2011年10月30日

10/30山梨・月江寺 富士吉田一箱古本市 第二回本町本ずらウォーク

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私が衝撃を受けまくった街・『月江寺』(2011/06/29参照)で古本市が開かれると言う!あの、時代から取り残されまくった街で、またもや古本が買えるチャンスが訪れるとは!その麗しい瞬間を貪らねばっ!と富士急行に乗車して、秋に成りかけの山間を進む。何と前々日には、岡崎武志氏がイベントの一環として、中川五郎氏と月江寺でトークしたとの情報あり!そして古本市にも一箱を送り込む予定だったのが、アクシデントにより送り込まれなかったとのこと…残念である。無人駅を出ると駅前も無人。街は以前とまったく変わらず、そのまま時だけをドシャドシャと積み重ねている。まずは飲み屋街の(いや、街全体が飲み屋街なのだが…)横道『ミリオン通り』を目指し、ひとり坂をスタスタ下る。裏側から怪しい通りに入り込むと、以前私を助けてくれた『PONI』とその前の駐車場が小さな会場になっている。テントの下にはフードブースと、地面に置かれた木箱・カゴ・プラケースに本が並べられている。ふむ、結構しっかりした品揃えと率直に感じ、すぐに恒文社「ブタペストの古本屋/徳永康元」を購入する。ここで『下吉田てくてくMAP』を手に入れ、赤丸でポイントされた会場を目指してさらに先へ。『西裏通り』に出ると、そこには『本町本ずらウォーク』の立看板があり、どうやらこれが各会場の目印となっているようだ。通りを下り切る寸前の角に、二店の一箱。子供店長と、カメラを首から提げた若者店長が店番中。若者店長(彼は手にする本の解説をマメにしてくれるのだ)の建築&デザインが充実する箱から、武蔵野美術大学出版局「タウトが撮ったニッポン」を購入。即決の購入に驚く彼に代金を支払い、続いて『月江寺通り』に入る。人影が皆無と言う訳ではないが、時々チラチラと現れる程度…やはり閑散としているのだ。「月之江書房」の雄姿を楽しんでから、空き店舗を使用したオヤジさん店長の店に入ると、日本文学・絵本・出版関係が充実した良い並び。しばらく店内に滞留し、河出文庫「みんな不良少年だった/高平哲郎」を購入する。そしてすぐ近くにもうひとつの会場…こちらは三店で、雑貨と共にSF箱と暮らし関連・絵本が並び、自然派アウトドアなファッションに身を包んだ若者たちが、楽しげに談笑している。ここは何も買えずに先に進むのだが、後で戻って来ることとなる…。最後にこの街のメインストリート『本町通り』に出て、雑貨屋内に並ぶ本を眺める。心やエコの本がメイン…買えずに「お邪魔しました」と奥の女性に声を掛けて表へ。むむ、人が圧倒的に少ないので、やはり全体的に漂う淋しさは否めない。街がひっそりしているのに合わせるかのように、イベントもひっそりと行われているので、もう少し賑やかさが出せると変化が起こるのではないだろうか。この街と古本の組み合わせはとにかく絶品なのだから、今後も工夫して継続し、ぜひ多くの人が訪れることになって欲しいものである。そして私は前述通り、坂を下って再び『月江寺通り』。先ほどの絵本の横で視界に入った手作り雑貨が、妙に気になって仕方なかった…それはテーブル上に可愛く並んだ、廃材のブリキと木片で作られた小さな小さな家たち!おぉ、テーブルの上に、まるで街があるようだ!じっと眺めていると製作者であろう若者が近寄って来て「いらない物で作ったんですが、富士吉田の街みたいですよね」とニンマリ。うん、確かにその通りだ。ひとつとして同じ家は無く、皆錆びて古びている…。私はちょっと夢を見て、真剣に住むならどの家が良いか考え、外階段のある納屋のような家を選択!「これを下さい」と告げると、若者の顔が明るく輝き「ありがとうございます!」と喜びが真摯に伝わるお礼の言葉。「これ、実験作なんですよ」と袋詰めした家を手渡される。袋には『わじあじあ』とある…これがお店の名前なのだろうか…。古本と小さな古いマイホームを携え、ちょっと月江寺を持ち帰れたような心持ちで、駅のホームで四十分待ち。ヒマを持て余して、赤いベンチに家を置いて写真を一枚撮る。ほぅ、まるで中に住めるようではないか…よし、二階には古本を運び込んで書庫にして……小雨が降り始めたホームに、妄想にのめりこむ阿呆な男がひとり…。
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2011年10月29日

10/29神奈川・山手 一寒堂書店

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しかし10/29は古書まつりとトークだけでは終わらなかった…。イベントが終わり、後ろの席でボ〜ッとしていると、かたわらにひとりの女性が、サササと駆け寄って来た。そして本日配布した『植草甚一の足跡をたずねて』のチラシを出し、「私、今日ここから来ました」と本牧一丁目バス停の写真を指差す。続いて衝撃の一言が彼女の口から飛び出した!すでに閉店し、これが恐らくそのお店ではなかったのか、と掲載した商店の写真を指差し「ここ、おばあさんがやってます。夜からやってるんです!」「え?今でもやってるんですか?」「やってます。夜からやってるんです!」…ガ〜ン!おぉ、何と言うことだ。まさかあれが営業しているお店だったとは…これはそのお店の安否をこの目でしっかりと確認し、訂正しなければならない。それにしても看板も何も無く、昼間は本当に営業しているお店には見えなかった。それに夜に本牧を訪れることなど決してないので、このままだったらこのお店にたどり着くことはなかったのであろう。私がJ・J氏の足跡を追い掛けたチラシを作り、それを彼女が見たことによりもたらされた素晴らしい情報!あぁ、偶然の重なりってワンダフルだ!と思いながら「神奈川古書会館」を後にして、みなとみらい線の人となる。終点の『元町・中華街駅』で下車し、元町を抜けて大トンネルを潜って『本牧通り』をブラブラ…しかし『夜』って一体何時なんだ…?次第に辺りが薄暗くなり始めた午後五時。『本牧通り』沿いの『山手駅入口交差点』から東に100m弱ほどの店前に到着。しかしシャッターは冷たく閉ざされている…『夜』って何時なんだ…まぁしばらく辺りをうろつくとするか。タイムリミットは一応午後六時に設定しておこう、と夜の本牧を徘徊する。ことあるごとに引き返し、お店の状態を確認してみるが動きは無く、ただ暗闇が深くなるばかり…しかし五時半過ぎに見に行くと、あっ光が!シャッターが開いている!前を通り過ぎながら確認すると、元気の良いおばあさんが絶賛開店中なのである!『くるまや』の前を通り過ぎる寅さんのように、一旦通行人のフリをして通過する。しばらくして踵を返し、店前に立ち感動に打ち震える!木製柱のトタン歩道屋根の下に輝く、昭和三十年代〜四十年代を定着させた古本屋さんである!横長でガラス戸を全開にし、店頭にはアダルト雑誌ワゴンと新刊雑誌ワゴンが横向きに置かれている。コンクリ土間の店内は古い木製壁棚に囲まれ、土間には平台と棚付き平台が二台縦に置かれている。正面奥に新刊漫画雑誌とアダルト雑誌を積み上げた帳場…椎名町の「みのる書房」(2009/02/24参照)や滝野川一丁目の「龍文堂書店」(2009/07/08参照)を連想させる古さと造りである。左端通路には巨大な火鉢、右端通路には井戸端会議用か椅子が二脚置かれている。平台は左から、アダルト満載、上部に経年劣化したハーレクイン・文庫・官能文庫と平台にアダルト、上部に国内&海外ミステリ文庫と平台にアダルト&劇画の構成。壁棚は左から、実用・歴史小説・時代劇ノベルス&文庫(棚が二重で裏にはコバルト文庫・春陽文庫などもあり)・源氏鶏太・日本文学・全集類・社会・人文、角を曲がって登山&山岳・詩・川柳・美術・ノベルス(二重棚)となっている。棚下は小さな平台で、ティーンズ文庫・時代劇箱・写真集などがホコリを被っている。そして右側壁際はすべてコミックが並び、70~80年代がほとんどで少女漫画多し!な展開を見せている。…J・J氏が目的とした洋書&洋雑誌は皆無だが、新たにひとつ足跡をたどれたことに感激する。棚は時間が停まった感じでブランクもあり、ホコリを被っているものが多い。値段はちょい安。「狭くてゴメンね」と笑うおばあさんに精算をお願いしながら、何処にも無いお店の名前を訪ねてみた。「“いっかんどう”って言うの」…やはりそうでしたか!「もう看板も何も無くなっちゃたけど、七十年やってるのよ」「な、七十年!?」「ほら、字はこう書くの」と頭上から下がる白い板を裏返す。そこには「一寒堂書店 SINCE1940」と刻まれていた!このおばあさんは、恐らくJ・J氏の応対をしたことがあるのだろうなと思い、お礼を言ってお店を出る。今日、このお店に来られて、本当に良かった!みなさん、「一寒堂」は健在で、夜から営業しています!そして名も知らぬ女(ひと)よ、ありがとうございました!国書刊行会「五足の靴と熊本・天草/濱名志松編著」を購入。
※下の写真は昼間の様子。
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10/29神奈川・反町 神奈川古書会館 古書まつり

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午前中に「神奈川古書会館」に到着。今日は『古本屋開業講座』の一環として、『古本屋ツアー・イン・ジャパン、横浜に現る』と銘打ち、人前で話さなければならないのである。すでに緊張はマックスなのに、それを意識しないよう、自分自身の心に素知らぬフリをし、まずは一階ガレージで行われている『古書まつり』を探索。中小規模の古書市である。スチール棚二本+ごつく頑丈な長テーブル六台+卓上棚でひとつの島が造られ、それが手前側に三つ。奥側には、スチール棚二本+頑丈長机四本+卓上棚・背低棚+頑丈長机四本+卓上棚・頑丈長机二本+卓上棚の三島があり、左端に帳場が据えられている。古い本が多く文庫は少なめ。紙物やスライド、古い絵本類なども視界に入って来る。横浜&横須賀本にニンマリ。値段はお店により様々だが、プレミア値の付いた貴重な本も棚や平台に多く並んでいる。間断無く襲って来る緊張と不安を心の片隅にギュッと押し込みながら、あまり買わないつもりだったのに、普賢堂書店にて岩波文庫「飯倉だより/島崎藤村」角川文庫「まざあ・ぐうす/北原白秋訳」角川文庫「復員殺人事件/坂口安吾」大日本雄弁会「信仰佛利 二人行脚/日下部四郎太」を、沙羅書店にて東書選書「薬用昆虫の文化誌/渡辺武雄」を、文雅新泉堂にて中央公論社「星恋/野尻抱影・山口誓子」を、合計1850円で購入する。

この後に一時間ほど、生涯二度目のムニャムニャトーク。緊張と混乱の主観的な古本屋話に終始したが、どうにか自身の根元的な衝動について伝えられたのではないかと…。それにしても後に講演した、「聖智文庫」さんの理知的な語りとは、月とスッポンなアワアワ具合…人前で話すと言うことの、何と難しいことか…。とにもかくにも、「閑古堂」さん「文雅新泉堂」さん、神奈川古書会館の皆様、お世話になりました。お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。今後とも精進してツアーに励んで行きます!
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2011年10月28日

10/28神奈川・石川町 books&things green point

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元町口から高架下に出て『ひらがな商店街』をブラブラ西へ。あぁ、閉店した「黄麦堂」(2009/02/07参照)は、すでにお好み焼き屋へと変わっていた…。『地蔵坂下』をそのまま過ぎて、商店街とも住宅街ともつかない道を進んで行くと、南へ駆け上がる『横浜駅根岸道路』に行き当たる。山の上を目指し、坂道を上がって行くと、やがて両脇は石垣の切り通しとなり、頭上には鉄骨アーチが美しい『打越橋』が出現。下から見上げられるために造られたような巨大構造物を潜りながら、カーブを描いて坂上に到達すると、T字の『山元町交差点』。ここから進路を西に採ると、アップダウンの激しい道が両側に昭和の商店街を携え、ウネウネと根岸方面へ延びて行く。南側の歩道に渡り、ブリキの屋根の下をトボトボ。すると最初のダウン地点『柏葉入口交差点』脇に、10/14に新規開店したお店を発見。元は『ウェスト商会』と言う名の渋過ぎるカメラ屋さんのようで、商店街共通看板・軒下看板・屋根上二階看板文字は、すべて手付かずでそのまま残されている。店舗の壁面部分は鉄平席が貼り付けられ、大きく採られたウィンドウに、小さく現店名が入っている。これも昔の物をそのまま使用しているのか、年季の入ったスィングドアを押して店内へ。外から丸見えな通り小さなお店で、二階はギャラリーになっている。突然の来客に驚いたのか、入口左のガラスケース横の帳場に、陽だまりの猫のように座る女性が、訝しげな視線をチラと投げ掛ける。目礼して店内精査に集中!中はシンプル・アンティークな雰囲気で、真ん中にテーブル、右奥に小さな棚、奥壁面に大きな戸棚、左奥に小さな棚がある。ガラスケース・テーブル・左奥棚には、雑貨・バッグ・陶器・新刊本などが飾られている。テーブル下に安売り本の木箱あり。右奥棚に、洋絵本・ブルーナ装丁ペーパーバック・絵本・児童文学が置かれている。そして大きな戸棚に、セレクト文庫・旅・パリ・ヨーロッパ・アメリカ・随筆・エッセイ・岡部伊都子・伊丹十三・美術・食・串田孫一・ファッション・おしゃれ・暮らし・映画・ウディ=アレン・黒柳徹子・和田誠・ビジュアル大判本などがキレイに収まっている。本の数はそれほど多くはないが、女子的セレクトの繭内小宇宙な棚造りがされている。値段はしっかりなちょい高。この昭和的商店街には、まったく異質な新しい空間でありながら、妙に馴染んでいるのが何だか羨ましい。そんなことを感じながら精算を済ませ、再び歩道屋根の下。そこから衝動的に、商店街の端が見たくなり、立体的に上下する龍の背中のような道を、歩いて先へ…。講談社「わたくし大画報/和田誠」を購入。
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2011年10月26日

10/26東京・池尻大橋 ゆたか書房

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渋谷に出向いたついでに田園都市線で一駅。改札を出て人波の一部になりながら、東口から地上へ。風が強く冷たくなった夜。首都高を見上げながら左にぐるっと鋭角に回り込むと、夜に浮かび上がった東へと延びて行く『池尻大橋商店会』。三連の外灯とお店の明かりにうっすら包まれながら、地元的商店街の奥へ。小さな十字路を、一つ二つ…そして三つ過ぎると、左手に輝く『貸本』の文字。新刊も扱う、都会の片隅の小さな貸本屋さんである。軒には『新刊 貸本』と書かれた青い日除け。店名は阿佐ヶ谷の「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)と同じであるが、こちらには『。』が無い。軒下の四角い『貸本』の白い看板が、心の何処かを“トン”と叩く。店頭には、幼年誌・児童誌・女性誌のラックがあり、その裏側におぉ!古本棚と古本箱!四段の棚には、コミックちょい揃い・エッセイ・ミステリ&エンタメ・コミックバラ・雑誌附録・文庫少々・ファッション雑誌。足元の小さな四つのプラ箱には、コミック・単行本・文庫…皆ビニールできっちり包まれており、値段は安め。店内貸本からのお下がりがメインのようなので、掘り出し物が見つかるような感じではない。一冊を手に明るい店内に入ると、ほ〜ぅ、本で溢れた素敵なビジュアル。お客さんもちゃんと入って来るな…そして通路の影から現れたのは、貸本屋にはまったく似合わぬ今時の女性!この人が店主だなんて…とそのギャップにドギマギしていると、「いらっしゃいませ。何かお探しですか」と問われてしまう。外から持ち込んだ古本を渡して代金を50円を支払う。…都会の片隅の貸本屋さんの、そのさらに片隅で古本を買い、再び夜の商店街…。新潮文庫「蕁麻の家/萩原葉子」を購入。
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2011年10月25日

10/25東京・池袋 第14回池袋西口公園古本まつり

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今日は電車で池袋。しばらく来ないうちに道路の様子が少し変わった西口に出て、古本市が開かれている『池袋西口公園』へ…つまりは『池袋ウェストゲートパーク』である。IWGPである。初期の石田衣良作品は本当に最強だったなぁ〜とボンヤリ考え、喫煙所のある公園入口。中央の円形噴水から広がる石畳の広場には、すでに先週の水曜から古本市の旗が翻っていたのだ。突然衝動的に、この広場の鳥瞰を写真で撮りたくなり、周囲のビルを素早く見回す…何処かに撮影ポイントは…おっ、奥に外階段のあるビルを発見。しかしエントランスに入ってみると、階段への入口が封鎖されている。取り合えずエレベーターで上階に上がり、飲食店のあるフロアに降りる。が、やはり階段には出られそうにない。残念…と思いつつも何だか諦め切れず、試しにテナント表示の無いフロアに降りると、おぉ、空っぽのだだっ広い空間。一瞬窓際に駆け寄り、眼下の公園を写真に収め、焦ってエレベーターにトンボ返り。我ながらバカなことしてるなぁ…。それからようやく会場入り。東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城から馳せ参じた46店の古本屋さんで出来た、“古本ウエストゲートパーク”!八つの大きなテントから成り、その下に一店四〜六台のワゴンと棚で出来た島を、四〜八ずつほど備えて形作られている。奥のステージには、『池袋西口公園まつり』の青い横断幕。その横に『子供の本』コーナーを備えた本部席があり、ここではお客の本探しに答える『探書放送』が行われている。果たしてその探書成功率はどのくらいなのだろうか?精算は各テント脇の帳場で行うシステムとなっている。今日はしっかり自分に制動を掛け、素早く見て回るつもりだったのだが、それでも古本の魔力に捉われてしまい、一時間強の時間を要してしまった…。しかし今日、このタイミングでこの市に来たことを、私は古本の神に感謝する!何故なら長年探しており、見つけても高値で諦めていた「近代建築ガイドブック」二冊を発見したのだっ!安い!安いですぞ!これは嬉しいっ!これで残すは『西日本編』のみとなった!どひゃっほう!ぬぅ、さらにこれも探していた牧逸馬の『続編現代ユウモア全集』がっ!…やはり買わねばならぬのだろう…などと興奮しながら、市の楽しさをどっぷりと味わってしまう。映画・日本文学・東京・昭和・紙物・人文系がバランス良く充実。欲しかった本を手にして高揚したせいか、それほど疲れなかったのは幸いであった。途中「閑古堂」さんに声を掛けられご挨拶。あぁ、土曜の神奈川古書会館でのトークショーが、いつの間にやら間近に迫って来た!話しながら何だか緊張して来たぞ。しかしもはやジタバタしてもしょうがない!特製ちらし『植草甚一の足跡をたどって 古本屋ツアー・イン・ヨコハマfeat J・J』も完成させた!後は「閑古堂」さんと「文雅新泉堂」さんの力を借りて、切り抜けるのみっ!反町での再会を約して、会場を後にする。秋とは思えない、暖か過ぎる池袋の夕暮れであった。市は27日まで。「古書窟 揚羽堂」にて鹿島出版会「近代建築ガイドブック[北海道・東北編]・[東海・北陸編]」を、「古書 一路」にて小学館「ヴェランダの椅子/牧逸馬」を、「佑夢」にて岩波新書「追われゆく坑夫たち/上野英信」を購入。
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2011年10月24日

10/24東京・堀切菖蒲園 安値ブックセンター

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荒川を越えて久し振りの堀切菖蒲園。ガード下の改札を抜け、すぐの北側の横断歩道を渡って、『堀切中央通り』をそのまま北東に歩いて行く。この辺りのマスコットキャラは、『ほりきりん』と言う名の180度開脚をしたキリン…。そんなものを眺めながらテクテク進んで行くと、すぐに左手に『新古書 古書』とある、独特なフォルムの赤い日除けが見えて来た。おぉ、ここは以前「本道楽」があった所ではないか。以前訪れた時は店仕舞いの真っ最中で、中に入ることが出来なかったが、時を越えてついに入店可となった!それにしてもストレート過ぎる店名が魅力的だなぁ…。店頭には左に漫画雑誌ラックが二台、右に100均文庫棚・女性ファッション誌ラック・ムックラックが並んでいる。窓ガラスには、買取ジャンル・迷子犬・迷子インコ・営業時間・古紙回収作業員募集の貼紙がある。オープンな入口から中に入ると、ちょっと天井の低い、広い白い空間で、同型同サイズのスチール棚が簡素に林立し、通路を形作っている。幅広の入口脇、ちょっと奥の横長な空間、そして右半分に広がるメイン空間、すべて棚に囲まれており、メインフロアに背中合わせの棚が二列で縦に二本置かれている。帳場は入口右横棚の裏にあり、本に囲まれたアンニュイなご婦人が店番中。店内の多くはコミックに陣取られているが、良く見ると離れ離れの様々な場所に古本の姿を見つけることが出来る。入口付近右側に女性実用ムックディスプレイ、左側は児童書・児童文学。入口正面棚の一部に美少女系文庫・ライトノベル。左端通路壁棚の一部にBLノベルスと資格。奥壁に大きくエッセイ・ノンフィクション・小説・カルチャー・実用・ビジネスの単行本スペース(並びはカオス)。真ん中通路左側に日本文学文庫・雑学文庫・講談社学術&文芸文庫。右端通路は、手前左側に海外文学文庫、右壁奥に新書・ノベルス・タレントが並んでいる。多くは新古書&特価本らしく、非常にキレイな状態である。もちろん一般的な古本もその間に挟まって並んでいる。最近の本が中心だが、値段は店名通り安めとなっている。講談社ノベルス「トワイライト・ミュージアム/初野晴」岩波新書「反貧困/湯浅誠」を購入。

駅へと戻り、南側に抜けて久々の「青木書店」(2008/07/19参照)へ。BGMの『月光』を聴いて物悲しい気持ちになりながら、本の絶壁と化した通路を回遊。岩波文庫「断橋/岩野泡鳴」白水社「氷上旅日記/ヴェルナー・ヘルツォーク」を購入し、荒川を越えて家へ帰る。
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2011年10月23日

10/23神奈川・百合ヶ丘 古書店 アニマ書房

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今月限りで店舗を畳み、ネット&目録販売に移行するとの悲しいタレコミを胸に、傾斜した南口駅前広場に立つ。2009/05/23に訪れた優良店は、今日も目の前の時計塔を有するツギハギ商店街の二階奥に潜んでいる。『百合ヶ丘駅前信号』を渡って、歩道屋根の下で階上への急階段を見上げる。上がり口の周囲や壁看板には『閉店セール実施中』の貼紙がペタペタ。『単行本・大型本30%引き、新書40%引き、文庫本40%引き』の、悲しいが嬉しくもある値引率が書かれている。階段を上がり廊下奥へ進むと、均一台も含め通常時と寸分変わらぬお店の姿。サッシ扉を開けて中に入ると、優雅なクラシックのチェロ演奏が耳に飛び込んで来る。店主は右奥の帳場で、何かの先生とガッツリ話し込んでいる。深い知識や、社会&世界情勢が飛び交う会話…どうやら先生は、お店の閉店を知り駆けつけたらしい。他にも先客がひとりおり、本を抱えて棚を眺めている。相変わらず何故かペリペリとくっつく床に靴底を取られながら、棚を隅から隅まで古本修羅の目で精査開始!むぐぅ、通常営業時と変わらぬクオリティでの閉店セール…これは素晴らしい。棚下の本が詰まった紙袋は、補充用なのだろう。良質な棚に溺れながら、濃密な別れの時間が経過して行く。途中、常連のおばあさんが入店して来て、「これからも元気でいて下さいね」と店主と互いに別れを惜しんでいる…何だか港で出航する船を見送るような、寂しくも感動的なシーン。おばあさんは棚を眺めながら「本って楽しいね〜」とつぶやき、先生は「またもう一度来るから」と帰って行った。その間も、お客さんが次々と訪れて来る。タイミングを見計らって、本の束を帳場に差し出す。店主は丁寧に値引きしながら、梶山季之追悼文集を掲げ「これ、もうあんまり無いんですよ」とにっこり。「さすがにみなさん話し込まれて行きますね」と話し掛けると、「長い人たちばかりですから。今までどうもありがとうございました」と、私にも公平に別れの言葉を掛けて頂く。後で袋に入れられた『アニマ通信』に目を通すと、景気低迷・大震災・原発事故が閉店の遠因であること。また、今回の原発事故から始まった一連の出来事を通し、お店の理念である『歴史を学ぶことの大切さ』が、伝わらなかったことを痛感したことも、理由であると書かれていた。寂しく、口惜しさの滲む一文である…。十一年間、お疲れさまでした。そして良い本をありがとうございました。お店は10/31まで。季節社「積乱雲とともに 梶山季之追悼文集」角川文庫「いのちの初夜/北條民雄」佑学社「センス・オブ・ワンダー/レイチェル・カーソン」新潮文庫「帰りたい風景/洲之崎徹」白水社「洞窟探検入門/エリック・ジック」を購入。

帰り道、下北沢で途中下車し「古書 赤いドリル」に向かうが、あれ?休みか。続いて「古書ビビビ」に向かうと、大変な混雑っぷりに度肝を抜かれつつ、本の雑誌社「おかしな時代/津野海太郎」を購入する。
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2011年10月22日

10/22大阪・大阪 萬字屋書店

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大阪見物をする間もなく、東京へ戻る。しかしせっかくなので、今日も古本屋さんだけは見に行きたい。ならば大阪駅で途中下車し、あのお店に突撃してみよう!2008/12/31(2009/01/01参照)の大晦日に街を駆けずり回り、入れなかったお店のひとつである…。『中央口』を出て南へ。地下への階段を下り、『大丸百貨店』の間を抜けて、ダラダラと進み続ける。大丸の通りを抜けたらすぐに、『阪急百貨店』の脇を滑るように東へ。大量の人が行き交う地下街通路で、地図では『7』の番号が振られている。左手にはちょっと味のある商店が並び続け、その中の一店に見覚えがあった。そうだ、ここだここだ…が、あの時と同じくシャッターは閉まっている…。開店時間は10:30で、まだ10:22…ちょっと梅田地下街を回ってくるか、と一回りして来たら10:30で、スバラシイ!時間ぴったりに開店している!開かれた入口の上に小さく店名があり、通路に遠慮がちにちょっとだけワゴンがはみ出している。店内は、入口両脇にガラスケース、両壁際に年季の入った木製本棚が据え付けられている。真ん中にはワゴン・薄い両面棚・下が斜めの平台となっている背中合わせの棚と続き、奥に壁棚を背負った帳場がある。そこにはがっしりした壮年男性が陣取り、店内には棚に手を入れる青年店員がひとり。頭上では、地下だからか何機もの大型扇風機がヒュンヒュンと回転し、明かりをチラつかせつつ空気を動かしている。ワゴンには安売り雑誌と少量の単行本が並び、次の薄い棚には鉄道雑誌・鉄道・ノベルス・美術図録が収まっている。奥の平台付き棚には、右に芸能・囲碁・将棋・役者・映画・落語・日本文学評論・オカルト・占学・全集が上部に並び、下の平台に大量のミステリ&エンタメ(特価本含む)が背をこちらに向けて収まり、奥に文庫本、棚脇にも文庫台と続く。左側には哲学・思想・文化が上部に並び、下には大量の書に関する雑誌やムック類、そして奥にまたもや文庫がドッサリ。右のガラスケースには和本や大津絵が飾られ、壁棚に辞書・古代・歴史・戦争・大阪・京都・沖縄・郷土・古典文学。左のガラスケースはミニギャラリーのようで、美術作家の作品が飾られている。続く壁棚に、陰陽道・宗教全般・中国・書・美術・骨董・民芸・作品集などが収まり、下には控え目な新書のスペースもあり。地下繁華街にある、しっかりとした骨格のお店である。書・宗教・歴史など硬めな本が厳しいが、大衆的な文庫や小説本も柔らかく並ぶ。そしてとても本棚が古めかしいので、何処かにあった古書店をそのまま地下街にボコッとはめ込んだ感あり。値段は普通。大量の全集本&郷土史の背を眺めて精算。さぁ、東京に戻らねば!醍醐書房「映画の四日間 中島貞夫映画ゼミナール」を購入。
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2011年10月21日

10/21大阪・京橋&桜ノ宮で最終的には奇跡と言われ三店!

所用で久し振りの大阪。喜びに打ち震えながら、厳しく地域と時間が限定されるが、どうにか近場の三店に目星をつける。街のそこかしこから襲い掛かる、大阪弁の調べにドキドキしながら、急ぎ足でツアーへ!

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●京橋「古書 山内書店」
西口から出て、ビル内の通路を北へ。外に出ると、橋とも広場ともつかない、中途半端な陸橋の上。そこを渡って地上に降り、ビルの間の裏通りを東へテクテク。やがて現れる大阪環状線のガード下を潜り抜けると、さらに裏通り度が増し、左手前方に物凄く活気ある屋外立呑み屋が見えて来る…あっ!その対面右手前方に、『古本・古書』の看板あり!立呑み屋に行列する人々の視線を受け止めながら、店頭に一目散!二階には『趣味本・和洋本・古書』の看板があり、二階の窓下から赤い日除けがダラリと下がる。その下は大きな壁棚と足元に小さな箱がズラズラ。路上には立看板と共に、「プレイボーイ」などの軟派グラビア誌の詰まった箱が三箱。壁棚は単行本がメインで、安売り&雑本的な並びで収まっている。足元の箱には、100均の文庫・雑誌・単行本・漫画雑誌がドッサリ。店内は整頓の行き届いた小世界なビジュアルで、優良な“街の古本屋”を感じさせる。壁一面は本棚で、入口左横にご婦人の座る帳場があり、真ん中に背中合わせの棚が二本。通路は狭めとなっている。奥の右側には地下への階段があり、真ん中奥には小スペースと二階への階段がある。二階はしっかりとした店舗となっているが、地下は低くなった裏手への出入口のみ。ただし階段部分に、児童文学・ガイドブック・囲碁・将棋が置かれている。右壁は入口横に地図棚があり、廉価コミック・美少女コミック・日本近代文学・日本文学評論・風俗・歴史・大衆小説・70年代日本文学・女流作家文学・詩…渋さと俗さが同居するこの並びは、後に二階で大輪の花を咲かせることとなる。向かいにも70年代周辺日本文学・大衆小説。一番狭い中央通路には、両側共新しめの日本文学文庫。左側通路に移動し、左壁に実用・医学・スポーツ・辞書・海外文学文庫・岩波文庫・時代劇文庫・時代小説・心&宗教と並び、角を曲がって奥壁に歴史・ノベルス・新書と続く。通路棚には、エッセイ・海外文学・近現代史・現代社会などが収まっている。下り階段をちょっと覗いてから、二階階段下スペースで、戦争・アダルト・雑誌・美術・音楽・建築・骨董・映画。演劇を見る。狭い階段を上がりつつ、全集タワーと絶版新書に集中していると、二階帳場でお弁当をおいしく食べる、ヒゲのオヤジさんと視線が正面衝突。お互いに頭を下げて、どうにか気まずさを回避する。そして改めて周囲を見回すと、ここがまた不思議な空間で、アダルトとパラフィン掛け古書の二極化し過ぎた棚構成が展開!アダルトの毒々しい色味に圧倒されながらも、古い本の連合軍が左壁・奥壁・右壁手前一部にある。日本文学研究・民俗学・歴史・社会科学・思想・岩波文庫絶版・大判美術本&学術本・文学復刻本・海外文学・大衆小説の姿のみを必死に追い掛ける。街の古本屋さんにプラスして、古書の香りが芳しいお店なのである。値段は安め〜ちょい高で、プレミア値はしっかり。二階で今日の問題社「写実/板垣鷹穂」を購入。それにしてもこのお店、常に対面の立呑み屋さんの喧騒に飲み込まれ、色んな意味で大阪の街をちょっとだけ感じ取ることが出来る。お客も従業員も通行人も、常に何か喋っているのだ!出来れば私も一杯無言で飲っていきたいのだが、早く次のお店次のお店…。

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●京橋「立志堂書店」
続いて駅前の陸橋下に戻り、人の流れに乗っかって『KEIHAN MALL』と自転車置場の間を通り、駅前広場を抜けて『国道1号』へ。ここから進路を西に採り、しばらくテクテク歩き続け、大きな『東野田町交差点』。ここでグイッと北東に鋭角に曲がり込むと、もう50mほど前方に緑の日除けが見え出した…。角に入口のある木造建築書店である。どう見てもただの街の新刊書店なのだが、何故か古本も扱っていると言うのだ。果たしてその真相は…?ビニールの垂れ幕に分け入り中に入ると、明るくキレイなだが瞬時に古さが伝わって来る…平台の大きさがノスタルジックな店舗である。しかし並んでいるのは雑誌も漫画も単行本も新刊ばかり…手に取り確かめてみるが、スリップがしっかりと挟まっている。帳場を兼ねた住居への上がり框に半臥するオバチャンが、胡散臭げな視線をこちらに投げ掛けている。ちょっと焦りながら左側通路へ進むと、通路棚上部の左半分に『新古及古本棚』の小さな貼紙を発見。あった!よかった!その四段に並ぶのはすべて文庫で、日本文学・海外ミステリ・ミステリ&エンタメ・時代劇・官能の一般的な棚構成。値段表記は何処にも無いので、半信半疑で一冊を抜き取り、帳場に「これを」と差し出してみる。するとオバチャンはしばらく裏表紙を見ていたが、そのまま奥に横臥するご主人に「あんた、これ」と渡す。彼はパラパラとチェックした後、「190円」と一言。あぁ、古本で良かった。新潮文庫「他人の顔/安部公房」を購入。

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●桜ノ宮「古書 三鈴書林」
『国道1号』の戻って西へ進み、大川端の道を北進。左に『桜の宮公園』を見て、右にラブホテル群を迎え、ズンズン北へと進んで行く。どうやらここは土手の上で、公園も街の向こうも、一段低くなっている。500mほど進んで野球場を過ぎると、あれが目的のお店なのか…!?もうこの辺りまで来ると桜ノ宮駅の方が近く、左手にはクズ鉄屋や古紙回収屋の小屋が連なる特殊な地帯。しかしこの古本屋さんも負けてはいない!灰色の煤けたモルタル二階家で、路上に縦長の立看板がポツリ。半開きのサッシ戸にも店名のある紙が貼り付けられているが、これは本当にお店なのか?と躊躇すること必至な店構えである。しかしここで尻込みしては、私の生きている意味は無いっ!とサッシに手を掛けてガタガタ中へ。電気は点いており、一応本の詰まった木箱が出迎えてくれるが、ほとんどダンボールで埋め尽くされた倉庫的空間!…これは、入って良かったのだろうか…。そして誰もいない…。入ってすぐ通路が左右に広がり、左は二階への上がり口、右は90度曲がって奥へと続く道。本を見られる所は、入口正面から右に折れる通路手前までで、とにかく後はすべてダンボール箱の嵐なのである。本は、映画・社会運動&思想系文庫・英語文庫・文学評論・選書・風俗・歴史・幕末・古典文学・山岳・思想・宮沢賢治など。左傾の本が多く、値段は高め。そして一冊を手にしたはいいが、誰も出てくる気配は無い。まずは右奥に向かって、何度か「すいません」と声を掛けるが反応ゼロ。続いて左側の階段下に立ち、上に向かって声を掛ける。すると二度目で「ハイ」と返答があり、ミシミシと階段を軋らせて男性が姿を見せた。白髪痩身の笑顔こぼれる方で、私が本を差し出すと、「ウワッ、買ってくれるんですか!ありがとうございます。奇跡だ!スゴイ!」と何やら身を捩じらせ感動している。ちょっとあっけにとられながら、「あ、あの、入って良かったんですか?」「えぇえぇ、大丈夫ですよ」と話しつつ代金を支払う。するとおもむろに、「いや〜、本が売れないからね。川向こうの店を畳んでこっちに来たんですよ」「えっ!そうなんですか?」「今はもうネット販売と大学の古本市で売ってるの。でもそこの棚だけは、意地でも残しとこうと思って…」と木箱群を指差す。「あ〜、本を買いに来てくれる人がいるなんて。ホントに奇跡だよ」。…はぁ、もう古本屋さんにそこまで言われたら、奇跡と思っていただけるなら、今日ここまで古本を買いに来た甲斐があると言うものです!ツアー冥利に尽きまくり!こちらこそ、まだ本をお店で売っていてくれて、ありがとうございます!これからも古本屋さんに光あれ!青木文庫「フアシズムの誕生/小此木真三郎」を購入。

「三鈴書林」を出て、すぐに大川端に出ると、何だかフランスのような水辺の景色。大阪は現在の東京よりも、遥かに親水性の高さを感じさせる都市である。…ここをちょっと下れば、対岸が有名な造幣局の『桜の通り抜け』になるのか。私は古本を抱えて、どこまでも河岸をトボトボトボトボ……。
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2011年10月20日

10/20東京・鷺ノ宮 古本・ガラクタ珍品 木屋

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2011/04/13に報告済みの『新青梅街道』沿いにある謎多き未踏店なのだが、あれからすでに半年の今日、ついに執念が実り、お店に入って本を買うことが出来たのだっ!…とても長い長い道のりであった……私はこのお店のことを、常に忘れぬよう心の底のフックに引っ掛け、機会を見ては観察し続けていた。しかし午前中に行っても、昼間に行っても、夜に行っても、週末に行っても、お店が開いていることはなかった。そんな歯噛みするような日々の中、いつの間にか欲しかった『モスラ』のロビーカードは手品のように消え、店内の様子も何やら見るたびに変化を見せている…一体このお店はいつ営業しているのか!?ただ深まる謎に、一方的に翻弄されるのみ…しかしここであきらめては意味が無い!ならばと、今週に入ってから『曜日営業』の可能性も探るため、近場なのを幸いとし、毎日見に行くことにしてみたのである。そして本日午後五時、ついに明かりを灯したお店に出会うことが出来たのだ!うぅ、やったぞ…。店頭には、左に横倒しにされたロッカーがあり、十冊ほどの単行本横積みタワー二本と背を上にした十五冊の単行本。右にスチール製の書類ケースがあり、横積み単行本タワーと大判本のタワーがある。値段はすべて100円で、タワーのバランスは頭でっかちの不安定な状態となっている。ノンフィクション・日本現代文学・海外文学・「彷書月刊」が多い。店内に以前から立ちはだかる手作りパネルには、『柳生一族の陰謀』『メリーポピンズ』『ピンクレディーの活動大写真』のチラシのみが、寂しく掲出されている。あぁ、『モスラ』よ…今君は一体何処に…。真ん中には、あまり売り物には見えない古本とガラクタ類が迫る通路が一本。店内は乱雑に倉庫的な姿となっている。入口右横の棚には綺麗な「彷書月刊」の束と…あっ!以前店の外から覗き見た青い本たちは「極私的東京名所案内/坪内祐三」だったのか…。表で抜き出した一冊を手に、奥の誰かがごろ寝している座敷に声を掛ける。すると立ち上がって来たのは、スウェット姿の神山繁風店主。100円玉を渡しながら『いつお店がやっているのか?』と聞いてみると、「いつって言ってもなぁ…大体夕方くらいから開けてるよ」と曖昧な返答。う〜ん、どうやらかなりの不定期営業で、営業時間も短い様子…でなければ、もっと早くにお店に入れたはずであろう。そして「本はたくさんあるんで、またいつでもどうぞ」と、表情をあまり変えずに嬉しいことを言ってくれる。しかし店内にそれほど本があるわけではないのが、全く持って不思議である…何処かにドッサリ蔵しているのか…?まぁこれで何となく営業時間も把握したので、店頭ロッカーを漁りにまた来るとしよう。角川選書「日本風景論/池内紀」を購入…あれ?著者謹呈本だ。むぅ、大量の「彷書月刊」、複数冊の坪内本、そして謹呈本…何か出版関係に近しい匂いが漂っているが、これは一体…。
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2011年10月19日

10/19東京・新宿 靖国通り路上古本販売

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午前中からキツめのスケジュールに背中をドヤされ、右往左往。早い段階から本日のツアーを断念しつつ新宿を歩いていると、おっ!これは天の配剤かっ!?見たことの無い路上古本販売を発見。早速その歩道脇の植え込みに造られた、巨大な平台に膝を寄せる。場所は『靖国通り』沿いの大ガード近く、『歌舞伎町信号』横の南側歩道の『新宿サブナード8番口』前である。『スカウト通り』の巨大売場(2011/06/16参照)の割と至近だが、縄張りなどは問題ないのであろうか…。この売場を守り働いているのは、巨漢の男性二人と中年女性が一人。何となく下町のお店のような“陽”の活気があり、強い絆を感じさせる…。売場自体は一畳半ほどのダンボール敷きで、左に本日発売の漫画週刊誌がドッサリ並び、続いて青年漫画誌や週刊誌。そして右半分にコミック&廉価コミックと共に、小説単行本二冊・文庫&ノベルス箱、それにブックエンドで押さえられた二十冊ほどの文庫と言う構成。お昼休みのサラリーマンに混じって、文庫一点のみに狙いを定め、一冊をサッと抜き取る。すると離れた所から即座に、おばちゃんが「100円」と値段を告げる。彼らの客や周囲への目配りはとても鋭いのだ。彼女に近付き100円玉を渡すと、「毎度」と交渉成立。あぁ、今日も何処からか古本を調達し、組織立った動きを感じさせて、糊口を凌ぐために古本を販売する人たちが、都会の隙間に蠢いている…。角川文庫「バートン版 アラビアンナイト物語/バートン」を購入。
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2011年10月18日

10/18東京・都立家政 エーワンブック中野店

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日中、今日も自転車に乗ってあるお店へ向かうが、営業時間が大幅に変更されており、店が開くまでまだ後二時間!とてもじゃないが待つことなど出来ないので、そのまま引き返す…ただ二時間余りのサイクリングをしただけとなってしまった…。家に戻り、色々所用をこなしていたら、すでに夜の十時。しかしどうしてもツアーがしたくなって、またもや自転車を駆って夜の街へ。下弦の月の光を浴びて、家路に着く人たちを風のように追い越して走る。駅からは、古典的なタコ型火星人がマスコットキャラの『都立家政商店街』を北へ。『都立家政交差点』でぶつかる『新青梅街道』を東へ。500mほど進んだ三つ目の信号脇に、歩道を明るく照らす黄色い光…「エーワンブック」チェーンの最後のお店である。まさかこのお店に入る日が来るとは…。ここだけは何故か午後六時からの営業となっている。看板から放たれる黄色い光に目を細め、いたずら書きされた空っぽのラックと、ドアガラスに貼られた女の子たちのポスターに見つめられ、店内へ。すると入った左がいきなり帳場で、背筋をビシッと伸ばした、武士のようなオッチャンが腰掛けながら「いらっしゃいませ」。私は軽く会釈をし、店内を見て愕然とする!あぁ、ここは完全なるアダルト店ではないか。多少コミック揃いや本の形をした官能文庫が置かれているが、買えるような本はまったく見当たらない。今までエーワンチェーンには『アダルトしか無いんじゃないか』と思って入ると、意外な棚が迎えてくれたりする、嬉しい裏切りが頻発していた。しかし!最後の最後でアダルトな裏切りっ!やってくれたな、エーワンブック!と言うことで何も買えずにお店を出る。空しく退店する直前、申し訳ないので帳場の前で軽く頭を下げると、おっちゃんも丁寧なお辞儀を返してくれた。うむ、エーワンチェーンの店員さんは、やはりご多分に漏れず礼儀正しいのであった。これにて今は亡きお店も含め、「エーワンブック」チェーン・全七店をツアー制覇(2009/11/09,2011/01/21,2011/03/03,2011/09/27参照)…のはずである。足掛け二年に渡る、間延びした長い旅であった…。
posted by tokusan at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月17日

10/17東京・護国寺 青聲社

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『古書現世店番日記』で知った、古本屋さんの新規開店情報。10/15の「古書ますく堂」に続き、おめでたいことである。お店を開いたのは『一箱古本市』などで活躍されていた「寝床や」さんとのこと…そうか、あの古トランクに絶版文庫を綺麗に並べて売っていた人だ…。自転車に跨り、東の目白台へ向けてペダルをゲシゲシ踏み込んで行く。駅は恐らく『護国寺駅』が一番近く、『出口6』の講談社前から『音羽通り』を南へ。すぐの『大塚警察署前交差点』を西に入り、急勾配の『三丁目坂』をカーブを描きながら台地の上へ。何だか殺風景な『東大目白台キャンパス』の敷地が終わる所で、南への細道に入り込む。途中には、今日も元気な「沼田書店」(2008/08/21参照)。この通りを抜けると、『目白通り』と『目白台三丁目交差点』で合流する。おぉ、対岸左手のビル一階に、新しいお店の姿が見えている…と、このコースが正しいのだが、私はあえてお店へのアプローチに、南側からのアタックを提唱したい!早稲田から神田川を越え、『新江戸川公園』と『椿山荘』に挟まれた、猫が数匹昼寝する『水神社』の階段下に立つ。斜面の境内と塀の間で、上へ上へと延びて行く階段が『胸突坂』。江戸時代をダイナミックに自分の足で感じながら、ゼイゼイ上がり切り、『永青文庫』を横目にして、大谷石の塀沿いに『目白通り』へ向かうと、銀杏並木の向こうに突き出す丹下健三設計の『東京カテドラル』が、リンゴンと鐘を響かせている。ここで通りを北西に進めばお店の前!…はぁ、パーフェクトな道のりだ…。入口上には、濃紺テント地の抑制の効いた店名看板。店頭には、小さな100均棚と100均雑誌箱と100均横長ビジュアル本箱が置かれている。ついつい加藤直之の画集を夢中になって眺めてしまう。店内は奥行きの深い、黒タイル床のシックな空間で、入口横に古道具棚と雑誌棚が固まり、右壁に美しい造り付けの本棚が、奥へ奥へと続いている。左側はテーブルや棚が置かれ、古道具や紙物ゾーンとなっている。奥の帳場では女性がパソコンと向き合い、店主であろうランディーズ・中川風男性はせっせと棚造りに励んでいる。壁棚は、六段・五段・六段と変化を見せ、入口近くの六段棚はピッシリ詰まった文庫ゾーン。出版社ごとに、漫画のコマ運びのような動きで、各社噛み合いながら並んで行く。セレクト良し、絶版もありの棚である。奥に進むと少量の新書と共に、単行本ゾーンがスタート。落語・寄席・古本・上方芸能・映画・東京・風俗・骨董・世相・日本文学・ジャーナリズム・サブカル・出版・詩などが、緩やかにつながり合いながら並び、何処を見ても同じようなのだが、実は何処も違った並びを見せる、境目の無い継続的な棚造りがされている。最奥には古いものも含め、「彷書月刊」がズラリ…。キレイで見応えのあるお店である。棚にはまだ少し開いている部分があるが、方向性の確かさが各所から感じられるので、しっかりとした全貌を見せるのも時間の問題であろう。値段はちょい安〜ちょい高と本により様々。それよりも何よりも一番気になるのは、棚の上に鎮座する“アレ”である。何故ここに『本牧亭』の看板が飾られているんだっ!?奥で精算をしながら聞いてみると、どうやらついこの間、幕を閉じた時の物と言うわけではなく、いつか何処かで使われていたものが巡り巡ってここにあるとのこと。う〜ん、それでもとにかくインパクト大!満足して本を受け取り、お礼を言って辞去しようとすると、店主が帳場内から一歩進み出て「いつもブログ拝見してます」と丁寧にお辞儀!…うわわわ、ガ〜ン!あたふたしながら「バ、バレてました?」と判り切ったことを間抜けに聞くと、にっこり笑いながら頷かれた。初見で私が古本屋ツアーだと露見したのは、これが初めてである…顔が赤くなる恥ずかしさに、少々の敗北感がブレンドされ、周章狼狽…私もヤキが回ったものだ。そして店主さんと、照れ合いながらしばしお話し。「ちなみに私たちは夫婦ではありませんので」と、勝手な想像にも先手を打たれてしまう。いや、もう失礼いたしました。またそのうちに、自転車で『胸突坂』を上がって参上します。坂の上の古本屋さん、誕生おめでとうございます!D文学研究会「日野日出志を読む/清水正」光文社新書「森山大道 路上スナップのススメ/森山大道・仲本剛」かまくら春秋社「僕が愛した路地/田村隆一」を購入。
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2011年10月16日

10/16前橋追記

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移動中の地下鉄の車内で読んでいた、10/8に前橋で購入した煥乎堂「萩原恭次郎の世界」。前橋の“二大萩原”として、朔太郎と並び立つ詩人の、評論&回顧録集である。ちなみに二人に血縁は無い。本は、思潮社「萩原恭次郎全詩集」が刊行された時に添付された冊子を、増補発展したもので、前橋の書店兼出版社「煥乎堂」から1987年に出されたものである。奇しくもこれを購入したのは、その「煥乎堂」の三階古本販売フロアであった。詩集しか読んだことの無かった私は、様々な恭次郎のエピソードを、時間を忘れて貪るように読み進めていた。そして突然岩盤に突き当たったように、衝撃の一文が目に飛び込んで来た!萩原恭次郎は、「煥乎堂」に勤めていただと!?あの「死刑宣告」の詩人が、前橋の書店で働いていたなんてっ!あぁ、敬愛する詩人なのに、その動向は何も知らずに、彼がかつて勤めていた書店で、彼についての本を買っていたとは!感動と共に、何故知らなかったんだ!と言う自責の念が体内をグルグル駆け回る…。「煥乎堂」に恭次郎を訪れた中野重治によると、仕事として格別なことをやっているようには見えず、ある程度机に縛られぬ、自由な勤務ぶりに見えたとのこと…何と詩人らしい羨ましい勤務スタイル!読み進めて行くと他にも、「煥乎堂」で群馬書籍組合の仕事をしていたこと、サラリーマン風の黒の背広を着て二階の狭い部屋にいたこと、などが判明。…これで次回前橋を訪れる時は、もうすっかり違う眼で「煥乎堂」を見ることになるだろう。●●●●●前橋!××××××煥乎堂!
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10/16千葉・村上 フルルガーデン八千代 古本市

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東葉高速線直通の東西線に乗り込み四十分。西船橋からは地下と地上を交互に進む。高架駅からズンズン下りて、駅舎と線路を見上げると、丸みを帯びた巨大コンクリ橋脚が支え持つ、古典的な未来の風景。南を見ると白く煌く街路の向こうに、没個性的な巨大商業施設が待ち構えている。目標は『イトーヨーカドー』の向こうにある『フルルガーデン八千代』で、ここで古本市が13日から開かれていると言う情報を元にやって来たのだ。そして今日が最終日なのである。この市は定期的に開かれているのだろうか?そしてどの程度の規模なのだろうか?とツラツラ考えつつ信号を渡って、箱のように不恰好な巨大施設の脇をトボトボ南へ進む。二つの施設の間にある『ふるる通り』に入り込み、空中に渡された何本かの連絡通路の集まる部分を目指す。すると左手に縦長の広場が広がり、『古本市』とある緑の立看板と共に、多数のワゴンが縦に並んでいるのが視界に入った。結構しっかり統一感のある市である。およそ三十の銀のワゴンで、九つの島が造られ、コミック揃い・セレクト文庫(値段はしっかりだがレベル高し!)・一般文庫・100均文庫・100均&200均&300均単行本・音楽CD・児童文学&絵本・雑誌・映画パンフ&図録が、小ざっぱりと収まっている。どうやらこの市は、本から取り忘れられた紙片やレジ横のダンボールから察すると、「草古堂」(2008/09/20・2011/01/30・2011/05/29参照)が一手に引き受けている様子。セレクト文庫に欲しいものがかなり見つかるが、それではお店で買うのとさして変わらぬので、今日は安売りの100〜300円の範囲でお買物!結果、角川文庫「秋津温泉/藤原審爾」中央公論社「ニューヨーク武芸帳/坂本正治」(カバー裏に深瀬昌久の写真が印刷されている!)毎日新聞社「懐かしの銀座・浅草/画・小松崎茂 文・平野威馬雄」白水社「オートバイ/アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ」(ピンと張り詰めた北園克衛装丁!)新潮文庫「らんぷと水鉄砲/安野光雅・三木卓」鹿島出版会「都市・住宅論/東孝光」を購入。六冊で合計1300円の収穫であった。

そして阿佐ヶ谷に戻ってから、「銀星舎」で角川文庫「シナリオ 麻雀放浪記/原作=阿佐田哲也 脚本=和田誠・澤井信一郎」を100均棚で購入。むぅ、我ながら素敵な買物である。
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2011年10月15日

10/15東京・池袋 古書ますく堂

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岡崎武志氏からもたらされた情報で、『西荻ブックマーク』スタッフの女性が、古本屋さんを開店することを知る。電撃的な動きである。ならばこちらも電撃的に行動しなければなるまい。と言うことで開店日の今日、雨がすっかり上がったので、自転車で池袋へ向かう。駅からは、西口を出たら西進し『西口五差路交差点』へ。『劇場通り』を南へ向かい『西池袋一丁目信号』で北西に曲がり込み、ビルと樹木に囲まれた薄暗い『西池袋公園』。その公園を、少し高台になり縦に長い北側と、フェンスに囲まれたミニグラウンドに分かつ道を西南へ。公園部分を通り過ぎ、そのまま裏町に入り込んで行くと、右手に砂利敷きの駐車場が現れ、奥に汚れたピンク壁の木造モルタル建築…都会の喧騒から忘れ去られたような一角に、静かに静かに近付いて行くと、元は三軒の飲食店が集まる一角で、おぉ!真ん中のお店が古本屋さんと化している!…こ、これは意表を突く新店だぞ!二階側壁に緑の看板があり、そこには以前の店名「幸屋」とある。軒には大きな緑の日除けが架かり、下には大きなガラス窓と開け放しの木の扉。路上には店名の書かれた譜面台と立看板。中に入ると、ほほぅ。飲食店そのまんまじゃないですか。縦長で、左には奥まで延びるカウンターテーブル、右壁には一面に数種の本棚が設置され、突っ張り棒で耐震対策は万全。入口横には小さな100均棚と、100均茶箱が三箱置かれている。入口横には『西荻ブックマーク』から贈られた、開店祝いの花が輝く。店主さんとはすでに知遇を得ているので、まずはご挨拶。すると笑顔を絶やさず「もう自由に見てってください。写真もバシバシ撮っちゃってください。アハハハ」と高笑い。THE豪放磊落である。100均本は文庫と少女漫画が多く、入口正面カウンター上には新刊古本関連本&夏葉社コーナー。その肩に乗るように西村賢太の文庫が並ぶ。カウンター脇のテーブルには岡本太郎本が多く飾られ、カウンター上には本と共にライト・フィギュア・ツボ・グラスなど、様々な古道具の姿も。続いて右壁棚に目を移すと、カオスとジャンルがせめぎ合う、結果的にはカオスな棚が展開!日本文学文庫・カルトコミック・劇画・野球・神戸・コミック・海外文学・ウェッジ文庫・性・マンガ評論・寺山修司・宮本常一・野呂邦暢・東野圭吾・森博嗣・絵本・食・鉄道&交通・旅・酒&吉田健一&田中小実昌・山岳・東京・哲学・思想・言葉・読書・書評・古本・本・出版・書店・詩などなど。一番明確化されているのは、左端の本関連コーナーである。他は細かく小さくカオスに並び、不可思議な味を醸し出す。値段は安め〜高めと様々。それにしても何も知らずに入ったら、ここを新店とはまず思うまい。すでに十年以上前からここで営業しているような、そんな雰囲気なのである。元々はスナックで、棚は自分の手が届く高さで揃え(高所が苦手なので踏み台も使用不可)、そしてすべてが手作り!私はこのアバウトさに包まれた空間に、激しく面を張られた気分。こうゆう懐の深いカタチもあるんだなぁ…。これから古本の大海に漕ぎ出すのに、原木で組み立てたイカダの如きお店なのだ!あぁ、これはまるで“古本コンティキ号”!何だか意外に力強く、荒波を切って進む姿が脳裏をよぎる。開店おめでとうございます!カッパ・ノベルス「鴎外の婢/松本清張」角川文庫「東京爆発小僧/末井昭」新刊で大散歩通信社「古本のことしか頭になかった/山本善行」を購入する。
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2011年10月14日

10/14東京・国分寺 国障連リサイクル店

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北口を出ると、相変わらず中途で開発が放棄されたような、ツギハギの土地の駅前風景。階段を下って北へ歩き、突き当たった『西通り商店街』を東へ。するとすぐに『北口商店会』の始点。スマートとは言えない、ごちゃついた通りが続く昔風の駅前…。この北西角に、白い網柵に囲まれた小さな空地がある。『国分寺駅北口地区 第一種市街地再開発用地 国分寺市』とある大きな看板を背負い、柵にはすべて洋服が掛けられた、ちょっと異様な光景となっている。どうやら古着を販売しているようなのだが…。出入口は南西と北東の二ヶ所。北東側から中をそっと覗き込むと、おっ!置かれたテーブル上に古本が並んでいる!素早くサッと入り込むと、洋服に守られ囲まれた空間に、長テーブルの島が二つ造られ、左側手前に文庫・児童書・絵本・ノベルス・実用・小説などが詰まった箱が七箱。目ぼしいものは見当たらないが、全品100円均一。帰り道に毎日覗いていたら、いつか何か見つかるかもしれないな…。100均以外の物品には、古本屋の正札のような黄色い紙が貼り付けられ、値段と共に『国障連』の文字が確認出来る。奥のブルーシートテントで精算を済ませて、入口近くに地味に取り付けてあった、このお店の説明書きを読む。どうやら障害者の就労を目的とした常設の青空リサイクル店で、正式名称は『国分寺障害者団体連絡協議会リサイクル委員会』と言う長〜い名前。それにしてもこの古着に目隠しされたビジュアルは、ちょっとアナーキーな匂いが漂っている…。福音館書店「ごんべえのぼうけん/谷川俊太郎作・イシカワイサム画」を購入。

実は今日国分寺に来たのは、前述のお店が目的だったわけではない。昨日入手した「東京の西側でお気に入りの古本屋を見つけよう!」を見ていたら、三鷹の「才谷屋書店」(2009/02/11参照)がいつの間にか国分寺に移転していたことが判明。すわ!と駆けつけた次第なのだが、該当住所の元たいやき屋の店舗は、現在進行形で何やら準備中の状況。こ、ここでいいのか?もしかしたら、来るのが早過ぎたのだろうか?フライング!?店内はたくさんの棚が組み立てを待ち、二人のオッチャンが忙しく働いている。いずれにしても、近々また確認してみなければ…。
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2011年10月13日

10/13東京・神保町 アカシヤ書店

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御茶ノ水の移転閉店する文房具店で、四割引の文房具をたんまり買い込み、山の上から『男坂』の石段を下って『錦華通り』。神田神保町一丁目の細かい路地に、猫のように入り込んで行く。するといつの間にか、ビル裏一階の古本屋の前…駅からは、『神保町交差点』から『靖国通り』北側歩道を東へ80mほど進み、ベーグル屋とビアホールの間を北へ。最初の十字路で西に曲がれば、前述の店前となる。軒にはチョコレート色の日除け、その下に大きなガラスウィンドウ、店頭には雑誌&ムックワゴン・100均文庫ワゴン・100円木箱が三箱。そしてウィンドウ前に木箱で造られた三段棚…ここは囲碁&将棋本の専門店なのだが、店頭は割と一般的な並びを見せており、古い実用書や古い風俗関連書が良く紛れ込んでいる。店内に進むと、いきなり目の前には名人たちの書がお出迎え。左右の壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が二本あり、右側は膝元に小さな平台付き、そして棚脇には囲碁将棋全集類の本塊が鎮座。ウィンドウ裏もまた全集本や将棋年鑑が集まる。うぅ、見事なまでに専門店である。左端通路は囲碁一色で、棋譜・実践・問題・戦法・歴史・人物・伝記・児童本…ありとあらゆる囲碁に関する本がっ!しかし残念ながら、まったく興味を持つことが出来ないっ!真ん中通路は将棋一色で、同様の多ジャンルが集められている。…しかしここには文庫がある!もちろん将棋に関するものなのだが…。続いて右端通路へ移ると、おや?ここは何だか少し様子が違っている。まず壁際に並ぶのはチェスの洋書で、続いてチェス和本・手品と続いて、ついに並びが一変!空手を中心に武道全般・犯罪・刑罰・アウトロー・ガラスケースに古い風俗本・東洋医学・ヨガ・オカルト・UFO・超能力・神秘学・心霊学…何なんだこれは。ここは囲碁将棋のお店ではなかったのか!?向かいには思想・易学・運命学・占いなど。左と真ん中は囲碁と将棋の専門で門外だが、右端の通路には世界の秘密が集中し、門内である!値段は普通。奥の帳場でTシャツ姿のハンサム中年店主に爽やかに精算していただく。春陽文庫「王将/北條秀司」岩波文庫「柳宗悦 茶道論集/熊倉功夫編」を購入。気付いたら午後五時の、暗くなり始めた神保町。ただブラブラと「小宮山書店」に向かい、ガレージセールで100均のハヤカワポケミス&ポケSFを眺めていると、隣に立つ男性が、カゴに本を放り込む。次々と放り込む…何だ?そんなに買うべき掘り出し物があるのか?気付かない俺の目は節穴なのか?と本の背を目で追いつつも、妙な焦りに捉われ始める。…ストン…ストン…ストンストンストン…ストストスト…もはや手当たり次第と言った感じで、たちまちカゴが一杯になる…うっひゃあ〜。すると店員さんが寄って来て挨拶。どうやら常連さんのようだ。すると彼はポケミスがズラッと並ぶ台を指し示し「ここのSFを全部買う。背表紙に赤のあるやつを抜いてくれ」と突然の買占めに走った!店員と共にズバズバズバっとハヤカワポケSFを抜き出していく。すげぇ!マイケル・ジャクソンみたいな買い方だ!…100均だけど。私はせこく慎ましく、ハヤカワポケミス「うまい犯罪、しゃれた殺人/ヘンリイ・スレッサー/アルフレッド・ヒッチコック編」角川文庫「割れる/陳舜臣」を購入する。帰り道、阿佐ヶ谷「千章堂書店」で「東京の西側でお気に入りの古本屋をみつけよう!」と言う折り畳みガイドを手に入れる。うおっ!知らない古本屋が載ってる!と思ったら、オンライン古本屋さんのコーナーでした…。
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2011年10月12日

10/12神奈川・東戸塚 qqBOOKS

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昨晩、10/29に神奈川県古書会館で配布予定の『古本屋ツアー・イン・ヨコハマ』を、必死にどうにか書き上げて就寝。するとそれに引き摺られたのか眠った後も、見た夢をまた夢の中でひたすら文章化すると言う夢を見てしまう…。そのたびに『あっ、書かなくていいんだ』と気付くのだが、いつの間にかまたそれを繰り返しているループ状態…その昔、コンビニでバイトしていた時に、ひたすらレジを打つ夢を見たのを思い出した。と言うわけで何となく疲れた身体で、湘南新宿ラインの逗子行きに乗車。目指すは二日前に入店叶わなかったお店である。低い山に囲まれた駅に着き、東口から外へ。地上へは下らずに、そのまま三階の高さの陸橋を東に進むと、橋の向こうには神殿のような『AURORA MOLL』。橋を渡り切って建物には入らず、脇の階段をカクカクグルグル下って地上へ。目的地は、駅から遠く複雑な道のりなので、陸橋の真下にある神奈中の『5番バス停』から203系統・上大岡駅行きに乗り込み、後はノンビリ車窓を楽しむ。サンフランシスコのような坂道や、バス通りとは思えない細い道、幹線道路、そして山の上への坂道をウネウネ上がって行くと、十五分ほどで『せりぎんタウンバス停』に到着。ここで信号待ちをしながら、上大岡方向右手対岸に目をやると、スゴイ建物がさり気なく街に融け込んでいるのに気付くこととなる。それは二階建ての住宅兼商店長屋で形作られた、古いアーケード商店街で、建物は四角い窓で白壁の、何だかインターナショナルスタイル風。一階軒には内向きにアーチする黄色いテント看板が張り巡らされ、『芹ヶ谷銀座商店街』の文字が黒々と書かれている。信号を渡って、小さな薄闇の天井の低いアーケード前に立つと、両側に商店の並ぶ光景が70mほど続き、向こうに突き抜けている。途中東側に直角に分かれる道もあり、黄色いテント屋根を透過した薄い光が、それらを柔らかく浮かび上げている。と同時に、ほとんどの商店はシャッターを下ろしているので、ちょっとした寂寥感も漂ってしまっている。おずおずと薄闇に身を沈めて奥へ。途中で東への通路に入り、トコトコとさらに先へ。おっ!今日は開いてるぞ。間違い無く古本屋さんだ!軒の共通テント看板には『おもちゃ専門の佐藤玩具店』とあるが、その下におもちゃの姿は無く、古本で埋め尽くされている。通路には立看板が出され、そこに店名などが書かれている。派手なリサイクル古書店的幟の前を通り、ランチョンマットの販売に疑問を覚えながら、お店の圏内へ入り込む。左壁から棚が店内中央まで延び、右側に一本の通路を造り出している。右壁は本棚で覆われ、正面棚から連結した通路棚が奥へと続いて行く。店頭棚前には、コミック揃いブロックのキャンプファイヤータワーが、デンと置かれている。左壁は大判本が並び、『掘り出し物ありの雑誌コーナー』となっている。各種雑誌・料理・歴史・アニメ&特撮ムック・映画パンフ・タレント&アイドルムック・絵本・グラビア雑誌などなど。良く見たら壁や天井には、無数の浮世絵や映画パンフが飾られている…。正面棚には映画VHS・ミステリ&エンタメ・99円文庫・実用・ハーレクイン・海外文学文庫。通路に進むと、左には時代劇文庫・ミステリ&エンタメ文庫・女流作家文庫・官能文庫と並んで行く。おっ、奥に隠れたような帳場があり、昔からここの主だったような青年店主がお仕事中。右壁はほとんどが最近のコミックで埋まり、奥の一棚に絶版漫画と美少女コミックが収められている。最奥には音楽CD棚もあり。営業形態はコミックが核の、値段の安いリサイクル古書店である。ただしムックコーナー・99円文庫・絶版漫画には、何か浮かび上がりそうな匂いあり。祥伝社文庫「TENGU/柴田哲孝」を購入。それにしてもこのような立地条件のお店は燃える!駅から遠く離れ、生活のための古いアーケード商店街にあり、停止しかけた時間の中に身を淀ませる古本屋さん!お店自体は古くないのだが、もうこのシチュエーションだけでノックアウト!さらにゆったりとこの空間に身を沈めていると、むっ!クリーニング屋さんが古本を販売しているのを発見!100均カゴと50均カゴの二種があり、気分が良いので講談社文庫「ムーミン谷の彗星/ヤンソン」を購入。帰りは山を越えて上大岡駅へ。あ〜楽しかった。
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posted by tokusan at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする