2016年04月29日

4/29東京・明大前 七月堂古書部

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2016/02/17に先走って偵察に行き、開店準備中だったお店がいよいよ本日オープンするので、強風に逆らいながら駆け付ける。通常の駅とはちょっと異なる趣の、小ビルに囲まれた駅前広場に出る改札中央口を抜けると、南側にはせせこました高架下の道。たわんだチェーンで仕切られた歩道を進んで反対側に抜けると、小さな道は坂道となり落ち込んで行く。高架際から南に数えて三本目の脇道を西に曲がり込む。細い道は緩い上り坂となり、板塀や生垣のある住宅街裏通りの雰囲気。すると道の終り近く右手に、赤い立看板を玄関前斜面に出した、新しい古本屋さんが姿を現す。一見ただの二階建て住宅に見えなくもないが、れっきとした出版社であり、その一階の一部を古本屋とし、堂々営業開始しているのである。何故か店前に集う鳩を蹴散らすように近付き、『ご自由にお持ち下さい』巨人グッズ箱&無料本三段ワゴンを横目に、木床の店内へ上がり込む。壁棚に挟まれたこじんまりとした空間で、左奥にカウンターがあり、その向こうは出版社の事務所になっている。右壁には、言葉・哲学思想・出版・本関連・書評付きお薦め本・雑貨・バーゲン本・内外詩集(充実!)・日本文学・文学評論と並んで行く。最奥の少し仕切られたような小スペースにも本棚は続き、コミック・映画・アート・写真集が集まる。ぬお!東松照明の「おお!新宿」などのレア写真集が無造作に置かれているが、これらはさすがにプレミア値であった。手前の奥壁には非売品棚も置かれている。入口左横には、歴史・ロシア・酒・食・昆虫食・絵本・児童文学が並ぶ。左壁には自社出版物の詩集が古いバーゲン本も含めてどっさり並び、隣りの100均文庫棚からカウンター下の一般文庫へ流れて行く。詩集に強いお店である。そしてレア写真集が煌めくお店である。値段は優しめのちょい安〜普通。偶然「つぐみ文庫」さんと店内で出会いつつ、洋酒王国「世界銘酒物語」を購入する。ここは路地裏にひっそりと咲き誇る、詩集の花畑。開店おめでとうございます。

帰宅途中の中野駅乗り換え時に、偶然岡崎武志氏を人ごみの中に発見。声をかけると西荻窪に誘われたので同行する。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)では、マシンガンのように連発する盛林堂ミステリアス文庫新刊「ハダカ島探険 城昌幸少年少女作品集」(表紙デザインを担当)を受け取り、「音羽館」(2009/06/04参照)の混み合う店内では偕成社「恐怖の都/牧野吉晴」(昭和二十六年版)が2500円で売られているのを発見し、迷う事無く即座に抱え込んでしまう。その後は喫茶店にて、岡崎氏と古本屋四方山話に耽溺する。
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氏に西荻窪に誘われなければ、この本と出会うことはなかったのだ…あぁ嬉しい!
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2016年04月28日

4/28“VELNIAI”はリトアニア語だった

昨晩飲み打ち合わせを終えて帰宅すると、猛烈な睡魔に襲われ午後九時には気絶するように就寝。おかげで今日は早起きで、昨夜の分も取り戻すように、雨の音を聞きながら仕事を進める。しかしそういえば、もう二日も古本を買っていないのだな…。この異常で過敏なフラストレーションを解消するために、午後に傘を開いて外に出る。向かうのは、安く古本の買える東村山の「なごやか文庫」(2012/01/10参照)である。何故なら来月は「みちくさ市」に参戦することが決まっているので、面白い古本をたくさん掻き集めておかなければいけないのである。今回は久々にフリーペーパーを作ることも考えている…まだ何を書くのかまったく考えていないのだが…。西武新宿線にガタゴト揺られ、再び雨の中を歩いて「なごやか文庫」着。今は無人販売時間帯か。二十分ほど楽しく古本に触れ、計十二冊を計900円で購入する。中でも、辞典協会の「日本における辞典の歴史」やタノ社「ノルウェーの民話・童話/アスビョーンセン&モー」はちょっとした収穫。しかし光風社「アスファルトの上/河野典生」(ちゃんと函&元パラ付き!写真は大倉舜二、造本は小林泰彦。函&本扉デザインは完全にBLUE NOTEのジャケットを意識している)とポプラ社「ベーブ・ルース/氷川瓏」は、まさかここでこんな本が買えるとは!と興奮してしまった、さらに嬉しい二冊である。
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だがさらに!今日の最上の喜びはこの二冊ではなく、一冊の不思議な本との出会いが、ジワジワと驚きと喜びを大きなものにし、勝ち取ってしまったのである。1973年出版の洋書で、サイズは17cm×20cmで計114ページの薄いハードカバー本。「VELNIAI」と本のタイトルがあるだけで、表紙と裏表紙には、悪魔をモチーフにした塑像・くるみ割り機・ステッキなどの写真がカラーで印刷されている。興味を駆られてページを繰ると、これがなんと悪魔の彫刻・人形・民芸品・日用品を集めた写真集だったのである。リアルな物やプリミティブな物、未来派的にぶっ飛んだ物や玩具までが、西洋から東洋まで網羅されている。前章ページには目にしたことのない言語が使われ、最後の作品情報などにはロシア語が使われている。後で調べてみると前半はリトアニア語で書かれているらしく「VELNIAI」は『悪魔は』と言った意味らしい。英語的に読める部分もあるので無理矢理解読してみると、どうやら大学教授の悪魔グッズコレクションをひとまとめにしたものらしいことが判明する。うぅぅぅ、まさか東村山の公共施設の人影の無い片隅で、こんな素敵な本に出会えるとは、今日ここに来て本当に良かった!これが100円だなんて、古本屋さんはやっぱり、宝探し&知的冒険の立派なフィールドなのである!
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下の写真が恐らくコレクションを所有する悪魔好き好き大学教授と思われる。
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2016年04月27日

4/27古本屋地図を手作りする

次なる旅に備えて微速前進の毎日であるが、その次に訪れるべき都市は、あまりにも土地鑑がなく茫洋としており、ただ巨大ということに対する戦きだけが、目の前に立ちはだかっている。だがこの不安は、その土地の最新の古本屋ガイドであったり、古本屋地図のようなものがあれば、大幅に解消される程度のものだ。それさえあれば、後は当たって砕けろという気持ちになれるのだが、現在手元にある古い古書店案内やガイドなどではとても頼りにならず、大きな壁になかなか手を掛けるきっかけとはなりそうもない。だが、このまま足踏みしていても、どうせいずれは対決しなければならないのだ。どうにかして取っ掛かりを生み出さなければ…ならばどうするべきか…ええぃ仕方ない、自作しよう!ということで、市販の一万分の一地図をモノクロコピーしてつなぎあわせ(カラーのままだと書き込んでも色の海に埋没してしまうのだ)、大きなA3×六枚の目的都市地図を作製。後は地道にネットや本で調べた最新店舗所在地を、地図上に赤ペンで店名と共にプロットして行く。一万分の一ならば、細かい路地と番地まで印刷されているので、わりと正確な場所を書き込めるのだ…ただし、やはりデカイ。バカみたいにデカくなってしまった。これを携え翻し、市街地を走り回ることを考えると、少し憂鬱になる(特に雨が降ると悲惨なことになる)。結局丸々一日を使い、およそ百店掲載の巨大古本屋地図を完成させる。作っている間に、何処にどんなお店があり、また固まり、名前だけしか知らぬ繁華街の位置関係などと言ったことが、少しだけ脳内に浸透し始める。地図に収まらなかった重要地区も浮上することになり、一目で全体が俯瞰出来ることも合わせて、執るべき行動の道筋がなんとなく朧げに見え始めてくる。おぉ!地道なアナログ的作業の賜物である。細かい単純作業が、少しずつ自信と知識に変換蓄積して行く過程は、心地良い充実感をもたらしてくれる。ただ、土地の距離感などは、あくまで地図上で見ているだけでまだ不明なので、これは現地で歩いて確認して行くしかないだろう。

これでなんだか、ようやく一歩前進した思い。だがまだ、旅立つ前にやることは山積みである。今はただ一つ一つそれらをこなし、巨大な都市に集まる古本屋群と対峙する日を近付けて行くしかない。その時にはきっと、この小学生低学年夏休み自由研究レベルのささやかな手製の武器が、大いに役立ってくれるはずである。そしてせめてはこの巨大な紙が、ちぎれずに旅の最後まで保ってくれることを、祈るばかりである。頼むぜ、相棒!
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左は京都で活躍中の市販の「京都古書店繪圖」(2014年版)。それと比べるとやはりデカイ…まるで毛布じゃないか…。
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2016年04月25日

4/25だらんとした月曜日にだらりとした文を書く

最近ちょっと突っ走り過ぎたせいか、心がだらんとしてしまう。せっかくの麗らかな陽気なのに、あまり心が弾まない。だがやるべきことを少しは済ませておこうと、まずは新宿に必要な地図を買いに行くことにする。地階売場で地形図・地図を十分に吟味するが、気持ちにはまる具合の良い物が見つからない。ある程度のところで妥協するしかなく、後は手作りでカスタマイズすることを覚悟する。ダラダラと地下道を歩き続けて、さらに地下深くの『サブナード』に足を延ばし、「古本浪漫洲」(2010/03/04参照)を覗く。櫻井書店 少年のための純文學選「初旅/塚原健二郎」を500円で購入する。結局そのまま一度も新宿の地上に顔を出す事なく駅に戻り、電車に乗って帰宅する。車中の読書は、出来立てホヤホヤの表紙周りデザインを担当した、盛林堂ミステリアス文庫「ヨミスギ氏の奇怪な冒険/石上三登志」。氏の血と肉の元になった、漫画・絵物語・探偵小説・SF・映画・ミステリーなどを発端に、物語の世界と現実と妄想が入り交じるへんてこりんな連作エッセイ集である。このお仕事、色々あって最初に三パターンのデザインをラフとして提出した。
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こういう場合デザイナーは、本命デザイン・それに匹敵する別案デザイン・他を引き立てるためのデザインと考え、巧妙に本命が採用されるように伏線を張ったりするものだ(でも最終的にどれが採用されようが、愛着の湧く本に仕上がるのが不思議なところ)。ちなみに私の本命デザインは左端の目がギョロンとなったものであったが、残念ながら採用とはならなかった…つまり、惨敗!…いや、こういうことも、あるさ。
※ラフでは石上三登志の英語表記が『SATOSHI ISHIGAMI』となっているが、本来は『MITSUTOSHI ISHIGAMI』である。ラフ故の間違いということで、ご勘弁を。

そういえば「古本屋写真集」が発売されてもはや一ヶ月。早いものである。まだまだしぶとく発売中ですので、古本屋に徹底的に耽溺したい方はどうぞお買い上げを。私は毎晩寝る前に、「野呂邦暢古本屋写真集」→「岡崎×古ツア古本屋写真集」とパラパラと目を通し、およそ200店の店頭を睡魔に襲われながら脳内ツアー。願わくば素敵な古本屋さんの夢が見られるよう、乙女のように祈っているのだ。
「書肆盛林堂」→http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca6/193/p-r-s/

そしてひとつお知らせが。五月一日(日)午前七時半からテレビ朝日系で放送される戦隊シリーズ『動物戦隊ジュウオウジャー』で、古本屋さんのコーディネーターモドキをいたしました。物語が古本屋を舞台として展開するため、お話とロケ条件に合いそうなお店を探すお手伝いをさせていただいたのです。勝手に候補に挙げたお店のみなさま、その節はご迷惑をおかけしました。どうか、お許しを。そして次々と古本屋さんからロケOKを短時間で獲得するテレビスタッフの手腕にも大変感服いたしました。古本屋好きのみなさま、朝眠い目を擦って、ぜひご覧頂ければ幸いです。そして撮影場所が何処のお店か分かった方は、かなりの古本屋マニアです!
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2016年04月24日

4/24東京・菊川 Book Pirates+骨董市で古本を!

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コメントから亀戸にあった「Book Pirates」(2015/08/06参照)が移転開店していたことを知り、偵察に行く。駅から地上に出て『菊川駅交差点』から、ただただ『三ツ目通り』を北上すれば良い。行く手には東京スカイツリーと、首都高速。300m強進めば、見覚えのある大立看板を置いた、新しいお店が見えてくる。窓際には、旧店舗の軒を飾っていた、両端のラインを切り取ったプラ製店名看板も置かれている。おかげで、「ブックマート」色は一掃されているようだ。中に入ると、以前より広い店内。入口近くに300均ノンフィクション本が集まっている。窓際には110円均一文庫ワゴンが二台。ゲーム&CD&DVD通路、コミック通路が続き、左端通路の壁棚にいわゆる古本が集められている…これは旧店舗とほとんど同じ構成である。110均単行本・タレント&スポーツ系ムック・出版社別文庫・海外文学文庫・ハヤカワSF文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・下に最近刊文庫・最上段に大型人文本。奥壁棚には新古書店系の細かいジャンル分け棚があり、哲学・歴史・民俗学・ノンフィクション・ビジネスなどが固まり、そことつながる通路棚にみすず出版・資格・児童文学・ビジュアルムック・ミステリ&エンタメが続く。向かいの通路棚の一部には、日本文学・新書・ノベルスが並んでいる。相変わらず妙に硬めの人文系が幅を利かすお店である。値段は定価の半額前後。岩波文庫「侏儒の言葉 文芸的な、余りに文芸的な/芥川竜之介」を購入すると、デイサービスなのか50円引きにしてくれた。ありがとうございます!

さて、このままでは余りにも物足りなさマックスなので、とても何処かに古本を買いに行かなければ気が治まらない。…古い本が見たい、古い本を触りたい、古い本が欲しい…と呪いのような願いが頭の中をグルグル回る…。そこで気まぐれに思いついたのは、『富岡八幡宮』の骨董市。午前中はすっかり雨だったが、果たして開催されているのだろうか?地下鉄を乗り継ぎ、それほど期待せずに境内へと足を踏み入れる。おっ、やってるぞ。午後二時過ぎなので、もう撤収の支度にかかっているお店もあるが、かまわず古本の影を求めて石畳の上を滑り、骨董の怪しい森を彷徨い始める。すると角の一軒で、雑誌や紙物を詰めたプラ製衣装ケースを発見する。ほとんどが戦前〜戦中の物で、値段は1000円~3000円くらい。辛抱強くギュウギュウに詰まったケースの中を漁り続けると、やがて本がゴロリと顔を出し始めた。色めきたち掘り出し続け、六冊の本を確認。そして悩んで二冊に絞り、勇気を持ってオヤジさんと交渉を開始する。すると嬉しいことに優しく500円負けてくれたのである。ありがとう、骨董屋のオヤジさん!博文館「新編ふらんす物語/永井荷風」(大正四年刊。カバーナシ)實業之日本社「少女小説 櫻貝/吉屋信子」(昭和十年二版。中原淳一装幀)を計5000円で購入する。財布がすっかり軽くなったこの値段ではあるが、まぁまぁの成果であろう。あぁ、これで十分に気が治まった。
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2016年04月23日

4/23神奈川・黄金町 古書 馬燈書房

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改札外の高架下で立食い蕎麦を啜ってから、ちょっと潮の引いた大岡川を、涼風に撫でられながら渡る。『イセザキモール』の西部に入り込み、まずは「博文堂書店」(2011/02/19参照)で肩ならし。歳月社「幻想と怪奇」黒魔術特集・幽霊屋敷特集・現代幻想小説特集の三冊を計900円で購入する。古本エンジンをふかし始めながら、『イセザキモール』を6丁目→5丁目と東進して行く。そして5丁目が終わろうとするその時、「なぎさ書房」(2016/01/23&2016/01/10&2015/12/17&2010/04/21参照)跡地に本日新規開店したお店が、頼もしく視界に飛び込んで来た。何故だか、おめでとうという気持ちより、ありがとうと思う気持ちの方が今は強い。やはりどんな形であれ、「なぎさ書房」の生きた証が残っていることが、嬉しいのだろう。大きな日除けが覆う歩道の光景は、以前とさほど変わらない。大きな100均文庫ワゴンと単行本ワゴン、それに100均単行本棚。入口脇階段横の隠れ棚は、今は一冊も本は入っていない。「近代書房」(2008/09/07参照)から送られた祝い花と左端に置かれた店名看板と、窓に貼られた『タクシードライバー』のポスターを眺めつつ店内へ。おぉ!什器レイアウトはそのままだが、床にはカーペットが敷き詰められ、棚の色は焦げ茶に統一され、シックですっきりとしている。実はわりと広いお店なので、まだまだ本棚にはブランクが見受けられる。入ってすぐ右には一般文庫が並んでいる。短めの通路棚には、右に中公文庫と岩波文庫、左にSF文庫・日本純文学文庫・海外文学文庫がほどほどに収まる。左壁棚を見ると、あぁ!『槇ひろし+前川欣三』黄金コンビ(「カポンをはいたけんじ」「くいしんぼうのあおむしくん」など)の知らない古い絵本が三冊も面陳されているではないか!驚きながら壁棚伝いに奥へ進み、さらに絵本・女性実用・100均本&300均本ゾーン・世界各国・自然・動植物・魚と眺めて行く。奥壁の左半分はカルト&エロ&絶版コミックが主に並ぶ。そして奥の空間を左右に分つフロア棚には、左に幻想文学・寺山修司・日本文学・海外文学・詩集・映画が収まる。右側には東洋の医術・占術・仙術・神秘・隠秘学・精神(むっ、西村晃のお父さん西村真琴の「大地のはらわた」発見(裸本)。表紙は発明したロボットの学天則だ!)伝統芸能と続く。右端の棚には、仏教・哲学・思想・政治など。奥壁の右半分には歴史・昭和史・社会などが集められ、右壁棚奥は美術・国内作家プレミア写真集・オリジナルプリントが並び飾られている。まだまだ開店したてホヤホヤのお店で、その全貌は姿を現してはいない。だが、面陳された写真集・絵本・東洋関連に、将来の片鱗が見え隠れしているようだ。値段は安め〜普通。三冊選んで右側中央の帳場に向かうと、準備中の古本の山に囲まれた、ライダースジャケットの女子とモジャモジャで丸眼鏡の男子の姿。まるでライブハウスの楽屋でも覗いているようで、時代の移り変わりをじんわりと意識してしまう。中央公論社 ともだち文庫「音のさまざま/栗原嘉名芽」日本出版社「動物渡来物語/高島春雄」「戦線の博物學者 北支・蒙古編/常木勝次」(函ナシだが、新進の昆蟲学者が軍務で赴いた北支那&蒙古について、昆虫中心に記録した研究記録進軍紀行。軍人ファーブル…と言ったら伝わるだろうか…。300円だったのでさりげなくどひゃっほうである)を購入する。今後、激しく変化&進化しそうなので、また見に来ます。開店おめでとうございます。
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伊勢佐木町ブルース歌碑裏にある『伊勢佐木町商店街地図』には、まだ「なぎさ書房」の名が残っている。

ブラブラとうらぶれた白昼の裏町を伝って野毛方面へ。すると街は大道芸祭の真っ最中で、表通りも裏通りも大変な人出である。慌てて「天保堂 刈部書店」(2009/07/20参照)に飛び込む。
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だが、普段は静かな静かな店内に、容赦なく表の戦前〜戦後懐メロバンドの演奏が飛び込んでくる。丸谷才一訳の小学館「猫と悪魔/ジェイムズ・ジョイス」(ビニールカバー&帯付)を400円で購入し、早々に退散。華やか過ぎる街の賑わいを避けるようにして、桜木町駅前の横浜一淋し気なショッピングビル『ぴおシティ』地階の立ち呑み屋の暖簾を潜り、ビールを一杯。土曜昼間のヨコハマに、カンパイ。
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2016年04月22日

4/22京都・京都市役所前 古本・中古音盤 ヨゾラ舎

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昨日の京都三日目の報告である。京都市役所脇から『寺町通』を一心不乱に北上する。「尚学堂書店」(2009/09/05参照)も「三月書房」も『村上開新堂』(まるでクッキーのようなロシアケーキが美味)も通過して、ズンズン北へ。結構歩き、やがて左手に見えてくる京都名物『進々堂 寺町店』の前で東に曲がり込み、次の十字路で『新烏丸通』を再び北へ。すっかり街の裏通りであるが、すぐに右手にビルの案内看板を枝のように生やした、黄土色のレンガタイル張りの小さなビルが目に留まる。近付くと、小さなエントランスにギター弾きと読書する女性と猫の線描が独特なタッチで踊る立看板が置かれ、頭上には星の散る日除けと、ガラスの向こうに古本とCDを並べた小さなお店があった。安売CD箱には目もくれずに店内に入ると、すぐ脇に本の100均箱が置かれている。今日は雨だからこの場所なのだろう。左隅にはレコードプレーヤーがあり、後は一面の壁棚になっている。右は大型音楽本を並べた低い棚から始まり、大きなCD棚へと続いて行く。こちらの棚下には、レコード箱が多く並べられている。最奥がそのまま帳場になっており、アクのない若めの夏目房之介的店主が座っている。入店の会釈を交わし、「雨の中すみません」という言葉を聞き流し左壁棚に張り付くと、マニアックな探偵小説文庫ゾーンから始まることに気付き、心臓がドキンとする。気になる一冊を最上段から背伸びして手にして戻したところで、店主が突然スクッと立ち上がり「高いところですみません。あの…古本屋ツアーさん…」と正体を見抜かれる。どうやら日頃からブログを読んでいただいているようで、今回の京都行のタイミングでそれらしき男が入って来たので、、ピンと来てしまったようだ。恐縮しながら色々お話しするが、彼の丁寧さと超低姿勢がもはや芸術的で、たちまちこのお店が好きになってしまう。話す時は、その度に帳場で直立不動。「棚を憶えている途中なのに、話しかけてすみません」「なかなかお目に適うような本がなく、すみません」「スタンプカードの有効期限はありませんが、お店がなくなっていたらすみません」など、もう素敵におかしいのである。肝心の棚はと言えば、さらにセレクト日本文学文庫・音楽文庫・食文庫・ジャンル別音楽・探偵小説関連・幻想文学・サブカル・カウンターカルチャー・アート・食・日本セレクト文学・古本関連・戸川昌士と続き、さらに棚下には100均本や「けんじ文庫」という名の山田稔や野呂邦暢を多く並べた貸し棚ゾーンもあり。ツボにはまる本、キモになる本をしっかり揃え、少ない冊数で細かい棚造りが為されている。野呂・殿山・小実昌・植草・上林・竹中労・小山清などがギラリと目立つ。値段はジャストな隙ナシ値。だが安い本もちゃんとあると扉をこじ開け、東和社「随筆東京/奥村信太郎」(裸本)国書刊行会「私が選ぶ国書刊行会の3冊」を購入する。初めてお会いしたとは思えぬほど楽しくお話しできたので、京都では「善行堂」(2012/01/16参照)に続く、立ち寄るべきお店になりそうな予感が、背中を走る。
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2016年04月20日

4/20京都・河原町 吉村大観堂

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阪急線の『8番出入口』から地上に出ると、賑やかな目抜き通りの『四条通』。西にグングン歩き詰め、車通りの多い『寺町通』を300mほど南下。すると、古都と現代の街の姿が融け合わさる風景に、ぴょこんと『古本買入』の文字が浮かび上がる。二階から看板を飛び出させているのは、古い商店建築の一店。軒からは緑のダンダラ日除けが張り出し、その下右側にはに小さいがみっしりと文庫の詰まる100均木製ワゴン+値段様々新書箱。左側には立体感のある大ぶりな黒タイルで化粧されたショウウィンドウがあり、和本や豪華大型本や古書を並べている。面陳されている「古今東西 魔術大観」がとても気になる…。店名とショウウィンドウを見て、さぞかし仏教&学術的に硬いお店なのだろうと、覚悟を決めて中へ進む。ツヤツヤのコンクリ土間に、古い木製什器が本を収める店内は、なかなか乱雑である。壁際はもちろん造り付けの棚に覆われ、中央には縦に背中合わせの棚が置かれているが、どの棚前にも本は腰辺りまで積み上がり、通路を狭くしている。そして両壁下はさらにひどい状況で、本タワーと、古本を詰めた箱が、争うように積み上がっているのだ。そんな空間の中、奥の帳場には官僚風のピシッとした男性が座り、ファンの回る音が大きなパソコンとにらめっこをしている。棚脇の文庫棚を覗き込み、値段はないが一冊抜き取る。続いて入口左横を見ると小さな棚があり、なんとそこには官能文庫が固まっていた。おぉ、こういう本も置いてるんですね。そのまま壁棚を見ると硬い函入本が、歴史・文学・地理・宗教・郷土史・事典・史料などが厳めしく並び続ける。だがその下は本の山で、その上に置かれた箱内には古少年雑誌や古雑誌が詰まっていたりする。向かいも民俗学などの本が棚に並ぶが、下のタワーには児童書が派手に目立っていたり、ちょっとアンバランスな不思議な感じである。右側通路に移ると、通路棚には古書の日本文学とともに、下には大型本がズラリ。入口右横には教養&文化系文庫の棚があるが、なんとその上には神棚が直に置かれている。右壁棚の手前とその下には和本が集まり、和本を入れる木箱もごろりと横たわり、一部古雑誌タワーも確認。奥に進むと壁棚は山岳本で占められているが、その前には明治本・ボール紙表紙本・駄玩具本・講談本・小型本・漫画・童話などの詰まった箱が大量に集まり、細い細い行き止まり通路を造り出している。その道を奥まで進むと、目の前には冒険小説などが集められた面陳ゾーンにたどり着く。棚層と積上げ層の二種に分かれた古いお店である。棚はとことん硬いのだが、その周りに積み上がるものは、とても古いが柔らかなジャンルが多い。値段はしっかりめだが、時に安値のものも混ざり込んでいる模様。棚や箱の本に値段はあるが、積み上がっている本には見当たらないことが多いので、店主に帳場で教えてもらうことになる。新潮文庫「奇妙な花嫁/ガードナー」岩波新書「パタゴニア探検記/高木正孝」を購入する。

今日も色々終えて日が暮れる前に、もはや京都の心のよりどころ、今や関西をさすらう孤独な古本修羅の港になりつつある「古書 善行堂」(2012/01/16参照)へ。毎度のように古本屋さんについて意見を交わし、様々なことを相談し、未知のお店についてタレ込まれ、先客の青年とも楽しくお話しし、ハードな一日を締めくくる。春陽堂文庫「喬二捕物集(三)/白井喬二」春陽堂少年文庫「ロビンソン漂流記 前篇/デフオー」を計1000円で購入する。
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2016年04月19日

4/19京都・出町柳 ふるほん上海ラジオ 古本市常設展

自転車に乗っていると、『東山丸太町交差点』横のスーパー前で、古本市が行われているのに、偶然行き当たってしまう。児童文学・絵本、それに三十以上の文庫箱、単行本棚が十本ほど…すべて100均である。
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講談社「殺意の餌/鮎川哲也」をつかんで精算するついでに「いつもやっているんですか?」と聞いてみると、「定期的に色々な所でやっています」と黄色いチラシを渡してくれた。「それに全部書いてあります。出町柳桝形商店街にお店もありますよ」と教えられる、何ぃー!とすぐさま自転車をカッ飛ばし、出町柳方面へ。その商店街が何処にあるかは知らぬが、駅に着けば何とかなるだろうと高を括りながら到着し、件の商店街を探すが、影も形も見当たらない。仕方なく勇気を出して人に聞いてみると、何と鴨川の対岸だと教えられる。お礼を言い、河合橋→出町橋でトンビが低空で滑空する二本の川を越えると、『出町地下駐車場』の地上入口部分にたどり着いた。ところがやはり商店街は分からない。周囲をグルグル闇雲に走り回り、またもや途方に暮れようとしていた時、目の前に突然見覚えのある頼もしき男の影が現れた!ぜ、ぜ、善行さんっ!「あっ!」とお互いに声を上げた後、笑顔で挨拶を交わす。何と、これから市に向かう途中の「古書 善行堂」店主・山本善行氏と、恐ろしいほどの偶然で鉢合わせたのである。これぞ地獄に仏!と商店街について聞こうとすると、「そうや、この近くにいいお店が出来たんや」と、あっという間に足早に、勝手に探していたお店に案内してくれたのである。やはりそのお店を知っていたのかと驚き、自転車を押しながらついて行く。

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場所は先ほどの地下駐車場入口の西側向かいに、ちょっと鄙びた細いアーケード街があり、入り込んで西に歩いて二つ目の十字路手前に、『古本市開催中』のアナウンスを流しながらも、まだ看板はリビング用品店のままの古本屋が、確かにあった。店頭には実用本を集めた棚と、絵本やDVDワゴンなどが置かれている。善行氏は素早く繁盛している店内に突入してしまった…。左に100均文庫ゾーンが大きく採られ、奥の凹んだスペースにもそれは続く。棚下には大型本が詰まった箱が連続。中央には、児童文学・ミステリ&エンタメの多い100均単行本通路。そして右端通路は、100均から少しだけ値段を上げた、200均単行本&文庫、それに壁棚にほとんどが千円以下で大体は300円の、映画・美術・幻想文学・寺山修司・日本文学・人文・文化・美術・児童文学が面陳も交えて続いて行く。この通路はとても熱い!良い本が、安値で連続するのは、胸がすく光景である。店に入るなり、善行氏も無言で棚に張り付き、あっという間に数冊を確保していた…恐ろしい。邂逅わずか十分ほどで市に急ぐ氏と別れ、しばらくは店内で鵜の目鷹の目。う〜ん、これは近くにあったら、確実に定点観測店だな。と、最近出来たと言うこの激安店を羨ましく思い、入口右横の簡素な帳場で精算する。学研 手塚治虫編集劇画サスペンス「地獄の魔犬/原作・ドイル 画・小室孝太郎」「学校殺人事件/原作・ヒルトン 画・はっとりかずお」「のろいの黒猫/原作・ポー 画・大和田守」「地球さいごの日/原作・ワイリー 画・香西邦雄」を購入する。
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2016年04月17日

4/17イベントトークした挙げ句どひゃっほう!

雨と風が大変に強い日でしたが、どうにか「新生コクテイル」(2016/04/10参照)にて、「古本屋写真集」発売記念トークイベント完遂!ひたすら二時間二十分、岡崎武志氏と共に古本屋さんの話に徹頭徹尾終始し、人間がこれほどずっと古本屋さんの話が出来て、またそれを聞きえるのかと大いに感心する。二十名弱の方が集まってくれた店内には、熱い人いきれと共に、古本屋さんの匂いが色濃く漂っておりました。何だかこれなら、写真集の第二弾が出せそうな気が、ちょっとだけして来ました。ご静聴していただいたみなさま、トークに自然に介入して意見を述べられたみなさま、常連のみなさま、飛び入りのみなさま、本当にありがとうございました。そしてこの写真集を出版し、今日のイベント企画していただいた「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に感謝です。
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※本日の主役の「古本屋写真集」と、今やネットで恐ろしいほどの高値を付けるこの一連の企画の元となった「野呂邦暢古本屋写真集」を、コクテイル名物『大正コロッケ』と共にパチリ。

すべてを出し尽くし力尽き、そのままコクテイルで打ち上げに突入した後、それでもやっぱり古本を買わなければと、二階の棚で目をつけていた古本を帰る間際に抜き取り、値段が付いていなかったのを店主・狩野氏に「お幾らですか?」と訪ねると「二千円」と答えが。ありがとうございます!完全にどひゃっほうです!というわけで、今日の問題社「旦那と奥さん/柳家金語樓」(昭和十三年発行の新作落語集)を購入する。
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あぁ、今日も良く生きた一日だった。しかし明日からまた、ハードな古本屋さんへの旅が始まるのです…もはやこれが私の宿命…。がんばらなければ!
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2016年04月16日

4/16兵庫・西代 古書店つのぶえ

熊本の地震を知ったのは、神戸から帰る夜行バスの中であった。今から二日前のことであるが、まさかそれが今現在も続くことになるとは、思ってもみなかった。改めて日本が地震大国であることを、突きつけられた思いである。早く余震の回数が減り、震度も小さくなって行くことを、心から祈るばかりである。そこで大いに気になるのは、やはり被災地の古本屋さん。熊本の「舒文堂河島書店」と「古書籍 天野屋書店」(共に2008/12/22参照)や、ナンダロウさんに教えていただいた未だ未踏の二階の紙物的古本屋さん、熊本or福岡に開店予定の「汽水舎」、それに大分・別府の「SPICA」「大野書店」「TOM」(すべて2011/11/27参照)などなど、こちらのみなさんについても、さらに無事を祈るばかりなのである。そんな今日のツアー報告は、先日神戸で行ったものであるが、かつて同じような阪神淡路大震災の被害に遭った長田地区に、元町から移転して来たお店である。最寄り駅には、昔の街の様子や復興の過程が、大きくパネル展示されていた。長い月日が経っていても、街の様子から消すことの出来ない被害の大きさを感じながら訪ねたお店は、とてもとても良いお店であった…。

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山陽電鉄地下駅から、南出口の西寄りの階段を上がる。大通りの向こうには小学校があり、体育の授業を受ける児童たちのけたたましい嬌声が届いてくる。西に向かい、すぐの信号を南へ。そこは、何の変哲もない平和な住宅街なのだが、ビルから家からほとんどの建物が、新興住宅地のように根こそぎ新しいのである。ここいら一帯は、阪神淡路大震災で甚大な被害を被った、長田地区である。理不尽な大火災で焼け野原と化した場所である。そんなつらい激動を乗り越えた街路の、味気ないキレイさに、被害の凄まじさと復興の逞しさを感じ取りながら歩き続けると、防災設備を備えた『水笠通公園』が右手に見えてくる。手前の十字路で東を見ると、細高く茶色い四階建て住宅ビルの一階に、『古書店』の看板を発見する。分かってはいたのだが、こんな所にお店がと、改めて驚き喜び足早に接近する。軒上の袖看板下には『コショたん』が描かれた幟がはためき、ギュッと小さな間口には、右に全集棚と文庫揃いワゴンと100均新書棚、左に100均単行本棚と古く小さな立看板が置かれている。中に入ると細いが奥深く、ひんやりとしている。両壁に白木の頑丈な本棚が張り付き、中央にはちょっと背の低い背中合わせの本棚。左奥に屈強なスチール棚と繊細なガラスケースが置かれ、その奥の整然とした本の山の向こうに、帳場兼作業場があるようだ…丸刈りの頭頂部がチラリと見え、キーボードを叩く音が聞こえてくる…。左壁棚は児童文学から始まり、文庫・新書(古いものあり)・西洋文明&文化・西洋詩集などが並び、棚下には一般単行本や硬めの文庫の山が低く築かれている。奥のスチール棚には、何故ここまで巨大化したのかと目を疑うキリスト教関連がドッシリ収まっている。なかなか硬いお店なんだなと、入口右横の棚を覗くと、古い文庫や明治の小型本が肩を寄せ合い、その裏には美術図録棚が置かれていた。フロア棚の左側は、初めはラック状になっており、古めの兵庫・須磨・神戸関連地方出版本や古雑誌が飾られている。奥に進むと、日本文学・日本近代文学・伝統芸能・戦争・古新書サイズ本・古文庫・古海外文学・キリスト教が続き、良さげな古書の出現に胸が大いにに高鳴り始める。右側通路に向かうと、そこは胸の高鳴りを抑制せざるを得ない、絶対的キリスト教関連通路であった。一部に西洋哲学なども混ざるが、ここまでひとつの宗教を網羅蒐集する様には、畏敬の念を抱いてしまう。そっと左側通路に引き返し、高鳴りを再起動させて棚を物色にかかる。なんたって本が安い。千円以下の値段ばかりで(キリスト教関連以外)、多くは100〜500円なのだ。三冊を選び終え、奥にしずしず向かって行くと、立ち上がり姿を現したのは、真面目な杉作J太郎風店主。勝手にジーザス的な方を想像していたことを心中で懺悔し、精算する。新潮社「ボロ家の春秋/梅崎春生」博文館文庫「藥草手帖/農業世界編集局編」井上書院「明治建築案内/菊池重郎」を購入する。復興の地に根を下ろした、良いお店です。

時は移り変わり本日正午に、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にて「フォニャルフ棚」にドバッと補充。明日日曜に迫ったトークイベントを、しっかり開催することを確認し、色々有益&無駄話。家に帰る途中「千章堂書店」(2009/12/29参照)店頭を覗き込み、福音館「子どもと本の世界に生きて/E・コルウェル」学生社「月の石/コリンズ」を計200円で購入する。明日のトークショーですが、参加者まだまだまだ募集中です。予約されるのが望ましいですが、当日駆け込み参加もOKです。高円寺の古本屋巡りの終点に、午後五時の「コクテイル」をどうぞお訪ね下さい!しつこくお待ちしております!

『岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集』刊行記念トークイベント
■出演:岡崎武志・小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■開催日時:4月17日(日)17時からスタート(16時30分開場)
■場所:コクテイル書房(杉並区高円寺北3-8-13)
■入場料:1,500円
■定員:20名(完全予約制)
■主催:コクテイル書房、盛林堂書房
■協力:西荻ブックマーク、古書 音羽館
■予約:盛林堂書房にメール又はFAXにて(電話は不可)
Eメール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
FAX:03-6765-6581

そしてお酒の友にもなる「古本屋写真集」も絶賛発売中ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
「書肆盛林堂」→http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca6/193/p-r-s/
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2016年04月15日

4/15兵庫・元町 うみねこ堂書林

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すでに昨日のことである。ごちゃごちゃした元町駅の西口から素直に南に下って行くと、『元町パークロード』に入る。『元町商店街』の観光地的賑わいを通過し、『南京町』の真っ赤な『西安門』を左にやり過ごすと、飲食店が並ぶ一帯に入り込む。裏通りだがちょっと賑やかな場所なのだが、ピンク色のマシュマロ屋の隣りに、うみねこが滑空する空のように鮮やかな水色のテント日除けを張り出した。小さな古本屋さんがひっそりと佇んでいた。探偵小説愛好家&研究家として勇名を馳せる、野村恒彦氏のお店である。日除けの下には本の形をした吊り看板、路上には黄色い立看板が出されている。ガラスサッシから店内を覗き込むと、通路に椅子がポツンと置かれ、『15時30分に戻ります』とメッセージが。なんだって!と焦りながら諦め切れずに、さらにお店の奥に目を凝らすと、帳場に座る野村氏の姿を確認。目が合ったので会釈すると、笑顔を浮かべながら巧みに積み上がる古本を避けて近寄り、戸を開けて歓待してくれた。先日参加した『小鷹信光さんを偲ぶ会』で、すでに挨拶は済ませていたのである。「どうぞどうぞ」と言われるがままに店内に引き込まれるが、「大丈夫ですか?お出かけになるんじゃないですか?」「いえいえ大丈夫です。どうぞ見て行ってください」とやり取り。結局はそのまま狭い通路に身を落ち着かせる。両壁は高い本棚になっており、中央に胸高の背中合わせの棚が一本。入口周辺には安売本棚やワゴンなどがゴチャリと集まっている。二本の通路には結束した未整理本が低めに積み上がり、狭い通路をさらに狭めている状況。奥は背後にバックヤードを擁するカウンター帳場で、前面には文庫サイズ本棚が設えられている。お出かけを阻止して入店したので、ちょっと気が引けながらも猛スピードで棚を眺めて行く。左壁には児童文学・冒険小説・吉田健一・創元推理文庫・ハヤカワポケミス・古めの出版社別推理全集・日本推理小説・黒岩涙香、そしてカウンター前には本の山があり、その上に平凡社の乱歩全集が飾られていたりする。向かいには日本推理小説文庫・海外ミステリ文庫・出版社別ミステリ系文庫&アンソロジー文庫と続く。初級〜中級のミステリ度合いが、幅広く深い。右側通路は、壁棚に一般文庫・植草甚一・映画・日本文学・源氏鶏太・井上靖・新田次郎・ハヤカワ冒険小説・科学・数学・SF・「SFマガジン」・ミステリ同人誌・ミステリ雑誌・山田風太郎・内田百閨E小林信彦と続く。向かいにはミステリノベルス・新書・角川文庫白背など。カウンター上には十冊ほどのプレミア本が置かれ、前面棚にはカバー無しパラフィン時代の新潮文庫と角川文庫が大量に収まっている。予想通り、ほとんどミステリ専門店である。短い間でも、これだけの『殺人事件』の文字に囲まれるのは、もはや快感!紙の中に封じ込まれた、何千・何万件の殺人!…あぁ、空恐ろしい。値段はちょい安〜普通。そして上級への扉は、カウンター内の氏の背後の棚にある気が…。何を買おうか懊悩したが、結局選んだのは知らなかった野村氏の著作「探偵小説の街・神戸」であった。自身の神戸行(“来神”とも言う!)と重ね合わせ、これは楽しく興味深く読めそうだ。厚かましくサインまでいただく。
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サインをお願いすると「いいんですか、汚しちゃって」「著者の署名でも、そう思う人がいるらしいですね」「私がそうですよ。ハハハハ」とのこと。私はやっぱり、署名入りは物凄く嬉しいです!

そして日曜のトークイベントですが、まだ席が余っております。未だ迷っている方、急に日曜がポカリと空いてしまった方、イベントなど初めての方、高円寺に興味のある方、新しくなったコクテイルを見たい方、もっと古本屋世界に漬かりたい方、古本屋のことなど何も知らない方、などなどなど、こちら優しくお待ちしておりますので、どうかギリギリの駆け込みをひとつよろしくお願いいたします!

『岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集』刊行記念トークイベント
■出演:岡崎武志・小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■開催日時:4月17日(日)17時からスタート(16時30分開場)
■場所:コクテイル書房(杉並区高円寺北3-8-13)
■入場料:1,500円
■定員:20名(完全予約制)
■主催:コクテイル書房、盛林堂書房
■協力:西荻ブックマーク、古書 音羽館
■予約:盛林堂書房にメール又はFAXにて(電話は不可)
Eメール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
FAX:03-6765-6581

そしてお酒の友にもなる「古本屋写真集」も絶賛発売中ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
「書肆盛林堂」→http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca6/193/p-r-s/
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2016年04月13日

4/13兵庫・新開地 上崎書店 本店

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神戸高速鉄道の地下駅から地上に出て、長い坂道のアーケード街の『新開地商店街』を北へ遡上して行く。浅草辺りと似た感のある、独特な土地柄が、少しだけ魂を引き締めにかかって来ている。スタスタと二丁目から、一丁目へ。こちらのキャッチコピーは『ええとこ ええとこ』で、奥に進むほど、坂の傾斜が増して行く。アーケードの終りと、その先の『湊川公園』の緑が見えて来たところで、左手に古本屋さんが現れる。簡素で素っ気ない佇まいだが、二店舗分の大きさがある。手前は窓に映画ポスターやパンフが多数貼られ、入口を挟んで奥はシャッターが片方だけ下ろされ、一応店内は見えるようになっているが、そちらからは入れないようだ。小さな100均のコミックワゴンと文庫ワゴンに視線を落としてから、店内へ進む。おぉ!なんだこれは!右側の店舗は小部屋になっており、メイン店舗の奥三分の二は、まるで舞台のように高くなっているではないか!独特な造りと、棚から放たれた時間の澱を、ドキドキしながら受け止めて、店内の把握に努める。入口付近の低いゾーンには、右に帳場があり、林隆三風オヤジさんがピシッと収まっている。その前には平台が置かれ、上には古書・絵葉書・小冊子・リーフレット・和本などが山積みされ、下の棚には漫画付録本や絶版漫画、「少年世界」バックナンバーなどが収まっている。帳場横には鉄道ワゴンもあり。入口前には児童文学&絵本棚と古雑誌平台が続き、さらに左に向かって200均ワゴン・ドラマ脚本&映画関連島、映画ポスター島。それに映画パンフワゴンが展開。左壁棚には映画・芸能・児童文学・絶版文庫が並んで行く。階段に足を掛け、いよいよ高台へ。高い天井まで高く伸び上がる左壁棚には、ミステリ雑誌・ミステリ・探偵小説・自然・日本文学・法律関連と続いて行く。何処もかしこも厳めしく古いので、興奮が止まらない。向かいにはビジュアルムックや考古学関連。第二通路には古代史・技術・歴史・政治・近代史などが集まり、ぐるっと回り込んだ第三通路には、兵庫・郷土・美術・刀剣が高く厚く並んでいる。右端通路には大判の美術本が多く並び、壁棚に1000円全集端本・美術・音楽・歌舞伎と続き、帳場近くでは日本文学復刻本と日本近代文学が、軽さと重厚さを溶け合わせている(函ナシだが川端康成の「浅草紅團」が!)。奥壁には、料理・生け花・書・茶道・俳句と品の良い並びが展開。帳場前を抜けて右側の部屋へ進むと、そこは粋なアダルトオンリールーム。ディスプレイに余裕があるので、何か鄙びた温泉場のアダルトショップにでも、迷い込んだような緩さ。しかしさすがは古本屋さんで、ちゃんと性愛関連の古書も棚の一部を占めている。貫禄のある大きなお店である。ちょっとくだけた土地にありながら、一新にこの地の知を担っているようで、神々しい。函入り本や大型本が多いのも特徴である。値段はきっちりしっかり。表紙が取れた一冊の雑誌を帳場に差し出す。「いらっしゃいませ。表紙取れてますが、よろしいですか?」と確認の後、値段の千円を見て「いいとこですな」とボソリ。共榮社「怪奇探偵クラブ オール讀切別冊」(昭和二十五年五月発行。表表紙ナシ)を購入する。
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2016年04月12日

4/12兵庫・六甲 神戸学生青年センター古本市

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仕事にて神戸に推参。眠い目を擦りながら、午前九時から古本に触れられる場所へと向かう…。斜面に作られた駅から、妙にダラダラと続く階段を上がり、改札を抜けて『2番出口』へ。するとそこは陸橋の上で、山の方に続く下り口を見ると、緑色の幟がバタバタはためいている。あれは?と慌てて近付くと、それは紛う事なき古本市の幟なのであった。誘われるように、歩道に架かるテント日除けの多い坂道を、見上げると峻険な六甲山を、目指すようにして上がって行く。するとすぐに歪な交差点にたどり着くので、ここを西に入り込むと、左の大きな建物が、古本市の開かれている『神戸学生青年センター』である。ここでは毎年三月から五月の長い間、寄付で集めた古本を販売し、奨学金の一部に当てるための古本市が開かれているのである。一度来てみたかったのだ!と大いに意気込み回り込んみ、ここにも古本市の幟が立つ正面階段前。地下への階段を下り自動ドアが開くと、そこはもうロビーの面影が消滅した、物凄い古本市会場であった。入口からもう、古本を詰めたダンボール箱が床に連なっている。その数は優に百以上。さらに壁際にはこれもダンボールで作られた棚や、常設棚が古本棚として設置され、フロアにはこれもまたダンボール箱に支えられ、紐で崩壊しないよう括られた巨大な平台が二つ。さらにスチール棚が五本並列し、良く見ると奥の曲がり込む廊下の方にまで、古本の波は続いている。入口近くには猫関連本を集めた箱・ガイドブック箱・コロンボノベルス箱・古書箱が集まり、小さな棚に建築・音楽が並んでいる…これは、分類が細かく行き渡っているのか!そのまま右側窓際ソファー席に向かって、コミック・手塚治虫・レコード・洋書などが続き、さらに奥の廊下に向かって海外ミステリ・赤川次郎・時代小説・時代劇文庫・キリスト教と、呆れるほど続いて行く…すげぇ。左側の平台は学術書箱で囲んだ辞書で作られており、そのままフロア棚に、売れ筋本・ミステリ&エンタメ・京都・海外文学・思想・歴史・韓国・戦争・ノンフィクション・SF文庫・海外ミステリ文庫・日本文学文庫と続いて行く。奥壁には大型本と共に大量の児童文学・児童書・絵本が壁に箱に集められ、なかなかの壮観を呈している。右端の文庫台は新書やノベルスや人文書によって支え作られており、紐が本の上でピンと張り詰め交錯する姿は、とてもアバンギャルドである。壁際には新書が並び、続いて日本純文学文庫・一般文庫と続いて行く。大量である。しかしカオスではなく、分類はジャンルや作家でしっかり執拗に為されており、仕事がとても丁寧である。文庫や児童書は100円で、単行本は300円の安値。そしてもうそろそろ開催してひと月は経つのに、たくさんのお客さんが古本棚に取り憑き、熱心に選んでいる。定着しているんだなと感心しつつ、四冊を選ぶ。岩波ものがたりの本113「ジュンとひみつの友だち/佐藤さとる作 村上勉画」(前から探していたのだ!)児童憲章愛の会「地面童子」(学校の先生が書いた童話アンソロジー。妙なSFジュブナイルと探偵小説モドキが収録)青土社「サフラン摘み 吉岡実詩集」スポニチ出版「世界ドジくらべ/吉行淳之介監修」を購入する。カウンターで応対してくれた男性は「ありがとうごじゃいまーす」を連発していた…思わず心和むほど素敵である。
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2016年04月10日

4/10東京・高円寺 「コクテイル」は新生なったのか?

明日からのツライ旅の準備を終え、午後六時に家を出て高円寺へ向かう。すっかり宵闇に包まれた「コクテイル書房」(2010/04/25参照)に到着。4/3から急ピッチでリニューアルした店内は、いったいどんな変化を遂げているのか興味津々で、滑り易くなった扉を開けて中に入ると、第一印象はすっきりしたなという程度。他は拍子抜けするほど、以前とさほど変わりがない。ただ、天井や棚の上に、新たな珍しい古道具&古雑貨&古家具がディスプレイされ、微妙にマイナーチェンジした感がある。先に入店していた岡崎武志氏と挨拶を交わしつつ、店主・狩野氏にどの辺がリニューアルしたのか問い詰めてみると、今のところ一番変わったのは、開かずの間だった二階だと言う。そこでミシミシ鳴る素通し階段を上がって二階へ。おぉ!そこには、吹き抜け小部屋と、六畳の部屋の右壁に、たくさんの古本が並ぶ、楽しく嬉しい光景であった。
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今はまだネット販売の古本が分類されて並ぶだけだが、いずれもっと整理を進め、二階もお店として解放したいと言う野望を聞き、少し安心する。「コクテイル」の未来に幸あれ!その後は「七七舎」(2016/02/06)さんや「盛林堂書房」(2012/01/06参照)さんが合流し、いよいよ来週日曜に迫ったトークイベントについても軽く打ち合わせをする。席が残り少なくなっていますので、早めのご予約を何とぞお願いいたします!メインはいつもの古本屋トークと古本屋写真スライドショーですが、軽く古本屋さんとクリーニング屋さんの関係について考察したり、某古本屋さんにかつて存在していた香山滋著作コンプリート棚の写真なども公開する予定です。

『岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集』刊行記念トークイベント
■出演:岡崎武志・小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■開催日時:4月17日(日)17時からスタート(16時30分開場)
■場所:コクテイル書房(杉並区高円寺北3-8-13)
■入場料:1,500円
■定員:20名(完全予約制)
■主催:コクテイル書房、盛林堂書房
■協力:西荻ブックマーク、古書 音羽館
■予約:盛林堂書房にメール又はFAXにて(電話は不可)
Eメール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
FAX:03-6765-6581

また肝心要の前代未聞の「古本屋写真集」も絶賛発売中ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
「書肆盛林堂」→http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca6/193/p-r-s/
■取扱店:「徳尾書店」「ハーフノートブックス」「聖智文庫」「喇嘛舎」「古書 善行堂」「古書ますく堂」「モンガ堂」「古書いろどり」「オヨヨ書林」「古書一路」「北書店」「市場の古本屋ウララ」「古書ビビビ」「古本案内処」「音羽館」「トマソン社」「本の雑誌社」「古書ドリス」「徒然舎」「ハナメガネ商会」「日月堂」「江口書店」「七七舎」…あぁ、まさか「江口書店」さんが販売店に加わって下さるとは。感激です!

ちなみに本日の「コクテイル」では、恐らく戦後すぐの地下出版の「禁慾/小栗荷風」という怪し気なエロ小説を1500円で購入。この小栗風葉+永井荷風みたいな胡散臭過ぎる作者名もさることながら、話が本当にヒドい!最後はムニャムニャな関係になった二人が、『横浜グランドホテル』で伝説のようなアクシデントに遭い、二人折り重なったまま救急車で運ばれるという、誠に間抜けなエンディングなのです。いやぁ、世の中には、まだまだ阿呆な古本があるものですね。
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2016年04月09日

4/9東京・渋谷 book helps

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ハチ公前のスクランブル交差点から『文化村通り』を、大量の人にめげずに突破し、『東急本店』前から北西に進路を採り、さらに渋谷の奥へと入り込んで行く。「古書アップリンク」(2012/11/26参照)の入ったビル前を通り、若者で賑わう「SHIBUYA BOOKSELLERS」(2010/06/17詐称)前も通過する。この谷間の通りは、以前はファッション関連の事務所や、NHK職員のためにあるような食べ物屋が多かったのだが、いつの間にか若者が足繁く行き来するお洒落ショップの温床へと、華麗なる変化を遂げていた。巨大な『白洋舎』前に差し掛かり『神山町信号』を過ぎると、やがて左手にヘアピンで丘の上へ駆け上がる道を含んだ、歪な五叉路に出る。ここで進路を東に採って脇道に入ると、左手に小さな立看板と小さなテラス席を持った、都会的お洒落ショップが見えて来た。ここは『INN』という名の小さなコンセプトショップ&カフェなのだが、只今期間限定で『架空古本屋』を開いているらしいのだ。例え架空であっても、それが古本屋ならば、調査してみなければならないっ!とは言え、中の様子も、どんなお店なのかもまったく不明…外のテラス席で寛ぐ人を見ると、ただのカフェにしか見えないのだが…。恐る恐る数段の階段を下り、三分の一地下的なお店に滑り込む。するとそこは、三方をカウンターに囲まれた、黒とメタリックの劇的お洒落小空間。右のカウンター下には洋服が収まり、正面はレジ&カフェ厨房。そして左に。その小さな架空の古本屋さんが、三十冊ほどの本を一列に並べていた。入った途端に「いらっしゃいませ」と二人のオシャレ男子に声を掛けられるが、その古本に早速取り憑き、とにかく集中したフリをする。古本屋とは言っても、お店に所縁ある人達が、蔵書から選書したものを並べているとのこと。妙に詩集が多いのが面白い。せっかくの縁なので、新たな本と出会って行こうと、一冊のパラフィンに包まれた本を選び取る。甲陽書房「幻の鐘 佐藤一英詩集」。後見返しに挟まれた説明文を読むと、雑誌「児童文学」の編集&発行者で、無名時代の宮沢賢治を見出し、「グスコーブドリの伝記」などを雑誌に掲載した、詩人の作品とある。内容は、戦中に日本から満州までの旅を詩に認めた、『紀行詩』とでも呼ぶべき不思議なもの。作者の経歴と作品に惹かれ、購入する。カウンターの向こうの男子はとても親切で、本の入れ替えや補充がちゃんと行われることや、イベントがゴールデンウィークまで続くことを教えてくれた。

強敵にお洒落だったが、爽やかにスムーズに古本を買うことが出来たので、気分よく代々木八幡方面に歩き、『井の頭通り』を渡って久しぶりの「rhythm_and_books」(2011/08/10参照)へ。サブカル度をパワーアップさせ、さらにカオス度を深めた、それでも白い店内を一周し、ミリオン・ブックス「銀の首飾り/村松梢風」を500円で購入する。後見返しには、おぉ!本日の『古書店ラベル』とでも言うべき未知の古本屋さん、東中野「川久保書店」の濃紺のラベルが輝いていた!調べてみると、駅西口の『山手通り』から『早稲田通り』に抜ける『東中野西口銀座』にあった、社会科学&近代文学に強いお店らしい。入ってみたかった…。
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色々終えて家路に着くが、驚くことに最後の最後にスゴい本が私を待ってくれていた。いつものように阿佐ヶ谷駅から『中杉通り』を北上し、前を通る度に店頭と店内に油断なく視線を走らせる「帰って来たJ-ハウス」(2015/12/26参照)に差し掛かる。土日はいつも朝市と銘打ち、午前十時から店頭に100均箱をたくさん並べているのである。時刻はすでに午後四時。猛者どもが荒らしまくった箱を覗き込んで行くと、最後の箱にナナメに突っ込まれた、大きな古いアルバムのような物を発見する。
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ちょっと気になって、およそ29センチ×40センチの大判本を取り出し、パラパラとページを繰ってみる。すると中は真っ白…なんだこれは?表紙を改めて見てみると、厳めしい金の箔押しで「昭和四年六月 大阪市産業大觀」とある。今度は丁寧に注意深く、ページを繰り始めてみる。するとこの本は、薄い紙と厚い紙が続く特殊な製本で、ちょうど文字や写真が印刷されているページが、圧着するように仮に貼り付いており、パラパラと流して捲るだけでは、何も印刷されていない裏のページだけが、連続して開いてしまっていたのである。だから誰も買わなかったのだろうか…。なので丁寧に一枚一枚繰ってみると現れ始めたのは、八枚の大阪の祭や風俗を描いた絵画と、四十九枚の細密なモノクロ写真であった。そこには、昭和初期の大阪の街!大阪の産業!大阪の工業!大阪の大都市的発展!などが、美しく克明に活写されていたのだ。心が盛大にざわつく瞬間!残り物には福があった、瞬間!これがたったの100円だとっ!ドキドキしながら、その嘘のように重い本を抱えて店内に入り、平野啓一郎風お兄さんに差し出すと、本当に100円で精算してくれた。間違いなくどひゃっほうである。幸せな獲物を大事に抱え込み、早くじっくりと昭和初期の大阪にトリップしたいがために、焦りながら家へと戻る。
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このように説明文と写真が、見開きで対になっている。このページは『殷賑街道頓堀』。
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2016年04月08日

4/8ラベルで出会う未知の古本屋さん

昨日の初日に行くつもりだったのだが、強い雨に怖じ気づいて断念。そこですっかり雨の上がった二日目に、ダイヤの乱れた西武線で北西上し、「小江戸川越 ペペ古本まつり」(2015/11/19参照)に駆け付ける。午前十時を過ぎたばかりなのに、ペペ広場に並ぶ古本テントには、すでにかなりの人が群がっている。よしやるぞ!と、右側からテントの下の古本群を、上に下にぐるり360度に眺め回しながら、奥へ進んで行く。今回のお気に入りは、ワゴンの上に棚を置かず、平面的に本を広げた「ねこや」である。古めの絵本やビジュアルムック・妙な単行本に目を惹き付けられる。おっ、「血と薔薇」の2号3号が各1000円か…。そんな風に楽しみながらも、意外に素早く三十分ほどですべてを見て回る。講談社の絵本ゴールド版「セロひきのゴーシュ」新潮文庫「帽子蒐集狂殺人事件/ディクスン・カー」秋元文庫「冒険推理 ビーナスの首/菅原有一」春陽堂「法醫學教室/正木不如丘」(函ナシ)角川文庫「剃刀日記/石川桂郎」を計1620円で購入する。市は4/18(月)まで。

「剃刀日記」はすでに創元文庫版を持っているのだが、100円と安かったので買うことにした。だがあえて買った理由は他にもある。それは二枚の、古い古書店ラベルが貼り付いたままだったからである。一枚は表見返しの三宿「江口書店」(2010/03/29参照)。もう一枚は最終ページの「押鐘書店」なる、見たことも聞いたことも無いお店のもの。住所は三軒茶屋になっているので、古い古本屋地図帳で調べてみると、『三軒茶屋交差点』南寄りの246沿いに、「古書オシカネ」というお店があるのを発見した。恐らくこれが同店であろう。取扱分野は『学術書・文学・資料・諸雑誌』とある。「江口書店」と「古書オシカネ」で売られていたということは、この本は長らく三軒茶屋の住人に買われ、三軒茶屋で売られ、その周辺を彷徨っていたのではないだろうか。それが今、埼玉で買われて(浦和「利根川書店」(2010/08/07参照)ワゴンより購入)、東京に帰還。いずれまた、まるで故郷に戻すかのように、三茶の何処かに売りに行こうか…。

そして古書店ラベルと言えばもうひとつ。相変わらず性懲りもなく、日々「ヤフオク」内も彷徨っているのだが(2015/11/10参照。それにしても最近落とせないことが多くなった気が…)、最近落札した本にも見慣れぬ古書店ラベルが貼り付いたままであった。本は日曜世界社「賀川豊彦童話集 馬の天國」(昭和八年初版。背に虫食い跡があるが元パラ付き。これはラッキーなことにライバルが誰も現れず、無事に1000円で落札)である。後見返しの元パラ巻込み部分に、正方形に近い緑のラベルがうっすら隠れている。パラフィンを優しく捲ると、店名は「ミツビシ」。コピーは『學生諸君の店』とあり、場所は『京都同志社前』と書かれている。同志社前ということは、『烏丸通』沿いの「澤田書店」(2015/12/25参照)近くにあったのだろう。だが、こちらはいくら調べてみても、何の情報も浮かび上がらない。同じ京都の「そろばんや」(2016/03/30参照)は、あんなにも簡単にたくさんの情報が掴めたというのに。相当に古いお店で、遥か昔に商売を辞めてしまったからだろうか。よし、次京都に行った時に、「善行堂」さん(2012/01/16参照)に質問してみよう。

それにしても、本をまだ読み切らずに、小さな小さな古本遺跡のような三枚の古書店ラベルだけで、これだけ楽しめるのだ。もう本の元は取ったようなもだが、さらにいったいどんな店構えで、棚造りや店主まで妄想し始めると、なんだかいてもたってもいられなくなってくる。……ちょっと散歩がてらフラフラ足を延ばし、古本屋さんに古本でも見に行くとするか…。
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2016年04月06日

4/6東京・羽村 まいまいず文庫

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青梅線で東京の奥へ、奥へ…。東口に出ると、空が大きく疎らに桜の樹が並ぶ、郊外のロータリー。右手の大きな『西友』脇を曲がり込むようにして、南南東に進む。左手に神社の敷地と桜を見て、二本目の脇道を東北東へ。すると左手白いマンション型集合住宅一階右側に、青梅線沿線に勇気ある古本のそよ風を巻き起こし始めたお店を発見する。店構えはシックな木材で化粧され、両翼には小さな安売本コーナーが置かれている。黒板式の立看板には『本と喫茶』と大きく書かれ、さらに『売ってます 買い取ります』と共に喫茶メニュー(ビールあり!)が書き出されている。ドアを開けるとチリリンと上品なベルが鳴る。店内は細長く、手前が古本屋スペース、奥が喫茶スペースになっている。お客さんが二人座っており、左奥のカウンター帳場から今までお客さんと『オノマトペ』について話し込んでいたご婦人が、「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。古本屋と喫茶店、それぞれだけでも利用出来るようだ。入口横から左右の壁際に様々な棚やラックが、シックに統一感を保ち展開。中央には小さなテーブルと、上に本棚を乗せた大きなテーブルが、縦に連なっている。入口右横はガイドと100均本から始まり、右壁に暮らし・食・旅・詩集・文学復刻本・日本文学アルバム・評論・最近の女流文学&セレクト日本文学・海外文学・美術・映画・写真と続く。中央の小テーブルには食エッセイ本が飾られ、大テーブルには新刊と共に100均文庫&教養系文庫が集まる。入口左横は児童文学と絵本が固まり、「星の王子さま」関連・雑貨・東日本大震災関連・新書・ミステリ&エンタメ・現代社会&社会問題・宮本常一・自然などが並んで行く。奥の喫茶スペースには、非売品の郷土本などを集めた棚も置かれている。新しめの本が中心の、女性寄りのセレクトブックショップである。だがその眼差しは濁りなく、ちょっと硬めの芯ある棚造りが為されている。値段は普通。小学館 神保町シアター叢書1「成瀬巳喜男の世界」大日本文章學會「ファウスト/森田草平」(函ナシだが、恐らくこのお店にあった一番古い本である。嬉しい安値であった)を購入しながら、ご婦人にお店がいつ出来たのか聞いてみると「2015年の9月から」とのことであった。これからも青梅線古本文化を、末永くよろしくお願いいたします!

目的を無事に果たしたので駅に素早く戻っていると、その途中で店名の由来を突然知ることになる。『西友』脇の『五ノ神社』の塀に『史蹟 まいまいず井戸』の看板を発見したのである。これが店名の由来か…そう確信して、あまりに可愛らしい名の井戸を目にすべく境内に入ると、一角に柵に囲まれた大きな擂り鉢状の窪地があり、底である中央に井戸が掘られていた。その井戸に至る小道が、“かたつむり(まいまい)”の殻のような螺旋状なので『まいまいず井戸』と名付けられたと、説明板には書かれていた。古くからあるもののようだが、可愛らしい名とは裏腹に、その姿はまるで突然現れた黄泉への入口や、古代祭祀場のようで、ある種の敬虔さすら湛えている。しばしその不可思議な光景に圧倒されながら、転ばぬようにぐるぐるとまいまいずを下り、深い井戸を覗き込む。そこにあるのは、深く何処かにつながっているような、丸い漆黒の闇。つい小石を投げ落として深さを知りたい誘惑に駆られるが、ぐっと我慢して立ち上がり、空を仰ぐ。そこにあるのは、窪地に切り取られた、対照的に明るく丸い空。まだ散らぬ桜が、あまりにも幻想的で美しい…。
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2016年04月05日

4/5群馬・国定 エイト

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小山駅で両毛線に乗り換えると、穴蔵のようなホームの片隅には、去年閉店した立食い蕎麦屋の簡素な店舗が、まだ残っていた。碗を受け取ると、蕎麦の匂いとともに湯気が立ち上がる両手の中を思い出し、ボタンを押して電車に乗り込む。揺れる車体で、とても春とは思えぬ曇天下の北関東を東西に横断し、伊勢崎駅のひとつ前で下車。駅前に、駐車場と駐輪場と自動車屋しかない、小さなロータリー。目の粗いアスファルトの上をトボトボ歩き始め、まずは線路沿いに西南へ。踏切脇の『この先大型車両通り抜けできません』と看板のある小さな道に入ると、カーブ途中の街道と合流する。その先の、今度は頭上に『県立精神医療センター』と案内のある道に入り、西へ。約200メートルでたどり着く、大きな敷地の『県立精神医療センター』の桜並木と前庭は、まるで映画のワンシーンように隙無く美しく存在していた。そこを過ぎると、黒土の畑と工場と農家と住宅が立ち現れ、時折この地方特有の長い並木のような防風林が、道にクロスする。医療センターから1.3キロも来れば『市場町2丁目交差点』。ここから、だれもいないスロット店や焼肉屋、風俗路面店などを眺めながら300mほど南に進むと、左手に『ソニックランド』と掲げられた、明らかに元パチンコ店な巨大店舗が、ぬぬっと姿を現す。広い駐車場前には『焼きまんじゅう・焼きそば』の幟がはためき、建物の右横っ腹には確かにその販売所が付属している。しかしメインは古本やDVDを商っているはずなのである。ウィンドウには主婦向け&子供向けのメッセージが多数貼り出されているが、一番気になったのは『家族で楽しむ♪陸水空ラジコン』…確かに楽しそうだ、ラジコン一家…。広いエントランスに入り、天井が高くさらに広い店内に進むと、客の姿の皆無な空間に、電子チャイムの音が虚ろに鳴り響く。すると左手から、エプロン姿の会社役員風壮年男性が現れ「いらっしゃいませ」とバリトンボイスを聞かせてくれる。目の前には、高い白木の棚が横向きに林立している。左はおもちゃ・雑貨・帳場ゾーンで、右側は壁も含めて古本ゾーンとなっている。だが、そのほとんどが面陳の女性向けムック・ビジュアルムックで、惑わすように雑誌・漫画雑誌・ビジネス書・エッセイ・ゲーム攻略本・バーゲン本・絵本が紛れ込んでいるのである。左手にはコミックばかりがしっかりと集まっている。奥へズイズイ進んで行くと、右寄り五本目の通路に単行本&文庫通路をようやく発見。小野田少尉・有吉佐和子・歴史・ラノベ・ちょっと古めの日本文学文庫・五木寛之・山手樹一郎・松本清張・吉川英治・司馬遼太郎などなど。さらに奥には大量のシングルCD面陳棚と、またもやムック&LPレコードラックが続く。それに、奥の広大なアダルト空間入口周りには、アダルト序章的なソフトな本が集められている。ムックに物凄く力を入れた、珍しいお店である。何故こんなにもムック本を、ひたすら丁寧に執拗に面陳しているのだろうか。それは奇観と言って良いほどの、ある意味非効率な光景なのである。値段は安め〜普通。講談社「妹たちのかがり火 戦死した兄さんを悼む/仁木悦子編」(兄を戦争で失った妹たちの文集、筆者のひとりの献呈署名と、重い手紙が挟み込まれていた…)を購入する。
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2016年04月03日

4/3「コクテイル」は懸命に改装中!

動き出し遅く、午後にダラダラと歩いて高円寺方面へ。途中『馬橋公園』に立ち寄ると、満開の桜の樹の下には、多くの花見グループが陣取り、みな幸せそうに酔っ払っている。雄叫びを上げて興奮する若者もおり、隣りの運動場の少年野球の歓声と混じり合い、公園の中に人の蠢く気配が充満。そこをただ通り抜けただけなのだが、花見というよりは浮かれる人々を目の当たりにし、ハレの場というものをちょっと実感する。公園を抜け出て再び静かな住宅街の中をカクカク進み、やがて「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)。店内の床に「こどものとも」「かがくのとも」が入った箱が置かれているのを発見し、丁寧に繰って行く。福音館書店かがくのとも「こっぷ/谷川俊太郎・文 今村昌昭・写真」「じてんしゃ/山本忠敬」こどものとも「クリーナおばさんとカミナリおばさん/西内みなみ・さく 堀内誠一・え」を計600円で購入する。さらに休日の街歩きで賑わう商店街を進み、『西部古書会館』で「BOOK&A」展へ。「アカシヤ書店」(2011/10/13参照。そういえばこのお店はついこの間放送したNHKBSプレミアムのドラマで金子ノブアキが店主の古本屋さんとして登場していた)の古書の波に魅せられながら、文庫クセジュ「探偵小説/ポワロ=ナルスジャック」青木書店「山谷放浪記/小島烏水」を計515円で購入する。

ある程度ダラダラと古本を買ったところで、そういえば今度トークイベントでお世話になる「コクテイル書房」(2010/04/25参照)は、現在どんな状況になっているのだろうか?軽い野次馬根性を発揮して、『中通り』を進み、お店の様子を探りに行くことにする。通りの終り近くで見えて来た古家店舗は、以前の佇まいそのままで残っている。だが、閉じられた入口横に一枚の貼紙があり『都合により四月八日までお休みいたします』と書かれている。あっ!路地の奥では、シャツ一枚の店主・狩野氏が、椅子を前に何やら作業の真っ最中。近寄り挨拶をすると、古い椅子のクッション部分をラジオペンチでむしり取っていた…う〜ん、DIY!料理もするが、大工もするのか。聞けば、つい最近までインフルエンザで寝込んでおり、本日よりようやく改装作業に取りかかっているとのことであった。改装開店まで残すところ、後五日余り。恐らく作業は急ピッチで進むのだろうが、とにかくいったいどんな風に変身するのかが、誠に気になるところである。
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左奥に小さく写っているのが、作業中の狩野氏。なんだか冷たい風が吹いてきたので、シャツ一枚で風邪がぶり返しませんように。

テクテク歩いて阿佐ヶ谷まで戻り、懐かしく猥雑な『阿佐ヶ谷一番街』を通り抜けて行く。すると恥ずかしいことに、「古本屋写真集」P42に掲載(岡崎武志氏撮影)された「栗田書店」の建物が、未だに取り壊されずに、そしてさして荒廃もせずに残っていることに、初めて気付く。北側の「川村書店」(2013/03/11参照)が建物として今でも残っているのは知っていたが、そうか、「栗田書店」もそうだったか…。
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これが現在の意外に端正な元「栗田書店」。隣りはコインパーキングになってしまっている。
posted by tokusan at 18:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする