2013年02月28日

2/28聖智文庫(店舗)にさよならを。

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昼過ぎに幡ヶ谷での仕事をソワソワと済ませ、電車を乗り継いで一路藤沢を目指す。本日、藤沢の名店であり、また“悪魔の古本屋”でもある「聖智文庫」(2011/02/06参照)が閉店してしまうのである。しかも閉店告知やセールは一切行わず、最終日の今日まで普通に営業して、スパッと幕引き(私は店主・有馬氏より事前に知らされていたのだが、それでも何人かの方から閉店情報のタレコミがあった。情報とは駆け巡るものなのである…)!お店の向かいの、もう一年以上も閉店セールをしている「葉山古本店」(2011/02/06参照)に比べたら、あまりにも電光石火過ぎるアクション!そんなことを思いながら店先にたどり着き、店頭ワゴンをしっかりチェックする。その店先は『本日閉店』なぞ微塵も感じさせない、平常通りの仕様である。店内に進み、帳場で電話している有馬氏に目礼。ふぅ、この楽しいお店とも今日でお別れなのか…。3/14から始まる「湘南・古書まつり」の準備や、少しずつ進む閉店整理でダンボール箱が積み上がっていたり、括られた大量の図録が棚上に乗ったりしているが、本棚自体はいつもと変わらぬ状態である。多少感傷的になりながら、最後の棚を楽しもうとポケミスの棚に目を据えた瞬間、電話を終えた有馬氏が素早く動き、ヨダレの出そうな新入荷デザイン本をドサンとレジ台に積み上げた!即座にそちらに吸い寄せられ、一目惚れで購入を決意する。…あぁ、やはりここは“悪魔の古本屋”であった。しかし、こんな実のある甘言を、最後の最後まで放って来るなんて。重いアート紙大判の古本に、くるくると酔い痴れる時間が過ぎて行く。さらに圧巻だったのは、デザイナー河野鷹思のデザインイラストが出現したこと!ポスター用に制作した、カラートーンのようなもので描かれた魚のイラストが、何枚も何枚も何枚も!目の前に展開する巨匠の実制作物のスゴさに頭の中がホワイトアウトし、そこにカラフルなデザイン魚たちが何尾も飛び込み泳ぎ始めている…。あまりにも興奮し『スゴいスゴい』をバカのように連発し、魂を奪われ眺め続ける私を哀れに思ったのか、『ダブってるのあったでしょ。それなら安く譲ってあげるよ』との、にわかには信じられない申し出が耳を打つ!大幸運な格安値にハラハラと落涙…もう藤沢に足を向けて寝られませんよ。これはもう“どひゃっほう”どころではなく、驚きと喜びを突き抜けてしまう“昇天”の域でありますよ…。あぁ、古本屋さんといつの間にか懇意になり、良いモノを安く譲ってもらえたりするなんて…こんな物語のような展開が、こんな古本屋さんの楽しみ方が、我が身に訪れようとは考えたことも無かった…。これで聖智さんでは、堀内誠一の直筆イラストに続く家宝クラスを手に入れたことになる。私はこの古本屋さんのことを、永遠に忘れないであろう!…とは言っても、確かにお店は畳まれるのだが、五月には近所に事務所店をオープンするそうなので、悪魔の囁きはこれからも元気に続くのである。だから私の散財も続くのである。有馬氏に今日の閉店について聞いてみると、もっと感傷的になると思ったが、意外にもサバサバしているとのこと。もはや心は次なる企みに飛んでいるのだろうか。最後に店内の写真を撮らせていただき、感謝の念を込めまくった握手をして、短い間楽しませてもらったお店とお別れ。五月になったら、早速事務所に飛んで来ます!美術出版社「アメリカのグラフィックデザイナー 第1集〜4集」「ヨーロッパのグラフィックデザイナー 1〜4」勁文社「樹液をすする。私は虫の女/戸川純」新潮文庫「天國の記録 街のルンペン/下村千秋」岩波文庫「正雪の二代目/岡本綺堂」を計一万円で購入。ギ、ギギギギギ…本が、重過ぎる…指の血が止まるぅ…。

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そしてこれが河野鷹思のデザインイラスト。私には池の中の錦鯉に見えてなりません。ニヤニヤ…。
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2013年02月26日

2/26神奈川・大船 ひまわり堂書店

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一時期チェーン系リサイクル古書店だけになってしまった大船に、新たな古本屋さんの花が開いていたことを、コメントにより知る。東口の階段を下ると、建物に南北に延びる歩廊がへばりついているので、まずは南へ。モノレール駅の改札前も通り過ぎ、道路の上を渡ってから地上に下りる。そのまま通りを南に進み、途中の古本屋さん的店構えの新刊書店(誰が見てもそう思うのか、ドアに『新刊本のみ ※古本はあつかっていません』とわざわざ書かれていた)を覗き込みながら、モノレールの架線が大きくカーブして行く『交通広場前交差点』に立つ。道なりには進まずに、西南へ進路を変える。横断歩道を渡ってモノレールの下を潜り、横須賀線の踏切へ。ほぅ!右手には陶磁器のような白さを持つ大船観音の凛々しい姿。踏切を渡って、線路下の小さなトンネルを潜って歩き続けると、小さな川の横に建つ古本屋さんへとたどり着いた。軽やかな新建材の新しめなお店である。大きな『古本』看板の下には店名看板があり、店頭には一冊三十円文庫が三箱並ぶ。店内は静かで小さくごちゃついている。入った所は横長なフロアで、左奥には暖簾で区切られたアダルト部屋が続いている。帳場がアダルト部屋との境目にあり、ニット帽を目深に被ったサイボーグ004・ハインリヒ風男性が店番中である。壁際はゴタゴタと本棚が続き、フロアに横向きに背中合わせの棚が二本置かれている。通路はかなり狭めとなっている。入口付近は漫画雑誌・廉価コミック・コミックで占められ、第一通路にもコミック、手前側の壁棚が途中から宗教・ミステリ&エンタメとなり、右壁にBLノベルス・ハーレクイン・ノベルス・選書が並ぶ。真ん中の通路は、手前がコミック、奥が美少女文庫・ラノベ・教養&雑学文庫・女流作家文庫となっている。最奥通路は手前が日本文学文庫で、奥の壁棚に性愛・新書・『日本の文豪』文庫・時代劇文庫・ビジュアル本が並ぶ。基本は小さなリサイクル古書店ではあるのだが、値段が安く、文庫は分け隔てなく100〜300円。そしてその中に面白うそうな本がちょこちょこと!講談社大衆文学館「真説・鉄仮面/久生十蘭」ちくま文庫「三文役者の無責任放言録/殿山泰司」「猟奇文学館3 人肉嗜食/七北数人編」新潮文庫「アウトドア・ライフ入門/小林泰彦」学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」(今月早くも三冊目だ…)を購入し、大船観音に見守られながら駅へ引き返す。

さらに横須賀線で先へ進み、東逗子で「古書 海風舎」(2010/09/25参照)。店頭台を見ていると、お店にひとりの男性が飛び込んで行く…店主じゃないか…開けっ放しで買い物に出ていたのだろうか?続いて埃っぽく荒れた店内に入り込むが、相変わらず充実している詩集の森に興奮する。講談社「殿山泰司のミステリ&ジャズ日記」文学散歩友の会事務局「文学散歩15」を購入する。共に500円で、帯付きの殿山泰司本がこの値段なのは非常に喜ばしい。

さらに横須賀に出て、徒歩と京浜急行で「港文堂書店」(2010/05/08参照)も。ちくま文庫「鉄道廃墟/丸田祥三」集英社文庫「虚名の鎖/水上勉」を計700円で購入し、後はいつも通りにご婦人店主とおしゃべりタイム。今日は『港文堂書店の歴史とその生活』『山の多い横須賀地区本買取の厳しさ』などを楽しく拝聴する。気が付けば、寒い外には夜の帳。いつものことではあるのだが、神奈川県東部をぐるっと大回りして、私は一体何をしているのか……いや、判っている。楽しく古本屋さんを、巡っているのだな…。
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2013年02月25日

2/25東京・神保町 Bohemian's Guild

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凍りそうなほどの夕方の神保町。店頭台をハシゴしていると、身も心も本当に凍り付いてしまいそうになり、鼻水を少々垂らしながら、慌てて『すずらん通り』東側から進入して50m。右手コインパーキングの横に建つ、シックなお店に救いを求める。池袋「夏目書房」(2008/07/05参照)の係累店である。焦げ茶のビルの一階店頭は白い日除けに守られ、柔らかな光を放つ店内を背後に、左に安売り児童文学棚・コミック棚(山本直樹&森山塔が充実!)・雑誌&大判本棚、右に単行本&美術雑誌棚・300円以下単行本五冊1000円棚などが展開している。毎日店頭で重い本の束を抱えているオヤジ人形に挨拶をして、店内の暖かさに包まれどうにか息を吹き返す。細長く奥深く、天井の高いシックでウッディな空間。左右の壁棚も真ん中の背中合わせの棚も、大判な美術本に対応出来るボックス棚となっている。入口近くにはラック棚が四台展開し、右では博物学・風俗・魔術・シャーマニズム・政治・映画、左では「それいゆ」などを収めている。長い通路には若い女子客が多く見られ、皆熱心に大きな本を開いて視線をページに落としている。左側からまずは奥に向かって進んで行くと、壁棚に美術&デザイン雑誌・海外美術作家の作品集&図録類・絵画芸術論・バウハウス・ダダ・シュールレアリスム。向かいにはカルト&アート系コミック・デザイン・イラストレーション・ファッション・建築・写真集と並んで行く。美術にひたすら特化しており、美しく壮観。奥の二階への階段と、帳場にいるモニターの明かりを眼鏡に映す青年の横を通り過ぎて右側通路へ。入口側から壁棚に現代思想・海外文学・幻想文学・日本美術作家・日本美術全般。向かいに映画・音楽・浮世絵・江戸風俗・版画・工芸・陶芸・ガラス・人形・彫刻と並ぶ。背の高い崖のような棚たちは、上下に大判の作品集や図録を集め、中段辺りに単行本を並べる構成である。良い本が多く集められており、とても見応えあり。しかし元々定価の高い美術系本の宿命で、値段はしっかりな高めが多くなっている。見かけた欲しい本を買うには、どれもちょっとした覚悟が必要となるのだ…散々棚に目を凝らし、比較的値段の安い一冊、幻想文学出版局「幻想文学39 大怪獣文学館」を購入。そしてそのまま二階への階段をそっと上がって行く。壁は多数の有名作家の版画や、写真のオリジナルプリントで豪華に飾られている…ぬぉ、菊池玲司の版画作品が!二階は煙草の匂いが漂う、ギャラリーのような財宝的空間!入口左横にはガラスケースで囲まれた作業場があり、三人の男女がパソコンを睨んでいる。ガラスケース内には貴重な初版本や書簡類。私はケース上に飾られた、真鍋博の生イラスト原稿にしばし釘付けとなる。フロアは本棚やガラスケースに取り囲まれ、初版&限定&署名本(多くが二冊ずつ並ぶ)・洋書・竹久夢二版画&装幀装画本・土門拳オリジナルプリント・藤田嗣治版画・プレミア写真雄・短冊・直筆原稿などが、当然の如くひしめき合っている。真ん中には巨大な木製のラックがあり、明治期本や大判の作品集類。棚下やケース下には、額装された作品が重なり立て掛けられ、これらもすべて有名作家の作品…蹴つまずいたらと思うと、背筋を悪寒が駆け抜けて行く。「小宮山書店」(2010/05/06参照)四階や「玉英堂書店」(2010/10/31参照)二階と同質の緊張感をたっぷりと味わう。盗み見るように素早く楽しみ、取り返しのつかぬ粗相を起こす前に、静かに静かに脱出する。
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2013年02月24日

2/24埼玉・北浦和 古書あざぶ本舗 キタノリヨウバ

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駅のホームから営業状態を確認出来る「野出書店」(2009/12/19参照)。改札を抜けた後の無駄足を回避出来るのが、嬉しい立地条件である。良し、営業中だ。階段を駆け上がって改札を抜けて、折り返して階段を下りすぐにお店の前。横積み本の多い店頭に視線を巡らしてから中に入ると、あぁっ!物凄くキレイに整頓されている!通路は通り易く、本棚は見易く!三年の間に一体何があったのか…?しかし今日は「野出書店」を楽しみに来たのではない。二階の棚を借りて本を並べているはずのネット古書店「古書あざぶ本舗」を見に来たのである。入口左横の小さな帳場に収まる店主は、相変わらずナゾの仲間たちに取り囲まれ、話し掛けられまくっている。一階の本棚にたっぷりと惹き付けられた後、奥の階段で二階へ…うわっ、ここもすっかり整理整頓が行き届いている。それは二階も同様で、カオスがすっかりコスモスとなり、大きな窓から清々しく路上を見下ろせる状態!うむぅ、あの大量の本たちは、何処に運び出されて行ったのだろうか…。そして目指す本棚は南側一面の本棚であり、「キタノリヨウバ」と名付けられていた。六本の本棚と足下にズラッと並ぶ十五の箱。100均文庫・新書・ビジュアルムック・日本近代文学・歴史・戦争・世相・風俗・詩集・70年代文学・HOW TO本・社会科学…茶色く古い本も頻出する。アカデミックな並びにも見えるが、合間合間にネジの緩んだ本を含んでいる。そしてど真ん中ストライクではなく、クサいコースを突いて来るラインナップ。値段は安め。ボール球に手を出すように、一冊を棚から抜き出す。そしてそれ以上に「野出書店」の棚からさらに三冊。一階に戻って、ナゾの仲間をかき分けて精算をお願いする。「あざぶ本舗」で河出新書「鎌倉歴史散歩/大佛次郎編」を。「野田書店」で草思社「配色の手帖/堀内誠一」東京書籍「薔薇の記憶/宇野亜喜良」平凡社新書「サンカと三角寛/礫川全次」を計600円で購入する。
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2013年02月23日

2/23愛知・井原 第一ブックセンター

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様々なくびきを断ち切って、逃亡するようにして東京を離れたら、いつの間にか豊橋に。東口に出て、空中広場から直接路面電車(豊橋鉄道市内線)の始発駅へと下りる。すぐに新型の車両が滑り込んで来たので、150円を払い座席に腰を落ち着ける。路面電車にあるまじき力強い加速で走り出したかと思ったら、そのまま結構なスピードで市内を走り抜けて行く。イスラム様式の市役所や、古い民家の軒先や、架線で区切られた青空を見上げていると、古い時代の裂け目に落ち込んだ錯覚に襲われる。電車はほとんど住宅街の中まで入って行き、二十分ほどで目的の電停着。電車のお尻を見送り、道路中央の狭い島に立って、しばらくは信号待ち。『井原電停交差点』から、分岐する軌道に沿って南へ進む。200mも進んで次の信号が見えたら、左手に白い古本屋さんが見えて来た。大きな下見板張り風のお店は、青いプラ日除けを持ち、二階は住居となっているようだ。広めの駐車場を備え、複数の看板も設置し、中規模のリサイクル古書店な風貌である。が、角に造られた手動扉をスライドさせると、そこはちょっと広めで雑然とした古本屋さんであった…心の中で思わずガッツポーズ!奥の鏡の壁をバックにした帳場には誰の姿も見えないが、しばらくしてご婦人が「いらっしゃいませ」と現れ、すぐに白髪の大木こだま風店主へとバトンタッチ。その店主も柔らかな声で歌うように「いらっしゃ〜い」。壁面は本棚で、右壁にガラスケースを備えた長い帳場がある。フロアには背中合わせの本棚が手前と奥に置かれ、左壁には逆“コ”の字で造られた小空間が三つ連続している。そして入口付近には、未整理本の山々…もはや私には見慣れた光景であるが、後から入って来たお客さんは「うへ〜、こりゃすげぇな」と思わず口に出していた。入口右横は、実用・選書・ノンフィクション・ムック類が集まり、途中からゲームソフトの棚に変貌する。棚下にはみっしりとゲーム攻略本の姿。向かいにはミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫が収まり、下にはアダルト雑誌が平積みとなっている。中央通路はアダルト・美少女コミック・コミックで、最奥は通路棚に映画・文学評論・思想・渡辺華山・将棋・囲碁・新書・日本文学・句集が並ぶ。奥壁は植物・自然・トヨタ関連・全集・音楽・宗教・澁澤龍彦・美術・工芸・趣味・民俗学・三島由紀夫・雑本的文庫棚・戦争・美術と並び、斜めに帳場の後ろに回り込んで行く棚には静岡・東海関連の本が学術書を中心にビッシリ。入口左横からは、箱入本・戦争・大判ビジュアル本がまずは並び、小さな岩波文庫棚を経てコミックゾーン、最奥に日本純文学文庫と絶版漫画が揃って行く。絶版漫画は少年漫画以外にも劇画が充実!粒揃いで見応えがあり、しかも安いとは!思わず大量購入しそうになるが、自制してどうにか切り抜ける。全体としては、ほどほどに古い本があって楽しめる展開。安めなのが嬉しいが、良い本にはちゃんと値付けされているものも。なんだかんだで六冊を手にして、微妙に古いゲームソフトで固められた帳場へ。「ハイ、ありがとう」と軽やかに精算していただく。甲文社「寺田寅彦の追憶/中谷宇吉郎」桃源社「ロスト・ワールド(前世紀)全/手塚治虫」角川文庫「乳房喪失/中城ふみ子」(これが本日一番の収穫か!)新潮文庫「暢気眼鏡」「虫のいろいろ」共に尾崎一雄、学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」を購入。

腹を空かせながら駅まで路面電車で引き返し、西口に抜けて二年半ぶりの「東光堂」(2010/08/26参照)も。UP選書「分裂病と人類/中井久夫」カラーブックス「食虫植物/山川学三郎」「混浴温泉/藤嶽彰英」を計600円で購入し、今回は早口で愛想の良いおばさまと世間話を少々。お店が雑然としているのを、しきりと照れているのがプリティーであった。
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2013年02月22日

2/22目録ツアー・イン・ジャパン!

仕事の返事待ちで時間は空いているのだが、即時対応が求められるため、自宅仕事場に囚われの身…どうやら今日は外出出来そうにないのである。そこで机上に二冊の薄い冊子を取り出してみる。つい先日ヤフーオークションで手に入れた、古書店の目録である。「鶉屋書店」(落札価格1000円)と「古書目録 加藤京文堂2003.3 特集:書肆ユリイカ本&昭和期詩集」(落札価格1300円)。すでに二店共現存しないお店で…つまり古本屋狂いの私としては、ぜひとも手に入れなければならなかった古本屋グッズなのである!このようにに閉店してしまったお店に、思いを馳せる方法は色々ある。『その古本屋について書かれた文章を読む』『行ったことのある人の話を聞く』『過去の古書店地図で想像する』『古本に貼り付いたままの古本屋ラベルや書皮から妄想する』(2012/12/12『追憶!上野文庫』参照)。そして『目録でお店の一部を味わう』であろうか。またこれらをすべて統合すれば、より強力な在りし日のお店の姿を脳内に築くことが、可能となるはずである…。

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一冊目の「鶉屋書店」。JR日暮里駅近く、谷中の『初音小路』の入口にあった、文学書に強いお店である。店主と共に半ば伝説と化しており、ちくま文庫「古本屋群雄伝/青木正美」日本古書通信社「ある古本屋の生涯 谷中・鶉屋書店と私/青木正美」(読みたいのだが今は高値に!)ちくま文庫「古本屋おやじ/中山信如」弘文荘「鶉屋書店飯田淳次氏の仕事と人/反町茂雄」など、多くの著書にその業績や人となりが描かれているのだ。つい先日の『古書散歩』で、「ことのは書林」さんよりいただいた小冊子「ことのは第二号」には、吉本隆明氏が寄稿した『鶉屋書店の想い出』と言う貴重なエッセイが載っていた。目録は、A5より一回り小さい135mm×198mmで赤と黒の二色刷り。製本はされておらず、二つ折りの紙が六枚重なり本の形となっている。裏表紙の小文を読むと、お店の改築を期に出されたものらしい…何処にも年月日が書かれていないな…。一ページに九冊が並び、二十一ページに百八十九冊が掲載されている。並ぶのはすべて日本の詩集で、明治十五年から昭和四十六年までを、年代順に美しく時代の代表作やエポックメイキングな作品を集めている。むぐぅ、壮観。日本の詩界の夢のオールスターではないか。
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新開店より三日間、この全ての本をお店に展示していたらしいのだが、入った瞬間に身がすくんでしまうのは必至であろう。人間が作った物に、人間が脅かされる恐ろしい空間!値段は五桁六桁が中心…さ、さらに恐ろしい…。ちょっと退屈なので、すべての本の値を合算してみると、一千九百六十四万一千円となった…重ねて恐ろしい…。さて、この中から真剣に懐と相談して、買う物を選んでみよう…六桁は当然無理。それでもかなり思い切らないとどれも手に入らぬのだが…。おぉ、ボン書店の本が三冊載っている。この中から一冊選び「童貞女受胎/山中散生」を三万五千円で買ったつもりになろう!…はぁ、欲しい。ちなみにこの目録の発行年が知りたくて色々検索してみると、林哲夫氏のブログ『daily sumus 2004/02/05』にその記述があった。氏所蔵の目録と、本の値段や体裁が同じなのである。昭和五十三年発行とのこと。

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二冊目の「古書目録 加藤京文堂2003.3 特集:書肆ユリイカ本&昭和期詩集」。私は勉強不足でこのお店については全く知らなかった。以前は「阪急古書のまち」に入っており近代文学初版本&限定本や美術書で名を馳せていたとのこと。現在お店は同じ場所で「京文堂」と名を変え、ギャラリーとして営業中。目録はA5版の横位置で、表紙は四色刷り、本文は一色刷りである。六十一ページに、左右どちらかに書影(五〜六点)が入り、その向かいに二十七点の本が列記されている。
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『書肆ユリイカ刊本(さらに『雑誌・全集・双書』『詩論・詩劇・詩画集・創作・戯曲』『詩集』『句集・歌集・童話・漫画』と分けられている)』『昭和期詩集』『H氏賞本』『江川・野田刊本(江川書房・野田書房)』『室生犀星本』と分類され、計七百五十三冊が掲載。ユリイカと昭和期詩集の特集は圧巻!モノクロとは言え、様々な詩集の書影が見られるのは、とてもワクワクすることである!何点かの書影が、カメラのフラッシュでテカってしまっているのが、惜しい所ではあるが…。岸田衿子の「ライオン物語」が一万五千円…欲しいなぁ…はっ!創元社「詩集 四千の日と夜/田村隆一」が一万八千円だと!こりゃ安いでしょう!これ、これを買います!買ったつもりになります!

などと本日は目録で虚しくツアーをしてみました。明日こそは実体を持った古本屋さんへ行きたいものである…。
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2013年02月21日

2/21東京・吉祥寺 bookunion 吉祥寺店

昨日は聖蹟桜ヶ丘にて、『Kサロン 古書散歩』なる小規模の勉強会に招かれる。主催者の方は京王電鉄のOBで、会員は主にネット古書店の方たちである。十人を前にして、大いに緊張しながら一時間半を、ほぼ古本屋について拙く話す。皆、私より年上の、人生の大先輩たるナイスミドル&古本紳士ばかりだったのだが、当ブログをしっかりと読まれており恐縮。中には、店頭販売や事務所の前まで行って断念したことのあるお店の方もおり、さらに恐縮。…しかし不謹慎ながらも、少しだけ若手演歌歌手の気持ちが味わえたような…。とにもかくにも、人前で話すのは相変わらず苦手だが、古本屋さんについて話すのはとても楽しい。会員の皆さんとの交流が、刺激的で幸せなひと時であった。

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そして本日は吉祥寺に出て北口へ。ロータリー左脇から北に延びて行く巨大アーケード『サンロード』に入り、北にそのまま人波をかき分けて進み、一本目の大きな脇道、屋根の無い『元町通り』を西に入ると、左手にすぐ『吉祥寺パレスビル』と言う、ちょっと古臭いショッピングビルが現れる。この建物右端の階段から二階に上がると、目の前には早速本売場が広がっていた。『diskunion』の本屋版、御茶ノ水店(2011/06/27参照)、新宿店(2011/11/10参照)に続くお店である。まずは『映画秘宝』系ムックの本が面陳された平台が目を惹き、左壁と正面壁にはオイルびき木材の本棚が張り付いている。天井との間には、本の表紙が拡大コピーされ装飾となっている。また、後ろの階段横の本棚と、それに続く壁棚と同材の二本の本棚にも本が収まっている。後は広大無辺なCD売場が続くのみ…。壁棚は左から、映画・ジャズ・フュージョン・オーディオ・ジャケデザイン・バンドスコア・ブルース・ワールド・テクノと正面壁まで並んで行く。足下の棚下平台には、壁棚と同ジャンルの話題本とヒップホップ。階段横に移動すると、そこは新刊の音楽関連文庫がズラッと集まり、通路棚はブリティッシュロック・アメリカンロック・ロック評論が迎え撃つ。その裏にはA5音楽雑誌・プログレ・メタル・パンク(竹中労も含む)。さらに歌謡曲・昭和・J-POP、最後にアングラ・東京・サブカル・現代思想・伊丹十三・本の本特集となっている。新刊がメインで、間に混ざる古本は1/5ほどか。なのでほとんどサブカル系の新刊書店と言った感じになっている。並んでいる本は尖っているのだが、そればかりが揃っていると、尖りが鈍くなって行くのは何故であろうか?新刊が多いからなのか?危険なようで危険でないのが、何とももどかしく思えてしまうのである…まぁ私がムダに年を重ねているのもひとつの原因なのであろうが…。ele-king books「しくじるなよ、ルーディ/二木信」(新刊)を購入。
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2013年02月19日

2/19降雪と拝受

ヒラヒラと雪が舞い散る中を「盛林堂書房」(2012/01/07参照)に赴き「フォニャルフ」にドッサリと古本を補充する。そして楽しみにしていた、コロボックル書房「【私家版復刻】だれも知らない小さな国/佐藤さとる」(新刊)を購入。自費出版で出した童話の復刻出版であるが、これもまた私が追い求める“佐藤暁”なのである。さらに春陽文庫「おてんば娘日記/佐々木邦」「奇蹟のボレロ/角田喜久雄」をサービス価格の500円で購入。さらにまだ行けるかどうか微妙な、日曜日の西荻ブックマーク『「草子ブックガイド」のつくり方』のチラシをいただく。そしてさらに!店主からそっと渡された、一塊の未知の方からの預かり物…それを抱えて、再び雪の中を家へと戻る。

その預かり物…いや私への贈り物は、使用済みの封筒に詰め込まれた、あらゆる版型の小冊子類が十三冊……うわっ!これ、全部古書店地図じゃないか!しかも見たことのない、様々な支部や組合が発行した簡素な造りの物ばかり!ひょ〜ぅ。
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表紙の取れてしまった西東京電車路線別の地図(年代不明だが、ページ下の無記名『古本屋ひとくちメモ』蘊蓄が華麗に面白い。『「小さな町」の作者シャルル・フィリップはパリの市役所の役人であったが、彼はセーヌ河畔の古本屋を監督する仕事をしていた』など。他の記名のある記事より、文章がとてもスムーズで蘊蓄加減が絶妙なのである。良く見ると編集の中に出久根達郎氏の名が…怪しい…)・「東京南部地区 古書店地図帖」(1998)・「かながわ古書店地図帖」(1993)・「世田谷 小田急・京王沿線【ふるほんマップ】」(1995・1996)・「中央線古書店地図」(2004)・「埼玉県古書店地図」(1994)・「群馬県古書店地図」(2002)・「みやぎ古書店地図」(1988)・「北海道古書店ガイドマップ」(1998)・「古書マップ 愛知・岐阜・三重」(1997)・「京都古書店巡り」(1996)・「大阪古書店案内」(1998)…これはスゴい!1988〜2004の古本屋業界を伺える貴重な資料である。埼玉と京都の本は店舗の外観や店主の写真も掲載されており、その微妙に古い写真群が探究心にビシバシ鞭を振るう。ページを捲り続けると、現存する古本屋さんと、すでに退場した古本屋さんの共存した地図が、夢のような世界を出現させているではないか…しかしこれは、かつて本当にあった光景なのだ。たった十年二十年前なのに、この激変っぷりは凄まじ過ぎる。あぁ、この古い地図群を基にして、把握していないお店の消息を確かめる日が、どうやらまた始まりそうだ。

それにしても、地図には細かく定休日や営業時間帯や閉店情報や気になった本や訪問日などが、所々に書き込まれている。地図のへたり具合と合わせ、これを使っていた方が日々足繁く古本屋さんを訪ね歩いたことが、ジワジワと伝わって来る。同封されていた手紙を読むと、この貴重な贈り物をくれた方は何と古稀を迎えた“古本紳士”であった。当ブログを読まれており、今も元気に古本屋巡りを楽しみとしているとのこと。感謝感激しながら、喜んで拝受させていただく。ありがとうございました!古本屋の幻影を追い求めるのに有効活用させていただき、将来『国立古本屋博物館』が建設されたなら、第一級の資料として寄贈する所存です!

古本屋さんに血眼になっていたら、こんな不思議な素敵なことが起こってしまった。なのでこれからも、古本屋血眼主義で、未踏の古本屋を目指して突っ走り続けます!
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2013年02月18日

2/18長津田でさようならYB!

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タレコミで神奈川・長津田『マルエツ』内のフロア古本屋さん、「ヨコヤマ書店」(2012/03/14参照)が二月一杯で閉店することを知り、遅刻してなるものかと大慌てで駆け付ける。ビル内ではどのお店も、売り尽くしセールの真っ最中…ああ、これは『マルエツ長津田店』自体が閉店してしまい、それに伴う立ち退きと言うわけなのか…。赤札が乱舞する店内を三階へ上がると、古本屋さんはフロアの中央に、以前と変わらぬ乱雑な姿を晒していた。ここには赤札ではなく、各棚やワゴンに手書きのセール札がベロンと下げられている。『本全品半額』『このコーナー半額スタート』『半額スタート 残り13日』『105円→75円』など。今まで105均だったものが75円となり、『YB(ヨコヤマブックス)』のラベル値札が貼られたものは半額ということらしい。お店は少しだけ形を変えており、フロアの周囲を多くの半額ワゴンが取り巻いている…あれ?創元推理文庫の棚が、全部時代劇文庫棚にすり替わっている…むぅ?もしかしたら良さげな本たちは、すでに引き上げてしまったのだろうか?だとしたらあまり買えないかも…少し不安を覚えながら、とにかく棚に齧り付いて行く。しかしそんな心配をよそに、一冊ノベルスを手にしたならば、後は順調に腕の中に古本が飛び込んで来る。それにしても、比較的気軽に来られたミニミニ「古書モール 竜ヶ崎」(2009/12/26参照)とお別れしなければならないのは、とても寂しいことである。このようなユルい精神の遊び場が、生きて行くためにはとても必要なのだ…。レジには相変わらず外国人のお姉さんがおり、淀みなくセール値段で精算してくれる。カッパノベルス「過去からの狙撃者/鷲尾三郎」思潮社「吉岡実詩集」角川文庫「モダン殺人倶楽部」「骨まで凍る殺人事件」集英社文庫「文豪の探偵小説/山前譲編」ちくま学芸文庫「重力と恩寵/シモーヌ・ヴェイユ」文春文庫「古本屋探偵登場/紀田順一郎」カラーブックス「鉄道模型」を合計1280円で購入する。さようなら、長津田のYB!あぁこれでまた、横浜線の古本屋砂漠化が一歩進んでしまった…。
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2013年02月17日

2/17神奈川・鎌倉 新装!古書籍 藝林荘

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午前中に家を出て横須賀線に乗り込み、正午過ぎに鎌倉着。どんなに空気が冷たくても、観光客でしっかりと賑わう古都に入り込み、まずは『神奈川県立近代美術館 鎌倉』で開かれている『実験工房展』を観に行く。先端・難解・滑稽・SFが横に並んでいるような、尖りに尖った活動の記録。予想通りに敬愛する北代省三の展示物が多かったので、やたらと興奮する。天井から吊り下がったモビール『シーラカンス』に、こっそり息を吹きかけて動かし喜び、しばし酸欠で立ちくらみになる。

図録を購入して館を後にし、ごった返す『小町通り』に入って新しくなった「藝林荘」(2011/06/06参照)をツアー。角地の店舗長屋が丸々リニューアルされており、全てシンプルモダンな平屋建築に変貌。「藝林荘」も例外では無く、黒い外壁がギュッと引き締まり、白い店舗部分が目に飛び込んで来る。路上には小さな100均ワゴンと、落語カセットワゴンが置かれている。左の大きなウィンドウの下には三段の壁棚があり、上に1冊500円2冊800円署名入り単行本、真ん中に署名入りでなくとも1冊500円2冊800円単行本、下に安売り美術図録&雑誌類が並ぶ。中は以前に劣らぬこじんまりとした空間で、右壁&奥壁に天井までの本棚、真ん中にはフロアの半分を占めるガラスケースと文庫棚、窓際下に本棚、左壁下に上がり框のような平台ディスプレイがあり、左奥にご婦人のいる帳場と背後のミニバックヤードと言う構成。スッキリとした分、以前より本が少なくなっているのかも…。右壁は署名本を中心に日本文学&日本近代文学(十一谷義三郎に龍胆寺雄「街のナンセンス」が!)・詩歌句・香り・茶道・美術・工芸・仏教。下段は大判の美術本が並んで行く。奥壁は謡曲・能・大衆芸能・自然・博物学。プレミア詩集・和本・版画・長谷川伸&谷崎松子直筆原稿などが飾られたガラスケース脇には、ちくま・中公・岩波・講談社学術などの文庫が収まっている。窓際は鎌倉&神奈川本で統一され、左の飾り台周りには和本・版画・浮世絵など。ジャンルは以前よりスッキリした感じ。値段はしっかり&普通だが、時々面白い本に隙を見せてくれるのが、何とも嬉しい限り。第一書房「ドノゴオトンカ/ジマルロオメエン 堀口大学譯」(昭和三年版で函無し)を購入。

そのまま海方面にツラツラと向かい、「books moblo」(2011/10/10参照)へ。店内の賑わいを眩しく思い、ささやかなイベントを開いているテキスタイル作家さんと、仲良く帳場に座った奥さんにご挨拶。店主・荘田氏はすっかり回復し、今はお店にも出ているとのこと。良かった。ダヴィッド社「組写真をどう作るか/田中雅夫」を1270円で購入する。さらに「公文堂書店」(2010/03/28参照)にもブラッと立ち寄り、学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」講談社大衆文学館「蠅男/海野十三」を計690円で購入。

せっかくここまで来たのだからと、由比ガ浜まで海を見に行く。トンビが頭上でバトルをし、夕陽が山に落ちかけた寒い砂浜…か、帰るとするか。
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2013年02月16日

2/16東京・東青梅 青梅多摩書房

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何度かチャレンジして(2009/05/24 & 2009/12/06参照)入ることの出来なかったお店である。そのうちに店売りは辞めたとの情報も入ったりして、いつしかツアーするのを諦めていた。だが先日、古本神のひとり、ミステリー評論家&翻訳家の森英俊氏から連絡があり『お店を見せてもらうので、一緒にどうか』と、身に余る光栄なお誘いをいただく。一も二もなく同道をお願いし、青梅行決行となった本日、中央線特別快速車内で落ち合って、時速80キロで西へと向かった。ここでもうひとりの同道者、ミステリやSFに強いオンライン古書店「古書あやかしや」さんと初めて顔を合わせる。そんな強力なお二人に挟まれ、光栄ながらも緊張して東青梅着。風の強く冷たい南口に出て、何度もお店の前まで行ったことのある私が先導して歩き始める。駅前から西南に進み、ひとつめの交差点で南へ。するとフェンスに囲まれた『青梅総合高等学校』が現れるので、グラウンド脇の細道をそのまま真っ直ぐ南へ歩き続ける。奥まで進み切ると、そこは太古の多摩川の流れで造られた河岸段丘の崖の上。眼下に広がる街を竹薮の向こうに眺めながら、左上から右下へかなりの急坂を下り切る。崖下には『青梅街道』と接する『千ヶ瀬二丁目交差点』。横断歩道を南に渡って、ローソンと信用金庫の間の細道を西南に進み続ける。300mも進めば、広い駐車場の隣りに『古本』の文字を壁に掲げた、民家の如きお店がようやく見えた!二階家の横からポコッと飛び出した直方体の部分がお店なのである。正面には現店名とは違う「古書多摩書房」の看板。森氏がチャイムを押して、サッシ扉を開けて中に入って行く。それに続いて、『いよいよか!』と動悸を早めながらこちらも店内へ。壁一面が造り付けの本棚、真ん中には背中合わせの木の本棚、棚下には横積み本の列…昔の古本屋さんと言った時間を溜め込んだ感じが、脳髄を陶然と痺れさせ始める…小さな狭い空間だが、棚に並ぶ本はレアの列!波!洪水!何なんだこれは!天国か?俺は死んだのか?即座に私の感覚すべてが棚に釘付けとなり、ニット帽を被って半纏を着込んだ笑顔の爽やかな老店主との挨拶もそこそこに、全員店内に四散する。一言も発すること無く、それぞれに棚に集中し、本の背をひたすら読み取って行く。視線が一冊一冊に引っ掛かってしまい、読み取り作業は遅々として進まない…が、楽しい!楽し過ぎる!入口右横には多摩の郷土本&資料本が並ぶが、右壁棚は児童読物・戦前児童文学・童話・戦争児童文学から始まり、60〜70年代ジュニアミステリ&SFの稀少なハードカバーが連続!講談社・ポプラ社・あかね書房・偕成社・岩崎書店…今でも充分感動してしまうが、子供の頃の自分に見せて定価で好きに買わせてあげたい…。向かいには60年代〜70年代推理小説・附録小冊子推理小説・貸本漫画・附録漫画。棚の最上段には、古い少年漫画雑誌や絵本がズラズラと並んで行く。左側通路は入口横に、山田風太郎・春陽堂日本小説文庫・探偵小説・日本近代文学。左壁は児童文学の少女小説・伝記・講談・カバヤ児童文庫・学習本。向かいは探偵小説をメインに推理小説や風俗本も…はぁぁぁぁぁ、欲しい本ばかりでもはや精神が耐えられん!顔のニヤつきもノンストップ!奥の帳場に相対する棚脇棚には、日本近代文学・探偵小説文庫・ソノラマ文庫・探偵&児童文学関連大判本。そして圧巻は、左壁棚奥の、香山滋ほぼコンプリート棚と探偵小説の嵐!ここは閉ざされた夢の空間である!まるで不純物の無い目録の中の世界である!長居すれば長居するほど、通路をグルグル回れば回るほど、欲しい本が無限に増殖して行く仕組みなのだ!現に森氏はすでに古本の山を築き、「あやかしや」さんも次々と本を手にして唸りまくっている。こちらとはまるでレベルの違う真剣勝負のオーラが、私の目には眩しいほどなのである。その私はと言えば、己をガチガチに抑制しまくり考えに考え抜いて、ついに三冊を厳選する。本に値段は書かれていないので(書いてあったとしても別のお店のものがそのままだったり、遥か過去のものだったりする…)、店主に値段を教えてもらい、さらに己と相談して購入と言う運びになる。ちなみに値段はしっかり値なので(でも隙もアリ!)、買い過ぎると大変なことになるのは必至である。勇気を奮って値を聞きつつ、まずは春陽堂日本小説文庫「巖窟王 後編/黒岩涙香」!前篇はすでに安値で(後編も通常より安値であった)手に入れているので、これで無事に揃いとなった!集英社「ジュニア版・世界のSF 宇宙船ビーグル号の航海/ボークト」は探していた一冊。さらに筑摩書房「落穂拾ひ/小山清」を!店内で二冊を発見し、カバーがちょっとボロく帯ナシのリーズナブルな方を選択する…う、嬉しい!大事にしよう。森氏は何冊と言う感じではなく、括りで一本と表現するのが相応しい買い方であった…お、恐ろしい。全員精算後、珈琲をふるまわれてしばし談笑…目はもちろん香山滋棚に釘付けなのだが…。
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店主の笑顔に見送られて表へ出ると、傾いた強い日射しとさらに冷たくなった風。楽し過ぎた店内を、脳内で何度も再生しつつ、崖を上がって駅へと戻る。買えずとも良いレアな本にたくさん触れられ、非常に勉強になった一日であった。あぁ、今すぐ引き返してまた棚を見続けたい…。
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2013年02月15日

2/15東京・阿佐ヶ谷 手しごとや 元我堂

午前中の早い時間から中野で仕事にかかり、テキパキ済ませて離脱する。そのまま北口の『ブロードウェイ』に当然のように立ち寄る。早速四階へと直行してみたが、おや?「まんだらけ」は営業開始が12:00からなのか…知らなかった。なので二階に下りて、まずは「古書うつつ」(2008/06/18参照)を楽しむ。創元社「明治大正詩選(上)/日夏耿之介」ちくま学芸文庫「デュシャンは語る/マルセル・デュシャン」を計750円で購入。

再び四階へと上がって、「MANDARAKE大予言&記憶」(2008/08/28参照)へ。扶桑書房「地上/島田清次郎」(青山二郎の装幀がプリティー過ぎる!)
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を手にして、狭く短い通路をうろついていると、一冊の薄いA5判の本が何故か目に止まった。太陽出版「ガラクタ屋放浪譚/伊東幸夫」…あぁっ!これは鷺ノ宮の『新青梅街道』沿いにあったナゾのお店、「古本・ガラクタ珍品 木屋」(2011/04/13 & 2011/10/20参照)店主の本ではないかっ!内容は『初出し屋』と称し、市場での買取ではなく、自らの足で個人宅を訪ね歩き、骨董品や懐かし物を掘り出して行く、ヨダレの出まくる成功話。そこには『大久保通り』、そして鷺ノ宮で店舗を開いた経緯も書かれており、心の中にちょっとだけ引っ掛かっていたお店について、ひょんなことから知ることが出来たのに感激してしまう。現在鷺ノ宮のお店は、残念ながら看板を下ろしてしまっているが、店主はまたガラクタを求める放浪の旅に出てしまったのであろうか…。もし何処かで、「木屋」と言う名のお店を目にしたら、ぜひ当ブログまでタレコミを!追跡調査いたします。計940円で二冊を購入。

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さらに夜。阿佐ヶ谷駅北口側にある、『旧中杉通り』を500mほど北に進んだ所にある「元我堂」。かつては「旅猫雑貨店」さん(2008/07/19参照)も店番をしていた古本屋さんであったが、その後はギャラリーとなり、さらに現在は古い戦前の器や新進作家の陶器を売るお洒落なお店となっていた。お店の名は継承されつつも、古本屋からは遠く離れて幾星霜…ところが!この器だらけのお店に、最近一本の古本棚がこつ然と復活していたのである!今は真っ白だが懐かしくもある店内に緊張しながら入ると、器が整然と美しく飾られた空間。その中にすでに馴染んでいる本棚は、右壁棚の入口側にこじんまりと光っていた。上二段に海外文学文庫と日本現代作家文庫を主とした100均。下二段にコミック・漫画評論・アート・サブカル。あまりにもささやか過ぎる古本棚ではあるのだが、その復活を大いに喜んで講談社文庫「この人を見よ/ニーチェ」を購入。

気分良く駅方向へと戻り、「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)。福音館書店「加古里子 絵本への道」岩波文庫「書物/森銑三・柴田宵曲」を計800円で購入し、寒過ぎる夜道を家へと戻る。
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2013年02月14日

2/14静岡・静岡 ブックスランド 安西店

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一日がポッカリ空きそうな気配を見せたので、もはや空いたこととして、今年早くも四度目となる静岡へガタゴト向かう…静岡に気軽に(決して経済的にはそうではない)行くようになってしまった我が身がとても恐ろしい…。まずは最近有望なタレコミのあったお店を目指す。そこは割りと最近出来たような、地元の人でないと気付かぬようなお店であった…しかし残念なことに閉まっている。看板が中に仕舞われたままの、暗い店内をガルルルルと唸りつつ眺め回す。やがて諦めて離脱…要再訪として、むむ、どうするべきなのか?駅に戻りながら考える。藤枝まで行き「焼津書店」攻めを…いや、まだ行っていない「ブックスランド」(2011/08/20参照)のもう一店があったはずだ!そう気付いて北口の地下道に入り、西北に延びる『紺屋町地下街』を踏破し、地上の『呉服町通り』に出てさらに西北へ一直線に歩き続ける。700mで繁華街を抜けると、通りは『茶町通り』と名を変えて、茶葉の問屋が並ぶ地域に突入する。そして駅からおよそ一キロで『安西通り』にぶつかるので、北東に曲がり込み交差点をひとつ越える。するとガストの隣りに古本屋さんが!路上には電飾付きの立看板。建物正面に回ると、デカ過ぎる『本』の看板文字の下に、暗いガレージの奥の奥にある店舗が見えた。その姿はほとんど問屋さんで、中々インパクトのあるビジュアルである。まずはガレージの中に“ザリッ”と踏み込んで行く。左壁にはコミック揃いが薄く壁沿いに積み上げられ、ちゃんと販売もされている。奥では量感たっぷりの本の山の向こうに、100均文庫棚がちょっとだけ見えている状態。右には小さなコミック棚や、二階への階段、大きな作業台が置かれている。奥の店舗に入っても、奥深さはまだ続いている。壁際は長くぐるっと本棚。縦長のフロアには胸高の背中合わせの棚が、縦に横に二本ずつ並び、長い三本の通路を造り出している。入口左横にラノベ棚があり、左壁にビジュアル本・映画・芸能・博物学・文化・文明・静岡郷土本・ミステリ&エンタメ・歴史&時代劇小説・歴史・戦争・ちょっと古い文学本・全集類・さらに古い本と並ぶ。下部には本が積み上がり、少し乱雑模様。向かいは実用・女性・サブカル・タレント・オカルト・スポーツなどが混ざり合う棚が連続し、新書・ノベルス・ハーレクインで終息に至る。真ん中通路は前半に日本文学文庫・岩波&中公文庫・雑学文庫・時代劇文庫・女流作家文庫が集まり、後半はコミックばかり。右端通路はほとんどがコミックで、手前の通路棚だけが100均文庫コーナーになっている。遠い奥壁はビジュアル本とコミック棚。何処までも雑本的な展開を見せるお店で、古めの本も良く紛れ込んでいる。しかし良さげな本には隙無くしっかり値が…「ブックスランド」系列店に、油断はないのである。右側手前の帳場で、モコモコに厚着した大柄なアート系男性に精算していただく。東京書房「女の匂いのする兵隊/平野威馬雄」文藝春秋「唐十郎血風録/唐十郎」を購入。

駅に戻りながら「あべの古書店」(2012/12/27参照)を経由すると、今日は「営業時間外セルフサービス」(2012/04/09参照)の日。一冊の本を買うことに決め、シャッターの郵便受けに百円玉を落とし込む。チャリ〜ン。潮出版社「新宿交遊学/山本容朗」を購入。
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さらに「水曜文庫」(2013/01/24参照)も経由して、弦書房「夢を吐く絵師・竹中英太郎/鈴木義昭」を1800円で購入する。よし、また来るぞ、静岡!
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2013年02月13日

2/13東京・根津 EXPO

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地下鉄の駅から風の強い地上に出て、『根津一丁目交差点』から『言問通り』を東北へ。日当りの良い通りは途中で坂となり、すぐに台東区へ突入する。坂の両岸に続く、お寺や煎餅屋や岩絵具屋を楽しみながら上り切ると『谷中六丁目交差点』。ここで東南にフラッと入ると、公園の先で路上に古着や古道具を流出させているお店が見えて来た。古本も置いているアンティーク&懐かし物雑貨屋で、2010/04/29「一箱古本市」の時にたまたま見かけ、いつかはツアーするかと頭の片隅に押し込めたまま、月日が過ぎ去っていたのである…ゴメンナサイ。赤いシンプルな看板と白い日除けの下、まずは店頭右側古着の裏に四段の古本棚が隠されている。コミック・吉川英治・古い教科書・古い雑誌・絵本・日本文学・「ガロ」・アート本など。放置され気味な感じで埃にまみれているが、値段はキッチリ付けられている。入口左側には美術図録やグラフ誌の並ぶラックもある。暗い店内に進むと、そこは懐かしの雑貨・民具・おもちゃ・古着などが複雑に編み込まれた、鬱蒼とした洞窟的空間!店舗は鍵の手に左奥へと延びて行く。物を倒したり引っ掛けたりせぬよう注意を払いながら、他の古本の気配を求めて店内を探索する。結果、手前右端のおもちゃ類&CDレコード通路に古い科学雑誌を、中央正面の夢の万博スペース下に万博関連本&そのパンフ類の並ぶラック、左奥の隠された壁棚に「ガロ」の列、それに絵葉書・観光地図の紙物なども。…奥はまるで怪人二十面相の私設美術館みたいだ…。アンティーク&懐かし雑貨の中にも古本が紛れる構成は、「20世紀ハイツ」(2011/12/15参照)や「Antiqueスピカ」(2010/06/26参照)と同じである。だから古本としてよりは、アンティーク雑貨の一部として扱われているのだ。学研「ポケット採集図鑑 岩石・鉱物」とベークライト製のダックスフントの文鎮を購入。

坂の下へ戻り、ブラブラと『へび道』入口の「bangobooks」(2011/07/28参照)を訪ねる。右奥の棚の面陳から見つけ出した、第二書房「バタヤ物語/梶大介」に心をキュッと掴まれる…しかし値段は3000円か…高い…やめとくか…。と思いつつも、本文の一行目『赤羽行の終列車が、地軸を激しくゆるがせて去った後〜』と言う書き出しを目にしたら、もう欲しくて読みたくてたまらなくなってしまった。一度本を棚に戻し、その前で腕組みをして、心の中の古本修羅と生活者たる私を対決させてみる………結果は古本修羅のTKO勝ちであった。3000円と引き換えに、古い新書サイズの本を手に入れる。さらに「古書ほうろう」(2010/09/23参照)にも立ち寄ってみるが、あぁ、水曜は定休日か…。

帰りの電車内で早速「バタヤ物語」を紐解いてみる。題名通り“バタヤ(屑拾い)”が主人公の、全く持って冴えない小説なのであるが、読み始めると面白くて止まらない!…ふぅ、やっぱり買って良かった。
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2013年02月12日

2/12遅ればせながら「なごやか文庫」初売り大古本市へ

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三連休は東日本を駆けずり回っていたので、十日から「なごやか文庫」(2012/01/10参照)でスタートしていたこの古本市のことを、見て見ぬフリをしていた…去年の初日(2012/02/05参照)は大収穫だったな…。なので遅ればせながら、勝手に本日初日の心づもりで、開始時間前の午前九時五十分に東村山。会場に着くと、平日の午前中と言うのにすでに開場待ちの人々の姿が…まぁ人のことは言えないのであるが。すぐに十時になると共に、だらっと市がスタートする。人が疎らな広い会場を、こちらもダラッとゆっくり巡って行く。古本修羅バトルなど何処にも起こらない、静かで平和な古本市である。およそ四十分で十三冊を、この腕の中へ。春陽堂文庫「號外/國木田独歩」新潮文庫「暢気眼鏡/尾崎一雄」APN出版局「戦略防衛構想SDI 宇宙空間の迷い/ゲンナジー・ゲラシモフ」(アメリカのSDI計画をソ連側が語る小冊子)学研ビジュアル新書「東京今昔歩く地図帖/井口悦男・生田誠」ネスコ「マルベル堂のプロマイド」現代思潮社「シュールレアリスム宣言/アンドレ・ブルトン」出版社不明「JAZZ.JAZZ JAZZ」(ジャズ曲の古いスコアブックである)文藝春秋「ロック豪快伝説/大森庸雄」創元社「大痴芋銭/齋藤隆三」(裸本)東方社「女の幸福/藤沢桓夫」(裸本)学研「信長と秀吉 関ヶ原の決戦/池波正太郎」すえもりブックス「橋をかける/美智子」ノーバス「ポップアップ ゴジラ伝説」を合計2420円で購入(相変わらず安い!)。市が始まって三日目なので、あまり拾えないだろうと思い、さらにそんなに買わないようにしようと思っていたのに、古本を前にしてしまえばいつも通りのこの体たらく…なんだ、まだ午前十一時だ。この市は17日まで。

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あぁ、核実験のせいでゴジラが誕生してしまった…。
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2013年02月11日

2/11長野・上諏訪 くらもと古本市

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『スリーデーパス』三日目。今日も冬山を眺めながら、中央本線で北に四時間。十ヶ月ぶりの上諏訪は、恐ろしいほどの寒さで古本修羅たる私を、厳しく抱きしめてくれた。東口に出て目の前の『国道20号』を南東に歩いて行く。『諏訪一丁目交差点』を越え、街道沿いの商店街エリアに入ると、古い看板建築や造り酒屋が連続し、歴史の重みがヒタヒタと押し寄せて来る。ズンズン進んで『鍵の手交差点』もクランクして通過し、駅から700mほどの地点に『真澄』と言う蔵元に囲まれたような『元町交差点』にたどり着く。その中の一軒である『蔵元ショップ セラ真澄』で、古本市が今日まで開かれているのである。長野・群馬エリア(あぁ、まるで『頭文字D』みたいだ…)のお店とネット古書店が出店中。『セラ真澄』は黒格子で覆われ、お洒落&高級そうなオーラを交差点に放っている。大きな暖簾の掛かる入口左隅に、これも洒落た古本市の立看板がひっそりと立っていた。静かな自動ドアから中に入ると、そこは薄暗い日本酒ショップ。試飲コーナーもあり、結構観光客で賑わっている。左を見ると、外への扉の横に立看板があり、古本市会場を示している。そこから一旦中庭のような場所に出てみると、目の前に白壁平屋の建物があり、ここが目当ての会場となっていた。中に入るとそこは白いギャラリー的縦長空間で、右側は一面窓となっており、室内に明るい陽光を招き入れている。入ってすぐ右には美麗な製本ワークで知られる『美篶堂』のコーナー。フロアは、右側に本を寛いで読める大テーブルがあり、左側に板で立体的に組み上げられた平台が八つ置かれ、一店一台の展開を見せている。また奥には長テーブルもあり、この市の主催者である「VALLUE BOOKS」の本が、窓際も含め並べられている。この空間はすべてがしっかりとプロデュースされ、本のディスプレイも抑制の効いた並びを見せている。よって冊数はそれほど多くはないのだが、次々と会場に入って来る観光客たちには、空間も含め概ね好評のようである。平台を次々覗いて行くと、ご無沙汰してしまっている古本屋さんが実に多い。「追分コロニー」(2011/04/03参照)はすべて食&料理関連の本。「ことば屋」(2012/04/30参照)も食の本中心。「遊歴書房」(2012/12/23参照)は食・文学・人文とバランス良く。「kiji books」(2011/05/14参照)は自然や暮しを中心に男女どちらにもアピールする品揃え。「光風舎」(2010/11/20に「古本 田中」としてツアー)は文学と歴史。皆少ない冊数で、マイワールドを形成している。古本市と言うよりは、とても立派な古本ショップのよう。いっそのこと、お酒を呑みながら古本を読めるようにしてみては…。国書刊行会「花嫁人形/蕗谷虹児」光文社新書「フランク・ロイド・ライトの日本/谷川正己」作品社「古書/紀田順一郎編」を購入。精算は会場ではなくショップの方で行うので、本を持って本館に移動。併せてこの蔵元のお酒『真澄 吟醸あらばしり300ml』も購入する。レジが一人でちょっと大変そうだ。

お店を出たら、以前「月ロケットの秘密」を掘り出した喫茶店「石の花」(2012/04/10参照)に一直線!チキンライスを食べながら古本棚を物色すると、小學館「太陽/野尻抱影」白水社「ミイラ物語/テオフィル・ゴーティエ 田邊貞之介譯」を掘り出すことに成功する。やっぱりこのお店、ただ者じゃないな…。合計800円で購入。「太陽」は戦中の絵物語だが、中に挟まっていた手作りの日食観察写真がワンダフル!
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帰りに電車に乗り続けるのに飽きてしまい、八王子で途中下車。「佐藤書房」(2009/08/26参照)と「まつおか書房」(2012/08/30参照)の店頭で何冊かを購入してしまう。その中で一番嬉しかったのが、新潮文庫「甲蟲殺人事件/ヴン・ダイン」が帯付きで150円!ブラヴォ!「佐藤書房」!
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2013年02月10日

2/10群馬・沼田 レン太くん

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昨日頑張り過ぎたので、今日はそんなに遠くまでは…などと起き抜けに考えていたが、いやイカン!と布団を跳ね飛ばし、『スリーデーパス』二日目でそれなりに遠くへ行くことにする。まずはガタゴトと高崎まで出て、水上線で五十分。ほぼ一年ぶりの沼田である。前回は西側に出たが、今回は東側での探索行である。しかしその行く手に見えるのは、明らかに山!そこに伸び上がる坂道!…あれを越えなければならんのか…。綺麗な駅前からスタスタ東北に進み始めると、道はすぐに勾配を増して行く。信号を一つ越えると過激に急になり、歩道の標識を見ると、そこには『滝坂』と言う名が。ヒィハァ登山のように上まで行くと、道が曲がる部分に屋根付きの急階段が突き出していた。ここを上がれば、山の上にショートカット出来るんだな。玉垣に挟まれたカーブする急階段を上がると、さらに勾配をきつくした急坂が現れる。ここもどうにかヒィハァ上がり切って右に行くと、そこは『国道20号』。そして山の上の世界には、かなり大きな市街が広がっていた…こ、これは見事だ。かつてはもっと栄えていたのであろうが、とにかく山の上にこんな街があるなんて。擦れ違う中学生に「こんにちはー」と挨拶されながら、先を急ぐ。街のメインストリートである国道を、昭和な商店街に見とれながら東北に歩んで行く。途中、巨大な天狗の面と高下駄を収納した建物がある『天狗プラザ東交差点』と『材木町交差点』でクランクし、雪を冠った山々に見下ろされながら、さらに東北へ。山の上に出てから二キロ強で『沼田警察署西交差点』にぶつかるので、ここで進路を北西へ。すると『ヤマダ電機』の向かいに、『本』の看板を大きく立てた、平屋の四角いリサイクル系古書店がようやく見えて来た…遠かった…。JRのレンタカーサービス『トレン太くん』に似て非なる店名である。軽薄な白いサッシ扉を潜って店内に入ると、横長で奥行きもある、とても広い静かな空間。手前側半分はゲーム・DVDなどのメディアソフトゾーンで、古本は奥の半分に隠されているようだ。蛍光灯に白々と照らされながら、左にある帳場前を通過して奥に進むと、案の定そこが古本ゾーン。古本の気配を探るように、並んでいる本を見極めて行くと、中心にコミックが並び、外周通路の壁棚にぐるっと古本が集まっている模様。その前に、左端にあるラック棚の絵本・児童文学・女性実用・アニメ系ムックを眺めて行く…絵本の背を見た瞬間、何かがビビッと来る…ここはただのリサイクル店ではなさそうだ。そこそこ古い本が紛れ込んでいる、嬉しいパターンだぞ!と早速一冊抜き取って、壁際に歩を進める。上段2/3が棚で下は平台となっている。コンピュータ・またもや児童文学・教育・ミステリ&エンタメ・エッセイ・ビジネス・カルチャー全般・オカルト・海外文学・タレントが、左壁から奥壁右端まで大量に続く。その中心となるのは300均単行本で、ここもかなりの見応えあり。右端は日本文学文庫通路となっており、そこそこ絶版品切れも並んでいる。棚脇にノベルス棚もあり。そして右奥には少し出っ張った小スペースがあり、そこを取り囲むように歴史&美術系ムック・ビジュアル本・ちくま文庫・中公文庫・新書・ラノベが置かれ、歴史小説&歴史&時代劇文庫通路、岩波文庫&雑学文庫&海外文学文庫通路を内包している。古い本(とは言っても70年代まで)を探す楽しみ、大いにあり。単行本は300均が幅を利かせているが、よほど古い本以外は定価の半額が値段設定となっている。サンマーク出版「すくすくレコードブック5 ふしぎのくにのアリス/文・里吉しげみ 絵・宇野亜喜良」(レコードなし)文研出版「恐怖の惑星/クロス作 中尾明訳」学研M文庫「ジャンル別文庫本ベスト100/安原顯編」を購入し、電車の時間に間に合うよう山の端まで大急ぎでたどり着き、坂道をダダダダダダと駆け下りて、時間通りに山の下の駅へ…。
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2013年02月09日

2/9岩手・宮古 春夏冬書房

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『ウィークエンドパス』の上位パス『スリーデーパス』を入手して、一路北へ。航続距離が延び、北海道の尻尾まで行けるのは何とも有り難いことである。盛岡から抹茶ツートンカラーの、二両編成ディーゼルカー・山田線に乗り換える。快速には『リアス』と言う良い名がつけられている。東の太平洋に向かって、最初は住宅の間を雪を舞い上げ汽笛を『プィ〜』と鳴らし走り始める。車内は三連休の初日なので、少し混雑しているらしい。およそ十分で都市部の辺縁を離れたら、後は徹底的に雪で真っ白な山間を走り続けて行く。駅間は長く、幾つもの暗く短いトンネルを潜り抜ける。しかし、海に近付くにつれ、雪は意外なほど少なくなって行くのだ。およそ二時間後に、宮古駅に着く。有人改札を通って小さな駅舎から出ると、新しく整備された駅前が山をバックに広がっている。吹き荒ぶ針のような冷風を身に受けて、北に向かって歩き始める。すぐの交差点際にある銀行の敷地内には、真新しい『津波到達地』の碑が建てられていた…宮古港に注ぎ込む閉伊川沿いに長々と続く防波堤を越え、およそ一キロを黒い海水が蹂躙した記憶である。自然の猛威に強烈な畏怖を覚え、今は寒さに身を震わせながら北へと歩き続ける。500mも進めば、右手に今日は閉まっている『宮古市魚菜市場』が見え、道は急激に西に折れ曲がる。道なりにそのまま西へ進んで行けば、右手に去年新しく開店した古本屋さんが現れる。ちなみに色々調べてみたのだが、宮古に古本屋さんがあったと言う記録は、どうしても見つけることが出来なかった。岩手県は元々古本屋さんが少なく、昔から盛岡に集中していたそうである。なのでもしかしたらこのお店が、宮古初の古本屋さんなのかもしれないのだ(過去に宮古の古本屋さんをご存知の方は、ぜひ情報をお寄せ下さい)。が、しかし!ここは残念なことにコミックの専門店なのである。古本修羅としては物足りないこと必至だが、それでもこの地に、大震災被災後に出来た古本屋さん!この目でしっかりと確かめるのが、私に課せられた役目なのである(あくまでも自主的に)!中に入って出迎えてくれたのは、武骨な石油ストーブの暖かさ。うむ、本当にコミックばかりだ。店内は広く縦長で、左側手前に帳場兼作業場とコミック揃いの山。壁際は本棚で、右壁の前後にはガチャガチャ群が置かれている。真ん中に背の低い背中合わせの本棚が二本連なっている。右を見ても左を見てもコミック…。尚帳場横には大きなテーブル席があり、訪れた人の交流スペースとなっている。マンガマンガと奥へ進むと、最奥には暖簾で隠されたアダルトスペースもしっかりと作られていた。さて、果たして何か買えるのか?と踵を返すと、目に入ったのは棚脇の小さなスチール棚!おぉぉ!これは何と、100均文庫棚ではないかっ!コミック専門店なのに、古本を置いてくれてありがとう!と二重に並んだ三段を物色する。ミステリ系文庫が中心で、教養文庫「鎌倉・三浦半島の旅/渋江二郎編著」ハヤカワ文庫「宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン」をどうにか購入する。

この後は、ブラブラと街を散策し、次第に東の河口付近まで足を延ばす。進めば進むほど、街路が新しくなって行くのが空恐ろしい。新しい信号・更地・工事中の建物・放置された廃墟…様々な異なる時間の流れを、この街は内包してしまっている。しかし荒涼とした感じは漂うが、街は少しずつその傷を治しつつあるのだろう。防波堤の向こうの漁船に止まった、たくさんのカラス、それに道路とほぼ同じ高さの水面を見ていたらとても寂しくなり、駅方面にトボトボと引き返す。その駅前に、三角形の小さな街の本屋さんが、風情をたたえてちょこんと建っていた…。

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●おまけ「増坂書店」
建物の形通り中も小さな三角形で、どうも雑誌・コミック・時代劇文庫以外は、妙に古臭い80年代前後の本が多い。フムフムと楽しく眺めていると、児童文学のコーナーで、偕成社「鉄仮面/原作・大デューマ 高木彬光」を見つけたので、喜んで購入することに!すると三角形の鋭角に潜んでいたおばあさんは、古い本で申し訳ないと180円を値引きしてくれた。ありがとうございます!

こんなわけで、どうにか街の人々の営みの一端に触れ、ようやくひとつのツアーの形になった気が…よし、後はまた長時間の電車移動で、家へと帰るだけだ。初の宮古に感謝を捧げつつ、しばらくは駅の待合室で、電車が来るのを待ち続ける…。

posted by tokusan at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月07日

2/7東京・神保町 古書 けやき書店

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今日は夕方からの予定が詰まっているので、早めに行動を開始して午前中の神保町へ。「小宮山書店」(2010/05/06参照)の100均台で、光文社文庫「少年探偵手帖/串間努」ソノラマ文庫「真珠塔・獣人魔島/横溝正史」河出文庫「怪物の解剖学/種村季弘」角川文庫「手のうちはいつもフルハウス/久保田二郎」を購入したりして、早くも『神保町交差点』から東に十メートルほどの目的地着。一階に『disk UNION』の入った黒いビルで、右側には螺旋階段があり、その下にビル出入口がぽっかりと口を開けている。路上にはけやきの葉をモチーフにした立看板…ここの六階にある『日本近代文学・初版本』を得意とするお店のものである。高級そう&ビル内…つまりは敷居が高いのだが、奥のエレベーターにさっさと乗り込み、六階のボタンをギュッと押し、自らの退路を断つ!ウィ〜ンと扉が開くと、そこはすでにお店の一部となっており、括られた未整理本や木箱が積み上がっている。100均棚などは無いようだ。右に進むと“L”字をうつ伏せにしたお店が私を待ち構えていた。目に入る本にはすべてパラフィンが巻かれ、蛍光灯の白い光をうっすらと反射している。そして通路に積み上がる、本を満載した木箱たち!居並ぶ本棚!これは、日本文学の迷いの森!入った部分は、右側に本に囲まれた帳場があり、手前に本棚に囲まれた短い行き止まり通路がある。奥壁・左壁はしっかりと本棚で覆われ、フロアには横向きに背中合わせの棚が二本置かれている。それぞれの棚脇にも本棚が置かれている。左に進むと『靖国通り』側にフロアが延びており、窓際には作業スペース、右壁に本棚、フロアに縦に背中合わせの棚が一本、そして左壁前には重々しい移動式書架が連なっている。だが残念なことに、ここに触るのは不可となっている。店内には、帳場に女性が、作業スペースに男性が、さらには通路を動き回る男性もおり、皆一様にIQが高そうな大学の研究生風である。萎縮しながら店内の探索を開始する。入口右横の行き止まり通路には、SF・古本・本・吉本隆明など。入口左横の中村真一郎棚にちらっと目を落としてから、作業スペースのある通り側へ。右壁は無頼派作家の壁となっており、坂口安吾・織田作之助・太宰治でガッツリと埋められている。右端には詩集棚と吉田健一棚もあり。フロア棚は、右に日本近代文学・日本現代文学が並び、左には日本近代文学評論&評伝・思想が収まる。棚脇には五木寛之棚あり。通路は積み上がった木箱のせいで、狭まっている部分も多い。メインフロアの横向き棚には、手前に女流作家がズラッと並び、中央通路には70年代文学・山口瞳・野坂昭如・丸山健二・文庫&ノベルス少々・幻想文学(澁澤・寺山・中井)・探偵&推理小説・ミステリ・藤沢周平・司馬遼太郎など。最奥には、吉行淳之介・開高健・阿川弘之・芥川&直木賞作家が収まって行く。棚脇には水上勉・辻邦生棚がそれぞれあり。左壁は日本近代詩集&詩集・俳句・短歌が並び、奥壁の短歌・再びの日本近代文学・三島由紀夫・再びの芥川&直木賞となって行く。あぁ、目移りし過ぎて、楽し過ぎて、逆に集中力を保つことが困難な状態に!なにせ、次から次へとスゴい本が目白押しなのである。しかも1/3は署名本…これは非常に恐ろしいことである!しかし、半ば夢の中に迷い込んだようになりながらも、非常にしっかりした隙無しの値段が魂を無事に現実に引き戻してくれる。さて、そんな状況の中で一体何を買おうかと悩んだが、長田幹彦・楠田匡介・矢田挿雲・大河内常平・大下宇陀児・田辺茂一・三橋一夫など、異様なメンバーが寄稿した温泉の本を発見し、値段も意外に手頃だったので購入を決定する。帳場にて丁寧に梱包していただく。修道社「随筆 温泉風土記/日本温泉協会編」(これも温泉協会の方の署名入り!)を購入。

しかし今日一番嬉しかったのは、「アムール」(2011/08/12参照)の店頭100均棚で手に入れた、カッパノベルス「おとなの英語/竹村健一」。装幀・挿画が真鍋博で、ページを開くとそこには素晴らしく丁寧なイラストがふんだんに!
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posted by tokusan at 16:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月06日

2/6荒天と函無

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朝から色々予定がくるくる変わり、午後に前倒しで『古本ナイアガラ』(2011/12/10参照)への入替に向かうこととなる。雪が雨に変わり始めた中を、カートを引いてゴロゴロ西荻窪へ。ズボンの後ろに跳ね上がった泥の痕を見て、BBCドラマ『SHELOCK』第一話でのホームズの推理が正しかったことを、改めて知る。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に着くと、天気を嘆きまくる店主と、今日は定休日の「モンガ堂」さん(2012/09/15参照)の姿。挨拶を交わし、スパッと棚を入れ替える。二月のテーマは『本に連なる』。本に関わる様々な本を一段に凝縮!本を創る人・売る人・読む人、出版社から古本屋まで、高尚から下品まで、マニアックからオシャレまで。「ボン書店の幻」「活字秘宝 この本は怪しい」「古本パンチ」「日本幻想作家名鑑」「みんなの古本500冊もっと」「列島書店地図」「本と女の子」「校正夜話」「われらが古本大学」などなど。西荻にお越しの際は、ぜひとも冷やかしに来て下さい!そして先月の売り上げを受け取り、これで遠くにツアーする資金が出来た!と思いつつ、気も少し大きくなってしまい中央公論社「天国の記録/下村千秋」を2000円で購入してしまう!函無しだが、竹中英太郎装幀・装画の本を、手に入れられるなんてっ!この背文字の、竹中英太郎フォントにノックアウトされた、西荻の冷たい雨の午後。
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posted by tokusan at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする