2015年09月30日

9/30東京・新宿 ロスパペサキ子のフード書店

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再びゲラの海に潜る日々。例え海面から顔を出しても、頭上にはゲラ台風が渦巻いている…ゲラから逃げる術は、まったくない…。しかし、もう一息。己にビシバシ鞭を入れつつも、ちょっとだけ外出し、水曜午前中の『伊勢丹百貨店』。シックに女性ばかりで賑わう一階を突破し、中央のエスカレーターで二階へ。反対側の下りエスカレーター方面に回り込むと、『TOKYO解放区』という名の小さなイベントスペースがあり、フードエッセイスト『平野紗季子の(食べれない)フード天国』が催されている真っ最中。『食を読む・歌う・まとう・描く・想う』をテーマに、可愛く尖ったセンスがピカピカ光る様々なモノが集められている。『歌う』の担当はDJみそしるとMCごはんで、会場の片隅に置かれた物質感あり過ぎのブラウン管テレビでPVが流されている。そして『読む』の担当が古本屋の「Los Papelotes」(2008/07/14参照)で、中央平台の半分を使い古本を並べているのだ。女子が群れ集いさんざめく会場内に突入し、「洋酒天国」・「GINZA SQUARE」・カラーブックス・ロッパの「悲食記」・グルメ・レストラン・テーブルマナー・レシピ・料理・たべものやりょうりに関する絵本などに視線を注ぐ。何故か「かがくのとも」の名作絵本「まるのおうさま」が、しっかりとプレミア値で並んでいる!辺りとは対照的に静かに悩み、トムズボックス「キャラメルぼおや/もたいたけし」を購入。精算は会場内で行い、スーツのお姉さんにお願いする。他の展示は一切見ずに、古本一店突破で『フード天国』を脱出。展示は10/13まで。

伊勢丹から離脱すると、無性に通常の古本が見たくなって『新宿サブナード』に駆け下りて「古本浪漫洲」(
2010/03/04参照)。おっ!出店者変わり目の最終日で、全品300円均一!大栄出版「10点さしあげる/高橋洋二」勝プロダクション「子連れ狼 三途の川の乳母車」(人間真っ二つカルト映画の脚本。こりゃ嬉しい!)を計600円で購入する。
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2015年09月28日

9/28東京・西荻窪 忘日舎

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北口に出ると、駅前広場をたくさんの人が行き交い、それぞれの人生の一瞬をクロスさせている。私も例外なくクロスさせながら、西で駅舎とくっついている24時間営業の『西友 西荻窪店』に潜り込む。高架下に延びる店内を、通路のように西に歩んで行く。小さな本売場をやり過ごして、ようやく表に脱出すると、高架下の南北をつなぐ道路の前。北側に足を向け、道なりに北西へ進み始めると、右手三軒の小さなお店が並ぶ真ん中に、本日開店したばかりの古本屋さんがあった。まだ看板や店頭棚などはなく、白布を下げたウィンドウの表側に、小さなお店のハガキがペタリと貼付けられているだけである。ちょっと薄暗い店内に飛び込むと、コンクリと木の什器で構成された、建材の匂いが残る、小さくまだガランとした印象の空間。入ってすぐ右側にカウンター帳場があり、限りなく優しい大友康平と言った感じの男性が、初々しく店番中。入口左横には弧を描く腰高の棚があり、最近刊日本文学やノンフィクションを並べている。左壁には三本の洒落た壁棚が設置されており、文学評論・日本純文学・日本純文学&海外文学文庫・詩集・哲学思想・政治哲学・現代思想などが、硬く背筋を伸ばして収まっている。中央のテーブルにも人文系の文庫や単行本が面陳され、小さな飾り壁棚や奥の平台にも、同ジャンルの本が小さくまとまり続いて行く。開店したばかりで本の数はまだ少ないが、決して適当な本で嵩増しなどせずに、店主の並べたいものだけを並べ、勝負に出始めている。実に、硬く志し清く、値段は安め。ジャンル的には、西荻では珍しいタイプのセレクトブックタイプのお店だと思うので、今後この街にどう馴染み、どんな役割を果たして行くのか、お店の未来が気になるところである。開店おめでとうございます。岩波文庫「日本の弓術/オイケン・ヘリゲィ述」を購入。
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2015年09月26日

9/26東京・調布 本の楽市at調布

重なる二つの大型ゲラ台風の“台風の眼”に入ったようで、何だか雲間に青空が見え始めている。ならば!と即座に外出し、京王線で西へ下る。地下駅から地上に出ると、出る場所を間違えて中央口ではなく東口。しかしこれ幸いと、ビルの谷間の「円居」(2009/03/02参照)に立ち寄って、古本ウォーミングアップ。河出文庫「澁澤龍彦初期作品集」教養文庫「吸血女の恋/テオフィル・ゴーチェ」を計600円で購入する。

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目玉が温まったところで、本来の目的地である『PARCO調布店』に向かう。華やかに賑わう土曜のデパート内を進み、エスカレーターで五階へ。すると『Libro』側のエスカレーターガラス面に張り付くようにして、古本市が開かれていた。高円寺(2014/07/11参照)と西荻窪(2014/04/19参照)での「本の楽市」に行ったことはあるが、ここは初めてである。鉄製回転式ラック+長テーブル&ワゴン六台+木箱四十ほどの、わりと小規模な市である。浅生ハルミンさんのイラスト看板が飾られ、カラフルな三角旗が「にわとり文庫」(2009/07/25参照)「ポラン書房」(2009/05/08参照)「えほんやるすばんばんするかいしゃ」(2014/09/11参照)「東京くりから堂」(2009/10/29参照&近々移転して事務所店に)が並べる、絵本・洋書絵本・古書絵本・児童文学・児童書・古書(三上於菟吉の新潮社「白鬼」が函もちゃんと付いてるのに1500円!だが、残念なことに奥付がない!)・漫画・文学・映画・都市風俗・ファッション・怪奇幻想・紙物・アートなどを飾り上げている。プレミア値のものもあるが、全体的には嬉しい安値。講談社たのしい二年生 昭和三十四年12月号付録「動物絵話 名犬ラッシー」冨山房「世界山水図説 /志賀重昴」(裸本)を計700円で購入するため『Libro』のレジに向かうと、待っていたのは大行列。なんて繁盛しているんだ。世の中まだまだ捨てたもんじゃないなと思ったら、レジに立つ店員さんが全員研修中の身で、接客スピードが慎重&スローなための行列なのであった。市は10/8まで。

帰りに高円寺で途中下車し「中央線古書展」を覗いて行く。こちらでは、もっぱら奥通路の200〜300円の「こどものとも」「かがくのとも」の山にひとり挑みかかり、ささきまき・田村しげる・和田誠&谷川俊太郎などを発掘。ささきまきの「おばけがぞろぞろ」は、出てくるおばけが完全に杉浦茂タッチなのが傑作。和田誠&谷川俊太郎の「このえほん」は、手にした絵本が出来る過程を執拗に印刷から企画から材料までも含めて遡る、ちょっとメタ的な作品である。
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2015年09月25日

9/25すべて古本屋に絡んだお知らせです!

ゲラの海を、時に平泳ぎで時にクロールで泳ぎ続け時に溺れかけ、遠泳中。さっき、遥か遠くにチラリと島影が見えた気が…。というわけで古本屋には行けず終いなので、代わりにお知らせをいくつか。

1. 本の雑誌社より「古本屋ツアー・イン・神保町」の続編であり、さらに発展した「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」、原書房より「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の続編であり、さらに愉快になった「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」をこの十月下旬に発売予定(二冊の詳細はまた後日お知らせいたします)。そして同時期に岡崎武志氏の工作舎「気まぐれ古本さんぽ」が発売されるのを記念して、神保町『東京堂書店』にてトークさせていただきます。

均一小僧 VS 古本屋ツアー・イン・ジャパン『古書を購(あがな)え、町へ出よう』
■開催日時:2015年10月19日(月) 19時〜(開場18時30分)
■開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール
■参加方法:参加費800円(要予約・ドリンク付き) 店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、『岡崎さん小山さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。 電話 03-3291-5181 イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=9071

2. 9/24に洋泉社より発売された「本屋へ行こう!!」に古本屋記事を書かせていただきました。『全国の個性派古書店ベスト10』と『超巨大! つちうら古書倶楽部回遊MAP』の計6ページです。書店でお見かけの際は、ぜひ手に取ってご覧下さい。多部未華子ちゃんの表紙が目印です。
http://www.yosensha.co.jp/book/b209258.html

3. 初めて訪れる『名古屋古書会館』にて、緩くトークさせていただきます。もっとも主たる目的は、古本パラダイスという噂の『古本まつり』一階の数万冊の100円均一!

■日時 10月4日(日) 13:00〜
■場所 名古屋古書会館1F
■観覧無料
https://twitter.com/nagoyakosyo/status/643341292399824896

4. さらにトークをもうひとつ。最近ミュージシャンのツアーのように、全国各地をタイトでハードなスケジュールでトーク巡業している、一箱古本市の王・南陀楼綾繁氏に誘われ、島根県・松江に参上いたします。

南陀楼綾繁×小山力也『古本屋から始まる旅』
■日時 10月23日(金) 19:00〜
■場所 カラコロ工房地下第1ギャラリー
■参加料金500円(ドリンクサービス)
https://ja-jp.facebook.com/events/418686581662770/?ref=98&action_history=null
※10月24日は当地の一箱古本市に参加予定

以上です。全身全霊猪突猛進粉骨砕身古本屋万歳で事にあたりますので、みなさま、何とぞよろしくお願いいたします!この秋は、共に徹底的に古本屋尽くしで歩んで参りましょう!では、ゲラの海に戻ります。
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2015年09月23日

9/23本棚の家を訪なった後に柔術の虎之巻を手に入れる

ゲラの海に溺れる日は続いている。文字の泡を口から吐き出しながら、どうにか行程の三分の一。しかし今日は打ち合わせがあるので、すでに金木犀の匂いが流れ始めた外に出て、気晴らしを兼ねて古本屋の店頭を覗き込みながら(これしかないのだ!古本修羅には!)、目的地へと徒歩で向かうことにする。

最初は「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)で、角川書店「バイバイ、エンジェル/笠井潔」集英社「どうでもいい事ばかり/柴田錬三郎」を206円で購入。そのまま荻窪まで歩いて「ささま書店」(2008/08/23参照)。秋田書店サンデー叢書「秘められた恋文/瀬沼茂樹」小学館「らくがお帳/責任編集みうらじゅん」を210円で購入。さらに歩いて西荻窪に到達し、いつも管を巻かせてもらっている「盛林堂書房」(2012/01/06参照)でも春陽堂文庫「西遊日誌抄 新帰朝者日記/永井荷風」読売新聞社「出世作のころ」を200円で購入。…見事に店頭でばかり買い漁ったなと、満足しつつ恥じらいつつ、編集者さんと合流し、お宅に招かれて打ち合わせに入る。

ところがこの家が、まったく持って普通では無かったのだ。さすが古本屋さんの本を作ってくれる奇特な編集者のお家!何と玄関から早速本棚が登場し、三階建ての家はどの階も左右両壁が本棚となっており、階段の壁さえも本棚となっており、本が!古本が大量に並んでいるのだった!…うぅ、なんという立派な古本修羅!と感動しつつ打ち合わせ。そして嬉しいことに、本日の記念として「冒険少年大東京遊覧飛行 To Look Down at Tokyo」という戦中の銀座の上空を風船で浮遊する少年が描かれた絵葉書と、講談社文庫「ワンダー暗号ランド/長田順行編」をいただき、引き続きゲラをがんばります!とお礼を言って辞去。
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すっかり夜の武蔵野をテクテク歩いていると荻窪にたどり着き、自然とまだ開いていた「竹陽書房」(2008/08/23参照)に吸い込まれる。するとそこで麗しき右壁の雑本棚から、明治時代の本を引き当てる。帝國尚武會 奥秘柔術教授書「奥秘 虎之巻/深井子之吉 」は、明治四十四年発行の、大量の写真解説入りで『禁譲興賃貸 非売品』の、柔術(決して柔道ではない)の秘術書なのである!1500円とこのお店にしては高値であったが、これは完全なるどひゃっほう本!何たって、柔術のあらゆる技から、真剣白刃捕りや当身術や人の治し方や捕え方、おまけに奇術解説まで載っているのだ!
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※写真は真剣白刃捕りのページ。ちなみに黎明期の柔術着は袖も裾も短いのである。

あぁ、フラッと立ち寄ってみて、本当に良かった。と大満足しつつも、さらに先ほど目を凝らしたばかりの「ささま書店」店頭にもう一度。日本評論社「航空讃歌五十年/伊藤良平」ほるぷ出版日本名著復刻全集「春と修羅」「注文の多い料理店」共に宮澤賢治を計315円で購入する。…物凄く気晴らししてしまった気が…。
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2015年09月21日

9/21東京・高円寺 七星堂古書店

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本日はゲラの奴隷と成り下がり、一日外出せずにゲラのためにすべてを捧げるつもりだったのが、何となくキリの良いところまで進んだ所で、油断して表に飛び出し、昨日のタレコミに基づいて高円寺へ。駅北口に出て、ロータリー右端の交番前で横断歩道を北に渡る。すると目の前には、ちょっと先で折れ曲がる、雑居ビルの谷間の裏道。そこに躊躇なく入り込んで北に進むと、奥の右手ビル二階の窓に『古本古着雑貨』の文字を発見。ビル入口に回り込むと、そこにお店の白い立看板が置かれていた。リノリウム張りの階段をぐるっと上がり、ぽかっと光りを廊下に放つ入口にゴトリと入る。最初は通路のようで、奥も細長めなお店で、コールタール塗布風な粗い木材で、床も棚も作られている。右のビル角の三角部分は試着室として活用され、他に雑誌ラックと安売文庫棚が置かれている。奥に進むと左に帳場があり、アンニュイな雰囲気の青年が面を伏せて読書中。古着と本棚が混在する空間は、服と古本が交互に存在し、ディスプレイされている。窓際には文庫箱と単行本箱が置かれ、その下にある雑貨棚には付録漫画の『まんが世界名作』が千円均一で並んでいる。フロア中央には柱のような四面を持つ本棚が立ち上がり、食・写真・サブカル・エログロ・日本純文学を収めている。奥壁には、右にファッション棚、左に映画棚。左壁には日本現代文学・ミステリ・海外文学棚と、奥に演劇・役者棚を備えている。棚の数は多いが、本の数はそれほど多くない。それでも古着と混ざり合いながらも、古本屋の雰囲気は充分に持っている。セレクトしっかりディスプレイしっかりで、値段は安め。ある意味、とても高円寺らしいと言えるお店の誕生である。そしてタレコミしてくれた退屈男くんに感謝を!旺文社中学時代一年生3月号第二付録「まんが世界名作12 宇宙戦争/畠山一夫 ウェルズ原作」春陽文庫「空中紳士/耽綺社同人」を購入する。
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2015年09月20日

9/20「みちくさ市」を無事に終え岡田三郎の探偵小説に着地する

本日は午前中から、切羽詰まったあらゆるものをおっ放り出して雑司が谷に出向き、古本販売に従事。いやぁ、おかげさまで大変楽しかったです。本をお買い上げのみなさま、話しかけて下さったみなさま、タレコミをして下さったみなさま、本当にありがとうございました!計五十四冊を売り上げ、久々の「みちくさ市」を思いっきり堪能!唯一の心残りは、ひとりで販売しているために、他のブースを見て回れないこと。古本が買えないこと!と思っていたら、目の前に突然「朝霞書林」さんが現れ、一冊の本を差し出し「これ、いいんじゃない」と突然の出張押し売り。しかしそれが意外にも私の古本ハートを掴んだ本だったので、交渉の末、「野呂邦暢古本屋写真集」と物々交換。平凡社「少年少女昭和SF美術館/大橋博之編著」を手に入れる。
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販売状況はこんな感じでした。

そんなこんなで無事に色々終えて、打ち上げには少しだけ顔を出そうと思いつつ、『明治通り』を遡って池袋方面に向かっていると、歩道橋から現れたのむみちさんとバッタリ!そのままの勢いで「古書 往来座」(2009/01/09参照)に突入し、今日の売り上げで天人社「明るい暗黒街/下村千秋」を2500円で購入する。

その後もフラフラと池袋を彷徨っていると、『東京芸術劇場』の五階ギャラリーで『戦後池袋』という無料展示が開かれているのを知り、暇つぶしに見に行くことにする。すると、あぁ、何という運命か。入口横で古本販売が行われているではないか!アセアセと近寄ると、本郷「文生書院」がカストリ雑誌や紙芝居を集め並べて販売している。これも何かの運命だと、覚悟を決めてきっちり値付のカストリ雑誌を探っていると、オール・ロマンス社「探偵雑誌 妖奇 読切探偵傑作10人集」(昭和二十六年一月一日号)を発見。「中を見ていいですか?」と断りページを開くと、九鬼澹・大倉Y子・香山風太郎など麗しくも妖しい名前が連続する中、個人的に度肝を抜かれたのは、岡田三郎の初大探偵小説「両性具犯罪」が掲載されていること!分かりました。買う。買いますよ。と三千円で購入してしまう。展示も見学すると、カストリ雑誌の展示が大量&バカバカし過ぎて、あっけにとられる。さらに奥のギャラリーで開かれていた『戦後池袋の住人・江戸川乱歩が視た世界』を見ていたら、たちまち打ち上げの時間となってしまう。あぁ、今日は長く楽しい一日だった…。
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2015年09月19日

9/19みちくさ市の準備完了!

布団から飛び起きるや否や、手早く布団を上げて、あっという間に古本を広げ、寝ぼけ眼で、明日の「みちくさ市」の準備に没頭。途中抜け出して西荻窪へ向かい「フォニャルフ」に補充。少し油を売ってから家に戻り、後は古本を選定し、探し出し、並べ、値付。夜の帳が下りる頃、どうにか準備を終えて一息つく。久々の「みちくさ市」…なんだかとても奇天烈なラインナップになってしまった…まぁいいか。というわけで皆様、明日のお越しをお待ちしております!古本に加え、すでに品切れの「野呂邦暢古本屋写真集」少量と、ついに全貌が明らかになる古本屋ツアー新刊二冊のチラシを配布いたしますので、何とぞよろしくお願いいたします!さぁ、これからゲラを読むことにするか。あぁ、何処まで続くゲラ読みぞ……。
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http://kmstreet.exblog.jp/

※当ブログがまったく検索に引っ掛からなくなった事態、どうやら解消した模様です。大変お騒がせいたしました。
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2015年09月18日

9/18「ひだ文庫」は十月いっぱい!

タレコミで知った、反町のアウトローな古本屋さん「ひだ文庫」(2009/04/19参照)の閉店セール。どうにかヒドいスケジュールの隙間を見つけて本日駆け付けると、おわぁ!やはり『閉店SALE 全品30%OFF』の貼紙が、店をある程度覆っていた。本の買取もすでに止めているのか…うっ、悲しい…と思いつつ『30%OFFか…』と心は卑しくハイエナモード。横に広がる、狭い店内の通路をクルクルジワジワ巡り、上から下まで睨め付けて、いつのまにか頬を蚊に刺されているほど集中。うむ、改めて見ていると、妙な本が結構紛れ込んでいるな。一度見た場所に何度も足を運び、粘り、考える。その結果、プラトン社「夜の心/吉井勇」(函初版)新書館 For Ladies「ストロベリーフィールズ/萩尾望都」、そして本日一番の収穫はひかりのくに昭和出版「東映コミックス ハッスルパンチ2 銀行どろぼう」(森やすじのキャラを結構忠実に漫画化している!)であった。三冊合計の30%オフで2240円。安い!そして、先ほどからお店に何人ものお客さんが訪れ、閉店日を聞いて行くので、聞かなくともお店は十月いっぱいまで続けて、その後十日ほどで片付けるということを知る。帳場の奥様が、「反町はこれで本屋がなくなっちゃいますが、また来て下さい」と明るくニッコリ。ハイ、また来ます!
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※昨日から当ブログやそのすべての記事が、ヤフーやグーグル検索にまったく引っ掛からない状態が続いております。原因を調べているのですが、今のところまったく分かりません。そのうちに復活するかもしれませんが、しばらくは当ブログをブックマークして見に来るのが一番確実だと思われます。う〜ん、困った困った…。
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2015年09月16日

9/16ゲラから逃げ出し高円寺に喜びを見つける

二冊の単行本のゲラ(校正紙)が申し合わせたように届いてしまう。…何だこれは…わざとなのか…恐怖のゲラ・ダブルブッキング!両方合わせるとおよそ800ページとなり、すべて古本屋についてページが割かれている。あぁ、あぁ、あぁ、としばらく室内で、道化のような動きで頭を抱えて懊悩し、やがてやるべきことから地道に片付けて行こうと、冷静に判断する。…いや、取りあえずゲラから逃げ出したかっただけなのかもしれない。

曇り空の下の阿佐ヶ谷と高円寺を、これも本のために歩き回り、ちょっとした素材集めに奔走。しばらく頭を空っぽにする。そんな中で立ち寄った高円寺「アニマル洋子」(2014/03/14参照)では、店頭100均箱からロマンブックス「美貌の檻/大林清」を取り出すと、嬉しいことにこれが献呈署名入り。ひゃっほうと喜び、店内では東京創作元社「悪魔の1ダースは13だ/ジョン・B・マーチン」を300円で見つける。さすがは「アニマル洋子」!と心の中で惜しみない賛辞を贈る。収穫を大事にカバンに収め、雨が降り出す前に色々済ませてしまおうと、街を再びヒタヒタと歩き始める。
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上の写真では「悪魔の1ダースは13だ」で隠していたが、献呈相手の名は『藤掛寅七様』とあった。何だかとても特徴ある名前なので、後で調べてみると、昭和二十年代初めに世間書房という出版社の発行人であり、後の昭和二十年代終りには光文社「面白倶楽部」の編集者(編集人にも)になっていることが判明。この本は昭和三十年の発行なので、「面白倶楽部」編集者・藤掛氏への献呈本ということになる。あぁ、古本の楽しみは、こんなところにもあり!
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2015年09月15日

9/15仕事の打ち合わせをしていたらツアーをせざるを得なくなる

単行本の打ち合わせで、装幀から本文デザインまでをお願いしている、書籍装本設計の『真田幸文堂』さんにお邪魔する。まるで古本屋のような名前だが、れっきとしたデザイン事務所である。繁華街に近い街中にある、ちょっと古びたマンションの最上階。階数が飛び飛びの、妙なエレベーターで上昇し、長い廊下を歩いて事務所前。ドアチャイムを押し、鉄扉がガチャンと開かれると、玄関の向こうには、戦慄すべき光景が広がっていた。板の間の打ち合わせ部屋は、左右が壁棚になっており、そこに古雑誌がギッシリズラズラミッチリ並んでいるのだった。しかも良く見ると、二重!
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真田氏が古本を濃厚に集めており、人並みはずれていることは聞き及んでいたが、まさかここまでとは…。そのまま古本に囲まれながら、編集さんと共に長い打ち合わせに入る。だが、真剣に話し合い知恵を出し合いながらも、自分の本の大事な話なのに、こちらの心は気もそぞろ!何たって、圧倒的な古本に囲まれているのだから。チラチラと、ことあるごとに棚を盗み見ていると、それは大正〜昭和十五年あたりの、文芸・映画・演芸・歌舞伎・俳句・グラビア・婦人雑誌であることが判明して行く。我慢し切れずに、いったいこれはなんなのかと聞いてみると、この雑誌収集は小村雪岱研究のためで、ここに並ぶ本のうち、付箋が飛び出しているのは、すべて雪岱の挿絵が載っているものということであった。雪岱が好きなことも聞いていたが、まさかここまでとは…。驚きつつ、そのままお願いして、ついに事務所内のツアーに突入させていただく。古本があるのだ、仕方ない!ところでこのマンションは、古めかしいが珍しいメゾネットタイプで、玄関脇から、薄暗い階段が階下へと続いているのだ。これが、エレベーターの階が飛び飛びだった秘密なのか。そう感心して階段上に立つと、そこは、古本物なら確実に唾をゴクリと飲み込んでしまうような、見事なまでの怪しい古本世界の入口。
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本の積み重なる階段を下って行くと、階下の本棚が、ユラユラと近付いて来る。横に延びる廊下にあったのは、研究用の資料本に文庫本類、奥に進むと昔集めていたという幻想文学棚である。そして木の扉を開いて奥の間に進むと、そこに壁の一面を埋めた本棚。これがすべて、小村雪岱の装幀本であった。なんという大量の雪岱ワークス!活字以外の書き文字の書体にも、雪岱があふれている!しかもここも二重!
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薄暗い古本の薫りが漂う部屋で、そのあまりに豪華な布陣に、グルグルと目を回す。あぁ、テーマを持って収集するって、なんて素晴らしいことなんだ。ワンテーマで収集するって、なんて潔いんだ。良く見ると、後ろにもダンボールが積み上がり、そこにはダブり本や鏡花本、それに『雪岱関連の本だが、雪岱ナシ』など、執拗に大量に雪岱雪岱雪岱雪岱っ!トドメに、雪岱の絵と銘が彫り込まれた、洒落たシガレットケースを見せていただき、身も心もノックアウトされる。あぁ、こうなったらいっそのこと、単行本も雪岱風の造本にしてもらおうか…。

怒濤の打ち合わせだかツアーだか分からない出来事を越え、想像以上の雪岱収集熱に完全にあてられて、夕暮れの街を、熱を冷ますように歩き続けて、池袋。何か古本でも買って帰るかと「光芳書店」(2008/12/01参照)に立ち寄るが、波長が合わずに残念ながら何も買えず。そのまま支店の「K-1 BOOKS」(2009/08/28参照)に向かうと、うわっ、お店が無くなってる!と驚いて、結局西口に出て「八勝堂書店」(2008/07/05参照)へ。新書館「映画監督ベスト101/川本三郎編」河出文庫「砂男 ぶきみなもの/ホフマン フロイト」を五百円で購入しながらも、頭の中には相変わらず雪岱旋風が吹き荒れている。そうだ、今度訪ねる時は、雪岱装釘ではないけど、鏡花の「活人形」を見せてもらうことにしようか。
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2015年09月13日

9/13「ささま書店」に一番乗りしてみる

新たな山に足をかける前に、小さな山も登らなければならない。そんなこんなだから、自然と外に出る時間が少なくなり、ましてや遠くの古本屋さんなど行けぬ、悲しい日々が続いている。それでも古本屋さんには行きたくて、古本も買いたいので、どうにか知恵を絞って、視点を変えて近場で楽しもうとしている。

今日は、中央線の名高き名店のひとつである「ささま書店」(2008/08/23参照)の、開店の瞬間を見に行くことにする。あの何時行っても買う本が見つかってしまう店頭の100均棚は、もしかしたら物凄いことになっているのだろうか?そしてそこには、人が古本市突入時のように、鈴なりになっているのだろうか?初めての試みに小さく胸を躍らせながら、ペタペタと荻窪ま歩いて行く。到着したのはぴったり午前十一時半で、まさにささまの開店時刻である。早速お店は開いており、店頭は奥のレジ前に文庫均一棚一本を引き込み、他の店頭棚も完全に日除けの下に収めた、雨仕様で展開していた。しかもフォーメーションもいつもと違い、両端に単行本棚を置き、真ん中に文庫棚を挟む形である。…そして誰もいなかった…。そうか、こんな感じなのか。と店頭棚に取り憑くと、店員さんがドシドシ本を補充して行く。おぉ、フレッシュな本たちを、一番最初に見られるぞ!などと喜び悠長に構えていると、あれよあれよという間に人が集まって来た。そして素早く獲物を手にして行く。誰もいなかったのは一瞬で、たちまち「ささま」の日常が始まり出していたのだった。負けてなるものかと素早く丁寧に棚を見て行き、入口脇の315円棚からも一冊抜き、計三冊を購入。成光館書店「石川啄木抒情詩集」鳳映社「恐龍 怪獣・猛獣・海獣・探検秘話/ロイ・アンドリュース」(カバーなしだが、こんな本に100均で出会えると、やはり「ささま」はスゴいなと感じてしまう。古生物探検・剥製製作探検・極地探検の三編を収録した、ロストワールドチックノンフィクションである。昭和三十三年刊)法律文化社「京都五億年の旅/地学団体研究会京都支部編」(実はこれが今回一番の掘り出し物かもしれない。地方の地学本はすでに絶版で部数の少ない物が多いのである。しかも面白い!)を手にして、時々道すがら「恐龍」を袋から取り出してページを繰り、ニヤニヤペタペタ家へと帰る。…なんだか、ただ「ささま書店」に行っただけになってしまったような…。
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2015年09月12日

9/12一山越えて古本市に行く

地震で眼を覚まし、寝床で半身を起こして様子をうかがう。強い揺れに、バラバラと数冊の本が降って来る。揺れが治まり、異音がした仕事部屋を覗いてみると、中央の一番デカイ古本軍艦島が、ちょっと崩れ、断面をザクザクとさせ、微妙に上部がスライドしてしまっていた。
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ため息をつき、眠い眼を擦りながら、修復作業に入る。すると、終わった頃には眠気が吹き飛んでしまったので、そのまま古本屋原稿を書き始める。順調に集中して書き続けていると、午前九時に作業がめでたく終了する。ついに終わった。ぶ、無事に一山越えたか…だが、また新たな山が、様々な問題という山が、傲然とそびえ立っているじゃないか…。古本屋原稿との果てしなき闘争は、まだまだ続くのである。いい加減古本屋と古本にうんざりしそうなものだが、そんなことはまったく無く、午前九時半に家を出て、高円寺西部古書会館の「好書会」に、秘密の取材で向かう。開場前に到着すると、おぉ!やはり空いているわけもなく、断然混み合っている!狭い通路に足を踏み入れ、扉が開くのを今か今かと待ち受ける古本修羅と古本神の群れに、うまく紛れ込む。午前十時に突入!およそ三十分を、混み合う通路を行き来して古本を掴み、帳場で元気一杯の「赤いドリル」さんに挨拶しながら精算。青心社「クトゥルー3 暗黒の儀式/H・P・ラヴクラフト&A・ダーレス」コダマプレス「マンガ考/草森紳一」ロマンブックス「吸血蛾/横溝正史」宝文館「武蔵野/上林暁編」学研ジュニアチャンピオンコース「なぞ驚異 日本列島ふしぎ探検」(裸本)角川書店「天族ただいま話し中 稲垣足穂対談集」を計1350円で購入する。ビニール袋を手にぶら下げ、そのまま電車に乗って新宿に出て、サブナードで開催中の「古本浪漫洲 Part1」も秘密裏に取材。福音館書店「ぶたぶたくんのおかいもの/土方久功」を200円で購入。まだ午前十一時二十分か。午前中に色々終えてしまうのは、何て清々しいんだ!

※お知らせ
9月20日(日)の「鬼子母神通り みちくさ市」に、久しぶりに出店いたします。まったく持って出店している場合ではないのですが、何もかもパァ〜ッとブワァ〜ッと忘れて、一日楽しく古本販売に従事したいと思います!古書・変な本・探偵小説・文学、それに手持ちの「野呂邦暢古本屋写真集」も少しだけ持って行きます。ご来場、お待ちしております!
http://kmstreet.exblog.jp/
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2015年09月11日

9/11裸本でもいいんだ!と二冊を手に入れる

引き続き古本屋さんとがっぷり四つに組んで格闘している、九月のもはや秋の日。このオーバーハングした絶壁を越えれば、ようやく初歩的なメドがつく!と分かっていながら、夜に外出してしまい、高円寺にトコトコ歩いて向かう。するとおかしな大粒の雨が降り出したので、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に避難して雨宿り。ちなみにサンカクヤマの雨モードは、普段は収納している日除けを目一杯張り出し、店頭をガードする方式であった。
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中公文庫「鯨神/宇野鴻一郎」新潮社「盛装/横光利一」(裸本、初版で、渋谷「中村書店(2008/07/24参照)」の古書店ラベルあり)を計550円で購入する。

まだポツポツ雨粒が空から落ちて来るが、構わず表に出て、久々の「コクテイル」(2010/04/25参照)に赴き、打ち合わせ飲み。するとあっという間に二時間が経過し、カウンターにあった今日の問題社「鳳輩京に還る/龍膽寺雄」(裸本)を掴み出し、店主狩野氏とカウンター越しに交渉。結局1500円で購入して、家路に着く。あぁ、裸本は、安くていいものだな。
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2015年09月10日

9/10それなりの古本を安く買いに行こうと思ったら予想以上の獲物に出会う

古本屋さんについての原稿書きは、ようやくゴールらしきものが見えて来たが、まだまだ陽炎のように揺らぎ、遠い。しかし挫けずに、ゼエハアゼエハア毎日書き進めている。片時も手を離してはならぬのだが、「そうだ、本の補充に行かなければ!」とわざとらしく考え、雨の中を西荻窪に出かけることにする。雨仕様の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で「フォニャルフ」に強制補充し、長雨にクサクサしている若旦那と長話。三冊の100均文庫を買って、一時間ほど現実逃避する。しかしまだまだ家に戻る気にはなれずに、「そうだ、今日はそれなりの古本を安く買いに行こう!」と思い付き、それならばクオリティの高い三本の500均棚を持つ「九曜書房」(2009/03/26参照)だ!そう決めて、中央線→山手線→東急目黒線と乗り継いで、雨上がり気味の武蔵小山駅に到着する。

高校グラウンド横の細道をいそいそと進み、雨仕様のお店に飛び込み、入口横の500均棚に食らいつく。すると早速、げげえっ!幻影城ノベルス「匣の中の失楽/竹本健治」を発見する。他にも橘外男とか川崎長太郎とか小島信夫とかビシバシ並んでいるが、抱え込み過ぎるとやはり一冊500円はボディブローのように効いて来るので、偕成社名作冒険全集「なぞの宇宙人/ボレシチューク 袋一平編著」(裸本)と、長年探していた朝日新聞社「ゼッケン8年/金子徳好」(洋泉社の「活字秘宝」の紹介文で知ってから、ずっと読みたかった一冊。酒の席の勢いで、アメリカのベトナム空爆反対のゼッケンを着けて日々を過ごすこととなった著者が、ゼッケンを着けることにより揺れ動く心の機微と、ゼッケンを着けていることにより日常的に巻き起こる小事件を、日記形式で描くノンフィクション。北爆反対という、真面目で崇高なスローガンがゼッケンの眼目なのだが、そこからスライドしてゼッケンという物が、こだわればこだわるほど一人歩きしてユーモラスな事象として、大きく存在するのが、そこはかとなく面白い。結局8年間ゼッケンを着け通すわけだが、最終的には子供に「お父さん、もう一度ゼッケンつけなよ。ゼッケンをつけてないお父さんなんて、ぜんぜんダメだよ」と言われてしまう。それに対する父の分析は「かれがまだ二歳の赤ん坊の時からゼッケンをつけてきた。“自分のおやじというものは、こういうかっこうしているもの”と思い込んで育ってきたのだ」なのである。壮絶!ゼッケン8年!ちなみに著者は映画監督・金子修介の父である)の三冊を計1500円で購入する。それなりどころか、三連コンボでどひゃっほう!となった。
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雨がようやくおとなしくなって来た気がする。しかし古本屋は、何処を見ても雨仕様。せっかくなので、いつもとは違うお店の様子を、少し観察してみることにする。
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阿佐ヶ谷の「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)は店頭棚はそのままに、大きな透明度の高いビニールシートで棚ごと包むパターンである。
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「盛林堂書房」はある程度の店頭展開物を店内に引き込みつつ、店頭はそのままに大きな備え付けのビニールカーテンで完全防御するパターン。まるで寝室ベッドの天幕のような美しさである。
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「九曜書房」はビニールカーテンを半分巡らし、店頭展開物を引き込み、そこに収納してしまうパターンである。

あぁ、こんな観察をしている場合ではない。早く作業に戻らねば…。
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2015年09月08日

9/8古本を安くたくさん買うことにする

今日もひたすら古本屋世界に彷徨い囚われつつ、夕方に外出して打ち合わせ。そしてようやく何だか、この幽霊のような本の輪郭が、朧げながら見えて来る。…ようやくここまで来たか。しかしまだまだ、その正体をを捉えることは出来ない。とにかく身を粉にして書き続けなければ。そうすれば、来週には取りあえず全貌が見えてくるだろう!と編集者さんと喜びつつ、気持ちを改めて引き締める。実際に今日の作業がそこまで進行したわけではないのだが、何となくスッキリしたので、何だか古本が買いたくなって来た。しかも安くたくさんである。では、東村山の「なごやか文庫」(2012/01/10参照)に行ってみるかと、早速だらしなく油断しつつ、土砂降りの雨の中を、西武新宿線で東村山へ向かう。

大きな踏切近くで、車がタイヤで踏み付けた水を、漫画のように盛大に浴びてしまいながら、静かなセンター内に入る。お店は今は、無人販売時間帯。受付のオジさんに挨拶をして、三十分ほど店内をウロウロ。結局たくさん買うという感じにはならなかったが、アトリエOTCA「別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル」JTBパブリッシング「地形で読み解く鉄道路線の謎[首都圏編]/竹内正浩」新潮文庫「百/色川武大」光文社「別冊宝石 推理小説特集号(一九六七年新春)」岩崎書店「世界の名探偵物語 なぞの予告電話/ブッシュ」理論社名作の愛蔵版「とべたら本こ/山中恒」を計530円で購入する。ふぅむ、まあまあかな。「別冊宝石」はさして面白いわけではないのだが、最終ページに貼り付いていた「紅谷書店」(2009/01/29参照)の値段札にときめいて購入。バリエーションとして、こんな旧式レシートタイプがあったんだ。それにしても『国電赤羽東口前一番街』が特に素晴らしいではないか!
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2015年09月07日

9/7一店の消滅を確認し古本を買い無聊を慰める

毎日古本屋について書き続けているので、何だか『古本屋百科事典』でも作っているような気がして来る。おかげで夜は古本屋の夢を見てしまう。それは夢のあるものではなく、作業の続きだったり、突然見たこともないお店が出現したりして「ここ、まだ調べてないじゃないか」などと焦る夢が主である。そしてハッ!と起きて、また古本屋について書き始める。大好きな古本屋について、延々…。何と楽しく、それでいて憂鬱な地獄なのか。まぁこの楽しい地獄巡りを抜けるには、ひたすら書き進めるしかないのである。よし、引き続きひと頑張りふた頑張り。

などとやっていると、消息の気になるお店が見つかってしまった。慌てて丁度雨の上がった表に飛び出し、中央線で西を目指す。国立駅で下車し、線路沿いに西へ。おぉ、やっぱり。「西書店」(2012/01/12参照)はなくなっていた。ツアーのためにと、一度しか入ったことのない、まったく歯の立たぬ洋書のお店であった。それでもウィンドウも店頭台も消え去り、色を失った何かの事務所になった姿は、とてもうら悲しい。あの室内には、まだ古本の薫りが、染み付いているのだろうか…。
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駅前にとって返し、「みちくさ書店」(2009/05/06参照)に飛び込んで大和書房「海星・河童 少年小説/唐十郎」を400円で購入する。さらに中央線で東へと戻り、荻窪で下車して「ささま書店」(2008/08/23参照)に急行。半分の店頭棚が店内に引き込まれた、いつもとちょっと違う雨仕様の店頭を精査し、カッパノベルス「銀座夫人/武田麟太郎」現代書房「漂泊の中国作家/小田嶽夫」北隆館「學生版 原色昆蟲圖鑑(甲虫・半翅類篇)」「學生版 原色昆蟲圖鑑(蝶・蛾・蜂・蠅類篇)」を抜き出し、店内では冬至書房「哈爾濱詩集/室生犀星」(千部限定ノ内第998番…何か、ギリギリだ))を計945円で購入し、どうにか無聊を慰める。さぁ、古本も買ったし、家に帰って、まだまだ古本屋古本屋。
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2015年09月05日

9/5頼もしい相棒たち

もう様々な不安に襲われながら、がむしゃらに単行本制作作業に勤しんでいるのだが、昼にちょっと外出して、いくら探しても写真が見つからない古本屋さんの写真を撮りに行く。もちろんドサクサに紛れて目標以外の古本屋さんも回りながらで、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で手に入れた、ちょっとカバーはボロいが800円の東京創元社「わが夢と真実/江戸川乱歩」(昭和三十二年初版)が嬉しかったりする。そんな風に、しかしあくまで急ぎながら、幾つかの街を駆け回る。……よし、これで写真は全部揃ったはずだ!

そんな日々の切ない作業の相棒は、机の横に積み重なった、様々なタイプの新旧古本屋ガイドたちである。古い本ほど意外に役立ったりするのが不思議なところ。ページをめくり確認し、様々なお店に思いを馳せ、己の記憶とザリザリすり合わせて、新たな古本屋ガイドを組み立てて行く。これらを作ってくれた先達たちに感謝しながら、今最新の古本屋本を作り続けているのだ。だが、この本も、作り上げたそばから、きっと情報は古くなって行くのだろう。しかしそれでも、記録せねばならない!来るべき、新しい時代の古本屋さんのために!…などと大仰に考え、己のテンション保ちつつ、どうにか完成まで走り続けたいと、強く強く思っております…作業自体は、まだ後二山三山。…とこのように、色んな意味で古本屋尽くしの毎日であるが、そろそろ遠くの古本屋さんに、切実に行ってみたいと思っている、今日この頃。
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2015年09月04日

9/4古本屋さんで豪雨をやりすごす

単行本の調査のために、近場の「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)へ向かう。西の空を見上げると、怪しい黒雲がデンデロと迫り、早くも雷鳴が聞こえて来ている。慌てて『旧中杉通り』を北から南に駆け抜け、左の店頭均一棚にすぐさま取り憑く。落ち始めた雨粒から救い出すように、先日からお店の前を通る度に気になっていた、裸本で背がパクパクヒラヒラしている文藝春秋社「侏儒の言葉/芥川龍之介」(昭和三年三版。これなら自力で補修出来るぞ!)をまずは確保し、続いて鏡浦書房「ポー代表作選集 下巻」を抜き出し店内へ。入れ替わりに、店主天野氏が入口近くに飛び出して来て、雨の様子を眺め、すぐさまバックヤードからビニールシートなどを運び出し、店頭を素早く雨仕様に変え始めた。たちまち、滝のような土砂降り。だが、店内を調査回遊して二十分ほど過ごすと、ほどなく豪雨は通り過ぎて行った。前述の二冊に加え、メディアファクトリー「楽器と武器だけが人を殺すことができる/宇野常寛」を824円で購入する。

水の流れる路面を踏み付け、「銀星舎」「ゆたか。書房」(共に2008/10/19参照)と、古本屋さんを伝って帰る。

ところで「コンコ堂」で買った「ポー代表作選集」であるが『モルグ街の殺人』も収録されている。そんな本の総扉にはこんな素敵な絵が無邪気に掲載されていた。イカンでしょう、これは。鏡浦書房さん、マズいでしょう。ポーに絶対に怒られますよ。そのうえこの猩々(本文ではそう記載されている)、何だかとっても優しそうだな…。
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2015年09月03日

9/3千葉・市川真間 アトリエ*ローゼンホルツ+石英書房

「石英書房」さんが田端のお店を閉じ(2012/11/30参照)、その一部を市川真間の「アトリエ*ローゼンホルツ」(2010/11/16参照)に移してから、もうずいぶん経ってしまった。早く行かなければと思いつつ、不義理にもなかなか足を運ばずにいたら、母体の「アトリエ*ローゼンホルツ」が改装オープンしたとの情報が入った。これ幸いと、ようやく見に行くことにする。

まずは総武線で市川駅下車。色々寄り道しながら行こうと決めて、歩き出す。駅南側の「草古堂」(2008/09/20参照)がなくなっているのを確認し、踵を返して北へ。『千葉街道』を北に越えて、『市川八幡神社』前の「即興堂」(2011/11/23参照)。入口入ってすぐ左横の壁棚にピタリと張り付き、古書を漁る。小説朝日社「向日葵娘/源氏鶏太」と一緒に、2500円の改造社新鋭文學叢書「傷だらけの歌/藤澤桓夫」を買おうかどうか相当悩むが、「お前が藤澤桓夫を買わないでどうするんだ!」という説得力のない古本心の声に説得され、計3000円をお支払い。一戦交えて多少脱け殻のようになって「智新堂書店」(2008/09/20参照)前に立つと、今日は見事に定休日。ここでようやく京成線の線路を越え、住宅街の深部に迷い込み「アトリエ*ローゼンホルツ」を目指す。

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道路際に出された立看板を目印に、住宅横の長いアプローチに踏み込み奥に進むと、臙脂と緑に塗られて複雑な形状で敷地に広がる、元銭湯の古屋が現れる。渡り廊下のような屋根の下に入ると、左に二つの入口がある。奥は広い吹き抜けの板の間へのアプローチで、手前は文庫ゾーンを経由して同じ板の間へ進めるようになっている。店頭で戸惑いながらも歓迎してくれた、現在店内で絵画展を開催中の店主の母君(御歳九十歳!)に促され、まずは土足でも入れる文庫ゾーンへ。左壁に設えた棚に、単行本少々となかなかの量の文庫が並んでいる。値段はちょい安。ビーサンを脱いで板の間に上がり込むと、足元に料理・ファッションなどのビジュアルムック&雑誌棚が続き、その上では雑貨類やお菓子が売られている。壁に飾られた幸福な色彩の絵画群と、オススメ絵本を見ながら入口方面に向かい、横の折れ曲がる階段で二階へ上がる。するとそこから古本棚を置いた三間が続くのだが、最初が「石英書房」の間となっていた。左に鉱物や雑貨類を集めたアンティーク棚、向かいに鉱物関連本の小さな棚が置かれている。奥へ進むと薄暗く絵本と児童文学が棚に並び、さらに奥の部屋には少量の図鑑類。すべての部屋の窓は開け放たれ、吹き込む風が白いカーテンを優雅に踊らせている。古い民家の味わいが気持ちよく、古い机やカラーテレビが、心がムズムズしてしまう郷愁を湧き起こす。階段上に立って、しばらく低い吹き抜けを見下ろしてから、板の間に戻り、右側の広いカフェスペースにお邪魔する。とは言っても、ぶち抜きの日本間に大きなテーブルを据え、壁に自然・暮らし・女性関連オススメ本ラック、リトルプレスラック、それに詩集や長田弘や哲学や永六輔の棚を配した空間である。ではそろそろ精算をと、元気でフレンドリーな女性店主に声をかけると、板の間の奥に潜む急階段を指し示し「この上にも本があるんですよ」とニッコリ。言われるがまま手をつくようにして上階に向かうと、日本家屋特有の薄暗さの中に、壁一面の本棚が浮かび上がる。スピリチュアル・健康・自然・エッセイ・教育・カルチャー。さらに奥の部屋にも小さなラックがあり、猫の本が集められている。古本を探す楽しさよりも、複雑な古屋内をあっちへこっちへ上へ下へと、ギシギシ行き来するのが誠に楽しいお店である。それはまるで、受動的で物静かな民家アトラクション!各部屋には椅子とテーブルが必ず置かれているので、この不思議な空間に溺れながら本を読むことが出来るようになっている。値段はちょい安。角川文庫「魔女の呪い ハーディ短編集」小学館ライブラリー「多摩川探検隊/辻まこと」を計300円で購入。

お店を出て市川真間駅方面は向かうと、ああっ!「春花堂」(2008/09/20参照)が開いているじゃないか!もう、なくなっちゃたと思ってたのに!と涙を堪えて飛び込む。通路状の店内は以前の通りだが、店主に声をかけて奥の部屋に入ると、派手に片付け作業の真っ最中。「いやぁ、お店を移転するんですよ。もう、追ん出されるの」「ええっ!何処に?いつですか?」「移る所は、そこにデニーズがあるでしょ。そのそば。もう本当にここから近く。店開けられるのは、十月頭くらいかな…」ということであった。京北書房「駒鳥夫人/菊田一夫」を500円で購入しつつ、新店を必ずこの目にしなければと、密かに心に誓いを立てる。
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素晴らしい発明品である『扉棚』も、これで見納めか…。
posted by tokusan at 19:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする