2011年06月30日

6/30東京・経堂 小野田書房

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改札を抜けたら、まずは広く暗い高架下から南側へ脱出。『農大通り』には向かわずに、駅舎横の細い道を西へ入り込んで行く。道はすぐに高架に寄り添う形となり、そのままさらに西へ。そして一番目の高架下を抜ける道を通って、一旦北側へ出る。目指すお店は線路の南側なのだが、南側にこのまま進行すると、多少入り組んだ住宅街を進むこととなるので、北側に出た方が判り易くスムーズに進めるのである。と言う訳で、北側高架沿いを西に歩き続けると、右手に『石仏公園』が現れ、それが途切れると同時に高架下越しに南側を見てみる。そこには、道路の真ん中に緑陰の濃い『烏山川緑道』の姿。ここまで駅から500mほどか。高架をまたもや潜って、緑道右側の道路を南に進むと、『古本店営業中』の手書き立看板が道路にチョコン。やっほう!あったじゃないか!ほぼ住宅街の中に、突如として出現したかのようなお店である。自宅の一部が店舗と言うか、一軒家脇の狭いスペースに、通路のような細長く小さなプレハブが置かれている…。い〜いお店だぁ〜。入口脇には上下二段の店頭ワゴンが置かれ、上段には100均雑誌、下段には100均新書&文庫&単行本が並んでいる。サッシを開けて中に入ると、本当にほぼ通路の形状で、奥にも開け放たれた扉があり、自宅の庭へとつながっている。何処から見ていたのか、ノースリーブ・ハーフパンツの松田政男風店主が現れ、挨拶を交わす。それにしてもこの中は暑い!蒸し焼きになってしまうほど暑いっ!スノコの上に厚い板が敷き詰められた通路店内は、左壁に無骨な五本のスチール棚、右に三本のスチール棚+全集本横積みタワーのシンプルな構成。左は、音楽・映画・戯曲・詩歌・日本文学研究・古典文学・ガイドブック・海外文学・海外文学評論・幻想文学・歴史・文化・民俗学・美術・工芸・哲学・思想・建築・美術大判本。右は大判作品集&豪華本・美術図録となっている。プレハブで、暑く狭く、まるで飯場のようだが、棚造りは硬派でアカデミック!珍しい本もチラホラ。値段は普通〜ちょい高である。店主は奥の扉際か庭に主におられるようだが、くれぐれも熱中症にはご注意いただきたい!フィルムアート社「ルネ・クレール 映画をわれらに」を購入。
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2011年06月29日

6/29山梨・月江寺 PONI

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大月から哀しみの富士急行で四十分。2010/11/12以来の山梨行である。古本屋さんの少ない山梨での、危険な賭けなのである!ホームの向こうに溶岩石がゴロゴロと転がる駅から出ると、そこは何とゴーストタウン化が進行しつつある、昭和三十年代の街!シャッターを下ろした店舗がほとんどだが、街が、街が、風雪に晒され続けた看板建築と木造建築で構成されている!先日の秩父行(2011/06/07参照)でも似た体験をしたが、こっちの方がかなり衝撃的だ!コンビニもまったく見当たらないし…。おぉ、それほど省みられずに、朽ち果てて行く文化遺産たちよ!と嘆きながら興奮し、駅から延びる『中央通り』を南東に下って行く。脇道には驚くほどの大量の小飲食店が蔓延り、街全体が『新宿ゴールデン街』の、恐るべき猥雑な姿となっている!もはや心も身体も擬似タイムスリップしながら、目指すのは古本が置いてあるチベット料理屋さんなのだが…。『中央通り』の坂を下り、水流の速過ぎる川を越えてテクテク。すると小さな交差点が現れるので、北東に坂を下る『西裏通り』へ進む。とにかく壮絶な建物が続くのに目を奪われながら200mほど歩くと、左手にある小道が目に入る。行く手には建て込んだ飲み屋街と、その入口に『ミリオン通り』とある小さなゲート。おぉ、あったぞ。ここにお店があるはずなのだが…と昼間の白けた飲み屋通りに入る…しかしお店が無いっ!何処にも無いっ!これはかなりキツイ空振りだぞ…小さな通りを何度往復してみても、やっぱりお店は無かった…肩をガックリ落としながら、昭和三十年代的街路を、当ても無く一時間ほど散策する。ひたすら網の目のような飲み屋街と、次々と現れる倦怠感溢れる商店街を巡り、もしかしたら古本屋さんが!と期待するが、そううまくいかないのが世の中である。午後三時二十分。いつの間にか迫った帰りの電車時間ではあるが、諦め切れずにもう一度だけ『ミリオン通り』へ。すると先ほどまで閉まっていた、通り入口横のハンドメイドアクセサリーのお店が開いていた。古着や雑貨も売っているようだが…と、道より低くなったお店の中を覗き込むと、ほわぁ!奥に細いが本棚があるぞ!これこそ“地獄に仏”ではないかっ!即座にお店に飛び降りるように入り込むと、カウンターにいた若い女性が、目を丸くして驚きながらも「いらっしゃいませ」と迎え入れてくれた。飲み屋の造作そのままに、右は年代もののカウンターバーで、左は一段高くなったアクセサリー売場。古本は正面奥の扉と仕切りに挟まれた、六段ほどの細い壁棚に並んでいる。真っ直ぐその棚前に進んだ私を見て、女性は「電気点けますね」とオレンジ色の白熱電球をパチリ。「ありがとうございます」と言ったものの、古本への飢えと予想外の出会いに我を忘れて、心はすでに棚の上。そこにはしっかり『USED BOOKS』の紙札があり、水族館・アジア・旅・ファッション・大宅歩・宮城まり子・小林紀晴・竹久夢二・海野弘・荒俣宏・泉麻人・片岡義男・枝川公一などなど。冊数は少なく、女子方面に寄り気味だが、決してただ不要な本を並べているのではなく、店主の個性と息遣いと心遣いを感じ取れる棚である。値段は普通〜高め。「これを下さい」とカウンターに本を出すと、女性は古本購入に驚き、「おっ!」と小さな叫び声。精算中に、件のチベット料理屋について尋ねると、やはり閉店されたとのこと。「でもイベントに出店したりするので、どうか注目しといて下さい」と、元隣人を守り立てる優しい一言。いや、それよりも、本当に古本を売ってくれていて、ありがとうございます!これからもこの、素晴らしくも恐ろしい街で、小さな古本棚の優しい明かりを、灯し続けて下さい!河出書房新社「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン/小坂一也」を購入。

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●おまけ・月江寺「月の江書店(新刊)」
街を所在無く彷徨っている最中に、『月江寺大門商店街』で見つけたお店である。古本は売っていないが、とにかくこの姿でここにあるのがワンダフルっ!年代物の軒看板と店名書体とその擦れ具合に心震わせ、脇にある『春陽文庫』の文字に心撃ち抜かれる。かすかに波打つ板ガラスの六枚の引戸の向こうには、本は新しいが薄暗くそれでいて華やかな昭和三十年代的商品陳列風景!本棚や平台はすべて昔そのままで、ここが古本屋さんであったなら…と中に入れば、その妄想は止め処無く回り続ける!奥では首にタオルを巻いたご婦人が、番台のような帳場で、正座をしながら店番中。たっぷりと店内を回遊して、まちミュー友の会「ふじよしだ歩楽百景ガイドブック 下吉田編 上吉田・下吉田編」を購入する。
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2011年06月27日

6/27東京・御茶ノ水 book union

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聖橋下のホームから階段を上がり、『聖橋口』を出て『茗渓通り』の淵に立つ。目の前には『新御茶の水ビルディング』が角をこちらに向けて屹立し、その足元に低層ビルの『サンクレール商店街』。緑が屋根から垂れるその二階は、窓が黒く塞がれ『disk union』の赤ロゴが書かれている。ここは「disk union御茶の水駅前店」。2008/12/23「disk union新宿本館」の続きであり、そして『音楽×古本』の継続調査なのである。ほほぅ、窓にはちゃんと『音楽本』と明記されている!信号を渡って通りをちょっとだけ東に進めば、お店へと続く外階段にたどり着く。ここで改めて二階窓を見ると、そこには何と青文字の「book union」のロゴがピカリと輝く!こ、これは、隅に本棚を置いたレベルじゃないってことだな…何処からか流れて来るカレーの匂いを嗅ぎながら、階段を軽やかに上がる。フロアは二つの菱形の角をつなげたカタチなので、左右にそれぞれの菱形へ入れる扉がある。どちらから入ろうかと迷いながら、ふと左の立看板が目に入る。そこには『book union 4/9 OPEN』の貼紙があった。書籍コーナーをリニューアルし、売場面積の拡大と棚の充実を図ったとのこと。ちょっとワクワクしながら左から店内に入る…CDばかりだな…。しかし入口横右奥を見ると、おぉ!そこに早速書棚通路があるではないか!…何だ、中はつながってるのか。場所は正に菱形角の融合部分である。通路の両側に棚が続き、合計十八本。棚の上には黒地に青文字のジャンルプレートがあり、壁棚側には同色の店名プレートもしっかりとはめ込まれている。落語。謡曲・沖縄・映画・クラシック・ワールドミュージック・ジャズ・ソウル・ヒップホップ・テクノ・シンコーミュージックコーナー・中古音楽雑誌・歌謡曲・テレビ・タレント・役者・J-POP・J-ROCK・ロック全般・楽器&機材関連・楽譜と揃っている。新刊と古書の混合棚で、場所やジャンルによってその比率は大きく異なるが、意外に古本が多い印象(全体で見れば1/4〜1/5くらいか)。古本には値段などのデータが記入された帯が付属している。棚造りは直球+変化球の配合で、お互いを生かすために補完し合う関係であり、音楽から逸脱し過ぎない寸止め的状態。値段はちょい安〜ちょい高で、中にはしっかりのプレミア値もあり。おっ!今日はラッキーなことに『中古品10% OFFの日』。これは古本にもしっかり適用されている。レジにて精算していると、そこに飾ってある和田誠イラストの書皮が目に留まる…ちょっと欲しいな…掛けてもらえるのだろうか?と勝手に手に汗握っていると…掛けてもらえませんでした。それにしてもディスクユニオンが店舗内店舗とは言え、ついに棚をお店に発展させた。さらに次の段階である独立店舗を、焦らずゆっくり待望してます!ミリオン出版「東京裏路地<懐>食紀行/藤木TDC・ブラボー川上」を購入。
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2011年06月26日

6/26群馬・前橋大島 井田書店

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高崎で東海道線カラーの両毛線に乗り換える。扉は手動…。前橋を過ぎて次の駅で下車。南口から外に出ると、賑わいとは無関係な、公園と倉庫に囲まれた静か過ぎる駅前。『前橋大島駅南口交差点』から大通りを南西に下る。駅前と変わらぬ風景がしばらく続くが、青緑で水量の多い広瀬川を越えると、辺りは郊外の住宅街になって行く。『広瀬町一丁目交差点』で進路を北西に採り、さらにズンズン進み続ける。途中には、松の巨木が林となって天を突く『八幡山古墳』のインパクト大な光景。樹冠部を『ヨーイヨーイ』と鳴きまくり飛び交う鳥たちは、どんな名であろうか…。駅から二キロほどで、真ん中にグリーンベルトのある四車線の通りにぶつかる。ここで対岸左前方を見ると、洗車場の隣に営業中の古本屋さんの姿を視認!奥まった二階建て住宅から、道路に向かって店舗がグイッと伸びているカタチである。歩道には立看板がひとつ置かれ、軒下に看板文字と『古本専門』の壁看板が設置されている。歩道より二段高くなった店内は、古びてはいるが隅々まで整頓が行き届いており、まるで新刊書店か問屋さんのようである。店頭台などは無く、代わりに野菜の詰まったダンボールや、『ビーバップ』などと書かれた箱が積み上がっている。店内は奥行きがあり、左右は天井までの壁棚、フロア手前側に三本の背中合わせの本棚、奥側に大きな平台付きの棚が二本。最奥に何だか立派でドンとした帳場があり、ご婦人が店番中。背後には小さな倉庫的スペース。右側はコミック(ほとんど50円・100円!)、真ん中はアダルトとコミックで埋まり、古本は左端通路に集められている。まずは窓際の50円文庫を眺める。この50円の流れは、壁棚下の小さな平台にもしばらく続く。壁棚には100均文庫がズラッ!清水一行・西村京太郎・大藪春彦・内田康夫・赤川次郎・西村寿行など、ミステリとバイオレンスに比重を置いた均一棚となっている。そして講談社文庫・海外文学文庫・さらにミステリ&バイオレンス文庫・ハーレクイン・官能文庫・時代劇文庫と続き、こちらも100円が多い。奥には時代劇&歴史小説・山手樹一郎・山本周五郎・ミステリ&エンタメ・海外文学・役者・タレントと並んで行く。下は途中から美少女漫画雑誌一色に変化。向かいは入口側に100均で、時代劇・日本文学文庫・ノベルスが収まり、奥には歴史雑誌・アダルト・写真集。最後は帳場左横に、群馬郷土&資料本・みやま文庫・辞書・実用の姿。非常に娯楽&大衆的なお店で、世俗のために本日も開店営業中!山手樹一郎がパラフィンを掛けられ充実!…ってそうそう無いことですな。値段はとにかく安め。先客はお店の前にスポーツカーを停めており、300円のアダルト雑誌を購入。むっ、正し過ぎるお店の利用方法である!講談社大衆文学館「明智小五郎全集/江戸川乱歩」みやま文庫「秘境の釣りと狩り」を購入。駅に戻ると、高崎方面の電車は四十分待ち。誰もいない駅のホームで、長閑な北関東の時間がチロチロと流れて行く…。
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2011年06月25日

6/25東京・下北沢で『音楽×古本』な店を求めて二店!

夕方から夜まで、下北沢の地下に仕事でカンヅメの予定。ではその前にライトなツアーをと、2011/06/19のコメントに基き、「音楽×古本」のCDやレコードを母体にしたお店を訪ねることにする。

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●下北沢「オトノマド」
まず一軒目は、駅北側に横たわる『一番街本通り』の、小田急線踏切から100mほど西にある、瀟洒な中古CD&レコードショップである。以前から前を通る度に、古本屋さんと同じ匂いを勝手に嗅ぎ取っていたのだが、まさか本当に古本が売っていたとは…。大きく採られた窓から見えていたのは、いつもレコードとCDばかり。整然とした変則的な形状の店内に上がり、中をキョロキョロ見回すと、あっ!左側の窓際奥に細い壁棚があることを確認!なるほど、外からは死角になっていたのか。レコードに目もくれず、サッと窓際隅に近寄ると、五枚の底板が取り付けられた小さな壁棚で、上段から、電子楽器『moog』のおもちゃ、レコードショップガイド・音楽本・ニューヨーク・ブコウスキー・ディラン・インディアン・保育社カラーブックス・太宰治文庫・サガン・立花隆・絵本・ビジュアルムックなどが並んでいる。当然冊数は少なく、中には非売品も紛れているが、お店の雰囲気と共通点のある棚造りがされている。値段は300円〜500円が多い。CDショップを死角から、気付かれないよう援護射撃している、そんな棚である。奥のカウンターレジでは、若くオシャレな店主が、古本ならぬ中古レコードのクリーニング中。そこに文庫とCDを差し出し精算してもらう。新潮文庫「ボクの音楽武者修行/小澤征爾」「THE BEST OF SCOTT JOPLIN」を購入。

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●下北沢「yellow pop」
続いて駅東側の、小田急線と井の頭線に挟まれた『あづま通り』へ。本多劇場の先にある、こちらも中古レコード&CD屋さんである。二階への階段を挟み込むように、二つの出入口があり、店内も“U”の字型。古本は右側出入口の横に少量置かれている。割と高値の音楽評伝本と、脈絡の無い文庫・新書・単行本が二十冊ほど。音楽本以外は100円が多いが、残念ながら何も買えず。店内のCDレコードの充実ぶりから見れば、ほぼみそっかすの棚と言えよう。

そしてせっかくの下北沢なので、「古書ビビビ」にて創元推理文庫「動く標的/ロス・マクドナルド」を、「古書赤いドリル」にて講談社「ランカイ屋/中川童二」を、「幻游社」にて創元推理文庫「時間の種/ジョン・ウィンダム」を購入する。

追加報告:「オトノマド」を出て、脇道に入り、路上で一心不乱にガシガシとメモを書き留めていると、「こんにちは!」と声を掛けながら、素晴らしい笑顔の男性がズンズンと近付いて来る。何だ!?職務質問かっ?と身構えるが、去年さる飲み会で知遇を得た編集者さんであった…向こうが名乗るまでまったく気付かなかった…それにしても恥ずかしいところを見られてしまった…顔から火がドバッッ!
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2011年06月24日

6/24東京・中野 東京図鑑

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何と今週は、阿佐ヶ谷に続き中野にも新しい古本屋さんが開店!中央線を伝わる、新たな古本パワーが嬉しい六月である。正午の開店を目指し、自転車でもはや真夏の『大久保通り』を、強風に弄ばれながら東進。中野駅南口から『中野通り』を南に300mの『中野五差路交差点』に到達すると、はぁっ!映画館『光座』の入っていたマーケットビルが無くなっている!西側『大久保通り』を挟み込む、二軒の看板建築はどうやら無事だが…あぁ、街から風情が消えて行く…と多少気持ちを落ち込ませながら、北西に延びるクリーニング屋と自転車屋の間の道に進む。ちょっと歩いて道が坂に成りかけた左手に、中華食堂と焼き鳥屋が一階に入った雑居ビルが目に留まる。その二階窓に大きな看板文字!落ち込んだ気持ちがすぐさま急上昇!美術・デザイン・雑誌が武器のネット古書店が、実店舗を開店させたのである!『おめでとうございます』と路上で勝手に祝い、ビル右にある白い階段を上がって二階へ。ドアは開け放たれており、ガラス窓には店名と営業時間(金・土・日 12:00〜20:00)の貼紙。雑居ビルとはいえ、ワンフロアの広く明るいお店である。入ってすぐ、二人の男性が密談中の場面に遭遇。奥には女性とさらに男性がひとり…皆、大人のいい年齢である。どうやらすべて関係者のようで、お客さんはいないようだ。今12:15だが、もしかして一番乗りか?私は「あっ、いらっしゃい」と言ったヒゲ&バンダナ男性に会釈して、入口横の100均&300均棚にピタリと密着。文化&美術系文庫&単行本、下にはカルチャー雑誌が面出しで置かれている。店内は、右にスチール飾り棚で造られたカウンター帳場、左は窓裏がそのまま見えており、明るい光が入り込んでいる。入口左横はスチール壁棚、フロアには白木の背中合わせの棚が、横向きに二本置かれている。奥は横に長い壁棚…通路は広く、古本屋さんと言うより、図書館のような感じである。入口左横には、美術作品集・美術図録・イラストレーター作品集・写真関連・写真集が詰まっている。通路棚手前には、表面が文化美術系ビジュアルブック・アングラ・絵本・海外文学・カルトコミック・セレクトアニメ・映画。裏面が古本・出版・雑誌・文学文庫・稲垣足穂・海野弘・小林信彦・石子順造・ドラッグ・カウンターカルチャー・死・美術・評伝・ポップカルチャー。通路棚奥は、表面が70〜80年代雑誌・カルチャー雑誌・「美術手帖」で占められており、珍しい雑誌が面出しされ、小型の雑誌が上段にズラリ。裏面は「現代詩手帖」・文学&漫画研究誌・建築写真集・建築雑誌・「東京人」・建築・東京。最奥の壁面には、「デザインの現場」「アイデア」などのデザイン系雑誌・広告・デザイン・装丁関連が収まる。帳場下のケース内には、プレミア雑誌のカラフルな姿が飾られている。ホームページがそのまま具現化したような、美術・デザイン・雑誌を中心とした、端整なお店である。棚造りは当然丁寧で、美術の深遠に潜り込める手掛かりがあちこちに!値段は元値の高い美術系の本が多いので、一般より高めな本が多いが、美術系を基準とするなら、手頃な買いやすい値付けがされている。二冊を手にカウンター越しに声を掛けると、バンダナ男性が応対。この人が店主さんなのだろうか。少したどたどしく初々しい接客であった。そして「第一号のお客さんです」と言われる。うわっ、嬉しいけどかなり恥ずかしいぞ。「どちらから」と聞かれたので、阿佐ヶ谷から来たことを告げると「どうかこれからもご贔屓に」とニヤリ。本を受け取り、店主と私のやり取りを遠巻きにして見詰めていた、皆さんの間を擦り抜け階段へ。一階にたどり着こうとした時、ドッと上から全員の笑い声が追いかけて来た!おぉ、何だか笑われているぞ…。中野にお立ち寄りの際は、『ブロードウェイ』ばかりでなく、南口の五叉路にもぜひどうぞ!
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2011年06月23日

6/23神奈川 鶴ヶ峰 松屋本舗

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「松丸本舗」(2010/07/31参照)では無い。デパートや牛丼の「松屋」でも無く、「松屋本舗」なのである…。北口を出て、まずは駅から離れたバスターミナルへ向かう。が、目的地に連れて行ってくれる経路がまったく見当たらない。仕方なくいつものように歩いて行くことにする。やはりこの移動方法が、私に一番相応しいのか…。目的地は北・二キロ弱にある『千丸台団地入口』!『国道16号』から『白根交差点』を経て、立体感のある住宅街へ分け入って行く。坂道を下り、小さな渓谷を鉄橋で渡り、長い階段と滑り止めのある急坂を喘いで上がり、最後は長い下り坂をズンズンと谷底へ一直線。下り切ると、両側に住宅と商店が迫る、谷底の『千丸台中央商店会』…何だか『風の谷』の商店街…。おっ、北西に延びて行く道の先を見ると、『千丸台団地入口』の信号が見えている。その100m手前に『千丸台団地バス停』があり、そこに目指すお店もあった。商店街に建つ真っ赤な建物である。しかも二階部分は以前のお店のものなのか、トマトのイラストと共に『フレッシュトマト』の大きな文字。軒にはトマト色そのままの赤い日除けが架かり、店頭はオレンジのラインと取扱品目が大書された、完全なるリサイクル古書店的風景。左側の入口から中に入ると、フィギュアがたっぷり飾られたガラスケースがお出迎え。さらに中に入ると、コミック棚が連続する予想通りの展開。私は古本を求め、店内外周路を進みながら、通路に目を走らせて行く。すると右奥のどん詰まり通路に、肩を寄せ合う古本棚を発見。五本の本棚+小さなディスプレイ棚の組み合わせで、ディスプレイ棚には池波正太郎文庫本&原作漫画化作品・時代劇廉価コミックが並んでいる。棚の一本に新書・ノベルス・雑学文庫・日本純文学文庫・単行本が並び、後の四本は、作家五十音順日本文学文庫と海外文学文庫が収まっていた。新しい本中心で、値段は定価の半額前後。入口近くのレジでは、若者店員と共に仮面ライダーV3のフィギュアが『お代はこちらにお願いします』の決めポーズ。新潮文庫「古代史捏造/毎日新聞旧石器遺跡取材班」を購入。帰りは目の前のバス停から横浜市営バスに乗り、谷底から脱出して横浜線・鴨居駅より帰路に着く。
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2011年06月22日

6/22東京・京成高砂 小野本書店

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先日「コンコ堂」にて入手した「全国古本屋地図 21世紀版」を紐解き、都会の片隅にもしかしたらひっそりと生き残っているかもしれないお店を訪ねて、江東区・大島と葛飾区・高砂をフィールドワーク。大島では、巨大高層団地裏にお店を発見するが、シャッターが下ろされており、営業しているかどうかは不明の状態。機会があったらまた来てみよう…。駅に戻り、都営新宿線→半蔵門線→京成線と乗り継いで高砂へ。2011/05/30に来たばかりだが、今回は逆の北口へ。踏切からナナメに延びて来る『高砂大通り』を北東に向かってペタペタ進む。やけに強過ぎる日射しが、下町の色褪せた建物を残酷なまでに炙り、さらに色を奪い取って行く午後である。やがて『高砂八丁目交差点』。この先道は緩やかに右にカーブして行く。交差点を20mほど過ぎると、そのカーブ手前右手に、文字通り長〜い商店長屋が出現する。手前は大きな赤い日除けがあるが、シャッターが下ろされ業種不明。次は臨時休業中の自転車屋さん。そして最後に、ちょっと蔦の絡まる珈琲店…一見お店はこれだけのように見えるのだが、良く見ると自転車屋と珈琲店の隙間に、何かが挟まっている…暗い洞穴のような何かの戸口が…そこに通りから射し込む光が、うっすらと浮かび上げているのは、何と本棚の姿!古本屋さんかっ!うっわぁ〜、こりゃ何と言う立地条件!お店とお店に挟まれた、サッシ二枚分の間口!軒にはむき出しになった、巻き上げシャッターの甲虫のような姿。店名看板は何処にも無く、暗い店内が『とにかく早く入れ!』と私に呼び掛けている!店内はやはり細く狭く、奥で左側部分が少しだけ広くなり、帳場を越えたさらに奥は住居部分で、扉が開け放たれ、奥で飼われている小鳥の声と共に、意外に涼しい風が爽やかに吹き抜けて行く。壁際は本棚、真ん中には下が平台で上が三段の本棚が縦に二本置かれている。平台にはちょっと古めの漫画雑誌と、同じくちょっと古めの各種雑誌。左壁面はコミック(一部絶版あり)、向かいの棚はコミックと50円雑学文庫となっている。右壁面はミステリ&エンタメを中心に50円文庫が並び、最上段&最下段には古〜い世界文学全集が押し込められている。向かいには70円ノベルスの姿。入口付近の本は背が焼けており、すべての本は基本的にホコリまみれである。コンクリ土間をサンダル裏でジャリジャリし、さらに暗くなる奥へ…ギョッ!?帳場に人が倒れている!上半身は机の向こうに隠れているが、下半身は土間に投げ出されている!さ、殺人事件!?古本屋殺人事件なの!?と恐る恐る帳場を覗き込んでみると、初老男性が静かに無防備に気持ち良さそうな寝息を立てていた…帳場で寝てる人は何度も見たことがあるが、横になって寝てる人を見るのは初めて…。帳場が床とほぼ同レベルなので、どうしても事件現場のように見えてしまうぞ!私は物音を立てぬよう、ほぼコソ泥の動きで棚に目を走らせて行く。右壁棚には50円海外文学文庫が続き、200円日本文学・歴史・社会・カルチャー。そして100円岩波文庫棚となり、奥壁に古典文学・辞典・詩・俳句・文学評論・東京・京都・自然が収まる。通路棚には、時代劇&歴史小説文庫が並び、裏面には50円女流作家文庫&雑学文庫。ちょっと広くなった左奥壁面には、コミック続き・日本純文学文庫・新書が集まり、帳場横の実用棚へと続いて行く。ちょっと古い本が多い、挟まれた街の古本屋さんである。タイムカプセル的ではあるが、新しい本もチラホラ入荷しているようだ。本はホコリを被っているが、値段は激安となっている!とその時!オヤジさんが突然夢の世界より覚醒し、慌てて身を起こしながら「あっ!いらっしゃ」と叫び、しばし呆然…。私は一呼吸置いてから精算をお願いした。本の汚れをブラシで払い、にこやかに渡してくれたが、その額には寝汗で貼りついた髪が、優雅な曲線を描いていた。中公文庫「人形曼荼羅/辻村ジュサブロー」河出文庫「シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯/ベアリング・グールド」を購入。

帰り道に「コンコ堂」に立ち寄る。平日昼間なのに、お客さんが相変わらず引きも切らず、と言う感じである。棚は基本ジャンルはそのままに、本がだいぶ入れ替わっていた。うわ!佐藤泰志が一冊も無い!売れたんだ。こりゃスゴイ!晶文社「極楽島ただいま満員/久保田二郎」を購入する。
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2011年06月20日

6/20東京・阿佐ヶ谷 古書 コンコ堂

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本日正午、楽しみにしていた古本屋さんがついに開店!郵便局で用事を済ませ、北口から『北口アーケード街』を抜けて『旧中杉通り』へ。ブロック敷きの道を200m弱北に進めば、左手に赤茶陶タイルに覆われたビルが現れる。ぬぉっ!すでに一階のお店には、古本修羅たちが鈴なりにっ!…ただ今正午ぴったりなのに出遅れました…。元はちょっと怪しげなブランド品ショップだったのだが、今はどこからどう見ても立派な古本屋さんである。おぉ、開店祝いの立花が、西荻窪「音羽館」と阿佐ヶ谷「千章堂書店」から届いている。軒には生成り色の日除けが架かり、か細いオリジナル店名ロゴが真ん中にある。その下はガラス扉になっており、右側と右側面には大きく窓が開いている。路上には『古本買い取ります』の立看板、店頭には三本の横幅広めな100均棚、それに絵本・ビジュアル本箱が出されている。文庫と単行本、共に中々見応えあり。皆ガシガシと本を掴み出して行く。き、気後れしてなるものか!と私も修羅に変身して店頭棚を注視し、二冊を掴み取る。そして賑わいを見せている店内へ入り込む。広く余裕のあるレイアウトで、左壁は本棚、奥壁左奥も本棚、奥より少し飛び出した真ん中はガラスケースと細長い本棚、右奥はカウンター状の帳場となっている。右側窓は本棚で塞がれ、入口左側には小さな棚、右にディスプレイテーブルが置かれている。フロアには、下側が少し広がった木製棚が多数置かれ、左側にその組み合わせが背中合わせに二本(左側は背が高く真ん中に通路あり、右側は少し背が低い)縦に並んでいる。右側帳場横には、背中合わせの棚が横向きに一本置かれている。すでにたくさんの本を抱えた修羅たちと、美しく譲り合いながら各通路を巡って行く。入口左横は300円単行本(一部500円あり)で、人文系の品の良い本が並ぶ。左壁棚は北園克衛関連が少しあり、平岡正明・竹中労・田中小実昌・松岡正剛・赤瀬川原平・阿佐田哲也・植草甚一・小林信彦・山口瞳がドバドバと襲い掛かって来る。続く音楽は、ロック・レコード・J-ROCK・ジャズ・現代音楽などがマニアックに大量に並ぶ。そして映画・美術・洲之内徹・美術図録と続いて行く。向かいは入口側から、超セレクト日本文学棚が出現し、怖いほどの光芒を撃ち放つ!井伏鱒二・木山捷平・上林暁・野呂邦暢・佐藤泰志・後藤明生と、オリジナル単行本がとにかく誇らしげである。続いて日本文学・詩歌と並ぶ。奥壁にはルポルタージュ・歴史・都市伝説・怪談・妖怪・オカルトの姿。左から二番目の通路は、左に古本・本・読書・出版・海外文学・哲学・思想・推理&幻想文学・落語・大衆芸能、右にはセレクトコミックがズラッと並び、70〜80年代のカルト・名作・怪奇・劇画を多く含んでいる。最奥にはゼロ年代論評&思想・ポップカルチャーの棚あり。ガラスケースには、はっぴいえんど写真集・午腸茂雄・堀内誠一・北園克衛・「wonder land」などなどスゴイ本たちが飾られ、横の棚には岩波文庫・新書が収まっている。コミック棚裏には、旅・紀行・冒険・フィールドワーク・東京・セレクト日本文学文庫・ノンフィクション&エッセイ系文庫・ちくま文庫・中公文庫・講談社文芸文庫。入口右横にはまたもや野呂邦暢が並び、こちらは作品集やエッセイ集も含み、瀧口修造カタログやビジュアル本と共に、来店者を華々しく迎えている。右側のフロア棚には、絵本・児童文学・写真・建築・デザイン・広告・図録が収まる。右の窓際は、暮らしの手帖関連・山名文夫・ファッション・生活・ビジュアルブック・女流作家エッセイ&随筆・女流作家文庫・映画DVDが続く。むむむむ、物凄く気合と気持ちが入った、センスの良い棚を完成させたお店である。完全に自分の趣味嗜好を貫き、これからも貫くであろう決意がヒシヒシと伝わって来るのだ。無駄な本ナシ!出し惜しみ一切ナシ!と言う感じなので、この水準を保ち続けるのは並大抵な苦労では効かないだろう。しかし!今後もぜひ、己自身の棚との闘いを、繰り広げていただきたい!値段はちょい安〜普通。素晴らしい本には、当然スキ無し値付けがされている。帳場では、青年男女が開店したばかりなので、お互いを気遣い合いながら、忙しく立ち回り続けている。私が本を帳場に出した時、応対してくれたのは男性で、おぎやはぎの矢作をキリッと格好良くしたような男性である。ふぅ、楽しかった。どうやらこれから、足繁く通うにお店になりそうだ。開店おめでとうございます!晶文社「ぼくたちの七〇年代/高平哲郎」みすず書房「画家の沈黙の部分/滝口修造」朝日文庫「パソコンゲーマーは眠らない/小田嶋隆」日本古書通信社「全国古本屋地図 21世紀版」を購入。
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2011年06月19日

6/19東京・下高井戸 TRASMUNDO

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雨が降り出す前にと、自転車でガチャガチャ南へ。永福町を通過して、あっという間に下高井戸に到着。おっ、『北口れんが通り』の「豊川堂」(2008/09/09参照)は今日はお休みか。駅西側の商店街に囲まれた踏切は、いつでもすぐに四方からワサワサと人が集まって来る…そこでしばらく上下の電車通過を待った後、渡って西南へ延びる『日大通り』を進む。そしてすぐに次の脇道『公園通り』を南に曲がり込めば、いつの間にかお店の下に立っている。目的のそのお店は、白い三階建ビルの二階にあり、目立たないこと甚だしい。ビルの表面は外階段がファサードとなっており、一階は賑わうカフェ。二階を見上げると、左側の奥まった窓にはたくさんのLPレコードが貼り付けられており、右側二階の壁面には、何やら赤い“スロウ”なペイントが施されている。しかし出入口はまだ見えない。道路に面した階段横には、赤い小さな立看板が置かれ、店名と共に『CD・LP・BOOK・DVD・VIDEO・TOY・CLOTHING SELL&BUY』とある。ちょっと急なコンクリ階段を上がって行くと、開かれた青い扉が現れ、そこにはバンドのステッカーやイベントのチラシなどが貼られている。左の入口には中をガッチリ覆い隠した麻の暖簾…私は古本の存在を心の底から願い、手馴れた風を装い暖簾を掻い潜る。ちょっとオシャレに雑然としているが、薄暗く余裕のある店内で、一見するとオシャレなインディーズ系洋服屋のようである。が、意外にソフトメディアに割かれた空間が多く、洋服は壁面とソファーと窓際にあるのみ。右奥はCDゾーン、左奥はレジとレコードゾーン、左手前にウルトラ怪獣ソフビ(新しめ)と邦画&洋画のVHS&DVD棚。そして我が愛する古本は、入口左横と右壁手前に展開していた!…中々しっかりしてるではないか!右壁手前は「GIANT KILLING」と中古スニーカーから始まり、「BURST」「STUDIO VOICE」などのカルチャー雑誌・映画・サッカー・漫画関連。入口左横の二本の棚には、セレクト日本文学(主に90年代〜ゼロ年代)・セレクト海外文学文庫・幻想文学文庫・カルトコミック・思想・アルトー・デュシャン・コクトー・「死霊」揃い・音楽・ドラッグなどが並んでいる。向かいにも小さなボックスが足元にあり、山本直樹「レッド」揃い・文庫が少々。また、DVD&VHS棚も良くセレクトされたカルト映画が多く並び、それに合わせたのか、A5版「映画秘宝」が共に棚に挿されている。ちょっと硬派で、好みに走りまくって偏った棚造りがされている。しかしその偏りは正しく、しっかりと反社会的方向を向いているのである!音楽と活字に造形が深いお店…似た雰囲気は、規模は大きく違うが、綱島「FEEVER BUG」(2011/03/27参照)、国分寺「超山田堂」(2009/11/06参照)、吉祥寺「COCONUTS DISK」(2010/07/14参照)などが挙げられようか。値段は定価の半額前後。古本界に新たな“音楽×古本”勢力が、少しずつ少しずつ食い込み始めている予感…。奥のレジでは、長髪をまとめたワイルドなバンドマン風お兄さんが、寡黙に応対。マガジン・マガジン「漫画家アシスタント物語/イエス小池」を購入。

帰りは永福町を通過するので、「ドエル書房」(2010/10/23参照)に立ち寄ってみた。すると一体何があったのか、お店はびっくりするほどの変貌を遂げていた!表では植木や観葉植物が販売され、入口周りには大量の古道具が積み重なっている。店内も壁面棚は健在だが、古道具&紙物が溢れ返り、ゴチャゴチャドシャドシャな、ほとんど古道具屋さんの印象となっている!…本当に一体何が…。取り合えず、講談社「この地球を受け継ぐ者へ/石川直樹」を購入する。
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2011年06月18日

6/18東京・一之江 LOOK RECYCLE

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都営新宿線で東京の東端へ。水に関する駅名が三連続するうちの、真ん中駅で下車。『A3a出口』から外に出ると、駅前広場の向こうにエメラルド色の陸橋の始まりが見える。その『環七通り』である『一之江陸橋』の脇を北に向かって歩き、環七と無事合流。歩道にはプラタナス、中央分離帯にはケヤキが続き、西側の環七とはちょっと違う健康的な風景となっている。そんな大動脈を、降り始めた雨に弱りながら小走りで北へ。1.2kmほどで首都高を潜り、さらに500m進むと『京葉道路』とぶつかる『一之江一丁目交差点』にたどり着く。郊外型大型レストラン・倉庫・工場・ビニールハウスが集まる不思議な場所である。信号を渡り、北側歩道で『京葉道路』を東へ。行く先の道路はうねって高くなり、新中川を渡る橋となるのだが、その手前に派手なお店の姿を発見。オレンジとエメラルドグリーンに彩られた、完全無欠のリサイクルショップである。しかも商売用の立看板や厨房料理器具も取り扱う、かなりのプロ志向!見れば見るほど不安になるが、古本も扱っているとのことなので、私は雨の中、この東京の際に立っているのだ!お店は一階・二階と分かれており、一階は家具や厨房器具で占められているようだ。こっちではないな…右端のオレンジ階段から二階フロアへ入り込む。横長の直角三角形的形状でかなり広く、オレンジとグリーンの床の上に棚が林立し、生活用品から古着・古道具・楽器・スポーツ用品まで、ありとあらゆる物が溢れかえっている。私は古本の影を求めて、各通路を覗きながら、奥へ奥へと分け入って行く。やがて最奥手前の棚に、VHSビデオと大量のLP&EPレコードを発見…どうやら近付いて来たようだな…と最奥通路へ入り込む。するとそこには、おぉっ!五本の移動式書架が設置されていたのだ!お店の感じから、申し訳程度に隅っこの方に、少ない古本が放置されたように並んでいるんだろう…そんな風に勝手に見切っていたのだが、これは何とも嬉しい誤算である!両端がアダルトと音楽CDで固まっているのを確認し、右端から棚の移動と確認を繰り返して行く。ちなみに書架の奥は壁棚となっており、そこにも本が並べられている。日本文学・村上春樹&龍・平岩弓枝・半村良・永六輔・ミステリ・タレント・ノンフィクション・宗教・歴史小説・福祉&介護資格・事典・文庫(SF多し)・新書(少量)・コミック・VHS(80~90年代アニメ多し)などが収まっている。基本は雑本的であるが、ちょっと古めの本もあり。値段は、書籍は100円〜で、値段の無いものは定価の10%、壁棚には一部300円本あり。コミックは一律50円となっている。そしてやはり移動式書架最高!重い本棚を掴み、レールの上を滑らす行為は、私にとっては悪魔的な愉悦を秘めているのだ!いつか何処かで、列車のように長い距離を、ゴロゴロゴロと歩いてみたい。私は文庫二冊と新書一冊を手にしてレジへ。「すみません」と言って「オウッ」と振り返ったのは、アジア系のお姉さん。本を渡すと何やら値段を告げられたが、不明瞭で聴き取れなかった。まぁ一冊100円だろうと勝手に思って300円を渡すと、「50エン!」と言って100円を返してくれた。何と…一冊50円でしたか。角川文庫「わが一高時代の犯罪/高木彬光」創元推理文庫「ラヴクラフト傑作集/H・P・ラヴクラフト」岩波新書「日本の外来語/矢崎源九郎」を購入。
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2011年06月17日

6/17秋田・横手 横手書店

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今回が私にとっては“JR東日本パス”第一回利用期間の、最後の東北行である。山形新幹線と、その終点・新庄駅で乗り換えた奥羽本線で、山形県を縦に切り裂くように北進して行く。進むごとに山間は深さを増し、漏斗のように細く狭くなって行く。が、やがて秋田県の南東部に突入。すると山間は再び広がり始めるのだが、山々はいつまでも消えず、沿線の人々の暮らしも途切れることなく車窓に続いて行く。東京から六時間で目的駅に到着。行動可能時間は一時間である。ひとつしか無い改札は東口に面しているが、私は西側に行かねばならぬのだ。駅では大きな東西自由通路を建設中だが、まだ通行は出来ないようなので、駅の地図で線路を横断出来る場所を探し、降り注ぐ暑い日射しの中を、まだ見ぬ古本屋さんに向かってダッシュする。駅前通りを北に向かい、200mほど先の信号で西の脇道へ入ると、行く先には『本荘街道踏切』。そこを駆け抜け、駅裏の空地と住宅が集まる地帯を抜けて『国道13号』に脱出。そこから南に向かい『三枚橋交差点』を過ぎれば、お店が左手に現れ…ああぁっ…こ、これはガッツリアダルトDVDショップ…しかも路上には『ビデオ安売王』の立看板…書店が安売王になっちゃったのか?あっ、でも軒の巨大な『DVD』の文字下に、小さく小さく店名が残っている…でも…。激しく意気消沈しながら、自動ドアの向こうの店内を、キョトキョト覗き込んでみる。ラック棚が見えているが、並んでいるのは可愛い女の子のパッケージばかり…六時間かけての結果がコレなのか…あぁ、空振りは痛過ぎるなぁ〜…空振り後に再び六時間移動するのも、切な過ぎるなぁ〜…。などと凹んでいると、自動ドアがンガァ〜ッと開いてしまった。成り行きで幽鬼のように入店してみると、そこはエントランスゾーンで、比較的ソフトなものたちが並んでいる。本格的なものたちは、暖簾の奥のアダルト迷路に多数展開しているようだ。そしてここには、二本の背中合わせの棚があるのだが、何とここに書店の残滓を確認することが出来た。とは言っても、コミック・美少女コミック・アイドル写真集・コミック文庫・タレント本などしかない。一番端に置かれた旧版「忍者武芸帳」のバラ一冊(何故か値段はプレミアの二千円!)が涙を誘う。何も買えずにお店の外へ…。嗚呼、来る時は車窓の田舎風景を眺めながら、秋田の街ではどんな古いお店が待ってくれているのだろうか?果たして開いているのだろうか?地震は大丈夫だったかなぁ?おじいさん(想像)は気難しいのだろうか?もしかしてあんな本やこんな本が……だが!すべては砂上の楼閣であった!うわわぁ〜このままではおかしくなりそうだぁ!対策を練るのも放棄し、国道を取り合えず北に歩き始めると、500mほど遠くに『本』の看板があるのを発見!ここは藁をも掴むつもりで、『助けて下さい!』と言わんばかりに駆け寄ると、「ブックオフ13号横手店」。背に腹は代えられぬ!と新潮文庫「レディ・ジョーカー 上中下/高村薫」を購入する。空振りではなく、身をボールのコースに乗り出し、無理矢理“デッドボール”を掴み取ったカタチ…とても痛く切ないツアーであった。帰りは、やけに揺れるが山中の景色が極上の北上線に乗って東へ。北上駅から東北新幹線に乗車する。もう段々、古本屋さんに行ってるんだか、列車に乗りに行ってるんだか、非常にこんがらがってきました…でも第二回利用期間も、絶対何処かへツアーしてみせるぞ!
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2011年06月16日

6/16東京・新宿 スカウト通り路上古本販売

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東口の改札を出て、地下道には向かわずに、アルタ前の広場に出る。北へ真っ直ぐ進んで、そこでしばらく信号待ちをした後、たくさんの人と『新宿通り』の横断歩道で擦れ違う。そのまま『靖国通り』に向かうようにして、青々とした樹木がビルの谷間に続く、タイル敷きの100mほどの緩い坂道『モア2番街』へ入り込む。いわゆる『スカウト通り』である。人波越しに『靖国通り』を透かし見れば、そこには不夜城・歌舞伎町。そして足元の、通り入口近くには、都会独自の路上古本販売風景…しかもここはかなり大規模の販売所である。通りの真ん中に立つ一本の樹木を基地にして、その足元には恐らく漫画雑誌・週刊誌を詰め込んだ四角い袋が、移動用の台車と共に、二十ほど積み上げられている。お店自体は、坂の上に向かって細長く展開し、右側は発泡スチロール箱が連続、左はベニヤで造られた広い平台となっている。漫画週刊誌・週刊誌・廉価コミック・コミック、そして音楽CDまでもが並んでいる。通行人が主に覗き込むのはこちらで、古本は『新宿通り』側の先端に集められ、四つのスチロール箱にピッチリ収められている。『100円』の札があり、文庫・ノベルス・単行本が並ぶが、カバー無しも多い。ジャンルは、ミステリ・バイオレンス・ビジネス・時代劇・伝奇・ファンタジー・官能などである…おっ!岩波文庫(「山椒魚/井伏鱒二」)が一冊だけ!このゲリラ販売所の周囲には、常に三〜四人の中年&初老の男が立っており、周囲を警戒しつつ、販売・整頓・補充などを細かく行っている。折りしも小雨が降り始めると、素早く大きな透明ビニールを広げ、売場を覆う手際の良さを見せた。私は路上販売店で、初めて買える本を発見し、ビニールの下に手を伸ばし、一冊の文庫を取り出す。するとそれを見ていた男が、ちょっと遠くで「100円!」と鋭く言い放った。代金を払おうとそちらに近付くと、三人が全員手を出した。うわわ…と一瞬たじろぐが、最初に声を掛けた男にお金を渡した。2010/02/25、2010/03/10には叶わなかった、初めての路上古本販売へのアプローチである。…それにしても、このお店たちの写真撮影は、本当に難しい…。サンケイ文庫「キャット・チェイサー/エルモア・レナード」を購入。
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2011年06月15日

6/15東京・神保町 呂古書房

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ここにこのお店があるのは知っていたが、入ろうと思ったことは無かった。『豆本か…』と躊躇し、尚且つビルの四階と言うのが、二の足を踏ませていたのだ。しかし、岡崎武志氏の「女子の古本屋」を読み、いい機会だ、チャレンジしてみよう!と『駿河台下交差点』に立つこととなった。大きな交差点を背後に抱え、『すずらん通り』入口と『靖国通り』に挟まれた、神保町ビル街の始まりを見上げる。コンパクトな八階建ビルがあり、屋上は広告の無い看板の鉄骨枠、四階窓に目指すお店の繊細なロゴが、大きく貼り付けられている。『すずらん通り』側にあるビル入口に向かうと、そこには立看板と共に、横のドアにもお店のポスターが貼られている。中に入ると奥にはエレベーターがあり、その手前左手にカーブ部分が意外に優雅な外階段がある。…ここは階段だろう!と緑の外階段をぐるぐる上がる。おっ!二階には横浜から移転して来た「軍学堂」(2008/11/27参照)。そしてさらにぐるぐる上がって行くと、向かいに普段は下から見上げている『文房堂』の美しいテラコッタ装飾が目に入る。さらに上がって四階。開け放たれたドアに店名看板が立て掛けられ、奥の入口横にある小さな本棚が見えている。ちくま文庫・中公文庫・ムック類…早くも芯のある棚が出迎えてくれたようだ。安い本もあるが、署名入りのしっかり値な本もあり、店内の文庫棚がちょっとだけ外に出たカタチであろう。右側の入口から中に入ると、「いらっしゃいませ」と左の高いカウンター帳場から声が掛かり、白く明るく余裕のある店内が目の前に広がる。壁際は薄いガラス棚で、奥の窓際に本棚、カウンター下にも横長な本棚。真ん中では腰高の本棚が集まって島が造られ、上部は平台として活用されている。帳場にはご婦人が二人おり、小鳥がさえずるように、楽しげに会話している。そのカウンター下には版画や絵画の本がズラリ。入口横の絵本や古い児童雑誌を眺めて、右側にジリジリ入り込んで行く。壁のガラス棚には、川上澄生・武井武雄の限定本が多数陳列されている。対面の島棚にはセレクト文庫・美術評論&評伝・児童文学。右壁棚はコケシコレクションケースから始まり、続いて多数のプレミア豆本が小さく美しく飾られて行く。下は小さなガラスケースになっており、そこでも豆本たちが不思議な輝きを放っている。さらに奥は限定本コーナーとなり、前川千帆の作品集や野田宇太郎の「瓦斯燈文藝考」などが!おぉ、下には前川の小さな版画まで!…欲しいなぁ…。向かいの島棚には蔵書票関連やデザイン、そして民藝・骨董が続く。しばし窓外の交差点を、ボ〜ッと気持ちよく見下ろしてから、その横の棚に目をやる。三月書房小型愛蔵本・セレクト日本文学・古本&本関連・読書など。帳場脇はまたもや限定本のガラス棚で、下には落語&大衆芸能と東京関連が一列ずつ並んでいる。向かいには、郷土玩具・美術大判本。そして棚島上の平台には、絵葉書・蔵書票・豆本が集められている。豆本・限定本・蔵書票・コケシと、特殊なモノがやはり目を惹くが、普通の単行本や文庫もしっかり存在している。しかも独特な芯のあるセレクト!う〜ん、良質である。値段はちょい高。この店内は、見通しが良くゆったりとした感じだが、豆本の大きさと量を考えると、見た目とは異なる蔵書量を誇っているのかもしれない。それにしても、前川千帆の版画に心奪われてしまった…お値段も手頃だったしなぁ…。ハヤカワ文庫「女と女の世の中/鈴木いづみ」を購入。
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2011年06月13日

6/13東北でパスを使って東北本線行ったり来たり二店!

昨日の山形行テンションそのままに、本日も新たなJR東日本パスを握り締めて東北へ!最初は秋田方面に向かうつもりだったが、“こまち”に自由席が無かったので、取り合えず仙台まで向かうことにする。そして車内で計画を練り直し、新しいツアー先を塩釜&水沢に定め、予備で仙台と言うプランに決定!仙台駅はかなり修復が進んだが、あっ!伊達政宗像が無くなってる!それに構内には、復興ボランティアの人々や被災地へのガイド役などがおり、常時とは違う熱気と緊張感が漂っている。私は古本屋を目指して、まずは東北本線に乗り換えると、何と目の前には森まゆみさんが座っていた!…驚いたなぁ。

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●宮城・塩釜「明日香書店」
高台のホームからロータリーに出て、駅前の通りを北へ。右手には白く大きな『生涯学習センター』。そこを過ぎると、『古本 駐車場』とある黄色い立看板が出現…古本のための駐車場かっ!?…砂利敷きの駐車場を備えた、プレハブ小屋のちょっとアナーキーなお店である。おぉ!と感動しながら、小石を踏み締め建物へ近付く。左手には看板や木材が、廃物のように積み上がっている。入口横にも改めて立看板、壁面にも大きな店名看板…看板が多い…と扉の前に立つと、そこには小さな貼紙があった。『東北関東大震災の為、当分の間休業いたします。店主敬白』。誠に残念であるが致し方ない。営業再開の日を、待ちわびてます!すぐに駅に踵を返し、東北本線で仙台へ逆戻り。ここから再び新幹線に乗り、一ノ関でまたもや東北本線に乗り換える。パスが無ければ容易には実行出来ない荒技である…電車は美しい北上川の土手に沿いながら、みずみずしさに溢れた土地を、北へ進んで行く。

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●岩手・水沢「白神堂書店」
有人改札を、パスを見せて抜ける。白く爽やかな、ちょっと大きな街で、中央には岩手競馬を応援する、和風の小塔が屹立している。ロータリー左奥の南へ延びる道を進んで行く。寂れた駅前の脇道と言う感じだが、明るい陽光と気持ちの良い風のおかげで、侘しさは生まれてこない。やがて県道のような『国道397号線』にたどり着くので、今度は進路を西へ採る。すると50mも歩かないうちに、左手の道路際にお店の看板が、ぴょこんと立っていた。近付いてみるとお店も道路際まで迫っており、シャッター四枚のうち二枚がガッチリ下ろされ、一枚が1/3、一枚が1/4下ろされている不穏な状況…これは営業中なのだろうか?そおっと開いている部分に近寄ると、岩手郷土資料本が並ぶウィンドウとガラス扉は、汚れて曇りガラスに成りかけていた。シャッターの隙間に本の入った木箱や壁棚が見えているが、詳しく見ることは出来ない。ちゃんと見られて本が取り出せるのは、入口横の新書棚のみである。ちょっと入口で逡巡したが、中の電気が点いているのを確認し、思い切って扉に手を掛けた。鍵は掛かっておらず、スッと抵抗無く開いた。その瞬間に押し寄せる古本の奔流!…店内はギチギチ状態だったのである。本のタワーと棚越しに右手を見ると、本の山に囲まれた真ん中で、西部邁風店主が前屈みな姿勢で読書中。店内が倉庫のようにも見えるので、取り合えず「こんにちは」と挨拶してみた。ギョロリと上目遣いに一瞬視線を寄越しただけで、すぐに本の世界へ…まぁ見ていいと言うことだろう。店舗は小さな逆“L”字型で、壁際には本棚、左手前には横向きの背中合わせの棚が一本、右奥は壁棚と真ん中にラック棚が置かれ、右側の帳場と思しき場所は、壁棚と幾重もの本の山と小さな棚に取り囲まれている。そして各通路には横積み本や未整理本が、顎辺りまでドバドバと背を伸ばしている。おかげで棚の下部は見えず&通路自体も人間ひとりが通れるかどうかの状況になっている。一応すべての通路に床は見えているのだが、これはもう古本職人だけが辿ることの出来る、秘密の間道である!私は周りに接触して被害を及ぼさぬようよう、赤外線センサーを切り抜けるかの如く、珍妙な動きで各間道にチャレンジして行く。入口右横の小さな棚に、古めの中国系文庫・海外文学文庫・思想系文庫が並んでいる。入口左横壁際には、岩手資料本・歴史。背中合わせの棚には、日本文学文庫・日本純文学文庫・海外文学文庫・新書が収まっており、品切・絶版が多く見応えあり。左奥壁にはミステリ&エンタメ・海外文学・フランス文学・辞書と続く。こちら側の二本の通路は、奥までの侵入は不可能となっている。身体を縦に横に巧みに操作し、忍び足で右奥へ。左には美術ビジュアル本と下に宗教棚。真ん中のラックには、落語・映画・音楽・鉄道雑誌・文学ビジュアル雑誌・兵器・美術が並ぶ。奥壁には、お茶・都市・政治・思想。右壁の帳場前にも一本通路棚があり、古典文学が並べられている。右壁棚には、科学・数学・動物・昆虫・日本文学・文学評論と続き、ウィンドウ裏のアジア&中国文学・探検・紀行・飛行・詩歌となって行く。おっ、帳場の周りに民俗学が…。店内はかなり過酷な状況だが、文庫と文学に良書が多い。上段しか見られないのが、返す返すも残念である。値段はしっかりの隙ナシ。文庫や新書には安い本あり。古本間道を脱出して、二冊の文庫を店主に渡すと、一冊を指し示し「これ高いよ。いいの?」と聞いてきた…時たま聞かれることであるが、こう言う場合は、1.こちらが値段を知らずに買おうとしてると思っている、2.何でこんな高い本を買うの?よく考えた方がいいよ…と言うことなのだろうが、まぁ“1”なんだろうな…などと考えるが、もちろん値段は知っていたので「ハイ!○○円ですよね!」と無邪気に元気良く答えてみた。すると何やら計算し、オマケの値引をしていただいた。ありがとうございます!角川文庫「青葉の旅・落葉の旅/田部重治」河出文庫「男の旅行カバン/くろすとしゆき」を購入。

帰りは北上川をゆっくり見ようと思い、水沢駅から新幹線の水沢江刺駅まで歩くことにする。…がっ!何と橋の手前に来た時に、人も車も通行止めなことが判明!上流にある橋に迂回しなければならないのだが、それではとても新幹線に間に合わない!水沢駅まで戻っても、東北本線はとうに出発…絶体絶命だ!見知らぬ土地でウロつきながら焦っていると、タクシー会社を偶然発見。そこに飛び込み、水沢江刺まで運んでもらい、事無きを得る。…それにしても、昨日と今日で電車に二十時間は乗っている。家に帰ってジッとしていると、何やら身体はずーっと振動している感じ…ガタガタゴトンガタガタゴトン。
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2011年06月12日

6/12山形・鶴岡 阿部久書店

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いよいよ使用可能になった“JR東日本パス”で遠くへ!普段手の届かない、東京から離れた所へ!とやたら意気込んで、新潟駅で古びた特急列車の羽越本線に乗り換える。生まれて初めて乗る路線である。広大な機関区と阿賀野川を過ぎると、スケールのデカイ水田群が続く。もはやそれは、稲が揺れる緑の海である。途中、坂町駅にある操車場のイカした廃墟に震えたりしながら、一時間ほどで待望の日本海に接触!水田や墓場越しに見る、岩礁あらわな海は、今までに見たことの無い新鮮な景色である。絶壁に挟まれたような、砂浜のある集落を、トンネルと共に次々と通過して行く。初めて目にする車窓を楽しみまくっていると、時間は素早く流れ去り、いつの間にか庄内平野に入り込んでいる。またもや稲の海となるが、山が近いので新潟とは異なる印象を受ける。駅に到着して降りようとすると、足元の電車とホームの隙間には、大きな蕗の葉が広がっていた。長閑さを感じつつ、跨線橋を渡って改札から外へ。ぽっかりした小規模な地方都市である。まずはロータリーを抜けて『駅前通り』に入ろうと思ったのだが、左右共に大きく回り込まないと先には進めない構造になっている。ブツクサ言いながら車道をショートカットし、南へ進み始める。ビルの間を抜け空の広い通りを歩き、交差点を三つ過ぎると、歩道屋根の架かる『サンロード日吉商店街』に差し掛かる。そこもタッタカ抜けると、行く手にナナメの交差点が現れ、右には『山王日枝神社』。そこを南西に曲がり込むと、道は『山王通り』となり、道だけが新しい観光地的な商店街。さらに進む…ちょっと不安になりながら歩を進めるが、それは杞憂に終わった。通りの終わりが見えて来た時、右手にある古本屋さんが視界に入って来た…こ、これは…ここまで来た甲斐があったと即座に思わせる外観に、先制パンチをバスッと食らう!少し新宿紀伊国屋書店のファサードを連想させるな…。モダンな昭和四十年代的建築!丸みを帯びた軒にある明朝の看板文字が、その印象をさらに強くする。二階真ん中はガラスブロックがはめ込まれ、壁からは『週刊現代』&『with』の看板が飛び出している…元は新刊書店だったのだろうか?一階真ん中には、大きな『本』の看板があり、二ヶ所の出入口には「古書ビビビ」(2009/10/15参照)と同じようなプラ扉のある手作り棚や、スライド本棚・ダンボール箱・柳行李が迫っている。文庫・新書・単行本・雑誌・実用ノベルス・コミックなどの、それほど古くはない本が並んでいる。左端の棚には『古本50円』の看板あり。一通り眺めてからラジオの流れる店内に入ると、ちょっと雑然としているが…あれあれ?新刊書店みたいだな…古本はあることにはあるが…。左側手前にまずは古本で出来た大きな島がある。古い単行本・和本・雑誌が構成物。左奥には二階へ上がる階段があり、その壁沿いに上がって行く階段の下に、文庫と新書の棚が二本。古い岩波文庫が特徴的である。右側にあるラック下に詰まった和本の束に驚きつつ右奥へ。すると壁棚に、山形・庄内の本がズラッと並んでいる。大半は古本のようだ。右端通路はその流れか、山形関連の新刊や地方出版物が集まる、素晴らしい棚とラックが続く。ラック脇には鶴岡出身作家・藤沢周平の色紙や手紙と共に、藤沢周平地図も置かれている。棚から一冊取って入口側にあるレジへ。そこには元気な鼻歌交じりの老婦人。本を差し出すと同時に、上がれそうだった二階について聞いてみると、「あ、二階は古本です。どうぞご覧になってください」とのこと。やった!古本への喜びが滲み出ていたのか、精算が終わると老婦人は一枚の紙片を取り出し、「これよかったらどうぞ。佐藤賢一さんが中央公論に、このお店について書いてくれたんですよ」とにっこり。ありがたく頂戴する。「じゃあ見させてもらいます」と、全集の積み上がる階段を上がり、電灯の点いていない薄暗い二階へ!するとそこは、予想もしなかった驚きの古本迷宮!これは大変だっ!壁際はすべて本棚で、三本の背中合わせの棚と、間仕切り的な本棚が一本、右奥は小部屋状になっておりそこにも本棚は続いているのだが、大きな机と大きな収納棚があり、どうやら作業スペースのよう。階段部分は吹き抜けになっているので、フロアの手前側の辺がナナメになっており、二階全体を少しだけ複雑な印象にしている。そして棚の並びはかなりのカオスっ!しかも棚には二重に本が入っており、奥に背がチラリと見えている。完全なる無秩序ではないのだが、各所に同ジャンルが出現したりと、非常に把握し辛いことになっているのだ。そのジャンルは、山形・庄内・鶴岡・東北・日本文学・日本近代文学・丸谷才一&佐藤賢一など地元所縁作家・文学評論・俳句・短歌・古典文学・古い翻訳本・文芸雑誌・歴史・歴史小説・近代史・戦争・民俗学・古代史・考古学・風俗・世相・修身教科書・和本・仙花紙本・思想・科学・自然・宗教・全集・辞典・学術書・文庫・新書…。山形・歴史・日本近代文学・戦争が目立ち、とにかく古い本が多い。いやいや、とてもこの短時間で見きれる量じゃないぞ。薄暗い棚の間で、ひとり激しく静かに興奮しながら、必死に本の背文字を読み取る作業!…楽しかった!しかしどれも値段が付いてないな。四十分ほど二階に篭もり、三冊を手に階下へ。いくらなんだろう?とドキドキしながら「ありがとうございました。二階、スゴイですね」と本を渡すと、一律四百円の値を告げられる。安いっす!さらにお礼を告げて精算を済ませ、歌うような「ありがとうございましたぁ〜」に送られ外へ。気持ちの良い庄内の空気を、胸いっぱいに吸い込むが、大変だ!もはやタイムリミット!急いで駅まで駆け戻り、またもや羽越本線の人となる。日帰りで遠くまで来ると、やっぱり滞在時間がシビアになるなぁ…。一階にて東北出版企画「横光利一とやまがた/工藤恆治」を、二階にて日本週報社「どろんろん 最後の忍者/藤田西湖」弘文社「歌境心境/吉井勇」現代思潮社「虚空/埴谷雄高」を購入。
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2011年06月10日

6/10埼玉・行田市 サービス堂書店

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熊谷駅で秩父鉄道に乗り換える。油の匂いが染み付いたローカル線で、羽生方面へ二駅。南口ロータリーから南に延びる『中央通り』を歩いて行く。その足元は、青と黄が市松模様になった歩道で、古い蔵が点在する街は、緩さと静けさにねっとりと包まれている。交差点を過ぎると、歩道は屋根の架かった『あらまちアーケード街』となるが、お店の多くはシャッターを下ろした休眠中の寂しい姿。長いアーケードを抜けても、足元の青黄タイルだけは変わらず続く。さらに南に進み、次の信号よりちょっと先の脇道を西へ。あってくれ、古本屋!と願いつつ、一軒、二軒、道に埋まった『新兵衛橋』が見え…おぅっ!左手三軒目に、大きな『本』の看板があるお店が建っていた!うむっ、幸せだ!平屋のちょっと大きめな店舗で、軒には巨大な店名看板、その下には焦げ茶の日除けが張り出し、さらに下には薄暗い店内…屈んで天井を見ると、蛍光灯の点いている箇所があるので、営業中と判断…恐らく節電中なのだろう。で、自動ドアマットの上に立つ…あれ、開かない…まさか営業してないのか?ガラス越しの店内に目を凝らすと、左奥にうたた寝をしているおばあさんを確認!これは開けてもらうことにしよう。自動ドアをコンコンとノックしてみる…気付かない…さらにノックする…彼女はピクリともしない。良く見ると、彼女の横の裏口ドアが開け放たれているのに気付く。即座に建物脇に回り込み、寝ているおばあさんの横にそっと立つ。驚かせないよう腰を屈めて、目線を同じにしてから「すいません」とささやきかけてみる…ダメだ、中々起きない。段々と声のトーンを上げ、呼びかけを繰り返して行くと、ついにおばあさんの目蓋がピクッと動き、覚醒して頂けた。ササッと身づくろいをしながら「あら、すみません」とはにかむおばあさん。「すみません、お店を見せてもらってもいいですか?」と聞くと、ニコニコしながら「どうぞどうぞ。あっ、もうこっちから入っちゃって下さい」と裏口から招き入れられる。古本屋さんの裏口を通ったのは、生まれて初めてかもしれない…軽く感激する。パチパチと電気が点けられ明るくなった店内は、広く雑然としている。正面入口から見ると、フロアの手前半分はワゴンの島二つを中心に形成されている。その上には、漫画雑誌・辞書・実用・文庫・木箱・未整理ダンボール・古いグラフ誌・紙物類が、ゴチャゴチャと混ざり合っている。入口左横には全集類が積み重なり、所々に木箱に詰まった文庫・資料本・民俗学などが置かれている。ワゴン下や入口右横にも木箱が置かれ、日本文学・文庫が入っている。元は帳場兼作業場であったろう左壁前には、何故かぬいぐるみがキレイに整列中。右壁と奥壁はしっかりと壁棚になっており、コミック・児童文学・日本文学・社会・ノンフィクション・エッセイ・随筆・文化・歴史小説・海外文学・映画・音楽・美術が並んで行くが、日本文学以降はかなりのカオス状態となっている。左奥には重厚な郷土本や埼玉資料本が集合。奥側のフロアには、両面ラックと背中合わせの棚が二本あり、左のラックにはアダルト・アイドル系写真集、真ん中の棚には官能文庫・性愛・ハーレクイン・タレント・ビジネス・社会・科学・オカルト・ノベルス・実用ノベルス・新書が並び、右の棚は日本文学文庫・教養系文庫・時代劇文庫…ここの並びもまたカオスとなっている。カオス棚+80年代の本が多いので、自然とじっくり棚を見ることとなる。棚には動かずに、ホコリを被っている部分もあり。お店ではなく、多分に倉庫的な雰囲気に支配されている。値段は安く、おばあさんが超親切で、癒しの笑顔をたっぷりと振り撒いてくれる。何処から来たのか聞かれたので、東京から来たと答えると「昔は私は東中野に住んでたんですよ。そうですか〜わざわざ」とひとしきり感心し、「じゃあ帰りはね、通りでバスに乗って、吹上駅から電車に乗った方が早いんですよ」と熱心に教えてくれた。その通りに『新兵衛地蔵入口』からバスに乗ると、スムーズなアクセスで吹上に到着。確かに熊谷駅経由より断然早かった。おばあさんよ、ありがとう!岩波現代文庫「荒野のロマネスク/今福龍太」ハヤカワ文庫「時計じかけのオレンジ/アントニイ・バージェス」光文社時代小説文庫「悪の捕物帖/佐賀潜」を購入。
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2011年06月09日

6/9東京・秋葉原と中野で攻略本の世界へ二店!

“ゲーム攻略本”と言うジャンルの本がある。80年代のテレビゲームの普及と共に、爆発的な発展を遂げた、ゲーム解法の手引書である。ゲームをしない人にはまったく必要の無い本であり、また必要としていた人も、ゲームを解いてしまえば無用の長物と化す、あくまでも実用的な本なのだ。生まれてからおよそ三十年とその歴史も浅く、一般の古本屋さんでは扱われることも少ない。主にリサイクル古書店で安値で販売されているのだが、中にはこのジャンルに価値を見出し、プレミア値を付けて販売するお店も存在しているのだ!もはやゲーム解法のためではなく、コレクションに値するものとして、新たな命が吹き込まれている!今日はそんな攻略本を追い求めて、ディープな場所に潜入する。

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●秋葉原「レトロゲームのお店 フレンズ」
『電気街口』…英語表記で『Electric Town Exit』…サイバーパンクな香りがする…。そんな素敵な出口から外へ出て、ジャンク屋のようなお店が連なる高架横を西に向かい、『中央通り』へ出る。ここから『蔵前橋通り』と交わる『外神田五丁目交差点』まで、ひたすら北進。歩道には雨のように“アニメ声”が絶え間なく降りかかる。途中、三年前に惨劇のあった交差点を通過すると、歩道にはたくさんのペットボトルと花が供えられていた。やがて目的の大きな交差点にたどり着く。北西に渡り北側の歩道をちょっとだけ西へ。脇道の手前に古びた肌色の雑居ビルがあり、階段前の歩道にお店の立看板を発見する。何処からどう見てもゲームソフトのお店である。が、階段をグルグルっと上がって、迷わず二階へ。すると目の前に開け放たれた鉄扉が現れ、様々なゲームキャライラストや、手描きの店名プレートが出迎えてくれる。おっ!足元に早速、無料攻略本箱を発見。特に欲しい本は見つからないが、勇気を貰って店内へ進む。左右に広がる棚に目を走らせる。右側レジにいるおばさんが、お弁当をかっこんでいる。そして「いらっしゃいませ」と言った途端…むせた…お気をつけて。しかし古いゲームカセットばかりで、攻略本は見当たらない。おかしいな?と店内を徘徊するも、やはり見つからない。これは聞いてみなければ、と入口方向を振り返った時、その入口横にある三階店舗の案内に気が付く。そこにはしっかり『攻略本』の表記あり。スラッと暖簾を潜って階段へ出て、階段をタシタシ上がる。そこにはデジャブな開かれた鉄扉があり、暖簾は何故か『男湯』の物。スラッと潜って中へ入ると、こちらは左半分だけが店舗となっているカタチで、右半分は倉庫兼事務所の様相。杉作J太郎風店員さんが、ブツブツとつぶやく間に「いらっしゃいませ」を挿入。店内を見ると二本の通路があり、そのさらに奥にも通路があるのだが、『進入禁止』と封鎖されている上に、マリオが『のぞくのも絶対にダメ』と釘を刺している。二番目の通路にようやく攻略本棚を発見。通路棚上部の端から端まで続く本たち。ファミコンから始まり、奥へ進むほど最新機種へと推移して行く。途中にゲームカタログ・裏技全集・ハード関連もあり。プレミア度が高いのは、ファミコン黎明期・名作・伝説的クソゲー・キャラクター物などの本に多く、普通に四ケタの値が付けられたりしている。特に『ディスクシステム』系ゲーム・「悪魔城ドラキュラ」・「海腹川背」などがスゴイことに!う〜ん、やっぱり世界は深遠なのである。双葉社「魔神転生必勝攻略法」を購入。

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●中野「MANDARAKE GYARAXY」
続いて中野駅で下車し、『中野サンモール』を突っ切って『中野ブロードウェイ』へ…秋葉原からブロードウェイとは、中々濃厚な行脚に…。もう動き始めている三階までのエスカレータには乗らず、中野駅サイドの階段で二階へ。東側の『エレベーター通り』D7ブロックにそのお店はある…もはやブロードウェイを占拠する勢いの「MANDARAKE」の一店である。通りにある三台のガラスウィンドウ。その左端に毒々しい色の本たちが飾られている。恐るべきプレミア値の攻略本や雑誌・設定資料集…この上段に並ぶ大判の見慣れない本はなんだろうか?ゲームは有名ゲームばかりなのだが…『バイエル』って書いてあるが、そうか!これゲーム音楽の楽譜なんだ!わ、判らん…しかし恐ろしい値段が付いてるなぁ…。買う人は果たしているのだろうか?警報装置ゲートを抜けて店内へ。あぁ、ここも秋葉原のお店と同じく、懐かしいゲームでばかりが並んでいる。目的の攻略本棚は、カウンター前の右壁棚に三本。ファミコンから始まって、ハード別に攻略本がビシッと並び、後半にゲーム業界やゲーム雑誌が続いている。ここでも「悪魔城ドラキュラ」と「海腹川背」は高値。あっ「巨人のドシン」も高いなぁ〜。う〜ん、やはり世界は複雑なのである。エンターブレイン「電子の猛者たち/ファミ通責任編集」を購入。この後、四階の「MANDARAKE 記憶」(2008/08/28参照)に向かい、こうなったらゲーム三昧だ!と、太田出版「ジュ・ゲーム・モア・プリュ/ブルボン小林」を購入。長嶋有の変名によるゲーム批評書である。むっ、署名入りだ。

非常に興味深い世界である。まず、値段の基準が何処にあるのか皆目見当がつかない。本自体ではなく、ゲームの方に精通していないと、高値の意味にはたどり着けないのである。古ければ良いと言うわけではなく、名作であれば良しと言うことでもない…あぁ、判らん…。
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2011年06月07日

6/7埼玉・秩父で武甲山の足元ウロチョロ二店!

西武秩父線で、山腹の住宅と猛々しい緑と美しい清流を眺めて、山の上へ上がって行くと、突然左手に崖のような巨大な武甲山が現れ、そのインパクトに口アングリ。西武秩父駅で下車し、賑わう駅構内の『西武秩父仲見世通り』を抜けて、まずは秩父鉄道・御花畑駅方面へ。

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●御花畑「ポエトリーカフェ武甲書店」
小さな駅前から、西側のお寺の前にある通りを北へ。道はすぐに駅前商店街らしさを見せ始めるが、まるで眠っているような感じ。だが、100mも進まない内に道は石畳となり、立派な『東町商店街』に変貌する。そのアスファルトから石畳への変わり目の、十字路東側角地に目的のお店はあった。白く素っ気無い建物で、西側と北側にそれぞれ入口がある。『本とアートと珈琲のお店』と言うことだが、果たして古本は…西側入口から、恐る恐るカチャリと店内に入ると、何とそこはいきなりの古本小ゾーン!やった!疑心暗鬼だったが、ここまで来た甲斐があったぞ!焦らずにまずは落ち着いて店内を見回す。木材が優しいシックな店内で、カフェに本棚が併設されたカタチである。フロアは余裕のあるカフェ席、右側にカウンター席、左手前角を中心に大きな壁棚が展開し、そこには新刊で詩集・俳句・秩父関連本・絵本・谷川俊太郎作品がたっぷりと並んでいる。肝心の古本小ゾーンは、壁棚一本と両面ラックで構成されている。壁棚には、思想・自己啓発・飛行・ドラッグ・精神・オカルト・詩集・日本文学・海外幻想文学・ハヤカワポケSF・手塚治虫・音楽CDなどが並んでいる。ラックには古い「POPEYE」・カルチャー雑誌・ポケットサイズ「宝島」・「COM」・古い少年漫画誌など。70年代が軸になっており、棚はカウンターカルチャー、ラックはサブカルチャーの趣きである。値段はしっかりな高め。またカウンター下には100均文庫棚もあり。カウンターにて、ハンチングを被ったオシャレな店主さんに精算していただく。途中から奥さんだろうか、女性も現れ二人で古本のみのお客を丁寧に接待。ありがたいことです。書皮を掛けてもらうと、そこには『新刊・書籍・雑誌・文房具 坂本武甲書店』と、今とはちょっと違う品目と店名がある。元々あった書店を二代目が引き継ぎ、ポエトリーカフェに転身した、と言うところであろうか…。貰ったフリーペーパーを見ると、谷川俊太郎氏とも親交があるようで、氏を招いての朗読会も行われているようだ。おぉ!秩父の山奥に、詩が囁き渡って行く!河出書房新社「おれたちの熱い季節/星野光徳」を購入。

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●秩父「ファミコンショップ ヒーロー」
そのまま北へと足を延ばすと、秩父駅へ到る。駅西側の『秩父駅入口交差点』から『みやのかわ大通り』に入ってひたすら北へ。駅近くは観光地的な活気があるが、ちょっと離れるともはや普通の田舎道で、歩道がどんどん痩せて行き、歩行者はその人権を失って行く。駅から1.2kmほどで、道はうねり下り始め『視目坂下交差点』を過ぎると、左手に派手なパジャマのような青黄縦縞の、箱のようなお店が見えて来た…異様である…楳図かずお宅の色違いみたい…。とにかく派手でボロく、入るのを躊躇させる独特な倦怠感を纏っている。特に色の抜けたマリオのイラストが恐ろしい!入口にある、何やらポスターをに大きく書かれた『いらっしゃいませ』もとにかく恐ろしい!しかし私には、古本の販売を確認しなければならない、自主的な使命があるのだ!と思い切って店内へ。しゃがんでいた若者といきなり目が合う…うぉっ、お客さんがいる。そして奥からちゃんと「いらっしゃいませ」の声が聞こえた…よかった。倦怠感は依然としてそのままだが、ちゃんとしたお店である。天井の高い室内で、右側にゲームや音楽CDが集まり、左の壁際にしっかりと古本の姿を確認!売っていた!よし、とそちらへ近付いて行くと、まずはゲームソフトとゲーム攻略本に囲まれる。セガサターンやスーファミには、ソフト+攻略本同梱セットあり。こりゃスゴイ。そして左壁に五本の古本棚。50均出版社別文庫・100〜200円単行本・100均ノベルス・児童文学・コミックと収まっている。値段はとにかく安いが、質は雑本的展開である。まぁ古本が売っていてくれて本当に良かった。外観からはとても売ってるようには…。而立書房「如月小春のしばい」を購入。

秩父の街を移動中に目を奪われたのは、大正・昭和の豪華過ぎる商店建築たち。この山奥に、こんな豪奢な文化が花開いていたなんて。よほどの隆盛を誇った時期があったのだろう。一番の好みは『カフェー・パリー』とインターナショナルスタイルもどきの『松竹秩父国際劇場』。これらを見た時は、ホント夢かと思いました。武甲山に、引けを取らない素晴らしさ!
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2011年06月06日

6/6神奈川・鎌倉 古書籍 藝林荘

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ホーム下の暗い地下道から東口に出ると大きなロータリーで、たくさんの京急バスが、こちらにお尻を向けて停まっている。ロータリーの左奥にある、強化プラスチック製の真っ赤な鳥居を潜ると、月曜なのに観光客がひしめく『小町通り』。無法者の如く道を練り歩く人々を追い抜けずに、ジリジリジワジワと駅から北に350m進むと、小さな十字路にたどり着く。ここで一番目立つのは、北西角地にある三軒の商店が集まった商店長屋。建物の古さと、角の一軒が外壁を黒く塗っているので、辺りとはちょっと異なる雰囲気を発している。十字路は意外に拓けているので、同時に北西へと延びる通りに面する古本屋さんも目に入って来る。一階建ての上部壁面から四角い店名看板が飛び出し、軒には日に焼けた臙脂の日除け。店頭には出入口周辺とウィンドウ前に、一冊500円二冊800円単行本&図録&大判本ワゴンが二台、背中合わせの100均文庫&新書棚が一本、200均雑誌箱がひとつ、200均文庫箱が三つ、200均新書箱ひとつが出ており、古本ひしめくカタチを成している。背後のウィンドウには全集・豪華本・額装版画などが飾られている。店内は小さく、整理は行き届いているが、何となくごちゃっとしている。入口左側はウィンドウ+飾り台、正面に帳場とその前に小さな棚があり、入口右横には小さな本棚、奥壁・右壁は天井までの本棚に覆われ、右側ウィンドウ裏には低めの本棚。そしてフロアにはガラスケースが置かれ、その周りにかろうじて人が通れる通路を造り出している。帳場には優しげなご婦人がおり、「ひとつひとつ値段を付けてるの。大変ねぇ〜」と話し掛けられたり「この本、重くて持って帰るの嫌なの。買って下さらない」と読み終わった文庫を渡されたり、鎌倉を訪れた婦人たち相手に奮闘中。次々と通りから人が入って来るお店だが、これはこれで色々苦労がありそうである。入口左の飾り棚には、大判美術本や豪華作品集が置かれ、一角には500均豆本が詰まった箱もある。台の足元には200均文庫箱と落語カセット箱なども。帳場前の棚には、動植物・自然・教養系文庫・歴史・古典文学。入口右横には鎌倉関連本が集まっている。奥には人がいると中々入れないので、辛抱強く待って入れ替わる。ウィンドウ裏には食・酒・工芸が並び、小山清「落穂拾い」や大佛次郎の生原稿が並ぶガラスケースの上には、服飾関連と刀の本が背中合わせに並べられている。右壁棚は、日本近代文学・文学評論・映画・美術・お茶・仏教が収まり、奥壁に落語・演芸・能・歌舞伎・清元・謡曲などが続く。古い本が多く、渋い店舗と共に、古都・鎌倉にマッチしたお店である。棚の数が少ないので、安めの本(店頭や箱)か高めの良い本(店内棚)の、中間があまり無い極端な棚造りとなっている。店内探索中に、貼紙で現在『店舗改装二割引』セール中であることを知る。精算中に「お店、改装されるんですか?」と聞くと「そうなんですよぉ〜」と眉を八の字にひそめ「だからちょっとお休みにして、今年の十一月…十二月くらいからかな、またお店を始めるつもりなんですよぉ」と教えてくれた。おぉ、今回の訪問はどうやらギリギリ滑り込みセーフであった。改装後には、またツアーに赴こう。今のお店の雰囲気を知りたい方は、ぜひともお早めに鎌倉へ。お店の外に出ると、作業着姿の人々が、改装準備で色々計測中。ぜひともこの建物の味を、そのまま継承して欲しいものである。かまくら春秋社「別冊かまくら春秋 想い出の堀口大學」岩波ジュニア新書「フィールドワークは楽しい/岩波書店編集部編」を購入。
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