良くなった印象。目録(「海ねこ」さん!)・ちらし・インディー本などが置かれたテーブルを真ん中に、端に美術・写真と回転式漫画ラック。そして壁際に大量の音楽本&雑誌・音楽CDが並んでいる。これは潔い展開…端の一本に伝統芸能・映画・演劇が少量収まっている。真ん中の通路二本は以前とほとんど変わっていない…あ、新書が無い!さらに整頓が行き届きスッキリした印象。左端通路には、300均単行本棚が四本、100均文庫&単行本棚が四本の構成。最奥に延びていた通路は、今は暖簾で封鎖されている。三段階均一棚が店内に羽ばたいた印象だが、棚の質は相変わらず上質。美術・漫画・海外文学(今は棚脇ラックにひっそり)が減っているのを実感。しかしこのお店の根源は変わることなく、しっかりした足取りで軽やかな動きを実践し始めているよう!おかげで欲しい本をたくさん発見してしまうが、みんなしっかり値だったので、ちょっと我慢。帳場にて精算を済ませ、再び雨の道灌山通りへ。中公文庫「銘の無い墓標/陳舜臣」を購入。

…酷い一日であった。やはり遠征での空振りはダメージがでか過ぎる。しかし最後は「ほうろう」さんに救われ、どうにか形にすることが出来た。こう言う着地になるならば、これからも古本屋さんを求め、ゾンビのようにうろつき続ける所存である…力の限り!
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2010年09月21日

9/21東京・高円寺で本店支店二店!

仕事に一段落ついたのが夕方。しかし仕事はまだまだ続く…なので時間節約のために、近所に自転車で出撃。だが、今日のお店は近所とは言え強大なのである。目指すは高円寺最強の大物、「都丸書店」の本店&支店!風を切るペダルにも力が入り、中央線の高架下を疾走して行く。駅西側高架下、マクドナルド前に自転車を置き、いざ対決の時。


tomaru_honten.jpg●高円寺「都丸書店 本店」
『中通り』、高架下、どちらからも入れるお店である。『中通り』から二階より上を見るが、何も見えない。屋根の上にある巨大な店名看板は、高円寺駅中央線ホーム・西側から至近で眺めることが出来る。軒に店名看板があり、左端に『ANTIQUARIAN BOOKSELLERS ASOCIATION』の文字に丸く囲まれた富士山のマーク。右端には同様に『AMOR LIBRORUM NOS UNIT』の文字に囲まれた盾のようなマーク…ど、どちらも何やら“古本屋なんちゃら”って書いてあるのだろうな…。その下のウィンドウには、箱入りの資料本や思想・経済関連の全集が威圧感。出入口右横の安売り壁棚を見て、気持ちを落ち着かせる。ここは100〜300円の文庫や単行本が並び、基本的に軟らかめなのだ。扉の左横には『文学・哲学・美術関係の本は、裏出口より右へ10mの支店にどうぞ』と書かれた案内貼紙。店内に入ると、縦長の奥右壁がナナメになっている変則的なカタチ。壁際は木製の本棚で覆われ、右側に帳場と赤い手摺りの二階への階段。上は吹き抜けの回廊となっており、壁棚にぐるりと洋書が収まっているのが見える。それにしてもスゴイ鏡の数だ。店内のあらゆる場所に目が届くよう、設置場所と角度が工夫されている。フロアには横向きに四本の背中合わせの棚。帳場では硬い重そうな本に囲まれた、ピンクのロンT若者が働いている。都丸書店の人を見ると、勝手に『勉学』『研究』『学究の徒』と言う言葉たちが浮かび上がってくる…。その帳場横には全集類の棚。入口左横の壁棚は、岩波文庫(社会科学のみ)・新書(これも社会科学や労働運動関連)・経済が並び、そのまま左壁棚に経済・法学・政治、裏口近くに洋書と流れ行く。フロア棚には手前から、近代経済・日本社会運動・中国・満州・現代史・日本史。右奥ナナメ壁には『西欧史』と言う名の歴史ジャンル…硬い!判っていたが硬過ぎる!値段も全く判らない!と言うわけでここでは何も買わず、『中通り』から高架下の『高円寺ストリート』へ抜けるだけの、店内通り抜け…非常に申し訳ございません!高架下側にも安売り壁棚があるが、こちらは店内同様硬めの単行本ばかりとなっている。そして大事なことを忘れてはならない。この「都丸書店 本店」は映画「珈琲時光」の中で、一青窈が台湾の音楽家“黄文也”について、聞き込みをするお店として登場している(DVDチャプターには『都丸書店』の項目が存在する)。おぉ本店よ、スクリーンの中に永遠なれ。


tomaru_shiten.jpg●高円寺「都丸書店 支店」
本店裏口から高架下の『高円寺ストリート』を西へ。洒落た名前が付けられているが、やはりただの薄暗い高架下なのである。ちょっと進み角を曲がると、左手にはもうお店が見えている。ちなみに本店は『2番街』、支店は『3番街』に位置している。角地のお店の、北側・東側の柱上部にそれぞれ同じ看板があり、柱の対角線上に立つと、鏡を合わせたような景色が展開する。北側の出入口右横には壁棚が五本並び、思想・宗教・洋書が安く硬めな並び。そして圧巻は、東側の足元から天井まである五本の壁棚!文庫・単行本・新書・雑誌・ハードカバー・大判本と、あらゆるタイプの戦前〜現代の本が並び、内容もピンからキリまで。棚をジッと眺めれば、必ず“ピン”を発見出来る、凄く素晴らしい店頭棚となっているのだ!毎日通えば、必ず毎日買う破目に陥るだろう。値段は100〜500円。ここに対抗できるのは、荻窪「ささま書店」の均一台であろうか。たっぷりじっくりしっかり眺めた後に、気持ちをゆっくり落ち着けてから店内へ。ほぼ正方形だが、右奥壁がナナメになっており、真ん中に扉がある。左の壁棚前に、長めの帳場兼作業場があり、『学究の徒』であろう中年男性と若い女性が働いている。壁際はぐるりと本棚で、フロアには横向きの背中合わせの棚が三本。入口右横の壁棚には、哲学・思想が50音順に端まで続く。ジッと哲学書を立読みし続けるお客さんも、また学究の徒。右壁は仏教・キリスト教・悪魔・文化・民俗学。手前の通路棚は、岩波文庫・文庫揃い・出版社別文庫、そして作家50音順文庫。ここは、日本・海外を分け隔てなく並列にして、探偵・幻想・SFまで並ぶ楽しい棚造り。絶版も多い。第二通路は古典文学・日本文学・文学評論・詩歌。古い本が多く、探偵・幻想もチラホラ。第三通路は海外文学と、一部に写真集。最奥には美術・デザインがズラリ。右奥ナナメ壁に、写真関連・山岳・趣味・焼物・音楽。奥壁に映画・伝統芸能・演劇・建築・辞書・辞典と帳場横まで続く。外壁棚にもはや言うことは無く、店内も意外に軟らかい部分があり、楽しみながらたっぷりと時間を食う仕組みとなっている。値段は安〜高めと様々。スキがあるのか無いのか判らず、うまく弄ばれている感じである。……しかし!このお店で私が一番気になっているのは、棚や値段のことではなかったりする!一番気になっていることとは、このお店の床。店内に隙間無くビッチリ敷き詰められた鉄板なのだっ!何故なんだ?工事現場で車両や重機を搬入するために使われる鉄板…それと同様な物が古本屋の床に!たくさんの人の靴底に磨き上げられ、ピカピカの銅板のようになっているが、しゃがんだ時に指で叩くと、鉄板の空ろな音。この無骨な床がたくさんの本を確かに支えているのだろう。しかしそれでも何故…?鉄板敷きの支店よ、本店と共に永遠なれ。創元推理文庫「分解された男/アルフレッド・ベスター」創元推理文庫「ビー・アイ・マン/アルフレッド・ベスター」を購入。

とにかく鉄板が気になってしょうがないのだが、これからも気にしながら通い続けることにする。そして高円寺も、ツアーすべき純粋な古本屋さんは、これで尽きたことになる(まだ複合的なお店は残っているが…)。私のツアーは、これから益々外に広がって行かなければいけないようだ…あぁっ!大丈夫なのだろうか…。
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2010年09月20日

9/20神奈川・戸塚 ブックサーカス湘南堂 戸塚モディ店


book_circus_totsuka.jpg最初に目指したのは、うねりまくった『東海道』沿いのお店。電柱に飾られたススキの穂を愛でながら、ウネウネ進んで行くと、そのお店は残念ながらお休み。心の中で小さく再訪を誓いながら、駅までまたもやウネウネと戻る。と言うわけで、駅の至近にある「ブックサーカス(2009/07/15参照)」の支店をツアーすることに。駅には『橋上改札』と『地下改札』の二つがあるが、『橋上』から出て東口の空中広場へ。そして左を見る。そこには『戸塚modi』と言う、ショッピングビルがそびえ立っている。さらに視野を絞って、そのまま二階の左端へ焦点を合わせる。そこには黄色く光り輝く、古本屋さんの光…でもずい分リサイクル古書店っぽいな…まぁ本店も、外観と中の棚にギャップがあったのだが、あのマニアックな部分が少しでもあれば…。広場から階段を下りて、二階の回廊へ近付く間も、お店に吸い込まれるのは小中学生ばかり。軒からは、ビル共通のパターヘッドのような看板が飛び出し、その後ろにさらなる店名看板。店頭左にはガチャガチャ、右には漫画雑誌ラックが二台並ぶ。子供たちと共に店内へ。中は縦長でとても寒く、この寒さに対応できる子供たちがひしめいている。入口右横に100均棚が二本あり、文庫・単行本・ラノベが並ぶ。店内を懸命に見通してみても、やはりコミックがメインの印象。そのまま手前左側通路の壁際文庫棚にピタッと張り付く。七本の棚の上一段にノベルスが並び、入口側から作家50音順日本文学文庫・時代劇文庫・出版社別文庫と、ため息をつきながら、新しくピカピカした文庫の背を眺め続ける。しかし途中の二本に突然の異変!岩波文庫・中公文庫・ちくま文庫が始まったと思ったら、唐突に古い本が現れ始めたのだ!しかも二段分は面出しディスプレイとなり、古本もしっかりとアピールされている。必然的に絶版文庫も多く姿を現し、古い角川文庫・旺文社文庫・サンリオSF文庫がしれっと並ぶ。最後は普通に戻って海外文学文庫。うむうむ、ここがあるだけでも入った甲斐があるものだ。そのまま奥に、子供を掻き分け入り込んで行くと、右奥にBLノベルス・児童文学・ハーレクイン・実用・思想・コンピュータ・音楽・サブカル・映画・スポーツ・海外文学・日本文学・新書などが、肩を寄せ集めて震えていた。こちらは新書に古い本が多少混ざっているくらい。子供のためのリサイクル古書店(しかしこの繁盛っぷりは一体どうしたことか!?)だが、一部の棚に、良識ある古本と本店の匂い付けが為されている。値段はちょい安〜普通。戸塚は改めて再訪せねばなるまいが、二つ先の藤沢にも確か「ブックサーカス」の支店が。古本屋さんの多いあの街で、どんな棚を展開しているのか、期待せずにはいられません!ハヤカワ文庫「鋏と糊/三國一郎」集英社文庫「はるかな町/三木卓」岩波新書「西域 探検の世紀/金子民雄」を購入。
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2010年09月18日

9/18東京・青梅 古書ワルツ


kosho_waltz.jpg青梅に新しい古本屋が誕生した。しかも驚くべきことに、かなりの山奥にである。なので二の足を踏んでいたのだが、このお店の情報が耳に入るようになり、岡崎武志氏からもブログ上でリクエスト…やはりそろそろ行かねばならない!と言うわけで土曜日の日中に、行楽客と共に中央線に揺られて西へ。駅に着くと、改札では逆立ちしたバカボンのパパ像がお出迎え。そしてロータリーでバス停の時刻表とにらめっこ。『上成木行』に乗りたいのだが、時間は四十五分後…この『トンネル循環』ってコースは何なんだ…ええぃ、めんどくさい!歩こう!それでこそ古本屋ツアーだ!とムリヤリ不安をもみ消し、意気揚々のフリをしながら線路沿いに西へ。400mほど進むと北に延びる『小木曽街道』…予想はしていたが、いきなり山越え急坂の峠道。しかし歩道がしっかりとしているので、割合と安心して歩いて行ける。頂上でトンネルを抜けると下り坂となり、山間の谷に続く集落を、縦に抜けて行くカタチとなる。まだ蝉ががんばって鳴き喚いているが、栗がボロボロ落ちていたり、稲が頭を垂れていたり、トンボが目の前をよぎったりと、忍び寄る秋の気配。車は通るが、歩いている人は皆無に等しい。三十分ほど歩き、『成木街道』とぶつかる『黒沢二丁目交差点』。ここより西に向かい再び山の中へ。峠道をうねりながら進んで行くと、歩道が消えた高い杉並木の遥か遠くに、トンネルが暗い口を開けている。おぉ、あれを潜ればお店はすぐそこだ!大型トラックに気を付けながら、坂道をエッチラオッチラ。山腹に開いた『新吹上トンネル』は、全長604m。歩道があり、しっかり歩けるようになっている。車たちが通り過ぎると、巨大な構造体の中にただひとり…。ついつい「アッ!ハッ!」と奇声を上げ、反響を楽しんだりしてしまう。行けども行けども近付かない出口を、どうにか引き寄せて外に出ると、そこは山の中の『成木八丁目交差点』。その手前の右側に、割烹料理屋の看板などが出ているが、ガードレールの脇にも気になる小さな木製の立看板。山の中には相応しくない、若い息吹を漂わせている。道路をサッと渡って近寄ると、目指すお店の物であった。良かった、営業してる!看板の矢印に導かれ、脇道へと入り込む。すると左に礫敷きの広い駐車スペースが現れ、その入口にも手書きの板看板。左を見ると、奥にピンクの大きなロッジのような建物が建っている。礫を踏み締めて近付いて行くと、一階の部分には建物から飛び出した、サンルームのような作業場がまずはあり、そこがお店の入口となっている。白い壁面には小さな店名。まず古本屋には見えない店構えである。短いスロープを上がって中に入ると、自転車や様々な道具類が置かれ、アウトドアなアプローチ。すると奥の部屋で、本の山の前に座っていた人物がぴょこんと立ち上がり、満面の笑みで「いらっしゃいませ」。驚いたことに、若くチャーミングなお嬢さんであった。山奥+古本屋+首にタオルを提げたお嬢さん!全く関連性の無い三つが、今、青梅の山奥でひとつとなっているっ!彼女は手早く扇風機を回し、奥の部屋の電気を点ける。全体的に近代的な山小屋+ガレージと言う、格好良い印象。今いる部屋には大きなテーブルが二つあり、ひとつには雑貨類が置かれ、もうひとつは古本作業スペースとなっている。左の壁際に300均の単行本棚が二本あり、児童文学と雑本が収まっている。奥壁には100均文庫棚が設置され、中々楽しい品揃え。さらに奥の部屋へ進むと、そこが古本屋としてのメインスペース。広いがロフトが大きく張り出しているので、天井は少し低めとなっている。壁際には様々な形状の棚が余裕を持って並べられ、フロアには左に大きな平台が三つ、右に正方形のスチール棚が四本×二列の計八本置かれている。左壁際には未整理本が置かれたテーブル・小さなビジュアル本ラック、そしてロフトへの階段下に洒落たレジが造られている。ほっほ〜うと眺めていると、お嬢さんが冷たいお茶を持って来てくれた。そして「看板を見ていらしたんですか?」「あっ、ホームページを見て」「ここまでバスですか?」「いえ、歩いて来ました」「歩いて!?」…コロコロコロと笑ってます。さて、まずは入口右横に趣味性の高いセレクト文庫棚があり、ちくまや絶版文庫が素敵な並び。続いて背の低いボックス棚が続き、写真集がドッサリ。日本近代・現代写真のツボがバッチリ押さえられている。角に宗教の棚があり、右壁際に低い飾り棚&スチール棚織り交ぜ、古本関連・食・洋書イラスト集・都市・歴史などが収まっている。続くガラスケースにはプレミア本が並び、中原弓彦・夢野京太郎。植草甚一・森山大道などが輝きをピカリ。角には科学・思想・金井美恵子。奥壁には日本文学・文学評論・海外文学・全集類・性愛など。フロアスチール棚は、手前右側にタレント・テレビ・雑貨・骨董・古いカルチャー雑誌類、左に児童文学・絵本。二番目、右側に美術・デザイン・建築・図録、左にコミック・アニメ・評論。三番目、右側に植草甚一・竹中労・寺山修司など旧世代名エッセイ&評論とサブカル新世代本、左には映画がドッシリ。最奥はすべて音楽で、右側にクラシック・ジャズ、左側にロック・テクノ・現代音楽。平台には洋絵本・美術ビジュアル本・写真集・大橋歩・木島始などが面出しでズラズラ。…こんな山奥にこんなに良質な本が集まっているなんて…。すべての手札をビシッとキレイに見せたい気持ちが、ヒシヒシと伝わって来る。出し惜しみなしの全棚全力投球!値段は普通〜高めで、スキはナシのしっかり値付け。そしてレジで精算しながら、一番気になることを聞いてみた。「どうしてここでお店をやろうと思ったんですか?」「物件探しててここが気に入って…」…う〜ん、店舗としてはいいけど、立地としてはかなりスゴイ。どうしてその部分を飛び越えられたのかはナゾのまま。お茶をいただきながら「おひとりでやられてるんですか?」と聞くと「いえ、兄妹で。兄と一緒に。私は主に店番です」とニッコリ。兄妹で古本屋さん…想定したことのない状況だが、何かいいな。「歩いて来たらどのくらいかかりました?」「あ〜四十分くらいですかね」「歩いて来た人は初めてですよ〜コロコロコロ…」。そうだ、帰りの事を考えねば。バス停の場所を聞くと、わざわざ時刻表を出して調べてくれた。結果、バスが来るのはまたもや四十五分後…今日の私はバスより四十五分早く行動しているらしい。「また歩いて帰ります」とお礼を告げて帰り支度。すると「駅まで車で送りましょうか?」の優しい言葉!しかしっ!私は古本屋ツアー!甘えるわけにはいきません!自己で全てを完結するのです!と訳の判らない想念が頭蓋に渦巻き、グッと堪えてそれは固辞。すると「東青梅の方が多分近いですよ」と別ルートを教えてくれた。ありがとうございます。「こんな遠くまで来ていただいてすみません」と外まで見送ってもらう。再び暗く長いトンネルを抜けて、山を下り『黒沢二丁目交差点』を直進する。するとまたもや山越え。先ほどまで古本屋さんにいたのが、嘘のような山の中(何たって登攀路線があるのだ)。新しく産声を上げた、東京西部最奥古本屋にエールを送ります!古本とワルツを踊りたくなったら、ぜひ青梅へ。トンネルを抜ければ、そこには古本屋さんがあるのです。ちなみに全徒歩行程はおよそ八キロでした…。シンコー・ミュージック「ラブ・ゼネレーション/早川義夫」国文社「ジャン・ジュネ詩集」河出書房新社「なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか/唐沢俊一編著」三一書房「映画について私が知っている二、三の事柄/山田宏一」を購入。
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2010年09月17日

9/17東京・神保町 文省堂書店


bunshodo_honten.jpg四谷で打ち合わせた後、中央線でお茶の水へ。谷から谷への移動である。少し暗くなるのが早くなった、などと気付きつつ『明大通り』を『駿河台下交差点』へ向う。そのまま夜の明かりが輝き始めた『すずらん通り』に突入。そして三本目の脇道を南へ。左側、タイル張りビル一階に、本日のお店を確認。ここは早稲田古本屋街にある「文省堂書店」(2009/09/07参照)の本店なのである。あの変にサブカル色の強い楽しいお店の本拠地は、一体どんなことになっているのか…。店頭は通りに面した出入口部分と、面取りして少し窪んだビルの角を利用して展開。窪みには二冊で100円の文庫棚が二本と、おぉ!これはっ!早稲田・文省堂の店頭にもあった、タフな取っ手付き軍用風棚のミニバージョン!極太の黒いスチールが、本をバッチリ支えている。こんな共通点でも、私はしっかり喜べるのであった。そこにも二冊100円文庫が立体的に並び、日本文学・日本SF・海外ミステリ&アクションが目立っている。ここには明かりが無いので、夜はかなり手元が暗い。背後の窓には「太陽がいっぱい」や「宇宙戦艦ヤマト 完結編」のポスター…。出入口前は、右に極太黒スチール100均ノベルス棚、左に100均雑誌ラックとなっている。「ロボコン」やまたもやの「太陽がいっぱい」ポスターを眺めてから店内へ。中にはみっしりと本が並んでいるが、目立っているのは漫画。しかも絶版漫画である。壁は本棚に覆われ、右奥が少し凹むように奥まっている。真ん中に背中合わせの棚が縦に三本、入口右横にコミックのブロックに囲まれた帳場がある。そこにはヌシのような男性がおり、もうひとり棚を整理しまくる男性の姿。右通路と右奥はアダルトや美少女コミックばかりだが、何だか実用的と言うよりは資料的。特にアダルト風俗雑誌は古いものも並び、その整然さは美しくもある。次の通路にはアイドル系写真集がタンマリ。第三通路右側には少女漫画、左に集英社・講談社・サンコミックの絶版漫画。その裏には秋田書店の絶版漫画が収まっている。そしてお目当ての古本は、左壁の六本の棚にズラリと並ぶ。しかもすべて100円均一!古く茶色く半壊した戦前の本が多い。日本文学・哲学・訳書・文学散歩・実用・社会科学・歴史・考古学・横光利一・ハヤカワポケミス・カラーブックス・選書などが、魅力溢れる背の並びを見せているが、やはりそこは100円均一、中々おっ!と思う本は容易に見付けられない。そして最奥にはファイリング&箱に入った大量の絵葉書類が並んでいる。漫画・アダルト・写真集が目的でなければ、頻繁に均一棚を覗き込みに来るのが、お店を生かす道となるだろう。色んな意味で渋い棚ではあるのだが、簡単に捨て切れない魅力が漂っているのだ。私も何だかんだで、ついつい二冊抜き取り購入。表はすっかり夜の神保町、浮き足立った金曜の夜…。新潮社「家族八景/筒井康隆」…真鍋博の装丁はやっぱり素晴らしい!実業之日本社「実いまだ熟せず/横光利一」を購入。
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2010年09月16日

9/16東京・三軒茶屋 三茶文庫


sancha_bunko.jpg地下の改札を抜けて、巻貝の内部のような『世田谷通り口』への階段を快調に駆け上がると、頭上に圧し掛かる首都高。そのまま『玉川通り』を南西に下る。目指すお店は“元・ブックマート三軒茶屋店”。つい最近ブックマートグループを離れ、独立したらしいのだ。田端の「古本屋の中村(2010/02/26参照)」と同じパターンであろう。ひとつ、ふたつと信号をやり過ごし、さらに100m近く進むと、右手のビル一階に赤い看板の“本”の文字。色の氾濫した賑やかな店頭で、出入口の上に新たな店名の看板(何故かイタリア風)。窓はすべて買取関連の表やカバーで覆われ、少し段になった歩道前にはコミック棚一本・雑誌ラック二台・100均文庫棚一本・100均単行本棚が二本、キッチリと置かれている。低い階段を上がるように路面からちょっと高い店内へ。出入口の左側にも小さな100均文庫棚。奥に目をやるとギッシリ目な店内で、基本は横長。壁際はぐるっと本棚で、背中合わせの棚が縦に三本。奥にアダルトスペースへの入口、左の壁際にレジがある。そこではエプロンを着けた二人の中年男性が、細かに忙しく活躍中。左側から中央にかけては、ほとんどがコミックやCD・DVD。入口から右側に進むと、右端二本の通路に古本が並んでいるのを確認。右から二番目の通路右側は文庫により占領されている。ちくま・岩波文庫から始まり、作家50音順日本文学文庫棚へ。並びは丁寧だが新しい本が中心。棚脇には最近刊文庫ラックなども。右端通路の左側は、雑学文庫・時代劇文庫・新書・海外文学・海外文学文庫。右壁際は下に最近刊単行本、そしてビジネス・政治・社会・ノンフィクション・趣味・日本文学・映画・映画雑誌&ムック・女性エッセイ・タレント・サブカル・美術・音楽など。リサイクル店の雰囲気満点なので、以前のブックマート時代とさして変わっていないのだろう。これから段々チェーン店の呪縛を抜け出して、個性的なお店に変化して行くのかも。値段は普通&新刊は高め。そして本を手にしてレジに向かっていると…あ!レジ向かいの棚に、ラノベと共に古い本の群を発見。およそ一本ほどだが、SF・ジュブナイル・児童文学・文学・カウンターカルチャー・風俗、それに絶版漫画と劇画が続いている。何とも頼もしい一棚である。値段は割と高めだが、ぜひとも別の通路にも、このようなちょっとギョッとする本を並べていただきたい!遅ればせながら、まずは新生おめでとうございます。平凡社新書「キーワードで読む現代建築/飯島洋一」太田出版「ゼロから始める都市型狩猟採集生活/坂口恭平」を購入。
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2010年09月15日

9/15埼玉・新所沢で西へ東へ二店!

昨日は仕事で富士山にてキノコ狩り。最初はキノコを全く発見することが出来ず、樹海で迷子になる理由を理解したりしながら小一時間…。段々と見えなかったキノコが見えるようになり(キノコハカセ曰く「キノコ眼になってきている」とのこと)、発見する喜びに満ち溢れる。土からキノコを掘り出しながら『本棚からいい古本を見つけた時に似てるな…』と古本思考がムクムク…。そして今日は、筋肉痛に襲われた両足にムチ打ち、古本を掘り出すべく本の森へ!


shobundo_nishiguchi.jpg●新所沢「祥文堂書店 西口店」
初めての西口は広めなロータリーで、たっぷりのケヤキに囲まれている。ロータリーを突っ切り、そのままケヤキ並木を西南へ。『新所沢駅西入口交差点』を北西に進み、ケヤキとはおさらば。電燈に『しんとこ あんぽーろ』の旗が翻る道を100mほど進むと、右手に嬉しい均一棚の側面が見えて来た。店頭に立つと、キレイなビル一階の古本屋さん。緑の日除けの下のガラスウィンドウには、赤く妖しく輝く“古書”のネオンサイン。真ん中出入口の左に二本、右に三本の105円均一棚。廉価コミック・ノベルス・新書・ハーレクイン・文庫・単行本・時代劇&ミステリ文庫が収まっている。文庫&単行本に中々拾い物あり。通りがかりのオバサンたちも、ウマウマとハーレクインに引き寄せられている。中は奥行きがあり天井の高い店内。壁際は天井までの棚で、真ん中に背中合わせの大きな棚が一本。奥の帳場下にも棚があり、その前では二人の男性が声を潜めて何やら話し合っている…どうやら店主さんとお店を訪れたご同業の方らしい。「まったく明日はどうなることやら…」と聞こえてきた嘆息が非常に切ない…。入口右横には児童文学・児童書・絵本が詰まったワゴンが一台、その向かいの通路棚脇には女性実用ムック類が集められている。右壁棚は文学評論・戯曲・旅・紀行・東京・ガイド・日本文学・詩集・海外文学・ミステリ&エンタメ・自然・動物・山岳・探検・戦争・科学・新書・東洋文庫・思想・宗教・民俗学・美術・建築・写真・骨董・陶芸・歌舞伎・音楽と、しっかり文庫や新書も巻き込みつつ、丁寧で美しい並びを見せている。途中、思想棚の所に『人文書は東口店が充実しています』の貼紙があり、横の柱に地図もあった…よし、後で見に行こう。奥の帳場下には、古めの海外文学文庫棚とハヤカワSF・思想系文庫が収まる。店主の前で屈んで見るべし!通路棚は入口側から、世界&中国&日本関連の文庫・ノベルス・出版社別文庫・日本近代文学文庫(絶版あり)・岩波文庫が並び、下の平台にも文庫がドッサリとなっている。左側通路は、壁棚に漫画雑誌・ハーレクイン・コミック・アダルトが続き、最奥の帳場横にアダルトを乗り越え考古学と古代史。帳場の背後にも大判本・プレミア本・資料本、そして猫の写真集が多くあったりする。向かいは女性実用・料理・食・ペット・生物・ノンフィクション・落語・映画・スポーツ・コンピュータ・アダルトが収まり、下には箱に入った雑誌がズラリ。聖から俗までしっかり平等に集まった、丁寧なお店である。すべての棚が平等に息づき、細かく手が入っていることを伝えてくる。値段は安め〜普通。“キノコ眼”ならぬ“古本眼”が炯々となり、結構買いたい本を見つけてしまうが、三冊に絞り帳場へ向かう。本の発送作業に勤しむ店主に本を渡す。100均以外の本は「これは○○円ですね」としっかり確認。よし、続いて東口店だ!築地書館「一万人の野尻湖発掘/野尻湖発掘調査団」筑摩書房「ウルトラマンに夢見た男たち/実相寺昭雄」白水Uブックス「山の上ホテル物語/常盤新平」を購入。


shobundo_higashiguchi.jpg●新所沢「祥文堂書店 東口店」
西口から東口へ。駅舎を駆け抜け「やよい書房(2009/10/27参照)」「土筆書房(2010/07/13参照)」で訪れたロータリー。そこから真っ直ぐ東北に延びる『メイン通り』を進む。『新所沢駅東口入口交差点』を過ぎると、商店街の終わりが近付き少し寂しげになるが、構わずズンズン進む。すると左側の居並ぶ商店の中に『古書』の文字…西口店に比べて、こっちは随分と渋い店構えである。何処からどう見ても昔ながらの古本屋さんである。二階に濃紺の壁看板と窓下に青白の店名看板があり、軒には水色の日除け…そう言えば西口店も窓ガラスの店名は青だった。店頭右側は足元の心もとない105円単行本棚。人文系かと思いきや、文学本ばかり。左には52.5円と言う半端な値段の均一文庫。五十銭玉を持ち合わせることなどは皆無なので、二冊で150円と言うことなのか?棚の裏側にはショウケースがあり、古い児童文学本が色褪せたまま面出しで飾られっ放しの印象。サッシを開けて中に入ると、床がコンクリむき出しの、外観に相応しい狭めの店内。入口上にも棚が巡らされ、コミック揃いや全集が置かれている。右壁は奥の帳場まで本棚、真ん中には背中合わせの棚が一本。左壁は、本棚・スチールラック・ガラスケースが入り混じる構成。帳場にはご婦人がひとり…西口店の店主さんとご夫婦なのだろうか?右壁は、魚・海・動物・自然・実用・医学・旅・紀行・鉄道・写真・文学評論・日本文学・海外文学・ミステリ&エンタメ・美術・戯曲・辞書・建築などが収まり、棚の下には岩波文庫やちくま文庫が上に背を見せて、ピアノの鍵盤のように並んでいる。向かいは日本文学文庫。棚脇には小さな漫画雑誌台。そして左側通路に行くと、こちらに『充実した人文書』ズラリ。右側の通路棚に、新書・歴史・民俗学・古代史・戦争・政治学・社会学が並び、そして最後に官能文庫と、ちょっぴり人文を切り崩すピンクな展開。壁際は、コミック・ホビー雑誌・イラスト集・大判作品集・上段に箱入り日本文学。ガラスケースには漫画〜資料本まで、プレミア本がギッシリ詰まっている。そして残りはアダルト。西口店とはまた違った、ほとんどひとつの独立したお店である。人文系が一面を確かに占領しているが、文学系もしっかり多く、狭いお店なのにバランスはあまり悪くない。値段は安め〜普通で、本の中にはビニールで梱包され見られないものもある。西と東で、その距離およそ500m!めんどくさがらずに両店共訪ねれば、気分はすっきり。さらに外観・中身共に違う二店を楽しめます!新所沢では、西に東に駆け回りましょう!みすず書房「新編 戦後翻訳風雲録/宮田昇」を購入。

これで西武線沿いは、あらかた巡り尽くした感がある。後はこぼれたリサイクル店や専門店を残すのみ…お店が無くなった訳ではないのだが、鉱脈を掘り尽くしたようで少し寂しい…あっ、しまった!「やよい書房」がどうなってるのか、確かめるのを忘れてしまった…。
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2010年09月14日

9/13京都追記


minamimachi_bugyosyo.jpg長岡天神でツアーを済ませ、所用をこなしつつ、ある場所へと向かう。…憧れの風景をこの眼に焼き付けるために。嵯峨嵐山の北にある『大覚寺』、別名『嵯峨御所』。住宅街の中に巨大なお寺の敷地が、忽然と現れるのだ。礫を踏み締めながら水路を渡り、奥へと進んで行くと、その門は確かにあの姿のまま建っていた。『明智門』と言う名の、白壁を持つ重厚な門…ここはっ、ここはっ!…“必殺シリーズ”で中村主水が勤める『南町奉行所』の門として、使われていた場所なのだっ!左後方から、架空のフレームに門を捉えると、正にテレビの中の奉行所が、寸分違わず出現!今にも中村主水が、門番に軽く手を上げながら姿を現しそうなほどにっ!ちなみに私にとっての“必殺シリーズ”は「必殺商売人」までとなっている。興奮しつつ門の中を覗き込むと、通路が奥へと延びており、左には白壁の蔵のような建物が続いている…う〜ん、何やら心を揺する既視感…あっ!眠狂四郎!「眠狂四郎 勝負」で、狂四郎(市川雷蔵)と加藤嘉が立ち話をする場所だ!むむむむ、京都恐るべし!江戸の町がそこかしこに、時間と空間を飛び越えてつながっている!…しかしまてよ?私が見ていた時代劇たちは、ほとんどが京都で撮られていたもの。つまりは私の脳内にある江戸のイメージは、京都の風景のパッチワークで造り上げられていると言う事か!…私の江戸は、京都の中と言う事か…。ものの見事に騙されていたのだな。その風景に感動しつつも、パタパタと書割のように私の江戸が倒れ伏す。気付いてしまったからには仕方ない。少し寂しく、少し遠いが、また江戸に会いたくなったら、京都に行こう。たくさんの古本屋も、まだまだ待ち構えているのだし…。
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2010年09月12日

9/12千葉・姉ヶ崎で姉のみ一店!

千葉方面へゴトゴト。今日はやけに冷房が身に凍みる。千葉駅で潮風に汚れた内房線に乗り換え、東京湾沿いを南に進む。五井を過ぎて、この先の『姉ヶ崎』『長浦』にある姉妹店を訪ねるつもり。外の景色は先に進むほど、田園の割合が増して行く…。


omobun.jpg●姉ヶ崎「OMOBUN」
東口を出ると、栄えてはいるが妙に風通しの良い広いロータリー。片隅には『あねぽん』なる釣鐘をキャラ化(額には“姉”の一字が!)した石像が建立されており、何と『ゆるキャラアワード2009』で準グランプリの栄冠に輝く素晴らしい経歴!台座には表彰状の銅板が埋め込まれ、すっかり街の栄誉と化している…。石像の前を通り、ロータリーの左隅から南東へ。二本目の脇道を北東に入ると、左手に古い役場のような大きな建物。その一階右端がどうやら目指すお店らしい。道路際には『本お売り下さい』の看板が立ち、丸メガネのキャラがニッコリ笑っている線画と、「OMOBUN」の店名。これはどうやら「おもしろ文庫」を略称したものらしい。店頭には車がズラッと並んでいるが、お客さんと言うわけではなさそうだ。車の間を抜け店の前に立つと、コミックやゲームがメインのリサイクル古書店の趣き。中に入ると天井の鉄骨がむき出しな店内。蛍光灯がネオン管のようにジジジジと、かなり大きな音を出している。やはりコミックやCDの多い店内を見回すと、左端通路に愛しい古本の姿を発見。左壁際は、実用・自然・中段に実用ムックラック・児童文学から始まり、作家50音順日本文学文庫(時たま古い本あり)・岩波文庫・ちくま文庫、奥壁に海外文学文庫・雑学文庫・ラノベ・ティーンズ文庫としっかりした並びで続く。向かいの通路棚は、ミステリ&エンタメ・実用・サブカル・昆虫・植物・鳥・雑誌・新書・選書・古めの戦争&文学・ハーレクインなどが収まっている。見た目通りのリサイクル古書店で、冊数もそれほど多くない。しかし棚造りはいい加減な放り込みではなく、キレイでちょっとしっかりしている。古い本も少々あり。値段はちょい安〜普通。入口右横のレジでは、妖艶なメイクをしたヤンキー的なお姉さんが、俯きがちに店番中。私も俯きがちに精算してもらい、隣駅を目指して慌ただしくお店を後にする。PHP新書「戦後民主主義と少女漫画/飯沢耕太郎」平凡社新書「書店の近代/小田光雄」を購入。


omobun_nagaura.jpg●長浦「おもしろ文庫 長浦店」
続いてひとつ先の長浦へ。ここにもうひとつの「おもしろ文庫」があるはずなのだ。南口から出て、ロータリーから『長浦駅前通り』の坂道を南東へひたすらテクテク。通り沿いには、郊外型大型店舗と独特な風合いの長屋式店舗が連なって行く。一キロほど進んだ『長浦小中学校入口交差点』の脇にも同様な店舗群があり、その右端が訪ね求めて来たお店なのである…が、しかし!黄色いシャッターがガッツリと降り、そこには白い貼紙が…。『ご愛顧ありがとうございました。8月31日をもって閉店いたします。9月からは姉崎の「おもぶん」をご利用下さい。』…12日遅かったかっ!…いや、お疲れさまでした。

強い風が心地良い。閉店したお店を離れ、坂道を下って行くと、街の向こうには霞んだ京葉工業地帯。巨大な煙突が何本もそそり立っている。さらに進むと見えて来るのは、非日常的な巨大過ぎる風車。閉店した古本屋さんなど歯牙にもかけず、グルグルと巨大な羽根を回し、今日も電力を生み出している…。
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9/11京都・長岡天神 ヨドニカ文庫


yodonika.jpg所用があり京都へ。もちろん古本屋にも行くつもりなので、少し早めに現地入りし、少々の行動時間を得る。京都に着き、茶色い阪急電車で、幻の都・捨てられた都・呪われた都を目指す。車窓は京都とは思えない郊外の住宅地の風景。都を包む右腕たる山が、グングンと近付いてくる。電車から降りると酷い暑さ。東出口を出て線路沿いに南へ。吹き抜ける風には、清々しい草の匂いが多く含まれている。やがて踏切のある『天神通り』。そこを渡り、踏切際から真南に延びる道をちょっと進むと、左手に見るからに賑やかなお店の姿が見えて来る。新しめの低層マンション一階右端が店舗で、敷地内である店頭部分に、古本たちが溶岩のようにノロッと流れ出している。むぅ、絶景!マンション店舗共通の赤い日除けの下に、うっすらと浮かび上がっている「古書籍」のあぶり出しのような文字…。その古本溶岩流な店頭には真ん中に大きな通路が造られ、右に大判本→三箱、100円新書→四箱、100円文庫→六箱。その後ろに木箱で構成された棚があり、100均文庫とノベルスが収まっている。脇には古い文庫の100均箱が積み重なる。そのさらに後ろに背の高い棚があり、四六判単行本や新書が値段いろいろでギッシリ。左側は雑誌&絵本箱が十六箱。100均単行本箱が四箱と囲碁箱が続き、その後ろに古い哲学・思想系単行本が並ぶ木箱棚。裏側には古い文庫やハヤカワポケミスが詰まっている。ガラス前にはムックラックがあり、その足元に和本や古い小判雑誌類・紙モノが集められている。もうこの店頭だけで楽しめると言うか、もはや店頭の域を超えた立派なお店となっている。暑さにめげずに這いつくばって、棚の下段や箱の中を覗く価値アリ。さて、この熱い溶岩流を噴出した火口でもある店内はと言うと、これが至って静かで冷静な、まるで休火山のような棚造り。小さめのお店はほぼ正方形で、入口横から壁際は本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本。奥に帳場があり、非常に落ち着き払ったおばあさんが座っている。入口右横は大判美術本から始まり、右壁際に美術・辞書・哲学・さらに美術・箱入り郷土資料本と続いて行く。向かいは一部横向きに本が積まれ、目録かネット販売分類用な棚と、奥に民俗学。通路には紙モノ・和本・レコードなどが置かれている。真ん中の通路はほとんどが新しめの文庫で、官能文庫・日本文学文庫・教養系文庫・時代劇文庫がメインとなっている。入口左横には東洋文庫。左壁は歴史・教養系文庫・学術本・思想・文化・文学がカオスに並び(所々に空きあり)、帳場横には嬉しい京都本棚が一本。向かいは児童文学・宗教・戦争・「あまとりあ」・「100万人のよる」・「別冊宝石」など。表の熱さと多様さに比べて、中は整然としており少し物足りない感じ…全くもっておかしな不思議なお店である。値段は安め〜普通。場所は京都なのだが、その特有さが薄まった場所で、古本のマグマに触れられたのは、一瞬とは言え素敵な時間であった。市民文庫「美の本體/岸田劉生」筑摩書房「シナリオをつくる/山田洋次+朝間義隆」を購入。
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2010年09月09日

9/9福島・いわきで初電話二店+幻影一店!

スケジュールとはままならぬものである。本来なら仕事でビッチリだったはずの今日が、ポッカリと穴を開けてしまった…。やるせなさよりも“これはチャンス!?”の気持ちが大きくなり、ちょっとだけ迷った末に遠くへ!北へ!ナナメ北へ!早起き気味に、上野始発の電車に乗り込めば、もう後ろめたさはホームに置き去り。目指すは『いわき』!私がこの都市を初めて知ったのは、小学校低学年の時に読んだ漫画「ドカベン」によってである。確か凄いフォークを投げるピッチャーが『いわき高校』にいて……『ひたち』を過ぎると緑が異様に暗くなり、列車は未知なる都市に向かって走り続ける。果たしてどんな古本屋さんが待ち構えているのだろうか…?


nogi_shoten.jpg●いわき「野木書店」
最初に駅近くのお店に行ってみるが、まだ開いていない。時刻は12時過ぎ。早過ぎたのだろうか。仕方なく南東にある「古書じゃんがら」に向かうが、お店は何処にも見当たらない。駅方面へと引き返し、再び先ほどのお店へ…開いてない。現在時刻は13時。貼紙によると営業時間は『12時〜17時・水曜定休』となっている。また後ほどしつこく立ち寄ることに決め、南西のお店へ向かう。駅から南口を出て『駅前大通り』を南下。やがてぶつかる『国道6号』をひたすら西へ。一キロほど進んで新川を越え、道なりにまだ進んで行くと、左手に現れる分かれ道。その脇の古い家屋に古本屋さんの看板がっ!…しかしカーテンは閉じられ看板はボロボロ…窓の端に雑誌の束が見えているが、ちょっと営業している感じではない。しかしどれだけ格好良いお店なんだ!店内に入り、本棚を眺める幻影を創り出しながら、勇者をカメラに収めてさらに先へ…。


kyoritsumae_shoten.jpg●いわき「共立前書店」
さらに先にあるはずのお店を求め、道なりに南西へ進んで行く。この時、嫌な予感が頭をチラリ。さっきのお店には結局入れず、この先のお店も無かったとすると、今日の行程はすべて空振りに…そうなったら次の手をまったく考えていない!この街には結構お店があるから大丈夫だろう、と気楽に考えていたが(いつものことなのだが)私が愚かであった。やはり古本屋を侮るべからず!…とかなんとか頭をいっぱいにしながら一キロ強をさらに進む。すると『御厩一丁目交差点』を過ぎた所で、右手の大きな駐車場前に『古本』と書かれた立看板が目に飛び込んで来たっ!おぉ、ある!あるじゃないですか!対岸から白いお店を眺めると、店内は暗いが隣のドアが開いており、本の中にオヤジさんの後姿が見えている。『何とかなりそうだな』と道路を横断して、早速店内に入り込む。横長の小さな薄暗い店内で、目に入るのはコミックとアダルトばかり…オヤジさんのいるスペースとは、左の帳場でつながっているようだ。壁は一面本棚、フロアには横向きに背の低いラックと、奥には背中合わせの棚が一本置かれている。手前のラックや帳場周りには、すべてアダルト雑誌。右壁と背中合わせの棚はすべてコミックで、あらゆる隙間に丁寧に本が詰められている。奥の通路に行くと、奥壁と左壁に古本があるのを確認。文庫・ノベルス・ハードカバーが、ミステリ&アクション&バイオレンス&時代劇な並びを見せる。大人の漫画週刊誌のようなお店である。欲望&願望中心主義な棚造りが、国道沿いに毒々しい花を咲かせている。値段は安め。何とか一冊選んで帳場奥のオヤジさんに声を掛ける。カンカン帽に甚平姿の弱気な勝新太郎的風貌。本の値段を確認して即座に20円引き。「このままでいいよな」と裸の本をそのままヌッ。もちろんです!講談社文庫「名探偵に名前はいらない/関川夏央」を購入。


taira_dokusyo_club.jpg●いわき「平読書クラブ」
本日三度目のお店の前。サッシにまたもや手を掛けるがビクともせず、店内は暗いまま…やはりダメだったか。今にも開きそうなんだけどなぁ。まぁどうにか一軒ツアー出来たんで、形にはなるじゃないか…いやしかし、私は『いわき』に関川夏央の文庫を買いに来た訳ではないのだっ!爽やかな風が吹き抜ける店頭で、身体をグルグルひっくり返して悩み続ける。このままではイカン!とケータイを取り出し、意を決してお店の番号をプッシュ!…やれることは全部やろう…。十回ほどのコールの後、「ハイ、読書クラブです」女の人だ。「あの〜ちょっとお伺いしたいことがありまして…」「ハイ」「今日はお店はお休みなんでしょうか?」「どういったご用件ですか?」不審の声音。「いえ、今お店の前に来てるんですが、営業時間なのに開いてないな〜と思いまして」「あらあら、そうなんですか。じゃあ今開けますね。ちょっとお待ち下さい」…や、やった〜ぁっ!わざわざ開けてもらえるなんてっ!とジリジリしながら店頭でその時を待つ。しばらくすると、引戸の向こうにご婦人がにこやかに現れ、「お待たせしました。どうぞ。年取ると開けなくなっちゃってね」と気さくに言葉を掛けてくれる。「失礼します」と通路に入った瞬間、奥から灰と白斑の雑種犬がよたよたと飛び出し、「わんわん!」と吠え始めた。「ハナちゃん、いいの。吠えないの」との制止を無視し、吠えながらさらにジリジリ。屈んで鼻面に手をゆっくりと差し出すと、吠えながらも匂いをクンクン。一通り嗅いだところで満足し、奥の帳場に座ったご婦人の横に寝転んだ。店内は古めかしく少し雑然としている。壁は一面木製造り付け本棚で、真ん中に背中合わせの木製棚が三本。奥にカウンターと言うか、番台的な低めの木製畳敷き帳場がある。左奥に二階への階段と、小さな小部屋的スペース。ご婦人はドラマを見始め、時折掛かってきた注文の電話に受け答えをしている。最初に入った右から二番目通路は、右側に古いものを交え文庫と新書が並んで行く。左は本が横積みされており、並びはカオスのどうやらネット販売対応棚。右端の通路は行き止まりとなっており、左に文学評論・詩集・歌集。奥と右壁には、いわき・郡山・福島・東北の本がビッシリ並び(地方出版ふくしま文庫あり)、帳場近くには民俗学と柳田国男。テレビを見ているご婦人と、寝転んでいるが眼がギョロつくハナちゃんのいる帳場前を、ソ〜ッと通って第三通路へ。右は横積みネット販売対応棚、左は日本文学と文学評論中心の並び。左端通路は、右に美術・美術図録・作品集。左壁は宗教・書・陶芸・骨董・美術が並び、奥の小部屋まで日本文学・文学評論・風俗・社会・資料などが渾然一体となって続いて行く。古い本や箱入り本が多く、文学・東北・美術に強いお店である。お願いして開けていただいた状況なので、あまり腰を据えられずゆっくり見ることが出来なかったのが残念。電話によるお客さんとの会話では、店主さんは80代、奥さんは70代とのこと。本への情熱はしっかりと持ち続けているが、やはり体力が…と言うようなことを話されていた。非常に教養度の高いお店なので、いわきの本文化維持のためには、まだまだ奮闘していただきたい!最近では『日本の古本屋』で販売も始めたらしく、そのためかどうかは判らないが、値段は結構しっかりな普通〜高めとなっている。本を手にご婦人に声を掛けると「うわっ!びっくりした。今テレビがコワイシーンだったからさぁ」とお茶目過ぎる発言。お店を開けてもらったお礼を言い、ハナちゃんにも別れを告げ、最後に目録をいただき辞去。う〜ん、達成感が心地良い。ミリオン・ブックス「動物随筆 猫の裁判/内田亨」築地書館「昆虫放談/小山内龍」を購入。

一時はどうなるかと思った“いわき行”だが、一本の電話が道を切り開いたことが、本当に嬉しかった。「読書クラブ」に感謝。こちらは雲に日が隠れて、途端に肌寒い秋。東京からは200キロ。サラッとした風に吹かれて、人気の少ない街路を進んで行くと、視界の隅をオニヤンマが過ぎる、直線の鋭い軌跡。
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2010年09月07日

9/7埼玉・南鳩ヶ谷 ブックセンター山遊堂


bookcenter_sanyudo.jpg埼玉高速鉄道を下車し、1番出口から地上に向かっていると。外からの熱気がムワッと襲い掛かってくる。日は傾き、最近高くなった空は秋の空だが、目の前には熱気溢れる『岩槻街道』。そのまま北へ真っ直ぐ向かうと、交差点を越えて『新芝川』に架かる『鳩ヶ谷大橋』の上。熱風にざわめく川面は、早くも夕陽を照り返し始めている。視線を先に向けると、対岸の橋の袂に、二棟の大きな倉庫的店舗。手前は青いDVD屋だが、奥が目指す古本チェーン店なのである。王子に優良店(2008/08/31参照)を持つこのグループは、先日「赤羽店(ちなみにここは普通のお店だった)」(2009/05/11参照)が閉店したばかり。ここは初めて来たのだが無事でよかった…それにしても大きいな…これはもしかして本店なのか?屋根の上には巨大な看板。その下には両端が黄緑の巨大過ぎる黄色い日除け。店頭右側には自販機・従業員出入口・100均雑誌&コミックラック三台、左には100均雑誌ラック一台と五列の100均壁棚…上部には夏目漱石と司馬遼太郎の写真コラージュあり。中に入ると、久々に心が折れそうな構造が展開!…しかしこれは何だか良さ気な香りがするぞっ!くぅっ、めげずに頑張るか。入口左横はすぐ帳場になっており、さらに左奥に絶版漫画ガラスケースとアダルトゾーン。入口右側は小部屋状になっており、壁際は本棚で真ん中に背中合わせの棚が一本。手前フロアの真ん中には、右にラック、左に背の低い棚が一本置かれている。右側中ほどに二階コミックフロアへの階段が見えている。奥のゾーンが一階のメインで、中央から階段脇の右奥に広がるカタチとなっている。階段横&壁際は本棚となっており、フロアには大きな背中合わせの棚が、奥に棚脇棚付きで四本並んでいる…やはり広く複雑な、強敵なのである。入口右横は、壁際に児童文学・女性実用・建築・手芸・インテリアが並び、真ん中の棚には分厚い漫画雑誌と食(古本・文庫・新書あり)・女性実用。脇には様々な手芸雑貨も売られている。手前フロア右側ラックには、グラビア雑誌・自然関連。左側の棚には旅・紀行・散歩・東京・「東京人」・カメラ・写真関連・コンピュータが並んでいる。脇には新品のTシャツもぶら下がり中。二階への階段を素通りして右奥へ。まず階段脇の棚には、演劇・落語・伝統芸能・大量の文学評論・日本近代文学・海外文学・文学関連文庫…古い本も多く、ちょっと普通じゃない棚造り。やはり王子と同じで、通常のリサイクル店とは一味も二味も違っているようだ。右壁には宗教・日本古代史・美術・大判本。奥壁にも美術があり、戦争文庫・戦記・昭和史・日本史・ミステリ&エンタメ・海外文学がズラ〜ッと並ぶ。フロア棚は、右端から詩歌・思想・哲学…と言うことは右端第一通路はかなり硬め。そしてクオリティ高め。第二通路はすべて日本文学文庫(ここは割と普通)が並び、棚脇棚に「別冊太陽」などのビジュアルムックと世界関連。第三通路は、右に出版社別文庫、左にアニメ・特撮・鉄道(単行本・漫画もあり)・航空機のムックと雑誌。合間に科学が混ざり込んでいる。棚脇棚には兵器雑誌がギッシリ。第四通路は、右にバイク雑誌・動植物・映画・音楽・音楽雑誌、左には車雑誌がドバドバ。棚脇棚は、本・古本関連・探偵&推理小説。左端通路は、右にビジネス・経済・会社・新書、左壁棚はスポーツ・ギャンブル・サブカル・犯罪・アウトロー・オカルト・澁澤龍彦・寺山修司・辞書・コンピューターが並ぶ。リサイクル古書店が基本ではあるが、所々にその領分を逸脱する光景が頻出している!う〜ん、楽しめるなぁ。新旧織り交ぜての古本シンフォニーは、決して期待を裏切らなかった!しかも値段は安めが中心。久々に焦りながら棚から棚へ、本の背へ。そして超セレクトして三冊を手に帳場へ。その時、入口から西日がサーッと入り込み、店内のコントラストを強くする。巨大な日除けの意味を理解した時、自動ドアの向こうのさらに向こうの、陸橋の上辺りに、赤い夕陽が輝いていた。おぉ、古本屋さんから、こんな美しい瞬間を見られるなんて…。かまくら春秋社「詩人の肖像/伊藤海彦編」文藝春秋版「幽霊船長/河原晋也遺稿」角川文庫「大槻ケンヂが語る江戸川乱歩/江戸川乱歩・大槻ケンヂ」を購入。
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2010年09月06日

9/6神奈川・白楽 高石書店


takaishi.jpg届け物をしたついでに東横線に乗り南へ。五ヶ月ぶりの白楽である。しかもこのミニ古本街の最後のお店(駅前にはまだ店名不明のリサイクル古書店があるのだが…)!心して掛からねばっ!と『六角橋商店街』を南に下って行く。そして『六角橋交差点』を渡らずに、ひとつ南東寄りの信号へ移動。そこを対岸に渡り、『西三興商店会』と書かれた黄色い屋根の下を南東へ。すると連続する二つの『六角橋』バス停。その奥の方の向かいに、店頭が平面なお店があった。大きなマンションの右端一階である。店頭台などは無く、立看板とフリーペーパーラックがあるだけだが…。六枚のガラスサッシの向こうに、大きな店内が姿を見せている…『こりゃ手強そうだな』と思わずつぶやいてしまう。判り難いタッチ式の自動ドアを開けて中へ。中はやはり広く、奥行きもスゴイ。その広い店内を静寂と本だけが支配している。壁は一面の高い本棚、フロア右側には背の高い背中合わせの長い棚がズイッと一本。左は、手前に低めの棚が横向きに二本、奥には縦に一本置かれ、見通しが非常に良い、開けた状態となっている。入口近辺には数台のワゴンが散在し、店頭ワゴンの役割を果たしているようだ。遥か奥の帳場にはご婦人がぽつねんと座り、静かに瞑目しながら店番中。よし!と気合を入れて、右側からツアースタート。棚脇の児童文学と100均単行本をサッと見てから、右壁に視線を移動。海外文学・海外文学文庫・ペーパーバック・ハヤカワポケミス・ノンフィクション・時代劇&歴史小説・戦争・戦争文庫と続き、奥の三列に落語・映画・鉄道・文化・文壇・評伝・随筆などがセレクトされ集まっている。古い本も入り込み、味わいのある棚となっているので、手が何度も伸びてしまう。帳場脇にはアダルトが少々。奥に進むと帳場周りにだけ聞こえるよう、ラジオ番組が小さく流されているのに気付く。向かいには法律&建築学術書・ミステリ&エンタメ・日本文学・古めの岩波文庫&角川文庫。両側共棚下に本や雑誌が積み上がっているので、下の方はあまり見ることが出来ない。真ん中の通路、右側は文庫がズラ〜ッと並び、時代劇文庫・ミステリ&エンタメ文庫・女流作家文庫・岩波文庫・日本文学文庫と続いている。左側は、手前に100均文庫ワゴン・ノベルス・実用ムック、中ほどには海外文学文庫と雑多な文庫が集められている。奥には新書とまたもや雑多文庫。そして未整理本の島がピタリと張り付いている。途中、おばあさんが入店して来て、一直線に帳場に直行。どうやらご家族の方らしい。すると奥の方から「かあちゃん!」と男性の大きな声。奥にご主人がいるらしいが、終始大声で帳場の二人と会話を交わし、私が帰る最後まで近所のパン屋の話をしていた…。左壁は児童文学・コミック揃いから始まり、ハーレクイン・山岳&登山・自然・動植物・書・美術・鎌倉・横浜・神奈川・東京・京都・文学評論&評伝・詩歌・古典文学・全集・辞書類となっている。大きく広く、ちょっとだけ乱雑で大味なところもあるが、片隅にギラリと光る棚があったり、文学評伝の充実には目を瞠るものがある。こちらは目を皿にして何かを掘り出すべきであろう!値段は安め〜ちょい高と様々。本を手に帳場に向かうと、いつの間にかおばあさんひとりに。精算を済ませ「ありがとうございました」の声を背に受けると、後を追いかけて「ありがと」の声。先ほどのご婦人が再び現れ、見送ってくれた。この白楽は、「鐵塔書院」「高石書店」が双璧を成し、昔ながらの「小山書店」、教科書に強い「相原書店」が脇を固める、知られざる小さな古本街。みなさんも機会があれば、ぜひ訪ねてみて下さい。あっ、駅前のリサイクル店はまたいずれ…。講談社「浪漫疾風録/生島治郎」文春文庫「懐かしき文士たち 戦後編/巖谷大四」を購入。
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2010年09月05日

9/5東京・池袋 古書往来座 第22回外市


ohraiza_sotoichi.jpg休日ではあるが私には関係無く、時間制約の多い日曜日。なので、近場である池袋に向かい、初めての『外市』を見に行くことにする。「古書 往来座」には何度も足を運んでいるが、『外市』にはメディアでしか接したことがなかったのだ…。改札を出て地上に出ずに、混雑しまくった地下道をスタスタ東に進んで、『SEIBU』内に入り込む。さらに南に向かって『書籍館』に進み、ドン詰まりで地上に出ると、そこは『ジュンク堂書店』の前。『明治通り』を東に渡り、そのまま通りを南へ。歩道には、雑司が谷『大鳥神社』祭礼の幟が多数翻り、スピーカーからは“ヒャラリヒャラリ”と祭囃子。日射しはまだまだ強烈だが、ちょっとだけ秋の気分を味わい坂道を下る。通りがグインと左に曲がると、遥か前方左手に、路上に立ち尽くす人々…近寄ると、確かにいつもとは違う店頭の姿!立看板から始まり、通常の店頭棚が一本、そしてその横から、上に日曜大工的ラックが取り付けられた、古本屋さんの本棚が続く。「古書 現世」「立石書店」「九蓬書店」「藤井書店」…。入口脇には「徒然舎」のスチール棚と、雑貨も混ざる「魚月」の小さめな棚。出入口の右横に会計場所が設置され、二人の男女が丸い柱の陰で店番中。その周りには新刊書籍・ミニコミ誌・CDなどが並び、『ドン・キホーテ』風な古本の唄が流れている…。横の柱周りから脇道の壁沿いには、本棚が大小合わせて十本弱、箱類が三十ほど並び、何かありそうな少し雑然とした印象。ここからは、古本屋・編集者・イラストレーター・歌手・文筆家などなど、様々なカタチで本に関わっている方達のゾーンとなっている。趣味性がトロッとあふれ出しながらも、周りを意識して鎬を削り合う感じが何とも素敵である。こちらには雑貨類も多いのだが、中には大量の『無地Tシャツ』なんて物も…一体誰が買うと言うのか!?値段は全体的に抑え目な上、良書が多く並んでいるので、かなりハイレベルな外棚が連続している。お客さんもひっきりなしに訪れ、『市』として定着した安定した姿を見せている。何と今回で第22回目なのである!この回数は偉大であるが、回を重ねるごとのマンネリとの闘争は、想像を絶するものであろう。それに最近は様々な場所で小さな『古本市』が開かれるようになった。その遥かなる源流のひとつでもあるこの『外市』は、下からの突き上げに動じることなく、突き上げの勢いよりも遥かに高くジャンプしていただきたい。より高く、ハイクォリティに。そしてそれに負けるな!新規参入の様々な『古本市』たち!自分達の『市』をカタチ作れば、必ずや『外市』に比肩出来るはず!…などと手前勝手に『市』の未来に思いを馳せて、「往来座」を後にする。『大鳥神社』の幟に混ざり、来る時には気付かなかった、数本だが『わめぞ』の幟も、風に煽られ力強く翻っていた。「九蓬書店」にて岩波全書「東亞植物/中井猛之進(おぉ!中井英夫の父君!)」、「徒然舎」にて講談社文庫「アカシアの大連/清岡卓行」を購入。

帰りに『LIBRO』の『わむぱむ』にて、ブロンズ新社「みつばちみつひめ どどんとなつまつりの巻」を購入したところ、レジで特別附録の『紙製定規』と『みつひめくるくるむしまちめぐり』をいただく。附録は幾つになっても嬉しいものだ…フフフ。そして家に帰って絵本を開くと、何と見返しにサインと、みつひめの直筆彩色絵が貼り付けられているではないかっ!思わず「秋山先生ィ〜っ!」と叫んでしまった、仕事モード十分前の愚かな私…。
posted by tokusan at 19:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする