2013年03月31日

3/31茨城・土浦 つちうら古書倶楽部

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青春18きっぷ第四回目の使用で、様々な方からタレコミのあった、ついに本日パチンコ屋跡地にオープンする巨大古書モール「つちうら古書倶楽部」に向かう。常磐線で午前九時五十分に到着し、これなら開店前に着けるなと西口へ。すると空中広場の入口で「本日開店で〜す」と、エプロン姿の若い男性がピンク色の紙を配っている。受け取ってみると、それは案の定古書倶楽部のチラシであった。誘導されるようにすぐの階段を下り、ロータリー北側から西に回り込んで行くと、信号機のある北への脇道入口にも、エプロン姿の古書店主たちの姿を発見。そこを迷わず北に進んで行けば、右には線路、左には更地越しに「れんが堂書店」(2010/07/10参照)の姿が見え、すぐに道路に向けた入口を持つ『Patioビル』にたどり着く。入口前には『古本まつり開催中』の幟がはためき、それは奥にぐぅっと延びて行くビル側面の脇道にも盛大に並び続けている…しかし誰もいない。焦ってビル内に入ると、まずは薄暗く長細いエントランスがあり、雑誌やビジュアルムックのワゴンが並んでいる。奥に明るい光を放つガラスの自動ドアがあり、ツカツカ足早に近寄って行くと、エプロン姿の店主さんが声を掛けて来た。あっ、「青聲社」さん(2011/10/17参照)じゃないですか!こんな所で何を?と言うのは愚問で、古本市に出店しているからに決まっている。この後店内で「立石書店」さん(2009/12/11参照)にも会い、“わめぞ”の方々と土浦で出会う不思議を味わう。開店祝いの立花の間を通って中に入ると、すでにすべての通路は、古本修羅のみなさんに征服されていた…うぅぅっ、負けた。あっ、通路から頭ひとつ飛び出した古本神・森英俊氏の姿も…さすがだ。それにしても、これは聞きしに勝る広さと奥深さだ。250坪のフロアに、パチンコ台に取って代わり、古本台が何処までも並び続けている!手前に縦長のフロアがあり、そこには平台と木箱で造られた古本島が十八。十五メートルほどの通路が五本生み出されている。右壁には高い本棚がズラッと並ぶが、手前側の壁と左のウィンドウ際にはワゴンや低めの棚が置かれている。また、店内所々に立つ柱の周囲も、ワゴンが取り巻いていたりする。この手前フロアと奥フロアの境目左壁際に大きなレジがあり、十人弱の店主さんが詰めているのだが、すでに殺人的な忙しさを見せ始めている。奥は六台のワゴンと木箱で造られた島が、横向きに十九置かれ(右側は縦に置かれている)、壁際は平台&木箱の組み合わせが連なっている。ああっ、広い!一部の壁は鏡張りになってるので(恐らくパチンコ屋の居抜きであろう)、さらに広い!本はオールジャンルをフォローし、文庫から古い本までとにかくたっぷりと!雑誌・絶版漫画・紙物、さらには何故かエレキギターまで!これは普通に気になる本を手にしていたら、大変なことになる恐れがあるので、本当に必要な本だけを買うようにして行こう。そして通路を行ったり来たり、本を引き出し戻し、目玉をグリグリジグザグに動かし続け、古本修羅と場所を譲り合い時に闘い、ひたすら本を求めて深淵へ入り込んで行く。一時間を経過したあたりから、楽しさが疲労にガンガンすり替わって行く…この物量と情報量の嵐は一体何処まで続くのか…気付くと気が抜けて惚けているので、気力を振り絞って本の背に視線を走らせ続ける。二時間かけて、一応すべての本に目を通したつもりになる…つもりにならなければ永遠に終わらないのだ…。人間の限界を超えた古本量に、とにかく圧倒されるばかりである。しかし現在の古本市が終り(4/7まで)、常設のモールとしてスタートすれば、奥のフロアはバックヤードになるとのこと。それでも充分過ぎるほど広いのだが…。春陽堂文庫「時代の尖兵/大林清」岩波新書「日本刀/本間順治」(探し求めていた一冊が150円で!)曙出版「紙ヒコーキ入門/好美のぼる」講談社文庫「異端教祖株式会社/アポリネール」五月書房「続甲州商人 狐と狸/熊王徳平」サンケイドラマブックス「空手バカ一代 闘魂/大山倍逹」寶雲舍「丹下左膳 乾雲坤龍の巻/林不忘」(不忘死後の新版だが、志村立美の流麗なイラストワークが天下一品!)を購入。巨大古本屋艦隊の土浦港よりの無事な船出、おめでとうございます。常設モードになったら、また偵察させていただきます!
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※志村立美イラストワーク。右がカバーで左が表紙である。

長時間の戦闘を終えて、常磐線上りの人となる…このまま帰ってしまおうか…そんな弱気が頭を掠めるが、いや!ここまで来て「古書モール 竜ヶ崎」(2009/12/26参照)に寄らなかったら、俺は無様な敗北者だ!と言うわけで、佐貫駅で関東鉄道に乗り換えて、地の果て龍ヶ崎駅へ。相変わらず寂寥としたショッピングモール『Ribra』に向かい、一階二階と攻略して行く。結局一時間半を擁したが、後半は古本の山を前にして『はぁ〜』とため息ばかりついていた気がする…。しかし欲しいなと思っていた春陽文庫「ホープさん/源氏鶏太」を発見し、どうにか息を吹き返す。中ニコース付録 中学生ワールド文庫「トーントン殺人事件/クリストファ・ブッシュ」日本文芸社「ぼくらのヒーローが帰ってきた/上之二郎」あざみ書房「キリンの洗濯/高階杞一」を計850円で購入する。

古本好きの人々に告ぐ!「つちうら古書倶楽部」と「古書モール 竜ヶ崎」は、同時に訪ねて合計五十万冊(推定)の古本にまみれるべし!必ずまみれるべし!
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2013年03月30日

3/30春陽堂少年文庫収集

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早起きして青梅街道駅の『小平市立中央図書館』を目指す。今日は楽しみにしていた「第15回チャリティ古本市」(2011/07/10 & 2012/03/25参照)の初日なのである。おや、こちらは小雨がパラパラ降ってるのか。少し濡れながら小走りで会場入りすると、すでに古本修羅の長い列がガラス張りの中庭を取り巻いていた…列の最後尾に向かっている途中、その中の一人が爽やかににこやかに手を挙げた。おわっ、岡崎武志氏だ…さすがである。ほどなくして開場し「走らないでくださ〜い」の声をBGMに、列は粛々と会場内に吸い込まれて行く。最初は例年より人が少ない感じで、非常に本が見易かった。しかし始まって十分もしないうちに、あっという間に会場は混雑を極め、結局いつものギュウギュウ状態で、あちらこちらで静かな古本修羅のバトルが展開されて行く。私は二周して、計十三冊を710円で購入する。集団形成「ミコのカロリーBOOK/弘田三枝子」あかね書房「ねずみの国のシャーロック・ホームズ2 ベイジルと犯罪王/E・タイタス」春陽文庫「火焔木/小山いと子」などが嬉しい目立った収穫であろうか。しかし一番驚いたのは、春陽堂少年文庫を二冊手に入れられたこと!「アンデルセン童話集/鈴木三重吉」「グリム童話集/舟木重吉」共に昭和七年の本である。通常の春陽堂文庫や日本小説文庫、世界名作文庫とは違うパターンのシリーズで、良く復刻版の豊島与志雄「エミリアンの旅」は目にする機会が多い。しかし当時の本物を見かけることがほとんどないので、ラッキーにも安値で見付けた場合は即買いする癖がついてしまっているのだ。とは言っても手元にはまだ五冊しか集まってない。上記以外は、「七面鳥の踊/鈴木三重吉」「鐡の舌 後編/山村暮鳥」「ピノチオ 前篇/佐藤春夫」(ああ、前篇だけとか、後編だけとか、宙ぶらりんだ…だからこの二冊は安かったのだが…)である。巻末の広告を見ると、昭和九年八月時点で『童話・小説編』が百七冊、『讀物編』が二十冊、『伝記編』が九冊、『教育編』が十五冊刊行されている。あまりにも見かけないので、本当にこんなに出ていたのだろうか?と疑ってしまう。だから、一気に二冊がたった六十円で入手出来たことが、嬉しくてならないのだ。それにしてもこれを寄付した家庭には、他にどんな本が並んでいたのだろうか?世の中にはまだまだ人知れず、本棚でぐっすり眠り続けている本があるのだな…。願わくば捨てられずに、いつの日かこんな風に、表舞台に浮かび上がって来てもらえれば、何も言うことはありません!今日もそんな古い本二冊と、八十一年越しに出会えた、幸せな午前中であった。
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2013年03月29日

3/29黄金町で「たけうま書房」を定点観測する

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薄日がどんどん薄くなり、やがて曇天に。京浜急行で黄金町の「たけうま書房」(2012/12/15参照)を目指して神奈川入りする。つい最近本棚を入れ替え、真の姿になりつつあるようなので偵察に来たのである。大岡川沿いの桜並木は、もはや妖怪じみた咲き誇り方を見せ、視線と魂をしばし奪い取られれてしまう。お店の場所は相変わらず判り難いが、もう迷うこと無く巨大古ビルに入り込み、階段を大きく回って上がって二階フロアへ…あっ、左に100均ワゴンが出現!それに以前は素通しに近かった入口横の本棚が、スリムなスチール棚になり、しっかりとした壁棚の役目を果たしている!表側に並ぶ安売り本は少ないが、突然の立派な古本屋さんっぷりに驚きながら、ちょっと密閉感の増した店内へ。作業中の店主にニッコリ挨拶すると、「うわっ!」と驚かれてしまう。入口左横と窓際以外は、ほぼ天井までの高さのスチール棚に覆われている。薄いが中々の存在感だ。実はこの本棚たちは、先月お店を閉めた藤沢「聖智文庫」(2013/02/28参照)から譲り受けたものなのである。“闘魂伝承”ならぬ“本棚伝承”!こんな風に伝わるモノがあると言うことは、とても喜ばしいことではないだろうか。それにしても驚くべきことは、棚の高さがあまりにもこのお店にピッタリなこと。まるで誂えたかのように、天井と本棚の隙間が五センチほどしか空いていないのである…これは何か“運命”といったものが媒介しているのだろうか…?他にもプレミア本を既に収めたガラスケース(ここでは本が美しく飾られているが「聖智文庫」では本がギュウギュウに詰められていた…)と、表の100均ワゴン譲り受けたとのこと。フロアの広さはそのままだが、三方をしっかりした本棚に囲まれると、やはり壮観である。そして肝心の店内のジャンル配置はそれほど以前とその位置を変えておらず、入口右横が日本文学&文庫・海外文学となり、貸し棚部分は左奥にまとめられた模様。入口左横にビジュアル本棚、それに移動可能なタレント・サブカル・「本の雑誌」が並ぶ棚が置かれているところが、大きな変化であろうか。まだ棚を入れ替えたばかりなので、所々空きが目立っているが、それでも蔵書量は開店当初の倍に増えているそうである。と言うわけで、このお店はまだまだ進化中であることが判明した。また日を置いて定点観測しに来ることとしよう。ワニの本「天本君吠える!/天本英世」集英社文庫「カスバの男/大竹伸朗」集英社コバルト文庫「怪奇ファンタジー傑作選/武田武彦選」を計850円で購入。

風が冷たくなった表に出たら、いつものように古本屋を覗き込みながら『伊勢佐木モール』を西から東へ。「田辺書店」(2011/01/14参照)で三一新書「三文役者の無責任放言録/殿山泰司」を500円で入手し、ニヤリニヤリ。このお店のこんな隙が私は好きでたまらない!嬉しい獲物を紐解きながら、足取り軽く「中島古書店」(2012/08/14参照)に向かう。やけに古い本が増え、蔵書量も随分増したなと喜びながら、牧逸馬譯の中央公論社「グランド・ホテル/ヴィッキ・バウム」を見つけ出し、1500円の値付けに小躍り!迷わず購入し、店主に多大なる感謝の念を捧げる。
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2013年03月28日

3/28埼玉・杉戸高野台 古本屋ぼんとん

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東武動物公園駅を離れると始まる北関東の農業地帯に、こつ然と現れたベッドタウンに到着。西口に出て、ロータリーから剪定したばかりのケヤキが並ぶ通りを、西へ。足下では真新しいアスファルトが匂いたち、通りの両側には一軒家風の洒落た飲食店が続いて行く。300mも歩くと、右手に円筒形二階建ての現代建築住宅が現れ、その前の通り沿いに、濃緑の直方体が横たわっている…これが本日目指して来た古本屋さんなのである。入口横の壁には、木の店名看板と共に『こども論語塾』の看板も掲げられている。開け放たれた扉から中に進むと、入口の左右に本棚、右壁沿いに三本の本棚、フロア真ん中に大きなテーブルが斜めに置かれ、奥にはカウンターが設えてある。ジャージ姿の白髪壮年店主は、テーブルの前に座って難しい顔で書き物に熱中している。気配を感じて顔を上げた店主に素早く頭を下げると、「ぁ、いらっしゃい」と小さく声を出しながら、表の道路工事の騒音を遮断するように、扉をガチリと閉じてくれた。お手数をおかけします。静かな町の集会所のようなお店である。入口左の棚は閲覧用らしく、購入は不可となっている。つまり右側四本が古本棚なのである。が、並んでいるのは背の白いソフトカバーの本が多く、神谷美恵子・「アサッテ君」・英会話・暮し・農業・スローフード・生き方・人生哲学・伝記・自己啓発・ビジネス・コーチング・イギリス・パリ・料理・教育などが、時に黒電話・モールス信号機・時計・木製おもちゃなどと共に並んでいる。う〜ん、中々特殊なお店だ。あまり興味を持てない分野のオンパレードだが、本は大体100〜300円と激安値。「どうぞ」と出された、ガラスのコップに入った熱いお茶をいただきながら精算。講談社火の鳥文庫「宮澤賢治/西本鶏介」ggg Books「宇野亜喜良」実業之日本社「パリの横町・小路・裏通り/早川雅水」を購入。小さな声で「またお寄り下さい」と言われる。

ここまで来て寄らねば阿呆だと、蒲生で途中下車して黄金の古本屋さん「プラハ書房」(2010/12/22参照)へ!最近月イチペースで訪れているような…。山手書房「シティ・サバイバル/Dr.ブルース・バウアリー」文藝春秋「大放浪 小野田少尉発見の旅/鈴木紀夫」フォア文庫「迷宮世界/福島正美」中一時代附録 中一文庫「偶然の機会・走れメロス」中三時代附録「サマー・フェスティバル」集英社コバルト文庫「初めてのデイト/川上宗薫」講談社文庫「コルプス先生馬車へのる/筒井敬介」を計1500円で購入し、意気揚々と引き上げる。

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2013年03月27日

3/27東京・三鷹 古本 ギャラリー 喫茶 点滴堂

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「フォニャルフ」に今週も文庫を補充してから、三鷹へ向かう。北口に出てロータリーから真っ直ぐ北に延びる『中央大通り』の西側歩道をテクテク。最初の信号でビルの間を西に入り、一本西側の『三鷹通り』へ出る。そして北にさらに進み、『武蔵野警察署前交差点』手前の白いビルに、赤い立看板と奇妙な急階段がビル内部に延びているのを発見する。本日開店の『古本 ギャラリー 喫茶』を三本柱としたお店である。立看板には『珈琲¥400 12:30〜20:30 月・火定休』とある。本の壁紙に囲まれた、梯子段のような急階段をエッチラオッチラ上がると、狭い踊り場にはトイレの扉とお店への扉が並んでいた。診察室のような白い扉を開けると、そこは床がフワフワして真っ白な、割とこじんまりとした空間。窓際のカフェスペースには、不思議ちゃん系な先客が三人おり、話に大いに花を咲かせたり、写真撮影大会を開いたりしている。入ってすぐ左の、白い病院的ガラス戸棚の奥に白い帳場があり、ミステリアスな雰囲気と少女漫画の花バックを纏ったような男性店主が、優雅に腰掛けていた。そして驚くのは、意外なほどの本棚占有率!右壁手前側に大きな天井までの白い壁棚、フロア真ん中に仕切りも兼ねる背中合わせの本棚、そして奥壁に天井までの白い本棚!さらに棚を眺めて行くと、そのすべてが『少女』でまとめられていることに気付き、ガンッ!徹底的なまでのガーリー棚!徹頭徹尾、甘ロリ・ゴスロリも含む少女趣味棚となっているのだ!これは誠に壮観である。泉鏡花全集・澁澤全集・不思議の国のアリス・寺山修司・中井英夫・長沢節・萩尾望都・大島弓子・丸尾末広・児童文学・宮澤賢治・幻想文学・稲垣足穂・矢川澄子・澁澤龍彦・アールデコ・建築・昭和・詩集・古本・外国・沼田元気・雑貨・ファッション・アート・思想・「みづえ」・オカルト・人形・民俗学・柳田國男・宮本常一・高原英理・竹久夢二・中原淳一・吉屋信子・森茉莉・フォアレディースシリーズ……すべては少女世界のために並んでいるのだ!金子國義的と言うか、プラス現代的な要素をふんだんに含み、華やかでしおらしい棚を形作っている。途中店主が声を掛けて来て「本にはまだ値段が付いていませんが、聞いていただければお答えいたします。後よかったら珈琲もオーダー出来ますので」とニッコリお辞儀。棚から文藝春秋「コーネルの箱/チャールズ・シミック」を選び出し、値段を聞いてみると定価の半額であった。即座に購入し精算。開店祝い粗品の色鉛筆ミニセットをいただく。開店おめでとうございます!どうかこのまま全力疾走で!そして気付けば三鷹には、「フォスフォレッセンス」(2008/08/01参照)「風待文庫」(2012/04/02参照)と、ブックカフェが三店集まったことになるのか…。中央線沿い初のブックカフェ集中の動きに、今後も要注目である。

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2013年03月26日

3/26宮城・北山 古書ビブロニア書店

来週は色々と忙しくなりそうなので、今のうちに青春18きっぷを消化しようと、早くも三回目の使用。早起きして、先日の郡山行で通った路線をなぞるようにして北へ。その郡山を通過し、福島も通過し、普通列車では未知の領域に突入して行く。途中の岩沼駅で、東北本線から“ここまで延びているのか!”と驚いた常磐線に乗り換え。ついに電車に乗って七時間が経過…やはり私は“鉄”にはなれない…そう確信しながらゲッソリして長町駅で下車する。広瀬川を渡った若林区にある古本屋さんを目指して、まずは小走り。広瀬川の雄大な岸辺をタッタカ走って行く。ところが苦労してたどり着いたお店は、シャッターを冷たく閉ざし、皮肉にも『営業中』の札を下げているだけであった。イヒヒヒヒヒ、開いてない。私は再びタッタカ広瀬川の岸辺を走り、駅まで戻って常磐線に滑り込む。次に向かったのは塩釜の「明日香書店」(2011/06/13参照)。以前震災後に訪れた時は、店内整理中のためお店を開けていなかったのだが、今回はどうだろうか?島式ホームから駆け下りて、駅近くの懐かしいプレハブ的店舗に一目散。扉にはカーテン、そして貼紙…猛烈に嫌な予感がする。貼紙に目を凝らすと『只今、店頭販売はしておりません 店主』と書かれていた。
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イヒヒヒヒ、ここにはまるで貼紙を見に来ているようだ…まぁ書いてくれているだけでも、非常にありがたいのだが。すぐさま駅へ取って返す。さっき出たばかりなのに、もう戻って来てしまうのは、どうにも気恥ずかしいものがあるな(青春18きっぷは駅員さんに切符を見せ、有人改札を通らねばならないのだ)。そして次の三店目が、時間的に訪ねることの出来る最後のお店となるであろう。

仙台に引き返して、仙山線で三駅。山の中腹にへばりついたホームに下り、狭い改札を抜ける。急坂の切り通しを南に上がると、すぐに頂上の平坦な部分に至り、その後は広い広い仙台市街に向かって急坂が落ち込んで行く。そこをバタバタと300mほど駆け下りると、西への道が現れるので、そこをさらに300m進む。信号のある開けた交差点で南に向かうと、『北山三丁目バス停』の斜向いに、サッシ扉とウィンドウとグレーの日除けを持つ古本屋さんの姿が見えた。
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電気が点いているぞ!ついにやったぞ!2011/07/15探訪時には入れなかったお店なのだ。乱雑に積み上がった本が見えるサッシ扉に近付くと、『営業時間 午前11時より午後5時まで』とある!これはヤバい。現在午後五時五分。ええぃ、入ってしまえ!と扉を開けて強引に本棚の間に収まってしまう…何も言われない。よし、素早く棚を見て回ろう。店内は横長で、各通路は狭く、床から膝上〜腰高まで本が積み上がる。通り側を除く三方の壁には本棚、そして通り側に短めの本棚が三本並び、奥側には背中合わせの高い本棚が四本並ぶ。左側の三本は角度の違う“/”のように斜めに配置されている。右側通路手前側に、国語教師然とした店主が立っており、目が合うとニッコリ笑顔で挨拶してくれた…良かった。入った場所は本棚に挟まれており、左に児童文学(二重棚)、右に日本現代文学が乱雑に並んでいる。本が収まった棚の隙間にも、強引に本が横に突っ込まれている。脇には本&雑誌関連棚もあり。微妙に古い本が多いが、本格的に古い本も多く視界に入るので、ワクワクする。左端の通路に進むと、手前側には福祉関連の教科書&参考書がドッサリ。奥側左壁に女流作家と日本現代文学。通路棚に美術・音楽・建築を確認する。ちなみにここは行き止まりである。二本目の通路は、左に辞書&辞典・ジャーナリズム、右に日本古典文学文庫・岩波文庫・海外文学文庫。第三通路は、左に日本文学文庫、右に海外ミステリ&SF文庫・日本ミステリ文庫。第四通路は左に新書がミッチリ収まり、右に哲学が並ぶ。右端通路は、通路棚にキリスト教、壁棚に海外文学・英米文学・フランス文学が収まり、古典も網羅している。奥壁は左から、日本文学・歴史・中国史・死・経済と続く。全体に硬めではあるが、古い本が多く目につき、何かあるのでは?と期待感に胸が膨らむ。棚の下半分が見えないのは残念だが、腰を据えてまずは山を掘り返し、その後ろに棚を見たならば、眠っている面白い本が出て来るのかもしれない。なので、今回時間が余りにも少ないのが残念至極。値段は普通〜高めでしっかりな傾向。講談社文庫「中国迷宮殺人事件/ヴァン・グーリック」廣済堂文庫「草軽電鉄殺人事件/梶龍雄」を購入すると、100円おまけしてくれた。ありがとうございます!そそくさと表に出ると、扉にあったもう一枚の貼紙が目についた。『「ビブリア古書堂」はここではありません!…まちがえることないか。(笑)』…思わず脱力し、疲労がドウッと圧し掛かって来た。しつこく訪ね回ったおかげで、ツアーは無事に完遂出来たが、私は果たして東京に帰ることが出来るのだろうか…ちょっと何処かでショートカットしないと、無理かもしれないな…。
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2013年03月25日

3/25東京・神保町 風月洞書店

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外濠と土手上の桜に見とれて水道橋。寒く、ビニールシートに覆われがちな店頭台を次々覗き込みながら、身体を冷やしてしまって神保町。おっ!「一誠堂書店」(2010/03/27参照)が、珍しく店頭台に200均文庫を並べている。しかもラノベやティーンズ文庫が混ざる、一誠堂にはありえないラインナップ!…一体どんな本が欲しくて、ラノベの混ざる古本束を買ったのだろうか…?しかしその他の文庫は妙に古くて、大いに惹き付けられてしまう。創元推理文庫「闇からの声/イーデン・フィルポッツ」角川文庫「美徳の不幸/マルキ・ド・サド」創造社「詩集清貧/後藤平」を計600円で購入する。『靖国通り』沿い各店を観測しながら、やがて『すずらん通り』にも入って行く。『白山通り』から東に進んで50mの南側。元『書肆アクセス』が入っていた店舗の前に立つ。今は骨董関連に特化した古本屋さんとなっているのだ。雨のために長く飛び出したオレンジ色の日除けの下には、軒看板と壁から飛び出した看板…そこには店名と共に『骨董を楽しむ…古本屋』と書かれている。店頭には棚や台が立て込み、図録・雑誌・大判ビジュアル本が収まっている。そんな中、入口左側には50均文庫台(一部100円あり)があり、ここは骨董とは関係無いので、時に掘り出し甲斐があったりする。中はアクセス時代と変わらぬ細長い空間で、両壁にはシックな焦げ茶の棚が張り付いている。入口側フロアには床に紙物箱がいくつか置かれ、奥には陶片などを載せたテーブルがある。最奥にはちょっと様子の判り難い帳場があり、エプロン姿の銀行員風堅さを滲ませる男性が座っている。それにしても棚は本当に見事に、骨董&陶芸関連ばかりで埋め尽くされている。右壁は陶芸・陶器・瀬戸物・魯山人・古伊万里・工芸図録・骨董・茶道・茶碗・茶室。左壁は、民芸・家具・濱田庄司・硯・骨董・日本&朝鮮&中国歴史・「別冊太陽」・仏像美術・「日本の美術」などが並び、奥半分は古本の世界から飛び出したかのような陶器の飾り棚となっている。結構地味に専門的に、メーターを振り切ったお店で、豪華本や大判のビジュアル本が多いのも特徴である。店内では買う本が見つからず、店頭の文庫をそのまま帳場へ。新潮文庫「池波正太郎のフィルム人生/池波正太郎」を購入。
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2013年03月24日

3/24たらに続いて象までも?

昨日は早朝から、見知らぬ他人のお花見同窓会を取材する奇妙な仕事に掛かりっきり。夕暮れに東京へ戻り、そのまま両国の私設図書館『眺花亭』(東京・大阪・芸能が突出し、嫉妬100%の恐ろしき並びの棚ばかり!)へ。森下の古本屋さん「古書ドリス」(2012/12/03参照)のトークを聞きに行くためである。何故徳島から東京に?の謎や、行くことが出来なかった徳島時代のお店の様子を知ることが出来、堪能。またお店に行きたくなってしまった。

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そして今日は、昨日取材に向かう車窓から見かけた、気になる光景の真偽を確認しに出かける。自転車をかっ飛ばして荻窪へ。『日大二高通り』を走り尽くし『青梅街道』に出れば、目の前には「象のあし」(2008/09/03参照)と言う寸法である。『売り尽くし在庫一掃』『50%OFF』『売りつくし』『SALE』などのチラシが、店頭を派手に覆っている。期間は3/17〜3/31までとなっているが、これは「たらの芽書店閉店セール」(2012/12/07参照)と同じパターンではないか!と言うことは、やはり閉店してしまうのだろうか?まぁその真偽は精算時に確かめれば良い。その前に私は浅ましい古本修羅になって、店内をキョロキョロパトロールだ!ふむ、50%OFFになるのは、総額1000円以上お買上げが条件なのか…。そんなわけで、あっという間に腕の中には、総額1000円以上の古本たちが集合した。サンリオ「悪夢としてのP・K・ディック」ハヤカワ文庫「SFロボット学入門/石原藤夫」幻冬舎よしもと文庫「第2図書係補佐/又吉直樹」角川文庫「きなきな族からの脱出/和田誠」ちくま文庫「カップ酒スタイル/いいざわ・たつや」彷徨舎「彷書月刊 12/2006 竹中英太郎特集」を、無事半額の1968円で購入。そしてレジのお兄さんに「お店、閉めちゃうんですか?」と残念そうに聞いてみると、固まった笑顔で「いえいえいえ、閉じませんよ。これはただのセールなんです。だから3/31を過ぎたら、またいつもの通りに営業します」とのこと。あぁ、こちらの早とちりであったか。まぁ何はともあれ、良かった良かった。

帰路、線路の下を潜り抜けて「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。店頭100均棚から、鱒書房「読売新聞風雲録」新日本新書「ジャズ/本多俊夫」東京創元社「霧の壁/フレドリック・ブラウン」(再版だが銀背)TBSブリタニカ「東京ゴールドラッシュ/太田克彦」を計420円で購入。昨日古本が買えなかったのを、二店で充分なほど補填してしまった…。
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2013年03月22日

3/22福島・郡山 古書ふみくら 郡山店

青春18きっぷ二回目。都心の満員電車から始まり、電車を乗り換える度に人の姿はどんどん少なくなって行く。宇都宮線と東北本線の乗り継ぎが見事なスムーズさを見せ、四時間二十分で郡山着。西口に出て横長な巨大ロータリーを突っ切ると、横断歩道脇の花壇に、郡山に所縁あるミュージシャン・GReeeeNの手形が並んでおり、若者が三々五々集まって来る。横断歩道を二度渡って、高い歩道屋根の架かる『駅前大通り』南側の歩道を、春の風を切ってズンズカ進んで行く。途中横断歩道をひとつ渡って、『国道4号』にぶつかる交差点が近付いて来ると、小さな古本屋さんが姿を見せる…ぎゃっ!やってないじゃないか…去年雄々しくリニューアルした「古書ふみくら 須賀川店」(2011/05/21参照。レポートはリニューアル前のものである)の姉妹店なのである…定休日は日曜のはずだが、何故なんだろう?
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シャッター前に放置された土嚢の山を虚ろに見やりながら、早急に計画の立て直しを迫られている。未踏のリサイクルショップと「古書 てんとうふ 池ノ台本店」(2010/05/30参照)を訪ねてから、もう一度見に来てみよう。もしその時も開いていなかったら、何か別な手を考えなければ…と早速西に向かって早足で歩き出す。所々で日常的に進んでいる、放射能除染作業を目にしながら、目的のリサイクルショップのあるべき場所にたどり着く。しかしそこには新しいマンションしかなかった…気絶しそうになりながら、『麓山公園』突っ切って「てんとうふ」へ。とにかく古本を買って、平静を取り戻すことにしよう。
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三年ぶりの店内は、変わらぬ良さげな古本ジャングル!入ってすぐの床にあった古本山が、妙なオーラを放っているぞ!早速飛び付き二冊を掘り出す。値段は判らないが、これは欲しい!店内を一巡して半額文庫を三冊掴み、店主が外から戻って来たばかりの帳場に差し出す。古本山から掘り出した春陽文庫「人生の阿呆/木々高太郎」KEY BOOKS「海外ミステリ入門/仁賀克雄」は、とても嬉しいリーズナブルな共に1000円。さらに文春文庫「日本百低山/小林泰彦」講談社文庫「あの日この日(三)/尾崎一雄」新潮文庫「日夏耿之介詩集」を計945円で購入する。

古本欲をガッツリと満たして『駅前大通り』に戻ってみると、やった!今度は開いている!
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土嚢は変わらずそのままだが、店頭棚(高木彬光ノベルス多し)・斉藤栄&西村京太郎箱・ミステリ文庫箱などがジャリジャリしながら展開している。ドアにペタペタ貼られた、「須賀川店」リニューアルのチラシを目にしながら中へ。小さな昔ながらの古本屋さんの基本形である。入口横、両壁共本棚に覆われ、左壁途中にはガラス戸棚あり。真ん中には背中合わせの本棚が一本置かれ、最奥にはオーソドックスな帳場がある。そこでは割烹着姿のお母様が、忙しく紙物やパソコンと格闘中。入口右横は、新書・日本純文学文庫・海外文学文庫。右壁はノベルス・女流作家文庫・文学を中心とした横積み本ゾーン(古い本もあり)・絶版漫画・横積み「歴史読本」など。向かいは日本文学文庫・官能文庫・時代劇文庫・中公&岩波文庫。棚下には1970年代少年漫画雑誌あり。左側通路は、壁棚に歴史&雑学系文庫・古典文学・児童文学・絵本・海外文学・詩集・ミステリ&エンタメ・ビジュアルムック・地図・絵葉書・福島関連プレミア本・福島本。通路棚には実用・ガイド・ハーレクイン・文学・山岳・戦争・近現代史・福島本となっている。全体的に掴み難い雑本的な並びだが、福島関連本は充実。単行本には古い本が混ざるが、文庫類は新しめである。値段は普通。文春文庫「世界ハッカー犯罪白書/セルジュ・ル・ルードラン フィッリップ・ロゼ」を購入。明るい「ありがとうございます」に続いた、「気を付けていってらっしゃいませ」の言葉にグッとくる。

帰りは往きとは大違いで、東北本線の本数の少なさと接続の悪さに泣かされる。結局五時間かかってしまった…きっぷの残りの何処かで、仙台近くまで行こうと考えているのだが、先が思いやられるなぁ…。
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2013年03月21日

3/21新井薬師から高円寺へ古本パトロール

今日は片付けねばならぬ仕事の性質上、あまり家から離れるわけにはゆかぬので、自転車で郵便局に行ったついでに、新井薬師前駅前の「文林堂書店」(2008/08/04参照)を偵察に行くことにする。『休業』の貼紙を出しシャッターを固く閉ざしているとのタレコミが、最近連続したためである…非常に心配である。桜並木の下を疾走しながら、とにかくまずはその貼紙を確認しなければ、と駅前広場に着くと、お店は何事も無かったかのように、店頭に毒々しい古本の花を咲かせていた。営業している!
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と言うわけで、みなさんご心配なく。文林堂さんは、無事に休業期間を脱出した模様!せっかくなので店内に入り、棚にかぶりついてみる。すると即座に、最近何故かとても縁のある学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」を発見してしまう。あわわわわわっ!署名入りで500円じゃないですか!思わず力強く握り込み、岩波少年文庫「地下の洞穴の冒険/リチャード・チャーチ」と共に計800円で購入。
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今日も古本の神は微笑んでいる!そう勝手に感じながら、割と近くの『中野ブロードウェイ』に向かい、「タコシェ」(2008/06/18参照)でちくま文庫「ことばの食卓/文・武田百合子 画・野中ユリ」を315円で購入。さらに四階の「MANDARAKE大予言&記憶」(2008/08/28参照)で徳間文庫「応家の人々/日影丈吉」を157円で購入する。

最後に高円寺の高架下に向かい、ちょっとご無沙汰だった「都丸書店 支店」(2010/09/21参照)の外壁棚に食らい付く。新潮文庫「月下の一群 堀口大學訳詩集」講談社文庫「宇宙人のしゅくだい/小松左京」紫書房「黒ミサ異聞/J・K・ユイスマン」を計500円で購入する…あれ?この「黒ミサ異聞」、何か読んだことがあるような話だと思ったら、「彼方の」抄訳だったのか…くそぅ。最後に見事につまづいて、情けなくタイムリミット。パトロールを終えて、おとなしく家に戻ります…。
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2013年03月20日

3/20東京・初台 #108

今日が祝日だと言うことをまったく失念しながら、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/07参照)に向かい、「フォニャルフ」に文庫をガガッと補充する。そして店主から、つい最近仕入れてホヤホヤの新刊を見せられ狂喜!論創社「薔薇十字社とその軌跡/内藤三津子」!薔薇十字社の本に少しでも魅力を感じたことがある者なら、手に入れなければならぬマストアイテムである!私は常々、この物凄く重大な仕事を成し遂げた内藤氏の本が出ないことを、かなり不満に思っていたのだが、本日それはきれいさっぱり解消された。サンキュー、論創社。と即購入する。

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興奮覚めやらぬまま、電車を乗り継いで初台へ向かう。地上に出て『甲州街道』と『山手通り』が交わる『初台交差点』。横断歩道を二度渡って、『山手通り』東側の歩道に至り、ちょっと南に下ると、ビルの谷間に延び行く緑地帯遊歩道が目に止まる。そこを東に向かい、あっという間に五分咲きになった桜を潜り、駐車場脇の細道をさらに進む。するとすぐ右手に灰色の古い大きなマンション…あ、ここの屋上で、昔写真撮影の仕事をしたことが…などと思い出していたら、そのビルの裏通りに面した一階に、目指すカフェがあるのをあっさり発見した。そしてここには「nostos books」が、大宮「more records」(2013/01/31参照)に続いて古本を並べているのである。ステップを上がって中に入ると、カウンター席にテーブル席が四つの縦長な空間。テーブルは何やら作業している席以外は、すべてお洒落な男子たちで埋まっている。カウンター内で働いているのも、すべてお洒落男子たち…男子天国…。たったひとりオッサンの私はカウンター席に腰を落ち着け、食べ慣れぬキッシュと飲み慣れたビールを注文する。さて本棚は…あっ、カウンター奥の白いボックス棚二×二に古本が。セレクト日本現代文学・オシャレ海外文学・暮し・児童文学復刻本・「真夜中」「太陽」などの雑誌・写真集・ビジュアルブックなど。優しく柔らかな並びである。値段は普通〜ちょい高。ビールとキッシュをぺろっとたいらげて、雄山閣「博物館これから/佐々木正峰」を購入する。

カフェを出たら参宮橋駅まで歩き、小田急線に乗って休日の賑わいが顕著な下北沢へ。トマソン社「BOOK5 第六号」で、衝撃の店舗閉店宣言をした「古書赤いドリル」(2010/06/23参照)に向かう。あっという間に人気の無くなる路地に入り込んで行くと、おぉ!ちゃんと開いている。店頭棚から文庫を抜き取り中に入ると、店主・那須氏がカウンター席で作業中。挨拶を交わし、まずは棚を検索する。ここでも何冊かを手にしてカウンター席に戻り、那須氏とじっくり長話。お店は四月末までは営業を続けるとのこと(最近は不定期営業なので、お店を訪ねるときは連絡してからの方が望ましいそうである。でもなるべく開ける!とも宣言)。お店を畳んだ後は事務所兼倉庫と言う形で、ネット販売・即売展・そして待望の目録販売を柱として再スタートするそうである。お店が無くなるのは果てしなく寂しいことであるが、新生「古書赤いドリル」に幸多からんことを祈ります!いつの間にか私はビールをいつものように傾け始め、『また何かイベントを』『最後の日には、鉄球棚を入口にぶつけよう』などとバカ話。事務所店のツアーも約束し、冷蔵庫の中に残っているビールを飲み干しに来ることも約束する。…うぅ、でもやっぱり、この場がなくなるのは残念だな。講談社文庫「虚無への供物/中井英夫」角川ホラー文庫「跫音/山田風太郎」コバルト文庫「ハムレット心中/佐々木守」新潮文庫「文壇放浪/水上勉」平凡社ライブラリー「子どもの替え歌傑作集/鳥越信」飯塚書店「長谷川四郎訳詩集 海」を計五百円で購入。
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2013年03月19日

3/19静岡・桜橋 清水書店

早くに家を出て、みどりの窓口で青春18きっぷを購入したなら、そのまま電車に飛び乗って東海道線で三時間半。草薙駅で静岡鉄道に乗り換えて、古庄駅で下車する。北口から町中に入り込んで、『県道74号』を北西へ。『沓谷五丁目交差点』で西南に向かい二キロ強。『唐瀬街道』にようやく入って、そこからさらに北西へ二キロ…片道五キロの行程である。こんな距離を歩かねばならぬのは、『唐瀬街道』と至近の駅の間に『谷津山』が横たわっているためである…とにかくヒドい遠回りをして、目的のお店である「福代書店」にたどり着くと…ノゥッ!お店は市議立候補者の選挙事務所となっていた。何とムゴい…たくさん歩いて来たのに…。激しく打ちのめされながら、来た道を力無く引き返して行く。そしてズタズタに引き裂かれた古本心を癒すために、街道沿いにあった「リサイクルバンク館」に飛び込んでみる。
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店頭に古道具を並べたワゴンが多数展開しており、『もしや古本も…』と希望を抱かせてくれる店構えだったのである。入口近くに座って煙草をふかす、イナガキタルホ風おばあさんに挨拶をし、店内の古道具迷宮に彷徨い入る。そしてどうにか箪笥の片隅に置かれた、カルタなどと共に十冊ほど古本が並んでいるのを発見する。ペーパーバック・岡本かのこ・源氏鶏太・児童文学…選択肢は極端に少ないが、東西五月社「少女世界名作全集 日本編/川端康成」を手にして通路をさらに彷徨うと、イナガキおばあさんが「何かお探しですか?」と声を掛けて来た。すかさず持っていた本を掲げ「こうゆう古い本がないかなぁと思って…」と彼女の方に近付くと「古本はたくさんあるけど、今店に並べてないのよ。この間たくさん並べたら棚が落ちちゃって、『古本はダメだ』ってことになったの」と残念なエピソードを語る。「少しずつ出すから、また見に来てちょうだい」と言われて、見には来たいが二度と来ない可能性大…意外にしっかりした値を告げられ、前述の本を購入する。

一応古本は買えたのだが、どうも収まりが悪い気がする。ヒイハア駅まで戻り、再び静岡鉄道に乗って桜橋駅で下車。駅上にある『桜橋交差点』から『県道198号』をひたすら南に下って行く。駅からおよそ一・五キロ。『バーミヤン』を過ぎて『庄福町交差点』で西に入ると、もはや夕陽の照り返しが眩し過ぎる、緩やかな坂道の間延びした商店街風な通り。ここを200mも進めば。清水からそのまま曳家して来たようなお店が建っていた。
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2010/05/04に訪れたお店であるが、清水店はいつの間にか閉店し、この駅からとても離れた地で営業を継続していたのである。早速緑の日除けを潜って中に入ると、スッキリして素っ気なく、尚かつ奥の帳場には誰もおらず無人であった…近くに店主はいるのだろうか?すぐに戻って来るのだろうか?左右両壁は天井までの本棚で、真ん中には足下が広がった天井までの背中合わせの棚が縦に二本置かれている。入口側と帳場側、共に棚脇棚が設置されている。また左側通路の入口側には、棚と脚立あり。広さは清水店の半分くらいか。右壁一面はコミックで、奥にアダルト。通路棚にはミステリ&エンタメ・海外文学・ミステリ文庫・ノベルス・コミック・アダルト。棚脇には、入口側にハーレクインと児童文学ノベルス、帳場側に海外文学文庫と美術図録が並んでいる。左側通路の通路棚には、児童文学・実用ノベルス・カルチャー雑本・日本純文学文庫・海外文学文庫。入口側棚にも海外文学文庫が並び、左壁に戦争・ノンフィクション・東洋文庫・歴史・文学・思想・科学・天文学・自然・時代劇文庫・日本文学文庫・新書…以前と同じように、本に値段は付けられていないので、またもその場で値付けするシステムなのだろう…しかも嬉しい安値で。しかし私は、古本を手にして途方に暮れている。結局誰も姿を見せないのだ。取りあえず「すいませ〜ん」と帳場の背後のサッシ扉方向に呼び掛けてみる。何度も何度も。次第にボリュームを大きくし、かなりの大声で叫んでいるのだが、何の反応も無い…。おぉ、買いたい古本を持ったまま日が暮れて、私は帰れなくなってしまうのか…。このお店は家の前に建っているので、一旦外に出て家のチャイムを押すべきか、それとも伝言メモとある程度のお金を置いて立ち去るべきか。などと考えつつも、「すいませ〜ん」を間歇的に発し続けていたら、ようやく店主がサッシの向こう側に顔を出してくれた。「す、すいません。洗濯物を取り込んでいたので…すみません!あの、誰もいない場合は、裏の家のピンポンを押すか、この電話で“1#”を押せば家とつながりますので」…書いておいて欲しかった…。そしてようやく本を差し出し精算してもらう。店主は一冊一冊評しながら、ほとんどが100〜200円の値付け。お宝本が混ざっているので、やはり店主に値付けしていただいて、本当に良かった。エール出版社「タレント残酷物語/竹中労」(100円!連日のどひゃっほうである)幸洋出版「仮面を剥ぐ/竹中労」大和出版「遊ばない人間に仕事ができるか/田邊茂一」北海道教育社「札幌青春街図」日本評論社「ルービック・キューブ免許皆伝/島内剛一」光文社文庫「戻り川心中/連城三紀彦」を購入。

ここまで来て良かった。そう思わせてくれる収穫であった。しかし今日はたくさん歩いた。後は最後の一歩きで、JR清水駅までトボトボ…あっ!メーターを振り切った古本屋さん「エンゼル書店」(2010/05/04参照)が看板を下ろしてしまっている!ショックだなぁ…。

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2013年03月17日

3/17山形・鶴岡 なんだ屋

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ウィークエンドパス二日目は、新潟から『特急いなほ』に揺られ、緑色の日本海を見ながら二時間。二年ぶりに海坂藩入りする。白く神々しい出羽三山の柔らかな姿に目を細めながら、突っ切り難いロータリーを強引に突っ切り、『駅前通り』を南へ。交差点をひとつ過ぎ、次の交差点手前の脇道を西に入る。真っ直ぐ進んで200m。右手に広い駐車場を備えた『癒の蔵』と言う仰々しい名の岩盤浴場が現れる。その右側壁奥には別の店舗入口が見えており、中はシンバルが窓から覗く楽器屋になっている…ズムズムとロック音楽が響いて来るが、ここは古本も扱っているらしいのだ。怖々と中に入り込むと、そこは広めの通路になっており、最奥に倉庫への入口があり、通路はギターネック・楽器部品&小物・CD、それに音楽古雑誌やEPレコードの姿が。入口右横の部屋が楽器店になっており、その隣りのスタジオからロックの生音が聞こえて来ている…むぅ、古本は雑誌だけなのだろうか?ちょっと焦りながら通路をうろつき、楽器には何の用も無いのだが、古本確認のために店内に突入する。何処までもロックの匂いを強く漂わせる楽器屋さんだ。だが、入口左横にレコード棚を発見。そして入口右横に、大きな本棚を無事発見する。良かった!ボックス棚のメインは「ミュージックマガジン」などの音楽雑誌やバンドスコアだが、棚の両端にミュージシャン自伝&評伝・ジャズ&ロック評論・寺山修司(充実)・澁澤龍彦が並んでいる。値段は普通でかなり偏った並びだが、質は中々。欲しかった本が意外な安値で発見出来たので、それを掴んですぐさまレジへ。黒ぶちメガネのテクノボーイ・白髪のロック少女・山男的男性にチラ見されながら精算する。河出書房新社「じゃがたら/陣野俊史」を購入。

いょしっ!これでツアーは無事に終えた!行くぞ、あのお店に!ともはや小走りで、再訪したくてたまらなかった「阿部久書店」(2011/06/12参照)へ。
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二年前の記憶を頼りにお店にたどり着くと、店頭にはダンボール箱がたくさん積み重なり、100均棚がほとんど見えない状態…いや、仕入れがたくさんあると言うことは、お店が元気な証拠である!喜びながら一冊抜き取って店内へ。郷土本や古い本の島をひっくり返したりしていると、帳場のおばあさんが突然「お雛様見るか?」「へっ?」と、お店の奥に招いてくれた。戸惑いながらも住居部分に入り、靴を脱いで部屋の中へ…するとそこには、緋毛氈を敷いた十段はある巨大な雛壇!並ぶ人形や小物類は、どれも古めかしく立派な、江戸期の細工の物ばかりである。瞬間、このお店の古い歴史を垣間見る…おばあさんの説明を聞きながら、古本を抱えたまま、しばらく雛壇の周囲をウロウロする。俺は今、本当に海坂藩に来てしまったのだろうか?丁寧にお礼を言い、続いて二階の探索へ向かう。あぁぁ、やはりここはスゴいお店だ。帰りの電車までまだ時間はあるので、棚をじっくり眺め、時に床に跪き、気になる所は二重棚の奥まで覗いて行く。あっという間に古本の小山が出現。ちょっと買い過ぎかな…と最後に本当に必要かどうか心の篩に掛け、数冊減らして意気揚々と階下へ向かう。本の束を帳場に差し出すと、おばあさんは「まあまあたくさん。ありがとうございます」とニコニコ顔。計算してもらうと、やはり単行本は四百円均一で、文庫は百円均一、そして収穫の「こども家の光」は二百円均一であった。どひゃっほうである。家の光協会「こども家の光(昭和二十七年〜三十七年のバラ十一冊)」(日影丈吉・星新一・西條八十・仁木悦子・北村小松・戸川幸夫などのジュブナイルが!)大地書房「私のアンデルセン/森田たま」羽田書店「宮澤賢治名作選」(昭和十四年刊の一冊もの)櫻井書店「詩集 初雪/大木實」雄鶏社「春の夜/芥川龍之介」金鈴社「朔風/牧野吉晴」文省社「日本作者辞典」筑摩書房「バトルロイヤル/サミュエル・フラー」相模書房「今和次郎著作集 住生活」春陽堂少年文庫「七面鳥の踊/鈴木三重吉」春陽堂世界名作文庫「アルマンス/スタンダール」「チュルヂス伯爵夫人/メリメ」春陽堂文庫「ドルヂェル伯の舞踏會/ラデイゲ」を計五千円ポッキリで購入。大大大満足する。また必ず、古本を買いにやって来ます!
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2013年03月16日

3/16神奈川・藤沢 BOOKSHOP kasper

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久々にウィークエンドパスを購入し、今日は日和って近場の藤沢へ。北口に出て空中広場を通って『さいか屋』の西脇を通り、『銀座通り交差点』。そのミニスクランブルを渡って、通りを北西上して行く。50mほどで鞄屋の脇道を北に入り、左手に注意を注いで歩いて行く。塀沿いにシンプルなアトリエ『Kirigiris』の看板が立ち、セメント飛び石の小道が奥へと延びているのを発見したら、躊躇せずに踏み込んで行く。小道の奥で待っていたのは、蔦の絡まる古い民家風洋館であった。庭の奥に見える玄関は開け放たれ、アートとフリーダムな空気を漂わせている。足音を忍ばせ邸内に進入し、そのままひんやりとした玄関内へ…ほぉ、中は正真正銘の古い洋館だ。様々な物が飾られたり、カウンターが設置されたりしているが、年季の入った豪奢な造りにしばし感動する。右に展示物のあるギャラリーが見えているが、私が求めるのはただ二階の一室にあるはずの、本屋さんなのである。すぐ目の前にある、優雅なカーブを描いて巻き上がって行く階段を、擦り切れた深紅のカーペットをそっと踏み締めて上がって行く。二階から、今にも映画女優がドレスをひらめかせて下りて来ても、おかしくはない非日常さを楽しみながら、上へ。シンと静かな二階では、大広間の反対方向にある、狭い廊下に足を向ける。すると奥の小さな一室が、現代からも藤沢からも忘れ去られたような、瀟洒な本屋さんになっていた。細長な空間には、真ん中にテーブル、右の壁際にいくつかの飾り棚と椅子が三脚。奥の窓際には、小さな飾り戸棚と共に帳場があり、窓からの逆光に浮かび上がったショートカットのうら若き女性が、平凡社ライブラリーの一冊を読みふけっていた。そして入って来たこちらと顔を見合わせ、驚いたように「いらっしゃいませ」。荷物を椅子の上に置かせてもらい、店内の、それほど多くない本を眺めて行く。テーブルの上には、リトルプレスや同人誌が飾られ、右壁は絵本から始まり、北欧・東欧・南米・みすず書房の『大人の本棚』シリーズ・飯沢耕太郎・四月と十月文庫・氷河本など。…しかしこれらはそのほとんどが新刊で、一冊だけ高橋睦男の詩集が、パラフィンの掛かった古本であった。緊張しながら勇気を持って窓際の戸棚の前にしゃがみ込むと、店主がある翻訳家さんのセレクト棚であると教えてくれた。フランス関連が目に付き、すでに売れた本も多いそうである。ここではストラヴィンスキーに関する一冊が、古本であることを発見する。「ここは新刊も古本も売ってるんですか?」と聞いてみると、ほとんどが新刊で、帳場横の壁棚に並ぶ洋書絵本が以前からインターネットでも販売している古本であるとのこと。ひっそり咲く藤沢のアトリエの中に、さらにひっそりと静かに咲き誇る、弓を引いたケンタウルスをシンボルにした、小さな小さな書店に幸多からんことを!インスクリプト「エル・スール/アデライタ・ガルシア=モラレス」(新刊)を購入。

「お邪魔しました」と、そっと忍び足でコソ泥のように階段を下り、ソロソロと表へ抜け出して、返す刀で南口の『有隣堂藤沢店』六階に突撃し、「第16回フジサワ湘南・古書まつり」を急襲する。エスカレーターを上がりに上がり、『名店ギャラリー』のエントランスに入る。
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迎えてくれるのは、プレミア紙物とプレミア芥川&直木賞本の飾られたガラスケースと、それに続く古本屋さんが集まる帳場。ギクシャクとその前を通り抜けて中に入ると、「文雅新泉堂」さんが優しく声を掛けてくれた。その後は、「聖智文庫」さんにマンツーマンディフェンスされ、「船越書房」さん「グリム書房」さん「海風舎」さんまでが次々と声を掛けてくれた…緊張&恐縮しまくりながら、ナゾの“古本屋モテキ”タイムを味わう…みなさんに毎度お世話になっているとは言え、すっかり面が割れまくってしまった…。会場はそれほど大きくはないが、右壁際に本棚と平台、真ん中にはワゴンと本棚の組み合わせがズラリ。左壁はガラスケースと平台、そして入口左横に本棚。しっかりプレミア値から、スキあり安値まで。絵本・児童文学・日本文学・詩集・世相・風俗・横浜・三浦・ミステリ・美術・美術図録・歴史・絵葉書・地図・錦絵などなど。上手く表現出来ないが、神奈川らしい懐の深い並びがとにかく嬉しい。波書房「器としての身體/三上賀代」(土方巽の暗黒舞踏の本なのだが、巻かれた帯は小学校高学年の、感想文を書く課題図書になっている…そんなことがあり得るのか?それともみんな“暗黒舞踏の”感想文を?)弥生書房「釜ヶ崎愛染詩集/東淵修」セメダイン株式会社「セメダイン五十年史」誠光堂新光社「かぶと虫の図版100選/西尾忠之」を購入。この市は明日3/17まで。

※お知らせ 『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』連載中のトマソン社「BOOK5 第六号」が3/15に発売。今回は岩手・宮古の何の変哲のない、二年前に大変な目に遭った新刊書店を訪ね回ってます。





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2013年03月15日

3/15愛知・藤が丘 千代の介書店

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名古屋駅から地下鉄・東山線に乗り込んで、最終的には地上に露出する終点まで三十分。改札を抜けると、駅の近くにビルが建て込んだ、小さな郊外の街。すぐさま東の大通りに抜け、『藤が丘駅東交差点』からまだ花の咲かない桜並木を100mも南下すれば、すぐに『照が丘交差点』があり、その手前左側に変わった名を保つ古本屋さんを発見出来る。『千代の介』…何だってこんな名に…まさか本名と言うわけでもあるまいに…いかん、やっぱり東千代之介しか思い当たらない…。そんな風に葛藤しながら、小さなお店の入口を探す。あっ、右側の側壁手前側が、ガラス戸の入口になっていた。狭いアプローチに身体を滑り込ませ、ドアをスライドさせて中へ…うわっ!何だこのお店?全然小さくない…と言うか、恐ろしいほど奥行きがあって、整然とした本棚で造られた通路が、ちょっと薄暗く十五メートルは延び続けている!そして遥か彼方に大きな帳場があり、ハットを被った老店主がピョコンと顔を覗かせた…と、遠い。個人店としては、チャンピオンクラスな遠さだ。そして通路は左隣にも、同型同寸のものが潜んでいる気配。ドキドキしながら、壁のような棚を必死に見続けて行く。右壁は新書と講談社学術文庫から始まり、たっぷりの日本文学…作家五十音順にある程度セレクトされているにも関わらず、どこまでもどこまで続いて行く…。下の平台には歴史時代小説が背を見せて並び続ける。奥の帳場近くでは、日本近代文学評論が固まっている。ここまで来て、すでに一店分の本を見た気分に陥りながら、さらに入口側に引き返して通路棚にへばりつく。新書・選書、そして細やかに日本純文学を網羅した文庫棚…充実している。やがて途中から日本文学随筆&エッセイに変わり、さらに歴史・江戸と変化し、最後は箱入本を中心にした日本近代文学〜70年代文学となる。ここで、帳場で読書中の店主に最接近したところで、「何かお探しですか?」と声を掛けられる。「いえ、特に何かと言うわけではないんですが…棚が凄いのでじっくり見させてもらっています」「そうですか、ゆっくり楽しんで行ってください。いくらでも眺めていて構いませんよ。夕方までいてもらっても構いませんよ」とニッカリ。…いや、モタモタしていたら、本当に夕方になってしまいそうだ。ピッチを上げて、左側の通路へ。判ってはいたが、同様に長い。こちらは帳場側から見て行って、まずは通路棚に箱入日本近代文学〜70年代文学続き・再び文学系随筆&エッセイ・海外文学文庫・日本古典文学・岩波文庫が並ぶ。壁棚は美術・本・古本・書誌学・海外文学・古代史・芸人&役者・映画・詩歌句・思想・みすず書房・東洋文庫・水上勉&安岡章太郎&山田風太郎&吉行淳之介文庫が並ぶ。左右の通路とも、頭上に渡り棚が何本も架けられ、特別な作家・美術・全集・事件・風俗・パリ・芭蕉などの本が置かれている。あぁっ!お店に入っていつの間にか、一時間半が経過してしまっている!恐るべき日本文学通路店だ!微に入り細に入りまくった棚に目を通して行くのは、まるでマラソンのよう。ただただ圧倒されるばかりである。値段は普通。本の背にすっかり陶酔&疲労しながら、選んだ本を手にして帳場へ。レジ台はキッチンのようなステンレス台である。精算しながら店主は「あなたは、何か造ってる人なの?」「え?い、いえ、特には…」「そう?陶芸でもやってるのかと思ったけど。ウハハ」…後ろで結んだ髪を見て、推理したのだな。残念ながら、ハズレです。潮文社「文壇の展望/十返肇」角川文庫「修験峡殺人事件/水上勉」春陽文庫「かみなり先生青春帳/鳴山草平」を購入。

この後は、隣駅にあるお店をツアーするつもりだったのだが、千代の介であまりにも時間を食い過ぎた!予定を一部すっ飛ばして、勝手の判らぬ地下鉄をどうにか乗り継ぎ、久々の川名へ。ただ単純に古本屋さんを楽しむために「百萬文庫」(2011/04/16参照)を急襲する。文庫ばかりの店内で、楽しいレッツ・ハンティング!二十分後、八冊を手にして、帳場の和製ダニー・デビート風店主に差し出すと、「ほぉ、良くまぁ色々見付けて来たものですね。…あっ、これは!やられた!値段を間違えてるな。おめでとうございます」と矢継ぎ早なリアクションを見せてくれる。「戯曲 真田風雲録」を掲げ「これですよ、これ!」と残念そうな顔。と言うわけで、角川文庫「戯曲 真田風雲録/福田善之」中公文庫「コンスタンチノープル/橘外男」春陽文庫「死人に口なし/城昌幸」「上方武士道/司馬遼太郎」岩波文庫「暢気眼鏡・虫のいろいろ/尾崎一雄」ハヤカワ文庫「鼠と竜のゲーム/コード・ウェイナー・スミス」創元推理文庫「恐怖の限界/W・P・マッギヴァーン」を計1750円で購入する。「今日は当たりですよ」の声に送られ、ついついニヤついて表へ出る。
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2013年03月13日

3/13東京・西荻窪 beco cafe古本販売開始!

自転車で強風に立ち向かい、西荻窪に「フォニャルフ」の補充に向かう。お店の前で自転車を停めようとすると、スタンドのバネが消し飛んでいることに気付く…先日のタイヤの寿命と言い、ガタが来てしまっているのだろうか?店内に滑り込むと店主は不在。三月のテーマは『文庫祭(ぶんこさい)』と称し、好きなジャンルの文庫本を二段に並べ、先週からすでにスタートさせていた。スパッと補充を済ませて早々にお店を離脱する(しかしとても足りなかったので、また近日中に補充しなければ…)。
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駅北側へ自転車をぐいぐい走らせる。軽く迷って「beco cafe」(2012/02/11参照。おぉ、ほぼ一年前のレポート)に到着。
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裏道に潜む隠れ家的なブックカフェで、以前のツアーは古本の交換を取り上げたものであったが、最近本格的に古本販売を始めたらしいので、苦手ではあるのだが単独潜入捜査を決行しに来たわけである。自転車を停め、開け閉めにコツのいるドアをスライドさせると、目の高さに本の交換所が新たに出現していた。『今日は買いに来たのだ!』と中へ進むと、少し本棚の位置が変わった細長い店内で、先客はお一人。奥の角のテーブル席に緊張しながら陣取り、『ホットジンジャーエール』のハードを注文する。そしておもむろに立ち上がって、店内の棚に探りを入れて行く。手始めにすぐ横にあった小さな棚の本を手にしてみると、値段は付けられていない…すべてを売っているわけではなさそうだ。続いてカウンターの上を見ると、『せるすとっく』と名付けられたコーナーになっており、ここの本は自由に読み、買うことが出来るようだ。本関連・アジア・「別冊宝島」・現代風俗&カルチャー・美術図録がキレイに並び続けている。それらを見ながら入口方面に戻って行くと、カウンターに付けられたテーブルと左壁際の本棚で、しっかりと古本販売がされていることにようやく気付く。ここの本は販売のみなので、席で飲食しながら読むのは禁止となっている。テーブルには食の本とSF本…中々隔たりのある組み合わせだ…。本棚に向き合ってみると、「空犬書房」さんと「文昌堂書店」さんの出店となっている…本&書店関連・SF・講談社文芸文庫・岩波文庫・日本文学・海外文学・現代思想…二店共折り目正しく、まるで小さな新刊書店のようでありながら、本読みの血と矜持が根底に流れている。値段はちょい安〜普通。上から下までゆっくり眺め、再びテーブル側に戻って買う本を決定する。おっ、入口横には100均文庫の詰まった箱も出現していた。ひとまず席に戻って、熱く刺激的なジンジャーエールと格闘。口中をシビシビさせながら、おいしく飲み干す。再び入口近くに向かって本を手にし、席まで戻って精算をお願いする。と同時に書皮の有無を聞かれたので、喜んでそれもお願いする。新書にお店オリジナルの書皮が掛けられ、こちらの手へと渡る。…あぁ、この古本が買える喜びよ!売ってくれるようになり、ありがとうございます!中公新書「動物に魂はあるのか/金森修」を購入。
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2013年03月12日

3/12千葉・公津の杜 ほんだらけ 成田店

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まだ冬枯れたままの田園地帯を京成本線で走り抜けて行くと、成田駅のひとつ手前から突然街が出現する。そこで慌てて降りて、伽藍のような巨大駅舎から外に出ると、右を見ても左を見ても、古い建物の無い新しい街。ロータリーから東に脱出して、大通りを北上し始める。テクテク歩き続けて交差点をひとつ越えると、道は東に大きくカーブして行く。時々建物と建物の間に覗く街の圏外には、雑木林のある郊外の気配が漂っている。一キロほど歩くと、郊外型商店舗が集まる交差点に出るので、そこで北西へ。左手に真っ黄色で、倉庫然とした「ほんだらけ」がどっしりと横たわっていた…やはり大きいか。駐車場を通って建物の横腹から中に入ると、天井高く屋根裏が剥き出しの巨大空間。ただし、居並ぶ背の高い本棚のせいで見通しはすこぶる悪く、その全貌を掴むことは当分出来そうにない。取りあえず突き進みながら、どうにか把握して行こう。入口正面の最近本コーナーには目もくれず、入口左横のゾーンへ。女性実用ムック棚の奥に二本の本棚が並び、壁棚と共に古本小空間を造り出しているのだ。壁際には『いとうグループ』のようにまずは駄菓子が並び、隣りに料理関連、そして雑誌がズラズラと続いて行く。奥の二本の棚には、出版社別絵本・出版社別児童文学・サブカル・タレント・スポーツ・映画・音楽・歌舞伎・美術・骨董などが収まっている。そのまま前方左奥のレジ前に進むと、脇に特別な二本の棚があり、探偵小説・幻想文学・絶版漫画・サンリオSF&探偵小説&幻想文学の文庫が、しっかりとプレミア値を付けられ収まっている。う…む、ここにスキは存在しないようだ…。そのままレジ前の通路に入り込むと、新書がビシッと並び、右側に途中からハヤカワポケミス・ノベルス・唐沢俊一・ここは安めの探偵小説文庫・古典文学・江戸東京・写真が現れる。左奥にはアダルトコーナーへの入口があり、奥壁には雑誌と時代劇文庫が並んで行く。そしてこのレジ前通路から右に向かって、七本の通路に古本が集まっており、後はひたすらコミック天国になっていることをようやく把握する。道のりは長いので、じっくり進んで行きますか。まずは隣りの第二通路。ここは専門単行本がひしめき、歴史・社会・宗教・ビジネス・自然科学・思想など、多岐にジャンルが分けられている。第三通路は一般単行本で、エッセイとミステリ&エンタメがそれぞれ50音順に丁寧に並ぶ。第四通路は海外文学と歴史小説が集まり、第五通路はオカルト・民俗&民族学・古本関連・文学評論と共に、長い旅路となる文庫棚がスタート。以降三本の通路に、日本文学文庫・海外文学文庫・出版社別教養&雑学文庫・ラノベの順で続く。十三段の本棚が計六十三本…恐ろしい数字である。単行本は古い本はそこそこだが、文庫は絶版品切れが多く、大いに楽しむことが出来た。プレミア棚に比べ、こちらは充分スキもあり、値は定価の半額前後がメインだが、良い本がスルー値下げされているのをしばしば目にした。流すつもり見て行ったのだが、結局それでも一時間…しっかり見たら倍の時間が掛かり、抱える本ももっと増えることとなるだろう。講談社文芸文庫「放浪時代 アパアトの女たちと僕と/竜胆寺雄」「本郷/木下順二」ソノラマ文庫「黒の放射線/中尾明」集英社文庫「州崎パラダイス/芝木好子」中公文庫「追想 芥川龍之介/芥川文」春陽文庫「超人髯野博士/夢野久作」廣済堂文庫「おこりんぼ さびしんぼ/山城新伍」(今まで知らなかったことを悔やむほどの面白おかしい本である!電車の中で笑いを噛み殺すのに必死になってしまった…)角川文庫「歯科医のロック/サエキけんぞう」を購入。一冊300円平均なら、まぁまぁの収穫ではないだろうか(もちろん交通費を抜きにすればの話であるが…)。

posted by tokusan at 20:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月11日

3/11古本屋遺跡 一草園

昼から、見ないフリをしていて放置し過ぎた、確定申告の書類作成に挑む。紛失した書類を捜索したり、複雑怪奇な計算をしたり、文字を書き過ぎて指が痛くなったりして、長時間たっぷりと格闘。どうにか形にすることが出来たので、自転車で外出…その途端に後輪がパンクしてしまった…何てこった。近所の自転車屋までゴロゴロと運んで見てもらうと、パンクではなくタイヤが寿命であることを告げられる。都内の古本屋さん目指して、たくさん走ったもんなぁ…仕方無いか。タイヤの交換をお願いすると、四十五分後に取りに来てくれとのことである。閉じこもりっ放しだった家に戻るのもなんなので、取りあえずは何処かでヒマを潰すとするか。と言うことで、当然の如く足が向いたのは古本屋さんである。これぞヒマ潰し古本屋ツアー!まずはテクテクお馴染み「銀星舎」(2008/10/19参照)。店頭で二冊を見出して、さらに店内両翼をじっくりと。神奈川県県民部広報課「文学の中の神奈川」中公文庫「テキサスから来た男/アーネス・ヘイコックス」「青い絵具の匂い/中野淳」講談社江戸川乱歩文庫「うつし世は夢」を100円引きの計800円で購入。いつもありがとうございます。続いて裏通りをクネクネ進んで「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)。店頭に釜ヶ崎関連資料を発見し、その勢いのまま店内に突入。釜ヶ崎差別と闘う連絡会「釜ヶ崎からの現場報告」春陽文庫「怪奇・伝奇時代小説選集(3)新怪談集/田中貢太郎」角川文庫「日本女地図/殿山泰司」を計850円で購入。さらに駅に近付いて、かなり久々の「今井書店」(2009/08/31参照)。店内のピカピカの文庫棚から、双葉文庫「本棚探偵の回想/喜国雅彦」中公文庫「六本指のゴルトベルク/青柳いづみこ」を計550円で購入。ちょっとしたヒマ潰しのはずだったのに、あっという間に九冊の本がバッグの中に収まってしまった…あぁ、これでまた、家の容積が減少してしまう…。

最後に阿佐ヶ谷駅北口、東側の高架沿い商店街に残っている、古本屋遺跡と化している「川村書店」を見に行ってみる。お店を閉めてずいぶんと経つが、シャッターの下りた店頭は、まだ往時の姿をしっかり留めている。このお店に入ったことは、残念ながら無い。入るチャンスは何度もあったのに、何故入らなかったのだろうか?そう改めて考えてみると、実はその答えはお店の裏手にあったのかもしれない。脇道を高架に向かって行くと、今は緑が力強く野性的に生い茂る、秩序を失った庭が目に入る。かつてこの裏庭は、私設ミニ植物園『一草園』であった。古本屋店主が様々な草木を植え、一般公開していたのである。その手作りパラダイス感は独特なものがあり、それが当時さほど古本屋に興味を持っていない私を、躊躇させた原因だったのではないだろうか。荒れるに任せた庭を目にすると、今だったら大喜びでツアーするのに…と時々派手に後悔しているのである。
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そんな風に古本と古本屋に溺れていたら、あっという間に四十五分。よし、自転車を取りに行くとするか。
posted by tokusan at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月10日

3/10東京・町田 木曽山崎センターまつり チャリティ古本市

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どうも週の半ばから風邪をひきっ放しになったようで、体調が芳しくない。それでも今日は横浜に仕事に行かなければならぬので、風邪薬でドーピングした勢いを借り、ツアーも経由してたどり着こうと計画。町田駅の『バスセンター』から『山崎団地行き』に乗り込み、鉄道路線から隔絶された内陸に入り込んで行く。しかし何処まで入り込んでも、人の家は果てしなく建ち続けて行く。二十分ほどで、巨大な『山崎団地』と『木曽団地』がせめぎあうかのように火花を散らす境界線に、バスは停まった。両方とも少し古い、ニュータウンタイプの団地群で、団地育ちである私の心に、荒涼とした灰色の切なさを伝達してくれる。目指すのは『山崎団地』側にある『木曽山崎センター』で、そこでお祭開催と同時に古本市も開かれているのである(本日のみ)。道路からやるせなさの漂うショッピングゾーンに踏み込むと、目的の建物はすぐに見つかった。そして建物の入口横に、古本箱が並ぶ姿を無事に発見する。テントが組まれているが、強風のため骨組みだけの無惨な姿となっている。“L”字に組まれた長テーブルと地べたにも箱の列があり、合計三十箱。一般小説・実用・ビジネス・自己啓発・エッセイ・文庫・雑誌・リーダーズダイジェスト全集・ガイド…そのほとんどが、ビニールコーティングされ分類ラベルが貼られたままの、図書館リサイクル本であった…こちらもまた無惨である。ラベルの貼られていない岩波文庫「狭き門/アンドレ・ジイド」「愉しき放浪児/アイヒェンドルフ」を選び出し、200円を募金して会場を後にする。

町田まで戻り横浜線に乗車。菊名駅付近で黄砂の襲来を目撃して、桜木町着。フラフラと関内ビル街裏通りの、人気の全く無い道を独り歩んで行く。日食時のように薄暗くなる街。ここは終末世界のゴーストタウンなのか?県立歴史博物館横の「誠文堂書店」(2010/02/28参照)に逃げ込み、階段上の安売り棚の中央公論社C・BOOKS「無事がいちばん/横井庄一」を発見し300円で購入。この突然の終末世界をサヴァイヴするのに、正にぴったりの本ではないか(かれのマメ過ぎるサヴァイヴァル術には、ただただ感心するばかり。偉大だ!)。


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2013年03月09日

3/9東京・渋谷 洋書バーゲン&古本特選市

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土曜の渋谷の駅を街を、人に突き飛ばされたり阻まれたりしながら、少しずつ歩いて行く。この街に呼吸を合わせるのは、もはやシンドイ作業なのである。『公園通り』を遡り、通りから『PARCO PART1』の地下一階に外階段で滑り込む。ガラス扉を潜ってみると、入口正面にあったお店がいつの間にか撤退しており、白いイベントスペースになっていた。そしてそこでは、洋書のバーゲンセール+古本市が開かれているのであった。「古書一路」さんからのタレコミであり、「うさぎ書林」(2009/07/07参照)「文紀堂書店」(2008/09/02参照)「ほん吉」(2008/06/10参照)「古書玉椿」(2010/10/07参照)の四店が参戦している。元々は店舗スペースなのでそれほど広くはないが、奥半分に洋書50%オフワゴンが集合し、前半分に二台で造られたワゴン島二つと左壁のワゴン四台+本棚二本に古本が並んでいる。その他に、ワゴンの周囲に小本棚や箱詰めの本もあり。手芸・建築・洋&和絵本・ビジュアルムック・南米・映画・アート・コミック・サブカル・詩が目立っている。文庫は本の間に少々並んでいるか、箱の中にしかないようだ。非常に少数精鋭な古本市である。良い本がしっかり並んでいるが、それらは値段もしっかりめな傾向。しかし安値の突破口も設けられているので、あきらめずに探せば必ず道は開かれるはずである。会場は賑わっている訳ではないが、人の出入りが途切れること無く続き、皆物珍しそうに本を手にしている。女子率&オシャレ男子率高し!TREVILLE「彷徨の映画美術/木村威夫」(資料探しのための古本&古本屋話が非常に多く面白い。後で良く見てみたら「彷書月刊」連載をまとめたものであった…)大和出版「天下御免/早坂暁」を購入。この市は3/20まで。

ファッションビルの地下から脱出し、フラフラと街中を南に流れて、ゴミゴミした裏町の「古書サンエー」(2008/07/24参照)へ。その店内平台の中で目についた、ダンボール函の薄い一冊の詩集…木曜書房 リベルタン叢書「今官一詩集 隅田川のMISSISSIPPI」だ(この小説家詩人とその詩については、近代詩伝道師・PIPPO氏より知る。巻末に、小山清もチラと姿を見せる『太宰治告別式実況』が!)!函も本もキレイで、2500円は絶対に安いはずだ!と即購入を決定する。限定350部のうちの122番。帰りの、夕陽の飛び込むバス内で読み進める。隅田川からは遠く離れた、昔より肥大した東京で、かつての東京を舞台に編まれた言葉を、シャリシャリと噛み締める。
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posted by tokusan at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする