2014年08月30日

8/30合同古本屋ツアー第二回は青春18きっぷで

本日は岡崎武志氏と行動を共にして、2013/10/28に続く嬉しい第二回目の合同古本屋ツアーを決行。まずは朝から、江戸優りの水郷の街・佐原を目指し、青春18きっぷの鈍行列車で、ガタゴト千葉入り二時間半。その間は車窓を眺めながら、これでもかの古本屋話三昧。挙げ句の果てに、車窓に煤けた建物や鄙びた小屋が現れる度に「あそこに古本屋を開けばいい」と、小学生的妄想発言を繰り返す始末。佐原に到着して街を歩き始めると、氏は所々に残る古い商店に歓声を上げながら、写真を連続激写して移動。早々に「武雄書店」(2010/05/01参照)に無事到着。私は二ヶ月ぶりの来店である。分裂してそれぞれに店内を回遊。岩波少年少女の本「みどりの仮面/ホルゲル・プック」(1971年初版)筑摩書房「百二十年前の二十世紀/横田順彌」中央公論社「河童随筆/小宮豊隆他」を計1100円で購入。氏に藤沢桓夫の春陽文庫を抜かれてしまったのを痛恨の極みとする。その後も街を散策し、日テレドラマ『東京バンドワゴン』で、古本屋の外観として使用されたお店を発見したりする。昼食を摂った後、早足で駅まで戻り、二時間弱の滞在で佐原を離脱。あっという間に終わってしまった…と思っていると、氏が「どっか途中で降りて、もうちょっと古本見てこか〜」…ハイッ、喜んでお供します!
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※雨上がりの街で「武雄書店」に興奮する岡崎氏

成田線で千葉駅方面に戻り、今度は西千葉駅で下車。「MOON LIGHT BOOK STORE」(2011/04/06参照)をまずは目指すが、残念なことにお店はお休み。踵を返して駅まで戻り、南側に抜け出て「鈴木書房」(2009/07/26参照)に到着。雑本っぷりとその安値に胸をときめかせながら、偕成社「世界の風俗/園池大樹」(裸本)毎日新聞社「スピード一〇〇年/毎日新聞社編」集英社「風に訊け/開高健」を計350円で購入。これにて本日の旅も終りかと思ったら、岡崎氏が「よし、最後は高円寺の古書会館で締めようか〜。あと十冊は買わんと」と古本神っぷりを発揮。喜んでお供させていただきますっ!と一時間強を総武線でガタゴト移動。
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※店頭30均文庫棚に色めき立つ岡崎氏

午後四時三十分、高円寺着。スタスタと早足で西部古書会館の「杉並古書展」に突撃。帳場に荷物を渡して氏と別れ、すっかり棚に没入してしまう。桂書店「水のほとり/藤澤桓夫」文京タイムス社「文京區繪物語/伊藤晴雨」(裸本で背の上下がちょっと剥がれているが、これは嬉しい!)新潮社「蜜蜂が降る/尾崎一雄」を計500円で購入。そしてここで岡崎氏とも別れ、本日の合同ツアーは終了した。
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※西武古書会館に颯爽と近付く岡崎氏

長時間ご一緒していいただき、ありがとうございました。人と古本屋を巡ると言うのは、いつものツアーとまた違い、お互いを気にかけながらも、獲物はとことん探し求める、ちょっと制限の掛かったハンティングスタイル。これはこれで、スリリングな展開でありました。第三回は果たして何処へ…。
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2014年08月29日

8/29東京・吉祥寺 古本 よみた屋

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「フォニャルフ」に今月最後の補充を済ませてから、そのままの足で吉祥寺へ。『公園口改札』から混雑するバス通りに出て『井の頭通り』に入り、東南に歩いて井の頭線ガードを潜れば、すぐに居並ぶ店頭古本棚に出会うことが出来る。改装成った「よみた屋」(2008/06/12参照)である。古書を時折混ぜ込む100均単行本棚は変わらない。入口近くに固まる、雑誌ラック・ワゴン・函入り本棚を眺めてから自動ドアを潜る。やや!見通しが良くなって、ちょっとシックな雰囲気になったぞ。ここは初期にツアーしたために、さらっとライトにレポートしただけなのである。今見れば、これはサラリと書くことなど出来ぬ強敵であることが、一目瞭然!一段上の木床に上がる。左のウィンドウ前には帳場兼作業場が広がり、女子店員さんたちがキビキビと立ち働いている。奥のパソコン席に座る半白の紳士が澄田氏であろうか…。入口右横にはかなり大好きな50均文庫棚が一本。右壁には長く奥まで頑丈なスチール棚が設置され、ここは大きく変化した所のひとつである。縦長の広いフロアは前部と後部に分けることが出来、前部の様子が帳場も含め大きく変わっている。角度を持った胸までの高さの木製本棚が四本並び、五本の通路を生み出している。奥は以前と変わらぬ四本のスチール棚が立ち、左奥に硬軟プレミア本を飾ったガラスケースが置かれている。そして奥は壁棚に覆われている。グッと気合いを入れて、棚にぶつかって行く。右壁はムックや雑誌から始まり、美術系写真集・美術図録類・大判&豪華作品集が、店内を圧倒するように大量に収まる。向かいには、前部に映画・音楽・モンドカルチャー・趣味・落語・ヨーロッパ・本&古本・ファッション・武道・八十年代カルチャー、後部に写真・伝説・芸能・アート・美術・工芸となっている。隣りの第二通路には、前部に映画・新刊系単行本・海外文学・幻想文学・SF&ミステリ・日本文芸・文芸研究・フォアレディシリーズ・詩歌・時代劇文庫・日本文学文庫・ノンフィクション文庫が集まり、後部は自然科学・原子力・物理化学・郷土史・日本史となっている。続いて第三通路は、前部に出版社別文庫群、後部に社会科学・犯罪・差別・人権・ヒトラーとナチス・沖縄・キリスト教・仏教など。さらに第四通路は、前部に日本近代文学&純文学文庫・SF文庫・海外文学文庫・絶版漫画、後部に宗教・神秘学・魔術・悪魔学・ユング・フロイト・心理学・精神が。最後に左端通路は、前部通路棚に新書・映画&芸能文庫・コミック・漫画評論、それに帳場横から左壁沿いに洋書絵本・絵本・作家別絵本・児童文学・マニアック児童書・ジュブナイルが低めに並んで行く。後部は民俗学・人類学・正統&異端&古典文学と刺激的な戦前古書となり、奥壁に日本の思想・現代思想・社会学・論理学・現象学がビシッと収まる。前部は丁寧な並びの古本屋さんスタイルで、後部は人文系に硬めな古書店スタイルとなっている。だが、様々な所に遊び心な並びもみられ、幅広いジャンルへの知識がバックグラウンドにあることを窺わせている。値段はちょい安〜ちょい高。いい本にはしっかり値。鶴書房「青い鳥」「十五少年漂流記」共に竹森一男、青弓社「脱獄者たち/佐藤清彦」光文社文庫「サバイバル東京ひとり暮らし/RED BOX」大日本雄弁會講談社「読切名講談集/佐野孝」を計800円で購入。…ふぅ〜、やはり凶悪に強敵であった…。

駅方面に戻り、十月のリニューアルオープンが十二月に延びてしまった「BASARA BOOKS」(2008/06/12参照)を見に行くと、ぬぉっ!改装どころか新建築中の有り様!いったいどんなお店になるのだろうか?
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2014年08月28日

8/28東京・神保町 神田古書センター七階に異変あり

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「神田古書センター」七階に異変が起こっていた。「文献書院」(2013/04/25参照)はすでに閉店し、『靖国通り』沿いの姉妹店である「ブンケン・ロック・サイド」(2012/09/01参照)に合流。「いざわ書林」(2013/04/25参照)もビルをすでに撤退し、移転開店していたのである。店舗間の通路で、アダルトと医学に挟まれたことを懐かしく思い出し、両店の現在の様子を探りに行くことにする。

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●神保町「ブンケン・ロック・サイド」
表にさほど変化はないが、実は一月ほど前から左右の均一台が、左が『商品入れ替え前売りつくし特価文庫一冊50円』となり、右が315円均一の「鉄道ピクトリアル」「宇宙船」台となっていたのだ。中に入ると三本の雑誌通路に変化はない。ズカズカと奥に進もう。すると、奥の小部屋への入口が、左右二つとなっているのにまずは驚く。さらにズカズカそこへ入り込む。そこはもはや小部屋と言うよりは、立派な奥のスペースである。ここに「文献書院」の本が固められているようだが、旧店舗を知っていれば、ここが氷山の一角だと想像するのは、さほど難しいことではない。両入口の間には棚が一本あり、『店員スタッフの選んだ本』と称し、オカルト・神秘・幻想文学・旧アイドル雑誌などを収めている。そしてフロアには四本の短い一方通行通路があり、右端はほとんど本が積み上がった俳句本ゾーン。通路棚脇に特撮・文学の棚があり、第二通路にアニメ雑誌とティーン雑誌、第三通路に「BOMB」や「プレイボーイ」が集合。第四通路には、ビジュアルムック・児童書・サブカル・映画・ミステリ・漫画評論・オカルト.アダルト雑誌・官能小説が続く。この奥は暖簾で仕切られた作業場となっており、括られた本の山と店員さんの影が見えている。狭い通路で棚の上部を苦しく見上げ、立風GOLDEN BOOKS「もいちの季節/田辺茂一」を900円で購入する。

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●神保町「いざわ書林」
『駿河台下交差点』から南側歩道を東へ。歩道島を渡って歩き続け、妙な路線表示のある地下鉄関連建築物がある、一本目の脇道を南へ入る。右手一つ奥の雑居ビル二階から『医学書』の袖看板が飛び出し、一階には店内本棚が丸見えのウィンドウと、路上に緑・橙・青の妙な色合いの、以前からある看板が立っている。特定の人にしか用を為さないと言っても過言ではない、医学書の専門店である。以前はビル内でブラリと迷い込んだ風を装ったりしたが、これはもうそんな手は一切通用しない…おぉ、医学書の堅牢な要塞!しかし目の前に本棚があるのなら、入らねば!といつも以上に丁寧に扉を開け、路上から真新しい店内に進む。左壁に並んだスチール棚の奥に小さなカウンターがあり、人の気配を感じ取った店主が身を乗り出し、こちらをチラリ…お邪魔します。その左壁を見ると、医学辞書類から始まって、医学専門書(診察・臨床・治療・手術・研究)がやたらにカラフルな大判の形でズラッと続く。その前には、まだ空っぽの棚が長く横たわっている。入口右横には医学関連雑誌類が飾られ、ウィンドウ際に背中合わせの長い棚が一本。その棚脇には茶色い店名プレートが貼られ、小さく『旧高山書店医書部』とその出自が明記されている。東洋医学・鍼・漢方・口腔学・動物医学・解剖学・傷・痛み・血液・関節などの文字を追いながら、ウィンドウに沿って造られた六席のカウンターを不思議に思う。ここでゆっくり医学書を読みふけるのだろうか…。さらに奥壁には歯学・動物学・医書和本・全集本が並ぶ。スリップの挟まったピカピカな新刊が多いが、良く見ると間に古書が挟まっている。うむむ、それにしても、棚に触ることも出来ない。帳場前を通過する時、店主とバチッと視線がかち合い、慌てて会釈した後、ジリジリと入口まで移動して脱出…このお店に、もう一度入ることになるとは、夢にも思わなかった…お邪魔しました。緊張を解きほぐしながら交差点まで戻り、「三茶書房」(2010/10/26参照)店頭ワゴンでリフレッシュ。いつもは100均からばかりだが、今日は珍しく500均ワゴンに気になる本を発見。戦中のフィリピンでの民俗&民藝フィールドワーク本である(年号が全部皇紀で表記されている…)。写真も豊富で内容も素敵。羽田書店「フィリッピン原生民の土俗と藝術/宮武辰夫」(裸本)を500円で購入。さらに後ろ見返しに貼られた古書店ラベルにも興奮する。
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「宇宙堂書店」、ツアーしてみたい!

と言うような二店の状況であったが、さらに気になる新たな懸案がすでに浮上してしまっている。神田古書センターのビル案内板六階部分に、『近日開店予定』と書かれているのだ。何が出来るかなどの情報は皆無!いったい何が開店するのであろうか。…まぁ、神田古書センターなんだから、古本屋さんであるべきだな…。今から首を長〜くして楽しみにしておこう。
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2014年08月27日

8/27東京・神保町 三省堂書店神保町店 夏の古書市

昨夜は神宮の『東京藝術学舎』にて、華麗なる鈴木芳雄氏(元BRUTUS副編集長、編集者&美術ジャーナリスト)のサポートを、博覧強記+腕時計の話に楽しく振り回されながら受けつつ「続・いつか自分だけの本屋をもつのもいい」一講義を担当。終始古本屋と古本について喋りまくる二時間。恐らく居並ぶ講師陣から見ると、箸休め的な授業を展開してしまったのではなかろうか…ご清聴の生徒のみなさま、ありがとうございました。どうかいつの日か、良い本屋さん、もしくは古本屋さんに、ぜひともなって下さい!古本があれば、必ずツアーに伺います!

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明けて本日、起き切らぬ靄のかかったような脳味噌のまま、何だか久しぶりの神保町。『駿河台下交差点』前に建つ、神保町のランドマークでもある『三省堂書店 神保町店』に突入する。いつもなら賑やかな人とディスプレイの売場を突っ切り、気になる階をエスカレーターで攻略して行くのだが、今日は正面入口右側のエレベーターに乗り、8階特設会場を目指して上昇する。思えば、このエレベーターを使うのは、初めてのことではないだろうか…。チン!と扉が開くと、右にある簡素な長テーブル帳場から「いらっしゃいませ」と声が掛かり、目の前にはいきなり一癖ある本が並ぶ「岡崎武志堂」のワゴンが出迎えてくれる。会場は密やかな雰囲気を漂わせ、控え目な大きさで細長く、右奥に歪に少し延びている。人はそれほど多くないが、常に二〜三人がおり、それがユルユルと入れ替わる状態。棚を乗せたワゴンが三十台ほど展開し、出店者はリアル店とネット店が半々にせめぎ合っている。それにしても、何故こんなに探偵小説やミステリに偏重しているのだ!「あやかしや」と「ジグソーハウス」がそうなのは当然なのだが、他のお店もそれに引っ張られたかのように、ワゴンに棚に探偵&ミステリを含ませている。おまけに、こんなに春陽文庫が多い古本市も、今まで見たことがないぞ!そんな風に驚きアワアワし落ち着きをなくしながらも、バランス良く安め設定な「古書舎 三水」にグイッと惹き付けられ、講談社文芸文庫「放浪時代 アパアトの女たちと僕と/竜胆寺雄」講談社「殿山泰司のしゃべくり105日」を見付け出す。他に「古書うつつ」(2008/06/18参照)の学風書院「眞珠と鉛筆/安西均」(詩論などではなく新聞記者としてのエッセイ集で処女作!)宝文館「今日の詩論/村野四郎」(北園克衛装幀をジャケ買い)と合わせ、計四冊を2200円で購入する。市は9/8の月曜まで。

家に戻ると宅急便が届いており、送り主は吉祥寺「よみた屋」(2008/06/12参照)の澄田氏である。封を開けると氏の著作、青弓社「古本屋になろう!」が飛び出した。ぬぉぉ!通常の古本屋本とは一線を画す、恐ろしいほどの細やかなデータに裏打ちされた、リアル店舗古本屋(しかも総合古書店系)になるための本!あぁ、これを多くの人が読み込んで古本屋さんになってしまえば、ツアー先がたくさん出来るのだが…とピカピカの本を抱えて妄想を暴走。お店も、半年の時間を掛けた改装が済んだとのことなので、そちらも見に行かなければ。
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2014年08月25日

8/25東京・小岩 生活応援隊 江戸川店

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前回救われ驚かされた「生活応援隊」支店のひとつを見に行くことにする。南口に出て、ロータリーから南に延びて行く、高い歩道天蓋のある『フラワーロード』を選択。大きく三度折れ曲がり、行く先の見えぬ全長一キロほどの商店街をズンズン進む。南に進むほど商店は、下町的雰囲気を深めて行く。出口の『フラワーロード入口交差点』で『千葉街道』にぶつかるので、途中道沿いの『〜犬猫病院』のもはや懐かし名称に微笑しつつ、南東に引き寄せられるように500m。すると新中川を渡る二枚橋の手前に、野田店(2014/08/23参照)と同じチェーンとは思えぬほどの、常識的なリサイクルショップがあった。表には古本などないことを確認し、早速中に飛び込むと、家具・家電・古雑貨で出来た三本の短い通路があり、一番手前通路の奥に、隙間に押しやられた見難いレコードラックとCD&DVD棚を発見する。その辺りかと見当をつけて近付くと、古本はコミック一揃いや少量のバラ、それにDVDに挟まれた文庫本が少々の、無惨な状態であった。このチェーンは、まだ他にも松戸店・船橋倉庫店が残っている。もしかしたら、郊外のお店の方が、古本率が高いのかもしれぬ…いや、そう信じたいものだ…。三本の通路を通過して、何も買わずに千葉街道へと逃げ出す。

調査し実態は把握出来たが、心が哀しさと虚しさに彩られてしまったため、ロータリーまで引き返して北の『サンロード』を選択して「どですか書店」(2011/01/17参照)。
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ほほぅ、八月三十一日まで文庫半額セールとは、良い時に来たものだと喜ぶが、結局創元推理文庫「黒いハンカチ/小沼丹」を185円で購入するに留まってしまう。何だか勢いに乗れぬまま駅北口に抜けて「高橋書店」(2009/05/19参照)にも突入。
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店内に隣りのボクシングジムのゴングやサンドバッグを叩く音が響き渡る中、店内100均壁棚と最奥の通路棚を注視して、鹿島出版会「SD選書 建築の現在/長谷川尭」(箱無し)「東京路上博物誌/藤森照信+荒俣宏」を計625円で購入。『カーン!』と響くゴングを合図にして『今日はこれでよし!』と気持ちを切り換え、早々に小岩から撤退。段々と緊張の度合いが深まり、いつの間にか明日となってしまった『東京藝術学舎』講義の準備を、ドキドキしながらジリジリ進める。
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2014年08月23日

8/23千葉・川間 生活応援隊 野田店

大宮から、『東武野田線』と『東武アーバンパークライン』の名が混在する路線に乗り、東へ。地下道を潜って北口に出ると、タクシーがたくさん停まった小さな行き止まりのロータリー。ここから朝日バスに乗り込んで、雑木林と江戸川土手下を走る『流山街道』を北上して行く。駅から五キロほど北にある、車でないと行き難いリサイクルショップを目指している。陸の孤島の如き本も売るリサイクルショップ…揺れる車内で妙な期待が撹拌されて行く。そんな風にして二十分。目的のお店にたどり着き、看板の『本』の文字を確認して突入する。しかし、網の目のような通路の何処にも、古本は見当たらずじまいであった…。落胆してお店を後にするが、先ほど車窓に流れた、荒れた雰囲気の野性的なリサイクルショップを発見していたので、そちらに希望を託して足を向ける。

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江戸川土手を背後にした『親野井バス停』前にそのお店はある。広い駐車場には、ナンバーの無い廃車のような中古車が数台並び、お店の周囲は廃物にしか見えぬ電化製品や家具やガラクタが寄せ集まり、まるで暴徒の襲撃にあったかのよう。少々身の危険を感じながら中に入ると、広大で薄暗い倉庫的空間である。多少埃っぽい気はするが、整頓は良く為されて見通しも良く、多数の通路の移動はスムーズである。さて、古本はあるのだろうかと、中古品とガラクタの迷路を奥へ奥へ…むむ、中央奥にCD棚とレコードラックに囲まれた、棚空間が形作られているではないか。明度が落ちる一方の奥で見たものは、壁に様々な種類の棚が並び、コミック・ゲーム攻略本・単行本雑本・ミュージカルパンフ・コミック文庫・全集端本・大判本を乱雑&無造作に収めた、意外に古本の目立つ光景。背中合わせの通路棚三本には、コミック・文庫・ラノベ・ビデオが並ぶ。本はほとんどが100均である。じっくり見て行くと、買うべき本が棚からちゃんと浮かび上がって来たので、ソノラマ文庫「ふくろうが死を歌う/加納一朗」ポケット文春「私の父は食人種/ステーン・ベルイマン」ワニの本「所ジョージさんの頭がパァ〜。/所ジョージ」を購入。この野性的なリサイクルショップには、他にも支店があるようだ。…やはり調査しなければイカンのだろうな…。

帰りもバスに乗るが駅から一キロ強の地点で途中下車し、立派な古本屋さんがこの地にあることが奇跡の「よんだら堂書店」(2011/04/28参照)に飛び込む。広く、本多く、見応えありの棚と久々に対峙。店主さんにはタレコミでお世話になっているので、精算時に挨拶しようと思いつつ、本探しにしばし溺れてしまう。ちくま文庫「ブラウン神父の無心/G・K・チェスタトン」日本文芸社「ああ!! 勝負師/阿佐田哲也」東京文芸社「湘南ゴルフ 麗人学校/鹿島孝二」現代思潮社「ニジンスキーの手記」を計千円で購入すると、帳場はご婦人に入れ替わってしまっていた…早めに挨拶しておくべきだったか…。
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2014年08月21日

8/21埼玉・北坂戸 古本 あしやま二代目!

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東松山の「あふたーゆ」(2014/03/20参照)で教えられていたことがあった。「古本 あしやま」(2010/05/22参照)は二代目がお店を引き継ぎ、今やまったく違うお店になっていると!だいぶ放置してしまったが、真相を確かめるべく、稲穂の熱気と匂いがドアの隙間から忍び込む、東武東上線。東口に出て、午睡しているかのような静かな街を歩んで『芦山公園』を過ぎれば、日除けの文字の捲れ具合がアップした、以前とさほど変わらぬお店の前。真新しい『SALE』『いらっしゃいませ』の幟だけが、ほんのちょっぴりの新しさを想像させる。しかし中に入ると、ふぅむ。スッキリして、一見して本の流れに意志とリズムを見て取れるではないか。確かにお店は、変わっていた。そして店主も、居眠りしていたおじいさんではなく、優しげな中年福留アナ風店主が「いらっしゃいませ」。入口近くには50均文庫棚や、コミックの入ったプラ箱が積み上がり、棚下には本の束やタワーはあるが、乱雑な印象は受けない。三方の壁棚、二本の背中合わせの通路棚、帳場下棚などの什器構成は変わらぬようだ。右壁は100均単行本棚から始まり、日本文学・文明文化・文学評論・映画・詩歌句・天文・戦争・本関連・海外文学・宗教・演劇・写真・建築・音楽などが続く。時に同ジャンルの文庫も挿入し、知的な棚造りが展開。向かいはコミックで埋まり、奥壁はカルト系コミック・美少女コミック・自然・博物学・古本関連など。真ん中通路の右側はコミックで、左側にSF文庫・漫画評論・落語・音楽・冒険・同時代ライブラリー・新書・現代思想などが並ぶ。帳場下の講談社学術文庫・児童文学・岩波文庫・辞書・ノベルスを見て左端通路へ。通路棚には海外文学文庫と女流作家文庫。そして右壁棚は全体的に凝った並びを見せており、上部に日本文学函入り本が集まり、江戸川乱歩&探偵小説文庫・日本文学セレクト文庫(豊かで見応えあり)・時代劇文庫・歴史と広がる。七十年代以前の古い本はないが、並びは見ていて楽しく、何かあるのではないかとワクワクする。それに値段は安めなので、ここはコンパクトな良店ではないかと、強く思う。常々気にしていた晩聲社「新宿群盗伝伝/渡辺克巳」を500円で発見し、どひゃっほうと有頂天。他に春陽文庫「白頭の巨人/耽綺社同人」「合作探偵小説 江川蘭子」を購入する。

『芦山公園』で脳内の店内見取り図をメモ帳に描き写してから、道を南に歩いて行く。あぁ、「Book NAVI」(2010/03/17参照)は残念ながらもぬけの殻になっていた。ちなみに同日の北坂戸レポ「ルパン」も、駅前で貸店舗の無惨な姿を晒している…。
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2014年08月20日

8/20日本文学文庫モノリスとビブリオバトル

午後、経堂にて打ち合わせ。あまりの暑さに古本屋を求めて街をうろつく気が起こらず、早々に近くの「大河堂書店」(2009/03/26参照)に逃げ込んでしまう。思えばここを訪ねるのは五年ぶりではないだろうか…ながのご無沙汰申し訳ございません!しかしそんな私でも、古いものが多めの大きな日本文学文庫棚は、壁のように日本文学モノリスのように、大きく抱きとめてくれるのであった…。新潮文庫「テキサス無宿/谷譲次」進文館「大町桂月傑作選集」を計800円で購入する。古い文庫をたくさん眺めて気分が高揚してしまい、二駅下って駅からテクテク一キロ弱歩き「祖師谷書房」(2009/03/05参照)を味わいに行ってしまう。本が詰まった狭い店内の細い通路で精一杯ウロウロし、日本おとぎ文庫刊行會カナオトギ文庫「ひらがないそつぷおとぎ」(裸本)を900円で購入。
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日除けがいつの間にか鮮やかな緑に変わっていたんですな。

そしてまだおよそ二ヶ月先のことですが、ひとつお知らせを。十一月一日(土)の『神田古本まつり』の一環で行われるイベント『ビブリオバトルin神田古本まつり』に参戦します。対戦相手は恐ろしいことに、喜国雅彦氏!北原尚彦氏!玉川重機氏!予選勝者一名!です…神保町で手に入れた本を持ち寄り、五分間でその本を力の限り最大限紹介し、二〜三分の質疑応答後、会場全員で一番読みたい本を決定します。詳しくはこちらをご覧下さい。

そしてさらに、このバトルは決勝であり、その前に予選会が行われるのです。
●9月13日(土)14:30〜16:30「ビブリオバトル in 神田古本まつり」三省堂書店神保町本店 8 階特別催事場
●10月10日(金)19:30〜21:00「ビブリオバトル in 神田古本まつり」千代田区立千代田図書館 9 階特設イベントスペース
腕に覚えのある方、我こそはという方はぜひお申込みください。共に活字の火花を散らすとしましょう!
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2014年08月19日

8/19福島・いわき 植田コイン 平店

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青春18きっぷを使い、常磐線で遠出。土浦駅近くで壮観な蓮畑の中を突っ切り、日立駅付近で太平洋の水平線に接触すると、海上と海岸付近には潮風のためか炎熱のためか、白いもやが吹き流れていた。そんな風に東京から四時間。南口に出て、四年ぶりの白いいわきの街に潜り込んで行く。空中広場から地上に下りて、駅前の通りを西へ。大きな『レンガ通り』に行き当たったら南へ。商店街である整備された『本町通り』を通過して、次の裏通りな脇道を西へ入る。すると右手にズングリした古いビルが現れ、飛び出した側壁に守られたような一階に、二軒のお洒落なショップが入っている。左側の音楽雑貨店『グリニッジ・ヴィレッジ』に注目すると、おぉ!全面がガラス張りなので、左壁手前に三本の古本棚を確認出来た。以前、常磐線植田駅でツアーした「瑞雲堂書林」(2012/05/20参照)であるが、現在は『植田コイン』と名を変え、純粋なコイン屋として営業している。その古本部門とベーシックなコイン屋部門を、この音楽雑貨店の一角を借りて移植したのが、平店と言うわけなのである。本棚から視線を外さずに右端の扉に手を掛ける…ガチッ…開かない。中の灯りは点いているのに。その時、メモを千切った小さな貼紙があるのに気付く。『配達に出ています。1時半には戻ります』…現在は十二時半である。仕方ない、昼食を摂りながら待つとするかと、扉を閉ざした「平読書クラブ」(2010/09/09参照)横の公園で、集う雀と共に地元パンを齧る。そしてどうにか時間を潰して午後一時半。しかしお店に動きはなく、まだ戻っていないようだ。その後、時間をおいて何度か見に行くが、やはり帰って来ない!いつまでもこうして、不審者よろしく張り込んでいるわけにはいかぬので、幸い外から本棚が丸見えなのをいいことに、ウィンドウに張り付いて、強引にツアーを決行してしまうことにする。三本の本棚は六〜七段に分けられ、真ん中はディスプレイ用。密教などの宗教・技術書・専門書・近代亜細亜・風俗・歴史・戦争・和本・古雑誌・利殖・コインなどが目立ち、カオス気味で古書も多め。しかしそのディスプレイは、お店に合ったしとやかさを獲得している。あぁ!触りたい捲りたいが、古本はガラスの向こう…。まるでビートたけし主演映画『哀しい気分でジョーク』(死期間近なコメディアンが息子と共に別れた妻の姿をオーストラリアまでこっそり見に行く話)みたいなツアーになってしまった。多少の罪悪感を覚えながら、そそくさと駅へ戻り、常磐線上りに乗り込む。

どうもこのまま帰ってしまうのは具合が悪いので、日立駅で列車を乗り捨て、陽の傾いた海岸段丘の街をひとっ走り。蘇鉄も健在な「佐藤書店」(2011/01/19参照)に飛び込んで、少ない時間で街の古本屋さんを味わいつつ、足下の古い本の山を穿り続けたいのをグッと我慢して、創元選書「ポオ詩集/日夏耿之介譯」講談社ノベルス「十四年目の復讐/中町信」を計850円で購入。ようやく古本にありつけた!と返す刀で駅まで戻り、後は東京を目指すのみ。
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2014年08月17日

8/17神奈川・辻堂 tiny zoo こわい本フェア

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風邪は治ったが代わりに歯が痛くなり始め、治療で口腔内を派手に脅かされ、憂鬱な痛みと共に神奈川県の湘南地区へ。改札を抜けて南口に向かい、長い坂道の空中歩廊を伝って東側に出る。そのまま白い小石の埋め込まれた『くまの森モール』を東に進む。そこを抜けると、線路下を潜って来た県道と行き合うので、『湘南辻堂地下道南口交差点』で合流し、海へ向かう心持ちでそのまま南へ。車通りが激しく、飲食店がポツポツと連続し、人影はほとんど見られないが、変に活気のある道である。強い日射しに炙られながら500mも進んで行くと、左手に住宅から飛び出したような、オレンジのスレート葺き屋根のバラック建築が現れる。壁に『CAFE』と書かれているので正面に回り込むと、そのバラックはテラス席で、奥にしっかりとした森の中にあるようなカフェ本体があった。ここは本来古書絵本も販売する『えほんカフェ』で、現在納涼企画的な『こわい本フェア』を開催中なのである。本を見るだけでの入店もOKなので、臆せず堂々と木の扉に手を掛ける。入った所は左がカウンター厨房で、瓜実顔のお姉さんがひとり、右のフロアが本棚に囲まれたフェアスペースになっている。右壁に大きく深い本棚が二本あり、『夏休みによむ本』特集が組まれ、和洋の絵本がたっぷりと並んでいる。奥壁には低めの児童文学棚も。さらに奥にはテーブル席が並び、壁際に本棚が置かれているが、そちらはお茶を飲みながらの閲覧用らしい。恐らく普段はフェア部分にも絵本が飾られているのだろう。レジ前の「かがくのとも」「こどものとも」を見てからフェアのテーブルに目を移すと、妖精・妖怪・お化け・怪談・幻想文学・怪奇漫画・魔術・心霊・食虫植物などが幅を利かせ、児童文学棚上にも探偵小説類が置かれている。子供用の本が中核を成し、本は古くても七十年代。こわい本の雄「ちのり文庫」が一番ぶっ飛ばしており、いかがわしい超常現象的こわさから、虫や解剖などの生理的こわさまでをフォローしているのが、震えが来るほど憎らしい。ポプラ社文庫「悪霊をよぶ島/ブラックウッド作 榎林哲文」ちのり文庫「あいうえお怪談パズル」三種を購入する。フェアは8/31まで。

ここまで来たなら、一駅下ってでも覗かねばならぬ「ちがりん書店」(2014/06/01参照)!箱の増えた店内をモソモソと物色し、興風閣「鮮満支 駆け足の旅/小池卯一郎」古今荘書房「支那女人譚/村田孜郎」(裸本。巻末の海野十三・小栗虫太郎・木々高太郎の広告に幻惑されるが、この蘭郁二郎は特に強烈である…ほ、欲しい)
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原書房「定本 山之口獏詩集」ソノラマ漫画文庫「パニック・ワールド/松本零士」福音館書店「100まんびきのねこ/ワンダ・ガアク」(初版)「うさこちゃんとうみ/ディック・ブルーナ」を計600円で購入する。気付けば薬と古本のおかげで、歯の痛みは嘘のように薄れていた。
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2014年08月16日

8/16夏風邪を引きずりシャーロックとドグラ・マグラ

この時期の風邪は、熱っぽい感じが体調のためなのか気温のためなのか、非常に把握し難くなるので困りものである。ある程度治ったのだろうと自己診断し、ちょっと涼しい街へフラフラと出発する。

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最初に神田に向かい、早川書房一階の喫茶店『クリスティ』で昼食。現在、平日の夕方五時から『パブ シャーロック・ホームズ』と言う限定企画を行っており、ホームズらの名が冠されたカクテルやベーカー街風料理が提供され、グッズ類の展示販売もされている。コスプレ用のディアストーカーとコートも用意されているので、ホームズに扮して記念写真を撮るのも一興であろう。ちょっと冷房の効き過ぎるホームズ関連のパネルに囲まれた店内で、ツナートーストを頬張りミルクでそれを流し込む。土曜の昼間の神田なのでお客さんは少ないのだが、厨房とフロアではオッチャン二人が丁寧に恭しくてんてこ舞いである…。

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腹ごしらえをしたら地下鉄に乗って茅場町へ。久しぶりの「森岡書店」(2008/12/12参照)へ突入し、『ドグラ・マグラ銅版画展』を観る。夢野久作の不朽の脳髄迷宮小説「ドグラ・マグラ」をモチーフにした銅版画作家十人の展覧会であるが、同時に三日間限定で、去年新発見された「ドグラ・マグラ」の初期草稿が展示されているのである!これを見逃したら探偵小説好きが廃ると、その手蹟を目に焼き付けるつもりで緊張感漂う店内へ。銅版画や本の展示は上の空で(それでも杉本一文の色つき版画にはベタに惹かれる)、久作のゴツい木製テニスラケット、『九州日報』の関東大震災ルポスクラップ、草稿複製、そして三枚の机上に飾られた自筆草稿に釘付けになる。インクは茶色く変色しているが、しっかりと読み取れる久作の文字は、脳髄に呪いをかけ、火花を飛ばすために、推敲され、紡がれている。グッと原稿に顔を近付け屈み込み、『ブウウーーーーーーン』の文字に何度も目玉を上下させる。古本屋さんで、夢野久作の自筆が見られるなんて、この上ない幸せではないか!この草稿は、後半部分しか発見されていないそうだが、これはこれでぜひとも通して読んでみたいものである。筑紫野市文化会館「杉山家五代を語る」(新刊)を購入する。

すっかり体力を使い切って、フラフラと夏祭りの神輿で賑わう霊岸島に入って「酒井古書店」(2008/12/26参照)を訪ねるが、残念ながらお盆休み。あきらめてホームグラウンドに舞い戻り、高円寺「十五時の犬」(2011/11/22参照)を急襲する。店内ダンジョンの所々に本の山が積み上がっているが、負けずに奥も上も下も見回し、改造文庫「奈落の人々/ジャック・ロンドン」春陽堂文庫「瀧口入道/高山樗牛」を計400円で購入する。
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2014年08月14日

8/14東京・渋谷 第23回東急東横店 渋谷大古本市

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夏風邪をひいてしまったらしく、体調が芳しくない。どうやら昨日の遠征時の、車内冷房に祟られたようだ。それでも優雅に寝込んでいるわけにはいかず、風邪薬でドーピングして西荻窪。「フォニャルフ」にガバッと補充して、お休みボケの店主とあれこれお話し。来週また補充に来ます!そして午後、神保町での長めの打ち合わせを終え、すっかり雨モードの店頭台をいくつか眺めてから、半蔵門線で渋谷に向かう。深い地下駅から、エスカレーターと急階段で地上に上がり、ハチ公背後の白亜のデパート『東急東横店』に入り込む。華やかな一階を擦り抜け、西館八階を目指し、ちょっと古い感じのエスカレーターを折り返し折り返し上がって行く。各階の天井から下がる階数&フロア案内の下には、さらに古本市の可愛い小さな広告が下がっている。ようやく八階に到達して左を見ると、二ヶ所の入口がある催物場が、古本を漁る多くの人で賑わっていた。これがあの、いつもポスターに明治浪漫薫るクラシックな洋装の男女が登場する古本市か…。中は横に長いフロアで、リブロの「夏の古本まつり」(2011/08/03参照)をキュキュッと濃縮したかのような印象。およそ百のワゴンで八本の通路が縦に造られ、壁際にもワゴンは連続。奥にガラスケースと、デパート店員さんが応対する大きな勘定場が設置されている。それにしてもすごい人である。混雑とはまた違った、適度にどのワゴン前にも通路にも人の姿があり、静かなる情熱を燃え上がらせて、古本探しに血道を上げている…デパートの最上階で、麗しい光景だ!本は単行本がメインで古書も多く混ざり込み、文庫は案外少なめである。ワゴン下にも本が並んでいるので、体力があれば覗き込んで損はないだろう。ちょっと古い、新書サイズの本が多く目につくのも魅力的である。私はぼやっとフラフラしながら、人の後ろから本の列を集中力なく眺めて行く。お客さんには女性が多く、おばあさんの姿も多く見受けられる。しかもカゴにドサドサ本を入れたり、危なっかしく本の山を抱いて移動していたり…何が彼女たちの心に火を点けたのか。そんな彼女たちに劣ったバイタリティで場内を回遊。好みである「九曜書房」(2009/03/26参照)「中村書店」(2008/07/24参照)「アート文庫」の古書感と雑書感に大いに癒される。そのアート文庫のワゴン前で、ひとりのおばあさんが本の整理をしていたアート文庫さんに「お店は何処にあるんだい?」と聞き始めた。「大田区の大森ですよ」「へ〜っ、大森かい。電話番号教えてよ」と、まるで逆ナンパな会話。本の値段札を見せ、「ここに電話番号が書いてあるんで」「ちょっとメモさせてもらうよ」「買えば本に付いてきますよ」…それにしても、私はまだアート文庫に入れていない。何度行ってもシャッターは冷たく閉ざされているのだ。このやり取りを隣りで聞いていたので、ついおばあさんに便乗して「お店はいつ開いてるんですか?」と聞いてしまいそうになるが、無論出来なかった…。いつの日か、あのシャッターの向こうに!そう店主の横でそっと願い、甲鳥書林「向日葵/安騎東野」東方社「脱線息子/佐々木邦」(裸本)を計500円で購入し、まだまだ賑わう会場を後にする。市は19日火曜日まで。
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2014年08月13日

8/13千葉・安房鴨川 あんちっく具里夢

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月曜日の敵討ちに、またもやレールに錆の浮いた外房線に朝から揺られている。エネルギー漲る稲穂の中と、緑が猛々しく茂る低山の裾を走り通し、やがて左手に白波を立てる暗い翡翠色の大洋が見えるようになったら、外房線の終点に到達する。月曜は三時間で来られたのに、今日は接続が悪く四時間かかった…。駅前に出ると、白く小さな田舎町。見上げると、トンビがグルグル雲の下を、目を光らせて旋回している。目の前の寂れた通りを北東に歩いて行くと、およそ400mで待崎川。潮の薫りが一段と強くなり、河口にはたくさんの魚影が煌めいている。川を渡れば『鴨川市広場歩道橋』の架かる交差点で、さらに横断歩道を渡り、北に延びる旧街道的な道に入る。ガソリンスタンドを過ぎると、右手に『古い物 珍しい物 面白い物』と書かれた看板が立ちはだかるので、鵜呑みにして、その前の私道のような小道を東に進む。おぉ、店頭に数々の古道具を晒した、蔦に激しく絡み付かれた蔵風の建物に到着…つい一昨日に見た光景である。ここは、ちょっと敷居の低いリーズナブルなアンティークショップで、多少古本も取り扱っているのである。虚しく哀れに引き返した月曜を思い起こし、暖簾の下がった入口に近付いて行くと、白髪短髪の筑紫哲也風店主と鉢合わせる。挨拶を交わして店内に滑り込むと、整理整頓されているが、奥に細長く、古道具・古雑貨・骨董・古着、それに記念写真が混ざり合った空間。戻って来た店主に「奥もあるし、裏にもまだ部屋があるんで、自由にゆっくり見てってね」と優しい言葉を投げ掛けられる。では遠慮なく、お言葉に甘えて古本のみを求めて探索を開始する。入口両側の戸棚や棚には、映画雑誌・学年誌・美術全集・映画パンフ・芸能誌附録が集まっている。七十〜八十年代が中心。奥に進むと右の長い棚に、ブロマイド・メンコ・「GORO」・地図類などを散見。さらに奥の古道具だらけの建て増しトタン小屋に入ると、映画ポスター・アイドル雑誌・「女性セブン」・駄玩具・レコード・広告紙物などが目を惹くが、今のところ心を掴む決定打はナシ。母屋に戻ると、店主が即座に「裏も見てみる?」「お願いします」と二人で外へ。裏の砂利敷きの駐車場には、たくさんの陶器と、ダンボールに入ったノベルティ&キャラクターグッズが広がり、開け放たれたトラックの荷台にも古着やレコードに紙物類が並んでいる。古い物置小屋には、民具や古家具が雑然と詰め込まれている。そんな中から、映画パンフ・俳句本・ミュージカルパンフ・映画雑誌の箱を見つけるが、それでも目欲しい物はナシ。仕方ない、格好良かった『マシンガンパニック』の映画ポスターでも買って帰るかと引き返そうとした時、トラック内にあった薄手のダンボール箱が妙に気になってしまう。印刷されたボタニカルアートが入っているのだが、二〜三枚めくってみると、下からB4サイズのアート紙の束が現れ、そこには丁寧に洋雑誌や英語新聞の広告が貼付けられているのだ。最初は何かの版下ではないか?と思ったのだが、ペラペラめくって行くと、どうやらこれはニューヨークファッションの、資料としてのスクラップであることが、おぼろげながら分かって来た。そして紙の裏面を見ると、年月日・『ニューヨークタイムズ』などの新聞雑誌名、そして『くろすとしゆき』の名が入っていた。日本のアイビー&トラッドファッション界の重鎮である。これは恐らく、勉強&記事を書くための、資料の一部と思われる。時代は1970年代が中心で、『BROOKS BROTHERS』のものが多い。うぉぉぉぅ!『VANヂャケット』名義の資料スクラップも混ざっているじゃないかっ!と荷台でひとり大興奮。うぅーむ、これは凄い。貴重な物だ。少しは買って行きたいなと気弱に思い、戻って来た店主に一枚の値段を尋ねてみる。すると「あ〜、そうゆうのは一枚とかじゃなくて、箱で買って欲しいんだよね。それだと一万一千円かな」「ぐぅ、そうですか…」と言葉に詰まると、「う〜ん、二千二百円ならどう?」と突然値段が1/5に!「じゃぁ、じゃあいただきます!」と反射的に購入してしまう。…いや、全部で三百枚はあるのだが…買ってどうするわけでもないのだが…まぁ貴重な資料を散逸もしくはゴミ箱行きにするわけにはいかない。次世代に引き継ぐために、少しの間私が持て余しながら持っていることにしよう…。二つの袋に分けてもらい、おまけに二千円に負けてもらい、重い紙の束を抱えて海を眺めている…夏だなぁ…。
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スクラップは縦長の『BROOKS BROTHERS』が一番多く、物凄く徹底している。
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『VANヂャケット』の一枚。燃える!くろす氏は石津謙介氏の右腕でもあった。
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2014年08月11日

8/11定休日!トンビ!ドブ!

東京から三時間かけて、千葉の外房線沿いにあるお店を見に行ったら『本日休業』の札が下がる堂々の定休日。思わず雲が流れる青空にグォゥ!と咆哮してしまう。HPには定休日なんて書いてなかったのに…しかし暗い店内には本の姿をしっかりと確認出来る。近日中にしつこく再訪することにしよう。それはそれで良いとして、では今日はこれから何をするべきだろうか…良しっ!めったに出来ぬ「ブックセンターあずま」ツアーをしよう!とは言っても二軒しかないのだが、お店の広さと電車の本数の少なさが、ツアーに絶大なる緊張を与えてくれることだろう。

今日の行く末も決まった。駅のホームでパンを食べて昼食とする。潮風を感じながらもしゃもしゃ咀嚼していると、突然何かが頭に襲い掛かって来た!続けざまに目前で激しく羽ばたきが起こり、ふわぁ!とのけぞり払いのける。それは何と、大きな一羽のトンビであった。何処か高所から狙いを定め、急降下して来たのであろう。幸いパンは取られることなく、件のトンビも架線に留まってさらにパンを狙い続けている。猛禽類にターゲットにされるのは、さすがに恐ろしい。しかし、驚きながらも負けてなるかとトンビを睨み、慌ててパンを口に押し込める。

無人駅の三門駅で下車し、干物臭い国道を南下して「ブックセンターあずま 大原店」(2012/08/11参照。偶然にもぴったり二年目の再訪である)へ。現在午後二時過ぎであるが、午後二時四十三分発の上りに乗りたいので、駅までの時間を考えると猛スピードで棚を見なければならない。冷房控え目の店内で、いつもの倍の集中力と三倍の身体的スピードで、五本の長い通路を攻略する。講談社ノベルス「湯煙りの密室」徳間文庫「浅草殺人風景」「散歩する死者」以上三冊は中町信、創元推理文庫「真夜中の檻/平井呈一」春陽文庫「殺人暦/横溝正史」(新版)角川文庫「横溝正史読本/小林信彦編」(新版)ソノラマ文庫「盗作・高校殺人事件/辻真先」を計1235円で購入する。

この時点で午後二時二十六分。走れば四十三分の列車に間に合う!これを逃せば次の電車は一時間後になってしまうのだ!と炎天下の国道をひた走る。汗をかきながら四分経過。この分なら大丈夫そうだと思った瞬間、後ろで何かが落ちる音がして、ザザッと停まって振り返ると、視界の隅を横滑りする何かが掠め、さらにボチャンと音がした。俺は、何を落としたんだ?バッグをまさぐりつつ、路上にデジカメのバッテリーがポツンと落ちているのに気付く…ない、デジカメがないっ!外れたバッテリーを拾い上げ、本体が滑ったであろう先に目を向けると、そこは草に表を覆われた深いドブ川であった…デジカメをドブに落としてしまったのか!悪魔のような黒い水面を、恐らく青い顔をして覗き込むが、すでに痕跡は何処にも見当たらない…うぅぅぅぅ〜と犬のように唸り、あきらめて、バッテリーだけを握り締めて、再び駅に向かって走り出す。さらば、愛するデジカメよ。共に日本中の古本屋さんを巡って来たデジカメよ…。それにしてもブログを始めて六年。まさか『デジカメをドブに落とす』なんて阿呆な文を書く日が来るとは、思ってもみなかった。

盛大に意気消沈して茂原駅で降り、スゴスゴ歩いて「ブックセンターあずま 茂原店」(2010/03/21参照)に到着。涙で視界を歪めながら、どうしてだか中町信を大量に見つけてしまい、謎の『中町信祭り』を開催してしまう。講談社ノベルス「下北の殺人者」「津和野の殺人者」トクマノベルス「密室の訪問者」ケイブンシャノベルス「女性編集者殺人事件」「不倫の代償」ケイブンシャ文庫「四国周遊殺人事件」「佐渡金山殺人事件」以上すべて中町信、実業之日本社「怪異二挺根銃/山田風太郎」津軽書房「想い出す人々/今官一」を計910円で購入する。あずまはたっぷりと満喫出来たが、散々な一日であった。
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かような理由でデジカメを落としたので、収穫を虚しくスキャンしてみた。中町信だらけ…。
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2014年08月09日

8/9幽霊画を見て幽鬼の如き古本街へ

現在リニューアル編集中の、トマソン社「BOOK5」の新連載に備え、千駄木にて潜航取材する。ムニャムニャと手前勝手に色々探って確かめ妄想した後、団子坂下から東に上がって『全生庵』へ向かう。三遊亭圓朝コレクションの『幽霊画展』が八月一日から開かれているのである。門を潜って雨のポツポツ落ち始めた境内に入り、本堂への階段を上がるとその途中に『幽霊画入口』の即物的な看板があり、本堂左側に展示室へのドアが開いていた。
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ビーサンを脱ぎ、簀子から木床の建物内へ進み、展示室の入口で五百円を支払って古びた室内へ。すでに幽霊画と一体化しているような壁に、幽霊の掛軸が何幅も連続している。う〜ん、素敵に異常な羨ましいコレクションだ。様々な作家が、不確実であやふやで透き通ったものを描き留めようとする矛盾した行為が、どの掛軸にもスパークしてしまっている。中でも、騙し絵のような『月に柳図』や、意表を突く大胆な「海坊主」は殊更楽しい。それにしても、この見事な感じで鳴りまくる木床はいったい何なのか。まるでアトラクションででもあるかのように、いいタイミングでベストな音色を、ギシギシ奏でてくれる。夜に独りでここに閉じ込められたら、幽霊画より床の軋りにビクつきそうだ。

団子坂をグングン上がって、『本郷通り』に出る。1935年創業のパン屋さん『オリムピック』に飛び込み、甘食とクッキーをしこたま買い込んで本郷古本屋街へ向かう。しかし週末のためか、お店は続々とシャッターを下ろし、幽鬼の街と化していた…。そんな中でも、街の始まりの「第一書房」(2011/08/16参照)でハヤカワポケミス「コナン・ドイル/ジョン・ディクスン・カー」を1000円で購入し、途中「萬葉堂書店」(2010/04/02参照)の消滅を確認し、街の最後の「大学堂書店」(2009/01/06参照)で新潮社「随想集苺酒/尾崎一雄」ちくま文庫「二階堂黎人が選ぶ!手塚治虫ミステリー傑作集」を計850円で購入する。小雨の降る中を御茶ノ水駅までトボトボ歩き続ける。
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2014年08月08日

8/8東京・神保町 源喜堂書店 古書部

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今日も飽きもせずに正午前の神保町。御茶ノ水駅から『明大通り』を順調に下って『駿河台下交差点』で西を見る。100mほど先のビルの頭の「ブックブラザー 源喜堂書店」(2009/08/11参照)の、巨大過ぎる看板を視界に捉える。あの看板の直下に、いつの間にか「古書部」が出現していたとは…。焦りつつ足を速めつつ、まずは一階に取り憑く。そこは、多くがオレンジの説明&値段帯を巻かれた本が整然と並ぶ、美術・デザイン・写真・建築の良店である。しかし店舗には入らず、階段を上がってビル内部の通路へ入り込む。エレベーターの扉には貼紙があり、『1F源喜堂書店 8F店主個人宅 9F源喜堂書店古書部』と書かれている。絶対に八階で降りてはイカンなと、長い時間をかけて九階まで上昇。扉が開くと電子チャイムが鳴り響き、そこはガラスの箱の中。さらにカチャリとドアを開けて箱から抜け出すと、紙の古物がひしめく高級な空間!帳場に座るのは、ラフなポロシャツ姿の野暮ったい寺脇康文風男性。「いらっしゃいませ」と一瞥され、緊張の度合いを深めてしまう。見回し見上げる壁一面には、額装された版画・リトグラフ・色紙・肉筆画・短冊・古文書・書簡・錦絵・ガラス絵…わわ、高札の実物まで飾られている!入口側の壁際には、錦絵バラ売りファイル・錦絵や書簡&古文書箱・和本揃い・双六・絵図、その他様々な和紙の紙物類が集まっている。左奥には写本や茶と書の和本&道具が重厚にわだかまっている。手を後ろで組み、ビーサンでサモサモとカーペットを踏み締め、奥の壁際へ。ここには棚が設えられ、しっかりと古本が並んでいる。日本画作品集・仏像・江戸・道具など、専門的なものがメイン。そして窓際には、長い箱に収まった掛軸の山が、あまり見たことのない柱状節理のような景色を生み出している。フロアの長いガラスケースには、地図・絵図・絵草紙などが飾られている。上には持ち帰り自由の目録が二種置かれているが、持って帰りたいのになかなか手が出せぬ小心者のの自分を、そこに見つけてしまう。ほぼ展示場のような高級紙物フロアである。しかし良く見ると、千円クラスのもの紛れているので、かろうじて太刀打ちは可能か。だが何も買えず、ふぅ〜とため息をつき、目に溜め込んだ栄養をこぼさぬようにして、ガラス箱へ戻ってエレベーターへ。長い降下時間で緊張を解いてから、気楽な神保町店頭台ハンティングに出発する。
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2014年08月07日

8/7東京・神保町 DIOカルチャービレッジ

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水道橋から、後頭部を暑い日射しに焼かれながら、店頭台を覗き込んで『神保町交差点』に向かって進攻する。最終的に目指すのは、『すずらん通り』から『靖国通り』沿いの『巌松堂ビル』九階に移転したDVDのお店(2012/04/25参照)なのだが、古本は入口近くに100均棚があったくらいで、その古本比重はいたって軽かったのである。なので、ビル内の以前より狭くなったであろう店舗なら、もはや古本棚はあるかどうか…そんな風に高を括った末の、店頭台漁り行動なのである。「アムールショップ」(2011/08/12参照)で教養文庫「やさしい詩学/安西均」講談社文庫「エヌ氏の遊園地/星新一」(昭和四十年代共通青カバーの初版だが、イラスト入りの太いカラー帯が巻かれている)岩波文庫「少年少女/アナトール・フランス」角川文庫「日本女地図/殿山泰司」(裸本)を計200円で購入し、今日の役目を終えたつもりで『靖国通り』に突入する。店頭に本棚が広がる「澤口書店 巌松堂ビル店」(2014/04/12参照)脇のビル入口に目をやると、九階をアピールする立看板と店頭小DVD棚が一本。中に入って、わりと容積のあるエレベーターで九階を目指す。ちょっとした時間の後ドアが開くと、目の前にはCDワゴンが現れ、右側に入口がある。店内は縦長で、壁際はすべてDVD棚で埋まり、手前が一般映像で、仕切られ気味の奥がアダルトゾーンとなっている。黒っぽく薄いケースばかりが並ぶ棚を眺め、やはり古本は駆逐されてしまったかと、ため息ひとつ。しかし何となくあきらめ切れずに、一本奥の通路を一応覗いて見ると、あっ!アダルトゾーン入口手前の壁棚に、明らかに毛色の違うブツが並んでいる!近寄るとそれは、四段の文庫列と一段の単行本、それに手作りの白紙本であった。うぉぉ、まさか古本棚を、残してくれているなんて。しかも相変わらずの100均が泣かせてくれる。死線を潜り抜けた古本棚との再会を喜び、幻冬舎アウトロー文庫「懺悔録/梶原一騎」を購入し、精一杯の感謝を捧げる。

地上に戻ってウキウキとして、風が強く炎天下のビル街を秋葉原まで歩いてしまい、「星雲堂 秋葉原PX」(2014/04/14参照)で春陽堂文庫「青蛙堂鬼談/岡本綺堂」ワニの本「だじゃれ笑学校/しとうきねお・テディ片岡」「アイデア話術/前田武彦」を計450円で購入。やっぱりここは良いお店です。
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2014年08月06日

8/6神奈川・元住吉 凸っと凹っと

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標高の高い帆船のような駅舎から、長いエスカレーターを下って東口の地上へ。踏切から東に延びて行く賑やかな商店街、『モトスミ・オズ通り』を東に進む。すぐに円形にモザイクタイルが敷かれた岐路に着くので、そこからは南へツラツラ進んで行く。100m弱で終わる道の左手に赤い雑居ビルが現れ、中央の小さなビル入口前に置かれた『古本 中古CD』と書かれた立看板に、胸をときめかせる。いつの間にか出現しているタイプの、古本屋ツーリスト泣かせなお店である。この世では、このようなお店が知らぬ間に、いくつも現れては消えたりしているのだろう。どうにかたどり着け、お店と人生の時間がクロスしたことに感謝して、狭く急な妙な色の市松模様の階段を上がる。二階で右手を振り返ると、つづら折りのように展開して並ぶ部屋のドアがあり、その真ん中だけが開け放たれ、店内の本棚を薄暗い廊下に覗かせている。ビニールカーテンを潜り中に入ると、小さなワンルーム空間で、入って正面にラックと白い本棚が並び、右奥がカウンター帳場になっている。フロア中央には小さく低い平台があり、入口右横は奥に少し広くなってCD棚に囲まれている。カウンターにはキャップを被った文化系クリエイター風男性が座り、「いらっしゃいませ」と絹のように優しい声で迎えてくれた。入ってすぐのラックには、音楽・サブカル・コミックのオススメ本とCDが飾られ、白い棚にはレアな電子ブロックと共に、サブカル本が店主の眼と腕とセンスで集められている。当然バカな本が多くなるのだが、すべての本をサブカル的視点で捉えているためか、社会運動・犯罪・仕事・技術・建築・昭和風俗などもジャンルとして確立し、真面目な本や専門書も同列に扱っている。帳場近くにはサブカル系文庫と新書が集中。平台はおもちゃのロボットアームをメインにオススメ本が飾られ、下の棚にはサブカル系エッセイを多く揃える。CD棚の下にも、おもちゃのゾイドシリーズと共に一部古本コーナーがあり、岡本太郎・アラーキー・ガンダム・UFOなど。冊数はほどほどだが、徹底的にサブカルである。このお店にとっては、もはやサブカルがメインカルチャーなのである。世の中に見捨てられて来た本の、小さな王国!値段は安めである。文春新書「不許可写真/草森紳一」講談社漫画文庫「一刀両断/つげ義春」を購入する。元住吉のサブカル文化(重複表現?)を、今後もよろしくお願いいたします。
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2014年08月05日

8/5灼熱の東京で東欧に迷い込む

浅草橋で乗り換えた都営浅草線を、すぐに浅草駅で乗り捨てる。『A1』から地上に出ると、ビーサンが融けてしまいそうな、もはや季節感も何も無い灼熱のビル街。高い銀杏並木の歩道を『駒形どぜう』に向かって南に進むと、お店手前のビルとビルの隙間前に、様々な立看板が集まる地点。その中で一際目立つ、オレンジ色のデザインセンスの良い看板は、馬喰町から移転して来た(2013/01/20参照)「チェドックザッカストア浅草」のものである。吸い込まれるようにビルの谷間を進むと、奥は鍵の手になった行き止まりの小空間で、オレンジ色の玄関灯をぼんやりと光らすペパーミントグリーンの扉が、堂々と輝いていた。
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このアプローチは、装置として格好良く素晴らしく、一歩ずつ入り込む度に心が否応なく燃え上がる!もう最後は、プラハの『黄金小道』にいつの間にか迷い込んでしまったのだと、信じた方が良いくらいである。店内は広く、手前に文房具類が集まり、フロアには個性的な椅子群が、主人となってくれる人を今か今かと待ち構えている。最奥壁が一面の白い壁棚で、旧店舗と同じく人気作家別とアルファベット順に、独特な絵柄の白い絵本たちが大量に並び、ヴィンテージ感を醸し出している。うむうむと健在ぶりを眺め、絵本には手を出さずに文房具コーナーで、西瓜的色味のソフトペンケースを購入する。お店は三階にも売場があり、細かな雑貨類を多く並べている。

束の間の東欧気分に浸ったなら、これを持続しない手はないと、東武の浅草駅に急行し、外国人に道を聞かれて四苦八苦しながら、スカイツリーラインで蒲生駅へ。久しぶりの黄金古本屋さん「プラハ書房」(2010/12/22参照)に、ゼエハア暑さに喘ぎながら飛び込む。チェコ雑貨のお店からプラハ書房に向かうとは、我ながら上出来なアイデアだと浅はかにほくそ笑み、牧野出版「鬼宴/竹森一男」(貸本小説を量産しながらも純文学への夢を捨て切れぬ老境間近の男を描いた小説。自身の経験を生かしたフィクションだが、貸本小説家事情が面白く恐ろしい)光風社「山荘の絞刑吏/島田一男」(貸本仕様)を計1000円で購入する。灼熱の東京で、陽炎のように揺らぐ古本でつないだ、東欧チェコスロバキアの幻影であった。
posted by tokusan at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月03日

8/3東京・新中野 古本なべや

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「なべよこ文庫」(2010/05/17参照)の消えた、ちょっと寂しい『鍋屋横丁交差点南改札』から地上に出ると、すぐ東に『青梅街道』と『鍋屋横丁』の交わる交差点。今日の横丁はお祭で封鎖され、焼鳥の白い煙が立ち込めている。そのまま交差点を突っ切り東に進み、歩道に架かるアーケードが一旦途切れる所で、南への脇道に入り込む。真っ直ぐ真っ直ぐ進んで行き、道の終りにテント屋根の架かる自販機群が見えて来ると、おぉ!その対面の集合住宅一階に、新たな古本屋さんがオープンしているではないか!お店の名は何処にもないが、地域に根差した緩い名付けに大いに感心する。それにしてもお店の前は、地元民が行き交う道であるのだが、街外れと言うか、住宅街内に埋没してしまうような場所なのである。だからこそ全面ガラス張りのお店は目立ち、100均単行本棚と100均箱(カメラ箱もあり)も異彩を放っている。中は広く、奥が狭まる歪な形をしている。左右の壁棚がお店のメインになっているが、本はまだ半分ほどしか収まっていない。窓際にはソファー席とビジュアル本のラックが置かれている。フロアにはまだ空っぽの木箱棚とガラスケース、それにカルチャー雑誌と映画パンフを並べたラックがひとつ。最奥の狭まった空間に、整理中の本の山を築いた帳場があり、ショートカットにエプロン姿の凛々しい短距離ランナー風女性が、ひとり本と格闘している。天井近くに多数飾られたLPレコードに見下ろされ、右壁に視線を走らせて行く。文庫・新書・ブルーバックス・コミック・ミステリ&エンタメ・日本文学・文学周辺・海外文学。ビジュアル本ラックを挟んで、奥に大阪・東京・サブカル・宗教・心理学などが集まる。左壁は、暮らし・児童文学・絵本から始まり、旅・紀行・鉄道・ロシア・小林秀雄・米原万里・佐藤優・演劇・映画・大衆芸能・美術・写真と続き、帳場近くに五輪真弓レコードと共に音楽がまとめられている。開店しているとは言っても、まだ完全体ではないので、その全貌は不明である。しかし左壁の演劇や音楽旅に、何となく方向性が発芽している模様。いずれまた再訪し、しっかりとこの目で棚のすべてを確かめねばなるまい。値段はちょい安。徳間文庫「殺人は面白い/田村隆一」三一書房「涙香外伝/伊藤秀雄」を購入。何はともあれ、開店おめでとうございます!

クソ暑い路上に戻って、ふと気付く。あれ?この道を西へ西へ進むと、「プリシラ古書店」(2012/02/14参照)に直行出来るんじゃないか?と言うわけで800mほど歩くと、こちらもひっそりと住宅街で営業中のお店の前。これは、新たな“新中野古本屋ライン”の完成だ!と喜び、エニックス「エロティシズム十二幻想/監修・津原泰水」(装幀装画の金子國義サイン入り!)を700円で購入する。
posted by tokusan at 18:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする