2014年03月08日

3/8愛知・伏見 古書店BiblioMania

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来週はバタバタしそうなので、今のうちに遠出しておかなければと、青春18きっぷを発動させる。段々と慣れて来たと言うか、もはや感覚が麻痺しているとも言える、東海道線での乗り継ぎ長時間移動。宇野浩二「藏の中」を車中の共にして、七時間で名古屋駅に到着する。ホームの立食いきしめん屋で、酒精を昼間からかっ喰らい、懐かしのテレビ番組を肴に怪気炎を上げるオッチャン軍団に紛れて腹ごしらえをし、地下鉄東山線の駅に向かう。狙うは先日の名古屋行(2014/02/16参照)で、無様に閉め出されてしまった地下街の古本屋さんである。たくさんの人を運ぶ地下鉄に乗って、藤が丘方面に一駅だけ進む。鶴舞線に乗り換える流れに背を向けるようにして、ホーム東端の『東改札口』を抜けると、何百メートルも先に延びて行く、古臭くうらぶれた通路が、そのまま『伏見地下街』となっていた。地下街と言っても、長い通路の片側だけに、およそ五十の小さな店舗が連なるシンプル過ぎる商店街である。定休日なのか空き店舗なのか、結構な数のお店がシャッターを下ろしたままである。チケット屋・洋服問屋・床屋・カフェ・マッサージ・画廊・薬局…通路はアートプロジェクトで飾り立てられてはいるが、昭和な異次元は隠しようもないほどに、強力な取り残されオーラを放っている。そんな光景にジ〜ンと感動しながら、有線が虚しく流れる通路商店街をヒタヒタ歩んで行く。およそ通路の半分である『D出入口』を通過すると、いよいよ前方にチラっと、通路にはみ出した古本が見えて来た。商店街の店舗番号は18番で、配管に囲まれた入口上には簀子で作られた店名看板、二台の平台付きラックと店頭棚が通路に向かって開いている。この核シェルターのような通路に、このように古本が並んでいることを、まずは大いに祝福する。後ろを振り返ると、向かいの壁には薄いショウウィンドウが埋め込まれており、古本が飾られているのだが、右隅に多数の新書「バカの壁」が積み上がっている。説明を読むと「バカの壁」で“バカの壁”を建築中らしい。その数ただいま156冊!…プロジェクトしては楽しいが、完成後の大量の同一本の行方が、今から激しく気になってしまう…。店頭に戻り、右の小さなラックには八冊500円コミック福袋・横溝正史文庫・SF文庫、そして足元の箱にはマッチ箱が詰まっている。正面本棚には、探偵推理文庫・カラーブックス・箱入旺文社文庫・サブカル・澁澤文庫・コミックなどが収まる。左のラックにはフィギュア&おもちゃ類と共に大判のビジュアル本が並ぶ。店内は左壁・入口側・右壁に本棚を巡らせ、足元には薄く低い平台が連続。奥壁は一部が本棚で、左側が帳場となっており、椅子が壁沿いに数脚置かれて、何やらマニアックなサロンとして機能しているようだ。真ん中には平台と本棚で造られた島がひとつ。帳場に座るのは、髪を長くした明治天皇の玄孫風青年で、不思議なハイキートーンで「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。左壁棚にはサブカル・漫画評論・セレクトコミック・絶版漫画・児童文学文庫。入口右横には、思想・歴史・教養系文庫が並び、奥ではハヤカワ文庫・創元推理SF文庫・SFが待ち構えている。フロアの島には、人形・ゴシック・グロ・魔術関連・映画・音楽・ポケットブック・児童入門書・大百科・アート・写真・澁澤龍彦・永井豪。右壁に日本文学・幻想文学・海外文学・ペーパーバック・宗教・オカルト・児童文学。奥壁には美少女コミック・エロ・ロマン文庫・SMなどが固まっている。帳場前には探偵小説文庫の小さな棚あり。探偵推理文庫・SF・マニアックアート・サブカル・オカルトに力こぶの入ったお店で、欲望剥き出しにドロッとしている。若くいかがわしい「アスタルテ書房」(2009/01/12参照)と言ったところだろうか。値段はスキ無しのしっかり値。扶桑社文庫「真夜中に唄う島/朝山蜻一」を購入し、一方的に先日の『地下街休日閉鎖』への意趣返しに成功する…私はこのために名古屋にやって来たのだ!帰りの車中のお供は、横溝正史「蝶々殺人事件」であった。
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2014年03月07日

3/7東京・神保町 イタリア書房

午前中のうちに西荻窪に向かい、しつこく粘り強く継続中の「古ツアフェア@盛林堂」に補充を行う。段々と棚造りが濃厚になって来ております。作業を終えて店主とお話しすると、出て来たのが一冊の古い文庫本…ややっ!神田書店名作文庫「ソロモン王の寶窟」!先日手に入れた謎の児童文庫「鐵仮面」(2014/01/31参照)の同シリーズなのである。他の文庫もちゃんと存在していたのかと、生き別れの兄弟に出会ったように喜ぶが、この文庫の詳細は依然として謎のまま…。

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午後に神保町に出かけ、恐いほどに漏水だらけの『A1出口』から地上に出ると『専大前交差点』。いつもの神保町には背を向けて、『雉子橋通り』から竹橋方面に向かって歩くと、すぐに信号が現れ、西側の角地にはこの辺りのランドマーク足り得る、印象的な意匠が縦に△□◯△と連続する和料理屋。その対岸である東側にも、角地を活かした看板建築の中華料理屋が建っている。そこに張り付くように続くのは、緑と赤のイタリアンカラー日除けを架けた一軒のお店。店名の通り、イタリアの洋書&古書の専門店なのである。英語の洋書でも散々手こずっているのに、イタリア語なんて…最初から負け犬気分でお店に近寄る。左は電気の点いていない事務所なので、右側の店舗にさらに近付き、まずはショウウィンドウを眺める。するとそこには意表を突きまくる本が飾られていた!ジョ、「ジョジョリオン」!「テルマエロマエ」!「ドラえもん」!それらのイタリア語版が堂々並んでいたのである!…まさかこんな所で荒木飛呂彦の絵に出会うなんて…。一気に親しみと勇気が湧き、その勢いを駆って店内に突入する。中は緑と橙とキレイな本棚で造られた、洗練されたイタリアレストラン的空間。右には二階事務所への階段があり、その下に新聞類のラックと女性店員さんが陣取る小さな帳場がある。左壁・奥壁・右壁奥に壁棚が展開して行く。最初は大きく“エスパニョーラ”棚…えすぱにょーら…何だっけ?あっ、スペインのことか。文学・歴史・美術・絵本・日本関連が並び、新刊の多い構成である。途中に「イタリア書房」出版の本も並び、奥がイタリアの文学・歴史・美術と同様なジャンルが続いて行く。奥壁にはCD類と共にポルトガル本が並び、右壁に辞書類や教材など。そして奥のテーブルに新刊のコミックが平積みされていた…「リアル」「ジョジョリオン」「ポーの一族」「宇宙兄弟」「テルマエロマエ」「鉄腕アトム」…みな新刊だが、イタリア・スペイン・ポルトガルにチンプンカンプンな俺の突破口は、ここにしかない!と大いに悩んだ末に、絶対に読めないのだがRONIN MANGA「EDGAR E ALAN POE 1/MOTO HAGIO」を購入。7.9ユーロだが、その約三倍の値段である。それにしても、何故タイトルを「エドガー アラン ポー」にしてしまったのだろうか?

この後は地下の喫茶店で打ち合わせをし、「小宮山書店ガレージセール」(2013/07/12参照)にて「めぐり逢い/後藤明生」講談社「山口百恵は菩薩である/平岡正明」を計500円で購入して、突然の雪の中をそそくさと銀座へ移動。『松屋銀座』で開催中の『ぐりとぐら展』に飛び込むと、空いているとばかり思っていたら、驚くべき人出の会場。人いきれにクラクラしながら、「ぐりとぐら」「そらいろのたね」「いやいやえん」の原画たちに熱い視線を注ぐ。特に「いやいやえん」の版下原稿には、ノックアウト!2000円の二冊組図録(アートディレクションはセキユリヲ!)を購入し、“ぐりぐらぐりぐら…”と四十七歳にして呟きながら、慌ただしく銀座を後にする。
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2014年03月06日

3/6東京・赤羽 赤羽ネオ書房

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駅東口に出ると、クスノキがにょっきり生えた大きな広場。時計塔に設置された『赤羽馬鹿祭り』の看板にギョッとしつつ、広場の北端から大通りを東に進み、大きな緑のアーケード商店街『LaLaガーデン』に突入する。駅から少し離れると、やけに自転車が幅を利かせており、油断すると轢かれかねない勢いである。300mほどでアーケードを抜け、『岩渕小学校前交差点』を渡り、グンとスケールダウンした地元商店街の『志茂スズラン通り』に入り込んで行く。昭和の中をテクテク歩いて、歪な形の十字路で東南へ。すると左手に、木造船の舳先を逆さにしたような、美しいカーブを描く緑の日除けのお店が一軒。二階から飛び出た袖看板には『貸本売本』の文字があり、お店の名は「ネオ書房」…その昔、全国に隆盛を誇った貸本屋チェーン『ネオ書房』の残党であろうと予想される。阿佐ヶ谷に残る同名店(2010/02/09参照)は、今や完全な古本屋さんとなっているが、果たしてこちらは…。店頭真ん中に新刊漫画雑誌の棚があり、左の内気に店頭に飛び出た棚には『特価本』の札が。おっ、古本!と色めき立つが、並んでいるのは恐らく貸本上がりのコミック揃いのみ。続いて右の内気な棚を覗き込むと、ここも確かに特価本だが、50均雑誌が面陳されるのみであった。古本欠乏の苦しさを感じながら店内に入ると、一般雑誌やアダルト雑誌の並ぶラック以外は、すべて貸本のコミックで埋まっていた。非常に味のあるお店なのに、味の無い景色が広がっている…店頭で新刊雑誌とと古本コミック&古雑誌を売る、コミック貸本屋である…我ながら見事にこのお店を表現出来た気がする。と言うわけで、手も足も出ずにおめおめと退散する。

しかし古本はどうしても買わねばならぬので、駅近くの古アーケードに迷い込んで「紅谷書店」(2009/01/29参照)へ。くぅ、閉まっている。その上両脇のお店もシャッターを寂しく下ろし、改築のお知らせが貼り出されている…漂う不穏な雰囲気…。アーケードの再開発でも進めているのだろうか?商店は長屋建築なので「紅谷書店」がどう出るのか、大変気になるところである。今後気を付けて、怠り無く観察して行かなければ…。
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気持ちを切り換えて西口に抜け、「平岩書店」(2009/05/11参照)の店頭にむしゃぶりつく。新潮社探偵小説文庫「トレント最後の事件/ベントリー」祥伝社黄金文庫「ビッグコミック創刊物語/滝田誠一郎」を計400円で購入し、寒風の中の赤羽行に決着をつける。
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2014年03月05日

3/5背水の陣! エーワンブック新高円寺店改

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早朝から眠い目をこすりつつ撮影仕事。忍者のように、現場の邪魔をせぬよう息を潜め、良いシーンを掠めとって行く。午後三時に消耗して帰宅してから、土砂降りになった午後五時半にツアーのために外出する。今にも雪に変わりそうなほどの、冷たい雨のしぶきを浴びてから、地下鉄丸ノ内線の新高円寺駅で下車する。…目指すはすでにツアー済みのマイナーチェーン店なのだが、再調査せねばならぬ状況が発生していたのである…。『青梅街道』をビシャビシャと東に向かい、歩道橋のたもとにある「エーワンブック新高円寺店」(2011/01/21参照)…やはり様子が思いっきりおかしい!チェーンの黄色い看板はそのままだが、店頭には不可解な“酒”の立看板!それにガラスウィンドウには『ちょっぴり♥な立ち飲み屋』『ラストチャンスTORIGOE』などの貼紙が踊っている!一体何がこのお店にあったのだろうか?…絶大に入り難いのだが、真相を見極めるべく勇気を振り絞って店内に突入する。すると以前とはすっかり様変わりした空間となっており、まずはカーテンの向こうに白い小部屋があり、簡素なコタツテーブル席の向こうには、かつての面影を留めたカウンターがあり、何となく覚えのある応対の爽やかだった店主の姿が。なるほど、ここが立ち飲み屋スペースなのだなと理解しつつ、「あの〜、ここは古本屋さんですよね?」「そうですが、何?」「いや、以前来た時とずいぶん変わっていたので驚いてるんです」「そう。色々あってね、こう言うことになってるの」…と言うことらしい。取りあえずは本を見ようと、壁沿いに左に延びて行くコミック通路を奥へ奥へと進んで行けば、たどり着くのは純粋無垢なアダルト空間…ふ、普通の古本が見当たらない…通路を早々に引き返し、飲み屋空間へと突入するが、壁棚にはニュースを流すテレビ・ポスター・コミック・スナック菓子、それに左に一本のダーツ通路が展開している。「あの〜、前は普通の古本が売ってたと思うんですが…」「いや、まぁ棚に限りがあるからね。売れる本から順に並べて行ったら、こうなっただけのこと。売れるんだったらもちろん並べるよ」…と言うことらしい。買うべき本が何も見つからないが、せっかくなので缶ビールを注文する。そんな風に腰を落ち着けて色々聞けば、これは止むに止まれぬ変化とのこと。つまりは本が売れなくなって、少しでも売り上げを伸ばすにはどうすれば良いのかと、背水の陣で必死にひねり出したアイデアが、地元民を狙っての飲み屋展開だったのである。予想外過ぎるフリーダムな決断に、心中で驚きつつ惜しみない拍手を贈る。…それで“ラストチャンス”なんて名付けられているのか…切ないなぁ。さらに店主の切実ではあるが、不退転の決意を拝聴しつつ、ビールをノドに流し込む。あぁ、私は古本屋さんで何をしているのか、古本屋さんに何をしに来ているのか、と言うかここは古本屋さんなのか?そんな不可思議だが、たどり着いてしまった展開に、愚かに密かにほくそ笑んでしまう。

外に出ると、まだ雨降り。楽しいひと時を過ごしたが、それでも古本を買えないのは寂しいので、高円寺の様々な古本屋さんを見て回ったが、どこもすでに営業時間外。仕方なくスゴスゴと阿佐ヶ谷まで戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、ちくま文庫「『洋酒天国』とその時代/小玉武」新潮選書「北村薫の創作表現講義/北村薫」を計1000円で購入する。おぉ、雨が上がった。
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2014年03月04日

3/4武蔵野でシャッター半開きの刑

鷹の台に古本も扱うレコード喫茶があると知り、ワクワクして向かう。しかし昭和な線路沿いの商店街の裏にあったお店は、シャッター半開き状態…もうとっくに営業しているはずなのだが、まぁ開店準備中なのかな…よし、近くの古本屋を一回りしてから戻って来よう。そうしてまずは「古本ゆめや」(2009/06/26参照)に向かってみるが、運悪く定休日。そのまま『水車通り』に出て「みどり文庫」(2009/06/27参照)へ。以前と寸分変わらず、瀟酒に静謐に営業中なのが頼もしい。そっと店内に滑り込み、こちらも静かに棚を眺めて行く。角川書店「横溝正史に捧ぐ新世紀からの手紙」を700円で購入する。もう四時前だ、そろそろいいだろうと、先ほどのレコード喫茶まで戻るが、シャッター半開きは変わらない…『あぁ』と思わずため息をつき、シャッターの隙間からチラリと見えている、積み上がったレコードを恨めしく睨んでから、あきらめて駅へと戻る。またひとつ、チェックすべき古本屋ポイントが増えてしまった…。

往きは西武新宿線を利用して来たのだが、今度は国分寺に出て中央線。武蔵野をぐるっと回るカタチで移動している。ハッと思い付き、武蔵境駅で下車。最近行っても開いていないので気になっている「境南堂書店」(2009/02/11参照)の様子を見に行く。すると右側部分だけがシャッター半開き状態…あぁ、またもや“シャッター半開きの刑”か…。
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しかしチラと見える暗い店内の棚は、荒れている感じではないので営業感がある。あきらめずにまた見に来ることとしよう。

最後に吉祥寺で降りて、現在『 売り場全品20%OFF』改装セール中の「よみた屋」(2008/06/12参照)を襲撃し、今日もセール狙いの“古本ハイエナ”と化す。
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棚はセール用などではなく従来通りのクオリティで、店内はいつもより混み合っている状態。新潮文庫「浅草日記/川端康成」角川文庫「死者は語らず「宝石」傑作選集1/中島河太郎編」新潮社「森見登美彦の京都ぐるぐる案内」を計1120円で購入する。セールは3/10まで。それにしても2008年の文をお読みの方は分かる通り、当時のツアーはあまりにも簡便簡素であった。なので改装後には、しっかりと棚の端から端まで、通路の隅から隅まで、しっかりとツアーする所存である。

そして最後は同じ吉祥寺にある「BASARA BOOKS」(2008/06/12参照)が、まだちょっと先の4/10から、改装のため休業することを知る。リにユーアルオープンが十月頃…こちらもツアーしなければいかんな…。
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2014年03月03日

3/3ほんだらけ所沢本店の様子を窺いに行く

三月十六日(日)に閉店するとの情報が多数寄せられた「ほんだらけ 所沢本店」(2012/09/22参照)の様子を、そっと見に行く。もはや閉店まで半月を切ったので、セールなどの動きがあるかもしれない…。狭山ケ丘駅の北口に出て、都心より冷たい風が吹いているため、辛さ倍増の長い道のりを歩いて行く。雲の切れ間から“天使の梯子”がキラキラ下がる空の下、堆肥の臭いが漂う茶畑の間を抜けて、国道に出て黄色く大きなお店に到着する。あっ!壁画の左横に『閉店セール』の貼紙が!
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3/1からすでにスタートしていたのか。今更ながら大いに焦って店内に入ると、結構な数のお客さんが通路を探索し、古本市初日のようにたくさんの本を抱える姿も多く見られる。ぬおっ、高校生がカゴ一杯にコミックを詰めている!とその時、入口横に置かれた『完全撤退!閉店セール 衝撃の売り尽くし』とあるチラシが目に入る。色々書かれているので読み込んで行くと、3/1〜2が『店内全品30%OFF』、3/3〜6が『店内全品50%OFF』、3/7〜9が『どれでも1アイテム100円』、3/10〜12が『どれでも2アイテム100円』、そして3/13〜16の最後の四日間が店側指定の紙袋(1000円)とダンボール箱(2000円)に詰め放題と言う衝撃のシナリオが展開!う〜ん、恐るべきファイナルセールだ…。棚には空いている部分もあり、本の他店への移動も始まっているようだが、スカスカな感じはしないので、“売り尽くし”とは言ってもまだまだ補充は行われているのだろう。さて、買える本はあるのだろうか…比較的人影の少ない文庫通路を出発点にする。古い文庫も並んでいるが、割と淡白な並びに…おっ!春陽文庫があるじゃないか。明朗小説がほとんどだが、昭和三十年代の本が硬い(内容ではなく材質が)タイプがあって嬉しいぞ!とガシガシ掴んで抜き取って行く。それでも“わ行”の若山三郎の大量さには引いてしまい、一冊も手にせず前を通り過ぎる。他の棚も真剣に見て回るが、結局最初の春陽文庫で古本欲が満たされていた模様。春陽文庫を十一冊、「サラリーマン忠臣蔵」「続サラリーマン出世太閤記」共に笠原良三、「青春大学」「女子高校生」「僕は独身です」共に鹿島孝二、「恋愛百貨店」「女の流行」共に中野実、「太陽社員」「特等社員」共に竹森一男、「青い江の島/鳴山草平」「殿さま社長/風早恵介」早川書房「血液魚雷/町井登志夫」を計1250円で購入。様子を窺いに来たら、ビシッと買ってしまった。もしこの次来るとしたら、詰め放題より3/7〜12の1アイテム均一セールだろうか…。
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2014年03月02日

3/2群馬・前橋 第七回 上州・大古本まつり

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ちょっとだけ早起きして駅に向かい、みどりの窓口で春の『青春18きっぷ』を購入する。これで普通列車ではあるが、また色んな所に行く力がついたぞ!と凱歌を挙げつつそのまま駅構内に飛び込み、一回目の使用は肩ならしにと、前橋を目指すことにする。相変わらず、大宮を過ぎるとうすら寒くなる湘南新宿ラインに乗りながら、すっかり雨に濡れそぼって冬の景色に逆戻りした、北関東の広野を進む。前橋駅で萩原朔太郎のポスターに出迎えられながら、北口へ出る。そのまま北へ真っ直ぐ『けやき通り』を進み、井桁型の有蓋歩道橋が架かる交差点で、『国道50号』を西に入る。休日のオフィス街のように人影は疎らで、この先何処へ行っても、それが変わることはなかった。地元の老舗名書店「煥乎堂」(2011/10/08 & 2011/10/16参照)前を過ぎてさらに西に進めば、国道は『県庁前通り』となり、辺りは金融官公庁の集まる“群馬の永田町”である。そして道の行き着く先には、利根川沿いの広い敷地に一際高く屹立する『群馬県庁』が待ち構えていた。その一階の『県民ホール』で、群馬県内の古本屋さん十店が集まり、古本市を催しているのである。ここまで駅からはおよそ1.5キロ。大きな前庭を突っ切って県庁に向かうが、相変わらず人影は無く、カッパを着たガードマンが立つのみで、古本市のアナウンスも見当たらない。まるで休日のお役所そのものなのである。『本当にここで良いのだろうか?』と不安を覚えながらも、心を強くして巨大な車寄せが突き出す入口にたどり着き、自動ドアを二回潜る。薄暗いエントランスホールを、奥にコツコツ進んで行くと、右翼の天井の高い奥行きのある空間から、県庁とは異質な古本の気配が濃厚に漂って来た。引き続き人影の疎らなその空間に踏み込むと、十脚の長テーブルを組み合わせ、その上に古本の詰まった木箱を積み上げた細長く大きな古本島が、七つ並列している(そのうちの一島は、長テーブルを使わずに、およそ百の木箱をレンガのように積み上げ造られている)。また、窓際にも長テーブルが長く連結され、古本に加えて掛軸・額装物・紙物・絵葉書・大判本が飾られている。どうやらひとつの島を一店が請け負っているようだ。やはり目立つのは群馬郷土&歴史本と詩集&詩関連で、萩原朔太郎・伊藤信吉・高橋元吉はもはやスタンダードの領域である。単行本中心の文庫は少なめで、古い本は程良く並び、全体的に割と硬めなのも特徴となっている。私が特に気に入ったのは「永井屋」さんで、硬め雑本の緩い棚造りが、キッチリした周囲があるからこそ魅力的に浮かび上がっていた。裸本ではあるが、十字屋書店の「宮澤賢治全集 第一巻」が200円は嬉しい。それにアール・ヌーヴォーな装幀挿画が美しい昭和四年の近代社「世界童話全集 續アラビヤンナイト」が300円!と一時間ほどウロウロ楽しみ、上記の二冊以外にも六興出版「わが百鬼園先生/平山三郎」朝日新聞社「ケンカの売り方と買い方」、それに絵葉書「東京名所 お茶の水橋」を購入する。市は3/5までとなっている。

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※これが「お茶の水橋」の絵葉書である(部分)。橋は関東大震災で壊れる前の明治のもの。だが、何かおかしい。後ろにうっすら見えるニコライ堂が左岸にあるのだ。これだと橋はどうしても、現在の聖橋より秋葉原よりに架かっていたことになってしまう。そんなばかな…む?もしや…?と写真を試しに逆版にしてみると、おぉ!これがやはり正しい姿ではないだろうか。そして良く見ると橋の上を市電が走っているではないか。
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2014年03月01日

3/1東京・大山 大正堂

お昼に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、古ツアフェアにドカッと補充する。そして店主との話題は、やはり出たばかりの「醗酵人間」に集中…現在進行形でむさぼり読んでいるのだが、もうダメなジェットコースターと言うか、その昔遊園地によくあった『お化け屋敷+コースター』のスリラーカーに乗っているようで、素晴らしきキッチュ&チープ&グロテクスの世界!果たして最後まで読み切れるのだろうか…。そしてフェアで並べている文庫二冊に異変あり!北原尚彦氏の絶版文庫「死美人辻馬車」と「首吊少女亭」に、いつの間にかサインが出現!(※サインは本物です)
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作者が古本屋に並ぶ自分の本に、勝手にサインを入れる嬉しい植草甚一的行動が行われた模様!嬉しさのあまり持ち帰ろうと思ったのだが、いや、これはやはり売らねばならぬ!と、お値段据え置きの破格値でそのまま居座っております。北原ファンは、今すぐ西荻窪に走るべし!

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そして夕方に、古本神・池谷伊佐夫氏より『「大正堂」は開いている!』と一報をいただいた、私にとっての幻店に息を詰めて向かう。何年も前から何度もお店を訪ねたのだが、一度も開いてることがなかったので『もうやっていないのか…』とすっかり諦めていたのである…だが氏からの知らせにより、幻がついに現実のものとなったのである。弧を描くホームから南口に出て、すぐに踏切を渡って賑やかな商店街『遊座大山』に突入する。東に100mほど進み『文化会館』手前の道を北へ向かうと、行き着くのは巨大な『老人医療センター』前。長い塀沿いに東へ向かい、敷地の端の『大山公園』脇を北に入る。すると行く手は二手に分かれるので、右の坂道を選んで住宅街の中に落ち込んで行く。下り切って『氷川図書館』前からさらに北に進むと、『豊島病院通り』に出る。ここで西を向くと、通りの南側に、カーブする道に正対するよう建てられた商店長屋が連なる一角。目標である小さく黄色いテント日除けも、その横顔がすでに見えている…果たして…動悸を早めながら接近すると、本当だ!シャッターがついに目の前で開いているっ!元肉屋と元クリーニング屋に挟まれた現役の古本屋さんは、明るい光を古本だらけの店内に孕んでいた。…それにしても、何と言う店舗!何と言う物件なのか!狭いにもほどがある!ここは確実に日本トップクラスの、狭く小さな古本屋さんである。しばらくボオッと見とれてから、サッシ扉に近寄ると…これは入れるのだろうか?奥にちょっとすぼまったお店の通路は、あまりにも細く危うい。両壁には八段の古い本棚、奥壁にも上半分に本棚、そして中央に文庫と雑誌で出来た胸高の細長い島。その店内を照らすのは、たった二本の蛍光灯だけである。奥のストーブ前に、ニット帽を被った老婦人がおり、通路右側にも老婦人…これは一体?扉を開けて中に入るとと、通路の老婦人が「あらあら、お客さんね。さあ入って。アタシはおしゃべりに来ただけだから、もう帰るわね」と入れ替わりにお店の外へ。入店して眼鏡を曇らせながら、改めて中を見回す。やはり素敵に狭い。好みだ。両側の短い通路は、身体を横にして入ったらそれきりである。左壁にはノベルス・推理小説文庫・時代&歴史小説・時代劇文庫・落語・相撲・芝居・美術・趣味…六十〜九十年代の本が主で、本は実は二重に棚に収まっている。尚かつ場所によっては、その前に文庫が横積みタワーを成しているので、三重部分も発生中。期待度溢れる半放置棚なのだが、その全貌を捉えるにはとても骨を折ることとなるだろう。右壁には食・漫画・歴史・中国・絶版文庫・横積みアダルト雑誌・郷土本・東京。奥壁には古い函入り本が目立ち、日本文学・随筆・紀行など。タイムカプセル気味でジャンルも少ないが、面白い本が中々残っており、本を五冊ほど鷲掴んで奥の列を覗き見る行為には、たまらないものがある。値段は安め。精算しながら老婦人(プリティー&フレンドリー!)と楽しく会話。お店の基本情報は池谷氏からすでに得ていた通りで、月〜土の午後三時半〜八時の営業(不定休あり)とのこと。確実に知りたいのならお店に電話を、と言われるがその番号が分からない。表の日除けにも書かれていないのだ。すると「電話を引く前にね、看板作っちゃったのよ」と、紙片に店名と電話番号を書いてもらった。ありがとうございます。また来てその時は、奥の列と激しく見難い下の段を、じっくりと探らせていただきます。講談社ノベルス「裏六甲異人館の惨劇」(帯付き!)「若きウェルテルの怪死」共に梶龍雄、ケイブンシャノベルス「新特急「草津」の女」トクマノベルス「田沢湖殺人事件」共に中町信、圭文館「新残酷物語/南條範夫」教養文庫「武蔵野/上林暁」春陽文庫「小林一茶/真下五一」を購入する。
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