2013年09月30日

9/29東京・高円寺 アメコミ専門店 コミックスコレクターズ

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先日、夜の高円寺を自転車で疾走していたら見付けたお店。駅南口を出て、大きなロータリーの左上から『氷川神社』前を通って、坂道を曲がり下りる。そのまま『高円寺中央公園』脇を南に進めば、角地のビル一階にいつの間にか出現した、地味なお店が目に入って来る。路上には営業時間の書かれた立看板がひとつ。入口横には、細長いダンボールが二つ置かれ、同サイズで同薄の百均アメコミがドバドバとレコードみたいに収まっている。『英語の勉強にオススメです。マンガなので楽しく英語を覚えられます』の但し書きが泣かせてくれる。店名の書かれたドアを開け、ちょっと高くなった店内に、軽く緊張して入る。足下にはまたもや百均箱と安売りトレカ。毒々しい色彩のアメコミフィギュアやグッズが、ガラスケースに収まり窓際に飾られているので『中野ブロードウェイ』の一店のようだが、異なるのは右壁に白い壁棚が設置されており、中綴じのアメコミが大量に並んでいるところだ!そして見た瞬間に思ってしまう…“門外”だと!本に背が無いので、細かく分類を施した手書き(英語)の分類札が飛び出しており、DCとMARVELが激しいバトルを展開している。スーパーマン・スパイダーマン・バットマン・ハルク・ファンタスティック4・トランスフォーマー・エイリアン・スターウォーズ・インディ=ジョーンズ・スポーン・ゴーストライダー・ゾンビ・13日の金曜日・エルム街の悪夢・テキサスチェーンソー・ブルース=リー・ジャッキー=チェン・スポーツ物などなどまだまだ続く。端には「ファンゴリア」や「MAD」などの雑誌もあり。…う〜ん特殊だ。手が出ない…。新刊・古本・プレミア本が混在し、揃いで販売されているものも多い。本は百均以外はパッキングされ、保護のために厚紙が入っている。それにしても何を買ったらいいのだろうか?かつてアメコミを好きになったことはないが、たったひとつだけマイク・ミニョーラの「ヘルボーイ」は絵も話も大好きだ。しかし「ヘルボーイ」は見当たらない…突破口にしようと思っていたのに…。そこへ恐ろしくガタイの良い外国人二人がお店に入って来て、楽しそうにアメコミを物色し始めた…おぉ、異国度がググンとアップしてしまった。冷や汗をかきながら、バラのアメコミが集められた箇所からDCの「BATMAN Detective COMICS」を引き出し、ドギマギと購入する。帳場の青年がニコニコハキハキと直立不動で精算してくれた。ようし、ひとつ辞書を片手にチャレンジしてみるか。

※お知らせ二つ
1. 「本の雑誌11月号 特集:帰ってきたぜ、神保町」に『二階以上にある古本屋さんを畏れて巡る』という、特殊な神保町ルポを寄稿しました。あの入り難い堅牢なドアを持ち、独特の気まずい雰囲気を抱えたお店たちに、次々と果敢にアタックしています。神保町の立体的な奥深さの一端に触れたい方はぜひ。何と全8ページです!発売は10/10以降だと思われます。
2. 東京古書籍商業協同組合・中央線支部が10月中旬に発売する「古書手帳」に、『中央線は古本屋さんで出来た銀河なのかもしれない』という古本屋妄想エッセイを寄稿しました。実は「黒死館殺人事件」の名探偵・法水麟太郎に倣い、星々の公転運動に見立てて殺人事件を推理するように、梯子の先に梯子を継ぎ足して空へと駆け上がるような考察を展開したかったのですが、そこまで突っ走ることは凡人にはやはり出来ず、優しくロマンチックなエッセイに仕上がってしまいました…。

二つとも、お手に取ってご覧いただければ幸いです!
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2013年09月28日

9/28東京・馬喰町 イズマイ

ミステリー評論家・森英俊氏よりタレコミがあり、「@ワンダー」(2009/01/21参照)の二階に急行せよと言う。夜が開けるのを待ってから、午前中に慌てて神保町へ駆け付ける。ビニールカーテンを潜って階段を上がりまだ人気の無い二階へ。手前の通路を左奥へ焦って向かう。おぉ!通路棚の上に春陽堂少年文庫と博文館文庫の神々しい姿がっ!くぅ、これは気付かなかった!思わず動悸をトクトク速めてしまいながら、少年文庫に狙いを定め、十冊ほどしか無い背の列を行ったり来たり…そして多少ボロいが安値の二冊、春陽堂少年文庫「トルストイ童話集」「十五少年漂流記/白石實三」を計945円で購入し、ウキウキと一日をスタートさせる。その後は「田村書店」(2010/12/21参照)店頭台で三笠書房「百鬼園先生雑記帳/平山三郎」新潮文庫「フレップ・トリップ/北原白秋」を計400円で嬉しく掘り起こし、小川町駅から地下鉄に乗り込んで、ほんのちょっとだけ東へ…。

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馬喰横山駅から陰鬱な地下道を馬喰町駅西口方面に向かい、『2番出口』から地上へ。繊維問屋街の賑わいから離れるようにして、『馬喰町交差点』から『清洲橋通り』を北西へ進む。直ぐに右手ビル一階に、お洒落なカフェの影が…。ここは本と珈琲とパイを売り物とするカフェである。選書は「BOOK TRUCK」(2012/05/26参照)さんがしており、とにかくそこはかとなくお洒落なのである、中は天井が高く横長で、クラシカルな雰囲気を持っている。右奥にカウンターがあり、フロアに大きなソファ席がひとつ、テーブル席が四つ(ひとつは一人用である)。カウンター内と席の間を、二人の清楚な女性店員さんが行き交っている。肝心の本屋部分は左側にまとまっており、分け方からしてここだけの利用も可なようだ。棚は土台が木製のボックス台で、上部にスチール棚が接続されている。“コ”の字型に組まれた棚が、一本棚を内包する形となっている。新刊と古本が半々くらいで、古本は「暮しの手帖」・食(「美味しんぼ」も一冊だけあり)・海外文学・日本文学・文庫.新書・詩・本関連・旅・生き方・・ファッション・絵本など。新刊は「のんべえ春秋」・料理・アノニマスタジオ本・「TRANSIT」・「IN THE CITY」・渋谷直角・写真集など。目線はお店に合わせて洒落ておりキレイである。値段は普通〜高め。入って来るお客さんは、ほとんどがお洒落な女子である…次々と入って来る…そして意外にちゃんと本も見ている…繁盛している…。ビールとトマトミートパイを隅っこで小さくなってたいらげ、ソニー・マガジンズ文庫「THE VERY DUST OF UNICORN」を購入する。
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2013年09月27日

9/27静岡・大場 ブックハウス

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秋晴れの青空に誘惑されて、午前のうちに東海道線で三島駅。隣接する伊豆箱根鉄道・駿豆線のボックスシートに身を沈め、伊豆の住宅街を縦に斜めに走って行く。水田と山並みが見え始めたと思ったら、もう目的駅に到着してしまった。修善寺はまだ遠い…。東口から出て南に歩き、踏切から延び続ける車通りの多い『県道136号』を、黙々と東南に歩き続ける。人通りは少ないが、寂しいわけではなく、長閑な田舎町を楽しみながらテクテク。いくつもの水路や川を越え、建設中の『東駿河湾環状道路』下を潜ったら、上り坂が始まる。ほどなくして丘の上に至ると、『岐れ道』と言う素朴な良い名の交差点があり、五本の道がクロスしている。真新しく大きな町役場に見下ろされながら、県道をまだまだ東南に歩み続ける。やがて坂道を下り、子供たちが奇声と砂埃を上げる小学校脇を過ぎたら、再びの上り坂。どうにか頂上の切り通しをを抜けて坂道を下り始める。…この辺りまでで二キロ強…ダラダラと流れ落ちながらカーブを大きく曲がり込むと、道の両側に商店が短く連なっており、突然鄙びた商店街が現れた印象。しかしお店の半分はシャッターを下ろしており、多少ゴーストタウンのようでもある。しかし!右側中ほどにあるお店の立看板に、強烈に視線が吸引されてしまうのだ!『中古本 格安』とあり、パトランプまで付いている。渋いお店だ。両脇がスナックなのがまたいいじゃないか。店頭には二台の廉価コミックワゴンと、カバー無しコミックワゴンが一台、それに錆び付いたラックがひとつ置かれている。サッシガラスの『年中安売』『中古本専門店』が、お店の味わいを深くしている。店内は木製の壁棚と真ん中に背中合わせの棚、それぞれ腰の辺りから短い平台が飛び出し、下半分は戸棚となっている。昭和四十年代の什器を、丁寧に使い続けているようだ。右奥の小さな帳場では、小さく丸まり片膝を立てた雑誌を読む作業服の男性が「いらーっしゃい」と妙なイントネーションで迎え入れてくれた。右側通路はすべてコミックで、絶版も少々。90年代前後のものが多いようだ。左側通路は、壁棚に時代劇文庫がびっしりと並び、棚下部と平台にミステリ&アクション&バイオレンス&官能文庫。こちらも80〜90年代が主である。向かいはアダルト・実用・コミックとなっている。そしてこのお店の面白いところは、棚下部の戸棚にあった!戸はキッチリ閉められているのだが、何人かの作家名と共に『ご自由に開けてごらん下さい』と表記されているのだ!一応店主に「開けてみてもいいですか?」と聞いてみると「どうぞどうぞ」と表情を動かさずに返答。コミック棚の下は絶版漫画が少々と揃いのブロックが収まっており、文庫棚の下には石川達三・山本周五郎・山手樹一郎・吉川英治・柴田錬三郎・松本清張・山田風太郎・早乙女貢・有吉佐和子・瀬戸内晴美らの、古めの単行本とノベルスが並んでいた。何かありそうだが…無かった…。昭和四十〜六十年代の大衆に狙いを絞ったかのようなお店である。値段はちょい安。こんな辺鄙な場所で、居住まい正しくきちっと営業されているのには、大変感服いたしました!文藝春秋社「わたしの吉川英治 その書簡と追憶」ちくま文庫「エロ街道を行く/松沢呉一」(このお店唯一のちくま文庫で、官能コーナーにあり)を購入。古本修羅の心を慰める獲物は無かったが、お店に来られた達成感を胸に、来た道を逆戻りする。

posted by tokusan at 18:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

9/25東京・神保町 一心堂書店

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雨は止まないが、明るい空の午前中の神保町。何軒かの店先に鼻面を突っ込んで、『神保町交差点』から『靖国通り』を東へ。雨の日モードになった書店たちに視線を飛ばしながら、『書泉グランデ』を過ぎる。隣には閉店した「金子書店」の店舗を吸収し、西荻窪「音羽館」(2009/06/04参照)のように、二つの店舗をぶち抜きひとつとなったお店の姿がそこにあった。ビル全体をスチールの格子で覆い、二店の一体感を出している。二階部分に縦型店名看板。右側には大きな看板文字で『一心堂』とあり、その下に『古書買入一心堂』の小さな文字も。左側には小さく『一心堂書店』とあるのみ。四台ある店頭ワゴンは、残念ながら今はシートで覆われてしまっている。右端から古いガラスドアを開けて店内へと入る。静かで通路が広く、明るく天井も高い。奥の壁際は本が積み上がり、少しだけ雑然としている。二部屋共壁棚に挟まれる形で、右は真ん中に背中合わせの低めの棚、左は真ん中に大きく細長い平台が置かれている。各通路は奥側でしか行き来は出来ない。その奥には横長なカウンター帳場があるが、左右の部屋は実は高さが違うので、間に段差が生まれている。今は右の帳場におばあさんがひとり。右壁棚には歴史小説・江戸風俗・東京・骨董・やきもの・茶・民芸・工芸・日本刀(東郷隆の名刀小説「にっかり」までも!)。向かいには工芸&日本美術図録や大判の作品集が並んでいる。裏側は美術図録が主に収まる。左壁には歴史・古代史・幻想文学・西洋美術・日本美術・美術系の特に古い本(雪岱・芋銭・藤田…あ!「怪奇美の誕生」が!)。帳場横には古い柱時計が掛かり、その奥の通路から浅利陽介風若者が登場。「おばあちゃん、ありがとう」「あら、もういいの?」と店番を交代する。若者は左側の帳場に腰を下ろした。こちらも段差をクリアして左側の店舗へ。真ん中が平台なので、見通しは抜群。平台には写真雑誌と共に、大量の書関連本が平積みされている。右壁には写真関連と写真集…かなりレアな本が混ざり込んでいるので、見応えあり。左壁は歌舞伎や芸能、それに角には和本が棚に横積みされている。外見はちょっと取っ付き難いが、中に入れば美術の静かな嵐に興奮必至。美術系の古い本と写真関連が特に熱い。値段も、神保町にしては、美術系にしては、安めな気がする。すばる書房「茂田井武の世界」河出書房新社「デジャ=ヴュ第12号 安井仲治と1930年代」の二冊も、中々の安値で購入させていただく。若者はその二冊を、まるで美術品でも扱うように、丁寧にゆっくりと袋に収めてくれたのだった。
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2013年09月24日

9/24東京・大岡山 ふるほん現代屋+自転車屋.ver

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目蒲線で、すでに夕陽が眩しい大岡山駅ロータリー。駅前交差点から、ちょっと疎らな商店街を南に歩き、2009/05/17にツアー済みの「ふるほん現代屋」へと向かう。いつの間にか、お店が再調査を必要とするほどの、変身を遂げていたからである!店前に立つと、その変身っぷりは一目瞭然!左側にズラッと『売約済』の札が貼られた自転車が並び、入口を兼ねている百均スペースには空気入れが混ざり込んでいる。何より目立つのは、右側側壁から飛び出した看板の『古本 中古自転車』の文字である!…いつから自転車を販売するようになったのだろうか?異業種の商店が『ウチもちょっと古本でも隅に並べてみるか』と言うのはよくあることだろうが、古本屋さんが別な物をこんなにしっかり販売し始めるのは、中々稀な気がする…。百均ゾーン奥の入口上には『自転車買取修理パンク500円空気無料』の貼紙が。その下を潜ると、以前と変わらぬ縦長の店内が広がっている。手前は壁棚と真ん中に背中合わせの棚が一本。右側通路に児童文学・絵本・趣味・実用・ミステリ&エンタメ・ノベルス・日本文学・思想・教科書類・新書・映画・ノンフィクション・建築・歴史・風俗・民俗学・自然・科学。左側通路にコミック・時代劇文庫・日本文学文庫・出版社別文庫。帳場脇の小さな棚には、キャラものカルタや昭和な小家電類が飾られている。そこをさらに奥に踏み込んで行くと、ああ!本はこつ然と消えてしまい、自転車修理の作業場となっていたのだ!…むむむぅと唸り、二足のわらじを履いた、静かなる店主に精算していただく。岩波文庫「手仕事の日本/柳宗悦」文春文庫「外国遠足日記帳/岸田今日子」を計550円で購入。

武蔵小山で途中下車し、家路を急ぐ人々が行き交う街を、「九曜書房」(2009/03/26参照)目指して一直線。大好きな500円棚に東京関連本の多さを感じつつ、神戸新聞社「文学の旅・兵庫県/宮崎修二朗」文庫クセジュ「探偵小説/ポワロ・ナルスジャック」思潮社「中井英夫詩集」を計900円で購入し、満足する。
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2013年09月22日

9/22千葉・銚子 銚子書店

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『週末パス』二日目を胸に、成田線で千葉県を横断して行く。電車は乱暴な動きでレールを軋ませている。三時間半で、今日は醤油の匂いではなく、潮の香りが心地良い銚子に到着する。チャレンジするのは、駅から四キロほど西にある国道沿いのお店…その結果はすでに手に取るように判っている。しかし古本屋ツーリストとして生きる宿命で、この目でしっかりと確かめねばならぬのだっ!ふとしたことで緩みそうになる決意を、ギュッと握り締め、観光案内所にレンタサイクルを借りに行く。しかし自転車はすべて貸し出された後であった…初っ端からこれでは先が思いやられる…案内所のお姉さんに、他のレンタサイクルを教えてもらい、駅近くの自転車屋さんに急行する。しかしそこでようやく借りられた自転車は、薄汚れて錆びてボロボロ。サドルは曲がり、ペダルも歪み、ハンドルのグリップもペタペタしている…何と言う物をレンタルしているんだ。しかし私にもはや選択肢は無く、オンボロな相棒にサッと跨がり、駅西側から西に果てしなく延びて行く『国道126号』をひた走る。二つの小山をゼエゼエ越え、山の上の街を通り抜け、右に巨大な風車群を見ながら、およそ四キロ地点に『小浜工業団地入口交差点』があり、その向こうに高く黄色い『本売って下さい』の看板がようやく見えた。フゥ〜。車の多く停車する駐車場に滑り込み、店舗写真をオンボロ相棒と共に撮影する。横長で広大な店舗に入ると、まずは三本の通路が横に長いコミックゾーン。一番奥の壁棚はDVDが並び、壁の向こうはアダルト桃源郷となっている。…古本は…見当たらない。左奥にかろうじてアイドル写真集・写真週刊誌・実話&暴露ムック&雑誌・105均コンビニブックが並ぶのみ。値段は安めだが、何も買うものが見つからなかった…最初からこうなることは、判っていた…。だが、古本の有無を確認しただけでも、来た甲斐はあったのだ。そう自分に強く言い聞かせ、自動車に負けぬ速度を時折坂道で叩き出しながら、銚子駅に飛ぶようにして戻る。駅北側、『軽トラ市』が開かれて賑やかな『銚子銀座』を東に通り抜け、「アオイ古書 観音店」(2010/10/02参照)の確認に向かう…やっぱり営業してないか…大変残念である。銀座内を自転車を引いて引き返し、名店『藤村ベーカリー』であんぱん・カレーパン(シチューのようなカレーで福神漬け入り。バカウマ!)・ポテトあんぱん、それにお土産のミルクパンを購う。銚子港を眺めてパンをたいらげたら、日曜の港町をブラブラ散策。すると町外れで「アオイ古書 銚子店」の古本屋遺跡を偶然発見し、大いに興奮する。錆びてうっすら店名が残るブリキ看板が、とにかくセクシーなので、これまたオンボロ相棒と共に写真撮影。この写真を撮るために、自転車屋さんはこいつを貸してくれたのではないかと思うほど、遺跡に馴染んでしまっている!相棒よ、短い時間だったが、おつかれさまでした。
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それでもやはり古本が呼んでいる気がするので、中野で途中下車して『中野ブロードウェイ』に向かい、四階「古書ワタナベ」(2008/08/28参照)で中公文庫「肌色の月/久生十蘭」を300円で、二階「古書うつつ」(2008/06/18参照)で角川文庫「エレファントマン/マイカル・ハウエル ピーター・フォード」を100円で(いやっほう!)購入。阿佐ヶ谷では「銀星舎」(2008/10/19参照)で創元推理文庫「銀座幽霊/大阪圭吉」集英社文庫「ストリップ・ティーズ/シムノン」を計1000円で購入。そして奥様と話していると、何とこちらの正体がずいぶん前から露見していたことを知る。恥ずかしくて、冷や汗がドバッ。直ぐに旦那さんも現れ、こちらでも正体が露見していたことを知る。さらに冷や汗。お二人は実は私に気を遣ってくれていたのである。それにまったく気付かぬとは、とんだピエロであった…。恥じ入りながら、大変感謝しながら、少し楽しくお話し。「まぁこれからも気軽に来て下さい」の言葉がとても嬉しかった。遠慮なくこれからも、常連でいさせてもらいます!
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2013年09月21日

9/21福島・相馬 書林堂

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昨日の夜に『週末パス』を手に入れ、朝五時に東京を出発。例の如く普通列車を乗り継いで、何度見ても飽きることのない景色の東北本線で北へ進む。仙台駅にほど近い岩沼駅で常磐線に乗り換え、まずは二駅先の亘理まで。ここから常磐線は寸断され、途中隔離された相馬〜原ノ町間を走るのみとなるので(南は、亀田駅からはいわき駅まで。その先は上野まで続いている)、JR東北代行バスに乗って相馬を目指す。駅に隣接する城の形をした図書館に別れを告げ、黄金色になった稲穂の大地をバスは走り抜けて行く。仮設住宅や仮説商店街、造成盛んな海岸線、やけに売りに出されている高台の土地、草木に埋もれてもはや自然の谷と化した常磐線線路などを目にしながら、約一時間で相馬駅着…午後三時二十分…移動時間は八時間、延べ待ち時間は二時間、計十時間の長旅であった…。東京からは直線距離でたかだか300kmだが、震災と人災が距離をそれ以上に延ばしてしまっているのだ…東北は今、一部が歪に広くなってしまっている…。駅前は広くキレイに整備されており、街も新しい部分が非常に多い。まずは西に進み、直ぐの交差点を南に曲がると、閑散とした『相馬駅前商店街』(この街の賑わいは、もう少し西寄りにある)。交差点をひとつ越えると、何も様子は変わらないが『ハートフル商店街』となる。そして次の交差点際に、UFOの遊具が楽しい『新町緑地』がある。さらに南に進むと、その公園に接して、真新しい建物の古本屋さんが待ってくれていた。不定期営業だと聞いており、開いているかどうかかなり心配だったのだが、見事に営業中ではないか!ありがとう「書林堂」!ここは二年半前の震災以来、その消息がとても気になっていたお店である。何たって海に近く、原発にも近いのである。しかしその後、『日本古書通信社』の方より無事と再建を知らされ、喜びながら『これはいつか必ず訪ねなければ』と心に密かに誓っていたのである。その誓いを、十時間の移動でズタボロになりながらも、守ることが出来たぞっ!そう心の中で熱く絶叫しながら、表情はあくまでクールを装い、サッシ扉に手を掛け中へ。まだ新しい家の匂いが漂う、三角形の狭い店内。斜めの右壁に四本の本棚、フロア真ん中に三本の棚の組み合わせ、左に二階への階段があり、階段下に本棚が一本。階段外壁に棚が続き、奥の三角形な隠れた部分に机だけの帳場がある。そこからゴマ塩角刈り頭の店主が身を反らし「いらっしゃい」。階段下の棚には武道と官能小説に少々の児童文学。階段には所々に本が積み上がり、二階を見上げると本棚がチラリ。右壁棚には歴史・映画・差別・社会運動・日本文学・句集・詩集。フロア棚には近代史・戦争・中公文庫・ふくしま文庫など。階段棚には、時代劇文庫・新書・句集が収まっている。中々硬めな印象である。古い本はあまりないが、80年代辺りの本はチラホラ。値段はちょい安〜普通。では二階はどうだろうと、本を「これは何の汚れなんだ!」と呟きながら激しくクリーニングする店主に「二階は見られるんですか?」と聞くと、キョトンとした後に「上はね、まだ片付いてないんだよ。まだ…一年ぐらいかかるかな」「そうなんですか。じゃあ上は広いんですか?」「ん、一階とおんなじ。上はね、ここより硬くなるよ」とニヤリ。と言うわけで二階を見ることは叶わず。TBSブリタニカ「ガロ曼荼羅/『ガロ史』編纂委員会」ポプラ社「おばけ野球チーム/水木しげる」を購入。「おばけ〜」の方には値段が付いていなかったが、何と「サービスだ!」とタダでいただけることに。ありがとうございます!そして「ちょっと本を拭かさせてね」と、およそ三分にわたり本をクリーニング!重ねてありがとうございます!二階が片付いた暁には、ぜひとも再訪するつもりだが、その時には常磐線も開通していて欲しいものである。

帰りの代行バスの中で、山に日が落ちるのを見る。知らない土地で日が暮れてしまうのは、とても心細く寂しい。どんどん明度の落ちて行く、夕闇の亘理駅に到着すると、目の前に一匹の白黒猫がゴロン!おぉ、おぉ!と撫でさせてもらい、寂しい心持ちをたっぷりと慰めてもらう。猫の名は“大五郎”であった。
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2013年09月19日

9/19東京・下北沢 オムライス

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懐かしのおもちゃのお店は、古本の扱いも多い。ジャンルは特殊になるが、もしかしたら古本を置く割合は、リサイクルショップや古道具屋に匹敵するかもしれない…。そう今さらながら気が付いて、ダメ元で調査してみるかと下北沢に向かう。まずは南口に出て『下北沢南商店街』を終いまで下り、『王将』前の道が四方八方から集まる広場的な空間へ。『茶沢通り』には向かわず、花屋の右を掠めて住宅街への道に入る。すると直ぐに左手に、雑然とした店頭と立看板とオムライス型の看板が現れた…全体的に黄色いのは、やはりオムライスを意識してのことだろうか…。立看板には柔らかな書体で『ブリキのおもちゃ 怪獣・ヒーロー人形 銀行の貯金箱・薬局の人形 マンガレコード・ソノシート』と書き出されている。専門知識が欠如しているので、古本屋さんとは違った独特な雰囲気をプレッシャーに感じ、中々に入り難い…しかしそれでも中へ!右のガラス扉から中に入ると、懐かしいおもちゃが大量にカラフルに出迎えてくれ、ガラスケースに挟まれたフロアには、二つの島が造られている。ふ、古本はあるのか?と慌てる気持ちを諌めるように、右端通路に並ぶ古本が目に飛び込んで来た!おぉ、意外なほどあるじゃないか!右のガラスケース下には、キャラものノートやスケッチブックと共に、乗り物絵本・写真雑誌・古週刊誌・「キンダーブック」などが床に置かれ、奥の細長い棚に特撮&アニメムックが並んでいる。そして向かいの、レコード&ソノシート下の白いボックス棚に、絶版漫画・VHSビデオ・特撮&アニメ児童書・特撮&アニメムック・雑誌付録・動物絵本・カバヤ児童文庫・児童雑誌など。値段はしっかり目だが、古い本が多くニヤニヤと楽しめる。他に、入口近くにはポスターの束、レジ前にはメンコや駄玩具の紙物類が光っている。マニアック臭の一切しない、何だか爽やかなオッチャンに明るく丁寧に精算してもらう。ます美書房「キューピットえほん のりもの」を購入。

さらに先ほどの広場的空間に戻り『茶沢通り』に向かうと、左手歩道におもちゃの箱を並べた「2丁目3番地」。入口近くにアメコミ、最奥の紙物島の周囲に特撮&アニメ系のムック&児童書を確認するが、残念ながら何も買えずに終わる。店主は「品物全品半額で、オマケも付いてきま〜す」と間歇的に声を上げている…。続いて駅北側に向かい、かつて踏切だった場所を通過して『下北沢一番街』にある二階のお店、「甘辛人生劇場 懐かし屋」に突撃。売っている物は古い玩具だが、急階段を上がってのアプローチや店内の形状と有様が、何とも神戸・元町の「ちんき堂」(2010/12/31参照)に似ているのに大いに驚く。肝心の古本は、左側の角の細い棚に並んでいるが、ブランクがある状態で映画パンフや特撮ムックがほとんど。ここでも何も買えず、小さくなりながらソッとお店を後にする。
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2013年09月18日

9/18東京・上板橋 Book Style

午前中は「盛林堂書房」(2012/01/07参照)で「フォニャルフ」棚の補充を行う。すると店頭に銀コンテナのトラックが到着した。聞けば『東京古書組合』のトラックで、古本屋さんが市で落札した本を、お店を巡って届けに来てくれるルート便とのこと。こんな風に、古本を満載して古本屋を巡っているとは…古本屋ツーリストとして、親近感を大いに覚えてしまう。早速大量の本が下ろされているが、コンテナの壁面には見たことも無いキャラクターが、『日本の古本屋』の文字と共に描かれていた…“メェ〜探偵コショタン”…右手に天眼鏡、左手に本を持ち、ディアストーカーを…と思ったらただのキャップを被った、エプロン姿の羊さんである。
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まさか『日本の古本屋』にこんなキャラが存在していたとは…この絵の本に触れば『古本運』がアップするとか言う、マイナーな都市伝説が生まれてしまいそうだ。がしかし!後でこのキャラについて調べてみたところ、コショタンは何と『大阪古書組合』のキャラであることが判明!何故だ、何故なんだっ?

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胸に釈然としない謎を抱えたまま、自転車を北へ走らせる。途中『練馬少年鑑別所』通称“ネリカン”や、渋めの街の本屋さんを数軒目にしながら、商店街の奥にある、小さな上板橋駅南口に到着。ここから道を西に50mも進むと、大きな黄色い観音開きの扉を持つ不思議な建物が見えて来る。建物脇に並ぶ自販機の奥に目をやると、そこに古本屋さんへの入口が開かれていた。ここは長らくお店を閉じていたのだが、嬉しいことに今年の夏から営業を再開してくれたのである。ポッカリ開いた入口上には、波のような洒落た看板文字があり、店頭には『BOOK』とある金属製の赤いオブジェ看板。そして三角型の金属製ラックが、連結しているかのようにお店の奥に続いて行く。中に踏み込むと、床を掃いているお姉さんが、手を休めずに「いらっしゃいませ」。細長い空間は、左にも広がる吹き抜けの空間に繋がっており、全体は逆さになった“L”字型をしている。壁際は本棚が設置され、フロアには三角型ラックが計八台置かれている。左壁はカルチャー雑誌が埋め尽くし、右壁は音楽&芸能雑誌がビッシリ。奥壁はファッション雑誌とアダルト雑誌がせめぎ合う。ラックには、ファッション・料理・絵本・音楽・アート・写真などの雑誌とムックが飾られている。またこのラックには、脇に三段の本棚が設けられており、幻想文学文庫・岩波文庫・ちくま文庫・料理・思想・風俗・写真・アート・幻想文学などの本が並んでいる。雑誌に力の入ったお店で、単行本&文庫は少なめ。雑誌専門の古本屋さんは神保町には多いが、街では確実に少数派である(他に品揃えの良いのは新古書店系か)。値段は割としっかり目。金属で出来たスペーシーな帳場には、先ほどのお姉さんとお洒落な中年男性の姿。「今日も遊びに来たわよ」と言う常連オバサマの横で精算していただく。中公文庫「ヨーロッパ旧婚旅行/小島直記」(署名本であった)「ウィリアム・モリス/小野二郎」を購入。

そして帰り道の「林家書店」(2010/02/03参照)で、角川文庫「第十番惑星/ベリャーエフ」旺文社文庫「のら猫トラトラ/鴨居羊子」をそれぞれ200円で掘り出し、ひゃっほうと小躍りする。
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2013年09月17日

9/17東京・神保町 友愛書房

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日射しは強烈だが、流れる乾いた空気に、秋の訪れを予感する。御茶ノ水方面から神保町に進入し、それがこの街の掟であるかのように、次々と店頭台を覗き込みながら、『神保町交差点』方面に進行して行く。交差点からは『白山通り』を北へ。歩むのは、古本屋さんの少ない東側の歩道である。200mもテクテク進むとひとつ目の信号があり、その脇に『こんな所に古本屋さんが…』と思ってしまう地味な佇まいで、静かなお店が存在している。ここは、西荻窪「BOOKS 待晨堂」(2009/11/28参照)や奥沢「古書 ふづき書店」(2011/02/21参照)に続く、キリスト教関連書の古本を扱うお店なのである。当然キリスト教に入信していない私にとっては、完全アウェー…果たして何か買うことは出来るだろうか…。細いビル一階の店舗はスチールパネルで覆われ、銀色の看板文字が輝く。所々にビルの古いタイル外壁が見えている店頭は、両翼にショウウィンドウがあり、左に聖書・辞典・全集類、右にキリスト教系の小説や、むっ!賀川豊彦の童話集なども飾られている。そして下には唐突に直置きされた看板が。臆しながらもガラス扉を開け、昭和四十年代な店内に入ると、天井の高く細長い、勝手に敬虔さを感じ取ってしまう空間。整理整頓が隅々まで行き届き、もしやチリひとつ落ちていないのでは、と思ってしまうほどである。左右には高い壁棚、真ん中にそれより低めな背中合わせの棚があり、脇に小さな文庫と新書の入った箱が置かれている。奥には宗教画と超巨大な革装本群に見守られた帳場があり、川本三郎風男性が静かに座っている。その背後左側は幅広な階段がドアに続いており、ちょっとした本置き場になっているのだが、何だか蔵への入口のようで格好良い。失礼の無いよう姿勢を正し、棚に向かう。右壁は内村鑑三・賀川豊彦・新渡戸稲造・キリスト教系学校史・キリスト教と日本・教会史・キリシタン・聖者・聖人・洋書がドシリ。向かいには聖書が多種収まっている。左壁はキリスト教研究・生物学・医学・美術・神学・説教集・福音書。向かいには教育関連が集まり、脇の箱には当然キリスト教関連ばかりの文庫と新書が詰まっている。店主の場違いな者への視線を感じながら、決して敵わぬ届かぬ棚を見詰め続ける…安い本を、掘り出し物を!などと浅ましく棚を見ているのは、冒涜に値する気がヒシヒシ…ううう、何か冷やかし的ですみません!と申し訳なくなりながら、箱から新教出版社「貧しき信徒/八木重吉」を抜き出し、帳場にて精算。優しい応対に、心の中で涙する…。

あぁ、さんたまりあ!とオツベルを思い出しながら、再び均一棚狩りに浅ましく励んでいると、情報屋の「やまがら文庫」さんにバッタリ。ちょっとお茶でもと「HINATAYA」(2012/10/11参照)まで行き、情報交換する。小一時間ほど話し込みすっかり夕暮れの表に出ると、オッサン二人の間を、冷たい秋の風が、サァーッと吹き抜けて行く。神保町に、秋が来た。
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2013年09月16日

9/16一周年と出版

交通機関が乱れている。それにさすがに疲れが溜まっているので、遠出する気力はとっくに溶け落ちてしまっていた。午後二時、台風がおとなしくなったのを見計らい、自転車を引っ張り出して、緑鮮やかな葉の散らばった、草と水の匂いが混じり合った道を走り出す。阿佐ヶ谷の古本屋さんは、まだシャッターを下ろしているところが多かった。それならばと、いちょうの葉と銀杏を踏み付けながら『青梅街道』を西へ走って西荻窪へ。

「古書西荻モンガ堂」(2012/09/15参照)は、何事も無かったかのように開いていた。店主・モンガ氏に挨拶してから、店内をしばらくウロチョロ。しばらく来ないうちに、品揃えがグンとアップしている気が…う〜ん、欲しい本が数冊あるが、さすがに値が張る…これはお金をしっかり貯めて、また来ることにしなければ!六興出版社「パンの會/野田宇太郎」創元推理文庫「最後の審判/ウィリアム・P・マッギヴァーン」を100円サービスの700円で購入。恐れ入ります。そして「モンガ堂」は何と昨日で開業一周年!その記念に作ったトートバッグをいただき、氏としばらく話し込みながら、さらなる営業記録更新を心からお願いしておく。

続いて駅方面に自転車を走らせて、「古書 音羽館」(2009/06/04参照)。おぉ!台風が過ぎ去るのを待ちかねていたのか、店頭棚に人が鈴なりになっている。その背後から素早く棚に視線を走らせ、左の入口から店内に潜入。講談社江戸川乱歩文庫「奇譚/獏の言葉」が500円で並んでいるのに喜びながら、メインの目的である本の雑誌社「西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事/広瀬洋一」(実は発売前の新刊で、取材・構成は「わたしのブックストア」の対談でお世話になった北條一浩氏である)と共に、本で埋まった帳場に差し出す。「音羽館」の本を「音羽館」で買うのは、何だかあからさまに愛の告白でもしているようで、妙に気恥ずかしい。奥にいた店主・広瀬氏に声をかけ、少しだけお話。常連でもないのに、いつも気さくに楽しく話して下さる氏に、感謝である。

台風一過の、私にしては古本屋さんとたくさん言葉を交わした、風の強い日であった。
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2013年09月15日

9/15愛知・尾張一宮はコスプレシティ?二店!

昨日は昼に夏葉社・島田氏とのトークに緊張を全力投球し(お越しのみなさま、本当にありがとうございましたっ!)、夜はそのまま撮影仕事に突入。疲れが抜け切らぬまま朝を迎え、土砂降りの早朝に東海道線で西へ…しかし案の定ダイヤは乱れる!途中、ええぃめんどくさい!とさらにダイヤの乱れた新幹線に乗り換え、乗車率120%のために洗面台スペースに立ち尽くして、護送されるように名古屋へ。おぉ、こっちは雨が降っていないのか。東海道線新快速に乗って北へ十分ほど向かうと、中型の地方都市尾張一宮。東口のロータリーに出て駅舎を振り返ると、地方都市の中にこつ然と未来のビルが現れており、そこだけまるで秋葉原のよう。おまけに街には衣装も髪もカラフルなコスプレイヤーが蔓延り、あちこちで写真撮影が行われている…何だか不思議な街に来てしまった…。

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●尾張一宮「福田書店」
ロータリーの南端から脱出して『伝馬通り』を東へ。歩道にアーケードの架かる商店街になっており、開いているお店は1/3ほど。道は新しく整備されているが、アーケードの上を見ると、居並ぶ建物が実は古めかしいことが良く判る。途中、商店街と車道をも覆うアーケードを持つ「本町通り」(ちょっとニューヨークの高架下に見えなくもない)の東端を掠め、おかしな所から切断され『内部図解』のようになってしまった廃ビルの前を過ぎると、『古本』とある立看板に嬉しく出くわす。アーケード下にはシンプルな店名看板文字、お店の中が丸見えの六枚サッシ扉の前には、疎らに雑誌の並ぶラックと立看板が二つ…中に見える本棚の本は、ずいぶん斜めになっているが…。店内はコンクリ土間で通路は広く簡素。古本屋さんと言うよりは、問屋さんの如き趣きである。奥の横長な帳場に座る、小さな断髪のおばあちゃんが「いらっしゃいませー」とプリティーな笑顔で迎え入れてくれた。三方は木製の壁棚、真ん中には背中合わせの頭くらいの高さの本棚が二本置かれている。前述した通り、ちょっとブランクが目立ち、本が斜めになっている所が多い。しかし棚の本数が多いので、本の量はしっかりとしている。右壁には実用・カルチャー・ビジネス・ノンフィクション・エッセイ・歴史・郷土史関連が並んで行くが、そのほとんどが真新しいバーゲン本や特価本のようである。しかし時折昔からの在庫なのか、古い本がポツリと挟まっていたりするので、油断は禁物である。向かいは新書と文庫が並び、真ん中通路はビジュアルムック・日本文学文庫・時代劇文庫・官能文庫。左壁棚にはコミック・BLノベルス・ミステリ&エンタメ・日本文学・全集類。向かいには一般単行本と時代劇文庫が並んでいる。三十冊に一冊くらい現れる古い本は大体100〜300円で、新しめの本たちは定価の半額くらいが基本となっている。ただし文庫は安めである。う〜んう〜んと、ちょっとお店の外観とはギャップを感じる新古書店的な棚に苦しみながらも、丁寧に棚を見て行くと、やった!300円の宮本幹也発見に成功!桃源社「燕小僧浮世草紙/宮本幹也」創元社「詩集 十年/丸山薫」(こっちは100円だ!)を購入。おばあちゃんはとてもしっかりしているのだが、動きが超スローモー。加速装置のスイッチを誤って押してしまったのではないかと思うほど、時間が突然ゆっくりとなる。そんなゆっくりな包装をゆっくり待って、お互いにニッコリしながら本を受け取る。愛知の一都市で、魂の交歓をした刹那であった。

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●尾張一宮「大誠堂書店」
そのまま通りを東に進み、アーケードから離脱して『本町交差点』を越えたら、通りは『城崎通り』と名を変える。楽しそうな脇道の誘惑に耐えながら、直ぐの『大江3丁目交差点』を越えた左手マンションに『古書』の黄色い看板を発見する。それは良く見ると三階ベランダ部分から飛び出しており、その横には看板文字も取り付けられている。しかしお店は一階のみで、店頭には四台の自転車と傘立てと回転式の印鑑ラック。店内は三本の通路を持ち、各棚下で横積み本タワーが幅を利かせている。奥の帳場の前面もズラリと横積み本で覆われている。そこには老婦人が店番中で、家の子供たちが本の通路を通って出入りを繰り返している…あぁ、実家が古本屋さんって、一体どんな感じなんだろうか…古本修羅としては、年甲斐も無く憧れてしまうなぁ…。左壁は200均単行本&文庫から始まり、ハヤカワポケSF75冊の下に、函入り本を中心に日本文学・日本文学&時代劇文庫・岩波文庫・風俗・古い本・古典文学・アダルト。向かいにハヤカワポケミス・ハーレクイン・大判美術系本・海外文学文庫・写真集・辞書類。真ん中通路は、左に文明・エッセイ・日本現代文学・歴史・民俗学・美術、右には新書とムックラック、それに週刊誌の置かれた平台がある。右端通路は、通路棚に実用と宗教、壁棚はペーパーバック・児童文学・絵本・趣味・美術図録・コミック・ヨーロッパ・文学評論・郷土史と続いて行く。街に必ず一軒はあって欲しい、オールマイティなタイプの古本屋さんである。棚の下半分が見られないのは残念。左端の古い本コーナーに光あり。値段は安め〜ちょい安。冨山房百科文庫「赤い蠟燭と人魚/小川未明」ピンポイント「東スポ伝説/東スポ探検隊編」を購入。

雨が酷くなる前に、早めに東京に帰った方が良いのだが、少し街をブラブラ。相変わらずコスプレイヤーが多いなと思っていたら、商店街の外れに『コスプレコミュニティスペース』なる建物を発見。ふむ、やはりこの街はコスプレに力を入れているのだろうか?などと上っ面な考察をしていると、隣りにある『鉄道模型喫茶』が激しく気になってしまう。何気なく中の様子を窺うと、壁際に設置された横長テーブルの上には、鉄道模型のジオラマが見事に広がっており、その前に男性客が横一列にズラッと座っている…やはりここは不思議な街だ…。

※お知らせ
『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』を連載中の、トマソン社BOOK5 vol.9」が発売になりました。今回は思い出の子供時代に通った、名も無き新刊店をツアー…のはずだったのですが、世の中恐ろしいことになってます…お楽しみに!
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2013年09月13日

9/13東京・高円寺〜荻窪店頭黄金ラインを走る

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本日は色々雑事に終われ、疲弊して解放されたのがもはや夕方。未踏店に行く時間も気力も無いので、自転車で夕暮れの街に出て、中央線高架下を疾走して高円寺「都丸書店 支店」(2010/09/21参照)と荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)の黄金店頭棚を見に行くことにする。まずは高円寺…どうも調子が出ない。いまいち手が伸びない…これは、昨日買ってしまった「富ノ澤麟太郎集」の副作用だろうか。妙に心が硬くなり、ちょっと買い惜しんでしまうのである。上村一夫がカバー&本文イラストの、エロ系実用ノベルスなど、買うべき本も見送ってしまう始末。早々に壁棚から離脱し、『すまん、トマル!』と心の中で詫びながら、高架下を西へ驀進する。ほどなくして荻窪に着くと、「ささま書店」の前が非常に騒がしい。どうやらビル壁面の養生の関係で、作業員とガードマンが大集合しているのだ。そこを掻き分け、店頭棚に貼り付いて行く。ようやくここで小学館文庫「眼の壁/マーガレット・ミラー」ハヤカワ文庫「パリ吸血鬼/クロード・クロッツ」を計210円で買うことが出来た。…何だか古本買いのリハビリでもしているようだ。調子に乗ってそのまま駅前を西に進み、「竹陽書房」(2008/08/23参照)にてさらにリハビリ。身を反らせて棚を眺めて行くと、おっ!伝説の古本屋店主の著書、弓立社「古書まみれ/中川道弘」を500円で発見。しかも署名入りだ!これでまた一歩、「上野文庫」(2012/12/12「追憶、上野文庫!」参照)の幻影に近付けた気がする。他にもJICC「別冊宝島 怪獣学入門」を300円で購入する。やはりこのお店は、今とてもホットだ!
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そして明日は、いよいよ夏葉社・島田氏と『本屋を旅する』をテーマに、新刊書店や古本屋さんについてトークいたします!島田氏とは色々なところで顔を合わせ、知らぬ仲ではないのですが、そこまで深く話し込んだことが無く、いったい明日はどうなるのやらと、ドキドキしながら楽しみにしております。もしかしたら『新刊書店VS古本屋』と言うことで、つかみ合いのケンカになるかもしれません。と言うわけで、明日は三連休の始まりですが、わめぞの古本市もありますので、雑司が谷で本にまみれてお会いいたしましょう。
「本屋図鑑」刊行記念トーク『本屋を旅する』
■島田潤一郎(夏葉社)×小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■日時 2013年9月14日(土)
■時間 13:20〜14:50(開場13:00〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館・第2、第3会議室
■定員 70名
■入場料:1000円
■特典ペーパー『古本屋ツアー・イン・夏葉社』
申し込み方法など詳しくはコチラを!→『本屋を旅する


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2013年09月12日

9/12探し求めていた一冊!

ここ二日ばかり、東京の下半分を広範囲に走り回り、散らばる古本屋さんをお遍路のように巡って取材。とにかく足で巡って巡って巡り倒したので、今は疲労困憊泥の中…。ちょっと特殊な会報の取材だったので、皆様の目に届くのかどうかは不明だが、詳細が決まり次第お知らせいたします。

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こんな調子だったので、大好物の古本屋さんに行ってはいたのだが、肝心のツアーは出来ず終い。しかしそれでも取材しながら本を買ってしまっていたので、今日はその収穫について報告いたします。いつものようにほとんど安値のものが中心だが、ちょっと奮発して買ったこの二冊はどひゃっほう!東都書房「バンのみやげ話/石森延男」は800円だが、何と見返しに著者からのメッセージが鉛筆で書き込まれていたのだ。『あなたのひとみを にごらさぬように 石森延男』…うぅっ、石森先生!ごめんなさい、すっかり濁ってしまっています…。もう一冊は、前衛詩人協会「鋭角・黒・ボタン 1961年・アヴアンガルド詩集」1200円である。見た瞬間に身体に電流が疾る北園克衛デザインの表紙もさることながら、中もピキピキに尖った詩と写真が掲載され、北園以外にも勝井三雄・白石かずこ・黒田維理・山本悍右などの名も。これが1200円とは安過ぎである!共に「祖師谷書房」(2009/03/05参照。右側通路の児童文学がずいぶん増えた気が…)の山の中から掘り出した逸品である。
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そして次は決して安くない一冊、東京沙羅書店「富ノ澤麟太郎集/横光利一編纂」である。渋谷の「中村書店」(2008/07/24参照)で、しれっと棚に何気なく挿さっていたのをドギリと発見。これは、国書刊行会「日本幻想作家事典(1991年版)」の『富ノ澤麟太郎』の項目を目にしてしまった時から、ずーーーーーーーーーーーーーーっと欲しかった一冊!ずーっと探していた一冊!EDI叢書でも読めたのだが、たった三編で満足出来るわけは無く、この一冊をとにかく心の片隅に抱えたまま、早二十年。何たって親友の横光利一が編集した本である。夭折した友人のために出した、昭和十一年の作品集…その熱い友情の一端にどうしても触れた気になりたくて、この一冊を欲し続けていたのである。古本屋さんで見たのがとにかく初めてだったので、判り易いほど『ガーン!』とショックを受けてしまう。…そして、この本が高いことは、充分過ぎるほど知っている…普通は大体三万〜四万の代物である。丁寧に棚から取り出し、藍色の函から本を取り出し、扉の『横光利一編纂』に目を潤ませ、続いて目次を確認する。おぉ!十一編も載ってるのか!ハラハラと頁を繰り、陰鬱で爛れたような幻想小説群の字面を目にして行く。そして、値段を確認!18,900円っ!ぐぉおぅ、高いが安い!こ、これは買うべきではないのか?買った方がいいのじゃないか?確かに高い。買ったとしたら、こんな高い古本を買うのは、本当に久しぶりだ…しかし初めて出会った、夢にまで見た古本が、高いとは言え相場よりは安いのだぞ!…何、ちょっと秋冬用のコートでも買ったと思えばいいじゃないか。そうだ、俺は心の秋冬用のコートを買うんだ!…いやしかし、やはり古本にそんなお金を遣って良いものだろうか…もっと他にやるべきこと、買うべきものがあるのでは…そのお金で地方の古本屋探索に行くべきでは…とにかく贅沢過ぎるのでは…。と、棚の前で古本を抱えたまま固まって懊悩。結局一晩考えてみることにする。すると、もはや頭の中はこの本のことばかりになり、色んなことが手に付かなくなってしまう。挙げ句次の朝、消費税が8%になることが決定した。…あの本は18,900円。900円は消費税だから、それが8%になると、19,440円になってしまうわけか…良し、上がる前に買おう!とムリヤリ心を決めて、お金を下ろして朝一番にお店に直行。スパッと購入し、本を抱えながら一日取材に奔走したわけなのである。あぁ、思い焦がれた本を手に入れてとても嬉しいのに、久々に大股で、“古本冥府魔道”にズッポリ踏み込んだ、後ろめたい気分…。
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2013年09月10日

9/10東京・自由が丘の古本屋さんに異変あり!

自由が丘の古本屋さん(2009/03/23参照)に何やら動きがあったようなので、慌てて見に行くことにする。

最初は『正面口』から出て、南側踏切近くの「西村文生堂」へ急ぐ。するとビル一階のお店は、すっかりお洒落なモノトーンに変身を終えていた!
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白と黒でシンプルに抑えられた外装、それに店名表示はすべて「NISHIMURA BUSEIDO」となり、そこには『BOOK CORDINATE STORE』『VINTAGE USED BOOKS&MAGAZINES』の文字が付属する…これは思い切ったイメチェン!かつては建物脇にズラッと整列していたラックやワゴンはスッキリと少なくなり、店頭ワゴンはよく音楽機材などを運ぶのに使われる黒いボックス、通称“棺桶”で形作られている。奥には以前と変わらぬ安売り文庫棚が二本あり、入口横には紐で括られた大量の大型本が積み上がる。何かちょっと慌ただしく、まだ改装中と言った状態に見えなくもない。重いスライド扉を開けて中に入ると、古本屋さんは既に何処かに消え去り、セレクトブックショップのように、見せるディスプレイに力を入れた店内に変化していた。右壁には手前に文庫棚が一本あり、後は大枠の棚が連続して、料理・大判美術本・ビジュアル洋書・革装本などが収まって行く。真ん中には木製ラックタワーのある大きな平台が据えられているが、現在は作業台として使用されている。左壁は一面が白いボックス棚で、洋書を中心にしながら、児童文学・映画・落語・暮し・復刻漫画&漫画評論・「現代詩手帖」・ハヤカワポケミス・探偵小説が飾られ並ぶ。古本の影を所々に残しながらも、洋書ビジュアル本をメインとする方向に大きく舵を切ったのだろうか…?ちょっとまだまだ整理が進行中のようなので、この先の動きに注目して行きたい。ちくま文庫「蘆屋家の崩壊/津原泰水」思潮社「現代詩手帖 北園克衛再読」を計800円で購入する。

次は駅に戻り、小さなアメ横的デパートビル『自由が丘デパート』地下一階の「まりら書房」へ急行する。がっ!お店はすでに畳まれ、地下の長く狭い通路から、古本の姿は風のように消え去っていた…何てこった。通路に佇み、かつてあったお店に『おつかれさまでした』と労いの言葉を放つ。
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地上に出て、『マリクレール通り』の「東京書房」に急行すると、ここはいつも通りに優しく営業中。ホッと安心しながら、店内200均棚の一冊、データハウス「動物園の昭和史/秋山正美」を購入する。
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2013年09月09日

9/9神奈川・辻堂 古本の店 つじ堂

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南口に出て、地上には下らずにそのまま空中通路を南へ。東寄りのビル沿いに東に進み、ちょっと長めの階段で地上に下り立つ。そのまま通りを南に進むと、小さい十字路を過ぎた所で、南東にナナメに延びる脇道が現れる。ヌルッと入り込むと静かな裏通り、三軒長屋の店舗兼住宅左端に、古本屋さんの姿が残されていた。何かポッカリとした印象を与えるお店であるが、しっかりと営業中である。入口上の店名看板は普通で現代的だが、店内からは得体の知れぬ古さが漂い出している…。中に進むと二つの部屋が縦に連続しており、その間はサッシで仕切れるようになっている。手前には、左右に棚付きの木製ワゴンと細い本棚、それに中央に小さな木製ラックがポツンと置かれている。床はコンクリ土間で通路も広々としているのだが、どうも殺風景である。左には100均(三冊200均)の文庫・単行本・児童文学、右には同じく100均のコミック・単行本・ノベルス・ハーレクインが並び、ラックには絵本とムックが少々。時間の遅れた棚造りが、早速胸を熱く焦がし始めている…何かあるかもしれない…。奥に進むと、左右に造り付けの木製壁棚があり、真ん中には棚付き木製ワゴン。右奥に帳場があり、裏側にTシャツ姿の老婦人が隠れるように収まっている…気配が無いので、新聞をめくるまで気付かなかった…。こちらも整理整頓が行き届いているからこその殺風景さを見せており、加えてとても静かな空間となっているので、妙なプレッシャーを勝手に感じ取ってしまう。左壁は映画・実用・自然・日本文学・詩集少々・歴史文学・歴史・文化などが並び、左奥には和本の飾り棚もあり。向かいは日本文学文庫と海外文学文庫が収まり、棚脇にはアダルト雑誌ラックが設置されている。右壁は大判ビジュアル本と美術本・海外文学・ミステリ&エンタメ・ノベルス・美少女コミック・全集類。向かいは古めのコミック一色となっている。基本的に時間が遅れ気味、停まり気味である。動きの活発なのは、文庫・アダルト・美少女コミック・ミステリ&エンタメであろうか。値段はちょい安〜普通。木製の什器と殺風景が織り成すハーモニーに、否が応でも昭和を感じてしまうお店である。ケイブンシャ文庫「野坂昭如雑文の目1/野坂昭如」廣済堂文庫「淡雪の木曽殺人行/梶龍雄」(ひゃっほう!)を購入。
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2013年09月08日

9/8東京・高円寺 西部古書会館 大均一祭二日目

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小雨の中、自転車を駆って高円寺へ。すでに開始から三十分経ってしまった、『西部古書会館』で開かれている「大均一祭」の二日目。昨日は二百均だったが、今日は百均なのである!『SALE 古本 100円』のビラが踊りまくる会場。すでに『兵どもが夢のあと』の気配が漂っているが、古本修羅たちが粘り強い姿を頼もしく蠢かせている。それにしてもこれが全部百円とは…もちろん百円で当然の本も並んでいるが、これが百円!と思う本も当然棚に挿さっているので、本への価値観が微妙に揺らぐ破壊力を秘めたお祭なのである。古本を探すと言うよりは、何か宝探しゲームにでも参加するような気分…。この大量の本の中から、自分の欲しい本を見つけ出す…そこで私は財布の中の小銭を見る…百円玉が四枚か…良し!気軽に買っていたら大変なことになりそうなので、この手持ちの小銭400円分、つまり四冊だけを吟味に吟味を重ね、買うことにしよう。そう心に固く誓って、入口平台の間と、三本の通路をさまよい続ける。古い古書店目録に目を惹かれたりしながら、背の読めない本を取り出して確認して行く。文庫は少ないが、探す楽しみはちゃんとある。波のように上下しながら、左端から順番に棚に食らいついて行く…右端通路の右壁棚手前にたどり着いた時には、すでに一時間が経過していた。結局、徳間コミュニケーションズ「ウルティマ恐怖のエクソダス 完全攻略テクニックブック」JICC出版局「イース必勝ガイドブック」(二冊とも80年代後半のゲーム攻略本である)講談社文庫「匣の中の失楽/竹本健治」未来社「日本陥没期/上野英信」(やった!)を、「コクテイル書房」(2010/04/25参照)さんの精算で購入する。良し、よく自分を抑えたぞ、俺!

※お知らせ
いよいよ六日後に迫った『みちくさ市』トーク。配布の特典ペーパーを、焦りながらどうにか作成することに成功いたしました!
気になる方は、ぜひ9/14の『本屋を旅する』へ!
全国の本屋さんと古本屋さんとそこに旅する人間に、チラとでも興味のある方も、ぜひとも駆け付けて下さい!

「本屋図鑑」刊行記念トーク『本屋を旅する』
■島田潤一郎(夏葉社)×小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■日時 2013年9月14日(土)
■時間 13:20〜14:50(開場13:00〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館・第2、第3会議室
■定員 70名
■入場料:1000円
■特典ペーパー『古本屋ツアー・イン・夏葉社』
申し込み方法など詳しくはコチラを!→『本屋を旅する
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2013年09月07日

9/7東京・中野富士見町で聖堂通りに土曜の奇跡二店!

救世軍(キリスト教伝道&社会福祉の団体。日本の本部は神保町にある大きなビルである)のバザーで古本が売られているのを嗅ぎ付け、指折り数え開催日の土曜を待ってから、早起きして自転車で急行する。場所は中野富士見町駅から『本郷通り』を西へ500m。『和田二丁目交差点』で北の『聖堂通り』へ。通りを西に100mも進めば会場にたどり着くのである。しかし私は通りの西側からアプローチしたために、驚くべき光景に直面したのであった…あそこがバザー会場か?シャッターの閉まった商店の前に、ダンボール箱が並び、人だかりが…。

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●中野富士見町「元禄堂」
看板には『神田商店』とあるがシャッターが開く気配は無く、ただ右端の暗い戸口から、大柄な柔道部員的青年が黙々とダンボール箱を運び出している。それらが店頭左右におよそ四十ほど配置されたら、どうやら開店準備完了…こ、これは古本屋さんなのか?すでに裏通りの寂れた商店街とは思えぬほど、人が足を止めて箱の中を漁り始めている。映画パンフ・おもちゃ・色紙・紙物・スクラップ・大判美術本・古雑誌・古漫画雑誌・アイドル本・地図・コミック文庫・漫画関連本・レコードなどが、小ぶりなダンボールにそれぞれ詰まっている。単行本は二箱ほどで、どちらかと言うと古道具屋さんの雰囲気なのである。突然の出会いに“古本ギア”をトップに入れつつ、箱を次々覗き込んで行く。値段は付いていない物がほとんどなので、入口前にドッカリ腰を下ろした店主に聞くシステムらしい。一冊の映画パンフを選んで、店主にグッと差し出す。「100円です」と即答されつつ「ここは古本屋さんなんですか?」「えっ、ええ。まぁ〜…そうですね」「いつも開いてるんですか?」「土曜はいつもやってます」とのこと。なるほど、どうやらここは事務所店で、土曜の「救世軍バザー」の集客を当て込み、店頭で限定開店しているとみた!何とも面白いお店に、偶然出会ったものだ。東宝株式会社「翔んだカップル/まことちゃん」(この二本立てはイカンのではないだろうか…)を購入。

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●中野富士見町「救世軍バザー」
「元禄堂」の東寄り100mほどにある『救世軍男子社会奉仕センター』へ向かう。壁には『救世軍バザー会場』の貼紙があり、毎週土曜の午前九時〜午後二時の開催を告げている。階段を上がって中に入ると、うぉっ!大量の人々が右往左往する縦長の広い空間。中央通路を軸にして、左右に古着・美術品・玩具・食器・家具・文具など、様々に小分けされたゾーンが振り分けられている。すごいぞ、これはちょっとしたショッピングモールだ。古本の姿を探し求め、ズンズンズンズン奥に進むと、右奥の手洗所通路脇に『本 BOOK』のコーナーを発見。通路側には文庫ワゴンと文庫棚(ノベルス少々)と文庫箱で出来た仕切り島、右側には実用・ガイド・ムック・ペーパーバックの並んだスチール棚とペーパーバック棚、真ん中には絵本と児童文学で出来た島があり、奥壁には単行本とコミックのスチール棚が設置されている。レジは右奥。足下にも本の詰まった箱や袋が置かれ、通路は少し狭めとなっている。中々見応えのある量がコンパクトに集まっており、古い本も少々登場。値段は文庫が一冊50円、単行本が定価の一割と激安である。ちくま文庫「男の花道/杉作J太郎」学研昭和38年「4年の学習付録 六つのすてきな物語」鶴書房「ポンコツタイムマシン騒動記/石川英輔」を購入すると、「150円」と告げられるや否や「140円でどうですか」と、電光石火の十円値引。ありがとうございます。

静かな土曜日に、一瞬だけ姿を見せる、都会の片隅の二店だけの古本通り。こんな、日常がちょっと捩じれる蜃気楼のような場所が、もっともっとないだろうか…。
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そして今日の収穫は間違いなく「六つのすてきな物語」なのだが、インパクトではこの一冊が絶大過ぎる!このダブル表紙はもはや人間の理解を超えた異世界である。
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2013年09月06日

9/6東京・南砂町 フタバ図書TERA南砂町店

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東西線で東京の地下を東へ。『出口3』から地上に出ると、空地と集合住宅の上に曇り空が広がり、四方から建築工事の槌音が響いて来る。『新砂あゆみ公園』内を通って『永代橋通り』に出る。後は断崖絶壁のような集合住宅の足下を東へ進む。するとすぐに右手に『SUNAMO』と言う名の巨大複合ショッピングセンターが出現…どうも“スナギモ”を連想してしまうな…。ここの三階に広島からやって来た、中古本も扱う巨大書店『フタバ図書』が入っているのだ。『フタバ図書』は「GIGA椎名町店」(2009/10/19参照)に続く、二店目のツアーである。入口でフロアガイドを手にして、巨大建築の三階南西翼を目指す。するとそこには、開かれ、柱と本棚が林立する広いフロア。奥のCD&DVD売場との境目に、リサイクル本コーナーはまとめられていた。天井から大きな看板が下がり、柱にも大書されているので、見つけ出すのは容易かった。七本の通路棚と、六台の315均ワゴンと一台の105均ワゴン、それに新刊書店に引けを取らぬ新刊&準新刊棚でコーナーは形作られている。ワゴンはほとんどが単行本で、ビジネスとエッセイが多い。新刊は定価の二割引、準新刊は定価の三割引で、驚くほどフレッシュな本を並べている。コミック&ラノベ以外の古本が集まるのは、右側の通路四本で、右端がワゴン・準新刊・ビジネス・ミステリ&エンタメ。第二通路が生活・実用・サブカル・タレント・人文(『詩集 戦記』の乱暴な括りが凄い)・エッセイ・児童文学・参考書。第三通路が105均本(単行本・文庫・新書・ノベルス・雑誌)・自然・コンピュータ・海外文学・ハーレクイン・新書・海外文学文庫・雑学文庫。そして第四通路が、日本文学文庫と時代劇文庫で埋められている。本は新しいものがほとんどで、蔵書量はまあまあ。文庫より単行本棚の方に面白みがあるようだ。値段は定価の半額である。山と渓谷社「冬人庵書房 山岳書蒐集家の60年/野口冬人」(古本屋話も盛りだくさん!)を購入。
posted by tokusan at 13:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月04日

9/4東京・神保町 KEIZO BOOKS

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今日も神保町へフラフラ。『明大通り』を南に向かい、『リバティータワー』南脇の小さな並木道を西に進んで行く。ビルの裏手を見ながら、途中ぐいんと南に曲がり込むと、『錦華通り』へと流れ出るちょっと栄えた緩い坂道。右手中ほどにある、ビジュアル洋書の古本屋さんに突撃する。シンプルな深緑の日除けの下は、『世界の絵本大量入荷』の文字と、お店の説明をする子供のイラストと、横積みのアート系洋書が積み上がるガラスウィンドウ。いつもは店頭に、店内と関係性の薄い100均新書ワゴンが出ているのだが、突然牙をむく豪雨を恐れてか、今日は店の中に仕舞われているようだ。扉を引いて中に入ると、本が迫り来る空間…元は洋書を扱うに相応しいシックな内装であったようだが、積み重なる本の山々が、もはや店内を普通の古本屋さんの風景に変えてしまっている。それにしても積み重なる本は、基本的に大判のハードカバーが多いので、その安定性は計り知れないものがある。ただし!床にはきっと、恐ろしいほどの加重が…あぁ、想像するだけで恐くなる…。店内は細長く、左には奥の奥まで木製の重厚な壁棚が設置され、棚脇には時折小さなジャンル札が登場する。棚前には横積み本や表に出るはずの新書の山もあり、どうにも雑然とした始まりとなっている。通路は奥に向かって一本だけ延びており、手前スペースは右壁ラックと中央ラックで小空間を造り出している。ラックにはイラスト集や作品集・絵本が飾られ、絵本&児童書のワゴンも置かれている…もちろんすべて洋書である。奥は通路から右を帳場兼作業場が占領しているようだが、本の壁に阻まれ確認は困難である。左壁は、自動車・バイク・ナイフ・建築・インテリア・グラフィック・料理・ファッション・自然・ミリタリー・映画・写真・解剖図・素描・彫刻・レゾネ・近代美術・エロティック・美術図録・美術全般と収まって行く。最下段にはA3以上の大型本がドスドス並び、革装本の姿もあちらこちらに。BGMとして流れる『G線上のアリア』に聴き入り、アルファベットに目を回しながら、海外のビジュアルの海をどうにか泳ぎ切る。値段はビジュアル&アート本としては、リーズナブルな値付けが多い気がする。毎日新聞社「モンパルナスのエコール・ド・パリ」を購入。

この後『錦華通り』を渡って裏路地をプラプラしていると、小さな小さな古本屋さん「いにしえ文庫」(2011/12/14参照)の異変に気付いてしまう。店主が店先で、手持ち無沙汰にユラユラしているのだ。近付いて様子を窺ってみると、ややっ!店内に大柄な二人のお客さんが入り込んでいるじゃないか!お客さんに本を見てもらうため、店主が表に脱出しなければならないとは、何とラジカルな営業形態!「やっぱり素敵だ、いにしえ文庫!」と胸中で叫びながら、小さな古本屋さんの集まる四つ辻を後にする。
posted by tokusan at 19:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする