2014年07月31日

7/31東京・神保町 ARTイワタ

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先日夜に迷い込んだ「手と花」(2014/05/27参照)にて、「AZTECA BOOKS」さん(2010/04/29&2012/05/03参照)からタレ込まれた、まったくノーマークのお店に向かう。『専大前交差点』側の『出口A2』から地上に出ると、灼熱の神保町の端っこ。いつもズブズブ身を沈めている古本街が、道の向こうに見えている。『靖国通り』を東に20mも進むと、一階にカレー屋の入った白い雑居ビルが現れ、左端に手札サイズのスチールに飾られた、二階への階段がある。ビル壁に袖看板、階段入口上に看板文字、そして黒い立看板が念入りに立っている。『写真集・CD・オリジナルプリント・Tシャツ・グッズ』が取扱品目で、アート感漲る階段を『パンポォ〜ン、パンポォ〜ン』とチャイムを鳴らしながら上がってしまう。ドアガラスの向こうは、壁一面の額装オリジナルプリントに囲まれた空間で、ボブ・マーリーやストーンズのミック&キース、デビッド・ボウイ、それに沢田研二の大きなポートレートが一際目を惹き付ける。左側にプレミア写真集を飾ったガラスケースがあり、篠山紀信×中平卓馬「決闘写真論」越しの帳場に、丸眼鏡を掛けたヒッピー風男性が座っている。入口側の壁際には音楽CDが並ぶ長テーブルがあり、フロア中央には写真集が山となったテーブルが据えられている。そして窓際は事務所の打ち合わせスペースとなっている模様で、男女四人がノリノリで華麗に打ち合わせの真っ最中。モデルのような女性二人が嬌声を上げ、何だか芸能界バブリーな光景…こちらは身を縮こまらせて、本を眺めて行く。写真集大テーブルに近付くと、上部にはプレミア洋写真集やラリー・クラーク「タルサ」、鈴木理策や荒木経惟などが煌めく。下層には日本写真家のものが集まり、日本写真史のエポックメイキングがドバドバと。そしてその周囲を、写真集や単行本・カメラ&美術雑誌を詰めた小ダンボール箱が十個弱取り巻いている。森山大道箱・荒木経惟箱・蜷川実花箱などもあり。サイン本も多く、美術館級のオリジナルプリントも含め、ゴージャスなお店である。同じ神保町の「魚山堂書店」(2008/09/04参照)や新宿御苑「蒼穹舎(2009/09/30参照)」などと、ジャンル的には近しい。しかし気取った感じはそれほどなく、フランクな空気が気を楽にしてくれている。値段は高めだが、単行本などは定価の半額が中心。平凡社「名作写真と歩く 昭和の東京/川本三郎」を購入。精算時に「これは全部オリジナルプリントなんですか?」と阿呆のように聞いてみると、ヒッピー風男性はニコリと笑って「そうです。………海外のものがほとんどですね」と、ちょっと何やら説明しかねる感じであった。まぁ質問が大雑把過ぎるのでしょうがない。それにしても、この豪華な写真の中で毎日を過ごすのは、一体どんな気分なんだろうか?

この後は灼熱の街をパトロールし、「高山本店」(2014/01/27参照)のセンター前ワゴンに目をつけ、角川文庫カバー無し時代のデッドストックに注目し、鮎川信夫譯のガードナー!松村みねこ譯のイエーツ!と喜ぶ。角川文庫「すねた娘/E・S・ガードナー」「鷹の井戸/イエーツ」(昭和二十八年の初版で、譯名は松村名義だが検印紙は片山廣子名義の『片山』となっている)児童憲章愛の会「新百科ものしり小事典 宇宙・科学特集」を計400円で購入し、「神田書房」(2012/02/16参照)では100円で角川文庫「パンのみに非ず/後藤明生」を掘り出し、「文庫川村」(2008/11/20参照)では右端のボロ本ばかりが並ぶ50均ワゴンから初期ポケミスの二冊、ハヤカワポケミス「カーテンの彼方/E・D・ビガース」「恐怖の背景/E・アンブラー」を見つけて計100円で購入。かなりキレイで何処にもおかしなところは無い…嬉しいが、とっても不思議だ。
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2014年07月30日

7/30東京・神保町 愛書館・中川書房二階

先日配信された『日本の古本屋メールマガジン162号』でご報告した通り、秋に二冊目の単行本を発売予定である。もちろん当ブログを元に編集するものであるのだが、一冊目の続きではなく出版社やその趣きと用途を大きく変え、ある特殊なテーマに沿ってまとめられている。現在必死に編集&追加取材中。詳細はまた後日お知らせいたしますので、どうかしばらくは心の片隅に、置いておいてやってください。と言うことですでに昨日のことになってしまったが、取材で午前十時に神保町を訪れると、「八木書店」(2013/07/24参照)の青い店頭プラ箱に顔を突っ込んでしまう。するとそこに並んでいたのは、角川書店「青春の打席/藤澤桓夫」ベースボール・マガジン社「私の見た裸のジャイアンツ/水原茂」書物展望社「茶煙亭燈逸伝/岩佐東一郎」(裸本)細川書店「夢應の鯉魚/上田秋成作・棟方志功版」。これで合計1000円なのである!「青春の打席」は藤澤桓夫献呈署名入り(献呈名は消されている)で、「裸のジャイアンツ」は水原茂のサイン入り!う〜ん、とても油断ならないぞ、神保町。ニヤニヤが止まらないぞ、神保町!さらに水道橋方面の「日本書房」(2011/08/24参照)では書肆ユリイカ「天命/眞鍋呉夫」を100円で発見し、早起きすると良いことがあるんだと、強く強く思ってしまう。
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そんな中、横丁に入った「愛書館・中川書房」(2012/10/31参照)の店内を何気なく覗き込むと、棚脇に見たこともない貼紙を発見。『二階もお気軽にどうぞ』と書かれているのだ。いつのまに二階が出来たんだ!と驚きつつ、東松原のお店が「瀧堂」(2014/05/01参照)になって独立したため、二階が新設されたのかもしれない。勝手にそんな風に想像して、店内に早速入り込み、入口左横の狭い階段をコツコツ上がる。
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縦長の部屋にシンプルなスチール棚で作られた、狭めの通路が三本あり、階段側にデジタル時計を背後に掲げた帳場がある…とても静かである。左端の通路は、美術(森山大道の「遠野物語」オリジナルが)・アニメ・文学・茶道・民俗学・世界文化など。真ん中通路には演劇・音楽・映画・科学・日本古典文学・歴史・詩歌。右端通路は詩集・美術テクニック・ビジュアル本・図録・美術作品集・豪華作品集が集まり、奥の壁棚は揃い本が多く並べられている。美術を中心としながら、文化的に硬めなラインナップとなっている。素早く見て、素早く階下に逃げ出してしまう…ごめんなさい!
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2014年07月28日

7/28東京・町田 町田市役所 古本リユースコーナー

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小田急線で神奈川県に派手に食い込んだトーキョー・町田市へ向かう。西口に出て、白いタイル張りの階段を下って通路下のロータリーへ。そしてそのまま『町田駅前通り』を西北に突き進む。道幅も広く、奇麗に整備された郊外都市風景の中を、微かな古本の匂いを嗅ぎ付けて進み続ける。500mほどで『町田市役所交差点』に至り、そのまま『町田市民ホール』を越えると、その向こうに軽やかな新建材とガラスで出来た『町田市役所』が立ち上がっていた。飛び出た一階部分は、透き通ってまるで自動車のショウルームのようである。自動ドアを潜り、エレベーターホールや総合受付前を過ぎると、恐ろしく広い無菌室のようなワンフロアとなっており、未来世界の如き役所風景が展開されている。あっけにとられながら、町田市民ではないので引け目を感じながら、ヒタヒタと奥へ入り込んで行く。目指すは南口前にあるエレベーターである。奥の案内所前を通ってエレベーターにたどり着くと、その横に学習机のような木製棚がポツンと置かれていた。ここでは市民から寄贈してもらった古本を、カンパ形式の文庫20円・新書30円・漫画20円・単行本その他50円で入手出来るのである。上部には単行本と値段表があり、ワゴン部分にコミックと文庫本、それに料金箱が置かれている。足下前面は四つの棚に区切られ、単行本とムックが並んでいる。寄贈本なのでジャンルはバラバラだが、その並びはたまたまなのか、なかなかどうして腐っちゃいない。欲を言えばもう少し冊数を増やして欲しい。瞬時に岩波現代文庫「空からの民俗学」「宮本常一、アフリカとアジアを歩く」共に宮本常一、ちくま日本文学全集「宮本常一」青弓社「古書礼賛/山下武」を選んで、値段表と照らし合わせて110円を料金箱に投入。所要時間はおよそ三分。市役所の隅っこにある、ミクロな古本屋さんに感謝を捧げる。
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2014年07月27日

7/27東京・とうきょうスカイツリー シネマッドカフェ

昨晩さんざん魘されたあげく、ダラダラと起き出し、ダラダラと午前を過ごし、ダラダラと昼食を摂った後、クナクナした身体に古本の鞭を入れ、炎暑の戸外へ。弱冷房車両を乗り継いで、たどり着いたのは押上駅。ここに日曜の午後に来たならば、やはり「リサイクルブック イセ屋」(2014/07/13参照)の様子は見に行かねばならないだろう。以前はあんなに何度行っても入れなかったのに、またもや開いている、この百発百中(と言っても二度目だが)の嬉しさ!棚はあまり代り映えしていないが、同光社「山潮伝奇/並木行夫」(裸本)ほるぷ名著復刻全集「日本橋/泉鏡花」を計300円で購入し、ここはこれからも定点観測して行こうとの思いを強くする。

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駅方面に戻りつつ、踏切を渡って東武線の西側に出て、妙に寂しい線路際をトボトボ歩いて行く。やがてスカイツリー駅の東口にたどり着くので、緑が鬱蒼とした都営住宅内を北に抜け、大通りを西へ。すると都営住宅の足元一階には飲食店が連続しており、その中の一軒にカフェの姿を見出す。古き佳き時代の外国銀幕映画をテーマにしたお店で、薄いウッドデッキを上がって中に入ると、小さめな空間の壁一面を、西部劇映画のポスターパネルが覆い尽くし、映画への思いが尋常ならざることを伝えている。そして右壁の一番手前に一本の本棚があり、並ぶ古本はすべて販売されているのである。他のお客は誰もいないので、本棚前の丸テーブルに腰を下ろし、欠乏した水分を補うべく昼ビールを注文してしまう。本棚には、映画監督・映画文化&歴史&評論・アカデミー賞・ハリウッド・ニューヨーク・東京・俳優評伝&自伝・映画ガイド・映画学校・プロデューサーなどが並び、積み重なるクリアファイルには映画チラシが入ってるのかと思ったら、手作り労作の年度別封切り映画ファイルなのであった…おぉ、汲めども尽きぬ映画愛に、あっという間にお腹がいっぱいになる。ちょっと独特な雰囲気にも負け、何も買わずにお店を出てしまう。その途端に雷鳴。

駅横の「業平駅前書店」(2009/04/20参照)に駆け込み、店主がズゾ〜ッとラーメンを豪快にすすり上げる店内を回遊し、平凡社「怪奇探偵ルパン全集 第六巻/ルブラン原著・保篠龍緒譯」(カバー付)金鈴社「新編人形佐七捕物文庫 梅若水揚帳/横溝正史」を計600円で購入する。その時表は、もはや土砂降りの白い雨。古本屋さんの軒先で、雨の飛沫を浴びながら、しばし途方に暮れてしまう。
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2014年07月26日

7/26東京・立会川 競馬場に古本を探しに行く

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寝苦しい夜を乗り越えて、午前八時に起床する。手早く身支度を整え、すでに気温が三十度を越えた戸外に飛び出して行く。今日目指しているのは、古本屋さんではなく、平日ギャンブルのメッカ『大井競馬場』である。ここで毎週のように巨大なフリーマーケットが開かれているのを知り、もしや古本も賑々しく売られているのでは!と大いに妄想してしまったため、いてもたってもいられなくなったのである。…全く持っておめでたい…。品川で乗り換えた京浜急行各駅停車を乗り捨てると、高架下から抜け出して、FRP製の坂本龍馬像に目礼して、煮えたぎったような立会川沿いに東へ。橋を渡って一本南の『競馬場通り』へ出て、東に進んで行く。競馬場への道のりなので、ちょっと特殊な混沌の街並であるが、今日は競馬がお休みのせいか、街には長閑な空気が流れている。首都高の下を潜って、広大な競馬場敷地に接すると、金網には『フリマ開催中』の幟が連続し、そのまま東に進むとたどり着く『第一駐車場』の入口には、『BIGフリーマーケット開催中』横断幕。そこから中に入ると、二階建て駐車場の一階部分に、いつ果てるとも知れぬ、無限にも夢幻にも思えるフリーマーケット会場が、一階の日影部分とは言えども屋外の熱波に晒され、ドドンと広がっていた。マンモス駐車場の右側2/3がフリマ会場になっており、電気系ジャンク品・骨董・古道具・古着・新品洋服・生活用品・水着・玩具・家電・装身具・下着・絵画など、新品古物を問わずありとあらゆる物が売っており、客層には何故だか外国人客が多いため、さながら異国のバザールの様相である。出店しているのは見るからにプロ&セミプロの方々で、プロフェッショナル感が各店に漂っている。そんな無限のフリマ回廊を、古本のみを求めて彷徨い歩く。コミック・映画パンフ・レコード・紙物・読み終えた文庫や雑誌が置かれているのは良く見かけるが、古本となるとなかなか…。と思っていたら、半分古本を並べたお店にようやく行き当たり、店頭に平積みされた戦中の映画雑誌の束に注目する。国産漫画映画(アニメ)の座談会(日本アニメーションの父たる『くもとちゅうりっぷ』の政岡憲三、『桃太郎の海鷲』瀬尾光世も参加!興奮!)が載っている号を買うことにして、値段を聞いてみると一冊二百円。千円札を渡すとお釣りが無いと言う。すると「それ、全部で何冊ある?」「八冊…かな」と答えると、全部で千円にしてくれた。むむぅ、と古雑誌を胸にさらに通路を歩き続けると、特撮本&紙物専門店や戦争本店を見つける。さらに紙物&古雑誌の多い、結構本格的な古本店も発見し、古い絵本二冊を100円引きの300円で購入する。フリマに潜入して一時間。頭がボ〜ッとなり始めたところで、スペースの半分に戦争&戦前本を並べたお店の中から、児童文学二冊を見出し、ドキドキしながら値段を聞いてみる。すると店主はちょっとだけ考え「一冊千円かな」と告げられる。多少足元を見られた感があるが、良い古本を見つけられたのが嬉しかったので、値引交渉もせずに即購入してしまう…うぅ、俺のあわてんぼう!結局二時間近く時間を掛けて、すべてのブースの吟味を終える。恐らくここだけでは物足りないだろうと、帰りに何処かの古本屋さんに寄るつもりでいたのだが、すでに精魂尽き果てた脱け殻となっていた…。会場の隅でビールをあおり、己に終了の合図を優しく告げる。
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※日本映画出版株式會社「映画評論」(表紙絵は野口久光!)は、実は九冊で、戦後のものも含まれていた。羽田書店「風の又三郎/宮澤賢治」は、賢治初の児童本だが、簡装版があるとは知らなかった…。なんだかんだで良い買物が出来ました。
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2014年07月24日

7/24東京・東中野 ブックオフ 東中野店

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午前中しか動けぬので、ツアーをどうしようかと悩んだ末に、「本の雑誌8月号」ブックオフ特集の座談会『このブックオフがすごい!』に出て来た「ブックオフ東中野店」を見に行くことにする。座談会を読むまで、ここが古書を扱うお店だとは知らず、入ったことも一度もなかった。同様の「高田馬場北店」「中野早稲田通店」(共に2012/11/15参照)「江古田店」(2012/05/15参照)はツアー済みであるが、果たしてどんなものであろうか…。西口の線路谷の上に出て『山手通り』へ。信号を渡って西側歩道を北へ進んで行くと、すぐにビルの一階に入った、赤・青・黄・白の横長なお店が見えて来る。自動ドアから中に入ると店舗の真ん中辺りで、左奥にレジ&作業場があり、フロアには長い通路が五本積み重なっている…とても静かなブックオフである。例のテーマ曲はまったく流れず、店員さんの声も必要最小限。また店内の見通しは良く、棚造りもただ本を五十音に並べただけではなく、しっかりとしたリズムとテンポを感じ取れる…さて、では古本は何処だ?いわゆる新古書ではなく、古本の気配を求めて棚に目を光らせて行く。おっ、まずは第二通路文庫棚の右端平台に、絶版文庫の塊を発見。プレミア値のものもあるが、総じて安めな値付であろうか。続いて第四通路の100均文庫棚平台に、これも100均の絶版文庫の塊が。そして向かいの100均コミック&単行本棚右端に、『210円〜』古書棚一本と100均古書棚あり。文学・思想・歴史・文化が多めである。また右壁奥にも一本の『210円〜』古書棚があり、金井美恵子・倉橋由美子・海外文学・全集類を並べている。単行本は300〜500円のものもあるが、良い本はわりとしっかり値が付けられている。しかしプレミア値の本は少なく、そこまで古書に偏っているわけではないので、定点観測して良い本に巡り会う作戦が有効であろうか。講談社文庫「抱擁家族/小島信夫」ちくま文庫「明治不可思議堂/横田順彌」光文社文庫「古書ミステリー倶楽部2/ミステリー文学資料館編」を購入する。あっ、入口左奥の柱棚には、絶版漫画も並んでいるのか。
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2014年07月22日

7/22東京・八丁堀 書肆 逆光

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先日のますく堂訪問で、八丁堀にいつの間にやら古本屋さんが出来ていたことを知り、大急ぎで駆け付ける。京葉線『B1出口』から地上に顔を出し、『新大橋通り』西側歩道を北上する。行く手に東京メトロ八丁堀駅『A5出口』が見えたら、その手前の立食いそば屋と写真屋の間を西へ入る。雑居ビルと飲食店の続く、直線の『二八通り』をソロソロと進む。大きな十字路→小さな十字路→大きな十字路と通り過ぎると、左手に白い側壁にパックマンのゲーム画面のように、細いパイプが剥き出しで配管された四階建ての雑居ビル…一階酒場食堂の脇にある、小さなビルの入口に踏み込むと、古い階段下にお店の小さな看板が置かれ、そこを上がり切ると目の前の床に100均本が並んだ嬉しい光景。古いお店へのドアを押し開くと、廊下から緑の床がそのまま続いた、ギャラリーのような、雑居ビルの小さなワンフロア。抑制と神経の行き届いた空間である。左壁に古本棚がしっかりと静かに展開し、真ん中には大きなテーブルが置かれ、左壁奥と窓際には、小さな棚やラックや机が連続する。そしてビル内階段上に張り出したスペースが右奥にあり、そこに帳場が収まっていた。入口からは死角になっていたので、歩を進めて覗き込むと、テニス部キャプテン的雰囲気の長身の男性が「いらっしゃいませ」と本の整理を進めていた。こちらも慌てて挨拶をし、左側本棚の前へ。倉庫扉の横に、美術・工藝・民藝・映画があり、古書も多く昭和初期の商業美術に大いにときめく。壁棚は安心の文庫ゾーンから始まり、岩波文庫・ちくま学芸文庫・福武文庫・講談社文芸&学術文庫・海外文学文庫、それに新書を並べる。さらに日本近代文学(横光利一「機械」オリジナルが!)・藤枝静男・第三の新人・七十年代文学・日本現代文学・現代思想・海外文学・ユイスマン・児童文学・文化・紀行・自然・詩集・詩誌・文芸誌が続く。窓際のラックでは北園克衛「VOU」が冷徹に微笑んでいる。テーブルや窓際には、器・絵葉書・古雑誌・瓦片・鏃・ライター・香水瓶・スプーン・土器などの小さな物が美しく飾られ、本来の役目を果たし終えて、家に持って帰りたいようなオブジェとしての魅力を発している。古本はしっかりとセレクトされ、古書を程良く含み、値段は普通。しかしここに古本屋さんが誕生したということは、「ゴジラ堂」(2011/09/26参照)亡き今、「森岡書店」(2008/12/12参照)と「酒井古書店」(2008/12/26参照)とを合わせて、新たな“古本屋トライアングル”が完成したことになる。これからも、窓から射し込む逆光の中に、古本と古物をコントラスト強く、美しく浮かび上げてください!そう心の中で祝いつつも、お店にそぐわぬ愛育社「傀儡城/野村胡堂」(ちょっとくたびれたボール紙表紙の仙花紙本だが400円。題名から伝奇時代劇を想像したが、バリバリの少年冒険SFでびっくり)を見つけてしまい、福武文庫「バラルダ物語/牧野信一」と共に購入する。

そしてここで驚くべき事実が判明。店主には私の正体は脆くもすでに見破られ、さらに昨年末のトークショーで販売した『古本屋になってください!』識語入りの拙著を見せられ、「だから古本屋になりました」と告白される。うげぇっ!鎌倉「ウサギノフクシュウ」(2014/06/20参照)に続く、恐ろしいことだが喜ぶべき事態!…いや、とっても幸せです。感動しています!責任を持って、これからも応援させていただきます!だが最後に、せめてものお礼にと本に識語を追加するが、『八丁堀』を『八丁掘』と間違えてしまう…あぁ、締まらないこと甚だしい。それにしても「本当は考古学と詩集のお店にしたいんです」との発言にはびっくり。ぜひともツアーしてみたいけれど、そんな素晴らしくマイナーなお店は、もうマスターキートンしか来ないのでは…。
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2014年07月21日

7/21神奈川・追浜 第48回アイクルフェア 古本市

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わりと早起きして、京浜急行・快特の猛スピードで東京湾岸を南下し、金沢文庫駅で各駅停車に乗り換えて、午前九時半の追浜駅。東口に出て、昭和が淀むロータリーから東に延びて行く『夏島貝葉通り』を、海までひたすら歩いて行けば良いのである。歩道に屋根の架かる長い『追浜銀座』を抜けると、左手の公園奥から、これからゲームの始まる『横須賀スタジアム』の存在感が伝わって来る。ここで人影は途絶え始め、道は広がり、周囲は巨大な敷地の工場ばかりとなる。…海が近い。そう予感して、トラックの排気ガスと蝉の声を浴びながら、ヒタヒタと歩みを止めることなく道なりに東を目指す。やがて、『予科練誕生之地記念碑入口』『横浜マリノスサッカースクール』『動物愛護センター』が現れた所で、行く手に粘度の高そうな鈍色の海が見え、その際に城の如き意匠を施された恐ろしく巨大な『リサイクルセンター アイクル』が建っていた。すげぇ…丈夫なカリオストロの城みたいだ。正面から見ると和風な城にも見えるぞ…。そしてその敷地入口には、『ジーパン市』の幟と共に愛しい『古本市』の幟が、暑い海風にへんぽんと翻っていた。この施設の二階で、今日だけ一冊三十円の古本市が開かれるのである(ジーパンは一本300円)。露店の間を突っ切り、一階のリサイクル自転車&家具売場に興味を惹かれつつ二階へ。うぉぉぉおおお!広いフロアには、午前十時の開始を待ち構える人の壁が出来ていた!左半分がジーパン市で右半分が古本市だが、すでにその周囲を人垣が、三重四重に取り巻いている。しかもみっしりと強固で、暴動一歩手前のような熱気が漲っている。この状況を見て察するに、市がスタートすると同時に、人々が会場の通路に全方向から雪崩れ込むようだ。長テーブルの島で出来た長い平台が四つあり、奥の窓際に帳場が設えられている。どの平台の上にもブルーシートが掛けられており、そこにどんな本が並んでいるのか分からぬようになっている…何故だ。これは突入場所を良く見極めなければ…しかしブルーシートの端を良く見ると、並んだ本の一部がチラリと見えているのに気付く。右の二つはどうやらコミックの恐れあり。左の二本に山を張ることに決め、左側の人垣後ろでスタンバイ。緊張の午前十時、ブルーシートがめくられると共に、人垣がドワッと動き、あっという間に平台の周囲に密着する。やはり左の二本が古本台で、左端にビジュアルムック・写真集・絵本が並び、その隣りが文庫メインの大人用。それにしても人が多過ぎて、本がまったく見えない!これは過酷な古本市だ!最前列の人々は、ガッチリスクラムでも組むように隙間なく並び、それがベルトコンベアのようにズルズルと回転し続けている。そしてそれをさらにあぶれた人たちが取り囲む!本が次々と補充されるので、あまり列から離れる人はいない。あったとしてもそこは瞬時に埋まってしまい、あっという間に元通り…一本の文庫台に対して、人間が多過ぎるようだ…。結局ほとんど最前列になることはなく、隙間からどうにか九冊。ポプラ文庫「電人M/江戸川乱歩」河出i文庫「オノマトペは面白い/永田守弘」かもめ文庫「かながわ定食紀行/今柊二」中公文庫「転んでもただでは起きるな!/安藤百福発明記念館編」ちくま文庫「手業に学べ 技/塩野米松」講談社文庫「藤田嗣治「異邦人」の生涯/近藤史人」岩波新書「俳風動物記/宮地伝三郎」講談社「誰が映画を畏れているか蓮實重彦/山根貞夫」文遊社「いづみ語録/鈴木いづみ」を計270円で購入。

ついでに隣りのジーパン市の隅で開かれていた『古道具市』も冷やかし、キッコーマンのデッドストック前掛け二着を1000円で、さらにレコード箱の中から大瀧詠一「A LONG VACATION」と荒井由美ベストアルバム「Yuming brand」(3D眼鏡付き!)を計200円で救出し、およそ一時間の闘いを終え、会場を後にする。

横須賀スタジアムの大声援に心を泡立たせて駅まで戻り、線路沿いの『北原製パン所』で色々と買い込む。食パン丸ごと一枚のラスクも愉快だが、ソフトクリームのコーン生地でカステラパンをそっと挟んだ『ウエハース』は珍品で、シャクンシャクンポスッと不思議な食感が楽しいパンである。
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※レコードとウエハース。

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2014年07月20日

7/20東京・椎名町 古書ますく堂 小料理屋ver.

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北口から表に出ると、右手に大きく『山手通り』の陸橋が圧し架かって来ている。その薄暗い下に入り込み、広場と自転車置場を突っ切ると、黒いビルと茶色いビルの間から、一本の道が東に延び続けて行く。ただの裏道ではなく、疎らに商店などが並んで人の行き交いも多い、地元民の目抜き通りでありけもの道なのである。ドカドカ歩き続けて、暗渠から少しだけ水音の聞こえる『谷端川緑道』を越え、スペインの大地のような中学校の白いグラウンド脇を通り過ぎると、『池三商店街』の領域に入る。この辺りまでは大体駅から400mほど。ビル一階に入った八百屋の店先に、白猫と黒白猫が寝転ぶ光景に心を蕩かしながら、その前を北へ。するとそのビルの端っこに、元小料理屋に居座ることとなった、稀な古本屋さんの姿が目に入る。もちろん古本屋さんに見えないのは相変わらずだが、旧店から愛用している店名幟や、大きな模造紙に書かれ掲出された店名、足下に散らばる安売り箱が、精一杯にここが古本屋さんであることをアピールしている。和風モダンなガラス戸を潜ると、右に鍵の手のカウンターがあり、左に畳の小上がりと様々な本棚の姿。奥に隣りのギャラリーへの扉と共に、生活圏への広島カープポスターの貼られた曇りガラス戸。店主の増田嬢は、甚兵衛姿で小上がりに座り、アイスを食べている…。前回の訪問(2014/07/03参照)では、ダンボール箱が積み上がった倉庫のような状態であったが、今はそれも落ち着き、左壁に新刊類・野球・児童文学・絵本・ビジュアル本などが雑本的横積み本タワーを合間に挟んで並び、最後に出版・古本&本・編集・図書館・読書・詩集が大きく頑丈な棚に収まっている。頭上には、いつの間にか増殖した裸電球が煌煌と輝き、渋過ぎる和の空間と古本を照らしている。右側の年代物エアコンの下には、コミックや雑本古書の並ぶ小さな棚が一本。カウンター下には、本が地層のように積み上がり、それがもはや正式なディスプレイとして採用されてしまっている模様。カウンター上にはコミック乱雑部分と、自店が掲載された新刊本コーナー、そして割と美しい文庫列が誕生していた。左側はしっかり統制されており、右側は奔放。野球・本関連・詩集に強いが、奔放な雑本に古書も混ざり魅力あり。値段は安め〜ちょい安である。何はともあれ、急な引越しを乗り越えて、古本屋としての形が固まったのは目出度いことである。カウンター内側をまだまだ発展させたいようだが、それはまだ先のことになりそうである…。市川種兎研究所「養兎全集」を800円で購入する。すると突然、何処から現れたのか数人の若い男女が店頭に群がり、均一本に狂喜し始めた。どうやら隣接する美術学校の生徒らしく、箱ごと買って隣りの校舎に運び込んでいる…。おぉ、「ますく堂小料理屋ver.」の前途は、洋々と明るいのではないだろうか!

お店を離れ、近くの十字路で開かれているミニ古本市も見に行く。直射日光を浴びて頑張るみなさんから、カラーブックス「珍本古書/高橋啓介」ベスト新書「大阪地名の由来を歩く/若一光司」晶文社「偶然の装幀家/矢萩多聞」を購入。出店者が全員、周囲の露店からのお裾分けである、焼鳥・西瓜・かき氷責めに遭っているのを、笑いながら羨ましく眺める。
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2014年07月19日

7/19秩父にフラれブックオフの胸で泣く

七月の頭に、秩父のたべものやで古本が売られ始めた情報をキャッチ。しかし土曜の午後四時からの販売と特殊な営業形態なので、懸命にタイミングを合わせた結果、本日の秩父入りとなった。

今にも雨が降り出しそうで、雄大な武甲山も白いガスの中に完全に姿を隠してしまっている。久々の訪問となる「ポエトリー武甲書店」(2011/06/07参照)も残念ながら臨時休業か…。楽しみにしていたものと連続して出会えず、何となく嫌な予感をチクッと感じながら、腹ごしらえのために奇跡の昭和初期レストラン『カフェー・パリー』の暖簾を潜る。奥のテーブル席に座って、堅焼きそばとビールを注文。その瞬間から、別テーブルに座る地元客に、延々話し掛けられてしまう。飲んでいる時でも食べている時でもお構いなしなので、大いに閉口してしまう。唯一の心の慰めは、椅子の上にうずくまる灰色虎猫と料理の美味さであった…。

短時間で食事を終え、秩父神社方面に向かうと、『川瀬祭り』と言う山車が出るお祭の真っ最中。街は大いに盛り上がり、目抜き通りも歩行者天国となって、露店がズラリと並び続けている。女の子の浴衣のトレンドは、今や半洋服化(上が浴衣状で下はスカート状)しているのかと、同じ柄のコスチュームを身に纏った女の子たちに目を丸くしながらウロウロ。あぁ、『秩父国際劇場』はレストランとなってしまい、特徴的なファサードはしっかり保存されているが、イタリア風に赤茶に塗られ、建物自体も半分からぶった切られ、奥行きを喪失してしまっている…仕方のないこととは言え、これは何とも悲しい姿だ…。やがて雨が激しく降り始めた。みな雨をものともせず祭りを堪能し続けているが、私は素早く横丁に入り込み、目的のお店に避難する。蔵を改造した素敵な店舗であるが、中に入ってビールを注文しても、古本が販売されている気配は感じられない。思いあまって店員さんに「あのう、古本を売っているそうですね。今日はこれからですか?」と恐る恐る聞いてみると、「申し訳ありません。今日はその予定はありません」…ガァ〜ン!どうやら祭りが開催されてるかららしいのだが…。しかし明らかにがっかりした私を見て、店員さんが一枚のチラシを手渡してくれた。「あの、今度、今度ですね、夜の営業をやりますので、その時に古本を販売するんです」…うぅ、仕方ない。またその時に秩父に出張って来ることにしよう。ビールに涙を落としながら、再び来ることを店員さんに誓うのであった。

腑抜けて雨の中をウロウロ。今日は、お店にも古本にも出会えず、収穫なしで帰るのか…これではただ、秩父に祭りを観に来て、浴衣のメタモルフォーゼに驚き、ビールを飲んだくれただけではないか…。ビーサンの足をべちょべちょに濡らしながら、再び秩父神社の前。おう、道の先に見える『本』の看板は、紛れもない「ブックオフ」のもの。こうなったら背に腹は代えられん。何か良い本を安く見つけたら、それをブログに書くこととしよう。そんな風に己を甘やかして、浴衣姿の客だらけの「BOOK OFF 秩父上野町店」に突撃する。
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108円棚以外には目もくれず、まずは文庫から。講談社大衆文学館「見かえり峠の落日/笹沢佐保」角川ホラー文庫「跫音/山田風太郎」双葉文庫「短篇集/永瀬三吾・日影丈吉・角田喜久雄」などを手にして行くが、心の曇りはまったく晴れない。続いて単行本棚に挑みかかると、おぉ!詩歌のコーナーに山崎方代の本を発見!すぐさまそれを引き出すと、歌集ではなく散文集であった。こんなのが出ていたのかと喜び、かまくら春秋社「青じその花/山崎方代」を両手で押し戴く。うぉ、さらに続いて編集工房ノア「八十二歳のガールフレンド/山田稔」を発見。両方ともそれほど高い本ではないが、この二冊が均一から見つかったのなら、もはや大満足である。文庫も合わせて540円で精算し、先ほどまでの鬱々とした気持ちは何処へやら。帰りの車中で山崎方代を読むのを楽しみにし、ガスに覆われ始めた山の上に広がる街に、ひとまずの別れを告げる。
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2014年07月17日

7/17埼玉・上福岡 BOOKBOOK 大井店

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東武東上線を池袋から三十分で乗り捨て、『赤の広場』のようにだだっ広い西口に出る。集合住宅下の「ブックマート 上福岡店」を冷やかし、店頭105均棚から講談社文庫「夢探偵 SF&ミステリー百科/石川喬司」を購入して、ロータリー南端から南西に大通りを下って行く。新しい扁平な街の中を500mも真っ直ぐに進めば、『上福岡駅西口入口交差点』で『川越街道』とクロスする。中央分離帯に銀杏や楠の大木が生える、まさに街道っぽい道を東南に200m進むと、黄赤のマイナーブックチェーン店にたどり着く。中に入るとまず広がるのはコミックゾーンで、奥に仕切られた大きなアダルトゾーンの気配。古本や文庫を求めて奥の仕切りに向かって行くと、アダルト入口横にライトな単行本棚が一本あり、その向かいの通路棚に105均文庫がズラリと並んでいた。日本文学文庫六割、海外文学文庫二割、ラノベ二割となっているが、並びはちょい古めの一般的なもので、それほど心は燃え上がらず、文春文庫「土俵に棲む鬼 相撲小説集/もりたなるお」を購入する。

せっかくの四年ぶりの上福岡だ。駅北側の「かみふくおか作業所 トトロ」(2010/04/16参照)を覗いて行くことにする。住宅街の裏道をたどって、久々のお店に到着。中に入ると構造はそのままだが、ちょっと雑然としている。だが本はしっかりと見られるので、二重の文庫棚に圧倒されながらも、何故か手にするのは漫画本…。講談社KCスペシャル「バチヘビ/矢口高雄」秋田文庫「幻魔大戦/平井和正・石ノ森章太郎」を計250円で購入。おぉ、外では雷が轟き始めている。涼しくなってくれると良いのだが。
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2014年07月16日

7/16東京・南阿佐ヶ谷 中央線物産館

つい昨日、近所で偶然発見した、古本も売っているであろうお店に向かい、炎天下の街を歩む。しかし昨日定休日で閉まっていたお店は、営業開始から一時間過ぎているのに、やはりまだ閉まったままである。即座に気分を腐らせてしまうが、近くの「あきら書房」(2010/03/06参照)で時間を潰すことを思い付き、スタスタと道の先へ。おぉ、「あきら書房」健在!野趣あふれる庭の向こうに、小さな古本空間が虚ろに胸衿を開いている。
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店頭の蒼ざめた本は、すでにガラス繊維のように分解し始めている。狭苦しい通路で、本に鼻をくっつけんばかりにしていると、こちらもご健在な老婦人が登場し、冷たい麦茶を振る舞ってくれた。喉を潤しながら、朝日新聞社「カメラ記者の眼/アサヒカメラ編」「奇術五十年/石田天海」「アサヒカメラ1976/5 木村伊兵衛特集」キネマ旬報社「キネマ旬報 昭和三十九年二月増刊 小津安二郎・人と芸術」(やった!)を計350円で購入する。暑い日が続きますので、身体には充分お気をつけ下さい。

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有意義な時間潰しに満足しながら、先ほどのお店に引き返すと、立看板に『OPEN』の札が出ている。今度は大丈夫のようだ。強風の吹き抜ける丸ノ内線『2a』出口から地上に出て、銀杏並木の『青梅街道』を、大きな杉並区役所を見ながら東へ。100mも進むと、雑居ビルが建ち並ぶゾーンとなり、レンガタイルビルの上階入口部分に、パンダが描かれた怪しい看板。しかし小さな『お取り扱い品目』に目を凝らすと、そこには古本の文字!うん、そうだよな。『中央線物産』と名乗るからには、“古本”が必ず含まれなければいけないな。気持ちよく同意しながら急階段を上がると、洒落たガラスの引戸が二階にあり、飛び込むとウッディで洒落た三つの空間。窓際ゾーン・出入口ゾーン・奥の薄暗いゾーンに分かれており、正面の壁棚に早速一列の古本を発見する。食べ物・性風俗を中心にした、昭和三十〜四十年代の古書ばかりである。その他にはレコードや新刊・雑貨、アーティストのプロダクツ作品などが並んでいる。奥の部屋に行くと、床に直置きされた木箱二つに古本が詰まっている。旅行と性風俗・裏社会、それに壁棚には三冊のアート古書(一冊は甲鳥書林の色見本図鑑)も。冊数は多くないが、資料性のありそうな性風俗関連が集合し、非常に特殊な状況を作り上げている。値段は普通〜高めのわりとしっかり値。一冊掴んで明るい窓際に赴き、海堂尊風店主に多少無愛想に精算していただく。季節風書店「恐喝/界外五郎」を購入。
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2014年07月14日

7/14八王子で路上にやる気を融かす

八王子にも、マイナーチェーン『BOOK BOOK』の支店があったのかと気付き、中央線でガタゴト西へ。駅敷地内の、透き通るような緑色の夏草に囲まれた、丸い転車台跡を車窓に見てから、駅北口。ぬるま湯どころか、熱いあんがかかったような街中をペタペタ進み、目的のビルの前にたどり着くと、お店は影も形も無く、黒い美容院があるのみ…とっくに無くなっていたのか…。途端にやる気を八王子の路上に、デレ〜っと融け流してしまう。こうなってしまっては、もう新しいお店を探し出すことは出来ない。せめては古本を漁って、融けた気持ちを固形化させようと、ユラユラ裏路地を歩いて「まつおか書房」(2010/01/05参照)へ。しかし外壁文庫棚のラノベの多さと、何となくコミックの増えた店頭台に、今日は相性が合わず何も買えずじまい。早々にビルの谷間から脱出し、続いての「佐藤書房」(2009/08/26参照)に期待を寄せる。こちらでは早速店頭&店内で五冊を掴み出し、気持ちの固形化にまずまず成功。朝日ソノラマ「ブンとフン/井上ひさし」中央公論社「東京の昔/吉田健一」ちくま文庫「怪奇探偵傑作選1 岡本綺堂集」ソノラマ文庫「まぼろしの魔境ムー/山村正夫」「悪魔がねらっている/山崎忠昭」を計1100円で購入する。何だか元気が出てしまったので、一駅先に足を延ばし、テクテクテクテク歩いて西八王子の「散田書房」(2012/12/14参照)にも行ってみる。しかし!定休日でもないのにシャッターが閉まっている。がっかりして、固形化した気持ちを再び融け流してしまう。ここまで来たらお決まりのコースで、通り沿いの住宅街にある元古本屋「烏屋」を未練がましく眺めに行くが、やはりやっているわけもなく、ただいつものようにドアのガラスから本棚をチラ見するのみ。仕方ない、帰ろう…トボトボ歩いていると、背後で物音がしている。おぉ、「烏屋」の関係者らしき人が、植木に水をやっているではないか。あの人に声をかければ、「本が見たいって?しょうがないな。入りなよ」って入れてくれるかもしれない。そして中にはあんな本やこんな本が!…などと路上で妄想していると、その人は家の裏手にすぐ姿を消してしまった。…あぁ、俺は千載一隅のチャンスを逃したのではないのか!…トボトボと駅へ荒んだ気分で引き返して行く…。
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本日のささやかな収穫である。明日はちゃんと、未踏の古本屋さんにたどり着きたいものだ…。
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2014年07月13日

7/13東京・押上 リサイクルブック イセ屋

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出遅れて、湿気をとっぷり含む風が吹き始めた午後二時過ぎに家を出る。あてどもなく、スカイツリーのお膝元にある、地下の押上駅。以前タレコミのあった、何度行っても入れなかったお店に、期待せずに取りあえず足を向けてみる。『A1』出口に向かうと、賑わいから徐々に離れ、通路の漏水が目立ち、少し殺伐とし始める。捩じれた階段を上がって地上に出て、そのまま東側の大通りへ。そして、辺りに何となく再開発の気配が立ちこめる『押上駅前交番東交差点』から、北東へ歩き出す。ズンズン歩いて行けば、すぐに下町度が深まって行き、『押上三丁目交差点』から道幅が狭まり二車線となる。構わずに100mも進めば、信号の手前にくたびれたアパート風建物があり、通りに面した一階にコーヒー屋さんとリフォーム屋さんが並んで入っている。そのリフォーム屋さんが、実は古本屋さんでもあると言う、大変面妖な状況なのだが…うわぉ!見える、ラックや棚が見えるぞっ!血流をグンと早めながら近付くと、リフォーム屋日除けの下の、リフォーム屋のサッシが開け放たれ、50均単行本と文庫を並べた、三本の本棚があらわになっていた。下にも単行本が三列ほど流れ出し、雑誌ラックと中古大工道具類も放り出されている。本は70年代〜現代が主体。右側の入口に回り込むと、雑誌ラックと古道具が混ざり合う、雑然のプロローグ。中に入ると、そこは古本屋さん割合の高い空間で、入ってすぐ左に廉価コミックや時代劇&歴史小説・歴史と古道具の棚があり、その奥に帳場が隠されている。右側には壁棚に挟まれたような細めな空間が続き、真ん中に背中合わせの棚が一本。奥にまだまだ延びて行く空間を、大工道具や古道具類が塞き止めてしまっている。店内にはすでにお客さんが二人も…地元ではお馴染みのお店なのだろうか。とにかく初めて入れたことに感激しながら、ジャンク屋的で実に好ましい空間であることを喜び、ウキウキと棚に目を凝らして行く。入口右横の壁棚は、時代劇文庫とミステリ&エンタメ文庫が多く並び、下や奥にミステリ&エンタメ・新書・古書雑本が続く。向かいは日本文学・全集類・古書雑本・50均ビデオ…古書の並びから、何かありそうな予感をビチビチ受け取ってしまう…おぉう!裸本だが、九鬼紫郎を発見!裏の値段ラベルを見ると、電気が背骨を走る100円であった。…ますます好きなタイプのお店だ…。奥の通路は壁棚にコミック(絶版あり)を揃え、向かいに実用系古本と大量の50均ビデオ。棚上には柱時計やラジオなどの古道具が結構並び、奥には一応な感じのガラスケースもあり。値段は安く、もはや500円以上は珍しい。雑本の中に古書が混ざり込むので、手に汗握るハンティングを楽しめる。他にも収穫を手にして、棚の陰に隠れたオヤジさんに精算をお願いする。すると耳を疑う「150円です」の声…二冊がタダになってやしませんか?川津書店「犯罪街の狼/九鬼紫郎」(裸本)岩崎書店 ベリヤーエフ少年空想科学小説集「世界のおわり」「ドウエル博士の首」少年文化社「海底トンネル/加納儉二」と、決してあきらめずにフラリと立ち寄ったおかげで、スカイツリーの下でどひゃっほう!
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※代表して表紙絵が格好良い「犯罪街の狼」をスカイツリーと共に記念撮影。
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2014年07月11日

7/11台風が温帯低気圧に変わったので古本を買いに行く

台風圏内のはずなのに、何ごともなかったような、静かな午前十時四十五分。どうやら台風は温帯低気圧となってしまったので、青空の下を、ブラブラ古本を買いに行くことにする。住宅街の塀沿いの小道を縫って歩き、高円寺へと向かう。真上でギラつく太陽が、電線の滲んだ影を、熱いアスファルトに落としている。日陰でくずおれた猫に挨拶をし、母子で賑わう親水公園を抜け、途端に真夏となってしまった高円寺の北口を抜けて『座・高円寺』へ。今日からここのエントランスホールで「本の楽市」(2010/07/18参照)が始まっているのである。イベント感はゼロの金属質な入口から中に入ると、瞳孔が開いて薄暗闇に目が慣れてゆく。表とは打って変わった涼しいホールに、縦長二列で六つの古本島が形成されている。
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さすがにそれほど人はいないかと思ったら、結構若いママさんたちの姿が多く、懸命に絵本や雑貨を物色している…これは、まるでニュータイプの古本修羅!それもそのはず、各島は絵本を中心に構成されており、他に児童書・図鑑・児童文学・暮らし系雑誌・日本純文学・お洒落カルチャー・児童書・寺山修司・アート・欧米紙物&雑貨などが取り巻いており、洒落た華やかさが市を支配している。出店者たちのセンスの良さが、すべてを表していると言っても良い。ミリオン・ブックス「五十人の作家/十返肇」ネスコ「アニメ・特撮ヒーロー誕生のとき/藤川桂介」を計800円で購入。市は22日迄と、結構長く開催される。ブラブラと駅まで戻り、高架下を「藍書店」(2014/01/14参照)に向かっていると、ちょうどお店から出て来た古本神・森英俊氏とバッタリ。先んじた楽市で、目の前でブツを抜かれてしまった話など。…まったくお互い平日の午前中から何をしているのか…。店頭壁棚から宝石社「世界名作探偵小説名作選 第1集 ディクソン・カア」を300円で購入し、またもや住宅街を縫って歩いて家まで戻る。
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2014年07月10日

7/10台風が来る前に古本を買いに行く

仕事に一段落つけて、午後二時に家を出る。台風が来て暴れ出す前に、古本を買って家に戻りたいものだと、西武新宿線で所沢へ。昨日から「彩の国 第70回 古本まつり」(2010/06/02参照)が始まったので、久しぶりにあの永遠にも感じる『古本地獄』にチャレンジしてみたくなったのである。東口に出て、強風が吹き荒れるロータリーを通過し、『西武第二ビル』にたどり着く。
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入口に置かれた50均ワゴンに引き寄せられ、早速二冊。ロビーでもおよそ三十のワゴンに出迎えられ、グルグル視線を本の背に落として一冊。ちくま文庫「男の花道/杉作J太郎」東都書房「悪魔が来たりて笛を吹く 横溝正史傑作選集2」平安書店「猫の舌に釘をうて/都筑道夫」を計316円で購入する。この時点でおよそ二十分が経過し、ちょっとした古本市をこなした気持ちになる。しかしエレベーターに乗り込み八階に上がると、だだっ広い『くすのきホール』では、およそ220のワゴンと、壁にずーっとずら〜っと続く文庫台が待ち構えており、喜びと言うより絶望が、ワクワク感と言うよりはウンザリ感が湧き上がって来るのであった。いや、もちろん古本を見られるのは嬉しいのだが、なんたって数が多過ぎる。適当にほどほどに見られれば楽なのだが、どうも性分として血眼になってしまい、集中力と眼力と忍耐を長時間持続することになってしまうのだ。…あぁ、楽しいのだが苦しくて、しかも全部見ずにはいられない…これを地獄と言わずして何と言おう。第一、一つのワゴンを三十秒平均で見て行ったとしても、およそ二時間かかる計算になるのだ。…と言うわけで、高揚感無く、闘いに挑むような感じで、ワゴンを次々と覗き込んで行く。あまり余計な本は、買わぬようにしよう。平日で台風が近付いているせいか、人影は疎らである。基本的に流しているような速度で、目の引っ掛かりを信じて、通路を歩んで行く。いくら歩んでも通路が減らぬこの感覚…まるで夢の中のようだ。目の前の本は入れ替わって行くが、同じような光景がいつまでも続いて行く…そんな風にして、やはり二時間ほど掛けてしまい、ワゴンを見終わったら、次はヨロヨロと壁沿いの文庫列へ。もう笑っちゃうくらい続いている。まるでギネスに挑戦してるかのように、文庫が並び続けて行く。もう、自分が何をしているのか時々分からなくなるほど疲労困憊し、レジへ。春陽堂「一寸法師/江戸川乱歩」(復刻版)主婦之友社「日本建築の美/伊藤忠太」講談社「虫も樹も/尾崎一雄」誠文堂新光社「僕らの科學文庫 化石の世界/早坂一郎」(函がちょっと壊れているが、素敵な初山滋装幀扉絵で150円とは!)を計1890円で購入する。すっかり一仕事やり終えた気持ちになり、地獄の会場を後にする。市は今月は14日まで。帰りには恒例のように東村山で途中下車し「なごやか文庫」(2012/01/10参照)へ立ち寄る。改めて古本の背を追いかけて、毎日新聞社「冬の桃/西東三鬼」を90円で購入し、これで本日は己を古本屋から解放する。…物事はほどほどが一番ですな…。
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本日の収穫。一番嬉しいのは「化石の世界」で、函裏には鉛筆で酒田の國民學校の生徒の名前が書かれている。中にはりんどうの押し花が挟まれていたりする。戦争中だが、この本を大事にしていたのであろう。良くぞ残してくれました。さらにこの昭和十六年出版の本には、最後のあとがきに相当する部分に面白いことが書かれている。もっと化石にについて勉強したいと思う子らに向けて「何かよい本でもあると諸君におすすめしたいのですが、残念ながら、我國には諸君に適當した本は見つかりません。しかし諸君が早く英語なりドイツ語なり、またはフランス語なりを覚えて、本が読めるようになると、面白い本がいくらでもあります」と書いてあるのだ。おぉ!勉強・研究のためなら、敵性語でも推薦する好奇心探求の学者魂よ、永遠なれ!
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2014年07月09日

7/9東京・大山 「銀装堂書店」は西に十メートル移動していた!?

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空模様を気にしながら東武池袋線。湾曲するホームから飛び出し、『遊座大山』を東にテクリテクリ。この商店街の先にある「銀装堂書店」(2011/04/10参照)が、実は静かに気付かれずに通りを十メートルほど西寄りに移動していたのである。以前来た時に『何かおかしい』とは感じたのだが、結局何も気付かずに帰ってしまい、コメントにより初めてお店が移っていたことに気付かされたのである。以前のお店は、今はクリーニング屋さんとなっている。そして新店舗は、玩具屋さんと和菓子屋さんに挟まれ、相変わらず『ギンショウド』とある緑の日除けが架かり、壁には縦に「銀装堂」の看板文字。店頭には真っ赤な『古本売買』の立看板、100均文庫棚&廉価コミック棚、それに100均雑誌ラックが置かれている。お!『本日、全品一割引』の貼紙がドアに!『やった』と心の中で喝采しつつ店内に進む。小さなお店に本棚が高く並び、三本の縦通路を造り出している。奥には帳場と、チラリと見える小さなバックヤードの姿。眼鏡の青年がそこに立ち、お客さんと丁寧なやりとりを繰り広げている。入口左横はショウウィンドウで、タイプライターや古物・紙物が飾られている。入口右横は絵本と児童文学が固まり、向かいの棚脇にも児童文学文庫が集まっている。右壁はそのまま絵本が続き、映画・音楽・日本文学・ミステリ関連・絶版漫画・古い児童&幼年雑誌とつながって行く。そして最奥に極狭な小部屋的スペースがあり、茶色い古書が二本の棚に収まって顔を寄せ合っている。通路棚には、昆虫・植物・戦争・ナチス・武道・オオカミ・趣味・自然・哲学・思想・美術・つげ義春・水木しげる・楳図かずお・セレクトコミック・サブカルが並ぶ。帳場下の官能文庫と岩波文庫を一瞥してから、中央通路へ。ここには神経の行き届いた日本文学文庫が肩を並べ、文庫揃い・時代劇文庫・新書・寺山修司・山岳関連文庫が収まって行く。左端の通路は、入口側に料理&暮らしムックやレコードが並び、左壁に講談社学術文庫・ちくま文庫・写真集・美術作品集・ビジュアルブックが続く。通路棚には落語関連文庫・講談社文芸文庫・海外文学文庫・岩波文庫が揃っている。棚のそこかしこには、これでもかとオススメ本が氾濫ディスプレイ。右端通路はマニアックに渋く輝き、文庫は絶版を交えて珠玉とも言える揃いと並びを見せてくれている。だから楽しい。値段はちょい安〜普通だが、良い本にはプレミア値(相場より安め)もしっかりと。さらにだが!珍しい本に平均的な値付がされていることも多いので、店内では必ず血眼になるべし!そのおかげで、角川文庫「なめくぢ横丁/尾崎一雄」初版帯付きを150円で発見!なめくぢ万歳!と大いに喜び、ちくま文庫「ヴィクトリア空想科学小説/風間賢二編」と共に、一割引の計720円で購入する。
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2014年07月08日

7/8東京・三軒茶屋 TROPE

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たくさんの人と共に、急行列車から地下ホームに降りて、『北口A』から地上に出ると、身が切り取られてしまうような強い日射し。横断歩道を渡り、やがて坂道になる『茶沢通り』を北にペタペタ歩いて行く。商店ビルが切れ目無く続く、狭めの歩道を進んで行くと、やがて太子堂の商店街が東に延びる交差点。その手前の足下に、目指すお店の白い立看板があり、描かれた地図が交差点で西に折り返し、裏側に出ることを促している。素直に裏側に向かうと、同じような立看板があり、水色の鉄階段が二階のお店へ続いていた。ここは洋服と雑貨を取り扱うお洒落なショップであるが、古本も置かれているらしい。その証拠に立看板には『new/old clothes & books』と書かれている。それほど期待せずに階段を上り詰める。ビニールカーテンを潜れば、ファッション女子的空間に、華やかで色とりどりの洋服類が飾られている。場違いなのは分かっているので、少し焦って古本の姿キョロキョロ探す。するとまず入口左下に、洋絵本・アートブック・ファッション写真集が一列。向かいにもインディアン関連本が三冊固まっている。中に入り込むと、広くなる手前の壁棚に絵本箱とスーベニイルのおもちゃ本を見つける。そして奥のカウンターレジ横には、しっかりと一本の本棚があり、カラーブックス・女流作家文庫・日本純文文庫(少量)・海外文学文庫・児童文学を並べ、横の大きなラックにはアートブックや絵本を面陳している。お店の中で、ここまで本の比重が大きいとは思わなかった。アートブックや絵本がメインだが、三軒茶屋にこんな未踏のお店があったとは、胸の内で拍手!値段は普通〜ちょい高。インディアン本を差し出し、レジのお姉さんに少し驚かれながら精算。雄山閣「アメリカ・インディアンの歴史[改訂]/富田虎男」を購入。

なかなか満足しつつも、この先にあるキノコの古本を扱うお店も見ておくかと、ペタペタ歩き始めると、道に落ちていた財布を拾ってしまう。…これを持ったままツアーを継続するのは、とても落ち着かないので、何はともあれ交番に届けることに決める。踵を返して駅方面まで戻り、交番に駆け込んで交番相談員さんにもろもろの手続きをしてもらう。

二十分ほどで交番を出ると、すぐ向こうに東急世田谷線の乗り場があったので、来た電車に乗り込んでガタゴト進み山下駅。久しぶりの「靖文堂書店」(2011/09/06参照)でガツガツと、東京文藝社「山田風太郎推理全集 誰にも出来る殺人」講談社文庫「工場日記/シモーヌ・ヴェイユ」改造文庫「ヂキール博士とハイド氏/R・L・ステイブンスン」集英社文庫「海外ミステリー傑作選/武田武彦編」文春文庫「ホシは誰だ?/文藝春秋編」を計1000円で掘り出し、苦手意識も遥か彼方に吹っ飛んだ!サンキュー靖文堂!
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2014年07月06日

7/6小田急江ノ島線で古本の夢を見て茅ヶ崎でひとつ叶えてしまう

今や古本屋さんが激減してしまった小田急江ノ島線沿線には、古本と化した在庫を棚に並べている、街の本屋さんが二軒あると言う。そんなコメントタレコミに心を動かされ、小田急線で神奈川県の中央部に切れ込んで行く。

南林間駅西口に出ると、モニュメントである銀の林があるロータリーで、北側の昭和な景色がうずくまる方面に足を向け、カクカク曲がって線路際に出る。すると先の踏切手前に、これも昭和過ぎる街の本屋さん「柏文堂書店」がしっかりと営業中…むぅ、面構えは古本屋さん的で非常に好ましいが、並んでいる雑誌類はもちろん新刊なのである。
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店内は古い什器が三列の通路を生み出し、主にガイド・実用・雑誌・文庫・コミック・アダルトを並べている。何となく古本的気配のある右端通路の奥に到ると、壁棚に茶色に変色した岩波新書が二段、教育関連に南伸坊と立原正秋を混ぜた二段が存在していた。本は古びて焼けている。せっかくなので何か買いたいところだが、定価販売なのか値引き販売なのかは分からない。欲しい本ならまだしも、仕方なく買う本が定価なのは何か釈然としない…。なので妥協案として新刊の集英社文庫「谷崎潤一郎犯罪小説集」を購入し、お茶を濁す。美声の老店主に精算していただく。

再び江ノ島線に乗り込み、六会日大前駅で降りて、次のお店をテクテク目指したが、残念なことにお休みであった。う…う、う…突然心の中に、古本を見たい触りたい囲まれたい欲求が、モキュモキュと膨れ上がってしまう。どうすればこの狂暴な欲望を鎮められるのか?…そうか、今日は日曜だ。ならば「ちがりん書店」(2014/06/01参照)が営業しているはずだ!と茅ヶ崎駅に急行。泡を食って線路際の静かなお店に這い込むと、うぉ、今日はうら若き女性が店番をしてるじゃないか。居住まいを正して棚に注目すると、やっぱり古い本が多めで、早速初恋のようにときめいてしまう。前回来た時よりは、多少落ち着いた感のある並びだが、それでも見るべきところは多い。順調に本を抱え込んで行くと、おぅうわぁ〜っ!長年探し求めていた講談社・児童文学創作シリーズ「だれも知らない小さな国/佐藤暁」(佐藤さとるの漢字名時代のメジャーデビュー作で昭和三十九年重版)があるじゃないかっ!ちゃんと美しい函も付いている!表面上はあくまでクールに、心中はギャアギャア喚き散らしながら、そっと腕に抱え込む。以前、静岡「水曜文庫」(2013/01/24参照)で状態の悪い函無し本は手に入れていたのだが、ついに、ついに念願が叶ってしまった!「ちがりん書店」よ、ありがとう!そしてその他に札幌青磁社「毛蟲の舞踏會/堀口大學訳」読売展望社「明治建設/木村毅」小学館マンガくんコミックス「まんが研究会/石森章太郎」学研ジュニアチャンピオンコース「なぞ怪奇 超科学ミステリー/斎藤守弘(肩書きが“前衛科学評論家”って…)」も合わせ、計500円で購入する。
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函絵の美しくはかない水色!椿の鮮やかな赤!名探偵カッレくんに匹敵する少年の伸びやかな肢体!若菜珪のイラストワークは、本文挿絵も含めエクセレント!そして正真正銘、どひゃっほう本である。
posted by tokusan at 18:16| Comment(10) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

7/5東京・上野 本はともだち。

りんかい線で午前十一時半に埋め立て地入り。重い古本をガラゴロ携え、20%OFFの新刊の海である『東京国際ブックフェア2014』の人波に紛れ込む。そして午後十二時半から緊張をマックスにしてトークショーを開始。場所は、通路の十字路に向かって開いたオープンなスペースで、トークショーと言うよりは何だか辻説法でもしている気分に陥る。それでも古本屋&古本話に終始し、おまけに最後には古本販売までも行う(一応空気を読んで古書を中心とした)。あまり売れないだろうと思っていたのだか、思いの外押し寄せ食いつくみなさんに、大いに驚きほくそ笑み、新刊の中に古本の血が散らばったのを喝采する。短い時間でしたが、足を停めてくださったみなさん、古本を買ってくださったみなさん、ありがとうございました!
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※これが新刊に囲まれながらも古本を求める素晴らしき人々だっ!

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半分になった荷物を引き摺り、ブックフェアから離脱して上野へと向かう。階段を上がって『公園口』から出ると、目の前の『東京文化会館』は養生の真っ最中。それを南側から回り込むようにして上野の森に入り、『キャプテン翼展』が大賑わいの『上野の森美術館』へ。その横のガラス張りのギャラリーで、キャプツバ名台詞の『ボールはともだち』になぞらえた「本はともだち。」と言う古本市が開かれているのである。キャプツバ展を観に来て偶然発見した「自動車古書店 いい日旅立ち」(2011/11/08参照)からのタレコミなのである。入口の傘立て横に古本カートを放置し、カーペットの敷かれた広い空間へ。入ってすぐ右に珈琲提供スペースがあり。縦長のフロアには長テーブルが、壁際にそして真ん中に簡素に置かれている。そこには二十数箱のダンボールが乗っかり、無料〜500円の美術展図録・「美術手帖」・美術単行本&文庫本(少々)が詰まっている。ショップや美術館の不良在庫を破格の安値で販売しているらしい。とは言っても図録は、ほとんどが共同展や企画展・所蔵展・マイナー展などのものなので、さほど食指は動かない。「本はともだち」と言うよりは「図録はともだち」と言うべきか。二度ほど行ったり来たりして、ちくま学芸文庫「見るということ/ジョン・バージャー」産經新聞社「生誕100年記念 東郷青児展」を購入する。市は明日の16時まで。
posted by tokusan at 17:41| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする