2011年03月31日

3/31東京・神保町 荒魂書店


aratama_shoten.jpg『神保町交差点』近く、『白山通り』から『神田すずらん通り』にアプローチすると、すぐに左手にメタリックなペンシルビルが現れる。目指すお店はそのビルの二階にあり、初めての訪問である。路上に立看板と、ビル入口上に店名。二階窓には『ビジュアルコレクション 文芸書』とある…何だか妙な取り合わせだ。左側の狭い階段を、ぐるぐる左巻きに二階へ。白いフレームのガラス扉が半開きなお店の入口。中に入ると、そこはほとんど通路。右壁際にはスチール棚が並び立ち、派手な色彩のグラビア雑誌やエロ系情報誌が、ビニールに包まれ大量に収まっている。奥へ進むと縦長な部屋になり、美しく整頓された店内。右壁はスチール棚に続きしっかりとした本棚に変わり、左壁にも本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本。左手前には大きな帳場があり、白髪ロン毛の歴史教師の如き店主が、手元で何やら作業をしつつ、時折カンニングを見張っているかのように、上目遣いに鋭い視線をお客に向けている。その素早さはまるで居合い抜き!そして本の色彩はより毒々しくなり、アイドル系写真集・多ジャンルのアダルト雑誌がチカチカひしめく…が、右壁手前には違和感100%の光景が広がっていた!欲望の本棚を割るように、五本ほどの棚にパラフィンに包まれた文学本が整然と並んでいるっ!何と言う不可思議な構成!まるで、飲み屋や風俗店が肩を寄せ合う裏通りに、折り目正しい本屋が紛れ込んでいるようだ!開高健・吉行淳之介・井伏鱒二・大江健三郎・太宰治・三島由紀夫などを並べる日本文学&近代文学・直木賞&芥川賞&江戸川乱歩賞受賞作・少量の日本現代文学(南伸坊・椎名誠が目立つ)・時代劇&歴史小説(井上靖・柴田練三郎・池波正太郎多し)・推理小説(黎明期&ブーム期の本を中心に)・幻想文学・詩歌句がズラズラ。昭和三十〜五十年代の本が中心で、値段札に『初版』『絶版』『品切』などの項目あり。値段は高い本がほとんど。本を手にして帳場に向かった瞬間、オヤジさんの居合い抜き視線にバッサリ。まだ距離があるのにすでに精算体勢に入っており、本を受け取るや否や、愛想良く素早く精算。尚このお店、同じ『すずらん通り』沿いに、アイドル系雑誌&映像関連、ポスター類を多数集めた『ARATAMA』と『ポスターコレクション』の二軒がある。…よもやこっちにも文学本は無いだろうな…。文藝春秋「生存者の沈黙/有馬頼義」を購入。
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2011年03月30日

3/30群馬・高崎 古本 一寸堂


chottodo.jpg赤羽から高崎線に乗って、大宮から各駅停車でトコトコ…湘南新宿ラインは運休中なのである。東口に出るのは初めてで、真新しい空中広場が展開している。左手の『LABI』内を通り抜けて、駅前の『東三条通り』を北進。広くて真っ直ぐな地方都市的大通りである。『東町交差点』『江木町交差点』と500mほど進むと、左手に大型パチンコ店が現れ、そのさらに先に『群馬レジャーランド高崎駅東口店』の、巨大で形容し難い色彩で立体駐車場を備えた建築が、青空に挑むように建っている。要は巨大なゲームセンターなのだが、ここの三階が常設の“室内型フリーマーケット場”として開放されており、その中にどうやら古本も含まれているらしいのだ。…まぁ期待はしていない。本が並んでいるのが見られれば、御の字なのである。薄暗く、ゲーム機だけが光り輝くフロアを通過して三階へ。あぁ、本当にワンフロアが雑然としたフリマ会場。小さな棚やガラスケース、スチール棚、衣装掛けで造られた一坪ほどの店舗が、秩序や統一感無く広がって行く(ちなみに皆無人である)。そのほとんどは古着と雑貨で、中には古道具・アンティーク・おもちゃ・CDなどのプロっぽいお店も。私はそんなお店たちを、一軒一軒覗き込みながら、店内をウロウロ。実用本・コミック・児童本・ベストセラー本・沖縄本・鉄道切符・絵葉書などが紛れているのを見つけるが、どのお店も一塊ほどなので、どうも気持ちが乗ってこない…。エスカレーター前の柱脇に、本がそれなりに並んだ横長ボックスを発見するも、コミック・雑誌・文庫・単行本が、身を斜めにして雑本的に寄せ集まっているだけ…こんなものなのか、ともはやあきらめながら、エスカレーター左方向奥へ。おやっ!?すると柱の脇に待ち望んだまとまった姿の本棚が見え、紙看板だが古本屋として名乗りを挙げている!こ、こんなところに…嬉しい誤算だ。五本の無骨なスチール棚が“コ”の字に組み合わされ、真ん中には低いがテーブルのような棚。古本はすべて300円均一で、『定価が50円の本も100円の本も全部300円です。これは新刊書店では手に入りにくい古本ですのでご容赦下さい』との但し書き。ジャンルは、社会・タレント・漂流記・図書館・読書・サラリーマン&会社・時代劇・政治・生き方と、あまり見られないような棚造り。興味はそれほど無いが、これはこれで面白いなぁ。とにかく、古本屋のようなものに出会えたことを大いに喜び、端っこのレジにて精算。そこで貰ったチラシを見ると、スペース出店は月額9800円から・委託販売手数料は売り上げの10%、となっている。単純に計算すれば、月に三十七冊売れれば、出店料は賄える計算だが……。静かな人気の無いフロアから階段で一階へ。駅へと戻り、お土産に『焼きまんじゅう』を買い、再び高崎線・各駅停車の人となる。駅をひとつも黙殺せずにトコトコ…。徳間文庫「読書談義/渡部昇一・谷沢永一」を購入。
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2011年03月29日

3/29東京・上板橋 コミックひろば


comic_hiroba.jpg昨日に引き続き自転車で上板橋。羽虫が暖かい陽気を喜ぶように飛び交い、顔に当たり口に飛び込んで来る。時刻はすでに夕暮れ。何故なら向かっているお店は、夜にしか開いていないらしいのだ(情報源はいただいたコメントからである)!駅からなら『上板南口銀座』を抜けて『川越街道』へ。南側歩道を東に500m。『東新町交差点』脇にそのお店はあるのだが…午後五時なのにまだ開いていない。しばらく近辺を流し、「高田書房」(2009/05/27参照)や昨日も前を通った「林屋書店」で時間を潰す。五時半過ぎに再びお店に向かうと、やった!開いてる!歩道には忙しなく明滅する黄色の立看板、店構えは普通のサッシ…軒にも何処にも店名は無い。右側入口に営業時間の小さな貼紙があり『月〜木17:30〜1:00/金・土1時間延長/日 定休日』となっている。中は静かで寒くて縦長な店内。壁際は本棚で、真ん中に二本の背中合わせの棚。右側棚手前は低いボックス棚となっている。右壁手前に帳場が隠れており、トレーナー姿の白髪老店主。右奥はアダルトスペースとなっている。コミック中心のお店だが、所々に古本を確認出来る。右端通路は帳場横に児童文学とアダルト雑誌、奥に実用ムック。真ん中通路は最奥部に、ノベルス・新書・サブカル・タレントが紛れ込んでいる。そして左端通路には古本ががっつり集まる嬉しい光景。右側はコミックだが、左壁に出版社別文庫(主に新潮・光文社・角川・講談社)・ハヤカワ&創元文庫・ハーレクイン・実用・カルチャー・ミステリ&エンタメ・スポーツ・ゲーム攻略本。文庫は細い棚が十二本で、値段無しは定価の60%引き。残りは六本の通常棚で、値段無しは定価の70%引きとなっている。最上段には文学単行本が並び、足元には児童本と角川文庫の箱が置くまで続く。文庫の量が多く、品切れ・絶版も多いが雑本的である。値段は安い。帳場に声を掛けると、一拍遅れて「いらっしゃいませ」。精算中に「お店は何と言う名前なんですか?」と聞くが、答えは無し…ところが二拍遅れてこちらにグイッと身を乗り出し、耳に手を当てつつ「何かおっしゃいました?」と逆に聞かれる。先ほどの質問をゆっくりと大きめの声で繰り返す。「あぁ、“コミックひろば”って言います。前の人がその名前でやってたのを、そのまま引き継いだんですよ」とのこと。お礼を言って外へ出ると、夕闇が濃くなった川越街道。自転車で、冷たくなり始めた空気を切り裂いて行くと、目の前をコウモリが、縦に落ちるようにヒラヒラ…。角川文庫「野生の叫び/ジャック・ロンドン」誠文堂新光社「超合金大百科」を購入。
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2011年03月28日

3/28東京・上板橋 ブックセンター


book_centre_kitamachi.jpg東武東上線の鶴瀬に向かうが、もはやテナント募集中の空振り。すぐさま自転車を停めてある上板橋駅に引き返す。ところがひょんなことから、上板橋に『ブックセンターサカイ北町店』なるお店があることが判明。三月の初めに訪れた蓮根にあるマイナーチェーン店のひとつである。駅南口から『上板南口銀座』に入る。道なりに進んで行くと、右手に健在なり!な「林屋書店」(2010/02/03参照)。さらに進むと信号が現れるので、そこから西へ歩を進める。150mほどで『上板南口銀座』のゲートを潜り、商店街の圏内から脱出。さらに西へ西へ進んで行くと、新たな『北一商店街』のゲートが現れ、ここからは練馬区に入り込む。そこから50mほどで、右手に何処かで見たようなお店を発見。「ブックセンターサカイ」(2011/03/08参照)と似た素っ気無い店頭には、『本』の文字がある店名看板、そして濃いグレーの壁棚が不思議でむしろ洒落たレイアウトで、単行本・文庫・ノベルスの100均本を収めている。入口左横には安売りコミックコーナー。さらに店内に入ると、左に「ブックセンターハスネ」(2011/03/08参照)にそっくりな帳場があり、オヤジさんが何故か横向きで二つ折りになっている…物凄い店番体勢である。そして店内BGMは、朗々とした合唱中心の児童唱歌…音、かなり大きいです…。店内には店頭棚と同色の本棚が並び、横向きに三本の行き止まり通路の構成。第一の通路は、一部に女性系本&実用・最近刊本・エロ雑誌を収めつつ、大半はコミックとなっている。第二通路もコミックで埋まっている。そして奥の第三通路に古本が集められている。歴史・文化・風俗・社会・新書・ミステリ&エンタメ・海外文学・歴史小説・エロ雑誌・ノベルス・時代劇文庫・雑学文庫・ノンフィクション文庫・ちくま文庫・岩波文庫・中公文庫・海外文学文庫・日本文学文庫・雑誌・ムック・写真集。三つの兄弟店で、一番リサイクル店度の高いお店である。値段は普通。文庫を買ってカバーを掛けてもらったが、このカバーもリサイクルらしく、波立ち毛羽立っていた…。外に出て看板を見ると、店名下部にテープが貼られ、透かし見ると『サカイ』の文字がうっすら…。どうやら先日の蓮根の二店も含め、『ブックセンターサカイ』の枠組みを解体し、それぞれが独立した形となっているようだ。おぉ、それぞれの道を歩き始めた『街のふるほんや』三兄弟に幸あれ!…でもまだ他にも何処かに兄弟が潜んでいる可能性があるなぁ…。講談社文庫「日本国大崩壊/明石散人」を購入。
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2011年03月27日

3/27神奈川・綱島 FEEVER BUG


feever_bug.jpg綱島に新しい古本屋が出現!と言う嬉しい情報をコメントにていただく。提供者に感謝しつつ、尻尾をちぎれんばかりに振って、喜び勇んで東横線!中央口から西口に出て、駅前商店街を南へ。するとすぐに人々と車が集中する小さな交差点。クロスする通りを北西に進む。建物が接近して建て込み、空の狭い状態が続く。次の信号を過ぎて、クリーニング屋の角を南へ。すると道がカクッと折れ曲がる右手マンション一階に、本を剣で刺したイラストがちょっとハードコアな、巨大店名看板が目に入る。この店名…FEEVERはFEVERとは違うのだろうか?BUGは虫…熱狂虫…?頭の悪い読み解きをしながら、薄暗いエントランスに入ると、奥にガラス張りの白く明るいお店があり、しっかりとした棚が見えている。店頭には立花が並んでいるので、開店ホヤホヤであることが判る。嬉しいなぁ。中に入ると洒落た洋楽がかかり、広くシンプルな構成。左右の壁際は本棚、真ん中に背中合わせの棚・背中合わせのラック棚・背中合わせの棚が縦に並んでいる。左奥にはアダルトスペースがあり、その外側も壁棚となっている。奥はちょっと広めな空間が採られて、最奥に横長のレジカウンター、右奥にガラスケースが一台あり。まずは左壁棚に近寄ると、早速ただならぬ雰囲気が漂い始めている…なんか、こう、アングラ感とサブカル感とカルト感とマイナー感が色濃いのだ。思いっ切りなのだ!日本の小説(町田康多し)・海外小説・美術・アートとまずは並ぶが、カルト&幻想色強し。「話の特集」・植草甚一・寺山修司・鈴木いづみ・根本敬・みうらじゅんなども目立ち、サブカル・民俗学・水木しげる&荒俣宏・UFO・オカルト・魔術・呪術・人物評伝・思想・哲学・宗教・歴史・ノンフィクション・ミリタリー・アウトロー・動物・植物・昆虫・サイエンス・教育・旅・タレント・バラエティ・医学・HOW TO・エロス…あまりに濃厚でデロドロ感がとにかく満点。下にはムックや雑誌が背を見せて並び、右端に『村祖俊一特集』と銘打ったエロ漫画コーナーもある。向いには、ちょっと古めのカルチャー系新書少々・同時代ライブラリー・講談社学術文庫・ちくま文庫・日本文学文庫・海外文学文庫・雑学文庫と並び、ドラッグ・連続殺人・映画・音楽(文章ミュージシャンや早川義夫充実!)・アニメ・ゲーム・漫画評論が収まっている。左から二番目の通路は、左に大量のセレクト音楽CDが並び、邦楽洋楽共にちょっとした専門店の趣き。右にはカルチャー雑誌&映画雑誌がダスダス並ぶ。入口正面には平台ディスプレイがあり、おススメグラビア誌やムックが飾られている。三番目の通路は、左に絵本と児童文学、右は漫画揃い・絶版青年漫画・復刻漫画・カルトコミックの列。右端通路は、入口側に現在の少年コミックと青年コミック。奥には絶版少年コミックと絶版劇画が並んでいる。諸星大二郎プッシュ気味!ガラスケースに飾られているのはプレミア漫画ばかりで、サンコミックスやジョージ秋山・エロ劇画などを確認出来る。レジ横の壁棚には、音楽DVD・バラエティDVD、そしてカルト映画を核にした邦画・洋画DVDが並んでいる。1970年代を地平にして、とにかく濃くてマニアックなことになっており、極めて男子なお店なのである。「まんだらけ」的と言ってしまえば大雑把だが、店主の思考と嗜好がそれをソリッドに削り上げ、センス良くちょっと突き抜けた個性的なお店に昇華している。古本の値段は普通〜高め。絶版漫画には良心的な値付けのものも多い。レジに近付くと、ハンチングに黒縁メガネの若者が応対。古本屋さんと言うよりは、まるっきりDJのようである。それにしても綱島に面白いお店が誕生したものだ。また来よう!晶文社「東京モンスターランド/榎本了壱」を購入。
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2011年03月26日

3/26 東京・月島 あいおい古本市


aioi_furuhonichi.jpg2010/08/28に訪れた『相生の里』。そこでの古本市が、南陀楼綾繁氏と古書現世・向井氏の力を加え、大幅にバージョンアップした!これは行かねばなるまい!『A2出口』から地上に駆け上がると、前方にエプロン姿で坊主&マスクの男性がおり、胸には『あいおい古本市』の札。私を見るなりちょっと身を起こし、頭をカクンと前に下げる…どうやら先の会場への案内役らしいのだが、何故私が古本市を目指していると喝破したのであろうか?取り合えず私もぎこちなく会釈するが、場所は知っているので案内を乞うことも無い。二人して次の出方を探り合いながら、カクカクして通り過ぎる…まるで秘密の合図を交わしているようだ…。通りを東北に進み、早くから営業中のレバカツ屋前を過ぎると、そこにも案内人が一人立ち、背後に『古本市開催中』の赤い幟が翻っている。どうやら正面玄関からも入れるようだが、私は以前と同様、運河の畔からのアプローチを選択する。美しい鉄骨の『相生橋』横のキレイな土手道に入り、黒く波立つ運河を眺める。そして奥に進んで行くと、オープンウッドデッキに展開する市に入り込める。以前より規模は大きく、建物内にも古本が進出している。古本市の出店者は三つに分けられ、一番大きいのは若手古本屋さんグループで、ピチピチと生きの良い店主たちと本の並びが、会場内をグッと引き締め盛り上げている。その次はある意味今回の目玉であもる、子供たちが出品する『こども一箱古本市』のグループ。そして最後は以前の市と同様の『あいおい文庫』による『バリューコーナー』(本は100均で、売り上げは今回の地震被災者に寄付される)となっている。ウッドデッキの右端にバリューコーナーがあり、建物際に手作りパン屋と、上下二段の箱が二十と本棚が二本。その前に本が詰まった二十六の箱が二列で平台に乗り、一番外側に背中合わせの棚が三本。左奥の建物入口横に『こども一箱古本市』ゾーンがあり、五組の親子が営業中。建物内は入口右横に帳場があり、左壁際に本棚が七本、真ん中に十四本の本棚と木箱+平台で大きな島が造られている。ジャンルはコミックから学術まで、古い本から新しい本まで、一般から専門までとバラエティ豊か。各お店の特色もしっかりと出ている。全体に良質で、お店によってはかなりの安値!欲しい本が次々見つかる現象に、喜びつつもちょっと慄く複雑な心境…いや、基本的には楽しいんですけどね…と言うような感じなので、自制しつつも本の量は増えて行く。そしていよいよ子供たちのお店の前に立つ。「いらっしゃいませ〜」とお行儀よく店番をする子供、箱の周囲を飛び回る子供、お父さんにしがみつく子供、母の膝の上で大の字になる子供、すでに姿の見えない子供…その営業姿勢は様々であるが、この子たちはこんな幼い時分に、古本屋稼業に足を突っ込んで大丈夫なのだろうかっ!周りには大量の古本、それに群がる大人たち、それを売る古本屋さんたち!一体どんな古本エリートが生まれてしまうのか…嬉しいようなコワイような彼らの行く末を勝手に想像しつつ、お店を流して行く。基本的には絵本や児童書なかりで、しかも低学年寄り。これは子供を持つお母さんや、同世代にしか手の出ないラインナップである(中には親の本らしきものが並んでいるところもあるが)。しかし何か買いたい。そして大好きなかこさとしの絵本を発見出来たので、これを買うことにする。「すいません、これを下さい」一瞬ポカンとこちらを見上げるお父さんと二人の子供。「あっえっ?ありがとうございます!やった助かった!」と喜ぶお父さん。本を渡すと、年上の子供に「中に挟まってる紙を取って値段を言って」。慌ててページを繰る子。そして「100円!」。「ハイ」とお金を差し出すと、戸惑いながら小さな手で受け取る。小さい子は私を見上げて固まったまま…素敵な古本屋さんになるんだぞ、心の中で恐ろしいエールをこっそり送る。この後、主催者のひとり南陀楼氏に挨拶。忙しげに会場を飛び回り、イベントを牽引している。さらに古書赤いドリルさんや、先日の西荻ブックマークで知遇を得た「アホアホ本エクスポ」の中島氏とも出会う。お昼を過ぎると、会場内には人が増え出し、活気溢れる状態が続く。やはり人が集まり、話し、笑い合うのは純粋に楽しい。このようなイベントは、買った古本と共に、先へと歩き続ける糧となる実感が湧く。明日もこの市は、様々なイベント共に続くので、お時間のある方は下町散歩がてら、遊びに行ってみてください。それと私は、古本箱がダ〜ッと並び、横でプロレスが行われ、みんなビールを飲みながらダラダラしている、前回のようなイベントも大好きなので、こちらのパターンもまた開催希望!古書赤いドリルにて市民文庫「長田幹彦集/野田宇太郎編」角川新書「大阪-昨日・今日・明日-/小野十三郎」講談社「わが青春浮浪伝/唐十郎」を。古書現世にて「プレイガイドジャーナル 1081・5」を。西秋書店にて金澤文学文庫「コクトオの旅日記/三木英治」を。店不明、西田書店「建築はほほえむ/松山巖」を。フラワー堂にて偕成社「どろぼうがっこう/かこさとし」を購入する。

帰りに原宿の太田記念美術館で『小林清親展』を観覧。光景の中に版画で定着された、光と薄っぺらい幽鬼のような、人々のシルエットにゾクゾクゾワゾワ…。
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2011年03月25日

3/25神奈川・大口 ブックピット大口


book-pit_oguchi.jpg葬祭のため、早朝から横須賀へ。色々終わって午後二時過ぎ。昼間からしたたか酔っ払いながら、京浜急行を横浜で下車。さらに横浜線で二駅。寂し過ぎる東口に出ると、強く冷たい風が吹き始める。その風に逆らうように、ロータリーとも言えぬ小さな広場から東へ。入江川を越えて、「ブックマート」を左に見て大通り。そこを北に進み『神之木公園入口信号』を過ぎると、左手に派手な色彩とネオン管を備えたお店が現れる。今は昼間で白く寂しげだが、夜は盛大に輝くのだろう…と思ったら、『節電の為、ネオン消灯実施中』の貼紙あり。ご苦労様です。店頭にはラックが八台ほど並び、ファッション雑誌・写真週刊誌・漫画雑誌・実話系雑誌がズラズラと並んでいる。自動ドアには店名からの連想か、チェッカーフラッグをモチーフにした店名があしらわれている。と言うわけで、私も早速ピット・イン!横長の店内は棚も多くごちゃついている。正面レジの背後にはアダルトスペースが広がっており、レジ周囲にはファミコン・スーファミソフト・ゲームソフト・攻略本・CD・DVD・VHS・コミック揃い…左側に目をやると、ギュッと圧縮されたコミック棚が展開している。少し焦りながら店内を徘徊。すると左奥の手前窓側通路に、ようやく向かい合わせの古本棚を二本発見。店名に『ブック』とついてるのに、冷遇されてるなぁ。その少なさにガッカリしながらも、目玉を棚に滑らせて行く。サブカル・タレント・ノンフィクション・実用・ハーレクイン・雑本文庫・時代劇文庫・新書ちょっぴり…目ぼしいものなどあるわけも無く、瞬時にツアー終了!並んでいるのはここ最近の本+周辺の本で、値段は安め〜ちょい高。その中から一冊を選びに選んでレジにて精算し、すぐさまピット・アウト!さらに強くなった風に、ほてった顔を心地良く打たれながら、一年七ヶ月ぶりの、相変わらずトロリとした街に、すぐさまお別れ。飛鳥新社「さらばわが青春の『少年ジャンプ』/西村繁男」を購入。
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2011年03月23日

3/23東京・本蓮沼 ゆうけい堂


yukeido.jpg一仕事済ませて、JR板橋駅から都営三田線・新板橋駅まで歩く…あれ?「ふたご堂」(2009/06/15参照)が消滅している…。いつもより一層薄暗いような地下鉄に乗り込み三駅。目指すお店は二月に新しく出来たお店である。先日の「ブックセンターサカイ」(2011/03/08参照)と言い、今現在都営三田線沿いの古本屋地図が、何気に書き換わろうとしている(板橋区限定)!『A1出口』から出ると、目の前は『蓮沼アスリート通り』と言うスゴイ名を持つ通り…400mほど先にスポーツ関連施設が集中しているための命名であろう。そして新開店のお店は、すでに右側前方に見えていた。立方体のような三階建ビルの一階で、二階下部に赤い『本』の看板が突き出している。店構えはひどく地味で、一見して古本屋さんとは判らないほどである。しかし、通り越しに注意深く目を凝らすと、店内に本棚と窓際の店名&買取品目看板が確認出来る。それにしてもこのお店、真ん中のビルエントランスを境に、二つに分かれているようだが…。交通量が多いので、『中山道』側の信号を渡ってお店の前へ。ふむ、やはり左右にひとつの古本屋さんが分かれたセパレートタイプ。ビル内の「堀川書店」(2009/08/08参照)と言った趣きである。左の方が狭く、三方の壁に本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本のシンプルな構成。右は入ってすぐが帳場になっており、左店舗への人の出入りも確認出来るようになっている。壁際は本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥は左奥の倉庫へとつながっており、そこには横向きに背中合わせの棚が一本置かれている。まずは左側へ。道路側には足元にダンボールが置かれ、海外文学文庫を中心に100均で収められている。左の壁際は女性実用・女性系文庫・上段に日本文学・細かく作家分けされた日本文学文庫。向かいの通路棚は、時代劇文庫と日本文学文庫の続きとなっている。奥壁にはミステリ&エンタメ・歴史・戦争・世界・旅・ガイドが並ぶ。右壁はちくま文庫・朝日文庫・海外文学文庫・雑学文庫・新書となっている。向かいにはビジネス・タレント・100均文庫&単行本。比較的新しい本が中心である。続いて右側へ。口ひげの壮年店主が、作業中の顔を上げ、小さな声で「いらっしゃいませ」。帳場前には小さな文庫棚やゲームソフト棚がある。帳場の店主背後には、文学や思想のちょっと古めの本が収まっている。奥へ進むと、左右壁・通路棚共にコミックが並んでいる(一部DVDあり)。スルーしてササッと奥へ。真ん中の横向きの棚にまずは対峙。手前には文学評論と歴史、奥には映画・演劇・落語・音楽・岩波文庫・美術・プロレス・競馬・スポーツ。奥壁の右側はコミックが並んでいるが、左側に海外文学・民俗学・オカルト・宗教・グラビア雑誌類。非常にしっかりとした街の古本屋さんである。古い本などはあまり無いが、大衆的な品揃えがバランス良くいい感じ。値段は普通〜高めでスキ無しの構え。どうかこれから、地元にペタッと定着していただき、勇名を馳せることを願っております。遅ればせながら開店おめでとうございます!河出文庫「ボトルの方へ/田村隆一」を購入。
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2011年03月22日

3/22東京・武蔵小山 シグマ書房


sigma_shobo.jpg午後になっても止むはずだった雨は止まない。東急目黒線で武蔵小山へ向かうが、ボーっとして西小山まで行ってしまう。すぐ来た上り電車でようやく到着。東口に出てすぐの巨大アーケード『PALM商店街』に入ると、人の流れはあるが雨空と節電で薄暗い屋根の下。音楽はほとんど流れておらず、人の喋り声と動く音が移動し続けている。私もその流れに入り込んで、商店街を東南へ。『PALM1』『PALM2』と進み、商店街の中枢『パルム会館』に立ち寄る。壁の全体図で、目指すお店が『PALM4』にあるのを確認。再びアーケードの人となり、さらに東南へ。駅からおよそ400mほど、右手に書店らしき姿が見えて来た。見上げると、アーケードから下がる商店街共通の看板に、青い本のシルエットと共に『Σ』の文字!下に目を移すと、入口上部に片仮名で『シグマ』!!店頭にはダンボール箱で作られた平台が多数展開し、単行本や雑誌が面出しで並ぶ独特な雰囲気…ここは新刊書店なのだが、古本も販売しているお店なのだ。このタイプは武蔵小山では「オークラ書房」(2011/01/26参照)に続いて二店目…いいぞ!武蔵小山!平台の間を縫うように進み、店内に入ると、ちょっとだけ床が上り坂。右にはレジがあり、白い眉毛が隆々&雄々しい大柄な老店主がひとり。目がバチッと合ったので会釈しながら奥へ。おぉ!!遠近法を学ぶにぴったりの奥行きがある店内。壁はぐるっと造り付けの本棚、真ん中手前には左に雑誌ラック、右には下にラックを備えた背中合わせの本棚、奥は左右共背中合わせの本棚となっている。通路をうろつきながら本棚を眺めて行くと…な、なんだこのハイクオリティな棚造りは!これが商店街の本屋なのかっ!?文学・詩歌・宗教・思想・科学・漫画(手塚治虫・水木しげる・つげ義春…)・映画・音楽・落語・建築・歴史・写真・戦争・風俗・政治・社会…などなど激しく細かくジャンル分けされ、そのジャンルに対して文庫・新書・単行本問わず、心を掴む精度の高い本が並べられているのだ!下の平台やラックには、面出しされた本が知のモザイクを形成している。知のリレーとモザイク…教えてくれていると言うよりは、どうだ!と言わんばかりの突っ走り方!優しさゼロの、知識の鋭い刃が、ヒュンヒュンと棚&平台から飛び出して来る…なますになりながら最奥へ。すると左右壁の終わり部分と、奥壁に“コ”の字型に古本の姿が。右壁から、新書・絶版漫画(高値)・雑本的文庫・カラーブックス、奥壁にビジュアル本・思想・心理学・全集端本・「ガロ」・「同棲時代」雑誌サイズ・700円ちくま文庫・児童文学・ペーパーバック・ハヤカワポケミス(箱入りあり)、左壁に朝日文庫・中公文庫・ちくま文庫・講談社学術文庫・絶版漫画・エッセイなど…。値段は普通〜高め。しかし新刊の並びに比べたら“なまくら”だなぁ〜…と思いつつ本を選ぶ。古本と新刊を一冊ずつ手にしてレジへ。すると店主はスックと立ち上がって、古本を見るなり200円引!ありがとうございます!ついでに何故古本が売られているのか聞いてみると、「あ〜あれはね、元々委託販売で置いてたものなんだけど、もうブックオフにいいようにやられちゃってね。だから今年の三が日に、店頭にダ〜ッと古本全部並べて売ったんだな。奥のはその残り」…なるほど。尚、新刊棚には店主のお眼鏡に適った古本が、絶版本として並んでいることも。『Σ』の文字が勇ましい書皮を掛けていただき、再び商店街の人となる。講談社学術文庫「洞穴探検学入門/山内浩」河出文庫「ブコウスキーの酔いどれ紀行/チャールズ・ブコウスキー」(新刊)を購入。そしてこのお店は、先日の『西荻ブックマーク』にて、来場してくれた若者カップルに教えていただいた。感謝です!まだ他にも手掛かりを手に入れているのだが、それはまたいずれ。
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2011年03月21日

3/21神奈川・丹沢山系のお膝元でリサイクル系と思いきや二店!

本数の少なくなった小田急線で、神奈川県南西の丹沢山系の足元へ向かう。海老名を過ぎると、乗客は極端に少なくなり、静かな静かな秦野盆地を電車がゴトゴト…。


book_eco.jpg●東海大学前「BOOK・ECO」
駅を出ると、山の匂いを含んだ冷たい雨が降りかかる。目をつけていた北側のお店にまずは向かうが、無情のシャッターアウトだったので、要再訪。続いて南口に出ると、新しく大きく立派なロータリーが展開。駅の名が『大根』だった昔の面影は、今はもう無い。駅前の大通りを東へ。そしてひとつ目の信号を南へ入ると、もうお店が左手に姿を見せた。スムーズなアプローチである。見た目は思いっきり地元のリサイクル古書店。ウィンドウの左に見える『大学教科書 新品定価の50%引き』の幟が、大学お膝元のお店であることを教えてくれる。反応の悪い自動ドアから中へ入ると、プンと漂う古本の匂いと、ブルース・スプリングスティーンの歌声。店内は白く広く、左壁際は本棚、その前に低めの背中合わせの棚が縦に長短二本、真ん中には背の高い棚が直列に三本並ぶ。入口右側は100均コミック棚に囲まれた小スペースで、真ん中には50円本の詰まる箱が三箱置かれている。右奥に大き目の帳場があり、足元には100均文庫棚の姿。右端通路奥には、大学の教科書類がギッシリ。左端通路は、壁棚・通路棚共にコミック棚となっている。なので均一本を眺めた後は、さらに古本を求めて中央通路へ。右側は資格・実用・新書・ブルーバックス・足元にミステリ&エンタメ&エッセイ&サブカル、奥にはラノベ・海外文学文庫・雑学文庫が並んでいる。左側は入口側はコミックだが、奥の長い棚はすべて日本文学文庫で埋められている。ここは嬉しいことに200円均一で、品切れ本やちょっと古めの文庫も混ざっていたので、端から端までじっくり見ないと気が済まなかった(楽しい)。奥にはちくま&岩波文庫もあり。最初はもっとリサイクル全開なのかと思っていたが、文庫コーナーに古本的光あり!単行本などは、値段の無いものは定価の半額。大学生と地元の主婦が頻繁に訪れるなぁ…。帳場で精算すると、ほぼスキンヘッドのお兄ちゃんが、二カッと爽やか過ぎる笑顔で応対。ちなみに買取は、コミックと東海大学の教科書しかしていないそうです。中公文庫「妖花/橘外男」新潮文庫「さすらい/小林旭」を購入。


bookkingdom.jpg●渋沢「ブックキングダム」
続いて二駅下る。駅舎はより大きくなり、より静かに音を吸い込んでいる。北口に出ると、ガスと雲が山襞に龍のように蠢く、『表丹沢』の山塊が目の前に迫っている。空中広場から地上に下りて、そのまま246号線へ。『渋沢駅交差点』から東へズンズン進んで行く。二つの小さな交差点を過ぎて500mほど。『若松町交差点』から北へ向かう。100mほど歩けば、道の左右に『古本』の文字がある幟が翻る。左はどうやら駐車場のみなので、広い道路を渡って右手にあるお店に近付く。三階建て小ビルの一階が店舗で、軒に『古本』の文字が一際大きい店名看板。そこには読書をする金色の龍のイラストも確認出来る。店頭右側にはコミック揃いワゴンと、0円本カゴ(大した本は入っていない)が置かれている。左側には二台の雑誌ラック。節電のため電源の切られた自動ドアを、手動でウニ〜ッと開けて中へ。と同時にチャイムが鳴り響き、どこからか「いらっしゃいませ」の声。中は小さめでちょっとだけゴチャゴチャしている。左端にレジと通路のような作業場があり、そこを覆い隠す本棚と、右壁・奥壁の本棚が店内を取り囲んでいる。真ん中には横向きに二本の背中合わせの棚。入口左横の黒い棚には、トピック的おススメ本・タレント・歴史・新書・ハーレクイン・ノベルスが細かく並んでいる。正面の通路棚は、左が最近刊おススメコミックディスプレイで、右が時代劇文庫と日本文学文庫。入口右横には未整理本の山があり、外周の壁棚はそのほとんどがコミックで埋められている(一部にラノベとゲームソフトあり)。二番目の通路に入ると、手前側に98円文庫とムック・図録・絵本。こちらの文庫は古いものが多く、絶版も目に付く並び。奥側は単行本棚で、日本文学・ミステリ&エンタメ・エッセイ・海外文学・歴史・宗教・法律・社会・ビジネス・スポーツ…ここも所々にしっかりと古い本あり、しかもちょっと意志のこもった棚造り。通路はかなり狭い。この裏側は98円単行本がズラッと並び、端にゲーム攻略本と雑誌のラックが置かれている。ふ〜む、不思議だな。本の量はそれほど多くはないが、意外に楽しめてしまった。値段は安め。レジで作業場の奥に声を掛けると、現れたのはチャンカワイ的風貌の若い男性。かなりハイキーな声で丁寧に応対してくれます。お店の名の通り、『本王宮』として、さらに栄華を誇ることを願ってます!双葉社文庫「誘拐の誤差/戸梶圭太」旺文社文庫「まげもの のぞき眼鏡/鶴見俊輔ほか」を購入。

訪ねた二店はリサイクル系なお店ではあるのだが、ちょっと個性が滲み出しており、しっかりと古本探しを楽しめる結果に。やはりお店は、訪ねてみなければ判らぬものなのである!雨に濡れて少し震えながら、節電のため空調をオフにした電車で、秦野盆地から脱出。また来ます。
posted by tokusan at 19:36| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月20日

3/20滋賀・草津 古書籍 松本書房

昨夜の『西荻ブックマーク』は、ダイアモンドのようにカチンコチンで緊張しっ放し。マイクをどう持ったらいいのか、視線を何処に据えたらいいのか、何と答えたらいいのか…はあぁ…あわや意識の谷底に落ちそうになる所を、何度も岡崎氏に助け上げられました。多謝!そして今日、昨日のことを思い出し、あー!あー!と声を出して恥ずかしさを塗り潰しながら、見に来て下さったみなさんにとにかく感謝!!大変な時だったのに、本当にありがとうございました。声を掛けて下さった方々、古本屋情報を耳打ちしてくれた方、今後もより一層がんばります!と言うわけで、朝起きたらすっかり脱け殻になっていたので、遠くへ行きたい衝動が乱暴に湧き上がり、気が付いたら新幹線で西へ運ばれている愚かな私…。


koshoseki_matsumoto_shobo.jpg米原駅で降りると気温は低く、すっかり冬に逆戻り。そこからJR琵琶湖線に乗って、その名の通り琵琶湖をなぞるように南西に四十分。西出口から出ると、米原よりちょっと暖かで、駅前ロータリーは新しいビルに囲まれた味気ない風景。そこから西に出て、次の信号を南へ。すると、線路の下では歩行者専用地下道に変わってしまう直線道に出る。後はこの道を線路と反対方向に、ただひたすら真っ直ぐ進む。琵琶湖を目指して歩いて行く。『西大路南交差点』を過ぎて、左に大きな白い運動場。その入口に立つ『けんこう』と名付けられた女子の像が不気味に素敵である。そこを過ぎてさらに進むと、広い駐車場の向こうに古本屋さんの看板が見え始めた!…あれ、閉まってる。営業日で営業時間なのに…。シャッターにある『プレイガイドジャーナル取扱店』に激しく惹かれる。おぅ、これはいわゆる『プガジャ』なのだな!とちょっと感激。しかしいつまでも極小な喜びにひたっているわけにはいかないので、さらにそのまま先へ。『野村南交差点』を通過…あの、道の遥か先に見える山は比叡山であろうか?『東上笠交差点』を過ぎたら、そこは『上笠商店街』の中。緩く商店街らしくない道を300mほど進むと、左手に平屋の集合商店建築が現れる。前面上部にはくすんだスレート屋根があり、その下に日除けが並んでいる。美容室・スナック・洋服屋・空店舗、そして右端に壮絶なスタイルの古本屋さん!むぅ、これは達人だなぁ…。風化し、一部色が変わり、ひび割れ破れた青い日除けの下に、赤茶と青な店頭が展開。右はウィンドウらしきものがあり、コミック揃い・百科事典・歴史書が日焼けして並んでいる。その前にはブルーシートに包まれた何かの山が…恐らく本なのだろうな。左にもブルーシートに包まれた物体があり、その背後に上部に単行本を積み重ねた文庫棚。100均なのだろうか、値段は付けられていない。下部はかなりホコリを被っている。出入口の右には積み重なった文庫と、岩波文庫・小松左京&筒井康隆ハヤカワポケSF。左には辞書・単行本・琵琶湖本・図鑑の横積みタワー…ここはすでに店内なのだが恐ろしく狭く、全貌がまったく掴めない。細くカクカクと曲がる一本の通路が、奥へ延びているのだが…。構造上、これはどうやら中央の通路と言うことらしい。入口右横から右側の棚はコミックが収まり、その前には通路を狭める文庫の山。入口正面には、京都・琵琶湖・大津・岩手の本が集まる棚…岩手?通路左側の棚には、主に歴史&時代劇文庫が並び、途中から文庫・単行本・雑誌・コミック・ムックが渾然と混ざり合う、巨大な山が前方に立ち塞がる。進むべき道は、奥で右へと曲がるさらに細くなった一本道のみ。そこにズリッと身を滑り込ませると、もはやお店のオヤジさんの前。新聞を畳みながら「いらっしゃい」と、本の山と机と合体したような、下半身が埋もれた姿…さながら古本底無し沼にはまっているかのようである!右奥帳場正面の通路を振り返ると、真後ろまですでに迫っていた古本の山!右壁にかろうじて鐡道省の本・黄表紙大衆文庫・松本零士&永井豪コミックスが見え、左にはちらりと歴史小説の姿、左端通路もあるにはあるようだが、そこも古本の山で埋まり、もはや誰も踏み込めぬ聖地と成り果てていた。つまりはここでツアー終了。すると突然オヤジさんが前置きなど無く「ワテの故郷が大変ですねん」「え?」「釜石なんや」「あっ!それで岩手の本が…」「昨日ようやく妹と連絡が取れてなぁ」「ご無事だったんですか。良かったですね」「でも友人が何人か行方不明に…毎日新聞見てるんやけど…すっ飛んで行きたいんやけどな…」「…それは大変ですね。でも今は混乱してますし、こっちにいて出来ることって、やっぱり限られてますから、あまり根を詰めない方がいいですよ」「判っとる。だから家でテレビ見るのが嫌で、店に座っとるんよ」「ご苦労さまです」と、こんな風に突然話が始まった。「でも地震があった時、京都の「大学堂」の店主が“お前んとこ大丈夫かぁー”って電話くれたんや。あれは嬉しかったなぁ〜」聞けばこのお店、ここは滋賀県なので当然滋賀の古書組合に入っているのだが、何故か京都の方々と親密らしい。そこから京都・滋賀の古書店の話や、時代はグッと遡り、オヤジさんの高校時代(野球部)〜神奈川・白楽における大学生時代(応援団&用心棒)〜京都の会社勤め時代(営業&社長秘書)&武勇伝〜定年後「大観堂」さんに薦められ、古本屋さんを始めた話…70代後半まで駆け抜けてきたオヤジさんの人生を、さらに猛スピードで駆け抜ける一時間四十分!向こうは本に埋もれたまま、こちらは立ち尽くしたまま…。ちなみにその中の情報に、このお店が寿司屋を居抜きで使ってるなんて情報も。良く見ると確かに壁棚や表のウィンドウ、それに舟形の天井にその面影が…。しかし話は面白いし、とても人当たりが良くクセの無いオヤジさんで、本当に普通に会話をし続けたカタチであった。次第に最初の沈うつな表情が和らぎ、少しはお話した甲斐があったようだ。終いにはお礼を言われ、名刺までいただく。外に出ると、いつの間にかシャワーのような雨が降り始めていた。時間がすっかり遅くなってしまったので、琵琶湖を見ることをあきらめ、早過ぎる夏の夕立の匂いの中を、駅へトボトボ。もう一軒の古本屋さんは、相変わらずシャッターを閉ざしたまま。どうやらここには、また来なくてはならないようだ。立風寅さん文庫「男はつらいよ1・2/山田洋次」を購入。
posted by tokusan at 22:40| Comment(28) | TrackBack(0) | 近畿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月19日

3/19東京・青物横丁 あおよこ一箱古本市


aoyoko_hitohako.jpg一週間ぶりの電車移動。本数は少なくなっているようだが、接続も割とスムーズで、ストレス無しに目的駅に到着。北口を出ると、高架下を東西に貫く『ジュネーブ平和通り』。何とも素晴らしい名前の通りであるが、見た目はごちゃついた駅前の商店街通りである。そこをフラフラ東へ。するとすぐに『東海道南品川交差点』にたどり着くので、クロスする『旧東海道』を北へ。ちょっと歩いたら、左手のキレイな雑貨屋さんの前に、ちょっとした人だかり。この麗らかな土曜日に、旧東海道沿いで一箱古本市が開かれているのである。降り注ぐ明るい日射しに、古本たちは恥ずかしそうだが、やはり人が集まっていると、楽しくワクワクしてくる!会場は二ヶ所に分かれているようで、ここでの出店者は四組ほど。一箱の概念を越えた巨大ダンボール箱や、箱とビニールシートの組み合わせ、巨大なトランク両開きなど、陳列方法は様々。並んでいる古本は、一般的な単行本・ミステリ&エンタメ文庫本・ムック・絵本など。古本マニアには少し物足りなく、新しく女子度の高い品揃えが続く。左端に東北への支援物資受付コーナーあり!「どうぞ手に取って見てくださ〜い」などと声を掛けられるが、ここでは何も買えずに、次の会場を求めて旧東海道を遡上…が、いくら進んでも一箱の姿が見えてこない。街道の景色や、やたらに恐い振込詐欺犯の似顔絵などを楽しみつつも、くるっとターンして先ほどの会場へ戻る。すると案内板に第2会場への誘導矢印を発見。指示に従い交差点に戻ると「一箱古本市やってま〜す」とチラシを渡される。おぉ、交差点脇にある二階のイタリアレストランがもうひとつの会場であった。薄暗い階段を上がって二階。すると左のお店のコックさんが「いらっしゃいませ〜」と笑い掛けてくる。どうやら店内の一部と、広いバルコニー中庭を会場として提供しているようだ。店内には二つのテーブルスペースがあり、ひとつは楽器をメインとしたオヤジさん、もうひとつは女子的古本。明るいバルコニーに出ると、トランクを利用した幻想文学&文学中心の箱、コミック中心の箱、「ユリイカ」とポストカードの箱が展開していた。ここでようやく若者男性店主の幻想文学やシュルレアリスム本に飛び付く。そして講談社文芸文庫「愛の挨拶・馬車・純粋小説論/横光利一」を購入。同時に型押しされた厚紙の栞をいただく。あっという間に見終わってしまった。この大変な時期に、イベントを開催する苦労はひとしおであったろう。本当にご苦労さまです。そしてありがとうございます!今はまだ、可愛らしく小さなイベントと言う感じで、並ぶ本も一般的なものが多い。しかし、ここは人通りが多いので、もっと出店者が増え、そこから多様性が生まれ、街道の特性を生かして行けば、自然と毎回盛り上がることになるだろう。次回は九月に開催予定とのこと。さらなる発展を期待します!この後「うさぎ書林」(2009/07/07参照)に寄りたかったのだが、『西荻ブックマーク』に備えるため、おとなしく帰宅する。古本屋ツアー・イン・ジャパン、午後五時に西荻に行ってきます!
posted by tokusan at 13:54| Comment(8) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

3/18東京・西荻窪 模型センター


mokei_center.jpg吉祥寺に、今日も今日とて自転車で買物。昨日に比べたら暖かく、風も穏やかなのでスムーズに移動。そしてついでにツアーが出来たらと思い、駅近くの「METEO」と言う、懐かしのゲーム&デザインのお店に向かう。以前見た店内写真に、LSIゲームなどと共に、学研の「○年の科学」が並んでいたからだ。もしやそれ系の古本が…あまり期待はせず、古いうらぶれた雑居ビルの赤い階段を上がる。おぉ、構造が素敵だな。しかし二階のお店に古本は無かった。残念。ギコギコ帰りつつ、西荻に寄ることにする。先日見た「比良木屋」の隣にあった模型店…そう言えばしっかりと古本を売っていたのであった。以前「比良木屋」(2008/09/12参照)をツアーした時は、一言だけで済ませていた…こんなに古本が売っているのにもったいない!と言うわけで自転車をお店の前に停めた。セーター姿の中年店主がこちらに視線をチラリ…。駅からは北口に出て高架沿いに東へ。『西荻シルクロード』を奥へ。クランクをひとつ越し、ツギハギに盛り上がった道路を進む。すると左手マンション一階にある店舗が目に入る。大きな屋根の下に並ぶ真ん中の店舗で、横に広くおよそ三店分。屋根下の店頭は広く、そこに箱に入れられたりテーブルに置かれたりした、プラモデルやプラカラーが多数。まるで京都の「ヨドニカ文庫」(2010/09/12参照)のような光景。目指す古本はその背後の店頭壁棚に集まっている。左に低めの棚があり、105円均一で「HOBBY JAPAN」・雑誌・「CAR GRAPHIC」・全集類、それに315円でLP&EPレコードが置かれている。中央の大きなスチール棚には、315円ビデオ・210円単行本・105円文庫が収まっている。その右に細い105円新書・ガイド棚。右端の低い棚は、航空機関連の雑誌・ムック・ビジュアル本が並び、ここが一番の高値となっている。並んでいるのは雑本なのだが、一部に模型屋らしさあり。だが何故ここで古本を販売しているのだろうか?棚には、いらなくなった古本・古雑誌・教科書・参考書の提供を求める貼紙までも…。ナゾを抱えながら、丁度棚裏のレジで、鉄道模型・モデルガン・プラモデル・ガンプラ・フィギュアに囲まれて精算。中公新書「巣鴨プリズン/小林弘忠」を購入。そして明日はいよいよ『西荻ブックマーク』…あぁ、やはり緊張が開始されているようだ…う〜む…。
posted by tokusan at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月17日

3/17東京・神楽坂 古本と雑貨 クラシコ書店


clasico_shoten2.jpg今日は神楽坂を目指して、『早稲田通り』をとにかく東に進んで行く。昨日に引き続き風が強く冷たく、自転車を漕ぐには厳しい展開…中々前に進まない…。防災頭巾を被り、集団下校する小学生たちを追い抜いたりしながら、どうにか神楽坂の坂上に到着。東西線神楽坂駅の『神楽坂口』から、坂を東へ下る。一本目の脇道の向こうに見える『赤城神社』は、赤い鳥居が無ければ、もはや神社とは判らぬ建物になってしまった…何故こんな未来的に…。そのままさらに坂を下り、二本目の脇道を北へ。奥の居並ぶ飲食店の間を抜け、奥の道を再び東へ。坂を下って静かな丁字路を南に進むと、左手の色タイルが張られた建物一階に、目的のお店を無事発見。神楽坂の古本屋さんと言えば、今は「クラシコ書店」(2009/10/08参照)なのであるが、3/5に移転リニューアルオープンしたので、駆けつけることと相成った。様々な渋い色のタイルに囲まれた店頭は少し奥まっており、黄緑のガラスウィンドウは外国のお店のようである。上部に金文字の欧文で『clasi,co shoten』とあり、左側ドア横には何故か壁掛け時計。金のドアノブを回して店内へ。ふぅ、暖かい。以前より広く、断然お店っぽい!入ってすぐ左には、どうも引きたくなってしまうクジと小さな棚があり、一冊〜三冊500円と言う不思議な値段設定の安売り本が詰まっている。ウィンドウ裏には山口瞳や柳原良平キャラ人形。フロアには二つの机が置かれ、外国製の洒落た文房具が飾られている。左壁奥には雑貨棚と、日本文学単行本&文庫棚。右壁が一面の本棚で、奥がカフェカウンターとなっている。相変わらずの仲良しな男女二人がおられるが、おぉ!そこに赤ちゃんが仲間入り!素晴らしいことですな。右壁に近付くと、細かく仕切られた白い木製本棚。最下段には雑誌・図録・大判本。そして右から、日本語・出版・編集・本・古本・歌舞伎・文学評論・「断腸亭日乗」・海外文学(文庫含む)・江戸・写真・街・都市・旅・田辺聖子・向田邦子・暮らし・エッセイ・美術・焼物・切手・食・ファッションなどが並ぶ。カウンター周りに「大相撲殺人事件」などのディスプレイ小説本あり。古本は以前よりシェイプされた感じで、文房具類の比重が増したよう。全体に女子的なお洒落度がアップしている。そのせいか女性客が次々と来店…。値段は安め〜普通。カウンター越しに精算していただく。相変わらずにこやかで、ほんわかしたお二人であった。文春新書「随筆 本が崩れる/草森紳一」を購入。
posted by tokusan at 21:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月16日

3/16東京・祐天寺 Libnos祐天寺店


libnos_yutenji.jpg昼食を摂り、地震に耐えた後、自転車にて祐天寺へ向かう。距離にして片道十キロ強と言ったところか。風の吹き荒れる中を、時に背中を押され、時に壁のように阻まれながら、道路脇をギチギチギャリギャリ…。着いた頃にはヘトヘト気味で、顔も冷たく突っ張ってしまっていた…。駅東口を出るとロータリー。右側から回り込んで『祐天寺商店街 南通り』へ。そこを南西に進むと、右手新しめのビル一階にお店を発見。書店(新刊・中古)+カフェをコンセプトにした、新勢力である。お店は一面ガラス張りで、カフェの向こうに本棚が見えている。右の入口周りは、まさしくカフェそのものな意匠である。ガラス扉を開け、階段を二段ほど下に降りる。黒を基調にした落ち着いたインテリアで構成され、照明は薄暗い(節電のためでもある)。店内には洒落たボサノバが流れている。窓際にソファやテーブルが並び、奥に向かって五本の背中合わせの棚が横向きに並ぶ。右壁、奥壁は本棚で、左壁は手前が本棚、奥がレジカウンターとなっている。店内を行き来する女性店員は、ほぼ普段着のような感じなので、「いらっしゃいませ〜」と言ってなければお客さんにしか見えない。カフェには人がちらほら。そして右壁棚手前二本には新刊文庫、一本目通路棚表側には新刊単行本、左壁棚は新刊雑誌&ムックが集められている。古本を求めて奥へ進む。すると第二通路に作家50音順日本文学文庫・時代劇文庫・100均文庫・ミステリ&エンタメ。第三通路にノンフィクション・エッセイ・タレント・サブカル・芸術・文化・コンピュータ・社会・語学・女性実用・自己啓発・法律・ビジネス・歴史・教育・スポーツなどが細かく集まる。続く奥には、コミック・コミック文庫・ゲーム・CD・DVD・写真集。右壁棚には新刊文庫の奥に、雑学文庫・ノンフィクション文庫・教養系文庫・新書・ノベルス少々が並んでいる。キレイなお店にピッタリの、キレイで新しい本が売られているリサイクル古書店。値段は普通〜ちょい高。ポイントカード制あり。これからフランチャイズ展開し、勢力の拡大を虎視眈々と狙っているようである。新潮文庫「かもめの日/黒川創」を購入。

この後、三宿から三軒茶屋を経由して『茶沢通り』へ。風がほとんど向かい風となり、疲労が徐々に色濃くなってゆく…。「SOMETIME」(2008/12/03参照)を通り過ぎ、右側歩道を進む。…そう言えばこの辺りに「無人隙間古本店」(2008/12/03参照)があったんだなぁ…あれ?あるっ!まだあるぞっ!すっかり無くなったと思っていた(2011/02/04参照)が、しっかりと現存していた!
sancha_sukima.jpg嬉しさと懐かしさを胸に、早速隙間に入り込む。以前より本が少なくなった感じだが、『一冊100円入金厳守。守れない人は読書家を失格』などの警句は健在。カバー無し文庫・「ワニ分署」などを眺めてから、廃墟同然の暗い奥へ。そこに茶色い背の高い棚が一本。文庫がドッサリ横積みで詰まっている。それほど気も入れず、何となく眺める感じでいたのだが、最下段に隠れていた本の背に既視感…わわわっ!探し続けていた本を発見!「うわっ!ホントかよ!」と思わず口に出してしまいながら、急いで文庫をズルッと引き出す。集英社コバルト文庫「水瓶座の少女/野呂邦暢」っ!!!やった!スゴイぞ!と、二年前の夢が実現したことに感動していると、背後のガラス扉の向こうに、突然現れた黒い人影!ワッ、と漫画のように驚き身をサッと引く。良く見ると長身の壮年男性が、怒ったような威嚇する表情で逆光の中に立っている。そして「その本は有料だよ!」と、私が金を払わずに持ち帰ることを前提にした、警告を放ってきた。普段ならあまりの無礼さに反論し返すところだが、今は大物を手に入れた幸福感の方がそれを上回っている。おかげですっかり心が広くなっており、にこやかな笑顔を見せつつ「知ってますよ。そこにお金を入れるんですよね。前にも買ったことがあるんですよ」と大声で返答。するとオヤジは多少心を許したようで、「いやぁ、最近勝手に持ってちゃう輩がいるもんでね」と、ドアノブをガチャつかせながらこちらに来ようとするが、ドアは開かない。私はさらににこやかに、本を見せながら「これ、いただきますね」と、もはや無人販売所を逸脱したやり取りでダメ押し。オヤジはついに相好を崩しながら「払ってくれるんならいいよ。ついでにそこの本も全部買ってくれると嬉しいなあ」などと言い始める。またドアノブをガチャガチャ。私はヌハハハと笑ってごまかし、徐々に入口方面へ移動。ほぼ半壊している料金缶に100円を投入し、路上へ脱出。ホクホクしながら、冷たい風にいじめられつつ自転車を漕ぐ。

※お知らせ
3/19(土)の『西荻ブックマークvol.50「古本屋ツアー・イン・ジャパン」がやって来る!』は、当初の予定通り開催いたします。色々大変な事が起こり、進行中の中でのイベントですが、決して今回の大事を、ないがしろにしたり忘れたりした末の決定ではありません。むしろ前向きに、自分の出来ることをしようと思い、平常を取り戻そうと考えた上での決定なのです。私は自分の参加するイベントも含め、ここ一週間の出来事と、思いと考えたことを、一生忘れることはないでしょう。ご来場するみなさま、無理をなさらず、気をつけてご来場下さい。来て頂けるみなさまと、来られなかったみなさまと、岡崎氏、それに音羽館・広瀬氏に感謝いたします。それではみなさま会場にてお会いいたしましょう。

西荻ブックマークvol.50
『古本屋ツアー・イン・ジャパン』がやって来る!
3/19(土)atビリヤード山崎
開場/16:30 開演/17:00
料金/1500円・予約制
お申し込み http://nishiogi-bookmark.org/
連絡先 古書音羽館03-5382-1587
posted by tokusan at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

3/15 201103151446


ututu_maruyoshi.jpg今日は自宅からあまり離れられないので、自転車で中野近辺を自主的勝手パトロール。東京では、余震への恐れは相変わらずあるが、それよりも計画停電や物資の調達に、関心の比重が移りつつあるようだ。ガソリンスタンド・米屋・パン屋への行列がスゴイことになっている…。私はまずは『中野ブロードウェイ』へ。マニアックのお城は、すっかり節電モードに入っている。あの長いエスカレーターも止められており、基本はすべて階段移動。薄暗い廊下もそこかしこに展開し、例えは悪いが学園祭的雰囲気が漂う。が、各テナントの節電への対応は、まちまちであった。古本屋さんは、「古書ワタナベ」さん以外はしっかりと営業中。しかし二階の「古書うつつ」さんの入口には気になる貼紙…『現在、店内事情により大変ホコリっぽいです。どうぞ心してご入店くださいますようお願い致します』…やはり地震の影響であろうか?心して入店し、桃源社「酔いどれひとり街を行く/都筑道夫」を購入。続いて『中野通り』を南へ疾駆して、『青梅街道』沿いの「丸吉書店」さんへ。が、シャッターが下りてしまっている。店主はご老人で、店内の様子も凄まじかったが、大丈夫だったのだろうか…。この後、「伊呂波書店」「猫額堂」さんと見て回るが、以前どおりで異常ナシ。ちなみに「伊呂波」さんは電気を点けていないのだが、これはいつものことで、あくまでも自主的な節電がしっかりと今回の節電につながっているのである。「猫額堂」さんにて鱒書房「続地下鉄サム/J・S・マッカレー」を購入。再び自転車を走らせて帰り道。土曜日は閉まっていた高円寺「サンダル文庫」さんに立ち寄る。話を聞くと、お店には実害がほとんど無かったが、倉庫は惨憺たる有り様だったそうである…ご苦労さまでした。とにかくご無事で何よりである。新潮文庫「酔いどれ探偵/都筑道夫」を購入。東京は、まだまだ様々な問題が山積みではあるが、兎にも角にも平常の姿を取り戻しつつあるようだ。この心に少しずつ生まれた余裕を、段々と東北方面のために、使って行きたいものである。
posted by tokusan at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

3/14東京・早稲田 古書 二朗書房


jiro_shobo.jpg午前九時、確定申告に行く。帰りに西友に寄ると、五階で緊急地震速報。ちょっと揺れたので、周りのおば様方と恐怖を共有。取り合えず何事も無く、胸を撫で下ろす。午後に自主的古本屋パトロールに出発。今日は自転車で早稲田へ向かう。街は平常の顔だが、車&人通りがやけに多い。早稲田古本屋街は、「安藤書店」「西北書房」「稲光堂書店」「寅書房」さんがお店を閉めていた。しかし貼紙などが無いので、地震との関係は不明。唯一「ブックス アルト」さんが『店内整理のため』として、3/12〜16が休みになることを貼り出していた。お店の様子、元々スゴかったもんなぁ…。そしてこのままの勢いで、自分の日常を取り戻すためにツアーを決行する。『西早稲田交差点』から『早稲田通り』を西に100mほど。次の信号手前の南側歩道沿いに、その古本屋が収まる小さな赤いビルがあった。壁には昔ながらのブリキ看板、軒には店名に平体のかかった大きな白い看板。赤い日除けの下には金文字の入ったガラスサッシがあり、店頭には三台の木製ワゴン。上下二段に分かれており、左から文庫・単行本・ムック類と収まっている。値段は50〜100円。左の出入口から中へスルリ。地震関連の報道が薄く流れる店内。古く薄暗い感じである。壁は三方が造り付けの木製本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本。奥に帳場があるのだが、周りに余裕のある空間構成で、ちょっと不思議な配置である。その背後には広めの事務所的空間が覗いている。帳場にはセーターを着た中年男性が、ガムを“チャッチャッ”と噛みながらお仕事中。左壁にはロシア文学・文学全集・中国文学・最下段に放置されたノベルス・文学評論・日本近代文学・日本現代文学・幻想文学・探偵小説・風俗・プレミア本・和本と、古い茶色い本盛りだくさんで並んで行く。帳場近くには小さな棚があり、文庫と新書を少量収めている。棚の足元には「噂の真相」「話の特集」「國文学」などの雑誌がズラリ。向かいの通路棚はすべて海外文学で、ここも古く茶色い本が支配。米英仏が充実している。右側通路は、壁際に現代史・社会・戦争・美術(和本あり)・演劇・落語・映画・音楽・講談社学術文庫・中公文庫・辞書・古典文学。通路棚に宗教・思想・ボロボロの古い文庫少々・哲学・世界文化・日本歴史となっている。奥壁にはこれまたさらに、古く茶色い詩歌がドッサリ。左にはガラスケースもあり、プレミア本が飾られている。硬いが柔らかいところもしっかりと持ち、とにかく古い本の多いお店である。日本近代文学・海外近代文学共に充実。値段はちょい安〜ちょい高。このたびの報告、以前通りのツアーに見えるかもしれないが、やはり地震のことが常に頭にあり、高い棚の前にいることは、ちょっと恐かったりもする。しかしこれは、まったく以前と変わらぬ状況。自分から飛び込んで来た状況…変わったのは、私の心なのである。そんな、ちょっと複雑な心境のツアーでもあった。が、しかしそれでも、古本屋も古本も大好きなのは変わらない!古本屋のみなさん、これからもユルリとがんばって下さい。帰り際に新しい「早稲田古本街地図帖」をいただく…前より薄くなったな。文春文庫「ミステリーは私の香水/小泉喜美子」三笠書房「海の狼・荒野の呼び声/ジャック・ロンドン」を購入。
posted by tokusan at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月13日

3/13 201103131446


sukoburu_hiraki.jpg東京は暖かな日曜日。まだ大きな余震の恐れがあると言うので、遠出は避け、節電も考え、荻窪&西荻窪の古本屋さんを自転車で巡ることにする。時刻は一昨日・昨日とほぼ同じ。荻窪の古本屋さんはすべて通常営業状態。特に「ささま書店」さんの均一棚は、すでに人々が鈴なりであった。私も思わず吸い込まれ、そのままさらに店内へ。角川文庫「神と野獣の日/松本清張」三省堂「田村隆一ミステリーの料理事典」を購入。いつもの如く欲しい本がたくさん見つかるが、今現在の心境を正直に告白すると…ハードカバーの本を持ち帰るのはちょっと恐い…今、本を増やしてどうする…などの思いが、頭の中にモヤモヤ。まぁビビッているのである…。続いて西荻窪に移動。途中、大谷石の塀が道路側に崩れた住宅を見掛ける。「待晨堂」はシャッターが下りてるなぁ…。その後は次々と開店中のお店を覗いて回る。何処も人が本を眺めている。そして「盛林堂書店」さんにて角川文庫「一米七〇糎のブルース/横尾忠則」を購入。偏りと潔さが、ますます鋭さを増しており、しばし楽しい非日常を味わう。「スコブル社」さんには『本日店内片付けの為、休業致します』の貼紙。そして北側では「比良木屋」さんのみが『本日地震被害の為、臨時休業致します』の貼紙があり、シャッターが下りていた。二店共、また素晴らしい勇姿を見せてくれることを、心待ちにしております。それにしても「比良木屋」さん!店頭に本が並んだラックが放置されてますが、大丈夫なんですか!最後に「なずな屋」さんに立ち寄り、福音館書店「こどものとも年少版・うみだ!うみだ〜!・テリー・ジョンスン」筑摩書房「踏切趣味/石田千」を購入。「踏切趣味」は舌の根も乾かぬうちのハードカバー購入だが、この本には現在捜査中の金町の『幻の古本屋』についての記述があるのだ!これを買わずしてなんとする!と言った感じで、本日の自主的古本屋パトロールは終了。明日も、余震に対する心構えと準備を怠らずに、少しずつ少しずつ、日常を取り戻して行くために、自分なりの方法で努力して行きたい。
posted by tokusan at 17:39| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

3/12 201103121446


jitaku2.jpg頻発する余震と、それを予言するかのようなカラスの鳴声のせいで、眠れぬ夜を過ごす。明るくなってから部屋の片付けを開始。お昼過ぎにどうにか復元に成功する。何だか以前よりちょっとコンパクトになって、部屋が広くなったぞ…まぁ根本的な解決には程遠く、ビジュアル的には散乱時とそう変わらぬのだが…。ちょっと遅めの昼食を摂ってから、確定申告のため税務署に向かう。暖かな外を自転車で走ると、気分が少し晴々とする。昨日の地震からほぼ二十四時間後、街は裏道で、古い建物から外壁が剥落しているくらいで、ほぼ普通の表情。が、税務署はやっていなかった。そこで早速踵を返し、南阿佐ヶ谷周辺と高円寺の古本屋さんを確認しに行く。定休日以外のお店は、ほぼ通常営業をしており、非常にたくましい。やはりホッとする光景だなぁ。(※3/13に昨日が土曜日であることに気付く。てっきり日曜だと思い込んでいた。と言うことは「都丸書店」「球陽書房」「onakasuita」「十五時の犬」「サンダル文庫」は何らかの理由で休業していたことになる。「都丸書店 本店」さんはシャッター半開きで片付け中であった)しかし!その中の一店「勝文堂書店」(2010/01/18参照)に、閉店のお知らせの貼紙を発見してしまう!
shobundo_koenji2.jpg最初にお店を覗いた時は、棚から本が落ちて整理中なのだとばかり思ったが、もはや閉店準備中故の棚のブランクなのであった。店頭&店内の足元はすべて100円。一部残る壁棚本は通常値で並んでいる。記念に一冊と思い、文春文庫「草のつるぎ/野呂邦暢」(150円!)を手に帳場へ。そこには領収書と大格闘するご婦人がひとり。精算しながら「よく利用させてもらいましたが、閉められるんですか?」と聞くと、「そうなんです。三月いっぱいで。ここ解体してしまうもので…」とのことである。ネット販売と買取は続けられるらしい。長い間、高円寺の南側をありがとうございました!帰りは今川焼きをおみやげに、自転車を走らせる。それにしても今回の地震は、甚大な被害をもたらしている。これ以降、終息に向かい、一刻も早く平安な日々が来ることを、願ってやみません。みなさま、本当に、お大事に。
posted by tokusan at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月11日

3/11 201103111446


jitaku.jpg午後三時前、遅めの確定申告を済まそうと支払調書と格闘中、テレビに突然『緊急地震速報』が流れた。地震が起こったことを知らせるのではなく、地震の波が到達する10秒ほど前に、地震がこれから来ることを知らせてくれるシステムである。『初めて見た』と思いつつ、ただならぬ様子に身構え、すぐ横にあった三本の高い古本タワーを、グッととにかく押さえつけた。すると、長い激しい揺れ。自宅は六階なので、横揺れが次第に激しくなり、古本タワーがバンバンと壁にぶつかり続ける。永遠に続くかと思われる恐怖の時間…室内の所々で小崩れが起こったが、どうにか守り切る。しかしすぐに二度目の強い揺れ。ここでもどうにか死守。そしてついに三度目。これが東京では一番激しく、私はついに古本タワーに別れを告げ、台所にある柱に近寄り、ヒシと抱きついた。その瞬間、『ドサドサドサン!』と様々な音や家鳴りと共に、古本は横倒しになった…ただそれを眺めることしか出来ない無力感。揺れはますます強くなり、小さい文庫の山もシェイクされ、床にどんどん広がって行く。ザザザと流れるように広がり続ける。仕事場に目をやると、すでにそこは本の海。まるで床が一段高くなってしまったかの如き光景…あぁ。ようやく揺れが収まり、ちょっと膝がガクガクするが、冗談抜きで助かったことにホッとする。この後しばし呆然。ようやく立ち直り、すぐに生活空間を確保しようと片付けを開始するが、あまりの惨状と、次々と襲い来る余震に、作業は遅々として進まない。あまりにも揺れが続くので、乗り物酔いのような感じになり、段々と揺れに対しても麻痺してきた。それでもどうにか居間を取り合えず形にし、次は仕事場に取り掛かる…何処から手をつけたものやら(写真参照)、と途方に暮れる。足元から地道に少しずつ本をまとめることにする。パソコンのある場所までの一メートルが、何と遠いことか!それにこんな時なのに、『おっ、この本、こんなとこにあったのか』などと、懐かしい本との対面を楽しんでしまう。イカンイカン…。しかしこりゃ一日で終わらんぞ!と、通路を50cm作ったところで作業を一時終了。その後、夕食を買いがてら近所(阿佐ヶ谷)の古本屋さんを見て回る。「ゆたか書房。」さんはシャッターを下ろしてしまっている。「銀星舎」さんもシャッター半下ろしで、店内では片付けの真っ最中。「今井書店」さんはすでに片付けを終えたのか、何事も無かったかのように営業中。「ネオ書房」さんは棚から落ちた本が通路に積み上がっていた。「穂高書房」さんは、真っ暗でしっかりお店も閉まっていた。「千章堂書店」さんは、ご店主が脚立に上がり棚に本を戻している真っ最中。そんな中お客さんとの会話を耳にすると「落ちたのは1/3ぐらいかな。五十年やってて、一度も棚から本が落ちたことなんてなかったのに。取り合えずはお客さんに怪我がなくてよかったよ」とのこと。そんな話に、張り詰めていた気持ちがちょっと緩み、安堵する。それにしても東京でこの状況なので、東北・茨城方面の古本屋さんがとにかく心配である。どうか無事でありますように。どなたか、状況が色々判りましたら、ぜひお知らせください。そして復旧の暁には、ツアーに伺いたいと思います。それにしても明日のツアーは一体どうしようか…。みなさまのご無事とご帰宅を祈っております。
posted by tokusan at 21:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする