2011年07月31日

7/31静岡・磐田で古本だけでなくビクター犬二店!

今日こそはと早起きして、東海道線を細かく乗り継いで、西へ四時間五十分。もはや浜松一歩手前のその場所は、水色に支配された『YAMAHA FC ジュビロ磐田』の街であった…。

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●磐田「武蔵野書店」
北口に出ると、ジュビロのフラッグが翻るロータリー。その右端を抜け『磐田駅前交差点』を通過し、『天平通り』を真っ直ぐ北へ。途中に現れる水色の歩道屋根の商店街は『ジュビロード』と名付けられ、サッカーボールを冠する外灯と、選手の足型がはめ込まれた歩道が続く。400mほど歩けば『商工会議所前交差点』に到るので、そこを西に入って後は道なりにダラダラ。二つの近接した信号を通り抜け、右手に注意を払っていれば、何やらゴチャついたお店が目に入って来る。まずスゴイのは、お店の右横に集まる大量の火鉢で、まるで打ち捨てられたかのように積み重なっている。住宅兼店舗の正面壁面には大きく店名が書かれ、ビッと張り出すオレンジ日除けの下には、陶器や壷・置物と共に二台の100均ワゴンがある。どうやら古本屋と古道具屋の融合店で、『古着・茶道具・古本・古道具』を買入れている。中に入ると、店頭同様ゴチャゴチャした店内。各通路には腰辺りまで和本・古道具類・雑誌・額装絵画&色紙など積まれているが、各棚の上半分は意外にスッキリ見られる状態となっている。壁際はぐるっと本棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本、右奥に帳場があり老婦人が古道具と古本の山の向こうで店番中。頭上からは多数の肉筆短冊(俳句)が垂れ下がっている。左壁には美術関連豪華本・日本美術・中世歴史・徳川家康が並び、途中からは静岡・浜松・磐田・遠州などの郷土本が続き、そのまま奥壁までズラリ。向かいには書・禅・文学少々。そしてこの通路には和本と共に、大量の古い占い本が足元に集まっている。真ん中の通路には、歴史・風俗・新書・江戸・刀剣・安部公房・野坂昭如・山岳…むっ!「魔太郎がくる!!」9巻が一冊だけ…。ここには下に絵葉書箱や、古い小冊子が集合している…『電気の使い方』の本が何冊も…。右端通路は半分が古道具&置物の棚となっており、小さな観音像・人形・根付・篆刻などの間に、句集・陶芸大判本・お茶・民芸の姿。最初に表から見た時は、古道具の一部として古本を扱っている雰囲気だったが、しっかりと古本屋さんの部分あり!古い資料本が多く、紙物も豊富である。値段は安め〜ちょい高で、良い本にはプレミア値付けあり。私の他にも車で乗り付けたお客さんがやって来たが、その人は本には見向きもせずに火鉢を購入。金魚鉢にするんだそうです。講談社「猫は知っていた/仁木悦子」(再版だが100円だしジャケ買い!)朋文堂「山の文学紀行/福田宏年」美術出版社「母と子の針穴写真/田所美恵子」陶製置物「ビクターの犬」(全高16cmで千円!)を購入。

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●磐田「山田書房」
実は最初に行ったら閉まっていたお店。帰りに立ち寄ると、今度はしっかり開いていた。ひゃっほう!『磐田駅前交差点』から『天平通り』を北に進み、二本目の脇道を東へ。奥にお寺が見える駅近住宅街ゾーンだが、右手奥の壁のように高い三階建住宅に『本』の文字!いそいそ近付いて正面へ回り込むと、ピロティガレージ横の住宅の一部が古本屋さんと化している!細長い直方体看板と、レンガ壁面にも勘亭流の看板文字。さっきは閉まっていたサッシが開いており、中にはちばてつや風のオヤジさんの姿が。静かに入口を通り「こんにちは」と素早く挨拶。十畳ほどの店内に、良く整頓された棚が並んでいる。壁際はすべて本棚、左壁沿い中央辺りに帳場があり、フロアには横向きに背中合わせの棚が二本。各棚の足元にはどこも、隙間無く括られたコミック揃いがキレイに置かれている。左壁手前は、上部に時代劇文庫・下部にミステリ&エンタメ文庫が並び、隅に少量の絶版漫画・児童本・官能文庫のスペース。帳場を越えて右奥スペースには、静岡・磐田の郷土本が集められている。入口右横の壁棚は書・古代史・中国・ちくま文庫・アウトローが並び、向かいに新書・選書・文学評論・古典文学・海外文学・戦争。右壁には、オカルト・鉄道・趣味・実用・古い日本文学・日本文学・歴史小説・美術ビジュアル本・映画ポスター。真ん中の通路は、手前に歴史・江戸風俗・新書、奥に評伝・宗教・ビジュアルムック(特撮あり)・雑誌・美術図録の構成。最奥通路は、手前に釣り・アダルト、奥に植物・牧野富三郎・陶芸・お茶・美術・世界文化・建築・アングラ&幻想文学・落語・映画・アダルト。整頓が行き届き、棚造りのバランスは美しく細かく、街のための知識から欲望までを端整に担ったお店である。あえて言うならば、歴史・中国・郷土が突出している。値段はちょい安〜普通。洋泉社「市川崑大全」を購入。

来るのに四時間五十分かかったと言うことは、帰りにも同じ時間がかかると言うこと…滞在時間一時間十五分で、ジュビロシティーを後にして、またもや東海道線の車中。あぁ、今日はまるで、東海道線の中で暮しているようだ…電車で暮して家で寝る。今度は何線の住人になってみようか。
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2011年07月30日

7/30東京・駒込 パックレコードとしょしつ

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今日も遠くへ行こうと思っていたのだが、あっさりと寝坊したので、午後に新宿で買物をしてから、山手線外回りに乗って北区を目指す。東口の線路下へ出て、南側の土手沿いを東へ。線路下を貫通する『中里第一隧道』にたどり着いたなら、その道を南東へ進む。低層雑居ビルが建ち並ぶ街の底をフラリフラリ。二つ目の信号交差点『中里交番前』を過ぎて、二本目の脇道を北東へ。すると右手奥に、緑濃く前栽が生い茂った木造アパートの姿。その壁やドアや入口周りに、アーティスティックなイラストや立看板があり、大通りに向かって自己主張している。ここは『MARUIKE HOUSE』と言って、二階建木造アパートの各部屋を商業店舗として貸し出しているのである。ギャラリー・カフェ・雑貨屋・アトリエなどが入居しており、そのひとつに最近古本とレコードのお店が入居したのである!果たして古本はしっかり並んでいるのだろうか?ドキドキしながらアパート一階入口に近付く。短過ぎるアプローチの奥に開け放しの青い扉。その奥には白熱電球の灯る市松模様の廊下が延びており、左右に部屋の扉が並んで行く。土足のままマットを踏んで廊下に入ると、右側手前の部屋の光景が目に飛び込んで来る。106号室。廊下には一台のガチャガチャがあり、軽い扉は開け放たれている。中は一段高くなった、四畳半の狭い部屋。即座に中にいた男女が私の存在を察知し、入れ替わりに女性は外へ。どうやらハウスの別のお店の方のようだ。サンダルを脱いで、青々しい匂いを放つ畳シートが敷かれた店内へ上がり込む。左壁と奥壁に本棚が並び、入口右側に白い帳場カウンター、右側窓際前には飾り棚が置かれている。店主は黒縁メガネのゲーム好きDJ風青年。田島貴男ボーカルのピチカートファイブを小さな店内に流している。棚はCDが四割、本が六割の古本屋さん寄り。並びはポップカルチャーを外殻にして、70〜80年代コミック・ゲーム・みうらじゅん・カルト映画評論・カルトコミック評論・音楽・ミュージシャン本・サブカル雑誌・音楽雑誌・タレント・アイドル・テレビ・思想・建築がドロ〜リと融合。飾り棚には電子ゲームやパズル・人形が飾られ、足元にはLPレコードの束もある。いや、良くこの路線を迷わずに突き詰めているものである。オシャレと低俗の中間と言うか、成績は悪いけど頭は良いと言うか…。野方「こたか商店」(2010/12/15参照)と白楽「猫企画」(2010/12/17参照)と似ているが、さらに迷い無く潔い。値段は普通〜ちょい高。精算をお願いすると、店主は購入の意志に“ハッ”と驚きつつも、平静を装い本を袋へ。接客に初々しさあり。なお営業日は、土日祝日となっている。TOTO出版「アーキトラベル/中谷俊治」を購入。
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2011年07月29日

7/29群馬・中之条 唯書館

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高崎から、東海道線カラーの三両編成・吾妻線に乗り換える。渋川を過ぎると、里山と、雨のために少し濁った吾妻川を車窓に従え、緑の中をひた走って行く。五十分で目的駅に到着すると、割と開けて整備が行き届いた田舎町。ロータリーの右端を通って北に向かうと、すぐに『中之条駅前交差点』。ここから西に向かって『日本ロマンチック街道』を進んで行く。道沿いには、古めかしい旅館や開放的な薄暗い商店が連続し、旅情をちょっぴり刺激する。二又に分かれる『伊勢町上交差点』で北寄りの道を選択し、『栄橋』を渡って急な坂道。グングン上に上り詰めると、道は大きく西に曲がり込んで、中之条のメインストリート『博物館通り』となる。見通しの良い直線の大通りを進んで行くと、右手に通りの名の由来となった『歴史と民俗の博物館』入口が現れ、そこを過ぎた『博物館前バス停』前に目指して来たお店が堂々と建っていた。「古本屋名簿 古通手帖2011」をお持ちの方は、14ページの上から八店目をご覧いただきたい。本日のお店は、元々気仙沼にあったお店なのである。しかし3/11の東日本大震災の津波により、店舗が流されてしまう憂き目に………。地震以来、太平洋沿岸沿いの、消息の気になるお店のひとつであった。しかし先日、群馬に避難した店主が、新たにその地で古本屋を再開したことをネットで知った…その瞬間、心がブルンと震えた。うおぉぉぉぉぉっ!不屈の古本屋さん!フェニックス古本屋っ!!!!もはや行くことは叶わぬ気仙沼のお店だが、その魂が新店に必ずや受け継がれているはずだっ!これは何としても行かねばならない。今すぐに!と、仕事のスケジュールを故意に歪め、慌てて青春18きっぷを入手して、一刻も早い平日の群馬行を実行に移したのである。道行く子供たちに「こんにちは〜」と挨拶され、焦って挨拶を返しながら店の前。店頭は駐車場となっており、右端に大きな店名看板&買取看板がある。建物自体は新建材のシンプルな建屋で、右に四連の窓があり、左にスイッチの入っていない自動ドア。営業中の札を確認し、ドアをンガァ〜ッと手で押し開いて店の中。床には絨毯が敷かれ、入口で靴を脱いで入店することになっている。中は広めの図書室的空間だが、床には大量の本が積み上がり、中々の混乱状態を呈している。フロア中央の向かい合わせの机には女性が二人おり、パソコン入力の手を止めて「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれた。左の壁際、手前側は木のボックス棚で、奥側は背の高い本棚。奥壁も本棚があり、右奥は倉庫的な小部屋が設けられている。短い右壁は木のボックス棚で、小部屋の入口両脇にもボックス棚あり。右側フロアには大量のコミックが集められ、大きな山脈となっている。左側棚前にもダンボール箱・文庫・レコード・ノベルスなどが乱雑に積み上がっており、棚にはあまり近づけない状態…。その棚並びもほとんどがカオス状態となっており、児童文学・魚・動物・海外文学・山岳・歴史・思想・哲学・運動・ノンフィクション・文学・映画・美術・民俗学・世界・世相・風俗・みやま文庫・岩波文庫・推理小説などが、時に揃いながらも雑踏のような混乱を見せ、グルグルと続いて行く。ちなみに右壁の本はネット販売もしているので、そこから本を取った場合はその旨を告げ、データの修正に協力しなければならない。またどの本にも値段は書かれていないので、デスクでチェックしてもらうカタチとなる。森山大道の「続にっぽん劇場写真帖」が無造作に棚に挿し込まれていたので、安かったら買おう!と思い、同時にチェックしてもらう。創元推理文庫の山を見ながらドキドキしていると、店員さんが「高い」と一言つぶやいたのが聞こえてしまう…結果は二万円。そのままそっと棚に戻しに行きました。しかし床に放り出されている本も、しっかりデータベース化されているようだ。今はほとんど倉庫のようなお店だが、しっかり整頓が終わったら、改めてじっくり棚を眺めてみたい、フェニックス古本屋さんなのである。新たな港から、新たなる船での、古本の海の航海の無事を、切に願っております!そしていつか、いつの日か、気仙沼に帰港することも!その時は万難を排して、古本を買いに駆け付ける所存です。早川書房「駅弁日本一周/読売新聞社くらしの案内所」中公新書「吸血鬼伝承/平賀英一郎」を購入。
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2011年07月28日

7/28東京・千駄木 古書bangobooks

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一週間前に訪ねて準備中だったお店である。地下鉄出口から出て『団子坂下交差点』。『不忍通り』を渡って『谷中霊園方面』に向かうように東へ。坂道手前の信号脇から南へ入ると、道が裏町をウネウネうねりまくる『へび道』の入口である。右手には二階の古本屋さん「不思議」(2010/03/19参照)の扉がある。その前を通り過ぎて、ウネウネと南へ進んで行く。道は丁度千駄木と谷中の境となっており、合計十四うねりで『へび道』出口に到着。その左手に新しく出来た古本屋さんが、可愛くチンマリと出現!これで『へび道』の頭と尻尾を古本屋が押さえたことになるのか…。2010/05/15にすでに紹介済みのお店なのだが、その時は鶯谷・アートスペース『そら塾』での行商販売。それが今回、谷中に嬉しい独立店舗開店の知らせ(『そら塾』での販売は継続)が飛び込んで来たのである。道沿いの一軒家の一部が小さなお店になっており、右側に木枠の一枚窓、左に水色の扉があり窓ガラスにお店のロゴがシンプルに輝いている。今日は“準備中”の札は出ていないが、やはり中は何だか薄暗い…扉に近寄り中を覗き込むと、お!右側には明かりが灯り、その下でハンチングを被った男性が屈んで何やら作業中。思い切ってドアノブを回して店内へ。中もこじんまりとしており、薄暗く蒸し暑い。そして壁一枚を隔てた住居からの生活音が、同じ家の中のように響いて来ている…下町ならではの空間であろうか。男性が顔を上げるより早く、「見せてもらってもよろしいですか?」と言うと、「どうぞ。今電気を点けますね」とウェルカム。おぉ、その上げた顔を見ると、相変わらずの丸眼鏡書生的風貌の青年店主!左側通路の明かりを灯し、本の山に囲まれた奥の帳場に腰を下ろした。左右の壁には本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、窓下にも低い棚が設置。奥の帳場は、未整理の本が積まれた壁棚に囲まれた状態である。本棚の所々には『整理中』の札が下がり、棚脇にも『仮営業中』の貼紙が……ふぅむ、本格オープンは一体いつなのだろうか?後で店主に確認してみよう。左側通路は棚に本は入っているが、そのほとんどは整理中となっており、映画・古い学術&実用&技術本・文学・思想・美術・文庫・自然科学・風俗・パズル&手品・児童科学本などがカオスに並んでいる。原田三夫や冨田均にググッと引き寄せられてしまう。右側通路は、壁棚は整理済みのようで日本文学・ミステリ&エンタメ・歴史文庫・新書・動物・昆虫・植物・化石がキレイに並んでいる。向かいには探検・冒険・恐竜・コミック・科学・SF文庫などが半分未整理で収まっている。まだまだ全貌は計り知れないが、児童科学・自然科学・動植物・恐竜が目立っていて面白い。そして新しい出来立てのお店のはずなのに、既に昔ながらの古本屋さんの雰囲気が漂っているのは、一体どうしたことなのか…ある意味貴重なお店に発展するかもしれない…。値段はちょい安〜普通だが、面白い本にはしっかりとしたプレミア値が付けられている。精算をお願いしながら「本格的なオープンはいつになるんですか?」と質問。「一応七月の終わり…いや、八月一日からと言うことに……」。そして周囲を見回しながら「この状態ですからねぇ。いくら片付けても終わらなくって…。まぁ『整理中ですが営業始めました』ってことで、とにかく開けてしまおうかと…ハハハハ」。おぉ!どうやら八月一日に“見切り発車開店”!がんばれ、バンゴブックス!負けるな。バンゴブックス!小山書店「恐龍王国/井尻正二」を購入。
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2011年07月27日

7/27東京・久米川 下井草書房

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ホームと同じ高さの北口から外に出ると、駅舎もロータリーも新しい軽やかな駅前。駅沿いにそのまま北西に進み、大通りを横切って交番脇の道を直進。すると先に『新青梅街道』の陸橋が現れるので、そのまま道なりに進んで陸橋下を通過。空堀川と言う、名とは裏腹なしっかりと水を流す川を渡ると、目の前には二又の道。右側を選択して先端の集合住宅をやり過ごすと、まるで地続きのような集合住宅兼店舗が現れる。左端が目的のお店なのだが…ここは実は二年ほど前に、敷居が高過ぎて怖気付いたお店なのである。あれから二年、私も色々なお店を巡って来た。今なら古本屋に入店する胆力も、だいぶ付いているはずだ…と言う訳で改めてのチャレンジなのだが、やはり強敵なのである。店頭台も店名も無く、茶色い店構えは額装古写真やリトグラフに遮られ、様子を伺うことは不可能…だが古本の神は私を見離していなかった!店頭には括られた本の山があり、それをやせぎすで教授のような壮年店主が店内に運び入れ始めたのだ!千載一遇のチャンスッ!ええぃ、と心の準備も整わぬままに店主に近付き、胡散臭いものを見る視線を受け流しつつ、「あのぅ、中を見せてもらってもよろしいでしょうか?」と聞くと、不機嫌そうに興味なさそうに「どうぞ」の答え。「ありがとうございます。失礼します」と中に滑り込むと、目の前に立ち塞がったのは洋書の棚であった。途端に緊張感が倍増し、その瞬間から私はただの門外漢と成り果てた。壁一面は本棚、フロアには背中合わせの本棚が縦に三本並び、奥はすべて行き止まりとなっている。革装本・大判本・ハードカバー…横文字の背が心を圧倒し続ける。英文学中心で、古い本がハチャメチャに多い。特に古い本はビニールカバーで防護されている。入口周辺には額装リトグラフや写真が飾られ、通路には掛軸の詰まった箱もあったりする。私はドギマギしながら狭い通路を右往左往…あぁぁぁ、どうしよう!覚えのある作家の名は並んでいるのだが、英語が読めないので購買意欲はゼロ。ならば突破口はビジュアルの多い本しかない…しかも安めの本をっ!と鵜の目鷹の目で努力した結果、ようやくルイス・キャロルの写真集なるものを発見。値段も手頃だし写真も良いし、これなら!と入口近くのドッシリしたアンティーク机に陣取る店主に、勇気を持って精算をお願いする。そして「ここは洋書ばかりなんですか?」と聞いてみると、「二階には日本語の本も少しあるよ。色々知りたかったら、ぜひホームページを見てください」とのこと。「はぁ〜、いやスゴイですね。びっくりしました」と言うと、「ウチのお客さんはほとんどが学校の先生か外国の人なんだよ」「外国の人が自国の本を買うのに、日本で買うんですか!?」「向こうにも無い貴重な本が結構あるからね」とニヤリ。そしてここから、一時間に渡る『下井草書房学校』の授業がスタートすることとなった。一時限目は『ビクトリア時代英文学と論文執筆』。貴重なルイス・キャロル初版本を見せてもらいながら、「本物を見なければ魂は伝わらない」と教えられる。他に“児童文学名作誕生五十年周期説”など。二時限目はケンブリッジ百科事典の“日本の歴史”から始まる『日本民族の成り立ち』。三時限目は、女子サッカーワールドカップ『なでしこJAPAN 全試合解説』…とにかく宮間はスゴイ!とのこと…英米文学洋書の古本屋さんで、最終的に話がここに流れ着くとは…。いや、楽しい拘束時間でした。みなさん、「下井草書房」をお訪ねの際は、受講のスケジュールを頭に入れておくことを、おススメいたします!DOVER BOOKS「LEWIS CARROL-PHOTOGRAPHER/HELMUT GERNSHEIM」を購入。
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2011年07月26日

7/26神奈川・黄金町 エビスU

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最初は勇んで久々の鶴見へ。大きく湾曲する鶴見川を渡ってお店に着くと、中は真っ暗でお休みモード…どうもコミックとDVDしかないようだな…。すぐさま駅へ引き返し、京急各駅停車でジリジリと港湾沿いを南下して行く。そして白日の中の黄金町。改札口を出たら狭い高架沿いを東へ。大通りを南東に進み、大岡川を『太田橋』で渡る。そして『末吉町四丁目交差点』を東へ。おぉ、ビルの谷間の裏通りに古本屋さんの姿が…恐らく駅から一番近いお店であろう。マンション一階の割と大きな店舗で、二階ベランダ下に大きな白い軒看板。その下左側2/3が古本屋さんで、右側1/3は洋服屋さんとなっている…兼業だろうか?店頭には廉価コミック棚・100均文庫ワゴン・コミックカゴが置かれている。中に入ると、そこは装飾性の欠片もない灰色スチール棚の林!中心部はコミックに、正面奥はアダルトに掌握されており、古本は入口左横と右奥に集まっている。右奥にはサブカル系雑誌・エッセイ・オカルト・実用・新書・日本文学文庫・岩波&中公文庫・雑学文庫と並び、向かいに女流作家文庫が少々。そのさらに奥に、アダルトスペースの仕切りになっている棚があり、時代劇文庫・ノベルス・推理文庫・海外文学文庫が並んでいる。ちなみにこの棚とアダルトスペースは、右側の洋服屋を大きく侵食している。二店は内部ではつながっておらず、どうやら兼業と言うわけではなさそうだ…にしてもこの大胆な食い込みっぷりは気になるところ…。入口左横には、壁際に二本と向かいに一本の棚があり、通路棚は海外文学・ミステリ&エンタメだが、壁際の二本は渋い古本屋的棚造りがされており、日本文学・横浜・歴史・風俗・美術・文化・古い雑誌が収まっている。右奥はリサイクル古書店的で、新しめの本が中心で値段は普通。ところが左壁の二本は、前述通り古本屋さんの香りが濃厚で、単行本の値付けは安めとなっている。今は無きこのお店の本店、桜木町の「恵比寿書店」も一度訪れてみたかった…。左奥の帳場にて、分厚い講談社ノベルスを熟読中の、年齢不詳な男性に蚊の鳴くような声で精算していただく。ワニ文庫「怪しいアキバ漂流記/クーロン黒沢」二玄社「泡沫傑人列伝/秋山祐徳太子」を購入。
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2011年07月24日

7/24栃木・益子で陶器に目もくれず古本を求めて二店!

小山で水戸線に乗り換え、下館からはカゴみたいな模様の真岡鐡道。一両きりのディーゼルカーが、肥沃な黒土にスックと生えるトウモロコシの側を擦り抜けて行く。ピッタリ四十分で陶器の街に到着。期待に違わず、駅には巨大な壷があり、構内案内板も陶板で作成されている…。

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●益子「内町工場」
小さなロータリーから『驛前通り』を南東に進めば、すぐに道は東に延びる道となり、名は『益子本通り』となる。その鄙びた疎らな商店街を道なりに東へ。およそ一キロで『益子信号』にたどり着き、やがて右手の『内町バス停』横に、古い商店建築のアンティーク家具&雑貨屋さん…お洒落な若者向けの店だな、と思いつつ何気なく店内の暗がりを覗き込むと、むぅっ!そこには古本らしき影っ!早急に確認しなくてはと考え、道路から敷居を跨いでお店の中。薄暗く縦長で倉庫のような印象だが、すべてのディスプレイに神経が行き届いており、緊張感のあるアンティーク空間を造り出している。その家具・雑貨の隙間を埋めるように、所々に潜む古本の姿!意外と冊数が多そうだ。入口近くの左壁には白い棚が設置され、セレクト文庫・食・日本文学・エッセイ・山本夏彦・山口瞳・詩集・児童文学・舟越圭などなど。向かいの右壁と平台には、絵本が大量に集められ飾られている。左通路を奥に進んで行くと、所々に谷川俊太郎・長田弘・城山三郎・五木寛之が潜み、左奥に「暮らしの手帖」関連・大橋歩が固まっている。真ん中奥に平積みの「太陽」の山、その向かいに山岳・登山・コミック・松本大洋・宮崎駿。右奥にも本が固まっており、美術・映画・ジブリ関連・美術雑誌の姿が。普遍性はあまり無く、店主のセンスが強く投影されたセレクト棚で、古めかしい本も少々あり。全体的に高尚なので、オシャレアンティーク空間との融和性が高い。値段は普通。右側中ほどの帳場で、大量の古本を目の前に積み上げながらも、道路方向を遠い目で見ている青年に精算をお願いする。ソフトモヒカンの猫ひろしが大きくなり、容姿も二倍増し!と言った感じの好青年である。一元社「これだ・巴里は!/名賀京助」を購入。…この本、400円だったのだが、帰って調べて見ると一万円オーバーの本であった。やった!

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●益子「starnet」
商店街をさらに東に進んで行くと、大きな『城内坂交差点』。ここを過ぎると街の様相は一変し、陶芸&民芸のお店が道の両側に連なり“益子焼”一色となって行く。この辺りはほぼ観光地化しており、車で訪れた人たちで賑わっている。『古陶』『古窯』などの文字に過敏に反応しつつ、坂を越え坂を下り巨大なタヌキ像をやり過ごし、やがて道は北へと向く。『道祖土交差点』から東に進めば、目指すお店は後一息。田舎道をフウフウと歩み、駅からおよそ三キロほどで、右手にどよんとした『須田ヶ池』が出現。その手前の道を南に入り込むと、右手に待望のお店が姿を現した…た、たどり着いたが、オシャレ…。大きな三角屋根が被さり、足元を大谷石で固めた、洒落た建物なのである。駐車場脇の入口に近付くと、壁には白い額が掛かり『ストアー食料品 コーヒーショップ ブックピックオーケストラ』と書かれている。そう、ここには本のイベント集団“book pick orchestra”が古本棚を出しているのだ。わざわざここまで来て躊躇する訳も無く、取っ手に手を掛けガチャリと中へ。くぬっ!するとそこは完全なるカフェ空間で、何処からこんなにお客が集まって来たのか!?と思うほどに賑わっている。そして皆一斉にこちらを見た!ぐぬぅ〜負けるものか…しかし早く古本を見つけて避難しなければ、と視線は必死に店内を泳ぎまくる。しかし結局良く判らないので、正面の小部屋の中にとにかく進もうと、右脇通路から回り込む。するとそこもカフェスペースなのだが、仕切り壁にある古本棚を発見!どうにかたどり着いたようだ。こちらにもお客はいるが、もう彼らの目など気にしてはいられない。もちろん本を見ているのは私独りなのであった…。窓を挟んで三本の壁棚があり、下部のカウンター台にも本は飾られている。海外文学・ヨーロッパ・美術・ミステリ・幻想文学・随筆・詩集・日本文学…特にジャンル立てがある訳ではなく、カオスに優雅に余裕綽々と本が並べられている。もちろん雑本的雰囲気はゼロ。すべて山の中で出会った意外な一冊!の権利を持っている。値段は高め。一冊選んでレジに差し出すと、奥のギャラリーで精算するよう促される。荘厳な扉を開けてそちらへ進むと、ぬぉっ!こっちにもたくさんの人が!そんな彼らに混じり、私はレジで文庫を一冊精算。来た時とは違う重い観音扉から表に出ると、やっぱりここは池と藪の迫る山の中…ここまでお茶を飲みに来る、お客さんたちのバイタリティーに、ただただ乾杯!創元推理文庫「脱獄九時間目/ベン・ベンスン」を購入。

帰り道では町内のそこかしこから、お囃子と共に山車が出現し、それを紋付袴の男たちが見送る、夏祭りの空間に大変貌。こちらは熱く焼けたアスファルトの上を、お囃子のリズムに合わせて足をペタペタ運び、知らない街でたったひとりの古本祭……ピ〜ヒャララ…。
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2011年07月23日

7/23東京・雑司が谷 第11回 鬼子母神通り みちくさ市

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午後一時半、自転車を駆って雑司が谷へ。『目白通り』を東に進んで、『明治通り』と都電の線路を跨げば、小さな『高田一丁目交差点』に到達。ここで北を見ると、道の始まりには『鬼子母神表参道入口』のゲートがあり、商店街が少しうねりながら延びて行く。この南北300mほどの道で、奇数月に一日だけの古本市が開かれているのだ。自転車をスーパーの前にそっと停め、商店街に足を踏み入れる。早速道端に並ぶ古本を!と行きたいところだが、その前に私にはやることがある!この商店街の入口近くの家に飼われている、雑種犬に逢いに行くのだ!いつもガレージの奥でつまらなさそうに寝ているのだが、近付くとその身をガバと起こし、わざわざ自分のオモチャを加えて近寄り『これで遊んでくれっ!』と必死にせがむカワイイ奴なのである。これを遊ばずしてなんとする!と、しばらくこっそりたっぷりと犬と戯れ、キリが無いので腰を上げ、さぁ「みちくさ市」へ。正式な出店者は主に道の左側に集まっているのだが、右側にもたくさんの露店が出現しており、古本以外にも雑貨や様々な商品が販売され、市を否が応にも賑やかにしている。二ヶ所ある案内所にも本棚や箱が多く設置され、古本市の核として機能している。各出店者は、とにかく自由で和やかな雰囲気で本を販売しており、商店街が何だかひと時の“古本ユートピア”とも言える状態に。古本界の重鎮から近所の人までが、古本をかすがいとして、緩やかに結束している…。並ぶ本も、様々なタイプの読書家の頭蓋の流れが染み出しており、その流れに身を任せて通りをウロウロと行き来する。結果、図録「鴨居玲展 終わらない旅」創元社「随筆 山の手の子/獅子文六」小学館「阿房列車2号/原作・内田百けん 漫画・一條裕子」青幻舎「京の古本屋」平凡社カラー新書「闘牛/佐伯泰英」河出書房新社「道の手帖 田村隆一」中公文庫「漂蕩の自由/檀一雄」を購入することに…ちぃ、そんなに買わないつもり、だったのに…。この後、せっかくなので雑司が谷の古本屋さんを連続して訪問。「ひぐらし文庫」(2010/01/31参照)にて晶文社「植草甚一の収集誌」を、「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)にて皆成社「名前といわれ 昆虫図鑑/写真・栗林慧 文・大谷剛」を、「JUNGLE BOOKS」にて河出文庫「千里眼千鶴子/光岡明」を購入しリュックをさらに重くする。しかしどのお店も元気に営業中で、嬉しいことである。たっぷりと古本にまみれた、一時間半の道草を満喫し、ペダルを踏んで帰り道。
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2011年07月22日

7/22神奈川・藤沢 太虚堂書店 藤沢駅北口支店

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大船で大船観音の艶やかな後頭部を眺めつつ空振りし、失意のまま駅に戻って、下り電車で西にスライドして久々の藤沢に到着。北口を出ると、ライトもどきの噴水がある空中デッキ。左奥のデパート『さいか屋』脇に入り込んで行くと、歩廊の左下に中州に建っているような『横浜銀行』のビルが現れ、ぬぉっ!その一部が何と古本屋さんになっている!『藤沢銀座』沿いの、ビル右側奥部分に入居するそのお店は、鵠沼海岸「太虚堂書店」(2009/09/23参照)の支店なのである…果たして内部はどんなことになっているのか?まさか銀行につながっているわけでは…?二階以上に大きく窓が採られており、その最下部に開け放たれた『古書籍買入』の黄色い窓看板。一階はガラスウィンドウで、プレミア豪華本や「それいゆ」がディスプレイされつつ、ガラスには『浮世絵美術文芸乗物ミリタリーアダルトDVD』と、二階の説明が一気呵成に書き上げられている。店頭には400〜500円の単行本棚が二本、400〜500円単行本ワゴンが一台、100均文庫ワゴン一台、そして全集タワーと雑誌ラックの賑やかなラインナップ。中に入ると、何故このような形になってしまったのか?といぶかしむほどの変型店舗で、左壁が極端に短く右壁が長い、正面壁が45度に傾く台形なのである。ほとんど三角形と言って良いほどである。壁際はそれでもぐるっと本棚で、中央に45度壁に平行するカタチで、縦に背中合わせの棚が二本置かれている。右奥手前に二階への階段があり、その横に縦長ガラスケースと共に帳場が設置されている。そこではマスクをしたご婦人が本の手入れをしながら、「いらっしゃいませ」と体温の低い声を発している。入口左横の狭い角部分は、CD・実用・園芸・絵本・児童文学で埋められ、そのままナナメ壁の絵本続き・古い児童雑誌・岩波文庫・講談社文芸文庫・宗教・音楽・思想・落語・映画・演劇・世相・風俗とナナメに続いて行く。右奥壁は、日本古代史&歴史&民俗学の箱入り資料本が並び、江戸・東京・鎌倉・藤沢・神奈川が収まる。通路棚手前は出版社別一般文庫が揃い、奥には新書・絶版&品切文庫・探偵小説文庫・ちくま文庫・中公文庫・講談社学術文庫・官能文庫となっている。入口右横の階段下まで続く棚には時代劇文庫の姿。ガラスケースには和本・プレミア文学本・プレミア探偵小説が飾られ、店内各所にも価値の高そうな古い大衆雑誌が飾られている。この時点で二冊の本を手にしていたので、帳場の店員さんに「これを持って二階に上がってもいいんですか?」と聞いてみると、「どうぞ〜」とさらに体温の低い擦れ声で返答。全集の少し積まれた、左に少し曲がり込む階段で二階へ。ほぉ、二階も一階と同型で、今度はナナメ壁の最奥が入口となっている。左に二階帳場があり、こちらは若いメガネっ娘が店番中。壁際窓際は本棚で覆われ、真ん中にガラスケースと背中合わせの棚が一本。帳場の左横には棚で仕切られたアダルトスペースがあり、右横には古い観光地図など紙物の入ったマップケースや、復刻漫画・雑誌附録などが置かれている。右側ナナメ壁には、探偵小説・推理小説誌・幻想文学・幻想文学雑誌・海外文学・詩歌・鉄道・プロレス・戦争。手塚治虫。向かいの通路棚にも探偵&推理&怪奇小説が多く並び、他に日本文学と古い仙花紙本の姿も。裏側には美術本と浮世絵・錦絵が収まる。窓際にはアイドル系写真集・美術図録・写真・日本美術。そして仕切り棚に民芸・工芸・西洋美術と続く。変則的カタチの一・二階が楽しく、古い本と珍しい本が多くてさらに楽しめる。棚造りも濃密で丁寧。ついついたくさんの本を買いそうになるが、値段は普通〜ちょい高で、良い本は隙無し値付け。なのでグッと我慢してジックリ吟味。二階で精算をして、スタンプカードを作ってもらいお店を出る。それにしても何故、横浜銀行は明らかに使い勝手の悪いテナントを作ったのだろうか?もしや、ナナメ壁の裏側に、不可思議な形状の巨大金庫室が眠っているのか!?有光書房「明治東京風俗語事典/正岡容」ペヨトル工房「クラッシュ/J・G・バラード」を購入。
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2011年07月21日

7/21東京・千駄木 喜多の園

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谷中に新しく開店したと言う「古書bangobooks」(2010/05/15参照)を訪ねる。おっ、本当にあった!と喜んだのも束の間、ドアには無情の『準備中』の貼紙。真っ暗な店内を恨めしく覗き込んでから『不忍通り』へ。続いて向かったのは、お茶屋が古本に侵略されつつある「喜多の園」(2009/09/13参照)。最近お店を移転し、外観も古本屋度をグッと増幅させていたのである!場所は以前とさほど変わらぬ『千駄木二丁目交差点』近くだが、『不忍通り』沿いではなく『往来堂書店』横の脇道を東に進んだ右手に現れる。下町的木造モルタル集合住宅の一階が店舗で、路上には色褪せた幟が一本と、何も入っていない店頭ワゴンが一台。ちなみに何も入っていないのは、現在店頭で道路工事が激しく行われているためである。本は自転車と共に店内に避難中…。トラックの間を縫い、ちょっと高い位置にあるドアを開けて中へ。六畳ほどの小さなお店で、三方の壁に黒い棚が置かれ、窓際には低い棚とお茶屋の大きな扁額が置かれている。真ん中にはテーブルが据えられ、平台の役目を果たしている。奥に棚の続く部屋が見えているが、こちらはすでに事務所的プライベート空間。数種類の全集揃いや辻邦生が並んでいるのが見えている。その奥から、気配を察知した若旦那が、すっかり“夏”なハーフパンツスタイルで意気揚々と姿を現す。先日の「一箱古本市」打ち上げ会場にて知遇を得ていたので、一目見た瞬間に私を認識していただいた。「ようこそようこそ。ゆっくりご覧になって下さい。パッと色々取り出して、もう自由に!さっ、土足で!」と、相変わらずフレンドリーでテンションの高い方なのである。入口左横にはお茶本体とお茶に関する本が並び、上には熊谷守一のトンボの絵が飾られている。窓際には文庫箱が一箱と、ここにも製品の茶葉がズラリ。奥には「東京人」など雑誌の山も。テーブルにはミステリ&エンタメの単行本箱と100均箱、それにミステリ系文庫と東京本の山が連なる。右壁には三×六の棚が二本並び、文学全集・思想・セレクト日本純文学・文学評論・文壇・書店・読書・美術評論・田中康夫・松本清張など。そして正面壁には、曲者の、値段の無い良書が並ぶスライド書棚。野呂邦暢・後藤明生・黒井千次・柄谷行人・太宰治などが収まっているが、相変わらず売ってくれるかどうかは、粘り強い交渉次第なのである。横には同様の扱いの文庫&新書棚あり。奥で仕事中の若旦那に声を掛けて精算。それから三十分ほど、楽しく日本文学話をさせていただく。今回仕入れた最重要若旦那情報は、『坪内祐三のような高等遊民になりたい!』と言う痛切な叫びでした。…いやもう、若旦那は充分立派な高等遊民だと思いますが…。彷徨舎「極私的東京名所案内/坪内祐三」を購入。帰りに「コンコ堂」に立ち寄り、中公文庫「明治人物閑話/森銑三」角川文庫「愛と笑いの夜/ヘンリー・ミラー」を購入すると、店内に知り合いの編集者さんがおり、何やら扮装気味の素敵な女性を写真撮影中。目が合うと「今日はこんなことしてます」と照れ笑い…あぁ、古本屋さんに行くと、色々不思議なことに出会うものだな…。
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2011年07月20日

7/20東京・神保町 古書かんたんむ4F

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神保町から遠く離れた私の家にも『古本お売り下さい』のチラシが投函される、商売熱心なお店を目指して、雨が降る前に神保町へ。『駿河台下交差点』際に建つ『三省堂書店』の『すずらん通り』側へ。そこは地面にモザイクタイルが敷き詰められた小広場で、通りにではなく三省堂入口に向けて、目指すお店の立看板が置かれている。『全国出張』や店名と共に、最下部に修正された『4F・5F』の表示…2フロアか…手強いな。気を引き締めながら、広場左奥の『第2アネックスビル』入口へ。ところがこには『5F 神保町古書モール』『4F 古書かんたんむ』とあるので、実状がどうにも判らず少しこんがらがる。まぁ取りあえずはエレベーターに乗って4Fへ。扉が開くと階段の柱に黄色いお店の看板、右を見れば開け放しのドアから濃緑の棚が並ぶ店内。絨毯の敷かれた広いフロアに、右壁と奥壁に本棚、フロアに五本の小さな平台付き背中合わせの棚がズラリと並び、棚脇にも小さな本棚の姿が見受けられる。外周通路の所々に括られた未整理本の山があるので、少しだけ乱雑な印象を受ける。入口左横の長机で造られた帳場周りも同様な有り様。右端通路は、壁際に雑誌附録・紙物・レコード・映画。そのまま奥壁には、文学復刻本・絵本・児童文学・宗教・文化・建築・科学・鉄道・航空機・船舶・同時代ライブラリー・大判ビジュアル本などが大量に並んで行く。通路棚は、文学・社会・政治・品切れ&絶版文庫・一般文庫からスタートし(ここには「閑古堂」の本あり)、第二通路に歴史・民俗学・一般文庫(この通路には「がらんどう」の本あり)。第三通路は、新書・歴史・思想・哲学・言葉・様々な古い新書。第四通路は、日本文学・幻想文学・探偵小説・紀田順一郎署名本・ちくま文庫・中公文庫・日本文化・書・岩波文庫。第五通路には、江戸・工芸・自然・豪華本&プレミア本ディスプレイ・戦争前後単行本&文庫本。左端通路は全集本を中心に、詩歌・一般文庫が並んでいる。帳場の左横には、100均映画パンフ&プレスシートと和本棚あり。本の量も多くジャンルも多岐に渡っている。少しカオス気味なところもあるが、逆に探す楽しみがモリモリと湧き出す始末。値段は安め〜普通。精算をお願いした女性店員さんに、「あの〜、上も同じお店なんですか?」と聞くと、にっこりと笑いながら「そうなんです。上も一緒です」と答え、黄色い『神保町古書モール 御買物券 五拾円』を両手で差し出した。「と言う訳でこれも上で使えます」とさらににっこり。ふぅ〜む、「かんたんむ」が両フロアを統括していて、そこに別のお店が棚を出している…と言うことなのか?福音館書店「日本伝承のあそび読本/加子里子」童心社「かこ・さとし かがくの本 ぼくのいまいるところ/かこさとし著・北田卓史絵」電設資料協会「ユーモア郷土史 歩いて見よう東京の町/田口政典」を購入し、では五階へ、と外階段を駆け上がる。すると階段室に早速の文庫棚!店内を見ると、うわっ!下のフロアと全然違うじゃないか!しかもより濃密!よりカオス!より複雑!棚も傾いでいる!床にも本が溢れ出している!こ、これは今の残り時間ではとても太刀打ち出来そうにない…半ば唖然としながら店内を一巡し、今回のツアーはあきらめ、尻尾をくるっと巻いて敗走する…「かんたんむ」恐るべしっ!5Fはまたいつの日か…。
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2011年07月18日

7/18東京・中野 FLOWER RECORD

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強い風の中を、それほど気負わずフラッと中野へ。北口で『中野サンモール』に殺到する人々の流れを突っ切り、ロータリー右奥の『北口一番街』へ入り込む。北から東へとズイズイ進み、サンモールに並行して延びる飲み屋街『ふれあいロード』に突入。北へ進み続けると、すぐに西への脇道『中野北口二番街』にたどり着く。そこに入り、右手の少し斜め上を見ると、飲み屋の看板群に埋没したレコード屋の看板をどうにか発見。『音楽×古本』のお店なのである。上部に白地に赤文字&マークのシンプルな看板、その下にも『中古レコード、ビデオ、音楽本売ります!買います!』『通好みの集う店』などと書かれた直方体の看板がある。その横には、キング・オブ・雑居ビルの入口…扉を開けて正面を見上げると、三階まで一気に延びる階段!スタタタンとこちらも一気に駆け上がり、右側の薄暗いフロアに踏み込むと、人の気配がまったく無いドアの並ぶ空間。目指すお店はドア横に看板があったのですぐに判ったが、これはまたハードルの高い状況だな…ニコチンで煮しめたような廊下に、ガッチリ閉ざされた茶色いドア。そのドアに張り付いたマグネットシートに『営業中 御自由にお入り下さい!』と、擦れた文字で書かれている。おぉ!この人の進入を拒む虎穴に、何故私は入って行かなければならないのか!?涙をこらえて、心がぶれる前に早めにドアノブをガチャリ…あれ?間違えたかな?ここは倉庫なの?ドアの中はどう見てもお店ではなく、大量のLPレコードが詰まったダンボール箱に支配された空間!例えここがお店だとしても、誰でも入店を躊躇する光景が奥まで続いているのである!しばらく入口近くのダンボールに挟まり、細い隙間の続く奥の様子を伺う。すると奥から何やら話し声が聞こえるので、どうやら何処かに人が潜んでいるらしい、とようやく確信し、ズリズリと狭い通路を進んで奥へ。おっ、右側に物が溢れた帳場的空間が現れ、半白の西村賢太風男性が埋もれている。奥に進みながら頭を下げると、向こうも律儀にペコリ。良かった!お店だった!!通路らしき所を抜けると、そこは六畳ほどの開けた乱雑な空間!『悪魔のいけにえ』度が高いが、かなりお店っぽいぞ!三方の壁にはCDラックが並び、真ん中にはレコードラック…そこにビデオを含め、あらゆる状態でさらにCDやLPが覆い被さっているのだ。うわっ、天井からは大量のEPが虫のサナギのように垂れ下がっている…ちょっと生命の危機をほのかに感じてしまうなぁ…。洋楽・パンク+日本のロック80〜90年代&インディーズが、マニアックに大量に網羅されている。さて肝心の古本はと言えば、店内のそこかしこに潜む大量の音楽雑誌以外に、奥の壁際にセックスピストルズ・パンク・スカの詰まったダンボールが一箱、帳場前に日本ロック黎明期・アーティスト評伝&自伝&エッセイ類・音楽評論などが乱雑にドッサリ詰まる箱!掘り返すと珍しく楽しい本が次々現れる…が、軒並み高くしっかりとし過ぎた値付けが為されている。しばらく店主の視線を気にしながら箱を物色し、一冊を選んでどうにか精算にこぎつける。店主はお店の状態とは反比例の、人当たりの良い優しい応対。さらに店内とは裏腹な、オリジナルの清々しい袋で本を包装。「狭いんですいませんね」のハニカミ声を背に受け、再び狭い通路をズリズリ…外に出た時に、正に“生還”と言う文字が頭に浮かぶ。魔窟・中野ブロードウェイの至近に、こんな音楽的にも物理的にもディープな魔窟があったとは…。エンジェルワークス「原宿ゴールドラッシュ 青雲篇/森永博志」を購入。
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2011年07月17日

7/17岩手・盛岡で街をぐるっと二店!

仕事スケジュールに魔法的調整を施し(ちなみにしっぺ返しはすべて己に…)、最後のJR東日本パスによる東北行!都合五回目は、東京から四時間かけて盛岡へ。ターゲットは以前は入れなかった「つれづれ書房」で、『今度こそ!』の思念を強く発しながら、北口からカラッとした青空の下のロータリー。そのまま北上川沿いの『駅前北通』に出て北西へ進む。遥か先には夏の岩手山と、モクモクの夏雲。『夕顔瀬橋西交差点』を東に入り、北上川、さらには山田線の踏切も越える。北の夏の日射しの青空の下を、東に進んで交差点をひとつ過ぎると、道路拡幅工事中地帯右手に「つれづれ書房」…うぅぁ〜い、閉まってる。くそぅ、またいつの日か再チャレンジか…。残念な結果を引き摺らずに、そのまま東へ進んで二つ目の脇道を東南に進み、再び山田線の踏切を越えると、おぉ!右手に「浅沼古書店」(2009/02/02参照)の雄姿!しっかりと営業中なので、久々の出会いを楽しみつつ、芸艸堂出版部「連翔/鏑木清方」を購入する。

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●盛岡「TUMI(ブックセンター)」
「浅沼古書店」を出て、道を東南にひたすら進み続ければ、やがて中津川に架かる『富士見橋』。しかしそこに到達する一本手前の道に、確か発見はしたのだが、入れなかったお店(2009/02/02参照)があったはず…。と覚えのある通りに目をやると、以前と変わらぬ二棟続きの屋根の高い木造建築…お店はある。おっ、しかも開いてるぞ!「TUMI」の大きな立看板は変わらぬが、入口上に『TUMI トゥミ』の文字と共にペルーの国旗が掲げられている。さらに店頭には立看板がひとつ増え、『古本』と共に『ブックセンター』と書かれている…かなり再利用度の高いブツではある…。ちょっと狭い開け放しの入口から中に入ると、左に焼き鳥屋的カウンター席、右には待望の壁棚が早速展開する。細長く、食べ物屋特有の匂いが漂う店舗で、奥は小部屋状になっており、三方に壁棚があり、中央に背中合わせの棚が一本。奥のカウンター端に三人の男性が集まっており、静かに静かに将棋対戦の真っ最中。私の気配を察したのか、カウンター内のループタイ着用谷川俊太郎風店主が爽やかな笑みをこちらに向けた。「本を見てもよろしいですか?」と問うと「どうぞ」と快く応対。しかしすぐに盤上へと戻って行った。右壁棚は奥深く、二重にどっさり本を満載している。日本文学・ノンフィクション・タレント・スポーツ・宗教・谷口雅春・大川隆法・精神世界・オカルトなど。棚前に小さな棚があり、日本文学文庫と女流作家文庫を並べている。対局の邪魔をしないように、息を潜めて乱雑にコミックの積み上がる横を通り、奥の小部屋へ。カウンター端下にある日本文学文庫もしっかりチェックした後、三方壁棚に歴史・日本文学・思想・自然・全集端本・古典文学・児童伝記・資料類・戦前本・日本純文学文庫・ノベルス。フロア棚には、東北・民俗学・教養&雑学文庫・歴史&時代劇文庫・新書が収まっている。本の量は中々多く核もしっかりしているのだが、時間の経過と共に少しずつ乱雑に、雑本的になって行っている模様。ちょっと古めの本が多く、探せば何か見つかりそうな雰囲気はある。値段が安いのはとにかく嬉しい。対局中の店主にさり気なくアピールし、精算をお願いする。どうやら店主の棋力はかなり高いようで、さっきからお客さんチームはうんうん唸りっ放し…店主は目を離しても余裕綽々なのであった。新潮社「六十九の非/田辺茂一」を購入。

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●盛岡「ブックショップさとう」
その後は、中津川沿いの道に出てしばらく北上すると、岩手県交通『愛宕町バス停』前に、オレンジの日除けのお店が現れた。ここは『まんが古本』専門店で、例外を除いて全品一冊100円でコミックを販売している。店内は本当にすべてコミック。奥のレジ横に、例外の絶版漫画が少々集まっている。ステテコ姿のスローモーなおじいさん店主がプリティーである。講談社「愛蔵版デビルマン/永井豪」を購入。

上の橋袂の「東光書店」にも立ち寄り、相変わらず古めかしい店内をウフウフと愛でた後、新潮新書「明治大正翻訳ワンダーランド/鴻巣友季子」を購入して、盛岡古本行脚を締めくくる。JR東日本パスよ、ありがとう!おかげで安値で東北のあちこちに行けました!
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2011年07月15日

7/15宮城・仙台近辺調査の末に幻の店一店!

ずれ込み続けるスケジュールを逆利用して、無理矢理一日の間隙を作り出し、JR東日本パスで東北へ!三連休となる週末は激しい混雑が予想されるので、とにもかくにも平日に出向きたかったのである。今回は、仙台近郊の古本屋さんに的を絞り、午前中から新幹線の人となる…。

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●北山「古書 ビブロニア書店」
仙台から仙山線に乗り換えると、新幹線の描いたカーブをそのまま引き継ぐように、この路線も街中を大きく西に曲がり込んで行く。三つ目で下車すると、傾斜地の中腹にある駅。南側へ峠を越え、仙台の街を遠望する急坂を下って、どうにかお店にたどり着く。しかし残念ながら休業中の様子。恐らく震災の影響であろう。取りあえず写真を一枚撮り、入口サッシ扉の貼紙に顔を寄せる。そこには、六月中旬営業再開の予定が延期になったこと、様々なことが重なりさらに再開が遅れる見込み、などの事が7/1の日付で書かれていた。無事の再開を願っております!要再訪!

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●名取「有隣堂」
続いて仙台駅に戻り、今度は東北本線で南へ。車窓に見えた仮設住宅群に頭を垂れ、九分ほどで目的駅に到着。あたふたと店前に到着すると、こちらもシャッターが下ろされ休業中の様子なのだが、顕著な建物へのダメージが痛々しい。シャッターには3/18に判定された『応急危険度判定結果』の、黄色い“要注意”の貼紙が貼り付けられたままなのである。お店の左側壁はブルーシートで応急処置され、右側壁には大きなひび割れ…営業は望むべくもないのか…。

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●仙台「ぼおぶら屋古書店」
さて困ったなと思い、取りあえずは仙台に戻りつつ、走ってあの何度行っても開いていないお店をチェックして、それから福島・郡山と廻ってみるか!と決意する。仙台駅西口に出たら、上り新幹線の時間との勝負!空中歩廊の左側最奥『15番階段』から、下の『愛宕上杉通』へ。そこを南にちょっと下り、次の信号を西へ入ると、先へ先へと延びる『柳通』。ひたすらそこを西に進み、『大通り』を突っ切り、さらにその先の『五橋通』とクロスする交差点を越えれば、左手に何度も煮え湯を飲まされたお店が姿を現す。もう六回は訪れているだろうか。私は開いていないことを前提に、お店の方に視線を飛ばす。ところが予想に反して、心ざわめく今まで見たことのない光景が店頭に展開していた!本が出てる!本の入った箱が並んでるぞ!信号が変わるのももどかしく、慌てふためいてお店の前に駆け寄る。開いてる!古本が売ってる!どひゃっほう!ついに「ぼおぶら屋」をツアー出来るぞっ!細く茶色いビルの一階がお店で、側壁に大きな『古書買入』のオレンジ看板、軒からはくたびれた日除けが張り出し、観音開きに開け放たれた入口扉。そこには『入らいん Herein!』とある木の札。店頭には無数のダンボール小箱が並び、壁面には木箱が積み上がっている。右側に一応店内への入口があり、中へも入れるようになっている。入口右横と左壁(だいぶ傾いてるなぁ…)、合わせて三十ほどの木箱が積み上がり、後は在庫や雑多な物の山が迫る、独居房のような極狭スペース…阿佐ヶ谷の「穂高書房」(2009/02/15参照)より狭いかも…。中の様子を伺っていると、奥目の八千草薫似老婦人が顔を出し、「いらっしゃいませ。中もどうぞ」と優しい微笑み。店頭は、文庫・文学評論&研究・探偵小説・日本文学・海外文学・晶文社本・歴史・民俗学・戦争・思想・宗教など。店内は、東北・みちのく・宮城・仙台・温泉・刀剣・こけし・玩具・民芸・演劇・建築・洋書など。硬めの良書が多く、郷土本も充実。店頭は安売りと言うわけではなく、ここもまたお店の中となっている模様。ただし店内には古い本が多い。値段は高め。店内に入った私と入れ替わりに、外に出ていたご婦人に、外に出て精算をお願いする。そして思い切って、積年の夢が叶い初めてお店に入れたことを伝えると、「まぁ〜、それは申し訳ございません」と意に反して恐縮されてしまう。「今はこんな陽気でございましょう。大体12:00〜16:00に開けてるんですけど、二日開けるともう大変で。この齢でございましょう。おまけにひとりでやってるもので中々…」とはにかみながらお話ししていただいた。とにかくついにお店に入れた嬉しさを伝え、「開けてくれてて本当にありがとうございます。これからもがんばって下さい」とお辞儀。「フフ、ありがとうございます」とあちらも深々とお辞儀。走って見に来て本当に良かった…心底そう思える瞬間であった。ありがとう仙台!ちくま文庫「美食倶楽部/谷崎潤一郎」垂水書房「潜水記/黒岩茂喜」を購入。

目標として来た二店は残念だったが、幻のお店に遂に入ることが出来て、本当に良かった仙台行。お土産はやっぱり『萩の月』を購入。あぁ、後一回はパスを使って、遠くのお店へ行ってみたい…。
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2011年07月14日

7/14埼玉・北本 ブックランド 北本駅前店

早く東北にJR東日本パスで行きたいのだが、ずれ続けている仕事のために旅立てず、毎日臍を噛む思いで暮している。今日も予定が中々立たないので、とにかく非日常の中に飛び込みたくなり、湘南新宿ラインに乗って、日本で一番暑い街・熊谷へ!ホームに降りた途端、身体にまとわりつく粘液のような空気!こ、これは…西口に出ると、頭上から暑さ対策の人口霧が噴霧されているが、風と暑さのために人間には到達せず…駅前に屹立する、巨大ラグビーボール像が、さらに暑苦しさに拍車を掛ける!それにしてもこれはスゴイ…太陽が痛いほど輝き、吸い込む空気も熱いのである。路上ではベンチに腰掛けた遊び人風のお兄さんが、ビニール袋から氷をひとつひとつ取り出し、路上にコロリと放って、その溶ける様をじっと見詰めている…だ、大丈夫かな…。祭礼の準備が進む中を、溶けそうになりながらもワクワクして歩いて目的地…が、残酷なことにお店は無かった。割と最近出来たお店で、ホームページもあるから大丈夫だと思っていたのだが…甘かった。暑熱と空振りにエネルギーをごっそり奪われ、河辺のベンチにペタンと腰を下ろす。同時に思考が停止し、ただ水を飲むマシーンとなる。しかしいつまでもボ〜ッとはしていられない!気力を振り絞って東京方面に戻りつつ、北本へ向かうことにする。ところが次も見事に空振りで、シャッターの閉まったお店を眺めるだけに終わる…このままではどうにもいけないのだが、何だかもう、蕩ける身体と同じように、心もデロデロと蕩け始めてしまっている。

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西口駅前のロータリーへと戻って、南を見ると、遥か遠くに『本』が逆さになった文字!私は吸い寄せられるように、線路沿いの道を南へフラフラ。『もう本が買えさえすれば!』のいい加減な思いで、お店の前へ。むぅ、チェーン店であろうがこの際仕方ないっ!緊急避難なのだ!と他愛無く自分の心を捻じ伏せて看板に近寄ると、店名部分に不自然な補修跡を発見。現在は『ブックランド』となっているが、文字間に不自然な間隔があり、その空いてる部分を良く見ると『アイ』と『吹上店』の文字が透けている…つまり元は『ブックアイランド吹上店』…どう言う経緯の再利用だろうか?ゴリラのイラストがある自動ドアから店内へ。予想通りの広いリサイクル古書店である。古本は入口付近と、手前側第一・第二通路に集まっている。入口右横に105均ティーンズ文庫と105均単行本箱。第一通路は児童文学・105均文庫・歴史単行本・時代劇文庫・日本文学文庫・女流作家文庫・200均海外文学文庫が並び、足元には移動可の105均歴史ケースや、片岡義男文庫満載のカゴが置かれている。赤川次郎・内田康夫・西村京太郎ら、ダントツ多作家文庫は、105or200円で潔く販売されている(105均なら通常その上は210均なのだろうが、何故か表記は200となっている)。第二通路はミステリ&エンタメ・海外文学・ノンフィクション・ビジネス・心理・教育・語学・資格・辞書・自己啓発・占い・タレント・ノベルス・新書。棚脇に最新刊ディスプレイあり。値段は定価の半額前後だが、少し安めな本も多い。小学館「セブン セブン セブン」同文書院「アンヌとゆり子」共にひし美ゆり子を購入。あぁ、埼玉の古本屋巡りも、いよいよ手詰まりになってきたな…。
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2011年07月13日

7/13東京・中村橋 ドラゴンブック

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富士見台へ向かって、住宅街の中を自転車で疾走。ギラギラと輝く銀輪の回転数を上げ、あっという間に住宅街の中の古本屋さん。自宅に併設したガレージ店舗で、シャッターががっちり下ろされているのだが、荒れた感じは一切無い…う〜ん、営業してて欲しいなぁ、と経過観察の対象に加える。何となく『千川通り』をダラダラと東に向かって中村橋。通りから鷺ノ宮・阿佐ヶ谷方面へ向かう『中杉通り』に入ると、南へ70mくらいの左手に『ブックマート』…があるはずなのだが、違うお店になっている!これはまたもや独立のパターンか!?早速店横に自転車を停め、まだ狭い源流の如き『中杉通り』の真ん中から写真を一枚。ビル一階のお店で、通りが狭いので認識し難い『本CD』の背高路上看板、軒廻りはコンビニ的配色のオレンジと黄色の看板で、店名通りの火を吐くドラゴンのシンボルもある。店頭には立看板・幟・雑誌&漫画雑誌ラック・100均単行本ワゴン・100均文庫ワゴン・雑誌ワゴン・ゲーム機などがひしめいている。印象は以前のブックマートとさほど変わらない。古本屋さんらしさと言うことなら、隣の小さな新刊書店や、さらに先にある新刊書店の方が(この通りは何と三軒もの新刊書店があるのだ)。昔ながらのお店でよっぽど古本屋さんに適しているのだが…。自動ドアから中に入ると、メガネっ娘店員とカード目当ての子供たちが振り返る。何だかトレカのコーナーが幅を利かせているな…。店内は右奥が深い逆“L”字型で、入口右横がトレカ、中央にコミック、右奥にゲーム・CD・DVD・カルチャー雑誌。古本は左端の通路に集合している。入口左横にはおススメ100円本ディスプレイ、そして左壁棚は奥に向かって、特選本コーナー・日本文学文庫・ビジュアルムック・ノンフィクション・海外旅行・家族&男女・実用・ビジネス・資格・料理ムック・ミステリ&エンタメ・海外文学・ノベルス・新書と並んで行く。右側通路棚は、棚脇の最近刊最新コミック台から始まり、ちくま文庫・岩波文庫・講談社学術文庫・雑学文庫・日本文学文庫続き・時代劇文庫・ラノベ・200均海外文学文庫と続く。奥の棚脇には児童文学・&絵本。新しい本が中心の文庫に的を絞った棚造りである、以前よりスッキリした印象。値段は定価の半額前後。ちょっと判り難いレジで精算を終える。ハヤカワ文庫「酔いどれ探偵街を行く/カート・キャノン」河出文庫「シャーロック・ホームズの見たロンドン/チャールズ・ヴライニー」を購入。そうだ、都立家政のブックマート独立店も見に行かないと…。
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2011年07月12日

7/12神奈川・新杉田 神保書店

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湘南新宿ラインと根岸線を乗り継ぎ、根岸湾に面する街へ。昭和四十年代の香りがプンプンする、縦長の駅ビルから西口に出る。大きな『産業道路』を南下して、道の先に見える道路の上に大きく張り出した、水色の高架の橋脚の異形に目を惹かれる。ひとつ目の交差点を西へ。駅ビルとは対照的な新しい複合施設『らびすた新杉田』の足元を抜けると、『国道16号』の『聖天橋交差点』。国道の対岸には京急杉田駅へと続く、小さく魅力的な商店街が見えているが、そちらには行かずに国道東側歩道を南下する。交差点から20mほどで、すぐに古本屋らしからぬお店が出現!見た目は街道沿いの商店で、二階正面の露台足元に、四角いボタンのような店名看板が飛び出している。右側2/3に赤・白・緑の日除けが架かり、その下の開け放しの入口両脇には簾が下がっている…中は良く見えない…。そして店頭に本は一切無く、古着(オバチャンの服ばかり)の掛かる洋服掛け・250円衣料雑貨・50円ガチャガチャカプセル…これはもしや“古本屋遺跡”なのか?と慌てて店内を覗き込むと、ふぅ、しっかりと古本が出迎えてくれた。小さな店内で、左右の壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、その棚脇入口側に縦長雑誌ラック。奥にはラックと帳場があり、そのさらに奥は作業場兼住居…ご婦人がひとりおられるが、もはや完全なる住居空間で、人の住む部屋を覗いているような奇妙な感覚に襲われる…。左壁には、文学評伝・全集端本・コミック・美少女コミック・実用・エッセイ・社会・歴史・ガイド・囲碁・将棋など。微妙に古く、雑本的な並びである。下には音楽CDやレコードが入った箱が積み上がる。向かいは廉価コミック一色。右側通路へ行こうとすると、床の一部には人工芝のシート…?清涼感を醸すためだろうか…?ワシャワシャと踏んで右壁棚前へ。80〜90年代のミステリ&エンタメが上段に並び。下段に時代劇文庫・日本文学文庫・海外文学文庫・漫画&アダルト雑誌。向いは雑学文庫・新書少々・官能文庫・アダルトDVDとなっている。帳場横のラックはアイドル写真集で埋まり、帳場周りには、雑貨の成った木のようなものや、雑本の並ぶミニキオスク風ラック&棚下小棚がある。時間が停まりかけの大衆的なお店である。文庫とアダルトの風通しは良いようだ。値段は安め。見えない海からの潮風を浴び、何処からか続々と現れる大量の人と共に、東京方面へと急いで戻る。かもめ文庫「神奈川の近代建築/河合正一」を購入。
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2011年07月11日

7/11埼玉・武里 街のふるほんや 読書人

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草加と八潮の狭間で、灼熱の太陽に炙られながら二軒の空振り。ペタペタと草加駅へ戻り、東武伊勢崎線で北上。西口に出ると、すでに西日が激しく目を射る、閑散とした横長のロータリー。真ん中の緑豊かな島の向こう側には、ロータリーを守る城壁のような、古い商店街ビルが建っている。全長100mほどで、左半分は二階建て、右半分は三階建ての『上原ビル』。その丁度真ん中辺りの左から五軒目に、目指して来た古本屋さんはあった。日除けは商店街ビル共通の形状で、カフェオレ色。店頭には『本買います』の幟が立ち、左半分にコミックワゴンとコミック本棚。アダルト雑誌ラックが置かれ、右半分に100円単行本・文庫・ハーレクイン・ノベルスが集まっている。ちょっと素敵な微電流がピリピリ流れていたので、ここからまずは一冊。入口前に立ってサッシの上を見ると、そこでは手描きのマンガキャラ(サザエさん・ごくせん・あたしんち…)が、本の買取について説明している…。真ん中のショウウィンドウには、韓流豪華本と共に、アンティーク革装丁本が並んでいる。店内に入ると、有線が普通に流れるリサイクル古書店の様相。入口横のレジでは、白髪のオヤジさんがせっせと本のクリーニング中。壁際はぐるりと本棚で、右奥には少し凹んだ小部屋的スペース、そこを仕切るように背中合わせの棚が一本、フロアにも長めの背中合わせの棚が二本置かれている。まずは右壁棚を眺めると、何だかちょっと様子が変…上段ではオカルト・幻想文学・澁澤龍彦・精神世界・宗教などが重い先制パンチを放っているが、下段はビジネス・ミステリ&エンタメ・時代劇・コンピュータと最近の本中心の軽いジャブ…!あの外で感じた微電流は店内の棚にも、引き続き流れている!奥の小部屋スペースに入り、日本文学・日本近代文学・文学評論・詩歌・海外文学・歴史・民俗学・郷土・鉄道・交通・映画・演劇・性愛・ポップカルチャー雑誌・ビジュアル本ラック・アダルトと眺めて行く。仕切り棚には、日本文学文庫・女流作家文庫・新書・海外文学文庫・岩波文庫・講談社学術文庫・ちくま文庫・探偵小説文庫・日本純文学文庫が収まっている。素敵な並びが一部に見られ、絶版&品切れもしっかりと。フロア棚右側には、時代劇文庫・推理小説文庫・官能文庫。左側には、食・イタリア・パリ・ドイツ・ガイド・実用・囲碁・将棋・女性ムック&雑誌となり、帳場前のワゴンには安売り文庫もあり。左壁にはコミック・海外児童文学、そして奥壁に児童文学・絵本・図鑑・ベティブーブアンティーク人形数種・おもちゃ類・自然・園芸・江戸文化・美術・写真・建築・お茶・書・辞書が並ぶ。リサイクル古書店と背筋しっかりの古書店が、絶妙に融合している!それはまるで日除けの色のカフェオレの如し!お互いががっつかずスマートなのが、クリーミーな印象の要因であろうか。値段はちょい安〜ちょい高と幅広い。早川書房「キス・キス/ロアルド・ダール 開高健訳」ソノラマ文庫「蝋面博士/横溝正史」講談社「國枝史郎伝奇文庫(十)神秘昆虫館」を購入。
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2011年07月10日

7/10東京・青梅街道 第13回チャリティ古本市

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タレコミで知った古本市なのである。小屋のような駅舎から出て、線路沿いに南へ。線路の向こうには存在感の大きい小平市役所。景色はスコンと抜け、道はとにかく真っ直ぐである。300mほど進めば交差点脇右手に『小平市中央図書館』と『小平市中央公民館』。目指すは公民館で、ここで『小平図書館友の会』が、年に二日限りの古本市を開いていると言うのだ!並ぶ古本は図書館のリサイクル本ではなく、市民の寄付で集まった古本たち!時刻はまだ市が始まったばかりの午前十時二十分。左手奥の公民館入口は、節電のためか何だか薄暗い。中から出て来た親子連れが「暑い!スッゴイ人!」を連発…何?一体どうなってるんだ?急に焦り始めた気持ちに促され、急いで館内に突入する。人の流れを見極めて右奥にズンズン進んで行くと…むっ、あのギャラリーから、はち切れんばかりの人々の気配…うぅわっ!何だこの人ごみは!すでに会場は、老若男女と古本の渦巻く熱波の嵐と化していたっ!これこそ正真正銘の“人いきれ”!“古本修羅”が、こんな午前中に、東京の西に集まっているなんて!しかもその修羅たちの両手は、すでに大量の古本で塞がれているのだ!その姿は“古本賽の河原”で石ならぬ、古本を積み上げいるかのようである!一体何が起こっているんだ!?フロアには長机で造られた大きな平台が五つあり、その上に本が背を上にしてビッシリ並べられている。作家50音順日本文学文庫・海外文学文庫・海外文学・日本文学・人文書・一般書・児童文学・図鑑・絵本…玉石混交ではなく、“玉”の比重高し!小平市民恐るべしっ!うわっ、机の下や足元にも、本の詰まったダンボール箱が溢れ、修羅たちが床にへばりついて目を光らせている。壁際にも長机とダンボール小箱が設置され、コミック揃い&バラ・詩歌・雑誌・全集・美術大判本・洋書・専門書・実用書・新書・作家別文庫箱など。本の並びは“何かある!”と感じてしまうほど質が良いので、本当に必ず何かが見つかる楽しい楽しい古本市!そして一番恐ろしいのは、文庫・新書が三十円、単行本類が五十円の価格大破壊である!ここは「堀川書店」(2009/08/08参照)なのか?と思うほどの安値なのである(尚、壁には『転売を目的とするであろう露骨な購入者には、購入を見合わせていただくこともあります』の貼紙あり)。しかしこれは…自然とついつい冊数が増して行く…私もあっという間に、古本修羅と同じ運命をたどっていた…。それにしてもスタッフのみなさんは、甲斐甲斐しく会場を動き回り、修羅たちを気遣い続けている。スゴイのは、会場を動き回りながら団扇を配布して、尚且つ団扇で扇いでくれるのだ!涼しい!そしてホントにすみません…と思いつつも、みんなの目は平台と足元に釘付け。最後の平台を血眼で眺めていると、突然横から伸びて来た無遠慮な手!うおっ、何だっ!?と横を見ると、何とそこにはサマースタイルな岡崎武志氏の姿。遠くから古本修羅と化した私を発見し、茶目っ気を起こされたようだ。ひょんなところでお久しぶりです。おかげで正気に戻った私は、会計の列にどうにか並び、教養文庫「テキサス無宿」「めりけんじゃっぷ商売往来」共に谷譲次、創元推理文庫「一杯の珈琲から/エーリヒ・ケストナー」岩波少年文庫「ツバメ号とアマゾン号 上下/アーサー・ランサム」深夜叢書社「街の果て 出口裕弘作品集」福音館書店「あな/谷川俊太郎・和田誠」「ひだりとみぎ/安野光雅」を購入…全部で340円!!来年もぜひ行きたい古本市として、ガッチリ脳に刻み込んでおこう。
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2011年07月09日

7/9東京・高円寺 BLIND BOOKS

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一仕事終え、梅雨明けの高円寺を南から北へ。途中、久々の「アニマル洋子」(2008/10/05参照)に吸い寄せられ、探していたハヤカワポケミス「ソロ対吸血鬼/D・マクダニエル」を購入する。そのまま駅北口に抜けて(最近シャッターを下ろしっ放しの「球陽書房本店」(2010/05/21参照)が少し心配)、ロータリーも北に越える。そして丁度中間辺りの、本屋と洋食屋に挟まれた細道を北へ。奥へ進んで行くと、左手はうらぶれた低層雑居ビルとなり、真ん中の二階窓下部に、カラフルな水玉のシート…ここは去年、高円寺のミニコミ「こらぼん」の取材で来訪済みの『ART BOOK SHOP&BAR』なのだが、ツアー自体は放置していてまだなのであった。と言う訳で、去年と変わらぬ看板を見上げ、路上の電灯立看板で『本を見るだけ大歓迎』の文字を確認し、大船に乗ったつもりで二階への急階段を駆け上がる。窓や看板から一貫して継続する、カラフル水玉モチーフの引戸を開ける。そこはワンルーム的店内。右にはカウンターバー、残り三方の壁際は本棚、手前側左奥にブックショップの作業机があり、フロアにはテーブル席とソファー席がある。誰もいないのだろうか…と思ったら、奥の作業場から本を持った手がニュウ。黒縁メガネの文化系青年店主である。カウンター机のサブカル系単行本を眺めると、おぉ!その上の壁には、澁澤龍彦邸応接間のパノラマ写真!…ちょっと欲しいなぁ…でも売り物じゃあないのか…。などと小さく考えてから、入口左横の棚へ。コロナブックスを中心にビジュアルムック・みうらじゅん・サブカル・洋絵本・映画・ファッション・ロック・パンク・「yaso」などのアングラ系雑誌・寺山修司・澁澤龍彦・三島由紀夫・山本タカト・少女系ゴシック。左壁には日本作家写真集・海外作家写真集。奥壁には、ポストカードラック・海外美術・現代美術・建築・インテリアと並んでいる。すべてが古書と言うわけではなく、上半分の1/3ほどが古本で、後は定価の新刊となっている。見分け方は、背に貼られた赤丸シール。洋書&大判本多し。値段はちょい高。今日は古本ではなく、欲しかった新刊を見つけてしまい購入することに。いつの日か、ここでゆっくりアルコールを飲みたいものである。平凡社「Scope/桑原弘明」を購入。
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