2014年06月30日

6/30東京・池袋 たにぐち書店

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東武デパートのエスカレーター裏に回り込み、時代を感じさせる『西口広場出口』の案内に従い、饐えた匂いが漂う花崗岩の階段を上がる。西口ロータリーから『みずき通り』を西に進むと、大量の花束と大量のペットボトルが円形に供えられた、先日の脱法ハーブ暴走事故現場に行き合う。弔意を心中に浮かべて西口五差路に出る。『劇場通り』を北に向かい、『池袋二丁目交差点』を過ぎてけやき並木の足下に入ったら、二本目の脇道を西へ。すると次の南への脇道に、書店の看板が堂々と輝いていた…池袋盛り場の外れにある、東洋医学の専門店である。恐らくはかつて『神田古書センター』に入っていたお店なのである。その証拠に、扉には東京の古書市スケジュールのポスターと、現在古書センターの五階にある『薫風花乃堂』のビラが貼られているではないか。外観は診療所か処方箋薬局のようにクールで、非常に入り難いが、ドア左横に置かれた200均本ワゴンが、進むべき道を指し示してくれている!しかしそこに並ぶのは、医療・民間医療・がん・アレルギーなどがメイン。それでも生物・生き方・東洋などの少数派から、何とか一冊を選んで中へ。うぉ、店内は鍼灸・漢方の新刊専門書ばかりで、古本の影は床に置かれた紙袋内の在庫のみ。ぐるっと見渡し、経絡図が描かれた人形と目を合わせ、早々に奥の帳場へ向かってしまう。治療用の針が飾られたガラスケースの向こうには、予想外のTシャツ姿の女の子…もしかしたら針の名人なのだろうか?中公新書「遺伝子・脳・言語/堀田凱樹・酒井邦嘉」を購入する。

さて、せっかく池袋に来たのだから、引越し作業ラストスパートであるはずの「古書ますく堂」(2014/06/13参照)の様子を見に行くことにする。『巨人の星』の明子姉ちゃんよろしく、曲がり角に身を潜め、そっとお店の方角を伺うと、何と!トラックが店前につけられ、荷物を積み込んでいるではないか。…台車に荷物を満載した、大胆な行動が見られると思ったのだが…ちょっとがっかりしながら、取りあえず一安心する。これなら、明日の移転新店オープンに、充分間に合いそうだ。
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2014年06月29日

6/29東京・浅草 BOOKS&CAFE FUGAKU

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銀座線の終点のどん詰まりの『松屋隅田公園改札』から地下道に出ると、目の前には通路にへばりついた立食い蕎麦屋さん。ここで腹ごしらえをして、背後の階段でニュッと地上に顔を出し、『馬道通り』をがむしゃらに北上して行く。『言問通り』を過ぎれば観光客は姿を消し、小さな雑居ビルだらけの閑静な下町となる。葉の大きなプラタナス並木に、強い日射しを遮ってもらいながら、駅から一キロ強。歪な交差点で進むべき道は『土手通り』となり、北西にクイッと曲がり込む。さらに二つ目の『地方橋交差点』で今度は東に曲がり込む。すぐに暗渠に架かった小さな橋に出会い、その暗渠の上はあじさいが花開く、長く細く遥か彼方に延び続ける『山谷堀公園』になっていた。辺りはさらに下町度を上げて行き、道の名は『地方橋通り』。一つ目の信号で交差点際に立看板があるのに気が付く。『本とカフェの店』…これか。メールタレコミで知ったお店だが、この辺りに土地鑑がないと決して見つからぬお店であろう…。『一つ目路地左折スグ』の指示通りに、南に歩いてすぐの小道を東へ。小さな建物が肩を寄せ合う四軒目の一階に、古本ワゴンが見えている!サッシ扉のお店に近付くと、それは文庫と新書を詰めた100均ワゴン。素早く目を通してから、軽い戸を開けて中に入ると、おぉ広い!と思ったのは束の間で、実は右壁が鏡張りになっているための錯覚であった。右側にはハヤカワポケミスを並べたカウンターとテーブル席がひとつ。左側には椅子一脚と、カクカク壁に張り付く本棚たち。中央には雑誌ワゴンと平台、それに背中合わせの棚が一本。奥には少し高くなる帳場兼キッチンがあり、その前にも背の低い棚が一本置かれている。この辺りには床に本が積み上がり、少し雑然とした感じ。なので意外に本の占有率が高く、カフェと言うよりも、見た目は立派な小さな古本屋さんなのである。先客が二人おり、八十年代アイドルフェイスな女性店主が、あたふたと忙しく応対している。平台には雑誌・中井英夫・サブカルが並び、背中合わせの棚には文芸全般・女流作家・漫画評論・サブカル・風俗・文明・浅草・江戸・児童文学などが続くが、ちょっとカオス気味である。奥の棚には大判本やビジュル本が集まる。左壁際には、海野十三全集・久生十蘭・夢野久作・寺山修司・現代思想・料理・菓子・猫・古本&本・映画・澁澤龍彦・文庫・新書・出版関連と並んで行く。新しい本が多いが、こだわる作家の本には古いものあり、そう言う本にはしっかり値が付けられている。しかし所々にドキッとするような安値の本もあり、店主の興味の範疇により、大きく値段は変動していそうである。値段は付いていないものもあるが、すべてはちゃんと売り物で、聞けば教えてもらえるとのこと。ちくま文庫「いつも夢中になったり飽きたりしてしまったり/植草甚一」「新版 熱い読書 冷たい読書/辻原登」を購入。下町の奥地に、古本の並ぶ隠れ家を見つけた思いである。

駅までの長い道のりを、往きとは違うコースで楽しくキョロキョロ戻りつつ、塩豆200g・カレー豆200g・大学いも400gを購ったりし、終いには小さな浅間神社で茅の輪を八の字ダンスでグルグル潜ったりする。
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2014年06月27日

6/27古本を買いに行って息を抜く

色々なことが餡子のように詰まり、きゅうきゅうとした一日。明日も同様な一日になることがすでに分かっており、しかも今日より拘束度が高めなのも分かっている。なのでせめて、今日だけはどうにか古本に触れに行こうと思いたち、サンダルを突っかけ近所の「古本流通センター」(2008/08/09参照)へ。時間の停まったお店には誰もいないのだが、まぁしばらくしたら出て来るのだろうと、代り映えのしない棚を眺めて行く。いつも思うのだが、ここに古本を買いに来るのは、私ただひとりではないだろうか…。訪ねる度に苦しくなる棚からそれでも二冊掴み取り、奥に向かって声をかける。しかし返答はない。二度三度声を大きくする。やはり誰も出て来ない。こりゃあきらめるしかないか、と棚に本を戻して表に出ると、「あっ、すいません」と声がして、隣りの美容院前で立ち話をしていた店主が駆け寄って来た。一緒に店内に戻り、角川文庫「悪魔の手鞠唄/横溝正史」文春文庫「海坂藩の侍たち/向井敏」を計200円で購入する。「悪魔の手鞠唄」を開くと、かつての所有者が書いたであろう、金田一耕助顔負けの事件関係者一覧メモが挟まっていてビックリ。私はこれほど真摯に、ミステリー小説にぶつかったことがないので、多少落ち込みながら痛く感心する。
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続いて『中杉通り』を下って「銀星舎」(2008/10/19参照)へ。ちくま文庫「問答無用 徳川夢声対談集/阿川佐和子編」大和出版「私のものの見方考え方/松本清張」を計800円で購入し、奥様店主といつもの古本&古本屋話から、小猫・蟇・アゲハ幼虫の話へとこんがらがるリラックスタイム。

しばしの息抜きを終えた帰り道、緩い坂を上りながら、今日みたいにさほどの目的がなく、何はともあれ古本屋に古本を買いに行くことについて考えてみることにする。おおまかに理由を挙げてみると、1.読みたい本を見つける 2.探している本を見つける 3.売れそうな本をみつける 4.ただ古本が見たい 5.古本屋に行きたい 6.古本依存症 7.店主と話すため 8.棚の変化を見たい…などであろうか。1・2・3は根源的な理由で、要するに『古本が欲しい』ということ。常にそれらがお店へ足を向ける燃料になっているわけだが、しかし果たして今日の自分はそこまで古本を欲しがっていたのだろうか?4・5は一緒くたにしても構わないほど、古本を棚に並べている古本屋さんが見たいということである。古本が見たいだけなら、家には腐るほどあるのだから、わざわざ外に出ることもあるまい。6はすでに発症していると思うので、あまり深く考えないことにする。深く考えると治療せねばならなくなるからだ。7は性格的に論外である。8は結局1〜5につながる事項であると考える。このように浅く自分を掘り下げてみてから、改めて古本屋に向かうという行動を頭に描いてみると、まず家を出る→街を歩く→古本屋が近付いて来る→開いている!……むっ、ここだ!ここが恐らく自分が一番上がるポイントなのだ。知っているお店であろうが、知らないお店だろうが、街中にふと現れる店舗が、古本を外に晒す光景!つまりは日常の中に、私にとっての非日常への境界(入口)を目にする瞬間が味わいたくて、古本屋を目指しているのではないだろうか。恐らくそこに想像以上の快感を覚えているのかもしれない…開いている古本屋さんが重要か…。もちろん入口を見付けたからには入らねばならぬ。そして古本が並んでいるなら買わねばならぬ。そしてそれらの体験が重ね合わさり、生活に刺激と潤いを与えているのだろう…あぁ、私はいつからこんな人間になってしまったのだろうか?…さほどに古本屋さんと言うのは、私の人生と生活において、重要な役割を果たしているのである。これはさらにこのブログを書く、と言う行為に関わってくると思われるが、それはまたいずれ考察することにしよう。とにかく今日も、古本屋さんに行けてよかった…。
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2014年06月26日

6/26東京・上野 U-BOOK 上野店

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いつでも混雑した感のある上野駅。ホームから階段を上がり、雑踏を抜け、旅愁をたっぷりと味わえる『中央改札』の磁力に逆らい『入谷改札』から構外へ。駅ビルの横っ腹にある、長く殺風景な通路を歩き詰め、階段を深く下りると、巨大駅の端っこである『入谷口』に到達する。目の前にはキラキラ光る、都会の中の学校が立ちはだかるので、回り込むようにして東へ進み、首都高の架かる『昭和通り』。北にトボトボ歩いて行くと、次の交差点手前に、新しく小さなお店が出来ていた。メールタレコミによって知った、どうにも「BOOKS-U」チェーン(2010/04/13 & 2011/12/06参照)と非常に関係ありそうな新店である。ちなみにチェーンの統一色であるブックオフ似カラーは使われておらず、赤い日除けに白い店名シートが貼付けられた、急造の手触り。店頭には110円雑誌ラックと特価文庫&廉価コミック棚が左右に控えている。店内は奥行きがなく超コンパクトで、まるで鍵や靴のリペアをするスタンドのような趣きである。左右の壁際に短い棚と膝下の平台。それに小さなテーブルも二つ置かれている。正面には雑誌ラックとカウンターがあり、真面目な営業マン的男性が立ったり座ったりしている。左側にはコミック・ノンフィクション・現代思想・ビジネス・実用・カルチャー・資格・ビジュアルムックが収まり、右側には官能文庫・新書・エッセイ類・ミステリ&エンタメが並び、平台には間隔を開けて均等に横積みされた文庫ブロックの列。テーブルの上にはデザイン・人文が置かれている。値段は安めなリサイクル店だが、各列に一冊は古い本が紛れていたり、時にマニアックな本も目についたりと、どうも妙なところがあったりする。そして通りを行き交うオッチャンたちが、表の本や雑誌を手に、次々飛び込んで来るのに驚かされる。光文社古典新訳文庫「八十日間世界一周(上・下)/ヴェルヌ」を購入。

帰りはすでに休日のような賑わいの上野界隈を横切って、上野広小路「文行堂」(2010/12/27参照)まで足を延ばしてみるが、相変わらずの渋過ぎる枯淡な店頭ワゴン造りに手も足も出ず、あっけなく雑踏の中を敗走する。
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2014年06月25日

6/25東京・日暮里 にっぽりエキナカ広場 タナカホンヤブース

まだ日射しのある昼前に西荻窪に向かい、「フォニャルフ」にダンダン補充する。店内に踏み込むと、普段はびしっと整頓の行き届いた通路に、コショタン号(2013/09/18参照)が届けたであろう古本のブロックが、うずたかく積み上がっていた。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)としてはレアな光景である。

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作業を素早く済ませて駅へと戻り、次は東へ向かう。情報屋「やまがら文庫」より、日暮里駅構内に「タナカホンヤ」(2012/05/29参照)が出店しているとのタレコミがもたらされたのである。ぐるっと回る山手線は、田端の手前で雨嵐に突入し、日暮里に着いた時は雷鳴の下。階段を上がって、大きく明るい広場を持つ『北改札口』のある橋上コンコースへ。東側の常磐線・京成線ホーム方面をを見ると、柱に囲まれた空間に、スクエアにまとめられたショップブース(日暮里近辺の八店舗が出店)の塊が見えた。カツカツ近付いて行くと、左端の色とりどりの駄菓子棚に隣り合い、横長三段の棚に古本を並べて上にミニ看板まで掲げた、駅中とは思えぬニヤついてしまう光景が展開。柱の陰には「タナカホンヤ」(2012/05/29参照)店主の楽しげな笑顔があり、たくさんの人とのふれあいを無上の喜びとしていた。海外文学・都市・旅・自然・アウトドア・建築・東京・食・料理・海外絵本・カルチャー雑誌などが列を造り、深い棚の前側に面陳され、冊数は少なくともひとつの世界を生み出している。大伽藍のような天井の高い空間で、人々と電車が行き交う喧噪をBGMに古本を選べるのは、何とも味わい深い体験である。朝日新聞社「野外手帳/石毛直道編」を600円で購入。普段お店では出ることのないレシートを渡され「ちゃんとタナカホンヤの名が入ってるんで、貴重ですよ」と、古本屋ツーリストの心をくすぐる一言。大事に保存しておきましょう!イベントは今月29日の日曜まで。
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2014年06月24日

6/24古書店地図考察

古本屋ツーリストにとって、大好きな古本屋さんがたくさん載っている『古書店ガイド』は、必携の枕頭の書なのであるが、実は私は、地図にお店の場所をプロットした紙一枚の『古書店地図』のことは、さらに好きだったりする。たいていは掲載店で無料で配られていることが多く、作成しているのは組合支部・連盟・店舗・街などで、変わったところでは都市研究をする大学のゼミが作った物もある。見かけたらとにかく手に入れるようにし、デッドストックの古い物でもそれほど高くなければ、お金を出して買い求めたりもしている。もちろん基本はツアーに役立てるために集めているわけだが、いつしかその数は大量になり、コレクションとしても楽しみ始めている自分が、当然のように出現していたのである…。ちなみにガイド本も地図も、名称は『古書店◯◯◯』となっていることが多く、悲しいことに『古本屋』が使われるのは稀なことである。なので以降『古書店地図』で統一し、記述して行くことにする。
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『古書店案内図』『古書店地図帖』『古書店絵図』『古書店マップ』『古書店あんない』『古書店MAP』『古本マップ』と名称は様々であるが、紙の表に地図と古本屋の場所が描かれ、裏にお店のリストを載せてるのが基本構造。地図自体は、昭友社に負けぬほどの細密な地図、流麗なイラスト風もあれば、時代を感じさせるワープロで作図したもの、またひょろひょろしたフリーハンドの線だけで街を表現したいい加減の極みみたいなものと、まさにピンからキリまでバラエティに富んでいる。地図の範囲は、支部の地区内や、通りを中心にしたものだったり、駅周辺だったり、広くなると鉄道の沿線だったり、さらに広くなると市全体で捉えることもある。縮尺の違いはあれど、どれも本やリーフレットとは違い、地図が大きく描かれ、箱庭のように切り取られた街で肩を寄せ合う古本屋群を、神の視点で眺めることが出来るのは、とても楽しくワクワクする。

折り畳まれた地図をペラリと開き、同時に記憶の中に変質して閉じ込めてあるその街の記憶を重ね合わせて、地図のビジュアルを補強する。すぐさま妄想の街路を歩いて、番号が振られている古本屋を、次々飛ぶように訪ね回って行く。古い地図を開けば、今は無くなってしまったお店や、見たことも聞いたこともないお店にもたどり着けるのだ!…名付けるなら、エア・古本屋ツアー!これはイメージトレーニングなどの高級なものではなく、それこそただの妄想である。たまにはそれらしく、明日行くルートを考察してみたりもするが、ここの100均台にあの本が出ていれば…実はあの棚にあの本が安値で紛れているかもしれないなど、都合の良い妄想が、やはり頭に幸福に渦巻いてしまうのが関の山。…あぁ、つまり私にとっての古書店地図は、妄想を疾走させるための、幸福な装置でしかないと言うわけか!

そんな風に古書店地図コレクションで、日々愚かな遊びに耽ることが出来るわけだが、最近いくら眺めても飽きない一番のお気に入りは、昭和41年発行の『神田古書店案内図』である。何とこれは、簡素ではあるが、神保町古書店街が、鳥瞰図で描かれているのだ。しかも通りの南側に居並ぶお店を際立たせるために、水道橋駅〜御茶ノ水駅間の北東上空からの珍しい視点を採っている。二階建ての細長い店舗がズラズラと並び、通りには都電の線路が敷設され、救世軍本営・学士会館・中央気象台・神田日活館・ニコライ堂・皇居などのランドマークが描きこまれているのも、地図としての価値を高めている。この当時の「東京古書会館」は平屋の三角屋根なのか…青空掘り出し市は「錦華公園」で開かれていたのか…。そんな小さな発見たちが、とにかく嬉しい一枚なのである。

例え古本屋さんに出かけられない日があったとしても、これからもこの地図があれば、無聊な時を、多少は慰めることが出来るだろう。しかし新たな地図をも、さらに探し求めて、目を光らせて行くことにしよう。もっともっと、面白い古書店地図が、もしかしたら存在しているかもしれない…あぁ、いつの日にか出会うであろう『古書店地図』に、カンパイ!
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写真は昭和41年「神田古書店案内図」の一部。(C)神田古書店連盟

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2014年06月23日

6/23東京・御茶ノ水 オーガニックカフェ 晴れ屋

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『聖橋口』を出て、目の前の『茗渓通り』をちょっとだけ西に歩いて、『池田坂』をドタバタと南に駆け下りる。道はビルの敷地と曖昧になって、都会の中の緑道のようになり、『太田姫神社』の注連縄が回されたクスノキのある小さな十字路で東へ。「風光書房」(2009/12/17参照)の入るビル前を通過し、さらに脇道を一本越すと右手に『GAIA』と言う有機野菜や自然食品を扱うお店が現れる。壁に貼られたビルの案内板を見ると、地下一階〜三階すべてが、オーガニック関連のショップであることが分かる。しかし二階の案内に目を凝らすと、そこには“古本”の文字が輝いていた。…こんな所でも古本が売っているとは、危うく見逃すところであった…。入口を入るとすぐ左に、一直線に階上へと延びる木の階段。そこをガタゴト上がって、二階で右の縦に細長いフロアへ。当然木で内装されたオーガニックな店内には、奥側に冷蔵ガラスケースとレジがあり、フロアには洋服と雑貨類が縦長に並び、右の壁と通り側にカウンター席が設置されている。二人の女性に「いらっしゃいませ」と迎えられるが、後はリリース状態なので、カフェは利用しなくとも大丈夫な様子。そしてカウンター席頭上の壁棚に、本の列が造られている。右壁の本はどれも新刊らしく、通り側の右半分と隅の棚上に並ぶ五十冊ほどが古本のようだ。近付くとそれは、オーガニック&エコ関連・料理・献立・暮らし・雑貨・公園など、あくまでお店に合った並びを見せている。値段はちょい高〜高め。あまり滞在すると不審がられる恐れがあるのでメディアパル「パン屋の歩き方/ウインドチャイムブックス編」を購入し、狭い階段をガタゴト下りる。

続いて今日は、物は試しに神保町で初めて古本を買い取ってもらおうと思いたち、いつの間にか集まった戦争関連本三冊を携え、「軍学堂」(2014/04/07参照)にちょっと緊張しながら飛び込む。本棚も見ずに帳場に直行し「すみません、本を買い取っていただきたいのですが…」と本を手渡し「ではしばらくお待ちください」と査定がスタートする。何かの合格発表でも待つようにドキドキしながら、店内をウロウロ。大体の金額は予想しているのだが、あまり大きな開きがあるようだったら、勇気を持って本を持って帰ろう!とネガティブに悩みつつ、三分ほどで査定は終了。一冊ごとの値段を教えていただくと、誤差はそれほどなかったので、喜んで商談を成立させる。ふぅ〜、ありがとうございます。住所や名前を書き付けながら「前、お店は横浜にありましたよね?」と聞くと、「はい。あの凄く入り難い店ですね」(前店については2008/11/27参照)…じ、自覚があったのか。その答えが面白かったので、思わずハハハとリラックスして高笑いしてしまう。それにしても最近は自分で販売する以外は、溜める一方だった古本を、久しぶりに古本屋さんに売った。しかも神保町で。ちょっと清々しく、今更ながら大人になった気がしないでもない…。
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2014年06月22日

6/22愛しのD坂を胸に坂の上のCDチェーン二店!

雨が止んだのを見計らって、それでも用心して傘を持って上野に向かうと、タレコミのあったお店は堅くシャッターを閉ざしていた。曇り空と首都高の下で唇を噛む。あてどもなくブラブラと駅方面に戻り、人波に飲み込まれながら『中央通り』を南下する。途中でフラッと「ブックオフ上野広小路店」に迷い込み、筑摩書房「天文屋渡世/石田五郎」を見付けて200円で購入。足取り軽くさらに南下し、途中で山手線高架沿いに道を代え、人が集まり過ぎの『ガンダムカフェ』『AKB48劇場』前を突破し駅コンコースを抜けて、電脳街の古本屋さん「星雲堂 秋葉原PX」(2014/04/14参照)に潜入。通路に飛び交う聞き慣れぬ外国語を耳にしながら、100均棚の前にしゃがみ込む。うえっ?ぎょわっぁ!昭和三十六年第五版の「D坂の殺人/江戸川乱歩」が、しれっと100均顔で紛れ込んでいるじゃないかっ!どひゃっほう!もうこれで、私の日曜日は終わっても構わないと、愛おしくカバーを撫でながら、興奮して薄暗い店内へ。そこではさらに、見たことも聞いたこともない銀河文庫「ホウムズ探偵 署名事件/コナン・ドイル」を200円で発見。カッパブックス「毒舌教室/前田武彦」と共に、三冊合計500円で購入する。脳からドバドバ出た“古本幸福感”を全身に巡らせ、さらに足取り軽く神田川を越える。煉瓦高架沿いに西に向かい、急な『淡路坂』を上がり切れば聖橋に到着する。さて、ここまで歩いて来たならば、あの中古CDチェーンの二店を調査してしまおうか。
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※電脳通路で興奮して収穫を撮影。「D坂の殺人」は、カバー・表紙・奥付は「D坂の殺人」だが、扉と小説タイトルは「D坂の殺人事件」となっている…不思議だ。「署名事件」は昭和三十四年発行で、『署名事件(四つの署名)』と『赤髪連盟』を収録している。

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●御茶ノ水「disk union HARD&HEAVY館」
『御茶ノ水橋口』から出て、スクランブル交差点から東に50m。ハードロック&ヘビーメタルの小さな殿堂で、二〜四階に長髪と爆音と速弾きとメロディアスな世界を集めている。狭い急階段を上がって、こじんまりとした各フロアを見て行くと、二階階段に新刊、三階には特価の輸入雑誌、そして四階のレジ回りに和洋ハードロック&ヘヴィーメタルのバンドスコア・アーティスト評伝などが固まっている。豪華な革装本風や、鋲がビッシリ植え付けられた特異な本もあり。申し訳ないが手は一切出せず、たくさんのお客さんで熱気ムンムンの四階から、早々に尻尾を巻いて逃げ出してしまう。

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●御茶ノ水「disk union お茶の水クラシック館」
スクランブル交差点から西に50m行くと、階段を上がったビル一階に、先ほどの「HARD&HEAVY館」の素敵にイカレタ感じとは打って変わった、クールで知的な広いお店が広がっている。自動ドアを潜るとすぐ左にしっかりと壁棚があり、下の平台に新刊を並べつつ、クラシック評論(何故か「のだめカンタービレ」もあり)・オーディオ・ディスクガイド・指揮者・演奏家・作曲家・オペラ・音楽理論・音楽学・音楽史・ポケットスコア・大型楽譜と、体系的に硬めに真面目に揃えられている。値段は定価の20%OFF・30%OFF・50%OFFの三種に分かれている。覚悟はしていたが、ここでも何も買えずに、背に投げ掛けられた「ありがとうございました」の言葉を申し訳なく思いながら、表に逃げ出す。

まあいい。今日の私には、“D坂”があるのだから!
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2014年06月21日

6/21実家に帰りつつ古本屋さんを訪ねる

本日は訳あって、横浜方面の実家に帰る予定。せっかくなので、普段あまり訪れない古本屋さんを巡りつつ帰ってみるかと、愚かで楽しい計画を企てていると、急な仕事が一本飛び込んで来てしまった。これでは一軒ぐらいしか訪ねられないな…よし!では古本屋砂漠化が進む横浜線沿いの希少なお店の無事を確認しに行くことにしよう!そうと決めたら装備を固めて家を飛び出し、まずは昨日開店三周年を迎えた阿佐ヶ谷「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)に飛び込み、ちくま文庫「ヴィクトリア朝空想科学小説/風間賢二編」三一書房「柔肌の罠/三好徹」を1100円で購入し、1000円以上お買い上げの方にプレゼントされるステッカーをいただく。ちなみにさらなる記念のトートバッグは3000円以上お買い上げで入手することが出来る。それにしても「コンコ堂」さんは、仲良し夫婦が結婚記念日を大事にするように、ちゃんと毎年開店記念日を祝っている。このまま麗しく五周年十周年と記録を伸ばし、毎年さらなる古本屋グッズを提供し続けていただきたい!
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焦って渋谷に移動して一仕事こなした後は、東横線と横浜線を乗り継いで、エアポケット的な街である大口駅で下車。長い長い昭和五十年代で時間の停まった商店街を抜け、「ナカトミ書房」(2009/08/03参照)にたどり着くが、残念ながらシャッターが下りてしまっている。しかし荒れている様子は無く、出しっ放しの均一台も現役感に溢れているので、まだ営業中と予想。本を見られなかったのは残念だが、また近々確認することにしよう。踵を返して商店街を戻り、こちらはしっかり営業中の地元リサイクル店「遊人」へ。
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何だか棚上に古書が増えたな…あっ!犬が茶色いプードルになっている!と軽く驚きその子に手をペロリと舐められつつ、講談社文芸文庫「文学人生案内/吉田健一」講談社大衆文学館「成吉思汗の後宮/小栗虫太郎」を計800円で購入する。今や東神奈川〜八王子間の横浜線沿いに残る古本屋さんはリサイクル系を除けば、この大口の二店と町田の「高原書店」(2009/05/03参照)、淵野辺「晶美堂 りら書店」(2013/11/14参照)、相模原「博蝶堂書店 相模原2号店」(2013/02/01参照)、そして八王子のお店だけとなってしまっている。やはりせめて長津田や菊名辺りにも、街の古本屋さんがあって欲しいものだが…。そんな風に考えながら、横浜線でガタゴト実家へと向かう。

※お知らせ
来る7/5(土)に東京ビッグサイトで開かれる『東京国際ブックフェア2014』において、「古本屋ツアー・イン・ジャパンがビッグサイトにやって来た」と銘打ち、一時間ほどのトークショーを行います。当日会場にお越しの方々、また古本屋ツアーに興味のある方は、どうか助けると思って聞きに来て下さい。誠心誠意務めさせていただきます!
■2014年7月5日(土)12:15〜13:15
■東京ビッグサイト「出版梓会イベントスペース」

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2014年06月20日

6/20神奈川・鎌倉 古書ウサギノフクシュウ

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湘南新宿ラインで滑り込んだホームに降り立ち、すぐに階段には向かわずに、西側に目を凝らしてウロウロと歩き回る…想像では線路のすぐ向こうに、新しく出来たお店が見えるはずだったのだが…頭上ではトンビが低空を、風に乗ってクルクルと旋回している…。西口に出ると、平日なのに恐ろしいほどの人波。それを避けるようにロータリーには近付かずに、線路際へと進む駅舎脇の北の小道に入り込む。喧噪は一瞬のうちに遠退き、自転車置場と緑のある地元的裏道となる。そのまま北に歩き続け、東西地下通路の上を乗り越え、左手にもはや格式があるんだかないんだか分からぬ風情の『ホテルニューカマクラ』を見たら、小さな二〜三階建ての建物が並び始める。その内の小ビル一階の、漆器屋さんと料理屋さんが入った端っこに、細い縦格子のドアがひっそりとあった。見上げると洋風袖看板に『古書』の文字。視線を落とすと立看板に『古本屋さんがOPENしました』の文字…それにしても、変わった勇気ある店名である。ちょっと気付き難く入り難くもあるドアを開けると、狭い急階段が待っている。二階には一本の廊下があり、ガラス窓鉄枠のドアが二枚並ぶ。手前がごはん屋さんで、奥が目指す古本屋さん。重いドアを開けてワンルーム的店内に滑り込むと、文学的シヴヤ系な青年が「いらっしゃいませ」。縦長白壁のシンプルなお店は廊下から続く板張りで、左壁にこれもシンプルな六段の棚を擁し、奥壁には棚が続くと共に帳場が置かれている。右側には大きな机がひとつあり、壁面はミニギャラリーとして使われ、現在は写真が飾られている。机上にはデザイン性の高いショップカードと共に、洋書絵本や石津謙介が飾られている。壁棚には、児童文学・猫・旅・食・ファッション・絵本・カルチャー雑誌・70年代カルチャー・植草甚一・クラフトエヴィング商會・堀江敏幸・フランス・パリ・音楽・アメリカ・ニューヨーク・幻想文学・セレクト文庫・哲学・詩集・建築・村上春樹・海外文学・ブローディガン・ディラン・古本・中上健次…店主の思考と嗜好が、純度高く顕現しているようなセレクト棚である。ハイブロウに男子と女子の両面を近付け混合中で、値段はしっかりめ。棚の上がまだ開いているので、蔵書数を増やしても強固な純度を保って行くのか、それとも純度を低めて柔軟に裾野を広げるのか、今後の鎌倉の古本屋さんとしての変化が楽しみである。創元社「モダン・シティふたたび 1920年代の大阪へ/海野弘」を購入したところで、あっけなく正体を喝破される。それもそのはず、店主は昨年の『西荻ブックマーク』でのトークを聴かれていたとのこと。しかもそこで買った単行本「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の識語に『古本屋さんになってください!』と書かれていたため、『よし、なってやろう!』と古本屋さんになったのだと、恐るべきことを告白された!そんなバカなことが!まるで格闘家・須藤元気が、トイレに入った時に便器の上に『一歩前へ』と書いてあったので『よし、人生を、一歩前へ出よう!』と格闘家を辞め、アーティストに転身したような閃きの決意ではないか!驚愕し恐縮!嬉しいことだが、激しく責任を感じてしまう…いやもうこうなったら、この線路際の隠れ家のような古本屋さんを、喜んで応援させていただきます!か、開店おめでとうございます!

何だか仲人でも務めたかのようなお祝い気分になり、踏切を渡って『小町通り』に向かうと、うわっ!「木犀堂」(2012/12/01参照)がコメントタレコミの通りに閉店半額セール中だ!途端に弔い気分に襲われて、函入り本の多くなった店内を静かに一周し、河出書房「娘の家/小山いと子」を900円で購入。閉店日を聞いてみると「七月の中頃までやってます」とのこと。新しいお店が誕生したと思ったら、古いお店が引退間近…古都鎌倉も、こんな風に新陳代謝して行くのか…。
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最後に「books moblo」(2011/10/10参照)に立ち寄り、すっかり頼もしさを増した店主・荘田氏とあれこれお話し。講談社漫画文庫「タンク・タンクロー/阪本牙城」を1200円で購入する。
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2014年06月18日

6/18東京・神保町 BOOK CAFE 二十世紀

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レンガタイルで化粧された『A5出口』から飛び出すと、古本屋さんの極端に少ない『靖国通り』北側歩道。東にテクリと歩き、すぐの『山田書店ビル』を過ぎると、おぉぅ!本日ついに神保町に、ブックカフェが誕生してしまった!ミステリやSFや映画に強いお店「@ワンダー」(2009/01/21参照)を本家とし、珈琲と軽食と古本を販売し始めたのである!開店祝の立花が飾られた店頭は、まさにカフェであるのだが、店内の黒い本棚が通りからも見えており、縦長の看板が取り付けられているのが武骨なスチール棚であることに気付き、古本屋の血がしっかりと流れているのを確信する。店内は一〜三階に分かれており、基本的に縦長の同型で、奥の階段で上り下りするようになっている。入ってすぐに注文を取られるのではとビクビクするが、何も言われないのを良いことに知らぬ顔の半兵衛を決め込み、まずは古本を見て行くことに集中する。一階はシックな内装で、右にレジと長いカウンターがあり、左壁に沿って本棚が奥の奥まで延びて行く。通路はカウンターが迫るので狭く、最下段の本を見る時にしゃがみ込むのは、ちょっと勇気を必要とする。署名入り本・ハヤカワポケミス・ミステリ研究&評論・詩集・司馬遼太郎・時代劇文庫・ロック&ジャズ・芸能・演芸・落語・食&料理関連と続き、奥のボックス棚に「幻影城」・「宝石」・ファッション・フェティッシュ・王&長島・ビジュアルブックが収まる。さらに声の掛からないのを良いことに、何気ない風を装い二階へ。上に古本はあるのだろうか…などと思っていたら、探偵小説(大阪圭吉「海底諜報局」が!)・ジュニアミステリ・絶版漫画を飾ったプレミアショウケースが不安を一掃してくれた。そして階段から見て右壁に、またもや黒い本棚が続く。幻想文学とその周辺・イナガキ・シブサワ・タネムラ・ナカイ・海外文学・海外文学文庫がドバッと並び、ちょっとポップなテーブル席を挟んで左壁の一部に児童文学文庫が集められている。ここまで中々の量の古本があり、値段は普通。では三階はと、期待しながら上がってみると、そこは完全なカフェスペースで、古本の姿は見当たらない…この階が喫煙スペースであることに関係しているのかもしれない。取りあえず一階までクルクル戻り、アップルタイザーを注文。二階席に腰を落ち着け、瓶の蓋を開けようとしたところ、細くて堅くてビクともしない…仕方なく着ているYシャツの裾を被せ、摩擦係数をアップさせて蓋を捻る!プシュッと開いたと思ったら、同時に“パツン”と音が…あぁ、シャツの一番下のボタンを一緒に引きちぎってしまったようだ…悲しいやら情けないやら…。強い炭酸を喉に流し込み、しばらく寛いだ後、一階で金園社「推理小説入門/九鬼紫郎」を購入する。どうかこれから、古本探しを成し遂げた者たちの、喉の渇きを癒し続けてください!そして表を歩けば、いやにシャツの裾が開いてはためいてしまう、恥ずかしさ…。
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2014年06月17日

6/17東京・中村橋 「ドラゴンブック」が古本屋寄りに!

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駅舎から出て南の『千川通り』を越えて、『中杉通り』の源流に入り込む。そのまま歩き続けると、左手に「ドラゴンブック」(2011/07/13参照)が見えるはずなのだが、お店はこつ然と消え去り、そこにはドコモショップが入っていた。しかしそのまま通りを100m弱南下すると、同じ左手に移転し小さくなった「ドラゴンブック」が出現!派手な日除けと店名ロゴは前店舗を踏襲しているが、ギュッと普通の商店物件に本棚を詰め込んだその姿は、庶民的古本屋度がアップしてしまっている!埃除けのビニールカーテンが垂れ下がる店頭には、安売り雑誌ラックや棚が並び、左側奥に100均文庫棚も見えている。店内は左側が少し奥まり、左右の壁棚と二本の通路棚で出来ている。右奥手前に帳場があり、中央通路は入口側が行き止まりの袋小路になっている。全体的に狭苦しいが、それが心地良くもあったりする。左端通路は日本文学文庫・ちくま文庫・岩波文庫が集まり、奥まる半倉庫状部分には新書・タレント・ノンフィクション・実用・女性ムック・絵本・雑誌・音楽・サブカル・音楽CDを見ることが出来る。真ん中通路には時代劇文庫とコミックが集まり、棚脇には特価本&特価コミック棚もある。右端通路はコミックとゲームで統一されている。文庫とコミックがメインのリサイクル系店である。値段は定価の半額よりちょい高が中心。扶桑社文庫「真珠郎/横溝正史」を380円で購入する。

ちなみにこの『中杉通り』の源流部分は、狭い二車線のバス通りである間延びした商店街なのだが、300m圏内に三軒の新刊書店が存在している。そのうち二軒は、木製什器や鉄製回転ラックが麗しい、小さく昭和な昔ながらの本屋さんなのである。並んでいるのはもちろん新しい本なのだが、小さな新刊書店の厳しさを耳にする昨今、ちょっとした奇跡を見る思いである。また、さらに鷺ノ宮方面に下ると、取り壊しの決まった「オズ書店」の古本屋遺跡が残っていたりもする。
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2014年06月16日

6/15静岡で倉庫と新店と五店踏破ツアー!

すでに昨日のことになってしまったが、梅雨の晴れ間に古本神・森英俊氏と連れ立って静岡古本屋ツアーへ。氏がメフィストフェレスよろしく、連絡しなければ入れない場所へと、気弱な私を誘ってくれたのである。だがしかし!『ぷらっとこだま』(運賃が割安だが乗車する列車が決まっている)で午前七時二十六分に東京駅を旅立つはずが、中野駅で慌てて逆方向の中央特快に乗り換える大ミスを犯したため、ものの見事に乗り遅れてしまったのだ!俺のバカ!血の気が引きつつ焦りつつ、それでも東京駅に駆け付け、三十分後のひかり号のチケットを買い、気持ちだけは前のめりに森氏を追いかける。氏の携帯番号のメモも忘れていたので、少ない知恵をギュウギュウに絞って、車掌さんに前を走るこだま号への伝言をお願いする。と言うようなバカなことがあり、午前九時六分。静岡駅の新幹線改札口で、氏に頭を下げながらツアーがスタートした…。

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●静岡「太田書店 倉庫」
駅北口のバスターミナル・4番から水梨東高線のバスに乗り、市内を北東へウネウネと二十分ほど進み、『国道1号』を越えたら『東高前バス停』で下車する。辺りは郊外の住宅地で、竹の生い茂る低山が迫り、とても古本屋さんの気配など流れて来ない。旧街道的な目の前の道を、北に300mほど進むと、右手の電柱に「太田書店」とある看板を発見する。矢印があり『15m先左折』とあるが、5mほどで左折(西へ曲がり込む)して細い道に入る。すると遥か行く手に見えるのは、大きな矢印を山に向けた店名看板らしき物…いそいそと近付くと、緑の山裾の広い砂利敷きの広場に、倉庫然とした『機動警察パトレイバー』第二小隊が駐留しているような建物があった。これは…思わず言葉を失ってしまう。ここは最近、静岡駅近くに新店をオープンされた「太田書店」の本拠地なのである。大量の古本を内蔵した倉庫であるのだが、連絡してお願いすると、入場と購入が可能となるのである。メラメラと闘志を燃やし、森氏の後に続いて駐車場をジャリジャリ進み、裸電球の下がる実用一点張りの木製エントランスに上がり込み、網戸を開けて倉庫の中へ。するとそこは、すでに結束された本の束やダンボールや梱包材が迫り来る、古本迷宮の入口!忙しく働くひとりのご婦人に案内を乞い、来意を告げる。見たところ、建物内も実用一点張りの大工仕事が施され、二階が増床されている。一階には手前側に事務所や大きな作業スペースがあり、奥側半分に古本棚が林立。二ヶ所ある急階段(ひとつには手すり代わりのロープが設置され、まるで古本アスレチックの様相!)のどちらかで二階に上がると、そこは真の古本棚の林で、暗闇を通路に抱え込んだ、もはや幻想的と言える光景が広がっている。そこに響くのは、氏と私の互いの足音と、裏の山で風に揺れる竹の音と、階下で流れるサッカー中継の音声だけ…。そんな中で、懐中電灯を手にして、次々と素早く通路に潜り込んで行く。一階も二階も、スチール棚で出来た十六本の通路が並列し、一階は二本二階は三本の四十メートル級の縦通路が貫く構成である。一階には漫画と文庫が多く、他にジュニアミステリと奥に単行本が集まっている。値段はほとんど付けられていないので、後ほど顔を出していただける社長さんに値付してもらう方式となっている。なので欲しい本は次々と見つかるのだが、値段が分からないと安心して手が出せず、やたらと臆してしまう。それに比べて森氏は、何の躊躇も無く、次々と古本を抱え込んで行く…やはり恐るべきは古本神!二階は単行本と大判本がメインで、しっかりジャンル分けされた文庫コーナーもある。一階と違い、それぞれに分類コードが付けられているので、こちらの値段はすぐに判明しそうである。光の輪の中に、数え切れないほどの古本の背を浮かび上げ、一時間半があっという間に経過。そこに社長さんが現れたので、挨拶と倉庫見聞のお礼を述べる。後で新店にも向かう約束をし、早速本の値付に取りかかっていただく。担当者でないと分からぬ本も存在するため、それらは後ほどメールでお知らせと言うことになり、この場では七洋社「夜の桃/西東三鬼」を購入する。昭和二十三年の仙花紙本だが、一ページ目を開いた途端に力強く大きめな活字で、大好きな『水枕ガバリと寒い海がある』が飛び込んで来たのだ。これを買わなければ、男が廃るじゃないか…。

倉庫にお別れした後は、バスに乗って静岡駅方面に舞い戻り、「栄豊堂書店古書部」(2010/05/04参照)と向かい合う「水曜文庫」(2013/01/24参照)に飛び込み、慌ただしくも楽しむ。そして静鉄に乗って狐ケ崎へ向かい、「はてなや」(2012/07/10参照)に至る。ここでは色々と楽しく話し込み、後学のためにと特別に倉庫まで見せていただく幸せタイム…それにしても一日で二軒の古本屋さんの倉庫を見ることが出来るなんて…。中では純度の高い品揃えに衝撃を受け、ただただ眼の保養と毒の二律背反!…世界はまだまだ広く、ズブズブと深いことを、今更ながら思い知る。「はてなや」さんにはこの後も静岡市内まで送ってもらい、大変お世話になってしまった。今朝のJR東海に引き続き、感謝である。
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写真は倉庫を入って直ぐの通路。

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●静岡「太田書店 七間町店」
駅北口ロータリーで、何本も並ぶ通りから『両替町通り』を選んで、西北へ突き進む。続いて、400mほどで行き当たる『七間町通り』を南西に突き進むと、『七間町交差点』手前の左手ビル一階で、華やかでシンプルな古本屋さんが賑わいを見せていた。五月末に「太田書店」が久々に打ち出した新店舗なのである。軒に張り巡らされた看板には、『古本・古書』の文字が目立ち、白い日除けの下の店舗は、通りに向かって開かれた印象を持つ。店頭には店内に半分食い込む形で、三段のフレームワゴンが連なり、100均本の花を咲かせている。右端には300均の小棚もある。店内はウッディに統一され、優しげにシンプルで、壁棚に囲まれたフロアには、通り側に横向きにボックス棚が置かれ、その奥に縦に背中合わせの棚を三本潜ませている。また右奥に大きなガラスケースがあり、そのさらに奥に頭上に映画ポスターを飾る帳場の姿。棚に食いつくお客さんに紛れ込み、棚を覚え込んで行く。右壁に文学・趣味・鉄道・自然・音楽・映画・コミック・水木しげるが並び、ガラスケースにプレミアジュブナイルSF&探偵・日本文学が飾られている。開店祝の花が飾られたボックス棚には、表側に充実の児童文学・絵本・子供関連を揃え、裏は食・料理・ファッション・暮らし・ビジュアルブック。通路棚は、右端通路に美術図録&作品集、第二通路に美術・建築・戦争・社会・風俗・歴史、第三通路に日本文学・海外文学・哲学・思想・宗教・科学・ミステリ研究&評論・性愛・創元推理文庫・官能文庫、左端通路が教養雑学文庫・講談社学術文庫・ちくま文庫・中公文庫・岩波文庫となっている。左壁には日本文学文庫・探偵&SF文庫・時代劇文庫・戦争文庫と並び、奥壁の新書・新書ノベルス・ハヤカワポケミスと続く。良い本が多く紛れ込み、棚造りにさり気ないながらも頑丈な芯を感じ取れる。「音羽館」(2009/06/04参照)や「コンコ堂」(2011/06/20参照)に近い、センス&ビジュアル&ディスプレイの良い、新世代雑本店の薫りが漂っているのだ。値段はちょい安〜普通だが、一部の良書には相場より安値が散見…楽しいぞ!春陽文庫「奇蹟の扉/大下宇陀児」カッパブックス「日本女地図/殿山泰司」岩崎書店SF少年文庫6「まぼろしのペンフレンド/眉村卓」を購入する。遅ればせながら、開店おめでとうございます!

そろそろ疲れて来た足を引き摺り、石のように重くなって来たカバンを抱え、それでも二人は古本欲を衰えさせずに、「あべの古書店」(2012/12/27参照)「ブックスランド」(2011/08/20参照)「一冊萬字亭」(2013/03/02参照)と見て回り、午後六時半過ぎにようやく静岡古本屋ツアーの幕を下ろす。今回は静岡の古本屋さんに大変お世話になりました。また、独りでツアーする時は絶対にこんなお店の回り方はしないのだが、とことん訪ねるのも楽しい物だと気付かせてくれた、古本メフィストフェレスたる森氏にも感謝。
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写真が本日の収穫であるが、「あべの古書店」にて1000円で買った右端の三省堂「日本の魔法/中澤◯夫(◯部分は“徑”のぎょうにんべん無し)」がサイン入りで、ちょっと嬉しかったりする。
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2014年06月13日

6/13「古書ますく堂」に異変あり!

午後に神保町へ。今月開店する「@ワンダー」(2009/01/21参照)のブックカフェが、果たしてどんなお店になるのか妄想を逞しくしつつ、「小宮山書店ガレージセール」(2013/07/12参照)で博文館文庫「日南抄/福本日南」を100円で購入し、幸先の良い始まりに嫌らしくほくそ笑む。さらに用事をこなしつつ「神田書房」(2012/02/16参照)で創元推理文庫「シンデレラの罠/セバスチアン・ジャプリゾ」(初版)角川文庫「三文役者の無責任放言録/殿山泰司」ちくま文庫「定本犯罪紳士録/小沢信男」を計200円で購入する。すっかり気を良くして神保町駅の地下ホームに立ったところで、用事をひとつ忘れていたことに気付いてしまう。しかしすでに後の祭りなので、後日の用事として先延ばしし、次の仕事場である幡ヶ谷へと向かう。

良く晴れているのに大きな雨粒が落ちて来る中で、あっと言う間に仕事を片付け、続いて池袋へ。あの元スナック物件を居抜きで使う古本屋さん、池袋のマイナー至宝「古書ますく堂」(2011/10/15参照)に移転の噂が立っているのである。それは確かめねばならぬ由々しき事態!焦りながら強い直射日光に炙られ、西池袋の裏路地に食い込んで行く。折しも今日は古本屋+スナック営業の奇怪なイベント(2012/09/14参照)が開かれるので、文系荒くれ者たちが集まる夜が来る前に訪れてしまおうと、まるで夜の眷属を恐れるように小道を急ぎ足。しかし!平日の午後四時なのに、荒くれ者たちの宴はすでに始まってしまっていた!…あ、甘かった。人のことは決して言えないが、この素敵な人たちは一体何をしているのか!喧噪と嬌声に満ちた暗い店内で、それでも本棚には食らいつき、みずのわ出版「神戸の古本力」を900円で購入する。そして店主・増田嬢に移転の真相を聞いてみると、やはり今月末には引っ越す予定で、七月一日には新しいお店で営業を始めるつもりとのこと。場所は現店舗から五分ほどの場所で、今度は椎名町が最寄り駅になるらしい。しかも次のお店もカウンター付き…あぁ、古本屋さんには必要の無い物なのに、まったくもぅ…。さらに細々と聞き込んで行くと、計画が実に「ますく堂」らしくアバウトなのである。引越し業者などは頼まずに、来週から徐々に台車で荷物を自力で運び出して行き(梅雨なのに…)、新店舗までガラゴロ…それを六月三十日までに何十往復もして完遂させて、新店オープンに漕ぎ着ける…これが漠然とした引越し計画の全貌なのである!果たしてそう上手く、計画通りに事は運ぶのかっ?六月三十日にお店を訪れ真相を確かめレポートしたい。現「ますく堂」を目に焼き付けておきたい方は、ぜひ今月中に来訪を。そして、もし台車を押す店主を見かけたら、そっと優しく手伝ってあげてください!表に出ると、室外機の上に白黒の野良猫が丸くなってうつらうつら。時々店内の喧噪にうるさそうに目蓋を上げ、葡萄粒のような目を光らせる。思えばここは、猫がやけに集まるお店であった。次のお店は果たして…。
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2014年06月12日

6/12東京・清瀬 臨河堂

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今回は古本と占いの「JUNGLE BOOKS」さん(2010/08/20参照)からのタレコミである。…もしや占いでこのお店を見付け出したのでは…。雨の北口に出ると、噴水と銀色のモニュメントが、豊かな植樹に覆われたロータリー。地上に下りて東側に回り込み、『ひまわり通り』に入って東北方向へ進んで行く。小さな商店街を抜けると、大きな県道が長い舌のようにビロビロと、さらに東北へ延びて行く。道は新しい街の中に斜めに横たわり、新興住宅・畑・無人野菜販売所・冠水した空地の景色を繰り返す。そして駅から一キロも来た所で、こつ然と黄色い住宅兼店舗の古本屋さんが出現した。お店の前面には“古書”の文字が多く見られるが、実際古本屋さんらしさはあまり感じない。中に入ると、乱雑半歩手前の古本が溢れ気味な状態である。左に本棚と本に隠れ気味の帳場があり、立花隆ヘアスタイルの斉藤暁的店主が、バチバチとリズミカルにキーボードを叩きながら「いらっしゃいませ」。そして「狭くてすいません。片付けていないもんで」と先手を打ってニッコリ。お店は良く見ると、小さな二つの部屋に分かれている。帳場のある部屋は、三方に本棚と棚板の深い壁棚があり、真ん中にフレームラックと背中合わせの本棚が一本。棚と本の上には、所々に横積み本タワーが存在し、それが本を一部見難くし、乱雑光景に手を貸している。右には雑貨と児童文学・生物・自然・社会と並び、後は奥壁と左壁に本の背を上にした列が上下左右に展開。そこに並ぶのは、共産党関連・マルクス主義・社会運動・労働運動・市民運動・宗教問題・環境汚染・食の安全・北朝鮮・中国・軍事・原子力・差別・貧困・汚職・国鉄・政治・経済・ジャーナリズムなどが、骨太に大集合。棚には店主の著作リストが貼り出され、そこにも骨太なタイトルを並べている。真ん中には文庫・ミステリ&エンタメと硬骨な前述ジャンル本。奥の部屋は本棚が細かく立て込み、二本の通路と壁際に“コ”の字に組まれた棚のゾーンで出来ている。そこに並ぶ本は、やはり社会派硬骨ジャンルなのだが、出版社五十音順にキレイに整列している。その出版社も社会派な小出版社ばかりで、決してメインストリームではないのだが、力強い独自のパワーを漲らせている。社会問題&運動・ノンフィクションを中心に、生物・歴史を織り交ぜた構成だが、基本は社会運動…いや、社会正義に溢れている!気付けば店内には、何処からか昼餉のおいしそうな匂いが漂って来ているが、その実正義とジャーナリズムの燠火が、店内の各所で赤々と燃え上がっているのだ!値段はちょい安〜ちょい高。そんな社会正義とは関係の無い亜紀書房「ドキュメントどこへ消えたか北京原人/松崎寿和」を購入。表に出ると、そこは雨の上がった東京の辺境。この地に、こんな熱く重い古本屋さんがあったとは。そう驚きながら、その重さから解放されたように、駅へ軽やかに引き返す。
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2014年06月10日

6/10補充→偵察→弛緩→確認

午後に紙袋一袋分の古本を抱えて西荻窪へ。土日に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にて行われた『街角ミニミニ古本市』にお越しいただいたみなさま、お買い上げいただいたみなさま、ありがとうございました!どひゃっほう本までも、何冊か旅立って行ったので、取りあえず一安心。しかし最下段の二列は『フォニャルフ+古ツアフェア』として地道に続いて行きますので、今後ともよろしくお願いいたします。と言うわけで挨拶代わりの補充をドッサリと。

一仕事終えた気分で西荻窪を後にし、次はあるお店が閉店するかもしれないとの不穏な情報を確かめるために、某所へ偵察に向かう。坂の途中のそのお店にたどり着くと、うぉ!やはり閉店は真実であった。本格的な閉店活動に入るのはどうやら七月かららしいので、詳しいことはその時に改めてツアーすることに。それにしても今年は、ちょっと古本屋さんの閉店が多過ぎる気がしている…。

さてこれから、好きに古本でも買いに行くかと自堕落に考え、武蔵小山駅へ向かい、高校グラウンド脇の「九曜書房」(2009/03/26参照)を訪ねる。入口近くの芳醇な500均棚と、奥通路の古い新書ノベルス棚を、目を細めて陶酔。心地良い古本の並びに心を弛緩させ、ダイヤモンド社「初恋五十年/カルピス食品工業社長 三雲海雲」六興出版「猫のいる日々/大佛次郎」講談社ロマン・ブックス「悪霊の群/山田風太郎 高木彬光」を計700円で購入する。
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※お店の向かいである、高校グランド塀脇に寄りかかる「九曜書房」飛び地の蜂の巣的百均棚…う、美しい。時々良い本掴ませてもらってます!

駅方面に戻って商店街の『PALM-G』に入り込む。相変わらずアスファルト道路の上にアーケードが架かっているのは不思議な感じ。奥にあったはずの新刊書店+古本屋さんの「オークラ書房」(2011/01/26参照)が、跡形も無く消え去っているのを確認してしまう。そこにあるべきはずの古いお店が、突然無くなってしまうのは、とてつもなく切ないなぁ…おつかれさまでした。そして、安らかに…。
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2014年06月09日

6/9埼玉・戸田公園から西川口までを古本屋でつなぐ

最初は、マイナーチェーン『ブックブック』の一店をツアーするだけのつもりだったが、それだけでは古本魂が収まる気配を見せなかったので、古本への情熱を切らさずに、足は西川口へも向かってしまう…。

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●戸田公園「黒船屋 戸田店」
何故か店名は異なるが、間違いなく『ブックブック』グループのお店である。駅東口に出て『戸田公園駅入口交差点』で『電話局通り』を南東に入り、後は道なりに進んで『国道17号』とぶつかる『本町一丁目交差点』へ。すると交差点際のマンション一階に、案外大きなお店の姿を認める。だが中に入ると、横長のコミックゾーン以外は大きなアダルトコーナーで、古本はコミック棚の一部に三列が存在するのみ。それにしてもこのグループは、何故手の切れるような新しい創元推理文庫がいつも並んでいるのだろうか…。文春文庫「平日/石田千」を購入し、そそくさとお店を後にする。

意外な所では少量でも古本が売っていると、とても嬉しいものだが、古本屋さんでリサイクル店と言えども本の量が少ないのは、とてもフラストレーションが溜まってしまう。急いで駅方面に戻り「ふるほん くらの」(2010/10/28参照)の決して軋まぬ木床に頼もしく身を委ね、集英社学習漫画「アガサ・クリスティー」(こ、こんな本が出ていたとは…なにぃ!アガサがフィルポッツの隣に住んでいただとっ!…などと色々勉強になります)小学館「真・女神転生」(ゲーム攻略本の名作です)を計500円で購入…しかしこれも何だか妙な買物なので、気持ちはまだ収まらぬ!地図を開くと、埼京線戸田公園駅と京浜東北線西川口駅は、東西ニキロほどの距離なので、歩いてそちら方面のお店も急襲することに決める。と言うわけで『国道17号』を越えて『本町交差点』から『中央通り』に入ると、左手にすぐピンク色のスーパー『ベルクス』…ぬっ?看板に『室内型フリーマーケット』の文字がある…する、するぞ。古本の匂いが…。

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●戸田公園「パレットモールHOP100彩」
冷気の強いスーパー内に入って二階に上がると、左端にパーテーションで囲まれた長方形の大型スペースに気付く。その入口近くにあったチラシを見ると、高崎にも同じお店が…そうか。これは高崎の「古本 一寸堂」(2011/03/30参照)があるスペースと同系列のお店なのか。偶然とは言え、ちょっと縁を感じて、おまけに期待までしてしまって、いざ店内へ。全長二十メートルほどの通路が三本並び、“コ”の字に組まれたメタルラックの小さなお店が連続している。良く見るとそのラックの間に、ご婦人があちらこちらですっぽりはまり込んでおり、意外に人気があるのを目の当たりにする。古着・アンティーク・骨董・生活雑貨・おもちゃ・CD・ブランド品などがメインの中を、古本を探して通路を行ったり来たり…高崎のように専門店は無かったが、古本を売っているお店は十五店あり、全部集めると結構な冊数になるだろう。しかしその内容は、美容・ファッション・料理・ペット・自己啓発・児童書・コミック・時代劇文庫などが多く、士気が上がらぬことおびただしい。一店だけ「ガロ」や古い本を売っているお店があったが、残念ながら値段が割高であった。さらにモヤモヤと気持ちがこんがらがって来たので、何も買わずに飛び出して、道の先の西川口へと急ぐ。

そしてたどり着いた西口側の「創文堂書店」(2009/08/18参照)で、王道な古本屋さんの雰囲気を味わい。シグロ「貝の火 復刻版/宮澤賢治」を400円で購入し、どうにかようやく気持ちを収める。線路沿いの「宇佐美書店」(2009/08/18参照)は残念ながらお休み。それにしても途中見かけた、戸田公園〜西川口のちょうど中間にある『芥川チョコレート工場』が、今更ながら気になってしまう。あんな場所にチョコレート工場があるのにも虚を突かれたが、その名に勝手に文学の薫りを連想し、小さな工場の壁面に飾られた古いエンブレムと看板文字にシビれてしまう。未知のチョコの味を想像し、疲れた足を引き摺って帰路に着く。
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2014年06月08日

6/8茨城・延方 ブックサイト潮来店

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鹿島線で猛々しく鮮やかな緑の大地を進み、瑞々しい潮来の街を越えて行く。次で降りると、北浦を臨めはするが、殺風景な古いコンクリの無人駅で、周囲には静かに郊外の街が広がっている。閑散とした南口に出て、小さなロータリーを踏み越えてそのまま南に進むと、『国道51号』の入口に、虚しさを覚えるほど大きな『ようこそ白鳥の里延方へ』とあるゲートが架かっている。そこを潜り、国道を西へ。車通りは激しいが人影は皆無で、『文教堂書店』の廃墟やローカルな路面店を眺めながら、ひたすら独り西へ歩き続ける。傘を開いたり閉じたりして一・五キロ。『県道5号』との二叉路を通過すると、広い駐車場を持ち、大きいが何だか薄く見えてしまうリサイクル系のお店にたどり着いた。店内は広く、スロットコーナー・古着・釣り竿・CD・DVD・VHS・ゲーム・新刊ラノベ・大アダルトゾーンが揃い、中央コミックゾーンの右端通路に、ようやく古本の姿を認める。三本の棚に、文庫・ノベルス・ミステリ&エンタメ・オカルト・自己啓発・タレントなど。古い本は見当たらず、古本自体も重要視されていないのか安値となっている。河出文庫「南方マンダラ」ミヤオビパブリッシング「天界と地獄/E・スウェーデンボルグ」を購入。

遠征の割にはあっさりと終了してしまったが、私は落胆などしていない!何故なら帰り道に行きたい古本屋さんがあるからだ!と先ほど分かれた県道まで出て、潮来まで歩いて行くことにする。こちらの道は旧街道っぽく、古い農家や商家や廃屋が建ち並び、うねうねと延び続ける。テクテクテクテクニキロほど歩けば、あやめ祭で賑わっている潮来の街に到着。時間があれば「アイモア カスミ特設会場古本市」(2012/11/20参照)に立ち寄りたいところだが、頭上の高架を見上げると、今まさに上り列車がホームに滑り込んで来たところ。これを逃せば、次の電車は一時間後だ!と泡を食って階段を駆け上がり、電車に飛び込み、水郷の街・佐原へ向かうことにする。

利根川を越えて十分で着いた古い街の中を、早足で突き抜けて、一年ぶりの「古書 武雄書店」(2010/05/01参照)に一直線。いつの間にか物凄く整頓されて、見易くなった店内を、天井近くから足元までたっぷりと見て回る。何故か執拗に、蠅と蚊に追い立てられながら三冊。大日本雄弁會講談社「講談倶楽部附録 明治の英傑」(昭和三年刊。附録なのに函入りのハードカバー…信じられない!)講談社ノベルス「ばいにん ぶるーす/阿佐田哲也」書肆ユリイカ ユリイカ新書「宮沢賢治/中村稔」(棚最下段の隅にひっそりと隠れていたのを100円で。どひゃっほう!)を計900円で購入する。
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嬉しかったので、雨上がりで湿気たっぷりの水郷の街をバックに記念撮影。
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2014年06月07日

6/7千葉・松戸 南相馬支援チャリティー古本市

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北千住と同種の、切ないメロディのホームベルが鳴り響く松戸駅。西口の空中広場に出ると、空は明るめで雨粒は優しいしたたり。それでも傘を差して地上に下りて、ビル街の大通りを西へ進む。『市民劇場』の建つ交差点で人影の無い『流山街道』を南に入り、ひとつ目の信号を過ぎる。すると右手に赤茶の細く古ぼけたビルが現れ、一階の小さな市松模様エントランスに、『古本市』の看板が出されていた。仰ぎ見れば、全体が市民運動団体の持ちビルのようなので、そこが開催している南相馬のためのチャリティ市と言うことらしい。時刻は午前十時。ビル内には暗闇が蔓延り、市民運動系独特の生真面目さと硬さを漂わせている…入ってもいいんだろうか?…そう少々怖じ気づいていると、中からひとりの男性が現れ「古本市やってますんで、良かったら見て行ってください」とにこやかにチラシを手渡される。さも通りかかったようなフリをしながら中に入り込み、丸ボタンの古いエレベーターでガコガコンと四階へ。会場は縦長の会議室のようで、入ってすぐ右に帳場が造られ、真ん中には単行本を四列揃えた、四メートルほどの長テーブルの島。そしてその周囲に、文庫と新書とコミックのダンボール箱が三十ほど配置されている。文庫と新書は一般的で新しめのものが多い。単行本は、社会問題・沖縄・教育・ノンフィクション・文学・児童文学を目立たせており、奥に絵本・ビジュアル本・「太陽」などが固まっている。値段設定は、単行本300円、新書200円、文庫100円となっている。恥ずかしながら、どうやら私が一番客らしい。今のところ、次なるお客は後に続かないので、とてもひっそりとした静かな古本市となっている。数人の男女スタッフにぎくしゃくともてなされ、雨漏りゾーンを回避しながら八冊を選ぶ。ちくま文庫「古典落語 志ん生集」「日々談笑 小沢昭一対談集」河出文庫「幻想の画廊から/澁澤龍彦」角川文庫「ぎゃんぶる百華/阿佐田哲也」鶴書房「明日への追跡/光瀬龍」「異次元失踪/福島正美」秋田書店「ドーバー海峡の怪奇/クロフツ作 藤原宰太郎訳」東京寶文館「簡明 西洋歴史地圖」を購入する。市は明日6/8も開かれる。
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2014年06月06日

6/6今年も「西荻街角ミニミニ古本市」準備完了!

止まぬどころか時が経つごとに酷さを増す雨を恨めしく眺めていると、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏より電話が入る。あまりにも雨が酷いので、車で本を引き取りに来てくれるとのこと。喜んでお願いし、ダンボール一箱分+リュックに少しだけ詰めた古本と共に、待ち合わせの車の中にドスンと飛び込む。…この土砂降りの中をカートで運んでいたら、いったいどんなことになっていたのやら…。午後六時過ぎにお店に着き、まずは「古ツアフェア@盛林堂」棚を撤収し、ついでに隣りの「フォニャルフ」棚の古本も撤収。本を靴痕の水などに濡らさぬよう気をつけながら、持ち込んだ本を棚に置いて行くと、我ながらフレッシュな世界が広がって行く!と言うことで二列分、純度九十パーセントな濃厚棚造りを心掛けました!
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市は6/7・8の二日間ですが、この二列はその後もミニ「古ツアフェア@盛林堂」として続く予定。ただし写真の本はいつまでも並んでいるとは限らないので、ご注意を!どんなに雨が土砂降ろうとも、万難を排して駆け付ける古本神や修羅がいる限り、古本に安住の地はないのである!集え、西荻窪!

そして先月の売り上げを受け取り、気が多少大きくなったところで、小野氏の甘言に見事に乗せられ、憧れの黒白書房「鍾乳洞殺人事件/ディ・K・ウイツプル 横溝正史譯」を五千円で購入してしまう。安さの秘密は、壊れた背が店主の手により修理されていることのなのだが、もう読めれば何の問題もナシ!横溝センセイの清楚乙女人称な訳文が、柔らかい絹のように脳の皺を撫でまくる!あぁ、読むのがもったいない!
posted by tokusan at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする