2011年09月30日

9/30東京・王子 古書カフェ くしゃまんべ

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情報がもはや浮かび上がらぬ、古いお店の営業継続を願って、埼玉県東南部をうろつく。しかしことごとく空振り…まぁ真相が判明しただけでも良しとしておこう!などと強がってはみたが、「プラハ書房」(2010/12/22参照)にて魂の休息を激しく求める。店頭は外壁棚が無くなり、均一ワゴンだけになっていたが、中は相変わらずの素敵な古本充満空間。新潮社「決定版 放浪記/林芙美子」(挿絵が織田一磨だったので購入決定!)朝日新聞社「パリ・ロンドンどん底生活/ジョージ・オーエル」を購入。古い本を見て尚且つ手に入れて英気を回復した後に、続いて金町へ。久々に“幻の古本屋”をチェックするが、淡い期待を打ち砕くシャッターの姿…また来よう。私はしつこいのである…。夕陽が金町に沈んだ午後五時半、頃合い良し!と常磐線→京浜東北線を乗り継ぎ王子へ向かう。狙うは午後六時からの平日営業古書カフェである!小さな中央改札口から出て、『山の下架道橋』を北へ抜けると、目の前で都電が90度曲がる道路。そこを渡って巨大な『王子駅前歩道橋』を駆け上がり、北側にある駅ロータリー沿いの道へ進む。さらに北進すれば『北本通り』なのだが、そこには進まず信号横の『りそな銀行』脇に入り、オレンジ色の光に照らし出された裏通りを進んで行く。北へ300mほど進むと突き当たるので、続いて進路を東へ採る。暗い通りの先には『明治通り』とその上に架かる首都高の影。そこを目標にトボトボ歩いて行くと、右側の暗闇にボゥッと浮かび上がる、一階が店舗群の古い四階建て集合住宅…壁に垂れた錆と横に連続する感じが、小九龍城と言った趣きである。建物に沿って南へ進むと、角のお店から数えて三軒目に、暖かな光を放つお店が現れた。…激シブだ…。入口上部には板葺きの三角庇があり、その下には白く『くしゃまんべ』の文字を染め抜いた東雲色の暖簾…微塵も古本の扱いを感じさせない和の店構えである…。路上右側に文字の無い立看板と赤い椅子。そして左側に縦長の黒板があり、そこに『古書カフェ』の文字を見つけ一安心。下には『パフォーミングアート・演劇・大道芸関連古書の専門店です』『カフェスペースあります』とある。古いガラス引戸の向こうには、店内の様子がチラリと見えている。頭を下げて暖簾を潜りながら、ララッと滑りの心地良い戸を開けて店内へ。ちょっと山崎邦正を感じさせるパーマ&メガネの青年店主が、小上がりの前で振り向き「いらっしゃいませ」。奥ではカウンターに座るメガネの女性も振り向き「いらっしゃいませ」。…むむ、中もこれは小料理屋のようじゃあないか…「本を見せてもらってもよろしいでしょうか?」「どうぞ。サーカスの本とかしかありませんが、それでも良かったら」「大丈夫です。ありがとうございます」と言いながら店内を少しだけ見回す。右に“L”字カウンターのカフェスペース、入口左横階段下の可愛い小上がりが古書スペースとなっている。入口前に立ちながら、小上がりに乗り出すようにして、斜めに立て掛けられた100均箱、壁面の曲線を描く黒い本棚、そして天井に掛け渡された『トンボ鉛筆』の暖簾や文房具類を眺めて行く。100均箱にはコミック・文庫・古い雑誌など。畳の上には洋書の舞踊やパフォーマンスの写真集が置かれており、壁面に演劇・小劇場・舞踊・野田秀樹・鴻上尚史・寺山修司・別役実・「美術手帖」・アート・戯曲・洋書写真集・雑誌・東京風俗・サーカス・見世物など、冊数は多くないが近親なジャンルが強固な並びを見せている。値段は挟まれたスリップに書かれており、普通〜ちょい高。中には値段が付いてない本もあるので、売り物ではないのかと精算ついでに聞いてみると、単純にまだ値付けしてないだけらしい。気になった「アブラカダブラ 魔術」の値段を聞いてみると「あ〜〜、これはちょっと高くて……三千円です」…今回はあきらめよう。お釣りは一心不乱にカウンターに向かっていた女性にしていただき、店主は「これで入るかな?」と袋を奥から持って来た。「それにしてもここは変わったお店ですね。元は何だったんですか?」と思い切って質問。すると元はお父さんのラーメン屋さんで、改装して古書カフェにしたこと。演劇に携わっているので、その関連でいつの間にか集めてしまった蔵書を死蔵するのはもったいない。ここで少しずつ販売し、世間で再び役立つようにリリースしていること、などを話していただく。短い時間だったが、特殊な空間と共に楽しいお話をありがとうございました…あっ!奇妙な店名について聞くのを忘れてしまった!不覚!美術出版社「美術手帖1983/8 表現主義 寺山修司」を購入。
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2011年09月28日

9/28東京・西新宿五丁目 トイランド

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午前中の仕事をまとめ上げてから、自転車で某警察署へ。先日の供述調書作成の続きである。今日は移動時間も含め二時間で終わり、何と本日も五千円の弁償費用が支給された。毎日調書作成に協力していれば、弁償費用だけでどうにか暮していけるのではないだろうか…邪で怠惰な空想が頭を掠めるが、十秒ほどであきらめる。恐らくそんなことをしていたら、心も魂も時間も死んでしまうのだろう。そして私は警察署を出て自転車を走らせる。目的地は、西新宿高層ビル群の足元に沈む、再開発地区である。この地区に古本屋さんは無い。しかし、先日見るともなくBSのテレビ番組をボ〜ッと眺めていたら、玉袋筋太郎氏(あぁ、例え“氏”をつけたとしても、破壊力が衰えぬ名前だ…)が自分の育った街である西新宿を、自転車で案内して回るという番組が流れていた。その中で、『十二社通り』を挟んで高層ビル『パークサイドタワー』の向かいにある『けやき橋商店会』の、当時行きつけだったおもちゃ屋さんを訪ねたシーンに、目が釘付けになってしまった。私は気付いてしまったのだ!画面の端に本棚らしき姿が映っていたのをっ!おぉ、こんなカタチで、未知の古本棚に近付く機会が得られるとはっ!と興奮気味に、すぐ次の日に自転車で駆けつけたのだが、そこにあったのはシャッターの下りたお店の姿…。その後も頻繁に訪れたのだが、お店はいつも開いていなかった…もしや閉店してしまったのだろうか?と思いつつ一ヶ月。ようやく今日の感動の出会いとなった。場所は『十二社通り』と『方南通り』が交差する『熊野神社前交差点』から、北へ200mほどの信号を西に曲がり銀色のゲートを潜れば、左手に壮絶なお店の姿が見えて来る。ちなみにこの商店街は、良く高層ビルとの対比が絵になる庶民の下町として、メディアにも多く登場していたことがある。しかし数年後の再開発が決まり、通りも今は寂しげな姿を晒している。目の前に、もはや黄土色に薄汚れた看板建築。軒の元は赤色だった苔むしたような日除けは、右側がベロンと剥がれてしまっている。右側軒下に小さな店名看板もあり、『おもちゃ ガラクタ屋』などと書かれている。店頭には、50円プラスチックカゴ・ガチャガチャ・多種多様なおもちゃ・古いビデオゲーム・中古ゴルフバッグ・婦人用ブラウス・ジャンパーなどが集まり、おもちゃ屋の領域を確実に逸脱してしまっている。店内各所や商品には、手書きPOPがペタペタと貼られ、凶暴な個性を溢れさせている。確か本棚は左側に…お店の中へ入ると、当然そこも店頭の雰囲気そのままのカオスな空間で、薄暗く広めの洞穴のような状態。奥にジャンパー姿のオッチャンがおり、「いらっしゃい」と元気に挨拶。古本は、コミック・廉価コミック・児童文学文庫が細い一棚に収まり、文庫棚が一列・推薦本少々・単行本半列・横積み漫画雑誌一山・それに右壁棚にゲーム攻略本と「ファミ通」の姿を確認する。本は50円均一。まぁ新しめの雑本である。私は思わず、双葉社「鎌倉ものがたり/西岸良平」の『それは師走の古都でした』『先生vs鎌倉ルパン』『スペシャルセレクション』の三冊を血迷って抜き取り、精算にこぎつける。玉袋氏よ、ワンダフルなお店を教えていただき、勝手に感謝!

この後、昨日のコメントにあった「ふる本屋 とんがらし」(2010/04/22参照)へ向かう。あぁ、本当に『在庫一掃半額セール』『早い者勝ち!』『まとめ買いのチャンス!』などの貼紙が…。カッパホームズ「鉄道パズル/西村京太郎」新潮文庫「酔いどれ紀行/山口瞳」光人社「異能の画家 小松崎茂/根本圭助」を購入しながら閉店時期を聞いてみると、やはり10月いっぱいとのこと。興味のある方はお早めに!
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2011年09月27日

9/27東京・上石神井 エーワンブック 上石神井店

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午後に自転車を漕いで、西武新宿線・西武池袋線の線路を越えて、迷いながらも埼玉・新座へ。大泉学園駅から、葉を落とす桜並木の『大泉学園通り』をひたすら北へ進んで行くと、どうにかこうにか埼玉県。が、目的の古本屋さんはとっくに閉店していたようで、街の地図板ではかろうじて店名を確認出来たが、お店自体は日除けも外されその使命を終えていた…。また来る途中に『大泉学園通り』で、予期せぬ「開成堂」と言う名の古本屋さんを発見する。しかし残念なことに休業中で、貼紙の連絡先を見ると大泉学園駅南口の「サンフレンズ」(2009/10/30参照)へとなっている…系列店なのだろうか?いつの日か復活していただきたいものである。そしてどうせここまで来たのだからと、駅北側の「古書籍 ポラン書房」へ滑り込む。むっむぅ〜、相変わらず良いお店だ。安値で、鹿島出版会「近代建築ガイドブック 関東編」(帯付きだ!)講談社現代新書「船旅を楽しむ本/柳原良平」角川oneテーマ21「大魔神の精神史/小野俊太郎」を購入する。

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しかしこのままおめおめと帰る訳には行かないので、上石神井駅へ自転車を飛ばす。たどり着いたのは、駅北側の西へ二つ目の踏切際、『上小通り』にあるお店で、杉並・練馬地区に触手を伸ばすチェーン店である。集合住宅ビル一階のミニミニ商店街にあり、軒にはお馴染みの黄色い看板、店頭には出会い系の幟・カステラ状の巨大立看板・漫画雑誌の安売りラックが二台並ぶ。小さな店内は、右端にDVDやゲーム、真ん中にコミック、左端にコミックと古本の構成で、奥に帳場があり、そのさらに奥にアダルトスペースが広がっている。左壁棚に、ミステリ&エンタメ・タレント・サブカル・新書・日本文学文庫・海外文学文庫と収まり、冊数はそれほど多くない。一般的な並びではあるが、何となく微かな流れが見える気がして、引っ掛かる本がチラホラ…不思議だ…。値段は安め。また、このチェーンの店員さんは相変わらず丁寧で、一冊の文庫が入った袋を渡しながら「気を付けてお持ち帰り下さい」…。河出文庫「日本版 ホームズ贋作展覧会 上/山田風太郎 他」を購入。これでこのチェーン店は、都立家政の一店を残すのみか。
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2011年09月26日

9/26東京・茅場町 ゴジラ堂

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昨日、トークショーの客席で耳打ちされた古本屋情報を元に、東西線に乗って茅場町へ。西改札口の『12番出口』から地上に出ると、古本屋さんが入る余地など感じられないビル街である。『永代通り』から、すぐ目の前にある『平成通り』に入って南へ。高さも平面もスクエアな、プラタナスの続く街路を進んで行くと、右手に市街地公園の先駆けとして明治時代に開園した、低い丘のある『坂本町公園』の広場が現れ、そのさらに先の左手に、プラタナスや道路標識に見え隠れする、イチゴ色の日除けの姿…あれか?…あれだ!情報通りに本当にあった!『製粉会館』前のT字路に建つ、古い三階建のモルタルビル…ってこれはビルなのか?三階は看板建築の看板部分が上方に伸びたものなのでは?物干し台らしきものも見えてるし…。日除けは軒にぐるっと回り、『古本 名簿』の文字。それにしても味のある店構えが素敵である。店頭はウィンドウ状にガラス張りで、その前にアダルト雑誌ワゴン・アダルト雑誌ダンボール・パッケージ無しアダルトDVD箱・100均文庫&ノベルスワゴンが並んでいる。窓には手書きの『フランス書院の本100円で買います』『高価買い入れて居ります』などの貼紙がある。窓の向こうには、ワット数の低い白熱電球に浮かび上がる昭和的店内…。扉を開けて中に入ると、ラジオが大きめに流れ、左右の壁にはちょっと歪んだ細かな棚、真ん中に背の低い背中合わせの棚が二本、窓側に旧式のフレーム棚、そして奥にガラスケースがあり、柔和な名和宏のようなジャンパー姿の店主が、新聞を読みながら店番中。棚にはブランクが目立ち、乱雑さと荒廃の香りが店内に漂っている。だけれども棚の本にはしっかり動いてる気配が感じられる。左壁棚はビニールに入った新入荷本が面出しで飾られ、海外文学文庫・女流作家文庫・200円新書(ここは荒れ模様)と続く。向かいはビジネス・雑学文庫・時代劇文庫。そして入口右横のフレーム棚に、このお店の柱のひとつであるA4サイズの簡素な造りの名簿がドサドサと置かれている…ここには私は、恐らく一生手を出すことはないであろう…。真ん中通路に入ると、足元がガチャンと音を立ててグラリ。何と、床の表面が割れて剥離している!左側には時代劇文庫、右側には実用・ミステリ&エンタメ文庫・官能文庫が並んでいる。窓際の漫画雑誌の低い山脈を視線で掠め、右端の通路へ。通路棚には海外文学文庫、壁棚にはコミック・廉価コミック・ビジネス・オカルトが乱雑に並んでいる。各通路の足元にはアダルト雑誌&写真集の姿あり。名簿販売を除けば、雑本(特に時代劇文庫)を核とした街の古本屋さんである。値段は定価の半額〜四割引が中心。悩んだ末に新入荷の文庫を掴んで、今やただの物入れと化しているガラスケースの帳場へ向かう。そして精算してもらいながら、やっぱり気になる店名について聞いてみた。「このお店はどうして『ゴジラ堂』って言うんですか?」店主はちょっと驚いた表情を見せながらも「あ〜、昔はね、二十年前から始めたんだけど、そうゆう物を扱ってたんだよ」「古いオモチャとかですか?」「うん。だけどね、物が入って来なくてねぇ…。で、古本を売ってるわけですよ」とニヤリ。そうかぁ、流れで古本屋さんか〜…。文春文庫「たまさか人形物語/津原泰水」を購入。

お店を出て脇道を東へ向かうと、裏手は渋い飲み屋街となっていた。なるほど、こちら側から見れば、あの場所に古本屋さんがあるのもアリなのだな、とさらに東へテクテク。やがて霊岸島に入り、久々の文庫王国「酒井古書店」(2008/12/26参照)へ。あれ?日除けが赤から青に変わったな。中に入った途端に魔法に掛かり、棚の文庫から『買ってくれぇ〜』の微かな声をたくさん聞き取ってしまう。しかしここはグッと辛抱して、耳をパタッと塞ぎ、新潮文庫「旅とふるさと/若山牧水」現代教養文庫「試合/ジャック・ロンドン」のみを購入する。茅場町は以前から、「森岡書店」(2008/12/12参照)「酒井古書店」、そして本日の「ゴジラ堂」で“古本屋トライアングル”を形成していたのか。それにしてもお店は三者三様この上ないな…。
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2011年09月25日

9/25第54回西荻ブックマーク「本と怠け者と働き者」

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本日は雑事を家でこなしまくり、夕方から西荻窪へ出立。珍しく古本屋には行かないが、それでも古本は手に入れるつもりである!向かうは、荻原魚雷氏×岡崎武志氏のトークショーなのだが、イベントの一環として古本入手の目算ありの『即売会』もあると言うのだ!会場はJR高架下のレンタルスペースで、午後五時よりトークがスタート。ちくま文庫「本と怠け者」&「女子の古本屋」の話、そして中央線・高円寺・中野・郷里・上京・ライター稼業・インタビュー・仕事&労働・孤独・文学・私書評・自分の本・バイト・読書・起床時間・古本・神保町・暮らし・引越し・酒などなど、およそ二時間、低空飛行だがその分地上が近く良く見えるような、スリリングでやるせなく低血圧で、それでいて静かなる情熱の楽しいトークが展開!たっぷりと独特な世界観を堪能し、最後に二人が持って来た古本をそれぞれ紹介しつつ、「古書 音羽館」(2009/06/04参照)の均一棚より選び抜いて来た古本を100円で販売!と言うことだったのだが、販売方法に窮してしまい、結局「音羽館」さんの太っ腹な好意でプレゼントと言うことになる。本の説明を終えたところで、挙手して入札(?)するカタチである。プレゼントタイムは淡々と進行し、一冊に一人が挙手する感じが連続し、競争率は極めて低い状態。私は魚雷氏が持って来ていた、新潮文庫「うらおもて人生録/色川武大」か、新潮文庫「宇宙的ナンセンスの時代/宮内勝典」を手に入れたかったのだが、どうやらこれらはプレゼントされない模様。どんどん人手に渡って行く古本たち…しかし最後の方で、ちくま文庫「私の幸福論/福田恆存」に勇気を持って挙手し、何とか古本をこの手に収める。ふぅ、よかった。大事に読もう。トーク終了後に岡崎氏と魚雷氏に挨拶をし、魚雷氏にはミーハーにも持参した文庫にサインをしていただく。あぁ、幸せな秋の始まりの夜…。
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2011年09月24日

9/24滋賀・大津で三店で九冊!

昨日のフラストレーションを吐き出すように、弁償費用を資金の一部にして新幹線の人となる。米原で降りて久々の琵琶湖線を堪能しつつ、琵琶湖の南端・大津に到る!…考えればここは京都まであと一歩の街…京都に行けば良かったかなぁ…いやいや、大津!今日は大津で良いんだっ!

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●大津「ふる本や」
改札を抜けると、木製の山車がポツンと置かれた近代的なロータリー。横長でガランポカンとしている。真っ直ぐ北側対岸歩道へ渡ると、街全体が琵琶湖に向かって緩やかに傾斜しているのを確認出来る。まずはロータリーをそのまま西へと向かう。ロータリーが終わると、鄙びた商店街の『寺町通り』が湖へ下って行くが、そこには入らずさらに真っ直ぐ西に進み続け、渋い本屋さんの脇道をテクテク。進行方向には京都を背に隠した山が迫り、街は古い町屋的民家が多く建っている…まるで京都のパラレルワールドのような、雅で静かな傾斜した街なのである。やがて『国道161号』に突き当たるので、まずは坂道をちょっと上がるように南へ。すると左手にもう『古本屋』の立看板を発見!古い木造の商店建築で、左側には歩道屋根の架かる八百屋さん。その屋根を潜って向こう側に抜けると、右側が古本屋さんになっていた。おぉ、素敵なお店じゃないか。現役のリアル伝統建築店舗!二階軒には傾いた『本』の看板があり、一階軒の日除けはトリコロールカラーで海老反った独特のフォルムを見せている。店頭脇にはテント看板が張られ、それらに守られた店頭には100均文庫ワゴン二台・漫画&アダルト雑誌ラック四台が、押し合いへし合いしている。中に進むと上は広く足元はちょっと乱雑なお店。左右両壁棚に背中合わせの本棚が一本、奥に帳場のシンプルな構成である。左側はコミックばかりなので、正面棚脇のビジュアルムックと足元の50&100均ダンボールに目を走らせながら右側通路へ。左の通路棚は、上部に大判本や古い図案集などを備えつつ、新書・日本文学文庫・官能文庫・アダルト。右壁は実用・ミステリ&エンタメ・サブカル・海外文学・海外文学文庫・古い戦争関連・文学復刻本・日本文学・思想・少量の古い文学本が収まる。通路の横積み本の上には、ちゃんと値段が貼られた文庫が置かれ、足元には大量の写真集の背が見えている状態。昔ながらの街の古本屋さんである。古く茶色い本が所々に顔を見せ、値段は普通。帳場前に立つと、奥には薄暗くギッシリの本棚に囲まれた揺り籠のような空間があり、そこに半臥気味に収まった市川森一風店主に起き上がっていただき精算。「おおきに!」の声を背に受けてお店を出る。作品社「東京詩集V/正津勉編」を購入する。

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●大津「古今書房」
『国道161号』を琵琶湖へ向かって北進。先ほど脇道から出た所の『御幸町交差点』を通過してダラダラと下って行くと、次の信号で道路は左から合流して来た線路と合体!道路の上には架線が連なり始め、真ん中にはピカピカのレールが埋まっている。おぉ、電車が入って来た…これは京都からやって来た『京阪電鉄京津線』なのか…。ダイナミック&ノスタルジックな光景だ。電車に目を奪われながらも、『京町一丁目南交差点』『京町一丁目交差点』と通過して『中央一丁目交差点』。ここで右を見ると、低層ビルの間にアーケード商店街がポッカリと口を開けており、さらに上に視線を移すと『ひき山ストリート 丸屋町』の大きな文字。躊躇無くアーケード内に潜り込むと、左手前ビル前に均一台らしき姿がっ!トトトと近寄るとビルの右側は奥への通路となっており、その端に『古本處』とある木製の灯明看板がひっそり。軒には陶板の店名看板。右端角が面取りされたウィンドウ前には、500〜100円台・100均文庫台・100均文庫ワゴン・安売り浮世絵や読本棚…中々シブい本が紛れているぞ!と早速一冊抜き出して店内へ。入ってすぐ左には併設の二階ギャラリーへの階段、右壁は奥の帳場まで本棚が続き、フロアには背中合わせの棚が縦に二本一列に並び、左奥の階段下前にも背中合わせの棚が一本、そして階段下壁際に本棚が連なり、帳場左横にもフレーム棚が一本。帳場にはジャンパー姿の佐々淳行似の店主が座り、ラジオをガリガリとチューニング中。まずは階段横の100均新書棚や、面取り裏の全集バラ売り&地図棚を見て右端通路へ。右壁棚は新書から始まり、歴史系文庫・科学系文庫&新書・岩波文庫青・思想・日本文学・俳句・短歌・本&出版・京都・郷土・大津&滋賀と続き、足元の平台には硬めな壁棚と相反するアダルト雑誌がズラリ。誠に柔軟な古今的姿勢ですな。向かいは新書・仏教・仏教関連文庫・教養系文庫・官能文庫・辞書。左側通路は、民俗学系新書・時代劇文庫・大量の保育社カラーブックス・囲碁・日本文学文庫・旅&冒険系文庫。階段下の仕切り棚は、山・登山・自然・鉄道・300均山の本・園芸・食・宗教・こころなどが収まる。左壁には雑誌・美術・骨董・戦争・歴史が並び、足元平台には雑誌・和本・古い大判の「アサヒグラフ」が並ぶ、帳場横には切手帳・郷土本・岩波写真文庫などが置かれている。各棚の上部には、安売りの全集バラ売り本あり。本の並べ方が少し独特で単行本・文庫・新書をジャンルごとに並べているのだが、時々掴み難いカオスな部分も出現する。山の本・俳句・宗教・歴史が突出。値段は普通。相性が良いのか、次々と欲しい本が見つかってしまう。何とか四冊に絞り込んで精算。店主は袋に入れた本を“タン”と置き、料金トレイに釣銭を“パッ”とばら撒くアクティブな動き。すばる書房「イラストレーション/草森紳一」中央公論社「詩歌風土記 下 西日本篇/野田宇太郎」ハヤカワ文庫「珍姓奇名/佐久間英」ちくま文庫「ゲバルト時代/中野正夫」を購入。

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●大津「100円の本屋さん」
駅に戻り、お土産を物色するつもりで、すぐ横にある『A.L PLAZA 平和堂』に入店。ところが駅横にあるのに地元型のスーパーデパートだったので、取り付く島も無い…だがその時に見つけてしまった…入口隅にひっそりと立っている『100円の本屋さん』の青い幟を…。しかし店内の案内板を見ても、何処にお店があるのか書かれていない。仕方ない、しらみ潰しだ!とまずは一階をくまなく見て回るが見つからず、続いてエスカレーターで二階へ向かうと、おっ!パーテーションのような簡素な壁に囲まれたお店を発見。さらに入口を探して壁伝いに移動して行くと、下りエスカレーターの前に一ヶ所だけの入口を無事発見。店内は相当に広く、その八割はコミックで占められているようだ。古本は入口右奥の部分に集められているが、それでも九十本ほどの棚があり大量の本が並んでいる。ちょっと古めの本も無造作に挿さっているので、ついつい時間を掛けて入り組んだ通路を移動し、本の背を眺め続けてしまう…新書サイズに微妙な面白い本が多いな。ちなみに店名通りにすべての本が100円かと言えばそうではなく、文芸単行本だけは7/30から200円均一に値上げしたとのこと。結局一回りしたら四冊の本が手に掴まれていた。一旦お店を出て、同じフロアの婦人服売場のレジにて精算。鶴書房「なぞの転校生/眉村卓」集英社「快盗ルビイ/和田誠vs小泉今日子vs真田広之」カッパブックス「すらんぐ 卑語/てるおか・やすたか」ダイヤモンド社「男の城の設計図/清家清」を購入。

駅に戻る前に、琵琶湖をやはりちゃんと目にしたくて、京阪大津駅方面へ向かう。すると角の交差点で、『けいおん!』と『日本まんが昔ばなし』のラッピング電車が交錯する、異次元な街角に入り込んでしまう。そしてそれを激写する少年たち!…道の向こうに見える琵琶湖は、満々と水を湛え、青く深く光り輝いていた…大きいなぁ…。
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2011年09月23日

9/23古本屋ツアー・イン・取調室!

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何と言う一日なのか。群馬・前橋に行くつもりで午前中の電車に乗っていると、車内である事件に遭遇してしまう。そこからは怒涛の展開となり、降車→駅ホーム→駅前交番へと移動し、最終的には事件発生管轄内の警察へ向かうこととなった。ちなみに私はもちろん被疑者ではなく、捜査協力者と言う形での同行である。パトカーで署へと向かい、『生活安全課』の取調室に入る。少し事情を聴かれるだけですぐに帰れると思っていたのだが、担当刑事が現れると、供述調書の作成に半日ほどかかることを告げられたので、本日のスケジュールを泣く泣く断念し、調書の作成に記憶をほじくりまくり協力する。五時間あまりのそのほとんどは、私が外出したところから事件のあらましまでの、文章作成に費やされた…。その中で当然『何処へ何をしに行くところだったのか』についても詳しく聴かれたので、「前橋に古本屋さん巡りに…」と少し照れながら返答。それはもちろん調書にしっかりと記載され、尚且つ担当刑事さんがそのあらましを他の刑事さんに伝えるために、課内で古本屋巡りに向かう最中だったことを伝えている…殺伐とした取調室で、私は少し笑ってしまった。調書作成後も、マネキンの『マチコちゃん』(暗い廊下に置いてあるとかなり恐く、移動させると腕がボトッと落ちたりする…ここでは笑いを噛み殺すのに苦労した)を使って再現写真を撮ったり、書類に色々サインしたりして、結局警察署を出たのは午後四時過ぎ…疲れた…。しかし警察からは一日の弁償費用として一万円が支給された。むぅ、喜んでいいものやら……。捜査車両で最寄駅まで送ってもらい、そのまま阿佐ヶ谷へと舞い戻る。特殊な疲労と、得体の知れぬ暗い澱が、心の底に溜まっているよう。そんな今日を少しでも転換させるために、新刊書店「書楽」でアフタヌーンKC「25時のバカンス 市川春子作品集U」を、「古書コンコ堂」にて集英社「名探偵ただいま逃亡中/生島治郎」を、「銀星舎」にて中央公論社「鷹の月/サム・シェパード」を嬉しい300円引きで購入。少し心が洗われて帰宅する。
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2011年09月22日

9/22東京・中延 BOOK MARK

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荏原中延駅近くのお店に探りを入れると、一軒は『テナント募集』状態のがらんどう、一軒は緑色の日除けが半壊した『古本屋遺跡』状態。まぁこんなことだろうと思っていたので、大してダメージも受けずに、網の目のように四方に延びる商店街を楽しみつつ(いつの日か、この目黒線&池上線&大井町線沿いの商店街をくまなく調査してみたいものである。何処かに一軒くらい、ひっそりと知られざる古本屋さんが潜んでいるに違いない…この辺りは、そんな甘い夢を見させてくれる地帯なのだ!)、荏原中延駅と中延駅を南北に結ぶアーケード商店街『中延スキップロード』に入り込む。屋根は高くその長さも立派だが、居並ぶお店は完全に地元仕様である。その南側出口まで70mほどを残す地点の西側に、一軒のリサイクル店的店構えの古本屋さん…しかもあの自動ドアの青黄のラインから察するに、元は『ブックマート』なのだな!一字変えただけとは大胆な…。それにしても店頭にあるワゴンやラックは、どれも廉価コミック・漫画&アダルト雑誌が溢れんばかり!特に通路に面した『カイジ』が大量に積み上がるワゴンが物凄いぞ…。そんな賑やかな店頭の中に、肩身の狭そうな100均文庫ワゴンの姿も…。中に入ると縦長な店舗で、右はコミックと奥にアダルト、左が古本の集まる通路となっている。入口正面棚脇には、比較的新しめな本が並び、値段も少し高めな印象。そのまま左側通路に入ると、壁棚に日本文学文庫・時代劇文庫・音楽CD・タレント・資格・ビジネス・エッセイ・ノンフィクションが並んで行き、さらにガイドブック&地図が異様な充実を見せたりしている。通路棚にはミステリ&エンタメ・ノベルス・新書・ラノベ・海外文学文庫・雑学文庫・時代劇文庫の姿。『ブックマート』感をそのまま引き継いだリサイクル古書店である。値段は定価の半額よりちょっぴり高めな設定。ローテンションな店員さんに精算してもらい、双葉文庫「判決の誤差/戸梶圭太」を購入。やけに暗くなったアーケード商店街を抜け、少しだけ周囲の商店街を探索しながらテクテク。戸越銀座駅まで歩き「小川書店 平塚店」(2010/03/18参照)に立ち寄り、平凡社ライブラリー「ジープが町にやってきた/大塚康生」を購入する。雨が激しくなる前に帰ろうと、駅へズンズン向かうが、そのまま通過してしまい『戸越銀座』に突入。あぁ、本当に「竹田書店」(2008/11/24参照)が無くなっており、靴の修理屋になってしまっている…クリップで吊り下げた雑誌類が斬新だったのになぁ…残念ですが、長い間お疲れさまでした。
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2011年09月21日

9/21東京・神保町 叢文閣書店

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所用を済ませてから、台風が首都圏に最接近する前に、集団下校の子供たちと擦れ違い、嵩の増した外堀と神田川を眺めてから神保町。まだ風雨はそれほど酷くはないが、シャッターをすでに下ろして店仕舞いした古本屋さんも多いようだ。開いているお店も、その多くが厚手のビニールカーテンやブルーシートで店頭を覆い、普段とは違ったガードの固い店構えと化している。こんな時は、外がどんな天候であろうと決してその姿を変えぬ、ビルの中のお店に突撃!段々と強くなり始めた風に、傘を持つ手に力を込めて『神保町交差点』。『靖国通り』沿い南側歩道のすぐ近くにある、一階に「大雲堂書店」(2009/10/06参照)があるビルの二階を目指す。歩道にはオンボロな、赤い矢印と取扱品目の店名立看板が、必死に二階への階段を指し示している。矢印に促されてビルの横っ腹に入り込み、狭い階段を巻き上がりつつ二階へ。するとそこは、一階には無かったエレベーターホールで、上り階段の横に明るく輝く古本屋さんのサッシ扉。壁には小さな姿の良い文字の店名看板。ガチャッと中に入ると、すぐ左のカウンター式帳場に座るエプロン姿のご婦人が、眼鏡越しの上目遣いでチラリ。会釈して私は一歩前進。お店はちょっと横長で、壁は一面造り付けの古い本棚がグルリ、真ん中には背中合わせの棚が二本、左端に短い棚が一本。各通路には腰高まで本が乱雑に積み上がり、中々アナーキーな光景…それでも動線はしっかり確保されている。右端通路は真ん中に机が置かれ、通り抜けは出来ない状態だが、手前からも奥からも入り込めるようにはなっている。カバン等は持ち歩けぬようなので、所定の位置である右側棚脇机の上にソッと置いて回遊開始!あぁ、この古い本の海と、棚レイアウトの雰囲気が、鶴岡の「阿部久書店」(2011/06/12参照)を思い起こさせる…。入口右横から右壁棚に向かい、明治維新・書誌学。右壁棚に国史・歴史・古典文学&近代文学研究。通路の奥には進めないので引き返して真ん中通路へ。右側には伝記・評伝・紀行・漂流・和紙・産業史、左に伝記・思想・中国。奥から右端通路に入ると、通路棚に日本全国郷土&民俗学。右角隅に南洋関連本棚。奥壁は中国を中心に、東洋・アジアが重々しくズラリ。左端通路に進むと、通路棚は今までと少し変わった並びが見られ、運命学・隠秘学・占い・ユダヤ・ヨガ・剣道&剣術・柔道&柔術・弓道・忍者忍術…ここには新しめな本もあり。向かいに日本刀や銃の大判本。左端には少し奥まった空間があり、仏教・神道がドッサリ集まっている。基本的には古く硬く重厚な茶色い箱入り本の集まる世界である。武術コーナーだけは現代的な軟らかさもあり。値段は基本が四桁の強気な値付けとなっている。値段の判らぬ本を二冊手にして帳場へ。「これはお幾らでしょうか?」と差し出すと「あら、値段付いてなかったかしら?」と見返しを確認。すると表4側ではなく表1側の見返しに書き込みがあり『5,---』の鉛筆文字。「これは五千円」ねと教えていただく。こちらは辞退してもう一冊の日本交通學會「日本旅行史/吉田十一」を購入する。階段を下って再び交差点。濡れそぼった街を眺めながら、風雨の中をブラブラ歩いて九段下から無事に帰宅。と思いきや、家に帰り着く直前、突風で瞬時に傘が破壊され、あわれ台風の餌食に…なんてこった。
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2011年09月19日

9/19嗚呼!神奈川県古書会館潜入!

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午前中の東横線で神奈川へ南下。菊名駅で特急から各駅停車に乗り換え、横浜へジリジリと近付いて行く。路線が地下に潜ってすぐの反町駅で降車し、深い地下駅から地上の改札口へ。目の前には大きな『国道1号』の激しい車の流れ。通りに沿ってすぐのガード下を潜って東へ…あれ?このガードは地上を走っていた時の、東横線の名残りなのか?気にせず進めば『反町交差点』に到り、道なりにさらに北東へ。次の信号の『反町二丁目交差点』で東南に向かうと、行く手には緑豊かな『反町公園』の姿…良く考えたら、ここは東神奈川のスケートリンクの裏手に当たる。東横線・東海道線・京浜急行がこの辺りで近接しているので、乗っている路線により街の見え方が、コロッと変わるのであろう。そして公園の向かいに、三階建で横長の古いクリーム色のビル…「神奈川県古書会館」である!あえて警察機構で例えるなら『神奈川県警』である!来たのは初めてなのである!先日、鶴見の古本屋さん「閑古堂」(2009/04/05参照)よりコンタクトがあり、10/29のイベントへの参加要請を受けたのだ。そんな次第で本日、神奈川の古本屋さんの牙城に乗り込んでの打ち合わせとなった。一階右側は大きな暗いガレージで、バンや搬入用の台車が集まっている。左端のビル入口上に、オリジナルフォントな、金属板を折り曲げ造り上げられた看板文字。台車と搬入を終えた人々が一休みする入口に入ると、皆が「こんにちは」とフレンドリーに挨拶。私は戸惑いながらも曖昧に挨拶をし、薄暗いビル内へと足を踏み入れる。するとすぐに小さなエレベーターホールで、受付も事務所も見当たらない。エレベーター表示板脇の案内を見ると、事務所はどうやら三階にあるようだ。早速乗り込んで上階へ向かう。扉が開くと、右も左も判らぬ古いビルの動線。事務所の気配を求めて左へ進むと、アロハを着た大柄な男性に「何か用?」と呼び止められた。閑古堂さんを訪ねて来たことを告げると、「あぁ、奥にいるよ」と括られた本の積み重なる廊下の奥に顎をしゃくった。その奥の扉がガチャっと開き、丁度閑古堂さんが登場。ホッとして挨拶を済ませ、別室で古本市でお馴染みの「文雅新泉堂」さんと共に、一時間ほど楽しく打ち合わせ雑談。私は「反町古書会館展」と共に行われる、トークイベントの切り込み隊長を受け持つことになりそうだ…むぅぐ、大丈夫なのか、オレ!?先日の『西荻ブックマーク』でのトークは、岡崎武志氏の助けを借りて切り抜けたが、今回はこのお二人の力を借り、古本屋と古本屋巡りについて話すこととなりそう。この後、戸部の「翰林書房」さん(2010/01/14参照)とも挨拶を交わし、どうにか無事に打ち合わせ終了。外に出るとまだお昼過ぎ。ブラブラと反町「ひだ文庫」(2009/04/19参照)に立ち寄り新潮文庫「地下街の人々/ジャック・ケルアック」を購入。東横線に乗った後は綱島で途中下車し、棚の濃度が一段と増した「FEEVER BUG」(2011/03/27参照)にて河出新書「犯罪と探偵/村田宏雄」を購入。さらに阿佐ヶ谷に帰り着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の均一棚から晶文社「植草甚一スクラップ・ブック ぼくの東京案内」を購入。

と言う訳で、千葉と横浜での暗躍についてご報告いたします。
1. 10/3(月)発売予定の、京阪神エルマガジン社「千葉の本2」に、『古本屋ツアー・イン・チバ』と言う、二ページのコラムを書きました。千葉県内総武線沿いの、十五店の古本屋を八時間ほどで巡り倒す、編集さん曰く“ドM”なツアーの記録です。書店でお見かけの際は、ぜひ手に取ってご覧ください。
2. 10/29(土)に「神奈川県古書会館」で、「反町古書会館展」『古本屋開業講座』の一環として、トークと言うか講義と言うか、恐れ多くもお話しさせていただきます。
■『古本屋ツアー・イン・ジャパン、横浜に現る(仮)』
■10月29日(土) 13:00〜
■神奈川県古書会館 二階
■無料・要予約
■お問い合わせ・予約は神奈川県古書会館
tel:045-322-4060
mail:kanagawa_kosho@bg.wakwak.com
※そして当日会場にお越し下さった方に、「植草甚一の足跡をたどって〜古本屋ツアー・イン・ヨコハマ feat.J・J」なる、A4表裏の自主制作ペラ一枚チラシを配布する予定。J・J氏の横浜古本屋巡りをトレースして、現在の本牧から野毛までをヨタヨタウロウロします…鋭意製作中!
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2011年09月18日

9/18東京・西荻窪 庵亭空

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昨日の昼間に、吉祥寺からの帰り道で見付けた、古書販売をしているブックカフェに狙いを定めて出動!場所は『西荻南中央通り』の一本西にある『西荻窪駅南通り』の南端で、英会話教室も開いているお店なのである。宇宙の色が薄まったような、雲の無い青空の下、くっきり黒い影を地面に落として、ペダルを踏み込んで行く…しかし到着してみると、入口のブラインドが下ろされている…めげずにまた来よう。すぐさま通りを引き返し、今日はお休みの「スコブル社」(2008/11/05参照)前を通過し、駅から300m弱地点にある、リサイクル&アンティーク屋さんの前に自転車を停める。このお店の奥に何やら本棚があるのは知っていたが、昨日初めて店頭に古本棚が出ているのを目撃したのである。ツアー対象として不足ナシ!木造看板建築一階左側にある小さなお店で、軒に大きく店名の書かれた肌色と言うか薄いオレンジと言うかヤクルト色と言うか…何とも形容し難い色の日除けがある。この当て字な店名もスゴイな…市川崑の変名“久里子亭”みたいだ…。昨日は外に出ていた古本棚は、強い日射しを避ける為か店内に置かれ、碁盤を立て掛けられてしまっている。店頭両脇の平台には食器類や陶器人形が飾られている。外とダイレクトにつながった、真ん中通路が一本の小さな店内に入ると、そこは正に古道具屋さん。籐製抱き枕・人形・陶器・雑貨・古道具。レコード・扁額・謎の色紙・置物…古本は入口横の他にも、各所に横積み姿が確認出来、奥にも本棚が二本ある。まずは入口横100均棚を眺め、文庫・新書・単行本を物色。横積みになっているのは、美術全集類や大判本らしい。文庫を一冊手にして奥に向かうと、小部屋から巨大な体躯を揺るがしながら、ニッコリと笑みを張り付けた店主が「いらっしゃい。100円です」と出迎えつつ精算。袋に本をいれてもらう間に、本棚の本について聞いてみると「こちらも販売してますよ。値段は裏表紙に書いてあります」とのこと。古い日本近代文学・美術&骨董関連の本が並び、値段はしっかりとなっている。「スケバン刑事U」のLPに心動かされつつ外へ。双葉文庫「新宿警察/藤原審爾」を購入。駅方面への緩い坂道を下っていると、「mondobooks」(2010/05/23参照)の棚があった古着屋さんが、もぬけの殻になっているのを見てしまう…くぅ、棚も一体何処に行ってしまったのか…。そんな軽いショックを和らげるために「盛林堂書店」(2010/01/06参照)に転がり込み、創元推理文庫「トレント最後の事件/E・C・ベントリー」「陸橋殺人事件/ロナルド・A・ノックス」を購入する。均一台に並んでいたクライブ・バーカー『血の本』シリーズの揃いに、勇気をもらう…あぁ、何と言う古本屋さんか…。
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2011年09月17日

9/17神奈川・白楽 ドッキリヤミ市場 一箱古本市

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本日の行動始めは、自転車で吉祥寺に向かい悲しい確認。中庭にある「ちいさいおうち」のような「古本屋さんかく」(2009/05/12参照)の閉店を確かめるため…。電柱に隠れたお店への路地前には、古本屋の立看板は見当たらず、代わりにスケーターショップとギャラリーの立看板。以前は無かった白い玉石を踏み締め路地裏に進んで行くと、そこには眠っているような「さんかく」の寂し過ぎる姿。今年の四月に閉店されたそうである。お疲れさまでした。帰りに「よみた屋」(2008/06/12参照)に立ち寄り、文春新書「日本刀/小笠原信夫」購入。そして同店で、先日の古本キャラバンで購入した講談社文庫「工場日記/シモーヌ・ヴェイユ」が高値なのを知り、卑しくニヤリとほくそ笑む…。

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さらに夜になって再び外出。目指すは、ついこの間火災に見舞われた『六角橋商店街』である!駅近くにある、戦後に乱立した“闇市”の遺伝子を受け継ぐ猥雑な小路地のアーケード商店街に、今宵『一箱古本市』の形式で古本が並ぶのだ!何とも血が騒ぐイベントなのである!駅西口を出て、まずは坂道を南にズンズン下る。おっ、「猫企画」(2010/12/17参照)はしっかり営業中で、周囲にダベる若者たちの姿が、楽しい祭りを予感させる…後で寄ろう。あっ、「鐵塔書院」(2008/08/15参照)もまだ営業中。ちょっと中に入って、パラフィンに包まれた本の背に囲まれてみる…幸せだが、このままではイカン!ここでうっとり過ごしている場合ではないのだ!と後ろ髪を引かれる思いで外に出て、通りをさらに南へ。道端のそこかしこで、バンド演奏の準備が進んでおり、夜祭の雰囲気をジワジワと高めている。『六角橋交差点』まで出て、『県道12号』側から小アーケード街の『ふれあい通り』に入ろうとすると、その辺りが正に火事現場で、通りも含めシートに覆われた状況。仕方無しに少し駅方向へ戻り、脇道から『ふれあい通り』に入り込んだ。午後八時、すでに通路は人々で賑わっている。細く狭く300mほどの通路の両脇に、シートや机を基にした、様々なお店が並んで行く。古本店は、300mに満遍なく二十近くが分散しており、『一箱古本市』と言うよりは『一シート古本市』と言った状態。非常にマニアックなサブカル・アングラ系の本が多い。また特徴あるミニコミ誌も多数販売されている。それにしても、何故こんなに大山倍達の本が多いのだ!かなりのお店に、示し合わせたかのように並ぶ倍達本!あぁ、まるでこれでは『極真古本市』!…と大げさに物事を考えつつ、ビールをグイグイと飲みながら酔いを深めて本を買って行く。すると中間地点で「あっ!」と何かに気付く声。あっ!何故ここに南陀楼綾繁氏の姿が…もうこの方は名実共に、一箱古本市の唯一神!少しだけお話しさせていただき、何処かの地方での再会を約束する。この後も通路的商店街をジリジリ遡上し、岩波文庫「病状六尺/正岡子規」寅さんファンクラブ「渥美清さんありがとう」文藝春秋「ロードショーが待ち遠しい/藤森益弘」実業之日本社「円谷英二の映像世界」を購入する。最後に「猫企画」に突撃し、セール本棚で「街場の大阪論/江弘毅」を購入。ふぅ、非常に楽しい夜祭であった。
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2011年09月16日

9/16神奈川・元町中華街 関帝堂書店

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本日は横浜にて自主的に暗躍。7/5の千葉暗躍との係わり合いは無いが、両地での暗躍結果については、近日中にご報告する予定。そしてその暗躍中にツアーを敢行!場所は何と『横浜中華街』!!以前からもう、どこかに古本が売っててもいのではないか、この街はっ!と自分勝手に憤慨していたのだが、何とずい分前からあるビル内に潜んでいたらしい…いや、迂闊でした。場所は『南門通り』と『長安道』を結ぶ『関帝廟通り』で、西寄りの関帝廟の斜向かいにある『横濱バザール』の三階である。この『横濱バザール』は様々なお店が入った、レトロチックで怪しさ満点の新建築ビルなのだが、周囲の中華街が最初から怪しげで派手な風景なので、馴染んでしまっているところが恐ろしい…。入口右脇のビル案内板で店名を確認し、入ってすぐの階段を駆け上がると、踊り場壁にパンダと竹と本を素敵に図案化した丸い店名看板。三階まで上がり、縦長ビルの真ん中通路を奥へと進む。すると右奥に、赤系統の中華意匠で覆い尽くされたお店が出現。おお!ガラスの向こうには、本棚に囲まれた中華な空間が!急いでさらに奥へ進むと入口があり、テラス席への扉・横長なカウンター・テーブル席と本棚が出迎えてくれる。カウンター越しに、長髪を結わいた眼鏡の青年に話し掛けると、ここはブックカフェで、飲み物を注文してから本を楽しむシステムとのこと。私は迷わず青島ビールを注文し、ビー玉色の瓶と銅のコップを受け取って、右手奥の本棚空間へワクワクと歩を進める。中華雑貨や香港映画スターの棚を横目に、香港アーティストのPVが流れるモニターと『財』の文字が刻まれた扁額の下を潜る。八畳ほどの室内に四つの小さなテーブル席があり、壁の二面とカウンター側の一部を本棚とダンボール箱棚が覆い尽くしている。中国関連新書・近現代中国・中国関連文庫・三国志・孫子・孔子・アジア・香港・香港映画・台湾・中国紀行・カンフー・中国史・ノベルス・仏教・日中戦争・武侠コミック&小説・中国語・中華街・横浜・上海・マンガ・猫・雑誌・漢語・ビジュアルムック・易占などがギッシリ並び、中国の原書(コスプレなどのオタク系本も!)もちゃんとあり。ビールで喉を潤しながら、ほぇ〜っと棚を眺めていると、青年さんが台湾のみりん干し的な物をサービスで出してくれた。ありがとうございます。物腰の柔らか&丁寧な方で、話していて非常に気持ち良い。ここはすでに六年前から開店しており、最初は雑貨と本だけだったのが、徐々にスタイルを変え、現在のブックカフェ形式になったとのこと。本は表4に値札のあるものが購入可で、マンガ・文庫・新書・雑誌に多い。値札の無いものや『閲覧用』とあるものは、店内専用と言うことである。途中で女子二人が入店して来たが、三国志関連に大興奮して、「かっこいい!」を黄色い声で連発している…これがいわゆる“歴女”なのであろうか?値段は普通。中公新書「中国名医列伝/吉田荘人」を購入。「ぜひまた本を探しに来て下さい」の言葉が胸に染み入る。おぉ、これからこのお店が私にとっての、中華街のオアシスとなりそうだ…その前までは、裏路地にあるいつ行ってもカウンター内で夫婦が必ず喧嘩している“とんかつ屋”であった…。
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2011年09月14日

9/14愛知・渥美半島中ほどで二店!

豊橋駅から至近の新豊橋駅まで歩き、豊橋鉄道渥美線に乗車して、三河湾・伊勢湾・太平洋に囲まれた渥美半島に分け入って行く。出発駅も含め、十六駅をおよそ三十五分で走り抜ける。半島の体幹を貫く、緩やかな三両編成の動脈なのである。錆の浮いたような街を抜け出した後は、農地と住宅の平坦な大地をウネウネと進み、やがて終点の三河田原…。

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●三河田原「ゆうゆう書房 田原店」
駅員さんに切符を手渡し駅舎を出ると、遠くに蔵王山がそびえる、閑散とした田舎町。ロータリーには数台のタクシーが列を作り、まだ遠い半島の先端方面へ向かうお客を待ちわびている。そこを通り抜けて『駅前通り』を北に進むと、早速左手に見える『古本』の文字とご対面!こんな近くに!と喜びながらも、何かがっついているのを見透かされたように照れながら、お店の前へ。元は古く黒い出桁造りの建物で、軒回りは黄色い看板で覆い込まれ、それに合わせて下の瓦や前面壁も黄色に塗られている。出入口は素っ気無いサッシ扉で、ちょっと入り難くもある…しかし“難い”だけなら入れるのだっ!と扉をカラッと開き、身体を中に捻じ入れる。入口同様装飾性の無い室内で、コミックを収めたスチール棚が立ち尽くしている。入口右横にはガラスケースで造られた帳場があり、漫画家・湊谷夢吉の描く自画像的主人公に似た男性がひとり。静かな店内を、古本を求めてまずは左側に入り込む。すると入口左横棚裏に、三本の古本棚を発見。上部に小説単行本が並び、ラノベ・出版社別文庫・ノベルスがスチール棚に二重に並べられている。棚造りは一般的で、どうやら嬉しい100均のようだ。文庫は古くても80年代止まり。店内中央の棚にも、上部にノンフィクション・タレント・エッセイ、下部にゲーム攻略本を確認する。角川文庫「SP/金城一紀」を購入。

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●三河田原「天満堂 田原」
駅前のお店を出て、そのまま寂しい『駅前通り』を北進すると、大型商業施設のある『田原萱町交差点』。進路を東に採ってテクテク進むと、すぐに『船倉橋西交差点』に到達。ここから再び北に向かい、柳並木の道をさらにテクテク。200mも進めば左手に広い駐車場が現れ、おぉ!奥にまたもや『古本』の文字!側壁の赤い看板に釣られるように近付いて行くと、水色の二階建て店舗の一階が古本屋さん。軒には赤・黄色・水色の看板が巡らされ、ガラス窓には営業時間や『田原の古本屋』『全巻セットたくさんあるよ』の文字が躍っている。入口横の安売り文庫揃い&100均棚を眺めてから、マンガのポスターが貼られた自動ドアから店内へ。横長で広くキレイで、リサイクル古書店な雰囲気だが…。左側のコミック揃いに囲まれた帳場には、肌着姿のおっちゃん店主がおり「いらっしゃいませ」。背後の大きな郷土資本&箱入り本棚が、微かに何かを期待させてくれる。壁際は本棚で、フロアには横向きに長く高い背中合わせの棚が二本。右奥にアダルトゾーンがあり、仕切りにもなっている背中合わせの棚が一本。手前第一通路・左壁棚・第二通路右半分・アダルト仕切り棚は、すべてコミックで埋まっている。真ん中通路左側に、時代劇文庫・夏目漱石関連文庫・出版社別文庫・ラノベ・児童書・児童文学・語学・サブカル・新書・タレント・ハーレクインが集まっている。そのさらに奥の第三通路には、歴史・戦争・実用・オカルト・日本文学・エッセイ・ミステリ&エンタメ・美術・作品集・美術図録・アニメ・写真集・ビジュアルムック・芸能雑誌など。古い本がひょこひょこ顔を出して、古本屋さん的て楽しいぞ…ぬぉぉおおお!大好きな森やすじ先生の幼稚園&保育園用の動物カット集を発見!これは、この前買った展覧会の図録より、遥かに素晴らしいぞっ!うぁ〜、ここまで来た甲斐がありまくりだっ!…値段は…100円!!!!どひゃっほうっ!もう、私の今日は終わりました!お疲れさまでした…と言うように、意外な本がちょっと並んでいたりもする。値段は安め(特に単行本)。おっちゃんに不思議なイントネーションで精算していただく。あ!帰りの車中で気付いたのだが、90円オマケされてる。おっちゃん、ありがとう!小学館「森やすじの動物カット集/森やすじ」講談社文庫「浪漫疾風録/生島治郎」辰巳出版「人喰い映画祭【満腹編】/とみさわ昭仁」中公文庫「カッパドキヤの夏/柳宗玄」を購入。

豊橋からは距離にして十五キロほどなのだが、半島と言う地理的状況が、どうして私はこの地に来てしまったのか…の思いをムクムクと湧き上がらせる。もちろん古本屋さんを目指して来たからなのは判っているのだが、今日この時に、この渥美半島にいるのが本当に不思議でしょうがない。おかげで森やすじが手に入り、万々歳なのではあるが…。楽しさや焦りや後ろめたさや好奇心や探究心や欲望や後悔の念に、背中を押されたり足を引っ張られたりしながら、まだまだツアーは続いて行く…。
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2011年09月13日

9/13東京・早稲田 喜楽書房

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普段と行動パターンを変えて、脳天気に午前中から自転車で早稲田古本街へ。午前十一時過ぎ、ほとんどのお店はすでに開店している。『馬場口交差点』から『早稲田通り』を東に下り、谷底からさらに東に上がって『西早稲田交差点』手前の南側歩道。「谷書房」(2011/07/04参照)と「飯島書店」(2010/04/14参照)に挟まれた同じメタリックな店構えの、マンション一階のお店が今日のツアー先である。入口上部の明り採りの小窓に大きく白い店名文字があり、店頭左に海外文学を中心とした100〜200均ワゴン、右に日本文学・古典文学研究の300〜2000と値段に幅のあるラックがひとつ。真摯に硬い印象である。中に足を踏み入れると、白く明るくそう広くはないが、本が左右に広がりをみせている小世界!壁一面が本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本。奥に帳場があり、小柄な文楽の人形遣いの如き老店主がひとり。整然とした午前中の静かな古本屋さんである。右壁は社会科学・文明・世界・政治・近現代史などが、明朝体の値段表示がある帯を巻かれ、ズラズラと並んで行く。奥には宗教・日本中世・古代。向かいは思想・哲学・心理学を揃え、左端と下部に新書を備えている。左側通路に移ると、通路棚の裏側も下部に新書が並び、上部に岩波文庫・日本文学評論・詩・映画・演劇・辞書。左壁棚は「國文学」・海外文学・海外文学評論・日本文学評論・美術・文学復刻本・古典文学・民俗学・全集類となっている。隣の「谷書房」からつづいているかのような、硬めのお店である。単行本類は高めだが、文庫・新書は安めとなっている。均一本と新書を手にして帳場へ。老店主に声を掛けて本を置くと「う〜んと、200…あっ、こっちは180円だから280円」と言い、本を包み始める。そして手を動かしながら「200円でいいや。こっちの本は…ムニャムニャムニャ……だから200円」と値下げしてくれた。しかしその値下げ理由が、口の中にムニャムニャと止まり、まったく聞き取れず!せめてものお礼に「ありがとうございます!」と元気良くお礼を言う。「いや、はい、ありがとう」と本を渡してくれた。早川書房「グレアム・グリーン選集 二十一の短編」中公新書「世紀末の街角/海野弘」を購入。帰り際に「丸三文庫」(2010/05/31参照)に寄り道。おっ、階段下に100均棚が出現している。しかしこの棚を見る時は、あまりにもその幅が狭いので、銃を突きつけられたかのように背中を壁に押し付けなければならない。二階に上がると、ミシェルガンエレファントの流れる血気盛んな店内。映画本をとっくり楽しみ、店内100均棚から文藝春秋「たびたびの旅/真鍋博」を購入する。探していた本を安く買えるのは、何物にも代えられぬ嬉しい瞬間である!
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2011年09月11日

9/11神奈川・鎌倉で生しらす丼を横目で見てから立飲み屋で一杯二店!

白昼の鎌倉。まずは由比ガ浜の『鎌倉文学館』に向かい、『かこさとしの世界展』を楽しく観覧。完全に子供向けで小規模な展示なのだが、ひたすらに子供目線で“かこワールド”に紛れ込める感覚にゾクゾク。展示の一環である、観覧者(主に子供)が書く『みらいのじぶんへ』のメッセージがとにかく愉快であった。ここでは鎌倉文学館「田村隆一 詩人の航海日誌」を購入。ギュウギュウの江ノ電にて鎌倉へ戻る。

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●鎌倉「鎌倉キネマ堂」
東口からロータリーを突っ切り、『若宮大路』へ。化粧造りだがツギハギの歩道を歩き、北へ。松と桜の街路樹コンビに観光地らしさを感じ取り、ひとつ目の信号を過ぎる。やがて左手に“鳩サブレ”が美味過ぎて有名な、白壁の美しい『豊島屋』の姿。こののっぺりした白い建物北側の脇道にスルッと入り込むと、路地の奥にフィルムを模した看板と、レンガ壁を持つお店が目に入る。ここは『映画の古書と軽飲食』のお店なのである。ちなみにお店の一押しメニューは、映画とも古書とも縁遠い『生しらす丼』。ドアを押し開け店内に入ると、映画ポスターだらけの空間で、右にカウンター席、左にテーブル席が二つ。入口右横にガラス棚、そして入口左横と左壁上部に壁棚が設置されている。店奥には二本のスチール製フレーム棚がある。店主はアロハを着た、西武警察大門軍団の二宮係長風。「いらっしゃいませ」の声に迎えられテーブル席へ。店内BGMの石原裕次郎のムーディーな歌声に抱かれながらココアを注文。舛田利雄・八千草薫・宍戸錠のサインや、『石原プロ大忘年会』の記念枡に気を取られながらも、棚の確認に心血を注ぐ。入口右横には映画関連ビジュアル本&ムック・「キネマ旬報」・映画カルタ・映画スターメンコなど。入口左横は多種の鎌倉観光地図が貼られた横に、鎌倉関連本が集まる。左壁には、日本映画全般・チャンバラ映画・黒澤明・石原裕次郎・テレビ・落語・役者・食・音楽・漫画・手塚治虫・昭和風俗。奥には傑作邦画ビデオ・昭和関連ムック・パチンコ石原裕次郎筐体・映画関連資料・大判本など。日本映画と懐かしの昭和が輝くお店である。品揃えはレベル高くしっかりで、値段もそれに伴いスキ無しとなっている。しかし、このお店の一番の売れ筋は『生しらす丼』で、結構次々とお客さんが入って来るのだが、全員が示し合わせたように『生しらす丼』を注文して行くのだ!もはや『軽飲食』の域を超えた『生しらす丼』を!そして店主もしらす丼でてんてこ舞い!よし、次はおなかをすかせて、古本と生しらす丼だっ!白泉社「マンガの神様 追想の手塚治虫先生/鈴木光明」を購入。

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●鎌倉「ヒグラシ文庫」
「鎌倉キネマ堂」を出たら『若宮大路』には戻らず、路地を鍵の手に入り込んでさらに奥へと進む。そこは真っ暗な建物一階を貫く『かつら小路』と言う、飲食店の集まる一角。通り抜けると細い裏路地で、数歩北へ進むと、すぐに飲食店の集まる古い建物が現れる。その二階へと延びる危なげな外階段の下に、ミミズクがお酒を飲む立看板がポツリ…。二階に潜む立飲み屋なのだが、ここにも古本が売っているはずなのである!二階外壁にも看板を発見し、階段をタンタンと上がる。覗き込んだ暗い廊下は、すでに飲み屋の小路と化し、通路中ほど右手の縄暖簾を潜ると、逆“L”字のカウンターがある小さなお店。おぉ、麗しき立飲み屋さん!まずは生ビールを注文し、とにかくまずは聞こし召すっ!アルコールがじんわり身体に浸透したところで、右壁のトイレ手前壁棚と、左側手前角壁棚にある本を眺める。どうやら一箱古本市で良く見かける「古本T」さんの棚のようだ。本の数は多くないが、飲みながらならこのくらいがほど良い感じである。血眼にならずに、本の背を酔眼でトロトロ眺めて行く。ジャンル様々の見識あるセレクト…しかし久々のお酒の酔いが、私の判断力を奪い取り、やたらとウフフと楽しくなってくる。しかしここは未だ鎌倉!楽しく飲み過ぎるわけにはいかないので、文春新書「週刊誌風雲録/高橋呉郎」を購入して辞去。おぉ、外は夕陽がまぶしい観光地のざわめき…。

かこさとし→映画古書(生しらす丼)→立飲み屋の変テコなルートの一日。文学館で海を見ながら、夏の終わりをヒシヒシと感じてしまった…大船乗換えで、湘南新宿ラインに乗り、何となく寂しさを抱え東京へ戻る。
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2011年09月09日

9/9東京・表参道 Rainy Day Bookstore & Cafe

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歯医者に遅刻して駆け込み、幾つになっても“嫌な感じ”の治療を済ませてから、またもやの表参道。『A5出口』を出て、熱い日射しに炙り出された華やかな『みゆき通り』を南東に歩く。「UTRECHT」(2011/05/17参照)のあるビル前を通過して、やがて「日月堂」(2010/06/10参照)の入るマンションが建つ『根津美術館前交差点』。遠くだが目前に立ちはだかる、『六本木ヒルズ』に向かって交差点を直進する。美術館の脇道には、土塀に似せたコンクリ塀が長く延び続け、坂道と共に谷へと落ち込んで行く。道なりに南東へさらに進むと、いつの間にか西麻布。途中に現れる二又路の南側を選択したら、二本目の脇道を南西へ。住宅と低層ビルが並ぶ街の底から、細い坂道が長く美しく空への滑走路のように延び上がっている。そこを上がり切った右手角にタイル張りの低層ビルがあり、正面に立つとひらめく『SWITCH』のフラッグが目に入った。雑誌「SWITCH」を出版するスイッチ・パブリッシングである。ここに古本も売っている『本屋+カフェ』があるとのことなのだ!赤レンガで形作られた一階は、どう見ても出版社のエントランス…間違ってもこちらに入ってはならぬ。路上右側に立看板があり、そこには『本屋と珈琲』と書かれている。こっちだ。とその後ろを見ると、レンガの入口に木の看板、潜った向こうには急な地下への階段がある。壁面にある、葉巻を弄ぶブルドッグ像二体を見やりながら、そっと冷静に地下へ。大きなガラス窓の向こうには、渋い木材を基調とする落ち着いた空間が広がっている。お客さんはおらず、お店にマッチしたハンサムな青年店員さんがひとり…。扉を開いて中に入ると、にこやかに「いらっしゃいませ」。「こんにちは」と会釈してから店内を観察。本は左壁と奥壁に設置された壁棚にズラッと並んでいる。中央と右側は広いカフェスペースで、壁際の本屋スペースとはガラスで仕切られている。右奥にカウンターとレジ。すると、コップを手にした青年が近付き、「席をお作りしますか?」とにこやかに聞いてきた。「あ、本を見に来たので大丈夫です」と答えると、「ではお水をどうぞ。ここに置いておきますので」とサービスお冷!ありがとうございます!と言うことで、心置きなく棚と対峙!左壁は上部が四段の棚板、下部はボックス棚となっている。自社出版本・本&出版・日本文学・文学評論・映画・音楽・建築・詩句集・セレクト海外文学・セレクト日本文学・セレクト女流作家文学・食・暮らしが上段に並ぶ。新刊と古本が混ざり合っているが、意外に古本が多いのが嬉しい(表4に『古書』の値段ラベルあり)。下段は「SWITCH」・和洋絵本・食が収まっている。途中のアンティークなガラスケースには『ペンギンブックス』のシリーズが、説明書きと共に美しく飾られている。左奥角には「LOVE SHOP RECORD」の出張棚が出現しており、様々なレコード&CDと共に、お洒落モンドな古本や音楽本、片岡義男文庫箱が置かれている。奥壁はボックス棚で、登山・冒険・放浪・紀行・「Coyote」・写真・写真集・ペーパーバックが並ぶ。洒落た雰囲気に合った本が揃う、セレクトブックなお店である。海外文学が充実し、古本も意外なほど進出。値段は定価の半額前後。「LOVE SHOP RECORD」の本にはプレミア値が付いたものも。棚から取った本を手にカフェスペースへと入り、お冷をグイッとあおって精算へ向かう。苦手なお洒落空間ではあったが、今回はまったく緊張せず…古本が多いから安心したのか?…不思議だ…。河出書房新社「夢の船旅/中上紀」を購入。
posted by tokusan at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月07日

9/7東京・青山一丁目 BOOK CLUB KAI

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仕事で、まったく身に馴染まない青山の『外苑西通り』を行ったり来たり。それでも通り沿いの、狭小住宅のパイオニア『塔の家』の雄姿に心和ませたり、廃墟のようだった『原宿住宅』の消滅に魂消ながら仕事を済ませると午後四時。『青山通り』に出て東へ進み、半蔵門線の短い駅間を一駅分。『青山一丁目交差点』から『外苑東通り』を南にちょっと進み、『本田技研』沿いの脇道を西へズンズン。ビル裏の小さな十字路を二つ通り過ぎると、左手に赤いピラミッドのある駐車場が見えて来る。そしてその敷地の隅に、大きな明り採りの三角屋根が突き出し、地下への入口扉が見えている…オシャレでそれでいて怪しいとは…そのビジュアルは会員制クラブの如し!難敵である!通りに面した大きな三角のガラス窓には店名が小さくあり、地下へと誘う階段が見えている。奥にコンクリの庇が飛び出したガラス扉。中に入り、ガラスを通った陽光のムッとした暖かさを感じながら、左へと曲がり落ちる階段を下る。右側壁面には洋書の棚が続き、それを眺めながら地下のフロアにたどり着くと、少し歪な形の広く薄暗い空間。ここはスピリチュアルに関する本が集まったお店なのである。中野「まんだらけ大予言」を高尚にした感じと言えば、少しはその雰囲気が伝わるだろうか。基本は新刊書店と雑貨なのだが、古書も置いてあるとのこと…早くたどり着かねば…。三方の壁は本棚となっており、左側手前に帳場、左側奥に中庭への出入口。奥の壁にも、大きい中世のお城にあるような、錆の浮いた観音開きの鉄扉が見えている…恐らく飾りなのだろう。フロアにはラックが三台ほど置かれ、店内にはお香の匂いと妙なる音楽が流れている。壁棚を次々見て行くと、そこに並んでいるのはすべて新刊書。右壁には建築・食・教育・愛・哲学・心理学・美術、左壁にはオカルト・神秘学・精神世界・呪術・陰陽道・超能力…皆スリップが挟まっており、何処までも続く新刊書の嵐…少々焦燥を感じながらも、望みは決して捨てずに奥壁へ。鉄扉右には文庫がズラリ。やはり古本は見当たらない。続いて最後の砦の左奥へ。ほっ、ここでようやく恋焦がれた古本に邂逅!棚板に『USED BOOKS』のレタリングがあり、二列十四段に集まっている。上段はトレペが掛けられた『稀少本』『絶版本』表示のある本が飾られ、精神世界・催眠術・言語学・超能力・コリン=ウィルソン・第三の眼・バックミンスター=フラー・自己啓発などなど。下段にはビジュアル本や洋書も並ぶ。普段はほとんど接触しない本ばかりなので、価値がまったく判定出来ず…すみません、門外漢です。印象だけで言えば、しっかりとした値段が付けられている。しかしとにかく古本に出会えてホッ。さて、何を買うかが問題なのだが…散々十四段をジロジログリグリ眺めた末に、映画『チャンス』の原作本を発見。値段も手頃なのに安堵して購入決定!隅の帳場で女性店員さんに精算していただき、どうにか青山の地上に生還。今度来る時は、ちょっと高値なのだがジャック・ロンドンの新刊を、ぜひとも買い求めることにしよう。飛鳥新社「庭師 ただそこにいるだけの人/ジャージ・コジンスキー」を購入。
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2011年09月06日

9/6東京・豪徳寺 靖文堂書店

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小田急線沿線を古い情報に基いて調査する。玉川学園前・鶴川・百合ヶ丘と各駅停車駅を巡るが、案の定三球三振!なのだが、振り逃げで豪徳寺を目指す。しかしここでも無様に空振りして意気消沈。仕方なく駅南側に向かい、豪徳寺商店街にある「玄華堂」「靖文堂書店」(共に2008/10/09参照)に慰めてもらおうとフラフラ…。裏路地の「玄華堂」が開いているのを横目で確認してから、まずは商店街奥の「靖文堂」へ。おっ、あった。お久し振りです。相変わらず飾り気が無くて、新聞配達所のような…ん?何だろう?何かおかしい……以前の記憶との齟齬を感じるぞ…何だろう一体?以前と変わらぬ開け放しのサッシ扉から内部をチラリと覗き込むと…そうか、室内のレイアウトが変わったのか。なるほど。幅が狭く、細長くなった感じが…狭く?…あっ!床が何だか新しい!?天井から下がる白熱電球も美しい!?奥行きが増している!?…これはもしやっ!少し入口から離れ、建物全体を眺めてみると、ハッ!建物が新しくモダンになっている!ならばこれは、様子を探ってみなければ!軒には以前と同色な空色の日除けがあり、店頭前面は新しいサッシガラスで、良く見ると足元のコンクリも白く新しい…なのに何で前のお店と印象がほとんど同じなんだ?不思議なリニューアルである。中に入ると柔らかい光の細長な店内。入ってすぐ左に帳場があり、メガネを掛けた水木しげるのようなオヤジさんが店番中。左右の壁際に本棚、真ん中にはスウッと奥まで伸びる背中合わせの棚が一本。左の帳場下は200均文庫の棚になっているが、入店直後は店主の存在感が強大なので、ワンクッション置いてから見るのが賢明であろう。入口右横は児童文学・絵本・雑誌。雑誌は右側通路棚際に、カルチャーから文学研究まで硬軟取り混ぜズラッと並んでいる。壁棚は、100均単行本・日本文学・歴史・社会・文化・哲学・映画・サブカル・アングラ・郷土・刑法・学術本などが、カオスに奥まで並び続ける。最奥には辞書類。向かいには一般文庫・ミステリ&エンタメ・思想・宗教・100均文庫・時代劇文庫・200均ハーレクインが収まっている。帳場前を通る時、このタイミングでさり気なく帳場棚をチェックする。左側通路の壁棚は少し雑然としており、文庫揃い・漫画揃い・和本・箱入り本・紙物・囲碁・歴史が並びながら、足元にはビデオ箱の列。フロア棚には、アダルト・官能文庫・新書サイズ本各種・新書・海外文学文庫・日本文学文庫・絶版文庫・岩波文庫と続く。奥の壁際には横積み全集本の壁あり。店内は以前より確実にスッキリとしたが、相変わらずのカオス並びは健在。茶色い絶版文庫の魅力も相変わらずで、値段が安めなのもしっかり引き継がれている。いつの間にかのリニューアル開店、おめでとうございます!角川文庫「新東京文学散歩 続篇/野田宇太郎」ウェッジ文庫「塚本邦雄の青春/楠見朋彦」角川文庫「デルス・ウザーラ/アルセニエフ」を購入。
posted by tokusan at 22:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月05日

9/5東京・虎ノ門 チャリティ古本市2011 夏!古本キャラバン

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土曜日曜に続き、古本市三連チャン!平日である。昼間である。場所は官庁街に程近い虎ノ門である!地下鉄から地上に出ると、目の前には美しいスクラッチタイルの文化庁。『外堀通り』を伝い、会場の『JTビル』に向かって歩き始める…まさか古本を追って来たら、虎ノ門に行き着くとは…周囲はビルばかりの完全なるオフィス街で、道行く人も忙しげなビジネスマンやOLばかり…。五分ほどで巨大な『JTビル』にたどり着き、警備員に止められるんじゃないかとヒヤヒヤしながら吹き抜けのエントランスホールを通過して、二階の『JTアートホール アフィニス』へ。おぅっ!暗いホール入口フロアに、たくさんの古本が集まっているじゃあないか!市として中々の規模である。横長のフロアに、長机を縦に連結した島が八つ、奥の壁沿いに長机の列、左壁際にも平台が造られ、左手前側奥に会計場所と五十箱ほどの児童文学・絵本・図鑑類の構成。各島には机の上に小さく底の浅いダンボール箱が二十箱ほど置かれ、その足元や机の下にも三十箱ほどが固められている。日本文学・ミステリ・海外文学・社会・ノンフィクション・政治・経済・思想・自然・都市・紀行・歴史・キリスト教・実用・美術・文庫・新書・ノベルス・全集……さほど古い本は無いが、人文系の良書が多く並んでいる。これは固く礼儀正しい古本市!本を提供した一般読書家たちの、折り目正しい本棚が透けて立っているようで、今までに出会ったことの無い清新さが面白い!単行本は200均、文庫は100均で、カバー無しの50円本もある。場所柄のせいか、古本修羅の数は少なく、フラリと会場に入って来たような、お昼休み中の会社員やOLが多い。それでも中には「うっへっへっっへっ、これが200円とはな。お!こんなのまであるとは。これも200円!?」と大声で喋りつつ笑いつつ本の山を造っている修羅の姿も…彼の言葉を聞いてると、いい本は全部取られてるんじゃないかと、妙な焦りがジワリ…。私は島に沿ってジリジリ移動し、立ったりしゃがんだり這い蹲ったりして、あっという間に一時間。七冊を手にして会計場所へ。講談社ノベルス「メルカトルかく語りき/麻耶雄高」(『嗜好と文化』の識語署名入り!)桃源社「断層/高木彬光」河出文庫「ドイツ怪談集/種村季弘編」講談社文庫「工場日記/シモーヌ・ヴェイユ」朝日出版社「サザエさんの東京物語/長谷川洋子」幻冬舎「逮捕されるまで/市橋達也」小学館「謎解きはディナーのあとで/東川篤哉」を合計千円で購入。そして本を袋に入れてもらったのだが、一緒にこの市の主催者からの贈り物もいただく。木のしおり、コーヒーバッグ、春雨スープ、お茶、クリアファイル…まるで見本市にでも来たようだが、タダで物がいただけるのは嬉しいことである。そしてさらに!この市は『キャラバン』の名を冠する通り、開催期間中に虎ノ門と新橋地区を彷徨うのである!明日六日は『日立ハイテク本社 地下一階カフェラウンジ』、七日は『永谷園本社一階プレゼンルーム』、八日は『キーコーヒー本社 NKビル一階』。開催時間は11:30〜18:30。おぉ!オフィス街を彷徨い、場所を変えて浮かび上がる古本市!その動きは、まるでヘディンの「さまよえる湖」のようではないか!清くキリッと爽やかな古本の水を味わいたい方は、平日昼間のオフィス街へぜひ!
posted by tokusan at 16:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする