2013年08月31日

8/31北海道・円山公園 古本専門店 らくだや

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札幌に急いで戻り、隙を突いてもう一店!何かを擦る音が凄くする地下鉄東西線で、西へちょっとだけ移動。『5番出口』から地上に出ると、すっかり雨降りな札幌。一度も目にすることの出来なかった、伝説の「沖本貸本店」を狂おしく妄想しながら、急ぎ足で通りを東へ。『大通西24交差点』を走り抜け、さらに東へ。すると『大通西25丁目バス停』を過ぎた所で、低層の黒いビルからぴょこんと飛び出た日除けの横に『古本』の文字を確認する。可愛い小さな白い日除けの下にドアがあり、窓にはたくさんの買取についてのアピールが貼り込まれている。そのうちの一枚を読み込んでみると、『当店の商品は、100%お客様からの買い入れで成り立っています』とあった。ドアには『HELPもっと古本を!』の看板まである。近隣住民のみなさま、「らくだや」への本の提供、よろしくお願いいたします。店内はギュッと狭く、細い三本の通路と、奥の帳場、その横の小空間、それに棚下にズラズラ並ぶダンボール箱で構成されている。入口右横は、狭い空間にノベルスと文庫の100均棚があり、そのまま右壁に12段に文庫がみっしりと詰まるさらなる100均棚、その後は海外文学文庫と教養系の文庫が続き、ちくま・講談社学術・中公などの後には、映画・音楽・性などとジャンル分けされた文庫が並んで行く。帳場周りにはサブカルと実用、それに北海道郷土本が集まる。帳場には丸坊主の眼力の強力な店主さんがおり、目が合うとドキリとするのは確実。向かいの通路棚は、200均単行本・新書・児童文学・海外文学。足下では100均文庫・50均本・200均単行本など様々な安売り本がざわついている。真ん中通路は、右に200均単行本・歴史・北海道・食・ファッション・美容、左にミステリ・日本文学・エッセイ・心理学・思想など。入口左横は100均の新書・海外文学文庫が集まっており、壁棚は上部に映画・写真が並び、その下には日本文学文庫、奥に音楽・美術・建築・絵本と続いて行く。向かいには時代劇文庫・探偵小説文庫・文学評論・詩集・日本純文学文庫・本に関する本(新書で本&作家に関するものが集まっているのが、新鮮で秀逸!)。帳場背後と左奥も棚が続くが、音楽について店主に熱く語りかけるひとりの女性がおり、詳しく見られない状況。かろうじて倫理学や科学が並ぶのを確認する。非常に充実した街の古本屋さんである。お店手前側は安売りコーナーが輝き、奥側では意志のこもった知識の棚が待ち受けている。古い本はほとんど無いが、値段が安いのにニンマリ。はたもと出版「網走刑務所における共産党の大物 徳田球一と宮本顕治/山谷一郎」北海道新聞社「樺戸監獄/熊谷正吉」を購入。
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8/31北海道・滝川 ブックランド バイ

所用で札幌へ。一日目に色々そつなくこなし、二日目に古本屋を訪ねに行く。旅先で、旅を継ぎ足しするように、なるべく遠くへ!と妙な志を抱いて、札幌から函館本線に乗って北へ。一駅進んだだけで、密集していたビル街が遠のき、たちまち空が広くなって郊外の風景。それにしても沿線沿いには、ほぼ日本家屋が建っていない。あるのは皆箱のような家に、色とりどりの箱型・片流れ・三角の屋根のどれかを乗っけているだけ。これらの玩具のような家々が、独特なこの大地特有の風景の一端を、造り出しているのかもしれない。岩見沢駅で、古い茶色い電車に乗り換え、スプリングの硬いボックッシートに腰掛ける。すると窓外には、期待通りの北海道田園風景が流れ始めた。駅名はもはや、漢字を想像することが出来なくなっている。ゴトゴト一時間半も乗ったところで、滝川駅に停車。そしてここで、驚愕のアナウンスが車内に流れ始めた!「当駅で四十分停車いたします。発車は十一時五十分です」なにぃ!乗ってる列車が、事故でもないのにそんなに長く停車するのは、今までに無い経験だ。さすがは北海道である…。しかし本日の私には、それほど時間があるわけではないのだ。本当は深川駅まで行きたかったのだが、調べてみるとこの街にも古本屋さんがあるようだ。よし!と列車を飛び降り、途中下車を実行する。

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東口に出ると寂れているが、タクシーのたくさん集まるロータリー。ちょっと荒れた、ボーリング場のあるショッピングセンターが目の前にある。そこを右側から回り込んで、歩道アーケードの架かる『鈴蘭通り』を北に進んで行く…道路がどこも広いなぁ…。700mほど進み、『国道12号』でもある『大通り』に出て、さらに北へ。この道もだだっ広いが、居並ぶ商店に活気があり、街のメインストリートとして機能している。300mも歩いて、右を見れば『大町3』正面を見れば『本町3』とある表示のややこしい交差点を過ぎると、左の視界に突然古本屋さんが飛び込んで来た。目指して来たお店ではないのだが、見つけてしまったなら仕方ない!と嬉しく足を止める。まず目を惹くのは、二階から軒までスラッと美しく伸びる、三本の木製装飾!その下には俗っぽい赤と黄色の看板があり、凹型のガラス店頭は、右に本棚を見せている入口があり、左は閉じられているがカーペット屋と書かれた入口がある。右から中に入ってみると、まずは小さな空間があり、右壁に二重の100均文庫棚、正面の小さな空間は音楽&バンドスコアに囲まれている。足下には古い建築関連と民主主義の本が入ったダンボールが一箱、他に絵本と児童書を詰めたものが数箱あり、入口左横には絵本棚。その隣りに棚に囲まれた帳場が続き、ご婦人が「いらっしゃいませ」とにこやかに微笑む。壁をぶち抜いたようなカーペット屋ゾーンでは、男性の影が見え隠れしている。店内は、古い家の匂いと古い本の匂いが充満し、カオスな空間をよりダークに輝かせている。そして奥を覗き込むと、下り階段があって半地下となり、そこが店のメインフロアとなっていた。これはいいぞ!帳場下の鉄道や北海道本、右階段脇の特撮・雑誌付録・絶版漫画棚を眺めながら、優雅に下へ。薄暗く古いエアコンが唸る空間に、四本の通路が延びている。外周は回遊出来、真ん中後ろ目に横断通路もある。右から壁棚下にエロ関連・官能文庫・アダルト、向かいにアダルトムック・旅・日本文学。足下にはダンボール箱が並び、文学や落語の本など。このダンボールの氾濫は、どの通路でも盛大に行われている。第二通路は、右に映画・美術&カルチャームック・雑誌・暮し・園芸・日本文学、左にオートバイ&車雑誌・釣り・武道・大山倍達・手芸・工作。第三通路は、右にアニメムックと女性実用、左に宗教・歴史・日本語・科学・文学評論・新書・詩集・怪談・雑学文庫。左端通路は、壁棚に戦争・風俗・ノンフィクション・コミック・時代劇文庫・日本文学文庫。向かいにコミック・岩波文庫・カラーブックス・日本文学文庫。そして奥壁に日本文学文庫と日本文学が収まり、最下段は実用を中心とした雑本棚となっている。何かありそうな予感が走りまくるが、中々簡単には見つからない、楽しくもどかしいお店である。値段は普通で、良い本にはちょっと安めなしっかり値が付けられている。文庫サイズの「伊藤整の青春 上下」が欲しかった。しかし二冊とも薄手で、1800円の値に躊躇してしまう。読売新聞社「お前ら募金しろ!/泉谷しげる」扶桑社文庫「翳ある墓標/鮎川哲也」講談社大衆文学館「深夜の市長/海野十三」「ペトロフ事件/鮎川哲也」北海道古書籍商組合連合会「北海道の古本屋ガイドブック」(最新版として帳場に置かれていたが、2002年の発行なのである…)を購入。

お店を出てさらに北に進み、根室本線を越えてどうにか初期目標のお店に至るが、ぐわっ!閉まってる!
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ショックを受けながら北の大地をトボトボ駅へと引き返す。ちなみに駅前の『スマイルビル』には『コスモスブックス』と言う、業務用冷蔵庫を備え、飲み物を大量に売っている不思議な新刊書店が入っている。その片隅に『古本コーナー』があるのだが、並んでいるのはほとんどコミックばかりであった…残念。
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2013年08月29日

8/29特典ペーパーは『古本屋ツアー・イン・夏葉社』!

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本日は基本的に家に閉じこもり、神保町についての原稿書きに集中する。冷や汗をかきながら必死に取り組んだおかげで、どうにか外殻を掘り出すことに成功し、後はブラッシュアップするのみ!と一安心した後、夕方に吉祥寺へと向かう。9/14に「みちくさ市」でトークさせていただく、ひとり出版社の『夏葉社』さんを訪問するためである。その訪問目的は、トーク時に配る特典ペーパーの「古本屋ツアー・イン・夏葉社」を作成するため!夏葉社の秘密を、根掘り葉掘り探りまくってきた次第であります。トークに興味はなくとも、夏葉社の秘密を知りたい方は、ぜひとも雑司が谷にお越しください!当日、手ぐすね引いて、お待ちしております!

■島田潤一郎×古本屋ツアー・イン・ジャパン
■日時 2013年9月14日(土)
■時間 13:20〜14:50(開場13:00〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館・第2、第3会議室
■定員 70名
■入場料:1000円
■特典ペーパー『古本屋ツアー・イン・夏葉社』
申し込み方法など詳しくはコチラを!→『本屋を旅する



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2013年08月28日

8/28東京・千駄木〜根津間で店頭に古本を見る

すでに過去の遺物になりつつあるのかと思ったら、意外や意外、観光客で賑わう『東京タワー』で撮影仕事。きっかり二時間で仕事を終え、タワー近くにあった、地上に尖塔を聳えさせていた地下のロシア料理店『ヴォルガ』が消滅しているのを大いに嘆きながら、地下鉄を乗り継いで千駄木へと向かう。

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●千駄木「今風庵」
『出口1』から地上に出ると、夕暮れの団子坂下。ちょっと涼しい風に吹かれながら、“D坂”北側の歩道を上がって行く。坂が角度を増そうとしたその時、入口上に招き猫を飾った和風の料理店があることに気付く。情報屋「やまがら文庫」からの小ネタであり、外扉の内側を覗き込むと、確かにそこには古本が並んでいた。壁棚の二段に、単行本と文庫本。すべて100均(売り上げは寄付される)で、女流作家や自己啓発がメイン。白熱電球の下、ぐむむむと唸りながら、しばらく棚とにらめっこ。すみません、買えません!とあえなく敗走し、すでに暗くなり始めた坂を下って『不忍通り』を南にトボトボ…。

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●根津「根津珈琲店」
千駄木駅と根津駅の中間地点、「千駄木二丁目交差点」近くにある喫茶店に、いつの間にか古本ワゴンが出現していた。犯人は、直ぐ近くの裏通りにお店を構える、日本茶と古本の変わり種ハイブリッド「喜多の園」(2011/07/21参照)であった。ワゴンにはパラフィンが巻かれた日本文学の文庫と単行本が、びっしりと詰まっている。足下には100均箱も二つ控えている。飢えた心で古本の背に熱い視線を注ぎ、メディアファクトリー「片平なぎさの全国ゴールデンワイド旅劇場/主演・監修 片平なぎさ」を購入する。…明らかになぎさファンしか買わぬ、バカな本だ…。

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2013年08月26日

8/26東京・東小金井で早めのお別れを

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ひとつの『ブックセンターいとう』が、9/18に閉店することを知り、中央線でちょっと西へ。区画整理で殺風景な北口からテクテク歩き、十分ほどでオレンジと黄色の大型店舗に到着する。2012/02/17にツアー済みのお店である。狭い街道と歩道に面しているので、側壁すらも大事な宣伝ポイント…だからまず目に入るのは『閉店特別ファイナルセール大開催中!!』の急造看板。正面には『閉店SALE』の幟と共に『中古全品最終割引超開催中』の貼紙がペタペタ横一列…『9月18日深夜23時59分 小金井店完全燃焼』などのプロレス興行的な熱いキャッチも踊っている!中に入ると『閉店まであと25日』のカウントダウンがでかでかと…何て閉店に向かって全力投球なお店なんだ…。左側に固まる古本ゾーンに足を向け、大量の棚に戦いを挑み始める。セールは15%オフなので、あまり買い過ぎないよう気を付けて行こう…文庫を中心に、中心に…。そんな風に抑制を効かせたつもりで、文庫を四冊、単行本を一冊。このくらいで止めておこう、とレジに向かっていると、中央通路の入口側に、今までに見たことのない300均絶版漫画棚を発見してしまう。当然の如く吸い寄せられ、永島慎二を三冊掴み取り、結局計八冊を買うこととなる…あぁ。講談社文芸文庫「木山捷平全詩集」ちくま文庫「バーボン・ストリート・ブルース/高田渡」「チリ交列伝/伊藤昭久」「百物語怪談会/東雅夫編」本の雑誌社「活字と自活/荻原魚雷」(署名入り!)、そしてサンコミック「殺し屋人別帳」「青春裁判」大都社「心の森に花の咲く」永島慎二を計2762円で購入…嫌らしく考えれば一冊平均345円である。食指を動かしたい方は、9/18までに東小金井にレッツ・ゴー!

帰りに駅南側に出て、「竹林書院」(2009/10/01参照)の消滅を確認し、「BOOK・ノーム」(2009/02/13参照)で講談社文芸文庫「抹香町 路傍/川崎長太郎」を150円で購入する。
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2013年08月25日

8/25静岡・八幡 古書 百寿堂

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新浜松駅から赤いローカル線・遠州鉄道に乗り込み、駅間短く三駅目。車掌さんに切符を渡し、高い高架ホームから階段を下ると、道路の西側は灰色で巨大な『ヤマハ』の工場が、広く高く街の一角を占めていた。西側歩道に下り立ち、工場の敷地をなぞるように信号のある脇道に入り、西へスタスタ向かって行く。最初は住宅街ぽいのだが、小さな交差点を過ると、何だかうらぶれた飲食街の雰囲気。400m弱進んで『二俣街道』にぶつかったら、カーブを曲がりつつ北へ。やがて『ヤマハ』工場の西端沿いに出るので、工場のノコギリ屋根を眺めながら、まだまだ北へ…工場西門を過ぎ、左手に縦長オレンジの郵便局看板が見えて来た。その手前には、店頭駐車場にブルーシートを張り、簾を置いた、おぉ!こんな所に古本屋さん!二階窓には『和本 古文書 書画 骨董』の貼紙があり、店頭には『太陽』や芸術系の雑誌&ムックが並ぶラックがひとつ、蕎麦ちょこの詰まった箱、骨董&陶器の並ぶショウウィンドウがある。ちょっととっつき難そうだが、実は骨董や書画類は二階に集められているようで、小さな一階店内に入ると、そこはれっきとした古本屋さんなのである。両壁には白木の本棚が設置され、真ん中にも同素材の背中合わせの棚が一本。左壁と真ん中は低い平台付きとなっている。入口横には金属製ラックが置かれ、奥にはマイルドな梶原一騎風店主の座る帳場があり、何と両耳イヤホンで何かを聴きながら「竜馬がゆく」を読みふけっている…自由だ。右壁はビジュアル大判本・音楽・手塚治虫・矢口高雄・歴史・古代史・釣り・茶道・刀剣・骨董・陶芸・柳宗悦などが並ぶ。釣りと茶道には古い本多し。向かいは日本文学・歴史小説・松本清張・司馬遼太郎・石川啄木・実用・心関連・浜松関連。入口左横には少なめの文庫と美術図録類の姿が。左側通路は、壁棚に日本語・幕末・詩集・児童文学・小林多喜二・宗教・思想・政治・哲学・静岡郷土本が収まり、下には紙物や和本の姿も確認出来る。向かいは辞書・実用・山岳・出版&本&古本関連が並ぶ。基本硬めであり、奥底に硬い意志の流れを感じさせる棚となっている。値段は普通〜ちょい高だが、所々に隙もあり。二冊選んで店主に声を掛けるが、司馬遼太郎の世界にどっぷり漬かっているようで、まったく気付いてくれない。多少大きめの声で「すいません!」と言うと、イヤホンを慌てて外しながら「あっ、おっ、こりゃすいません。いらっしゃい」と照れ笑い。そして精算しながら「あの〜、お時間はありますか?」「えっ?」「良かったらコーヒーでも」と言うことで、奥の平台を利用したベンチに腰を落ち着け、嬉しい古本屋さんの歓待を受ける。熱いコーヒーを啜りながら、お店の成り立ちや店主の様々な憂い、それに古本屋さんを開いて(開店三年目とのこと)人と出会いつながりを持つ喜びについて拝聴する。照れながら語る、志の清く正しい“街の古本屋稼業”の在り方に賛同し、お店の継続を強くお願いしておく。そして表で、日曜なので不気味に静まり返る巨大工場に見下ろされ、差し出された手をがっちり握る。古本屋さんと握手!…ふぅ、今日もまた面白い古本屋さんに出会ったもんだ。朝日ソノラマ「写真事件帖/井上光郎」新書館「阿呆船/佐藤史生」を購入し、何故か新品ノートも一冊いただく。

そしてお店の近所で見かけた恐ろしいもの!駐車場で遊ばぬよう注意を促す看板なのだが、人物のイラストが不気味この上ないのだ。杉浦茂タッチに見えなくもないが、手が、手がっ、キャーッ!…これは完全なるアウトサイダーアートです…。
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2013年08月24日

8/24東京・中野 古いおもちゃと紙物 ガオッチ

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朝起きたら、夜行バスのせいか何だか背中が鉄板のように硬くなっていたので、一日を養生モードで過ごすことに決める。なので午後、自転車でチャリチャリと『中野ブロードウェイ』へ。夏休みを建物内で満喫する若者&子供の間を縫い、気になるお店をウィンドウショッピングして行く。そして三階、『ブロードウェイ通り』の『明屋書店』向かいの、古いおもちゃと紙物をギュッと集め込んだお店の前で立ち止まる。シンボルマークは、ロボットと怪獣と熱いハートを持つ子供のシルエット。ブロードウェイ内では小さめの店舗である。店頭は入口とガラスウィンドウなのだが、すでに店内がはみ出してしまっている…キャラカード・景品アルバム・消しゴム人形・ソフビ・ブロマイド・文具・お面…店内は左右にガラスケースが並び立ち、真ん中に棚が一本。通路は人ひとり通るのがやっとである。ソフビやキャラ玩具をこれでもかと詰め込んだ光景を中心に、怪獣・企業もの・おまけ・超合金・駄玩具・キャラ&アイドル文具など、60〜80年代の子供アイテムが隙間無くディスプレイ!大きさも色も形も様々で、その情報量の多さには目眩を覚えるほどである。そしてそんな大量の情報の中には、さり気なく古本も含まれているのだ!紙物系は何故か足下に集められ、床に直接置かれて、それをブックエンドで押さえ込む形で並列して行く。スチール・商品チラシ・ノート・団扇・塗り絵・ピクチャーレコードなどが、特撮・アニメ・作家別・年代別などに分けられている。その束を上から覗き込んで行くと、時折絵本類・漫画雑誌・雑誌付録などが目につくのだ。カードは主にファイリングされているが、メンコやブロマイドは、縦に滝のように陳列されていることが多い。さて、この子供時代の宝の山から何を買おうか…絨毯の床にしゃがみ込み、懸命に紙物を漁っていると、真ん中の棚下のカルタと共に並ぶ児童絵本を発見する。おっ、『でんしゃ』系の絵本もあるじゃないか。しかも安い!喜び手にして立ち上がると、奥のおもちゃに完全に隠された帳場から、ノーメイクのロマン優光(ロマンポルシェ)風店主がヌッと姿を現し「おにいさん、電車の本探してるの?」と意外にハイキーな声。「えーっと、まぁ」「乗り物じゃなくて電車だけなの?」「えーっと、まぁそうですね」「じゃあそれしかないよ。後は電車のカードがあるけど、見る?」「いえ、カードはちょっと…じゃあこれをください」「…うわ、これ安いな。安く付けちゃってるな。旧車のイベント知ってる?」「いえ…」「旧車のイベント行くと、こう言う本は1000〜2000円が普通だからね。お買い得だよ!」と、突然怒濤のやり取りを交わし、すずきの愛育絵本「でんしゃ」を購入。どうやら最初から何を探しているのか、目ざとくチェックされていたようで、最終的に鉄道ファンと思われてしまったようだ…でも確かにこれはお買い得なのだ!
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夕方、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、「フォニャルフ」に補充。またまた良さげな並びになってますので、ふと思い付いたらお立ち寄り下さい!盛林堂ミステリアス文庫「いい香のする名前-ソログーブ童話集-/フョードル・ソログーブ」(新刊)を購入。
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2013年08月23日

8/23兵庫・神戸で半七買って「グッド・バイ」

やはりいてもたってもいられない!八月でお店を閉める「ロードス書房」と、九月には『海文堂書店』の閉店に伴い消えるであろう「元町・古書波止場」を、この目に焼き付けに行くことにする。…ちゃんと「グッド・バイ」して来なければ…。手段は、木曜夜23時新宿発の夜行バスに乗って神戸へ!恐ろしく窮屈なシートに身を沈ませ、遮光された車内で息を潜め、それでも外灯の光がカーテンの隙間を潜り抜け、貧弱なミラーボールが回っているような、長い長い七時間。そして朝を迎えたら、それはまるで外界から隔絶された護送車の様で、事故渋滞に巻き込まれたりしながら刑罰のような、さらに長い五時間。十二時間かけてたどり着いた神戸は、燃え上がるような灼熱で身体を包み込んでくれたのだった…。

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●三宮「ロードス書房」
人々が激しくクロスする駅構内から東口に抜けて行くと、屋根の高いアーケード街となり、それが尽きる交差点には、大きく曲がる『ポートライナー』路線と『ダイエー』が待ち構えている。信号を渡って『ダイエー』をなぞるように東に進み続けると、ヌッと巨大な『サンパル』ビルが姿を見せた。一階に巡らされた商店には目もくれず、ビルに入ってエスカレーターで二階へ。案内板でお店の位置を確かめると、均一棚を表に出した店頭写真が貼り込まれていた。中央エスカレーター北側か…ズンズンとちょっと時代遅れなショッピングモールを進んで行くと、左手に間口の小さなお店と古本が見えて来た。アプローチは『中野ブロードウェイ』「古書うつつ」(2008/06/18参照)の前身「古書だるまや」のようである。廊下天井からは小さな店名看板が下がり、入口両脇には安売り棚が三本置かれている(値段は自分の眼を疑う謎の155均)。単行本・文庫・新書と手塚コミックを含む。そしてあぁ、壁には赤い『半額』のビラと、『閉店のため、8月末日まで店舗在庫をすべて半額セール致します』のビラがある。ふぅ、最初で最後のお店探索となるわけか…。店内は縦に細長く、右は壁棚が奥の帳場まで続き、左は手前側に棚とガラスケースと木箱で造られた小空間があり、奥は背中合わせの本棚が置かれ、壁棚と共にもう一本の通路を造り出している。帳場ではパキパキしたご婦人が、次々と現れるハット+チェックシャツ+スラックスの、同じ格好の老古本修羅たちを手際良く捌いて行く…むむむ、負けていられないぞ!と早速不躾にも目玉を素早く走らせて行く。右壁は時代劇文庫・雑学文庫・日本文学文庫・海外文学文庫・岩波&ちくま&中公&古い文庫がまずは並び、ほど良く絶版文庫が見つかる良い眺めを見せてくれている。足下にもミニ文庫山が築かれている。そのまま奥へ進むと、壁棚と通路棚がつながりを見せる形となり、文学評論・歴史・兵庫&六甲&近畿郷土関連本が揃って行く。入口左横は315均棚から始まり(何故か奇術&手品関連の古い本多し)、ガラスケースには「キンダーブック」・絵葉書・地図類・洋書などが飾られ、下には文庫の詰まった木箱がガンガン置かれている。さらに囲碁・将棋・映画・趣味・酒が続き、クイッと曲がって左奥通路へ。壁棚には全集・全集端本・文学・風俗・思想・科学・芸術・和本などがカオス気味に。向かいには戦争・社会運動・各種闘争・ハヤカワポケSF・新書・天皇など。お店の半分は文庫だが、奥に文学・郷土・社会運動の古い本が待っている。値付けは安めで、これからさらに半額になるとは、恐ろしくも素晴らしいサービスである。日本小説文庫「半七捕物帳 11/岡本綺堂」角川文庫「瓶詰の地獄/夢野久作」「立原道造詩集」井上書房「ビール物語/石黒敬七」を計497円で購入。ありがとうございます!そしておつかれさまでした!ギリギリ出会えて嬉しかったです!閉店まで後一週間!

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●元町「元町・古書波止場」
駅南口の信号を渡ったら、『元町穴門商店街』を「ちんき堂」(2010/12/31参照)を左に見ながら、南に下る。すると大きなアーケードの『元町1番街』に出るので、ヒタヒタ西へ。大きく優雅な商店が多く連なり、商店街と言うよりは、日本風なガレリアと呼ぶのが相応しい感じ。左の脇道の先に赤が眩しい『南京町』を認めながら、祝祭的誘惑に負けずにズンズン歩き続ける。すると通りが『元町商店街3』に変わるので、左に注意してさらに進むと、石板パネルで化粧された大きな『海文堂書店』が見えて来る。ここの二階には、四店の古本屋さんが力を合わせた、「古本波止場」と言う小さな古書モールが設営されているのだ。おぉ!書店看板文字のちょっと離れた右横には、しっかり洒落た看板も出ているじゃないか。正面入口から入って、新刊台とレジの横を通って、奥の階段を上がって行く。すると通常の書店ではあり得ない、海事・船舶・船グッズのコーナーが出迎えてくれ、その左奥に本棚で囲われた、小さな波止場が目に入った…自称『良書の集まる港』である…もしや“良書”と“漁師”を掛けてはいないだろうか…。「イマヨシ書店」(手前ゾーン)「やまだ書店」(右奥ゾーン)「一栄堂書店」(中央奥ゾーン)「あさかぜ書店」(左側ゾーン)の四店が港を形作っており、壁棚と本棚に囲まれた空間に、二本の背中合わせの棚を縦置きしている。映画・演劇・芸術・歴史・文学・古典文学・戦争・探偵小説・兵庫関連・100均文庫・レアコミック・実用・海・人文・児童文学・絵本・一般文庫・兵庫絵葉書など。お店それぞれの得意分野を突出させ、硬さとと軟らかさをぶつけ合いながら、古本修羅の寄港を待っている。値段はお店それぞれだが、私は値も安くおかしな本も多い「イマヨシ書店」を大いに気に入る。でも「一栄堂書店」の並べていた「横溝正史と東川崎町」は欲しかったなぁ…視点がミクロ&ご近所過ぎて面白いのだが、値段が2500円…。と言うわけで、映人社「四畳半襖の裏張り/神代辰巳」(800円だ!)のじぎ文庫「港の死角/川端長一郎」(見たことも無い昭和三十年代のご当地ミステリー)日本小説文庫「半七捕物帳(6)/岡本綺堂」(…私は「半七捕物帳」を買いに神戸にやって来たのだろうか…しかも「ロードス」さんで買ったのと巻数は違うのに、載っている話は同じときた…何故だっ!)を購入。『海文堂書店』の閉店に伴い、この波止場の運命もと気になっていたのだが、レジに置いてあった『海文堂通信 海会 2013 8-9』を手に取ると、そこには『2階「元町・古書波止場」の営業も9月30日(月)で終了致します』の悲しい文字が…閉店まで、後一週間と一ヶ月!

波止場を出たら「海文堂書店」を回遊。やはりガラスブイまでが売られる、海コーナーは素晴らしい。乗って来た夜行バスは港側からのアプローチだったのだが、商船・海事・海運会社の多さを目にして来たので、このコーナーがこの街にとって必要なものであることを少しだけ理解する。ついつい海文堂「見て塗って楽しむ 柳原良平の「船・12ヶ月」」を購入…これ、もったいなくて絶対に色なんて塗れない!階段途中で、いしいひさいちのバイトくん色紙に目を細め、さらに一階で晶文社「たった一行だけの詩を、あのひとにほめられたい/豊田道倫」を購入。カッチリ形良く力強く掛けられた書皮に、本を買った喜びを感じ取る。
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力強く掛けられてます!
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2013年08月22日

8/22神保町を東奔西走

ある依頼に基づき、昨日と今日の二日間を掛けて、“本の街”神保町をペタペタペタペタ駆けずり回る。特定の条件で選定した古本屋さんたちを、ただひたすら秘密調査!隠密調査!極秘調査!昨日は夕方に豪雨が振り出し、『ミロンガ』に逃げ込んだ挙げ句、ビールに手を出してしまい調査終了。しかし懸命に数をこなしたので、今日は余裕を持って神保町を楽しむことが出来た。調査結果の発表については、原稿が進行し次第、追ってお知らせする予定。それまでどうか、みなさんの心の中の“古本ノート”の片隅に、そっと書き付けておいて下さい…。

そんな余裕のあった今日は、調査をしながら店頭台を幾つか覗き込む。途中またもや塩山芳明氏とニアミスしながら、「田村書店」(2010/12/21参照)で岩波少年文庫「大昔の狩人の洞穴/ハンス・バウマン」を100円で。「みわ書房 店頭販売」(2013/01/18参照)で天城書房「怖るべき子供たち/ジャン・コクトー 東郷青児訳」を210円で。「波多野書店」(2011/06/02参照)で教養文庫「宇宙の開発 21世紀はどうなる/原田三夫」を100円で。「神田書房」(2012/02/16参照)で文春文庫「昭和歳時記/吉村昭」を100円で。「@ワンダー」(2009/01/21参照)で春陽文庫「非行社員絵巻/樹下太郎」を420円で。「三茶書房」(2010/10/26参照)でほるぷ出版「平戸廉吉詩集」(函無し・復刻版)を500円で…あぁ、調査したお店の数より、店頭台を漁ったお店の方が多いじゃないか…。原田三夫の文庫は珍しいので、ひゃっほう。平戸廉吉詩集は読みたかった一冊(巻頭に大正時代の街頭でゲリラ的に撒いた『日本未来派宣言運動』ビラの複製が掲載)。「怖るべき子供たち」は仙花紙本だが、東郷青児の装幀がシンプルで秀逸!…神保町、やっぱり楽しめる街だなぁ〜。
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2013年08月20日

8/20東京・永福町 ドエル堂(小料理)

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訪れる度に、その姿を荒れさせて行く「ドエル書房」(2010/10/23 & 2011/06/19参照)。久しぶりに訪れてみると、お店はさらなる驚きの変貌を遂げ、目にした者の常識に恐るべき揺さぶりを掛けて来た!店頭に『ドエル書房営業中』の黒板が出ているので、お店はまだ続いているらしい。しかし新たに「ドエル堂(小料理)」の立看板や料理メニュー・ビールの幟・提灯などが登場し、もはや古本屋さんから大きく逸脱しているのを、店頭が如実に証明してしまっている。とにかく真相を確かめなければと、引き戸をを開けて中へ。以前は休憩スペースのエントランスが、生活感溢れるテーブル席になってしまっている…何か恐ろしい…素早く突破して店内へ進むと、中は小料理屋などではなく、本棚は以前のままだが、通路と棚前に古本・古道具・額装された様々な物が堆く積み上がり、非常に荒れた状況となっていた…これもまた恐ろしい。しかし右を見ると、帳場にはマダムと女性が何事も無いかのように座っている…「あの、本を見たいのですが」「あら、そうですか。こんな状態ですが、それでも良かったらどうぞ」…許可された。とは言っても見られる所はほとんどない。棚がどうにか露出している所も、以前の訪問時からほとんど動いていない様子である。左奥通路を往復して、帳場前を通って右側へ。中央部には色々な物が積み上がり集まり、棚にはとても近付けない…げえっ!奥にこじんまりとした、L字型のカウンターがあるぞっ!こ、ここが小料理屋の本体と言うわけか…それにしても、カウンター周りでは物品が激しくせめぎ合う、クレイジーな状況が展開。席自体は周囲とは裏腹に、いつでもお客を迎えられるほどキレイにセッティングされているのだが、果たしてここに飲みに来る人はいるのだろうか…。余計な心配をしながら、それでも棚から一冊抜き取り、臨川書店「日本のミイラ仏/松本昭」を700円で購入。このお店は、今後も予想外の変化を見せそうなので、何はともあれ引き続き要注意である。

帰り道、自転車を漕ぎながら『阿佐ヶ谷住宅』を通り抜けるコースを選択すると、うわぁ〜!建て替えのための取り壊し工事が、盛大に始まってしまっている!道路以外は柵で取り囲まれ、団地も、公園も、前川國男設計のテラスハウスも、疑似アメリカ的風景も、1/4がすでにがれきと化している。くびれたコンクリ製の給水塔はまだ残っているが、地上から消えるのも時間の問題…今のうちにたっぷりと目に焼き付け、記憶にギリッと刻み込んでおかなければ。
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2013年08月19日

8/19埼玉・北本 富士書房 北本店

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嬉しいコメントタレコミを基にして、湘南新宿ラインで大宮越え。埼玉の街を車窓に飛ばし続けて三駅目で降車。東口を選択して南側の階段を下ると、おぉ!本当にロータリーの真ん前に古本屋さんがあったぞ!小さなビル一階で黄色い日除けを大きく張り出し、簾で店頭をガードしている。その簾の向こう側にスルッと入ると、ぐぎゃあ!西日が温室のような暑さをもたらしてしまっているではないか!目の前の50・100均店頭棚に目をやるが、瞬時に頭がのぼせてクラクラ…しかしそんな逆境でも田邊茂一の100均本を見つけ出し、そそくさと店内に避難する。小さくリサイクル店的だが、とてもキレイな正方形のお店である。壁は棚で覆われ、真ん中に背中合わせの棚が二本、左奥角に帳場、それに奥にアダルト通路が隠されている。お客さんの出入りが多く、さすが駅前と言った感じである。右端通路は壁棚に、女流作家文庫・単行本揃い・300均単行本・時代劇文庫。向かいはミステリ&エンタメ文庫が、現代的に充実した並びを見せている。アダルト通路を隠す棚には、ビジュアル本・写真集・美術図録・文学評論・日本文学・人文・実用が収まり、左端の帳場横には岩波・ちくま・中公・講談社文芸などのセレクト文庫棚が一本。中央通路には、右にカルチャー・ガイド・みすず本・ノベルス・新書・純文学文庫・辞書などを並べ、左はコミックとハーレクイン。入口左横には海外文学文庫・雑学文庫・雑誌の棚があり、左端通路は手前側にオカルト・サブカル・スポーツ・実用・映画・歴史系文庫を集め、奥にまたもやコミックを並べる形。またアダルト通路には絶版漫画棚もあり。街の古本屋さん的ではあるが、棚造りはしっかりしており、所々に知性の煌めきが埋め込まれている。値段は安め〜普通。姿勢正しく立ち尽くして読書するオジさんに精算をお願いする。その背後には「クレヨンしんちゃん」の直筆色紙が二枚も飾られているのだった…う、臼井先生!大和出版「遊ばない人間に仕事ができるか/田邊茂一」小学館ライブラリー「多摩川探検隊/辻まこと」光文社文庫「江戸川乱歩と13人の新青年」を購入。

※お知らせ
9月14日(土)に雑司が谷で開催される『第22回 鬼子母神通り みちくさ市』にて、ひとり出版社・夏葉社の島田潤一郎氏とトークさせていただくことになりました。「本屋を旅する」と題し、全国の本屋さん&古本屋さんを駆け巡るエピソードなどをお話しします。恐らく…“聖”と“邪”の対決になるのではないかと、今からビクビクしております…もちろんこちらが邪なのです…。これは夏葉社の「本屋図鑑」刊行記念なのですが、徒手空拳で参加するのもアレなので、恒例の特典ペーパーを作成して、ご来場の方々に配布しようと考えております。それについての詳細は、追って当ブログでお伝えします。
■日時 2013年9月14日(土)
■時間 13:20〜14:50(開場13:00〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館・第2、第3会議室
■定員 70名
■入場料:1000円
申し込み方法など詳しくはコチラを!→『本屋を旅する
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2013年08月18日

8/18福島・白河 白河戊辰見聞館 古書コーナー

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今日は弛めの青春18きっぷ行。宇都宮を過ぎて、涼しさの欠片も無い熱暑高原地帯を、東北本線でガタリゴトリ。黒磯で列車を乗り換えて、しばらく続く古本空白地帯を疾走して白河駅で下車する。長く古く人気の無いホームからは、夏草が生えた何本もの錆びたレールの向こうに、『小峰城』の美しく修復された石垣が見えている、ホームの先端から地下道を通って、これも古い駅舎を潜って南側のだだっ広いロータリー。古さと新しさが消極的に融合した、ゆったりとした街並が広がっている。ロータリーを突っ切って南へ。現在放送中の大河ドラマ『八重の桜』のポスターがあちこちに貼られ、イメージキャラの『八重たん』と共に、福島の向上と盛り上がりを図っている。二つ目の交差点で『旧奥州街道』を西に入れば、左手に木塀に囲まれた駐車場前庭を持つ、和風な複合商業施設『楽蔵』にたどり着く。まだ真新しい敷地内で探し求めるのは『白河戊辰見聞館』と言う名の、小さな歴史博物館である。右手前方、蔵造りの大きな二階建て建築の二階に、それは入っているようだ。左端の入口に歩み寄って、引き戸をガラッと開ける。薄暗く短い廊下を奥へ進んで、年季の入った木造階段を曲がり込んで上がる…昔の小学校や役場のような雰囲気である。急階段を上がり切ると二階は明るく、正面に受付兼レジ兼寛ぎスペース兼事務所があり、右に小さな展示スペース、右奥にパーテーションで仕切られた小さなグッズ売場がある。クラシックな受付で入場料200円を支払い、まずは『白河の戦い展』を観覧。錆びたエンフィールド銃やスナイドル銃や単筒類・連発銃、それに新選組の鎖帷子やパネル展示を眺め、早々にグッズ売場に到着する。するとそこは、新選組の本や衣類からフィギュアまでがひしめく空間なのだが、何と最奥に古本棚が設置されているのである!これを見たいがために、古本を求めるために、ただこの地に、この館に遥々やって来たのである。胸高の割りと幅広で奥深い棚は四段で、本は何と三重に詰まっている。しかし奥までちゃんと見られるようにするためか、各列それぞれ微妙に空きが作られている。一段目が幕末関連・西郷隆盛・明治天皇、二段目が新選組・坂本龍馬、三段目が福島・白河・会津郷土本と、特定の歴史を中心に少数精鋭な構成を見せている。ちなみに四段目では、とても恥ずかしくて履けない“新選組”と名の入った下駄が売られている…。ワンコーナーにしては本の量が多く、値段は高めとなっている。ふくしま文庫「ふくしまのこけし/橋元四郎平」を購入。

帰りの電車が、時刻表を見ると午後二時台が皆無となっていたので、すべてを素早く済ませて、白河滞在時間五十五分の記録を刻み、上り電車に乗車する。そして黒磯で途中下車して、およそ二年ぶりの「白線文庫」(2010/07/19参照)へ。
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入口が通り側に移り、読書室が特価本ルームに変化。そして扉を開けて上がり込む一室に、お店としての機能がすべてまとめられ、以前は入れた廊下や絵本部屋はバックヤードになっているようだ。中に入った瞬間、ニッコリ微笑み「ご無沙汰しております」と帳場に立つ店主さんに礼儀正しくお辞儀され、「今日は判りましたよ」と明晰にピカリと正体を見破られる…うぁぁ、恐れ入ります…。棚を見ながらポツポツと楽しくお話しさせていただく…「今日は何処にいらしてたんですか?」「白河に小さな歴史博物館みたいのがありまして。そこの古本棚を…」「アハハハ、そんなとこ誰も知りませんよ!」…。他愛も無い話しをしつつも、すっかり古本屋稼業が板に付いているのと、この交差点脇にちゃんと古本屋さんがあり続けていることに敬意を表しながら、旅先で交わす言葉と輝く笑顔に胸をジーンとさせる。避暑地でも外は酷く暑いが、この古本屋さんは高原のように涼しげで爽やかなのである!ハヤカワ文庫「黒い犬の秘密/エラリイ・クイーン」新潮社「すばらしい新世界/田村隆一」を計1300円で購入。最後に唐突に「パンはお好きですか?」と聞かれ「古本はありませんよ」と釘を刺されつつ、駅前に出来たおいしいパン屋さんを教えていただく。早速駆け付け、メロンパン・ミルクフランス・ハニートーストと甘いパンばかりを買い、帰りの車中の友とする。
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2013年08月16日

8/16古書玉椿に「グッド・バイ」

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今日は八月いっぱいでお店を閉め、何と遠い遠い香川県高松市に移転してしまう、聖蹟桜ヶ丘「古書玉椿」(2010/10/07参照)を見に行くことにする。…こう毎日古本屋さんに別れを告げに行っていると、己が太宰治「グッド・バイ」の主人公にでもなった気分…まぁ物語とは真逆で、こちらが別れを告げられる一方なのだが…。しかしそんなことを思い付いていると、「古書玉椿」があったからこそ時々立ち寄っていたこの街との別れもが、ひしひしと押し寄せ寂しい気持ち。寂しがっていたら、もう真夏の空の下の、三年目目前の古本屋さんの前。蝉の声を浴びながら、船の舳先のようなデッキで安売り箱を眺め、しめじのようなおかしな形のドアノブを引いて、三角形の店内へソッと入り込む。このお店が研ぎ澄ましまくった北欧・手芸・洋絵本類などには、もはや私の手は届かないので、左側の文学・詩集・カルチャーに探りを入れる。ちなみに閉店移転情報やセールなどについては、何処にも書かれていない。本を必死に見ていると、賑やかなお客さんがつむじ風のように舞い込んで来て、素早く大量の本を買い、店主と楽しげに会話し、ヒュンと去って行った。その会話に、お店についてのこれからの情報も多く含まれていた。なので、『東京を去ってしまう前に挨拶しておこう!』と心に決めて来たのだが、何となくタイミングを逸し、あげく気後れしてしまい、通常通りに精算をお願いしてしまう…。新評社「大藪春彦の世界」鹿島出版会「ポスト・モダンの座標/松葉一清」牧書店「ぼくの野球コーチ/川上哲治」を手渡し、「…2700円ですが、2000円で」「うぉっ!そんなに!(マジ驚き)」が最後に交わした会話となる…こうなったらいつか高松に行って挨拶するしかないな…それまでさらば、玉椿!結構ガッツリ値引きしてもらえるお店の営業は、8/31まで。
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2013年08月15日

8/15神奈川・元住吉 ブックサーカス元住吉店8/31閉店!

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コメントタレコミで知った、八月いっぱいでお店を閉めてしまう「ブックサーカス元住吉店」(2009/07/15参照)の偵察に行く。東京駅ホーム並みの高さを誇る駅舎から地上に降り立つと、地上の線路は車両基地への引き込み線となっているのに気付く。その静かな線路沿いに北に進んでお店の前…くぅっ、やはり『ラストセール』『ありがとうさよならバーゲン』『古本屋閉店』『古本バーゲン』などの寂しい文字が、踊ってしまっている。そして『全品50%現金値引き』か…悲しみながらも浅ましくワクワクして店内へ。相変わらず通路が横に長く細く…あ!第一通路は途中からバックヤードになってしまっている。それ以外は以前のツアー時とさほど変わっていないので、最奥通路と左奥壁棚の古本に目を光らせて行く。通路に立ち尽くすお客さんと譲り合いながら、奥へ奥へ…すると、奥のアダルトルーム入口の隣りに、新たなる小部屋への入口を発見する!その周囲には『在庫品一掃』の貼紙がペタペタ。これは、お蔵出しセールか!と色めき立ち、部屋内に踊り込む。真ん中に胸高ラックを据え、三方を本棚に囲まれている。音楽CD・絶版文庫・日本文学・日本近代文学・SF児童文学・サブカル・音楽・実用・科学・自然・美術・歴史・神奈川・民俗学・文明・風俗など。硬軟新旧取り混ぜ、質の良い本を要所要所に収めている。これが半額!と次々に本を手にして行きながらも、懐としっかり相談して慎重に吟味して行く。『来週からはさらに在庫品投入!』の貼紙にも、大いに心を突き動かされる。結局、ちくま少年文学館「光車よ、まわれ!/天沢退二郎」(オリジナル初版)双葉社「本棚探偵の回想/喜国雅彦」(月報・蔵書票入り)誠文堂新社「まもなく宇宙旅行/原田三夫・新羅一郎」(新羅氏献呈署名入り)を計1150円で購入する。う〜ん、駅西側の「Motto店」が残るとは言え、東横線沿いからこのお店が消えるのは非常に痛い。なので、戸塚と藤沢にはまだまだまだまだがんばっていただきたいものである。8/31の閉店まで、後十六日…。
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2013年08月14日

8/14東京・東十条 木下晴書堂

今月の終り、8/25にお店を閉じてしまう「彩林堂」(2009/04/08参照)を見に行くことにする。埼京線十条駅で降りて北側の小さな踏切を渡り、『演芸場通り商店街』『十条中央商店街』と小さく曲がりくねった通りを抜け、東十条駅南口前に出る『地蔵坂』を下って行く。坂の下で車両基地沿いに北に向かい、ようやく『東十条商店街』。青空と万国旗の下を、陽炎のようにゆらめいて歩き続けてお店の前へ。しかし、何故かやってない!ただ、閉店SALEの貼紙を確認したのみで、今来たばかりの商店街をダラダラ引き返して行く…さて、これからどうしよう…?
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東十条駅北口の階段を上がり、線路上の長い通路を渡って崖の中腹にある小さな駅前通りにたどり着く。階段と坂をグイグイ上がって、南北に延びる車通りの多い狭い都道に出る。「山本書店」(2008/11/04参照)に寄って見るか…と最初は思ったのだが、そうだ!以前から気になってはいたが、一度も入ったことのないあの本屋さんを試しに見に行ってみよう!そう考えを変えて、通りを南へブラリブラリ。やがて右手にこんもりした木々のある『富士神社』が見えて来る。その手前の、もはやボロボロのモルタル二階家の軒回りに、イチゴ色の日除けを巡らせた書店があるのだ。
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角地に建つお店は、角に煙草番台を備え、後はガラス木戸とウィンドウらしき物で構成されている。都道側には自販機と新刊雑誌のラックが出ている。歩道が無きに等しいのと、煙草番台に座る老店主と早速目が合ってしまったため、躊躇する間も無く開け放しのガラス戸から店内に滑り込む。おぉ、古い。時が見事に停まっている。左側は古い木製什器と共に文房具ゾーンが展開…もちろん古い。そして右側が書店ゾーン…と言うか書店の残骸のような、もはや古本屋的光景が。目の前の木製棚は、平台には布が掛けられて機能不全に陥っており、上部の棚に色褪せたコミック・文庫、そして大量の『ケイブンシャの大百科』シリーズが並んでいる…心霊・怪奇系が多いが、何故こんな大量に…。その無惨さと古さを、店主の視線を気にしながら楽しんでいると、奥に通路が一本あり、そこの壁棚にも本が並んでいることに気付く。厚かましく勇気を持って、半ば物置と化している通路に入って行く。するとそこは、昭和五十年代児童文学の墓場であった!うほっ、こりゃ壮観だっ!ポプラ社と偕成社のルパン全集や乱歩の少年探偵全集をメインに、他の推理もの・童話・偉人伝・絵本・ノンフィクション系などが、色褪せて埃にまみれてドッサリと並んでいる。さらに奥には新書や一般書も見えているが、近付けないのが何とも残念である。そこまでレアな本があるわけではないのだが(もちろん見逃している可能性も!あぁ…)、昔の書店がそのままの形で残っていることに興奮し、読みたい本を腕の中に積み上げて行く。煙草番台に引き返して精算をお願いすると、「返品するのがもう面倒で、こんなになっちゃった」と照れながら本をフキフキ。基本定価販売だが、合計金額から50円引いていただく。ありがとうございます。あかね書房 推理・探偵傑作シリーズ「恐怖の黒いカーテン/ウィリアム・アイリッシュ」「魔女のかくれ家/ディクスン・カー」「マルタの鷹/ダシール・ハメット」「ジキル博士とハイド氏/ロバート・ルイス・スティブンソン」ポプラ社「悪魔人形/江戸川乱歩」を購入。思わぬ少年探偵小説との出会いにゲハゲハ喜びながら、隣りの神社の『十條富士』に勢い余って駆け上がる。頂上の木陰からお店を見下ろし、今直ぐまたお店に突入して、棚をじっくり見たい衝動としばらく闘ってしまう。それにしても衝撃的で素敵過ぎる、時代から取り残された、都会の狭間の発見であった。
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2013年08月13日

8/13神奈川・登戸 古書赤いドリル事務所探訪!

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改札を出て右手の階段を下ったら、駅舎の下を潜って西側に出て、小さな駅前のカーブする『登戸駅前商店会』を西に進む。小さな十字路に出たら北側に南武線の踏切が見えるので、そこを渡って線路沿いのほぼ直線道をトボトボ西へ…『世田谷通り』の陸橋を潜った所にある集合住宅に、かつては下北沢の裏路地に潜み、今は地下へと潜行した「古書赤いドリル」(2010/06/23 & 2012/12/17 & 2013/03/20参照)が事務所兼倉庫を構えているのである。しかしゴールが判らずに迷ってしまった私は、店主・那須氏に電話を入れ、情けなくも迎えに来ていただく始末…お手数おかけいたします。集合住宅の奥まった一室の扉が開くと、内部は人が住むための住宅仕様そのままなのだが、完全に本に蝕まれた予想通りの愛しい空間が眼前に広がる。箱の積み上がる狭い玄関でサンダルを脱ぎ捨て「おじゃまします」と上がり込むと、振り分け2DKの小ファミリー向け間取りが展開。入って直ぐのダイニングキッチンには、巨大なアンティークガラステーブルと文庫棚&単行本棚が一本ずつ置かれている。そこには良く店番されていた助っ人店員さんがパソコンに向かっており、雑然としてはいるが立派な事務所スペースとして機能している。奥の右側の畳部屋には本棚がひとつも無く、低い本タワーやダンボール箱・梱包材、さらには分解された元店舗の壁棚も紛れ込み、真ん中に値付け作業用折り畳みお膳が置かれている。ここもいい具合に雑然。そして左のフローリング部屋がメインの書庫となっており、ここにはしっかりとスチール棚が、壁際と中央にそそり立っている。現在は催事後なので、戻って来た本の山&箱が通路をかなり塞いでしまっている。ちなみに本の出し入れは、この部屋のベランダ越しに行うそうである。ここに集まっている本は以前と変わらず鋭く尖っており、連赤関連・学生運動・社会紛争・非行・差別・冤罪・マイノリティ・弾圧・権力・犯罪・闘争系詩集・現代思想・松下竜一・三島由紀夫などが、ドロッと濃厚に渦巻いている。すべては闘いの本であり、生きるために強権に抗った激烈な記録たちである。それらに負けじと、「赤いドリル」も変わらず闘い続けている。畳の上に、不穏な、あるいは剣呑な本を多数積み上げ、ガタゴト通過する南武線を尻目に、貴重な記録のバトンをつないでいる。あぁ…以前のお店も良かったが、ここは何だかハマり過ぎなシチュエーションだ。そんな風に妄想し、店主の気持ちなど一向に顧みずひとりほくそ笑み、れんが書房新社「寄せ場文献精読306選」を1500円で購入。

ツアー後は、那須氏とある案件について打ち合わせをしながら、様々に古本屋さんについて情報交換する。彼と話す時に味わえる、不思議な楽しさにニコニコしながら、色々謎だったことや、心配だったお店の去就などが判明し、ためになるありがたいひとときを過ごさせてもらう。それにしても今年の夏は、夏休みの宿題の如く、古本屋さんについて観察レポートしなければいけないことが溜まって行く……いや、がんばります!駆け込みではなく、計画的にその宿題を次々と片付け涼しい秋を迎えられるよう、古本屋さん三昧の日々を送るつもりなのです!…夏休みなんか、無くていい!古本屋さんに行ければ、それでいい!
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2013年08月11日

8/11東京・谷保 gallery&books circle

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中央線で西に向かっていると、街がみるみる薄暗くなって行く。立川で南武線に乗り換えて三駅。雨はすでに降ったようだが、上空はボーリング場のようなこもった雷鳴を響かせ続けている。不安に思いながらも南口に出て、武蔵野的住宅地を南に抜けて、どうにか『甲州街道』にたどり着く。そうすれば、後は東にテクテク…歩道橋を潜って『オートバックス』を過ぎれば、左手は古い塀が連なる風情ある一帯となり、窪んだ箇所に保存された常夜灯が建っていたりする。そして大谷石の塀沿いにさらに歩みを進めると、角地に『やぼろじ』の看板を発見。古い農家を改装し、カフェやショップや工場を営んでいる自然派な施設である。この中の何処かに、さらに蔵を改装した古書も扱うお店があるそうなので、場違いにも挑みに来た次第である。敷地内にには踏み入らずに、細い脇道を北へ。するとすぐに、何やら若者で賑わう、大きな屋根を載せたクラシックな蔵にたどり着いた。…蔵はいい。単純に憧れてしまう。宝物・座敷牢・乱歩・抜け穴…接する機会が少ないと、勝手に様々なことを思い描いてしまうものだ…。開かれた重厚な扉の代わりに取り付けられた、スライド扉を開けて、厚みのある敷居を跨いで中に入る。八畳ほどの空間に、右に二階ギャラリーへの階段とガラスケース、奥に壁棚、左にラックと帳場、真ん中には大きなテーブルが置かれている。見た感じはセンスの良いセレクトブックショップ。右壁隅にはオリジナルグッズ、階段下のショウケースには古い海外のカタログが飾られ、奥壁は新刊ばかりの小出版社物・mille books・写真集・作品集・カタログ・仕掛け絵本など。左のラックにはリトルプレスがキレイに並び、テーブル上にはアート作品や展覧会カタログ類。そこに紛れて、古いグラフィックデザイン誌・プロダクトデザイン古書・昭和初期「工芸ニュース」・ドイツプロダクトデザイン誌などが置かれている。うむ…判ってはいたが、私には馴染み難い若者的アートセンスに満ちた空間である。和風な蔵との対比が、帳場に立つ若い男女の思いと方向性を滲ませている。インドから仕入れたノートと、mille books「レコードを買いに/落合恵」(新刊)を購入して、谷保への短い旅を終える。

そして雨に降られること無く、すでに雨の降った阿佐ヶ谷に帰り着く。駅北口アーケードの「千章堂書店」(2009/12/29参照)100均台を覗き込むと、先日のヒグマ本発掘(2013/07/21参照)に続いて、またも動物レア本を発掘!素晴らしいぞ、千章堂!ブルーバックス「レオポン誕生/赤木一成」を購入。うぉぉぉx、レオポーン!写真満載に加え、その他のキメラについても掲載!人間って、ヒドい生き物だ!
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2013年08月10日

8/10東京・松陰神社前 nostos books

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自転車で南にガチャガチャ向かい、下高井戸でその愛車を乗り捨てる。東急世田谷線のシートに十五分だけ身を沈め、停留所から踏切に分断された『松陰神社通り』へ。北にある神社までの参道を兼ねている、地元感たっぷりの商店街である。踏切を渡って南に歩き始めると、すぐ右手に見えて来る、元は八百屋さんだった店舗に、個人的に待望していたお店がついにその姿を現していた!2013/01/31 & 2013/03/20にCD店やカフェでの出張棚をレポートしたネット古書店であるが、ついに以前からHPに書かれていた『実店舗準備中』の夢を叶えたのである!開店、おめでとうございます&勝手にありがとうございます!ガラス張りで焦げ茶のシンプルなお店の前には、あの可愛いロゴマークの立看板と、文庫&単行本の安売り棚が二本置かれている。黒く重厚なスライドドアから、横長でシックな店内へ。今日はまだ営業時間の短いプレオープンなのだが、お客の出入りはとても頻繁で、この商店街での注目度の高さを感じさせてくれる。内装はオイルで磨き上げられた木材で統一され、右壁にラック、奥壁はどうやらバックヤードとの仕切りとなっている大きなボックス棚、フロアには胸高背中合わせのボックス棚が置かれ、左端に帳場がある。お店の人とその関係者(みな例外無くお洒落である)が塊になって奥と店舗を出入りし、帳場では黒ブチ眼鏡のお姉さんがひとり店番中…。右壁にはプレミア写真集が、美しい余白をキープして飾られている。サボテンの乗ったフロア棚には、手前右側からセレクト絵本・ファッション雑誌・クラシック科学絵本・海外児童文学・女流作家・暮しの手帖関連が優雅に収まり、裏側には左からセレクト日本文学・海外文学・「美術手帖」・詩集(黒田維理が二種!)・デザイン&アート雑誌と続く。奥壁に、上半分が単行本、下半分が大判本を基本として、幻想文学・アングラ・カウンターカルチャー・横尾忠則・写真関連・写真集・アート・デザイン。帳場前の足下には、チラシ類と共に本&古本関連が十冊ほど。非常にピーキーなチューンナップで、勇気を胸に鋭く走り出したお店である。蒐集力とセレクト力が歪に強烈に輝き、自信と不安に満ちた棚造りが魂に揺さぶりを掛けて来る。値段はプレミア本やアート本が多いので、高め&しっかり値な傾向。この地元感溢れる商店街で、今後どのように定着進化して行くのか、先行きに要注目である。六興出版「恩地孝四郎詩集」を購入。

世田谷線で下高井戸に戻り、お客さんのひとりもいない街の古本屋さん「豊川堂」(2008/09/09参照)に吸い込まれる。
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瞬時に蚊に喰われてしまいながら、作品社「乱歩東京地図/冨田均」を800円で購入する…か、かゆい…。

※ひと月お休みしましたが、WEBゴーイングマガジンで連載中の『均一台三段目三番目の古本 第十六冊』が更新となりました。今回手にしたのはミステリー界のクィーン・山村美紗!推理と恋の冥府魔道に、バッチリ迷い込んでたっぷりと懊悩!…みなさんは、山村美紗を読まれたことがありますか…?どうかこれを読んでみて、考えてみてください。
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2013年08月09日

8/9神奈川・藤沢 古本小屋本店

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午前中から動き出して湘南方面へ…とは言っても、海と関わる予定はゼロ。三階の高さを誇る南口の空中回廊に出て、ビルの谷間を東南に下って行く緩い坂道を選択。毒々しい看板と緑が爽やかに鮮やかな杉並木のコントラスト。そんな坂道を下り終わると『南藤沢交差点』。右手に巨大な集合住宅群を見ながら、やがて割と大きな境川を渡ると、今までの都会風景と違った郊外的風景に突然変化。惑わずテクテク歩み続けると、左手に“本”の文字が一回り大きい『古本小屋本店』の看板が見えて来る。住宅下の一階に広がる、何だか上階から圧迫されているような横長のお店で、軒には黄色い店名看板、駐車場があり、『本お売り下さい』の幟がはためいている。店頭には二台のワゴンがあり、五冊105均のコミック・文庫・単行本が激安で蒼ざめ詰まっている。ここが神奈川に広がるマイナーチェーンの総本山か。いずれ似たような『ぽんぽん船』チェーンと共に調査を進めて行かなければなるまいな…そんなことを漠然と決めながら、自動ドアを潜って、まだ午前中の涼しい古本屋店内へ。こう言うお店は、ちゃんと午前十時から開けてくれているのが嬉しいな。入って左にはショウウィンドウとカードバトル台が置かれ、奥に帳場が続いている。「いらっしゃいませ」と鈴木敏夫風店主が顔を見せてくれた。中央のメインフロアはコミックで埋まっているが、すでに右奥にちょっと乱雑な古本棚が見えている。どうやら右奥に隠されたアダルトスペースの外周を、古本棚が覆っている模様。例えどんなお店であろうとも、未知の古本棚との対面は、否が応でも胸がときめいてしまうものである。入口右横の105均コミック&絶版漫画棚を過ぎると、足下や狭い平台に本がごちゃつく行き止まり通路。手前には、実用・児童文学・ミステリ&エンタメ・アウトロー・サブカル・プロレスなど。右奥壁にはラックがあり、小さな錦絵・古紙幣・ビジュアルムック・無料通販雑誌・スポーツなど。アダルトスペース外壁には、ビジネス・歴史・ミステリ&エンタメ・105均文庫・ノベルス・新書・時代劇文庫・純文学文庫・海外文学文庫がまずは並び、曲がり込んで奥に向かってノベルス・戦記・時代劇文庫・日本文学文庫・ラノベ・官能文庫と延びて行く。少し乱雑で棚はちょっと複雑。手づくりのダンボール製分類札が、細かく挿し込まれている。古い本はボチボチ出現。値段は定価の半額前後だが、105均が思いの外多いので、そこが楽しみとなる。しかし、非常に慎ましい本店であった。洋泉社MOOK「まんが秘宝 ぶっちぎりヒーロー道」集英社文庫「喰いたい放題/色川武大」創元推理文庫「ウインター殺人事件/ヴァン・ダイン」を購入。

さて、まだ午前中なのだが、これから神奈川を北上し、トマソン社『BOOK5』連載の次号の取材に向かう。そこは駅から離れた、人工池のある懐かしいマンモス団地…すべては私的な読書の原風景を探し求めるため!…しかし、しかしその結末は恐るべきものに…待て、まだひと月は先の、次号!
posted by tokusan at 18:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月08日

8/8東京・高田馬場 九階古書感謝市

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お昼前に、自転車で『早稲田通り』を東へひた走る。今日から高田馬場駅西口『BIGBOX』で、毎月恒例の「古書感謝市」(2011/02/05参照)が始まっているのだが、いつもと場所を変え、九階の催事場で開かれていると言うのだ。ならばその変化を、目にしておかなければならぬと、踏み込むペダルに力が入る。真夏の駅前に到着して、がらんどうの『BIGBOX』コンコースへ。太い列柱には数種の古書市ポスターが貼られ、めざとい古本修羅を九階へ誘導している。そのうちの一種の“会場”部分には修正が入っており、本来は“1階コンコース”なのが、“コンコース”が消され、“1”が巧みに“9”に改造されている…。正面入口から入り、左奥のエレベーターで九階へ。到着したのは、薄暗い映画館ロビーのようなフロアである。左側にまずはCD&DVDワゴンが多数展開し、奥の一段低くなった通路に文庫&新書ワゴンが九台置かれている。メイン会場は、奥壁にボウッと浮かび上がる扉の向こう。おぉ、広い。一階開催時より、本の数も多そうだ。横長で、手前と奥の壁際にはワゴンの列が。中央には十八台のワゴンで造られた横長島が二本あり、計四本の通路を生み出している。各ワゴン上には四段の本棚が置かれ、立体的な展開を見せている。会場にいた「三楽書房」さん(2012/07/19参照)によると、ここでの開催は六・七年ぶりとのこと。そんな平日正午の九階の古本市には、年配の古本修羅が静々と集まり続け、やるせなくそれでいて頼もしい光景を造り出してくれていた!ありがとう!現代小説・風俗・近代文学・映画・ジャーナリズム・戦争・思想・歴史・ミステリ・ガイド・最近刊カルチャー・サブカル&カウンターカルチャー・芸能・音楽・料理・学術・絵本…早稲田にしては珍しく、軟らかい本の割合が多い印象である。しかも巧みに良い本が所々に安値で並び、甘美な“古本罠”として機能している。ついつい罠に掛かりそうになりながらも、500円以下の本ばかりに狙いを定め、己を律する。春陽堂「短篇集 山田風太郎 夢野久作」ちくま新書「愛と憎しみの新宿/平井玄」集英社「ヨルダンの蒼いつぼ/水上勉」早川書房「地球最後の男/リチャード・マシスン」教養文庫「地底獣国」「昆虫図」共に久生十蘭を購入。この市は8/14まで。尚、九月もこの九階で開催されるそうである…やっぱり屋内は、涼しかったなぁ…。
posted by tokusan at 15:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする