2012年10月31日

10/31東京・神保町 愛書館・中川書房 神保町店

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『神田古本まつり』初日に開店したせいか、様々な方からタレコミいただいた新店である。『神保町交差点』から西に100m弱。「矢口書店」(2011/04/20参照)脇の道に入ると、いつの間にか閉店していた戦記もののお店の跡地に(隣りの同じく戦争関連のお店「文華堂書店」は健在である)、新しいお店が開店していた。路上には祝いの立花がたくさん並んでおり、これが全て古本屋さんから!おぉ、麗しき古本業界哉!軒や日除けに看板は無く、目立っているのは『オープニングセール』『20% OFF』のビラのみ…そしてようやく目に入った、入口横の看板には「愛書館 中川書房」の文字があった。これは、東松原の「中川書房」(2008/07/31参照)!神保町に支店が進出したのか!こじんまりとした店内に入ると、入口右横に文庫棚&平台があり、今はすべて一冊200円・三冊500円の大安売り!結構良い本が並んでいるので、しばらくこの前から離れずに、三冊の文庫をじっくり吟味する。そして納得の行く組み合わせを選んでから、背後を振り返る。壁棚・真ん中に置かれた通路棚は、共に奥の深いボックス棚で、大判な本をひたすら収め続けている…これは形的に特殊な古本屋さんだ…。美術豪華作品集・美術&工芸図録・作品集・美術系写真集・ヴィジュアル本・美術入門書・骨董・デザイン・家具・庭・ファッション…単行本の姿はほとんど無く、一部にバーゲン本やプレミア本の姿も。左奥に帳場のある奥壁棚には、色紙(開高健・やなせたかしのピエロの絵など)・帙に入った高価なブツたちが飾られている。美術作品集を安値で販売している、なんだか潔いお店である。本がみな大きいので、ちょっと巨人の国に迷い込んだよう。それにしても大判本や作品集は、例え欲しくとも、やはり購入を躊躇することが多い。しかしこのお店に入り、全部がそう言う本ならば、思い切って買える気が…しないでもない…かな。とにもかくにも、開店おめでとうございます。平凡社ライブラリー「詩人たち ユリイカ抄/伊達得夫」河出文庫「乱歩打明け話/江戸川乱歩」中公文庫「モンマルトルの空/中川一政」を購入。

この後はちょっとだけ見るつもりが、沿道の平台を覗き込む度に荷物が重さを増して行くので、己の行為に畏れおののき、早足で身体にまとわりつく“古本秋波”を引きちぎる。なんだかんだ言って買い込んだのだが、結局いつもの「神田書房」(2012/02/16参照)と「アムールショップ」(2011/08/12参照)で買った100均文庫、新潮文庫「トム・ソーヤーの探偵・探検/マーク・トウェン」改造文庫「其角俳句集/榎下其角」が一番嬉しかった。
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この後は「古書たなごころ」(2012/11/24参照)に向かい、11/2まで開かれている「駄々猫舎まつり」を見学しつつ、ワイズ出版「続石井輝男映画魂」を購入する。その時駄々猫さんは帳場にはおらず、横の小スペースで一心不乱に読書休憩中。余りにも熱心にページに視線を落としているので、そのまま黙って帰ろうと忍び足でソロソロ動くと、逆に怪しかったのか「あ」と気付かれてしまう…残念!
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2012年10月30日

10/30東京・唐木田 Jardin Book

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静寂の小田急多摩線・終点で下車。丘上の改札を出ると、視界が開ける駅前。目の前の大通りに出てちょっと東に歩くと、すぐに『唐木田駅入口交差点』。ここから北へ線路沿いに、坂道のバス通りを下って行く。丘陵地帯のニュータウン住宅街は、突然下がった気温のせいか、秋に彩られ始めている。通りには、楓に似たモミジバフウと言う名の街路樹が続いて行く。坂を下り続け、信号を二つ通過すると、平坦になった道の左手に白い低層マンションが現れ、その一階にガラス張りの新しい古本屋さんの姿を発見する。パッと見はニュータウンに相応しい、キレイで女性寄りなお店である。広い店頭には、店内見取り図・お店の説明や買取について・安売り本ラック。松ぼっくりや雑貨的小物が下がる紐状のドアベルを“チリリ”と鳴らしながら中に入ると、右手にあるカウンター帳場で後ろ向きに座っていた女性が振り返り、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。長い髪を後で束ねた、清楚な若い方である。まだ建材の匂いがほんのり漂う店内は、手前のガラスウィンドウフロアと、奥のシックなフロアに、しっかりと分けられている。ガラスのフロアは当然明るく、四方を低い棚に囲まれ、真ん中には椅子やテーブルなども置かれ、ゆっくり本を読めるようになっている。猫の本・絵本・児童文学・ジブリアニメ・DVD・女性実用・スピリチュアル・自己啓発・暮し・子育て・教育・話題のライトミステリなどなど。女性とママと子供のためのスペースである。仕切りラックに飾られた雑誌やムックに視線を走らせ、奥へ。すぐ右側からぐる〜っと左角隅まで壁棚が美しく連続し、海外文学・ミステリ&エンタメ・村上春樹・哲学・思想・オカルト・宗教・ビジネス・社会・歴史・科学・ノンフィクション・映画・音楽・新書・ちくま文庫・岩波文庫と、棚同様に美しく並ぶ。膝元には小さな平台があり、その下にも上と同ジャンルで棚が連なっている。入口左横には、ビジュアルムックを中心に旅・料理・美容が集まり、奥にはソファーとテーブルと、整然とした安売り本ゾーン。真ん中には、話題本や写真集・図録類を集めた平台が置かれている。古い本は無く、新しいキレイな本でお店が形作られ、品の良いセレクト新刊書店のようである。軟らか過ぎる本や下品な本は一切見当たらない。このニュータウンと意志を共にした、真面目で健全な知識の空間である。私は少し物足りなさも感じるが、逆にここまでお店として清浄さを突き詰めるのは、強い意志が無ければ出来ぬことであろう!値段はちょい安〜普通。だが良く探すと、かなり安い本も紛れ込んでいる。私はこのお店から、さらに不穏な本を排除すべく三冊をセレクト(不穏度が高いと少し安い気がするが、気のせいだろうか…)。国書刊行会「法の書/アレイスター・クロウリー」彩国社「アウトロー100の言葉/山口智司」PARCO出版「ポスターを貼って生きてきた/笹目浩之」を購入。開店おめでとうございます。永山の“100円棚の城”「佐伯書店」(2009/06/20参照)と共に、この自然豊かな丘陵地帯を、よろしくお願いします!
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2012年10月28日

10/28東京・長原 第33回虹まつりバザー

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タレコミを基に早起きして行動開始。五反田から東急池上線で五駅目、南側に出てまだシャッターを開け切らぬ商店街を『環七通り』へ抜ける。連続するアオギリの街路樹の足下を東南に500m下る。道は途中で急激に落ち込むようになり、この急坂の名は『夫婦坂』となる。『夫婦坂交差点』で南西に舵を切り、短い上り坂を攻略すると、今度は下りの『貝塚坂』。この辺り一帯の起伏の激しさは、歩いた足裏で感じて来た地形よりも、坂を下りながら北側の脇道を見る方が判り易い。坂が急角度でV字を描く景色は、そうそう見られるものではない。坂を下り続けていると、やがて左手に、降り始めた雨をものともせずに賑やかなブラスバンドの演奏を響かせている、『上池台障害者福祉会館』が現れた。ここで本日のみ開かれている『虹まつり』のバザー会場で、古本も販売されているとのこと。それを、眠い目を擦りながら見に来たわけである。オープニングセレモニーが行われている、表広場の人波をかき分けて建物内に入り、階段を使って三階を目指す。どこも人で一杯だな…現在十時十分で、十時からバザーがスタートしているはずなのだが…会場はまだ開いていなかった。しかも整理券は配布済みで、十時半から十一時十五分までが整理券組の時間。自由に入れるのはその後…何てこった!突然一時間の空白が生まれてしまった…。仕方無く広場に戻り、区長・区議の挨拶を眺めたり、表彰される子供たちに拍手を送ったり、図書室でコーヒーを飲んだりして、どうにか五十分を経過させる。会場開放十分前に扉前に並び、一回り背の低いおばさま群たちと突入に備える。時間が迫ると同時に、集まった人々の間にも緊張感が漲って行く…そして会場開放!静々とおばさまたちと雪崩れ込み、横長な大部屋を見回して行くと、むっ!右側手前の大テーブルに本が並んでいるのを無事発見!おばさまたちの目的は、食料品か衣料品なので、古本ブースには誰も向かおうとしていない。なので私が一番乗りし、縦四列にびっしりと並んだ文庫に、ひとり注目する。何だ、この予想外の光景は!ほとんどが新品同然の光文社文庫ではないかっ!たった今出版社から出荷されたようにピカピカで、それがすべて一冊20円!他にはナゾの学校アルバムや、少量の単行本も並んでいるが、とにかく二百冊ほどの同一出版社文庫本に圧倒される。何度も背の上に目玉を走らせ、光文社文庫「聖餐城/皆川博子」「悪魔黙示録「新青年一九三八」」「江戸情話/岡本綺堂」を計六十円で購入。所期の目的を果たしたので、速やかに福祉会館から離脱する。お邪魔しました。

駅に戻って、池上線→大井町線→目黒線と細かく乗り換えて、武蔵小山の「九曜書房」(2009/03/26参照)へ。500円棚から河出書房新社「推理教室/江戸川乱歩編」忠誠堂「探偵秘録 眼/小泉總之助」(裸本)を見付け、大いに喜ぶ。「眼」の河村目呂二の口絵が、ケレン味爆発で、ニヤリニヤリ…。
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2012年10月27日

10/27東京・神保町 マニタ書房

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神保町駅の『A5出口』から地上に出ると、対岸の歩道は『神田古本まつり』のため、すでに人と古本修羅と古本で埋め尽くされていた。そこに飛び込んで行きたい衝動をグッと抑えて、踵を返して『神保町交差点』から『白山通り』東側歩道を北に進む。一本目の脇道を過ぎ、20mほどで赤茶・四階建てビルの前に到着。ビルの小さな入口に目指すお店の看板を無事に発見する。「古本ゲリラ」のプロデューサーでもあるライターのとみさわ昭仁氏がオープンした、特殊古書店である。看板に踊る『マニタ原人』のイラストから、その特殊さが早速伝わって来る…。今日は知り合いのみのオープニングパーティー・デイなのだが(本格開店は明日28日から)、嬉しいことに声を掛けていただいたので、横浜での『古本屋入門講座』の前に、滑り込むようにして駆け付けた次第である。まずは一直線の急階段を三階までカンカン上がり、折り返してカンカン四階に至ると、とみさわ氏の著書「人喰い映画祭」のポスターが飾られた横に、すでに本棚を見せたお店の入口が輝いていた。中に進むと三人の先客があり、皆ビールを美味そうにあおっている。まずはとみさわ氏に挨拶するや否や、話もそこそこに本に熱い視線を注ぎまくる。店内は縦長で、右壁際に五本のスチール棚が張り付き、奥の壁際には何故か十着ほどのアロハが陳列されている…これも商品なのだろうか?窓際には、勇ましい真っ赤な鈴木清順監督日活映画の宣伝幟が立て掛けられている。左側は背後に壁棚を備えたカウンター帳場で、帳場横にはまだ本の詰まっていない空本棚の姿も。そして帳場脇にはシングルレコード箱が連続している。右壁棚は、最上段に文庫・SF文庫・ゲームブック文庫・大百科・秋元文庫、最下段に絶版を中心としたカルトコミック。そしてメイン部分は細かく丁寧に異様なジャンル分けがされており、ART・アイドル・映画・SF・エロ・演芸落語・お金持・オタク・音楽・怪獣・格闘技・畸人変人・極端配偶者・巨大土木・グルメ・クイズパズル・警察・ゲーム・黒人・ご長寿・コレクション・サブカル・自殺・自然災害・宗教・戦争・大家族・タレント・テクノロジー・どうぶつ・日本兵・のりもの・HOW TO本・発明・犯罪事件・秘境と裸族・人喰い・病気と健康・武器・不良・方言・冒険・埋蔵金・野球・ヤクザ・UFO・ユーモア・レトロ攻略本…こりゃ全く楽しいなぁ。とんでもなくメーターを振り切ったお店が生まれたもんだ。レアなジャンルは『極端配偶者』『巨大土木』『黒人』『日本兵』『秘境と裸族』『人喰い』『埋蔵金』と言ったところか。あっ、このジャンル、五十音順に並んでいるのか(このジャンル分けがあまりに面白いので、とみさわ氏に許可を貰い、今回限りはその場でメモ)。いやこれは、ほとんどが見向きもされず、評価されなかった本たちが、見事に集まり肩を寄せ合い、新たな力を発揮している!簡単に言えば『だんな、いい趣味してますな』と言うことである。値段はちょい安〜普通だが、特殊度の高い良い本には、しっかりプレミア値が付けられている…油断なしか…。『ゲーム』『武器』『埋蔵金』からそれぞれ一冊抜き出して精算する。…いつ見ても、営業初日の新人店主の一挙手一投足は、初々しいものだ…レジにはまだ電源すら入っていないではないか。聞けば店内にはまだ本棚を増やす予定らしいので、今後もさらに特殊度全開で発展していただきたいものである。開店おめでとうございます!神保町に来る楽しみが、またひとつ増えてしまった。秋田書店「拳銃画報/小山内宏」集英社「あるとしか言えない/糸井重里&赤城山埋蔵金発掘プロジェクト・チーム編」エンターブレイン「パックランドでつかまえて/田尻智」を購入する。

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まつりに加わること無く神保町を後にして、反町のの「神奈川県古書会館」へ。ガレージの『古書まつり』をぐるっと一周して、コーベブックス「後方見聞録/加藤郁乎」(しっかり帯付きで1500円だ!ひゃっほう!)新潮文庫「東京ファッション・ビート/佐山一郎」ちくま文庫「戦中派天才老人山田風太郎/関川夏央」を購入する。しばらく「グリム書房」さん「文雅新泉堂」さんとお話して、本日のメインイベント『古本屋ツアーが見た神奈川の古本屋』を講義する。相変わらず拙い話し振りでしたが、聞きに来てくれた皆様、本当にありがとうございました。今後もより一層精進いたします。

終了後は懇親会にも参加し、周囲が古本屋さんばかりと言う、喜んでいいんだか、困っていいんだか、判らぬ時間を楽しく過ごす。「ブックス・モブロ」さん、「湘南堂」さん、「BOOK GARAGE」さんたちとお話し出来たのは貴重であった…いや、古本屋さんにも“旗師”(セドリ師とは別職)がいたとは知りませんでした。古本界には、まだまだ知らぬことがたくさん隠されている…。
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2012年10月26日

10/26東京・板橋 坂本書店

先日発売になった「古本の雑誌」(本の雑誌社刊)を楽しく読み進めていたら、驚くべきルポに行き当たった。「S本書店」と言う、店に入るだけで怒られるお店があると言うのだ。場所は板橋…待てよ…これはもしや、もう勝手に閉店したと思っていた「坂本書店」(2010/05/15&2012/05/23参照)のことではあるまいかっ?しかしどうも、文中のお店の場所や内部構造からすると、『きつね塚通り』の入口にあるお店ではないようだ…ならば、自身の目で確かめてみるしかないっ!と言うことで、自宅を出てたった三十分で板橋着。東口に出て駅前広場を回り込んで、『さくら通り』を北へ。ちょっとした坂道を上がり切ると丁字路の信号で、ここで東に目を向けると「滝野川銀座」が『明治通り』に向かって、南東に下がりつつ延びている。左手奥に、シャッターが下がりっ放しの古びた「坂本書店」。
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そこからさらに50mも進まぬ、すぐ近くの右手に、うわっ、あった!もうひとつの「坂本書店」がっ!何度もこの近辺をウロウロしていたはずなのに、全く気付いたことがなかった…不覚。
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キレイなマンション一階左端の店舗で、軒には『古本・CD買います』とある青い店名看板、その下には水色の日除けが。さらに下は一面のガラス窓で、右端の自動ドアは開け放たれ、奥深い雑然とした通路を持つ店内が、チラと見えている。店頭には、堂々たる二十五の五十均一箱があふれ出していた!…長岡天神の「ヨドニカ文庫」(2010/09/12参照)みたいな光景だが、中身は2/3が日に焼けた古いコミックスで、残りに単行本・新書・文庫本が詰まっている。…さて、これからお店の中に入るわけだが、私ももはや立派な大人なので、何の理由も無く怒られるなど真っ平ご免である。そこでちょっと仮説を立ててみる…何故店主は客を怒るのか?『自分の店に他人が侵入し、大切な本をいじくり回されるのが嫌だ』『店に来たのに何も買わずに帰ってしまう、冷やかし客が嫌でしょうがない』…と言ったところだろうか。なので『なるべく本の扱いは丁寧にする』『本を無闇に出し入れしない』『通路の山を崩さない』『素早く見て回る』などを心掛け、さらに店頭箱から先手を打って一冊抜き出し『本を買う意志をこれ見よがしにアピールしてみる』を加え、対応策としてみる。そうと決まったら、文庫を一冊手にして店内へ!入るとすぐ左に乱雑な帳場があり、真ん中に店主が座っている。「古本の雑誌」の描写通り、千石正一氏が苦虫を噛みまくった感じ、もしくは山にこもって古武道か忍術でも研鑽しているような風貌の、険しい男性である。早速鋭い視線で睨めつけられるも、文庫を見えるようにと軽く持ち上げ、さらに会釈。そのまま右端通路をツーと進む。…物凄いプレッシャーを放つ人だ…。細長く奥深い店内は、壁一面が本棚で、真ん中に長〜い背中合わせの棚が二本。各通路下には直置き横積み本タワーが連続し、床がピカピカ光っている通路を狭めてしまっている。しかし意外にも、何処までも整理が行き届いた印象なのである。良し、とにかく素早くだ。長い通路を進みながら、左右の棚に交互に目を走らせ、その流れを頭に叩き込んで行く。右壁棚は辞書類から始まり、歴史・民俗学・海外文学文庫・世界史&世界文明・カルチャー・実用・女性実用・趣味・ガイド・東京と続いて行く。本タワーは腰高&胸高なので、棚下半分の多くを見ることが出来ない。これは各通路共通である。向かいには、哲学・心理学・日本文学・文学評論・戦争・建築・科学・自然…店主がこちらの様子を激しく気にする気配が伝わって来る…ふぅ、怒られるんじゃないかと、緊張度マックス…おっ、建築ゾーンで欲しい本発見!これも手にして、いつでも店主から見えるようにしておく。真ん中の通路は、右がアダルト・横積み文学本・ハーレクイン・ゲーム攻略本・A5判コミック。左がCD・時代劇文庫・ホラー系文庫・日本文学文庫・女流作家文庫・再び日本文学文庫・雑学文庫となっている。こちらの上段には、大判のビジュアル本が多く並んでいる。左端通路は、壁棚手前側の美術図録&作品集を除き、全てコミックで埋まっている。むっ、帳場横の入れないミニ通路に、ビデオ(御用牙だ!)・ハヤカワポケミス・探偵&伝奇小説を確認。ここまでの所要時間は十分ほどだが、嬉しいことに何も文句を言われることはなかった。やはりこれは『本を買う』と言う意志を、わざとらしいほど示したことが、功を奏したと思われる…。本の並びは丁寧で、しっかりと硬めなラインナップ。古い本はあまりないが、蔵書量が多く見応えがある…だからこそじっくり落ち着いて見てみたいのだが。本はほとんどが値段が記入されたビニール袋に入れられ、袋を開けなくとも中身が判るように目次の縮小コピーが添付されている。値段は普通〜高めの割としっかりな値付け。緊張マックスを持続させながら、帳場に本を差し出して、至って普通に精算してもらう。…あぁ、怒られなくて本当に良かった。それにしても、こんなにも客側が気をつかわなければいけないとは、何とも珍妙な営業スタイルである。これはもしかしたら、何かの流派なのかも…ならば我ら客側は『坂本書店流購買極意』を極めるのみっ!…ってやっぱりめんどくさいな…。新潮文庫「倉橋由美子の怪奇掌篇/倉橋由美子」作品社「まぼろしのインテリア/松山巖」を購入。
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2012年10月25日

10/25東京・池袋 まんだらけ 池袋店

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所用を済ませて丁度正午の池袋。中央改札を出て東口方面に向かい、雑踏の地下通路を肩をすぼめて歩き続け、『35番出口』のサンシャインシティ方面へ。階段を上がって地上に出ると、目の前には『東口五差路交差点』。そこから東北に延びる、雑居ビルの谷間のような『サンシャイン60通り』を歩む。重量感たっぷりの暗い高架下を潜ってさらに進むと、高層ビルの足下には、通商『乙女ロード』がきらびやかに花開いていた。『animate』や『K-BOOKS』のアニメ館・コミック館・同人館・キャスト(声優)館・コスプレ館・ノベル館・執事喫茶が建ち並び、歩道にはすでにそれらしき乙女たちがいそいそと行き交っている。そして交差点際のファミリーマート横に、地下への入口…「まんだらけ」の支店である。『乙女ロード』の至近にあるせいか、同種の匂いが地下から吹き上げて来る…が!「まんだらけ 渋谷店」(2011/04/08参照)の例もある!あの、乙女御用達BL的フロアの奥に眠っていた古本棚!それを信じて、目をつぶるようにして、同人誌買取順番待ちの乙女の列横を、恥じ入るように擦り抜けて店内へ。うわっ、同人誌ばっかり、BLノベルスばっかり…通路をセカセカ右往左往して、乙女…いや、昼間から血気盛んなBL修羅の群れを避けるようにして、古本の姿を必死に探し求めた…しかし、無かった。隅から隅までBLだった。ぎっしり詰まった、あんこであった。もはや闘わずして、敗走!…世界を乱してすみませんでした。邪な古本への欲望を抱いて、乙女の花園に土足で踏み込んで申し訳ありませんでした。顔を覆うようにして地上に出て、首都高架下に舞い戻り、「光芳書店 東口支店」(2008/12/01参照)に駆け込んで、貪欲に古本エネルギーを吸収する。角川文庫「地球最後の日/コナン・ドイル」を360円で購入し、まだまだエネルギーが足りぬと、区役所前を駆け抜けて「K1ブックス」(2009/08/28参照)へ。新潮文庫「アウトドア・ライフ入門/小林泰彦」ちくま文庫「ロッパの悲食記/古川緑波」光文社文庫「少年探偵手帳/串間努」ニッポン放送出版「これが噂のヒランヤだ/三宅裕司のヤング・パラダイス編」を計778円で購入する。どうにか心の平衡を取り戻すことに成功し、二度と『乙女ロード』を汚さぬ誓いを心に立てて、早々と帰宅する。
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2012年10月24日

10/24創元推理と東海道

昨日はお昼過ぎに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、『古本ナイアガラ』最下段「フォニャルフ」の補充入替。今回のテーマ『不思議・怪奇・恐怖』については、本を入れ替えつつ、実は来月も継続しようと考えている。その時の目玉はがんばって、竹中英太郎にしようかと…いや、まだ考え中と言うことで…。そして店主と帳場を挟んで長話。話の流れで、店主の蔵書&資料でもある湘南探偵倶楽部「初期創元推理文庫 作品&書影 目録/奈良泰明」を適価で譲っていただくことに。う〜ん、これは嬉しい。“どひゃっほう”に値する喜びである…でも、創元推理文庫のコレクションだけは…絶対にやめておこう。あくまでも、読む用や、気に入ったデザイナーの本だけを、細々と手に入れて行こう…あぁっ1スゴい本が、カバーが、異装が、見たことも無い本が、たくさん載ってる!
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家に帰ってからは、10/27配布用の特典ペーパー『東海道古本屋さん六次』の作成に全力を注ぐ。細かい作業の連続で、我ながら何でこんなことをしているのか、全く嫌になるが、夜にどうにか一山を越え、明けて今日のお昼過ぎに堂々完成!一日で、神奈川県内の東海道の宿場町(川崎・保土ヶ谷・戸塚・藤沢・平塚・小田原)の、駅近くにある古本屋さんを巡るレポートである。全十三店・全十八冊の軌跡をご覧いただければ!B4サイズ一枚・カラー。自分で言うのもなんだが、これは出来が良いので、11/10・11の『古本ゲリラ』までに何か作れなかったら、これを配ってしまおうか…と考え中。考え中ばかりですみません…。
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2012年10月22日

10/22神奈川県で『東海道古本屋さん六次』取材途中に思わぬ所で二店!

本日は早朝から神奈川県に潜入し、10/27の『古本屋入門講座』にて配布する特典ペーパー『東海道古本屋さん六次』(当初は“七次”としていましたが、都合により“六次”となりました。あしからず…)の取材をアセアセと行う。対象はすでに訪れたお店ばかりで、六次の宿場地すべてに未踏のお店は存在しない。なので今日は取材に全力投球し、ツアーは最初から断念していたのだが、街から街へ飛び回っていると、偶然にも未知の古本販売に行き当たってしまったのだ。ならば、ツアーを!

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●小田原「伊勢治書店」
駅南口に出て、ロータリーを越えた所にある、化粧ブロックが敷き詰められた『錦通り商店街』をうねりながら東に進む。平日月曜なのだが、地元民・観光客・高校生で大いに賑わっている。商店街を抜けたら『錦通り出口信号』。ここから西南に進路を採って直線道をグングン進むと、『銀座通り交差点』手前左側に、縦長の窓が連続する三階建ての新刊書店ビルの姿。『延宝八年創業』の老舗…って1680年から!左に大きな出入口、右に小さな出入口があり、その右側の脇にワゴンが二台置かれていた。むむ?と反応して近寄ると、並んでいたのはいわゆるバーゲンブック。正確には“古本”ではないのだが、時間の経過と共にほぼ古本と化してしまった新刊が並んでいるのだ。それにバーゲンブックとは言っても、よく見るような特定の出版社の本だけではなく、意外なほどバラエティに富んだ感じなので、古本的に楽しめるのだ。単行本を中心に、選書や新書も混ざっている。値段はほとんどが定価の半額で、状態の良くない本にはもっと安値なものも。作品社「マックス・フライシャー アニメーションの天才的変革者/リチャード・フライシャー」を購入。

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●藤沢「駅コンコースの古本市」
場所は変わって藤沢駅。南口での取材を終えて、次は北口だ!と駅コンコースをカツカツ早足で移動していると、北口側の通路に入った所で、左側にまだ青い色を残すみかんの積み上がる安売りワゴンが現れ、安いなぁ〜と眺めながら通り過ぎると、その隣りにバーゲン本を売るワゴンが連続。本!と過敏に反応して近付くと、長〜いワゴン島の右半分では嬉しいことに古本も売られていたっ!気付けば『古本市』の幟も立っている…これはあの『古本キャラバン』(2009/10/17&2009/11/18&2011/04/21参照)とは別種の古本販売のようだ。何もかも雰囲気が違っている…。三台の古本ワゴンに駆け寄ると、文庫本がメインで他は単行本&ビジュアル本の構成。面白い本も混ざっているが、ちょっと値段が高めで、プレミア値も散見する隙無し値段。中公文庫「チャリング・クロス街84番地/ヘレーン・ハンフ編著」を購入。書皮をしっかりと掛けてくれるサービスあり。このお店にも、再び何処かで出会えるのだろうか…。

古本屋を求めて、街から街へと飛び回っていたら、引き寄せられるように新たな古本販売と出会ってしまった!…なんて喜んでいる場合ではなく、早く『東海道古本屋さん六次』の制作に取りかからねば…。
posted by tokusan at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

10/21東京・駒沢大学 SNOW SHOVELLING

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深沢の高級住宅街にて、一日の1/4を費やしてしまう拘束仕事。本来は15:30には終わるはずだったので、それなら『古本ナイアガラ』の補充に行こうと勇んで本を担いで来たのだが、時間がビシビシ押しまくり、いつの間にか秋の夜の帳が…これじゃあ西荻には行けないや。心の中で半べそをかき、リュックを肩に食い込ませて仕事場を後にする…。しかしそんな不幸な日曜を、幸いに向けるひとつの方法が存在する。「つぐみ文庫」さんのつぶやきから届いたタレコミがあり、そのつぶやきに端を発するお店は、この鉄道路線から遠く離れた仕事場の近くに存在していたのだ!これは行かない手は無いぞと、まだ肌寒いところまではゆかない、暗い秋の夜の住宅街をテッテカ前進して行く。駅からは、『駒沢公園口』から地上に出たなら『246号』を西南へ400m強。『駒沢交差点』で『駒沢公園通り』に入り、南へテッテカ一キロ行進。およそ二十分で『深沢不動交差点』に到着出来る。さらに交差点をそのまま突っ切り、二本目の脇道の左上に目を凝らす。すると古い白壁の四階建てマンション二階窓に、『OPEN』のネオンサインが輝き、隣りの窓には『OLD&NEW BOOK FOR SALE』の文字が見えている。本を販売し、カフェでもあり、ギャラリーでもあるお店なのである…やはり十中八九洒落ているのだろうな…。窓下のピロティ駐車場に入り、二台の車の間を奥に進むと、右手に二階へ延びる古びた階段の姿。ここをカツコツ上がり、切り返すように廊下を奥へ進むと、看板が二枚置かれ、横の緑の鉄扉を示していた。その扉にはチョークで『Make yourself at home』と書かれている…何となく意味は判るが、正確に直訳は出来ん!と英語は早々に投げ出して、店内へ。広く四角くワンフロアで、薄暗く柔らかな光に包まれた『PARCO』の中にあってもおかしくないようなお店である。小集団の先客がすでにおり、村上淳似のハンサム店主とワイワイ会話し続けている。しかし店主は入って来た私に笑顔を見せて、「いらっしゃいませ」と頭を下げた…ちょっと照れるな。左壁沿いには様々な形状のアンティーク風飾り棚やラックが連続し、奥壁と右壁には古本の並ぶ堂々たる壁棚が設置されている。入口右横は、チラシ棚・雑貨棚・新刊棚が並び、カウンター帳場と運命を共にしている。フロアには大きなテーブルが二つあり、ひとつには写真集が面陳され、もうひとつには仮面などの装飾雑貨が飾られている。それに立派なソファーセットが一組…センス&統一感のある、生活感の排除された美しい空間である。ますます弾む皆さんの会話をBGMに、ジリジリ店内を巡って行く。左壁沿いには所々に、料理関連の大判本、アート&写真作品集・雑誌・詩集などが飾られている。そして本格的な奥壁の本棚は、かなり細かくジャンル分けが行われているようだ。サッカー・海外文学・建築・デザイン・本の本・本をつくる話・ビートニク・1960年代・言葉・音楽・映画・村上春樹・伊坂幸太郎・店主が読み終えた本・生き方・人生のための言葉・世界・スピリチュアル・旅・釣り・食とギッシリ。そのまま右壁に、写真・写真集・デザイン・ファッション・アート(大量)が並び、帳場横までドバドバ続く。他にも机の脇には、巴里本のタワーや、猫本の集まる椅子なども発見。セレクトブックショップっぽい、キレイな清流的本の並びではあるが、中々に深く細かく集めているので、感心しつつ楽しみながら見続けることが出来る。それにしても本に値段が付いてないな…と困っていると、入口前のテーブルに置かれた、小さな小さな値段システムカードを発見。値段の付いていない本はすべて定価の半額(新刊はもちろん別である)。また色シールの貼られた安売り本もあり、さらに値段ラベルをちゃんと貼られたプレミア値の本もあり。なるほどと一安心し、二冊を選んで店主に声を掛ける。「ありがとうございます。本日はちょっと騒がしくてすみません。いつもはもっとまったりしているのですが…」「いえいえ、お気になさらずに」「九月からここを始めたんですよ。良かったらまたお寄り下さい」と精算。BI PRESS「groovy book review」「groovy book review 2000」を購入する。買った本を昔ながらの紙袋に入れてもらうと、そこには『EAT WELL TRAVEL OF TEN』の手書きマジック文字…それを小脇に抱え、英訳は早々に放棄して、深々とお辞儀する店主に見送らてれ、更けゆく夜の街をテクテク帰路に着く。
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10/20神奈川・白楽で六角橋商店街ドッキリヤミ市場「一箱古本市」参戦!

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今日は「猫企画」さん(2010/12/17参照)に誘われ、去年は指をくわえて見ているだけだった、狭く長く古いアーケード商店街の「一箱古本市」に店主として参加する。午後六時過ぎに家を出て、もはや私の一部と言える簡易店舗に早変わりする衣装ケースをガラゴロ引きずり、山手線と東横線への乗り換えに四苦八苦し、やっとのことで白楽に到着。この街に来たからには、五軒の古本屋さんを見て回りたいのだが、今日は古本を販売する身っ!ぐっと堪えて市参加への手続きを済ませる。販売場所は商店街の上流、シャッターをすでに下ろした魚屋さんの前…きれいに清掃されているが、地面がびしょ濡れではないか!瞬間戸惑ってしまうが、モタモタしている時間は無い。なるべく濡れていない所を選び、店舗を素早く設営する。ここは周りに他のブースが無い、言わば離れ小島!宇宙人人形二体もセット完了!…おぉぅ、異様な光景を、古い商店街に出現させてしまった…良し、ここでひとり寂しく『不思議・怪奇・恐怖』な古本を売って行くぞ!と、ビールを景気付にあおり始めていたら、「悪魔くん」と「三年生のふしぎ」がいきなり売れた。それから酔いに任せた二時間は、古本と小銭とビールと他愛も無い話と出会いと別れで埋められた。本を買って下さった方、恐いもの見たさで覗き込んだ方、いつも来て下さる方、顔見知りの方、宇宙人人形に記憶の底を刺激された方、UFO本を一心不乱に読みふける児童、詩を朗読してくれた詩人さん、皆さんに大感謝!酔っぱらいと高揚した人たちが大量に行き交う、こんな“古本”にとってほとんどアウェーな狭い通路で(オジサンたちが「なんで今日は古本しか売ってないんだ」と私に聞きまくって来るのです…)、だからこそ逆に“古本”がキラッといぶし銀に輝く混迷のひと時!結局こんなオカルト系な古本ばかりを二十八冊売り上げることに成功(文庫より単行本の方が良く売れた)。あぁ、恐い古本を家に持って帰った皆さんが、ちゃんと夜、恐がらずに眠れることを願ってやみません…おやすみなさい。そして、たった二時間お世話になった六角橋も、おやすみなさい。

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2012年10月19日

10/19東京・国立 岡崎武志堂・本店

始まりはやはり七月に行われた、国立のギャラリー『ビブリオ』での「岡崎武志一人古本市」(2012/07/14参照)であろうか。ただ人の書庫を見に行くだけでは古本屋ツアーは成立しないが、これだけの量の古本を売りに出すと言うことは、もはやその書庫は古本屋の倉庫に値するのではなかろうか?…そう勝手に思い付き、早くも事務所店をツアーする心持ちで、岡崎武志氏に勇気を持ってオファーしてみた。すると「う〜ん、そうゆうこと、やろうかなとも考えてるのよ。もう来てもらって、買ってもらうのもいいかなと思ってて。とにかく、本を減らしたいのよ。本棚が見えないのは、アカンのよ」と、書庫の現状を激しく嘆きながら、容易くオーケーしてくれた。やった!もう、この時点でどひゃっほう!10/20・21に開かれる「二人古本市@ビブリオ」の搬入を少々お手伝いしながら、書庫を見せていただくことに決定する。

時は移り、ツアー当日。昼下がりの岡崎邸で、挨拶もそこそこに、地下への階段を一回りして下る。地下室にたどり着いたと思ったら、そこに広がっていたのは衝撃の光景!これは、古本屋さんではないかっ!しかも、お店が倉庫も兼ねてしまっている、魔窟迷宮的店舗っ!…あぁ、ついに異次元に迷い込んでしまったのか…ちょっとクラクラする…。しかし素晴らしい眺めだと、笑いつつ思いつつ、少し恐ろしくもなる。規模は遥かに違うが、これは別の見方をすれば、自分の未来でもあるのだ。ハードな古本好きが行き着く所!見ないようにしている、本に脅かされる未来!大量の古本たちに目を奪われながらも、一瞬そんな畏れがニュルッと頭をよぎって行く…。だが、私は所詮古本修羅!その前には古本!しかもちょっと見ただけで、筋の良い流れが目に次々と飛び込んで来る!たちまち私はその魔力に抗えなくなり、あっという間にいつもの古本修羅モード。しかし、足の踏み場が…無い。「まぁ少し整理してもらいながら、ゆっくり見て下さい。何も遠慮しなくていいから」と、岡崎氏はしばし外出。良し、始めるぞっ!通路を整理して進みながら、まずは全体像の把握と、棚の精査に務めて行く。倒れた本のタワーを復元し、床に散らばった本・紙物・資料・カード類・カセット&ビデオケース・ティッシュ空き箱(本の整理収納に使用した残骸)などを手早くかき集め、床が見えるようにして行く……私は昼日中の他人様の家の地下室で、一体何をしているのか…。その地下室は全体的に“凸”の形をしており、階段を中心として、上辺・右辺・左辺に分かれている。広さは聞けば21畳あり、左辺は主に仕事部屋として使用しているとのこと。上辺の部屋は壁際に本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本置かれ、奥壁にピタッと付けられている。右辺の部屋は壁際はぐるっと本棚で、真ん中には二本の背中合わせの棚が置かれ、両方共奥壁にピタッと付けられている。棚の上には、本職の古本屋で良く見かけるように板が渡され、そこも棚としてしっかり機能している。まずは階段を下りた所、左側に雑誌とビデオの高いタワーがあり、右には本棚。この本棚は、古本市のために持ち出すことがあり、今は取りあえずな本が詰められている。まずは右辺の部屋へ進む。
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三本の通路を正面にした形で棚を見て行くと、背後には中公文庫・岩波文庫・ちくま文庫の高い壁…明らかに個人で所蔵する量では無い…。右端通路の右側は、岩波・新潮・角川・春陽のカバー無し時代の文庫棚がまずはあり、出版関連で一棚、植草甚一&晶文社で一棚。そして奥壁には驚きの各社文庫目録!九段にびっしり詰まって、完全に新刊書店のレジ後棚を凌駕する冊数である。左側は昭和・風俗・海外文学文庫。真ん中通路は、右側に「ユリイカ」・「現代詩手帖」・詩集・詩評論!奥には野呂邦暢エッセイ・山田稔・杉山平一・サンリオSF文庫。左側が漫画評論・作歌別文庫・幻想文学&探偵小説文庫・女流作家文庫・日本近代文学文庫。左端通路は、右に音楽&映画・作歌別日本文学文庫(うぉっ!小林信彦の「冬の神話」「虚栄の市」「監禁」が揃ってる!)。左壁棚はすべて文庫がズラッと並び、音楽・放送・スポーツ・旅・山・文芸評論・美術・食物とキレイにジャンル分けされて並んで行く。うー、良い本が目白押し&並びが美しい。しかしやっぱり、古本屋さんで棚に血眼になっているのとは違う感じ。欲しい本は、それこそ星の数ほどあるのだが、抜き出して「これを売って下さい!」と言う勇気は無い…良し、ダブってる本を売ってもらうことしよう。心の中で小さな葛藤を巻き起こしながら、上辺の部屋へ。
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こちらは右側通路が、完全に本の山で塞がれている。なので通路の入口から目の届く所をチェックしてみると。右には古本&本&文庫関連が羨ましい並びを見せ、奥は左側の一面全部と共に、文学評論&研究・評伝・文学散歩で埋められている。左側通路は、右にテレビ・放送・芸能・タレント(タモリ本たちにヨダレが…)・東京・大阪・関西・上方。左に著作棚、そしてこんなにもあるのかと思うほどの大量の落語関連、さらに古い記者もの・古い随筆類・古いビジネス本・闘病と続く。いや。もう、見たことの無い本がたくさんあり、本棚の欠けたピースが、気持ちよく埋まっている様には、感動!それにしても、書庫をどうにか機能させるために、古本屋への大量売却・「一人古本市」、そして今回の「二人古本市」で本を運び出してこの状態とは…。あぁ、私はもう一時間も天井以外の三方を古本に囲まれた“古本プール”に浸かっているのだ。古本神の書庫、誠に恐るべしっ!そんな風に色々思いながら、古本や通路を阻む物と格闘していると、岡崎氏が戻って来た。そこでダブり本の販売をお願いすると「ええよ」とのことなので、角川文庫「吉田拓郎詩集 BANKARA」春陽文庫「この恋百万ドル/中野実」をそれぞれ100円で売っていただく。ありがとうございます!

この後は本や本棚を運び出し、古本市の会場「ビブリオ」へ向かう。少し本の詰まった箱の中を覗いてみると、書庫の続きで、欲しい本・良い本が安値で詰まっている!一瞬こちらも売ってもらおうかと邪な思いに囚われるが、やはりフェアじゃないので止めにする。これは、「二人古本市」に足を運んだ、早い者勝ちの栄誉なのである!

搬入を無事に終えてからは、二人で軽く国立古本屋ツアーを敢行!これは何と、贅沢な時間!しかし最初に入った「ブックオフ」で、氏が早速五冊の本を素早く手にしているのを見て、笑いを噛み殺すのに苦労する。いや、それでこそ古本神です!こちらも105均でちくま文庫「YASUJI東京/杉浦日向子」集英社文庫「蘆屋家の崩壊/津原泰水」(一体何冊目だろう…)を購入。続いて「谷川書店」(2009/06/22参照)に向かい、氏がさりげなく80円で大物を掘り出したのと、店主をうまくいなす手腕に感心する。私だけだったら、確実にキャプチャーされ、長時間の拘束を余儀なくされたであろう…。こちらはちくま文庫「別世界通信/荒俣宏」河出文庫「天体嗜好症/稲垣足穂」をそれぞれ250円で購入する。最後に「みちくさ書店」(2009/05/06参照)に足を延ばし、店頭のレコードとCDに驚きつつ、ここで氏とお別れ。すでに秋なのに、サンダル履き&Tシャツ姿の後姿を感謝して見送る。本日は大切な書庫を公開していただき、誠にありがとうございました。しかし「岡崎武志堂・本店」には、まだ左辺のナゾが残っているので、いつの日か再び“古本プール”にダイブを!その時はがんばって、ダブりではない本を取り出し「これを売ってもらえませんか!」と叫ぶ所存である。

お知らせ
1. 10/20の『六角橋商店街ドッキリヤミ市場「一箱古本市」』で、私のブースの片隅で、Pippo氏編集の「横浜ー六角橋詩集」を販売します。実は、私の駄作も数編載せていただいているので…。もちろんPippo氏のブースでも販売されます。
2. 10月27(土)の反町古書会館展で行われる『古本屋入門開業講座』は10/21が申し込み締め切りとなっております。時間のある方はぜひ横浜に来ていただいて、古本市を楽しみ、私の拙い講演をお聴き頂ければ。
【募集要項】
50名様(応募者多数の場合は抽選となります)無料
メールもしくは往復ハガキにてご応募ください(10/21締め切り)
●メールアドレス kanagawa_Kosho●bg.wakwak.com(黒丸は@にしてお送りください)
●往復ハガキ(10/21消印有効)〒221-0825 横浜市神奈川区反町2-16-10
※共に「入門講座参加希望 住所 氏名 年齢 電話番号」を記載。
問い合わせ:tel 045-322-4060 神奈川古書籍商業共同組合
※当日『東海道古本屋さん七次』と言う特典ペーパーを配布予定。間に合うようにせいいっぱい頑張ります!

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2012年10月17日

10/17東京・早稲田 畸人堂 ガレージ店

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今週土曜に迫ったヤミ市場一箱古本市の準備を、朝からひとがんばりふたがんばりしてきっちり終わらせすっきりして、降り始めた雨の中を外出する。目指すは、二三度見ても開いていなかった『幻の畸人堂』である。『西早稲田交差点』から『早稲田通り』の北側歩道を西に二十メートルも進めば、早稲田にこつ然と現れた感のあるお店の前。おっ、開いてるぞ!開きっ放しの入口上に看板があるが、これは以前ここにあったカフェの物。その代わりに、入口右横に『古書と古本』とある立看板が置かれている。中に入るとそこはまさしくガレージで、壁は外壁と同じタイルで覆われ、床も途中までタイル床となっている。なので、旧・新大久保店(2008/07/22参照)の雰囲気が色濃く漂う状態に…これは故意か偶然か?ガレージ部分は右に低い本棚が連続し、真ん中に背の低い本棚と高い本棚が前後に並び、左壁沿いには平台に木箱の並ぶ本棚。が、こちらの通路には普段は店頭に置かれているだろうラックがグイッと押し込まれ、行き止まり通路になっている。その奥も帳場前まで木箱がドバッと積み上がり、何だか非常に倉庫的である。店主が座る帳場の背後には横長な本棚。そしてフロアはさらに右奥に延びて行くが、帳場右横は完全倉庫状態で、奥に大きな背中合わせの棚が一本…奥に続くけもの道はあるのだが、これは入っても良いものなのだろうか…?入口方面に戻って、棚をじっくり見始める。右壁沿いは、すべて100〜300円の掘り出し物コーナー。単行本・ムック・ビジュアル本などが、表情&ジャンル豊かに並んで行く。向かいは、低い棚は両面共100〜300円掘り出し本で、奥に美術図録棚、さらに岩波文庫・ちくま文庫・講談社文芸文庫・教養系文庫・新書。左側通路は通路棚奥に、日本文学文庫・時代劇文庫・探偵&推理小説文庫。左の壁際には廉価コミックの収まる棚下に、100均文庫&ノベルスが集まり、奥の壁棚に囲碁・将棋・新書。ややっ!100均でポケミス「聖者ニューヨークに現わる」(S.32 初版)に出会う。こりゃ嬉しい。さらに何冊かをそこここで手にし、そのまま帳場へ直行。精算をお願いしながら、背後の棚に美術&工芸の作品集を確認し、右の棚に歴史・風俗・民俗学の古い本、そして通路にあるコミックをさらに確認する。奥以外のガレージ部分は、足の速い本を中心に構成されている。そのせいか、道行く人も結構気軽に飛び込んで来るのだ。値段はちょい安。ハヤカワポケミス「聖者ニューヨークに現わる/レスリイ・チャータリス」光文社文庫「「探偵」傑作選」「「探偵実話」傑作選」教養文庫「ミステリー食事学/日影丈吉」を購入する。“幻”のお店に早くも入れて良かった。しかし『早稲田古本街』は、ついにツアーで踏破完了!長い間ウロチョロお世話になりましが、これからも変わらずお世話になります。

この後は、ある物を渡すために「古書 現世」(2009/04/04参照)へ。使命を無事に終え、向井氏と少し相談したり色々お話。白地社「都市の迷路/石阪幹将」を購入する。この本、後で中を見ていたら、ページに挟まっていた一枚の紙…某古書店の注文明細書らしいのだが、何と宛名は草森紳一!と言うことは、これは草森氏の旧蔵書だったのか(注文明細書の抽選結果に目を通すと、しっかりとこの本のタイトルが。ちなみに抽選の結果は十一勝四敗)…こんな本が手に入るなんて、古本屋はやっぱり面白い。

※お知らせ
11月10・11日に、神田『旧日本電機大学』で開かれる「第二回 古本ゲリラ」に両日とも参戦します!今回のゲリラは、どうやらよりパワーアップし、『TRANS ARTS TOKYO』と言うアートイベントの一環として開催されるようです。詳細はまた後日!
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2012年10月16日

10/16計画が頓挫し「赤いドリル」で長っ尻

高円寺の地下で仕事を終えた後、自転車で幡ヶ谷に直行し、軽く打ち合わせ。そして自由の身になったら、先日の「本の雑誌」の座談会でお世話になった“古本神”のひとり、彩古氏おススメの二店を見に行くことにする(ちなみに九月に激しく活用させていただいた“神のメモ”は、森英俊氏によるものである)。三宿の「山陽書店」(2008/11/17参照)と桜台の「島書店」(2009/06/30参照)である。二店共長らく訪れていないので、ワクワクしながら自転車を快調に走らせる。二度ばかり谷底に落ち込むようにして(帰りが思いやられる…)、最後に坂を上がりつつお店に到着。オレンジの大きな日除けは今日も健在。その下に入って体をオレンジ色に染め、同色に染まった均一台をまずは眺める。
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お店の構造は変わらず、本にはパラフィンが巻かれ、非常にキレイ。棚をじっくり見て行くと、真ん中の行き止まり通路に古い本が集中している列があった…なるほど、定点観測していると、獲物を掴めそうな雰囲気が…しかし今回は特に欲しい本は見つからず。これからこちらに来た時は、必ず見るようにしてみよう。河出文庫「不気味な話/江戸川乱歩」を購入。

桜台に行く前に、ここまで来たならと下北沢に向かい「古書 赤いドリル」(2010/06/23参照)へ。古い新書が多く、見応えのある均一店頭棚に組み付いた後は、本で埋もれた店内へ。そして店主にあえなく発見され、本に埋もれたカウンターで珈琲をいただく。そこから話が弾んだりまったりしたり、楽しく一時間半ほど過ごしてしまう。途中、郵便屋さんが配達して来た、目録注文の葉書を手にしたドリルさんの嬉しそうな横顔が、とても印象的であった…。結局最後はビールに手を出してしまい、もはや「島書店」に向かう気はゼロに…すみません…。ちくま文庫「エドガー・アラン・ポー短篇集」中外書房「大阪/藤澤桓夫・田村孝之介」学研「東京・横浜/吉行淳之介」を購入。しかしその代わりドリルさんと、たわいないが少し面白い企みを持つ。ちゃんと企みを練り上げて、しっかり日時が決まったらなし崩しにダラッと実行予定。詳しくはまた後日お知らせいたします。
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※写真はドリルの店内外灯が点灯したところ。私は初めて見ました…美しい…。

では現時点でのお知らせをいくつか。
1. 10/20(土)に参加する『六角橋商店街ドッキリヤミ市場「一箱古本市」(20:00〜22:00)』では何も配布しないつもりでしたが、それではやっぱり何だか寂しいのでL判カードを作成しました。内容は六月に配布したフリーペーパー『古本屋テンプテーション・スパイラル』の濃縮続編!今回は古本屋への偏愛を、何と詩に昇華してお届けします。その日の自己テーマ『不思議・恐怖・怪奇』(西荻『古本ナイアガラ』の「フォニャルフ」も同テーマで販売中!)に合わせ、タイトルは「十九画の呪い」…しかしこんなもの欲しがる人が果たして…。夜の二時間の古本市、内容も古本一辺倒、宇宙人(人形・全長28cm)が同行、そして詩、なので恥ずかしい…ということで取りあえず弱気に三十枚ほど用意しておきます。お望みの方は好きに持って行って下さい!
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2. 発売中の「本の雑誌11月号」に掲載されている、私も参加させていただいた『神保町古書店案内座談会』に続き、10月23日頃から発売になる、本の雑誌別冊「古本の雑誌」に『日本全国古本屋ガイド座談会』が掲載されます。座談メンバーは神保町編と変わらず、ミステリー評論家・森英俊氏、文筆家&ホームズ研究家・北原尚彦氏、古書いろどり・彩古氏の古本神たちで、何と前後編の全17ページ!思い出しただけでも震えが起こる、激しい神々との闘いを、誌面でぜひご覧下さい!
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2012年10月15日

10/15東京・高円寺 アニマル洋子改装完了!

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2012/10/09に目撃した、改装真っ最中だった高円寺『ルック商店街』の「アニマル洋子」(2008/10/05参照)に向かう。おっ、店頭棚が増えてる増えてる。看板や日除けは以前と変わらないが、店頭がほとんど古本屋さんになってしまっている。これは嬉しい事態だ。右端の100均単行本ワゴンは堂々と健在だが、その足下に文庫箱・ポケミス箱が出現している。他に、上段から順に文庫→単行本→雑誌・絵本・ビジュアル本が収まる店頭棚が、背中合わせの二本+片面棚一本の計三本。日除けを潜って薄暗い店内に入ると、内部も大幅な変更が加えられており、まずフロアの奥半分がバックヤードになってしまっている。そして仕切りの帳場が横一線に広がり、真ん中に下部がボックス棚になっている大きな立方体平台。さらに縦に置かれたスチール棚が三本の通路を造り出し、右壁際は同様なスチール棚が連続。左壁際はボックス棚・金属ラックと続き、その奥だけが古着ゾーン…これでは店内もほとんど古本屋さんではないかっ!100円棚から一冊手にして、まずは右端の通路へ。ここは以前とほとんど変わらぬ構成で、壁際は100均文庫棚から始まり、全共闘・岩波文庫・ちくま文庫・旺文社文庫・教養文庫・河出文庫・推理小説&探偵小説文庫・創元推理文庫・ハヤカワSF・SF文庫・春陽文庫・ジュブナイル文庫・美術図録・写真集・作品集と帳場横まで並び続ける。向かいは思想と風俗とオカルトなほぼ300均単行本棚と、オカルト・心霊・UFO・魔術で出来ている。中央通路は、右に日本文学・日本近代文学・音楽・海外文学、左に児童入門書・大百科・サブカル・風俗・カルト漫画・絶版漫画が並ぶ。左端通路は、前半がカルチャー&サブカル雑誌で占められ、後半右側に児童SF・探偵&推理小説、左のラックにエロ&グラビア系雑誌が置かれている。真ん中の平台は、絵本・児童文学・古い児童本&小説&漫画など。お店の形状は大幅に変わったが、棚の内容は以前とそれほど変わりはない。大きく変わったのは、やはり店頭の均一棚群と平台の絵本類だろうか。まぁとにかくお店の楽しさは相変わらずなので…改装&ほぼ古本屋化、おめでとうございます!学研「世界のUFO現象FILE/並木伸一郎」春陽文庫「D機関情報/西村京太郎」河出文庫「植草甚一 ジャズ・エッセイ/植草甚一」を購入する。

帰りに「都丸書店 支店」(2010/09/21参照)壁棚に立ち寄ると、フハッ!東洋経済新報社「柳原良平の船の博物館」の献呈署名本を発見!しかもさ、300円っ!何故こんなに激しいサービスを、トマルは実行してくれるのか?ちなみにこの本は、決して店側が見落としているわけではなく、サイン入りなのを承知で壁棚に出している(署名部分にはわざわざ付箋が貼られ、見返しには『サイン』の文字も)。嬉しくてしょうがないのだが、本当に不思議である。これからもこんなワンダフルなサービスを、引き続きよろしくお願いいたします。
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※左は献呈署名の署名部分。上には付箋がしっかりと。右はカバー右下に堂々と輝く300円の値札シール!

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2012年10月14日

10/14奈良で近鉄線に頼り切り二店!

仕事で久しぶりの奈良へ。とは言っても、奈良市中心部には都合により足を踏み入れられず、南北に走る近鉄橿原線沿線をウロチョロ出来るのみ。それでもどうにか二店を見出し、ガタガタゴトゴト…。

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●田原本「エイワ書店」
『東出口』を出ると、すでに街中の古びていて小さな駅前。北の『田原本小学校』を目標にして、細かく見通しの利かぬ街路を、北・東・北・東・北とあみだくじのように歩いて行く。駅近くは『EBISU-2』商店街で、それが『EBISU-1』『旭町商店街』『魚町商店街』と、短い区間で目まぐるしく変化。最終的には黒い板塀の家が連なる長い直線道に出て、小学校南東の交差点に至る。すると、おお!東へうねって延びる道沿い北側に、『本』の大きな看板が見えるではないか!信号を渡ってその看板下に近付くと、大きく細長い駐車場の奥に、アパート建築のようなお店が建っていた。軒上には大きな店名看板が架かり、店頭には巨大招き猫とガチャガチャ群が鎮座し、窓に『古本』『古書』『文具』『雑貨』の貼紙が…前半は良いのだが後半は…?むっ、さらに扉には『古本と生活雑貨のお店』とあるではないか。何としっくり来ない組み合わせであることか。中に入ると、天井の高い田舎のスーパーのような、倉庫のような…。なるほど、入口右横には電池や小型家電が集まり、右壁沿いにプラモデル・ラッカー類・ラノベ棚・文房具が並び、右奥部分はフロアも含めて完全な生活雑貨売場になっている。そしてそこ以外に古本が集まる店内の構成…あまり見たことこの無い、楽しい光景だ。古本の割合が多いのがさらに楽しいではないか!入口左横に帳場があり、左壁はすべて壁棚となっている。フロアは、右に大きな平台が二つ、中央に縦に並ぶ背中合わせの棚で出来た通路が三本(右側だけは奥が平台になっている)。右の平台には、手前に歴史・考古学・ビジネス・一般書・ちょっと古いコミック揃い、奥には文学復刻本・全集端本・美術本・歴史小説&時代劇文庫が置かれている。左端通路とその隣りの通路前半はすべてコミック。平台の向かいのみが、アート・一般書・日本文学文庫と並んで行く。そして奥の後半部分は、左壁にミステリ&エンタメ・文化・思想・歴史・考古学・郷土史と、奥に向かうほど硬い本に。その向かいに岩波文庫・教養&雑学文庫・新書・辞書・心理学。その裏が時代劇文庫となり、入口側に少量の海外文学文庫と大量の官能文庫あり。奥の頑丈な平台は、ムック・ビジュアル本が大集合。奥の壁際には大判全集本が大量に横積みされている…とても本には見えない量と陳列方法。見た目からして不思議な雰囲気のお店である。古い本は歴史&考古学関係にしか無く、あくまでも一般的な並びを見せている。だが値段は安い!ハヤカワ文庫「人間そっくり/安部公房」河出文庫「サンカと説教強盗/礫川全次」を購入。ちなみに外に出て街の地図を見てみると、この古本屋さんは『ディスカウントストアー エイワ』と書かれていた。いいんですか?エイワさん!

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●大和西大寺「古本屋蝶野」
近鉄線で北上し、近鉄奈良駅方面への分岐駅で下車。『北出口』に出ると大きなショッピングビルが建つ駅前。しかしそれを避けるようにして駅舎沿いに西に向かい、最初に現れた駐車場前の裏道に入って北へ進む。ほどなくして道は二本に分かれるが、ほぼ直進し続けると、すぐに左手に裏通りの侘しげな古本屋さんの姿が…良い佇まいである。ピンと張り出した緑の日除けには、ただ『古本屋』とだけあり、そのシンプルダイレクトさは瞬間思考を停める力を持つ。店頭には様々なタイプの均一棚が、紐で縛られ組み合わされている。二百均単行本・百均単行本・五十均コミック・三冊百円文庫と、均一にも様々なタイプ。扉を開くと、静かな静かな小さな店内で、四方はぐるっと本棚に囲まれている。真ん中には手前と奥の両方に棚脇棚を備える背中合わせの棚。奥壁右よりに帳場があり、年老いた佐々淳行風店主が虫眼鏡を使って読書中。入ってド正面の日本文学文庫と時代劇文庫の棚を、蜘蛛の巣が張っている最下段まで見てから左側通路へ。入口横の辞書棚と、足下の時代劇文庫棚から始まり、日本近代文学・文学復刻本・日本文学・詩歌句・古典文学・中国文学、そして奥の帳場横に選書&新書・洋書・英仏独海外文学となっている。向かいは日本文学評論・海外文学評論をメインとして、日本純文学文庫・教養系&歴史系文庫も集めている。奥の棚脇棚は、岩波文庫海外文学を多く集め、その向かいの帳場棚に並ぶ岩波文庫社会科学・講談社学術文庫とにらみ合っている。右側通路は入口横の哲学・女性本から始まり、哲学・歴史・古代史・民俗学/芸術・世界史と続く。向かいは、囲碁・住宅・自然・動植物・近現代史・落語・芝居・映画が揃う。非常に真面目で実直な、ひたすら“知”を求めるお店である。裏通りとミスマッチな知的さに惚れました。値段は安め〜普通。河出文庫「怪物の解剖学/種村季弘」萌書房「映画の四日間 PART2/中島貞夫」(続きが出ていたとは!)を購入。

奈良で色々終えた後は、京都にも少し寄りたかったのだが、時間が残り少なくあえなく断念。それにしても、この奈良の古代と直結した感じは、なんとも言い表し難いものがる。なんたって、車窓に前方後円墳が流れて行くのだから…。あぁ、ゆっくりじっくりこの地方の古本屋を、古代を探るように、調査したい…。
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2012年10月13日

10/13千葉・愛宕 野田市リサイクルフェア 古本市

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様々な方々からタレコミのあった古本市である。午前十時の開始時間に合わせ、家を八時前に出る。電車を乗り継ぎ『流山おおたかの森』で東武野田線に最後の乗り換え。本を読みながら二駅過ぎたところ、『かしわ〜、柏、次は終点柏でございます』…えっ?通り過ぎちゃった?違う、反対方向の電車に乗ってしまったんだ!何と言う凡ミス!自分を盛大に呪いながら、焦って柏で大宮行きに乗り換え、およそ二十分のロスで目的駅に到着…時刻はすでに九時五十五分。ならば走るしかない!駅の一キロ東にある『野田市役所』を目指し、フルスロットルでダッシュする。早く着かなければ、本が、古本が無くなってしまう!焦って気ばかりが逸り、硬いアスファルトを幾ら蹴っても市役所は見えずに、時だけが過ぎる悪夢的状況!長い四分が経ち、市役所らしき建物が見え、その周囲の賑わいを見せる祝祭的空間にどうにかたどり着いた。一帯で『文化祭』と言う名の市民まつりが開かれているようだ。十時ちょい過ぎ、まだ大丈夫だ。市役所と思われる肌色の建物に即座に飛び込むが、市が開かれているはずのロビーは静寂に包まれていた…あぁっ、これ市役所じゃなくて公民館だ!慌てて外に飛び出し、周囲をキョロキョロ見回してみる。右に見える高い建物がそうなのだな!そう目算をつけ再びダッシュし、自動ドアを通過してエントランスに駆け込むと、美しく長い吹き抜けの底には、ウジャウジャと蠢く無数の人々…いや、古本修羅っ(どうやらプロ・アマ同時棲息!)。並んだ本の姿は修羅に隠れて何処にも見えず、見えるのは修羅の持った本の束と、本をすでに収めてしまったズタ袋たち!…このえげつない光景は一体…!?焦って修羅の間に割り込んで行くと、床に直接プラケース(横に『古本 野田市』と銘記されている)が置かれ、二〜四箱でひとつの島を造り出し、その島がおよそ二十ほど展開している光景。すでに歯の抜けたようなケース内を、次々と覗き込んでみる…単行本が多いな。奥に絵本と児童文学のコーナーもあるが、入れるのは『小学6年生まで』とのこと…今だけ6年生に戻りたい…。私もとっくに古本修羅と化しているのだが、まだ手にしているのは二冊だけ。これじゃあたまらんな、と思っていると、文庫のプラケースが補充され始め、どんどん入口方面に向かって新たな島を形作って行く。それと共に、修羅たちがゾゾゾと民族大移動!正に“獲物に群がる”と言う光景である。私も負けずに移動し、修羅の頭越しに文庫の背を必死に読み取って行く。それにしても、この古本市の修羅たちは、激しく、時に好戦的ですらある。文庫を次々と鷲掴みにして袋にドカドカ放り込んで行く者、プラケースの上に蜘蛛のように這いつくばって手を伸ばす者、横取りする者、とにかく前に出ようとする者…「おい、人が見てるんだよぉ」などの小競り合いも発生している。そんなことに巻き込まれぬよう、巻き起こさぬよう注意して、私は小物らしく文庫を素早く掠め取って行く…。サンリオSF文庫「カリスマ/マイクル・ニコイ」講談社文庫「樽/クロフツ 三浦朱門訳」春陽文庫「お嬢さん探偵/中野実」カラーブックス「混浴温泉/藤嶽彰英」岩波現代文庫「一銭五厘たちの横丁/児玉隆也」岩波文庫「家郷の訓/宮本常一」新潮文庫「人とつきあう法/河盛好蔵」角川文庫「ゲリラの群れ/野坂昭如」中公文庫「御馳走帖/内田百けん」「彩色江戸物売図絵/三谷一馬」ちくま学芸文庫「グレン・グールド 孤独のアリア/ミシェル・シュネーデル」ちくま文庫「淀川さんと横尾さん/淀川長治・横尾忠則」「古典落語 圓生集(上)」里文出版「青山二郎の素顔/森孝一」の計十四冊を入手…そして恐ろしいことに、本はすべて無料なのである!だからせめて募金をと、募金箱に五百円玉一枚を投入する。すると中に紙袋や鉛筆の入ったズタ袋を手渡された…さっきからみんなが持って引き摺っている袋はこれだったのか…。
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長時間の古本修羅モードと修羅たちとの闘いで、早々に疲れ果ててしまう。この後は「よんだら堂書店」(2011/04/28参照)さんタレコミの大宮『放送大学埼玉学習センター』の古本市に行くつもりだったのだが、断念して南へ(「よんだら堂」さん、すみません…)。本八幡にて下車し、友人が出店している『工房からの風』を見に行く。屋外で開かれている、若い作家たちの工芸・手仕事作品の展示即売会である。賑わう人混みをかき分け、不思議な陶器や木工細工の森をさまよい、蒼白く清楚な猪口をひとつ購入する。

そして総武線で各駅停車しながら高円寺へ。「西部古書会館」で今日明日開かれている「第10回ちいさな古本市」を見に行く。実は前回からポスターと栞のデザインをさせてもらっているので、挨拶がてらの偵察を、と言う思惑なのである。みんな安めでウハウハするが、「盛林堂書房」(2012/01/07参照)の安さには、古本屋でもないのに嫉妬を覚えるほどであった。扶桑社en-taxi別冊付録「棗の木の下/砂/洲之内徹」ちくま文庫「考現学入門/今和次郎」鹿島出版会「私と日本建築/アントニン・レーモンド」を1200円で購入し、みなさんに挨拶してから鱗雲に頭上を覆われて帰宅する。
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2012年10月12日

10/12神奈川・東海大学前 BOOK-ECO

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小田急線で神奈川県の南東へ。2012/09/29に訪れ、思いを果たせなかった「BOOK-ECO」(2011/03/21参照)移転新店を目指す。南口に出ると、景色が良く視界が広い豪勢な空中広場。駅前通りを目指してだんだんと地上に下り、学生の波と共に通りを東へ向かう。信号を通過し、小さな大根川を越え、川沿いの少しうねる道を南へ。50mも進めば、左手に看板文字がとても目立つ、新しいお店が現れる。良かった、今日は開いている。早速自動ドアから中に入ると、白く静かな店内。旧店より狭くなったか。すぐ右に帳場があり、スキンヘッド男性が「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれる。壁沿いはぐるっと本棚で、真ん中に低い平台付きの背中合わせの本棚が、縦に二本置かれている。入口左横の棚には、洋書・建築・学術大判本。右端通路は、右側に化学&工学系の教科書、左が棚脇と平台も含め日本文学文庫がズラッと並んでいる。以前と変わらず200円均一なのがとても嬉しい。中央通路は100均コミックと共に左奥に新書が並び、棚脇に単行本が少々。左端通路は100均コミックが続き、左奥にラノベ棚、右側に再び文庫と新書が現れる。講談社学術文庫・海外文学文庫・雑学文庫・ちくま文庫・岩波文庫・中公文庫が並び、こちらももちろん200均!奥壁は教科書・学術本・言語学となっている。単純化すると、教科書・文庫・コミックのお店である。教科書類は定価の半額だが、文庫とコミックはとにかく安い!しかも古い文庫も混ざり、中々の粒揃い!このお店がご近所にあれば、頻繁に見に行くのだが…。それにしても、所々に図書館や研究室の分類シールが貼られたままの本(文庫含む)が見受けられる。返却しないで売り飛ばしたのか、それとも払い下げ品なのか…。講談社大衆文学館「半七捕物帳」「半七捕物帳【続】」共に岡本綺堂、中公文庫「座頭市/子母沢寛 他」ちくま学芸文庫「ノアノア/ポール・ゴーギャン」竹書房文庫「犯罪ショック/松平龍一・左近裕」を購入。

この後は10/27の講義に備えた予備調査で、去就が気になっている古本屋さんへ。海老名で下車して、長距離歩いて向かったのは「えびな平和書房」(2010/08/06参照)。たどり着いてみると、残念ながらシャッターは下りていたが、荒れた様子は無く、お店周りもキレイに手入れされており、現役感は満点。一安心しながら、またいずれ見に来なければと再訪を誓う。

さらにこの後は、帰りつつ豪徳寺で下車して「靖文堂書店」(2011/09/06参照)へ。文庫棚に、立ったりしゃがんだりを繰り返して齧り付き、おぉ!押川春浪訳の「寶島」が500円っ!佐藤春夫の「ピノチオ」が前篇だけだが300円だとっ!と小喜びし、新潮文庫「寶島/スティヴンソン 押川春浪訳」春陽堂少年文庫「ピノチオ前篇(あやつり人形の秘密)/佐藤春夫」角川文庫「ひとりで夜読むな/中島河太郎編」春陽文庫「どくろ銭/角田喜久雄」を合計1500円で購入する。
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2012年10月11日

10/11東京・神保町 CAFE HINATA-YA やまがら文庫フェア

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いつもタレコミで多大なお世話になっている、私にとっては“A級情報屋”の「やまがら文庫」さんのフェアが神保町で始まっている。と言うわけで、神保町内をぐるぐる行き来して、カバンをすっかり重くしてから『CAFE HINATA-YA』へ13:30に向かう…この時間ならそう混んではいないだろう。場所は駅から『明大通り』をぐんぐん南に下って、300m。右手に『富士見坂』が現れ、『明大通り』との間には三角地帯。その先端の鋭角で薄い三角形の古いビル四階にお店はあるのだ。ビルの入口は『富士見坂側』にあり、その狭い入口に上がり込むと、まるで井戸の底のような、見上げるほど急角度な階段室。規格外な階段を、もはや芸術的フォルムを持つ鉄製手摺を掴み、四階を目指す。左回りを繰り返し、扉を開けると三角形の角を持つ、見晴らしの良い女子だらけのカフェ…緊張…。『明大通り』を見下ろせる窓際カウンターにギクシャク腰を下ろすと、女子店員さんが近付くと共に、にっこり笑顔を見せながら「やまがらさんのお知り合いですか?」と第一声。何故?どうして?何か明らかに、このカフェに入りそうも無い雰囲気を纏ってしまっているのだろうか…「本棚はあちらになってます」とさらに教えていただく。私は動揺しながらも、チキンカレーを注文してまずは一段落。むっ、窓際横には常設の棚が一本ある。こちらは上三段が文庫で、下一段が単行本。新しめの本だが値段は安く、質はなかなか。やまがらさんの本もしっかりと混ざっている。肝心のフェアは、レジ&厨房入口横の机上で開かれており、五つの木箱に本が詰まっている。女子が集まる席の横に立ちながら、フェアをじっと注視する。1970年代・女流作家・吉屋信子・堀江敏幸・萩尾望都・鴨居羊子・栃折久美子・森まゆみ・豊崎由美・早川義夫・種村季弘・雑貨&文房具&散歩ビジュアルムック・人生論・本関連・『就職しないで生きるには』シリーズ・セレクトコミック・絵本など。机手前には大橋歩表紙画集や鳥カード…女子度高しだが、その棚造りは限界ある冊数を補うように滑らかで豊か。値段は惜しみない安さで、圧倒的に客側思考の値付けとなっている。スパイシーなカレーを食べ終わった後、悩んだ末に常設棚から「やまがら文庫」の一冊を抜き出す。朝日文庫「雷蔵、雷蔵を語る/市川雷蔵」を購入。帰りは階段ではなく、手で扉を開閉する古いエレベーターに乗り込んでみる。箱を呼び、鉄扉を開け、中の蛇腹扉を開け…ぐわぁ!鉄扉に挟まれた!再び開けてちょっと押さえて素早く中に滑り込むと、鉄扉は重みで自動的に閉まったので、中の蛇腹をドキドキしながら閉じる。そして一階のボタンを押す!…何も起こらない。どうしたんだ!…今度はボタンをギュ〜ッと長押ししてみると、ヴンッとようやくスイッチが入り、エレベーターが下降を始めた。これ、電力じゃなくて、火力とか水力で動いてるんじゃないだろうか…。カレーが熱を発するお腹と共に、私はゆっくりと地上へ降りて行く。そして家に戻ると驚くことに、やまがらさんより新たなタレコミが届いていた。さすがだぜ、やまがら!でも一件は、足立区民じゃないと入れないみたいだぜ!このフェアは11/10まで。
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2012年10月10日

10/10神奈川・弘明寺 パンドラブックス

「貸本小説」を早々に読了し、気になることがひとつ浮かび上がって来る。その元である本を引っ張り出してみると、あぁこれは貸本だったのか、と納得する。それと共に思い出す、買ったお店の情景…お店の左奥、二段ほどにやたら古くボロい本が固まっていた。大衆時代劇が多かった覚えがあるが、当時の記事を読むと江戸川乱歩・大下宇陀児・小栗虫太郎などのビッグネームも。値段はそれなりだったが、二千円とかそのくらいだったと思う…こんなことを考え始めると、改めてそのお店に激しく行きたくなって来た!と言うことで、根岸の「古本 光」(2009/07/12参照)に私は急行する…。駅前の「たちばな書房」(2010/11/08参照)を一周してから、内陸の滝頭へ向かう。横浜市営バスが行き交う、狭く地元の人しか訪れない寂しい商店街を、お店を求めて奥へ入り込んで行く。…しかし時すでに遅し。お店の姿は、商店街の何処にも無かったのだ…ああ無情!たった一日きりの、楽しい夢でした。
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※写真は「古本 光」の形見、750円で購入した「謎うた百万両/城昌幸」…まだ読んでません…。

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そのまま悄然と西へ進み、山を越えて一時間ほど歩き続けて弘明寺。駅から線路西側の『六ツ川商店街』の坂を下り、東西に延びる『平戸桜木道路』へ。西に進路を定め、まぶしい夕陽に小手を翳しながら500mも行くと、『六ツ川一丁目信号』に到達。そこを越えてさらに進むと、左に鮮やかな青いシャッターをがっちりと下ろし、側壁に『古本買取致します』の文字を持つ店舗が。ここは二年越しで何度もチャレンジしているお店なのだが、ガードがあまりにも固過ぎて『これはもう店売りはしていないのでは…』と判断しかけていた。しかし!捨てる神あれば拾う神あり!今日は出入口部分のシャッターがしっかりと開いているではないか!…まぁそれでも、とても営業しているようには見えないのだが…。ちなみに軒にある青い看板は以前のお店の物らしく、現在の店名は扉上の貼紙の中に小さく紛れ込んでいる。勇気を振り絞って、重いサッシ扉をルラッと開けると、中は暗闇…その闇の中に本棚が見えており、帳場奥の生活空間には明かりが点っている。テレビの音も聞こえる。人影が無いので、「すいません」と声を上げてみる。しかし反応が無いので、ボリュームを大きくしながら二度三度繰り返すと、スタッと飛び出すように奥からご婦人の姿が現れた。ペコペコしながら「あの〜お店はやってますか?」と定番の質問。「ええええ、やってますよ。いらっしゃいませ」と彼女は帳場に滑り込み、電灯・テレビなどのスイッチをパチパチと入れて行く…その素早さ慌ただしさは、戦闘機のコックピットに座ったパイロットのよう。明かりに晒された店内は、意外に広くて複雑な感じだ。入って正面に帳場があり、右側は三方が壁棚で真ん中に背中合わせの棚が一本。左は入口横に小さな棚があり、その向こうに壁棚と行き止まり空間。フロア中央には横向きにスチール棚が二本置かれ、仕切り棚と壁棚が、奥のさらに暗い空間に続いて行く。所々の棚や通路には、紐で括られた本が置かれ、整頓されてはいるが半分倉庫状態の印象。右側の小スペースにまずは進むと、外観の緩さからは想像出来ない、文学&社会科学箱入り本のオンパレード。帳場下には一般文庫が少量並び、入口左横にはコミックと一般文庫が収まっている。左側にズイと入り込むと、手前壁際には官能ノベルス・官能文庫・歴史系文庫・句歌集と続き、奥の行き止まりスペースはまたもや箱入りの硬い本が出現する。左の仕切り棚にはちょっとだけ古めの文庫が揃った後に、技術系の箱入り本。フロア棚は手前から、戦争関連・アダルト通路・全集本となっている。さらに奥壁には硬い技術系の本が集まり、左奥のほぼ倉庫のような暗い空間には文学全集や詩関連が少々並んでいる。硬さと軟らかさの差が激しく、その落差が不思議なお店。工業&土木的技術に興味が無ければ、戦争・アダルト・全集・歴史&雑本文庫に突破口を見出すべし。値段は安め〜普通。朝日ソノラマ「検証 ゴジラ誕生/井上英之」を購入。ここまで遥々歩いて来て良かった。今日、開いてくれていて、ありがとう!
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2012年10月09日

10/9埼玉・狭山ケ丘 古本ジャンク 夢屋

つい先日『買わなくてもいいか…』と思っていた本が猛烈に読みたくなり、「ほんだらけ 所沢本店」(2012/09/22参照)に急行する。目標の本棚前に駆け付け、アスペクト「貸本小説/末永昭二」を無事に購入する。…しかし何のツアープランも立てずに、本が欲しい情熱だけでここに来てしまった…そうだ、南口側に確か『古本屋遺跡』が二店残っていたはずだな。それらを記事にする思惑で、駅南口の箱庭のようなロータリーにたどり着き、左から回り込んで道路を渡り、小さな商業施設の敷地を突っ切ると、南西へ延びて行く商店の並ぶ道が出現する。そこをひたすらテクテク進んで行くと、道幅は少しずつ広くなり、やがて完全なる地元商店街『トコロード』となる。もはや地に沈まんとする夕陽が、鋭角に商店街を照らし出し、微睡むような幸福感を作り出している。およそ一キロ弱続くほのぼのとした光景の中間に、「中山書店」の遺跡が残っている。しかし何やらシャッターを上げられ、がらんどうの店内は内覧の真っ最中…ついに空きテナントの日々に終止符を打ち、古びた日除けが跡形も無くなってしまうのだろうか?そんなことを思いながら先に進む。
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そして商店街を踏破した横道に、もうひとつの遺跡があったのだが、こちらはボロボロの日除けをすでに撤去しており、古本屋の痕跡は何処にも残っていなかった。遅かったか…商店街に戻り、その商店街が尽きる『所商通り入口交差点』方向を見る。むっ、右手に何やら吹きだまっている予感が…これはリサイクルショップか。フラフラと近付いてみると、店頭に食器・バッグ・テニスボール・ゲームボーイ・ベルトなどがやる気無く置かれている。店名立看板にも、だらしなくカバンのようなものが掛かっている。そのまま店前を通り過ぎようとした時、立看板の裏に書かれた『古本ジャンク』の文字が目に入った!なにぃ〜!と店内に目を凝らすと、おっ!文庫が並んでいるじゃないか。
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即座にするっと店内に滑り込む。奥の帳場では、ガラの悪い川端康成のようなオヤジさんがふんぞり返り、「いらっしゃ」と小さく短く声を上げた。大きなスチール棚を両壁に備え、真ん中には木のテーブル。スカスカに雑然とした店内には、額・生活用品・雑貨・ベルト・履物・小家電などが安値で置かれ、右壁手前にDVDと音楽CD、そして奥の三段に文庫と雑誌が並んでいた。奥深く並んだ文庫が二段分、一段分は薄く横積みされた雑誌が並び、どちらも一律100円となっている。光文社文庫・角川文庫・集英社文庫・講談社文庫と、小説を中心に出版社ごとに固まっている。PHP文庫「都市の快適住居学/宮脇檀」を購入すると、オヤジさんは「ありがとぅ」と声を発し、もはやその接客は高倉健の域にっ!いやそれでも、この遺跡ばかりの、その遺跡も消えようとしている商店街に、古本が売っているのは、思いかけず嬉しいことであった。
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