2015年10月31日

10/31新ハンコ推参!

正午過ぎに水道橋駅方面から神保町入りを目指す。こちら方面は『靖国通り』エリアの激しく賑わうまつりから、多少置き去りにされた感が否めないが、実は一店一店負けじと小さな工夫を凝らしているので、いつもより少し胸を躍らせながら店先を覗き込み『白山通り』を南下して行く。早速「有文堂書店」(2010/09/03参照)の右側手前木製ワゴンが、いつもは新書でビッシリなのに日本文学&文学評論研究(半分は太宰治関連)にすり替わっているのを発見し、興味を抱いて目を凝らす。すると端っこに東方社「盲目/水上勉」を発見出来たので100円で購入。さらに南下した、最近期待を裏切らぬ「日本書房」(2011/08/24参照)では、店頭の和本タワーに混ざっていた、一元社「軍艦物語/福永恭助」(軍艦好きの書いた堅苦しさの皆無な軍艦オタク本。昭和五年刊)を嬉しい100円で購入。そして実はこの店の中に、ロシアンブルーのニャンコや小型犬がいることを初めて知る。さらに南下して『靖国通り』に合流し、凄まじい人波をかき分け色々買いながら突き進むが、あっという間に約束の時間となったので、『すずらん通り』の『神保町ブックフェスティバル』の本の雑誌社ブースに腰を落ち着け、およそ二時間ほどを声出し臨時販売員として、身を粉にして新刊販売に従事する(フリーランスの身の上としては、こういうみんなで何かするイベントは、人や仲間の存在を妙に心強く感じてしまう。そして会社っていいなぁ、と都合良くしんみり思ってしまう…集団行動&活動が苦手なのに…)。左後方にいつの間にか現れた京極夏彦氏に心臓が飛び出るほど驚きながらも、曇り空の下の楽しい二時間。本を買って下さったみなさま、わざわざ会いに来て下さったみなさま、声をかけて下さったみなさま、そして本の雑誌社のみなさま、ありがとうございました!明日もまた、午後一時から二時間ほどを、よろしくお願いいたします!無事に一日目の任務を果たし終え、さらに本の雑誌社で新たなサイン本の作成に従事する…明日も、売れてくれぃ!

そんな半日を過ごし、古本をそこそこ携え家にたどり着くと、予想外の嬉しいご褒美が私の帰りを待ってくれていた!それは“古本屋の女房”田中栞氏が勝手に作ってくれた、新作『古本屋ツアー』ハンコ!おぉ!『古本屋ツアー』と『古ツア』の二種があるぞ!これで去年いただいた物と合わせて『古本屋ツアー・イン・ジャパン』『古本屋ツアー』『古ツア』『小山力也』の、言葉のグラデーションのような四つのハンコが、我が手に集まることとなった。しかし、これを全部捺すのはさすがに時間がかかるから、うまくセレクトしなければならぬだろう。やはり『古本屋ツアー・イン・ジャパン』と『古ツア』の組み合わせがベストだろうか…。取りあえず、明日『神保町ブックフェスティバル』にお越しの方には、サイン本にさらに押印するつもりなので、手ぐすね引いてお待ちしております!本の秋、古本の秋を存分に神保町で味わいましょう!
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全押し希望の方は、遠慮なくお申し出下さい。すでに署名&既存ハンコ押印済みの物でも、喜んでペタッとさせていただきます!
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2015年10月30日

10/30一冊の児童文学に助けられる

ある情報を基にあるお店を見に行くが、どうやら開いていないのか見つからないのか、初っ端から情けなくうろ覚え泥沼探索模様に陥ってしまう。しばらくしつこくウロウロするが、やはり発見には到らずにさらにウロウロして、結局都電荒川線の梶原駅に流れ着き、踏切脇から狭い小道に入り「梶原書店」(2008/08/31参照)店内に落ち着く。あまり動かぬ棚を、さて何かないものかとじっくり眺めて行くと、一冊の児童文学を発見する。講談社児童文学創作シリーズ「その名はオオカミタケル/山中恒」である。この創作シリーズは、佐藤暁「だれも知らない小さな国」「豆つぶほどの小さな犬」や佐川茂「ミルナの座敷」など古書価ド高騰本を含んでいるので、いつも最終ページの広告を見ると血が激しく騒いでしまう。しかしこの本は同シリーズなのだが、装丁もシンプルな、見たことのなかった昭和四十年代のバージョンである。こういう突然の出会いはやはり嬉しい。元セロファンもしっかり付いているし、これはめっけもので助けられた気分。値段は書かれていなかったのだが、しばらく本を精査したオヤジさんが「200円」と嬉しい値付をしてくれた。文化出版局「NHK「趣味の手帳」より 酒と私」と共に計300円で購入する。
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一旦家に戻ってから古本を抱えて次は西荻窪へ。『古ツアフェア@盛林堂みたび!』に補充する。ちなみに『どひゃっほう本祭り』はまだ一冊も売れていない模様…。もちろん見るだけでも構いませんので、裏の『どひゃっほうメモ』を読み、本について気になることがあれば、遠慮なく店主・小野氏に質問してみて下さい。きっと予想以上に濃厚な古本時間が流れることになるでしょう。引き続きフェア&識語署名押印二卵性双生児新刊とともによろしくお願いいたします!

そして明日から土日と神保町では「古本まつり」と共に『すずらん通り』で『ブックフェスティバル』が開催される。ならば、祭りは参加することに意義がある!と、去年に引き続き、両日共『本の雑誌社』ブースに午後一時頃から二〜三時間ほど出没予定。ボ〜ッとしていますので、署名・スタンプ押印・記名などお言いつけください。書店で買った本でも原書房本でもなんでもござれ!『東京堂書店』と『三省堂書店』で行われているフェアもぜひついでに巡っていただき、どうか、本と古本まみれの二日間をお楽しみいただければ!みなさまのお越しをお待ちしております!
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2015年10月29日

10/28東京・西荻窪 STANDやぎのひげ

すべては酔っ払って寝てしまうまでの、昨日のお話。夜の西荻窪での打ち合わせに照準を合わせ、午後五時前に外出。まずはお馴染み「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚を注視していると、店主・天野氏が現れ、署名入りの「首都圏沿線」が売り切れたことを知らされる。思わず、欲望と虚栄心と感謝の念と古本心が小躍りする。再入荷の折りにはすぐさま署名に駆け付けることを告げ、現代思潮社「幻妖 日本文学における美と情念の流れ」を103円で購入する。さらにテクテク歩いてまずは荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)の、すでに夜の闇に覆われた店頭100均棚に取り憑く…今日も買える!買えるぞ!と、光風社「風俗夫人/柴田錬三郎」南北社「詩と思索と人生/菱山修三」生活社「アメリカ民話 ポール・バニアン物語/坂入香子訳」小山書店「早春/志賀直哉」シナリオ作家協会「シナリオ1976.11 不連続殺人事件」創元推理文庫「ある晴れた朝突然に/ハドリー・チェイス 田中小実昌訳」角川文庫「戀文/丹羽文雄」籾山書店「荷風傑作鈔/桐友散士編」(大正四年発行の荷風著作抜粋集。『習作時代』『外遊時代』『帰國後』『最近』に分けた十五作の中から選ばれている。元は函入りなのだろうが、無地の手作りカバーが掛けられていた。それを捲ると革の背と青緑の表紙が現れ、真ん中には金箔押しの可愛い蛙の図案が。これが315円!)を計1050円で購入する。ここからは電車に乗って三鷹に向かい、初めての夜の「水中書店」(2014/01/18参照)へ。店頭でシンコーミュージック「60年代のボブ・ディラン/三橋一夫」徳間文庫「地平線の階段/細野晴臣」ちくま文庫「美食倶楽部/谷崎潤一郎」をガシッと掴み店内に突入。帳場で計300円で精算しながら店主・今野氏に挨拶し、仕入れていただいた「首都圏沿線」に識語署名押印する。識語は「水中書店」オリジナルなので、ご近所の皆様何とぞ宜しくお願いいたします。続いてようやく西荻窪にたどり着くが、先日訪れたばかりの「音羽館」(2009/06/04参照)に向かい、創元推理文庫「綺譚集/津原泰水」を100円で購入しつつ「それから」に識語署名押印する。こちらも楽しい「音羽館」オリジナルになっていますので、横に並ぶ「首都圏沿線」共々宜しくお願いいたします。そんな風にようやくサイン行脚+100均古本買いツアーを終えて、お好み焼き屋ですでに怪気炎を上げていた岡崎武志氏と盛林堂・小野氏に合流。十一月のイベントの打ち合わせをする。これについての詳細は後日お知らせいたします。その場で、昨日の収穫台湾ジュニアミステリ「深夜的追踪」を小野氏に見せて反応を楽しむが、その過程で何と北原尚彦氏が同出版社のホームズシリーズ(全二十巻)を所持していることを知り、感心すると同時に寒気を覚える…こんな物にまで手を伸ばしているとは…やはり古本神は人智を越えた恐るべき存在だ…。

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そしてここからがようやく本題。打ち合わせを終えてすっかり酔っぱらい、ここでひとつのお店をホニャホニャと思い出す。駅南口を出て『西荻南中央通り』を南下する。『西荻南二丁目交差点』で『神明通り』を南東に入り、すぐの脇道を再び南へ。100mほど進むと、前方右手に不思議なランプの灯りが見えてくる。ここは、十一月までの期間限定のお洒落立ち飲みスタンドなのだが、酒場の一角を借りて自称『ながしの古本屋』(か、カッコいいじゃないか…)である「文庫善哉」さんが二十冊ほどの古本を並べているのである。喜怒哀楽をあまり見せぬ松田龍平風店主にビールを頼み、古本に集中する。この中の一冊に、私を狙い撃ちにした一冊があると言うのだが…。赤くなった酔眼を本の背に据え、その謎解きに挑むのだが、情けないことにこれが皆目見当がつかない。こうなったらたかが二十冊だ。端から順に見て行こうとひとり人海戦術で謎に再び挑みかかる。そして、一冊のビニールカバー装の本を手にしたところで、ハッとようやく気付く。これだ!これは五ヶ月前の「mondobooks 2days again!」(2015/06/07参照)で、値段が付けられていなかったので、買うことを諦めた本なのである。というわけで無事に謎を解き、ブロンズ社「共犯の回路/斎藤次郎」を購入する。あぁ、今日も古本と戯れて、一日が過ぎてしまった…。
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2015年10月27日

10/27東京・代々木 東豊書店

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2009/11/03に書いた、TVドラマ『傷だらけの天使』の重要な舞台のひとつである、ペントハウス(とは名ばかりのボロ部屋)の探偵事務所があるビルに入った時、その三階に、本を大量に内蔵し階段にまであふれさせていた、中文書専門の本屋さんを見た覚えがあった。しかしその時は看板に『中国関係図書輸入販売』とあるので、当然食指も動かず、古本もないのだろうと(見た目はハードな古本屋さん…)放置していたのである。しかし最近のコメントタレコミで古本も扱っていることを知り、それに神保町では中文書のお店もすでにツアーしているので、改めて訪れる気になったのである。北口を出て通りを南へ少しだけテクテク。するとすぐに左側が廃墟の如き『代々木会館』(またの名をエンジェルビル)が現れる。様々なお店の看板が残されているが、そのほとんどが立ち退いており、全体的に荒れ模様。閉まったお店に挟まれるようにして、ビル内部の階段への扉が開いており、その入口に目指す本屋の看板が掲げられている。薄暗く饐えた匂いの漂う三角に折れ曲がる階段を上がって行く。二階のスナック飲食街も閉鎖されて久しいようだ。三階が近付くにつれ、階段や踊り場に梱包された本や本タワーが姿を見せ始める。ここには台湾関連の本が多いな…と三階手前の踊り場に立つと、新聞を捲る音が上から聞こえてくる。三階より上はもはや使われていないのか、階段は本の山でほぼ塞がれており、その前に水木しげるの漫画から抜け出て来たような老店主が、キャンピングチェアーに深く横臥するように沈み込んでいた。目の前に姿を現してしまったので、覚悟を決めて「中を見せていただいてもいいですか」と問うと「はい」との小さな返答。開かれたガラスドア入口脇の、本が積み上がり詰め込まれた三角スペースを横目に、鬱蒼とした店内に進む。おぉ、そこは本の洞窟!漢字の洞!本がミチミチに詰まった大量のスチール棚が、狭い通路を縦横に造り出し、凄まじい量の中文書を静寂の中に収めている。完全に圧倒されつつも、所々割れたリノリウム床を踏み締め、身体を横にして、通路に分け入る。メインフロアには横向きの行き止まり通路一本と、縦に六本の通路。右には意外に広い付属スペースが続き、横向き行き止まり通路一本と、三本の縦通路を有している。函入り本・ハードカバー・革装釘本・合皮装釘本・ペーパーバックなどが目に入るが、やはり基本的にはチンプンカンプン。何となく把握したイメージを伝えると、左が文学関連・教育、中央に歴史・政治・哲学、右に占学や医学が集まっていると推測する。日本語の本も時々見かけるが、とても私の手に負えるようなものではない…なので次第に焦りを覚え始める…ここで何を買えばよいのか。どうやって脱出すればよいのだろうか…。知っている漢字と見たこともない漢字が乱舞する背文字を、ただ見つめ続ける。すると文学ゾーンでペーパーバック群の中に、奇跡のような『推理』の二文字を見つけ出す。これは!と取り出した瞬間に、その表紙に目が釘付けになる。「深夜追跡踪」とタイトルがあり、バタ臭い原色の古臭いイラスト……これ、アイリッシュの「深夜の追跡」じゃないか。しかも装丁や挿絵から察するに、完全なる台湾版ジュニアミステリなのである!うぅむ、こういうお店で、こんな本を引き当ててしまうとは…そんな風にすでにこの本を買うことに決め、早々に精算に向かうことにする。入口にいた店主に「これをください」と差し出すと、「あ?アハハハ」と大笑いされる。どうやら『大人のくせにこんな子供の本を買いやがって。このアホたれめ』という意味が込められているのだろう。いや、事実だから仕方がない。だがやはり、この本を買えたことは、大人として残念ながら嬉しいなぁ。東方出版社世界推理小説名作1「深夜的追踪/美國・艾利希」を購入する。
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左が表紙で右が扉。値段は激安の260円。東方出版社は住所が台北の台湾の出版社。本文には古代文字のようなルビがふられており、カラーピンナップや二色の登場人物紹介もあり。民國五十八年の五刷。つまり1969年の発行ということか。それにしてもこの本の造り、あまりに日本のジュニアミステリに似過ぎている。台湾で原著を翻案して児童用にしたのではなく、恐らく日本のジュニアミステリを翻訳し、装丁も含めいただいたものではないだろうか。巻末の広告に「世界推理小説名作」は見当たらず、代わりに全十五巻のルパンが載っている。
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2015年10月26日

10/26識語署名ツアー&極私的フェアスタート

昨日は松江から戻るや否やパソコンに齧り付き、旅の調査結果と楽しい思い出を青色吐息でアップする。するとあっという間に午後二時になっており、慌てて「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に連絡して迎えに来ていただき、それなりの量の古本を西荻窪へ運び込む。お店に到着してからは「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」と、こちらもついについについに発売になった「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」に、識語署名&特製スタンプ押印作業。三時間の作業を終えて朦朧となりつつも、続いて『古ツアフェア@盛林堂みたび!』の棚造りに取りかかる。およそ三段にフレッシュな古本をドカドカ詰め込み、フゥと一息。そして最後に血と汗と涙の結晶である識語署名入り(識語はそれぞれの新刊で四種類ほどあり)の新刊を並べ、最後に今回初の試みとなる、ある意味目玉企画な『どひゃっほう本祭り』の精鋭本十冊を、フェア棚最上段に飾り立てる。ブログを始めてもはや七年。そのハードな旅路を慰めるほどに、『どひゃっほう!』と叫ばせてくれた奇跡の掘り出し物たちを、手書きの『どひゃっほう本コレクション』メモを付けて販売!メモはパラフィンをかけた本の裏表紙側に巻込まれていますので、立ち読み気分でお楽しみ下さい。お買い上げの際はメモをそのままプレゼントいたします。というわけでフェアはいよいよ明日27日から西荻窪「盛林堂書房」左側通路の手前側壁棚でスタート。古本屋情報満載の新刊とともに、みなさまのご来店をお待ちしております!作業前に店頭箱より春陽堂長編探偵小説全集6「遊星人M/香山滋」(函ナシ蔵印)ミリオン・ブックス「浮草/川崎長太郎」を計200円で購入する。

そのようにハードな作業を終え、気を抜いて軽く打ち上げ食事をしていると、本の雑誌社編集さんより連絡が入り、「音羽館」(2009/06/04参照)が「首都圏沿線」のサインを待っているという情報が飛び込んで来た。疲労のために、物凄く早くアルコールが体内を駆け巡ってしまっているのだが、すわ一大事!と駆け付けて、さらに朦朧としながら十五冊に識語署名押印する。こちらもオリジナル識語の上、嬉しいことに「それから」の方も近日入荷予定…また署名しに来ます!国書刊行会「瀬戸内海の惨劇/蒼井雄」新潮文庫「「死の棘」日記/島尾敏雄」創樹社「第七官界彷徨/尾崎翠」を計700円で購入する。

明けて本日は夕方に椎名町の「古書ますく堂」(2014/07/20参照)を訪れ、伝言でぼんやりと伝えられた「署名とともに猫の絵を描いてほしい」「何かおもしろい言葉を書いてほしい」などの奇妙な依頼に応えつつ、ますく堂オリジナル識語を十種類は書きまくる。何はともあれ、識語署名ツアーが出来るなど、それで古本屋を訪れることが出来るなど、誠に嬉しいことである。もしまだ、古本屋についての新刊を取り扱いたいという奇特な古本屋さんがおられましたら、ぜひ各出版社にご連絡ください。識語署名押印に駆け付けます。文藝春秋社小學生全集80「飛行機と潜水艦/長岡外史・日高謹爾」(さほど珍しい本ではないが状態が良く、表紙絵がとにかく鮮やかで美しい。それもそのはず、版画家・前川千帆の手によるもので、サーチライトとビルディングの窓の灯りに、未知の都市を垣間見る)ソノラマ文庫「タイム・エスケープ1945/加納一朗」ブックローン出版「絵本ジャーナルPeeBoo 1991 5」を計1100円で購入する。
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というわけで、どうにかこうにか二冊の新刊が、ついに無事に世に出たわけである。後はただひたすらみなさんに手を取っていただき、読み込んでもらうのみなのである!ちょっと感慨深くなり、今までに出した本と合わせて並べてみた。左から、長兄・次兄・親戚の伯父さん・二卵性双生児の兄弟といったところか。おぉ、この並びと分厚さを見ていると、大それた夢の「日本古本屋大全集」への道が、少しずつ伸び始めている気がして来たぞ。
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2015年10月25日

10/24晴れ渡る松江二日目に二店+一店!

金庫室でのトークに続いて、翌日は東京から携えて来た古本で、一箱古本市に参戦する。会場は昨日と同じ『カラコロ工房』だが、屋根の付いた一階オープンデッキに三十店ほどが古本を広げ、午前中から盛況している。決して目覚ましくではなく、ポツポツと古本を売りながら時を過ごすうち、もはや辛抱たまらんと、スタッフさんに店番をお願いして、水面がキラキラ美しい川縁に飛び出す。

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●松江「ダルマ堂書店」
目の前の『県道431号』を東に進む。船底の浅い小型の遊覧船が次々と現れる京橋川に架かる、『京橋』と『東京橋』の間に、一軒の古本屋さんがあるのを、すでに確認済みなのである。道路からちょっと奥まった場所にある、ちょっとショールームチックなそのお店は、実は昨日訪れた「だんだん書房」(2015/10/23参照)奥様の、父上のお店なのである。つまりは連続で親娘それぞれの古本屋さんを訪ねることになったわけである。左にガラスケースが二台ある小空間があるが、奥にグッと空間が延びて行く、余裕のある店内。昨日トークにまで来ていただいた、作業着ジャンパー姿の老紳士店主にご挨拶し、早速棚に食らいつく。そして即座に『このお店には何かがあるぞ!』と、古本修羅レーダーがピコンピコン盛大に反応してしまう。左右の壁に長い壁棚が設置されており、中央には三本の背中合わせの棚が縦列し、余裕ある通路を造り出している。入口右横の大きな窓際には応接セットと机のみの帳場がある。左のガラスケース内を覗き込むと、文学プレミア本とともに、戦前の南洋一郎の少年冒険小説が飾られている…よって期待はさらに大きくなる。左の壁際には明治大正本も散見される日本近代文学から始まり、同等の古さを保ちながら短歌・俳句・詩・民俗学・朝鮮・中国、そして見たこともない『武士道文庫』『冒險文庫』などが固まっている。棚下平台には古雑誌や紙物がズラリ。奥壁の左側には専門書的な和本が集められている。通路棚には、日本文学・充実の小泉八雲関連・戦前文学&大衆小説・美術・民藝と続いて行く。棚を見ている間にも、店主と様々な会話を交わしているのだが、すでに魂は古本棚に吸い取られてしまっている。棚下平台には古い大衆雑誌・児童雑誌・美術誌などが置かれている。左側通路は、通路棚に政治・戦争・産業・農業・趣味・風俗・自然・動植物と並び、棚下には紙物・地図類・小型本・豆本などを入れた箱が、楽し気に集まっている。向かいの壁棚には島根郷土本が大量に収まり、奥に歴史&宗教が固まっている。勝手に郷土本の集まったお店と憶測していたのだが、あにはからんや!左側通路の古書中心の日本文学通路に感動する。値段はキッチリ付けられているが、それでも相場より少し安めで、お楽しみの隙もチラホラと確認してニンマリ。梅昆布茶をご馳走になり、さらに古本屋話を弾ませながら、見つけた瞬間に『松江に来た甲斐があった』と真剣に感じた、昭文館冒險文庫「海底の寶庫/昭文館編集部編」(ちょっとオーバーテクノロジーの多少SFチックな海洋冒険小説。戦前なのは間違いないが、何故か奥付が落丁ではなく最初から付いていない模様)を2500円で覚悟して買おうとすると、店主は「高いな」とつぶやき、何と1000円にしていただく。どひゃっほう!松江には「ダルマ堂書店」ありと、この胸にギリッと刻み込んでおこう。

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●松江「冬營舎」
続いてそのまま『京橋川』沿いに西に進み、宍道湖方面に足を向ける。『幸橋』で南側に渡り、シダレヤナギの続く川沿いを『島根県警察本部』を右に見て、風に吹かれながらさらに西に歩いて行く。一本目の脇道である『ガラエ丁』を南に入ると、左手にすぐに、一見して古本屋さんとは分からぬ、サッシ戸の並んだ簡素な佇まいのお店が姿を見せる。強い風が通りを吹き抜けると、戸がパタパタと音を立てる。店内にスラッと入り、昨日のトークですでに挨拶を交わしていた店主・イノハラ嬢にご挨拶する。面白く愉快で、独特なコミュニケーションのテンポと生き方のビートを兼ね備えている方で、地上1センチどころではなく、10センチは浮遊している感じに、尊敬と感銘を覚える。店内は外観同様シンプルで、まるで精神を研ぎ澄まし、ギリギリまで削り取った、道具のない作業場のような感じである。入口左横には『ヒトツキ古本屋』という一箱程度の古本を売れる販売スペースがあり、壁際にはシンプルな壁棚が設置されている。そこには食関連・旅・超セレクト日本文学・料理・自然関連。中央には長机とその上に棚が置かれているが、ここに並ぶ本は店内閲覧用で、販売はされていない。右壁にも簡素な棚が設置され、セレクト雑誌・「暮しの手帖」・児童文学・山陰関連本、それにお店を象徴するような冬・雪・北関連の本が集められている。個人的嗜好の少数精鋭主義が潔く光るお店である。値段は普通。何故か再訪を固く誓わされ念押しされ、法政大学出版局「蟻の結婚/古川晴男」を購入する。

会場にこっそりと戻り、どうにか午後三時を迎えて、一箱古本市も無事に終了。無事に二日間を走り抜けられたことに、胸を撫で下ろす…いや、まだ、あの夜行バスに乗って帰らなければならないのだが…。少し時間が空いたので、ひとりで松江の街をブラブラ歩くことに決め、近くに見えていた『松江城』に向かう。そして北端のお壕端にある小泉八雲の旧居を見に行くために、城の敷地から抜け出すと、一軒の雑多な骨董屋さん「ANTIQUE屋」が目に留まってしまう。
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古道具が縦横無尽にごたつく店頭を眺めていると、三ヶ所に古本や紙物があるのをやはり発見。結局街歩きなどすっかり忘れて、ガサゴソと箱や棚を漁ってしまう。バカみたいに十五分ほど格闘し、大日本雄弁会社講談社雄弁新年号付録「青年愛誦ポケット詩歌集」(昭和十二年)キング文庫「名家一言集」そして絵葉書「鎌倉・江之島拾六景特製品」を手にして店内へ進む。すると入口部分は土足のままで大丈夫だが、奥は靴を脱いで上がり込む板の間になっている。「すいません」と声をかけると「おぅぃ」と芥子色のジャケットを着た北園克衛風店主がダンディーに現れた。「すいません、これはお幾らでしょうか?」「三千円」「えっ、そうですか。じゃあ選ばないといけないな…」「じゃあ二千円でいいよ」「わ、わかりました。いただきます」「うむ、いい買物だ」…というようなやり取りを交わし、結局古本を買って会場に戻ることとなる。出発時間までみなさんとお酒を飲んで過ごし、大いに松江の夜を名残惜しむ。「ではこれにて」と荷物を携え出口に向かうと、「BOOK在月」のスタッフさんや、一箱で知り合いになったネット書店の昭和紳士「享樂堂」さん、それに「冬營舎」さんが、わざわざ見送りに出て来てくれた。みなさま、二日間本当にありがとうございました。トークに来ていただいたみなさま、本を買っていただいたみなさまもありがとうございました!松江には、また必ずいつの日か戻って参ります!と心の中で誓い、またもや夜行バスで一路東京へ。

午前七時の明るい新宿は、今まで遮光され閉じ込められていた身からすると、ドラキュラが浴びる陽光のように粉微塵になってしまいそうなほど、疲れた身体には強烈だった…。
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10/23島根県初上陸で出雲〜松江の古本屋ラインを探る

南陀楼綾繁氏に招かれ、島根の本集団『BOOK在月』のイベントに参加するために、10/22の午後七時過ぎの夜行バスで東京を旅立つ。ただただ動く刑務所のような苦痛の十二時間を耐え、肌寒い早朝の松江駅前に到着する。しっかり疲れているのだが、未知の古本屋と古本が待ってくれている!と血気盛んに『BOOK在月』の森田氏、それに出雲が地元の南陀楼氏と合流し、まずは出雲方面に車で向かう。今回のレポートは、車移動での弾丸ツアーなので、いつもと違う駆け足的レポートになることを、ご容赦願いたい。

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●武志「だんだん書房」
『県道277号』を、一畑電車・北松江線の線路に沿うように北上する。『出雲バイパス』を越え、住宅と農地が余裕を持って融合している長閑な地帯を、車は進む。やがて正面に、一畑電車・大社線の踏切が見えてくる。すると右手に広く素っ気ない駐車場が出現。そこに入り込むと、左奥隅にズドンと置かれた箱のような古本屋さんが存在していた。ちょうど『武志駅』の北西500m辺りである。しかしお店はまだ開いていないようだ。森田氏が階段口から二階に向かって声をかけると、ご夫婦が素早く下りて来て、たちまちお店を開けてくれた。店名の“だんだん”は、こちらの方言で“ありがとう”の意味である。店主夫婦は、映画『カンフーハッスル』に出てくる太極拳名人夫婦の如きお二人。入ってすぐ左に簡素な帳場があり、壁際には高く武骨なスチール棚が設置されている。十六畳ほどのフロアには、横向きに胸高のスチール棚が四本並び、狭い通路を造り出している。天井近くの壁には『さがして下さい心に残る一冊を』とあるプラ板や、昭和天皇の島根行幸写真(売り物)や出雲大社関連・太平洋戦争関連の紙物が貼り出されている。入口右横には50均文庫と100均単行本棚があり、付録漫画・講談本・プレミア近代文学本・戦前資料写真・古雑誌・絶版漫画の飾られたガラスケース。その奥に山岳や辞書の棚が続く。向かいにはカセットテープ・VHSビデオ・児童文学・「のらくろ」・「サザエさん」など。右壁には図鑑・児童書・民芸・工芸・骨董・美術全集類が続き、そのまま奥壁棚に重々しく美術全集・歴史・書・考古学・道路調査資料などが、みっちりと続く。第二通路は廉価コミックとともに島根郷土本が硬軟並ぶ(石見銀山関連や植田正治のドメスティックな写真集も)。第三通路には郷土本列の裏側が見えているとともに、江戸風俗・日本文学・東洋文庫など。第四通路が一番の見どころで、古書・日本近代文学・大衆文学・戦争・講談社学術文庫・カラーブックスなどが集まる。最奥通路の通路棚には時代劇文庫・文学全集類が固まり、左壁奥にはちゃっかりとアダルト棚もピンクに輝いている。一見硬そうに見えるのだが、所々に柔軟さが顔を出す、なかなか楽しく目の光らせ甲斐のあるお店である。値段はきっちりしているが、隙もまた確かに存在する!講談社「道化師の森/新田次郎」(帯付き)を購入する。その後みんな揃ってコーヒーをいただき、東京都島根&山陰の古本屋情報を交換。そんな風に、順調な山陰での第一歩を踏み出す。

続いて近くの、古本も少し置いてあると言う「リコレクションズ」を見に行くが、二階にあったはずの古本通路は、見事なまでのアダルトオンリー通路に変貌してしまっていた…。

続いて南陀楼氏おススメの出雲市の「國美喜書房」を、「見て欲しいんですよ。カオスなんですよ。でも開いてないかな〜」と言われつつ向かってみると、案の定お店は冷たくシャッターを下ろしていた…。

さらに松江市内に戻り、車でぐるぐるたどり着いた時には、もはや何処にあるのか土地の者でないと分からぬ「ブックランド ボンボン」を見に行くも、絶版漫画と古映画雑誌・チラシ・パンフは楽しいが、あまりにキッチリな値付とアダルトの隆盛にスゴスゴと退散する。ただ通路足元に置かれた、二十冊以上のアイドル系写真を詰めた900円箱が連続するは、何だかとにかくスゴかった…。

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●松江「本町堂」
最後に松江駅の北西700mほどの位置にある『白潟商店街』の福祉系激安店を訪れる。古書と郷土本以外は全品100円なのである。ウィンドウにはポツポツと古本が飾ってあり、細長い店内に入ると、まずは右にLPレコードラック、左に安売箱とシングルレコードと試聴用のレコードプレーヤーが置かれている。その後は、両壁ともに十五本ほどの本棚が続き、左に文庫・医療・実用・社会・教育・心理・児童書と並んで行く。右には郷土史と古書(ここは100円とは落差の激しいキッチリ値付)から始まり、小説やエッセイ類が80年代以降中心で並んで行く。雑本的だが、とにかく100円なのは魅力である。旺文社「ぼくのおじさん/北杜夫」講談社ノベルス「下北の殺人者/中町信」21世紀ブックス「日本語面白事典/都筑道夫編」を購入する。

さらにさらにその後、トーク会場である元銀行近代建築の『カラコロ工房』に向かう途中で、私設図書館「曽田文庫」に所用で立ち寄り、100均本の並ぶ室内縁側で学研傑作推理ブック4「尾行された少年たち/P・ベルナ」フレーベル館キンダーおはなしえほん「しんげつ/原作・火野葦平」を購入。
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トーク会場は地下の金庫室で行われ、南陀楼氏のほぼ地元ということで、無事に集客もクリアし、楽しい一時間半を過ごす。ホッと一息ついたからか、『BOOK在月』メンバーの手により、丁寧に飾り付けられた会場に置かれた装飾品のひとつ、錆びた蔵の貯金箱に魂を奪われ、森田氏に無理を言って譲っていただく。実は早朝に松江に滑り込んで来た時、夜行バスの車窓から見えた一軒の古本屋さんがあった。「たぬき堂書店」と言う名のそのお店は、残念ながらもう閉店してしまったのだが、この貯金箱はそのお店を整理した時に出た物であると言う!そんな妙な奇縁を喜び、次の日の朝、壮大な宍道湖をバックに記念撮影。陽光の下で改めて眺めてみると、ブリキで丁寧に形成され、表面の絵は懐かしい解像度&色合いの印刷である。そして背面には、何と『マルサン』のマークが!これは、怪獣ソフビ人形で名を馳せた玩具会社の製品であったか!予想外の発見に、宍道湖の畔で、埃だらけの喜びが、一段階アップする。
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2015年10月22日

10/22東京・吉祥寺 THE ART BOOK BAZAAR PARCO KICHIJOJI VOL.0

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本日は夕方に夜行バスで松江に旅立たなければならないのだが、慌ただしい中でも古本は買っておこうと決めて、吉祥寺で11/15まで開かれている小さな古本市へ向かう。駅北口を西に素早く歩き、『吉祥寺PARCO』の足元に滑り込む。フロア中央のエスカレーターで順調に地下二階に流れ落ちると、エスカレーターのステップを離れた途端に、目の前に古本が集まっていた。今までにも池袋『旧リブロ』で同名の古本市が開かれていたり(2013/06/27参照)、渋谷『PARCO』で似た布陣の「特選古本市」(2013/03/09参照)などがあったが、『吉祥寺PARCO』で開かれるのは『VOL.0』とあるように初めてのようだ。左側にロシア絵本・写真集・ビジュアルムックの両面のラックが縦に伸び、真ん中には洋書絵本箱が乗った机、手芸・少女小説・ファッション・旧世紀洋風俗、それにデザイン・写真・建築・漫画評論・アート・寺山修司・工芸・骨董などが集まる棚が一本。右側店内ランキングラックの裏にも、アートブックや絵本や写真集が並んでいる。奥の壁棚には、写真集・ファッション・美術図録・漫画評論が、アート本らしく重量感たっぷりに収まり並んでいる。漫画関連が、手塚治虫を中心に歴史〜批評〜描き方まで集まっているのが印象的である。値段は「古本うさぎ書林」(2009年07月07日参照)「リズムアンドブックス」(2011/08/10参照)「東京くりから堂」「古書玉椿」でそれぞれ異なるが、よっぽどなプレミア本以外は割合に手頃な印象。BankART1929「横濱モボ・モガを探せ!」を購入する。

帰宅する途中、阿佐ヶ谷「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)より電話が入り、「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」が入荷したことを知らされる。一旦家に戻って、時間を捻出してから駅方面に舞い戻り、本に識語署名を入れる。ちょうど天野氏がPOPを制作中だったので、もう店頭に並んでいるはず。ついでにず〜っと『何故みんなこの絶版文庫を買わないんだ!』と、お店の前を通る度に睨みつけていた新潮文庫「頭文字/三島由紀夫」(帯付き)を103円で購入。

そして明日は島根県松江市にどうにかたどり着き、夜に南陀楼綾繁氏とトーク予定。ついでに新刊の販売も行います。山陰のみなさま、お会い出来るのを楽しみにしております!
南陀楼綾繁×小山力也『古本屋から始まる旅』
■日時 10月23日(金) 19:00〜
■場所 カラコロ工房地下第1ギャラリー
■参加料金500円(ドリンクサービス)
https://ja-jp.facebook.com/events/418686581662770/?ref=98&action_history=null
※10月24日は当地の一箱古本市に参加予定
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2015年10月21日

10/21東京・赤坂 双子のライオン堂 赤坂店

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慌ただしい仕事に一区切りつけてから夕方に外出。『6番出口』から地上に出ると、宵闇迫る賑やかな赤坂通り。雑居ビルが建て込む道を、ビジネスマンと業界人が忙し気に闊歩している。通りを西に進み、信号と『松屋』のある脇道を南に入ると、たちまち喧噪は遠退く上、道はすぐに短い下り坂となり、目の前には『鹿島建設』の巨大で白いビルディングが立ちはだかる。その敷地沿いに西に向かい、すぐに南に曲がり込むと、今度はたちまち上り坂となる。すると左手に、昭和感漂う白く大きなマンションが現れ、坂に面したその一階に、ついこの間春日から引っ越して来たお店が、移転開店していた。双葉型カーブミラーの後ろにウィンドウがあり、お店の看板が地味に見えている。短い階段を上がると、大きな青緑の何かのカバーのようなドアがあり、一見するとどちらが開くのか判別がつかない。しかし左側の端を掴んで手前に引くと、大きなドアは軽やかに開き、本棚のある空間が目の前に広がる。そしてこの時ようやく気付いたことが…この変なドアは、本を模しているんだ。ハードカバーの本なんだ。大きな本を開くと本屋に入れるという、馬鹿らしくも夢のあるアイデアがここに実現…そしてこの本は、縦書きなんだな。靴を脱いでフローリング床に上がる。部屋は“凸”型をしており、壁際に木製の本棚が設置されている。その多くは選書新刊で埋まっているのだが、選書のメンツ+一人分の冊数に感心してしまう。ミシマ社社長・サウダージブックス・海猫沢めろん・東浩紀・宇野常寛、その他にも批評家・評論家・小説家・俳人・会社会長たちが個性と嗜好を発揮して、一人だいたい三十冊を並べているのだ。これは選者もお店も、さぞかし強い粘り腰が必要であろう。そんな気合いの入った棚を見ながら不安を覚え始める…古本はまだ売っているのか?入口正面の『小屋BOOKS』出張棚や、入口右横の本屋&本関連台をやり過ごすと、足元に児童書と絵本の木箱が二つ…おっ、これは古本だ。続いて右壁手前角の冷蔵庫上の岩波文庫棚も古本であることを確認。さらに右壁奥のボックス棚に、現代思想・社会問題・サブカル評論などが二重に収まっているが、1/3くらいが同ジャンルの古本のようである。さらに奥壁の小さな棚には、売り上げが全額寄付される野球関連や新書の古本も並んでいる。値段はちょい安〜普通だが、とにかく古本より選書棚の方に面白みがあり、入口からして“本愛”あふれるお店なのである。右奥の帳場で、倍賞美津子風ご婦人に精算していただく。岩波文庫「対訳 ポー詩集」を300円で購入。

お知らせ
●そろそろ発売のトマソン社「BOOK5 vol.18」最新刊。連載第六回目の『古本屋ツアー・イン・ドリーム』は、高円寺にかつてあった出久根達郎氏の「芳雅堂書店」を、自家目録『書宴』を頼みに妄想ツアー。
●そして明日22日辺りから、本の雑誌社「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」がついに書店で発売に!古本屋本・二卵性双生児のお兄ちゃんが、まずは世に出ます。ぜひ手に入れていただき、この秋は首都圏の行ったことの無い古本屋さんを電車に乗り込み、数珠つなぎに駆け巡って下さい!よろしくお願いいたします!
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2015年10月20日

10/20「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」見本出来!

昨日は神保町『東京堂書店』で岡崎武志氏と新刊発売記念のトーク。その前に水道橋駅で下車し、『白山通り』南下ラインで神保町をパトロールして行く。「日本書房」(2011/08/24参照)で国文学専門店に似つかわしくない数冊の本を発見し、店頭でほくそ笑む。それは硬い硬い本たちに紛れ込んだゲーム攻略本。その中から太田出版「たけしの挑戦状 ファミコンゲーム虎の巻●完全解決版」を選び出し、100円で購入する(後でトーク時に本日の獲物として発表するも、会場に来ていた「マニタ書房」(2012/10/27参照)店主とみさわ氏に打ち上げで「みんなポカンとしてたよ」と言われる。岡崎氏も隣りで「わからん。そういうのはわからん」を連発していた…)。キング・オブ・クソゲーの攻略本を胸に抱き、続いて「アムール」(2011/08/12参照)では彩図社「事故物件に住んでみた!/森史之助」芸文社「奇妙で珍奇で怪奇な話/野高一作」(裸本。先日表敬訪問させていただいた(2015/10/08参照)野田開作先生の別ペンネーム本!そして巻末の広告には、五島勉「BGスパイ」や河野典生「三匹の野良犬」「残酷なブルース」の広告が。欲しい!)を二冊100円で購入する。さらに『靖国通り』に入り、「三茶書房」(2010/10/26参照)で角川文庫「光りと風と夢/中島敦」を300円で購入。初版で帯もキレイに付いていて嬉や!と小さな幸せをポケットに忍ばせ、ようやく「東京堂書店」へ。左端入口から入り、左隅のエスカレーターでゴウンゴウン二階に上がると、そこでは二本の棚を大きく使い『岡崎武志×小山力也新刊刊行記念 編集者3名が選ぶ古書本』が華々しく展開していた。
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工作舎・本の雑誌社・原書房の編集者さんが、新刊の古書関連本を十冊ずつセレクトし(直球本・変化球本・ビーンボール本あり)、詳細なPOPが付されている…くぅ、大々的じゃないか。何だかとても羨ましい…というような複雑な思いを抱えて、奥のエレベータで六階へ。控室に入り、すでに会場入りしていた心強きパートナー・岡崎武志氏と挨拶を交わす。会場には八十名余の古本好きが集合し、ホッと胸を撫で下ろす盛況となる。そしてトーク後にサイン会を行ったのだが、ズラスラと軽快に似顔絵まで書き込みこなして行く岡崎氏とは対照的に、何故かこちらはド緊張を継続させてしまい、文字を書こうとすると国会の証人喚問に呼ばれた小役人のように手が震える事態に陥る。ブルブルしながら線を一本一本引いて行くので、ひとりの方にとても時間をかけてしまう。みなさま、ご迷惑をおかけしました。ちょっと線が震え気味のサインですが、受け取って下さり、ありがとうございます。そんな風に嵐の二時間半を過ごし、大役を果たし終える。会場に集まって下さったみなさま、本をお買い上げのみなさま、三出版社のみなさま、東京堂書店のみなさま、そして岡崎武志さま、今夜もありがとうございました!

このトークは「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」と「気まぐれ古本さんぽ」の刊行記念イベントであったが、会場には二卵性双生児古本屋本の弟見本がかろうじて到着!そうです。ついに弟の「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」も、この世に物質として無事に生まれ落ちたのです!今回の帯文は日本推理作家協会賞漫画家の喜国雅彦氏に懇願!そして畏れ多くも本棚探偵に探偵として認められる!喜国先生バンザーイ!表紙画と共に不思議な漫画家コラボとなった次第。155店の面白古本屋記事に加え、興奮必至の『古本屋ツアー・イン・旧江戸川乱歩邸&土蔵』、そしてどひゃっほう本ページが今回6ページの27件を掲載。さらに『日本の古本屋メールマガジン』に超長期連載のように毎年発表している『古本屋ツアー・イン・ジャパンを振り返って』も収録。早いところでは、今週末辺りからお店に並び始めるとのこと。みなさま、どうか『首都圏沿線』と『それから』の二卵性双生児古本屋本を、何とぞまとめて可愛がってやって下さい。よろしくお願いいたします!
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http://www.amazon.co.jp/gp/product/4562052538/ref=s9_simh_gw_p14_d0_i2?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=desktop-1&pf_rd_r=1F9KY9AKEH3V0Y6ETK5E&pf_rd_t=36701&pf_rd_p=207655209&pf_rd_i=desktop
http://www.amazon.co.jp/dp/4860112776/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1445307655&sr=8-1&keywords=古本屋
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2015年10月18日

10/18東京・板橋本町 ピエロ

コメントタレコミに基づき板橋方面へ向かう。十条駅で街に飛び出し、正規のルートとは異なるのだが、テクテク歩いて目的地を目指すことにする。夏がぶり返したような強い日射しの下を『環七通り』方面に向かい、西北に前進。途中、一度しか入ったことのない占い書専門の「鴨書店」(2009/04/08参照)と六年ぶりの再会を果たしたので、店頭に積み上がる100均箱をしばし漁る。ぴいぷる社「マッキーに訊け!/真樹日佐夫」祥伝社新書「水族館の通になる/中村元」を店内に入って購入すると、占い師然としたマダムが「三冊買っても200円なので、良かったらもう一冊選んで下さい」とニコリ。お言葉に甘えて…と言いたいところだが、他にめぼしい本が見つからなかったので、ソッとそのままお店を離れる。

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そんなことをしながらさらに歩いて歩いて、『環七通り』と『中山道』がクロスし、上部に陸橋と首都高が重々しく圧し掛かる『大和町交差点』。地下鉄からは『A4出口』から地上に出て『環七通り』を西へ。坂を上がるようにして100mも進めば、右手雑居ビル一階にラーメン屋と並んで営業している、知られざる古本屋さんを発見する…調べ尽くしたかと思ったら、やはりまだこんなお店が潜んでいるのだな…。店名は何処にも見当たらず、入口部分両脇に100均コミック棚と100均単行本棚があり、微妙な古さの微妙な本たちが並んでいる。サッシ扉のガラスは、砂漠の中にあるドライブインのように曇っている。ちょっと意外な自動ドアで店内に進むと、長細くテレビの将棋番組の音声が流れている空間。壁棚とスチール棚で、奥に向かって長い二本の通路が造られ、右側中央に横向きの帳場がある。帳場の奥には行き止まりの三本目の短い通路が存在し、そこはアダルトで埋め尽くされている。右側通路に見えるのは、コミック・ある程度の絶版漫画・アイドル系写真集・辞書、そして帳場下のノベライズやノベルスである。結束された文庫本が積み上がる左側通路に入り込むと、手前はコミックとDVDだが、奥半分の行き止まり通路に古本が固まっている。実用・新書・雑学文庫・ミステリ&エンタメ文庫・海外文学文庫・時代劇文庫・官能文庫・単行本などである。値段は安めで、ミステリ&エンタメ文庫はほとんどが100均。80年代〜現代のラインナップが雑本的に収まるリサイクル店である。十本ほどの棚を見続け、なかなか『これは!』と思う本に出会えなかったが、最奥で最近いやに値段が高騰してしまった学研M文庫「黒蜥蜴/三島由紀夫」を発見し、ウキウキと100円で購入する。その際、オーバーサイズの眼鏡がプリティーなオヤジさんに「このお店は何という名前ですか?」と聞くと、ぶっきらぼうに「うちはピエロって言います」「そうですか、ありがとうございます。表に何も出ていなかったので…」「出ていないとは?」「いや、ほら、表に店名がどこにもないじゃないですか…」と、短いやり取りに大いにうろたえてしまう…。

そんなわけでみなさま、明日の神保町『東京堂書店』での新刊発売記念トーク「均一小僧 VS 古本屋ツアー・イン・ジャパン 古書を購(あがな)え、町へ出よう」を、何とぞよろしくお願いいたします。首を洗って手ぐすね引いてお待ちしております!
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=9071
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2015年10月17日

10/17古ツアフェア三たび!&どひゃっほう本祭り!

ハッと目覚めてすぐさま、今日が「野田市リサイクル古本市」(2014/10/04参照)の初日であることを思い出し、すぐに意を決して身支度をし、家を慌てて飛び出す。雨はもうほとんど上がっている。だがこれは、遅刻だな…。中央線→総武線→つくばエクスプレス→東武アーバンパークラインと、様々な車両のクッションの反発力をお尻で観測しながら愛宕駅に到着したのは、もはや午前十一時。すでに開始から一時間が経過した会場にたどり着くと、床に直置きされた多数のプラ箱に人が疎らに集まる、休戦中の古本戦場的光景。こうなったら逸る気持ちは抑え込み、菩薩の心持ちで優しく落ち穂拾いをしていこうと、己を諭す。箱を覗き込んで行く。時に屈んで、本の背に目玉を転がして行く。ひとつ、ふたつ、三つ、四つ、五つ、六つ…手の伸びる本が、まったく視界に入って来ない…七つ、八つ…あぁ、今日はもうダメかもしれない……そんな風に焦り始め、諦めムードが心中に蔓延して来た時、はにかむユン・ピョウの表紙が恥ずかしいケイブンシャ「ユン・ピョウ 純情♥マイ・ハート」を掴み取ってしまう。…これか、これが今日の記念すべき一冊目か。
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しかし一冊手にすると、調子が出て来て次第に腕の中に抱きかかえる本が増えてくる。うむ、嬉しい。そんな風にして二周目に入って行くと、「古ツアさん!」と突然声をかけられたので、ギクリとして顔を上げると、そこには「書肆紅屋」さんの精悍な笑顔があった。「いやぁ〜今年は思ったほどじゃないですね〜」と言いつつも、両肩に下げたバッグからは、憎らしいほどの良質な古本の塊が見えてしまっている。…くぅ、さすが。と感服しつつ、しばし立ち話をして情報交換に務める。その後は追加補充の箱をマークして、角川文庫「飢餓列島/福島正美・眉村卓」ちくま文庫「日本の右翼/猪野健治」立風書房「志ん生滑稽話/古今亭志ん生」光文社新書「名刀 その由来と伝説/牧秀彦」日本文芸社「日本の霊能力者/大石隆一」思潮社「大手拓次詩集」「吉岡実詩集」東和社「アナタハン/丸山通郎」(裸本)三一書房「あなたも落語家になれる/立川談志」河出書房新社「現代の魔術師 クローリー伝/コリン・ウィルソン」「エレファント・マン/バーナード・ポメランス」径書房「小さな手の哀しみ/松下竜一」(署名落款入)「電気菩薩 上巻/根本敬」青林堂「ディープコリア/根本敬・湯浅学」を入手する。古本のお礼にいくばくかの寄付をして、足りない巻を求めてまだ粘ると言う紅屋さんに別れを告げて、慌てて東京に戻り、仕事の打ち合わせをひとつ…。

さて、二冊の単行本の発売に併せて様々なイベントが動き始めているが、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)でも恒例のイベントに加え、小さなイベントを開催予定。ひとつは新刊署名本発売+本棚半分ほどを借りて手持ちの古本を販売する毎度お馴染みの「古ツアフェア@盛林堂三たび!」。もうひとつは、私の古本屋調査原動力のひとつになっている、今まで店先で魂を奮わせてくれた『どひゃっほう本』の販売!八年余りの古本屋ツアー生活の中で手に入れて来た獲物の中から、十冊ほどを選び、直筆の『どひゃっほうエピソード』を挟み込んで販売するつもりなのである。しかしどひゃっほう本だからと言って、どひゃっほうな安値で販売するわけではなく、相場よりちょいと安めの値付を心がけ、少しは儲ける心づもり。ちなみに『どひゃっほう本祭り』は売り切れ次第終了となる。両イベントの開始日は、今のところ10/27(火)からとなる模様。どうか二冊の単行本発売とともに、この小さな古本の嵐を、ぜひとも心待ちにしていただきたい!
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2015年10月15日

10/15東京・田無 ティアラ

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神保町『三省堂書店』での「岡崎武志 VS 小山力也 一箱古本対決」の準備を終わらせ、およそ六十冊の古本を詰め込んだダンボール箱を、家からエッチラオッチラ運び出す。無事に配送の手配を済ませると、そのまま何処かに行きたくなり、まるで蒸発でもするように考えなしに、西武新宿線に乗り込んでしまう。そうだ、先日の「みちくさ市」(2015/09/20参照)でタレ込まれたお店に行ってみるか…。駅北口の空中広場に出て、駅前並木の樹冠とビルの混合した景色を目にする。東端から階段を下りて、線沿いに東へ進んで行くと、道はゆるゆると下りになり、谷底の信号に行き着く。そこから進路を北に採り、後はひたすら真っ直ぐ進む。『新青梅街道』を越え、住宅と低層集合住宅が余裕を持って並び建つ、代り映えのしない風景の中を、駅から一キロ余りも歩いて来ると、左手が開け始め、遠くの鬱蒼とした『東大農場』の森が異質な存在感を示し始める。信号のあるガソリンスタンド脇の細道を東に入ると、すぐに『田無第二中学校』前に至り、さらに先へ進むと道は『フラワー通り』となり、住宅街の中に置き去りにされたような地元商店街が現れる。ほどなくして右手にダンボール大小箱を店頭に展開する、妙な文房具屋さんを発見する。左端に、新刊雑誌のラック・煙草の自販機・『本物です』と書かれた信用のない小さなポストを従えた、店舗の入口が見えている。箱類には文房具や雑貨が安値で詰められている。ほほぅ、その中に、確かに古本も紛れている。右端の、旧式のダブルカセットラジカセがラジオを流すその前に、色褪せたビジネス書をギュウッと収めたカゴが二つ。そして真ん中辺りに、ビジネス・経営・教育などの本が並び、蚊取り線香の缶も置かれたカラーボックスがある。すべて一冊100円である。しかしあまりにもジャンルが偏っているので、とても手が出ない。仕方なく新書に活路を求め、中公新書「古典愛読/秦恒平」を掴んで店内に突入すると、そこは文房具と紙で出来た洞窟なのであった…。

古本には出会えたが、やはりちゃんともっと古本を買わなければ、今日と言う日は終わらない!と慌てて東村山に向かい「なごやか文庫」(2012/01/10参照)に飛び込む。新潮社「温泉へ行こう/山口瞳」ダイヤモンド社「ダム湖の見える旅/冨田弘平」集英社「ザ・ファイト/ノーマン・メイラー」新日本新書「回想の詩人たち/壺井繁治」の四冊を計220円で購入し、これならいいだろうと、己を許すことにする。

※お知らせ
「日本古書通信10月号」に『今夏の古書即売展を振り返る』一文を寄稿しました。他にも林哲夫氏や「かぴぱら堂」さんの激務過ぎる即売会日誌、そして岡崎武志氏の連載『昨日も今日も古本さんぽ』も絶好調の一冊となっております。お見かけの際は、ぜひともお目通しのほど、よろしくお願いいたします。
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2015年10月14日

10/14「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」見本出来!

10/23(金)から『三省堂書店神保町本店』二階で行われる「岡崎武志 VS 小山力也 一箱古本対決」の打ち合わせのため神保町へ向かう。アプローチは水道橋駅から。「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」を作るために、この街から半年ほど足が遠退いていたので、やはり訪れるのが楽しくてしょうがない。早速『白山通り』初っ端の「丸沼書店」(2009/12/17参照)に捕まり、昭森社「詩集 美學奥義/小村定吉」現代書館「三角寛サンカ選集 第一巻 山窩物語」を計600円で購入し、カバンに詰め込む。さらに待ち合わせ時間が近付いているのに「アムール」(2011/08/12参照)店頭で改造文庫「みだれ髪・小扇・戀衣/與謝野晶子」學生文庫「杭州綺譚(京本通俗小説)/村松暎訳」を二冊で100円で購入。その後も古本屋さん店頭の魔力に抗うことが出来ず、所々引っ掛かりながら微妙に遅刻して編集さんと合流。無事に打ち合わせを済ませる。すると「もう見本が上がっているかもしれません」ということで、ドキドキしながら、急遽本の雑誌社へと向かうことに。うわぁ〜〜〜!出来てる!「古本屋ツアー・イン首都圏沿線」が、この世界に本となって、生まれ落ちている!と大いに感動して、取りあえず一冊だけ拝受する。宝物のように抱きしめて、再び神保町路上へ。すると目の端に、戎光祥出版のミステリ珍本全集が飛び込んでくる。「大雲堂書店」(2009/10/06参照)の新本系店頭ワゴンの片隅である。帯も月報もちゃんと付いてて1400円なので、ガシッと鷲掴んで店内へ。戎光祥出版「十二人の抹殺者/輪堂寺耀」を購入。店内で精算を済ませて外に出ようとすると、先客の飼い犬である老ミニチュアダックスがちんまりと乗ったキャリーカートが、入口で通せんぼしている。優しく目の白濁した老犬の頭を撫でながら、少し移動させてもらい表に脱出。神保町で犬を撫でるというのも、なかなか貴重な体験ではないだろうか。さらにスタスタと歩いて交差点を越えると、「古賀書店」(2013/05/07参照)店頭ワゴンに、音楽専門店とは異なる違和感を感じ取り、足を止める。ぎょうせい「世界の伝記 シューベルト/今日泊亜蘭」…こんな本があったのかと、ちょっと驚きながら500円で購入する。
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喜びもひとしおなので、帰りのJR線車内で、天井近くの曲面部分に掲出された、まさに首都圏路線マップを背景に、歓喜の記念写真を一枚。というわけで、二卵性双生児古本屋本のまずはお兄ちゃんを、何とぞよろしくお願いいたします!
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2015年10月13日

10/13秋の本郷古本屋街の様子を見に行く

午後に西荻窪に向かい「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内の「フォニャルフ」にスパスパと補充する。表の均一台で見つけた久保書店Q-T books「秘密捜査官/マシュー・ブラッド 山下論一=訳」を100円で購入しつつ、若旦那と十月〜十一月の連続するイベントの打ち合わせをざっくりとする。…う〜む、松江のトーク前後が大変なことになりそうだ、と今から覚悟を決めておく。

西荻窪を離れ、電車を乗り継いで久しぶりの本郷古本屋街に到着。神保町や早稲田の様子は頻繁に見に行くのに、ここにはなかなか足が向かないことを反省し、不公平さを是正するために、思い出したように訪れてみた次第。まずはビル一階奥の「大学堂書店」(2009/01/06参照)に潜り込み、ダイナミックセラーズ「タッタ2分でできる「謎の六面体」組立法/小倉清治・中村彰彦」を100円で購入する。ルービック・キューブの解き方の本だが、ほんのちょっとだけ最高学府の古本屋街に相応しい買物をした気分になる。『本郷通り』を北に進んで行くと、まだ青々とした十メートル以上の高さを誇るイチョウ並木が、特別な景色を作り出している。
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時々現れる重厚な古本屋を覗き込みながら、北進して行く。銀杏が踏み砕かれ、あの特有な匂いをそこら中に漂わせているかと思ったら、そんな場所はそれほど多くない。やはり街路樹ということで、実をつけない雄株を多く植えているのだろう。やがてたどり着いた「棚澤書店」(2009/10/08参照)。出てる出てる、店頭に100均箱が!と喜び漁り、春陽文庫「よかったね/源氏鶏太」「三人の女/柴田錬三郎」岩波文庫「心/ラフカディオ・ハーン 平井呈一訳」を、滑りが良いので開けると快感を覚えるサッシ扉をスラッと潜り計300円で購入する。「ヴァリエテ本六」(2010/01/22参照)では岩波文庫昭和十六年発行の「シャーロック・ホームズの冒險/コナン・ドイル」(ワトスンはウォットサンと表記されている…)を65円で購入すると、女性店主が「やだ〜、この本スゴく古いじゃない。題が、右から書いてあるじゃな〜い」と何故かとても嬉しそう。そして古本屋街北端の「第一書房」(2011/08/16参照)に到達し、旺文社文庫「書きかけの自伝/三遊亭圓生」を200円で購入する。見事に100~200円の本ばかりを買い続け、久々の古本屋街への挨拶を済ませる。帰りに『近江屋洋菓子店』に飛び込むが、すでに夕方なので商品は少なめ。ふっくらしたパウンドケーキを一本買って帰路に着く。

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工作舎さんが、19日のトークと三人の編集者選書フェアのために、こんな看板を作って下さいました。もはや開催まで一週間を切ってしまった19日(月)のトークイベント。まだまだ首を長くしてお待ちしていますので、迷っておられる方、凸凹古本コンビトークが初めての方も、ぜひとも勇気を振り絞ってお越し下さい!「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」と「気まぐれ古本さんぽ」も最速で購入可能!サッと夕方の世界一の本の街を巡ってから、書店内でトークを聴いて、終わってみればそこはまだ夜の神保町…。

<トークイベント>
「均一小僧 VS 古本屋ツアー・イン・ジャパン
古書を購(あがな)え、町へ出よう」
──お二人の新刊をできたてホヤホヤで先行販売! サイン会もあります。予約はお早めに!
日時:2015年10月19日(月) 19時〜(開場18時30分)
場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール
参加費:800円(要予約・ドリンク付き)
参加方法:東京堂書店店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、『岡崎さん小山さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。 電話 03-3291-5181
イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=9071

<ブックフェア>
「岡崎武志・小山力也 担当編集者3人が選本した古書本ブックフェア」
──担当編集者3人による詳細なコメント付きです。
日時:2015年10月16日(金)頃からスタート
場所:東京堂書店 神田神保町店2階 
http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly20151006.html
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2015年10月11日

10/11 independent bookstore's BOOK FES 2015と早稲田古本街の小さな変化

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五ヶ月前に早過ぎる開催情報を「TIGER BOOKS」さん(2011/12/05参照)よりいただいていた古本フェス(2014/10/12参照)に向かう。あの時(2015/05/22参照)は、本当にまだまだ先の話だと思っていたのに、あっという間にこの日を迎えてしまったことに、驚きを禁じえない。東西線早稲田駅『出口3a』から地上に出て、大通りを南に下り『早稲田鶴巻町西交差点』にたどり着くと、道の向こうにビル一階の『CAT'S CRADLE』が見えており、その前は人だかりで何だか賑わっている様子。横断歩道を渡って近付くと、「TIGER BOOKS」さん、それに「水中書店」さん(2014/01/18参照)に遭遇。挨拶を交わして、いつもはカフェのフェス会場に入り込む。入口には左右に本棚があり、幻想文学やミステリを多く並べている。奥に向かって両側に細かく出店ブースが展開し、戦後〜現代詩集関連・人文・絵本・ファッション・海外文学・絶版文庫・古小冊子・写真・美術などが続き、よぉっ!奥のボックス席を利用した「古書十五時の犬」(2011/11/22参照)にたどり着く。このような古本市に参加するのは初めてのこと。お店右舷とレジ周りから連れて来たような文庫中心主義で、SF・ホラー・怪奇幻想をちらつかせつつ、意外に上品な品揃えで、レコードや外国使用済み切手も置かれ、どうやら会場の雰囲気に自ら歩み寄った模様。店主は後ろの「古本ブックエンド」の細い棚の前に、静かに気配を殺して座っている。その横には「TIGER BOOKS」の本タワーを林立させたブースがあり、片岡義男を目玉商品にして、他にも古い本やおかしな本や雑本をセンス良く固めている。ここで角川書店「タランチュラ/ボブ・ディラン」(再販。ちょっと読んでみたら、文体はもちろん違うのだが、土方巽「病める舞姫」と近しいものを感じる。まるで詩+暗号文のような、自動書記のような、意味のあるクリアなデタラメ感が縦横に漲っている。そこに疾走しているのは、狂気よりも才気!)を800円で買って喜び、さらに「十五時の犬」で光文社文庫「少年探偵手帳/串間努」、「水中書店」で書肆山田「草子1 星と砂と/瀧口修造」を購入する。すると合計で二千円のお買い上げとなったので、フェスオリジナルトートバックをいただき、さらに「十五時の犬」ではチンパンジーの使用済み切手をいただく。このフェスは明日12日まで。

まだ痛む足を引き摺りながら、『早稲田通り』を西へ向かう。午前中&日曜日の古本屋街は、静かに眠りを貪っているが、唯一開いていた「飯島書店」(2010/04/14参照)店頭二冊100円文庫ワゴンから改造文庫「日輪/横光利一」と新潮文庫「伊豆の踊子/川端康成」(昭和十六年五刷)を抜き出し購入。そのまま谷底に下りて行こうとすると、「さとし書房」(2011/12/30参照)の横にスッキリとした違和感を覚える…あぁっ!「岸書店」(2011/05/24参照)がテナント募集の空き店舗になっているじゃないか!…早稲田から、いつのまにかド硬い古本屋の星が、ひとつ流れて消えていました…。
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2015年10月10日

10/10東京・吉祥寺 猫の雑貨と古本市

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走っていて不覚にも右足首を痛めてしまった。どうやら軽い捻挫らしいのだが、市販の湿布をペタペタと貼り付け応急処置をして、メントールの匂いに包まれながら外出する。足を引き摺りつつたどり着いたのは、吉祥寺駅北口『ハモニカ横丁仲見世通り』に入り込んで北に進み、第一の横道角で開催されている、猫の本の古本市である。開催場所は、闇市の雰囲気を色濃く残しているとは言え、もはや健全な怪しさしかない横丁であるが、やはりこの狭苦しくごちゃついた空間に、古本が並んでいるのはとても良い眺めである。小さな六畳もない空間に三台のワゴンと二つのテーブルを集め、猫に関する文庫・単行本・絵本・ビジュアルムック・写真集・雑貨をこれでもかと集めている。奥には一部詩集やSF本もあり。薄暗い横丁には冒険心を漲らせた人々が頻繁に行き交い、猫本ワゴンも興味津々で覗き込んで行く。む?これは拾い物ではないですかと、小学館「猫と悪魔/ジェイムズ・ジョイス 丸谷才一訳」を購入。市は10/16まで。

足の具合から見て、どうやらあまり長く歩けなさそうなので、吉祥寺の古本屋さんをちょっと巡って帰ることにする。ヒョコヒョコと人ごみを擦り抜けて、まずは「百年」(2008/09/25参照)へ。店内出入口脇の安売棚からシンコーミュージック「チューリップ詩集 人生ゲーム」東京都大田区「馬込文士村ガイドブック」を計648円で購入する。ヒョコタンヒョコタンと中央線高架を潜り「バサラブックス」(2015/03/28参照)では店頭文庫箱から春陽文庫「誰の屍体か/鮎川哲也」(『冷凍人間』収録バージョン)を見つけ出し100円で購入。その先の「古本センター」(2013/07/01参照)では、絶版漫画棚から講談社世界少年少女冒険全集「象の王者プーロン/キャンベル 小山勝清訳」を抜き出し、パオ〜ンと500円で購入。そして最後に「よみた屋」(2014/08/29参照)に飛び込み、INAX BOOKLET「ゲームのデザイン 盤上の魔力」を500円で購入する。

この後は、最近頻繁に通っている感のある「ささま書店」(2008/08/23参照)にも立ち寄りたかったのだが、大事をとって涙を飲んで通過して、阿佐ヶ谷で「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄る。店頭棚から三冊抜き出し、中央公論社「十二階崩壊/今東光」(デカダン画家・秦テルヲも登場する傑作!)グリーンアロー「ハリウッド幻影工場/川本三郎」鏡浦書房「ポー代表作選集 下」(同じ本を同じ店の均一棚でまた買うことになるとは!2015/09/04参照)を計309円で購入する。そして新刊について少しお話し、「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」を扱っていただけるとの、嬉しくニヤついてしまう言葉を耳にする。喜んで署名しに参ります。というわけで、ちょっとウチでも取り扱ってみたいと思う古本屋さんがいらっしゃいましたら、ぜひとも本の雑誌社にご連絡ください。勇んで署名しに参ります!
posted by tokusan at 17:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月09日

10/9首都圏沿線とそれから

ここ一年ほどかけてジワジワ準備を進め、なのに結局はバタバタして、最後の最後まであがきまくって、ようやく二冊の新刊が十月末に発売されることとなる。一冊は「古本屋ツアー・イン・神保町」が恐ろしく発展した「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」。もう一冊は「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の続刊である「古本屋ツアー・イン・ジャパン【それから】」。
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■古本屋ツアー・イン・首都圏沿線
2015年10月22日発売/B6判/368頁/定価2376円(税込)
登場店数、約700店! 決定版“首都圏”古本屋ガイド
老舗・名店からニューウェイブ系、ローカル・チェーン店、さらにユニークな迷店まで。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城に広がる厖大な古本屋を路線ごとに徹底調査。立地、品揃え、値段、店主の風貌......首都圏の古本屋事情がまるわかり!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112776.html
※情報量が涙が出るほど凶悪!まえがきと恐ろしい目次も公開中!

■古本屋ツアー・イン・ジャパン【それから】
2015年10月26日発売/A5判/400頁/定価2592円(本体価格2400円)
日本全国をかけめぐる古本屋ツアーの記録、待望の第2弾。
江戸時代から続く超老舗から、もはや古本屋かどうかも怪しいへんてこりんまで、2000を超えるお店から精撰。
特別編《古本屋ツアー・イン・旧江戸川乱歩邸&土蔵》を収録。
※カバー画は前巻に続き、漫画家の草間さかえさんに依頼。…あぁ、この家に住みたい!絵の中に入りたい!そして『旧乱歩邸ツアー』は、何度読んでもあの時の興奮がよみがえる愉快なルポに!…あぁ、今でも乱歩邸に就職したい!

両方ともブログを元にしているのに、カバーも含めてまるで性格の違う本に、見事になってくれた。しかし載っているのはすべて古本屋のことばかり…だが、何処に出しても恥ずかしくない、二卵性双生児のような古本屋本である!まだ発売まで二週間ほどあるが、みなさまの古本心に深く刻み込み、書店で手にしていただければ幸いである。そしてこの二冊+工作舎から発売される岡崎武志氏の八年分の古本ライフを集めた「気まぐれ古本さんぽ」の発売に併せ、様々なイベントが神保町で進行することになる。

【第1弾】
<トークイベント>
「均一小僧 VS 古本屋ツアー・イン・ジャパン
古書を購(あがな)え、町へ出よう」
──お二人の新刊をできたてホヤホヤで先行販売! サイン会もあります。予約はお早めに!
日時:2015年10月19日(月) 19時〜(開場18時30分)
場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール
参加費:800円(要予約・ドリンク付き)
参加方法:東京堂書店店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、『岡崎さん小山さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。 電話 03-3291-5181
イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=9071
※会場がなかなかに広いので、ドキドキ…。みなさまのご参加、心よりお待ちしております!

【第2弾】
<ブックフェア>
「岡崎武志・小山力也 担当編集者3人が選本した古書本ブックフェア」
──担当編集者3人による詳細なコメント付きです。
日時:2015年10月16日(金)頃からスタート
場所:東京堂書店 神田神保町店2階 
http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly20151006.html
※このようなイベント開催されることを、つい昨日までまったく知らず…何故誰も教えてくれなかったのか!?

【第3弾】
<古本市>
「岡崎武志 VS 小山力也 一箱古本対決」
──神田古本まつりと同じ日にスタート。それぞれ40冊の古本を出品していただきます(補充あり)。
日時:2015年10月23日(金)〜11月30日(月)
場所:三省堂書店 神保町本店2階
※いつも通りにおかしな本+プレミア本や真面目な本も出すつもり。長い期間の開催なので、補充もあり。神保町に立ち寄った際は、ときどき覗いてやって下さい!

とにかく同時期に分厚い古本関連本が三冊も出る、もうこんなことはないかもしれない奇跡の古本一色の秋に大便乗。まだ他にも西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)では、単行本発売記念恒例の「古ツアフェア」+新たな古本販売イベントを行う予定である。それではみなさま、これから始まる『古書を購(あがな)え、町へ出よう』という秋を、ともに木枯らしのように駆け抜けて行きましょう!
posted by tokusan at 17:29| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月08日

10/8夜の古本屋、矍鑠とした老作家、ヨコハマ古書まつり

昨日でいよいよ二冊の単行本制作作業が無事に終了!終盤の編集者さんとデザイナーさんの奮闘に喝采を送り、後は本が出来上がって来るのを待つばかりとなる。夜に飲み打ち合わせのために外出し、その前にすっかりご無沙汰の池尻大橋「江口書店」(2010/03/29参照)の明るい蛍光灯に吸い込まれ、天然社「船は生きてる/須川邦彦」スポーツ興國同盟「野球興國譜/服部喜久雄編著」(昭和二十五年発行の日本野球の歴史本。拾い物!)を計1000円で購入する。お店を出て振り返ると、蛍光灯の白い光は、意外にも暖かく路上のアスファルトを照らし出していた。
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そして本日は、午前からミステリ評論家の新保博久氏と「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と外出し、一昨年に開催した『古本屋ツアー・イン・ジャパン・ツアー・イン・ヨコハマ』(2015/12/23参照)から生まれた奇妙な縁でつながった、小説家・翻訳家・ジュブナイル作家の野田開作氏を表敬訪問する。一部では物故したと思われていたが、実は現在九十五歳でご存命なのである!お会いした氏は、実に聡明で矍鑠としており、三時間ぶっ通しで小説家としての過去から、現在までの半生を語り倒すほどのパワフルさを兼ね備えていた。三名とも、ただただ傾聴するしかなく、圧倒されっ放しとなる。中でも昭和三十〜四十年代のジュニアミステリ&SF界の裏事情などは、かなり貴重な証言であった。最後に新保氏と共に、持参した氏の著作に署名をいただき、大感激する(新保氏が署名してもらった本は、氏が子供時代に買い求め、補修を重ねながら保存していた偕成社「地球さいごの日」!そんな心暖まる光景にもまたまた感激!)。というわけで偕成社「名探偵ホームズ8 白銀号事件/野田開作 原作ドイル」が、とても素晴らしい本と化す!
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野田センセイ、ありがとうございます!いつまでもお元気で!

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すっかりのぼせ上がった三人は、帰りに関内で途中下車し、今日から開かれている『有隣堂』別館二階の「第39回ヨコハマ古書まつり」に雪崩れ込む。珍しくフォーマルな「中島古書店」さんに挨拶をし、ワゴン二十五台とガラスケースと大きな平台島で出来たL字型の会場を精査する。古書と紙物が多く刺激的で、欲しい本がたくさん見つかり、古本心が大いにときめいてしまう。「古書リネン堂」が古めかしいもの中心主義で、古書・雑誌・小冊子・小型本・紙物を特に輝かせている。「中島古書店」も気合いが入っており、ガラスケース内の稀少な詩集に見とれてしまう。色々悩んだ末、「橘書房」(2010/11/08参照)で発見した、少しへたっているが1000円の近江屋書店「記者探訪 裏面の東京 戦慄すべき暗黒面の暴露」と共に、「一心堂書店」で見つけた太陽閣「支那人街/四至本八郎」の名前にピンと来て、裸本だが1295円で迷わず購入する。この四至本八郎は、大伴昌司の父で国際ジャーナリスト。世界各地に存在する不可思議の別天地チャイナ・タウンの秘密に挑む、日中戦争開戦当時の本である。そんな獲物を抱えて夜に帰京し、それぞれの釣果を見せ合う古本打ち上げで、一日の疲れを癒す。まつりは十一日(日)までである。
posted by tokusan at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月06日

10/6神保町をパトロールして竹中英太郎の口絵に眩惑される

もはや二冊の新刊の編集作業は佳境を迎え、いよいよ私の手を離れつつある。両方とも妙に凄み&面白みのある本になりそうなので、どうぞ楽しみにしていて下さい!そんな今日は、打ち合わせのために外出し、色々終わらせてからウズウズと神保町に向かい、本当に久しぶりの古本屋街をパトロールする。『聖橋口』から街に流れ落ちて行き、まずは去就の気になる「風光書房」(2015/08/18参照)へ。四階へコソコソ上がると、階段踊り場では相変わらず安売りセールが開かれており、そこから一冊。中に入るとオヤジさんが、所々で本の結束作業に勤しんでいる。棚にブランクは生まれていないが『ついに閉店準備へのカウントダウンが始まったのか?』と考えてしまう。しかし店頭&店内の何処にも、まだ閉店のアナウンスは見つからない…。春陽堂日本小説文庫「神々の戯れ/佐藤春夫」を200円で購入する。『駿河台下交差点』で、閉店した「書泉ブックマート」に驚いたり、三茶書房(2010/10/26参照)店内で、見たこともないハードカバー仕様の角川“横溝正史”文庫を開くと横溝センセイの旧蔵書であることに驚いたりしながら、『靖国通り』を西へ。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)店頭では壁際の小さなラックに視線を吸い寄せられ、上部で壁に立て掛けられていた柏書房「今和次郎見聞帖 欧州紳士淑女以外」を500円で購入。さらに通りの果てまで進み「山本書店」(2012/04/25参照)の店頭棚から春陽堂文庫「野分/夏目漱石」を100円で購入。通りを東に引き返す途中で「日本特価書籍」(2013/11/07参照)店頭棚の裏側が目に入ると、新潮社長編三人全集6「情火・美玉/三上於菟吉」が気になり、手にして函から引き出すと、ぬぐっ!口絵がカラーで竹中英太郎じゃないか!物体と艶と魔が美しく同居する、網点で出来た昭和初期の印刷にたちまち眩惑され、300円で購入する。『白山通り』に入り、「日本書房」(2011/08/24参照)前で店頭ワゴンを睨んでいると、本の雑誌社営業の炎さんに発見されてしまう。あぁ!編集さんが今まさに頑張っているのに、こんな所で古本を買っていてすみません!しばらく立ち話させていただき、名著復刻詩歌文学館「平戸廉吉詩集」を500円で購入し、泡を食って水道橋方面へ。最後に「丸沼書店」(2009/12/17参照)店頭ステンレス台で講談社文庫「死美人辻馬車/北原尚彦」ちくま文庫「蘆屋家の崩壊/津原泰水」を計200円で購入し、背徳のパトロールを満足して終える。
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これが「情火・美玉」の口絵。函・表紙・見返し・扉などの意匠は岩田専太郎である。

※お知らせ
10/22(木)頃より発売になる、本の雑誌社「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」の詳細や書影が発表になりました。よろしくお願いします!よろしくお願いいたします!何とぞよろしくお願いいたします!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112776.html
posted by tokusan at 19:19| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする