2010年11月30日

11/30東京・池ノ上 東京古書月光堂


tokyo_kosho_gekkodo.jpg今日は都内南部を自転車で駆け回る。色々済ませて池ノ上。駅周辺の古本屋さん・四店の前をパトロールしてから、駅前通りを南へ下る。住宅街の道は、どんどん角度を増し、最終的には落ち込むようにして『淡島通り』にたどり着く。すかさず東に向かい『淡島交番前信号』を過ぎると、上り坂途中の左手に、いつか何処かで見たことがあるようなお店…そう、ここは2008/12/28に訪れた「月光堂・目黒店」と同系列店なのである。目黒ではヒドイ目にあった…しかし今回は店名に『東京古書』と入っているのだ!…売っていてくれ、古本よ!青い日除けの下には目黒と変わらぬ光景…店頭には、おもちゃ・リール・洋服・靴・ファミコンカセット・ラケット・帽子・カバン・アナログ携帯テレビ(すべて500円!)などが溢れまくっている。当然のようにどれも激安なのである。左右出入口の右側から中に入ると、中は店頭と変わらぬカオス店舗!壁は一面CDとDVDで埋まり、洋服・人形・ベルト(大量過ぎて生き物のよう)・レコード・腕時計・ライター・金属バット・電子ゲーム・ボードゲーム・リール・ゴーグル・CDプレイヤー・ウォークマン・ゲームボーイアドバンス・ゴツイデジカメ・etcetc…。一昔二昔前の男の夢たちの、激安な残骸である!店主は帳場に座り、古着の手入れと繕いを黙々と行っている。さて、古本は?ガラス窓には『明治・大正・昭和の本・雑誌 高価買入』と貼り付けてあったが…店内をぐるぐる見回すが、それらしき姿は見当たらない。視線を段々と低く足元に移して行く。おっ、入口右横に「カバチタレ」発見…よし、他にもあるはずだ。あっ!右壁下に本の背が見えている!しかしその上には大量の目覚まし時計が!洋服の山を横にずらし、その上に目覚ましたちをチャリチャリ鳴らしながら移動させる。するとそこには少ないが、確かに本が並んでいた。音楽・『ブルース・リー』ムック・「ビックリハウス」・1950年代の「世界の航空機」・「PLUTO」…くっ、私にどうしろと言うのか!?…救いを求めるように雑誌に手を伸ばし、吟味に吟味を重ねまくり、かこさとしの記事が掲載された「ビックリハウス」を選び取る。その後も店内の隅々を掘り返してみるが、帳場横に「三島由紀夫全集」、手前壁棚下に広島に関する洋書と家族アルバムの発見のみにとどまる。ほぼ古本屋さんではなく、古道具屋さんである。古本を求めるのではなく、安い楽しい懐かしい物を掘り出しに行きましょう。パルコ出版「月刊ビックリハウス1978年5月号」と、任天堂ゲームボーイソフト「テトリス」を購入…ふぅ。

帰りは「梅丘通り」を西進し、環七方面へ。確かこの通り沿いに「PAPER JAM」(2009/04/15参照)があるはずなのだが…無い!見当たらないっ!見逃すはずはないのだが…閉店してしまったのだろうか…?
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2010年11月29日

11/29東京・武蔵小山 トップ書房


top_shobo_musashikoyama.jpg西口を出ると、強烈な西日に襲い掛かられる。そのまま立ち向かうように西南に進み、『26号線通り』に脱出。大通りを学芸大学方面の北西に向かう。車が起こす風を浴びながらトボトボ歩き、品川区から目黒区に突入。やがて現れた『目黒区中央体育館入口交差点』を越えると、右手にペパーミントグリーンの建物が見えて来る。その一階左端に、爽やかな造作に似合わぬ、台車に載った雑誌箱を発見。…武蔵小山は何度か訪れているが、こっち方面にお店があることには全く気付かなかった…。不覚だが、見つけられれたので良し!とする!小さな灰色に汚れた日除けの下には、シンプルな飾り気の無い店構え。扉には『トップ』の三文字。入口の両脇、右には雑誌箱、左には絵本箱が展開している。店頭右側はショウウィンドウなのかと思ったら、見えているのはコミック揃い・映画パンフ、そして100均文庫棚で、引戸を開けて取り出す仕組みとなっている。優しく守られた100均棚とは、何と素敵なことであろう!ビデオ棚と帳場の間を通って入店。店舗は歩道に対してナナメに構成されており、両壁は本棚で真ん中に背中合わせの棚が二本。左側の棚は奥壁に接しており、左端通路を行き止まりのアダルトゾーンにしている。各通路には本が積み上がり、ちょっとごちゃついている。特にウィンドウ裏の崩れそうな山脈は、その標高をどんどん高く伸ばしているようだ。帳場には四角いどっしりとした壮年店主がおり、テレビを見てクスッと笑ったりしている。帳場前はとにかく狭いので、逃れるように右端通路へ。棚脇棚の美術図録や作品集を眺めてから、右端壁棚手前を見ると、本の山に阻まれ居並ぶ文庫の背が良く見えない…旺文社文庫とちくま文庫があるのは判るのだが…。本の山をやり過ごすと、日本文学文庫・戦争・戦争文庫・岩波&中公文庫・海外文学文庫と続いて行く。向かいは見事に時代劇文庫一色の棚。奥壁には映画・演劇・オカルト・精神世界・犯罪・趣味・新書・官能文庫・ノベルスが収まっている。真ん中の通路は、右側に日本文学・風俗・歴史・東京・ビジュアルムック・辞書、左に文学・評伝・ノンフィクション・アウトロー・武道・官能文庫。帳場前の棚脇棚に、風俗・美術・文学など。大きなジャンル分けは行われているが、細かい並びを見るとカオスである。しかし背骨がうっすら見えるようなので、探す楽しみは充分にあり。値段は普通〜ちょい高で、裏表紙にラベルで貼り付けられている。帳場で店主に声を掛けると「ハイッ」と身を起こし、壁に貼られたフリードキンの「恐怖の報酬」のポスターに見守られながら、速やかに精算。お店を出た後に、お休みの「九曜書房」前を通ってある場所に向かう…結果、こりゃどうやら武蔵小山にはまた来なければ…。二見書房「単独行/加藤文太郎」を購入。
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2010年11月28日

11/28岩手・一ノ関 虔十書店


kenjyu_shoten.jpg宮城県から、ひょいと手の届くような位置にある街へと向かう。新幹線ホームから一望出来る西側の街は、低い山に挟まれて西へと広がって行く。やはりここまで来ると、空気は冷たく少し肌を刺すようで、ホームで立ち食い蕎麦を食べていると、たちまち外気が蕎麦の熱を奪い取ってしまう。大きな西側ロータリーに出ると、まず目に入るのは『大槻三賢人像』。学者三人の胸像が、三方を向いて同じ台座に据えられており、まるでキングギドラ的異形!その胸像の後ろにある『駅前公共地下道』を潜って、西にある『一関駅前交差点』に出る。そこから直線に延びる『大町通り』をひたすら北へ。ハラハラと赤い葉を落とす紅葉が街路樹で、通り沿いの商店は店を開けてはいるが、人通りは少ない静かな北国の光景。スクエアな街路に、八百屋の店先に並べられたリンゴの香りが流れ出している。『大町銀座交差点』『大町交差点』と通り過ぎ、街の外れへと近付いて行く。岩手銀行の名に、遠くまで来てしまったことを実感。するとその先、右手のコンビニ横に目的の古本屋さんを発見。この『虔十』の名を持つお店は、神保町の「虔十書林」(2010/01/27参照)に続いて二店目である!もちろんつながりは無いと思うが、こちらは宮澤賢治のお膝元“イーハートーヴ”のお店なのである!店頭は駐車場になっており、そこに『古本』の立看板。軒には黒い店名看板が掛かり、その下には催事用の木箱が古本を収納したまま積み上がっている…店頭箱と言うわけでは無さそうだな…。サッシの扉を開けて中に入ると、高らかに防犯ブザーのようなドアチャイムが鳴り響き、奥にいた先客二人がこちらを振り返った。ドアを閉めてチャイムが鳴り止むと、たちまち店内は元通り。適度な大きさの店舗は、通路に箱や本が積みあがって乱雑気味。左右両壁に頭くらいまでの本棚、真ん中にも同様な高さの背中合わせの棚が二本、入口左横には平台のような塊があり、雑誌箱を載せている。店の奥は横長な棚で仕切られた帳場があるのだが、棚の影に隠れているので、まったく見ることが出来ない。先客二人は、その棚の前の本の山を物色しており、時折姿の見えない店主と言葉を交わしている。右の壁棚は歴史から始まり、日本文学・復刻本・全集類・古典文学・美術・音楽と続き、奥に郷土・宮澤賢治・石川啄木を備えている。おぉ!これぞ東北のお店の醍醐味!奥の仕切り棚にはそのままの勢いで東北本が続き、歴史・文化・文学・民話・地理・風俗・ビジュアル本など、多岐に渡って集められている。通路棚には岩波文庫・中公文庫・新書・古い新書(角川新書!)・落語文庫・幻想文学・探偵小説・博物学・ジャズ・海外幻想文学。棚脇には書道関連の並ぶ小さな棚がある。真ん中の通路は、右に戦争・推理小説文庫・ノベルス・ティーンズ文庫・サンリオ文庫・海外文学文庫・大江健三郎・オカルト。面白いところでは、映画雑誌や学習雑誌の文庫サイズ附録が並んでいたりする。左には時代劇文庫・官能文庫・自然・動植物。左端の通路が一番乱雑で進入し難く、右に日本純文学文庫・小学校教科書類、左に新書・文庫・ノベルス・音楽・映画などが収まっている。足元には観光地図の類いや、古いチラシなどの紙物・大判本・「暮らしの手帖」・古い児童科学雑誌・文庫本・単行本が溢れ返っている。棚にはブランクもあったりするが、古い本も良く目に付き全体的には見応えあり。東北本・音楽関連が充実している。値段は基本安めだが、いい本にはしっかり値。奥では先客二人が買い物を終え、店主と別の古本屋さんについて話している。「あそこの角のお店は閉めちゃったの?」「あー、奥さんが一応継いでるらしいんだけど、基本的には閉めちゃってる。でも中には本がそのままあるから、頼まれたら開けたりするらしいよ」「そうか〜。あそこは『気仙大工』の本とか、研究熱心だったんだけどなぁ…」(方言交じりの会話なのだが、再現不可能なので標準語で悪しからず…)。むぅ〜気になる話だなぁ。この二人は店を出て車で立ち去ったので、もしかしたらそのお店に向かったのかもしれない…何か市場のおっちゃんみたいな二人だったが、古本バイタリティがあったなぁ〜。私はと言えば、せっかくの岩手なので宮澤賢治本を購入することにする。棚の向こうに声を掛けると、ダウンを着込んだ店主が、ムッスリ小さな声で精算…店主の格好を見て改めて気付いたのだが、お店の中は寒かった。外に出ると、今までとあまり変わらぬ外気温。さっきは射していなかった日が、店頭に降り注ぎ始めた。光の中を良く見ると、キラキラの天気雨。光と雨を注がれながら駅まで戻り、電車を待ちながら、文鎮やペン立てや板ハガキと化した、宮澤賢治の姿を眺める。食指の動くものはひとつもナシ…あぁ、さんたまりや!日本書院「宮澤賢治歌集/森荘己池編」角川写真文庫「東京文学散歩 山の手篇」を購入。
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2010年11月26日

11/26神奈川・黄金町 ギャラリー&ショップ ちりめんや


chirimenya.jpg街にどうにか浮かんでいる、駅のホームから下りて改札を抜ける。毎度の黄金町訪問とは違い、今日は北側に出て線路沿いに東へ。そしてすぐの『藤棚浦舟通り』を北に進むと『初音町交差点』…粋な名前が連続するな…交差点を渡り東北側歩道をちょっと北へ。ファミリーマート前の脇道に入り込んで、そのまま東北へ進んで行く。交通量の莫大な表通りとは、比べ物にならない静かな通りで、住宅・商店・事務所・小工場が建ち並んでいる。しかしそのほとんどが、金曜の夕方だと言うのに、シャッターを降ろしてしまっている。十字路をひとつふたつと通り過ぎると、左に暖かな光を放つ和風な店舗が見えて来た。レンガタイルに包まれた、昭和四十年代の香り漂う建物で、店頭の造作は全くもって、和菓子屋・呉服屋・蕎麦屋的なのである。左側には大きなガラスウィンドウがあり、中には人形や陶器・街のイラストマップ、そして店名が染め抜かれた大きな布が掛けられている。右側端は石造りになっており、誰も使用しないであろう蹲が備えられている。自動ドアにはオレンジで描かれたドデカいキャライラスト。路上には立看板が置かれ、自動ドアの前にお目当ての古本箱が乗る椅子が置かれていた…ここは古本も売っている『ギャラリー&ショップ』と言うことなのだが、早速古本が確認出来て一安心…しかし明るい店内を覗き込んでも、さらなる古本の姿が確認出来ない…まさかこれだけなのか?箱の中には『50円〜』と書かれた文庫や単行本。ここでまた少し不安になる。完全に閉まり切っていない自動ドアから店内へ、中に入ると左側に畳の上がり框と、壁一面のガラスケース…こりゃ呉服屋さんっぽいな。低い棚や畳の上の棚、フロア真ん中の平台棚、そして壁に、アート寄りな雑貨類が多数陳列されている。生活雑貨から美術作品的なぬいぐるみまで、カラフルな物体だらけなのだ!…しかし肝心の古本は見当たらない。畳スペースには、美術系女子のホンワカ店主座っており、雑貨を見ようともせず何かを探す闖入者を見て見ぬフリ…私は焦りながら平台の裏へと回り込んだ。するとそこに待望の古本の姿がっ!棚の最上段&最下段にしかないが、おぉあったあったと喜びながら、本の背に視線を凝らす。古い単行本ばかりの、意外にも苦み走った棚造り。日本文学・詩集・随筆・歴史・民俗学…見た目だけのインテリア的扱いではなく、しっかりとセレクトして並べている。なのでか、値段はしっかり目のちょい高〜高め。二冊を選んで、畳に座る彼女に「すいません」と本を差し出すと「あっ、ありがとうございます」と顔がパッと輝いた。ついでにこの不思議なお店について聞いてみると、「十年前までは呉服屋だったんですよ。でもその後看板屋さんが入って、かなり手荒く扱われてたみたいで。今でもほら、塗料がこびりついてたり、ほらガラスが欠けたりしてるんですよ」とニコニコ。その変遷に感心しながら「いや、面白いお店です」と本を受け取り入口へ。ドアマットの上に乗ると、彼女が説明した通り、ガラスの欠けた閉まり切らない自動ドアが、サァっと開く。帰りは夕闇の中、野毛の坂道を上下して、紅葉坂を下って桜木町へ。荒地出版社「エスケープのすすめ/田村隆一編」河出文庫「京都・伝説散歩/京都新聞社編」を購入。
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2010年11月25日

11/25埼玉・北浦和 ブック&トイ號


book&toy_go.jpg東口を出て、ロータリーを大きく回り込み東へ進む。街はすっかり気の早いクリスマスの装いで、歩道の柵の頭に乗った、金属のサッカーボールがキラキラと輝いている。『北浦和駅東口スクランブル交差点』を突き抜けてさらに進むと、道の先にある高校から名付けられた『浦高通り』…浦和高校…確か澁澤龍彦の出身校だと思ったが、あっちは旧制浦和高校なのか。そんなことを考え付きながら、賑やかな街から離れて、ちょっと暗くなった道なりに、北東へ向かってテクテク。信号をひとつ過ぎると道の向こうが開け、昼間だったら浦和高校の巨大な体育館が見えているはず。さらに進み二つ目の信号を過ぎると、ゆったりとした下り坂になり、左に開けた空地が広がる。その坂道と空地が終わる左手に、側壁が丸見えの白い建物から『ふるほん』の看板が突き出していた。何度か訪れ、タイミングの合わなかったお店なのである。今日は暗い街路に青い看板が輝き、窓から明るい光が漏れ出している。軒にはビシッと張り出した青い日除け。その店名は勢い良くロゴマーク化されている…ゲッターロボみたいな名前だな…左側の下見板壁には店名看板、真ん中の入口を挟み、右側はフィギュア類が飾られたショウウィンドウとなっている…大分ホコリっぽいが…。ドアノブに手をかけて店内に入る。かなり荒れた感じではあるが、人の手はちゃんと入り続けているようだ。縦長のお店で、左右の壁は本棚、入口右横にショウウィンドウ裏側。真ん中は背中合わせの棚を核に、本・漫画・おもちゃ・ショウケースが積み重なり、峻険な山脈となっている。通路や壁棚前にも横積み本やおもちゃ類がゴチャリゴチャリ…実に見通しの悪い店内である。そして奥に棚で造られたゲートがあり、暗い小空間がポカリと口を開けている…どうやらアダルト棚と帳場があるようなのだが、全貌は未だ不明。左側通路は、BLコミック・一般コミック・絶版少年&少女&青年漫画、それにプラモデルやおもちゃが混ざり込んでいる。入口右横のティーンズ文庫・コミック・ゲーム攻略本の小さな棚があり、ショウウィンドウの上には箱入りの超合金類!右壁には100均文庫棚が連続し、下にはひしゃげた文庫タワー。そして100均小説・実用・新書・ノベルス・サブカルムック・美少女コミック・単行本と続く。通路棚には特撮&アニメムック・サブカル・ゲーム。奥の棚ゲートには、写真集(「さよなら!寺山修司」なんてものも)・カード類(古い)・おもちゃなどなど。非常に乱雑なお店ではあるが、しっかりと機能している。古本はほとんどが安値の雑本だが、特撮・アニメ・音楽・サブカルなどは背骨がしっかりしている。ひしゃげたタワーから文庫を抜き取り奥の間へ。ロウソクのような明度の部屋で、左壁はアダルト、そして右側にほぼ真っ暗な帳場…これが帳場!?モニターの光に浮かび上がる、シルエットのような店主の姿は、まるで社会生活に頓着しないハッカーのよう!…スゴイ店番スタイルだ。何だかとてもストイックに見えるぞ…私はただ、暗闇でクラクラ…。講談社文庫「ドキュメント 東京のそうじ/山根一真」小学館文庫「メタルカラーの時代1/山根一真」を購入。
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2010年11月24日

11/24東京・神保町 古書たなごころ

本日の行動は『北園克衛ツアー』からスタート。まずは世田谷美術館に赴き、『橋本平八と北園克衛展』を観覧。一番の収穫は、北園の映像作品三本(どれも三・四分)を見られたこと。熱い湯船に浸かったように我慢して見ていると、次第にプラスティックな世界へ引きずり込まれて行く。ルネ・クレールの「幕間」のような激しさは無いが、画面を見ていることがバカらしくなる静かなる熱情であった…DVD化してくれないかな。ここでは図録を購入。展示は12/12まで。続いて茅場町の「森岡書店」(2008/12/12参照)に急行。『How to look at:kit kat 山口信博の北園克衛コレクション/展』を覗き込む。右側のギャラリーだけではなく、お店部分にも北園の関わった本&雑誌が多数飾られていた。非売品がほとんどだが、「VOU」など購入出来るものも。ここでは思潮社「北園克衛の詩/金澤一志」(新刊)を購入する。こちらの展示は11/27まで。さて、そろそろ帰って仕事をせねばならぬのだが、その前に古本屋ツアーの出番なのである!


tanagokoro.jpg『A5出口』を駆け上がって『靖国通り』へ飛び出す。北側の歩道を東に進んで、丁度「書泉グランデ」の向かい辺りの小道に入って北へ。ビルの谷間を通ってひとつ目の十字路を抜けると、今度は裏町的な雰囲気。奥へ奥へと進んで行くと、あの角を曲がれば「書肆ひぐらし」(2010/07/12参照)が、と言うその手前右手に、見たことの無いお店が出現している!こ、これはいつの間に!?前は無かったよな、新しいお店だよな、と何故か少しうろたえる。自然とニヤついてしまう顔を引き締めながら、お店周りをじっくり観察…これは「ひぐらし」と建物内で隣り合っているのか?左端にはどこから生えているのかよく判らない勢いのある植木、窓下と室外機の上には100均本の詰まった箱が並んでいる。ハヤカワ文庫・洋書児童書・単行本…。入口右横には小さな文庫ラックがポツンと置かれている。店名扁額の下を潜って、ちょっと高くなる店内へ。横長の小さなお店はコンパクトにまとまっており、恐らく悩んだ末であろう棚並びが好ましい。入口左横にはチラシや文庫が横積みされたラック、そして横長な帳場が奥まで続いて行く。そこではご婦人がひとりで古本の山と格闘中。表からも次々と古本の束が運び込まれ、「助かるわぁ〜」と若者にお礼を言っている。入口右横に本棚、そしてフロア中央に横向きに背中合わせの棚が一本。この棚は右壁に接しているので、店内の動線は左から回り込む、一筆書き通路となっている。左壁と奥壁沿いも本棚で、奥の通路は乱雑気味な半倉庫状態。右壁棚には、登山・建築・食・美術・竹久夢二・服飾・自然・動植物。フロア棚には、女性が活躍するポケミス・単行本・古い家庭雑誌、後は出版社別文庫・女流作家文庫・日本文学&教養系文庫が並んで行く。機械的に、そして無造作に並んでいるようだが、時々深い並びを見せている部分がピカリ!…何だ?このムラのある造りは。続いて左壁に移ると、ここから突然の濃厚方向性ガッチリ棚が始まる!ハヤカワポケミス・ポケSF・日本文学・文学評論・樋口一葉・文化・古い時代小説・探偵&推理&伝奇文庫・サンリオ文庫・創元推理文庫・ホームズ関連本!・ハヤカワSF&ミステリ文庫…むむむ、入口付近では女性寄りな感じが漂っていたが、一体こちらはどうしてこんなことにっ!?…あっ!探してたポケミス発見!お店のポイントアップ!奥壁には探偵&推理小説評論・山田風太郎・「幻影城」・メグレ警視シリーズ揃い!・SF・SF評論。向かいは時代劇文庫・最近刊ミステリ文庫・戦争など。奥のミステリ&SFはガッチリ固まっているが、入口付近はまだドロドロの古本マグマ。これから形作られて行くのだろう。しかしこの小さい空間を楽しめるって、いいなぁ〜。値段は普通。精算をしつつ女性店主に「ここはいつ出来たんですか?」と聞くと、『2010年10月1日開店』と書かれたショップカードを渡しながら、「これからもどんどん棚は変わっていきますので。デザインやノンフィクションを充実させようと思ってるんですよ」と教えてくれた。傍らの本の山にポンと手を置き「ほら、次々入って来るからね」と頼もしくニッコリ。店名通り『たなごころ』のように小さなお店だが、本さえ並んでいれば、我々はお釈迦様の掌を彷徨う孫悟空!ぜひ理想のお店を造り上げ、筋斗雲でかっ飛ばさせてください!ハヤカワポケミス「ドクトル・マブゼ/ノルベルト・ジャック」を購入。
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2010年11月23日

11/23千葉・千葉 TREASURE RIVER BOOK CAFE


trasure_river_book_cafe.jpg東口を出て、南側のそごう&京成千葉駅方面に抜け出る。信号を渡り、そごう脇の横道へ入り込み、シブい駅ビル別館と線路沿いを西へ。やがて現れた踏切を渡って、そごう沿いに南へ進むと、ビル五階建てくらいの高さを横切る、モノレールの路線が目に飛び込んで来る!普段はあまり目に出来ない、在りし日の未来の都市の姿…。シューンと言う音と共に、二両のモノレールが宙を走る。ビルの谷間を走り去る。その下にたどり着くと『センシティ交差点』。そのままモノレールと共に大通りを西へ向かう。次の『登戸二丁目交差点』でレールは南にカーブして行くので、追いかけるようにして南へ。しかし次の信号ですぐにサヨナラをし、西に延びる脇道に入り込む。今までのダイナミックな景色から一変した、静かな街の裏道を歩いて行く。ひとつ目の十字路を過ぎると、左手先に小さなビルが居並ぶ一角。パネル張りの外装で、一階が荒いレンガで化粧されているビル…その一階部分が、どうやら目指すお店らしい。…うわぁ、オシャレな感じだな…そう、今日も懲りずに古本カフェなのである。くそぅ、負けてなるものか。それに何だか最近ちょっと免疫が出来てきたような気も…。右端に出入口があり、その前には店名の書かれた立看板、左側は大きく採られたウィンドウになっている。酒瓶の向こうに棚らしきものが見えると同時に、奥にフードを被って外を見つめる男の姿…コワイなぁ。しかし私は迷うこと無くドアに手を掛けカチャリと入店。するといきなり右横に棚が現れ、何と『ご自由にお持ちください』本が並んでいる。ちょっとくたびれた本が多いが、思わずいきなり釘付けになる。北杜夫・司馬遼太郎などなど。店内は広くキレイでシンプルで余裕のある構成。窓際にテーブル席、フロア真ん中にソファセット、左壁手前に古本の積み重なった作業場、左奥に雑貨棚(素敵なデザインブックカバーあり)と四本の本棚、その前に大きなテーブル台、奥壁にソファと本棚が一本…表から見えたフードの人物はここに座っているのだが、これは大きくリアルな人形であった…店主じゃなくて本当によかった。右側には円柱を中心に平台とチラシ類や新刊本棚が置かれ、奥にはL字のカウンターが据え付けられている。そこからフワフワの耳当て付き防寒帽を被った、黒ブチ眼鏡のお肌ツルツル大柄若者が現れ「いらっしゃいませ」…大柄に見えるのは嵩のある帽子のせいか?取りあえずぎこちなく会釈をして、柱前の300円均一平台を眺める。絵本やビジュアル本が中心である。『お席へどうぞ』とか言われないので、そのまま左奥に進み棚の前へ。すると「どうぞ荷物を席に置いて、ゆっくりご覧ください」とのこと。お言葉に甘えてソファー席にリュックを置き、左壁から棚を見始める。ファッション・デザイン・建築・広告・美術・写真などが収まり、それぞれ関連単行本・作品集・雑誌・洋書・図録の内訳となっている。最奥には写真集ディスプレイ棚。ソファーと人形の周りには大判写真集やレコードが飾られている。奥壁の棚は新入荷本が並んでおり、この時は美術図録と建築関連が多かった。下には非売品だが、自然やコンピュータ関連あり。平台には新刊洋書写真集がビッチリ飾られている。美術系のビジュアル本中心のお店で、写真集が一番充実している。蔵書数はあまり多くなく、単行本類はそのうちの1/4ほど。目を皿のようにして古本を探しに来ると言うよりは、お茶やアルコールを嗜みながら、ゆっくりと優雅にページを繰るのが、このお店の正しい過ごし方であろう……古本カフェには躊躇無く入れるようになって来たが、未だ寛いで過ごすのは不可能な私なのである。値段はちょい高〜高め。本を手に「すいません、これを」と店主に差し出し、カウンター近くで精算。彼はおもむろに薄い木箱を出し、パカリと開ける…中には村上隆のイラストがプリントされた小皿が一枚…えっ、なんだろう?…あぁ、ここに料金を置くんだな。お釣りはしっかり小皿に乗せられ帰って来た。「すいません、お茶も飲みませんで」と言うと「いえいえ」と逆に恐縮。そして買った本を見て、「写真の歴史でしたら…」と未整理本や棚の本を次々と見せていただいた。お気遣いありがとうございます。「またお立ち寄りください。どんどん新しい本が入荷しますので」と入口まで見送られる。外に出てホッとひと息。慣れたとはいえ、やはり緊張するのは避けられない。まだまだ脆弱な私であるが、これからも古本がありそうな場所には、突撃して行かねばならぬのだ!と気炎を上げつつ大通りに向かって行くと、丁度モノレールが横に身体を振りながら、シュシュンと走り去るところ…ここでまた、ホッとため息をひとつ。岩波書店「写真の歴史/イアン・ジェフリー」を購入。
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2010年11月21日

11/21静岡・沼津 十字堂書店


jyujido_shoten.jpg逃していたお店を求め、本日の仕事ノルマを片付けすっきりして、一年一ヶ月ぶりの沼津へ。夕方に駅に着くと、富士山はすでに黒い影。それでも南口の大きなロータリーは、柔らかな陽気で迎えてくれて、空も雲も遥かに高い。ロータリーから延びる『さんさん通り』を南へ。しばらく行くと、左手の脇道に「長島書店」(2009/10/18参照)健在なり!さらに進んで『大手町交差点』を通過。左手に時折現れる、お城の石垣の一部に惹かれつつ、路上の枯葉で足を滑らせながら先へ。やがて『通横町交差点』で『御成橋通り』とクロス。東には狩野川に架かる大きなトラス橋、西に進路を採り交差点をひとつ通過する。南側歩道の屋根付きの古びた商店街に入り込むと、おっ!そこで目指すお店が待っていてくれた!歩道をすっぽり覆った薄暗がりの屋根の下、軒看板には繊細な洋菓子屋風フォントの店名と、『婦人倶楽部 小説現代』の文字。元は新刊書店だったか、新刊も販売していると言うことか?入口上部窓に『古書誠実買入 御報参上』の看板があるので、古本屋ということを確認出来てホッとする。店頭には木製雑誌ラック・小さな平台・錆だらけの鉄枠ラックが置かれているが、そこに並んでいるのはすべて新刊の週刊誌&漫画雑誌となっている。店内は広めで三人の先客あり。壁際はぐるっと造り付けの本棚で、下には平台が付いている。手前側には背中合わせの平台付き棚が一本、奥にはアダルト雑誌がズラッと並んだ平台と、小さな文庫面出し平台が置かれている。文庫平台は、アダルト平台と奥の帳場にピタッと着けられているので、左右の行き来は中央でしか出来ないようになっている。表にバイクが乗り付けられ、息を切らして男性客が入店。即座にアダルト雑誌を手馴れた感じで物色して行く…良く見ると、他のお客もすべてアダルト目当てであった。このDVD&インターネット隆盛の時代に、何とも心強き戦士たちの姿!なので私は店内では、4:1の少数派なのである…。入口付近はムックラックと、左右共紐で括られた全集類から始まり、やがて左壁は日本文学・時代劇・歴史・随筆・評伝・映画・推理小説・芸術・風俗・世相・ノベルス・オカルト・三角寛・アダルトがカオスに並んで行く。70〜80年代の本が多い。下の平台はアダルト雑誌一色である。通路棚には、実用・将棋・新書・ノベルス・文庫が並び、下の平台には雑誌と文庫が少々。狭い中央通路を通って右側へ。手前側は通路棚・壁棚共に結構多めに文庫がズラリ。壁棚の平台にも、古めの文庫が背を上にズラッと奥に続いて行く。壁棚は途中にアダルトを交えつつ、歴史・科学・日本文学・社会など。新刊は完全に週刊誌+アダルトで、古本は棚を眺めるのは楽しいが、心を撃ち抜く本が見つからない…いい本が無いわけではないのだが…まぁこればっかりは相性もあるのでしょうがない。値段は普通。帳場には蜷川幸雄風老店主がおり、雄大なオペラを聴きつつ、時々口ずさんだりもしている。お客さんと血液の数値の話で盛り上がり、とても和気藹々な店内。これからも沼津の戦士たちのために、他の二店と古本屋さんをよろしくお願いします!新泉社「銀座/松崎天民」を購入。

帰りに「平松書店」(2009/10/18参照)にも立ち寄り、相変わらずの本の山をスキャンしてみる。むぉっ!一番上に文藝春秋「野呂邦暢作品集」を発見!1700円なので相場よりかなり安いぞっ!と勇んで購入し、旅をいい思い出で締め括るのであった。
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2010年11月20日

11/20長野で善光寺まで一歩手前二店!


saikyosen.jpg埼京線の車中、車両の隅で文庫を読んでいると、途中駅でたくさんの小学生が乗り込んで来た。彼女らはひとしきりさんざめいた後、おもむろに私の周囲で本を開いて、一斉に読書を開始した!私を中心としたこの一角が、突然電車内図書室と化してしまったのだ!不思議な瞬間、あまりの素晴らしい光景に、こっそり一枚写真を撮り、勝手に連帯を結びつつ文庫を読み続ける。しかしいつの間にか、仲間の姿は消え去り、私は再びひとりで古本屋ツアー……。


danchido.jpg●権堂「古本 団地堂」
長野駅から一旦西側ロータリーに出て、長野電鉄に乗り換える…長野に地下鉄があるとは今まで気付かなかった…。三分ほどで二駅目の目的地。ホームに出るとただ古びていくだけの、明度の低い空間に包まれる。長野電鉄の施設に一貫して漂うムードである。『イトーヨーカドー方面』から地上に出ると、目の前に長〜い『権堂アーケード』…観光地と言うよりは地元的な地帯である。高い屋根の下を西に向かって進んで行く。場末の映画館前を通り過ぎ、300mほど来た所で、クリーニング屋と寿司屋の間の道を北へ。レンガ敷きでほぼ飲み屋街な通りを、スタスタと歩み続ける。その通りを抜けると小さな交差点があり、交差点左脇に二階建てだが旅館のような広い建物…正面に回ると、その一階が何と目指すお店であった。これはまたスゴイお店である。白い入口のアーチが二つあり、軒には現存しないカフェの看板。アーチ入口の脇に縦長の店名看板が下がり、『2F ネオンホール』『1F 古本 団地堂』と書いてある。どうやら二階はライブハウスらしい。アーチを潜るとコンクリ敷きの店頭で、壁には一冊100円棚がゴチャゴチャと張り付き、文庫・新書・単行本・雑誌などが並んでいる。端の棚の中段には料金ポストが設置されているので、営業時間外はこの状態で放置されている可能性大。様々な古道具類も置かれ、左の入口脇にも文庫箱がある。開け放しの扉から中に入ると、薄暗く縦に長く古本屋らしくない空間。入口右横には作動するのかどうか判らない、巨大なジュークボックスが存在感ドデカく陣取り、右壁に上下に分かれた本棚、その奥に奥深い背後を持つ帳場があり、奥にさらに本棚。左側にはラックが一台あり、奥にソファーセット、そして少し広がるさらに奥の部屋に壁をぐるりの本棚。真ん中には雑貨類やコーラの1L瓶、それに楽聖の像などが置かれた平台がある。そしてフロアのあちこちには、古い教科書・和本・掛軸・紙物が詰まった箱が置かれている。左のラックには、古い児童書・グラビア誌・写真集など…お洒落ではあるが独特なセレクトなので、どうも一筋縄では行かない感じがプンプン。カルタも積み上げられている。右壁には、辞書・映画・芸術・漫画評論・サブカル・文化・武術・生活・風俗・児童書・歴史・鉄道・交通・自然・山岳・長野関連などがカオスに並び、簡単には掴めない棚となっている。ここで家族連れのお母さんが「開いてるの初めてみたぁ〜」と店に飛び込んで来た。棚を物色しながら「かこさとしがある!」などと狂喜しているが、子供は「このコロコロが欲しいぃ〜」とお店の備品に激しく興味を示している…。帳場前を通ると、「いらっしゃいませ」と首にタオルを巻いた、古本屋さんと言うより農業スタイルな青年店主が声を掛けてくれた。軽く会釈して奥のエリアへ。ここには獅子文六・演劇・石川啄木・食・建築・鉄道&UFO児童書・お茶・骨董・絵本・ガロ・超能力・長野関連・芸術系ムック・映画DVD・古い文学&随筆などが揃っている。棚はどこもカオスの様相で、古道具・紙物も混ざり合い、無秩序な店舗の感じがワンダフルである。確かに古本屋さんなのだが、何故だか別のお店に見えてしまう…。値段は普通。帳場下の足元にある縦長な木箱には、ビッシリ詰まったマッチ箱が詰まっており、豆本のようでとても可愛らしい。精算を済ませて外へ出て、改めてお店を眺めてみる…確かに古本屋なんだけどなぁ…何か不思議に面白くズレてるなぁ…団地っぽくないし…。講談社「東京微視的歩行/三木卓」を購入。


furuhon_tanaka.jpg●権堂「古本 田中」
「団地堂」を出て交差点を渡り、街のエアポケットにもほどがある『大人のオモチャ総合卸屋元締』の店舗に感嘆のため息を吐き出しながら北へ。すると『東町東交差点』に行き当たるので、目の前の大通りを西へ。すぐに『武井神社』の対面に、次なるお店が姿を現す!三階建ビルの一階だけが奥まっている店舗で、情報はすべて貼紙や手作りの物で示されている。どうやら古本以外にも、中古CD&レコードを扱っているようだ。サッシを開けて中に入ると、外気温と変わらぬ寒い店内。何だか全体的に整理中と言った感じが漂っている。店内は広めで、左右の壁には様々なタイプの棚が並び、真ん中にも同様な感じで背中合わせの棚が二本形作られている。奥はダンボールと本に囲まれた帳場兼作業場なのだが、結構広めにスペースが確保されている。店主の姿は見えず、奥の通路でガサゴソ音がしている…作業中なのだろうか?左壁は粒揃いなちくま文庫からスタートし、中公文庫・岩波現代文庫・同時代ライブラリー・岩波文庫・河出文庫・各社セレクト文庫と続き、海外文学文庫・海外文学・山田風太郎・探偵&推理&怪奇&伝奇棚で、興奮気味にフィニッシュ!向かいは大量のノンフィクション&ルポ・関川夏央・海外文学。棚脇に詩歌と漫画関連あり。真ん中通路は、左側に日本文学・井上ひさし・随筆・晶文社本・埴谷雄高・小林信彦・民俗学・写真・鉄道が並び、右側に科学・心理学・新書・歴史などが収まっている。とここで表から店内に滑り込む男の人影。お客さん?と思っていると、私に「いらっしゃいませ」と声を掛け帳場に収まった。えっ?この人が店主?じゃあもう一人は店員さんなのか?…実は奥の通路で蠢いていた人はお客さんらしく、良く見ると棚の整理などはしておらず、ひたすら棚を物色し続けている…。そして店主とおもむろに、これからのお店の方向について話し始めた。「一通り片付けたけど、まだ本とCDの箱がたくさん…」「松本のアガタ書房みたいに、表にたくさん出しちゃえばいいんだよ!団地堂だってそうしてるぜ。あそこは出しっ放しだけど」やはりそうだったのか、団地堂。…それにしても話を聞いていると、どうやら最近ここにお店を開いたらしいな。『がんばって下さい』とひっそりエールを送りつつ、窓際のビジュアルムックを手に取った後、右端の通路へ。ここは今までと趣向を変えて、セレクト劇画・音楽CD&LP・映画VHS&DVD・映画・音楽・落語・役者・芸人などが集まっている。どうやらまだまだ店内構築真っ最中のようだが、いい本&いい流れが棚に見えているので、完成が非常に楽しみである。値段は普通。壮年店主はちょっとお疲れ気味ながらも、にっこり優しく精算してくれ、しかも100円引きの大サービス!伊藤雄之助的笑顔が素敵です!「団地堂」から「田中」への流れは、中々楽しめて美しい。権堂にお出かけの際は、この二店ルートをお忘れなく。ハヤカワ文庫「映画字幕五十年/清水俊二」講談社文庫「彫刻家の娘/トウベ・ヤンソン」日本交通公社「お楽しみ途中下車 全国主要都市ハイライト」を購入。

久しぶりの長野市では、不思議で楽しげなお店が生まれていた。善光寺には見向きもせずに、ひたすら古本屋を求めた信州への旅。今度は老舗店を訪ねるつもりで来長します!それにしても長野は、縦に満遍なく広がってはいるが、意外に古本シティ化が進んでいるような気が…。
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2010年11月19日

11/19東京・仙川 川口書房


kawaguchi_shobo.jpg谷底のホームから階段を上がって改札を出ると、葉を落とし始めた大きな桜の木の前。線路沿いに西に進むと、南北に延びる商店街『仙川ハーモニータウン』に出る。駅舎を回り込むように、『仙川橋』を渡って北の『トランペットタウン』へ進入する…名前の印象とは大幅に異なる、狭い道の賑やかな商店街である。行き交う多くの人々の流れに乗りながら、『甲州街道』に向かって歩いて行く。すると右手に、やけに黄色が氾濫している一角が…。おぅ!本当にあったぞ!本日のお店は、11/16にコメントをいただいた方からの示唆により、たどり着けたお店なのである!二階壁の鉄平石と軒を巡る黄色い看板が、昭和四十年代的でエクセレント!軒下にも『カラー写真』&『古本買入』の黄色い看板があり、路地奥の金券ショップの黄色立看板と、隣の『マツキヨ』の黄色い看板とが視界で絡み合い、ちょっとイカした黄色地帯を出現させてしまっている。その上、お店の窓に貼られた紙も黄色なのである…。年季の入った木枠の開き戸の横には一本の壁棚があり、並んでいるのはすべて100均コミックとなっている。ほほう、文庫とコミックは二冊買うと三十円引きになるのか、と黄色い貼紙を眺めてから店内へ。小さなちょっとホッとするようなお店で、壁際にはぐるっとスチール棚が置かれ、真ん中に背中合わせの棚が一本。右側中央にはアダルト小部屋への入口があり、右奥隅に帳場がある。老店主がドッカリ座り新聞を大きく開いて読んでいる。小学生が大挙して押しかけ、『古本屋は新しい本は売ってないの〜?』などとのたまっても、動ずることなく新聞を読み続けている…。入口右横には面出しディスプレイされた最近刊本棚があり、横に児童文学が少々と、右側通路はほとんどがコミックとなっている。帳場横にまたもや最近刊本棚と、向かいの通路棚端に官能文庫あり。左側通路の壁棚は100円文庫&単行本から始まり、作家50音順日本文学文庫・海外文学文庫・時代劇文庫と収まって行く。向かいは、新書・実用・ガイド・エッセイ・タレント・教養&雑学文庫、そして端が100均単行本&100均時代劇文庫となっている。奥壁は、時代劇文庫続き・ノベルス・ミステリ&エンタメ・最近刊本ディスプレイ。疑う余地の無い、実用と欲望の街の古本屋さんである。ほとんど新しい本ばかりだが、文庫の並びはしっかりと細やか。値段はちょい安〜普通で、大体定価の半額前後が多いようだ。帳場で精算をすると、文庫二冊なので三十円引き!「いらっしゃいませ〜」「○○円になりま〜す」「よろしいですか〜」と、語尾が伸び上がる店主の応対はちょっと愉快である。ちなみにこのお店、ネットや本で調べてみても情報が浮かび上がらなかった…。まだまだ、まだまだ街には隠れているお店が何処かにあるのだな。嬉しくもあるが、どうやって探したらいいんだ!?の困惑も胸に渦巻く…。そんな思いを抱えながらお店を出て、橋に掛けられた街の地図に目を走らせる。もしかしたら、何処かに知られていない古本屋さんが……。河出文庫「思い出を切りぬくとき/萩尾望都」講談社文芸文庫「詩人のノート/田村隆一」を購入。
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2010年11月18日

11/18東京・高円寺 コネクシオン


conekushon.jpgすっかり日の落ちた午後六時。頭上に輝く月を眺めてから、夜の住宅街を抜けてトボトボ高円寺へ。変に綺麗になった駅南口ロータリーから、『高南通り』を南へ下る。ひとつ目の信号脇左手、白い外壁のマンション下の地下一階にある店舗が、今日の目標なのである。イベントも行われたりする『カフェ&バー』らしいのだが、古本も売られているとのこと!…売っててくれ、古本!と願いつつ、ヘアピンカーブの階段前に立つ。あぁっ!隣にあった「飛鳥書房」(2009/07/11参照)が消え去っている!本当に閉店してしまったのか…長い間お疲れさまでした。気持ちを切り替えつつも、多少怯えながら地下へと下りて行く。行き着く先には左右に二つのガラス扉。切り文字のような店名看板を見て、右側のお店に入る。するとソムリエスタイルの、ヒゲを生やした店主と鉢合わせ。突然の来客に多少うろたえつつも、「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」と立て直して迎え入れてくれた。縦長の店内で、左にはバーカウンターとDJブース、右側にソファ席&テーブル席と、壁棚と本棚。取りあえず奥の席に腰を下ろし、ギネスビールを注文した後、立ち上がって壁沿いに棚を眺めて行く。入口横には音楽雑誌と文豪Tシャツ(!?)。EPレコードが並ぶ下に、海外文学・詩集・性愛本。右壁下は、音楽・写真集・美術が並ぶ棚。そして壁際から生えたように一本の背中合わせの棚アリ。手前側には上部に岩波文庫が並び、下に音楽CD。裏側に旅・紀行・散歩・フランス・海外文学文庫・建築・川柳・食・児童文学が並び、深沢七郎・筒井康隆・南木佳士が目立っている。ほっほぅ!名取洋之介「写真の読み方」冨田均「東京私生活」など、ピンポイントで面白い本が並んでいる。ソファーの上には無料本箱が置かれ、横の小さな棚には「酒とつまみ」「中南米マガジン」などのミニコミが置かれ、歴史・東京・TV・「世界の秘境」・水野英子・ブックカフェ・古本関連・ペーパーバック・ノベルスなどなど。中には非売品の閲覧用本などもあるが、ほとんどが安値で売られている。そしてそれほど本の数は多くないが、しっかりした選択眼の棚となっている。しかしいい本や絶版本には割といい値段。何故だか群馬関連本も多かったりする…。こんなお店が地下世界にあったとは…高円寺の懐の深さに脱帽です!これからもこのサブカルな街は、まだまだ奥深い表情を垣間見せてくれるのだろう。
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2010年11月17日

11/17東京・早稲田 ブックス・アルト


books_alto.jpg地下鉄駅から外に出ると、さっきは止んでいた雨がまた降り始めている。それにしても今日は何と冷たい日なのか。パラパラと雨粒を浴びながら、『早稲田通り』の南側歩道を西へ。穴八幡横の坂道を進み、「立石書店」(2009/12/11参照)前を通過。坂を上がり切って100mほど先に『早稲田西交差点』が見える辺り、左手マンション一階にガラスウィンドウのお店が現れる。二階壁には縦長店名看板、軒には『名曲を聴きながら 古本買って下さい。』のキャッチコピーがある店名看板…『古本買います』はよくあるが、『古本買って下さい』は非常にレアである。お店の左側はショウウィンドウで、中には「こどものとも」や絵本が飾られ、背後には本棚と大量の本…何だか不穏な空間になってる気が…。右側のちょっと奥まった入口周りに、ミステリ&エンタメ文庫・海外ミステリ文庫棚、単行本棚、ハヤカワSF文庫箱、ちょっと場違いなゲームソフト箱、冊子箱が並んでいる。ウィンドウの貼紙によると『外(Outdoor)商品は1冊・1枚・1個につき100円』とのこと。自動ドアマットの上に乗り、グイーンと店内へ。うわっ!やはり何だか凄いことに…。店内には括られた本やダンボール箱が溢れ出しており、にっちもさっちも行かない店舗となっている!以前は雑然とはしていたが、それでもある程度自由に動けたはずだったが…。左右の壁は本棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本、ウィンドウや棚脇にも本棚…しかしそのほとんどは埋もれてしまっている。右端通路を覗き込むと、文学・社会科学が棚にチラリ。通路は括られた本で塞がれている。真ん中の通路は、棚前に横積み本がドッサリ積み上がるが、奥の帳場へと続く『蟹歩き通路』はしっかりと確保されている。右側の棚は思想・演劇、左側には音楽の文庫・新書が並び、棚上には数枚のLPジャケットが飾られている…ここだけは古本も侵略出来ない不可侵の空間。左奥に進むと、こちらはダンボール箱や逆さのテーブルが行く手を阻み、さながらバリケード封鎖状態。ウィンドウ横には文学復刻本・洋書・美術、それに左壁の大量の音楽本が確認出来るくらい。この音楽本がお店のメインらしいのだが、とても手の届かない所に本が並んでいる状態なのである。棚からは何も見つけられなかったので、通路の山から文庫を掘り出し、蟹歩きで帳場へ。すると奥の本の間に潜んでいた、厚着姿の壮年店主が「へへっ、すいませんね」と蟹歩きで近付いて来る。中央辺りで無事に邂逅。さらっと精算していただくが、袋を見つけるのに手間取っている。その間に周囲を眺めていると、欲しい本を発見してしまい追加精算。違う大きさの袋を探すのにまたもや手間取っている…お手間かけてすみません。それにしてもどうしてこんな大変なことに!?角川文庫「ロダンの言葉/ポール・グセル」西武百貨店「築地小劇場50年展」を購入。
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2010年11月16日

11/16千葉・市川真間 ATELIER ROSENHOLZ


atelier_rosenholz.jpg駅北口を出て線路沿いを西へ。そして踏切から始まる『真間銀座通り』を北へ進む。片側だけに並ぶ大きな松に、さらに大きいマンションが覆い被さっている。やがて行き当たった交差点を渡り、電気屋と質屋の看板の間の小道に入り込むと、街の喧騒が遠のいた住宅街。静かな塀に囲まれた道を、行き交う老人たちに見られながら歩いて行く。最初の脇道を西に入り込み、さらに奥部に分け入って行く。道なりに進むと小洒落たパン屋さんが現れるので、その手前の北に延びる小道を進む。すると右手に何やら立看板。そして住宅街に奇跡の『古本とカフェ』の文字!敷地内に足を踏み入れると、もうひとつ『古本カフェ この奥です』の立看板があり、ただの一般住宅へと誘い込まれて行く…これ、大丈夫なのか?軽自動車や子供用自転車の脇を擦り抜け、かなり古いモルタル住宅二階下を潜り抜けると、トタン屋根に守られた引戸の玄関が現れ、横の壁に手書きの店名看板が掛かっていた。…むぅ〜渋いな。しかし本当に大丈夫なのだろうか…?暗い玄関内に踏み込むと、天井の高い細長い空間で、高い上がり框の向こうは板の間になっている。不思議な建物だな…。玄関横には平積みされた大量の「太陽」があり、『一冊100円』の札がある。よかった、ちゃんと売っているようだ。『古本カフェ』は、本が売り物なのか、見るだけのものなのか、見極めるのが中々難しいのである。よし!と気分は高揚するものの、ズカズカ上がり込んでいいものなのか判らないので、「すいません!」と奥に声を投げ掛ける…ちょっと待つが反応ナシ。私はヌボーっと玄関に立ち尽くしている。その後も三度ほど「すいません!」と声を掛けると、どうにか気付いてくれたようで、奥からご婦人が「すみません、いらっしゃいませ」と現れた。「あのぅ、本を見せていただきたいのですが」と言うと「さぁどうぞどうぞ」と優しく迎え入れてくれる。「本はここと、後は階段を上がった二階にあります」…おぉ!この反応は、本だけの利用も“可”なのだな。そしてすぐに放置してくれ、私は薄暗い吹き抜けのような板の間でひとりぼっち。入口横の平台には「太陽」が置かれ、その横には文庫箱が四箱。たくさんの油絵が掛かる右壁下には、絵本棚が横長にズラリ。真ん中には手作り雑貨のひしめくテーブルがあり、左壁下の本棚に、文学・生活・美術・修道院・児童文学・心理学・自然・思想・「暮らしの手帖」などが並んでいる。女性&子供寄りな棚である。中には付箋の貼られた「一箱古本市の歩き方」も並んでいる…参加を考えているか、すでに参加済みなのかも。と、ご婦人が再び登場し、「太陽は100円で文庫は10円ですよ」と教えてくれた。私は再び玄関方向に戻り、脇の階段をギシギシと上がる。そこは二階と言うよりは中二階な高さで、奥の部屋の壁際に造り付けの本棚が二本ある。詩集・思想・海外文学が中心で、やや硬めな傾向。それにしてもこの建物、生活感たっぷりなのがいいなぁ。ここで一冊を抜き取って階下へ。ご婦人は奥の旅館宴会場のような大広間で、どなたかと会話に花を咲かせまくっている。話の腰を派手に折らぬようタイミングを計り、ぬっと顔を突き出し「すいません、これをいただけますか?」と声を掛ける。するとご婦人が戸惑いながら本を受け取り「あ〜、ん〜、これ私の本なのよね〜。あ〜並んでたら売ってるって思っちゃうよね〜」「あっ、もしや本は売り物じゃないんですか?」「そうなの。お茶を飲みながらここで読んでもらおうと思って…」と一旦奥に姿を消す。何と言うことだ…恐れていたことが現実となってしまった!…無念。そこへ戻って来たご婦人が、私にショップカードを渡しながら「あのね、私の主人が線路際にある山本書店(2010/06/29参照)に勤めてるの。そこはね、全部本買えますよ」…って何の宣伝なんだぁ!それにしてもご主人が古本屋さんだったとは。宣伝とは裏腹に、ちょっと嬉しくなる話であった。「まぁじゃあそこに座ってその本読んでらっしゃいよ。今お茶いれてあげるわ」…何だかおかしな展開になってきたぞ。と言うわけで、しばらくおいしいそば茶をいただきながら、はらはらとページをめくり目を落とす。…あぁ、私は一体何をやっているのか…。私は自分の所有物ではない本を読むのが、そもそも苦手なのである。何と言うか、時間制限が設定されるのがいけないのかもしれない。同様に、喫茶店やカフェなどで読書するのもまた苦手…なので本の内容はほとんど頭には入ってこないのである。熱いお茶をグイグイと飲み干して、「ありがとうございました。何かすいません…」「いえいえいいんですよ。またいらしてくださいね〜」と明るく見送られる。いい物件だったなぁ…本さえ売ってればなぁ〜。…やはり私にとって『古本カフェ』は鬼門なのであった!ちなみにこのカフェは、火木のみの営業。収穫ゼロの不完全燃焼なので、駅近くの「春花堂」(2008/09/20参照)の古本通路に身を投じ、講談社「乾杯!ロストジェネレーション/菊地武夫」を購入…これで帰れるぞ!
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2010年11月15日

11/15東京・八王子 まつおか書房 3号店


matsuoka_shobo_3.jpg北口を出て、ビルに囲まれた巨大ロータリー。東北へと気持ちよく直線に延びる『東放射アイロード』を、何だか冷たくちょっと強い風に吹かれながら進む。棒アイスの木の芯棒が埋まったような、歩道柵に違和感を感じながら歩き続ける。京王八王子駅を通り過ぎ、『甲州街道』を歩道橋で跨ぎ、やがて空が開ける浅川の畔の『大和田橋交差点』。川を見たい誘惑に駆られながらも、その手前の『北大通り』を西へ進む。すると100mほど先のビルから、『古本買います』の看板がちょっぴり突き出しているのが視界に入る。近付いて行くと、屋上近くにもかなり見難い『古本買います』の看板。軒にはライトに照らされた店名看板があり、店頭には安売り箱と、100均文庫棚・100均単行本棚・100均新書棚が一本ずつ、そして右端にムックラックが置かれている。ウィンドウには文学復刻本揃いが飾られている。ここは駅近くの「まつおか書房」(2010/01/05参照)の3号店なのである。専門書が中心で倉庫も兼ねていると言うことなのだが…ビルを見上げると、先日の「尚古堂書店」に続き、古本死亡遊戯の予感…。サッシを開けて中に入ると、オープンな作業場的店舗の印象。左側にある広い作業スペースでは、数人の男女が指示を飛ばし合いながら、仕事をキビキビ進めている。本棚は右壁から奥壁に沿って続き、左奥に上階へと誘う扉が見えている…今日も激しい闘いになりそうだ…。入口右横には少し凹んだスペースがあり、そこには幅狭な背中合わせの二本置かれている。この一帯は200〜700円の廉価本が並んでおり、ビジュアル本・辞書・言語・美術・社会・思想・世界・民族学・歴史・日本文学・海外文学・詩歌・紀行・ペーパーバックなどが並んでいる。奥壁は八王子や武蔵野の本が大量に並ぶ嬉しいコーナー。階段入口向かいにレジがあり、その横に文学・心理学の安売り棚。ここでロッカーにリュックを預け、いよいよ上階へ。扉を開けると、そこは鉄柵にすっぽり囲まれた外階段。左に回り込みながらまずは二階へ上がる。開け放しの扉から中に入った途端、その倉庫的な店内と本の多さに、心が“ギャッ”と悲鳴を上げてしまった!一階と同じ広さの店内に、四方はぐるっとスチール棚。フロアには櫛の歯のように六本の背中合わせの棚が並び、狭い通路を造り出している。ここだけならどうにかなるかもしれないが、三・四階のことを考えると、もうそれだけで記憶装置がオーバーヒート!…もう、負けでいい…と言うわけでいつもよりは緩やかに、大雑把な説明で突っ走ります!右側は食・日本思想・映画・演劇・戯曲・音楽・芸能・民俗学が集まり、左側は民族学・郷土・地理・歴史・世界史がドドッと揃っている。奥壁には評伝関連がズラリ。各ジャンルともさらに精緻な分類が成され、図書館並の量&質が脳と視覚に襲い掛かって来る状況!三階は二階と同構造だが、フロア棚が一本少ない五本となっている…それでも印象はまったく変わらないが…。西洋哲学・思想・社会科学・経済・法律・政治・心理学・オカルト・宗教・精神科学・医学・教育…。四階は三階と同構造で、左に建築・美術・骨董・工芸・民藝・作品集・産業・書誌学などが集まり、右側に日本文学・海外文学・文学評論・詩歌・随筆・日記・科学・生物・工学。奥壁には古典文学が大集合。もうすでに中に入ってから、かなりの時間が経過してしまっている。だいぶ端折って棚を見てきたつもりだが、段々と立ち止まる時間が多くなってきている。あぁ、この出版社別に並んだ文学棚の素晴らしいこと…。全体的に硬めではあるが、古い本・珍しい本も多く目移りしまくりの棚造り!しかも手に取ると、中々買い易い値段が付けられているのだ!私はすっかり罠に掛かった小動物!『誰か助けて!』と心の中で叫べども、狭い通路で上半身だけが反り返り、棚へと伸ばす手が止まらない…。かと言って閉店まで管を巻くわけにもいかないので、断腸の思いで階下へ!各階で完膚なきまで叩きのめされた私は、また来るぞ!とひとりで勝手にいきり立ちながら精算。新評社「別冊新評 都筑道夫の世界」日本読書新聞「新東京文学散歩/野田宇太郎」(ボロいが献呈署名入りがが400円!)「ゆうこ抄/松下竜一」山と渓谷社「間宮林蔵/瓜生卓造」を購入。この後、古本魂がフルスロットルになってしまい、「まつおか書房 2号店」にてオホーツク書房「脱獄魔 白鳥由栄/山谷一郎」を購入。さらに「佐藤書房」(2009/08/26参照)に立ち寄り、相変わらず古本の宝石が並ぶ棚にクラクラしながら、新潮社「闇の極意/佐賀潜」(TVドラマ『助け人走る』の原作!)創元推理文庫「魔法の国が消えていく/ラリー・ニーヴン」を購入。傘を持っていない私は冷たい雨で頭を冷やし、ネオンを照り返す濡れた路上を駅へと向かう。八王子に吹く風は、さらに冷く吹き抜けて行く…。
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2010年11月14日

11/14埼玉・南鳩ヶ谷 しん理書房


shinri_shobo.jpg2番出口から地上に出て、目の前の『岩槻街道』をまずは北へ。大きな交差点を通り過ぎると『新芝川』に架かる『鳩ヶ谷大橋』。これを渡ると右手にすぐに「ブックセンター山遊堂」(2010/09/07参照)が現れるが、今日はそのまま川沿い南側土手の『芝川サイクリングロード』を、西に向かってテクテクと歩き続ける。護岸されてはいるが、草が生い茂り、淀んだ水の匂いが風に乗って鼻に運ばれて来る。二本の橋を通り過ぎ、無骨な『青木水門』を見上げテクテク…およそ一キロほど進むと『竪川樋門公園』にたどり着き、川とようやくお別れ。小さな公園を抜けると、南北に延びる『オートレース通り』…何と素晴らしいネーミング!そこを北に向かい、またもやテクテク。およそ300m先の『天神橋交差点』近くに、目的のお店である白タイル張りの三階建てのビルが建っている。うぉっ、開いてる!疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間である!屋上の柵には南側にも北側にも『古本買入』の看板…あっ!以前来た時(その時お店は閉まっていた)に見た、壁の「創文堂書店」の看板が取り外されている!当時はどちらが店名か判らず混乱していたのだが、これにてこのお店は「しん理書房」に決定した。店頭には『本』の立看板のみが置かれ、『本買います』と『古書の日』の幟でさえ、ウィンドウの中に置かれている。店前がすぐ道路で、交通量の多さからすると致し方ない処置であろう。さらにそのウィンドウには、古本屋さんに似つかわしくない『ZEN LA ROCK』と言う名のミュージシャンのポスターが二枚…唐突過ぎるので、何かお店に所縁ある人なのであろうか…?戸を引き開けて中に入ると、程好い広さでちょっぴり雑然としている。左壁は上部が本棚・下部がラックで始まり、奥の帳場に向かって本棚が二つの角を造り出すように組まれて行く。右壁は普通のスチール棚が続き、フロアには左にラック、右に背中合わせの棚が一本置かれている。帳場の壮年店主は横向きに座り、パソコン操作に従事中。入口左横には児童本用の回転ラックが置かれ、その役割通り児童本や絵本が収まっている。左壁は上部に美術系&鉄道系写真集、下部のラックにはアイドル系写真集が並んでいる。第一の角付近には新書・児童文学新書棚で、奥の角にはアングラ・社会・風俗・思想・東京・文学・山岳・SMと、ぐにゃっと軟らかで知的な並び。フロアラックにはアダルト雑誌・グラビア系雑誌・古雑誌・特撮ムック・鉄道雑誌などが集まる。スチール棚左面は、日本文学・随筆・文化・ノベルス・時代劇文庫・日本文学文庫となっている。右面はコミック・少女漫画・絶版漫画。入口右横にはコミック・絵本・児童文学がちょっと乱雑に並び、続いて右壁にコミック・児童文学・小林信彦・日本文学・カメラ&写真関連・美術と流れて行く。各通路には未整理本や箱に詰められた本が置かれている。児童文学・写真関連・雑誌が充実し、趣味性の高い軟らかさが、私にとって好ましいお店である。値段が安めなのも輪をかけて嬉しい。三冊を帳場に出し精算を待つ間、ふと足元に視線を落とすと、そこには石川賢の「ウルトラマンタロウ」…私のトラウマ漫画の一つである。これはいいぞ!と手に取り、どうやら未整理本のようなのだが、店主に値段を聞いてみる。「あっはは!これまだ値段付けてないんだよね〜。石川さんの本か。これ珍しいんだよ。…汚れてるし、一応初版だけど…ん〜200円でどう?」「いただきます」と即答し、一緒に精算していただく。寝不足&昨夜の疲れがたっぷり残っているが、すべてを吹き飛ばしてくれたお店と店主に感謝!二度の「ありがとうございました」に送られて、再び『オートレース通り』の路上。あっ、『ZEN LA ROCK』について聞けばよかったかなぁ…。白山書房「秘境の山旅/大内尚樹編」岩波新書「遺跡保存を考える/椎名慎太郎」ちくま新書「長崎聞役日記/山本博文」大都社「ウルトラマンタロウ/石川賢とダイナミックプロ」を購入。
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11/13宮城・仙台 尚古堂書店


shokodo_sendai.jpg仕事にて、早朝出・深夜戻り・車移動の日帰り強行軍で仙台へ。行楽客や事故見物渋滞に巻き込まれながら、どうにか六時間で到着。スケジュールを確認した後、間隙を縫う…いやグイッと広げて、さり気なく仕事場から脱出!駅西口から延びる『青葉通り』をひたすら西へ。『大町交差点』を通過して、『桜ヶ丘公園』南端に沿った坂道に入ると、今までの都会の景色から一変した、公園と街路樹の紅葉で情緒溢れるエリア。広瀬川までもう一息の坂下に着き、素敵な木造のクリーニング屋前を通り過ぎると、バス停の前に古本屋ビルがそびえていた。歩道奥に駐車場を備えた三階建で、左に店頭を抱え込むような巨大な店名看板があり、二階窓下にも同様の大型看板。ここは、あの巨大古書店「萬葉堂書店」の系列店なのである…時間があまり無い今の私にとっては、かなり厳しい難敵なのである!扉を開けて店内へ。予想通り装飾性を排した、倉庫の如きひたすら古本の詰まった空間である。入口左横に本に囲まれた帳場があり、金田一秀穂のような学問の香り漂う店員さんが店番中。斜め上に置かれた巨大ブラウン管の防犯モニターが、マルチ画面で店内の様子を映し出しており、80年代SFのアナログ的光景…おぉ、ありし日のテクノロジー。壁棚はスチール棚で覆われ、フロアには手前に短めの背中合わせの棚が二本、奥に長めの棚が二本置かれている。左奥隅には、棚で造られた短めの行き止まり通路が一本。そして左壁入口側に階段への出入口がある。二階と地下一階は、ほぼ一階と同じ構造。三階だけが面積半分のフロアに、辞書や洋書が並ぶカタチとなっている。窓からの景色は公園を上から見下ろせて、中々に美しい。それでは多少急ぎ足だが、一階よりツアースタート。右端第一通路は、壁際に文庫・単行本・趣味・児童文学・スポーツ・エッセイ・タレント・実用が並び、向かいは哲学・思想、そして大量の新書の壁が続いて行く。通路には乱雑に箱が置かれ、様々なジャンルの本が足場を少なくしている。第二通路は新入荷本・美術・幻想・コミック・ちくま文庫、そして大量の岩波文庫と絶版文庫がズラズラズラ。奥壁にも海外SF&ミステリ文庫の絶版が、改造文庫・旺文社文庫・文庫揃いと共に並んでいる。左端通路は、言語・資格・コミック・50均文庫棚となっている。奥の袋小路には、コミック文庫・岩波ジュニア新書・ブルーバックス・ペーパーバックなど。階段横にはロッカーが設置されており、ここにカバン類を収め店内を回遊するルールとなっている。私はカバンは持っていなかったが、すでに本を手にしていたので「これは持って行っても大丈夫なんですか?」「大丈夫ですよぉ〜」と確認を取る。そのままホコリっぽく薄暗い階段で二階へ。店員さんもお客さんもおらず、恐ろしく静かな空間…ここはどうやら硬めな本が多いらしいな。左端通路には、経済・白水社・晶文社・法律・民俗学・歴史・古代史。真ん中は、宗教・郷土資料・世界・民族学・風土・考古学。右端通路に、日本文学・文学評論・書物&出版関連・詩歌・海外文学・遺跡資料&論文となっている。文学以外は箱入り本が中心である。三階は前述通り。地下一階は、左手前が行き止まり通路となっており、科学・建築・気象・天文・地学が集められている。そしてフロア手前側には、学術本・政治・社会・犯罪・コンピュータ・文学単行本が収まり、右壁に美術・映画・お茶・文化。フロアの奥には大量の文庫本が勢揃いしている。やはり蔵書量多し!古い本も多し!この短時間では棚の隅々までチェック出来るわけもなく、非常に口惜しい!本は玉石混合だが、いい本はしっかりと目に入って来る。値段は普通〜ちょい高。しっかり値の本が多いが、ちゃんと掘り出せばスキのある本も見つかる予感!帳場で精算中に「萬葉堂」情報をチラシでチェック。現在「鈎取店」「泉店」(2008/10/27参照)、そして「尚古堂」があり、愛子と言う所にあった「開成堂書店」は閉店してしまったらしい。ツアー出来ず終いとは誠に残念である。そして「鈎取店」は、いつの日か必ず対決せねばなるまい…今まで見た二店を、遥かに凌ぐ蔵書量らしいのだが…。日本鉱物趣味の会出版部「日本化石図譜/鹿間時夫」岩波新書「追われゆく坑夫たち/上野英信」三笠新書「読書雑記/正宗白鳥」を購入。
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2010年11月12日

11/12山梨・哀しみの富士急行

思い切って早めに行動開始し、山梨まで足を延ばす。大月駅より単線の富士急行線に乗り換え、紅葉の始まった秋の山の中を走り抜ける。駅間は意外に短く、ウネウネとカーブが連続し、無人駅もある、そんな路線である。父の実家が三つ峠駅にあるので、小学生の夏休みはこれに乗って田舎を訪ねるのが楽しみであった…よもや大人になって、古本屋を訪ねるためだけにこの路線に乗ることになるとは…あぁ…。多少の懐かしさと悔恨と、古本屋さんへの溢れんばかりの期待を胸に、私は山梨県の懐へ深く分け入って行く。最初の目的地は標高503mの『都留文科大学前駅』…こんな近代的な駅が、いつの間に富士急行に生まれたのだろうか。駅前にも巨大なスーパーを備え、蝿捕り紙が下がるうどん屋が駅前にあったような、私の過去のイメージからは完全にかけ離れてしまっている。そのスーパーの脇を抜け、裏の駐車場を突っ切り大通りへ。東の交差点から北へ進路を採り坂道を下る。50mほど進むと、坂上にお店を見せる感じで「村内書店」の看板が目に入った。が、シャッターは冷たく残酷に下ろされていた。
murauchi_shoten.jpg大学の近くだし金曜日だし、開いてると思ったんだけどなあ〜…ガクッと肩を落としつつも、諦めきれずにお店の周りをウロウロ。しばらく坂道を下ってブラブラし、戻って来る時に『もしやおばさんが開店準備を始めているのでは…』などと妄想するが、当然シャッターは一ミリも動いていない。看板の『新刊と古書売買』の文字を恨めしく見上げ、駅までトボトボ。続いて大月方面に引き返し、標高445m『赤坂駅』近くにあるお店を目指す。この行程の救いは、富士急行の列車数がまぁ多いことであろうか。おかげで酷いタイムロスせず移動することが出来た。こちらは無人駅で、停車と同時に車掌がホームに走り出し、降客の切符を集めている。寂しい改札から真っ直ぐ進み『国道139号』を西へ。次の『四日市場交差点』を南に向かうと、緩やかにカーブしながら下る田舎の裏通り。街中に張り巡らされた水路の音が、懐かしく心地良い。…基本的には、お店はないだろうと思っている…それでも足は進んで行く。すると右手に塗装屋の看板…?その下に目指す「岡本書店」の看板がっ!
okamoto_kanban.jpgこれは!?と驚きながら、看板の下から続く小道を覗き込む。しかしそれは、完全に人家へと続く私道の趣き…ん〜どうなんだこれ?しかし奥にさらに目を凝らすと、一棟の建物が目に入り、軒には古本屋さんの店名看板…あれは店舗なのだろうか?勇気を搾り出して一歩踏み出し、足音を立てないようソロリと奥まで入り込む。そこは建物に囲まれた中庭で、人気の無い塗装屋の事務所もある。恐る恐るお店に近付き、ガラス窓から中を覗き込んでみる。そこには括られた本やダンボール箱が積み上がる倉庫的光景!お店として営業している状態ではない!これではもし招き入れてもらったとしても、本を見るのは一苦労であろう。
okamoto_shoten.jpgよく見ると、横に連なる二棟の建物にも「岡本書店」とあり、そこにも乱雑に積み上がる本の影…。う〜ん、誰か人がいれば何か聞けるのだが。猫が一匹グルーミングしてるだけではどうしようもない。煌々と明かりの点いた塗装屋さんにも人影は無し。横にある黒板に『不在の時は…』と電話番号が大書されている。とその時!塗装屋の奥の机からガバッと跳ね起き、私を注視する制服姿のヤンキーギャル!寝ていたのだろうか?それにしても私は完全に闖入者である。住居不法侵入である。途端に気弱になり、首を傾げつつ偶然迷い込んだ風を装い、焦って退散。しかし帰り道、例えお店に入れなくとも、あの娘にお店について聞くべきだったな、と後悔。私は富士急行の中で哀しみに暮れながら、遅い昼食のパンを齧る。二店を確認しただけの収穫ゼロで、山梨に別れを告げる…。そのまま美しく潔く帰宅しようと思っていたら、阿佐ヶ谷「銀星舎」にフラリと寄ってしまい、ハヤカワ文庫「スパイのためのハンドブック/ウォルフガング・ロッツ」を購入して、今日のツアーを終わらせる。
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2010年11月11日

11/11東京・入谷 地球堂書店


chikyudo_shoten_iriya.jpgそもそもの始まりは先日の山形の帰り。その途中に、鷲神社の『酉の市』を見に行くことになった。ケータイを所持していない相手とどうにか駅で待ち合わせ、商店街をブラブラ…すると右にシャッターの下りた古本屋然とした店舗。…そうか、ずい分前にここを通った時、このお店を見たんだったな。以前もシャッターが下りていたし、今日もこの有り様。やはり開くことはないお店なのだろうか…むっ?シャッターに何か小さい貼紙が。道路をヒュッと渡ってそれを読み取ると、『本日休業』の文字!これは!つまりは営業してるってことだ!よしっ!…そして本日、地下鉄ホームの端から『竜泉方面改札』を抜けて『出口3』から地上へ。『昭和通り』をちょっとだけ南に進むと、すぐに東に延びる『金美館通り』の入口。そこに迷わず入り込み、トトトと進んで行くと、またもやすぐに出桁造りの素晴らしい酒屋がある『入谷一丁目交差点』。その交差点を越えると、南側の魚屋の隣にシャッターを上げた古本屋さんの姿…生モノと古本が並び立つとは…下町って素晴らしい!軒には収納された深緑の日除け、その下にはブリキのシンプルな店名看板。アルミサッシで組まれた店頭は、左右と真ん中にショウケースがあり、写真集や江戸&浅草関連ビジュアル本が飾られている。下にはムックラックや安売り文庫台(痛んだ本多し)、それに横積みされた単行本・全集本。中に入ると細長く奥が狭まっており、きっちりと本を収めた棚が印象的。壁際は本棚で、一部飾り棚になっている部分もある。真ん中には背中合わせの棚が一本置かれ、下部はラック、奥には本の土台を下に備えた低めの長椅子が接続されている。そして狭まったスペースの最奥に帳場があり、老夫婦が退屈ここに極まれり!と言った感じで店番中。老店主は椅子からずり落ちそうな体勢である。右壁は戦争・現代史・実用・民俗学・東京・浅草・江戸・風俗が並び、角を占めるガラスケースには浅草関連の豪華本。下には単行本・雑誌・文庫が美しく積み上がり、その上に並ぶ黒沼健&團伊玖磨が目立っている。奥に進むと、映画・学術本・幻想文学・落語・伝統芸能が続いて行く。向かいは新書・日本純文学文庫・海外文学文庫・落語関連文庫・永井荷風&徳川夢声本。下のラックにはビジュアル誌や映画&伝統芸能雑誌など。長椅子をぐるっと回り込んで左側通路へ。左壁は実用・最近刊文学・歴史小説・書・山岳・性愛・美術&日本文学戦前本・文学評論・荷風関連本・美術図録・作品集が並び、下にはアダルト&実録雑誌類が整然とズラ〜リ。向かいには、古い新書サイズ本・ノベルス・実用・将棋・雑学&風俗関連文庫・推理文庫・時代劇文庫・官能文庫・虫・巨人軍などなど。下町に見事に溶け込み続けているお店で、美術・風俗・浅草・落語・永井荷風がキラリ!値段は文庫は500円、単行本は1000円が中心と言うざっくり高めな値付けがされている。帳場には圏外だが「谷根千」もあり。精算時、老店主は基本的体勢は変えずに応対。超薄紙の古びた書皮が、儚くも可憐である。それにしても「地球堂書店」は、浅草と立川に同名のお店がある。何か関わりがあれば面白いのだが…。河出文庫「寄席はるあき/安藤鶴夫・文 金子桂三・写真」を購入。
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2010年11月09日

11/9東京・神保町 巌松堂図書


ganshodo.jpg今日は何としても神保町に行かねばならぬ!本の街のメインストリートにあるお店が、閉店を決めたと言うのだ!お店の名は「巌松堂図書」!私にとっては二十年ほど前に、よく入口近くの棚で探偵小説や文学評論を漁った思い出がある。つい先日の『神田古本まつり』でも、店頭均一台から「わが森の賢者たち」を購入したばかり。その時店内にも入り、棚の本が全品半額と言うことを知り、まつりとはいえ豪気なことだ、などと感心していたのだった。なので遅刻する前に、この目に焼き付けておかねばならない!『神保町交差点』から『靖国通り』を東に100mほど。南側に十階建ての『巌松堂ビル』。ここの一・二階が店舗となっている。道路側には縦にベランダが連なり、三・四階部分に大きな店名看板、柵の造作が他と少し異なる二階ベランダには『GANSHODO』の看板文字。出入口両側には、左右対称に均一棚&台が置かれている…そして壁に貼られた『閉店セール』の手書きポスター!そこには『長い間当店をご愛顧頂き有り難うございました。閉店セールを下記の通り実施致します。』の別れと告知の言葉。『11月6日〜21日 1冊300円均一』。おぉ、何と言うことだ。短期間とは言え、全品300均のお店が神保町に出現してしまうとは…こんなカタチでなければ、ヨダレを垂らしてウェルカムなのだが。店頭には硬めな本がズラリズラリ。たくさんの人が一瞥した後、店内にスルスルと吸い込まれて行く。私もその流れに紛れ込んで中へ。以前とは違ったスッキリした感じで、棚を全開放の売り切りモードである。各ジャンルは以前からの位置を、かろうじて形骸的に保っているようだ。店内は縦に細長く壁際はぐるっと本棚。フロアは中央右側の階段を境に手前と奥に分かれ、手前には長い背中合わせの棚が一本、奥に背中合わせの棚が二本。奥左側の棚前に本と机で造られた帳場がある。また、入口左横・手前フロア棚奥脇・階段横には、全集の山が築かれている。手前フロアの右壁は、建築・映画・宗教・ビジュアル本・図録・将棋・囲碁・歴史小説・日本文学・山岳・風俗・辞書・言語などが並び、この通路が一番混み合っている。向かいには全集類と海外文学。ここの空になった平台に腰掛け、棚を眺めるマナーの悪いお客もいたりする。左側通路は、壁棚に文庫・東洋文庫・古典文学・国文学・歴史・演劇・美術・哲学が収まり、向かいには文学評論&評伝・詩歌句が収まっている。人波を縫って奥のフロアへ。左壁は東京・郷土・民俗学、そして途中からぐるっと右壁途中まで経済関連が大量に並んで行く。向かいには世界と社会学が収まり、真ん中の通路は両側共ほぼ空になっている。右端通路は、一部壁棚に政治学、通路棚に動植物・科学・数学・コンピュータとなっている。抜き取った本を手に、全集が積み上がった階段を上がり二階へ…と思ったら、何と二階はもはや営業していなかった!手作りダンボールの通行止めが二重に置かれ、もはや見ることは叶わない…確か奥は硬めな学術本で、手前に美術関連が並んでいたと思ったが…すでに遅刻であったか。残念。と言うことで店内は平日と言うのに、老若男女でごった返し、硬めな本のセールが行われている。精算時に「お店はいつまでなんですか?」と聞いてみると、傍らのポスターを指差し「一応21日までなんですが…」とここで笑みを浮かべ「でも、本が無くなったらそこで…ね」とのこと。お店の閉店は兎にも角にも残念ですが、ラストスパートを全力疾走で『靖国通り』を華麗に駆け抜けてください!今までお疲れさまでした。…それにしても閉店後、この本の街にとっての一等地は、一体どうなるのだろうか?新しいお店が入ることもあるのだろうか?それともまったく異なる職種のお店でも…。思潮社「一人のオフィス/鮎川信夫」東京新聞出版局「東京おもかげ草紙/佐野都梨子」を購入。
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2010年11月08日

11/8神奈川・根岸 たちばな書房


tachibana_shobo.jpg京浜東北線が丘の切り通しを抜けて海沿いに出ると、一年四ヶ月振りの根岸である。ホームから見える、貨物列車と高速道と石油精製工場の非現実的光景を楽しんでから、跨橋線を渡って北側のロータリーへ。ロータリーの左側へ回り込み、駅前に立ち塞がる高層住宅棟の間を通り、北の『本牧通り』へ出る。ダンプがバンバン疾駆する、交通量の多い大通りを西へ。すぐに水平ラインの美しい屋根が架かる『shell』のガソリンスタンドが現れ、その先に海老茶色の歩道橋が見えて来た。その脇に青い陶製タイルで覆われた、古びた『たちばなビル』。一階右側に、ビルと同印象のお店を発見!店名とビル名が同じと言うことは、自社ビルなのであろう。道路に沿って三角に飛び出すベランダが、無骨で素敵である。そのベランダ下に店名看板があり、その下に黄色い日除けが急角度で展開中。店頭には三台のラックが置かれ、二台に新刊週刊誌や新刊漫画雑誌が並んでいる。一台は空っぽで放置されている。テレビのニュース音声が響く店内に入ると、中も外観同様に古びており、煤けた天井・壁を覆う造り付けの本棚と背中合わせの木製棚・むき出しのコンクリ土間…奥にはガラスサッシの扉があり、暗い小部屋の中でテレビを見ている老婦人の姿が見えている。そのサッシの右に、小さな棚と一体化した、駅の古い切符売り場のような小さな帳場がある。これはまるで隙間で、相当な格好良さ!右壁はホコリに汚れたビジュアル本のラックとコミック文庫から始まり、コミック・神奈川&横浜関連本・ノベルス・近現代史・戦争アダルトと並ぶ。向かいは古い箱入り本が中心で、上部に全集類が詰まれ、江戸・風俗・文学研究・詩集・美術研究・社会・幻想文学・山岳・趣味など。下には美術図録と「銀花」などの雑誌が並べられている。奥の棚脇には少量の岩波文庫・東洋文庫・新書。左側は入口付近に新刊雑誌が集まり、左壁に辞書・辞典・大判本・雑本的文庫・官能文庫・横浜関連ビジュアル本・戦争・アダルト・大判ムックラック。向かいは宗教・資料本・古典文学・神奈川古書組合本などの箱入り本が収まり、下には雑誌の入った箱が置かれている。硬めの動きの鈍い箱入り本が棚の半分を占めており、後の半分を新刊雑誌・新しめのコミック&文庫・アダルトで分け合っている。何とも組み合わせが独創的なお店である。値段は安め〜ちょい高。いい本にはしっかり値も。隙間帳場で精算を済ませ、ざっくりと袋に入れられた本を小脇に駅へと戻る。するとそこには来た時と表情を変えた風景。高速の外灯と石油工場のクリアな無数の光、轟音を立てて滑り込む貨物列車…電車待ちの数瞬の、無機質な美しい夜。講談社「儲かるコイン全ガイド/日本貨幣商共同組合」を購入。
posted by tokusan at 20:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする