2010年12月31日

12/31兵庫・神戸目指して西へ!二店

いよいよ2010年も大詰めの大晦日。すべての用事を凍結して、放っぽり出して西へ!西へ遁走!その目的は、もちろん古本屋さんなのである!


chinki_do.jpg●元町「ちんき堂」
東出口から外に出ると、横へグワッと広がる街。背後は山、前方は海なのである。冷たい風が吹き荒れ、雪もチラホラ舞い始めた…うぅぅっ、寒い。目の前の横断歩道の向こうに見えるのは、『元町穴門商店街』の看板。その足元から南に向かって、ビルの間を道が延びて行く。微かな下り坂になっている、その商店街らしからぬ商店街に入り込むと、おおっ!左手前方に『古本』の文字!大晦日の営業は、本当にありがたいことです。そう言えば去年は、神保町を駆け回っていたっけ…。細い雑居ビルの二階がお店で、昨日の古書市で購入した「猟盤日記」作者の戸川昌士氏が経営しているのである。路上の立看板にはテリー・ジョンスンの絵が描かれ、二階の窓を見上げると『古本』の貼紙と共に、花輪和一の絵が貼り付けられているのを確認出来る…うむ、濃いな。そしてこの店名…私は『ヨードチンキ』しか連想出来ません。右にある階段は真っ白で、二階に上がると『お洒落とお下劣/元気な古本』とある店名看板、そして赤い木枠のガラス扉が出迎えてくれる。中には数人の人の気配…カチャッと開けて中に入ると、縦長の小さく暖かな店内。左右に壁棚が張り付き、窓側にラックが一台、奥にガラスケースがありそこが帳場にもなっている…おぉ、そこには壮年の戸川さん。デザイナーや音楽プロデューサーのような、洒落た風貌である。ただ今同業らしい二人の方と、しみじみとお話し中である。さて、それより目的は古本!右壁はエロ・性愛から始まり、割と普通の100円文庫&新書、そして春陽文庫・映画・雑誌・探偵小説文庫・エロ小説・復刻漫画・漫画の描き方などが続いて行く。窓際には古い週刊グラビア誌が並ぶラックがあり、その上には川崎ゆきおの猟奇王の色紙が輝いている。足元のエロ雑誌箱に視線を吸い取られながら、どうにか左壁へ。カルトコミック・エロ劇画・レンタル棚・古い少年漫画週刊誌・アイドル写真集・コミック&特撮ムック・レコード雑誌・音楽・怪しいミニコミ誌・特製ガチャガチャ・音楽CD・古い新書・映画・タレント・特撮少々・アングラ系文学&美術・「荒木経惟の世界」「野坂昭如の世界」「澁澤龍彦の世界」などが並んでいる。もっと店内がスゴイことになってると勝手に想像していたためか、ちょっと拍子抜けするほどシンプルな構成。棚造りはしっかりだが、何かお店は表面的な部分で、奥に素晴らしいさらに濃密な空間が控えているのではないかと、勘繰ってしまったりする…すみません、妄想が止まりません。値段は抑え目で普通。あ〜、でも来れてよかった!開いててよかった!帳場の歓談は続いているのだが、声を掛けて精算していただく。するとお客さんの二人が激しく恐縮し、「すみません」と頭を下げ「ありがとうございます」の言葉まで。同業故の気配りであろうか。こちらこそありがとうございます!八曜社「白馬童子よ何処へ行く/山城新伍」を購入。


oka_shoten.jpg●元町「岡書店」
続いて元町駅の西側に向かい、JR高架をひたすら西に延びて行く『モトコータウン』に潜り込む。…何と心震える商店街なのかっ!暗く狭い洞窟のような通路が、力強くグングンと奥へ続いて行く!ここにも何軒かの古本屋さんがあるはずなのだが…。ファッション・中古CD屋・ジャンクショップなどが連続するが、進めば進むほどシャッター率が上昇して行く…大丈夫かな…。一軒目発見…シャッターアウト。二軒目もダメ。『モトコータウン』の『モトコー1番街』から、どんどん数字が増えて行く。三軒目もお休みで、まるで真っ暗な通路を歩いている状態…そしてついに『モトコータウン7番街』に到る。ここまで一キロほど歩いているだろうか。こりゃもはや元町じゃなくて、阪神の『西元町駅』が一番近いのかも、と薄暗く寂しく寒い通路をコツコツ。頭上を電車が篭った轟音を届かせながら、盛大に通過して行く。すると、緩やかにカーブする通路右手に希望の光!あれこそは、見慣れた店頭棚ではないのかっ!?そそくさと近寄ると、うぉうっ!高架下の古本屋さんに遭遇出来た!天井下の鉄板に直接書かれた店名、商店街共通の丸看板。店頭には100均文庫台・雑誌&時代劇文庫平台・100均ノベルス台が展開している。扉は無く店内は通路と直接連続しており、中を見ると本棚がまるで天井を支えるかのように並んでいる。壁際は本棚、入口側に横向きに背中合わせの棚が一本、奥に縦に背中合わせの棚が二本並んでいる。奥の壁際に帳場があり、コートを肩で羽織ったご婦人が店番中である。右壁には、ミステリ&エンタメ&バイオレンス文庫が奥から作家50音順に並び、最奥には美少女コミックと大判美術本が展開。この流れはそのまま奥壁のアダルトに続き、帳場横に絶版漫画&劇画が収まっている。フロア真ん中横向き棚は、表に鉄道&船舶雑誌、裏にムック&エロ雑誌の構成。奥の通路棚右側の右面には、海外文学文庫・日本純文学文庫・女流作家文庫・大藪春彦文庫。真ん中通路には両側にカオス的に、囲碁・将棋・学術書・映画・日本文学・実用・戦争が並び、膝元にはエロ本箱がズラリ。通路棚左側の左面には官能文庫がビッシリ収まっている。帳場の左横から左奥壁棚にはアダルトが並び、真ん中辺りに70〜90年代日本文学文庫・エロノベルス・古いエロ小版雑誌・エロ資料・時代劇文庫。そして入口近くにノベルスが集合している。非常に大衆的なお店で、この場所に相応しいのが嬉しくなるほどの、街の古本屋さんなのである。値段はちょい安〜ちょい高と様々。帳場では、いつの間にか現れたオヤジさんに精算してもらい、「アイヨッ!」「ありがとう!」と魚屋さんのような威勢の良さが心地良い。開いてくれていて、ありがとう!徳間書店「面白本念入りガイド/長谷川卓也」を購入。

神戸、非常に寒いがお店が開いていて大満足!どうやら私もこれで、よい新年を迎えられそうである。それにしても、今年も見事に古本屋さん尽くしの一年であった。自分の歩いている場所が不安になるくらいの、古本屋さんに捧げた一年であった。そんなわけで、来年もドタバタ巡ると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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2010年12月30日

12/30東京・新宿 歳末古書市


saimatsu_koshoichi.jpg12月30日、いよいよ今年も終わりである。本来なら色々なことを終わらせ、大掃除を済ませ、清らかに心静かに新年を迎える準備をしなければならないのだ。しかし、仕事も終わらず心も清らかでない私が向かったのは、新宿・京王百貨店で開催されている古本市!思えば今年のツアーは、浅草・松屋の古本市から始まった。ならば一年を、古本市で締め括るのもまた悪くないのでは…いや、明日も古本屋を求めて街を彷徨うつもりなのだが…。駅やバスターミナルは、大きな荷物を持った帰省客が溢れ返っている。地下から西口の百貨店に入り込み、エレベーターにて七階へ。降り口は北側方面にあったので、南側にある催事場を目指し、売場の間を突き進んで行く。すると南側奥、七階フロアの1/3が催事場になっており、こども服の世界から古本の世界へ突如チェンジ!天井からは『歳末古書市』の看板が下がり、各ワゴンの島の上に店名札が垂れ下がっている。中央の広い通路を中心にして、およそ130のワゴンが左右に25ほどの島を造り出し、外周壁際をガラスケースが囲っている。こりゃ結構広いな。ワゴン上には日曜大工的棚や木箱が積み上がり、遠くは見通しが効かない状況。通路の所々に、お揃いのエプロンを装着した古本屋さんが立ち、ワゴンの整理&補充をしたり、お客さんの動向を見守ったりしている。それにしても年の瀬の最終日なのに、中々盛況な人出ではないか。人のいない通路は皆無で、各島に必ず五人くらいの人が群がっている。おぉ!12月30日に古い本を求めし、愛しの古本修羅たちよ!いったい何冊の本の背を、その目に焼き付けて年を越すつもりなのかっ!?どうか来年もそのままで、どうぞよろしくお願いいたします。各ワゴンのレベルは高めで、気を抜けない時間が連続!値段はそうそう安くはない感じ。関東だけではなく、大阪・京都・愛知のお店も出店しているのか。あまり時間が無いので、ス〜ッと自分としては流れるように、ワゴンの上中下を眺めていたのだが、あっという間に一時間が経過…時間が経つのが早い!早過ぎる!古本が大量に集まると、やはり時空は捻じ曲がってしまうのか…?今日は「アジアンドッグ」と「ハーフノート・ブックス」がツボに入る。奥の特設レジで、整列して順番待ちして精算。さて、残すは今年の締め括りの大晦日。いったいどうなることやら…。オランダ屋書店にてジャングルブック「猟盤日記/戸川昌士」、ハーフノート・ブックスにてロマン・ブックス「ひげのある男たち/結城昌治」を購入。
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2010年12月28日

12/28東京・狛江 ふる本屋 狛江店


furuhonya_komae.jpg北口を出て、まずは『狛江通り』へ。この辺りはどこまで行っても、街が新しい感じである。通りを北西へズンズン進み、『松原交差点』で『松原通り』に入り北東へ。さらにズンズン進み、『一中通り』も横断して先へ。すると駅から1.5キロほどで、『本買います』の幟を目にすることが出来る。ここは、つつじヶ丘の「ふる本屋」(2008/11/13参照)の系列店である…こっちの方がかなり大きいな。そして駅から離れた、小田急線と京王線の中間に位置するこの場所は、さながら陸の孤島の古本屋さんなのである。マンション一階店舗の軒には大きな店名看板。店頭左には三本の壁棚があり、コミック・単行本・文庫・ノベルスが並んでいる。右側にはビデオを満載したワゴンが一台。出入口からは帳場横に座って読書中の、壮年店主の後姿が丸見えとなっている。自動ドアから中に入ると、店主はピョンと立ち上がり、帳場の中へと舞い戻る。横長の割と広い店内は、左右非対称で迷路的に少しごちゃついており、ちょっと通常のリサイクル古書店とは違った雰囲気を醸し出している。壁際は店舗の形に沿ってぐるっと本棚、左フロアに背中合わせの低めの棚が二本、真ん中に背の高い背中合わせの棚が横向きに一本、入口右横に帳場があり、その奥に小さな棚を中心としたコーナー、さらに右奥はアダルトコーナーとなっている。入口の左横には、まず食と酒が並び、文庫からムックまで幅広い品揃えを見せている。後は奥壁までぐるっとコミックが続いて行く。左フロア通路棚右側には、最近刊文庫&単行本・映画・タレント・BLノベルス・コミックが収まり、左側には女性実用と絶版漫画・コミックが並んでいる。奥壁の中央部左側に、海外文学文庫・海外文学・旅・紀行・アイドル・スポーツ・囲碁・将棋・鉄道・車。帳場前の横向き棚は、手前側に絶版邦画ビデオと、『50円カラ』と大書された、安売り単行本&文庫のコーナー。右端には『サスペンス』で分けられた文庫コーナーもある。その裏側には、新書・教養系文庫・世界・思想・社会・自然が収まり、対面の奥壁には児童文学・実用・資格・経済・美術が並ぶ。帳場右横コーナーは、時代劇&歴史小説の単行本&文庫を中心に、古典文学・歴史・官能文庫が集まっている。右奥のちょっと広いスペースの壁際には、作家50音順の日本文学単行本+文庫混合棚が広がっている。古さがグレー的な本が目に付くが、並びやセレクトは所々丁寧で、見る&探す楽しみを刺激してくれる。リサイクル古書店を少しはみ出す感じに、好感度アップ!値段は安め〜普通。店内BGMのオールディーズに乗りながら、店主は軽やかに精算。私は足取り重く、駅までの長い道のりをたどってトボトボ。徳間文庫「虹の舞台/陳舜臣」を購入。…陶展文シリーズがだいぶ集まってきたな…。

この後、読売ランド前に向かい「をーりー古本夢幸堂」(2009/04/12参照)を訪ねる。昨日いただいたコメントによると、閉店セールを行っていると言うのだ!狛江から五駅。目的地にたどり着いてみると、そこに広がっていたのは、驚愕の重機の置かれたただの更地!すでにお店は解体された後だったのだ!盛大&衝撃的な遅刻っぷりに、暗い歩道でしばし呆然…。あの大量の本たちは、一体何処へ消えてしまったのだろうか…をーりーさん、長い間お疲れさまでした。

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2010年12月27日

12/27東京・上野広小路 文行堂


bungyoudo.jpg地下で松坂屋に直結した、ちょっとダイナミックな改札口から『A1出口』で地上へ。大きな『中央通り』をプラプラと南下する。上野から離れて行っても人の流れは途絶えることなく、さすが上野!さすが年の瀬!といった感じである。『上野三丁目交差点』を過ぎて、そろそろ左にお店が見えるはずだが、と歩き続ける。実は今日目指しているのは、和書や書画のお店なのである。なので最初から、半ばあきらめムードの軽い偵察モード。格式高いお店に入ることは想定せず、まったく期待していなかったのだ。ところがっ!左手ビル群のとある一階に見えたのは、何と店頭安売りワゴン!しかも文庫がビッシリ詰まっている!おぉ、何と言う予想外の光景!薄闇の中の雑踏を縫い、店の前へタタタと駆け寄る。ビルを見上げると、看板には象形文字の変形途中のような店名と共に『古典籍・名家短冊・書簡幅物』の文字。通常ではとても太刀打ち…いや、それどころかお店にも入れないはずである。しか視線を店頭に移すと、キレイなビルのエントランス部分には、間違いなく見慣れた二台のワゴンの姿。嬉しいなぁ〜。左側には棚まで備え、文庫をしっかりと収めている。文庫は文学やエンタメを中心とした、至って普通の文庫本で、200円前後の値が付けられている。ワゴン下部にも文庫・新書・単行本が置かれているが、こちらはずいぶんホコリまみれ。その他にも、和本・絵地図・色紙・掛軸・木箱が並んでいるところが非常に愉快。本来ならこちらの方がメインなのである。雑踏から抜け出し、足を止めてワゴンを覗き込む人も結構多い。一冊抜き取って、ビルの奥に見えるガラス張りの店舗へ。ウィンドウには高値のちりめん本・和本・絵地図・色紙などが飾られている。店内も、大きな平台・ガラスケース・掛軸収納棚が設置され、通常の古本屋さんとは趣きを異にしている。ただし入口右横に、少量の文庫山と、日本美術の古い本が集まっている。他は、和本!短冊!色紙!掛軸!と、手も足も出ず。奥のガラスケースカウンターで、ちょっと緊張しながら精算。応対はとても丁寧で、書皮まで掛けていただきました。いやぁ〜、ダメ元で足を運んでみて本当によかった。脳内の、寂しい上野周辺古本屋地図に、新しく貴重な点を穿つことが出来たのだから。文春文庫「心に残るひとびと/文藝春秋編」を購入。
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2010年12月26日

12/26神奈川・上大岡 ホンキッズ上大岡


honkids.jpg横浜から京急の各駅停車に乗り換えると、車内に充満したアルコール臭に気付く。周りにいるのは、新聞片手のジャンパー姿のオヤジたち。そのほとんどは日ノ出町で下車して行く…そうか、今日は有馬記念なのか…と同時にすでに家路に着くオヤジたちの姿も…京急、最高!そんな電車で最初に目指したのは弘明寺(ぐみょうじ)だったのだが、見事に空振り。早々に尻尾を巻いて街から引き上げ、ひとつ南の駅へと移動。改札を抜けて西側の『鎌倉街道』へ飛び出して、まずは南へと足を向ける。駅ビルに内蔵されたバスターミナル脇を通り、街道に跨る空中歩廊の下を潜り、三つ目の信号の時計店脇の細道を東へ。京急の高架に向かって進み、二本目の脇道を南に入り込む。すると、おぉ!こんな裏路地に本の並ぶお店の姿。中々どうして、魅力的である。マンション一階の店舗で、店頭奥は敷地の形に沿って棚が並んでいる。軒には配管のために二つに分かれた黄色い看板。ウィンドウ前には薄く小さな本棚がズラッと並び、単行本・文庫が100均で収まっている。入口周りには三本の本棚が置かれ、100均日本文学文庫・100均ノベルス&新書・100均海外文学文庫がそれぞれに並んでいる。中に入ると白く明るく余裕のある店内。特に入口付近は、やけに広い気がする…。その入口周辺はコミックがメインで、古本は左側レジ横の実用・辞書棚くらい。右側奥が、どうやら古本集中地帯となっているようだ。店内に流れる日本語歌詞がついた変な『第九』を聞きながら、奥へ。入口右横には絵本と児童書のラックが続き、右壁に児童文学・新書・女性実用・ミステリ&エンタメ・角川ホラー文庫・日本純文学文庫・ノンフィクション&雑学文庫・戦争・サブカルと並んで行く。下にはラノベが一直線にズラリ。そのまま奥壁に突撃すると、資格・ビジネス・サブカル・タレント・官能文庫・ノベルス・日本文学文庫『あ行』・ティーンズ文庫・ハーレクインとなっている。通路棚は右端の一本のみが古本棚で、日本文学文庫続き・女流作家文庫・時代劇文庫・海外文学文庫で表裏が埋まっている。裏路地のリサイクル古書店で、古い本はあまり見当たらない。店頭の文庫の多さと、何故かくっきりジャンル分けの戦争が、ヌボッと浮かび上がっている。値段は普通。こんな裏通りなのに、大人も子供も次々入店!地元では人気店なのかもしれない…。集英社文庫「マイナス・ゼロ/広瀬正」を購入。
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2010年12月25日

12/25栃木・栃木 吉本書店


yoshimoto_shoten.jpg二ヵ月半ぶりの栃木駅。相変わらずの閑散とした巨大駅で、北口にある山本有三碑も変わらずピカピカしている。青く晴れ渡った空は気持ち良いが、風が東京よりかなり冷たい。首をすくめながら、北口ロータリーの左側から、北西へと延びて行く通りを進む。すぐの『境町交差点』を突っ切り、そのまま道なりに先へ。鯉の多い巴波川を越え、法務局脇を通り、さらに先の交差点も通過。辺りが完全に住宅街になったところで、交差点から200mほどのガソリンスタンド手前に、右の脇道へと導く『古本の店』と書かれた青い店名看板を発見。駅からは一キロ強といったところだろうか。住宅街の割と広い道を東北に歩んで行くと、左手に庭に看板の立つ一軒家が出現。左側の母屋から飛び出した平屋が、店舗となっているようだ。通りから少しだけ奥まったガラスサッシに店名が書かれ、脇にはクリスマスリーフが飾られている。『古本屋さん、メリークリスマス!』と心の中でつぶやき、サッシを開けて中に入る。最初は誰もいない静かな店内だったが、しばらくすると奥から老婦人が姿を現し、元気な声で「いらっしゃいませ」。私も「こんにちは」と頭を下げると、すぐに姿を消してしまった。現在私がひとりで佇むお店はほぼ正方形で、壁際は造り付けの本棚。真ん中に背中合わせの棚が二本と、その入口側棚脇に100均平台(単行本と文庫)が接続。奥には帳場兼作業部屋への扉があり、奥にある本棚と大きな机が見えている。入口右横に、映画・落語・演劇が並び、右壁に日本近代文学・日本文学評論・古い文学本・登山・骨董・工芸・美術と続く。さらに奥には招き猫の一群。半分ほどの本には、手書きの値段帯が巻き付けられている。向かいは、歴史小説・日本文学・エッセイ・ノンフィクション・映画・ハヤカワポケミス・ポケSF・翻訳探偵小説・海外文学が並ぶ。真ん中通路は、右に歴史・栃木本・風土・登山・思想・社会系文庫、左に大体出版社別日本文学文庫・旺文社文庫・海外文学文庫・時代劇文庫が収まる。表の通りをガラス越しに眺めると、風で缶が転がっていったり、猫がゆっくりと歩いたりしている…何だか心休まる時空間。入口左横に登山・自然・動植物…この時、奥から老店主がようやく姿を現し、小さな椅子を持ち出して、店内を見渡せる奥の間の入口に腰を下ろした。左壁に、宗教・科学・思想・哲学・民俗学・栃木資料本、そして奥の間横に言葉・日本語。通路棚には、時代劇文庫・新書・ちくま文庫・創元推理文庫・ハヤカワ文庫・福武文庫・中公文庫・講談社学術文庫・岩波文庫が並んでいる。棚は少しカオス気味で、繰り返し同ジャンルが現れたりする(登山関連多し!)。本の動きも停まり気味で、全体が微妙に古い感じである。しかしそれを飛び越えたかなり古い本も、時々顔を見せてくれる。値段は全体的に高めな設定。本を手に店主に近付く。床の上に小さい椅子で座っているので、ほぼヤンキー座りな状態で精算。そしてちょっとカクカクしながら、ニパッと笑って「袋がないけど、いいかなぁ〜〜」と提案。そんな笑顔を見せられたら『袋に入れてくれ!』なんて、言えるわけがありません!そのまま裸の本を受け取り、「ありがとうございました」とこちらから挨拶。老店主は笑顔を湛えたまま見送ってくれた。青空の下を駅まで戻る。そして駅近くに最近開店したらしい、もう一軒をチェック。が、今日はお休みらしい。仕方ない、来年の楽しみとしておこう。集英社「わが文壇的自叙伝/源氏鶏太」を購入。
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2010年12月23日

12/23神奈川・京急久里浜 ハートブック 久里浜店


heart_book_kurihama.jpg横浜から京浜急行に乗り換え、露頭を中心とした立体的な街を眺めながら、三浦半島を南へ下る。快速にて、およそ35分で目的地に到着。東口のロータリーを越えて、歩道に高い屋根の架かる『ハロード久里浜』商店街へまずは入り込む。東南へと曲がり込んで行く道を、そのまま進んで行く。『国道134号』を越えて、さらに東南へ真っ直ぐ。整備された歩道には、ツヤツヤと光る黒船のレリーフが埋め込まれている。商店街を抜けると学校&団地ゾーン。尚もガシガシ進み続け、駅から一キロほどでお店にたどり着いた。白いマンションの左端一階で、店頭には本を読む犬のキャラ『はじめちゃん』がプリントされた幟が、お店を守るように翻っている…何とな〜く「ブックスーパーいとう」のフクロウに似ている気が…。立看板に『久里浜店』とあるが、チェーン店なのだろうか?初めて耳にする店名だが…。店頭には多数のガチャガチャと、日除けに守られたアーケードゲームがあるのみ。ハートマークのロゴがある自動ドアから中に入ると、横に大きく広がる店内。お店の2/3である左側はすべてコミックで埋まり、ここがリサイクル古書店であることを告げている。古本は、入口右横・右壁棚・奥壁棚・右端通路棚二本に集められている。通路は極狭で、棚は非常に見難い状況。入口右横には面出し実用ムック。右壁棚は実用・ノンフィクション・ミステリ&エンタメなど。微妙な古さの本ばかりである。奥壁にはノベルス・ティーンズ文庫・ゲーム攻略本が収まっている。右端通路棚には日本文学文庫と海外文学文庫が並び、絶版も少々混ざり込んでいる。棚の上には、ビニールに梱包された文庫揃いが積まれているが、それを土台にしてさらに文庫のバラが並んでいるので、崩壊のビジョンを想像させる恐ろしい状態になっている。もう一本の通路棚には、時代劇文庫・雑学文庫、それに赤川次郎・西村京太郎・内田康夫・山村美沙・大藪春彦などの多作家文庫が並び、シメはラノベとなっている。単行本は微妙に古い本ばかりで値段も高めだが、文庫は新しめの本も多く、回転の良さを感じさせる。値段は定価の半額前後。値段の無いものは一律157円となっている。中央のレジで精算を済ませて外へ。駅方向には戻らずに、東南へさらにさらに進んで行くと、そこには海がっ!小さな久里浜海岸の向こうに久里浜港が広がり、夕暮れの中を東京湾フェリーが出航して行く…意外に速いスピードだな。しばらく打ち寄せる波を眺めた後、ここが『ペリー上陸の地』であることにようやく気付く。と言うわけで近くの『ペリー公園』に向かい、やけにスッキリとしたペリーの胸像を眺め、満足して駅へと戻る。駅近くで、限り無く大判焼的な『黒船焼』を手に入れる…。集英社文庫「最低で最高の本屋/松浦弥太郎」中公文庫「吸血鬼幻想/菊地秀行」を購入。

その後、横須賀中央で途中下車し、『若松飲食店街』のマイフェイバリット古本屋「堀川書店」(2009/08/08参照)に立ち寄る。一度夜に来てみたかったのだ。怪しいネオンと共に、真っ暗な路地に浮かび上がるお店は、やはり涙が出るほど最高であった。ハヤカワ文庫「さなぎ/ジョン・ウィンダム」角川文庫「佐藤春夫詩集/堀口大学編」を購入。あっ!角の「Book Garage」は閉店してしまったようだ…。

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2010年12月22日

12/22埼玉・蒲生 プラハ書房


praha_shobo.jpg駅東口を出ると小さいがキレイなロータリー。右側から回り込んで東に進むと、建物の間に真っ直ぐ延びる『蒲生駅前通り商店街』が目に入る。そこにスルリと進入し、万国旗の下を真っ直ぐ東へ。商店街を抜けると『蒲生駅入口交差点』。さらにそこも直進し、次の白い二宮金次郎像の立つ交差点を北へ。途端に空が広がり、進む道はまたもや直線道で、左側にはだだっ広く開けた自動車教習所が展開している。そして200mほど先の右手に、小さくしかし確実に『本』の文字が輝いている!ふぅむ、こんな住宅ブロックにお店が存在しているとは…冷静を装いながらも、血流スピードがグングン上昇!『本』の文字と店名が書かれた看板前を通過し、お店の前にビシッと仁王立ちする!不思議なお店だ…店頭は簡易ガレージのようで、大きな半円のプラ屋根が架かり、右側に均一台と均一棚が集まっている。日に焼けジャリついた、コミック・文庫・単行本が四冊100円。真ん中出入口横には『書道教室』の看板も下がっている。ワクワクしながら、家屋の延長のようなプレハブ店舗にいざ入店!中は広く床は絨毯敷き。入口左にキチッとした本の山に囲まれた帳場があり、壁際はぐるっと本棚。フロアには右側に背中合わせの棚が二本、左に横長文庫台と背中合わせの棚が一本。そして奥に縦長ガラスケースと横長ガラスケースが、一台ずつ置かれている。ほぉ、ちゃんとしたお店ではないか…などと偉そうに考えていたこの時の私は、本当にただの甘ちゃんでしかなかった…。帳場に座る普通のオジサン的な初老の男性に会釈をして、まずは右側通路へ。入口右横には実用、そしていきなりの探偵小説雑誌・ハヤカワポケミス・古い翻訳探偵小説!何だ何だ、このいきなりの重いジャブは!右壁には、官能雑誌と映画、そして大量の日本文学が並び、奥から奥壁にかけて随筆・エッセイ・詩集が並んで行く。日本文学は新から旧まで細やかに並び、作家セレクトの趣味も抜群である。…これは何だか大変なことに…と背後の通路棚を振り返ると、そこに恐ろしき素晴らしき光景が広がっていた!入口側は時代劇・歴史小説が普通に並んでいるが、その後に古く茶色い時代劇・日本近代文学・大衆小説の嵐が渦巻いていたのだ!何だこれは!?こんな棚は神保町でも、そうはお目にかかれないぞ!しかもただ古いだけではなく、戦前戦後のメジャー作家もズラズラ…だ、騙されてるみたいだ。しかも手にする本、手にする本、驚きの安値!あぁ、私は古本桃源郷に迷い込んでしまったのだろうか…もはや足元の映画パンフ・雑誌・EPレコードが目に入らない。奥のガラスケースにフラフラ近付くと、プレミア文学本&雑誌がたっぷりと収まり、さすがにここは高値が付けられている。さらにフラフラと第二通路へ。通路棚右側を見てまたもや仰天!ここにも古い日本近代文学・大衆小説がドッサリと並び、入口側には同じような茶色い海外文学が続いて行く…もはや興奮を抑えることなく棚に喰らいつき続ける。あっ!源氏鶏太の「ホープさん」発見!四刷で帯ナシだが、このキレイさで600円は安い!帳場のオジサンは、もしかしたら古本天使なのかもしれない、とこちらはすっかり古本餓鬼となり、目を血走らせ背後の棚を見る。海外文学がズラッと並び、SFもずいぶんと混ざり込んでいる。端には戦争・ノンフィクション・本&古本&出版関連が充実。第三通路は右に新しめの日本文学文庫が並び、奥に岩波文庫・中公文庫と大量の旺文社文庫や絶版文庫。真ん中の文庫台越しに左の棚を見ると、海外文学文庫・ノベルス・児童文学・雑学文庫・ちくま文庫・バイオレンス文庫・官能文庫と、一部ハードな並び。左端通路は古い読物雑誌が積み上がり、半倉庫状態。がんばって身体を滑り込ませて棚を確認すると、通路棚に新書・選書・ブルーバックス・古い小説新書が整然と並んでいる。壁棚には、大判本・美術・辞書・語学・民俗学・宗教・家庭・愛・紀行・タレントが収まっている。非常にしっかりしたいいお店で、棚造りも細やか。特に右端の通路棚表裏は、どうやって集めているのか、そしてこの値段でいいのか不思議になるほどの、古く幸せで面白い棚となっている!はぁ〜あ、興奮しました。値段は安い!〜普通。古本天使に精算してもらい外に出ると、自動車教習所越しの、空だけが明るい美しい夕焼け。「プラハ書房」よありがとう!心の底からそう思いながら、遠い家路への一歩を直線道に踏み出す。文藝春秋社「ホープさん/源氏鶏太」径書房「あぶらげと恋文/松下竜一」ハヤカワノヴェルズ「地球最後の男/リチャード・マシスン 田中小実昌訳」を購入。
posted by tokusan at 19:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月21日

12/21東京・神保町 田村書店


tamura_shoten.jpg『A7出口』を出て、『神保町交差点』を経由して、『靖国通り』を東へ100mほど。「小宮山書店」(2010/05/06参照)に隣接するお店である…むむむっ?お店、傾いてないか?と思い、わざわざ靖国通りの対岸から見てみると、三階建のビルは右にピサの斜塔のように傾いている。真っ直ぐ立つ外灯と、小宮山書店との隙間でそれは確認出来る。日除けも微妙に傾いてるな…これは本のせい?特に全集のせいでは…などと考えながら再び店頭に立つ。壁には他のお店に引けを取らない店名看板…おっ!上下には「都丸書店本店」(2010/09/21参照)にもあった、盾と富士山のマーク!これはもしや、外国人のためのものなのか。このお店の二階には洋書売場があり、都丸本店もそうだった。謎がひとつ解けたことに軽く興奮しながら、視線を下に移して行く。軒には焦げ茶の大きな日除けがあり、店頭には括られた本が防塁のように積み重なり、さながらお店の入口を防護するカタチになっている。各本の束からは黄色い値段札が垂れ下がり、独特過ぎる風景を生み出している。右に木製の大きな安売り店頭箱、左には100均ダンボールが四箱並び、単行本・全集・文庫がドサドサと詰め込まれている。この店頭箱たちはいつも人気を博しており、常に大の大人たちが鈴なりになっている。靖国通り側には、無料の箱が出現することもある。本の山の内側に入ると、右にプレミア詩集・プレミア文学本が並ぶウィンドウ。その下には黄色い値段札が一面に貼り付いたボード、真ん中に入口があり、左には全集を天井まで積み上げた二階への細い階段。その下の防塁裏には店員さんがひとり立ち、忙しく働きながら精算もしてくれる。入口を潜ろうとすると、ウィンドウに貼られた貼紙(もちろん黄色)に気付く。『運転免許のある30才迄の方』…うわ、両方とも不適格だ。少し凹みながら店内へ。入口近くでは店員さん二人が常に作業中。ハードな働きっぷりである。お店は縦長で、手前は狭く奥が少し広がるカタチ。壁際は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥に本に囲まれた帳場があり、厳しい顔つきの店主がドシンと座っている。その横に立つ男性は、店主に様々な文学関連質問を放ち、何やら教えを乞うている。この店主の雰囲気と、働きまくる店員さんの修行中の如き姿が、店内の空気をガチンと固いモノに仕上げている…緊張するなぁ。入口左横のスチール棚は少し柔らかめで、写真集・映画・探偵小説・幻想文学・文学評論が並ぶ…棚は本の重みで思いっきりたわんでしまっている。左壁棚は、近代美術家随筆・日本近代文学・演劇・風俗・三島由紀夫・寺山修司・野呂邦暢などのセレクト70年代文学・黒岩涙香・日本近代文学研究&評論・音楽・美術が収まる。サイン本が意外に多く、普通に何気なく棚に並べられている。入口正面の棚脇棚には新書や岩波文庫。通路棚の左側には詩集・句集、そしてパラフィンに包まれた日本近代文学がズラリ。頭上は歌集や句集で埋め尽くされている。奥に進むと左壁は少し奥まり、手前の低い美術大判本棚の向こうに、英米文学・世界文学の研究・評論が大量に姿を見せている。通路は狭く、人が棚の前に張り付くと、声を掛けて譲り合って通らねばならない。と言うわけで譲り合って再び入口前。右壁は黄色の値札がビッシリと垂れ下がり、まるで京都・安井金比羅宮の『縁切り縁結び碑』的ビジュアル!ここから全集を購入すれば、何か良いことがあるかもしれない…。そのまま奥に向かって、歴史・思想・哲学・キリスト教・ドイツ神秘主義などが続いて行く。向かいは辞書・全集少々・海外文学となっている。レクチャーを続ける店主の背後には、日本近代文学のプレミア本がズラズラと並んでいるが、パラフィンに包まれ距離もあるので、確認するのは困難な作業である。声を掛けて見せてもらうか、親しくなり右側から帳場に近付くしか道は無い…それはとてつもなく高いハードル…。お店は大きいわけではないが、蔵書の質が“本の街”神保町に相応しい高さを保ち、輝きを放っている。王道をガッチリ押さえつつ、マニアックな部分にも根を下ろし、隙の見えない棚造り!古い詩集の棚は、いつ見ても新しい発見があって嬉しい。値段はちょい高〜高め(店頭除く)。しかし時々、確実に相場より低い値で良い本が売られているのを見掛けたりもする。奥の帳場に譲り合って向かい、緊張しながら無愛想な精算。良く見ると本の山の上に瀧口修造コーナーあり。梱包された本を受け取り、これにて任務完了。黄色い出入口から外に出て、フーハーと深呼吸する。毎回緊張するが、ここで古本を買うのは何か面白く、心を激しく突っつき回してくれるのだった。龍星閣「版画浴泉譜/前川千帆」を購入。
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2010年12月20日

12/20東京・早稲田 ヤマノヰ本店


yamanoi_honten.jpg昨日の仕事のせいで、身体か猛烈な筋肉痛に襲われている。特に階段の下りがままならないほどに…。と言うわけで本日は近場をおとなしくツアー。自転車に乗るのも避け、東西線直通の地下鉄に乗り込んで移動する。軋む身体をギクシャク動かし、『3a出口』から地上へ。目の前には『早稲田通り』から、北の『早大通り』へと延びる道。目の前の信号を渡り、北東へ進路を採る。そして最初の脇道を東に入り込むと、そこはすでに古本屋さんの前なのである。ビルの二・三階から突き出た大きい壁看板が、教育書の専門店であることを謳っている。教育には一切関知していない私が、入ってもしょうがないお店なのだが、古本屋ツーリストとしては素通りするわけにいかないのである。二階ベランダには、シンプルと言うかちょっと間の抜けたような店名看板、その下には箱のような緑の日除けが架かっている。路上には頭の大きな店名看板。店頭は右がウィンドウになっており、あまり食指の動かぬ教育関連箱入本が横積みされている。左には安売り店頭棚があるが、こちらもかなりの硬めとなっている。果たして私に買える本があるのだろうか?…いや、きっと何か見つかるはずだ、と軽く葛藤しながら店内へ。…おぉ、何と静かなる知と研究の地層!人間の教育の研究ぅ!縦長の店内は両壁に天井までの造り付けの棚、真ん中にはスッと屹立して奥へと延びて行く二本の背中合わせの棚。奥に見える帳場も、上面下面側面が本棚で固められている。古本たちは、まるで踏み締められたかのように、キッチリビッチリと棚で直線を生み出している。…うぅっ、勝てる気がしない。左端通路に進むと、早速教育本の先制パンチ!左壁には、教師・学校全般・教育ノンフィクション・小学校・中学校・高等学校・大学…何と言う恐ろしい並びを見せているのか…。向かいは教育全般・非行・不登校・少年犯罪・教科書・指導要項…見れば見るほど難解な世界が展開して行く…。真ん中通路は、まずは入口側に教育心理・児童心理・ガイドブックが並び、左に図画工作・美術・音楽・理科・算数・数学。右には児童詩研究&評論・児童文学研究&評論・国語と収まる…書いていてちょっと頭が痛くなってくるなぁ。右端通路は、左側に児童心理の続き、そして発達障害・学習障害・犯罪心理学・女性問題・部落・同和と並んで行く。右壁棚は、心理学専門書・体育・スポーツ(古いスキーの本多し)となっている。帳場周りには、言葉・遊び・などが固まっている。物凄く硬いお店なので、気軽に入っても買う本はまず見つからない。しかし古い本も多いので、教育・心理学に関わる人にとっては、かけがえのないアーカイブなのではないだろうか。児童文学関連・心理学・スポーツに一般人の光明あり。私は女性問題のコーナーにて突破いたしました。値段は高め。奥のカッコいいカウンター帳場に進み、魚河岸的なエプロン姿の老店主に精算していただく。不意を突かれたようで、レジのスイッチを慌てて入れております。ふぅ〜、自分のベクトルとクロスしないお店、さらに趣味関係ではなく教育関係のお店となると、必要以上に神経を消耗してしまう。このお店に足繁く通うのは、一体どんな方なのだろうか…やはり古本屋の世界は、まだまだ奥深く広がっているのだった。帰り際に店頭にて、2000年作成の「新宿古書マップ」を手に入れる。時事通信社「マネキンガール 詩人の妻の昭和史/丸山三四子」を購入。
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2010年12月18日

12/18静岡・本吉原 渡井書店


watai_shoten.jpg富士山が見事なフォルムを見せてくれる、東海道線・吉原駅ホームの西端から、跨線橋を渡って岳南鉄道のホームへ移動。ローカル色満点の電車を待っているのか、多数の鉄道ファンがカメラを手にしてウロウロしている。緑色でガラスの汚れた二両編成の電車に乗り込み、三駅先を目指す。電車は製紙工場の間を進み、到着した無人駅は、崖のように高い工場の壁の下に張り付いた、日陰の駅であった。ホームから下りて踏切を渡り、北の大通りへ。どこまでも付いて来る富士山は、やはり美しい。通りを西に向かって進み、ひとつ目の信号『和田町公園』のある脇道を北へ。200mほど進むと、渋い街の商店街の道に突き当たるので、そこを西へ。素敵な古いパン屋のある十字路を過ぎると、右手に『本』の文字が見えて来た!あれか〜、とお店の前に仁王立ち…しかし何だか古本屋さんっぽくない。店頭には『ゆうパック』『年賀ハガキ』の幟が翻り、窓には新刊雑誌のポスターがペタペタ…おまけに見えている店内は新しい雑誌ばかり。…うわぁ、こんなとこまで来てやっちゃったなぁ〜、とお店の前を力なく離れ、ちょっと先の交差点で対策を考える。「古本屋名簿」を見ると、ちゃんと『古書一般』って書いてあるけどなぁ…。仕方ないからちょっと戻って、「weekend books」に行ってみるか。しかし!その前にもう一度確認しておこう。そうだ、静岡の地図を買うことにして店内を偵察すれば…と未練たらしく再びお店の前。意を決してサッシを開けると、奥深く天井の高い店内。その最奥に立っていた、老齢の神代辰巳風店主と視線がガッチリ。少し気圧されたので、頭をちょっと下げる風にして右側通路へ避難する。入口の左横にレジがあり、壁は本棚、フロアには右に長い背中合わせのラックがあり、左に天井までの背中合わせの本棚が一本。新刊雑誌・アダルト雑誌・コミック・文庫・ノベルスなどで、ラックも棚も埋まっている。新刊ばかりと思ったが、良く見ると所々に色褪せた本が顔を出している。…う〜ん、古本にも見えるし、棚晒しの新刊にも見えるし…と奥まで行って真ん中通路をレジ前へ。そして左端のアダルト通路に入り込むと、右側棚と奥の部分に古本たちが集まっていた!よかった!古本だぁ〜。こりゃ入ってみないと判らないな。難関を乗り越えた達成感に包まれながら、右側棚から視線を動かして行く。充実の静岡関連本(文学・歴史・自然・民俗学・鉄道・地理など)・歴史・日本刀・江戸風俗・箱入り資料本、そして奥壁に書・心霊・映画・演劇・骨董・陶芸・日本文学・文学評論が並んでいる。新刊書店とアダルトの山を突き抜ければ、古本と対面出来るお店である。ジャンルは硬めなので、値段も高めな傾向。神代店主に精算していただき、満足しながら外へ。出たところで、お昼ゴハンをまだ食べていないことに気付く。先ほどの素敵なパン屋『日東ベーカリー』で、アンパンとカレーパンとオミヤゲのドーナツを買い、帰りの電車の中でムシャムシャ。口を動かしながら車窓を眺めると、鉄道ファンのカメラの砲列がそこかしこに出現している!…何だかスゴイことになってるなぁ。みなさんの写真に、パンを食ってるオッサンの姿が写り込んでいないことを、願って止みません。雄山閣「日本の首塚/遠藤秀男」を購入。
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2010年12月17日

12/17神奈川・白楽 お手当て&貸本・古本 猫企画


nekokikaku_rokkakubashi.jpg西口改札から出て、凸凹の細道を抜けると駅前の大通り。神大生の流れに逆らうように、南に向かってゆるゆると坂を下ると、今日のお店が…うわっ、シャッターが下りてる。…困るなぁ。この間、白楽に来た時はちゃんと開いてたんだが…シャッターにも何も情報はナシ。しばし冷たい緩やかな坂の途中で呆然。仕方ないな。「鐵塔書院」(2008/08/15参照)を見に行って、頭を冷やして体勢を立て直そう。と、坂を再び下る。大きな『六角橋ふれあいのまち』のアーチを潜り、さらにトボトボ。すると視界の右手に何やら違和感存在感…ううわっ?あれ古本屋さんか?今までに見たことの無いお店がっ、突如出現している!新しい古本屋さんだっ!『六角橋商店街』の『六角橋仲見世通り入口』の角地に、そのお店はいつの間にか姿を現したのだった!この『六角橋商店街』は小さなアメ横のようになっており、大通りから一本奥の長さ300mほどの路地的通路には、屋根が架かり小さなお店が並びひしめいている。かつては何故か『商店街プロレス』なるものも行われ、商店が破壊されていたことも。ここを通り抜けるたび、『ここに古本屋があったら…』と妄想するような、素晴らしい空間なのである。店内に見えている本棚に早速飛びつきたいところだが、まずは外観を確認して…やや?この立看板のイラスト、そしてこの店名…「猫企画」っ!!!!あの黄金町にあったお店(2009/11/15参照)が、移転・復活したお店なのか?軒には店名と共に猫がマッサージするイラスト看板。その下には原色の異様なイラストが描き巡らされている。店頭は二面ともガラスサッシで、出入口は開けっ放し。窓にはポスターやマッサージの値段表(やはりあの猫企画に間違いないようだ)が貼られ、路上にはお隣の居酒屋の看板と共に、立看板と100均店頭箱が置かれている。黄金町の『ちょんの間』店舗の次は、六角橋商店街か。やるなぁ〜と、激しく感心しながら店内へ。一見して、相変わらずのハチャメチャぶりが伝わる内装。まず右奥にコタツスペースがあり、若い女性がスッポリ入って店番中。左窓際にはフレームの棚、左奥にある二階への階段壁に本棚、奥壁にも壁棚が設置されている。入口右横にはチラシラックと共に雑誌棚・空っぽの店舗用冷蔵庫、そして角に小さな棚が置かれている。右壁も本棚で覆われ、フロア真ん中には低〜い平台があり、ポップ付きの本たちが面出しで置かれている。床の色タイルが恐ろしくキレイである。以前より格段に広くなっており、本の量も増えたようだ。左のフレームラックには、「暮らしの手帖」・猫・ファッション・エッセイ・占いなど。階段壁には、音楽・新刊特殊雑誌・セレクト文庫の海外文学&日本文学・若手日本文学が並ぶ。奥壁棚は、プロレス・格闘技・コミック評論・映画・サブカル・ポップカルチャー・みうらじゅん・思想・社会。入口右横棚は「STUDIO VOICE」などが収まる雑誌棚で、角棚にはドラッグ関連と性愛。右壁はすべてカルト&セレクトコミックを並べている。以前と変わらぬ、若者の才気&前のめり&疾走感あふれるお店である。二階でマッサージや、貸本システム(二冊・一週間300円)もあり。先日訪れた「こたか商店」(2010/12/15参照)と、何だか同じ匂いを勝手に感じるので、いつの日か邂逅していただきたいものである。値段は様々で、安め〜ちょい高。コタツの女性は、貸本のシステムを説明してくれたり、購入本について様々な情報(「この作家はUSTREAMで番組を…」)を教えてくれたり、とてもフレンドリー&親切です。それにしても「猫企画」っ、驚いたぞっ!そして白楽はますます、ミニ『古本屋の街』に拍車が掛かっている!駅を出たら「猫企画」→「鐵塔書院」→「小山書店」→「相原書店」→「高石書店」が白楽古本屋ルートに決定!う〜ん、楽しい。青山出版社「隅田川のエジソン/坂口恭平」を購入。
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2010年12月16日

12/16神奈川・橋本 白山書店


hakusan_shoten.jpg駅南口を出たら西へ向かい、『橋本駅南入口交差点』『国道16号』を経由して、西へと延びて行く『国道413号』に入り込む。後はひたすら津久井湖方面を目指し、行き交う車の群になぶられながら三キロほど西進。『津久井交番前信号』を通過し、歩道橋を潜ると、道が南東に曲がり落ち込んで行く…ずい分と山が近くなった気がする。やがて道は五叉路の『川尻交差点』にぶつかるが、そのまま津久井湖方面へ直進。道はさらに落ち込むような坂となり、アーチ状に架かる小さな歩道橋を潜ると、下りながら南に大きくカーブする。さらにそのまま緩くなった坂を下って行くと、左手に横長な二階家が見えて来る。これが目指して来た古本屋さんなのだが、平凡な住宅的側壁とは大違いな、正面ファサードが大変に素晴らしいことになっている!それはまるで、西部劇のセットのようで、まったく古本屋らしくない、二階にガンマンが潜んでいそうなお店なのである!うぉぉおぅ、これはカッコいい!脇で傾きまくっている看板さえも味となっている。軒のレンガ部分には、大きく『古本屋』の文字と共に店名がある。上げ切っていないシャッターの下に見えるのは、左右二つの扉と、そこにベタベタと貼られた取扱品目。その店頭は、早くも素敵な西部劇とは乖離した様相を見せてしまっている…。左の扉は取っ手が外されているので、使用していないのだろう。貼紙の隙間から、中に明かりが点いているのを確認し、カチャッと軽い扉を開けて店内へ。お店は白くシンプルだが、ちょっと煤けて殺風景な雰囲気。入口左横に、やたらと居住性の高い横長カウンター帳場があり、そこに座る芦屋小雁風店主に「こんにちは」と頭を下げる。壁際は本棚で覆われ、真ん中に背中合わせの棚が二本、奥壁中央に住居への入口があり、奥側はちょっと薄暗くなっている。店内BGMなどは一切無く、白いお店に店主が新聞を捲る音だけが響き渡る。右端通路は、壁棚一面と通路棚手前にコミックが並ぶ。70〜80年代の絶版漫画も多く混ざっているようだ。バラは50円と格安な設定である。通路棚中央から奥にかけては、ハーレクイン・実用ノベルス・ノベルス・雑学&教養系文庫が並んでいる。奥壁には児童文学・児童入門書・日本文学が収まる。真ん中通路は、右に海外文学文庫・ティーンズ文庫・日本文学文庫・少量のゲーム攻略本&新書が並び、左はすべてコミックとなっている。左端通路は実用・経済・句集・文学・ガイド・社会・歴史・教育・スポーツ雑誌などが、カオスに棚を占領している。非常に大衆雑本的なお店で、70〜80年代の本が多く、時が停まり気味…が、その分探す楽しみあり。下段はホコリまみれな傾向にある。値段は安い!文庫は50円、単行本も200円程度となっている。静かなる精算を終えて表に出る。冷たい風は吹いているが、別に丸まった枯草は転がって来ない…しかし背後を見上げると、そこには西武開拓地の建物が!帰りは乗り合い馬車よろしく、バスにて駅へと戻る。おぉ、あの長く寒い長距離が、まるで嘘のようだ。オレンジのバス・神奈中よ、ありがとう。角川文庫「二十歳のエチュード/原口統三」文春文庫「ある勝負師の生涯/木村義雄」を購入。
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2010年12月15日

12/15東京・野方 こたか商店


kotaka_renewal.jpg風の冷たい夜の『早稲田通り』を自転車でギコギコ。息を切らせ腿を酷使しながら野方へ向かう。目指すは2010/02/18に訪れた怪しいお店なのだが、何と11月に大幅なリニューアルを行ったと言うのだ!果たして古本はまだ売っているのか…?焦りながら前のめりに自転車を立ち漕ぎし、夜を切り裂いて前進して行く…。南口の、相変わらず目を釘付けにしてくれる『野方文化マーケット』前に到着。お店のほとんどがシャッターを下ろし、堅固な殻を見せる中、左側通路入口にお店の看板が、強力なライトに照らされてしっかりと輝いていた。以前とは意匠を異にする新しい立看板で、そこには『古本』の文字も健在!…よかった。女子古着の絵と共に、古本もちゃんと描かれている。それにしても、路上・通路にはみ出すのは古着ばかりで、中の店頭もすっかり古着屋風…昔の異様な店構えは、影も形も無くなっている。これはこれで非常に入りやすいのだが、以前のインパクトが強かったため、少し寂しく感じてしまう。店内もスッキリ爽やかの古着がメインで、おかしなモノは一切置かれていない。詩吟マシーン、何処に行ったのかな…。本棚は左奥に大二本・小一本が並び、こちらもスッキリ爽やかである。ビニール梱包は相変わらずで、アンダーグラウンド・ノンフィクション・北朝鮮・サブカル・オカルト・タレント・プロレス・エロ・カルト映画ビデオ・カルトコミックと、棚造りも相変わらずのB・C級本。足元にも古本箱があり、お店で持て余したかのような、古い硬めの本が突っ込まれている。何だかとても可愛くキレイになってしまったが、棚は相変わらずなのでホッと一安心。ぜひこれからも、本棚はこのままでお願いしたい!そしてもっといかがわしくお願いしたい!精算を頼もうと、通路を堰き止めるように置かれた古着の向こうを覗き込むと、通路に出されたテーブルで、それぞれの作業をする若い男女の姿。男性は以前もお店にいた黒縁眼鏡の若者で、顔をマフラーに埋めた女性は、何とアボガドを調理中…違う意味で何だか面白いことになってます…。日本経済新聞社「古代トーキョー大発掘/山崎浩一」を購入。
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2010年12月14日

12/14東京・下北沢 LIBERAL ARTS LAB DARWIN ROOM


darwin_room.jpg駅南口を出て『下北沢南口商店街』をダラリダラリと下って行く。雨上がりの平日の日中で、若者たちの姿もちょっと少なめである。商店街を抜けて、パッと広がる広場のような通りに出て、そのまま自然に『茶沢通り』方面へ歩いて行く。賑わいの『王将』を過ぎると、西には「古書 赤いドリル」への小道。こちらには後で立ち寄ることにして、さらに『茶沢通り』に向かって進むと、左手の大通りと小道に挟まれた角地に建つお店が、目に飛び込んで来た。マンション一階の店舗は、角に向かって出入口を開け放ち、軒には木板が張り巡らされ、そこに小さな鉄製の看板文字。白い壁と木の窓枠にはツタが絡まっている。大通り側には、珈琲を飲みながら読書するチンパンジーのイラスト看板、その下の地面には『おいしいコーヒー』『古書・標本 etc.』の赤い標識が刺さっている。ここは自然科学の古書や、それに類する標本などが売られているお店なのである。木で構成された店内に入ると、何やらヒーリングミュージックのような音楽が、耳に流れ込んでくる。すぼまった入口部分から、奥に向かって広がりを見せる店内には、ガラスケースや様々な木製棚やテーブルが複雑に置かれている。そこに並んでいたのは、昆虫標本・鳥やシマウマの剥製・化石・鉱物・地球儀・人形・仮面・レプリカ標本・文具・雑貨などで、さながら博物館の倉庫、もしくはヴンダーカマー(驚異の部屋)を彷彿とさせる光景を出現させている!そしてその間に垣間見える、麗しき古本棚たち!入口近くには自然科学系の、大判のビジュアル本や絵本類。左の明るい窓際には、旅やシェークスピア全集。その奥にラックがあり、文学・思想・文明・ビジュアル本が飾られている。さらに奥のトイレ前にも細い棚があり、思想関連が並んでいる。真ん中辺りには小さい棚が集まり、文学を中心に思想・美術・フィールドワーク・植草甚一・インド・講談社学術文庫箱など。そして右壁に、このお店の眼目である自然科学の本が集まり、図鑑・天文・動物・博物学・化石・植物・昆虫・人類学・考古学・文明・思想・民俗学・世界などが並んでいる。意外なほど古本が多く、そこかしこに潜んでいる。専門的と言うよりは、広範囲な棚造りで、ジャンルも自然科学だけに限らず、思想・文学がかなり混ざり込んでいる。立花隆多し。値段は高め。店内には女性店員さんが二人おり、狭い通路をスイスイ動きながら、お客さんに標本や剥製について、フレンドリーに説明している。みな説明と目の前の標本たちに笑顔を見せ、嬉しそうに店内を回遊して行く。私は古本ばかり見ていたので、一度も説明を受けることなく、奥の木製カウンターにて精算。このお店が出来たことにより、駅南口から『茶沢通り』への古本ルートが強固なものとなった。「幻游社」→「DORAMA」→「赤いドリル」→「DARWIN ROOM」→「気流舎」がベストであろうか。河出書房新社「旅の民俗学/宮本常一」を購入。

この後「赤いドリル」に直行すると、週末の「五反田古書展」準備のため、床に本の山が溢れ出している状況。それでもお店に長居させていただき、しばし歓談して命の洗濯をする。講談社文庫「砦に拠る/松下竜一」鱒書房「妖婦伝/綿谷雪」を購入。
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2010年12月12日

12/12群馬・三俣 山猫館書房


yamaneko_kan_shobo.jpg最初にたどり着いたのは、東武桐生線終点の赤城駅。暖かい日差しの中、意気揚々と古本屋さんに向かったのだが、お店はすっかり休日モードな、“赤城おろし”ならぬ“シャッターおろし”…なんでだ!「岐阜古書センター」(2010/10/16参照)が小さくなったような、良さげなお店なのに…。今日もしょぼくれて駅まで戻り、上毛電鉄にて前橋方面へ向かうことにする。このローカル線は、自転車をそのまま乗せてもOKなアナーキーな路線なのだが、さすがにおばさんが普通にママチャリと共に乗車して来たのには、軽いカルチャーショックを受けてしまった…。そして四十分ほどで目的駅に到着。車内で切符を回収箱に落とし、北関東の無人駅に降り立つ。電車が発車するのを待ち、すぐの踏切を渡って北へ向かい、最初の交差点で西に曲がり込んで前橋方面へ。400mほど歩けば、『三俣町交差点』の手前でお店を発見出来る。古い店舗と古い住宅に挟まれた、古い低い二階建てのお店で、二階には大きな縦型『古書買入』看板と、本と黒猫のイラスト。その下に、店名が漢字とローマ字で連続する、ひしゃげたような日除けが掛かる。店頭には虎猫が描かれた立看板と、左に100円句集・単行本・新書棚と店名扁額、右に絵本&ムックラックと100円単行本棚が置かれている。店頭棚は排気ガスとホコリで汚れぬよう、厚手のビニールがデロッと掛けられている。猫のイラストが描かれたサッシを開けて中へ。外観同様の古い横長店内は、古本がミッシリと詰まっている。通路にも、括られた本や本の入った木箱が、整理されつつも溢れており、行き止まり通路・進入不可部分・棚を確認出来ない部分を造り出してしまっている。基本は、壁際は本棚、入口の左右にも本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本(棚脇棚もあり)。右奥に帳場があり、背後に事務所的生活空間がちょっと広がっている。そこには壮年の男女が二人、お互いの場所をうまくチェンジしながらお仕事中…おぉ、女性の方は何時ぞやの前橋古本市(2010/04/03参照)で見掛けた方なのである。移動出来る通路は“山”の字を逆さにした部分だけで、しかも両端はかなり短い。そして狭い。確認出来た部分だけを列記して行く。入口右横には自然・中国・美術・ビジュアルムック、左には絵本ラックが置かれている。真ん中通路右側は、海外文学文庫・官能文庫・教養&雑学文庫・SF文庫。左側には、海外文学文庫・古い新書・時代劇文庫・アダルト・漢詩など。帳場前には絵本・児童文学・登山。右側通路には、宗教・群馬&前橋関連・みやま文庫・江戸風俗・SF・星新一・横田順弥・豊田有恒・都筑道夫・日本文学・演劇・劇画・漫画・新書・アイドル写真集が見えている。帳場左横には、古本関連・詩集・萩原朔太郎・幻想文学が集まっている。ここは石油ストーブが置かれているので、棚を良く見ようと近付くと、腿が熱くなってしまいます。左側通路は、幻想文学続き・海外文学・思想・哲学・美術・句集・歌集・日本文学文庫・梱包材。棚造りが良質なだけに、棚の1/2が見られないのは残念である…下の方が見てみたい!しかし群馬で、萩原朔太郎関連を見られるのは嬉しいことである。値段は普通でしっかり値付けな感じ。いつの間にか奥でご飯を食べ始めた男性に代わって、女性店主に精算していただく。帰りは前橋駅まで歩いて…と思ったが迷いそうになったので、城東駅から再び上毛電鉄に乗って、前橋中央駅へ。あぁ、帰りの時間を合わせると、今日も七時間電車に乗っていたことに…。昨日と合わせると十六時間か。もはや古本屋ツアーと言うよりは、鉄道路線乗り潰しツアーの趣き…。ますます過酷さを増して行くツアーではあるが、まだまだこんな所で挫けるわけにはいかず、ジタバタ足掻きまくって継続します!日本ソフトバンク「電子ゲームの快楽/遠藤雅信vs安田均・中沢新一vs竹田青嗣」を購入。
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2010年12月11日

12/11富山・富山 今井古書堂

越後湯沢より、特急・はくたか6号に乗り換える。最初は枯れ木と枯れ草の山間と、トンネルと水の無い水田が続くだけだったが、一時間ほどで日本海と接触!予想外に穏やかで緑がかった海は、海岸沿いを西に列車が進んで行くと、その色を次第に青く深く変化させて行く。やがて左には、雪を被って霜降り肉のようになった立山連峰。その神々しいまでの険峻さに目を奪われながら、列車はゆっくりと市街地へ滑り込む…。


imai_koshodo.jpg駅南口のロータリーから脱出し、東寄りにある市内電車の停留所『富山駅前』から、古い路面電車に飛び乗って大学前方面へ。路面電車、いやチンチン電車は、もう乗るだけでニコニコ出来る幸せな乗り物である。三駅目の『丸の内』で下車すると、そこは『城址公園』の真ん前。南に接する『国道41号』を渡って東に向かい、二本目の小道を南に進むと『市民プラザ』の裏手に出る。建物に沿うように南に歩き、突き当りを東に向かうと、視線の先『城址大通り』の向こうには、看板文字が派手な『総曲輪通り商店街』が見えている。そして大通りの手前、市民プラザ裏手に目指すお店を発見!小さな古い三階建てビルの一階が店舗となっている。路上には青い立看板、前面はガラスとサッシで構成され、上部には店名(こちらは「今井書店」と書かれている)、窓は一面『本買受』の貼紙で覆われている…どう見ても不動産屋の店構えである。サッシを開けて店内へ…ほぉう、芳しき古本の香りが充満している。コンクリ床の店舗は奥行きがあり、両壁には合計二十本以上のスチール棚がベタリ。フロア真ん中には片側八本ずつの背中合わせスチール棚がズズイッと二本。その先には木箱の重なりがあり、最奥に倉庫的棚も交えた広い帳場が見えている。そこには横向きに石原慎太郎風店主が座り、壁のテレビでサッカー・プレミアリーグを観戦中。出入口の左右では、ビジュアル本&ムック・雑本棚、和本の置かれたラックがまず目に入る。右壁には、世界文化・思想・哲学・社会・中国・演劇などが、多様にカオスにひたすら並んで行く。奥の方はビジュアル本・大判本・図録・作品集が収まっている。向かいは新書から始まり、雑学文庫・教養系文庫(ジャンル分けあり)・岩波文庫・海外文学文庫と並ぶ。奥に進むほど絶版率が高くなり、大いに見応えあり。そして棚脇の木箱には、さらに絶版文庫が続いた後に、唐突に出現した感のある貸本漫画群が収まっている。貸本漫画はこの裏側と、左側の棚脇にも置かれている。立ったりしゃがんだりして、上へ下へと忙しなく視線を動かしながら真ん中通路へ。右側にはハーレクイン・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫、そして奥に探偵小説文庫・日本純文学文庫・日本近代文学文庫がズラリ。ここも絶版が目白押しなので、目が皿になること請け合いである。向かいは、古典文学・日本語・俳諧・文学評論&評伝・日本文学・宮澤賢治関連・源氏鶏太・八切止夫・戦前文学本が収まる。左端通路は、壁際に富山関連本(自然・文化・文学・民俗学・歴史)・美術・骨董・民芸・日本刀・民俗学・風俗・江戸・米騒動・薬売り、そして後は箱入り資料本が並んで行く。通路棚は、考古学・古代史・歴史・宗教・禅・北陸資料本。単行本は硬めな並びだが、日本文学評論と富山関連本が突出。そして絶版文庫と貸本漫画が驚きを与えてくれる。しかし、値段は高めのスキ無しなのであった…。相変わらずサッカー中継に夢中の店主に声を掛け、素早く精算。無事に富山での輝かしい第一歩を、美しく刻むことが出来ました!教養文庫「茶室と庭/重森三玲」を購入。

しかしその後が大変であった。第一歩に続いて第二歩も、と市内電車『上本町』横のお店を目指すが跡形も無し。空には突然厚い雲が垂れ込め、冷たい風が吹き始める。続いて富山駅まで戻り、北口から『富山ライトレール』に乗り込み、路面電車とはちょっと違う、低い視点と快適な乗り心地で、富山港近くの「伊波世書店」を目指す。突然の雷雨にめげずにお店にたどり着くも、銀のシートで目隠しされた扉はピッタリと閉ざされていた…。そして富山滞在タイムリミットが近付いて来る。しょぼくれて駅まで戻り、はくたか19号に乗車。…これなら八時には東京に着くな…と思っていると、強風のため糸魚川にて運転見合わせ…あぁ、私は東京に何時に戻れるのだろうか…。
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2010年12月10日

12/10東京・西八王子 さわやか記念文庫


sawayaka_kinenbunko.jpg駅北口から外に出て、横長駅前広場の右奥隅から『甲州街道』へ。『西八王子駅東交差点』で街道を越え、目の前の『馬場横丁』を真っ直ぐ北西に進む。道が終わり、柿の木が生えた土手に上がると、優しく綺麗な水が流れる『南浅川』の畔。川沿いのサイクリングロードを東北にちょっと進むと、交通量の多い『陣場街道』が現れる。『水無瀬橋』を渡り、鉄の馬車・鉄の馬と共に北西に遡上して行く。遠くには街道が続く山々の姿…東京の市街地から峠に向かって、昔の風景をオーバーラップさせる街道をテクテク歩くことは、何故こうも私の心を清々しくさせてくれるのだろうか。そのまま遥か遠くの峠に向かいそうな勢いで、先へ先へと歩いて行く。『横川町信号』で大きく右に曲がり込み、ウネウネとさらに先へ。そして『中央自動車道』が見える『しろやま川』の手前、『三村橋東信号』前にそのお店はあった。駅からはおよそ二キロほどであろうか。店名から察するに、昭島の「さわやか文庫」(2009/08/29参照)と深いつながりが…と思っていたが、日除けのキャッチコピー『古今東西の英知の缶詰 価値ある途中下車』を見て、それは確信に変わった。それにしても、線路際の昭島店にこのキャッチは判るが、道路前の途中下車は一体どうしたら良いのか…バスか?マンション一階の店舗には、恐ろしく横長な日除けがあり、店頭右側に七本の壁棚が確認出来る。微妙だが広い意味で珍しい単行本を含み、新書・廉価コミック・文庫・カバー無し文庫がドッサリ並ぶ。棚の縁に『あれこれ迷ったら厚い本』の、小さなアドバイスあり。棚前には重そうな雑誌と全集のラックがデン。左側の入口周りには、雑誌・ムックの並ぶラックと新刊平台がある。扉を開けて中に入ると、横長で圧縮陳列な構成で、圧倒的に静かで少し寒い。壁際はすべて本棚で、フロアには横向きに長い背中合わせの棚が四本並んでいる。入口側から三番目の通路は右奥が行き止まりとなっている。それ以外は棚の端や中途に開けられた通路で行き来が出来るが、その幅は恐ろしく狭く、身体を横にしないと擦り抜けることは叶わない。左壁中央に帳場があり、その前後も棚でガッチリ固められている。手前はハーレクインと女性実用と本の山、奥はアダルトが収まっている。入口右横にはビジュアルムック・ガイドブック・50円文庫の棚があり、その裏に回り込むと手前側第一通路である。ここは入口側近辺に教育・児童文学・絵本・漫画評論が集まり、奥はすべてコミックが並んでいる。第二通路も入口側に最近刊文学本&文庫・ゲーム攻略本・美少女系小説が集まり、奥がすべてコミックの構成。何だ何だと思いながら真ん中の第三通路へ踏み込むと、おぉ!恐ろしい数の文庫が狭い通路にひしめいている。奥まで片側に十一本の棚がダ〜ッと続き、岩波ジュニア新書・ラノベ・海外文学文庫・中公文庫・ちくま文庫・岩波文庫・同時代ライブラリー・講談社学術&文芸文庫・教養文庫・作家50音順日本文学文庫・奥の袋小路部分に歴史・時代劇文庫と並び、合間にノベルス列や単行本列、文庫揃い列もあり。通路が狭いので、棚をすべて確認するのは一苦労である。そしてここで初めて帳場に座る、美しきサラサラ黒髪のご婦人を確認…ご家族の方だろうか。それにしてはすべての作業に手馴れており、その動きは古本屋さんそのものである。彼女の前を緊張して通って第四通路へ。手前側に美術図録・作品集・デザイン・歴史・歴史文庫&新書・思想・民族学。奥側が自然・辞書・新書・宗教・オカルト・科学・鉄道・クイズ・麻雀・将棋・囲碁。右奥壁は音楽が集まり、途中から第五通路の奥壁棚につながるように、文学・エッセイ・ノンフィクション・社会・政治・映画・演劇・サブカル・タレントなどが、カオスに混ざり合って展開して行く。第五通路の手前棚には、スポーツ・登山・アウトドア・昆虫・ペット・動植物・旅・実用・資格・受験・詩歌・建築が収まっている。蔵書量が多く、ちょっと古めの本も目に入り、いい本も微妙な本も並ぶ棚造り。何かあるんじゃないかと、端から端まで見ずにはおられません!値段は安めだが、プレミア値の付いている本もあり。西八王子の古本屋はこれで三軒目。広く点在しているカタチだが、八王子と合わせると、かなり充実した古本屋地帯となる。さらに日野・豊田を合わせて、一日に九軒のお店を巡るのも、何だか楽しそうである。講談社文芸文庫「アメン父/田中小実昌」小学館文庫「マニアの路面電車/原口隆行」を購入。
posted by tokusan at 18:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

12/9東京・神保町 遊星堂


yuseido.jpg『A4口』を出て『白山通り』へ。北へちょっとだけ向かい、すぐの脇道を西へ入り込む。ビル街の裏通りである。最初の脇道を北に進めば「ブック・ダイバー」(2010/03/01参照)だが、今日はそのまま真っ直ぐ西へ。100mほど進むと、横断歩道がしっかりとある十字路。ちょっと広めの道を北に向かうと、左手に時の荒波に揉まれた古い商店建築が出現。その横の白いタイル張りの小さなビルに、本日の訪問先が入居しているのだ。路上には簡素な細いフレームの立看板。二階の内側から黒いビニールで目隠しされた窓を見ると、そこには店名と『古書漫画』の文字。ここは絶版漫画や高円寺「ゴジラや」(2009/09/17参照)のように、特撮関連が充実したお店なのである。訪問は今日が初めて。建物の右側に回り込み、薄暗く狭いエントランスに入り込んで、さらに薄暗く狭い階段を上がる。すると奥に白いあまりに素っ気無い扉…これがお店なのか?しかも中の様子は全く伺うことが出来ない…左壁を見ると、そこに一枚の紙が下がり『遊星堂 営業中 →入口』と書かれている。ここまで来たんだ、勇気を持って進め!と取っ手を押し下げ店内へ。おぅ!中にはちゃんと本棚。そして、入口右横にある簡素な帳場に座った店主と視線がバチバチ…ペコリと会釈。が、店主はノーリアクション…まぁいい。お店に入れたのだから。在りし日のハンサム・ガイと言った感じの中年店主は、ただ静かにパソコンと対峙し続けている。店内は正方形でこじんまりとしている。窓際&壁際の三方はスチール棚が並び、正面窓際から仕切りのように飛び出す棚が一本、右奥のフロアにはガラスケースが置かれ、帳場横にも一本棚が張り付いている。左窓際は絶版漫画から始まり、サンコミックス・朝日ソノラマ・サンデーコミックス・秋田書店・「冒険王」・「テレビらんど」などが続き、奥に特撮関連単行本・ケイブンシャの大百科別冊・TVドラマ単行本・特撮&アニメムックが並んでいる。向かいに漫画評論&雑誌・復刻漫画などが収まり、裏側にはレモンコミック・児童入門書などが並ぶ。足元にカルタやプラモデルの入った箱あり。奥窓際は、カルト劇画・大衆漫画誌劇画・永井豪が揃い、右壁際には赤塚不二夫・石森章太郎・ジャンプコミックス・KCコミックス・少女漫画がズラリ。帳場横には、しっかりと漫画の王様・手塚治虫。ガラスケースには上に特撮ブロマイドが置かれ、中にはプレミア景品やおもちゃが恭しく飾られている。さらに帳場横に特撮&アニメEPレコードの箱。昭和40〜50年代の絶版漫画が輝きまくったお店である。いわゆる古本類はそれほど多くなく、しかも新し目が中心。どちらかと言うとムックの方が遥かに充実を見せている。値段はちょい高〜高め。まぁほとんどがプレミア本なので、当然か…。一冊漫画を抜き出したのだが値段が付いていない。帳場に差し出しその旨を告げると、「なんで値段が付いてないんだろう…」と自分に激しく訝しげ。しかし即座に「300円ですがよろしいですか?」と算出。こちらも即座に快諾し、そして精算して再び暗いビルの中。少年の日の思い出がギュウギュウに詰まったお店を後にする。新潮社「金星樹/佐藤史生」を購入。

その後「羊頭書房」(2008/12/05参照)に立ち寄り、先日『橋本平八と北園克衛展』で見た、ハヤカワ文庫「あなたに似た人/ロアルド・ダール」を探す。この本、北園克衛装丁・田村隆一訳のダブルネームなのだ。隅の棚で見事発見してニヤニヤ。250円であった。
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2010年12月08日

12/8茨城・荒川沖 古書ヒロ書房


hiro_shobo.jpg日暮里から常磐線特別快速で五十分。西口を出ると広く人気の無いロータリーで、脇の美容室から空しくなるほどの大音量で、サザンの歌が流されている。西へと延びて行く、静かで風だけが吹き抜ける商店街に入り込む。突き当たった通りを北へ、直線に600mほど進む。すると『国道六号線』と合流し、すぐに『学園東大通り入口交差点』。ここから北西に進路を採り、『東大通り』をつくば方面へテクテク。道は恐ろしいほどの直線で、ず〜っと先が見通せているはずなのだが、私の視力では進む先が渾然一体となり、もはや判別不能となっている。沿道は畑と大型施設が繰り返し続く状態。そんな道をひたすら進むと、またもや600mほどで『中村南6丁目交差点』。そこからさらに先へ進むと、左手にボーリング場の看板が見え、その手前に『中村南6丁目北交差点』。ここから北に延びる県道に入り込む。その先に見え続けるのは、住宅や畑や倉庫的建物…本当に古本屋さんはあるのだろうか?恐ろしいいつもの不安が頭をもたげてきたその時っ!歩道の右側が開け、辺りとは異質な黒い建物が姿を見せた!黒い屋根の上には狼らしき動物の姿。黒板壁には手彫りの店名看板、左側に中へと誘う出入口…観光地の洒落た喫茶店風だが、正真正銘古本屋さんなのである。店頭台などは無く、店頭ベンチに括られた本の束があるのみ。カチャリと中に入ると、奥の店主と早速目が合ったので、まずはお辞儀をする。すると「いらっしゃいませ」の声が掛かり、立ち上がって電燈や暖房のスイッチを入れてくれた。ちょっと長めの髪をオールバックにした、トレーナー&ウェストポーチの野性味溢れる壮年店主である。店内は広く視界良好で、棚も床も木造り。壁は本棚で覆われ、奥に帳場&作業場、真ん中には大きなテーブルが置かれている。床の所々には本の山が築かれ、少し雑然とした雰囲気。そして右壁手前に奥の部屋への入口があり、壁際に十六本のスチール棚、真ん中に本の島と四本のスチール棚を詰め込んだ空間となっている。入口左横のビジュアル本ラックと、テーブルの上の絵葉書・古写真・紙物を眺めてから入口右横の棚へ。占い・建築・茶道・香道・思想・京都書院アーツコレクション・宗教が集まっている。奥への入口を飛ばして、奥の右壁棚へ。骨董・美術・美術作品集が奥までズラズラ並んで行く。入口左横には、オカルト・民俗学・自然の棚があり、広い左壁棚に収まるのはほとんどが歴史本となっている。一部に風俗・三島由紀夫・寺山修司ゾーンあり。いよいよ右側のギッシリ部屋へ。手前側の棚はすべて戦争&軍隊関連で埋められ、向かいの二本にもそれは続く上、床に溢れる本たちにも続いて行く。右奥壁は、日本文学・文学評論・古本&本関連。奥側の壁棚には、オカルト・科学・児童科学・美術・美術図録・俳句が並ぶ。向かいには、アジア・世界・政治。そして真ん中の大きな島は、ビジュアル本・雑誌・単行本で構成されている。戦争・美術・歴史の三本柱が強大で、教養度の高いお店である。パラフィンに包まれた古い本も多く、戦争&文学は何度も指で背の部分を押さえ、背文字を必死に読み取った。値段はちょい高〜高め。ふぅ、長々と店内を徘徊してしまった。一冊の本を手に、パソコン作業中の店主に声を掛け、帳場にぐるっと回り込んで精算。帰り道は再びの殺風景な直線道と、先ほどまでいた異世界のギャップを、頭の中で転がしながらテクテク歩く。ふと見上げると、頭上には『東京59km』の表示。苦労して来たのに、案外近いんだなと感じてしまう…あぁ、私はすでに『ツアーインフレ状態』に陥っているようだ。もっと遠くへ!と言う気持ちが、無駄にウズウズザワザワ…。岩波書店「イーハトーヴォ幻想/司修」を購入。
posted by tokusan at 17:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする