2012年07月31日

7/31東京・清澄白河 しまぶっく+SUNNY BOY BOOKS

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ホームの東端から行ける『B2』から地上に出たら、『清洲橋通り』を西に歩いてすぐ現れる、か細いネオン管ゲートの『仲通り商店会』に入って南へ。『深川資料館通り』に行き当たったら、西に進んですぐの右手に「しまぶっく」(2010/10/22参照)…があったはずなのだが、建物はいつの間にか取り壊され、お店もいつの間にか移転済み。はす向かいに目を移すと、白い日除けの輝くお店があり、その下に『書肆』の文字がぶら下がっている。通りから店内を見通せるウィンドウには、小さく店名が入っている。そこには『東京都現代美術館』で開催中の『特撮博物館』のポスターが大きく貼られ、禍々しい巨神兵が歩道に溢れる均一箱に睨みを利かせている。その均一箱群は、一塊およそ七つの箱で構成され、『500円のしま』『200円のしま』『100円のしま』、そしてウィンドウ下の児童文学&雑誌&ビジュアル本群島に分類されている。と言うわけで移転したお店を見に来たのだが、実は柏で古本を販売していた「SUNNY BOY BOOKS」(2012/01/09参照)がその地での販売を終了し、この「しまぶっく」にて店内店を開いたとのこと…その真相や如何に…。暑い街路から抑制の効いた涼しさの店内へ。縦長で白く清潔で、余裕のディスプレイが広がっている。壁際は本棚で窓際に直置きのワゴン。右壁沿い中央から帳場が突き出し、その両側は本棚で造られている。なので右側手前と奥側は、ちょっと小部屋的な雰囲気になっている。真ん中には縦に素通しのボックス棚が置かれ、奥に同形状ミニサイズの棚が横向きに設置されている。窓際直置きワゴン内には洋書ビジュアルバーゲン本。右壁と帳場横棚には、絵本・児童文学・花森安治・雑貨・暮らし・料理・お菓子・犬・猫・パリ・ヨーロッパと並ぶ。フロア棚は新刊のビジュアル本ばかりなので、長い左壁棚と対峙する。アート・デザイン・建築・写真・思想・哲学・民俗学・宮澤賢治・南方熊楠・民族学・宗教・オカルト・海外文学・日本文学・詩集・映画・音楽・落語・風俗・昭和・愛、そのまま奥壁に続き、和・工芸・江戸・時代劇文庫。前店同様の変わらぬ緻密な棚造りは、見ているだけで“ほうっ”と楽しめてしまう。帳場下棚には特徴のある、島&南国ゾーンあり。そして右奥小部屋スペース&横向きフロア棚が、「SUNNY BOY BOOKS」の領域となっているようだ…柏の時より大分広々としているな…。フロア棚には写真集・詩集・セレクト日本文学・児童文学などが収まり(棚脇にサッカー箱あり)、帳場横の低めの棚に海外詩・思想・映画・コミック・新刊本が並ぶ。壁棚にはセレクト海外文学が丁寧さを発揮して並び、奥壁にはプレミア写真集が飾られている。この『SBB』ゾーンには、床に異なる絨毯が敷かれ、椅子も置かれているので、ゆっくりと寛げる空間を目指しているようだ。おわっ!私はここで友人から探書を頼まれていたSF文庫をついに発見!値段も依頼内容に添う安さ!やった!とお店の片隅で、ひとりで歓喜に打ち震える。他にも一冊文庫を選び、見た瞬間に『海んちゅ』の言葉が頭に浮かぶ、こんがり日焼けしたオヤジさんに精算していただく。「しまぶっく」で講談社大衆文学館「奇想小説集/山田風太郎」を、「SUNNY BOY BOOKS」でハヤカワ文庫「鼠と竜のゲーム/コードウェイナー・スミス」を購入する。あぁ、探書依頼を無事に果たしたことが、こんなにも嬉しさを生み出すなんて…。
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2012年07月29日

7/29埼玉・浦和 桜図書館 古本バザール

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早起きして浦和駅西口。5番乗り場のバスに乗車し、三キロほど西にある『桜図書館』を目指す。本日午前十時よりその場所で、一日だけの寄贈本・廃棄本による『古本バザール』が開かれるのだ!一応開始時間を目標とし、見知らぬ町中を二十分ほどバスに揺られる…車内には乗客が数人…そのうちの一人がとてつもなく大きなトランクを携えている…これは、まさにバザールに赴かんとする古本修羅に違いない…。バスが鉄道路線から遥か離れた内陸の目的地に到着すると、彼は小走りにガラガラゴロゴロと会場へ一直線。それを見て私の心も跳ね上がる!図書館と区役所を内包する現代建築『ウェストプラザ』に入ると、丸い吹き抜けとなっている正面ロビーが、すでに古本地獄!今まさに十時になったばかりなのに、会場には人が突入済みなのである!この暑過ぎる午前中によくもまぁこんなにも…くそっ、これはイカンぞ!と入口に近付くと、スタッフに「ハイ、こちらです」と会場の外周を一周するよう促される。アセアセしながら会場内に視線を注ぎつつ、ぐるっと大周りしてようやく中へ。縦長の会場は、長テーブルの組み合わせで四つの島が造られており、左側手前が児童文学島…すでにテーブルと同じ高さの子どもたちに占領され、蹂躙されている。奥に実用・ノンフィクション・自然・登山などが小さなダンボール箱に小分けされ、テーブル上に整然と並べられている。右側手前は文庫島、奥が雑誌&日本文学単行本島となっている。人々の背越しに、首を右に左に突き出して、文庫箱を必死に覗き込んで行く。主婦と老婆のプレッシャーがハードである。箱内もすでにガバッと無くなってる所が散見される…。隙を見て隙間に入り込み、無事に古本修羅の仲間入りを果たす。ズリズリと横移動を繰り返して二十分、どうにか十三冊を手にする。本を抱えたまま、さらに様子を窺いつつ、入口横の受付へ移動。ここで精算か…あぁ、何とこのバザールのシステムは、本は基本は無料!その代わり、会場内各所に設置された募金箱に好きな額の寄付金を投入するカタチをとっているのであった。…うむ、何か人間の大きさが試されるシステムだな…。財布を探り、持っていた銀貨すべて(計六百円)を箱に投入する。ありがたく頂戴いたします。講談社文庫「戦中派不戦日記/山田風太郎」「蟻の木の下で/西東登」角川文庫「面白半分のすすめ/吉行淳之介」「世界の一流品紀行/上前淳一郎」ちくま文庫「江戸へようこそ/杉浦日向子」中公文庫「中国行きのスロウ・ボート/村上春樹」新潮文庫「世界のピアニスト/吉田秀和」岩波現代文庫「一銭五厘たちの横丁/児玉隆也」旺文社文庫「心のふるさと/谷内六郎」秋元文庫「小説ビートルズ/草川隆」東京子ども図書館「私たちの選んだ子どもの本」朝日選書「植物学のおもしろさ/本田正次」偕成社「名探偵ホームズ1 深夜の恐怖/ドイル」を入手する。
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2012年07月28日

7/28千葉・初石 古本倶楽部 TOKIO 初石店

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『流山おおたかの森』で未来的なつくばエクスプレスから、ローカル色漂う東武野田線に乗り換えて一駅。ホームからそのまま西口に出ると、街の機能が小さく固まった駅前。長方形な広場を北に抜け、地方デパート『mine』の横をヒタヒタ歩くと、車通りの多い大通り。ここで西を見ると、通り側に駐車場を備えたキレイ目な雑居ビルがあり、一階右下に古本屋さんの姿が!2010/07/21に訪れたことのある三河島のお店と同一のチェーン店である‥が、チェーンとは言っても、後は千葉・高根木戸(2010/08/29参照)にもう一店確認しているのみ‥しかもそれぞれのお店の外観は、確実にバラバラ‥後何店くらいあるのだろうか?見た目はほどよくくたびれており、薄汚れた黄色い日除けとウィンドウにある『TOKIO』の文字が、とにかく無闇に華々しい。出入口右にはガチャガチャ群、左にはコミックの上に文庫が無惨に積み上がった三冊100均ワゴンがある。一つしか無い自動ドアのスイッチをポチッと押して中へ入ると、目の前に三本を並列した背中合わせの古本通路棚が早速立っている。店内の様子から察するに、古本はここの裏表にしかないようだ。日本文学文庫棚四本、海外文学文庫棚とラノベ棚が一本ずつで、単行本と文庫本も少々。棚上には単行本と文庫揃いが積み重なっている。リサイクル的な並びだが、おろそかにするのは禁物である。単行本は定価の半額前後だが、文庫は100〜400円(定価変動制)の安めな価格帯。河出文庫「怪物の解剖学/種村季弘」創元コンテンポラリ「密猟者たち/トム・フランクリン」を購入する。

帰りに『南流山』で途中下車し、三年ぶりの「 Book Jam」(2009/07/05参照)。変わらず変な古い本を安く売ってるなぁ、とニヤニヤし、講談社大衆文学館「神州纐纈城/国枝史郎」河出文庫「奇人怪人物語/黒沼健」角川文庫「クロッシング・ガード/デイビッド・レイブ」を購入する。
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2012年07月27日

7/27東京駅から八王子へ中央線で葬送二店!

東京都を一直線で切り結ぶ、最近やけに線路内に人が立ち入る、オレンジ色の路線に乗って、閉店してしまう二店の古本屋さんを目指す。

まずは東京駅の「八重洲古書館」(2008/07/03参照)。八重洲側の地下改札を抜けて『八重洲地下街』の『八重洲地下2番通り』へ。そこでは照明を落とし気味の、いつも通りのシックなお店が取り澄ましている。本日7/27が閉店日なのだが、その慌ただしさはどこにも感じられない。その代わり、柱にある店名看板の下に二つの立看板が置かれ、姉妹店「R.S.Books」(2008/07/03参照)の紹介と共に『本日最終日』の悲しい文字があり、ひとつには『お知らせ』として本日の閉店と、閉店後は「R.S.Books」に統合されることが説明されている。
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店内は別れを惜しんでか、ワイシャツ姿のサラリーマンたちで賑わっている。閉店に伴うセールは、レジ横の棚のみで行われており、『感謝プライスコーナー』と銘打ち美術本・文学復刻本・「ユリイカ」・全集類などが値札の半値で売られている。店内をブラブラ回遊しながら、絶版文庫ワゴンから一冊抜き取りレジにて精算。女性店員にカバーを掛けてもらいつつ、今日でお店が閉店であることをしっかり教えていただく。そして「金井書店」グループのミニパンフと『RS籤』なる物を貰う。その籤には『これからは八重洲唯一の古書店R.S.Booksをご利用ください』の文字が‥リサイクル古書店+ヴィンテージ古書店に、こちらの古本度合いがどのようにミックスされるのか‥改めて確認しに来なければ‥。集英社文庫「片道切符/シムノン」が、このお店最後の買い物となる。

一度も外に出ることなく、中央線下りに乗り込んで五十五分。移動距離五十キロ弱で八王子駅に到着する。北口に出た途端に炎熱に抱きしめられてしまう‥しかし多摩川から吹いて来る風が、どうにか正気を保たせてくれるようだ。十分ほど焼けたアスファルトの上をペタペタ歩き、「まつおか書房3号店」(2010/11/15参照)に到着する。ここは8/12に閉店となり、以降は駅近くの新装「2号店」にその機能を移すとのこと。と言うわけで閉店までの間、「3号店」の在庫のみ20%引きセールが行われているのである。
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そんな自動ドアの貼紙と100均棚を眺めて店内へ。むぉっ!何だか閉店準備が始まっているのか、大分荒れている模様。床には本や箱が乱雑に積み上がり、棚にブランクも生まれ始めている。セール対象外の本もあるのか‥とまずは店内の100均文庫を二冊掴んで精算する。そして改めてロッカーに荷物を預け、二・三・四階を探索して行く。上階も、床積み本・ブランクありの荒れ模様‥目利きの古本窃盗団に襲われたらこうなるんだろうな、と言う光景である。そして空調が入っていないので、熱気との闘いになること必至!時々開け放しの窓に近付いて、風に当たった方が良いであろう。あまり長くはいられないな、と判断し、三十分ほどで脱出。でも、まだまだ良い本が20%オフで残っているので、チャンスは後二週間続くのである!角川文庫「乳母車/石坂洋次郎」新潮文庫「LP300選/吉田秀和」を100均で、そしてユリイカ「立原道造の生涯と作品/田中清光」を形見として購入する。

今回の二店は閉店は閉店なのだが、奇しくもどちらも姉妹店に統合される形で生き延び続ける。これからも良い古本をよろしくお願いいたします。取りあえずは今の店舗にひとまずお別れし、中央線で再び東へ‥。
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2012年07月26日

7/26愛知・刈谷 あじさい堂書店

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週明けから立て込んでいた仕事を、鬼神のように片付けて、先日の市での売り上げを古本界に還元するため、遠くへ!豊橋でひかり号を乗り捨てて、東海道線の新快速で西に向かってひた走る。三十分で目的駅に着くと、蒸し焼きオーブン内に迷い込んだような熱波!もはや強烈過ぎる陽光は、生命を削り取る危険なエネルギーに!日の光にこんなにも怯えることになるなんて‥と戦きながら、北口側の空中通路からすぐの西側階段を下りて、ロータリーには目もくれず、線路沿いに北西へと進む。するとすぐ左手に踏切が現れ、道はナナメ45度に折れ曲がり、商店街と風俗街が優しく手を結んだ静かな通りとなる。道なりにそのまま北東に歩いて行く。桁下3.2mの陸橋下を抜け、まばらな商店街をさらに先へ。ほっほぅ、100mほどで左手に、白く清潔な古書店の姿が見えて来た。三階建て集合住宅の一階にある店舗は、近付くとかなり横幅を持っていることが判る。軒にはシンプルな看板文字と縦長看板‥素敵な店名だ。出入口右側に二台のフレーム本棚があり、文庫・古めのノベルス・単行本が100均。左は箱入り本・単行本・詩集が100均。反応の良い自動ドアから中に入ると、白く通路に余裕のある整頓の行き届いた光景が広がり、薄くスーパーのようなラウンジミュージックが流れている。帳場に座る加東大介的壮年店主と目が合い、「いらっしゃいませ」に会釈を返す。壁際は本棚で、真ん中には背中合わせの本棚が縦に三本。左奥に壁棚に囲まれた小スペースがあり、そこにも背中合わせの棚が一本置かれている。入口右横の大判歴史&ビジュアル本前を通って右壁。世界の歴史&文明・古代史・三河&岡崎&刈谷&名古屋郷土本。向かいに、戦争・兵器・近現代史・会社&企業出版本(面白い!)。棚下はミニ平台になっており、棚と同ジャンルの本が背を上にズラッと並んで行く。右から二番目の通路は、右に歴史(戦国&江戸)・旅・紀行・食・珈琲・スポーツ・武道・占い・囲碁・性愛。奥の棚脇に美術図録の棚あり。左に時代劇文庫・戦争文庫・ノベルス・日本文学文庫・官能文庫・ちくま文庫・中公文庫。三番目の通路は、右に新書・講談社学術文庫・朝日文庫・東洋文庫・岩波文庫。左に美術・陶芸・仏教・音楽・映画。背後の入口左横は、美術系雑誌&ムックと美術作品集が並んでいる。左端通路は、右に登山・アウトドア・生物学・自然・民俗学。壁棚は工芸・書・絵画・心理学・哲学・思想・数学・海外文学と並んで行く。奥スペースは、左壁からそのまま中国文学・古典文学が続き、奥壁に古典文学・日本文学・文学評伝&評論が帳場後の右壁に流れて行く。真ん中の棚には、辞書・日本語・本&出版関連・幻想文学・探偵小説・芥川賞受賞作・詩歌句が集まっている。また帳場右横には、小さいながらもしっかりとアダルトコーナーあり。大衆的な実用さと、学術的高尚さをキチンと並び持つお店である。古い本はあまり無いが、70年代〜現代の本で頼もしい見せ方を発揮。文学評論・戦争・海外文学・登山・美術・郷土が充実。値段は普通〜ちょい高である。勁草書房「美の味わい/エリック・ロメール」ウスイ書房「随筆京都」永田書店「頭のトレーニング第二集/長田鉄男」を購入する。

この後は電車移動し、さらに古本屋を目指すつもりだったのだが、木陰でお店の見取り図を書き留めているうちに、熱波にやる気を根こそぎ奪われてしまう‥足を引き摺り駅へと戻り、情けなくも還元の心をすっかり失い、早々に帰路に着く‥くぅ、無念‥。
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2012年07月24日

7/24東京・神保町 magnif zinebocho

午前中にすでに神保町。『駿河台下交差点』から、少し歩道と道路の際がうねった『すずらん通り』を進んで行く。すると左手に不意打ちな景色!「キントト文庫」(2009/11/28参照)や「石田書房」(2010/01/15参照)の入っているビル横の1ブロックが、丸ごと消え去ってしまっているのだ!
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…裏通りが見えちゃってる…続く古い雑居ビルの錆びたトタンの側壁が、都市に隠されていた時間の澱を流し出してしまっている…それにしてもいつ?そしてここには何があったんだっけ?薄情な記憶をかき混ぜながら、さらに西へ。新しくなった『東京堂書店』を通り過ぎ、おおよそ通りの中間に位置する大きめな十字路手前の左手に、そのお店はある。
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三階建ての住宅兼店舗が四軒接続されたように連なり、その右から二番目。白い清潔な日除けの下は、赤と黄が鮮やかな店頭で、真ん中のウィンドウには洒落たファッション古雑誌が飾られており、その前の平台では500均の「暮しの手帖」が美しく面陳されている。左右には赤い小さな安売り棚があり、右に300均の「cut」「SWITCH」、左に雑誌・ムック・単行本・文庫が並んでいる。日除けの店名の左下隅に『zinebocho』とある…雑誌を主に扱っているため、“magazine”の“zine”を“神”に掛けたのだろう。左右の出入口には透明なビニールカーテンが下がっているので、ピラッと捲って左から店内へ。縦長で白く深いボックス棚が壁を主に覆い、ウィンドウ裏に無骨さのあまり無いスチール棚(左右にも一部あり)、その向かいの背中合わせの棚脇に小さめのマップケース、反対側にはガラスケースが置かれている。左の壁棚は奥の角を削りながら、奥の壁棚へと続いて行く。奥にはカウンター帳場があり、ガタイの良い短髪黒フレーム眼鏡のワッペン付きシャツをお洒落に着こなしたミュージシャン風な店主…いや、とにかくお洒落です…。左壁には大量のファッション洋雑誌が陣取っている。各雑誌の分類札には、それぞれの雑誌の表紙が使われている。中間のスチール棚には、おお、「iD」じゃないか!それに続いてパンク・音楽が並んでいる。奥に進むと棚が少し細かくなり、単行本も姿を見せ始める。演劇・植草甚一・映画・幻想文学・舞踏・アングラ・小林信彦・タウン誌・アイビー・60〜70年代日本男性ファッション誌。そして緩やかに奥壁に変化して行き、プレミア古雑誌がドバドバ…あぁ!右奥に「NIPPON」と「FRONT」の神々しい姿がっ!高カロリーな栄養を目に与えた後は、通路棚左側へ。ファッションアート・ファッション写真集&作品集・デザイナーノベルティーやダブルネームグッズ・ファッション雑誌。ウィンドウ裏には絵本・手芸が並び、棚脇にはアメリカ・ピンバッジ・「LIFE」…USAな展開だ。奥のガラスケースにはプレミアアイビー雑誌などが飾られている。帳場下の美術図録を見つつ、右側通路へ移動。右壁は日本のカルチャー雑誌・暮らし・雑貨・ビジュアル本・「太陽」・和装・和美術・写真集・カメラ・デザイン・アート。向かいは、アメリカ・腕時計や銃などの男の趣味ムック・旅・ワッペン・プロダクトデザイン・インテリア・アールヌーヴォー・アールデコ・広告、そして目を惹く特殊な大判雑誌たち。ファッション雑誌を核とした、どこまでも店主の目と趣味とセンスが、濁り無く、しっかりと行き届いたお店である。その徹底ぶりは、興味の無いジャンルを見ていても引き込まれるほど。いや、あっぱれである。値段は手頃な感じではあるが、一般よりはさすがに少し高めとなっている。新都心新宿PR委員会「新宿PLAYMAP 1970 vol.7」河出文庫「シネマの快楽/蓮實重彦+武満徹」を購入。『柏水堂』で洋酒がアクセントのケーキを買い込んで帰宅する。
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2012年07月23日

7/22東京・雑司が谷 第16回鬼子母神通りみちくさ市参戦!

前日の雨により順延となった「みちくさ市」。午後一時二十分ごろ、地下駅から地上の『目白通り』に出ると、いつの間にか雨が薄くポツリポツリ…ゴロゴロと衣装ケースを括りつけたカートを引き摺りながら商店街に入り、受付を済ませる。すると案内されたのは通りのスペースではなく、大きな倉庫の中。天気がすこぶる怪しいので、雨を避けられないスペースのお店は、この中に移動と言うことになったらしい。ちょっと奥の事務所前に陣取り、出店準備を進める。形態は「古本ゲリラvol.1」(2012/04/29参照)と同じで、プラ衣装ケースを二つにセパレートして逆“L”字型に置き、台として使用する。ケース内の単行本を背を上にして一列に並べ、外殻ケースの上にはリュックにしこたま詰め込んで来た文庫をドバドバ並べて行く。よし、戦闘準備オーケー!四時間に渡る闘いのスタートである。
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ブログを読まれている方・一箱古本市の猛者・いつも来てくれる方・通りすがりの方・古本屋さんにお勤めの方・古本屋さんになろうとしている方・古本屋さん・『都電荒川線古本屋分布図』を入手しに来た方・本に鉛筆で値段を書いておいてくれと乞う方・「どうして僕の好きな本ばかりを売っているんですか」と笑いの止まらない方…様々な対話をした、緊張と恍惚の四時間はあっという間に過ぎ去った。計七十冊の、新たな古本の持ち主たちにとにかく感謝!撤収作業を素早く終わらせると、本はプラケースの半分に減っていた。背中に羽根が生えたかのように身を軽くして、そのままガラゴロと「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)へ向かう。「BOOK5」を出版しているトマソン社の展示『本で旅する日本地図』を観に行くためである。
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今日はずーっと古本を買わずに売ってばかりいたので、まず店頭の『トマソン社特選古本箱』(「JUNGLE BOOKS」(2010/08/20参照)にも設置)から一冊を抜き取る。そしてずいっと店内へ。いつも通りの紙と木の軽やかさと賑やかさがひしめいている光景だが、右壁の古本が姿を隠し、そこに全国から集まったミニコミ・リトルプレス・フリーペーパーなどが整然と飾られ並べられている。むむむと北から南、東から西へと旅をして、一冊をセレクト。おぉ、愛する横須賀の雑誌!ここで初めてトマソン社代表取締役に挨拶をする。これからも連載、がんばります!そして帳場で扶桑社文庫「薫大将と匂の宮/岡田鯱彦」三浦スキップ社「横須賀スキップvol.2」を購入しつつ、初めてしっかり旅猫さんと会話を交わす…嬉しいなぁ!阿佐ヶ谷「元我堂」(2008/08/09参照※旅猫さんはここの日替わり店主の一人だったのだ)の記事についてのお礼を言われ、恐縮する。そして同時に、四年も前の記事なのに、それを喜んでいてくれたことに感銘を受ける…うぅ、これからも精進して、謙虚に驕らずに、無我夢中でがんばります!お店を出た後は、わめぞスタッフのミニ打ち上げに招いていただく。佐藤純子氏と、ひたすらビール!のビール大会で酩酊。本日も大変お世話になりました。そして酩酊したまま、真夜中のギュウギュウの中央線で帰宅する…結果、本日、二日酔い…。
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2012年07月21日

7/21東京・河辺 ブックセンターいとう 青梅店

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嘆きの雨降り……参加予定の「鬼子母神通りみちくさ市」が明日・7/22に順延となったので、昼食を摂ってから東京の西へ。降りた駅は“かわべ”ではなく“かべ”と読むそうだ。兄弟ビルが立ちふさがる北口に出て、ドーナツ型の空中歩廊を経由して、地上の『河辺北大通り』を進んで行く。街全体に古びたところはあまり見られず、とてもフレッシュなベッドタウンの風景。左に緩く弧を描きながら400mも進むと、『青梅街道』にぶつかるので進路を東へ。階段降り口が優雅なラインの歩道橋と一体化した二つ目の信号、『青梅警察署前交差点』を過ぎれば、左手に巨大な『本』『古本』の文字が否が応でも目に入って来る。手前のコンビニ越しに、お店の横長過ぎる屋根が覗いていたが、近付くとさらにその横長さと巨大さに打ちのめされる…何だこりゃ。二階建て(一部三階建て)の全長70mほどある黄色いお店である。安売りCDを満載した重そうなワゴンには目もくれずに、店内へ前のめりに突入する。外から見た通り、やっぱり広い!正面レジから、首を左右にぐうるりと巡らせ、古本の気配を探る。右は…コミックばかりだな…左の50mほど…子どもが嬌声を上げ走り回っているが、奥から古本の気配がドロドロと流れて来る!壁はぐるーっと本棚で、背中合わせの棚が七本手前から奥に並び、それが左右に二つ置かれている。右側の手前側四本と壁棚はコミックだが、壁棚は途中から児童文学と絵本に変化。その向かいの左側通路棚には、ラノベが恐ろしいほど大量に並んでいる。そこから奥に向かって、海外文学(SF&ミステリ)文庫・ハーレクイン通路、海外文学文庫・日本文学文庫通路、日本文学文庫通路、日本文学・ノベルス通路。出版社別文庫・新書通路、美術・建築・演劇・詩歌句・日本文学評論・歴史・哲学・思想・宗教・オカルト・文明・民俗学通路…宗教のところが、新興宗教ビッグネーム教祖本のせめぎ合いになっており、とっても生臭い展開…。そして最後に海外文学・エッセイ・ノンフィクションが並び、奥壁は隅から隅まで徹底的に雑誌棚となっている。左壁はティーンズ文庫と美術&アニメ系ムックで構成。また通路棚脇には、100均ティーンズ文庫ワゴンや150均ハヤカワポケミス棚などもあり。さらに右側の奥・レジ横には、日本文学文庫続き・ミステリ&エンタメ・新古本(特価本)通路、映画・タレント・テレビ・アニメ・サブカル・趣味・ペーパーバック・選書通路、さらに実用通路がある。通路棚は一列九本の棚で出来ており、とにかく冊数が多いのだ。背を眺め続けていると、目玉が摩擦で熱くなりそうなほど多いのだ!…文庫には絶版も混ざっているので、眼力を緩めることは決して許されない…。値段は基本的には定価の半額よりちょっと下な設定だが、古い本は100〜250円の値付けとなっている。ただし講談社文庫・大衆文学館のみ、千円前後のプレミア値が付けられている…「いとう」で文庫に対してこの処置は珍しい気がするのだが、何故このシリーズだけ好評価を…?春陽文庫「霧に溶ける/笹沢佐保」「妖精の指/島田一男」創元推理文庫「禁じられた惑星/ロバート・シルヴァーバーグ」集英社文庫「スカーフェイス/モネット」太田出版「12月10日から3月27日まで僕たちが考えたこと/たけし軍団」を購入する。

さて、と言うことで明日は「みちくさ市」。天気が良くなり、楽しく古本を販売出来ますように!14:00〜18:00の間、全身全霊がんばります!
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2012年07月20日

7/20神奈川・天王町 洪福寺書房

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駅下の改札を抜けたら北口へ。ささやかな駅前から北に真っ直ぐ延びる道を、帷子川をグイッと盛り上がった橋で越え、ひたすら北進して行く。やがて突き当たる『国道16号』を突っ切り、行手に現れた『洪福寺松原商店街』のゲートを潜る。足下は玉石混じりのアスファルトとなり、頭上にはピンクの三角旗が多数翻り、祝祭の雰囲気を醸し出している。雨のため、路上に大きくテントを張り出した商店たちは、何処も威勢良く活気に満ち溢れ、通常の商店街とはまったく異なる、アジア的バザールな光景を生み出している。思わずそちらに吸い込まれそうになるが、最初の十字路で東へ曲がり込む…商店街の造りに変化は無いが、途端にあれほど漲っていた活気が消え失せた。疎らに開く商店の間を進んで行くと、商店街出口の東口ゲートが見えて来た。その脇に、しっかり営業中の本屋さんがあった…横浜の片隅にぽつねんと潜む、小さな新刊書店である…。建物は新しめだが、過去がこびり付いたような古さが、店内から滲み出してしまっている。雨に濡れたモスグリーンの日除けの下には、二つの雑誌&ムックラック…これらはもちろんすべて新刊である。左端にはワゴンがあり、コミック揃いが詰められている…ほほぅ、安く売られているじゃないか…と言うことは、これは古本的扱いなのであろうか…と言うことは店内にもあるのではないか…古本的扱いが…。サッシ越しに小さな店内を透かし見ると、右壁は文房具と言うよりは、古めかしい事務用品が蛹のように詰められたボックス棚。左壁は奥壁まで本屋らしい壁棚に覆われている。真ん中には新刊ムック・雑誌を並べたラックと平台が置かれている。ということなので、狙いは自然と左〜奥壁となる。大半は安値のコミック揃いで、合間合間に文庫が十冊ほど・新刊易占本・「ゴルゴ13」…そして奥に最初から気になっていた、茶色い本の一群。だがここからじゃ良く判らない。思い切って中に入り、誰もいないのを幸いと、素早く奥の帳場横へ…近付いて覗き込んでみると、図鑑・水産学・管理学などの箱入り専門書…これは古本なのだろうか?と悩むが、見た所欲しい本も見つからないので、何だか手を伸ばすのを躊躇してしまう。うぅー、にっちもさっちも行かなくなってきた…。では私に他に買える本は何がある?コミック揃いは論外…お為ごかしに雑誌を買うのもなぁ…では古本かどうか判らぬが、文庫で挑戦してみよう。くたびれた一冊を手にして帳場へ向かう。店内を先ほどからうろつく私の姿を見て、エプロンを着けた肝っ玉母さんがぬうっと姿を現したので「これを下さい」と文庫を差し出す。彼女はそれを一瞥して「その辺は100円」とニヤリ。おぉ、どうやら文庫は100円均一!「おっ、ありがとうございます」と百円玉を渡すと、「あ、ちょっと良く見せて」と文庫に手を掛ける。背をしげしげと眺め「あぁ、これね」と再びニヤリ…良く判らぬが、とにかく古本を売っていることに感謝!そのままバザール的商店街に引き返し、湿気に満ちたアジアを束の間楽しんで、横浜駅まで歩いて帰る。ちくま文庫「雑踏の社会学/川本三郎」を購入する。

※明日の『第16回鬼子母神通りみちくさ市』の開催の判断は、7/21の正午にhttp://kmstreet.exblog.jp/で発表されます。開催の有無をご確認の上、お越し下さい。雨天順延の場合は、次の日の7/22(日)に開催となります。もちろん『都電荒川線古本屋分布図』とたくさんの本を持って参戦します!
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2012年07月19日

7/19東京・早稲田 三楽書房

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自転車で炎熱を突っ切り、神楽坂での打ち合わせに向かう。その前に『早稲田古本街』に立ち寄りツアーを、と『馬場口交差点』から『早稲田通り』北側歩道を東へ下る…すると、初っ端に現れる三店の古本屋さんの内、タイミングが悪かったのか、これまでまったく入ることの出来なかったお店が、しっかり開店営業してるじゃないかっ!これは、やったぞ!慌てて自転車のスタンドを立て、スックとお店の前に立つ。二階には「丸三文庫」(2010/05/31参照)があり、左端にはその二階へ上る急階段と均一台が見えている。軒の白いプラ日除けは、階段入口の上にも架かっている。出入口は左右の自動ドアで、両端には極細の棚がへばりつき、古典文学全集や単行本を収めている。真ん中に小さな100均台が置かれ、新書や箱入り本が並ぶ。柱には『古本売って下さい』の控え目な標語…何だか切実な訴えに思えてしまう…。左から店内に入ると、奥の帳場に座るまったく古本屋さんには見えぬ、完全なる“湘南之風”的武闘派スタイルの店主と、目がバチッと合う。二人とも笑顔で目礼…実は先日の仙台行で、すでに言葉を交わしているのであった。その時にも『お店はいつ開いてるんですか?』と気色ばんで聞いたのだが、あぁ、開いてるじゃないか…。壁際は古い造り付けの本棚。左壁の下は軽く角度がついており、床との間に何やら不思議な隙間が…何だろう?以前はガラスでも嵌っていたのだろうか?真ん中には背中合わせの本棚、左奥には小スペースがあり、帳場の背後には大きな木枠のガラス棚が設置されている。左壁は哲学・人文系専門書・文明・生物学・学問各種・歴史・建築・近代史。凹んだ左奥は割と棚が空いており、日本文学・幻想文学が棚の完成図を想像させている。向かいには、民族&民俗学・海外文学。ガラス棚は整理中で、岸田劉生の大きな作品集が飾られているのみである。右側通路は、通路棚に東洋文庫・新書・ちくま文庫・講談社学術&文芸文庫・大量の岩波文庫。右壁は美術作品集&図録・カラーブックス・教養文庫・福武文庫・朝日文庫・東京・赤瀬川原平・江戸・美術・出版・映画と並び、奥はこちらも整理中である。しっかり硬めな早稲田的古本屋さんで、値段は普通〜高め。左は元々高値な専門的で良い本が、粛々と並んでいる。ちくまプリマーブックス「百年前の二十世紀/横田順彌」岩波文庫「伽藍が白かったとき/ル・コルビュジエ」を購入しながら、少しお話しさせていただき、様々に情報交換。パッと見は前述通り、強面一直線なのだが、話すとガハハ笑いを爆発させる、とても気さくな方なのである。あっ!楽しく話していたら、打ち合わせ時間が急速に迫っていた!辞去してペダルをフル漕ぎし、『早稲田通り』をギャリギャリ爆進…。
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2012年07月18日

7/18分布と銭湯

ここ二日ばかり、7/21の「みちくさ市」に向けて集中して準備。その甲斐あって、本の選別&値付けと予告した『都電荒川線古本屋分布図』の作成に成功する。
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B4サイズでおよそ70部ほど。本を購入された方に、問答無用で配布いたします。販売場所は、『目白通り』側の商店街入口付近の歯医者さん前。おかしな本をうんとこ携えて、14時から四時間がんばり抜く所存です!みなさん、太陽の下でお会いいたしましょう!

と言うわけでどうにか一段落着いたので、西荻窪へ自転車を走らせ、『古本ナイアガラ』(2011/12/10参照)内「フォニャルフ」に補充する。
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『裸本祭』、地味な容姿で継続中…。トマソン社「BOOK5」第2号を購入する。帰りはやはり「ささま書店」(2008/08/23参照)経由で。店頭に到達すると、この暑苦しい熱気の中を六人ほどの男性が、しゃがみ込んで均一棚を眺めている。この熱気で頭がやられたのか、その光景が、銭湯の洗い場に座る人たちに見えて来た…良く見るとその中には『古本ナイアガラ』メンバーの「四谷書房」さんの姿も…暑いのにおつかれさまです。白地社「ハイパー・ジャーナリズム/太田克彦」双葉文庫「本棚探偵の回想/喜国雅彦」講談社文庫「人形たちの夜/中井英夫」を購入する。ぅおおおおおおおっ!明日はちゃんと古本屋さん(未踏の)に行くぞっ!
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2012年07月16日

7/16東京・日暮里 BOOK BOY

消えてしまった「町屋の森の古本屋」(2010/05/28参照)のページを見た時、コメントにあったタレコミを長い間放置していたことに気付く。昼食を摂ってから北千住へ。東口の『学園通り』を終りまで歩き、住宅街の中をさらに東へ。進めば進むほど、下町の迷路的な細い道に…そして行き当たる侘びし過ぎる商店街…街の中を南北に延びる『柳原 千草通り』である。
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通りに足を踏み入れた瞬間に、その狭さ・近さ・小ささ・低さを感じ取る。視線を通りの奥に向けると、傾いだ看板群が重なり合い、奥へ奥へと連なって行く…これは、ただ懐かしく侘しいだけではない。これは人間のサイズに、ぴったりと合った通りなのだ!あぁ、つげ義春の『ねじ式』で、医者を求めて彷徨う景色のようだ。炎天の白熱した暑さが、そんな妄想に拍車を掛ける。ボ〜ッと通りを南下して行くと、やがて左手に「栗城書店」の姿が見えて来た。
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ここは新刊書店なのだが、棚に長い間放置されたままの本を、安値で販売しているお店なのである。しかし、シャッターは下ろされ、狭い通りを強く吹き抜ける風に、ガチャンガチャンと派手な音をたてている。少しだけ開いたシャッターの向こうと、ガラスウィンドウには、80〜90年代の劣化したコミックがチラリと見えている。シャッターは、風を通すために開けられているだけなのだろう。いつの日か、全開している時に行き会いたいお店である…。駅方面に戻りつつ、途中「なざわ書店」(2009/01/25参照)に立ち寄り、文春文庫「吸血鬼に手を出すな/スチュアート・カミンスキー」を購入する。

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常磐線に乗って日暮里。線路の上の南口に出て、『紅葉橋』を北東へ。そして橋から下りてすぐの通りを東南へ。すると50mほどで、駅前の裏通りに埋没した、リサイクル系の古本屋さんが姿を見せる。派手な勢い余った看板の下には、出入口と共に三本の木製105均棚。VHSビデオ・単行本&廉価コミック・廉価コミックの構成である。中は細長く奥深く、トランスミュージックが絶え間なく降り注いでいる。古本は前半から中間にかけて固まっており、右壁に六本の文庫棚が角度を描いて置かれ、手前二本が105均文庫で、後は定価六割引の日本文学文庫・海外文学文庫が詰まっている。通路にはこれも105均の新書&単行本回転ラックが立っている。少し奥のコミックゾーン&アダルトゾーンの入口付近に、新書・実用・ミステリ&エンタメ・ノンフィクション・タレントなど。本はそれほど多くないが、文庫は意外にもしっかりしており値段も安め。ちょっと良さげな本もチラリホラリ…。中公文庫「旅は俗悪がいい/宮脇檀」を購入する。

お知らせ
※『古本ナイアガラ』のメンバーとして、往来堂書店のフェア『D坂文庫 2012 SUMMER』に参加。
http://www.ohraido.com/category.php?c=98
ヤマケイ文庫「垂直の記憶/山野井泰史」を選書させていただきました。
※トマソン社「BOOK5」VOL.2に連載『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』と共に、東日本の旅情あふれる古本屋を紹介する『古本屋センチメンタルジャーニー』を寄稿しました。お手に取っていただければ嬉しいです!

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2012年07月15日

7/15東京・熊野前 いかやき軽食屋 あさ

正午に早稲田から都電荒川線に乗り込む。7/21「みちくさ市」での購入特典に何か配布しようと考えた結果、『都電荒川線古本屋分布図』を作成することに決めたからである。『早稲田』から『三ノ輪橋』までの、比較的駅近なお店を取り上げさせていただくつもりで、一日乗車券を入手し、細かく乗下車を繰り返し、次々とお店を確認して行く。申し訳ないのだが、ほとんどお店には入らずに、外観を撫でて行くのみの行動…いや、こうしないととても終わらないのである。なので今日はその調査活動に従事し、ツアーは見送るつもりだったのだが、偶然見つけてしまったのである!車窓に流れる古本をっ!

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三ノ輪行き側の駅に降りて、『尾久橋通り』とクロスする『熊野前交差点』で信号待ち。南側の歩道を選び、都電の軌道と通りに沿って西へ。『東尾久八丁目交差点』を過ぎると、歩道にバタバタとはためく大量の『いか焼』の色とりどりな幟…ここは『いか焼』屋さんなのであるが、店頭にはどうしてこうなったのか、大量のバッグと大量の古本が蔓延っているのだ!いか焼+古本+バッグ!エクセレント!真っ赤な『いか焼』『やきとり』の小旗を下げるテーブルの上には、主に文庫を満載したプラケースが積み重ねられている。左に十七、右に十二あり、全品100円!内容はカバー無しノベルス・カバー無し文庫・アクション&バイオレンス文庫・歴史系文庫・純文学文庫・ミステリ文庫・官能文庫・筒井康隆文庫・「ジョジョの奇妙な冒険」コミック文庫などである。左にはスヌーピーのぬいぐるみ、右にはゴマフアザラシのぬいぐるみが文庫の上に陣取り、その下を見る時はぬいぐるみを抱え上げる所作をしなければならない…もはや真夏の路上、中年男がいか焼屋の前で白いぬいぐるみを抱き抱え、古本をじっと眺める…一体これは何の辱めなんだ…。徳間文庫「ロン先生の虫眼鏡/光瀬龍」中公文庫「肌ざわり/尾辻克彦」朝日文庫「昭和の東京/石川光陽」「夢を喰いつづけた男/植木等」を選び、真っ暗なカウンターのある店内に「すいません!」と呼びかける。すると「ハイ」と顔を出したのは、隠居した夢枕獏のような店主。とても丁寧に精算していただき、首からぶら下げていたカメラまで褒めていただく。いか焼、頼まずにすいません!

この後、分布図作成のために調査を続行したのだが、何と今回訪ねるのを一番楽しみにしていた「町屋の森の古本屋」(2010/05/28参照)が、ブロック塀だけを残し、大きな屋敷と大きなヒマラヤ杉と共に、こつ然と消滅していた!うわぁ〜あ、何てこったい!じゃあ、あの大量の古本と猫たちは、一体何処に行ってしまったと言うのか…はぁ、また超アウトローな古本屋さんが、一軒姿を消してしまった…残念無念。作成予定の分布図で、追悼するか…へこんだ心で、分布図作成と、市の準備、がんばります!
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2012年07月14日

7/14東京・国立 岡崎武志一人古本市

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面倒な中央線快速の休日ダイヤに振り回されつつ、緑陰濃い駅南口。木陰の下を通って、ロータリー右奥の『国立一番街』を、南側には渡らずにちょっとだけ南西へ。するとすぐに西に真っ直ぐ延びる脇道が現れるので、そこをズンズン前進。50mほどでブロック塀を擁した臙脂色の二階建てモルタル民家が目に入る。ここはもうすぐオープンする『BIBLIO』と言う名のギャラリーで、プレイベントとして7/14〜7/16の三日間、古本市が開かれているのである。しかも、一人の人間がその人の蔵書だけで開く古本市、書評家&古本ライター・岡崎武志氏の暴挙である!思えば以前は、中央線沿線の古本屋さんで貸し棚としての「岡崎武志堂」を良く目にしていたので(今も現存)、それらをまとめてレポートしてみようか、などとも考えていたのだが、形は違えどまさかこんな風に実現してしまうとは…。ブロック塀には大きな『古本市』の貼紙と岡崎氏手描きのポスター、それにプロフィールが貼り出されている。塀の上に見えるウィンドウにも『本日古本市』の貼紙…実はこの建物の反対側の窓にも小さく『古本市』の貼紙があり、大きな『国立一番街』にもここで古本市が行われていることを、駐輪場越しに控え目に訴えていたりする。道路より二段高くなった門内に入り、さらに玄関に入ると、うわっ!正面の階段にちょこなんと座る暢気文庫さんの姿が!左の台所帳場にいる北條一浩氏と共に、助っ人として馳せ参じているとのこと。ごくろうさまです!雪駄を脱いで廊下に上がり、暢気さんのプチエスコートで正面にある戸から会場内へ。畳の匂いがぷんと漂う、六畳と八畳をぶち抜いた空間で、境界部分には立派な彫刻の欄間があり、『激突注意』の岡崎氏イラストが貼られている。六畳間には、入口左横にちくま文庫と中公文庫の腰高本棚が一本ずつ…う、美しい背表紙の並びだ。ひとつの出版社の文庫で、一本の本棚を埋めてしまうとは、何たるクレイジーな状況!右壁の押入れは展示コーナーになっており、新聞連載で取り上げた本が飾られ、下には自著本の山も作られている。そして部屋を取り巻くように、小さめの文庫箱が十七箱置かれている。また壁やパーテーションでは、額装イラストが三十点ほど展示販売されている…あっ!古本屋地図もあるのか…これ、ちょっと欲しいなぁ…。部屋の境界には大きなトランクがひとつ置かれ、そこには講談社文芸文庫がビッシリと詰まっている。八畳は単行本の間になっており、右側に単行本箱、そして奥の窓際には白木三段のボックス棚が横一杯に陣取り、さらに上にも急造のダンボール箱棚が接続されている。左壁には単行本箱とグラフ誌やビジュアル本が少々。こちらには帳場への出口があり、その横に白木ボックス棚と箱の混合体が置かれている。並ぶ本は、日本文学・詩・批評・書評・思想・芸能・随筆・エッセイ・ノンフィクション・カルチャー・美術・児童文学・散歩・街…本読みの末端部分が大集合して色を成し、独特の“岡崎武志”と言うメロディーを奏でている。そこから自分に適合する色とメロディーを、本の背を見続けて探し出して行く作業。…それにしても安い!価格帯は100〜500円が中心(時には1000円以上のしっかり値もあり)だが、200〜300円が圧倒的に多い!それに何だ、この量は!恐るべし、一人古本市!まだまだ奥にストックが潜んでいる気配もヒシヒシ…。しかし開始時間の13時ぴったりに来たと言うのに、すでに中に人がたくさんいて、本にいざり寄っているのはどう言うことなのか?室内に蠢く古本修羅たちに驚きの目を向けていると、主役の岡崎氏が登場。「どうもありがとう」と挨拶していただきながら「レポート期待してるよ」と、プレッシャーのかかる胸算用皮算用なお言葉。と言うわけでこんなレポートになりました。中公文庫「名探偵WHO'S WHO/日影丈吉」「海野十三戦争小説傑作集」春陽文庫「おてんば娘日記/佐々木邦」新潮文庫「はい、こちら国立天文台/長沢工」、そして一番嬉しい論争社「巴里物語/松尾邦之助」を購入する。締めて千百五十円也!ありがとうございました!

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2012年07月13日

7/13東京・東大前 伸松堂書店

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朝からグツグツ煮詰まるように仕事をして、一区切りついた午後に本郷三丁目へ。どのお店をツアーするか決めずに出て来てしまったので、古本屋さんを一軒一軒覗き込むようにして、『本郷通り』を北上して行く。む〜ぅ、どれもかつてがんばって飛び込んだお店ばかりだ…お、このお店は入ったことが無い。よし、キープでさらに先へ。600mも進んで来ると、残りは後少し…だが入るべき未踏のお店がこの先には…と『本郷弥生交差点』まで70mの地点。左を見ると、ガチンガチンに硬そうだが、未踏の古本屋さん。よし!引き返すのも大変だし、ここに決めた!三階小ビルの一階が店舗で、入口上には小さな看板文字が間隔を置いて並び、店頭棚などは皆無。代わりに左隅に、四十冊ほどの単行本が積み上がっている…これは売り物なのでしょうか?店内に、何気ない風を装い忍び込む。そしてすぐさま棚に集中するフリをしながら、お店の構造を把握して行く。両壁は天井までの本棚で覆われ、真ん中にこれも高い背中合わせの本棚。棚脇にはガラスケースも附属している。奥には本に覆われた横長の帳場があり、その背後もしっかりと本棚。右奥には事務所への通路があるようだが、本タワーの断崖に攻め込まれている模様。床の所々に乱雑に本が積み上がり、通路は広く確保されているが、少し荒れた倉庫的印象を持つ。それにしても…みんな箱入り本。容赦のない硬度が、柔らかい心をギュウギュウと締め上げて来る。左壁は、社会学・国際法・商法・会社法・労働法。向かいは政治学・刑法・犯罪学・監獄…棚脇のガラスケースには古い革装の法律書。オドオドと右側通路へ。奥から姿を現したポロシャツ姿のご婦人が、『お前は法律とは一切関係のない人間だろ!』と訴えているのか、胡散臭そうにこちらを見つめている…ハイ、その通りです…。右壁は、世界の法律・憲法・民法で、向かいに行政法・特許・著作権・民法…これらの法律は各棚で、さらに細かくモロモロと枝分かれして行っている。これはもう、入った瞬間からまさにお手上げ状態。洋書のお店に入ったのと、同じレベルのチンプンカンプンで、太刀打ち不可!大変失礼いたしました、と素早くお店から尻尾を巻いて逃げ、「棚澤書店」(2009/10/08参照)の店頭100均箱に緊急避難。講談社現代新書「離島を旅する/向一陽」文春文庫「室町少年倶楽部/山田風太郎」を購入し、敗北にまみれた柔らかい心に栄養を注ぎ込む。

この後は『弥生美術館』に足を延ばし、『奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の世界』を閉館間際に滑り込んで観覧する。あの図解のラフ画を見られるのが、とにかく楽しい!そのラフ画の隅に捺されたハンコ『乞う、ご返却』に感心する。昭和四十年代に、普通は捨ててしまうであろうラフ画を、手元で管理保管しているとは!また大伴のラフスケッチは、独特なヘタウマさを持っているのだが、図解としては最初から完成しており、その描き込みは本当に執拗で細かいのだ。表現することに秀でているなぁ…羨まし過ぎる。スゴイスゴイと一階二階を見て回る。手がけた本や蔵書の古本が飾られていて、ニヤリ。河出書房新社「大伴昌司「大図解」画報/堀江あきこ編」とオリジナル絵葉書三枚を購入する。東大構内を突っ切り、家路に着く。
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2012年07月12日

7/12茨城・つくば 西武筑波店夏の古本市

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早起きして、つくばエクスプレスで北東に猛スピードで運ばれる。終点で下車し、未来工業的駅構内から『A5出口』を経て、隣接する複合型商業施設へ、外に出ることなく入り込んで行く。堅い床をペタペタ進み、目指すのは『西武池袋店』六階催事場で開かれている古本市!ほどなくして『西武』へのアクセスに成功し、エレベーターで一気に六階へ。ガランとした薄暗い小さなホールを抜け、明るくざわめきの聞こえる方に進んで行く…やや、エスカレーターの向こうに、古本を満載した本棚群が見えている!時刻は午前十時五分…ちょっとだけ、古本修羅たちが壮絶なバトルを繰り広げているのを期待していたのだが、会場内は人影もまばらで、平和な空気がゆっくりと流れている…。むしろ隣接するお中元売場が早くも激しく白熱している!注文する人の待ち時間が、どんどん長くカウントされて行き、張り詰めた空気がグングン膨み続けている…。会場は狭くはないのだが、四〜六台のワゴンと本棚で造られた“古本島”がギュッと密集しており、見通しが利かない“古本小道”を多数生み出している。島は中央の通路を中心にして、左に十四と特集『子どもの本だな』ゾーン。右に島四・ガラスケース二台・帳場・特集『書道本関連』ゾーン(こっちは随分素っ気ない特集名だな…)と壁沿いにワゴンが並ぶ展開。茨城や千葉のお店が中心となり、二十店ほどが集まっているようだ。とか何とかやってる間に、段々と人が流れ込んで来た。すでにカゴに本を投げ入れまくる人や、絵本のコーナーに派手に食いつく“ママ修羅”たちが活躍を見せ始めている。こちらも負けてなるものか!と、そんなに買わぬよう心にしっかりブレーキを掛けながら、本の背に意識を集中して行く。う、絶版文庫が結構あるな…硬めの江戸・歴史・戦争・茨城郷土などが充実しているが、児童文学・絶版漫画・雑誌・時代小説・紙物も良いなぁ…間にちょこちょこ顔を出す探偵&大衆小説も素敵だぁ…控え目に安値の本当に欲しい本を!をルールにしていても、自然に掴み取る本の数が増えて行く…一度掴み取った上での取捨選択を繰り返す。そして今日は「かぴぱら堂」さんにやられました!特に児童文学と探偵小説!しかしここでブレーキを緩めたらエライことになってしまうので、さらに心にポンピングブレーキをっ!一時間二十分通路を行き来した結果、どうにか六冊にセーブして、LIBRO店員さんと古本屋店主さんのダブルス帳場で精算していただく。店主さんたちは、帳場脇に置かれたスリップ入れの前に集まり、早くもその成果を検証し合っている。「かぴぱら堂」でポプラ・ブックス「推理小説の読み方/中島河太郎」(箱入りビニカバ付き。やった!)晶文社「オヨヨ島の冒険/小林信彦」を、「岡島書店」で旺文社文庫「楠ノ木の箱/尾崎一雄」「実歴阿房列車先生/平山三郎」を、「柏林堂」で角川文庫「ビートルズ詩集2/ジョン・レノン ポール・マッカートニー」を、「れんが堂書店」で新人物往来社「刀匠一代/宮入昭平」を、計三千二百円で購入する。う〜ん、来て良かった。この市は7/17まで。
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2012年07月10日

7/10東京・神楽坂 神楽坂サイクル

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三十分ほどの打ち合わせを終え、熱く焼け付くような『神楽坂通り』に立つ。さてこれからどうしよう…テクテク歩いて早稲田まで行って、ツアー先を品定めしようか…とぼんやり考えて、一キロ強先の古本屋街を目指し、坂の通りを西へ。途中にある駅の『1番口』前を過ぎると、すぐに坂の頂点に達し、下り始めると同時に『早稲田通り』に名を変える。とその時!左に現れた、古い地元の自転車屋さん…前面は陶製タイルで化粧され、店内はタイルが敷き詰められた土間。売り物の自転車が端に寄せられ、修理&点検作業場が設けられている。そんな実務的店先で、何と古本が売られているじゃないか!並んだ二脚の丸椅子の上に、二箱の頑丈な木箱。中には文庫・新書・コミック文庫・ノベルス・単行本が丁寧に収められている。値段はすべて100円で、並びはミステリから経済までと幅広く、少し古い本も混ざっている。角川文庫「獄中記/ワイルド」を抜き出し、右側の箱内に組み込まれた料金入れに、百円玉を投入する。ボソンと手応えの無い音がしたので、今日ここで本を買ったのは私が初めてのようである。日差しの強さに目も眩む、梅雨の晴れ間に突然起こった、素敵で小さな出会いであった。
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2012年07月09日

7/9東京・神保町 藝林荘 神保町店

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仕事で昭和二十年前後の切手が必要となり、昨日に続いて神保町に出向く。未踏の「アベノスタンプコイン社東京支店」で切手を入手しつつ、ツアーもしてしまおうと言う目論見なのである。御茶ノ水駅から『靖国通り』に出て、居並ぶ店頭を冷やかしながら前進。当然いつものように「田村書店」(2010/12/21参照)店頭にも捕われる…が、捕まった甲斐があった!朝日新聞社「實歴阿房列車先生/平山三郎」を発見!くあっ!献呈署名入りで900円だとっ!慌てて胸にかき抱き、購入…あぁ、“ヒマラヤ山系”君のサインが手に入るなんて。今日もありがとう「田村書店」!とお礼を心の中に響かせつつ『神田古書センター』へ。六階か…エントランスにくるっと入り、「高山書店」を背にしてエレベーターに乗り込む。型は古いがグングン上昇し六階到着。ドアがグィ〜ンと開くと、そこには驚くべき光景が広がっていた!何と何も無いっ!もぬけの殻!こ、これは一体どうしたんだ…?ボーッと突っ立ててもどうにもならないので、エレベーターから奥の通路に向かって敷かれているシートの上を、バサバサと歩いて行く。ガランとしたフロアを出ると、ドアに『アベノスタンプ東京店は三月末日をもちまして閉店させて頂きます』の貼紙…し、知らなかった…派手に遅刻したもんだ…。さて困ったぞ。切手を何処に買いに行くか?先日訪れた目白の「エスケースタンプ」(2012/04/15参照)か…あ、確か『中野ブロードウェイ』にもあったはず…と思案していると、奥にある古本屋さんが目に入る。あれ、この店名?そうか、鎌倉「藝林荘」(2011/06/06参照)の神保町店か。ここで会ったのも何かの縁と思い、もう一基のエレベーター前を通り過ぎ、通路に置かれた均一棚&ワゴンにへばりつく。本棚に入った文庫・新書は100均で、ワゴンの単行本は300均…あっ、この本、この間「盛林堂」さんで見せてもらった『世界恐怖小説全集』の一冊じゃないか。箱が少し壊れているが、初版で中に注文スリップ入り。これもまた出会い、その本を手にして扇子の下を潜って横向きの店内へ。少し雑然とし、実用一辺倒に傾き気味な構成である。左は本をたっぷりと貯蔵したバックヤードで、カウンター帳場を境に右が店舗となっている。壁際は本棚(右奥にガラスケースあり)で、真ん中には横向きに背中合わせ本棚群が一列、その向こうに括られた本が積み上がる結構大きな本の島があり、そのさらに向こうに片側本棚&ラックが一本。帳場ではポニーテールのご婦人が、忙しそうにパタパタ飛び回っている。入口から入ってすぐの第一通路、入口右横には落語関連がドバッ、向かいには俳句がドバっ。入口左横には小さな箱入り本棚とプレミア本入りガラスケースあり。右壁は落語続き・上方芸能・芸人・性愛・田中小実昌・殿山泰司・映画・落語テープが並び、ガラスケースにはプレミア本とその上に谷内六郎の大きな木版が飾られている。第二通路には詩歌・仏教・犬(猫も少しあり)。第三通路には、落語CD・セレクト日本文学文庫&エッセイ文庫・折り紙関連・海外絵本・絵本が揃う。最奥通路は、本棚の裏側に額装された鏑木清方・金馬リトグラフ・夢二版画・中原淳一が飾られ、奥壁棚には哲学・思想と大量のキリスト教関連が収まっている(遠藤周作棚がピカリ!)。鎌倉とは趣きの違う、落語・キリスト教、そしてさり気なく折り紙本が充実したお店である。値段はしっかりきっちりな普通〜ちょい高。東京創元社「呪の家/I・S・ベズィメーノフ」を購入する。

この後は中野に向かい、『中野ブロードウェイ』三階の『フクオ・スタンプ社』へ。お店のご婦人に色々相談しながら、どうにか七枚の切手を見繕い購入。ほぅ、これでどうにかなりそうだ。
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2012年07月08日

7/8東京・神保町 村山書店

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昨日は午後からずっと屋外で仕事で、傘もさせずに夜の土砂降りも全身に受け、溺れてしまいそうなほどびしょ濡れに…。幸い風邪は引かずに済んだか、本日目覚めてみると、言いようの無い気怠さに抱きしめられている…。重い足を引き摺って、日曜午前の神保町へ。雨はすっかり上がり、街路が白くキラキラと発光するように輝き始めている。何処に行こうかは決めていない。今日はシャッターを下ろしている店も多いことだろう。良し!『駿河台下交差点』から『靖国通り』を西に進んで、最初に開いていた未踏のお店をツアーしよう!と決めて、『三省堂書店』一階入口の古書セールに引っ掛かりつつ、ズラズラと進んで行く。カーブを曲がり信号を過ぎると…最初に開いていたのは、青い青い古本屋さん。青いパネルの外壁に青い日除け。そのためメタリックなウィンドウの枠も、青い色を映し込んでしまっている。店頭にはいつもたくさんの道行く人を引き止める、文庫棚・文庫箱・文庫台。左には岩波文庫がキッチリ、真ん中には平凡社ライブラリーとちくま文庫がキッチリ、右には講談社文芸&学術文庫がキッチリ。品揃えはキラリと光っているが、店頭にあるから安売りと言うわけではなく、並ぶ姿同様のキッチリとした値が付けられている。中は縦長で明るく、両壁面は本棚、真ん中に下半分に傾斜のついた背中合わせの本棚。奥に帳場があり、クラシックを静かに聴きながら森達也風男性が店番中。それにしてもキレイな本ばかりで、パッと見は新刊書店…しかしどの本にもスリップは挟まっておらず、カバー折り返しにちゃんと値段札が貼り付けられている。左壁には法律・政治・社会学・思想・世界・歴史が並び、向かいに精神科学・心理学・思想・哲学…専門書が目白押しである…。入口近くにある文庫ミニタワーだけに柔らかさを見出す。帳場前に置かれたブルーバックス箱を覗き込んで右側通路へ。右壁は入口側から数学・生物科学・化学・力学・物理学・地球科学・建築…やはりキレイな本が主だが、奥に建築関連の茶色い古本が一棚あり。向かいにはおぉ、紫水晶の大きな結晶!そして、写真・カメラ・映画・美術・歌舞伎・演劇・音楽。帳場横には講談社学術文庫棚と、その絶版文庫棚が一本あり、擦り切れた青い背表紙をズラッと並べている…まるでここにもお店の外壁が立っているようだ…。硬く、そして高めな値付けだが、棚に現役感が溢れまくっている。なので古本屋さんと言うよりは、人文専門書のリサイクル古書店と言った趣きなのである。岩波文庫「窪田空穂随筆集/大岡信編」を購入。包装は店名ハンコの捺された紙帯を、くるっと巻いた簡素なもの。

今回何故この文庫を買ったのかと言うと、始まりは先日「ささま書店」(2008/08/23参照)100均棚で購入した春陽堂文庫「土を眺めて/窪田空穂」昭和十三年刊なのである。この本の扉裏に、万年筆で歌集の最初の一首が書き写されているのを発見。最初は本の所有者が好きな一首を書いただけと思っていたのだが、良く見ると漢字が所々ひらかれている…好きな一首だったら、忠実に写すのが普通…と疑問を抱き眺めていると、最初にある署名が『空穂』と読めるように思えて来た。これはもしかしたら署名本なのでは…?達筆過ぎて良く読めないのだが、見れば見るほどそう思えて来るのであった…。と言うようなことがあり、窪田空穂に興味がムクムクと湧いて、手が伸びたのであった。
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お知らせ
※7/21(土)の『第16回 鬼子母神通りみちくさ市!』に参戦します!まだまだおかしな本がたくさんあるので、今回もダラッと売らさせていただきます。午後二時〜六時までの四時間勝負なので、狙いを定めて笑いに来ていただければ。そして、またもや購入特典を何か用意しようかと、思案中です。まぁ未だに霧の中ですので、決まり次第、またブログでお知らせします。
※7/15発売予定のトマソン社「BOOK5」第二号に、連載の『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』と共に、『古本屋センチメンタルジャーニー』と称した、旅情あふれる東日本の古本屋さん十六店舗を紹介する特集記事を寄稿しました。お手に取っていただければ嬉しいです!
posted by tokusan at 15:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月06日

7/6滋賀で琵琶湖畔をちょっとだけ北へ南へ二店!

色々あって近畿に出動。もちろん古本屋ツアーもビシッと決行!とにかく見知らぬ所をうろつきたくて、何かありそうな琵琶湖東岸辺りに狙いを定める…。

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●彦根「半月舎」
改札を出ると、迎えてくれるのは予想通り『ひこにゃん』。西口に出ると『ひこにゃん』と同型の兜を被った井伊直政像が、寂しく雨に濡れていた。ロータリーから西北に延びる『駅前お城通り』を進む。道の先には彦根城のある、こんもりした緑が見えている。『旭町西交差点』で南西に曲がり込むと、裏町の渋い『佐和町商店街』。何処にでもいる『ひこにゃん』に見守られながら通りを進む。途中から、白壁と格子の商店が続く城下町の色合いが濃さを増し、新しい建物も景観保全のためか、城下擬きファサードとなっている。パチンコ屋も例外ではない…外観と中から聞こえる騒音のギャップが凄まじいな…。400mほど進むと『京町交差点』にたどり着く。この交差点際にも白壁・格子の建物…おぉっ!その一軒が何と、古本屋さん!瓦屋根に木の格子、そして薬局の看板が二階壁に下がっている…これは以前のお店のものだろうか?軒上には白い日除けが張り出し、下には六枚のガラス戸が並んでいる。そのうちの一枚に儚げな書体の店名があり、半月のマークも描かれている…あ、『半月』ってお月様の半月なのか。てっきり『半月板』から取ったのだと…。ガラス戸を開けて中に入ると、左にある広い帳場に座る女性と目が合い、互いに「こんにちは」と頭を下げる。店内は横長でちょっと薄暗く、オシャレシンプルな空間である。左には帳場を囲むように三面あるカウンター棚、その前の壁際にチラシ類が置かれた棚と、丸ストーブの上にストンと置かれた文庫箱。右壁から奥壁にかけては、白い造り付けの棚が設置され、カウンター棚の形状に呼応するように、こちらも三面の構成となっている。フロアにはテーブル席が二種あり、奥壁の前に棚が一本置かれている。テーブル横と奥壁近くに文庫箱あり。壁棚は面陳を交えた細かいディスプレイが為され、つながりを少し掴み切れない流れ…んん、難問…古い美術全集、足下に古雑誌やカラーブックス、歴史・女性運動・女流作家・写真集・美術・旅・世界・趣味・海外文学・音楽・日本文学・思想・全集類…取りあえずジャンル分けするとこんな風なのだが、真意はもっと深い所に潜んでいそうな雰囲気。一部に地元の読書家に提供した貸し棚コーナーもあり。フロア棚は、裏側にデザイン・建築・「宝島」などが並び、表はミニコミやリトルプレスのラックになっている。カウンター棚には絵本や新刊本の類いがキレイに飾られている。古本屋さんと言うよりは、アート系の若者のサロン&情報発信基地のようである。もちろん古本屋さんなので、棚造りは硬軟取り混ぜしっかりしており、冊数はそれほど多くはないが見応えたっぷり。値段は普通〜ちょい高。文庫箱の中から、このお店の埒外であろう創元推理文庫・白帯の初版(300円!)を見つけ出してホクホク。何処でやり取りして良いか判らぬカウンターで精算をお願いする。本を受け取りつつ、テーブルの上にあったオリジナルショップカード兼栞を「いただいてもいいですか?」と聞くと、女性は「もういくらでも持ってっちゃってください!」と百万ドルの笑顔。ありがとうございます。創元推理文庫「ブラウン神父の童心/G・K・チェスタトン」を購入する。

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●長浜「さざなみ古書店」
再び琵琶湖線に乗り込み、今度は北へ…と呑気に思っていたら、停電で電車がストップ。素早く行動しなければならぬのに、しばし足止めを食らう…。復旧するのを待ち、米原駅に戻ってさらに北へ。左の車窓に、空よりちょっとだけ灰色な、それでも白い琵琶湖の水面が見え出した。駅では先ほどの『ひこにゃん』の足下にも及ばぬ『三成くん』がお出迎え。湖とは反対側の東口に出ると、大きな地方スーパー・デパートの建つロータリー。左奥隅から東に延びる『駅前通り』に入り、地方都市的街路をテクテク。200mほど行けば、右手に『開知学校』と言う、屋根の上に八角形の櫓が飛び出た擬洋風建築が出現。これに見とれながら進路を北に採ると『北国街道』。古い町屋が道の両脇に連なる風情溢れる一帯…と思いつつ進んでいたら、そのほとんどが外身だけの観光地ショップばかりなことに愕然とする。そうか、長浜はとても栄えた観光地なのだな…そんなことを思いながら『大手門通り』を突っ切り、さらにその先の『ゆう壱番街』へ。ここで再び東に足を向ける。観光地はまだまだ続くが、ここらは古い商店も姿を見せ、少しだけ昔につながることが出来る。途中から現れる古いアーケードを抜け、まだまだ続く町家風景を突き進む。ここら辺りだが…右側に並ぶお店を注意深く見て行く…するとその中に『古書店』とある、開け放たれた扉を発見。しかしその奥に続いていたのは、長い通路なのである。扉の上には重々しい『御堂前会館』とある扁額まで…ここで大丈夫なのか?とそれでも通路に入って行く。壁には古書店の案内や、額装された引き札が飾られている。ズンズン奥に行き着くと、靴脱ぎ場があり、さらには大きなガラス扉。奈良美智の『NO NUKES』イラストの向こうに、嬉しい本棚が見えている。靴をワタワタ脱ぎ捨てて、ガチャリと店内へ。古い診療所の待合室のような可愛いお店である。入ると同時に、ちょっと高めのカウンターの向こうから、ベレー帽に丸眼鏡のマダムが身体をぐいっと傾がせて「いらっしゃいませ」。絨毯を踏み締めて四方を見回す。左壁面は大きな木製ラック、入口右横には四本の本棚、右壁から奥壁&カウンターにかけて腰高の棚が連続して行く。左のラックには古い絵本・海外絵本・写真集・美術が飾られ、下には少量の文庫と、大小様々なハンコ類が詰まった箱が足下に。入口右横には、詩集・美術・海外文学・絵本・児童文学・心理学・歴史・歌集・本&出版・日本文学・ミステリ&エンタメ・暮し・セレクト女流作家・一般文庫。右壁から帳場カウンター下まで、セレクト女流作家・アフリカ・アフリカ民芸品・シモーヌ=ヴェイユ・映画・京都・エッセイ・文庫(値段のついてないものは100均)・リトルプレス・雑誌が収まる。ちょっと硬派な女性的(決して女子的ではない。あえて言うなら“女史的”!)棚造りが格好良く、独特なセンスに満ちている。値段は普通(お買い得品あり)。五月書房「甲州商人 のれんの巻/熊王徳平」角川文庫「シナリオ 家族ゲーム(付シナリオ の・ようなもの)/原作・本間洋平 脚本・森田芳光」を購入する。

以前訪れた草津・大津を思い出すと、これまで琵琶湖沿岸には、ひとつとして似たような古本屋さんがないことが判る。まぁ数が少ないからと言うのもあるのだが、最近出来た今回の二店と共に、琵琶湖を囲んでこれからもがんばっていただきたい!果たして未踏の北側の方には、一体どんなお店が待っているのだろうか…。

お知らせ
※web連載「古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』」第四回目が更新されました。今回、とんでもないものを読む羽目に…結果、大阪の皆さん、すみません!
※近代詩の伝道師PIPPOさんが作成したフリーペーパー「ぴっぽ島綺譚集 〜其の一」に私のくだらない話が掲載されました。ご興味ある方はぜひ!
フリーペーパー「ぴっぽ島綺譚集 〜其の一」完成!+<ご寄談者・置き店舗一覧>
posted by tokusan at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 近畿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする