2013年05月31日

5/31西荻街角ミニミニふるほん市準備完了。

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昨日から今日の夕方にかけて、部屋の中の古本山脈と格闘し、6/1・2の『西荻茶散歩』に併せて開催される「盛林堂書房」(2012/01/07参照)の「西荻街角ミニミニふるほん市」への参加準備を、ヘトヘトになりながらどうにか終える。普段の「フォニャルフ」棚も今回は占領し、横一列に一メートル以上本を並べるつもりなので、量は少し多めになった。そのラインナップは選びに選び、悩みに悩み、単行本と文庫本が半々。それらをンガラガラガラと西荻まで運び、閉店間際のお店の棚にドカドカ並べて行く。と言うわけで、中々の本たちが、安値で。またレア文庫も、それなりのお値段で並んでいたりしております。ぜひこの土日は、我が『古本屋ツアー・イン・ジャパン』棚の偉容を眺めに、西荻窪へ足をお運び下さい!苦心の作のフリーペーパー『旅と古本』(古本を求めて旅する喜びについて、己の心の底を覗き込み分析した狂熱の随筆もどき。五十部用意!)は、入口から入って左側、ガラスウィンドウ前のスペースに置いてありますので、こちらもお楽しみに!
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そんなこんなで店内での準備を一足早く終え、後は明日の開催を待つばかりとなった。盛林堂ミステリアス文庫「奇巌城/蘭郁二郎」「ドワーフのホロボロスとホグバイターの剣/ロード・ダンセイニ」(共に新刊)を購入。
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2013年05月30日

5/30早稲田文省堂は明日で店仕舞い!

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外仕事を済ませて、色々買い物も済ませて、降ったり止んだりの雨の中を早稲田へ。閉店が明日に迫った「文省堂書店」(2013/05/14参照)をまたもや覗きに行く。壁棚通路棚、共にブランクは見られず、相変わらず文庫がビッシリと詰まっている。どうやら恒常的に補充が行われているようだ。まだまだしっかり100円では安い本がたっぷりと残っている。その代わり、倉庫から持ち出して来たとも思われるダブり本も、そこかしこに。目が痛くなるほど本棚を注視しまくり、本日は二冊。すると帳場で「本日は一冊50円で〜す」と歌うように告げられる。文庫&ポケミスは、ついに50円均一だ!新潮文庫「大岡政談(下巻)/林不忘」(これで上下巻が揃った!と喜んだら、家にあったのも下巻であった…)創元推理文庫「蘭の肉体/ハドリー・チェイス」(1972年の11版だが、初版の年号が1913年となっている!お茶目な誤植だ)を購入。

坂を下って久々の「古書現世」(2009/04/03参照)へ。お店の中は次なる市の準備で、壁棚前に括った本の壁が誕生している。久々の向井氏とお話ししながら、ワイズ出版「夢野久作の少女地獄」河出書房新社「大伴昌司「大図解」画報/堀江あき子編」を1500円で購入。

さぁ、家に帰ったら、ついに明後日に迫ってしまった「西荻街角ミニミニふるほん市」の、本の準備を始めなければならない…最新フリペ「旅と古本」と共に、面白い本を並べることをここに誓います!誓ったから、後はやるのみ!まずは部屋にはびこる、古本の山と格闘だ!
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2013年05月29日

5/29東京・三ノ輪 リサイクルショップ あうん

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梅雨入りしたのに雨はまだ降って来ない。ならばその前に、と素早く行動を起こして久しぶりの日比谷線三ノ輪駅。『2番出口』から地上に上がり、『昭和通り』を少し南に下って『根岸図書館』裏を南東から北西に向かって四十五度に延びて行く『正庭通り』に入り込む。瘤の多い桜並木の疎らな商店街を300mも進み、五叉路手前の細道を西へ。二本目の広い道を北に曲がると、左手に倉庫を改造した大きなリサイクルショップが見えた。フラフラと近所の老人たちが吸い込まれて行く…完全なる地元下町密着型店舗である。緑枠に囲まれた大きな開口部の奥には、右に被服ゾーン、左に雑貨&家電ゾーンが見えている。奥の木製階段を上がれば、二階には小型家具売場。しかし古本屋ツーリストたる私が駆け付けたからには、ここでは古本も販売されているはずなのだ!まずは左壁入口近くに50〜100円文庫&単行本&絵本が並ぶ棚を発見。新しめな本が中心で、量はそれほどではない。そのまま奥に進むと、少し荒れた感じの50均文庫ワゴンが現れる。日本文学とミステリが中心…しかし食指の動く本を見つけることは出来なかった。他にもフォークの多いレコード箱やCD棚も設置されている。そんなリサイクル感全開の品揃えの中で、ぐいっと引き寄せられたのは、入口近く長机下にあった緑色の雑誌箱。ほぉ、昭和四十年代前後の文藝春秋「漫画読本」がドッサリと三十冊ほど詰まっているではないか。一冊ずつ目次を丁寧に確認して行き、植草甚一・大伴昌司・殿山泰司・日影丈吉・飛鳥高の原稿が掲載された号を六冊購入する(おや?奇天烈拳銃本「ショック氏」(2013/04/26参照)の著者・境田昭造の漫画も掲載されている…割りと売れっ子だったのか?)。一冊100円であった。

帰りに阿佐ヶ谷「今井書店」(2013/05/23参照)を気にしてみると、お店は撤収作業の真っ最中であった。店頭に積み上がる什器の山が物悲しい…二十七年間、おつかれさまでした。
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2013年05月28日

5/28東京・小田急永山 古本・手づくり雑貨 あしたやみどり

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南口に出ると『グリナード永山』と『ベルブ永山』の商業&公共施設が都市の丘を造り出している。南を目指して階段を駆け上がり、中庭を通り抜け、さらに階段を上がって橋を渡り、緑が透き通るように美しい『永山北公園』へと入り込んで行く。駅を少し離れてから、ここいら一帯が緑に包まれた古いニュータウンであることを理解する…それにしても、これでは森の中に街があるようではないか。三十〜四十年前の竣工時に植えた樹木が、揃いも揃って立派にスクスク育ったために、このように街を人工の自然が包み込んでしまった光景が生まれたのであろう。もはや緑との共存を越え、それは“緑の脅威”となりつつある…。そんな緑の葉が覆い隠す樹下を、スタスタ歩き続ける。公園を南東に抜け、アオギリが立ち並ぶ大通りに出る。何処まで言っても緑が尽きず、土手の上に巨大な団地群がチラリと見えた。通りを600mほど南に進むと、交差点北東際に『諏訪名店街』と言う、十九のお店を並べた看板を発見する…目指すお店は近いぞ。交差点からさらに南に進み、幼稚園裏と都民銀行裏を過ぎ、陸橋への階段を駆け上がる。緑で遮られていた視界が開パッと開け、東側に寂しげな団地の商店街が続いていた。二階建てで、二階が住居、一階が商店の長屋形式である。水平に連続する商店に目を据えながら東にそのまま進んで行くと、一番右端に古本の姿が見えて来た。古びた団地商店街に古本屋さん…余りありそうでない、素晴らしい組み合わせに感動しつつ、これはつつじヶ丘の「手紙舎」(2009/12/13参照)と同シチュエーションであることに思い至る。その佇まいさえ、パッと見はそっくりではないか。これで面白い本でも手に入れば、何ものにも代え難い体験が出来るのだが…。深い庇の下にはしっかりと店名看板が架かり、全面は木枠のガラス戸。出入口は左右二ヶ所だが、何と右側は自動ドアとなっている。店頭には古布や手織りマットと共に、50均文庫&単行本台と100均単行本台が出されている。ちょっと古い本や児童書も多く、侮れない予感が走ると同時に、福祉系の古本に対する嬉しい平等&無頓着感も感じ取る。店内は横長の奥行きは浅めで、左が手づくり雑貨ゾーン、正面壁と奥壁が古本棚となっている。右壁は文庫を一列上に乗せた200均単行本棚で、80年代〜現代の日本文学を中心とした品揃えとなっている。正面棚は日本文学文庫と右端に海外文学文庫、最下段に新書の並び。本はギチギチに棚に収められ、店頭同様古い本も混ざり気味。やはりここは寄付された古本を販売する、福祉事業のお店であった。だから注意深く、丁寧に、何も見逃さぬ気構えで、眺めて行く。すると単行本棚左端で、恐るべき本を発見!山尾悠子の書下し長編第一作があるじゃないか!キレイで帯付きで…ど、どひゃっほう!団地の片隅で、天に飛び上がらんばかりに、心がドギンと跳ね上がる!それは、素晴らしいシチュエーションのお店で、プレミア本を安値で掘り出した“古本黄金体験”!この本に出会わせてくれて、ありがとう。お店に多大なる感謝を捧げつつ、徳間書店「仮面物語/山尾悠子」審美社「イタコ無明/小野才八郎」ちくま文庫「興行界の顔役/猪野健治」中公文庫「コンスタンチノープル/橘外男」を購入。
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本日のどひゃっほうである。

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2013年05月27日

5/27東京・町屋 古本応援団

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昨日は古本にまったく触れられぬ、古本屋に近付くことも叶わぬ、海の上での仕事に従事。美しく広い海に心をザップリ洗われながらも。茶色く薄汚れた古本は片時も心を離れない…あの離れて見える陸地には、古本屋さんがあるんだなぁ…古本屋古本屋…そんなような心持ちで一日を過ごす。おかげで身体にはねっとりと疲労がまとわりついているが、しかし今日こそは古本に触れなければ!とヨタヨタしながら千代田線町屋駅。『3番出口』から地上に出ると、ちょっと賑やかな『尾竹橋通り』。そこを北に進み左手に注意していると、二階にお好み焼き屋さんを乗せた、リサイクル系の古本屋さんが…それにしてもなんて店名なんだ…“応援団”?…古本好きとしては、まったく結びつかぬ“古本”と“応援団”の組み合わせに、顔を赤らめてしまうほどだ。まぁ私もある意味、私設の“古本応援団”ではあるわけだが…インパクトのある店名から思考を横道に逸らしたまま、廉価コミック・雑誌・ガチャガチャの並ぶ派手な店頭を進み、自動ドアから店内へ。縦長の白く明るい空間は、棚が縦列し見通しは良くない。コミック・ゲーム・CD・DVD・アダルトがメインで、古本は左端通路にまとめられている。入口左横から日本文学文庫がスタートし、そのまま壁棚へと続き、海外文学文庫・雑学文庫・実用・社会・歴史・文化・スポーツ・新書・廉価本・200〜250円文庫&単行本・100均文庫&単行本と並んで行く。入口近くには最近刊本棚が一本あり、通路奥の右側には児童書・女性実用・時代劇文庫・ノベルス・ミステリ&エンタメが並んでいる。本はほとんどがピカピカの新しいもので、単行本に至っては半数が自由価格本である。値段は定価の半額より少し上のちょい高。自由価格本の方は定価の半額以下がほとんど。岩波文庫「蜜蜂マアヤ/ボンゼルス」を購入。

当然こんなことでは、昨日から苦しんでいる“古本禁断症状”が鎮まるわけもないので、『尾竹橋通り』をズンズン南下して「丹青通商」(2012/08/22参照)に飛び込む。古い文庫と電子部品の並ぶ、ざらついたコンクリ床の通路に潜り込み、旺文社中一文庫「闇からの声/作フィルボッツ」「神の灯/作クイーン」共に中島河太郎・文、文化出版局「みどり色の目/宮崎惇」を計1200円で購入し、禁断症状を抑えるのに成功する。
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2013年05月25日

5/25東京・森下 古書 ほんの木

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本日は様々な所でプロアマ問わず古本市が開かれており、“古本日和”な五月の一日であったのだが、何とそんな日に相応しく、今日が新規開店の古本屋さんもあったのである!「書肆 紅屋」さんからのタレコミにより、最近目覚ましく“古本シティー”化がグングン進む森下&清澄白河方面へ向かう。そこは碁盤の目の如き下町である。『A6出口』から『清澄通り』を南に下り、300mほどで『高橋夜店通り』『のらくろーど』と二つの名を持つ下町商店街の入口に到る。ちょっと古ぼけて寂れ気味ではあるが、のらくろの垂れ幕やイラストがあふれ返り、子供時代にかろうじて『のらくろ』を齧った世代でも、心浮き立つ商店街なのである。そんな特殊な郷愁を刺激する場所に、よもや古本屋さんが出来るなんて!南側の歩道を東にテクテク歩いて行く。本屋を過ぎて、おもちゃ屋を過ぎた商店街の中ほどに、開店祝いの立花が置かれた古本屋さんの勇姿が出現!古い看板建築と細長いビルに挟まれた店舗は、小さな間口で奥へと延びて行っている。アーケードが架かっているのに日除けがあるのは、建物が少しだけ歩道から奥まっているせいであろうか。右には慌ただしさを表すダンボール箱と立花、左には安売り棚と100均箱が三つ…安売り棚は粒ぞろいな出血大サービス中である。中はしっかり内装された明るい空間で、左右に造り付けの壁棚がが展開して行く。奥に右に帳場、左に本棚があるようだが、今は布が掛けられている。真ん中には手前にベンチ、奥にセレクト文庫を少量並べた飾り棚が置かれている。そんな真新しい店内では、三人の若い男性が忙しそうに動き回っているが、やはり『のらくろ』のエプロンを着けた、青年野比のび太風男性が店主なのだろうな…。左壁にコミック…おぉ!帯付きの「のらくろ喫茶店」が飾られている!『のらくろーど』に出来た古本屋さんなら、あればいいなと勝手に思っていたが…期待に応えるディスプレイに拍手!その後は劇画・古本関連(充実)・現代思想・文学者評伝・映画・音楽・海外文学(詩集多し)・美術と並んで行く。スマッシュヒットな本多し。右壁は美術図録・写真関連・落語・古本関連・児童文学・小林信彦・植草甚一・吉田健一・幻想文学・セレクト日本文学(詩集充実)など。かなりしっかりしたお店だな、と思っていると、背後から店主に話し掛けられ、昨日までは店内に本があふれ返り、どうにかそれらをバックヤードに押し込んで開店にこぎ着けたこと、慌てていたので本が少し少なくなってしまったこと、並びも暫定的であることを教えられる。『一週間もしたらちゃんと落ち着くと思うので…』…なるほど。またいつか来て、この目で真実のお店の姿を確かめるとするか。並びは良質で、目玉をぐっと惹き寄せる本が、満遍なく姿を見せている。値段は普通で、良い本には隙ゼロのしっかり値が付けられている。だが店頭安売り棚は、現在店内のレベルを継承しつつ、出血サービス中!その安売り棚から二冊選び。、店内の一冊と共に帳場へ差し出す。そこはレジの操作もままならぬほどの、軽パニック状態ではあったが、とにかく開店おめでとうございます!平凡社新書「ロマンポルノと実録やくざ映画/樋口尚文」学研M文庫「国枝史郎ベストセレクション」日本古書通信社「探偵作家尋訪/若狭邦男」を購入し、開店祝いの『ご挨拶』タオルをいただく。やや!このタオルは、しっかりと店名ロゴが入ったオリジナルタオルではないか。…古本屋さんタオルコレクションが、徐々に徐々に増殖中…古本屋ツーリスト冥利に尽きる、グッズコレクションだなぁ。
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2013年05月24日

5/24栃木・益子で古道具&陶器の中から古本を!二店

「かぴぱら堂」さんからのタレコミにより、益子にはまだ古本を内蔵しているお店があることを知らされる。一店はアンティーク&古道具のお店で、もう一店は益子の街に相応しい陶器屋さんである…これは早急に調査しなければ!と電車を乗り継ぎ、いつしか久しぶりの真岡鐵道の人となり、グングン益子に近付いて行く…。

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●益子「Antique道具屋」
駅のレンタサイクルにはボケていて気付かずに、徒歩で白昼夢のような『益子本通り』を東に向かい、途中『城内坂』下の交差点でようやく自転車を借りる。後はこいつに跨がって、陶器の街を一気に駆け抜けて行く。坂道をギュンギュン上がり、駅から二キロほどの『道祖土交差点』手前のアンティークショップ前でブレーキング…ここだ。しかし倉庫のように大きいので、まるで中古家具のガレージショップに見えてしまう。店頭は作業場を兼ねているが、すでに家具・看板・古雑貨が進出を果たしている。広く薄暗い店内は手前と奥に二分され、アンティークの大嵐。手前側には小物類が集まり、奥側には大物類が置かれている。所狭しと、例外無く時間の重みを纏った様々な物体が飾られているが、通路は美しく整然と確保されている…古本は何処だ!アンティークおもちゃ類に惹かれながら、各通路を一筆書きの要領で進み、通路の両側に視線を走らせて行く。やがて大きな家具が立ち並ぶ奥へ。団扇・写真・EPレコード・紙物・戸棚の中の古い「暮しの手帖」などを発見しながら、さらに根掘り葉掘りな探索を続けて行くと、奥壁ガラス戸棚の最下段に横積みされた、雑誌・和本と共に置かれた五冊の単行本をようやく発見する。古いが実用書中心…勝手に見るのはマズいと思い、入口近くの帳場にいた、タオルを首に下げた柔道・吉田秀彦風男性に「棚の中の本を見せてもらってもいいですか?」と聞くと、「本?本なんてあったっけ?何処に?」と何もかも失念した返答。奥まで案内をして「あぁ、これか」と棚を開けてもらう。ムムムと眺め、一冊だけあった文学本に無理矢理光明を見出す。値付けはされていないのだが、帳場に「これを下さい」と思い切って差し出す。「あ〜、こう言うのがいいんだ」パラパラと奥付を見て「再版…初版だったら良かったのにねぇ」さらにニヤリと笑い「状態がそれほど良くないんで800円!」とすぐさま値付け。気持ちいい!筑摩書房「東京0番地/井上孝」を購入。

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●益子「古陶磁 李朝」
さらに奥地へ進み、『道祖土交差点』で東へ。シャカシャカと日に焼けたアスファルトを踏み付け、やがて右手に緑色の『須田ヶ池』がギラギラと現れる。その向かいの、山の方へ延び上がる坂道を北東へ進む。100mほどで坂の途中左手に、立派な駐車場を持った、一軒家風の古陶器屋さんが…ここなのか?表から中の様子を窺っても、古本らしき姿は確認出来ない…大丈夫だろうか?と自転車を駐車場に停めていると、中からラフな格好の壮年の寺門ジモン風男性が姿を現し、早くも「いらっしゃい」と言いつつこちらを睨みつける。「こんにちは」と挨拶しながら、もはや後には引けぬので、斜面と階段を上がって虎のアギトに飛び込んで行く。すると入った所は飾られた陶器とキッチンだが、左手に“コ”の字に配置された胸高の立派な古本棚があるのを確認する。おぉ、これは本格的だ。「まぁ自由に好きなのを見てって下さい」「あ、古本を見に来たんですけど…」「そうですか。二階にも本はたくさんあるんで、そちらもゆっくりどうぞ」と店主は意外にもフレンドリー。ホッとしつつ、その後もなんやかんや話し続けながら、本棚をチェックして行く。棚は両面で、天板には陶器と共に文庫と新書が一列にピッチリと並んでいる。美術系が多いが、映画・カバー無し・一般文庫もチラホラ。そして下には、美術・陶芸・映画・京都・美術図録・美術雑誌・作品集・洋書作品集などがビッチリ隙間無く収まっている。ちなみにこの間、ず〜っと店主と美術と人生の話を…これは丁々発止と言う感じではなく、丁丁丁丁丁丁丁・発止のようなテンポで、私は圧倒的に聞く側なのである。やがてどうにか話の区切りを狙い定め、「では二階も」と靴を脱いで奥の階段で二階へ上がる。もちろん店主も一緒である。壁一面には油絵が飾られ、壁下の平台と真ん中の大きな腰高の平台上に、大量の高価そうな陶器!そして真ん中平台の下が、ぐるりと一周する四面本棚になっていた。おぉ、こちらもスゴい量だが、単行本ばかり!奥の指定席に腰掛けた店主と、またも話し続けながら、美術(歴史・評論・研究・随筆・評伝)・映画・陶芸・民藝・日本文学・海外文学・児童文学・詩歌・思想・風俗などなど。古い本中心の棚を、腰を屈めて口を動かし眺め続ける。1/5ほどは、背に書名のラベルが貼付けられ、違う本の表紙が取り付けられた改造本となっている。理由を聞いてみると、単に丈夫にするためとのことであった…独特な工夫だ。店主の話は留まるところを知らず、切手&書簡など紙物の博打性について・エロ・暗黒物質・ヒッグス粒子・宗教・陶器・フェイスブック・真実・レディーガガ・アドレナリンなど、その広がりも留まるところを知らないのであった。気付けばお店に入って一時間以上経過してしまっている…。これはそろそろ勝負をかけなければと、どうにか四冊の本を選んで値段交渉に入る(ほとんどの本に値は付いていない)。「こう言うのは駆け引きだからな。俺をびっくりさせてくれよ。さぁ、幾らで買う?」と来た…一番困るパターンである。実はこの中に署名入りが一冊混ざっているのだ。そしてその本自体も割と高値だ…良心的に行きたいところだが、安く買えるならそれに越したことはない…ならば「二千円!」と言ってみると、「そりゃいい線だ。まとも過ぎる。だから逆にガッカリだ。もっと俺を脅かすくらい困らしてくれ!さぁ、本をもっと選ぶんだ!手塚治虫も持って行け!」…あぁ、奇天烈な展開になって来たぞ。どうやらもっと追い詰めなければ、売買成立とはならないようだ。ようし、こうなったら遠慮するものか!と半ばヤケになり、再び本の選択に挑んで行く。もちろんその間も話は続くのである…。…そして一時間後、さらに六冊の本を加えて、再交渉開始。驚くべき非人間的な値段を告げてやる!「三千円!」すると、脅して欲しかったはずの店主は「バカ言ってんじゃないよ」と先ほどとは違う反応…まともな返しではないか。しかし私はもはや負けるわけにはいかない。「三千五百!」「バカ言ってんじゃないよ」「三千七百!」「バカ言ってんじゃないよ」「四千!」「バカ言ってんじゃないよ」と繰り返したところで、ちょっと不安になって来る。こうなったら未知の領域に突入することも覚悟しつつ、「じゃあ五千!五千でどうですか?」と気合いを入れて告げてみると、店主はしばらく押し黙り「うん、いいよ」とあっさり交渉成立。とても嬉しいのだが、心の中で『本当にいいんですかぁ?』と叫んでいる自分がいたりする。店主はスッと立ち上がり「ありがとう」。こちらも間髪入れず「ありがとうございます」。およそ二時間半の激闘を終え、二人とも喋り過ぎて血糖値を著しく低下させた状態に成り果てていた。講談社「有人島/真鍋博」(献呈署名入り)ポプラ社「灰色の怪人/山中峯太郎」(裸本)朋文堂「単独行/加藤文太郎」(裸本)玉井清文堂「食道楽/村井弦斎」月曜書房「壁/安部公房」牧書房「博物学者 南方熊楠の生涯/平野威馬雄」光源社「肉刑の書/手塚正夫」サンケイ児童文庫「少年タイガー 第1巻/山川惣治」鈴木出版「手塚治虫漫画全集 旋風Z 前後編」を購入。あぁ、何もかもが刺激的で新鮮で楽しかった。
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写真がとても嬉しい五冊である。

気が付けばすでに陽が傾き始めている。レンタサイクルのタイムリミットも近付き、早々に東京へ戻らねばならない。坂道を疾走して駅方面へと戻る。「内町工場」(2011/07/24参照)「はなめがね本舗 益子店」(2012/04/14参照)にも立ち寄るつもりだったのだが、また次回!と泣く泣く駅へ滑り込む。それにしてもここは恐ろしい街だ。陶器の皮を被った、意外なほどの古本シティーだ。まだまだ何処に、古本が潜んでいることやら…。
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2013年05月23日

5/23東京・阿佐ヶ谷 今井書店閉店カウントダウン中!

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先ほど入ったコメント情報により、阿佐ヶ谷「今井書店」(2009/08/31参照)が閉店することを知る。高円寺「円盤」のレポートをアップした後、大慌てで自転車をガチャつかせてお店に駆け付けると、あぁ!窓には、悲しむべき二枚の貼紙!『全品50% off』の割と優雅な文字(特に小文字のfが…)と共に、五月末日の閉店と、二十七年の愛顧に対する感謝が掲げられている。店内では数人のお客さんが、本棚とにらめっこ中。閉店セールは5/17から始まっていたようで、まったく気付かずに一週間も経過してしまっていた…迂闊だった…。早速明るく狭い通路に飛び込み、この典型的な『街の古本屋』さんを、とにかく全力で愛おしんでみる。ここに顔を出すのはひと月に一回ほどで、値付けが安めな良い文庫を、時々掘り出させてもらったな…。逆さ“U”字の通路を行き来して、三冊を選ぶ。新潮選書「マキノ雅弘/山根貞夫」国枝史郎伝記文庫「神秘昆虫館」カラーブックス「珍本古書」を半値の計800円で購入する。オヤジさんにお礼を言い、お店にお別れ。50円本こんもりの店頭台が見られなくなるのは、寂しいなぁ…。今までありがとうございました!お店は早くて26日の日曜日には閉めるかも、とのことである。

※お知らせ
6月1日・2日に西荻窪で開催される『西荻茶散歩』に併せて、「盛林堂書房」内の一棚でも「西荻街角ミニミニふるほん市」(2012/06/03参照)が今年も開かれます。その最下段に『古本屋ツアー・イン・ジャパン』として本を並べることが決定いたしました。超プロフェッショナルの皆様とは違った観点で、自身の「古本ナイアガラ」棚とぶち抜きでおかしな本を並べるつもりです。しかし!本はまだまったく準備しておりません!その代わり、当日配布用のフリーペーパーだけは本末転倒に制作完了!『旅と古本』と題し、古本を求めて全国を日帰りでさすらう心情を文章化してみました。50部ほど用意しておきますので、本を買いつつ、手にしていただければ嬉しい限りです。…あぁ、いい加減、本をちゃんと準備しないと…。
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5/23東京・高円寺 円盤

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色々やり取りして色々済ませ、一息つくように夕方の街へ自転車を漕ぎ出す。高架下の通路を走り続け、高円寺駅南口側、西側高架沿いの谷底のような道へ。駅から西に150mほどのビル二階にある、レコード・CD・古本・喫茶・イベントスペースの多彩なお店にたどり着いた。つまりは『音楽×古本』のお店なのだが、今の今までウカウカとノーマークだったのである。階段を上がって開け放しの扉に近付くと、大音量の怪奇な音楽がまとわりつき始める。店内は広めで意外にスッキリしており、右の窓際にテーブル席、入口側壁際には自主制作CD棚やTシャツ類、奥壁側にLP・100均EP・CD棚。左が尖ったカウンターレジとなっており、左翼に夏葉社の本、右翼にアルテス社の音楽関連本が展開。そして右翼の隅に、ダンボール紙の『古本』札を掲げた二本の本棚がある。現代思想・映像&アニメ(共に制作ノウハウ)・サブカル・アート・コミック・音楽・レコードなど。冊数はそれほど多いわけではないが、並びは決して雑ではなく、硬軟取り混ぜ“硬”に少し傾いている感じ。値段は安め〜普通である。本を手に取り裏表紙見返しを見ると、値段札には「中古レコード 玄関先」とある。委託販売なのだろうか…?相変わらずの爆音に包まれながら、その爆音のためにお客さんと大声で話さざるを得ないフーテン的イメージの男性に精算していただく。三一書房「エライ人を斬る/竹中労」河出書房新社「虫に追われて/川村俊一」を購入。

そのままフラフラと、至近の「都丸書店 支店」(2010/09/21参照)へ直行。壁棚に目を血走らせていると、『BOOK5』でお世話になっているトマソン社社主・u-sen氏に声をかけられる。重量感のある紙袋と共に、東京を西へ西へとさすらう真っ最中…最後まで紙袋が破れないことを祈っております。名古屋鉄道株式会社「博物館 明治村」角川文庫「人間腸詰/夢野久作」を計500円で購入する。
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2013年05月22日

5/22神奈川・大倉山 Libnos横浜大倉山店

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高架下から西口に出ると、西に延びて行くちょっと普通じゃない意匠の通りは、擬ギリシャ風の白い『大倉山エルム通り』。しかしそちらには行かず、すぐに駅舎沿いに北に曲がり込み、石畳の急坂を少しだけ上がる。すると左手のマンション一階店舗入口に、100均棚の姿が輝いている!祐天寺「Libnos祐天寺店」(2011/03/16参照)の系列店、新刊を備えたブックカフェである。残念ながら、こちらでは祐天寺店のように店内で古本は販売されていないのだが、その代わりに階段下のエントランス入口と、階段上のカフェ入口に『特価 ¥100』の文庫棚が設置されているのである。並んでいるのは、ほとんどが新しめの日本文学とミステリ&エンタメ。それでも『急坂の途中に古本が並ぶ愉快な景色をありがとう』と心の中でつぶやいて、店内のカウンターレジで岩波文庫「あめりか物語/永井荷風」講談社学術文庫「常民の政治学/神島二郎」を購入する。

一旦坂を下り、『エルム通り』を西に突き進み、開かずの古本屋さんである「ブックスオオクラ」をチェック…やはり今日も開いていないまま…。
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すぐさま駅まで戻り、再び急坂の『記念坂』に足をかける。グイグイグイグイ標高を上げて、緑爽やかな『大倉山公園』脇を歩き続ける。有名な白亜の『大倉山記念館』の背面を通りかかり、表とは違ってシンプルな縦長の窓が連続するのを見たのは、今日が初めて。やがて山からダダダと下り、眼下にしていた家並みの中に潜り込み、鶴見川を渡ってそのまま綱島の「FEEVER BUG」(2011/03/27参照)へ。店頭台がとても立派に!そして店内両脇に美術本棚が出現!などと感じながら、居並ぶ本のやんちゃさに目を回しつつ、端の端まで神経を行き渡らせた空間に感服。もう開店して二年になるが、文学・サブカル・猟奇・アングラ・アート・スケーター文化・絵本・コミックのバランスは、相変わらずブレずに絶妙。値段はしっかり気味なのだが、それでも何処かにあるはずの隙を嗅ぎ分けて、角川文庫「空を飛ぶパラソル/夢野久作」雄鶏社「黄色い犬/ジョルジュ・シムノン」を計800円で購入。このお店がここにある、綱島がうらやましい…。
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2013年05月21日

5/21東京・豊田 ブックセンターいとう 豊田店

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午前中に久しぶりの豊田。崖上の北口改札を抜けて、ロータリーを北に向かい『豊田駅前交差点』で『多摩平緑地通り』を西へ向かう。右に『富士電機』の広大な敷地を感じながら、左には時折河岸段丘下の景色が広がって行く。やがて坂上の『富士町交差点』に着くと、この時点で駅から650m…道のりはまだ長いのである…。ここからは、直線に延びて行く通りを、ひたすら西に歩いて行けば良い。幾つもの『旭が丘』と名の付く交差点を通過し、街中に並び立つ鉄塔を振り仰ぎながら、結局駅から二キロ強の地点『旭が丘小学校交差点』を過ぎた所で、ようやく『古本』の文字に出会うことが出来る。「ブックセンターいとう」の系列店で、二階建ての意外に容積のありそうな店舗である。相変わらず毒々しい黄色とオレンジの建物に呑み込まれると、一階は駄菓子・ゲーム・コミック・アダルトのフロア。中央にある階段で二階を目指すと、見上げる上部壁面棚に、セロファン袋に入れられた古書がズラッと並んでいた…袋が光を反射して、本の背が読み難い状態ではあるが、歴史・歴史小説・海外文学などが多いようだ。ホエ〜と眺めながら階段を上がり切ると、林立するスチール棚で造られた空間が、360度に広がっていた。まずは階段室周囲を取り巻く、絵本・児童書・児童文学・図鑑をぐるっと回ってやっつける。階段上がり口を正面とすると、右に出版社別教養&雑学文庫棚と、パソコン&科学棚。左には少女漫画棚が二本展開している。広いメインの正面フロアと背面フロアには、それぞれ八本の背中合わせの棚が並んでいる…くぅ、多い。やはり多過ぎるぞ!「いとう」では、その時に広過ぎるフロアと多過ぎる棚に、心が折れるのが当然となってしまっているのだが、心が折れる前にその心をズバッと殺し、棚を観察して覚えて行く冷たい機械になろう…。正面フロアは、左の第一通路から雑誌・ハウツーノベルス・実用、第二に資格・試験。第三に文学・詩歌句・音楽・映画・芸能・タレント・旅、第四に女性実用・ペーパーバック、第五に自然・料理・少年新書・第六にサブカル・アンダーグラウンド・オカルト・スポーツ・乗り物、第七に心理学・宗教・哲学、第八に歴史・文明、そして右端が社会・ノンフィクション・新書・ノベルスとなっている。奥壁には雑誌続きと美術関連がドッサリ。続いて背面フロアは、左から第一・二通路は少女漫画、第三はBLノベルス、第四はラノベ、第五がハーレクイン・海外文学文庫、第六〜八は日本文学文庫で、右端通路はノベルスとミステリ&エンタメ。奥壁はすべてコミック文庫で埋まっている。量がスゴいので当然見応えもあり。文庫は絶版&品切れも程よく含まれているので、すべての棚に目を通したい気持ちと、時間と疲労が激しくせめぎ合う。値段は定価の半額前後だが、“前”が多いようなので少々安い印象。だだっ広いフロアで、一時間余りもたったひとりで本を選び続ける。階下のレジで、岩崎書店「ぬすまれた教室/光瀬龍・文 宇野文雄・絵」小学館「学習まんが人物館 円谷英二」てのり文庫「名探偵にチャレンジ/加納一朗」ちくま文庫「横溝正史集 面影草紙」中公文庫「妙な塩梅/えのきどいちろう」を購入する…平均すると一冊260円であった。

帰りに駅前通りにあった「BOOKS羅曼茶」(2008/11/25参照)の入っていた、道路のカーブに沿って美しい弧を描く商店街を見に行ったのだが、何と更地と成り果て再開発の真っ最中。あの素敵な商店群は、北の端に数店を残すのみになっていた。…街が、また豊かな表情を失って行く。そしてすぐに、無表情の複合商業施設が、前からそこに建っていたかのように、街を冷たく睥睨するのだ。



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2013年05月19日

5/19東京・神保町 地下の古書市

『港北図書館』を後にして、改装後の渋谷駅に初めてブルブル降り立って、スピードの速いエスカレーターに戦きながら、案内表示を頼りに半蔵門線に乗り換える。神保町に急がなければ…。

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地上に出るとカラッと乾いて、白く輝いた神保町。『駿河台下交差点』北東脇の、「東京古書会館」(2010/03/10参照)に駆け付ける。ここへ来た本来の目的は、午後一時より始まるトーク『薔薇十字社外伝』を聴くためなのであるが、その前に会場を一巡りしてみる。地下への階段を緊張しながら下ると、「彷書月刊」と古雑誌の通路を経て、とても広い地下フロアが広がっていた。うひゃ〜あ、こりゃちょっと不思議な古書市だ。壁際にカクカクと本棚ラックが連続し、フロアにあるのは三台のガラスケースと三台の平台のみ。ほぼ壁沿いに進んで行けば、自動的にほとんどの本を見られる構成なのである。絵本・児童雑誌・貸本漫画・雑誌付録・洋書美術書・音楽・風俗・アングラ・カウンターカルチャー・テレビ・古い文学・リトルプレスが目立ち、かなりエッジの効いた並びを見せている。フムフムフムフムと右回りで一周し、三一書房「福田善之娯楽劇集 しんげき忠臣蔵」「昭和三十年 中央沿線古書店案内図」を購入する。「海ねこ」さん(2012/12/17参照)と「西秋書店」さん(2010/10/15参照)に挨拶をし(それにしてもこのお二人の古書市は、何故かビルの“階”にこだわりを見せるのが面白い)、壁一枚を隔てたトーク会場へ。トークは、元薔薇十字社社員であった「りぶるりべろ」さん(2008/06/12 & 2009/09/17参照)に、「石神井書林」さんが聴き手となって進んで行く…。傍から見ると古本屋さん二人が話しているだけのようであるが、中身は斜め四十五度的な展開となり、濃厚で愉快なエピソードが次々と披露されて行く。あの素晴らしい薔薇十字本や人脈の話題はそこそこに、いかに薔薇十字社が危うく天真爛漫で天然ボケな会社であったかの話に終始!むむぅ、聴けば聴くほど、そんな状態でよくもあの宝石のようなラインナップが…と呆れながら感心することしきり。ますます薔薇十字社が好きでたまらなくなりました!と大満足し、一時間半のトークが終了。市のフロアに戻ると、先ほどより激しくなった賑わい。再び様々な方たちと挨拶を交わす。その後は久々に出会った、貸し棚道・つん堂氏と『ミロンガ』でビールを酌み交わし、ほろ酔いとなる。まだ外は明るいが、ふぅと一息。どうにか古本市ダブルヘッダーをこなし終え、収穫の古本を抱えて帰宅する。
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5/19神奈川・菊名 港北図書館 第二回古本市

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遥か昔に古本市も開かれていた改札前から西口に出ると、小さな雑居ビルがごちゃついた小さな駅前風景。渋滞している車を尻目に、北へ北へと歩き始める。線路沿いに延びる直線道を500mも進み、交差点を東に曲がり込むと、古いL字型の『港北図書館』が現れ、その前庭には『らくらく市』の大きな横断幕が掲げられていた。午前十時だと言うのに、すでに多くの人で賑わっている…この賑わいの何処かで、古本市が開かれているはずだが…。人々の中に古本修羅として突入し、様々な出店やフリマ越しに古本の姿を探し続ける。すると、図書館至近のプランターに囲まれた一角に、違和感&既視感&親近感!あそこだけ客層が妙だ。何だか灰色で枯れている。近付いてみると、そこには炎天下の古本市。長机とキャスター付書棚で構成された“O”字型の回遊路空間である。小規模ではあるが、図書館の廃棄本やリサイクル本は見当たらず、質も中々のようだ。左端の長机に文庫と新書、真ん中に一般書・児童文学・児童書・絵本・コミック・文学、右端に大判本・実用一般書・文学が並んでいる。入口の帳場下にも、文庫箱・児童文学箱・全集箱が置かれている。値段は激安で、文庫・新書・絵本は三冊100円。単行本は一冊100円となっている。老人・子供の一般客以外にも、早くも両手にドッサリ本を抱え込む古本修羅の姿も。私はと言えば、児童コーナーの古いがとても状態の良い「こどものとも」に鉱脈を発見し、子供たちの足下で全身全霊の古本セレクト!福音館書店こどものとも「138号 たいふう/加古里子」「149号 だるまちゃんとかみなりちゃん/加古里子」「158号 パトカーぱとくん/渡辺茂男さく・山本忠敬え」「153号 とんがとぴんかのぷれぜんと/西内みなみさく・司修え」「157号 おてがみ/なががわりえこさく・なかがわそうやえ」「164号 さかさま/安野光雅」「152号 二ほんのかきのき/熊谷元一」杢太郎会「すかんぽ 木下杢太郎絶筆原稿」角川文庫「アイルランド民話集 魔法のかかったプディング」岩波新書「戦争と美術/司修」岩波書店「地に消える少年鼓手/ウィリアム・メイスン」を驚愕の350円で購入する。菊名よ、サンキュ〜!

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2013年05月18日

5/18東京・雑司が谷 第20回みちくさ市 一日目

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今年から、雑司が谷で開かれていた古本市が大きく姿を変えた。一般参加の古本フリマが中心の「みちくさ市」(2011/07/23参照)と、わめぞの古本店とゲストが本を並べる「外市」(2012/01/07参照)が合体し、奇数月二日間開催となったのである。第一日目がわめぞ古本市(一般参加もあり)で、二日目が古本フリマ。そして両日共、本の世界とその引力から離れた他の世界を繋ごうとするトークショーが二本ずつ行われるのである。強い風と強い日射しの中、自転車をギチギチ走らせて『鬼子母神通り』に到着する。南側から商店街に踏み入って行くと、以前はツギハギだった道路が、美しく石畳で化粧されているのに気付き、おっ!道路脇には「雑司が谷 鬼子母神通り みちくさ市」の、小豆色の幟が立っているではないか。続く幟を見ながら歩き続けると、まずは『キク薬局』隣りのガレージに人だかりが見えて来る。あれ?隣りの倉庫が跡形も無くなり、土台だけになってしまっている…私もかつての「みちくさ市」(2012/07/23参照)でお世話になったことがあるが、何とはかないものであろうか。気付かぬうちに、少しずつ街の景色が変わり続けているのを目の当たりにしながら、ちょっと温度の高いガレージ内へ。左壁と奥壁に八本の胸高スチール棚。真ん中には長テーブルで平台が造られ、内澤旬子氏の直筆イラストが販売されている。スチール棚には、わめぞ連と共に明日のトークショーに登場する「火星の庭」(2008/05/26参照)の本も並んでいる。ここでは河出ブックス「竹中労/鈴木邦男」中公文庫「大阪自叙伝/藤沢桓夫」を購入し、帳場のみなさんに挨拶をする。次は少しだけ北へ進み、対岸の『名取ふとん店』駐車場へ。こちらは六本のわめぞ棚を中心にして、その周りを一般参加古本箱が取り囲む形である。ふとん店前とテント下では、一般対面販売も数店あり。ここでは旅窓新書「映画界拝見/映画記者日曜会」講談社「棋士銘々伝/藤沢桓夫」を購入。思わず藤沢桓夫を二冊も購入したが、選んだ本はみんな安かった。帳場のみなさんと挨拶を交わしながら、ほぼ一年ぶりの対面となる「火星の庭」店主・前野さんにもご挨拶。そのフレンドリーさに心の中で感涙しながら、仙台・福島の古本屋さん話を少々。こちらでは掴み難い、東北の古本屋さん事情に激しく明るいのが(当然なのだが)、とても新鮮である。なので色々聞いているうちに、岩手県・一ノ関に「虔十書店」(2010/11/28参照)以外にも、スゴい古本屋さんがあるとの話がポロリ。…気になる、気になり過ぎる!さらなる情報を引き出すためには、どうやら6/22仙台開催の「Sendai Book Market 一箱古本市」に行かねばならぬようだ…ぐむむむぅ。どうにか色々工面して、何とか駆け付けねばなるまいか。古本屋情報を手に入れるために!近々の再会を約して会場を後にする。

明日の雨は回避されそうなので、二日目の古本フリマとトークを楽しみたい方は、小銭をジャラつかせてブラッと雑司が谷へ!
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2013年05月17日

5/17神保町に柄にも無く古地図を買いに行く。

複数の仕事の決着が着かず、何だか落ち着かない一日となる。空いた時間に外出し、普段は疎遠な老父から頼まれた、古地図を買いに神保町へ行くことにする。本来なら田端の「忠敬堂」(2008/11/11参照)に出向き、オヤジさんと楽しく話しながらアドバイスを受けたいところなのだが、残念ながらそのお店もオヤジさんも今はもう存在しない…遅まきながら、重要なお店が無くなったんだな、と改めて実感する…。肝心の依頼は『古地図なら江戸でも明治でもいい。何処の場所でも構わない。とにかく古地図だ』と言う、レンジの広いアバウトなものであった。…一体何を始めたのだろうか?まぁ人間が生き続ける原動力、“好奇心”を発揮してくれるのは嬉しいことだ。取りあえず本物は高過ぎるので、買うなら複製だろうな。
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そう決めて、九段下駅から『靖国通り』を東に向かい、まずは二階の「秦川堂書店」(2011/11/01参照)に入る。緊張感漂うが、変わらぬファミリーの息吹にホッとし、入口すぐの場所にある『古地図』のラックと、ガラスケース上に積み重なるセロファン袋入りの地図を漁る。幸いなことに、この辺りにあるのは比較的安値な複製品だ。明治・大正のしっかりした実測図も含まれているが、恐らく望んでいるのは、いわゆる手彫りのものであろう。父には関係の無い、やけに多い名古屋の古地図など購入したら激怒されそうなので、緩やかに関係のある「文政江戸御絵図」「横濱真景一覧図絵」「鎌倉繪図」の三枚を購入する。良し、ミッション1コンプリートだ。ちょっとホッとしながら、目欲しいお店の店頭に顔を突っ込み突っ込み、自分の本も購入しながらカバンを少しずつ重くして行く。そして次にたどり着いたのは、和本のお店「大屋書房」(2011/03/10参照)。ここも緊張しながら入り、その緊張を解くこと無く、古地図の復刻複製版をバラバラと開いて吟味を続ける。いっちょまえに悩んだ末に、少し値は張るが嘉永元年(1848)の「関東十九州図」を買うことにする。これなら気になる思い入れのある土地土地を、大雑把だがフォロー出来るはずだ。こうして二つ目のミッションも無事完了し、早々と家路に着く。それにしても、普段と目的を変えるだけで、神保町はこんなにも違う世界を見せてくれるのかと、今更ながらその懐の深さに感心することしきり。
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しかしいつもの神保町からも、しっかりと収穫は手にしている。科学の殿堂「明倫館書店」(2012/04/04参照)店頭安売り棚に並んでいた、飛行機関連の中から掘り出した一冊!酣燈社「航空情報5月号臨時増刊 プラモ・ガイド1967」である。戦闘機実機のデータと、プラモ製作のための参考データが満載の優れもの。これが200円とは!明倫館に大いなる感謝を捧げねばなるまい。
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※『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』を連載中の、トマソン社『BOOK5』最新第七号が発売になりました。今回は新潟におもむき、古本屋ツーリストとしては臍を噛みまくらざるをえないお店に潜入!その顛末はぜひ手に取ってお確かめください。

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2013年05月16日

5/16神奈川・藤沢 聖智文庫事務所店始動!

今年の二月で店舗営業を終了した「聖智文庫」(2011/02/06参照 & 2013/02/28参照)が、短い雌伏の期間を経て事務所店として同じ藤沢の地で立ち上がった!店主・有馬氏からの連絡を受け、『今回はどんな悪魔の罠が…』と胸を大いにトキメかせながら、東海道線で急行する。北口の空中広場から、東側の『ビッグカメラ』の足下に下り、石材タイルで化粧された道を北へ。交差点をひとつ越えて道なりに進んで行くと、左手には店内は空っぽだが看板はそのままの旧店舗の姿が。
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すでに懐かしく思いながら、ちょっとだけ北へ進んで、右手小さなお社脇の細道を東に入ると、すぐに『国道467号』の信号。東側歩道を南に少し戻った所にそそり立つ、壁面に『MEIKI』の文字を掲げるビル二階が、新たな「聖智文庫」の根城なのである。エレベーター横の階段で二階へ上がる。小さな廊下だが、少し複雑に入り組んでいる。左の開け放たれた扉から古本の気配を感じる!ズズイッと入り込み、奥に向かって「こんにちは〜」と声を掛けると、「お〜ぅ、いらっしゃい」と有馬氏の声が聞こえて来る。それにしても左に延びて行くフロアの光景は、思いの外お店っぽいのである。
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左壁に居並ぶ本棚は、あくまで整頓され美しく、ガラスケースまで置かれている。そして右側に連続するパーテーション内部に、事務所的機能が集められているようだ。早速本に視線を吸い取られながら、大変な引っ越しを終えた氏に挨拶。すると氏は、間髪入れず冷蔵庫から缶ビールを取り出し、おつまみと共に「さあどうぞ」と小饗応…これは予想しなかった、今までに無いパターン!新しい古本メフィストフェレスの手管!戸惑いながらも、『いえ、昼間にアルコールは…』などと毅然と断るわけもなく、プルトップを引いて黄金色の液体を、あっけなく喉に流し込んでしまう…そして目の前には古本!あぁ、とても楽しい!この時点で、私は社会の埒外に入り込んでしまっている。笑顔を浮かべる氏と、移転の苦労や楽しい買取の話、珍しい本面白い本を次々と見せていただきながら、棚にも視線を走らせて行く。入口すぐの棚には、探偵&推理小説文庫とハヤカワポケミス。ガラスケースには、堀内誠一・伊坂芳太良・大伴昌司・上村一夫・伊東屋社史などが飾られている。奥に連続して行くスチール棚には、岩波文庫・中公文庫・ちくま文庫・日本文学・探偵小説&推理小説・美術・デザイン・広告・写真が並ぶ。またフロア奥には、スチール製の移動式書架が設置され、左に海外文学・美術・映画・日本文学・小出版社&同人誌の収まる本棚が長いレールの上に四本。右に美術図録&作品集の二本の本棚を備えた、短めのレール。そして右壁沿いに、芥川賞&直木賞・日本近代文学稀少本を並べた飾り棚が一本…何故ここに中公文庫「歩行文明/真鍋博」が混ざっているんだ?署名本なのだろうか?ところが種明かしをされると、それはそんな予想を超えた代物で、間に宮脇俊三宛の真鍋博のメッセージ入り付箋が貼り付いていたのであった。こりゃスゴい。棚に並ぶ本はとにかくパワフルで、濁りの見当たらぬ少数精鋭主義である。店舗の体裁を脱ぎ捨てて、店主にとって無駄な本の並ばぬ個人的感性の空間!私はやはり美術・デザイン棚にぐぐっと惹き付けられ、欲しい本をたくさん発見してしまう。ビールをゆっくり飲み干して、日本古地図学会「鳥瞰図絵師 吉田初三郎」KKロングセラーズ「わが社のマーク100選/真鍋博編」旺文社文庫「怪人ぐらいだあ/永島慎二」筑摩書房「発光妖精とモスラ/中村真一郎・福永武彦・堀田善衛」を、飛車角落ちの手心入りの5000円で購入。それに加えて、いくつかのお土産もいただく。その中で燦然と光り輝く驚愕の宝物は、戦前のモダニズム写真家中山岩太の名刺ーーーー!これは、震えが来るほど嬉しい紙片…あぁ、目眩がする…。とこのように、すっかり術中に嵌っているので、また必ず訪ねますと固く誓ってしまう(もちろん電話をしてから)。藤沢では、古本メフィストフェレスが、未だ健在なり!
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2013年05月14日

5/14東京・早稲田 文省堂書店閉店セール!

本日は仕事の都合上、外出時間に制限があるので、久々に早稲田古本街のパトロールに向かうことにする。すでに初夏の日射しの中、まずは高田馬場『BIG BOX』のコンコースで開かれている「BIGBOX 古書感謝市」(2011/02/25参照)に突撃。
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住吉書店「白鷺物語/平山蘆江」(裸本)河出絵はがき文庫「懐しの名画ポスター/野口久光」マイナビ新書「「捜査本部」というすごい仕組み/澤井康生」を計1100円で購入し、ツルッと滑り出す。

自転車を漕いでさらに東に向かい、いつものように『馬場口交差点』から『早稲田通り』北側歩道を進んでパトロールを開始する。すると三軒目の「文省堂書店」(2009/09/07参照)に、不穏な貼紙が乱舞しているではないか!『閉店セール31日迄 文庫ポケミス1冊100円』。なにぃ〜!と自転車をガチャッつかせて停め、『パトロールに来てみるもんだな』と己を軽く褒めそやしながら、もう一枚の貼紙にも目を凝らす…そこには『建物老朽化による建て直しにより、5月31日をもちまして閉店』すると書かれていた。古本の束で頭をぶん殴られたような衝撃を受け、焦りながら店内に踏み込むと、通路には文庫を大量に抱える数人のお客の姿!そうか、闘いの火蓋はとっくに切られていたのだな。何たって左右の壁棚二面、通路棚二面のすべての文庫…絶版文庫も時代劇文庫もハヤカワ文庫も創元推理文庫も教養文庫も旺文社文庫もサンリオSF文庫も春陽文庫もちくま文庫も中公文庫も福武文庫も、おまけにハヤカワポケミス&ポケSFも全部100円!つまりはこのお店の本のほとんどが100円なのである!またしても衝撃を受けながらも、本の確保に浅ましく目玉を動かして行く。そしてハヤカワポケミス「チーャリー・張の活躍/E・D・ビガース」「鳥/デュ・モーリア」創元推理文庫「世界をおれのポケットに/ハドリー・チェイス」学研中学生ワールド文庫「百万長者の死/G・コール」「聖者のりだす/レスリー・チャータリス」角川文庫「まぼろしの雪男/谷口正彦」中公文庫「妖かし蔵殺人事件/皆川博子」少年倶楽部文庫「浮かぶ飛行島/海野十三」春陽文庫「花の講道館/村松梢風」を計900円で購入。帳場では奥様が「まだまだ倉庫から本を出して来ますので、また来て下さいね」と言ってくれる。建物の建て直し後は、お店を再開しないのか聞いてみると、残念そうに諦念の微笑みを浮かべて首を振った。神保町店(2010/09/17参照)の営業は続くので『そちらで頑張ります!』とのことである。ちなみにこのお店、何と地下に防空壕が残っているそうである…うぅ、防空壕もお店も、消えてしまうのが非常に残念…また来よう。五月三十一日の閉店まで、後十七日!
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2013年05月13日

5/13東京・国分寺 古書 まどそら堂

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コメントタレコミにより知った、五月新開店のお店である。学生だらけの大きな南口に出て、すぐに東へ。緑生い茂る『都立殿ヶ谷戸庭園』を右に見ながら、『東経大通り』の坂を下って行く。300mで緩やかな谷底の『南町二丁目交差点』。ここで見通しの素敵な『国分寺街道』を南東に進めば、左手『南町二丁目バス停』の真ん前にある、小さな三角形のお店が目に止まるはずである。水色と白で可愛く彩られ、立看板・100均台・営業札には魚や野菜のキャラ(独特で、オバQ…ハゼドン…いや、『やる気まんまん』風か…)が飛び回っている。100均ワゴンにはSF&ミステリ文庫多し。ビニールが掛けられているのは、雨除けではなく車が上げる埃除けであろう。バス停裏に隠れたウィンドウには、プレミアティーンズ文庫・古い漫画雑誌・児童書などがポップ付きで飾られている。開け放しの扉から、ビニールカーテンを潜って木床の店内へ。おぉ、小さい!それにやっぱり三角形だ!と驚いていると、入口横の三角隅にしゃがんでいたエプロン姿の養老孟司風店主が立ち上がり、ニッコリと「いらっしゃいませ」。左の斜め壁に一面のメイン本棚、入口右横にも本棚があり、右壁沿いには背の低い棚と絵画作品、それに器や小物の小さな棚がひとつ置かれ、最奥の三角隅小空間が帳場となっている。う〜ん、この小ささ狭さが、何とも言えず心地良い。入口右横には、絶版少女&少年漫画と児童文学・児童書。右壁には旅・ガイド・食。そしてメインの壁棚は左から、海外文学文庫・日本純文学文庫・ミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫・ハヤカワポケミス・SFティーンズ文庫・SF文庫(ハヤカワ文庫メイン。創元推理SFもあり)・海外文学・SF文学・日本文学・科学・民芸・ファッション・昔の少年漫画雑誌・漫画関連・幻想文学・SF児童文学・絶版文庫・近現代史と並んでいる。棚の最下段には大判の本が並び、ビジュアル本中心の展開。可愛らしい外観の店舗とは裏腹に、SFに力を入れたお店である。専門店とまではいかないが、棚から流れ出るしっかりとした意志が誠に頼もしいので、今後の棚の推移にも注目である。値段は安め〜普通で、しっかりプレミア値の本も並ぶ。接客もレジ打ちも何もかもが初々しく、店主の開店の喜びと不安と緊張を垣間見る。21世紀ブックス「冒険手帳/谷口尚規著 石川球太画」春陽文庫「お嬢さん探偵/中野実」を購入。開店おめでとうございます。まさか国分寺に、SFを求道するお店が出来るなんて…。開店祝いの粗品タオルをいただき、谷底で五月の風にふかれながら、一直線に延びる道と真新しい古本屋さんを眩しく眺める。
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2013年05月12日

5/12福島・保原 ぶっくらんど

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『週末パス』二日目は、渋谷駅の火事騒ぎに巻き込まれてスタート。新宿から埼京線→宇都宮線→東北本線と小刻みに乗り換え。どうにか北に少しずつ進んで行く。昨日の灰色の雨模様は、今日は青と緑に一掃され、大きな白い雲たちが、横たわる人形・カブトムシ・犬・亀など表情豊かな造形を見せながら、車窓をゆっくりと流れて行く。福島駅で阿武隈急行線に乗り換え、キャッチフレーズの付けられた駅を通過して行く。およそ二十分で着いた保原は『ファッションニットの町』であった。土手上のホームから駅舎に下りて、新しい駅前ロータリーに抜け出すと、目の前には放射能線量計が立っていた。0.48マイクロシーベルト…放射能がこのような形で身近になる世界を、誰が想像しえたであろうか。ロータリーを通り抜け、北に延びる道を300m弱進むと、一つ目信号のある小さな交差点。ここから西に進むとすぐに『国道349号』のメインストリート的商店街に行き当たる。再び北に足を向けると、やがて左手に三角屋根風入口を持った、横長な商店が姿を現す。看板には『トータルファッション なかや』とあるが、道路際には『本買います』の幟がはためいている…良く見ると、道路際看板には色褪せてもはや白紙になりかけている「ぶっくらんど」の貼紙、さらにウィンドウにも店名や営業時間が大きく貼付けられていた。どうやら中型の元洋品店を、居抜きで古本屋さんとして使っているようだ…素敵!中に入ると、右にクリーニング屋のカウンターそのままのレジがあり、左にフロアが広がっている。壁際は本棚で、横向きに背中合わせの長い本棚が四本置かれ、五本の通路を生み出している。最奥通路だけが行き止まりとなっている。そして店内に流れるBGMは、ず〜〜っと『秘密戦隊ゴレンジャー』の歌。徹頭徹尾ゴレンジャー!それを聴きながら仕事に集中しているのは、ちょっと小さいキレンジャー的男性である。手前側から。第一〜第三通路まではゲーム・コミック・DVD(棚脇にラノベ&ケータイ小説棚あり)。奥の第四通路に、日本文学文庫・時代劇文庫・海外文学文庫(少々)・ハーレクイン。第五通路にラノベ・アダルト・新書・ノベルス・実用・日本文学・コンピュータ・絵本・児童文学が並ぶ。安値で基本はリサイクル店であるが、文庫に絶版&ティーンズ文庫が目立ち、ノベルス系にも面白い本が紛れ込んでいたりする。文庫には値段の付いてないものも見受けられるので、そのままレジへ持ち込んでみることにする。二冊の文庫に値段が無く、本をためつすがめつ眺めた店主は「これ、何処から持って来ました?」「文庫の棚からです」と答えると、「う〜ん」としばらく唸った後、「ちょっと調べますね」とパソコンに向かってしまった…あぁ、ネット検索を始めてしまった…こう言うときは、男気をビシッと見せてもらった方が、高かろうが安かろうが客としては気持ち良いのだが…。「武器よさらば」は500円、ヴァン・ダイン「誘拐殺人事件」は600円とのことなので、「武器よ〜」だけを買うことにする。その他もちょっと古めの本ばかりのセレクトで、値段は100〜200円のものばかり。店主はレジを打ちながら「前の人が付けたんで値段がデタラメだ…」とボソリ。何やら激しく後悔している模様である。角川文庫「武器よさらば/ヘミングウェイ」春陽文庫「梟の城/司馬遼太郎」双葉新書「競馬放浪記/新橋遊吉」トクマドキュメントシリーズ「実録・大物死刑囚たち さらばわが友/カービン銃ギャング事件主犯 元死刑囚K・O」を購入。ここ保原では道を渡ろうとしていると、車が親切にすぐに停まってくれる。皆すぐに道を譲ってくれる。ちょっとした善意なのだが、大いに心和む瞬間。和みついでに、風に飛ばされたおばさんの帽子を追いかけ、キャッチしたりして、保原に小さな小さなお返しをする。

posted by tokusan at 21:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月11日

5/11千葉北部の下総〜上総を大回り

以前から頻繁に使用していた、JR東日本の東北南部・信越・関東・伊豆地方が土日乗り放題(普通列車のみ)になるパス『ウィークエンドパス』が、いつの間にか『週末パス』とその名を変えていた。値段は200円下がり8500円となったが、当日購入は出来なくなってしまった。なので昨夜の国分寺帰りにまんまと購入し、再訪したかった&消息の気になる古本屋さんを巡る、小さな旅に出ることにする。

千葉駅から乗ったのは成田線。果てしなく続く水田に降り注ぐ雨は、車窓を白く煙らせ、結露した窓はまるで魚のいない水槽のよう。

10:44に『水郷の街』佐原に到着する。音無く降る雨に濡れそぼった古い街中を通り抜け、忠敬橋のたもと近くにある「武雄書店」(2010/05/01参照)。
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何度でも訪れたいお店のひとつで、ロングスパンではあるが定点観測下に置いているつもりである…。午前中からしっかり開いているのを喜びながら。縦長の店内に入り込んで行く。通路は狭く、足下に本と箱が積み上がり気味であるが、すべての本に丁寧に目を凝らして行く。動いているところ、動いていないところ、共にあり。あっ、創元推理文庫の目録を発見。『海外ミステリ・ベスト12座談会』が載っている。よしよし。この発見を皮切りに、一冊また一冊と買うべき本を確保して行く。東京創元社「創元推理文庫解説目録 1972.1」朝日文庫「顎十郎捕物帳/久生十蘭」春陽文庫「若さま侍捕物帖2/城昌幸」(五冊シリーズバージョン)「花と兵隊/火野葦平」(裸本)実業之日本社「阿佐田哲也の怪しい交友録」廣済堂文庫「天国荘奇譚/山田風太郎」を計2350円で購入。

「武雄書店」の斜向いにある、震災で被害に遭った、明治の面影を残す本屋『正文堂書店』がすっかり修復されていた。キレイだが、逆に建材の新しさが痛々しい印象である。

12:39発の成田線に乗って銚子を目指す。ある日グーグルマップから消えてしまった「アオイ古書 観音店」(2010/10/02参照)の消息が、気になって仕方ないのだ!真相を確かめるために、電車は変わらぬ水田と雨の中を駆け抜けて行く。

13:25銚子駅着。以前のように、JRホームの先から銚子電鉄に乗って観音駅まで行きたいところだが、接続が悪かったため二本の足でお店を目指すことにする。雨の港町を小走りして行くと、電車では決して気付けない、街中に濃厚に漂う醤油の匂いに突然襲われる。『あぁ、これは!ああっ!』と喜悦の声を漏らしてしまうほど、その香りは甘美で美味しくて、つい鼻を盛大にひくつかせてしまう。刺身にかかっった醤油とみたらし団子と大豆の煮える匂いが、こんなにも人を瞬時に幸福にするなんて!醤油工場の前を走りながら、そう強く気付いてしまう…。しかし漁港方面に近付くと、それは潮の匂いにすり替わり、シャッターを下ろした「アオイ古書」にたどり着く。
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建物に荒れた様子は無いが、店頭に土嚢が置かれ、雑草も少々伸び始めている。貼紙などのアナウンスは何処にも見られない…残念に思いつつ駅へ引き返しながら、『銚子銀座』の『藤村ベーカリー』で、とても美味しいラスクとミルクケーキを購入。まだしばらく続く旅のお供とする。
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14:44に銚子を発ち、総武本線で見えない『九十九里浜』沿いに西南へガタゴト。

15:20に飯倉駅着。雨は相変わらず気まぐれに強くなったり弱くなったり。緩い坂を上がって街道沿いの「クルクル」(2011/01/10参照)。
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ここでは前回訪問時に、100均ワゴンに混ざり込んでいたレア児童文学本を、一度買おうと思って手に取ったのに、店内を巡るうちに購入本が増えてしまい『これは買わなくてもいいか』とワゴンに戻す(レア本であることは後に知った)愚挙を犯してしまったのである!心の底にわだかまった欲望の澱…もしやと思ってワゴンに目を血走らせるが、もはや五ヶ月前の出来事…残っているわけもない。今日はお客さんが多いなと感じながら三冊。婦人画報社「男の服飾図鑑/メンズクラブ編」講談社文庫「潮風の町/松下竜一」誠文堂新光社「よく飛ぶ紙飛行機集 第1集」(本は背が割れてまっ二つだが、型紙に一点の欠品もないもの。嬉しや!)を計1100円で購入。

これにて下総上総古本屋ツアーに終止符。『あばよ、ちばよ、とっとりけ〜ん!(C)杉浦茂』と古本を抱えて、武藏国にどうにか帰参する。

※webマガジン『ゴーイングマガジン』で性懲り無く連載中の『古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』』の第十四冊目が更新されました。今回は、郡山のギターも売る古本屋さんで、あの懐かしの筋肉外国人タレントの本を買う羽目に。あぁ、私にはこのような本を読んでいるヒマはすでにないのである!だが、読まなければ!…筋肉に苦しむ私を、笑ってやって下さい…。
posted by tokusan at 21:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする