2013年10月31日

10/31どうにか完成特典ペーパー!

本日は朝から神奈川県を、鎌倉→逗子→黄金町→関内→綱島と駆け巡り、帰って来たら午後六時過ぎ…。そして今しがた、どうにか11/2の『古書店開業入門講座』で配布する特典ペーパーを完成させる。名付けて「ここ二三年のうちに新しく出来た神奈川の古本屋さん」!当日トークもする「たけうま書房」(2013/03/29参照)&「中島古書店」(2012/08/14参照)も含めた全五店(+二店)を軽快に解剖したつもりである。珍しく店内で撮らせていただいた写真も掲載。せっかくの開業入門講座なので、古本屋の道に入り込む方の参考に、少しでもなればよいなと思っております。
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…それにしても最近は、単行本作業も佳境に入りつつあるので(今日はカバーに入れるイラストが上がって来たので、疲れたらそれを眺め、目尻を下げて、阿呆のようにニヤニヤしていた)古本屋に全方向からガボゴボ溺れる日が続いている。幸せだが、何だか少し不安にもなる。このままでは、真の“古本屋ジャンキー”になってしまうのではないかと(すでに、この世に古本屋が無かったらと思ったら、ゾッとしてしまう自分はここにいる)。…いや、もうなっているのは確実なのだが、これ以上ひどくなるのはどうなのだろうかと……だが、迷って、怯えている暇などないはずだ。ここはやはり、己と古本屋さんを信じて、突き進むべき!今立ち止まるなんて、もってのほかだ!…と言うわけで、引き続き十一月も“古本冥府魔道”を驀進する決心を、たった今固めました!よし、明日は何処に行ってしまおうか。

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2013年10月30日

10/30東京・神保町 新・かんけ書房

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神保町での打ち合わせを終えて外に出ると、『靖国通り』沿いには古本露店が並び賑わいを見せている。しかしそれには背を向けて、『神保町交差点』から『靖国通り』北側歩道を東に50mほど。ビアホールの入ったビル手前の広い脇道に入り込む。北に向かい、十字路をひとつふたつと越えると、左手ビルの階段下に、殊更小さい『古本』の立看板が立っている。水道橋駅近くにあったお店(2010/05/29参照)から、いつの間にか移転していた「かんけ書房」である。本の雑誌11月号掲載記事『二階の古本屋さんを畏れて巡る』で取り上げさせてもらったお店ではあるのだが、正式なツアーはまだなのであった。と言うわけで、本日が二度目の訪問である。息を殺して階段をスソスソ上がり、左の通路を覗き込むと、おぉぉっ!鉄扉が開いている!これはオープンで入り易いぞ!と気負うことなく、スムーズにワンルーム的な細長いお店の中へ。入るとすぐ右には大きなガラスケースが置かれ、ヨダレの止まらなくなる貴重な漫画や児童書類が飾られている。その横に帳場が続き、キーボードを軽快に乱打している店主に頭を下げる。左は一面壁棚で、絶版漫画・貸本漫画・エロ劇画・探偵小説文庫・少女小説・ジュブナイル、そして一番奥に探偵小説・少年探偵小説の棚が置かれている。真ん中には平台付きの背の低い本棚があり、左側通路には復刻漫画・雑誌付録・付録漫画・児童入門書が収まり、右側通路にはテレビ・ウルトラ&ライダー関連・漫画入門&評論・少女&学年誌・映画が並ぶ。棚脇にウルトラ&ライダー・怪獣・手塚関連のビジュアルムックも集まっている。奥壁には小さなサンデーコミックス棚が一本置かれ、右壁には古い少年漫画雑誌やコミック文庫・児童書が置かれている。以前よりお店は小さくコンパクトになったが、昭和三十〜四十年代の子供の夢が、相変わらず濃厚に蒐集されている。値段はしっかりのちょい高。懐かし過ぎるてんとう虫コミックス「名たんてい カゲマン/山根あかおに 2・3巻」を計1100円で購入する。一巻がなかったのが、口惜しくてたまりません…。

お店を出たら祭の賑わいを尻目に、神田駅方面へタッタカ駆け付け、早川書房の『ポケミス全点展示会』を観覧する。
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広い二階フロアに一方通行の通路が造られ、ラックと長テーブルに1775点のポケミスが、まるで犯罪の証拠品のように並べられている。本は皆美しく壮観である。しかしこの場に、1775件以上の殺人が封じ込められていると思うと、人間の果てしなき業の深さに少しゾッとしてしまう。帰りに臨時売店となった早川書房受付で、ポケミス手帳(黒)を購入。

さらに新宿に移動し、「古書赤いドリル」(2013/08/13参照)那須氏と落ち合い、しょんべん横丁に雪崩れ込む。実は東京古書組合南部支部が作った支部報・第48号に『南部支部の各班古本屋遺産を巡る』と言う、一風変わった変態的視点で古本屋さんを眺めたレポートを寄稿させてもらったのである(全8ページ)。出来上がった本を受け取りつつ、打ち上げ。今日も楽しく愉快な古本屋さんの話に終始する。ちなみにこの冊子は一般には販売されていないので、記事を読みたい方は南部に所属する懇意の古本屋さんに、こっそり見せていただくのが唯一の道となっております。
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さて、相変わらず古本屋さん三昧のイカレタ毎日を送っていますが、明日は11/2の神奈川古書組合の講演用に配布する、特典ペーパーのために、神奈川を飛び回る予定です。

11/2(土)反町の神奈川県古書会館で行われる『古書の日イベント 古書店開業入門講座』で、またもや講演させていただきます。時間は15:30〜16:30ですが、個人的にはその前に行われる『新世代古書店トークショー たけうま書房&中島古書店』が必見かと。稀に見るローテンションでマイペースなトークを、必ずや展開してくれることでしょう。横浜に降臨した新しい古本屋の風を、その目で見られるチャンスです!
●古書の日イベント 古書店開業入門講座
●2013年11月2日(土)午後一時〜午後五時
●受講料無料
●募集人員 50名
●応募方法
Eメールまたは電話(FAX)またはハガキでご応募ください。
kanagawa_kosho@bg.wakwak.com
TEL:045-322-4060 FAX:045-322-4122
〒221-0825 横浜市神奈川区反町2-16-10 神奈川県古書会館内
(ハガキによる応募は返信用ハガキつきを使用してください。裏面に〒住所氏名記入か、返信用ハガキに〒住所氏名記入をお願いします)

●PM1:00〜2:00 ワイワイコミュニケーション 女性の会(女性古書店の体験談)
●PM2:15〜3:15 新世代古書店トークショー たけうま書房&中島古書店
●PM3:30〜4:30 古本屋ツアー・イン・ジャパン講演


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2013年10月28日

10/28快挙!岡崎武志氏と合同古本屋ツアー!

今日は岡崎武志氏の呼びかけで、合同古本屋ツアーを決行!なので血がブルブルと騒ぎまくりです!失礼の無いようにしながらも、しっかり爪痕を刻まねばと考え過ぎ、肩ならしのためにまずはひばりヶ丘に先乗りして、四年ぶりの「ひばり書店」(2009/05/26参照)へ。店内に踏み込んだ瞬間に、あれ?こんなに楽しめる古本屋さんだったけ?と改めてその良さを再認識。ちくま文庫「遊覧日記/武田百合子」てのり文庫「コックリさんを楽しむ本/荒木葉子・塩野広次」筑摩書房「星屑の海/実相寺昭雄」大和書房「夜ごとの円盤/実相寺昭雄」を計1600円で購入し、肩ならしどころか全力投球してしまった自分を反省する。しかしこうなるともはや勢いは止まらず、北口の古本横積みタワーが危うく揺らめく「近藤書店」(2010/11/07参照)にも急行。古本タワーの倒壊に気を付けつつ、文庫の安さに驚きながら、筑摩書房「ちくま日本文学 尾崎翠」ちくま文庫「文豪怪談傑作選 小川未明集」光文社文庫「子供の大科学/串間努」を計750円で購入。

すっかり鞄を重くしてしまいながら、岡崎氏との待ち合わせ場所である、大泉学園の「古書籍 ポラン書房」(2009/05/08参照)へ。夕暮れの中均一台を覗き込んでいると、岡崎氏が風のように登場!ご挨拶をしつつ、戦中前後の春陽堂文庫装幀の元ネタである、ドイツの文庫を発見し大いに喜ぶ。
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※クリソツです!ドイツの文庫はゲーテのファウストである。
久しぶりの店内では、次々と古本が懐に飛び込んで来てしまい、嬉しい悲鳴を上げる羽目に。中でも素晴らしかったのは角川書店「愛についてのデッサン/野呂邦暢」の初版帯付きが、格安の2100円で!他にはサンリオ文庫「競売ナンバー49の叫び/トマス・ピンチョン」角川文庫「横溝正史読本/小林信彦」創元推理文庫「立春大吉/大坪砂男」を計1785円で購入。
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※均一台と岡崎武志氏

すっかり調子づき、駅南口で西武バスに乗り込み、夜の住宅街の車窓を楽しみながら、吉祥寺へ、バス停の道路向かいには「藤井書店」(2009/07/23参照)の頼もしい影。ここでも改めて本の安さに目を見張りながら、ちくま文庫「人間狩り/フィリップ・K・ディック」を250円で購入。…気持ちよく散財してしまいました…、

この後は岡崎氏と吉祥寺で痛飲。古本屋情報をこれでもかと交換し(氏が出久根達郎氏のお店、高円寺「芳雅堂」に行ったことがあるのを本気でうらやましがったり…)、次回は地方遠征合同古本屋ツアーをと、三時間余り盛り上がる。今回のツアーの顛末は、次号の「日本古書通信」『昨日も今日も古本さんぽ』に書かれるそうなので、ちょっと先ですが当ブログと合わせてお楽しみ下さい。…それにしても、今日は古本を買い過ぎたかな…。
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2013年10月27日

10/27埼玉・久喜 B・Cパル

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湘南新宿ラインでちょっとだけ北へ向かう。駅東口に出ると、利根川の様々な警戒水位を示す『ときの塔』が建つロータリー。そのまま東に歩き出し、斜めに街を流れる川を越える。300mほどの交差点で北に曲がり、歩道にレンガを敷き詰めた新興住宅地な通りをひたすら進む。風が強く、落ち葉がカサコソケソコソ足下を舞い踊っている。500m強で、車が数珠つなぎになっている県道にぶつかるので、そこを再び東へ。北関東特有の高い青空の下を、風に吹かれながら歩いて行けば、『喜橋交差点』の手前に『本買います』『古本』などの文字が、必死にアピールするお店にたどり着く。住宅兼店舗の、街のリサイクル古書店である。“B・C”はやはり“ビフォア・クライスト”なのであろうか…。大きな緑のテント看板は、軒だけかと思ったら、右側壁までも大きく広く覆っている。そこには『本CD買います』と、凶暴な大きさで書かれていた。看板下にはカーブを描く白い格子の窓があり、雑誌ラックさえなければ、まるで美容院のようである。中に入ると。丁度ご夫婦が店番を交代されるところで、お二人に時間差で「いらっしゃいませ」と声を掛けられる。お店は細長くキレイで、右に短い通路が二本、左に長めの通路が三本。入口左横に帳場があり、格子窓から飛び込む陽光に、キラキラと輝いている。入口右横にはタレント本と音楽CDが固まり、右壁はラックとなって雑誌やビジュアルムックを並べている。右奥には女性エッセイ・ティーンズ文庫・児童文学のコーナーあり。そこから後はコミックが大量に並んで行くのだが、左から二番目の通路左側に六本の文庫棚があり、キレイな雑学文庫・ラノベ・日本文学文庫・日本純文学文庫・文庫揃いを収めている。そして左端の行き止まり通路は、右側に時代劇文庫・官能文庫・海外文学文庫。左側にノベルス・ミステリ&エンタメ・海外文学・ビジネス・岩波文庫・ちくま文庫・新書・美少女コミックを並べ、奥に小さなアダルト空間を設けている。帳場横と背後には、ちょっと色褪せ気味だが、絶版漫画棚も据えられている。文庫に関しては、しっかりと現在進行形がとられているようだ。値段は書かれていないが、定価によって100・200・300〜と定めるシステムで、全体としてはちょい安であろう。講談社文芸文庫「水晶幻想 禽獣/川端康成」春陽文庫「天を行く女/城昌幸」を購入。

駅にトコトコ戻り、乗って来たJRではなく東武線に乗り込めば、帰りに“黄金の古本屋”さん「プラハ書房」(2010/12/22参照)に立ち寄れるではないか!と、単独で盛り上がりながら蒲生に急行する。深呼吸して、西日で金色に輝くお店に入り、久々の棚たちと対峙する。今日は文庫があまり引っ掛からないな…と、生意気にも一抹の不安を覚えていると、ノベルス棚の上にポプラ社の乱歩・ホームズ・ルパンが積み上がっているのが目に入った。しかしその中に、何だか異様な装幀の本が紛れ込んでいる…むぁっ!山中峯太郎の名探偵ホームズ全集!背がちょっと青色吐息だが表1はキレイなカバーがちゃんと付いていて500円!後は勢いに任せて乱歩も掴み取り、帳場にドンと置く!ポプラ社「名探偵ホームズ全集3 獅子の爪/原作ドイル・山中峯太郎」少年探偵江戸川乱歩全集「黒い魔女」「一寸法師」春陽堂版江戸川乱歩文庫13「暗黒星 恐怖王」朝日ソノラマ「プレイポケット サバイバル入門」を、計1900円で購入する。ふぅ〜〜。やはり今日もここは、“黄金の古本屋”さんであってくれたか。「プラハ書房」よありがとう!
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※表4は乱歩先生が乱歩賞のために作ったホームズ像だ!

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2013年10月26日

10/26東京・八丁堀の周禮は11/22閉店!

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本日は午後から、外苑前の貸し会議室にて、人々が試験を受けている所を撮影する珍妙なお仕事。試験を受ける立場でないことに、真剣にホッとしてしまう。四時間余りの仕事を終えると、外はもはや薄闇へと変わり、雨はすっかり上がっていた。地下鉄を乗り継いで、人気の無い八丁堀へ。亀鳥川を越え、夜の水音を心地良く耳にしながら、およそ五年ぶりのお店へ向かう…。この辺りをテリトリーとする「脳天松家」氏からのタレコミで、「周禮 新川店」(2008/12/26参照)が、店舗販売を十月一杯で終え、11/22に完全閉店することを知り、慌てて駆け付けた次第である。暗闇に浮かび上がる銀行のような外観。そのガラスウィンドウには、所々に閉店のお知らせが貼り出されている。おぉ、全品半額なのか…卑しい古本ハイエナ心にポポッと火が点いてしまう…。通常営業時とほとんど変わらぬ店内。先ほどまでの立ち仕事で疲れてはいても、勇猛に狭い通路を突き進み、今日の獲物の影を追い求める。店内には数人のお客さんが、同じようにウロウロしている。相変わらず新古書だらけの棚であるが、『半額だ!』と心にビシビシ鞭を打ち、三冊を抜き取るのに成功する。レジでおっとりとした老婦人に精算していただく。「すべてはんがくですので、ぜんぶで700えんになります」と深々とお辞儀。ちくま学芸文庫「柳宗悦コレクション3こころ」ウェッジ文庫「彼もまた神の愛でし子か 洲之内徹の生涯/大原富江」河出文庫「猥褻風俗辞典/宮武外骨」を購入する。本は大体定価の半額なので、半額の半額で買いたい方は、明日にでも万難を排して駆け付けるべし!
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2013年10月25日

10/25東京・二子玉川 陽明堂 日原書店

古本も売っていると言う触れ込みの新刊書店に急行したら、シャッターが閉まり『本日の営業は16時〜21時』の貼紙が…。改めて来ることにして、次は反町に急行し、「神奈川県古書会館」(2011/09/19参照)で11/2に行う講演の打ち合わせをする。色々話し合い決めながら、今回の来場者特典ペーパーは何を作ろうかと、頭脳をフル回転…やはりテーマはあれか…。打ち合わせ後は、まだ午後四時だと言うのに、飲みに行くことに!おぉ、これが古本屋さん的アウトロータイム!と、常々妄想していた古本屋さんのロックン・ローラー的生活の一端を、お言葉に甘えて享受させていただく。二時間ほどディープな横浜駅西口で、軽くアルコールに溺れる。

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解散したら時刻はまだ午後六時五十分。電車を乗り継ぎ、夜の二子玉川に舞い戻る。まずは西口にに出て『玉川通り』を北に遡上。左手に有機的な装飾を纏った『玉川高島屋』を見ながら、それが終わる空中通路下の信号で西に曲がり込む。高い首都高高架を潜り、現代建築が建ち並ぶオシャレエリアから離脱する。『二子玉川小学校入口交差点』で再び北に曲がり込むと、行く手は地味な『二子玉川商店街』となる。テクテク歩いて行けば、左手にすぐに明るい光を濡れた路上に投げ掛ける、街の本屋さんの姿が…本当に古本は売られているのだろうか?白いプラ日除けの下を潜って中に入ると、コンクリ土間で細長い、昔ながらの新刊書店である。壁棚はコミックで埋めつくされ、真ん中の通路棚には文庫がズラリと並んでいるが、すべてスリップの挟まった新刊本。棚下に集まる雑誌との間に、放置されたような本が散見されるが、とても売り物と言う感じではない。と言うことはやはり、入口近くの色褪せた本を並べる壁棚が、古本ゾーンなのだと予想してみた!右壁にはファミコン時代からの埃を被ったゲーム攻略本、左壁にはコミックと雑本的単行本を確認する。左ではめぼしい本を発見出来なかったので、右のゲーム攻略本にすべてを賭ける!悩みながら二冊を抜き出し、入口側中央の帳場に座った佐々木功風店主に渡すと、「あぁ、これは古い本ですいません。先代が突然逝きまして、その時から抱えている不良在庫なんですよ。申し訳ないんですが、このまま売らせていただきます」とスリップを抜き取り、正規の定価で精算されてしまう。どうやらこのお店で“古本”と言うのは、単に定価で売っている“古い本”のことのようです…あぁ。それでも攻略本好きには、何かしらの発見があるかもしれません。双葉社「ゲームボーイウォーズ必勝攻略法」アスペクト「真・女神転生ファンブック 邪教の館倶楽部」を購入。
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2013年10月24日

10/24東京・用賀 古書 月世界

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またもや「古書現世」(2009/04/03参照)向井氏よりの有力なタレコミである。数ヶ月前に開店したお店とのことであるが、ウカウカしていて見事にノーマークであった。新たな古本屋さんが出現していた喜びと、それを知り得なかった悲しみをないまぜにし、「からさわ書店」(2010/03/23参照)訪問以来の現地に、田園都市線で急行する。改札を抜け、南口への長い地下通路からすでに薄闇の地上に出ると、南の空には重たげな首都高が通っている。その下を潜ってそのまま南西に歩き続ければ、『国道246号』と『環八通り』がぶつかる『瀬田交差点』。ここからは環八に沿って進み、南東にツラツラ…。駅から一キロ弱で『瀬田中学校交差点』に到着すると、明る過ぎるローソンの隣りで、古本屋さんが素朴な月のように新しい光を放っていた。丸見えの店内は、一見洒落た感じにも見えるが、これは恐らくほぼ居抜きで使用しているのだろう。表のガラスには黄色い塗料で、店名や営業時間が書かれている…黄色と通りの暗闇が、この瞬間にはイカした店名と共鳴している気がしてしまう…。中に入ると白く広い空間で、手前1/2がお店スペースとなり、後は作業場兼帳場とカーテンで隠されたバックヤードとなっているようだ。お店部分の床には、何故か緑鮮やかな人工芝が敷き詰められている…足裏の感触から想像するに、凹凸した剥き出しの床を隠しているのでは…フフフ、手作りなお店だ。しかし壁際にはあまり見たことのないような、見るからに頑丈で武骨な、白い合金の本棚が設置されている。入口左奥に一本、左壁際に一本、作業場との仕切りとなり一本、そして入口右横から右奥の帳場までの壁際を走っている。フロアには横向き・縦向きに小さな背中合わせの本棚が置かれている。帳場には古本屋さんが天職であるかのような青年が、静寂の中でひとり店番中。入口左横には100均単行本の詰まった箱がいくつか置かれ、それを見てから隅の棚の前へ。性愛・民俗学などが真面目に収まっている。左壁は美術・写真・岡本太郎・自然科学・古本関連など。フロア棚には、表側に一般文庫・澁澤龍彦文庫・新書、裏側に講談社学術&文藝文庫・ちくま文庫・寺山修司&江戸川乱歩&横溝正史の文庫が並んでいる。仕切り棚にはカルチャー・絵本・哲学・社会運動・図録類、それに脇には「暮しの手帖」が積み重なる。時代劇文庫と中公文庫の小さな棚を見て、入口右横から世界・文明・近現代史・日本文学・ミステリ&エンタメ・サンリオSF文庫・創元推理SF文庫・ハヤカワポケSFと続いて行く。棚作りはちょっと硬めで、本の数はお店の大きさからするとそれほど多くはない。古い本も60〜70年代以前はほとんど無いが、所々に気になる本が潜んでおり、手にしてみると嬉しい安めな値段が書かれていた!全体的には安め〜普通と言う感じだろうか。ちくま文庫「清水町先生/小沼丹」講談社「世界の科学名作SF 未来への旅/ハインライン作・福島正美訳」朝日新聞社「2001年の日本/加藤秀俊・真鍋博・朝日新聞社共同編集」を購入。ずいぶんと遅刻してしまいましたが、開店おめでとうございます。月世界の孤独に負けずに、六分の一の重力の中を、ピョンピョンと軽やかに古本を捌いてくれるのを、これからも楽しみにしています!

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2013年10月23日

10/23沖縄で見つけたもの

那覇の古本屋巡りで最後に立ち寄ったのは、『県道29号線』沿いにある「てるや商店」と言う、コインランドリーを併設した大きなお店であった。白く広い店内に入った瞬間、ドバッと雑本が広がる光景に目眩を覚えてしまう…もはや身体と眼は激しく疲労し、集中力も途切れ途切れに。しかしそれでも懸命に本の背を追いかけ続け、時に置いてけぼりになりながら必死にすがりつき、ついには店奥の床に直置きされた100均本の山の前に跪く。そこを力無く細々と漁り、古本修羅の性として、気になった本はとにかく手にして行く。しかしそのほとんどはハズレである。ため息と共に、本を山の中に戻す行動を、マシーンのように繰り返す。そんな中、一冊の背には何も書かれていない、青い文庫を引っ張り出した…あれ?これなんだ?
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(見つけた時はこんな感じ)
表1を見ると、青い地色の真ん中に切手のモチーフがデザインされ、その中に見慣れた五つのマークが踊っている。創元推理文庫のジャンルを示す、伯父さん(本格推理小説)、拳銃(ハードボイルド・警察小説)、猫(スリラー・サスペンス)、時計(その他の推理小説)、SF(宇宙科学小説部門)のマークである。それに加えて『創元推理文庫』のロゴマークも…???何だろう?目録か?中をドキドキしながら見てみると、何と予想外の岩波文庫「友情/武者小路実篤」…????…そうか!これ、書皮(書店で掛けてもらう紙カバー)なんだっ!心臓の動悸が思わず早まる。こんなの今まで見たことも聞いたこともないぞ。別に「友情」は欲しくないのだが、この書皮が欲しくて、買うことに決める。ホテルに帰ってからまじまじと調べてみると、紙は完全に文庫用サイズで、青と黒の二色刷り。表には前述の通り、ジャンルロゴと切手のモチーフで洒落たデザインが為されている。表4見返しに創元推理文庫『海外ミステリとSF専門の文庫』とあり、ジャンル分けマークの説明が書かれている。表4右下には『崎間書店』と印刷され、紙を展開すると文字の下に住所も印刷されているのが判明した。これはどうやら那覇にあった書店のようで、現在検索すると会社は現存しているが、何故か不動産業と書店の兼業になっている。本は昭和四十三年発行の第四十五刷…つまりこの書皮は、この年以降に作られたものであろう。書皮は少し折り目が劣化し煤けているが、本の状態は良い。那覇の書店で本を買い、書皮を掛けてもらって、そのまま保管していたものと思われる。その後本を手放し、古本屋でも書皮が剥かれることなくそのまま店頭に出され、私が掘り出すこととなった…う〜ん、そんな風に妄想すると、これはちょっとした奇跡のようだ(まぁ古本との出会いなんて、みんな奇跡みたいなものであるが)。書皮は、東京創元社が書店サービスに店名を印刷し、配っていた販促物なのであろうか?とにかくこれは、沖縄で見つけたひとつの宝物である。大事にしよう。
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※珍しく、クリックすると大きくなります。
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2013年10月22日

10/22沖縄・美栄橋 ちはや書房

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モノレール駅の階段を下りたら、潮渡川沿いに西北へと歩いて行く。帰りの飛行機に乗る前に、どうにか古本屋さんを調査して行こうと、短い旅の最後の悪あがき。護岸された川は、エメラルドグリーンに煌めいているが、透明度はさほど高くない。途中『国道58号』を越え、600mも白い街路を歩き続けると『夫婦橋』があり、『若狭大通り』を通している。西南に曲がり込んでちょっと進むと、『那覇中学』グラウンド前に、昨日は定休日で入れなかった古本屋さんが、早くもお店を開けてくれていた。黄土色の小さなビル一階にカーキ色の日除けが架かり、扉は大きく開け放たれ、歩道と直結しているよう。店頭左側に、50均の雑誌・単行本・文庫を詰めた木箱が並ぶ。ほんの少しだけ低くなった店内に踏み込むと、薄暗いが広く、整然と複雑に古本の通路が繋がり合っている。入口左横の帳場に座る、BEGIN系の男性店主が「いらっしゃいませ」。三方は高い壁棚で、右側には手前から行き止まり通路・“コ”の字型通路・行き止まり通路三本が続く。左側は大きなラック棚を中心に“コ”の字型通路・行き止まり通路の構成。フロア真ん中には小さな台がひとつあり、雑貨や新刊などを並べている。右側手前には児童文学と絵本が集まり、おぉ!壁棚には水木しげるが大集合!下の方には、一緒に妖怪やアートも並んでいる。次は暮らし・日本近代文学・日本文学・海外文学・幻想文学。古い本が多く、沖縄で初めて戦前の本をまとめて目にした気がする。真ん中には絶版漫画と時代劇文庫が固まり、奥の低い棚には創元SF・岩波文庫・ちくま文庫などが並ぶ。その奥は、壁棚に日本文学・全集類、低い通路棚には創元推理文庫・探偵&推理小説文庫。向かいの高い棚には、セレクト海外&日本文学文庫・SF文庫・春陽文庫など。ここまでだけでも、棚に目が釘付けになる率、ずいぶん高し!次の通路は日本純文学文庫・一般文庫・セレクト文学・詩集・サブカル・探偵小説・ジュブナイル推理&SF・落語。最奥は、哲学・心理学・宗教・歴史など硬めな本がひっそりと収まる。お店のバックヤードから通り抜けて来る風が、この上なく気持ちいい。奥壁は芸術全般・建築・映画・音楽・図録類がドドッと並び、左奥の行き止まり通路には風俗・性愛・艶笑・犯罪・科学・新書が肩を寄せ合う。ここは風俗関連に古い本が多い。帳場前から続く壁棚は、他店同様気合いの入ったきめ細やかな沖縄本コーナーとなっている。ラックは左側が沖縄本、右がビジュアルムック類とカルチャー雑誌を、飾り並べている。棚脇には創元SF・ハヤカワポケSF・桃源社SFを並べたミニSFコーナーもあり。蔵書の1/3が沖縄本だが、文学・ミステリ・SF・水木しげるにも心血を注いだお店である。値段は普通で、良い本にはほとんど隙無しのしっかり値が。それでもこの確固たる宇宙観と品揃えは魅力的で、南の島でマニアックの海に溺れるのも悪くないと考えてしまう。ちくま文庫「城昌幸集 みすてりい」叢文社日本小説文庫(なんで?なんで春陽堂じゃないの?)「近代異妖篇 綺堂読物集/岡本綺堂」を「城昌幸、私も好きなんですよ。買ってくれるなんて嬉しいです」と、突然嬉しく通じ合いながら購入する。

この後は三本目の裏通りにある、沖縄民家改造古本屋さん「言事堂」も見に行くが、開店時間の午前十一時になっても扉は開かず…残念だがタイムリミット。飛行機の時間を逃すわけには行かないので、昨日古本屋さんを巡るうちに手に入れた『全沖縄古書籍組合地図ver0.5』を握り締め、いつかの再訪を誓う。
posted by tokusan at 18:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月21日

10/21沖縄で市場に関わるお店二店!

何と取材で沖縄へひとっ飛び。那覇市内の古本屋さんをゲハゲハと巡りつつ、来沖記念の初ツアーも断固実行!今回は“市場”に関わるお店をターゲットにし、観光客の間を眼光鋭く擦り抜け、古本を求めてウロウロキョロキョロ…。

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●美栄橋「市場の古本屋 ウララ」
沖縄都市モノレール『ゆいレール』で、那覇市街の頭上を滑って行く。高架駅から地上に下りて、すぐ東に横たわる大きな『沖映通り』を南下して行く。500mも暖かい風に吹かれて歩けば、恐ろしく賑わう那覇のメインストリート『国際通り』にぶつかる。すると大小の長いアーケード商店街が並列して、口を開けているのが目に入るだろう。『市場中央通り』を選択して、物産や土産物や珍しいパンや服飾を並べる、小さなお店群に目を輝かせながら入り込んで行く。色彩豊かな商品の遥か上には、白いアーケードの骨組みがハッキリと浮かび上がっている。行き交う観光客の顔には、笑顔がクッキリと浮かび上がっている。やがて右手に『牧志公設市場』の看板と別れ道が現れるが、そのまま南下を続けると、左手に小さな漬け物屋と小さな婦人洋品店に挟まれた、小さな古本屋さんが現れた。おぉ、ここがあの「ウララ」か!と、歓喜がジワッと込み上げて来る。小さいが、思っていたより大きく、しっかりとしたお店じゃないか。奥の店舗自体は確かに小さいのだが、通りにお店の一部が迫り出すことにより、およそ二倍の容積を確保しているのだ。この感じ…大阪・天神筋橋六丁目の「青空書房」(2009/12/31参照)に似ている…。軒にはふくろうの絵が大きく描かれた大きな看板が架かり、什器や床は焦げ茶のアンティーク調に統一されている。表に出ているのは、正面に文庫&新書&単行本棚と、沖縄本平台・100均箱、それに沖縄本を飾る壁ラックに見守られた帳場があり、クールビューティーな女性が座っている。左には一般文庫棚と、新書・暮し・児童文学・絵本の棚が縦列し、漬物屋との仕切りのようになっている。奥に上がり込むように進むと、左に極細の、もはや挟まってしまうような行き止まりの通路が一本あり、見るのに苦労する壁棚に本の本・夏葉社本・リトルプレス・海外文学・現代思想・哲学・心理学・精神科学・柳田國男・文明・詩集が並ぶ。閉所恐怖症の人はツライかも…。ズルリと身体を引き出して、右隣りの小部屋へ。三方と1/2を壁棚が覆い、沖縄本がびっしりと収まっている、沖縄&琉球の、歴史・自然・文化・社会・昔話・民俗学・沖縄関連文庫・沖縄児童絵本・戦争・沖縄出身作家・沖縄が舞台の小説・郷土詩人・山之口貘…。何だか朗らかな店名とは裏腹に硬派なお店で、沖縄本が充実。特に郷土詩人についてはきめ細やか。観光客も地元の人も、よく足を止めてお店を覗き込んで行く。値段は普通。せっかく沖縄に来たのだから、関連本を買うことに決め、沖縄出版「まんが イリオモテヤマネコ ケイ太飼育日誌/監修・池原貞雄 原案・比嘉源和 作画・日下部由紀代」を購入。

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●安里「宮里小書店」
駅から『ひめゆり通り』を挟んだ東側一画に、渋く古めかしい『栄町市場』が広がっている。小さなお店が160軒ほどひしめき、道が細かく四方に散らばって延びて行っている。この中に新しく古本屋さんが出来たはずなのだが…と不用意に中に入り込んでしまう。すると、そこは異国の“スーク”のようで、迷いに迷い、方向感覚を完全に奪い取られてしまった!迷った挙げ句、古本屋さんも見つからないので、盛大に焦ってしまう…しかし市場の見取り図を発見し、どうにか自分の位置を把握して再チャレンジ。だがその図にも書店の名は書かれていないので、南側から通りを一本一本攻略する、ひとりローラー作戦(ちょっと虚しい)を展開することに決める。方法がこれしか思い浮かばないので仕方ない…。地道過ぎる調査を始めて十分後、南西ブロックの北寄り中ほどに、待望の古本の姿を発見する。それは洋品店向かいの、お店とは思えない細長い小さな空間で、ガラスケースとテーブルの奥に、ちょっと長めの壁棚が続いている。店内には壮年のご夫婦と思しき二人の姿が。ちょっと戸惑いながら近付くと、「いらっしゃいませ」と奥さんは立ち上がり、外に出てどなたかと世間話を始めた。ご主人はズズッと奥へ身体をずらし、本棚の前を空けてくれた…ありがとうございます。そこには、パラフィンではなくトレーシングペーパーを巻かれた本が整然と並び、作家五十音順文庫・旅・アジア・社会・ノンフィクション・文化・沖縄などが並び続けて行く。ご主人に遠慮して、あまり奥の方は見られず終い。値段は挟まれた付箋で色分けされており、ちょい安〜普通。“小書店”の名に相応しい可愛いお店であった。中公文庫「南洋通信/中島敦」を購入すると、地元のブックイベント『ブックパーリー』(愉快な新聞形式)の書皮を掛けていただいた。

古本屋さん巡りに疲れ果て、目をつぶれば本の背がまぶたの裏を流星のように流れて行く…そんな那覇の夜。明日は台風の接近が気になるところだが、今はベッドの上に戦利品を並べてニヤリニヤリ。確かな収穫は二点なのだが、一点は本当に価値があるのかどうか判らない。しかし、とても珍しいものではないかとすでに妄想してしまっている。明日、家に無事帰り着いたら、スキャンして披露するつもりである。

※西荻窪の「古書 比良木屋」さんですが、しっかり営業されているのが確認されました。良かったです!
posted by tokusan at 20:56| Comment(3) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月20日

10/20東京・新大久保 ふれあいフェスタ2013

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昨日は「六角橋商店街ドッキリヤミ市場一箱古本市」に参戦。人々が飲み且つ喰らって行き交う、細く古いアーケード商店街に立ち尽くし古本を売り続けるのは、確かに闇市気分満点であった。それに加え、お客さんが本を買ってくれたと思ったら、嬉々としてあるいは恥ずかしそうに『トラウマ』の合い言葉を発する瞬間は、何か闇取り引きでもしているような新たな快感!お付き合いしていただいたみなさん、誠にありがとうございました。もう、夜に白楽に来ていただいただけで、大感謝です。しかし、最初の一時間は調子良かったのだが、後半はあまり人が立ち止まらず、隣りの「ドジブックス」さんと顔を見合わせため息をついたりする。その「ドジブックス」さんから広済堂「バカリズム案/バカリズム」を購入。PM10:15に撤収し、まだ開いていた「猫企画」(2010/12/17参照)に、表に本カートを放置して突入。サブカル純度がレッドゾーンに突入しているので、小さな店内を大いに楽しませてもらう。エスエル出版会「佐山サトル/STライダーズ」青林工藝舎「杉浦茂ニコニコ大会/杉浦茂」を計1300円で購入。

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そして今日は「古書現世」(2009/04/03参照)向井氏からのタレコミを基に行動開始する。ヒドい雨の新大久保駅。北口から雨水がバシャバシャ流れ落ちるガードを脱出。山手線と『明治通り』に挟まれた『都立戸山公園(大久保地区)』を目指して歩き出す。ここで新宿区民まつりの『ふれあいフェスタ』が開催され、早稲田の古本屋さんも古本を販売しているとのことなのである…。長く南北に続く、閉鎖されてしまったロッテ工場の白い姿を寂しく眺めながら、すでに撤去された“チューインガム”の巨大看板と甘い匂いを想起する。塀と建物に挟まれた、谷底のような細道を通り続け、緑の多い変則的な形の公園に到着する。あぁ、そうか。この辺りは、日本陸軍の射撃練習場だった一帯か…。園内の各広場にはテントが林立し、産地直売や様々な体験&勉強コーナーや模擬店が設けられている。それにしても、人が、新宿区民が、土砂降りだと言うのに集まって来ている!雨が降っているせいか、何だかキャラバンのキャンプにでも迷い込んだ気分で、各テントを覗き込んで行く…古本は、何処だっ!ぬかるんだ広場、冠水した林の中の道、濡れそぼる身体…。数々のプチ苦難を乗り越えて、北端にある『つどいの広場』内で『早稲田古書店街連合会』とあるテントを発見!…おぉ、豪雨と古本…何と相性の悪い光景であろうか。テントの中に逃げ込むと、そのテントの屋根を叩く凄まじい雨音が、頭上から降り落ちて来る。左に帳場の長テーブル。真ん中にテーブル二本の文庫島(左が岩波文庫、右が一般文庫。真ん中に単行本ゾーンあり)、奥に長テーブルが三本縦列に並んで文学・ノンフィクション・美術・映画・現代思想・文明・評伝などを中心とする単行本、右に趣味・ビジュアルムック・バーゲン本が置かれている。雨音に急かされるように本の背を見て行くと、うぁっ!先日小岩の「高橋書店」で買い逃した(顛末は2013/10/10参照)「世界の怪獣」があるじゃないか!しかも函付きだっ!慌てて中を取り出し値段を確認すると、何と1500円!ひゃっほう!買います買います!と雨音でダンス。帳場にはいつの間にか「三楽書房」(2012/07/19参照)さんが現れ「こんな雨の日に誰かと思ったら!」と驚かれる。雨音に負けない、豪快な笑い声がテント内に響き渡る…。秋田書店「世界の怪獣/中岡俊哉」潮出版社「黒鳥の旅もしくは幻想庭園/中井英夫」を購入する。このイベントは午後四時まで。
posted by tokusan at 13:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月18日

10/18イロイロお知らせバタバタと

午前中「フォニャルフ」補充のために、日除けの新しくなった西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ向かう。店内で新刊文庫に超絶スピードでサインする東雅夫氏に遭遇。これ幸いと、ちくま文庫「幻視の系譜/東雅夫編」を購入し、署名をお願いする。午前中から幸せになる。

西荻窪での帰り道、隣りの古本も売るプラモデル屋さん「模型センター」(2011/03/18参照)が閉店したことは知っていたが、何やら「古書 比良木屋」(2008/09/12参照)にも異変が起きているのに気付いてしまう。シャッターは固く閉ざされ、軒の店名も「古書 比良木」と剥落。そして、元模型センター店舗前と一緒に、鎖で大きく封鎖されてしまっているのだ。これはどう言うことなのだろうか?ただのお休みであれば良いのだが…。追って観察調査して行きます!
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※お知らせ
1. 古本屋妄想エッセイ『中央線は古本屋で出来た銀河なのかもしれない』を寄稿した、「古書手帳」が現在中央線沿い各古書店や、中央線支部のホームページで発売中です。お見かけの際は、古書について学術的に捉えたメインページで知識を貪り、最後の二ページで脱力した挙げ句の購入をお薦めします!
2. 10/19(土)20:00〜22:00に白楽の『六角橋商店街』で開かれる「ドッキリヤミ市場一箱古本市」に参戦します。昭和的ノスタルジイに満ち溢れた、細く長い裏通りの商店街で猥雑におかしな古本を販売!さんざん悩んで作成した特典ペーパーは『禁断のトラウマ古本屋ツアー!!』となりました。古本屋さんを巡っていると色々なことがあります。人生のように、良いことも嫌なことも。ちょっとしたことで、心に刺さってしまったトゲを抜くために、トラウマとなったお店に立ち向かう、魂を削った渾身の古本屋ツアーです。興味のある方は、本を買う時か眺め終わった後に、合い言葉に『トラウマ』と言って下さい。B5サイズの紙一枚をそっとお渡ししますので、家に持ち帰ってそっと読んで下さい。
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3. 11/2(土)反町の神奈川県古書会館で行われる『古書の日イベント 古書店開業入門講座』で、またもや講演させていただきます。時間は15:30〜16:30ですが、個人的にはその前に行われる『新世代古書店トークショー たけうま書房&中島古書店』が必見かと。稀に見るローテンションでマイペースなトークを、必ずや展開してくれることでしょう。横浜に降臨した新しい古本屋の風を、その目で見られるチャンスです!
●古書の日イベント 古書店開業入門講座
●2013年11月2日(土)午後一時〜午後五時
●受講料無料
●募集人員 50名
●応募方法
Eメールまたは電話(FAX)またはハガキでご応募ください。
kanagawa_kosho@bg.wakwak.com
TEL:045-322-4060 FAX:045-322-4122
〒221-0825 横浜市神奈川区反町2-16-10 神奈川県古書会館内
(ハガキによる応募は返信用ハガキつきを使用してください。裏面に〒住所氏名記入か、返信用ハガキに〒住所氏名記入をお願いします)

●PM1:00〜2:00 ワイワイコミュニケーション 女性の会(女性古書店の体験談)
●PM2:15〜3:15 新世代古書店トークショー たけうま書房&中島古書店
●PM3:30〜4:30 古本屋ツアー・イン・ジャパン講演
posted by tokusan at 14:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月16日

10/16東京・浅草 TOTOとLULU 浅草店

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秋葉原からつくばエクスプレスで二駅。改札を出たら地下通路を北に向かい、出口ではなく、広大で墓場のような地下自転車置場の中を突っ切って行く。『出入口A』から地上に出ると、『浅草国際ホテル』が青い秋空に伸び上がる『国際通り』。そのまま北に歩き続け、『西浅草三丁目交差点』で東南角のビルを見ると、一階に古本屋さんが入っていた…とは言っても、曳舟でツアーした「TOTOとLULU」(2010/11/04参照)の系列店なので、新古書店的展開は免れない状況であろう。角地なので交差点に向かって大きく面取りされたビルには、縦長の大きく立派な看板が取り付けられている。二階のウィンドウ下部にも、取扱品目などが表記されている…もしや2フロアなのか?扉を開けて中に入ると、レジのマスク店員さんと視線がかち合う。素早く逸らしながら店内を見回すと、そのほとんどはコミックやゲームであった。むっ、右に二階へグルグル上がる小さな螺旋階段があり、その周囲を古本棚が固めていた。ちなみに二階はアダルト専門となっているようだ。ラノベ棚が一本、文庫&ノベルス棚が二本…一冊90円は安過ぎだ…。他に単行本棚が一本半あり、主にミステリ&エンタメ・タレント・サブカル・新書を並べている。値はほとんど500円以下の安値。しかし古本の品揃えはイマイチイマニである。飛鳥新社「アニメ&コミック聖地巡礼NAVI/ドリルプロジェクト」を購入(単行本なのに何故かこれも90円…)。

この後は当然、宿命的に浅草古本屋さん巡りとなる。まずは「おもしろ文庫」(2010/04/04参照)でアスペクト「昔のグルメガイドで東京おのぼり観光/地主恵亮」を650円で。万が一を考え「白鳳書院」にも行ってみたが、シャッターはいつも通りに下りたまま…。次に向かった「地球堂書店」(2009/10/17参照)はお休みかぁ。仲見世を通り抜けて「浅草古書のまち」(2012/12/29参照)。店頭台から、ちくま文庫「出版業界最底辺日記/塩山芳明」岩波文庫「フランス短篇傑作選/山田稔編訳」を計400円で購入。本来ならここで終了となるのだが、やはりせっかくだからと歩いて歩いて「浅草御蔵前書房」(2008/11/08参照)に到達。着いた瞬間に左翼通路で、白黒猫と出会ってにらめっこ…猫がいたなんて知らなかった…と驚きつつ喜びつつ、文庫の久生十蘭と上林暁を見付け、さらにテンションアップ。朝日文庫「魔都」「十字街」共に久生十蘭、教養文庫「武蔵野/上林暁」リットーミュージック「DJ選曲術/沖野修也」を計1340円で購入する。
posted by tokusan at 21:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月15日

10/15山口・新下関 ブックセンターくまの店

せっかく遠い九州に来れたのだからと、黒崎で旅の仲間に別れを告げて、帰りがてらの単独古本屋調査行!とは言っても早く東京に戻らねばならないので、ピンポイントで素早く調査せねばならない。門司辺りが素晴らしそうだが、私の心はひねくれているのだ。鹿児島本線で関門海峡地下トンネルをを通過し、本州の尻尾の山口県へ!海峡に迫る山と、その下に張り付く工場地帯や造船工場が生み出す景色は、川崎や千葉とはまったく違う情趣に溢れている。下関駅で、山陰本線に乗り換えたい気持ちをグッと抑え、山陽本線に乗り込む。そしてすぐに新下関着。緑の多い丘陵地帯に住宅が広がる、何の変哲の無い街である。目標は殺風景な駅から南に1.5キロほど。最初はほぼ直線の最短距離を選んでしまい、山の中に分け入る羽目に。挙げ句の果てに、山の頂上で会社の敷地内に迷い混んでしまい、完全に裏目となる。やはり判り易く、駅南口から『県道34号』に入って南下。一キロ弱のガソリンスタンドのある交差点を西へ。長〜い上り坂はやがて南に曲がり込み、長〜い下り坂となる。いい加減高低差に疲れ始めた所で、右手に『本』の看板が現れた…うひゃっ、まだ開いてない。開店の午前十一時まで後五十分…。仕方なく、見知らぬ街を不審者よろしくブラブラし、谷底の交差点に廃墟アパート群を見付け、そこに棲み付いている猫に爪研ぎされたりしていたら、あっという間に時間は過ぎ去っていた。
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※これが、やせっぽちなのに恐いほど力一杯ジーンズに『バリィッバリィッ!』と爪を立てる猫!

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良かった、時間通りに開いている!坂の途中のコンビニほどの大きさのお店だが、出入口は左右にあり、左側には『本一冊レンタル30円』、右側には『古本屋』の看板が架かっている。どうやら左が貸本屋さん、右が古本屋さんと振り分けられているようだ。フムフム、こんなお店もあるんだなと感心しながら、右の開け放たれた扉を潜る。三方はスチール棚に覆われ、左に背中合わせの棚が一本、右に三本が並んでいる。入口右横には美少女系雑誌とアダルト雑誌の並ぶラック。正面カウンター帳場内には、スーツを着込んだナイスミドルの根上淳風オヤジさん。BGMはコブシの利いた演歌である。今立っている通路は、時代劇文庫がビッシリと収まり、左端通路には大量のハーレクイン・女性実用ムック・アニメムック・絵本・児童文学・児童書が並んでいる。右側通路を覗いて行くと、推理文庫・ノベルス・単行本通路、推理文庫・時代劇文庫通路、雑学文庫・海外文学文庫・ごちゃまぜ文庫・雑誌・写真集通路と続く。文庫は一冊100〜300円。なので値段の安い、雑本的並びの大衆店と言える。富士見文庫「ホラー・コレクション/楳図かずお監修」(和洋映画や漫画のキャラまで、怪談&怪奇&ホラーのキャラを網羅した良品!)中公文庫「妙な塩梅/えのきどいちろう」角川ホラー文庫「爬虫館事件 新青年傑作選」を購入。

さて、急いで東京へ帰らねばと、早足の帰り道。ところが県道沿いに「ブックオフ下関一の宮店」を見つけ、思わず飛び込んでしまう。五分だけの猶予を己に与え、流れるような動きでセドリ開始!105円棚で講談社ノベルス「奥秩父狐火殺人事件/梶龍雄」の発見に成功する。きっかり五分で飛び出し、再びの帰り道。新下関よ、短い時間だが楽しかったよ。さあ、今度こそ本当に帰るんだ!
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2013年10月14日

10/14福岡・黒崎 古本センター 珍竹林 黒崎店

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朝から九州自動車道で九州を縦断して、四時間で北九州市の黒崎に到着。駅の北側には港湾工場街が広がり、南側はパリのように放射状に道が広がる繁華街である。縦道はアーケード商店街や幹線道路だが、横道には果てしなく飲食店と風俗店が連なっている。街全体は妙な気怠い熱気に包まれており、どことなくアナーキーな雰囲気を醸し出している…。ホテルにチェックインすると、ぬぬ!道路を挟んだビルの一階に古本屋さんの姿があった!駅南口の空中広場に出たら南西に向かい、地上に下りて『国道3号』の南側歩道を西へ。すると直ぐに『黒崎バスセンター停留所』の向こうに、『閉店』『半額』『続行』『消費税払えません』などの文字が踊る、古本屋さんの店頭が見えて来る。立看板には印刷したチラシが貼られ『北九州B級古書店No1の広さと在庫 珍竹林閉店セール開始!!』と大書されている。まずは21年間買い集めた在庫の半減を目指すとのこと…非常に堅実な閉店への第一歩である。白い日除けの下の外棚には、本が縦横にギュウギュウに詰まり、足下にはポスター・下駄・ボタン・お椀・陶器・ガチャポンなどが箱に詰められ売られている…街と同様にアナーキーな雰囲気。本は一冊50円三冊100円だが、全品半額はここにも適用されている。入って直ぐは、文学復刻本・地図・歴史小説・廉価コミック・安売り古書、それに竹内栖鳳の掛軸(40万円!つまりはこれが20万円に?)などが並ぶ通路だが、奥にはすでに広く複雑そうなフロアが見えてしまっている…こいつは手強そうだ!通路を進み切ると空間が広がり、目の前には横向きにご婦人のいる帳場が展開している。通路の裏側には三本のコミック通路があり、右奥には横向きに児童文学・絵本・ゲーム攻略本・絶版漫画の並ぶ行き止まり通路。よっ!探していたポプラ社の「黒い魔女」を発見。値は千円とちゃんと付けられているが、それでも安い。そしてこれが半額!と、物質感のある子供用ハードカバーを鷲掴みにする。レジ前の古道具島を擦り抜け、奥の通路群を見渡すと、通路幅は均等ではないが、八本の通路を確認する。その多さに一瞬心が折れそうになるが、すぐに心の態勢を立て直し、果敢に立ち向かう!一番右の通路二本は独立した“U”字型で、児童文学との仕切り棚と共に、大量の古書コーナーを形成している。郷土史・文学・風俗・実用・技術・ガイド・歴史…ビニールに入った茶褐色の本が、割とカオスに微笑みかけて来る。読み難い背文字を見落としてなるものかと、大興奮しながら棚にべったりと張り付く。続いての二本の通路は極狭で、人が擦れ違うのはほぼ不可能である。カオスに雑本的に、ここ二十年ほどの人文・文学・社会・エッセイ・ノベルス・政治など、オールジャンル的に並んでいるが、郷土史・歴史・ビジネス・コンピュータ・戦争・詩歌句などは大きくまとめられている。五本目の通路は、右に美術図録や作品集・芸術全般を揃え、左にハーレクイン・趣味・スポーツ・山岳・園芸。六本目は右に海外文学文庫・映画・選書・新書を集め、左に岩波文庫・女流作家文庫を揃え、棚下には大量の着物が並んで行く(もちろんこれも半額である)。ちなみにどの通路にも、足下に本や古道具・紙物が置かれている。七番目は右に官能文庫と日本文学文庫、左に戦争文庫・多作家文庫・時代劇文庫と続き、そのまま奥壁の時代劇文庫続き・辞書・動物&ペット・実用・宗教と流れて行く。左端通路は、古道具・写真集&アダルトの行き止まりとなっており、お子様の出入りは禁止されている。それなりの広さの店内に、本をたくさん詰め込んだお店で、通路に入り込んで行く楽しみと、探す楽しみに満ちているので、時間経過はとても早い。いずれ迎える閉店は残念だが、半額セールはとにかく嬉しいものである!ポプラ社「黒い魔女/江戸川乱歩」秋田書店「死を呼ぶ犬/シムノン原作 藤原宰太郎訳」利根屋書店「綺堂探偵集巻一 狸尼/岡本綺堂」(蔵書印あり)新潮文庫「真鍋博のプラネタリウム/真鍋博 星新一」を購入。半額で1350円也。もう一店ある「引野店」にも、閉店前にどうにか駆け付けたいものである。
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2013年10月13日

10/13ざらつく降灰の中で古本屋遺跡を

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色々諦め切れずに、鹿児島市街の古本屋さんをダメ元で巡ってみるが、やはり無情の日曜定休シャッターアウトばかり。「つばめ文庫」「あづさ書店」「糸書店」「廣文館」「庄内書店」…。突如噴煙を上げ始めた桜島に背を向け、火山灰に巻かれながら街を彷徨い続ける。あぁ、「満遊書店 鹿児島店」は、名も知らぬリサイクルショップに取って代わられていた…。灰混じりになりながら鹿児島本線を跨いで、街の西側に抜け出る。そこには、寂れてシャッターに鎧われた、一本の通りがあった。寂しく独り道を歩いて行くと、その半ばに一軒の廃墟が建っていた。壁は一部崩れ、サッシのガラスは無惨に割れている。しかしその中を注意深く透かし見ると、本の入っていない本棚が、三面の壁を埋め尽くしていた!ここがやはり「竹中貸本中古卸店」だったと言うわけか…売本コーナーもあった、子供のための貸本店さん。この様子では、すでに廃業されたのだろう。身を低くして、割れたガラスの隙間から、元店内を覗き込むと、本棚がハッキリと薄暗い店内に浮かび上がった。何も並ばぬ面陳棚は、意外なほどキレイで、ついさっきまで本を並べていたかのような雰囲気を纏っている。しかし実際は、現実は、肉を削ぎ落とした骸骨のようで、もう二度と、本をその身に収めることはないのである。口の中にいつの間にか入った火山灰を、ペッと吐き出し帰り始めると、頭上には想像以上に巨大な噴煙。巨大生物のように、街の上を覆いながら、蠢き流れて行く。見慣れぬ鹿児島の日常に、思わずたじろぐ。

※またもやひと月お休みしましたが、WEBゴーイングマガジンで連載中の『均一台三段目三番目の古本 第十七冊』が更新となりました。今回は、神保町「一誠堂書店」にて、相応しくないジャック・ヒギンズを購入。神保町とヒギンズに興味のある方は、ぜひとも読んでみて下さい!

posted by tokusan at 22:48| Comment(6) | TrackBack(0) | 古本屋遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

10/13鹿児島・天文館通 秋の天文館フェスタ古本市

久々に仕事で九州へ。しかしその手段は、1300kmを一日で走破する車移動…。午前八時に機材車の端に詰め込まれ、途中休憩は三回だけのストイックな走りで、十七時間。午前一時にどうにか真っ暗な鹿児島に到着し、ビジネスホテルでバキバキになった身体を休める。

明けて本日、色々始まる前に古本屋に行ってしまおうと、コソコソとホテルから脱出。黒い火山灰が微かに積もる歩道を踏み締め、鹿児島中央駅へとまずは向かう。鹿児島の古本屋さんは、日曜を定休にしているところがほとんどである。しかしちょっと離れた所にある「つばめ文庫」は日曜も営業してくれているのだ。駅前から南国バスに乗り込み、西の低山地帯へ入り込んで行く。山に住宅が張り付き広がる、ちょっと横浜・根岸辺りに似た風景が展開して行く。およそ十五分の、急坂のバス停で下車する。そしてたどり着いた所は、ちょっと古びた、住宅団地内のささやかなショッピングモール。おっ、右翼一番手前に古本屋さんが!…しかし何か様子がおかしい…活気が無い…。サッシ扉に近付き、アッ!と叫び声を小さく上げてしまう。窓には小さな貼紙があり、『本日、天文館での催事のため、店舗は休業いたしております』!…う、うぅ、今にも入れそうな店内が、目の前に広がっていると言うのに…。
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諦めトボトボ引き返し、急坂のバス停ベンチに腰を下ろし、斜めになりながら対応を検討する。…やはり、その催事に向かうしか手は無いだろう。と言うわけで、目指すは有名なアーケード街『天文館』にある手芸のお店となった。

来たばかりの道を巻き戻すように引き返し、途中もしや開いているかもしれない!と期待していた「廣文館」がやっぱり閉まっているの確認してから、電停の『天文館通』前から、大きな『天文館本通り』を北上。アーケードの十字路では、中国楽器の演奏や牛の乳搾り体験などが行われており、多くの人が詰めかけている。そんな催事を横目にしながら、手芸『まきの』前に到着するが…あれ?何も出ていない…これはどうゆうことだ?お店の中を見てみるが、女子が多数詰めかけている手芸のお店で、古本の気配は何処にも感じられない…おかしい。そしてヤバい!ここで古本を見つけられなければ、末代までの恥となる!焦って賑わう通路を小走りして、店先やイベントブースを覗き込んで行く。焦る、非常に焦る!しかし虱潰しに、本通り・脇道共に駆け回った結果、『にぎわい通り』の『にぎわい通り大学』と言うコミュニティスペースのような所で、古本を売っているのを無事発見した…ふぅ、本当に見つかって良かった…。
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店頭には小さな棚と箱、それに50均文庫台が四つ並び、ウィンドウ前に本棚が二本。何故か野球帽を被った少年が「いらっしゃいませぇ〜」と販売している。文庫には古い角川と集英社が多いので、思わず真剣に見入ってしまう。集英社文庫「笑い地獄/後藤明生」角川文庫「犬神博士/夢野久作」を購入。少年にお金を渡すと、本の間にポロリと落としてしまう。「あぁっ、す、すいません」と突然帽子を脱いで可愛く謝罪。君は小津映画に出て来る子供か!と、心の中で軽く突っ込んでおく。横には絵本や実用ムック、背後の棚には鹿児島&薩摩本・古い文庫・文学復刻本などが並んでいる。店内に進むと様々な物が売られているが、奥の方に古本が売られているのを確認。やはり理由は判らないが、古本市の販売場所が急遽このお店に移動になったようだ。長テーブル四本と、それぞれに箱を利用し古本を並べており、「古書リゼット」「あづさ書店」(先ほどバスの車窓から、シャッターが閉まっているの確認)「ブックノーツ」、そして「つばめ文庫」が参加している。あぁ、どれも未踏のお店ばかりじゃないか…古本に出会えたのは嬉しいが、とってもモヤモヤする状況…次に鹿児島に来る時は、日曜は絶対に避けることにしよう…。実用・新書・100均文庫が並び、古い文学本・「それいゆ」などがチラホラするが、薩摩郷土本が一番多く充実。「つばめ文庫」で集英社文庫「無芸大食大睡眠/阿佐田哲也」を購入。本を受け取りながら、『今度来た時は、お店を開けておいて下さい!』と「つばめ文庫」さんに微弱なテレパシーを送っておく。
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2013年10月11日

10/11東京・白金高輪 本屋の二人vol.1

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南北線の地下駅から地上に出ると、季節外れまくりのギラついた太陽が降り注ぐ白金の街。『3番出口』から出たら、西に曲がり込んで進み、道に行き当たったら北へ、そして脇道が現れたら西へと、アミダくじのように街を歩んで行く。そうすればやがて、赤いブロック敷きの『白金商店街』に出る。都会の街中にエアポケットの如く潜む、ノスタルジックな商店街にため息が漏れる。キョロキョロしながら北へ進み、電器屋脇の細道を東に入り込むと、行く手にチープな『本屋』と書かれた立看板が見えた。『print gallery』と言う民家の一部を改造した小さなギャラリーで、「SUNNY BOY BOOKS」(2013/06/03参照)と「Readin' good」の古本ユニットが、期間限定書店を開いているのだ。期間は10/14までと残りわずかだが、これもまた立派な古本屋さん!しっかり目に焼き付けておこうと、訪ねて来たわけである。ブロック塀にぽっかり開いた入口から中へ入ると、純白の非日常的空間で、右奥にフロアが延びている。すぐ右横に受付兼帳場があり、黒ブチ眼鏡の植物的オーラを滲ませている青年が、小さく座って店番中。本は小さな台やテーブル、壁から飛び出した飾り台に、ほとんどが面陳で飾られており、書名と短い解説と店名の書かれたカードがセットになっている。なので冊数は少ないのだが、密度が薄い印象は無く、むしろ何かの芸術作品のように飾られた様々な装幀たちが、古本と向かい合う時間を濃密に演出している。まず空間と向き合い、次に本と向き合い、恐る恐る本を手に取り、ページを開く…この一連の動作を楽しめるかどうかが、優雅な展覧会販売のキモではないだろうか。安くはないが、意外と買いやすい値段が付けられている。ジャズ・ロック・言葉・アメリカ文化・東京・小林信彦&泰彦・デザイン・建築・ノスタルジイ・山・外国文学・詩・短歌などを確認した後、一応「この本は買えるんですか?」と聞いてみると「ええ、全部売ってます」とのこと。安心して話の特集「子供の頃僕は、優等生だった/三上寛」を購入。古本屋とも古本市とも、ちょっと異なる空間。vol.2も楽しみにしていよう。

※二階以上の古本屋さんを畏れて巡る『古本屋ツアー・イン・神保町』掲載の「本の雑誌 2013 11月号 豆アジ肩ぐるま号」が発売中。記事を読んで、愛を携え気配を消して、階上の古本屋さんをぜひ訪ねてみてください!(お詫び:P16三段目の左から二行目の“事務書店”は“事務所店”の間違いです。どうか、脳内で強制変換してお読み下さい)
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2013年10月10日

10/10東京・小岩 さあどあんくる

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蒸し暑い十月、灰色な日。総武線で今日も東に向かい、隅田川を越えて小岩駅へ。最近ちょっと凝り始めた、“懐かしのおもちゃ屋”さんでの古本探しに血道を上げるためである。まずは南口の近くにあるはずの『トーキョーロボット』に向かうが、お店はすでにドロンと消えていた。間髪入れず北口に出て、化粧された駅前通りを真っ直ぐ北へ。大きな『蔵前橋通り』を横断し、『小岩電話局通り』にそのまま突入して、さらに北へ。ローソンのある交差点で西に曲がり込むと、左手細い四階建てビルの一階に、ちょっと喫茶店に見えなくもない、古いおもちゃを売るお店がこつ然と現れた。ガラスウィンドウには、無数の大小キャラクター人形が浮かび上がり、ドアの横には色褪せたサトちゃん人形が置かれている。キッチリと完成された宇宙観が、一見者の侵入を拒んでいる…いつものようにドキドキしながら店内に入る。鳴り響く電子チャイム。すると奥から丸眼鏡の姿形もまるっとしたお兄さんが、身を傾けて姿を見せて「いらっしゃいませ」。什器は発光するガラスケースが連続し、その中に様々なソフビ・ブリキ玩具・超合金などが整列…昔の人形に特有なアバウトな可愛い造形…段々すべてが前衛的な美術品に見えて来る…いや、値段は負けていないと思うのだが…。入口から続く左側が長い通路になっており、右に行き止まりの通路が一本。足下や奥の帳場周りでは、これも懐かしい古道具的什器が効果的に使われている。胸に迫るキャラクター達に目をガンガン奪われながら、古本の影を探して行く。左側通路最奥のガラスケース前に、「ぼくら」などの古い漫画雑誌横積みタワー、十冊ほどの大百科類。それにプラスチックのラックがひとつ床に置かれ、キャラクター絵本・児童絵本・カードシート・シールシート・雑誌付録・ぬり絵・袋・映画パンフなどが挿さっている。みな割としっかり値なので、丁寧に物色していると段々と心苦しくなり、比較的安値のカードシートをサッと抜き取り、緊急避難的に精算していただく。大里玩具産業「ウルトラマン絵合わせ」を購入。薄っぺらな紙一枚を紙袋に入れていただき、「またぜひいらしてください」と心和む笑顔に見送られる。

『小岩駅北口交差点』まで戻り、「高橋書店」(2009/05/19参照)で古本に溺れる。右壁の大きな百均棚で、ホームズ物の児童本が目に留まる。おぅ、表紙&挿絵が上村一夫じゃないか!こんなシリーズがあったとは知らなかった。それにしてもこのホームズはセクシーである!
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うっとりしながら二冊を抱え込み、お店の奥へと入り込んで行く。すると最奥の棚で、パチもん怪獣満載の図鑑「世界の怪獣/中岡俊哉」を発見し、震える。函無しだが状態は良い…だが値段が書かれていない…レジで聞くしかないか。朝日ソノラマ「くるみわり人形/原作・ホフマン 文・辻真先」小学館名探偵ホームズ全集「ぶな屋敷の謎」「消えた名選手」(計300円)を差し出してから、「すみません、これ値段が付いてないんですけど…」とおずおず聞いてみる。心の中では『今ここで、度胸一発で値付けしてくれ!それなりの値段でも買うぞ!』と激しく願っている。だが、ああ、世の中は甘くなかった。キーボードに手を伸ばし、ネット検索し始めてしまった…『パソコンなんて無くなればいいんだ!』と唇をギュッと噛み、この時ばかりは発達した技術を呪ってしまう。結果はもちろん高値を告げられたので、購入は断念。「まぁもうちょっと安い値段で付けて、棚に並べておきますよ」と慰められる。クスン。
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2013年10月09日

10/9東京・秋葉原 AKIBAカルチャーズZONE潜入!

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普段なら十月は、残り火のようになった夏に、どんどん秋が混ざり込んで来る時期なのだが、今日は秋に夏が混ざり行くような、時候を巻き戻してしまった気持ちの悪い陽気。総武線でトロトロ東に向かい、高度のある秋葉原駅で下車する。『電気街口北側』から『中央通り』に出て、ちょっと北の『神田明神通り』を西へ。ワンブロック進めば左手に、地下一階地上六階建ての、もはや大人には関わりの無い、特定のカルチャーを集めたビルが出現する。判り易く言えば『中野ブロードウェイ』を、もっと専門的に狭めて小規模にしたもの、と言えば伝わるだろうか。だがどんなお店であれ、このビルの何処かに古本が並んでいるとなれば、是が非でも潜入して現況を確認しなければならない。それが古本屋ツーリストの悲しい務めなのである。正面入口から入って、そのままエスカレーターに直行してまずは二階へ。

「K-BOOKS秋葉原本館」に入ると、いきなり美少女系男性向同人誌が並ぶ通路があり、モニターからはアニメ系の喘ぎ声が流れて来る過酷な環境…ふ、風紀が乱れているな!そしてお客同士は、限り無く他人に無関心な振る舞いを見せ、己の世界にただただ埋没しているようだ…この状況は、ちょっと宝塚歌劇の専門店「宝塚アン」(2012/05/31参照)に類似している。そんなことを思いながら、長い棚で造られた通路を覗き込んで行くと、コミック棚群の次に少量のゲーム攻略本、そして表裏にズラッと続くラノベ棚が現れた。本の背の下には黄色の値段ラベルが貼られ、確かに古本…しかし買う気は残念ながら起こらないので、早々と通路を駆け抜けて、エスカレーターで三階へ。

ここには『J-POP、アイドル中古専門店』の「TRIO」があるのだ。ダンジョンのような複雑な通路を攻略して奥に至ると、そこには“L”字型のお店が。AKBメンバーの生写真を中心に、オッサンにはかなりツライ店内となっている。多過ぎる女の子の笑顔に見送られながら、ポスター類が飾られたフロアに進むと、真ん中に上部がラックになった二本のたっぷりとした本棚があった。右側にはアイドル雑誌・写真集・アイドル本・グラビア雑誌・テレビ雑誌など。左側の棚には音楽雑誌がドバッと詰まっている…しかしここでも何にも手が出せず、尻尾を巻いて四階に上がる。こちらは三階の系列店で「TRIO+」と言うお店があり、『ジャニーズ系、J-POP関連グッズの中古専門店』となっている…うぅ、さらにハードルが上がり、今日一番入り難いお店の模様…。団扇に印刷された男性アイドルの顔が、大量にこちらに笑い掛けている…入らなくてもいいか…一瞬そんな弱気が頭を掠めたが、後に罪悪感に囚われまくるのは必至なので、半ばヤケになって派手な店内に忍び込む。お客がほとんどいないのが救いである…。すると入口右横奥に、男性アイドル誌やファッション誌が並ぶ棚を無事発見。それだけで満足して、すぐさまコソコソとお店の外に逃げ出してしまった。

今日の行動は、完全なる敗北である。何も、何も出来なかった…ただそうつぶやくだけの、情けない探訪となってしまった。

負け犬気分一杯で、神保町までトボトボ歩き、『三省堂書店』で楽しみにしていた新刊文庫、光文社文庫「古書ミステリー倶楽部/ミステリー文学資料館編」を購入。“古書”の絡むミステリーを集めたアンソロジーで、江戸川乱歩・城昌幸・甲賀三郎などのクラシックな大家から、野呂邦暢までを網羅。古書が出て来れば、当然古本屋さんも多く登場するので、早く読み倒したい一冊なのである。
posted by tokusan at 19:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする