2013年07月31日

7/31東京・池袋 八勝堂書店二階

hassyoudo_2f.jpg
所用あって午過ぎの池袋。久々に五差路北の「八勝堂書店」(2008/07/05参照)を、店頭からギロギロ目を血走らせて行く。すると小さなウィンドウにあった黄色い貼紙が目に留まる。『当店2F 江戸・古地図コーナー設置しました』…えぇっ?このお店には二階が?慌ててファサード二階部分に視線を飛ばす。入口上の『探偵/SALE』の貼紙を激しく気にしながら、△◯□の店名看板のさらに上に目を凝らす。薄暗そうな高い二階にポツリと灯る明かりがひとつ…それにしても二階への入口は何処にあるんだ?自動ドアのボタンを指示通りに長押しして、一階店内へ。取りあえずは探偵小説と日本文学に身を任せ、安値な創元推理文庫「最悪のとき/W・P・マッギヴァーン」「トリフィド時代/ジョン・ウィンダム」を計400円で購入。二階への入口は、入口左横帳場脇にあった。パッと見は、あまりにレジ台に近接しているため、事務所への入口に見えなくもない。それにさっきから鉄扉がバタバタと開閉し、店員さんが出入りを繰り返している…入れるのか?本を受け取りながら「二階は見てもいいんですか?」と聞くと、「どうぞ。こちらかからどうぞ」とすぐさま鉄扉に招いてくれた。中に進むと明るく細長い階段室で、階段には次々と全集が積み上がり、多賀新の版画や横尾忠則展覧会ポスターなども飾られている。二階に着きガラス扉を開けて中に入ると、絨毯の敷かれた高級感&威圧感があるフロア。構造は一階とほぼ同じで、壁際に高い造り付けの本棚、真ん中に高い背中合わせの棚が一本。各棚下部には小さな平台が続いている。大きな違いは、窓際が立派な作業場兼帳場になっていることだろうか。エプロンを着けた大学院生風青年店員が「いらっしゃいませ」とくぐもった声。それにしても覚悟はしていたが、硬過ぎる展開でそのほとんどが箱入本となっている。左壁は国史から始まって日本史(年代ごと)・キリシタン関連・蘭学・東洋史・中国史。下の平台には明治期の繪本がビニール入りでゾゾッと並び、東洋文庫がそれに続く。向かいは、芸能・民俗・さすがの池袋モンパルナス棚・こつう豆本・日本美術など。下の平台は同系列の本を縦にキレイに積み上がり、うぉっ!無造作に「方寸」が置かれたイカした光景。奥壁は大判&豪華本の画集や作品集。右側通路は、通路棚に宗教と郷土史、壁棚に国語学・和歌関連・国文学・書誌学&古本関連。帳場側の通路棚脇には、プレミア本を収めたディスプレイ型マップケースあり。まったく手が出ないかと思っていたら、所々に妙な本を発見。入った時は、高級だし学術系だし、当然値段は高めだし、一回りしたら出て行こうくらいに思っていたのが、真剣に棚に引き込まれてしまった…そして何も買うつもりじゃなかったのに、日本古書通信社「こつう豆本119 銀幕の古本屋/川本三郎」を購入してしまう。映画の中に出て来る古本屋さんについて書かれた本!これは買わずにはいられない!とひとりで気張っていると、二代目店主的青年実業家風男性がスッと現れ「豆本、まだあるんですよ」と、引き出しにびっしり詰まった大量の「こつう豆本」を見せていただく。「お探しの巻などありますか?」…どうやら豆本コレクターと思われたらしい。しかし彼の接客は、爽やかでニュルッとフレンドリー。結局それ以上は何も買わなかったのに、最後には分厚いお店の目録までいただき、「また来ます!」とこちらも爽やかに宣言してお店を辞去する。後で豆本の巻末を見ていたら「露店の古本屋/高橋邦太郎」がまずは欲しくなってしまった…イカン、集めちゃ、イカン!
posted by tokusan at 23:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月29日

7/29激変!小金井街道!

降っているんだか降っていないんだかよく判らない、雨の武蔵小金井駅。南口に下りると、あまりに激変した駅前。高架下を貫いて南北に走る『小金井街道』をまずは南に歩いて行く。今日は街道沿いの三軒の古本屋さんを久々に訪ね回るつもりなのだが、それにしてもこの街の変わりっぷりはどうしたと言うのだ!街は明るく新しく近代的になっているが、新建材のマンションが連なるばかりでどこか軽々しく、街の特徴は掻き消えてしまっている。商店街のアーケードも撤去され、道の両側にはマンション一階の店舗が並び続ける…これじゃあもう、別の街じゃないか。そう驚きながら『前原坂』を下り始め、一軒目の「古本ジャンゴ」(2008/12/23参照)に到着。
django2013.jpg
このお店の名前は永遠に素敵です!三本の通路を行ったり来たりして、昔より古い本が少なくなったように感じ、講談社「釣りキチ三平の釣れづれの記 平成版/矢口高雄」を450円で購入。

街道を北へ引き返し、薄暗い高架下を潜って駅北側へ。この辺りだけは、まだ昔の面影を保っているな。その中に馴染んだ、緑色の壁を持つ「伊東書房」(2009/01/04参照)へ。
itou_shobo2013.jpg
理工系本・山岳書などが目立つお店なのだが、店内の150均古書ワゴンの茶色過ぎる列に釘付けとなる。国際文化顕彰会長崎支部「日本のナポリ長崎(復活版)/原勇」をまずは手にし、続いてこのワゴン内では比較的新しい花森安治装幀で初版帯付きの「茶の間の正義/山本夏彦」を掘り出し、もはや本日最大の収穫にウハウハ。紀伊國屋新書「ボードレール/出口裕弘」と合わせて計450円で購入。
chanomano_seigi.jpg

足取り軽くカバンは次第に重く、さらに北へ向かうと、すぐに街道は新しいマンション群の谷間に変化。もはや“武蔵野”風景は隠蔽されてしまったのだ。横道に入り込んで「中央書房」(2009/03/11参照)。
chuo_shobo2013.jpg
雨のためか圴一台は空っぽである。狭い店内には硬めな本と近代文学本がズラズラ…なのに、この通路に積み上がる、紐で括られた児童文学・ジュブナイル・杉浦茂・巴里夫はどう言うことなんだ!決して触れることの許されぬ未整理本に、心を奪われっ放しになりながら講談社文芸文庫「季節と詩心/堀口大學」を600円で購入する。

お店を出たら街道をさらに北上して、気になっていたグーグルマップに現れる「中央書房支店」の偵察に行く。しかしその場所にあったのはただのお家であった…一見無駄骨のようだが、見に行くことが大事なのである!そう自分の心に囁きかけて、『小金井街道』をトボトボ歩む。
posted by tokusan at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月28日

7/28宮城・石巻 第2回石巻一箱古本市 二日目

早起きして午前九時には仙台。ホームに滑り込んだ瞬間に、仙石線への乗り換え時間が五分しかないことに気付き、サンダルをペタペタと高らかにペタつかせ、最上階の新幹線ホームから地下ホームまでを駆け下りる。仙石線は、仙台と石巻を結ぶ仙台湾沿いを東に走る二両編成のローカル線である。しかし途中、東日本大震災によって甚大な被害を受けた区間は未だ復旧しておらず、代行バスでそれを補っている。と言うわけで、路線は地下→住宅街→水田→山中と移動しつつ、右手に穏やかな海の気配。松島海岸駅で代行バスに乗り換え、レールとつかず離れずな関係で東へ進んで行く。奇岩と鏡面のような海と地層が美しい松島地区・ホタテ貝の山・宅地造成が進む高台・破壊されたままの駅や家や橋・放置された農地・稲穂茂れる水田・新築の家々・夏草に覆われた更地群…そんな景色が車窓にクルクル流れて四十分。矢本駅で再び仙石線に乗り込んで、十五分ほどで石巻着。東端の改札に向かうと、おぉ!様々な石ノ森章太郎…いや、私はあえて慣れ親しんだ“石森章太郎”と呼ばさせていただく!先生、お許しを!…そう、石巻に『石ノ森萬画館』を建立した名漫画家のキャラが、次々と目に飛び込んで来たのである!009・ライダー・ロボコン・エッちゃん・ゴレンジャー・ジュン…良く見ると、駅舎の屋根も石森キャラのオンパレード。新潟の水島新司、境港の水木しげるに負けじと、街は石森一色なのである!感動と、その親和性の高さに多少の気恥ずかしさを覚えながら、ロータリーから『駅前大通り』を南へ。通りにはFRP製のサイボーグ戦士像が続き、萬画館への道しるべとなっている。前方にこんもりとした『羽黒山』を見上げながら、西に延びて行く『立町大通り商店街』の歩道屋根の下に入り込んで行く。商店街の案内図を見ると、ほとんどのお店の名が消されてしまったシャッター商店街。人通りはあるのだが、石森キャラ以外は時が停まり、取り残されたような印象を抱いてしまう。
ishinomaki.jpg
右手裏町に、それでも飲屋街が展開するの見ながら、ほどなくして『立町復興ふれあい商店街』に到着する。縦長の駐車場的スペースにプレハブのお店が四列連なり、仮の商店街を形成しているのだ。入口に立つスタッフさんに「古本市やってま〜す」と声を掛けられ、スルスルと中へ。すると入って直ぐのテントに下に、早速四箱(箱の範疇はみな越えている…)が長テーブルの上に展開!
fukkou_fureai.jpg
すでに顔見知りの「亡羊堂」にて角川文庫「横溝正史読本/小林信彦」を、「RAINBOWBOOKS」にて国枝史郎伝奇文庫「十二神貝十郎手柄話」を購入…何と言うスタートなのか。奥にひっそりとあった、「いらっしゃいませ」が可愛い少年と古い駄玩具を売る老人の二箱を覗き込んでから、再び通りへ。途中50〜100均の長テーブル二台分古本バザーを眺めてから、東にある『アイトピア通り商店街』に進む。南北に走る道沿いに、人だかりのある店頭会場が二ヶ所見えている。全部合わせて十箱ほどで、「くものす洞」にて中央公論新社「東北おやつ紀行/市川慎子」を、「駄々猫舎」で創元推理文庫「墓標なき墓/高城高」を購入。それにしても仙台から参戦の「鉄塔文庫」(2012/06/22参照)は、一箱古本市にあるまじき硬さを誇っていた…。あっけなく見終わってしまったが、スタッフ&店主さんたちが何ともフレンドリーで、大変和やかな古本市である。

machi_no_hondana.jpg
最後に同じ通りにある、昨日オープンしたばかりの「石巻 まちの本棚」を見に行く。元書店を柔らかな木材で内装したコミュニティスペースは、板の間と右に壁棚を擁し、テーマごとやゲストがセレクトした本をびっしりと並べている。一瞬不埒にもサンダルのまま上がろうとしてしまい、ぐっと踏みとどまって事無きを得る。本は『一箱本送り隊』の尽力により集まったもので、本によっては送り主やコメントの書かれた紙片が挟み込まれている。…とここまで来たら、このイベント影の主催者・南陀楼綾繁氏に会えると思っていたのだが、残念ながら会えずじまい。それにしてもこの地に来て実感したのだが、南陀楼氏の石巻に関わる一連の活動には、ただただ頭を垂れるしか無い。本と言うツールを媒介として、たとえ人が少なくても、街が衰退して行く一方でも、その地を耕し、種を蒔き、水をやり続けている。それはムダなようでいて決してムダには終わらない、とても地道なチャレンジなのである。新藤兼人の映画『裸の島』のような、水の無い島に本土から水を運び、萎びた作物に水を愚直にやり続ける…そんな地道な作業を連想してしまうのだ。そしてその作業は、まず「まちの本棚」として結実した。後で私が出没したことを聞き付け、電話を掛けて来てくれた南陀楼氏によると、いずれはここでも古本を販売するとのことである。その暁には、必ず石巻を再訪し、今回訪れることの叶わなかった『石ノ森萬画館』と共に巡るつもりである。それまでさらば、石巻&石森先生!

またもや仙石線ルートで仙台に戻り、一目散に「火星の庭」(2008/05/24参照)へ。今日こそは前野さんに、一ノ関のナゾの古本屋について聞き込まねばならぬのだ!慌ててカレーの匂い漂うお店に飛び込むと、あぁっ!今日は優しいダンナさんしかいないじゃないか!肩を落としながらも、取りあえずは本棚を眺めて行く…ぬぬっ、奥の本棚で探していた講談社「のらくろ捕物帳/田河水泡」を発見。高いかな?…恐る恐る値段を見ると、この本にしてはリーズナブルな3000円!ひゃっほうと購入を決意して鷲掴みにする。河出文庫「パノラマニア十蘭/久生十蘭」300円と共に購入…あぁ、仙台には古本を買いに来たわけじゃなかったのに…。
kasei_no_niwa0728.jpg
posted by tokusan at 21:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月27日

7/27静岡・伊豆高原 ORANGE BOX 伊豆高原店

東京から三時間で久しぶりの伊東。海水浴や温泉浴を楽しみに来た周囲の華やかな皆様とは異なり、私が目指すはただ“古本浴”のみ!まず向かったのは、街の片隅にあるシャッター商店街の『古書一般貸本』を生業とするお店である。以前も訪ねたことはあるのだが、営業日営業時間中にもかかわらずシャッターは閉まっており、見事に寂しい商店街の風景を造り出してしまっていた。果たして今回は……あぁ、閉まっている…いつの日か、古本の並んだ店内を見られると嬉しいのだが。
izu_shobo.jpg

急いで駅に引き返しつつ、『湯の花通り』のリサイクル店で一列の古本を見かける。しかしまったく食指は動かず。駅のホームで月見そばを啜った後、下り列車に乗り込んで、深い緑の中を突き抜け、広い海を見下ろしながら五駅先へ。

orangebox_izukougen.jpg
立派な駅舎から山の中腹の駅前に出ると、江戸城に使われた巨大な『築城石』が出迎えてくれる。『桜並木通り』の坂と階段を上がって、『国道135号』に出る。高原なのに涼しさは微塵も感じられず、左手の山々には不吉なほどドス黒い雲が覆い被さっている。車が激しく行き交う国道を北東へ。道の下のトンネルを潜り、犬が一匹も見当たらない『ドッグフォレスト』脇を通過すると、伸び上がる坂の途中にログハウスを巨大化させたお店が見えて来た。伊東にもある「ORANGE BOX 猪戸店」の姉妹店(こちらは古本はコミックのみであった)である。ぜひとも古本があって欲しい!そう願いつつ、縮尺のおかしな巨大煙突を見上げ、炙られるような路上から店内へ進む。中は表同様ログハウス風空間で、入った所が帳場とモデルガン・アイドルグッズ・おもちゃ類のスペース。さらに一段上がった奥には、ゲーム・DVD・フィギュアゾーンとなっている。どうやら古本は、左に続く離れのような矩形の建物に集められている模様。ズンズン進んでモデルガンショーケースの裏に入り込む。ちょっと大きめな書店くらいの容積があり、コミックがドドドと並んでいる。よっ、左壁に古本を無事発見。500均単行本棚一本、300均単行本棚二本で小説と自己啓発本が多い。300均から一冊抜き取り奥へ進むと、最後の通路棚に海外文学文庫・雑学文庫・ノベルス・女性実用・句集・文学評論・日本文学文庫・時代劇文庫・ビジュアル本。そして奥壁に児童文学・絵本・実用・角川ホラー文庫・新書と並び、右壁に文庫揃いと少量の岩波文庫で壁が築かれている。リサイクル書店的な棚の流れで、値段は定価の半額である。ピエブックス「和な文房具/柳沢小実」ちくま文庫「妖精詩集/W・デ・ラ・メア」を購入。

さらに伊豆急行の線路を渡って、踏切坂下の一軒家の一部を改装した古本屋さん「まんがの家」を見に行ってみるが、シャッターは閉まり、その前にはクーラーボックスや園芸材料が置かれてしまっている…現役感に欠けるなぁ…しかしそれでも、またいつの日か…。
manga_no_ie.jpg
posted by tokusan at 19:48| Comment(6) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月26日

7/26東京・荻窪 田中商店

tanaka_syouten.jpg
昨日荻窪を走り抜けた時に、目の端に捉えた本の列の影…それを確かめるために、今日も荻窪に向かって自転車を駆る。駅南口に出て「岩森書店」(2008/08/23参照)脇の、賑わう商店街『南口仲通り』に入る。化粧された道を奥へ奥へと進み続け、やがて南西に滑り落ちて行く。商店街を通り抜け、意外に自然豊かな善福寺川を渡ると、公園のある小さな四つ辻。ここで南東を見ると、バス通り沿いのマンション一階に、目指して来た古道具屋さんが見えていた。籐椅子の置かれた店頭は何となく寂しく、ガラスに貼られた『創業66年』『引越納戸整理』『不要品買入』などが目立っている。古家具と古道具が置かれた店内は、狭いのに少し閑散とした印象を受ける。しかし、店内のそこかしこには確かに古本の姿があった!真ん中には外からも見える文庫一列、その後ろには十冊ばかりの横積み単行本、そのさらに後ろに単行本の一列。これらの周りには、カセットテープ・ビデオ・EP&LPレコードも置かれている。さらに入口左横の薄暗闇に一本の本棚。ここには50均文庫と単行本がそれぞれ二列ずつ収まっている。左壁の棚にも単行本が二列と、意外に多くの古本が潜んでいる事実が判明。小説を中心とした雑本的展開で、古い本も少しだけ。値段は安めである。左奥の帳場で、怠そうなオーラを放つ白いご婦人に精算をお願いすると、「100円」とスッパリ。新潮文庫「汽車旅放浪記/関川夏央」金園社「福引二〇〇〇題/山谷和夫」を購入。そしてお店を出た時に、ハッ!と気付いたことがひとつ。以前、悪い奴ほどよくWる氏がタレ込んでくれた『バス通りをズ〜ッと行った所に、古本を一列ほど並べた古道具屋がある』と言うのは、ここのことではないか。遅ればせながら感謝を捧げる次第である。

さらに自転車を走らせて、最近お気に入りのお店になりつつある、南口西寄りの「竹陽書房」(2008/08/23参照)へ。棚はあくまで雑本的並びを見せる昔日の古本屋さん形式であるが、その中に光る本が安値で隠されているのを、最近発見出来るようになって来たのだ。おまけにここの棚は、実は良く動いている!と目を皿にして、今日は講談社「ちゃんばらグラフィティー/マキノ雅裕監修 浦谷年良編著」を300円で購入する。


posted by tokusan at 15:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月25日

7/25賢治と店頭の変貌

今日も懲りずに『京都殺人案内』に釘付けになっていると、今回のテーマは宮澤賢治。それを見て、世田谷文学館で『没後80年 宮澤賢治 詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心 展』をやっているのを思い出す。番組中途で外に飛び出し、環八を自転車で爆走し、世田谷文学館に到着する。視点が完全に古本修羅化しているので、『雨ニモマケズノート』(実物を見ると、『雨ニモマケズ 風ニモマケズ』の部分で、両方とも“モ”が後から書き加えられていることが良く判る。つまり最初は『雨ニマケズ 風ニマケズ』だったのである)・「春と修羅」「注文の多い料理店」の初版本・『注文の多い料理店広告チラシ』(各童話について賢治コメント入り!欲しい!)・賢治のトランクに残っていた遺書二通に、魂を根こそぎ奪われる。心をフルフルさせながら、多数の作家による絵本原画も眺める。やはり堀内誠一の「雪わたり」と、茂田井武「セロひきのゴーシュ」が抜群だが、この死後に多様な賢治ワールドが生まれ続ける感じは、まるでラヴクラフトの死後も続いて行く『クトゥルー神話』の如しである。司修制作のシュールな映像も鑑賞し、「雪わたり」の絵葉書を二枚買って館を後にする。

ここまで来たならと千歳烏山に向い、久しぶりの「イカシェ天国」(2008/09/23参照)。人を決して寄せ付けぬアナーキーな店頭&店内は、決して揺らぐことはない。
icasye2013.jpg
少し雑然とした蒸し暑い店内に潜り込み、埃と格闘しながら三冊を手にする。斜向いの不動産屋にて精算。操書房「夜のがすぱある/ベルトラン 城左門譯」丸善「居間は公園だ/東孝光」荒地出版社「風流博物誌/今官一」を計1200円だが半額セール中(常時?)と言うことで600円で購入。ありがとうございます。いつまでも闘い続けて欲しいと願いつつ、再訪を誓う。

次は気になっていた富士見ヶ丘のリサイクルショップを偵察に行くが、木曜は無情の定休日。仕方なく荻窪方面へシュンシュン向かい、「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。あ!店頭棚が変わってるじゃないか!
sasama_tento0725.jpg
両端に文庫&新書棚が一本ずつ、そして真ん中に背が伸びた単行本棚が二本。…変わったばかりなのでしょうがないが、見た感じは前の方が好みだなぁ…。そんなことを思いつつも、情報センター「さる業界の人々/南伸坊」近代映画社「映画と共に歩んだわが半世記/淀川長治」を計210円で購入。これからも変わらずお世話になります。
posted by tokusan at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月24日

7/24東京・神保町 八木書店

yagi_shoten.jpg
ケーブルテレビで、激シブ演歌ハードボイルド『京都殺人案内(藤田まこと主演)』を見ていたら、面白過ぎて行動のすべてを奪われてしまう。外ではいつの間にか雨が降り始めてしまった。慌てて中央線で御茶ノ水に向かい、『靖国通り』へ駆け下りる。今日の目標は『駿河台下交差点』から、南側歩道を北西に70m。道が二十度ほどの鈍角で西に曲がり込む、初っ端に建つ古本屋ビルである。タイルレンガで覆われた建物は古びた四階建てで、二階窓に一階の案内、三階に二階、四階に三階の案内が大書されている。ビルの左上に直方体の店名看板、日除けの上には銅板の立派な看板文字、その他にも入口周辺に『国語学、国文学専門』『古書買入』とある小さな看板類。店頭両端には本棚があり、ここには主に自由価格本が並んでいる。そしていつもなら足下には、300均古本の入ったプラ箱が数箱置かれているのだが、今日は雨のためか店内に展開しているようだ。真ん中のウィンドウには自社出版本やプレミア本・全集本が飾られている…小泉八雲の大判本「妖魔詩話」が値段と共に存在感大!しばらくうっとりと見惚れてから、右の入口から店内へ。横長でビシッと整頓され、通路が広めで、非常に実直な空間である。左右に壁棚が設置され、フロアには縦に、天井に連結された三本の背中合わせの本棚。通り側にはシックな長いカウンター帳場があり、両脇には自由価格本ワゴンが置かれている。奥側には一部本棚と二階への階段、そしてエレベーター(もちろん使用可)がある。店内ではエプロンを着けた青年店員二人が、棚に常に目を配りながら店番中。時々上階からもうひとりの青年が現れるが、文化系・体育会系・ストリート系と様々なタイプ…何とも不思議なお店である。右から入ったのだが、左側にまずは移動する。何故ならこのお店は、左壁から見て行くのが圧倒的に正しいのだ。八本の壁棚、そこから日本近代文学の作家論が、ひたすら丁寧に細やかに、時に文庫や新刊も交えながら、研究対象作家五十音順に並んで行く。どメジャーからどマイナーまで、そして近代文学だけでなく時に現代文学・探偵小説・文筆をものする洋画家・漫画家・詩人までをニュルッと滑り込ませ、近代百五十年の文学評論&評伝&研究が壁となり、目の前に立ち現れているのである。様々な見たことも無い本に出会いながら、どうにか右端の通路までたどり着くと、通路棚に詩人関連・俳句、そして文学概論と称し古本関連・大衆文学・比較文学・女流文学などの論考が展開。壁棚には箱入の自社出版本・短歌新聞社本・短歌・文学復刻本と並んでいる。ここでひとまず“ふぅ”と一息ついてから、全集が壁沿いに積み上がる昭和な階段を上がって行く。一度折り返して二階。三階の催事場への階段がさらに続くが、今は『上は事務所です』の立て札が置かれている。エレベーターの横に東洋文庫と古典文庫の棚。右にパソコンを複数備えた帳場のあるフロアは、一階のミニサイズのような雰囲気で、三方の壁際は本棚、真ん中に背中合わせの本棚が三本あり、そのほとんどに箱入りの学術本が収まっている。国語学・言語・文法・方言・万葉集・和歌・上代〜中古〜中世〜近世文学・書誌学・復刻本と、硬さをググンと増した棚のオンパレード。すみませんでした、と頭を下げて階下に素早く逃げ戻る。値段は隙無くしっかり値なので、欲しい本は数あれど吟味をたっぷり重ねて二冊に絞る。岡山文庫「西東三鬼の世界/小見山輝」クレス出版「夢二と花菱・耕花の関東大震災ルポ」を購入。名店との闘いにすっかり疲労してしまったので、裏通りの『ミロンガ』に逃げ込んで一休みする。
posted by tokusan at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月23日

7/23東京・中野 MANDARAKE記憶

正午前に「盛林堂書房」(2012/01/07参照)に赴いて、「フォニャルフ」に補充。こまめに棚を動かしておりますので、お近くにお寄りの際はぜひご覧になってみて下さい。店主と少しお話しし、古本を買わなかったのに何故かボックスティッシュ五個セットをお土産にいただく。微妙に嬉しかったりする。

mandarake_kioku2013.jpg
夕方、豪雨が通り過ぎてから自転車で中野方面へ。そう言えば森英俊氏から『「MANDARAKE記憶」(2008/08/28参照)がだいぶ変わって、見易くなりましたよ』と聞いていたので、ちょっと見に行くことにする。『早稲田通り』から『ブロードウェイ』に突入し、人気の無い四階『ブロードウェイ通り』を南にカツコツ…右側に見えて来たガラスケース・105均棚・105均文庫棚・長い文庫棚、そして「MANDARAKE大予言」に変化は無いようだ。おっ、左側の「記憶」の方に、やはり変化あり!お店部分を守るように置かれていた二台のガラスケースが消えている。通路の狭さは変わらずで、左壁と奥壁に本棚、真ん中に背中合わせの棚二本のレイアウトにも変わりはないが、右壁だけ本棚一本と通路に置かれていたガラスケース一台に変化している。左壁は写真関連&写真集・建築・ファッション。向かいは仙花紙文学本・古本関連・セレクト日本文学(貸本類含む)・詩集・「別冊太陽」など。奥壁には雑誌・アート・デザインが収まる。真ん中通路はやはり魅惑の通路で、怪奇・幻想・SF・ミステリ(探偵小説)・海外文学・児童文学・絵本・ジュブナイルが粒揃いに集合。右端は、通路棚に音楽・サブカル・タレント・性愛・アウトロー、右壁沿いには、上にリトルプレス各種を乗せたプレミア本ガラスケースと少女関連本棚。主に壁沿いに変化あり、と言った感じである。そしてそのまま通路を南に進むと、帳場横の写真関連が収まっていた棚が消えていることに気付き、右側の写真集inガラスケーススペースも通路側のガラスケースが低くなり、スペース内を見通せるようになっていた。内部のガラスケースは縦向きになり、右端には300〜500円の特価本棚が新たに入り込んでいる。左側の通路棚もピタッとした壁棚となり、二本に澁澤龍彦・寺山修司・唐十郎・田中小実昌・植草甚一・竹中労など。さらに先に続いて行く五本のガラスケースは、芥川&直木文学・ジュブナイル・SF&探偵小説文庫・アート本が面陳メインに飾られており、とても見易くなっている。ヨダレの垂れまくるプレミア本オンパレードに、心地良い疲労を覚え、財布の薄さを大いに嘆きながら、新潮文庫「気まぐれ美術館/洲之内徹」を210円で購入。

表に出ようとするとまたもや大雨。大きな庇の下で雨宿りをしていると、右腕に何か衝撃が!ビクッとしてしまう。何だ?水滴が熱い気が…気のせいか?しかし次の二滴目も、やはり熱かった!思わず頭上を見上げると、丸い大きな電灯があり、そこから雫がポタリポタリ…どうやら雨水が電球に熱せられ、熱湯となって落ちて来ているようだ。慌てて避けると、そこにギャルが滑り込んで来た。途端に彼女に熱湯が降り掛かり、「あちっ!」。時ならぬ絶叫が、ブロードウェイ入口に響き渡る…雨はまだまだ、止みそうにない…。
posted by tokusan at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月22日

7/22東京・九品仏 D&DEPARTMENT

d&department.jpg
自由が丘から東急大井町線で一駅。ホーム東端にある、トンネル型駅舎の改札を抜けようとすると、頭上に目指すお店の大きな看板が架かっていた。洒落たシンプルデザインで、小さな字でお店への道のりが記されている。『DESIGN SELECT SHOP/RESTAURANT/BOOK/CD/GREEN』とあるが、本当に古本は売られているのだろうか…?改札を抜けると踏切のど真ん中。南に進路を採り、緩い雰囲気の『九品仏商店会』をダラダラと突っ切って行く。400mほどで『環八通り』にぶつかるので、グイッと西へ。この辺りは見通しが良く、自動車ディーラーと昭和四・五十年代のマンションが多く道沿いに並んでいる。100mも進むと、右手に古く大きな六階建てのマンションが現れ、正面に着くと、そこがショップへのガラス張り入口であった。一階がカフェレストラン、二階がショップとなっているので、まずは広い二階を探し回ることにする。縦長の広大なフロアは、家具や生活雑貨類を所狭しとディスプレイしており、その間をウロウロキョロキョロと、ただ古本の姿を求めて分け入って行く。すると、小さな暮し系新刊本棚の下部二段に、『D&USED BOOK』と言うコーナーがあるのを見つける。三冊持って来て一冊と交換するか、定価の30%で購入することが出来るらしい。ちなみに交換本には制限があり、『デザイン・アート・トラベル・絵本』はOK、『コミック・辞書・同人誌・タレント・キャラ本・自費出版』はNGとなっている。しかしここにあるのは小説系文庫のみ。…そしてこれだけなのだろうか?嫌な予感を胸に巻き起こし、テーブルの上に洋書古書も発見するが、やはり二階はこれで終りのようだ。階段を下りて一階へ戻り、カフェのガラス扉を潜る。左と正面にフロアが広がっている。そして!正面フロアの右壁沿いに二本、奥壁に四本の古本棚を確認する。ここがメインだったのか。単行本と文庫が半々で、絵本が二段分ほど。日本文学・社会・紀行などがメインで、品の良いリサイクル系書店と言った感じである。少しくたびれた本も多い。奥のトイレ通路脇には、カルチャー雑誌がドッサリと並ぶスチール棚があるが、これが売り物かどうかは判らず。ちくま文庫「魔法使いの弟子/ロード・ダンセイニ」三笠文庫「梅原龍三郎/眞船豊」をセレクトするが、レジで三笠文庫を見た店員さんが「すみません、これ値段が判らないので100円でよろしいでしょうか?」と言われる。三笠文庫には元々カバーが付いておらず、無くなってしまった帯に値段が書かれていたのだ。しかし奥付を見れば値段が書いてあるはずだが…などと思いながらも素直に了承する(後で見てみたら定価は160円)。

駅に戻って、冷房で冷蔵庫の如き店内となった「木鶏堂書店」(2009/12/07参照)にも立ち寄る。ここも『小さなお店』だな。頑張れば九人は入れようか…阿呆なことを想像しながら世界文庫「浅草綺譚/一瀬直行」を800円で購入する。
posted by tokusan at 18:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月21日

7/21静岡・藤枝 焼津書店 藤枝店

yaizu_shoten_fujieda.jpg
早起きして投票所に向かい、そのまま青春18きっぷを使って遠くへ向かう。東海道線できっちり西に四時間。一ヶ月ぶりの藤枝である。南口に出て、足湯に浸る人々を見やりながら、ロータリーから南へ。二つめの交差点を東に曲がり、400mほど真っ直ぐ進む。すると郊外型の店舗が『田沼街道』沿いに並ぶ交差点にぶつかるので、そこを南へ。すぐに現れるひとつめの交差点で再び東へ。途端に地元度が増すが、まだまだお店は連なり続け、巨大スーパー『Big』を過ぎてさらに進むと、右手に大きな『古本』の看板。ここまでは駅から一キロほどであろう。静岡マイナーチェーン古本屋「焼津書店」である。「焼津店」(2011/01/23参照)「藤枝駅南店」(2013/06/08参照)に続くラスト一店。アメリカンなマスコットキャラが目を惹き、軒の『本買います。』の文字がカラフルだが、どうやらここが一番小さなお店のようだ。店内は横長で、左手の帳場で女性店員さんが店番中。壁際はぐるっと本棚に囲まれ、フロアには横向きに背中合わせの棚が左右に四本ずつ置かれている。入ってすぐの通路は週刊誌やコミックが幅を利かせているので、古本の気配を必死に探って行く…すると、右壁棚と奥壁棚を核にして集まっているのを確認する。右壁棚は、児童書・絵本・女性実用・暮し・宗教・雑学・政治・ノンフィクション・105均単行本・歴史・戦争が並び、棚の下部1/3にはビジュアルムックや雑誌類が収まっている。奥壁には右奥から、郷土・静岡・民俗学・美術・洋絵本・古いノベルス・エジプト・海外文学・ミステリ&エンタメ・文学評論と続き、柱を飛び越えて麗しの古書&古雑誌棚!そして雑誌と並んで行く。この奥通路の向かいには、日本文学文庫がズラッと並び、右端に105均文庫&単行本が固まっている。またその裏の第四通路右側に、ハーレクイン・ハヤカワポケミス・海外文学文庫・雑学&教養系文庫も並ぶ。各通路の辻には、何故か必ずLPレコードをドバッと詰めた箱が配置されている。他二店と同様、リサイクル系と思いきや、所々に面白い本&珍しい本が見られ、しかも値段が安め。特に古書は安値の良書が目に付き、掘り出す喜びを味わえる。その代わりと言っては何だが、文庫が新しい本中心なので、あまり食いつけないのが残念である。偕成社「人工衛星・宇宙旅行/原田三夫」(裸本)芸文社「怪奇がいっぱいの国/中岡俊哉」ケイブンシャ「ブルース・リーの伝説/アレックス・ベン・ブロック」(ブルース・リーが古本屋に通い詰めていた事実が判明!でも客として来たら恐いだろうな…)を購入。

ここまで来たならと「藤枝駅南店」にも向かい、丸ノ内出版「横浜味覚散歩/白神義夫」創元推理文庫「女狩人は死んだ/ベン・ベンスン」(和田誠装幀で初版)を計400円で購入。

そしてまたも四時間以上掛けてガタゴト阿佐ヶ谷に帰り着くと、駅北口アーケードの「千章堂書店」(2009/12/29参照)で、本日最大の喜びが待ち受けていた。山渓新書「ヒグマとの戦い●ある老狩人の手記/西村武重」が、100均台にポロリ!一日の電車疲れが吹っ飛ぶ喜びが、電光のように身体を駆け巡ったのであった!ビビビビッ!
higumatonotatakai.jpg

posted by tokusan at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月20日

7/20夏の準備と古本屋遺跡

昨日、あるイベントに行くために買った『週末パス』が、一週間日時を間違えていたことに気付く。慌てて変更しに、JR『みどりの窓口』へ。ついでに今日から使える夏の『青春18きっぷ』も購入することにし、もはや心は遠い地の古本屋さんにバタバタと飛翔…今年の夏も、お尻が鉄板になりそうだ…。まだ見ぬ“古本屋ドリーム”に溺れたまま、午前十時から開いている「都丸書店 支店」(2010/09/21参照)の壁棚を覗き込み、中国の古い家の写真ハガキ集「OLD HOUSES」青土社「ユリイカ12月臨時増刊号 総特集・永野護」誠文堂新光社「月刊天文ガイド臨時増刊 写真で見る月面観測」を計800円で購入する。今日は自由に動けるのは、残念ながらここまで。と言うわけで、少し溜まった、古本屋遺跡レポートをお届けします。

●「まだある」
高円寺の『ルック商店街』に2011年3月まであった「勝文堂書店」(2010/01/18&2011/03/12参照)。お店はとうにその姿を消しているが、何と阿佐ヶ谷・河北総合病院近くの裏路地には、お店の広告看板が未だに残っているのだ。しかし、その母体であるコインランドリーは板で封鎖され、もはや解体寸前!ここに古本屋さんの広告看板があるのも不思議だが、それも今や風前の灯火!果たしていつまで遺跡として存在出来ることやら…。
shobundo2013.jpg

●「まだいる」
つくばに爽やかな風を巻き起こす新店「PEOPLE」(2013/06/14参照)を訪ねた折、同じ建物に入っていた古本屋の先輩「筑波学園文庫」が食堂になってしまっているのを目撃する。が、しかし!その二階の手摺には、「筑波学園文庫」の青い店名看板が、しっかりと残っているのであった。…これは、二階の人はどう思っているのだろうか?単なる撤去し忘れ…ハッ!もしや、二階だけはまだ「筑波学園文庫」と言うことなのだろうか?だとしたら、これは遺跡ではなく立派な看板と言うことか。良く見ると、窓には『買入』の文字も残されている。やはりこれは、まだいる!
tsukubagakuen2013.jpg

posted by tokusan at 12:45| Comment(4) | TrackBack(0) | 古本屋遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月19日

7/19東京・駒場東大前 coffe&beer BUNDAN

自転車を走らせて『甲州街道』方面へ。まずは笹塚にて『閉店したかも…』と心配なタレコミのあった「一新堂書店」(2011/02/07参照)の様子を見に行く。…確かに営業日・営業時間なのにシャッターが閉まっている。
isshindo0719.jpg
その上、郵便受には何日か分の郵便物がグイグイと押し込まれ、右端には商店街からの連絡事項が貼付けられている…つまりはお店は開かないし、電話で連絡も取れないと言うことか…これは心配だなぁ。一体どうしたんだろう。引き続き気に留めておこうと、再びペダルに足を掛け、『中野通り』を南下して『駒場公園』へ。正門脇に自転車を停め、砂利をジャクジャク踏み込んで園内を進む。スクラッチタイルが眩しい『旧前田侯爵邸』を右に見て、鬱蒼とした森のような公園の東奥に進み続けると、突然目の前が明るく開けて、箱のような『日本近代文学館』が石畳の庭の向こうに出現した。庭の入口には、目指すカフェの金属看板が立っている。陽の当たる人気の無い庭を軽快に横断し、中二階への階段を上がって、ガラスの大扉に吸い込まれる。そこは薄暗く静かでスクエアなエントランス。右に文学館への入口、左に早速カフェの入口がある。
bundan.jpg
そろそろと左に進んで、窓の大きい縦長の空間に入り込む。入口右横には陶器と、万年筆や原稿用紙などの文豪グッズが、ガラスケースに飾られている。それに夏葉社とサウダージブックスの本も。左の窓際には棚板が一本渡され、食・古本・猫・深沢七郎・言葉に関する本が並び、奥に細いサブカル&映画棚、そのさらに奥に作家サイン色紙と文学評論が続く。奥は厨房カウンターで、その横に“書籍商”の札を掲げた日本近代文学棚がある。右壁には大きく背の高い本棚が五本設えられ、海外文学・日本文学・詩・コミック・文庫をセレクトして収めている。フロアにあるテーブル席下にも本が並び、戸板康二・歌舞伎・川本三郎などを確認する。誰もいないので真ん中辺りの席に腰を下ろし、文豪やその作品に因んだ飲食物が列記されたメニューを読むように眺めて、中原中也&夏目漱石に所縁あるエビスビールを注文する。ビールが来る間に本棚をジロジロと眺め続ける。本には値段が付いてるものと付いてないものがある…これが恐らく販売本か否かの別れ目と見た!タモリ本&ファミコンの父・横井軍平本の充実っぷりにノドを鳴らしながら、ビールを運んで来たハンサムなウェイターさんに「ここの本は、値段が付いているのが売り物なんですか?」と聞いてみる。すると、彼は少し戸惑いを見せながら「えっと、ここにある本はみんな閲覧用なんです。売っているのはここにある分だけで…」と、カウンター前のテーブルに並ぶ、十数冊の本を指し示した。それは近代文学館が出している、文学復刻本…つまり新刊なのである。「あっ、じゃあ値段が付いているのは?」「あれは、古本屋さんで買って来た本をそのまま並べているので…」…何てことだ。ここでは古本が売られていないことが判明した。このお店を紹介した雑誌類には『◯月から古書の販売を始める』『セレクト古書を販売している』などと書かれていたが…何とも苦々しい残念な結果となってしまった。だから苦々しくビールを飲み干す…それでもここは古本を買えなくとも、文学散歩のオアシスであることに変わりはない。『尾崎翠のアップルパイ』『寺田寅彦の牛乳コーヒー』『堀口大學のシャンパン』(8500円!)『谷崎潤一郎のトーストサンド』など、制覇したいメニューが多いのも、また事実なのである。

しかしそれでも、古本を買わなければ、やはり耐えられるわけがない!と、池ノ上に猛スピードで移動して「由縁堂」(2008/09/02参照)。冬樹社「上海摩登/海野弘」てのり文庫「名探偵トリック作戦/藤原宰太郎」を計1100円で購入しながら、レジ台の上に横たわる黒キジ猫と感動の再会!しかも今回は撫でさせてもらい、感激に身を震わせる。続いて線路脇の「文紀堂書店」(2008/09/02参照)。店内の棚を眺めながら、『俺、このお店が好きかもしれない』と言う自分の気持ちに初めて気付く。レア本を掘り出した2013/04/07に続き、今日も小粒だが良書を安値で手に入れて行く。書肆ユリイカ「現代フランス詩人ノート/小海永二」金蘭社「ペルシヤ物語」(函無)新潮文庫「恐竜物語/ブラッドベリ」ソノラマ文庫「怪獣男爵/横溝正史」を計1400円で購入。この掘り出せる感触は、「九曜書房」(2009/03/26参照)にちょっと似ているのだ!
posted by tokusan at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月17日

7/17和阪で倉庫!全滅!風俗街!二店

足が出るのもなんのその!気持ちだけは勇ましく「みちくさ市」の売り上げを懐にして、新大阪から『特急くろしお』に乗車する。この特急列車の終点、中上健次の故郷・新宮までは何と四時間!いつの日か訪ねなければと、まだ見ぬ土地に思いを馳せていると、電車は駅から滑り出す。目的地までの所要時間はわずか六十分で、大阪の市街地と住宅地をギュンギュンと走り続け、最後に十五分ほど水田地帯と山間を走り抜けて紀ノ川を渡ると、あっけなく和歌山着!ツアーとしても個人的にも、初めての土地である!

sakaedo_shinzen.jpg
●和歌山・神前「さかえ堂」
最初に駅西側にある古本屋然とした古本屋さん「まさ書房」を見に行くが、店内に電気は点いておらず、ドアには鍵が…なに、まだ正午だ。きっと午後一時頃に重い腰を上げ、開店してくれるのだろうと楽観して、JR紀勢本線の下を潜って東側に出る。そして住宅と水田の間を進む単線、わかやま電鉄貴志線に乗り込む。物凄く揺れる二両編成で、終点の貴志駅まで行くと、あの有名な三毛猫“たま駅長”に会えるらしい。終点まで行ってしまいそうになるのをグッと堪えて、民家の裏手にある神前駅で下車する。ホームから出て民家の間を縫う小道を東に抜け、南北に走る田舎道へ。交通量が激しい上に、ほぼ歩道の無い道を400mほど進むと、建ち並ぶ建物の上に頭ひとつ抜け出た『古本』の看板が見え、慌てて近付くと、そこには扉を開け放ったペパーミントグリーンの倉庫が一棟建っていた…何だこれは!夢か?それともただの倉庫なのか?あのグルグル回る黄色のパトランプは何を意味しているのか…?恐る恐る扉に近付き中の様子を窺うと、手前左側にスチール机を集めて造られた明け透けな事務所スペースがある。そこではアロハ姿の禿頭のおじいさんが、完全に就眠中である。その奥に林立する白い本棚が見えたので、非常に不安ではあるが古本屋さんである可能性は大きくなった。しかし!この倉庫の右半分には疎らにスチール棚が置かれ、ダンボール箱も散乱し、化粧品のような商品が多数放置されている。奥には車の影までもが見えているのである。静謐で蒸し暑いアウトローな空間は、まるでたけし映画のワンシーンを見ているようだ…おじいさんが寝ているのを幸いとし、こそ泥のように左奥に侵入して行く。白い本棚と巨大な平台で四本の通路が造られ、疎らにやる気無くコミックが並んでいる。奥壁棚には写真集、左端通路は品数が少な過ぎて逆にお洒落なディスプレイに見えてしまうアダルトDVD.。三列目左側に一応古本の姿を確認する。雑本文庫・ノベルス・ハーレクインの燃えぬ三本柱…うう〜んと悩みながらカッパビジネス「悪の管理学/川上哲治」を手にする。他にも何かないだろうかと平台にも探りを入れる。古い雑誌とゲーム攻略本がドッサリ…スーパーファミコン時代のものが多いな。そう思い注意していると、よっ!小学館「真・女神転生2」を発見。これは「真・女神転生」から続くクオリティ高い攻略本で、名著と読んでも差し支えない本である。値段は良く判らぬが、おじいさんを優しく起こして精算してもらう。すると二冊共90円也。ありがとうございます。

またもわかやま電鉄に乗り込み、もう開いていると信じて「まさ書店」を見に行く。しかし開いていない!しかしどうしても入りたい!勇気を奮い起こし、扉に書かれた電話番号に電話を掛けてみるが、哀しみが止まらない直留守電…あぁ、俺はまた、この地に来なければならぬのだな…。
masa_shoten.jpg

ではめげずにもう一軒と、南海本線沿いのお店に向かおうとしてみるが、接続悪く一時間待ちであることが判明。こんなに待ったら大阪に帰れるじゃないか!そうと判れば『特急くろしお』に早くも飛び乗り、大阪の古本屋さんを見に行くことにする。この特急は和歌山駅を出たら、天王寺と新大阪にしか停まらないので、未知の天王寺駅で下車。しかしそこで待っていたのは、古本屋さん全滅地帯!駅周辺の古本屋さんの入っていたビルが、悉く新しくなってしまい、お店の影を一掃していたのである!まさか古本屋がひしめく大阪で、こんな目に遭ってしまうとは…己の余りの運の悪さを罵りながらも、心はまだ折れずに次なるお店を目指して北へ…。

kosho_yubun.jpg
●大阪・大阪「古書 ゆうぶん」
南口に出て東に歩道橋を二度渡って、『阪急百貨店』を突き抜けてアーケード街の『阪急東通り』に入って行く。グングン進んで一度横断歩道を渡ると、通りの健全さが影を潜め、猥雑な風俗店が増えて来る。今は亡き「末広書店」(2012/05/05参照)を思い出しながらアーケードを抜け切ると、雑居ビルの谷間の道の先右手に、『古書』の文字が見えて来た。雑居ビル一階のこじんまりとしたお店である。白い看板の下には白い日除けがあり、その下には木の扉と映画ポスターが貼られたウィンドウ。店頭には台車に乗った100均文庫、二段の100均文庫台が二つ、ダンボール箱に乗った100均単行本と、単行本の入ったプラケースが置かれている。地面に“ゾゾゾゾゾ”と引っ掛かる扉を開けて店内へ。冷房がキンキンに効いた、両壁に本棚、真ん中に背中合わせの本棚、奥に帳場のスタンダードな空間。店主はハスキーボイスの芦屋小雁似で、お客さんと映画の話をしてゲハゲハと笑っている。雰囲気からして趣味性の高い一本筋の通ったお店であることが窺える。右壁はSF文庫・ミステリ文庫・探偵小説文庫・コミックの混合棚から始まり、邦画・洋画・映画全般・探偵小説・幻想文学・写真・隠秘学と並び、足下には平岡正明タワーや映画パンフの箱も置かれている。また奥の帳場横はプレミア本棚らしく、岡本喜八・吉田兼吉・表現主義・建築古書・映画古書などが固まる。向かいは棚脇100均文庫棚をまずは見て、落語・役者・芸能・日本文学・詩・文学評論・絶版漫画・カルトコミック.アニメ関連と流れて行く。膝元にはビジュアル本や映画スチールなど。入口左横のカバー無し岩波文庫を見下ろしてから、左壁に国書刊行会・時代劇文庫・官能文庫・新書・文学&歴史系文庫・民俗学・文明・哲学・思想を経て、帳場脇の美術へ。向かいは音楽・近現代史・歴史・古代史。風俗街の片隅の文化的薫りの高いお店で、映画に見所あり。値段は普通で、良い本には油断の無い値付けがされている。光文社文庫「ミステリーファンのための古書店ガイド/野村宏平」桃源社「悪魔学大全/酒井潔」を購入。木床を踏み締め、再び毒々しい街の中へ。

初めての和歌山県ツアー、とにかくこの地で古本を買えたことを、まずは良しとしておこう。しかし必ずや再訪し、この仇は討たねばなるまい!大阪では、天王寺での全滅騒ぎで狼狽えてしまったので、次回はしっかり計画を立て、このビッグシティにも再び挑みかかるつもりである。…財布の中身をなけなしにして、ようやく帰り着いたら、東京は雨。
posted by tokusan at 22:43| Comment(10) | TrackBack(0) | 近畿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月16日

7/16東京・成増 コミックジャングル

昨日の「みちくさ市」にお越しいただいたみなさま、古本を買って下さったみなさま、ペーパーを受け取って下さったみなさま、暑い中をありがとうございました。おかげさまで日光と闘いながらも、計五十一冊を売ること出来ました。このみなさんから集まった力と売り上げを握り締め、古本界に還元すべく、近々遠くへツアーに行く所存です。たとえ足が出ようとも、未踏の古本屋さんを求めて!

comicjungle.jpg
と言うわけで、二日酔+疲れ切った身体をギシギシと動かし、午前中の受け渡しをを素早く済ませてから池袋で東武東上線の乗客となり、たった九分で成増駅に到着する。北口に出ると、小さな空中宮殿のような空間で、中々見晴らしが良い。大階段を下りて、線路沿いに一瞬出てから東を目指す。小さなビルや家々がひしめき。土地には高低差が多く見られ、道も直線ではなくカクカクとつながる…ちょっと一筋縄では行かぬ、やんちゃな街路である。東への道を抜けて『松月院通り』に出ると、そこは六本の道がいそいそと集まる『六道の辻交差点』。一応道を数えて『おぉ、六本だ!』と感動し、ここから東北を目指して通りをズンズン進んで行く。500mも歩けば、『板橋区赤塚支所』の手前右手に、渋い喫茶食堂や弁当屋と並ぶ、街のエアポケット的な小さな古本屋さんを発見出来る。ううむ、こう言う古本屋さんには、どうも無闇に胸がときめいてしまう…。三枚サッシ扉の店頭には何も無く、ただガラスに『まんが本 本』の文字…これがなければ見過ごしてしまいそうだ。店内は細長く小さく、コミックをズラッと並べた二本の通路がある。入口左横にはサッシ一枚分の小空間があるが、そこもコミックだらけ。狭い通路にもコミック箱がダカダカ置かれている。奥には小さなキッチンを利用した帳場があり、昔の少女漫画家風ご婦人が、コミックの手入れ中である。そして肝心の古本は、入って直ぐ右壁棚の一本に集まっていた!てっきりコミックばかりだと思っていたので、少なくても嬉しいぞ!上から単行本が一列、文庫が四列、さらにノベルス&単行本一列、列はすべて二重になっている。値段のついていないものは100円で、高くとも300円。ジャンルはSF・ティーンズ文庫・ラノベ・ミステリが中心で、新しい本が多い。しかしほんのちょっぴり、魅力を発揮している棚なのである。ソノラマ文庫「〈柊の僧兵〉記/菅浩江」扶桑社ミステリー「血まみれの月/ジェイムズ・エルロイ」双葉社「仮面ライダーV3/原作・石ノ森章太郎 作画・すがやみつる」を購入。本を袋に入れる前に、ポリ袋を素早く一枚だけ掴むために、横のシンクの蛇口をひねり、指先をちょっとだけ濡らしたのが印象的であった。

※お知らせ 『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』を連載中の「BOOK5 第8号」が発売になりました。今回は大好きな街、山梨県の月江寺で、昭和三十年代そのままの姿を保つお店をツアー!このお店は、本当に存在自体が奇跡です! 
posted by tokusan at 15:51| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月14日

7/14みちくさ市準備進行中!

今日は朝から、明日の雑司が谷「鬼子母神通り みちくさ市」への参戦に備え、必死に本のセレクト&準備を進める。単行本&文庫本と激しく格闘し、迷いに迷ってあれもこれもとやっていたら、何だかとんでもない、見たことのないようなラインナップに…狂いっぷりが中々素敵なので、こんなお店に出会ってみたいものだと、軽く自己満足…しかし、売れるかどうかはまた別の話なのだが…。と言うわけでみなさま、ぜひ真相を確かめに、明日は午前十一時から雑司が谷にお越し下さい。ぜひ、ツアーしに来て下さい!古本をお買上げの方には、特典ペーパー『小さなお店』を差し上げます。
michikusa0715.jpg

昨日から夏バテ気味なので今日は明日に備え、ゆっくりと休むことにする。そして自分が何故夏バテしてしまったのか、恐ろしい事実に気付いてしまった!部屋の中を風が吹き抜けても、私の寝ている周りに出来ていた古本の壁が、がっちりと遮ってしまっているためであった!よく考えてみると、これは確かに暑苦しく寝苦しい…。もっと早くこの事実に気付いていれば、こんな軟弱な状態に陥ることはなかったのに…自分の愚かさに呆れながら、対策として今日から枕の方向を反対にして寝ることにしよう。古本をどかすと言う発想が無いことが、我ながら恐ろしい…。
posted by tokusan at 16:23| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月13日

7/13東京・阿佐ヶ谷 onakasuita 一日限りの10%オフセール!

onakasuita_10%off.jpg
夜は某所で監禁仕事のため、朝早く涼しいうちから仕事を進める。今日はわりと涼しい風が入って来るが、午前九時を過ぎた辺りで気温が上がり始め、能率がみるみる下がって行く。仕方ない、と机を離れ、自転車を駆って古本屋さんへ一直線!住宅街の中にある料理書専門古本屋さん「onakasuita」(2011/01/09参照…この店名は相変わらず秀逸。それにしてもこの地に開店して二年経つのか。これはスゴいことだと思います!)が、今日一日限りの『全品10%OFFセール』を行っているのである。料理書に関しては相変わらず門外漢だが、“古本屋ツーリスト”としてはどんな状況になっているのか、確認しておかなければならない…。途中、「穂高書房」(2009/02/15参照)の開店準備を目撃したりして、迷うこと無くお店に到着。『OPEN』の木材キューブは出ているが、セールのチラシが一枚貼られただけの、静かな店前である。中に入ると先客の奥様がひとり…あぁ、何と!ここではたと気づいてしまう。先日の沼津「長島書店」(2009/10/18参照)に続き、ここも7/15配布予定フリペ『小さなお店』有資格店ではないか!…最高収容人数は8人くらいだろうか。本棚に並ぶのはもちろん徹頭徹尾料理関連本ばかりなので、私は比較的手に取り易い文庫を中心に攻めて行く。すると店主さんが「いつもありがとうございます。冷たいお茶です。どうぞ」とウーロン茶の入ったミニカップを手渡してくれた。ありがたい!ノドの奥に流し込むと、たちまち体内に沁み入って行く。そして文庫本二冊を選んで、帳場で手渡す。本を見て「700円に…あっ、違います!今日は10%オフなので……630円になります」とトボケた楽しい会計。新生社「'77年版 味の新地図 東京とその周辺」中公文庫「美味方丈記/陳舜臣 錦敦」を計630円で購入。以前は無かったショップカードも手に入れ、清々しい気持ちでお店を後にする。今日の営業は午後六時まで。
posted by tokusan at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月12日

7/12東京・神保町 小宮山書店ガレージセール

komiyama_garage_sale.jpg
所用あり午前中の神保町。暑さのために、行動がワンテンポ遅くなる自分にいらだちながらも、せっかくなので未知の体験をしてから帰ることに決める。それは午前十一時から始まる『小宮山書店(2010/05/06参照)ガレージセール』通称“コミガレ”の始まりを体験すること。今まで早い時間に行ったことは無く、いつも午後遅くの落ち穂拾いが中心であった。そのためか、このセールとはそれほど相性が良くないと思ってしまっている自分がいる…。『三省堂書店』裏口から『ミロンガ』の細道を抜けて、午前十一時五分にガレージに到着した…あれ?会場はビールケースを積み上げ、机を出し始めたばかりらしく、まだ始まっていない…いや、いる!強烈な陽光の下から、ガレージの薄暗闇を凝視すると、暑さなどものともせぬ、ベテランの古本修羅たちが蠢いている!奥の壁棚に、括られた本の山に、長テーブルに並べられて行く本の列に!三人の店員さんは、ハイエナのように古本を抜いて行く修羅たちの間を、「すいませ〜ん」を連呼して会場の設営を続けて行く。買う方も買う方だが、売る方も売る方だ…すげぇ!ポカンとそれを見ていた私も、慌てて天井の低いガレージに飛び込み、本の背に目玉を走らせて行く。左壁棚には、大判の美術本&全集・美術図録類が並び、奥壁にはずらっと単行本が収まる。長テーブル島には四列に単行本が並べられ、今日は道路際の低い平台にも続いて行く。一冊〜三冊500円で、裏社会・企業犯罪・警察関連・お遍路・巡礼が、今回多めに並んでいる。右端には三台の100均文庫台が並ぶ。すでに五十冊ほどの本を抱えている人、わけも判らず紛れ込んでしまったおばあちゃん、こっそりビームセドリをしている人、探していた本と出会って感激している人、本の安さを嘆く人、立ち読みする人、眼光が鋭過ぎる人…様々な人が次々とガレージに雪崩れ込み、中の温度がグングン上昇して行く。私は、裸本で線引きありだが萬里閣書房「北極探検/原田三夫・松山思水編」に出会えたことを喜び、草思社「セツの100本立映画館/長沢節」青弓社「スラムとウサギ小屋/布野修司」と共に500円で購入。

ガレージを出て『靖国通り』に曲がり込み、「田村書店」(2010/12/21参照)店頭台で白水社「踏みはずし/ミシェル・リオ」ちくま文庫「定食バンザイ!/今柊二」を計600円で購入し、十二時前に早々と神保町から撤退する。
posted by tokusan at 15:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月11日

7/11山梨・三つ峠 ハンディ館 富士吉田店

handy_fujiyoshida.jpg
先月の月江寺行で(2013/06/15参照)、帰りの車窓に一瞬流れた『古本』の文字…確かに俺は見た!もはや富士急行沿線には、古本屋さんは皆無と思っていたのだが…。日を置いて時間の都合がついた本日、大月でたくさんの外国人観光客に紛れ込みながら、富士急行に乗り込んで四十分。寂れた南側の駅前に出ると、もはや営業しているのか判然としない遺跡のような観光売店があり、背後にはロッククライミングのメッカ『三ツ峠山』、正面には凶暴なまでの緑を纏った『倉見山』が迫っている。駅前から抜け出て、この地方特有の富士山型の穴が開いたブロック塀を楽しみながら、『国道139号』を西へ。山間の田舎町を、ヒュルヒュルと延び上がって行く街道の先には、黒々とした富士山の姿。何処までも立ちはだかる、その神々しいフォルムに圧倒されながら一キロも進むと、一軒の平屋倉庫型のリサイクル系古本屋さんが見えて来た。水色横長の店舗越しには、圧し掛かるような富士山が見えている…古本屋さんと富士山…中々見られない組み合わせである。それにしてもこのお店、壁や道路沿いの看板には『本・ビデオ・DVD・古本』の文字が乱舞しているのだが、店名は何処にも見当たらない。街道沿いアダルト店の影を色濃く感じながら、広い駐車場を横切り扉に手を掛ける。ここでようやく「ハンディ館」と言う店名を確認。中は広々整然としており、背の低い棚にコミック・アイドル写真集・同人誌が無機質に収まっている。ひと際高い仕切りの向こうからは、広大なアダルトスペースの気配が漂って来る…。やはりコミックとアダルトのみなのか…砂を噛むような後悔が心にかぶりつこうとした時、右奥の隅に三本の古本棚を発見する…か、かろうじて助かった。雑単行本・ケータイ小説・文学全集端本・ラノベ・ティーンズ文庫・日本文学&海外文学文庫。もちろん深みなど感じられぬ棚ではあるが、全品105円なのが救いである。祥伝社ノン・ブック「女らしさの知恵/平岩弓枝」京阪神エルマガジン社「最後の興行師/重田雅通」を購入。ひからびたヘビの死骸に驚いたりしながら、駅へと戻る。

帰りは高尾で途中下車し、名店街の古本屋さん「高尾文雅堂書店」(2009/11/18参照)に寄り道。誠文堂新光社「ニュータイプ室内飛行機集/野中繁吉」創元文庫「宮澤賢治歌集」アテネ文庫「世界の古本屋/庄司浅水」平凡社カラー新書「香りへの旅/中井英夫」を計1000円で購入し、ニヤリ。

さらに阿佐ヶ谷「古書 コンコ堂」(2011/06/21参照)の前で、精悍に日焼けした夏葉社島田氏にバッタリ。七月後半に発売される、全国四十七都道府県(利尻島から石垣島までを取材。島田氏ももちろん取材に同行されたそうである)の町の本屋さんを紹介する「本屋図鑑」の資料を手渡される。思わず「うらやましい!(全国に行けることが)」と叫んでしまった。これを買って励みにして、こちらもますます頑張ります!
posted by tokusan at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月09日

7/9東京・池袋 ToBiRa Cafe

tobira_cafe.jpg
寝不足で重い身体をノロノロと動かして、中央線のポイント故障に行く手を阻まれながら、どうにか灼熱の池袋着。東口の『明治通り』を渡って、『南池袋公園』近くの『シアターグリーン通り』。『南池袋郵便局』の入るビル一階に、いつの間にか新しいカフェが入居している。ここは自称『イギリスをモチーフにしたカフェ』で、洋書古書が一律400円で販売されているのである(洋書の買取も行っている)。暑さから逃れるために、躊躇せず中へ飛び込む。真新しいお店は横長で、右奥が広くなっている。眼力の強い店主が正面カウンター奥から出て来たので、窓際のカウンター席に崩れ落ち、トマトジュースを注文する。むっ、奥の壁一面が確かに本棚になっており、色とりどりの分厚いペーパーバックが、軽やかにズラズラと並んでいる。新しい本が多いようで、何となくあやふやにタイトルや作家名から分析してみると、ミステリ・ホラー・SF・児童・恋愛・ビジネスなどが主となっている気がする。真ん中には『NEW BOOKS』のコーナーがあり、話題本&映画化本を先取りして並べているとのこと。右側の棚はちょっとスカスカだがバラエティーに富んでおり、『店主へのリクエストコーナー』・非売品閲覧用本・『まりなのおすすめBOOKコーナー』(佐々木希の本など)が設置されている。…英語が読めれば…洋書を見る度に思うマンネリ・ジレンマに襲われつつ、やっぱり何も買えずにトマジュースをグッと飲み干して、おいしゅうございました!と路上に飛び出す。

『明治通り』を南に下って「古書 往来座」(2009/01/09&2012/08/10参照)へ。ウィンドウに飾られた本の説明書きが、まるで寺山修司フォント!
terayama_font.jpg
と驚きながら店内で涼ませてもらう。集中力ほぼゼロで、店内を『通路が広くなった感じがするが気のせいか?』とボケボケしつつ、ゆまに書房「人食いバラ/西条八十」ゴマブックス「名探偵紳士録/山村正夫」を計1360円で購入。店主・瀬戸氏に、古本屋タレコミが皆無なことを詫びられ、恐縮する。今は何も無いかもしれないが、瀬戸氏のマイナー古本屋発見嗅覚は鋭いのである。またいつか、必ず驚くべきお店を下町で発見し、そっと耳打ちしてくれることであろう。
posted by tokusan at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月08日

7/8激シブ大衆店に狙いをつけてみる

ごちゃごちゃした一日。細かい字面をモニター上で追っていると、頭蓋に熱がジンジン籠ってしまう。放熱するために、自転車でフラフラと外へ。そう遠くには行けないが、いつもとは違うことがしたくて、近所の激シブな大衆的古本屋さんをリレーしようと思い付く。買える本があるだろうか、とドキドキしながら、時の停まりがちなお店たちを、私的に線でつなぐ旅に出発。

furuhon_book_ryutsu.jpg
まずは阿佐ヶ谷の『中杉通り』と『早稲田通り』がクロスする近くにある、愛する謎の「古本 ブック流通センター」(2008/08/09&2013/01/04参照)へ。棚の本はほとんど動かずなのだが(氷河のようにジリジリとは動いている)、今日は店内が片付いているイメージ。空調の無い薄暗い棚の間で、隅から隅まで目を凝らし、有紀書房「ものまね鳥の飼い方仕込み方/宇田川竜男」朝日ソノラマ「トリック写真実戦テクニック/土方健行」(ローテクなトリック写真満載!)を、いつものご婦人の決めゼリフ「古い本で焼けていますのでお安くしておきます」が出て、計400円で購入。外では雷がゴロゴロ鳴り出している。「おや、早くお帰りになった方がいいですよ。大丈夫ですか?」「大丈夫です。すぐ帰ります」と愚かな嘘をつき、私は次なる古本屋さんへ…。

utsugi2013.jpg
北へ自転車を漕ぎ、鷺ノ宮駅そばの妙正寺川沿いに建つ、『風は頁をめくるが 読むことはできない』が有名な「うつぎ書房」(2008/08/06参照)。お店のメイン商品である新しい文庫や週刊誌には目もくれず、奥にひっそりと残る古書の棚に突撃する。1000円と別に安いわけではないが、長谷川書店「女性服装史/今和次郎」を見つけ出して一安心。精算時に棚脇の小さな机に積まれた本の山下部に、古い新潮文庫が積み重なっているのに気付く。う〜む、いつかじっくりと見てみたいものだ…。

araishoten2013.jpg
さらに北へ自転車を走らせ、富士見台駅近くの「新井書店」(2010/08/30参照)シャッター半開きで店内は真っ暗だが、これでもしっかり営業中なのである。中に入って、奥の生活エリアに寝転ぶ店主に声をかけると、「エヘヘヘ。お客さんが来ないもんでね」と照れ笑いしながら電気を点けてくれた。「棚の本はほとんどツブシだよ。下から積んであるのが、本来棚に並べなきゃいけない本なんだけどね。エヘヘヘ」。なるほどと思いつつ、選んだ本は棚からばかり。あかね書房「魔法/坪田譲治」国土社「ハエが夜をねらう!/J・ブリュース」徳間書店「競輪痛快まるかじり/阿佐田哲也編」をサービス価格の計300円で購入する。

もしかしたら何も買えないのでは…などと言う失礼な思いは杞憂に終わった。どんなお店であっても、しっかり探せば買える本が見つかり、狩猟心&猟奇心を満たしてくれる。街の片隅にひっそりと残る、激シブ店たちに感謝!これからも時々立ち寄ることにいたします。

さて、雨がポツポツ…酷くなる前に、どうにかして家に帰り着かねばならないな。
0708syukaku.jpg
以上が本日のささやかな収穫である。

posted by tokusan at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする