2014年09月29日

9/29神保町パトロール

お昼にお茶の水方面から神保町入りし、私的に古書街をパトロールする。佳境を迎えつつある「古本屋ツアー・イン・神保町」の編集作業であるが、まだ気は到底緩められない。なんたって街は生きているのだ。本日も、何か変化がないかどうか、確かめに来た次第である。『明大前通り』から『靖国通り』に入り、店頭台をがっついて覗き込んで行く。ちょっと久々なせいか、妙に焦って目玉が滑り、何も見つけられない。そんな風な状態が次々続くと、いつの間にか古本魂が萎縮して、おいそれと手を出さぬ自分がそこにいるのだった。そうとは分かっていても、最初は良い本を買いたいものなのである。…などとやっていると、『すずらん通り』の「風月洞書店」(2013/03/25参照)店頭で、潮出版社「東京きらきら日誌/稲垣足穂」を500円で見付け出し、ようやく呪縛から解放される。以降はお昼時で賑わう『白山通り』を往復し、再び『靖国通り』へ。取り立てて今のところ大きな変化はナシか。『神田古書センタービル』六階は、未だに『近日開店予定』の貼紙があるのみ。ビル内に入り込み、各店を順番に覗き込んで行く…いつもの古本屋ビルな光景…と暢気に思っていたら、四階の『靖国通り』側右側店舗の「ブックパワーR.B.S.」(2012/08/01参照)に異変が発生していた。入口近くの壁や棚脇に白い貼紙があり、『九月末閉店』『40%OFF』などと書かれているのだ。ということは、明日で店仕舞いなのか!決して通い詰めたお店ではないが、それでも名残惜しんで、スポーツ雑誌だらけの店内をラスト回遊。一冊の単行本を手にして、レジでぶっきらぼうに精算してもらう。「お店は九月いっぱいですか?」「はい」「何処かに移るんですか?」「いや、店はもう」「そうですか、ありがとうございました」。大変悲しいことなのだが、閉店が判明してよかった。「古本屋ツアー・イン・神保町」は、半分ガイドとしても機能させるつもりなので、現在進行形で古本を買えるところしか掲載しないのである(ただしコラムページとして『古本屋レクイエム・イン・神保町』あり)。これでここは、幻の掲載店となってしまった。ちなみに必死に考えたお店のキャッチコピーは『球技陸上格闘技、肉体の血と汗と涙がここにある』であった…。スポーツライフ社「ジプシー・トレーナー/エディ・タウンゼント」を1296円で購入する。それにしても最近の、『神田古書センタービル』の動向の激しさは、侮れないものがある。もしかしたら、この街がもっと変わろうとしている、その微かな兆しなのかもしれない…。
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2014年09月28日

9/28東京・大泉学園 史録書房

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古本神・森英俊氏に誘われて、嬉しい事務所店探訪。駅北口で待ち合わせをし、お店に連絡を取ると、すぐに店主が車で迎えに来てくれた。小柄な山村聡と言った感じの、柔和でとても親切な方である。十分ほど北に向かってドライブし、車中はもちろん古本&古本屋話で情報交換。やがてたどり着いた住宅街の大きな二階建て民家は、広大な畑に隣接している…途端に、ここに来たことがある!とフラッシュバック。…そうか。その昔、お店があるんじゃないかと思って、自転車をカッ飛ばして偵察に来たことがあったっけ…。玄関に招き入れられると、日常の住宅への廊下と、非日常の事務所への扉に分かれている。当然非日常に土足のまま進むと、いきなりの密度の高い古本一色空間となる。床には簀子が敷き詰められ、壁際には木製の小学校の下駄箱のような造り付けの本棚が巡らされている。左には三本の傾いた銀フレーム本棚が並んでいる。それらには大量の古本が、横積みで満載されている。なので書名を簡単に見ることは出来ないが、茶色い紙の堆積を見ただけで、心臓がボンゴのように轟いてしまう。左側にはサッシ扉の向こうに、暗闇の未整理本倉庫がわだかまっている。それを左奥から回り込むようにして、壁棚に挟まれた通路を進むと、靴を脱いで上がり込む事務所となるが、ここにも同様な壁棚と同様な銀フレーム本棚三本が、事務所スペースの向こうに広がっていた。まさに嬉しくなってしまう古本だらけ。茶色の紙層に魅せられ、早速各々に挑みかかる。棚は一段ごとに番号が振られ、1~420まで続いている。しかし店主に聞いてみると、100番過ぎまでは実際に連続しているが、以降は番号を多く飛ばしているとのことである。横から書名を覗き込んだり、本を引き出し引き出しチェックして行く。埃にまみれ、微速前進な地味過ぎる作業だが、恐ろしく楽しい!時を忘れて、棚の虜となり続ける。古書が多めで、風俗関連が充実している。しかも資料的なものから、実用的な小説類までを網羅。しかしそれ以上にスゴいのが、各種読物雑誌のオールスターラインナップ!昭和初期〜四十年代の文芸・大衆・カストリ・児童の雑誌をコワいくらいに集めているのだ。森氏はその雑誌を狙い撃ち、目的の号を次々と見付け出して山を成して行く…相変わらず戦慄に値する買い方だ…。こちらはセコセコと、新書や古い単行本をチェックして行く。結果、二時間強の自由な探索を笑顔で許していただき、實業之日本社「巴里の横顔/藤田嗣治」(函無し)春陽堂「江戸川乱歩全集10」(函無しだが、城昌幸・大坪砂男・岡田鯱彦寄稿の附録「探偵通信5」付)旺文社ノベルス「還らざる城/眉村卓」を購入。値段はちょい安〜普通。事務所店なのに、ちゃんとすべての本に値段が付いているのが、分かり易くて素晴らしい。唯一の心残りは、未整理本倉庫で、あそこにはきっともっと昭和三十年代の小説が…と森氏と共に邪推する。
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2014年09月26日

9/26東京・西荻窪 かんばら書房

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午後に金木犀の匂いに頭を痺れさせながら「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で「フォニャルフ」に補充。そのまま西荻窪に留まって、スタスタと北口に向かい『女子大通り』を北西上して行く。西荻窪の外れにある、開かずのクリーニング屋兼古本屋さん(クリーニング屋は開いている)が、最近お店を開けているとの噂を嗅ぎ付けたからである。これは、真相を確かめねばならない!と、焦る気持ちが妙な早足を生み出し、ナナメの通りをスピード速く進んで行く。道が北に大きくカーブすると、アンティークショップが建ち並ぶようになり、やがて『地蔵坂交差点』に到着する。『女子大通り』をまだまだなぞって西へ。すると左手の平屋の古い民家兼店舗の前に、おぉぅ!初めて古本ダンボールが並んでいるのを目撃する。建物の姿は、沼津の「長島書店」(2009/10/18参照)に似ているが、店舗部分は左がクリーニング屋さん、右が古本屋さんに分かれている。クリーニング屋の前ではご婦人が、これも店頭に並ぶプランターの手入れに熱中している。こちらはそそくさとダンボールに近付き、古本漁りに熱中する。全部で七箱のダンボールには主に単行本が並び、文学・歴史・風俗資料・実用などを雑本的に揃えている。上にはペラペラと浮世絵を入れた箱も置かれている。本は100均で、古書が紛れ込んでいる構成に思わず血が騒ぐ。緑地社「折り紙読本/吉沢章」一聡社「盤嶽全集 上巻/白井喬二」新潮社「三島由紀夫十代作品集」筑摩書房「ちくま日本文学全集 江戸川乱歩」を選び、まだまだ土いじり中のご婦人に声を掛ける。すると「いらっしゃいませ」と立ち上がって、ゴム手袋をパチッと外して、開け放たれた右側の店内先端へ。一緒にそこに近付くと、中は本の詰まったダンボールの山となっているが、それなりに会館展ごとなどに分類されているようだ。うぅん、箱を開けて見てみたい。値の下げられた値札を素早く外し、「これはちょっと破れてるからサービスするわ。300円」ということになった。ありがとうございます。何だかこれからも、中途半端に古い本が出て来そうなので、これから西荻窪に来た時は、なるべく覗きに来るよう心がけよう。

この後は天気も良いのでテクテク歩き続けて、西荻窪〜荻窪の古本屋さんを伝いながらの帰り道。そして荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)均一店頭棚で、本日のどひゃっほう本を発見してしまう。大正十三年発行の短歌雑誌、日光社「日光 創刊號」である。つい一週間前なら、まったく気付かずにスルーしたであろう。しかし2014/09/21の茨城行きの時にお会いした「つちうら古書倶楽部」(2013/03/31参照)佐々木氏との四方山話の中に、この雑誌が出て来ていたのである。それは、栃木での市のために、栃木県の日光の名が付いた雑誌「日光」の揃いを安値で見付け仕入れておいたら、日光市とはまったく関係無いことが判明したが、結局歌壇のビッグネームがたくさん書いている雑誌だと分かり、最終的に高値で売れたのだと、そんな羨ましい話であった。たまたま一瞬の話題が頭の何処かに残っており、それが棚の最下段で表紙をこちらに見せた状態で、目に留まったわけである。背文字は判読不可能なので、キチッと挿さっていたら、気付かなかったはずだ…。様々な偶然が重なったことに戦慄を覚えながら、ページを繰る。表紙繪や扉繪は津田青楓で、北原白秋・土岐善麿・釋超空・折口信夫・大手拓次・島崎藤村・河井酔茗・前田夕暮・里見ク・岸田劉生・志賀直哉らが歌や文章を寄せており、詩も多く載せられている。しばらく枕頭の書にしようと、頬を緩ませ精算する。
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2014年09月24日

9/24古本屋レクイエム・プチツアー2

単行本「古本屋ツアー・イン・神保町」の初校ゲラを戻して、まだまだ固めなければいけないことが多いのに冷や汗をかいてから、西荻窪へ。

北口に出て目の前のバス停と道路を突っ切って、ついに閉店してしまった「なずな屋」(2010/08/25参照)前。少し前からお店を閉めがちではあったのだが、ついに、ついに、と言った感じで、悲しみと寂しさがふつふつと湧き上がって来る。シャッターは下りているが、まだお店の扁額は残されており、いつ開いてもおかしくはない風情。しかしシャッター前には、トンと置かれたイーゼルに架かる、店主からの感謝の言葉。繊細な字でダンボールに、お客さんへの感謝と、古本屋と古本への愛が書き留められている。「なずな屋」に一度でも入ったことのある方は、ぜひこっそりと旧店舗の前に立ち、目を凝らして読んでいただきたい。そこにあるのは、あなたへのメッセージであるはずだから。「興居島屋」(2008/09/12参照)から数えて十九年半の古本屋稼業、おつかれさまでした。
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そのまま電車に乗って西に向かい、青梅線・東中神駅。高層団地足元の商店街『くじらロード』を伝って、西東京の隠れた名店「中神書林」(2009/02/27参照)へ。
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実はここ数日で、様々なところから、年内で閉店してしまうと言う、衝撃的な情報を入手してしまったのである。今すぐ閉店と言うわけではないのだが、気になってしまったので、まずは偵察に訪れてみた。お店は平穏そのもので、蚊取り線香が炊かれ、静かに整頓され、別にセールなども行われていない。いつもの通りである。少し足元に古い雑誌が多いかなと思いつつ、古い本を一冊二冊と抜き出して行く。三冊を手にして店主の元へ。精算しながら「お店、閉めてしまうんですか?」と聞いてみると、「閉めます。いや、もう疲れちゃってね。タハッ」と、照れ混じりの笑顔を見せる。年内いっぱい営業するとのことなので、再来店を約束して辞去する。ここからこのお店が無くなるのは、いやだなぁ。さびしいなぁ。…後三ヶ月か…。金星堂「社会文藝叢書 第四編 装甲列車/イワノフ」(200円なんてひゃっほう!)創元社「映画手帖/京大映画部編」講談社文庫「三文役者あななきい伝1/殿山泰司」を計500円で購入する。
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2014年09月22日

9/22東京・ひばりヶ丘 新・近藤書店

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北口の急階段を下ると、いきなり街の中だが、再開発の波を被ることにより、シャッターを下ろしたお店や空地が目立っている。線路に沿うことを心がけ、東に進む。小さな自転車駐輪場が向かい合う所で南に曲がり、線路際に出てしまうと、さらに大きな二階建ての『ひばりヶ丘駅北口第2自転車駐車場』がある。これ以上線路沿いの道には進まず、自転車駐車場前の道を選ぶ。その先には、真新しい小さな公園が出現し、おぉ!公園を囲む住宅街の一角で、これも真新しい「近藤書店」(2010/11/07参照)が営業していた。焦げ茶の住宅兼店舗に近付くと、コミックの山と三台の100均文庫ワゴンが表に出ており、ワゴンの四隅には全高50センチ前後の文庫タワーが監視塔のように築かれている…これで分かった。店主は横積み本タワーが好きなんだ。店内は白く当然新しく、わりと広くピカピカで、造り付けの壁棚に囲まれた通路は縦に四本。そして奥の帳場に、以前と変わらぬモジャモジャな店主が元気で座っておられる。それにしてもこれは、旧店舗より確実に見られる本の数が多くなっている。移転バンザイだ!入口右横にはBLノベルスの山があり、壁棚にハーレクインとBLノベルス。右端の第一通路は、壁棚に文化・美術図録&作品集・科学を並べ、右奥にアダルト雑誌を大量に集中させている。向かいには美術・文明・文学評論・海外文学・みすず出版・晶文社が揃う。しかしジャンルは何となく固まる程度で、全体的に掴み難いカオスな棚造りが展開して行く。第二通路は、右にテレビ・芸能・映画・演劇・アダルトDVD、左に海外文学文庫・文化・社会・新書…膝元の平台には控え目に単行本タワーが建設されている。第三通路は、右に日本文学文庫・ノベルス・時代劇文庫。膝元平台には文庫タワーが連続し、高層ビル街のように屹立している。左にはコミックがズラリ。入口左横の教養&雑学文庫・戦争文庫棚を舐めるように見てから、左端通路。壁棚には戦争・歴史・政治社会・晶文社・西洋史・音楽・辞書事典。向かいにミステリ&エンタメ・日本文学・時代小説・辞書が並ぶ。街の古本屋さん的ではあるが、実は意外に硬質である。70年代以降の本が中心で、古い本は少しだけ。それにしても、すべての棚が見られるのは、やはりストレスレスで、あっという間に手元に四冊。値段も相場より安めであある。ミセス編集部「ななめがね/岡本喜八」三省堂「看板建築/藤森照信」東光閣書店「地から出る月/矢田挿雲」(函無し)ピラミッドドキュメント文庫「ザ・穴場/いその・えいたろう」を計1500円で購入する。楽しかったので、また来よう。
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2014年09月21日

9/21茨城・友部 筑波海軍航空隊記念館 古本市

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突然少しでも遠くに行きたくなって、休日おでかけパスを買って、常磐線で二時間。田園地帯を抜けると現れる郊外の街は、南に大きく広がっている。南口に出て、街の真ん中を通るように、真っ直ぐ南下して行く。一キロも歩けば、辺りは早くも緑が濃くなってしまう。道なりにまだまだ南に進むと、すべての敷地が広くなり始め、玉蜀黍畑前の『こころの医療センター西交差点』にたどり着く。交差点からちょっと西に、その医療センターの門が見えている。周りには大量の水色の幟が、へんぽんと翻っている。このセンターの広大な敷地内には、『筑波海軍航空基地』の戦争遺跡が数多く残されている。そのひとつである本部棟は、現在『筑波海軍航空隊記念館』として公開されているが、映画『永遠の0』のロケ地となったことにより、人気沸騰中なのである。病院敷地内に入り、長い直線道をズンズン進むと、広い草グラウンドに向かい合うようにして、二階建て横長の白く簡素な近代建築が堂々と建っていた。そこに次々と人が向かい、入口に吸い込まれて行く。車寄せ上の物見台にも次々と人が姿を現す。入館料は500円。ちなみに私は、映画にも原作にも興味はない。それならば、何故遠路遥々ここへ来たのか?それはもちろん、古本が売られているとの情報をつかんだからである!エントランスに入って入館料は払わずに、すぐ左の窓際の部屋に広がる『空くんのSKYショップ』に潜り込む。ここは出入り自由のグッズショップである。様々なグッズに目もくれず、奥にグイグイ迫って行くと、しっかりと組まれた古本棚とご対面。棚の裏側では、映画の予告編が延々と流れている…。フロアに、仕切るような木箱の積み上がった棚があり、航空機・軍艦・兵器・戦争の雑誌・ムック・大判資料本を収めている。壁際にも五×四で積まれた木箱群があり、日本近代の戦争・戦記・戦史・軍隊・自衛隊・兵士&勇士・航空兵・武器などの単行本と文庫本が集まっている。予想通りものの見事に戦争一色である。ペタペタ貼られた古本市のちらしに、『大事な資料!売っちゃいます!!』と書かれているので、建物に秘蔵されていた本でも出しているのかと思ったら、すべて水戸「とらや書店」(2008/08/02参照)の出品であった。値段は安め〜しっかり値と様々。光人社「青春の河/楳本捨三」平和文化「茨城県の戦争遺跡/伊藤純郎編」(新刊)を購入する。

古本を見ただけで駅までテクテク戻り、常磐線上りに乗って土浦駅下車。大変ご無沙汰してしまった「つちうら古書倶楽部」(2013/03/31参照)へ。…やはり広い。激しく広い…。しかし休日なのにライバルの影は少なく、おかげでどこもかしこもじっくり吟味し、春陽堂文庫「江戸っ子武士道/城昌幸」(ひゃっほう!昭和十八年の発行で、珍しく奥付上に著者略歴が記されている。『明治三十七年六月生る・京華中學卒業・後文筆生活・著書櫻田門義學遺聞其他』とあるが、時局がらのプロフィールであろう。それにしても本当にこんな著書があるのだろうか?)角川文庫「SFジュブナイル 謎の冷凍人間/アンガス・マクヴィガー」講談社大衆文学館「蠅男/海野十三」を計1080円で購入し、帳場に立っていた「れんが堂書店」(2010/07/10参照)店主・佐々木氏にご挨拶する。色々とお話しし、楽しいエピソード、厳しいエピソードあれこれ。中でも雑本や紙束の山から、価値あるものを見出す&生み出す話を愉快に拝聴する。霞ヶ浦の畔の土浦で、ひたすら古本話に耳を傾ける、有意義なひと時であった。
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2014年09月20日

9/20西荻窪→大泉学園→ひばりケ丘→東村山

昼食を摂ってから西荻窪入り。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に、紙袋に詰めた古本を携えて向かい、「フォニャルフ」に補充する。その後は本も買わないのに、店主・小野氏とと長話。ラッキーにも、最近入荷したレア本を見せていただき、丁寧に触ってページを繰りながら、脳にたっぷりとメモリーする。…もしかしたら、いつか、何処かで出会うかもしれないのだから、その時のために!

続いて北口に抜けて「音羽館」(2009/06/04参照)へ。表に出ていた四百円の筑摩書房「吉田兼吉Collection1 考現学の誕生/藤森照信編」を引っ掴み、店内にギイギイ突入。店主・広瀬氏に無沙汰を告げ、10/12の「よみた屋」さんとのトークショーについて、少しお話しする。色々知れば知るほど、本当に異種格闘技戦の色合いが濃くなって来る…私の技は、果たして「よみた屋」さんに通用するのだろうか…。

駅北口に戻ってバスに乗り、三十分ほどガタゴト揺られて大泉学園駅に到着。ならば「ポラン書房」(2009/05/08参照)に寄らねばなるまい。賑わう古本屋の光景を楽しみながら、品揃えの良い棚に没入し、講談社文庫「お噺の卵 武井武雄童話集」講談社文芸文庫「小さな手袋/小沼丹」を計620円で購入すると、スマートな番頭さんは、一年前に岡崎武志氏とお店を訪れたこと(2013/10/28参照)をしっかりと覚えていてくれた。そして渡された一枚のチラシ…何と、来週9/23(火)の午前中に、TBSラジオ『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』が、ここ「ポラン書房」から放送されるそうである。ついに毒蝮が古本屋にやって来る!あぁ、文章にした時の、この激しい違和感は何なのか…。

続いてひばりケ丘に向かい、実は近所に移転していた「近藤書店」(2014/09/18参照)にワクワクして向かう。だが、本日は哀しみの臨時休業であった。今日のツアーの目論みは、あっけなく霧散した…残念無念!

何だか収まりがつかないので、せめてはもっと古本を買うべきじゃないかと、所沢まで出て西武新宿線に乗り込み、東村山で下車して「なごやか文庫」(2012/01/10参照)の安値の懐に抱かれに行く。すでに照明が落とされた『福祉センター』内で、お店だけが明るい光を放っている。理論社「5000匹のホタル/松下竜一」山海堂「養神館 合気道入門/塩田剛三」大陸書房「マスコミ・ゲリラ宣言/岡留安則」創出版「異色出版社の研究」白水Uブックス「日本幻想小説傑作集1・2/阿刀田高編」青木新書「名作案内 日本のプロレタリア文学/江口渙・壺井繁治・山田清三郎編著」岩波文庫「心/ラフカディオ・ハーン」ea「季刊サルビアvol.8」を計820円で購入する。
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※お知らせ
現在、新作単行本「古本屋ツアー・イン・神保町」を鋭意製作中。古本屋の聖地・神保町で、古本を買えるお店を巡りまくったブログ記事を元にした、ガイドとも読物ともつかない楽しい本になる予定。ちょっとハードルの高い事務所店は収録していませんが、普通に入って普通に古本を買える所ならば、徹底的に収録してあります。とは言っても、神保町は大巨人!世界最強の古本屋魔街!私が六年かけて集めたその形は、儚い一瞬の街の姿であり、氷山の一角でしかないのです。そんな巨人に挑んだ、一人の愚かな人間の記録として、どうか楽しみにしていてください。書き下ろし企画ページも充実しております。ただ今校正ゲラと大格闘中。十一月上旬に、本の雑誌社から発売予定です。詳細が決定したら、またお知らせいたします!

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2014年09月18日

9/18古本屋レクイエム・プチツアー

人生を賭けて古本屋さんを追いかけていると、様々な情報が飛び込んで来るようになる。その中には、当然宿命のような、閉店情報も含まれている。最近ひっそりと閉じていた、都内近辺のお店を悼んで巡ってみる…。

西武池袋線・ひばりケ丘北口階段を下りると、ごちゃついた街が間近に迫り懐かしい感じだが、シャッターを下ろしたお店が多く、再開発の牙にかかっているようだ。小道から小道を通り抜け「近藤書店」(2010/11/07参照)の前にたどり着いたはずだったが、そこにあるのは鉄線に囲まれた更地で、お店は影も形も無くなっていた…。
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かつてのお店の奥の方も、背後の彼方にも一直線に更地が出来てしまっている。これは、新しい道路を通すための用地買収が行われ、立ち退いたということか。あの、安易に本を引き出したら倒壊必至の、店内各所にニョロニョロのようにユラユラと揺らめく古本タワーは、ついに幻となってしまった。立ち退いた後は、移転か?閉店か?何か情報が浮かび上がることを願いつつ、寂しくなって駅へと戻る。しかしこのままの心持ちでは、これからの行程におよそ耐えられそうにもないので、南口に出て「ひばり書店」(2009/05/26参照)に一直線。一年前に飛び込んだ時に、とても楽しめるお店だということに改めて気付き、心の隅に引っ掛けておいたのである。古本に触れて傷心を癒そう…ところが!お店はシャッターを下ろし、上部の看板は撤去され、日除けも無くなっている…う…こ、これは、お休みなだけなんだよな。看板もきっと工事中なんだよな…。新たな哀しみと寂しさを背負ってしまうことになったが、ここはしっかり消息を確かめるために、また来てみよう…。

新宿まで出て京王線新線・幡ヶ谷駅で下車。道幅はちょっと狭いが活気のある『十号通り商店街』に入ってすぐ。街の古本屋さん「小林書店」(2008/07/09参照)はすでに開けることのないシャッターを下ろし、静かに眠っていた。奥に暗がりを持った変哲のないお店。右側に隠し部屋的小部屋を持っていたお店。奥のガラス戸が素敵だったお店。あの1960年代のプラモカタログ数冊を何故買っておかなかったんだと改めて思ったお店…。そして一番好きだったのは、日除けの店名。フォントが独特で、“小林”の文字が鳩に見えてしかたないのである。
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“小”は飛んでいる一羽の鳩。“林”は向かい合って止まっている二羽の鳩。長い間おつかれさまでした。

最後は渋谷に出て東急田園都市線・池尻大橋で下車。首都高下の『玉川通り』を西南に歩いて行くと、かつては一軒の古本屋さんがひっそりと待ってくれていた。「古書 いとう」(2008/11/17参照)。良店であった。ここで何度、探していた文庫や新書を見つけたことか。オヤジさんは無口であったが、左側の通路に入ると、必ずタイミング良く電気を点けてもらったものだ。オヤジさんの急逝による閉店であったが、お店はすでに面影なく、何もかも取り払われ、ただのテナント物件となっていた。たくさんの、探していた本を見つける喜びを、ありがとうございました!
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哀しみがとても折り重なってきたので、涙を堪えて三宿の交差点を駆け曲がり、「江口書店」(2010/03/29参照)の店頭小ワゴン前に屈み込む。丁寧にチェックして二冊を抜き出して、古本があふれんばかりの店内へ進む。BGMも何も無く、静かに古本と向き合うだけの時間。いつまでもここには、現役でいて欲しいな…。講談社文庫「三文役者あなあきい伝PART2/殿山泰司」東京ライフ社「木曽の旅人/岡本綺堂」河出書房新社「伝説のCM作家 杉山登志/川村蘭太」大日本雄弁會講談社「キング四月號 第九巻 第四號附録 格言俚諺集」を計1200円で購入し、お世話になった古本屋さんへのせめてもの手向けと勝手に思う。
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2014年09月17日

9/17東京・京王永山 多摩市役所 小さな本屋さん

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町田市役所(2014/07/28参照)に続く、メールタレコミにより知った、お役所内古本棚第二弾である。北口に出てまずは『多摩消防署前交差点』に出る。通りを北に向かい、完全に治水されて親水感満点の乞田川を越えて『鎌倉街道』。そこからさらに東に歩き、『諏訪下交差点』で細い上り坂を北へ。立ちはだかるマンション前で西に向かい、すぐに現れるコンクリの住宅街大階段を駆け上がると、さらに一段丘の上に白い市役所が佇んでいた。道をちょっと回り込み、正面玄関から所内に入ると、昭和の陰鬱さと役所の冷徹さがわだかまっている。右側に歩を進め、階段をちょっと上がると『市民相談室』エリア。その中央を通り抜け、奥の売店に向かうと、渡り廊下の途中に、一本の本棚が控え目に立っていた。上部には店名看板、最下部のスカート部分に、全品百均であること、代金は棚中央の『招き猫の金庫』の投入するよう書かれている。全六段の棚には、最上段に海外文学文庫が並び、後はすべて日本文学文庫。新しめでキレイな本がほとんどである。ちくま文庫「玉子ふわふわ/早川茉莉編」文春文庫「サンドウィッチは銀座で/平松洋子」を選び、招き猫に百円玉一枚・五十円玉一枚・十円玉五枚をジャラジャラ投入する。

当然この街に来たのなら、猛り狂う緑を伐採中のニュータウンの坂道を上がり、諏訪団地の「あしたやみどり」(2013/05/28参照)へ。一生懸命棚に目を凝らすが、今回は残念ながら不発に終わる。中公文庫「中亜探検/橘瑞超」集英社文庫「極道辻説法/今東光」中央公論社「調教師/唐十郎」を計400円で購入。気怠い初秋の午後の団地に、刈られた草の匂いが、強く流れている。
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2014年09月16日

9/16東京・北赤羽 桐北書店

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都会の片隅に隠れる小さなお店の発見を得意とする情報屋(多謝!)からの、コメントタレコミを基に始動。新河岸川の上に架かるホーム東端から地上に下り、南口広場。環八の交差点から南東に向かい、百日紅の紅白花が咲き乱れる『宮の坂』をぐんぐん上がる。切り通しを過ぎたら神社脇の交差点で南西に曲がり込み『諏訪通り』に入る。ほぼ直線の緩い坂を500m強進むと、右手に馬鹿デカいにもほどがある大規模共同住宅の『東京メガシティ』がそびえ始める。通りの向かいには、まるで別世界の普通の街並が広がっている。その中の一軒であるクリーニング屋さんに注目すると、おぉ!お店の左端が通路のように区分され、薄暗い古本屋さんとなっている。歩道と店頭地面に並んだ均一本を見ると、途端に血がざわつき出す…変に古い本が多いじゃないか。これは普通の店先じゃないぞ。何かがありそうだぞ。際限なく膨らんでしまいそうな期待をキュッと戒め、半開きのサッシ戸から店内へ。そこは幅一メートル奥行き三メートルほどの洞窟のような空間で、両側に六本ずつ歪み傾いだ本棚を設置している。足下にも本は置かれ、通路の途中にも棚が居座り、かなりの隙間感を演出している。身を反らせながら近い本棚に視線を注ぐと、やはり古めの本が多い。そして全体的に傷んでいる様子…間違いなくここは“タイムカプセル古本屋”だ!こんなお店が、まだ都内に生き残っていたのか!店内には誰もおらず、奥のカーテンで仕切られた住居部分から人の気配が伝わるが、誰も姿を見せようとはしない。それでも軽い興奮を押し隠すようにして、まずは棚を冷静に観察して行く。コミック・一般文庫・日本文学・夏目漱石・芥川龍之介・井上靖・日本近代文学・文学全集端本・詩集・時代小説・日本純文学・宗教・社会学系新書などが並ぶ。棚は所々二重になったり、単行本と文庫本が同居したりして、不格好に満載状態。左側には哲学・政治経済・松本清張・戸川昌子・有馬頼義・水上勉・ミステリ&探偵小説文庫・海外文学・時代小説・社会学・歴史などがみっしりと並ぶ。絶対何かありそうだ〜と、二重棚の奥もチェックしている時、ズズンと足下の地面が不吉に揺れ、強い地震が始まった。揺れる棚と古本を薄暗い通路店内に見て、ここにいるのは危険と判断し、サッシ扉の外へと抜け出す。イカン、古本を持ったままだ。入口近くの棚板にそっと置き、恐怖に戦きながら様子を見る。揺れは続くが、驚くことに棚の古本は一冊も落下しない!…見事だ。どうにか揺れが治まってきたところで再び店内に潜り込むと、「いらっしゃいませ!」と奥から明るい笑顔のクリーニング屋の奥様が顔を出した。思わず「地震すごかったですね」と言うと「恐くて風呂場に飛び込んじゃった」と返される。ついでに集めた古本を手渡し精算をお願いする。帳場はクリーニング屋と一緒らしい。光風社「警察医/島田一男」(貸本仕様)同光社「半七捕物帳 巻三/岡本綺堂」(巻末解説に綺堂が古本屋に行くエピソードあり!)金の星社 少女・世界推理名作選集「旅行かばんの秘密/サットン」「のろわれた屋敷/ラインバード」「仮装舞踏会の秘密/ジャット」「地下室の秘密/サットン」(函が汚れていたり半壊しているものもあるが本体はキレイ)を、本は大体100〜200円の超安値なので、計800円で購入する。ふぅ、素敵なお店で古本を買えたのは良かったが、やはり本棚に挟まれて揺れるのは恐かった…。

※お知らせ
10月11日(土)12日(日)と連続開催される本のイベント『西荻ブックマーク』。12日の第81回にトーク要員として登場します。お相手は吉祥寺の超理論&データ派古本屋「よみた屋」さんです!

第81回西荻ブックマーク
『古本屋になろう!』 アフターアワーズ 〜「古ツア」さんと共に語る〜
日時:10月12日(日)17:00〜19:30 (開場16:30)
場所:ビリヤード山崎2F 杉並区西荻北3-19-6
料金:1500円 定員40名
※10月11日(土)の第80回西荻ブックマークからの連続参加で割引料金に!! 3000円→2000円
出演:澄田喜広、小山力也

自分でもどんなトークになるのか、いや、どんな話をすれば良いのか、今のところまったく想像がつきません。思想の無い、お店の表面ばかり見て書き連ねている自分に、いったい何が出来るのでしょうか!? まずは「よみた屋」さんの新刊を読み、焦って準備を進めたいと思います。古本屋さんという職業に関心のある方は、ぜひともお越し下さい!
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2014年09月14日

9/14渋谷と中目黒で古本を追い求めて

今日という一日は、西荻窪に向かい「フォニャルフ」にフレッシュな古本を補充することからスタートした。お祭ムード一色な中央線沿線を突破して、弾けるような若者だらけの、まだ夏が継続中の渋谷にたどり着く。

今や世界屈指の観光スポットでもあるスクランブル交差点を横断し、『井の頭通り』に入って『渋谷ロフト』へ。坂道を上がって一階入口に入り右側を見れば、『旅する約100人のブックカバー展・フィナーレ』が開催されている。
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様々なクリエイターが手掛けた架空の本屋の架空のブックカバーの響宴であるが、目的は古本なのである。この展覧会と同時に、「どうぶつのほんやさん」「旅する古書ノ市」も開かれており、渋谷の真ん中に堂々古本を並べているのである!若者たちに古本の存在と価値を知らしめる、実に素敵なことであるなと、まずは円柱棚に飾られた「どうぶつのほんやさん」に近付く。文字通り動物名を店名に含んだお店や出版社が八店出ており、古本を並べているのは「にわとり文庫」(2009/07/25参照)「シマウマ書房」「古書信天翁」(2010/06/27参照)「駒鳥文庫」「九龍堂」「カヌー犬ブックス」(2014/01/31参照)となっている。児童書・ジュブナイル・雑誌付録漫画・洋書絵本・写真&アート・食・動物の名がタイトルに入った本・映画などがぐるっと並び、ついつい真剣に二周してしまう。全体的に値段が安めで嬉しいなと思いつつ、シマウマ書房で創元推理文庫「ニッポン樫鳥の謎/エライー・クイーン」(白帯初版)をセレクト。さらに奥のメインの展示であるブックカバーが飾られたラックを越えると、メタリックフレームの棚が横長に広がる。ここでは「旅する古書ノ市」が開かれ、大阪の「ふるほんはまや」「ジグソーハウス」「寸心堂書店」の三店が、結構どっしりと古本を並べている。絵本・少女・幻想文学・ハヤカワポケSF・岩波文庫海外文学・海外文学・アートなど。「ふるほんはまや」が安くて良かったが、ジグソーハウスでゆまに書房「愛の讃歌/水谷まさる」を手にしてしまう。本はロフトのレジで精算する。この市は9/30(火)まで。

続いて駅まで戻って反対側の宮益坂方面に抜け、異様な形状の高層複合商業ビル『渋谷ヒカリエ』に初めて入る。八階のギャラリーゾーンまでエスカレーターでグングン上がり、無機質な空間が連続する中の、「BOOK MEETS ART」と言う展示会が開かれている『8/02』ギャラリーに入る。
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そこは白く長い空間で、なんとなく三つのブロックに分かれており、入った真ん中の壁際に早速古本棚が置かれていた。出店しているのは仙台の「book cafe 火星の庭」(2008/05/26参照)なのである。隣りのブロックにも小さな棚が二つ設置され、アート・音楽・絵本・児童文学・幻想文学・「夜想」・「WAVE」・「太陽」・日本の風土&文芸・寺山修司・「ガロ」・本&古本関連などが並んでいる。値段はしっかりめだが、単行本に安値あり。みずのわ出版「調査されるという迷惑/宮本常一+安渓遊地」を購入。この市は9/23(火)まで。

このキラキラした若者の街で、同時に古本を絡めたイベントが開かれている偶然を楽しんだ後は、そのままビルの地下に潜り込み、東横線で中目黒に向かう。駅から『山手通り』をテクテク歩き、裏通りのギャラリー『POETIC SCAPE』へ。
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昨日今日とここで、先日の豪雨のために店舗と倉庫が床上浸水してしまった、代々木八幡の写真集古書店「SO BOOKS」(2010/10/06参照)を応援する、チャリティー販売会が開かれているのだ。古書店が困っているなら放ってはおけぬ!鼻息荒く中に入ると、そこはすでに若者でいっぱい。狭いギャラリー内の四隅にダンボールが置かれ、写真集や本が詰められている。中央のテーブルにも写真集がドサドサ並び、次から次へと吟味されている。500円〜2000円が多く、写真集にしては大変お買い得となっている…これは昨日来るべきだったか…。突然「値段からさらに500円下げます。500円の本は二冊で500円にします」とセールタイムが始まり、一同笑いつつ色めき立つ。奥では写真家のオリジナルプリントが、壁一面に簡素に張り出され、一枚一万円で販売されている。うぅ…ほ、欲しい…と心のヨダレを垂らしまくるが、パルコギャラリー「アレクサンドル・ロドチェンコ写真展」図録を買うだけで我慢する。よし、今度久しぶりにお店の方も見に行ってみよう。

往きとは違うルートの、住宅街の中を歩いて駅方面に戻り、せっかくなので「杉野書店」を見に行く。お店はオープンしているが、通路と帳場周りは本で埋め尽くされ、ガチャガチャ状態。それでもどうにか壁棚と通路棚を見て、ちくま文庫「きのこの絵本/渡辺隆次」を300円で購入する。
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2014年09月13日

9/13葉山と逗子で未来派とラフレシア!

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巨大船のブリッジのような白い駅舎がまぶしい逗子駅前から、3番のりばの京浜急行バスに乗り、葉山方面に向かう。新逗子駅近くの神社で骨董市が開かれているのを目撃し、後で寄ろうと心にメモ。海沿いの狭い県道を走ることおよそ二十分、『森戸海水浴場』近くの『元町バス停』で下車し、交差点の裏側に隠れたような『もとまちユニオン葉山店』を探し出す。本日このスーパーの駐車場で、骨董アンティークと古書の市が開かれているのである。川を渡って駐車場ポールの脇を擦り抜け、騒がしい横長の駐車場に入って行く。すると、横長のスーパーの壁際に、規模はそれほど大きくはないがテント屋根を張った露店が連なり、結構人だかりがしている。右端、中央入口両端の三つに会場は分かれており、何だかとても環境に馴染んでいる。順々にテントの下に顔を出して行くと、アンティークと古本は半々の割合。古道具&懐かし物&骨董系、それに絵本・音楽・古雑誌・カルチャー・レコードなどなど。この辺りの市と言えば「books moblo」さん(2011/10/10参照)と「余白や」さん(2009/09/23参照)はしっかり出店。おぉ、一箱系古本市連続出店記録更新中の「RAINBOW BOOKS」さんも出ているのか。本はスムーズに見終わり、秋田書店「世界のスパイ/北川衛」福音館書店「はじめてのキャンプ/林明子」CBS・ソニー出版「レコード・プロデューサーはスーパーマンをめざす/細野晴臣」(表紙がスゴい…)、そして図録の東京新聞「未来派1909-1944」を千円で発見して、重いが喜び勇んで購入する。

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再びバスに乗って逗子方面へ。そして新逗子駅前でバスを乗り捨て、テクテク歩いて『亀岡八幡宮』の境内に乗り込む。参道を中心にして、木陰で小規模な骨董市が開かれている。嬉しいことに紙物や古本がわりと目について来る。お店からお店へと飛び移っているうちに、まずはフレーベル館「トッパンのこども絵本 とっきゅう」を200円でニヤリ。続いてその前の雑誌の山に、妖花ラフレシアが表紙になった、古い大正五年の雑誌がビニールに入って乗っかっている。迷わず引き出し中を見ると、『人間界現在の不思議』『人間界過去の不思議』『自然界の不思議』などのエピソードが多数集められた、冨山房「學生 第七巻第十號 世界不思議号」と言う雑誌であった。後藤新平や福来友吉も執筆しており、糸で製本してあるが300円だったので即購入。午後の強い日射しを浴びながら、束の間の海辺での古本探しを満喫し、湘南新宿ラインに乗って早々に帰宅する。
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2014年09月12日

9/12東京・中井 料理書専門古本屋 onakasuita

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『山手通り』直下の工事中の駅ホームから、改札を抜け、踏切を渡って駅前通りを北に抜ける。そこから『山手通り』に上がろうとするも東側の階段は工事中なので、西側まで回り込み、ようやく通りの上に顔を出す。今や巨人の道路のように広く整備された道を、北東へテクテク歩いて行く。行程は坂道。途中で東側の歩道に渡る。『新目白通り』を越えて、歩道橋脇の細道を東へ入る。行き当たって北に曲がり、次の細道を再び東へ。辺りは完全なる住宅街で、本当に住宅しかないのであるが、左手にその住宅を古本屋としている素敵なお店が、ようやく見えた。阿佐ヶ谷と高円寺の中間の住宅街で、ひっそりと、しかし誇り高く営業していた料理書専門の古本屋さん(2011/01/09参照)が、移転開店していたのである。目の前にあるのは、門構えが懐かしい昭和な住宅である。店名看板とOPEN札を確認して敷居を跨ぐ。人の家に入り込んだ…瞬間戸惑うが、奥の玄関までの誘導が丁寧に為されているので、きれいに掃き清められたアプローチを伝い、小さな池が脇にある玄関に無事にたどり着く。またもや敷居を跨いで中に進み、靴脱ぎ石の上に立ったところで、店主の小川嬢が顔を出したので挨拶を交わす。高い廊下に上がり、左側の二間の和室に進むと、畳敷きの一部を板敷きにして、揃いの木製本棚を壁際に八本(左の部屋に二本、右の部屋に六本)並べていた。料理古書&よみもの・おかず・製菓・フランス料理・イタリア料理・レストラン・エスニック料理・各国料理・和食・料理関連雑誌多種。それに窓際の机上に寿司と魚関連が集まり、さらに横の戸棚には料理関連文庫と新書が集められている。本当に料理の本しかなく、他ジャンルは見事なほどに皆無。以前のお店は実用的料理ムックが目立っていたが、こちらでは立派な専門書が幅を利かせ、少し博物学室(料理本にはビジュアルを重視したものが多い)のように重厚な雰囲気。値段は普通〜ちょい高だが、専門書以外は安めなものも多い。おいしい麦茶をいただきながら、お店についてあれこれお話しする。そこで、右側の部屋の角にある謎のデッドスペースが、元床の間であることを知る。「何か良い使い道はあるでしょうか?」と聞かれるが、不甲斐なく何も思い浮かばず。今度来る時までに考えておきます!中公文庫「新撰豆腐百珍/林春隆」くくのち学舎「料理民俗学入門/イヴォンヌ・ヴェルディエ」(新刊)を購入。

帰りは都立家政で途中下車し、「ブックマート 都立家政店」(2011/12/13参照)の古書コーナーでガサゴソ。背がテープで補修されているが、第三書院「もんぱるの/ヂォルヂュミシェル」を500円で見付け喜ぶ。序文は石井柏亭で、表紙画はカフェでモテモテの藤田嗣治自画像である。
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2014年09月11日

9/11東京・高円寺 えほんやるすばんばんするかいしゃが二階建てに!

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雨が強弱をつけて降る住宅街を、傘を差しながら歩いて高円寺。南口の『エトワール通り』から脇道に入って、絵本と児童文学の古本屋「えほんやるすばんばんするかいしゃ」(2008/11/06参照)へ。本日から、小さな屋根裏のような二階に絵本を満載していたお店が、ちょっと発展し、一階の元古着屋を店舗の圏内として、ギャラリーをオープンしたのである。一階はすでに大きく開かれ、白い壁に囲まれた空間に、絵本の原画をぐるり飾っている。先客の隙間に入り込むようにして、小さな会場を一巡り。そして同展作家さんの絵本の一冊を「えほんやるすばんばんするかいしゃ」が、開業十周年の記念(実際は十一周年で、一年遅れの記念と言うことになっている)として出版していることを知る。最近の古本屋さんは、とても文化的にアグレッシブな生き方を選んでいる気がする。急階段をクリアして二階に着くと、三人の先客がいるだけで、すでに店内は飽和状態となっている。棚造りは以前とそう変わらないが、奥の壁ラックでは組版絵本の展示が行われている。平台下の児童書棚前に屈み込み、一冊を抜き出す。偕成社「星からの怪人/ポレシチューク」(函無し)を1200円で購入。笑顔が相変わらず素敵な店主に下のギャラリーについて聞いてみると、『話せば長くなるんです』を枕詞に、これからも本に関する展示をして行くと教えられる。高円寺の街角で、もう十一年も絵本の古本屋さんが生き続け、さらに進化したことを驚き祝い、大いに喜びながら、急階段を慎重に下る。

ガード下まで戻って「藍書房」(2014/01/14参照)の外壁棚に久しぶりに張り付く。講談社「マイクとともに/藤倉修一」(裸本。NHKラジオアナウンサーの生き様戦中戦後半自伝&エッセイ集。カストリ横丁・ジャングル横丁・ターザン部落・幽霊探訪などへの社会探訪裏話がめっぽう面白い)野田経済社「随筆 旅と湯女/石川武義」(旅風俗と多岐に渡る宿の特性や裏稼業までを網羅している)の変な本二冊を計200円で購入する。
すっかり雨は上がり、『馬橋通り』の和菓子屋ですあまを買って、弾力を楽しみ頬張りながら帰宅する。
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2014年09月09日

9/9合同古本屋ツアー第三回は上諏訪で酒蔵巡り

本日は十日前の第二回(2014/08/30参照)に続き、またもや岡崎武志氏と行動を共にして、青春18きっぷの合同古本屋ツアー。早朝の中央本線でガタゴト目指すのは、上諏訪で開かれる五つの酒蔵での古本市「酒蔵の街の読み歩き」!高尾駅で合流して乗り込んだ電車は、ガラ空きかと思えば通学通勤客の意外な多さに打ちのめされ、氏と二人でフリー稼業の危うさとだらしなさと後ろめたさと自由さをギリッと噛み締める。およそ三時間で、午前十時の太陽が降り注ぐ、爽やかな諏訪湖の畔に到着する。東口に出て、『上諏訪街道』たる『国道20号』を南に歩んで行く。次々と出現する、生きた化石のような看板建築に引き込まれながら、駅から500mほどの『酒造り酒蔵ゾーン』に近付いて行く。

そして最初にたどり着いたのは『舞姫酒造』で、靴のまま上がれる薄暗い蔵の二階は、『博物学の小部屋』をテーマにした会場となっていた。天文学紙物・鉱物画・動物・植物・図鑑類・アンティーク鉱物プレパラート&顕微鏡・昆虫・昆虫標本・骨・各ジャンル洋書…書籍と博物学の研究対象物が半々の、自然科学な暗闇である。初っ端からグイグイ引き込まれた挙げ句、科学天文関連のマッチラベルやカードが入った引き出しの中から、「エレクトリック・トレイン」のカードを選び、300円で購入する。

続いて道の先の『麗人酒造』に飛び込むと、一階の端っこに二台の大きめ木製ワゴンがあり、『三百圓書店』をテーマに、300円均一で、思想・建築・エッセイ・ノンフィクション・ガイドブックなどがドバッと詰まっている。筑摩書房「人間万事嘘ばっかり/山田風太郎」を購入する。

さらに道の先の『酒ぬのや本金酒造』では、一階土間の片隅に机と木箱が積み重なり、お酒に関する本を集めていた。「夏子の酒」全巻揃いも抑えている。新潮文庫「洋酒天国1/開高健監修」を200円で購入する。

車がビュンビュン走る街道を渡り、向かいの『伊東酒造』二階へ。こちらはちゃんと靴を脱いで上がらねばならない。そしてこの会場が『湖畔の街にこんな古本屋があったらいいよね』と銘打ち、一番古本市らしく古本をドドッと集合させている。可愛い長テーブルで造られた四本の通路と、壁際に連なる棚と平台に、しばし氏と共に釘付けとなる。「あがたの森書房」と「書肆月影」の古書に好奇心を激しく抱き、アルス「立体派・未来派・表現派/一氏義良(裸本)」を1000円で購入。

控え目にバッグを重くしながら、最後の酒蔵であるちょっと離れた『宮坂酒造』へ。ここは「くらもと古本市」(2013/02/11参照)と同じ会場で、新刊が半分を占める、お洒落&女性系に傾いた品揃えとなっている。テーマは『やっぱり本屋さんが好き』。日本経済新聞社「雑本展覧会/横田順彌」を650円で購入する。会場ごとにテーマの違う古本が並ぶのは、工夫があって意外に楽しかった。この市は9/15(月)まで開かれ、各蔵のお酒を楽しめるスタンプラリーをしながら巡ることも可能である。古本と日本酒…買い過ぎにご注意を!
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街道を一本外れた街の裏通りを歩み、強い陽光に照らされた鄙びた街並を楽しみ、激写しながら駅まで戻る。昼食を摂って、滞在およそ二時間で早々に上諏訪に別れを告げる。最初はすぐの茅野駅で下車して「古本屋ピープル」(2010/07/25参照)を急襲しようと思ったが、電車の接続を考えて、そのまま甲府直行を選択。
一時間で灼熱の甲府駅前南口に二人は立つ。巨大信玄像前を通り過ぎ、裏町をウネウネ炙られながら進み、一番駅に近い山梨県の稀少な古本屋さんの一軒「風雪堂」(2009/05/04参照)へ。
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訪れるのは五年ぶりだが、一切何も変わっている気がしない。山梨郷土本と句集の中を泳ぎ渡り、入口近くの揺らぐ文庫タワーから、博文館文庫「通俗三國誌 第四巻」東京創元新社「創元推理文庫目録 1969.11」中公新書「求道の画家 松本竣介/宇佐美承」を抜き出し計300円で購入する。この後はどうせここまで来たならと、ちょっと遠い「ブックオフ甲府平和通り店」まで歩いて、二階の棚を物色する。中公文庫「ポロポロ/田中小実昌」光文社文庫「少年探偵手帳/串間努」を計418円で購入して午後三時。ここで古本旅に一応の終りを告げる。駅までバスで戻り、中央線車内で缶ビールを酌み交わし、後は幸せに東京へと戻るのみ。二人の合同古本屋ツアーは、まだたかが三回目なのだが、何だか妙に磨きがかかり始め、お互いの呼吸を読んだり、アイコンタクトで迅速な行動が取れるようになって来た。今後のさらなる“古本屋探索ダブルス的技術”の発展が、楽しみである。
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2014年09月08日

9/8東京・池袋 Budoshop

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打ち合わせ先に向かって歩いている。西口の雑然とした地上に出て、さらに猥雑な『西一番街』一帯を通り抜け、西の『劇場通り』へ。『池袋郵便局前交差点』から北にテロテロ歩き、『池袋二丁目交差点』を過ぎると並木の緑陰が濃くなる。東側の歩道を歩き続けていたら、黄色い日除けの、街外れの武具屋が何となく目に留まる。ショウウィンドウには日本刀・鍔・火打銃・日の丸扇子・手裏剣類・木刀類が飾られ、外国人を意識したものか、和のイメージに彩られている。しかし入口脇には新品の瓦が結束され積み上がっている…これは、何だろうか?湧き上がる好奇心を抑え切れずに、開け放しの扉から敷居の高いカーペット敷きの店内を盗み見る。竹刀・木刀・棍・長短様々な武具・法被類…ぬぬっ?奥の奥に本棚があるようだが…も、もしかしたら古本が並んでいるのかもしれない!しかしこのお店は、想像以上に厳めしく危険な香りがする!武士のような、藤岡弘、のような激熱な人が店長だったら、どうすれば良いのだろう?そんな畏れを心に渦巻かせながらも、本棚にキュゥッと吸い寄せられて、あっけなくお店の奥へ。猛々しい武具から目を逸らしつつ、途中トンファーとヌンチャクに『こんなものまで…』と思いつつ、奥へ。壁際ガラスケースの前に差し掛かると、そこには大山倍達プレミア古書・古い空手雑誌に空手団体のワッペンが目に飛び込んで来た。どうやら極真空手に深い関わりがあるようだ…。そして奥の事務所的帳場で「いらっしゃいませ」と顔を上げたのは、予想外のシニアポロシャツを着た、中肉中背の優しげなおやっさんであった。しかし、何らかの達人である可能性が高いので、油断は禁物なのである。店の奥の奥の左壁に世の高いスチール棚が三本張り付き、その向かいにも一本の棚が隠れている。最初はDVDや空手雑誌が並んでいるが、二本目から大山倍逹の多種多様な古本が多数登場し始める。やった、とにかく古本だ!他に武道系新刊も交え、空手・総合格闘技・合気道・忍術・手裏剣・剣道・柔術・少林寺・ジークンドーなどの古本が続く。“武”に長けた特殊な棚造りであるが、これはしっかりした古本棚である。そして値段もしっかりめで、牧野吉晴「空手風雲録」の発見に一瞬喜ぶが、値段は四千五百円…ちぃ、隙ナシか。向かいにはVHSビデオ棚もある。土屋書店「日本武道必殺技物語/川原衛門」を購入する。畏れに負けずに、入ってよかった!
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2014年09月06日

9/6東京・阿佐ヶ谷 夏葉社まつり

夏が戻って来た九月の初め。少し出遅れて午前十一時に家を出る。今日は日々を暮らす街・阿佐ヶ谷で、8/31に五周年を迎えた孤高の独り出版社『夏葉社』が、記念の古本まつりを『CONTEXT-S』というギャラリーで開くのである。出版社が古本まつり…非常に奇異なことであるが、夏葉社にそんな既成概念は通用しない。

『中杉通り』をピタピタ歩いていると、駅近くの『世尊院』弘法大師像の足下に、白猫が寝そべっているのを発見。見たこともない子だと!と喜び近寄り、時を忘れて撫でまくってしまう。
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我に帰ると軽く五分が経過しており、ちょっと焦ってまつり会場に向かって再び歩き出す。駅南側の『パール商店街』に入り、百メートルほど進んだ蒲鉾屋の狭い脇道を東へ。良く猫が集まり、かつては噛み付くオウムが店頭にいたペットショップがあり、絵本専門店『こどものほんや』がある通りである。そこを真っ直ぐ七十メートルも進めば、左に風情のある民家ギャラリーが現れる。
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ウッドデッキを通過して中に入ると、すでに多数のお客さんで会場内はラッシュアワー。ジリジリと人の動くのを待ったり、隙間が生まれたらそこに身を滑り込ませることをしないと、本はしっかりと見られないほどである。つまりは開始早々の大盛況。帳場で夏葉社・島田氏の、途切れぬ精算と挨拶を交わす言葉が、人垣越しに聞こえて来る…。そして何故か近藤真彦のがなる歌声が流れている…。それにしても、古本は芳醇である。海外文学と藤子・F・不二雄・詩集詩壇詩論・ミステリ・サブカルと下北沢などが狭めの会場のしっかりとした棚に並んでいるが、中でも一番恐ろしかったのが中央テーブルの「善行堂」(2012/01/16参照)で、幻想文学や本関連を中心に、食指の動く本を惜しげもなく安値で並べてしまっている。薔薇十字社「アンドロギュヌスの裔」が、せんごひゃくえん…。その中から講談社「貼雑年譜/江戸川乱歩」1500円を引っ掴み(『BOOK5』連載「古本屋ツアー・イン・ドリーム」第一回を書いた時に、資料としての必要性を切に感じ、やはりこれは手元に置いておかなければと思っていた矢先の出会いであった…)精算の列に並ぶ。お客さんは夏葉社ファンの方々がメインなので、みな島田氏と言葉を交わすことを存分に楽しんでいる。

本を購入の後、せっかくのフェスなのだからビールを注文し、表のウッドデッキで午前中の後ろめたくも爽やかなアルコールタイム。これこそフェスの醍醐味だ!とひとり虚しく杯を傾ける。木漏れ日の中を、鳥のような黒アゲハがピラピラと優雅に舞い飛び、涼しい風が吹き抜けて行く。このまつりは9/6本日限りで午後六時まで。その代わり第2部として、午後七時から荻窪『Rooster NorthSide』にて音楽ライブが行われる模様。残念ながら古本販売はないのだが、古本&書店関係者による奇跡のバンドが多数出演。出入り自由とのことなので、本と音楽の関わりについて、あらぬ方向から漠然と一考したい方はぜひ!
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2014年09月05日

9/5東京・国分寺 古本 雲波

昨日のこと。トマソン社「BOOK5 vol.13」に載っていた、古本屋さん開店情報。しかし『9月開店』とあるだけで、ネットで調べてみても詳細な情報は浮かび上がらない…ならば直接見に行くしかない!さすがに開いていなくとも、開店日を知らせる貼紙くらいはあるだろうと、国分寺へ急行する。そんな風にしてたどり着いたお店は、ピカピカのシャッターを下ろし、『9月5日(金)11:00 OPEN!』の貼紙が…明日ではないか。とにもかくにも貴重な情報を手に入れることが出来た。これで良かったのだ。そう自分を説得し、家へと戻る。すると「音羽館」(2009/06/04参照)広瀬氏から電話が入り、件の古本屋さんが明日開店することをタレコまれる…ありがとうございます!

そして本日、西荻窪に立ち寄って、予約しておいた待望の、湘南探偵倶楽部「初期創元推理文庫書影&作品目録」(新刊)を手に入れてから国分寺へ向かう。

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北口に出ると駅前の再開発がジリッと進み、頑張っていた本屋さんなどが消え去り、柵に囲まれた空地が広がってしまっている。大きな空の下を歩き始め、駅前から『大学通り』を東に奥まで進んで行く。ちょっと坂を下って『国分寺本町一丁目交差点』で『国分寺街道』に入る。坂を上がって北に向かい、坂上の『国分寺七小入口信号』の目の前で、新しい古本屋さんが営業を始めていた。黄色味のかかった外壁に映える空色の日除け。大きな引戸の左には空を描いた看板があり、右には均一本が疎らに並ぶことにより、構成主義的な美しさを見せる壁棚…なるほど、同じ方が手掛けただけあって、ここは「古本はてな倶楽部」(2013/12/18参照)に似ている。中に入るとスロープがあり、木床は一段高くなっている。横長でわりとゆったりした空間も、木で造り上げられ、すっかり紙と木の王国と化している。壁面は造り付けの壁棚に覆われ、中央奥に帳場カウンター。フロア右側に下部に傾斜の付いた背中合わせの木製棚が二本並び、左にはテーブル棚が置かれている。柔らかだが、ちょっと緊張した初日の空気。お客さんは他に女性が二人。入口右側にそっと屈み込み、窓下の棚を覗き込む。岡崎武志・みうらじゅん・新書・ノンフィクション。右壁棚に移って、海外文学・バイク・車・プロレス・格闘技・哲学・思想・野坂昭如・中上健次・文化・音楽・映画・日本純文学文庫。棚はそのまま帳場横まで続き、性愛・文化的エロ・犯罪・コミック・出久根達郎・本・本屋・古本・古本屋(あっ!「古本屋ツアー・イン・ジャパン」がっ!ついに古本として出会ったが、やはり気恥ずかしく気後れして触れることも出来ず…)・「BOOK5」。フロア棚には、右に日本文学文庫・美術・写真・荒川洋治・長田弘・詩集・橋本治・片岡義男・坪内祐三・南伸坊・SF文庫・海外文学文庫・海外文学。左には日本文学文庫・山田稔・吉本隆明・三浦しおん・寺山修司・小田嶋隆・舞城王太郎・山田風太郎・ミステリ&エンタメ・イッセー尾形・川本三郎などが揃う。特定の作家を徹底的に並べることにこだわりあり。左のテーブル棚には、松尾スズキ・内澤旬子・ナンシー関・タモリなど、クセのある作家本が集まっている。帳場の左横には、未整理文庫棚の下に岩波文庫・ちくま文庫・新書があり、少し奥まった左壁一面には自然・洋書絵本・「こどものとも」・絵本・児童文学・教育関連が大きく広がっている。入口左横にはワケあり本を詰めた『ご自由にどうぞ』箱が置かれ、棚には女流作家&文庫・暮らし・料理・今江祥智・椋鳩十が並ぶ。全体に知の染み渡る棚が連続している。非常に硬派で頑固な棚造りが清々しくもあり、絵本&児童文学との対比が鮮やかである。値段は安め〜普通。三冊を選び帳場に差し出すと、ゴーゴリ「外套」の主人公を演じていただきたくなるような実直紳士に、レジの操作も初々しく応対していただく。ミュージックマガジン「にっぽん情哥行/たけなか・ろう」(200円!ひゃっほう!)ハヤカワポケミス「ドグラ・マグラ/夢野久作」あかね書房「おしゃべりゆわかし/佐藤さとる」を購入する。

表に出て空を見上げると、そこにはまさに、風に流れ形を変える雲波が。開店おめでとうございます!これでこの『国分寺街道』沿いには、斜向いの「才谷屋書店」(2012/05/07参照)そして線路を越えた南の「まどそら堂」(2013/05/13参照)と、三店が揃うこととなった。おぉ、坂道の小さな“古本屋街道”だ。
posted by tokusan at 15:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月03日

9/3神奈川・海老名 海老名市リサイクルプラザ

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「フォニャルフ」を九月のために補充入替し、大家の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で日本初期SF映像顕彰会「燃える空飛ぶ円盤/北村小松」(新刊)を購入し、それを読みながら東京からちょっと離れる。本日の目的地は駅からちょっと離れているので、東口バスロータリーの3番乗り場で『国分寺台経由農大前』バスに乗り込む。急勾配の坂を上がって、丘の上の住宅地を縦に下って行き『杉久保入口』で下車。通りをちょっと戻って十字路を北西に進む。蝉時雨の森とトタンの塀と畑が広がる地帯である。しかしすぐに行く手に東名高速の高架が現れ、手前左手にガシャガシャ音を出している大きな工場の隣接する、平屋で三角屋根のリサイクルプラザが見えて来た。入口に入ると短い通路があり、奥が広々とした再生物の販売展示場となっている。中央に大きく広がる家具ゾーンの左側に、本棚が長く並んだ心弾む光景が待ってくれていた。ここに並ぶ古本は、海老名市民は持って来た本と交換が出来たりするのだが、一般人は一冊50円で三冊まで買うことが出来るのである。近付くと図書館のリサイクル本も混ざっているようだが、作家五十音別にしっかりと棚が造られている。文庫メインだが単行本も織り交ぜ、日本文学文庫四本・ラノベ一本・海外文学文庫一本・コミック三本・実用一本・児童文学+大判本が一本となっている。見た目の並びはしっかりしているが、本自体は一般的で雑本的。二冊を掴んで入口近くの事務所受付に向かい、「これをください」と座っていたご婦人に差し出す。すると「二冊で100円ですね。申し訳ありませんが、こちらにご記入願えますか」と住所氏名や買った品目を記入する用紙を渡される…嫌な予感がする…。途中まで書いたところで「海老名市民ですよね?」と聞かれたので、正直に東京都民であることを告げる。すると「あ〜〜、ゴメンなさい。市民以外の方には、お売りすることは出来ないの」と申し訳無さそうに微笑んだ。「ああ…交換だけじゃないんですか。買うのもダメなんですか」「そうなのよ〜、ゴメンなさいね」「し、仕方ありません。では棚に戻しておきます」。お礼を言って棚に向かい、置いてあった所を探し出す哀しい作業をしていると、先ほどのご婦人が事務所から飛び出して来て「ねえ、どうしても欲しいなら、アタシがそれを買って、そしてアナタに売ってあげるわ」と渡りに船の申し出をしてくれた。たかが二冊で百円の本をそこまでして、どうしても欲しいわけではないのだが…いや、私は古本屋ツーリスト!これでツアーが成立するのならばと、喜んで申し出を受諾する。リサイクルプラザで、人のささやかな優しさに触れる。ありがとうございました。と言うわけで、ここは海老名市民限定の空間でありました。海老名市民になったら行きましょう。講談社文庫「塔/福永武彦」ピュアフル文庫「光車よ、まわれ/天沢退二郎」を善意の裏技で購入。

帰りに往きのバス車窓で「えびな平和書房」(2010/08/06参照)のシャッターが半開きなのを確認していたので、ペタペタ坂を上がって見に行ってみる。ところが状況は変わらずで、しばらくすると店主が店内から現れて、シャッターをガシャンと下ろしてしまった…久々の再会だったのに、残念。
posted by tokusan at 18:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月02日

9/2 日本戦前SF映画と戦前科学画報小説

突然夏が忍び足で戻って来た強い日射しの中、午前十時過ぎに家を出て阿佐ヶ谷駅方面へ。途中『中杉通り』を横断してると、路肩に停まった休憩中のトラックの運転席から、オッチャンが半身を乗り出して、ジャンプコミックス『シティーハンター』を厳しい顔で読みふけるのを目撃してしまい、魂がキュッとなる。

駅北口側裏路地の『ラピュタ阿佐ヶ谷』に到着し、モーニングショーの「戦前日本SF映画小回顧」を鑑賞する。河出書房新社「戦前日本SF映画創世記/高槻真樹」で紹介された作品の一部を上映しているのである。平日午前なのに場内はほぼ満員。背徳感に身を浸し、【争闘阿修羅街】【モダン怪談 100,000,000円】【石川五右ヱ門の法事】荻野茂二作品四本を鑑賞する。自分から近づかなければ、決して目にすること叶わぬ小品群で、このような時代の裂け目に埋もれた作品を鑑賞することは、何となく絶版品切れの古本を読み買いすることに、手触りが似ている。もっとも思考の大元が古本関連になってしまっているためか、モノクロ画面に目を凝らし、昭和初期の風俗や、当時の思考の一部に触れ、今や見ること叶わぬ街並みの記録を見るだけで、今まで読んだ古本や手にした古本が、この時代とつながっているのだなと思うだけで、何やら嬉しさがこみあげて来たりもしてしまう。この画面に続く空間のどこかに存在している本屋さんに飛び込めば、あんな本やこんな本が新刊で並んでいて…と他愛のない筋を追いながら、妄想するのもまた楽しい。

上映された映画はSFとは言っても、トリック撮影を用いた筋も簡単なサイレントである。しかし確かに遠い未来の『SF』へ発展する萌芽を、画面の所々に嗅ぎつけることができた。現在、噴飯文庫「戦前『科学画報』小説傑作選1」を読み進めているのだが、これらの映画と同時代のものなのに、科学小説群の着想と質の高さと面白さには、舌を巻かざるをえない。この差は一体なんなんだ…そう愕然としながらも、荻野茂二の影絵アニメーション【百年後の或る日】だけは、小説に比肩するものであった。リニア列車が走り、オスプレイ類似機が飛び、過去の自分も呼び戻せ、宇宙にも行ける未来世界。執拗に登場するマニアックな計器類(回転&垂直メーターで、デザインはアールデコ)の表現は、現在の庵野秀明に通じてはいないだろうか…。

合計一時間十分の鑑賞を終え、場外へと吐きだされる。明日から始まる玩具SF映画群も、ぜひとも見ておかなければ…そんなことをツラツラ思い、それでも古本は買っておこうと、すぐ近くの「千章堂書店」(2009/12/29参照)にフラリ。ちくま文庫「蘆屋家の崩壊/津原泰水」を200円で購入する。他のお店は、定休日だったりまだ開いていなかったりなので、ケヤキの木陰を伝ってまっすぐ家へと戻る。
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※お知らせ
トマソン社のリトルプレス『BOOK5』がvol.13よりリニューアル!それに合わせ、私の連載『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』はこっそり幕を下ろし、新たに『古本屋ツアー・イン・ドリーム』がスタートしました!これは今や入ることのできない古本屋さんに、妄想力を駆使してどうにか入店しようという、古本屋狂いの私がいつもよりさらにギアを一段上に設置して書き上げた、愚かで哀れな文章です。第一回目は、江戸川乱歩が団子坂上に開いていた「三人書房」をツアー(妄想)!回転する妄想を抑えきれずに文章を書き進めてしまったので、初回はスペシャルな二ページとなっております。お店でお見かけの際は、ぜひとも手にとって笑ってやってください。
posted by tokusan at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする