2017年02月28日

2/28三月四月も色々あります。

夕方にちょっと『五日市街道』の西荻窪に通りかかると、あっ!2016/08/06に店頭しか見られなかった古道具屋「CENTURY HOUSE」が、堂々開いているではないか。しかしお店の入口では、常連さんらしき男性と、初めて見るリサイクル的に砕けた植草甚一風店主が、熱心に話し込んでしまっている…ぐむぅ…お店の中も見てみたいのだが…。取りあえず店頭古本棚を熱心に眺めつつ、チャンスをうかがう。だが話が終わる気配はまったくない。仕方なく100円の創元選書「宿命/萩原朔太郎」を手にして、二人に近付く。すると会話が止まり、店主が手にした本に視線を移し「100円ね」と言われる。百円玉を渡しつつ、ここは思いっきり正攻法で「お店の中、見せてもらってもいいですか?」と聞いてみる。店主が移動して入口を開けながら「いいよいいよ」。ついでに「中にも本はありますか?」とさらに聞いてみると、何故か店主ではなく常連さんの方が「中にはないない」と答える。だがせっかくなので、入れてもらう。通路が二本の店内で、ケースや棚に様々な物品が詰め込まれている、まさに古道具屋的光景。棚だけ見ると、外からの印象と違い、わりとてが入っている感じ。だが!この通路に積み上がる古着の洪水はなんなんだ!入口から一メートル入ったら、もう進むことは出来ない。ちょうど通路の交差点を中心にして、古着が行く手を阻んでしまっている…とても踏み越えて行くわけにはいかないので、諦めて踵を返し、再び入口に立ちはだかっている店主の背に「ありがとうございました」と声をかける。振り返る店主。「中、入れないじゃないですか」と笑いながら言うと「そう。入れないんだよなぁ〜」と当然の如く返して来た。常連さんも、それを聞いてニヤついている。店頭前から、歩行者信号が青になった横断歩道を渡る途中で振り返ると、あ!店主が店の中に戻り、古着の山を踏み付けて奥に入って行くところ…あぁ、何かネジが緩んだような、おかしな夕暮れのひと時である。
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さて、三月四月も様々なイベントに参戦しますのでお知らせいたします。
1. 『本のフェス2017 本の雑誌商店街』
■日時:2017年3月12日(日)10時〜19時
■場所:日本出版クラブ会館
〒162-0828 東京都新宿区袋町6
http://www.shuppan-club.jp/
■主催:本のフェス実行委員会/読売新聞社
https://ja-jp.facebook.com/honnofes/
http://www.cpfine.com/honnofes.html
昨年、京都造形芸術大学外苑キャンパスで初開催した「本のフェス」ですが、今年もパワーアップして開催決定! 時は3月、場所は神楽坂に移し、街全体を本のイベントにする予定です。そして今回も会場の一室を「本の雑誌商店街」として、著者、古本屋さん、古本者さん、出版社などなど、本好きみんなが集まり、売りたい本を並べ、その場でコミニュケーションを取りながら販売いたします。

というわけで、著者&古本者として参戦いたしますが、古本+古本屋や古道具屋や骨董市で買ってしまった、買ったはいいが持て余し気味のおかしな物たちを持って行こうと考え中。ついついメーターを振り切り過ぎて、もしかしたらひとつも売れないかもしれません。そんなおかしなお店で、みなさまのお越しをまたもやお待ちしております。

2. 『鬼子母神通り みちくさ市』
■日時:2017年3月19日(日)11時〜16時
■場所:雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ
■お問合わせ
michikusaichi●gmail.com(●をアットマークに変えて送信してください)
みちくさ市本部 携帯電話:090−8720−4241
http://kmstreet.exblog.jp/

こちらはどうにか、やはり古本だけで参戦するつもりであります。私の蔵書は、二月の大放出古本市ですっかり枯渇してしまっているのか?それともまだまだ古本鉱脈は有望なのか?どうかその目で確かめに来ていただければ!

3.「ある怪書好き会社員の軌跡」 トークイベントvol.1
■『怪書探訪』著者 古書山たかしさん、古本屋ツアーインジャパンの小山力也さん、盛林堂書房店主 小野純一さんによるトークイベントを開催!
http://www.kosho.ne.jp/news/news_info170213.html
■日時:2017年4月7日(金)開場18:00 開始18:30〜20:00
■場所:東京古書会館 7階会議室
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目 東京古書会館
■入場料1000円(現金のみ) 事前申込 先着100名様
■3月6日(月) 午前10時 予約開始! http://www.kosho.ne.jp/event/2017/s/page2.html

あの天下の奇書「醗酵人間」が欲しいあまり、コピーをを手作り製本してしまった伝説の男が語る古本愛!…まぁ恐らく私は、古書山氏と小野氏の濃厚な話には、何光年も置いてけぼりを食らうと思うので、暴走する二人を御する司会的役目に徹する覚悟で臨みます。楽しそうだけど、疲れそうだなぁ…また、帯の話とか、カバー異装版の話とか、ず〜っとするのかなぁ…。何はともあれこちらもひとつよろしくお願いいたします!
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2017年02月27日

2/27 2DAYS

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一昨日は、一日目を終えたらすぐ家に帰り、ひたすら補充分の古本の堀り出しと値付作業に没頭する。何人ものお客さんに「明日は補充するんですか?」「どのくらい補充するんですか?」「全部入れ替えるんですか?」などと聞かれ、二日間開催という重圧を改めて感じてしまったので、その期待に応えるためにも、どうにかして本の量を増やすとともに新味を醸し出さなければいけない!と悲愴な覚悟を決めつつ、作業は深夜二時までにおよぶ。結局出来上がったのは大小十五本ほどの、ありったけの精鋭部隊(図録多め)であった。…これだけか…情けない…。布団の中にのめり込んで泥のように就寝し、二日目の朝に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に本と身体をピックアップしてもらう。相変わらず二月の冷え込みををシンシンと感じる西荻窪『銀盛会館』内で、独り補充分を棚につぎ込んで行く。気まぐれに新保博久教授が作った両サイドの『怪奇本コーナー』(こちらはわりと女性に売れて行ったので驚きました)『虫本コーナー』(香山滋の「悪魔の教科書」には『人間うじ』が載っているということで一員に)はそのまま維持し、午前十時半には設営完了。昨日同様館内の掃き掃除をし、今日はさすがに人は少なさそうだな…とボンヤリ考える。ところがそんな意に反して。十分前にはシャッター前に、あの頼もしい古本修羅&古本神が大集合してくれていたのだ!おぉ、みんな!みんなっ!と大きな感銘を受けてしまう。と同時に、彼らの古本を求める期待に応えられる棚を創り得たのか、まるで死刑執行を待つ絶望的気分にも陥ってしまう。シャッターがンガランガラ上がって行く途中で(上がりきったら入場可能になるシステム)、「本日二日目です。よろしくお願いします」と挨拶をすると、何故か暖かな拍手がバラバラと巻き起こった。私がなし得た、何かへの礼賛の拍手なのであろう。その奇妙な暖かさにここでも不覚にも、ちょっと感動してしまう(ちなみに拍手をしているのは、すべて見事なまでのオッサンなのである)。しかしその後はそんな感動を吹き飛ばす、昨日見た光景であるはずの、左奥での古本奪取戦闘シーン!…あぁ、でもこれでいいんだ。みんなが求める本を、どうにか再び並べることが出来たのだ。ホッと胸を撫で下ろし、死刑台からすっかり遠退き安堵する。その嵐が一時間ほどで過ぎ去ると、さすがに昨日とは違ったのんびりした時間が流れて行く。昨日今日での商店街の人の流れの違いもあるのだが、それでも通りすがりの人も陽気のせいかフラリと迷い込み、100・300・500均もそれなりに売れて行く。午後四時からは『500円以下100円タイムセール』も敢行し、最後にもうひと盛り上がり。ちょうど午後六時に流れが絶えたのを見計らい、冷たい夜気を断ち切るようにシャッターを下ろしてイベントを終える。ど、どうにかこうにか走り終えた…駆け抜けられた…。本当にみなみなさま、ありがとうございました!全国から集めて来た良書&駄書をお買い上げのみなさま、大事にしていた掘出し物を継承していただいたみなさま、何も買わずとも足を踏み入れてくれたみなさますべてに、心の底から感謝いたします。この二日間は、曲がりなりにも自分の夢である古本屋と言う店舗を持ったことになるのだが、そんな実感はさらさら皆無で、ただただ商品としての古本を掘り出し値付けすることと、それらをグルグル結束すること、会場に運び込むこと、並べること…これらだけで手一杯になってしまった感がある。本当はもっとしっかり本を吟味準備し、クリーニングにも手を施し、見せる棚造りもするべきだったのだが、時間がやはり圧倒的に足りなかったのだ。だからその時間の無さと手間の大変さから、当初は一回目に運び出した分プラス、キモの本をうまくディスプレイして、それっぽい会場にしようと、軽く考えていたのである。だが、今回のイベントの後援である盛林堂・小野氏から、常に「準備してる?」「これじゃあ本が足りない」「催事は甘くないよ」「思ったほど売れないよ」「もっとボリュームを」「この倍」「後二十本」「二日間とも補充しないと」「予備の本は?」「後何本作るの?」などとお尻をバンバン叩かれ続けた結果、あのそれなりの会場になったわけである。最初は「本職じゃないんだから」などと不遜に思い、そこら辺を巧く誤摩化そうとしていたのである。だが結果としては、誤摩化さないで良かったと、スパルタ的古本屋教育を施してくれた小野氏には、盛大に感謝している。何たってちゃんと売れた。会場内に人が長く足を留めてくれた。会場がちゃんと混み合った。そんな事柄がうまく重なり、二日間で計830冊を売る結果となったわけである。こうなると、もしかしたら頑張れば、これで食べていけるのではないか…などと愚かにも考えてしまうのだが、まぁそんな甘いものでないことは分かりきっている。だが、甘い夢を見ることは、とても楽しく幸福なのである。

市終了後は、フルスピードで撤収作業に入る。本を縛りやすい大きさに積み重ねて集め、縛って行く。同時に空きスペースを広げて行き、什器を片付けて行く。売れ残った本は、ほんの一部を除き、すべて買い取ってもらうことにしている。そんな風にして精算作業も含めすべてが終了したのは、午後八時前。二日間お世話になった会場に別れを告げ、駅近くで盛林堂夫妻とささやかに打ち上げる。

さて、それではこの古本市を開催した結果、肝心要の我が家は、『人間としての住居』を取り戻せたのであろうか?今回およそ二千冊余りの本を運び出したことで判明したのは、我が家の蔵書量である。消えた本は目算で、およそ四分の一くらいであろうか。つまり元は八千冊ほどで、現在はそれが六千冊くらいになったのではないだろうか。だが、これでは残念ながら、それほどの変化は起こらない。古本山は小さくなったり低くなったりしたが、山は山として厳然と存在しているのだ。取りあえずは小さくなった山を合体させて、少しは生活スペースをを奪還するようにしたいものである。…人としての住居が戻る日は、まだまだ遥か遠いようだ…。
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これは居間の西南角にある山。高度が下がりだいぶ安定性が増した。
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こちらは居間北東の山。扉の開け閉めがしやすくなった。
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キッチン隅の山。高度が下がり、圧迫感が消滅。
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仕事場の山1。「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」を見ていただければ分かると思うが、手前の文庫の壁が激減した。その後に隠れていた本体も少し低くなり、部屋の見通しが良くなった。だが、なんだがガタガタに採掘した採石山のような不格好さが悲哀を誘う。
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仕事場の山2。乱掘により、ガタガタのヒドい状況に。だが大きさにそれほど変化はないのが不思議である。まぁちゃんと整理すれば、それなりに縮小するのだろうと考えている。

とこんな風に本が減ったのに、朝一番で「ささま書店」(2008/08/23参照)に向かい気持ちよく買物してしまう。桃源社「極楽とんび(上)(下)/宮本幹也」(ともに帯付き)新潮社「ぬいぐるみさんとの暮らし方/グレン・ネイプ 新井素子・土屋裕共訳」K&Kプレス「光は新宿より/尾津豊子」となかなかの本たちと出会い、興奮。他に青林堂「「無能の人」のススメ/竹中直人責任編集」を手にして計525円で購入する。
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2017年02月25日

2/25 1DAYS

本当に、誰も来ないかとシャッターが開くまで、心は落ち着かず常にヒヤヒヤしていたのだが、午前十一時の開場とともに、素晴らしき古本修羅(いつものように古本神含む)がドドドと雪崩れ込み、古本が乱れ飛ぶ天国のような光景が目の前に見事に広がり、歓喜するとともにホッと胸を撫で下ろす。
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無事に旅立ち、収まるところに収まってくれた、全国から集めて来た古本たち。新しいお家で幸せになるんだよと、そっと心中でむせび泣く。本日会場にお越しのみなさま、切に大感謝いたします。だがしかし!今回の古本市は2DAYSなのである。無事にどうにか午後六時まで駆け抜けた後は、さっさと家に舞い戻り、補充分を準備して値付けする作業に没頭する。
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疲労も蓄積し、何度もアタックした自宅内の古本山から補充本を掘り出すのは困難を極めるが、明日のために、明日来られる古本修羅のために、良い古本をちゃんと準備しなければいけないのだ!そう自分に厳しく言い聞かせ、手を動かし続ける…というわけで、明日も西荻窪で手ぐすね引いてお待ちしております。そして明日は、二日間の感謝を込めて、市終了二時間前の午後四時から、500円以下の本をすべて100均とし、タイムサービスセールを敢行いたします!もうとにかく、人間としての住居空間を取り戻すために、最後の最後まであがく所存です。それにしても、もはや眠い…果たして無事に値付けを終えることが出来るのだろうか…催事ってものすごく大変だ…古本屋さんって大変な仕事だ…と言うわけでみなさま、明日も西荻窪にて、古本笑顔でお会いいたしましょう!

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582
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2/24準備完了っ!

今日は朝早くから「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の手を煩わし、第二弾の古本市用の本を二十本強運び出し、後はひたすら『銀盛会館』に缶詰になり、命を懸けて誠心誠意値付けする。だがその前にちょっと開店直後の盛林堂に立ち寄ると、最近まったく目を離すことが出来ない、本棚探偵の「ひとたな文庫」に、新たな補充が為されている。『本棚探偵シリーズ』の挿画原画がしれっと並んでいるのに度肝抜かれるが、一番心を鷲掴みにされたのは、常に恋い焦がれている九鬼紫郎のグルメ探偵・白井青児シリーズの一冊「魔女を探せ」がラインナップされていたこと!裸本だが構うもんか!すぐさま手に取り値段を確認すると、破格の二千円!喜んで今回も本棚探偵に膝を屈し、本日の盛林堂の一番客となって購入する。
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その後はちゃんと会館に閉じこもり、およそ八時間を底冷えするガレージで震えながら、値付けに大真面目に従事する。すっかり夜になって、艱難辛苦してすべてを終えたところに、お店の営業を終えた盛林堂夫妻が姿を現し、すぐさま会場の設営に取りかかる。その結果、こんな風な立派な光景となりました。
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本は雑本的ではありますが、100均・300均・500均を大量に取り揃え、探偵小説・文学散歩・建築・写真を中心に、わりと強固な本も安値でディスプレイしております。なので、なのでみなさま、明日明後日はどうか西荻窪の、たったひとりの古本市を冷やかしに来て下さい!よぅし、こうなったら明日、目玉商品として稲垣足穂の手紙も持ってくぞ!ではではみなさま、明日お会い出来るのを、心の底から楽しみにしております!

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582
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2017年02月23日

2/23古本市2DAYSの準備はスパルタ式!

一週間前と同じく、国立で野暮用をこなすと、やっぱり陽の落ちた駅南口。当然の如く、ビルのエントランス通路を店舗としている「みちくさ書店」(2009/05/06参照)の明かりに吸い寄せられる。
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入口から奥までの壁棚を見た後に、地下一階の店舗にさらに吸い込まれる…相変わらず堅固な棚造りだ…。真ん中棚の上に500均の「古通豆本」が集まっているのを見付け、ちゃんと袋付きの日本古書通信社「明治の貸本屋/沓掛伊佐吉」を購入する。そしてユラユラと阿佐ヶ谷に戻り、「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚に目を凝らす。補充に出て来た若奥さまと挨拶を交わした後、入口右横の棚でコミックやソフト本に挟まれた、肩身の狭そうな古いハードカバーの裸本に目が留まる。引き出すと、アニメーションの専門書であった。ずっしりとしたその本を開くと、アニメ制作の理論と実践が横書きでしたためられているのだが、大量に掲載されているアニメの白黒写真がエクセレント!1930年代〜1950年代の見たこともない海外アニメのスチールばかりで、CMアニメを中心に劇場用CM&オープニングアニメや実験アニメや人形アニメまでもが余すところなく載っていて、見ているだけで楽しいのだ!と言うわけで、昭和三十八年刊の東京中日出版局「アニメーション 理論・実際・応用/ジョン・ハラス ロジャー・マンベル」を103円で購入する。…週末の古本市で売ろうと思っていたが、これはもうしばらく手元に置いて、じっくり愛でることにしよう…。
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家に帰ったらいよいよ今週末に迫った古本市の準備にしゃかりきになる。先ほども「盛林堂」小野氏から電話があり、第二弾として準備した本の大体の量を伝えると、あの会場でちゃんとした市にしたいのならば、もっともっと用意しなければいけないと、ビシビシ指示されてしまった。盛林堂は、わりとスパルタ式なのである。というわけで、もう何度目のアタックになるのか不明だが、自宅各所の古本山に挑み、根性で本を選り分けて行く…これも。これも。これも。これも。これも!完全に自分のキャパを超えた量の古本たち…まぁこのくらいやらないと、本は減らないし、確かに二日間古本を売ることもおぼつかないだろう。もっと、まだ、がんばるんだ!そんな風に作業をヒイヒイ進めながら、いよいよ明日は第二回目の本の搬入と、会場設営と相成ります。おかげで本の山はだいぶ標高を下げたが、まだまだ本が足りないって言われるかも……。古本市って、大変なんだな…。
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2017年02月22日

2/22グラノーラ専門店と懐かしもの屋で古本を買う。

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●上井草「井草ワニ園」
各駅の西武新宿線から、ピンクと白の壁と柱のホームに足を突き出すと、わりと段差があり、油断していた踵に軽い衝撃が走る。ホームベルは『機動戦士ガンダム』。コンクリタイルがアーガイルに埋め込まれた、古いタイプの駅の南口から街に出る。駅前は道路で、東に進めば線路とともに直線に延びて行く『上井草商店街』の入口である。所々下ろされたシャッターにガンダムが描かれており、すぐにアニメ制作会社『サンライズ』のビルも左手に出現する。真っ直ぐ、何のてらいもなく駅から150mも歩けば、道は徐々に下り坂になり始める。そこで右手を見ると、白くシンプルなガラスウィンドウのお店…一見カフェのようだが、その機能も有する“グラノーラ”専門店とのことである。そして店頭には、古本箱が置かれているのである。数段のレンガタイルステップを上がり、白いテント日除けの下の箱をのぞき込む。料理・食・暮らし・絵本など。100均と言うわけではなく、表4側見返しに、糸付きの値段タグが貼付けられており、そこに各々の値段が書かれている。店内はほぼカフェのようだが、すぐ目の前のウィンドウ越しに本棚の裏側が見えているので、勇気を奮ってドアを開ける。ゆったりしたと言うか、情報量の少ないガランとしたイメージの空間である。左がカフェスペースで、正面に厨房カウンター、そして右側壁面に結構本棚が並んでいる。右寄り手前フロアに固まる絵本箱やセレクトコミックで作られた通路に入り、まずは入口右横の棚に目を凝らす。そこには『並んでいるのは古本です』のカードがあったので、本を手に取り開いてみると、見返しにあったのは「古本 一角文庫」のラベルであった。ここは、一角文庫の出張販売棚なのか。この居候なのに意外に多い本の量は、まるで立派な一角文庫の店舗のようではないか。入口右横は旅や街の本から始まり、田辺聖子・村岡花子・高峰秀子・岩崎ちひろ(一段分。ご近所に『ちひろ美術館』があるためか)・100〜300円コミック、そして小さな絵本棚。右壁沿いには、セレクトコミック・暮らし・お洒落・絵本・レコード・植草甚一・本&古本・日本文学・海外文学・幻想文学・美術・映画・現代思想・漫画研究&評論などが並ぶ。キレイ目な本が多く、空間に合わせたライトなこだわり棚造りが為されている。値段は普通。結局グラノーラはいただかずに、カウンターで本の精算をお願いする。向こうから顔を覗かせたのは、ファッショナブルなインパルス板倉風メガネお兄さん。タグ付きは自分の本で(カウンター下に食&音楽の個性的な棚あり)、他は定期的に入替補充も行う一角文庫のものであることの説明を受け、さらに一角文庫の活動内容についても詳しくレクチャーされる。一角さん、幸せなお店に本を置いてますな。主婦の友社「60年代郷愁の東京/本橋信宏」集英社「学習漫画 くらしの相談室」を購入し、ホットなジンジャーシロップお湯割を振る舞われる…美味しい!

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●阿佐ヶ谷「1960年代専門店 甘辛人生劇場 懐かし屋」
のどを生姜でヒリつかせながら、その後は新宿に出て用事をこなし、さっさと阿佐ヶ谷に帰り着く。買物を済ませたり、古本屋の店頭を冷やかしたりしながら、『中杉通り』西側歩道を北上して行く。谷を超えて坂を上がり、駅からはおよそ700m弱の地点。昨年末から開店準備を進めていたアンティーク&懐かし玩具店が、いつもは『Close』の札を出しているばかりだったのに、今日は『Open』になっているじゃないか。これは、やっている!ちょっとガラス越しに店内の様子を透かし見た後、本日二度目の勇気を奮って店内へ。整然とガラス棚やガラスケースに、大量の玩具やキャラ物やアンティークが飾られている。そして壁面に並ぶクラシックな掛時計たちが、ガチャガチャチクタクカチカチと時を刻むオーケストラを奏でている。左奥に帳場があるようだが、誰もいない…と思っていたところ、突然「いらっしゃい」の声がそちらから聞こえて来た…あっ!白髪白髯眼鏡の店主が、ちゃんと帳場にいるではないか。どうやら店内の情報量があまりに多過ぎ、店主を人として認識出来なかったようだ…。実はここは下北沢から移転して来たお店(2013/09/19参照)で、以前は残念ながら何も買うことが出来なかった思い出が。果たして今回は…。壁に飾られた紙物(新宿『どん底』の歌集なんてものが!)や、大小様々なソフビに目玉が吸着するが、肝心の古本は見当たらない。うむぅ〜、残念だなと思っていると、ガラスケースの下の隙間に、薄く横並びに隠されたように本が詰まっているのを発見!我慢出来ずに「下の本、見せてもらっても良いですか?」と聞くと「どうぞどうぞ。ちょっと手が汚れるかもしれませんけど…」「いや、構いません!」となったので、堂々としゃがみ込み、優しく本を引っ張り出して行く。浮谷東次郎・のらくろ関連・古い漫画・雑誌付録・映画パンフ・ソノシートなどがあるが、一番多いのは玩具系のガイド本である。だが、見たこともない良い一冊を掘り出せたので、値段を問うてみると、何と500円だったので喜んで購入する。購入会話を交わしながら、流れで古本好きであることを明かし、時々見に来ることを約束する。鶴書房「のらくろ先生の観葉植物/田河水泡」を購入。
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田河先生のオリジナル観葉植物の楽しみ方をしたためた本であるが、中にはのらくろイラスト(描き下ろし)が満載。遠い世界の果てのような、園芸ギャグ四コマ漫画(もちろん主役はのらくろである)までが収録されており、まるでのらくろ外伝に出会ったような喜びが迸ってしまう。
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2017年02月19日

2/19「あやかしや」をもてなした後、「書原」に別れを告げに行く。

夜に、大市のために上京した広島の古本屋「あやかしや」さんをもてなすために荻窪へ向かう。おもてなしの発案者は古本神の森英俊氏である。午後七時が開始時間だったのだが、仕事が押して遅刻したのを幸いに、夜の「竹陽書房」(2008/08/23参照)をこっそりと訪れてみる。
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おっ、今日の店番は店主夫婦ではなく、時々帳場に座り留守を預かっている老紳士か。では、店主の鋭い視線を気にせず、おおらかに買物が出来るぞ。やけにすっきりした店内だが、通路には市で落札して札を入れる封筒が付いたままの古本束が積み上がっている。そんなものをちょっと気にしながら、扶桑社「大船日記 小津安二郎の思い出/笠智衆」日刊工業「宇宙2025年/パトリック・ムーア」を計800円で購入し、もてなし会場の串カツ屋に駆け付ける。もてなすとは言っても、当然のことながら古本者ばかりが集まっているので、延々果てることのない古本話に終始する。最終的には、いつまでも堂々巡りで出口の見えない帯の話にぐったりしてしまう…いや、確かに面白いのだが、よくもまぁ、帯だけで一時間以上も話せるものだ…。そしてドサクサに紛れて、野村宏平氏につい先日発掘に成功した(2017/02/16参照)動物推理小説「ピースランド殺人事件」に厚かましく署名していただく。
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やった!これで古本の格が急上昇!聞けばこれはゲームのノベライズで、編集部に無理矢理執筆を依頼され、苦しんで苦しんでどうにかでっち上げた小説ということであった。そんな黒歴史的著作に署名していただき、ありがとうございます!ちなみにこの文庫、誰も持っていないと思っていたら、同席した「古書いろどり」(2015/12/12参照)彩古氏が「ボク持ってるよ」とさらりと宣った。うぅむ、さすがは古本神…。

午後十時に散会した後は、通常の帰宅コースは採らずに、丸ノ内線に乗って南阿佐ヶ谷下車。すると大河のような『青梅街道』対岸に、古い昭和四十年代的ビルの「芝萬ビル」が、不夜城のようにそそりたっていた。
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思えばここはとても不思議なビルであった。屋上にフットサル場があり、かつてはアニメ制作会社の『MAD HOUSE』や、エロDVD制作会社が入ったりしていた、まさにキング・オブ・雑居ビルとして君臨した歴史が、杉並の一隅に存していたのである。そしてその一階には『靴流通センター』と、阿佐ヶ谷の文化をどっしり支え続けた新刊書店「書原」が入居していた。だが、その文化のリレーも、本日2/19日をもって、ビル取り壊しのための閉店を迎えてしまったのである…嗚呼。自転車留めの鉄柵が乱立する階段下を突破し、上に駆け上がると、『靴流通センター』はすでに営業を終え、ビルのエントランスは「書原」の天下となっていた。
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これは、一時期南阿佐ヶ谷に住んでいた者としては懐かしく、夜に本屋が開いているホッとする光景なのである。だが店内は当然の如く、平常時とは完全に異なる状況となってしまっていた。お店との別れを惜しむお客さんが大挙押し寄せ、いつもの五倍増しほどの混雑を見せていたのである。店内に突入し、人と擦れ違うのが困難なほどの通路を、どうにか擦り抜け棚を検分して行く。あっ!ちゃんと本屋&古本屋コーナーに『古本屋ツアー』シリーズが並んでいる!ちゃんと取り扱ってくれてたんだと、なんだかとても感激してしまう。そんな店内を楽しみながら彷徨し、最後に購入する一冊を吟味。結局大好きな“夢ちゃん”こと、平山夢明「デルモンテ平山の「ゴミビデオ」大全」を購入し、記念に原稿用紙モチーフの書皮を巻いていただく。感慨に耽りながら表に出て、柱に大きく貼られた閉店の挨拶に視線を走らせる。その閉店挨拶の書き出しは、『昭和四十二年の開業以来、約半世紀にわたり〜』…えっ!俺とまったく年が一緒ではないか!とさらに感慨を深くして、万感の思いを込め、ビルとお店に別れを告げる。
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2017年02月18日

2/18粛々と古本市の準備を進め、家に戻って佐藤さとるを弔う。

日々、身体も心も、2/25・26に開催する個人古本市のために追い詰められて行く。昨日は夜に仕事が終わった後に、古本市を後援していただく「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に、第一弾の古本山を運搬しに来てもらう。文庫はどうにか運び出せ、二往復目の単行本山を台車の上に形作り、エレベーターに載せて階下へ。だが、箱から外に出ようとした時に、単行本の結束が無様に次々と緩んでしまい、入口付近で古本雪崩を巻き起こしてしまう。すべては私の結束が緩いために起こるべくして起きてしまった、情けない事態であった…。このままでは誰もエレベーターに乗れなくなってしまうので、急いで本を退かし、小野氏が本束の再生に猛スピードで勤しむ…本当に申し訳ないっす…。どうにか車に運び込んだ後、西荻までの移動間に、小野氏から古本結束の大事さを、切々と説諭される。私は本を簡単に一文字に縛り、少し持ち運ぶことしか想定していなかった。だが、古本束の積上げに加え、台車移動や車での運搬を経由するならば、移動距離や振動での緩みを計算に入れなければならないのである。おぉ、そうこうしているうちに、後に積み込んだ私の結束部分は、早速緩みつつあるのだった…。
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写真はマンションロビーにて、臨時結束作業中の小野氏である。…本当にすみません…。

そして本日は、会場となる西荻窪『銀盛会館』にお昼前から独り閉じこもり、運び込んだ古本の値付を、ただひたすらマシンとなって継続する。100均・300均・500均に分けた本に、それぞれの値札をペタペタ黙々と貼付け続けるのである。やはり古本屋さんは、商品をただひたすらにどんな時も、作り続ける職業であるな…。そんなことをボヤ〜ッと、値札貼り付けハイに陥りながら思い出し、午後六時までに三分の二を片付ける。次回は来週金曜に再び会館に閉じこもり、新しく運び込んだ本と共に値付を再開し、会場の設営までどうにか漕ぎ着ける予定である。というわけでみなさま、2/25・26は西荻窪で古本とともに心底お待ちしております。さらにたくさんの人々に来ていただけるようみなさまのお力も借り、情報拡散もお願いする次第であります。

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582

…ふぅ、疲れた。そんな息が詰まるほど古本と対峙した本日のご褒美は、先日手に入れた背の消失した「地球盗難」(2017/02/13参照)の、健康を取り戻した姿である!値付作業の始まる前に、小野氏に危うくすべてのページが離ればなれになる寸前の「地球盗難」を手渡し、普通に読める程度の回復を望んだ修復をお願いしておいたのである。ところが、およそ四時間後の手術後の姿は、予想を遥かに超えた出来映えであった!さすがに糸かがりをするほど手間をかけるわけには行かなかったので、まずは背をボンドで固めた後、本をギュギュッと金槌等で圧縮し、無線綴じの要領で本としての形をまずは取り戻す。その後、お店にあった同じラヂオ科学社「地球盗難」の背をカラーコピーし、紙板でさらに背を補強してから、その上にコピー背を移植し、無事手術完了と相成ったのである。このビジュアルがフランケン的科学小説集……無事に読める!読めるぞ!本を開いても大丈夫だ!これで思う存分昭和十二年の風を、浴びることが出来るのだ!と喜んだ後に、早く読みたい気持ちを抑えながら値札貼りに邁進していると、気づかぬうちに「地球盗難」に値札を貼付けてしまいそうになる…危ない危ない。
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家に帰った後は、自主的な弔いをひとつ。今日の『朝日新聞』朝刊には、悲しい悲しい敬愛する佐藤さとるの訃報が掲載されており、大変にショックを受けてしまう。すでに今月九日に、八十八歳で亡くなられていたとのこと。とにかく私にとっては、昔住んでいた横須賀の“谷戸”を原風景として作品に生かした『コロボックルシリーズ』と「わんぱく天国」が、児童文学の忘れ得ぬ金字塔として輝いているのだ。悲しみに暮れながら、家にあった児童文学本を掻き集め、自主的に敬愛する作家を弔う。佐藤暁名義の本たちは特別な宝物であるが、コロボックルシリーズが『冒険コロボックル』としてアニメ化された時の帯が付いた「だれも知らない小さな国」(昭和四十八年の十四刷で、絵は村上勉)も即物的だが、とても嬉しい本なのである。『だれもの心の中に住む愛らしいコロボックルたち!!』『いま、日本中のテレビで大評判の「冒険コロボックル」その香り高い原作です!!』『土曜日の夜の人気者「冒険コロボックル」の主人公たち』『土曜のテレビで大人気!! 「冒険コロボックル」の名原作』などなどの惹句が、アニメキャラとともに踊っている。箱周りには、合計七つの『コロボックル』という言葉が散りばめられた事態に…とにかく佐藤さとる先生、素晴らしい物語をありがとうございました。私は多分老人になっても、「だれも知らない小さな国」と「わんぱく天国」を愛で続けると思います。
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2017年02月16日

2/16またもや夕暮れの最中の古本屋

国立近辺で野暮用をこなしていると、いつものように夕暮れを迎えてしまう。家路をたどる途中に、『旭通り』の東南端から駅へ向かっていると、都合の良いことに夕暮れの中の「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)前を通りかかる。最近、夕暮れの古本屋に行き着くことが多くなっているが、どのお店もなんだかホッとする、昼間のお店とは微妙に異なる、美しい店頭光景になっていると感じてしまうのは、古本屋好き故の贔屓な視点のせいであろうか…。
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歩道が狭いために100均ラックしか出ていない侘しい店頭。だが中に進むと、古書多めの棚がふわりと古本心を気前よく受け止めてくれるのだ。帳場付近に近付くと初めて「いらっしゃいませ」と小さく声をかけるご婦人に、ぺこりとお辞儀しながら静かな静かな二本の通路を行き来する。ここは値段はしっかり目だが、所々鉛筆で値段が書き換えられた値下げが敢行されているので、そこに望みを賭けて、面白そうな本を手に取って行く。十分ほど滞店した結果、千円から五百円に値下げされた弘文堂世界文庫「樺太島紀行(上)/チエホフ」(ちなみにこの文庫、(上)とあるが(下)は未刊行である)を購入する。ご婦人は帳場下をガサゴソしながら、「すいません、ウチの袋じゃないんですが…」と照れながら、『国際交流海外視察団派遣計画』という袋に文庫を収めていただく。帰りの電車でボヤボヤしながらも、18ページまで読み込む。まだ樺太に着いてもおらず、『樺太は島ではなく半島説』という過去の誤りを列挙している段階で阿佐ヶ谷駅に着いてしまう。

家では色々やりつつ、相変わらず古本市用古本束の作成に勤しむ。ようやく四十本を越えたところだが、どうせ盛林堂さんには「全然まだまだ足りないよぉ〜」と怒られるに違いない…。そんな風に打ちひしがれながらの今日の発掘本はこちら。私のバイブルでもある「ミステリーファンのための古書店ガイド」作者である野村宏平氏の異色推理小説、エニックス文庫「ピースランド殺人事件」である。動物たちの楽園で、大富豪であるキタキツネが殺され、真相解明のため動物たちが珍騒動を繰り広げる…と折り返しの解説にはある…すみません、まだ読んでいません。だが『あとがき』だけチラッと見てみると『それにしても動物の世界を舞台にした推理小説というのはむずかしい。だって、動物の世界には、人間の世界とは違ったルールがあるでしょ。そこをちゃんと説明しておかないと、推理小説のフェアプレー精神に反することになっちゃうもんね』と、とてもファンシーな設定なのに、ミステリマニアとしての筋を通そうとしているところが、真面目で何かおかしい。実はこの本、ちょっとしたレア本なのであるが、近々野村氏にお会いする予定があるので、さらなるレア本にしてもらおうといやらしく画策中なのである。
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2/15中央線重鎮の話に耳を傾ける。

午後に「中央線古本屋地図(仮)」の取材があり、そこに照準を合わせて始動する。テクテク歩き始めて「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、店頭棚から角川文庫「黄色い犬/ジョルジュ・シムノン」「箱舟時代/長田弘」新潮新書「SF魂/小松左京」を計315円で購入し、先日BSの番組『TOKYOディープ』に「コンコ堂」が出て来た感想をひとしきり伝える。そのまま荻窪までさらに進軍し、「ささま書店」(2008/08/23参照)でTRIAL Books「東京路線バスの旅」日本地歴企画調査会「わたしたちの文京区」(学校で配布された、郷土教材的副読本。本郷古本屋街の記述があり)を計210円で購入し、駅近くの喫茶店で岡崎武志氏と合流し、一時間半ほどたっぷり取材。紐解かれる中央線古本屋さんの歴史話に、うっとりと聞き惚れてしまう。…これは早くどうにかまとめて、みなさんにお伝えしなければ…というわけで鋭意編集作業中なので、どうかお楽しみに!

夜はある会合のために三宿に向かい、そのついでに「江口書店」(2010/03/29参照)に突入する。創元推理文庫「思考機械の事件簿V/ジャック・フットレル」ベースボール・マガジン社秘境探検双書「謎の山 アムネ・マチン/レナード・クラーク 水谷準訳」支那文献刊行會「迷樓記 外十一種/田村初」を計700円で購入する。嬉しかったのは大正十四年刊の「迷樓記」で、中国の珍談奇談怪談を集めたアンソロジー集。帳場前の本の山の底から背文字に惹かれて取り出すと、見事大好物な本だったのでニンマリ喜ぶ。
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2017年02月14日

2/14「神楽坂サイクル」は健在であった。

珍しく雑誌対談の仕事が入ったので(もちろん古本屋についてである)午後に神楽坂へ向かう。『1番出口』から地上に出ると、対談場所に指定されたブックカフェ『神楽坂モノガタリ』はすでに目の前なのだが、まだそちらには足を向けずに、逆側の西へテクテク。するとすぐに古びた自転車屋「神楽坂サイクル」(2012/07/10参照)が見えると同時に、うほっ!店頭には未だ頼もしく継続している、小さな古本販売箱が視界に飛び込んでくる。近付き見下ろすと、相変わらず硬めと言うか、融通の利かなさそうな函入本のラインナップ。
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だがせっかく足を留めたのだ。何か買っておきたいと、潮出版「透明な時の中で/島尾敏雄」を200円で買おうとすると、料金缶に放り込むべき小銭がないことに気づく。慌てて先のコンビニまで足を延ばし、チョコを買ってお金を崩す。そして自転車屋まで戻り、百円玉二枚を缶に落とし込む。そうこうしいるうちに、対談の時間が近付いて来てしまったので、さらに慌てながら『モノガタリ』へ。古本屋や書店について、ペラペラと熱く楽しく語り合ってしまう。当対談については後日詳細をお知らせしますので、どうか発売日に書店に駆け付けていただければ幸いです。

帰りは『神楽坂』を東に下り、飯田橋より帰路に着く。家に帰ってからは、仕事をしながら再びの古本束作り。だが、500均〜自由値付けゾーンに入ってからは、本の選択に時間がかかり、あまり山を切り崩せない状況が続く。仕方ないので、再び均一本候補をある程度掘り出しつつ、そのスピードと勢いでアンコになりそうな古本をジワジワッと選び続ける。結局二本の束を作ったところで、あっという間に疲労してしまったので、本日の作業を終了とする。今日の再読したかった発掘本は、ちょっと手こずっている、なかなか高さの減らない仕事部屋左側の山から出て来た二冊を紹介しよう。一冊目は港雄一の「犯し屋ブルース」。最低のタイトルだが(“犯し屋”は港の男優としての異名でもある)、ポルノ映画男優・港の駆け抜けて来たマイナー映画世界の貴重な記録であり、抜群な面白さを誇っている。大和屋竺の名作『荒野のダッチワイフ』主演時のエピソードが載っているのも高得点。二冊目は薄手の自費出版本で、有名切手マニアが、切手を題材にした珍しい小説と言うことだけで昭和六十三年に復刻した「探偵小説 切手の奇遇」である。昭和三年に講談社「キング」に掲載された、ゆったりとした二段組み十ページの短篇で、大阪と東京を舞台に『キ半銭』という稀少なエラー切手を巡るストーリー。作者の此木久山は切手マニア界重鎮のペンネームで(他に『洒落録保留無寿』という筆名も)、挿絵は松野一夫。解説は基本的に、コレクターとしての作者と切手のことばかりなのが、ただただ素敵である。
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2017年02月13日

2/13アニマル洋子〜反町茂雄〜海野十三

新高円寺での野暮用を済ませ、夜の兆候が頭上から舞い降りて来た『ルック商店街』を北へずんずん進んでいる。途中、緩やかな坂が始まる前の右手に、お店の入口すべてに防寒用ビニールを下げた「アニマル洋子」(2014/03/14参照)の冬の姿。店頭棚から、見たこともないシリーズ物B5版ムック、柳正堂書店「中部山岳放浪の記録 伝説と怪談」「甲・信・三河・秩父多摩・富士・昇仙峡をめぐる 伝説と怪談」共に泉昌彦を計200円で購入する。奥に座る店主と軽く挨拶を交わし、再び商店街を遡上して行く。
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ガード下の「都丸書店」(2010/09/21参照)では、店頭棚の隅に縦になっていた小冊子を引っ張り出すと、古書鑑定の権威であった反町茂雄の「弘文荘待賈古書目 第二十九號」であった。最近熊本より届いた「舒文堂河島書店」(2008/12/22参照)の目録に何冊か載っているのを見たばかりなので、素敵なめぐり逢いだと購入を決める。嬉しい三百円。門外漢な古文書や江戸版本が踊る目録なのだが、後学のために持っておくことにしよう。

そのまま歩いて家に帰り着くと、おぉ!ヤフオクの落札品が無事届いているではないか。多少息を荒くしながら封筒をひっちゃぶくと、現れたのは海野十三のラヂオ科学社「科学小説集 地球盗難」である!ふぅむ、こんなに厚い本だったのかと驚くと同時に、悲しみにも暮れる…予想外の安値で落札出来たのだが、もちろんそれには大きな理由があった。残念ながら背が消失しているのである。とは言ってもなんたって、戦前の海野のオリジナル本なのだ。松野一夫の無邪気とも言える装幀イラスト、横山隆一による著者シルエット、質感のある本文紙、そして活字で組まれた科学小説群…昭和十二年の風が本の中から吹き出してくるようではないか。小説は読んだことあるものばかりだが、この本でもう一度読めるのは、必ずや過分な幸福となるであろう。しかし本は、今にもバラバラに崩壊してしまいそうなほど、危うい状況。…これは、あの人に手術してもらうとするか。しっかり直ったら存分に読み込んで、さらに強く昭和十二年の風を浴びることにしよう。
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2017年02月12日

2/12必死に計三十六本の本束を縛り上げる。

今日は誠心誠意古本に一日を捧げることを決め、早朝午前七過ぎに家を出る。向かったのは門前仲町『富岡八幡宮』の骨董市である。『骨董市には開始時間の早朝から訪れるべし!』というのが猛者の定説であるが、時々当てはまらないことも起こり得る。それは!ゆっくり目に準備するお店がちょこちょこ見受けられるので、あまり早く着き過ぎると、目指すお店がまだ開いていないという悲惨な状況に陥ることがあるのだ。今日が案の定そんな日で、楽しみにしていた古本屋さんは、ダンボール箱すら開けていない悲しい状況であった開店を待ち望みつつ、冷た過ぎる早朝の空気を吸い込みながら、しばし境内フラフラ散策する。美術系古本のお店に、萩原朔太郎の「定本 青猫」が並べられているのに驚き、ある店では、家庭内ゴミ箱のような円筒ケースの中にソフビや人形消しゴムが詰め込まれているのを発見し、ガサゴソ漁ると、触角は折れて塗装も所々剥げているが、常に悲哀を誘う仲間外れライダー・ライダーマンをつかみ出すのに成功する。こんな状態だ、五百円くらいだったら喜んで買おうと思い、ちょっと高台にいる店主にソフビをグッと掲げ「これお幾らですか?」と聞くと「1500円」と苦虫を噛み潰したような顔で即答される。すまん、ライダーマン!と心の中で詫びながら、そっと円筒の中に人形を戻す。そんな風に楽しみながら時間を潰し、件のお店を再訪してみると、ダンボールは置かれているが、店主は他の店主と話し込んでしまっていた。主に雑誌付録や古い漫画が売れなくなって来たことを嘆いている。開いている箱の中を覗くが、紙物ばかりで収穫ナシ。早々にお店を離脱し、脇参道の開店中だったお店に行ってみる。すると先ほどより品物が増えており、見応えあり。古い郷土ガイド本の中から出版社も出版年月日も不明の「大東京百景寫眞帖」を千円で購入する。恐らく昭和十年代の、東京の名所や戦争記念物や街の様子を掲載した粗悪な写真集である。百景と謳っているが、実際に掲載されている写真は百六枚である。
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これはビルディングのページである。紙はわりと上質であるが、表裏で質感が異なっている。そこに戦争の影をユラユラと感じ取る…。

一旦家に戻って、再び外出。荻窪「ささま書店」を経由して、海文堂「帆船への招待/荒川博」朝日新聞社「ファディッシュ考現学/田中康夫」新潮文庫「昨日のツヅキです/都筑道夫」を計315円で震えながら購入してから、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。古本市の準備もそうだが、「フォニャルフ」を放置するわけにはいくまいと、ほとほとと補充する。後は店主・小野氏と市の打ち合わせや「中央線古本屋地図(仮)」の話や、市場で仕入れた垂涎の新入荷などを見せていただいたりする。だが、ここでいつまでもウカウカと楽しく話しているわけにはいかないので、早々にお店を離脱して帰宅する。そこから馬力をかけて、ひたすら古本の準備に没頭する。結局昼過ぎから夜九時まで休み休み続け、計三十六本(およそ千冊)の古本の束を作成する。
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…つ、疲れた…手の油が、すべて紙に吸い取られてしまって、カサカサだ…縛って積上げた本は、家にあるにはなかなか凶悪な量となったが、まだまだ本の山は減りそうにないな…根性で後千冊は用意しなければ…後半戦は残りの500均本とちゃんと値付する本の作成に傾注だな…疲れた身体と頭でそんなこと思いながら、本日の発掘した一冊を紹介。集英社の学習漫画「シートン動物記4 裏町の野良ネコ」。2015/02/07に牛久の「高島書店」(2009/04/23参照)で入手した、急逝した谷口ジローの超初期単行本なのである(名義は『谷口治郎』)。私にとっての谷口ジローは、「事件屋稼業」と「LIVE!オデッセイ」と「飢狼伝」と「坊ちゃんの時代」に尽きる。そして恥ずかしながら、本当は「事件屋稼業」の主人公・深町丈太郎のような大人になりたかったんだが、やっぱり、なれず終いだったなぁ。それでも諦められずに、せめてあんな高潔な精神で格好良く無様に生きられたらとは、今でもまだ思っているのだが…。
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2017年02月11日

2/11妙なスライドを買ってしまい早速持て余してしまう。

色々片付けつつこなしつつ彷徨い、気づいたら陽が落ちる瞬間の西荻窪駅北側。駅方面へと戻る途中で、裏通りの週末営業古本屋さん「TIMELESS」(2012年06月30日参照)の灯火に引き寄せられる。
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店内で暖をとりながら、主に入ってすぐ右側の棚を吟味。中間上段にちょっとだけ古い本が増えているな…おっ!背が少し壊れているが、新潮文庫の甲賀三郎「犯罪発明者」が…三千円かぁ。とため息をつき、隣りの筑摩書房「眞昼の暗黒/アーサー・ケストラー 岡本成蹊譯」を引き出してみる。見返しに『書き込みあり』ということで400円か。古本エネルギーを補充するために購入する。あれ?帳場に座る人が、ハンチングに白髪のナイスミドルだが、店主はもっと若い人ではなかったっけ…いや、それだけいつの間にか、時間がギュンギュン流れたと言うことなのかな…。後でセロハン袋から本を取り出し開いてみると、『書き込み』というのは、譯者が歌人夫婦に送った、献呈署名であった…。

阿佐ヶ谷に帰り着き、今日は覗くこと叶わなかった「J-house」(2015/12/26参照)朝市の残滓とも言える、店頭100均ダンボール箱を、すっかりあきらめムードでガサリゴソリ。すると予想に反して、面白気な物をいくつか発見してしまう。泰光堂「たのしいおり紙ときり紙/高橋春雄」とフジカラーのスライド箱を計200円で購入する。スライドは箱が可愛かったのと、中にちゃんとマウントされたスライドが詰め込まれていたので、好奇心が勝り購入を決意。家に帰ってから一枚一枚電灯に翳して目を凝らしてみると、昭和四十年代の、オヤジと少年(二人とも日本人)のアメ車旅行を撮影したものであった。面白いは面白いのだが、私はこれをいったいどうするつもりなのだろうか…。
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そして夜にまた古本市の作業をコツコツ進める。そんな今日の再読したかった発掘本は、講談社X文庫「ようこそ雪の館へ ルピナス探偵団/津原やすみ」である。現在、津原泰水名義の創元推理文庫「ルピナス探偵団の当惑」に収録された一話の、原型少女推理小説版文庫。確かまだツアーブログを始める前の、2006〜2007年辺りに、今は亡き鹿児島の「満遊書店」で100円で購入したものである。倉庫型店内にエスカレーターのある、大きなリサイクル系のお店であった。
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2017年02月10日

2/10「うつぎ書房」にて雪宿りする。

今日は中野で長々とお仕事。雪が散発的に降り始めた午後四時前に完遂し、フラフラフラフラと、時折風とともに舞い来る雪片を惚けるように楽しみながら、やがて新井薬師駅前広場…「文林堂書店」(2008/08/04参照)が開いている。店頭に出された本の悉くが、『強風のため置いています』と書かれた板きれに押さえられている。そう言えば今日初めて気づいたのだが、今の日除けはいつの間にか新調されたものであるなと、変わらず今は入れぬ二階と一緒に見上げていると、店頭棚の下段に目を凝らす素敵なオヤジさんがいつの間にか出現。お店のカオスさとマッチした、これぞ見事なまでの古本屋的光景である。
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オヤジさんを邪魔せぬよう店頭から二冊を手にして、中へ。じっくりすべての棚を、コックピット式帳場に座る店主のチラ見視線をあっけらかんと受け流し、見て回る。だが中では何にも手が伸びず仕舞い。早川書房「定本 半七捕物帳」講談社文庫「その夏の今は・夢の中での日常/島尾敏雄」を計400円で購入する。お店を出たらそのまま改札を抜けて西武新宿線下りに乗り込み、鷺ノ宮駅下車。橋上改札を抜けて階段を下り、南の妙正寺川前に出ると、突然恐ろしく雪が降り始め、まるで吹雪のようになる。ちょっとだけ雪を避けるために『中杉通り』を渡り、「うつぎ書房」(2008/08/06参照)にてしばしの雪宿り。
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店主は店内入口近くで、買取したコミックと文庫と同人誌の整理真っ最中であったが、飛び込んで来た珍客のために、作業を一時中止して、奥の座敷でやむを得ない一休みに入る、その隙にこちらは棚をキョロキョロと、服にこびり付いた粉雪を融かしながら楽しみ、奥の本の壁裏の棚にちょっと隠れていた、櫻井書店「北風ぞ吹かん/寒川光太郎」をどうにか引きずり出し、500円で購入する。外に出ると、おや、もう雪は消えている。

家に帰ってちょっと休んでから、ジリジリ古本市の作業に取りかかる。しばらくは地道な100均本作り…と手を動かしていたのだが、同時に目玉本を各古本山から取り寄せる作業も進めてしまう…楽しいが、悲しい…これを本当にお前は売ってしまうのか?と自問自答しながら生木を裂くようなセレクトを続ける…だが、これらの本を手にして喜ぶ人がいれば、それはそれで本望なのである。あっ!椅子の下から、再読したかった講談社現代新書「ファンタジーの世界/佐藤さとる」を発見!こんなところに紛れていたのか。やはり安針塚の思い出から始まる導入部、グッと来るなぁ…。
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まだまだまだまだまだまだ序の口な光景。しばらくここで仕分けをした後に結束し、ドバッと『銀盛会館』に運び込む予定なのである。
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2017年02月08日

2/8「なごやか文庫」の古本市と今年最初の「たけうま会」!

今日は楽しみにしていた「なごやか文庫」の「大古本市」(2012/02/15参照)初日である。午前十時からの開催に照準を合わせて家を出て、午前九時三十五分に東村山駅に到着。タッタカ歩いて文庫の入る『社会福祉センター』に突入すると、入口付近にはすでに常連の古本修羅&レコード修羅&絵本修羅が十人ほど固まっていた。なんとなく列が出来ているだけなので、奥の古本市会場に向かう態の、古本修羅の塊に何となく身を寄せておく。開場五分前に、職員の指示により確固とした列が形作られ、ラジオの音が流れ始めたのを合図に、列が突入を開始する。後から走って来て追い抜く、傍若無人な修羅もあり。私が目指すのはもちろん、入って右側の四本の古書棚である。パッと見た感じ良さげな並びで、期待に胸を膨らませながら、早くライバルが多数出現する前に見極めて行かなければと、さらに焦燥胸に渦巻かせて棚に張り付く。すると隣りに老年修羅が現れた。こちらが気になる本をスパスパ抜き出すのを見て「あぁ、いいなぁ。眼鏡がないと見えない。こりゃあ眼鏡をかけないと、何も分からない。いいなぁ、すぐ見えて」とつぶやき始めたので、「がんばりましょう!」と無責任に励ましつつ、手と目を素早く動かし続ける。今年は仙花紙本が多い気がする…ソ連関連も目立つな…。すると腕の中には、たちまち二十冊ほどの本が積み上がってしまった。古書は一冊二百円なのだが、これはちょっと買い過ぎだ。端っこに寄りつつ、抱いた本を改めて吟味し、必要なさそうなものを棚に戻しながら、もう一度じっくりゆっくりと棚を眺めて行く。すると当然の如く見逃した本がチラホラと見つかり、結局本が増えることに…阿呆か、俺は。もう一度端に寄り、さらに吟味してみる。それにしても、これだけ抱えてこれだけ迷うということは、今回の古書棚の質はかなり良いものであることの証明であろう(私にとってという意味で)。途中二階のレコード市を経由して現れた岡崎武志氏に、古本を抱えた姿を見つけられ声をかけられる。その後メイン会場も回ってみるが、文庫も単行本も新古書的な並びで、ちょっと手が出なかった。結局古書十七冊を計3400円で購入する。市は12日(日)まで。外の硬く浅いソファでお茶を飲みながら、岡崎氏と例の「中央線古本屋地図(仮)」について軽く打ち合わせつつ四方山話。富士塚話で小さく無邪気に盛り上がる。ちなみに私のお気に入りは、『品川神社』『代々木八幡宮』『十条富士神社』にある富士塚である。氏と別れ、二階を一周してから正午前には帰宅する。本日の特に嬉しい収穫は、森書房「歌姫物語/W・サッカレエ 平井呈一譯」東光出版社「少女小説 乙女ごころ/片岡鐵兵」(仙花紙本なのに二色の挿絵ページが所々に挿入されている)萬里閣「外地の魅惑/大宅壮一」(昭和十五年の大宅による南支・満蒙探索記。銀座「三昧堂」の古書ラベルあり)弘道閣パレット文庫「ロマンスグレー/平野威馬雄編」(新書サイズで箱に穴が空けられた造本を、何処かで見た覚えがあることに気づく…そうか、乱歩邸で見た楠田匡介の「能率的な事務の執り方」と同シリーズなんだ。内容は『ロマンスグレー』をテーマにした特殊なエッセイ集。嬉しいことに楠田が参加しており、オッサンの夢のような四人のギャルたちとの熱海旅行妄想小説を載せている)昭星社「開化飛龍車/宇井無愁」日本電報通信社「魔法の窓 テレビジョン/フランク・デンマン」(テレビ普及黎明期の啓蒙児童書。図版豊富で、最後はテレビジョンのSF的発展章で幕を閉じる。表4の『原子爆弾と並んで、世紀が生んだ奇蹟、テレビ!』とあるのがスゴい)岩波書店「プー横丁にたった家/ミルン作 石井桃子譯」(昭和十七年の初版である)久保書店昭和三十一年「かっぱ3月号」の八冊であった。それにしても、本を減らすために古本市を開くと宣言したばかりなのに、早速こんなに買ってしまった…。
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夜…というか午後五時から渋谷にて、今年初めての『たけうま会』。第一回目(2016/05/10参照)と同じく「たけうま書房」稲垣氏と「古書 赤いドリル」那須氏とお酒を酌み交わす。飲めば飲むほど無礼講となり、自己検閲せざるを得ない、古本屋界のお話盛りだくさん。でも最終的には、『古本屋稼業は苦しくはあるけど、とても楽しく人生を賭けるに値する!』という格好良いところに落ち着く。これからも迷わず付いて行きますので、引き続き楽しくもあり苦しくもありの古本屋さんの生き様を見せていただければ幸いです!
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2017年02月07日

2/7「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!

というわけで、最近ポロポロ発言していたたったひとりの古本市を、いよいよ開くことになりました!発表したからには、これでもう逃げることは出来ない…。後はがむしゃらに古本を泣く泣く準備いたします!

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582
■古本に占領されつつある住居を、どうにか再び人間の住み易いように復元するための、単独極私的大古本市開催。三つの部屋にある五つの古本山を切り崩し、大量に放出! 奥の方に何が眠っているのか分からないので、発掘作業は、実は楽しみでもあります。そして懸命にがんばって、あの会館を埋めるぐらい値付けして本を運び出し、なるべく安値で販売しようと思っております。私が全国から集めて来た古本を受け継いでくれる勇者を、心の底からお待ちしております!寄ってらっしゃい見てらっしゃい。買って下さい古本を。

…いやまぁ、多少古本を売って来たとは言え(その古本販売がさらなる古本購買に拍車を掛けたとも言えるのだが…)、ブログを初めて九年目。毎日古本を買っていたら、そりゃあ部屋は恐ろしいことになってしまう。台所にも、居間にも、そして仕事部屋にも、何処にも本棚がないのに、盛大に古本が蔓延る状況は、今更ながらだが、やはり多少ゾッとせざるを得ないのだ。ある日の夜中にパッチリ目が覚めたとき、横臥したこの身に迫る高い古本タワーの影は、その人智を越えた量感を、昼間よりもまざまざと味わわせてくれた。ある時の打ち上げで本棚探偵と話している時に、集合住宅の六階に本を溜めていることを告白すると、「い〜けないんだ、いけないんだ。一階じゃないといけないんだ」と、やたら嬉しそうに注意された。ある時、古本屋さんの買取を手伝い、本を運び出していると、見た目を遥かに上回るその凶悪な量と重量に、慄然としたことも何度か。そんなことが重なり、少しは身軽にしなければと考え始めた末に、人間が住むに相応しい住居をこの手に取り戻すための、単独古本市に行き着いたのである。最初は普通に古本屋さんにドバッと引き取ってもらおうかとも考えたのだが、せっかくなのでまずは安値で販売した後、売れ残ったものを引き取ってもらえば、一石二鳥であろうと、捕らぬ狸の皮算用…。というわけで、100均・300均・500均もたくさん準備する予定である。さぁ!市までもう二十日余り!まだ100均分を少ししか用意してないので、本腰入れて商品作りに励みます!
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写真は各部屋に点在する古本山や古本タワーや古本崖や古本塊である。果たしてこれが古本市後にはどのように変化するのだろうか…。
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2017年02月06日

2/6「澤口書店 小川町店」は閉店セール20%off中!

午前十一時過ぎに水道橋駅に降り立ち、古書街のパトロールに取りかかる。ガード下から『白山通り』を南下し始め、初っ端の「有文堂書店」(2010/09/03参照)でまだ開店準備真っ最中のオヤジさんから宝文館「随筆集 植物學九十年/牧野富太郎」を500円で購入する。そのまま南に早足で下り続け、愛しの「日本書房」(2011/08/24参照)では先客のライバルが店頭和本タワーに執拗に挑んでいるのを目撃し、ハラハラしてしまう。彼が退いた後に慌てて飛びつくと、ちょっと良さげな仙花紙本が、しっかり残っていたじゃないか。良文堂書店「江戸自慢 風流伊達姿/桑野桃華」(桑野は探偵小説「ジゴマ」の訳者でもある。この本は二代目市川團十郎の小説で、装幀や口絵を伊藤晴雨が担当している)を300円で購入する。
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そのまま通りを下り、今日はいやに長い焼肉屋の行列横を通過しながら、「アムール」(2011/08/12参照)でコロナ社コロナ・シリーズ「人工衛星/新羅一郎」「渦/鬼頭史城」を計100円で購入。『靖国通り』では西に東にと行き来するが、結局何も買えずじまいだったので、すぐさま古書街から離れるようにして『靖国通り』を東へ東へ…。そうしてようやく『小川町交差点』を過ぎると、地下鉄出入口の横のビルの谷間に挟まれた、コメントタレコミ近々の閉店を知った「澤口書店 小川町店」(2008/08/14参照)が見えて来た。あっ、確かに店頭新書棚の脇には、赤い『閉店セール20%off!!』の貼紙がある。セールは二月末まで…今後は、神保町の「神保町店」(2011/08/05参照)「巌松堂ビル店」(2014/04/12参照)と「東京古書店」(2014/12/17参照)に、すべての機能を集中させるということだろうか。ビルの谷間の青空をバックにした、『安い本』やドデカい『本』の看板を仰ぎ見て、四角い洞窟のような店内に足を踏み入れる。右には文化系の専門書が並び、左は文庫を中心に文学や歴史が続く。主に文庫棚に意識を集中して、恐らく最後になるであろうお店での買物を楽しむ。店内には「巌松堂ビル店」の詳しい店内見取り図あり。しかし、入口近くと、奥の曲がり込み少し上がり込んだアダルトコーナーの、蛍光灯の明滅具合は、なかなか激しいものがある。大都会のど真ん中なのに、無闇に場末感を覚えてしまうほどである。…今がこの状態ということは、恐らく閉店までこのチカチカ状態で、乗り切るつもりだな…。新潮文庫「幻花/梅崎春生」を20%オフの160円で購入する。そしてこのお店での心残りと言えば、今はもう入れぬアダルトだらけの二階に、一度くらい勇気を出して上がってみるべきだったかなということ。いったい外から様子をうかがえぬ階上は、どんな構造になっていたのだろうか…。
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posted by tokusan at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

2/5東京・新宿 ホホホ座 at BEAMS JAPAN

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野暮用で横浜方面の実家に里帰りし、夜になって東横線で帰京する。東横線に乗り続けて渋谷駅を通過し、電車が各駅の副都心線に成り代わった後に、午後七時前の『新宿三丁目駅』で下車したところで、昨日から京都の「ホホホ座」(「古本屋ツアー・イン・京阪神」P45参照)が『新宿丸井本館』裏の『BEAMS JAPAN』にて、3/5までの期間限定ショップを開いているのを思い出す。果たして古本が売っているかどうか定かではないが、念のため足を運んでみるかと『A2出口』から丸井前に出て、『明治通り』からその裏側に回り込み、若者で賑わいを見せるガラス張りの『BEAMS JAPAN』ビル前。通り側のウィンドウには、路面電車・嵐電が写る大きなポスターが貼り出され、横にはコラボショップのロゴマーク。そのガラスの向こうには、商品を品定めする、お洒落な若者たちの楽しそうな顔・顔・顔。角面の入口から中に入ると、異様にジャポニズムを意識した、モダンシンプル和匠な空間。入口近くのウィンドウ際には、ホホホ座がセレクトした独特な京都商品や雑貨・ZINEなどが集められ、ほぼ若者のためのニューウェイブなミニ京都が出現中。入口右側のカフェスペース前には、三方(切腹するときお尻を乗せるやつ)が巨大化して重層化したような台があり、京都の銘菓や新刊本などが並べられている。その裏側に回り込むと、おっ!三十冊ほどだが古本がちゃんと並んでいるではないか。すべては京都に関する本で、歴史・史蹟・寺社・人間・風土・祭事・庭・文化財・動物園などなど。値段はほとんどが千円以下で、リーズナブルな印象である。下の段には「月刊京都」というローカル雑誌が、三十冊ほど横積みされている。ふむふむと一冊選び、奥の全国を象徴的記号的に並列化したようなジャポニズム商品を集めた棚にぐるりと囲まれた、奇妙な神殿的レジで精算をしようとすると、お客をひとりずつ、丁寧過ぎる過剰な接待&包装を施しているので、大いに神殿外で待たされてしまう。京都新聞社「京都 滋賀 秘められた史跡」(京都と滋賀がワンセットになっているコンセプトがワンダフル!)を購入し、ホホホ座作製の『ホホホ座の考える京都エリア地図』も手に入れる。レジ待ちで瞬時にちょっと疲れてしまったが、古本をちゃんと売ってくれていて、本当に良かった…。
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2017年02月04日

2/4夜の「バサラブックス」で一日の疲れを癒す

日中を吉祥寺近辺で仕事して過ごす。気づけばすっかり夜となり、疲れた身体から気力を絞り出してズルズルと歩み、週末の賑わいを見せる駅周辺にたどり着く。すると突如、古本が買いたくなり、中央線高架南側に出て、ついこの間訪ねたばかりだが、棚の印象がすこぶる良かった「バサラブックス」(2015/03/28参照)に立ち寄り、己を慰めることにする。
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三角形の店内に入り、集中力をすっかり欠いたまま、棚に漫然と視線を注ぐ。河出文庫「贋作吾輩は猫である/内田百閨v洋泉社「ボンクラ映画魂/杉作J太郎」「幻の怪談映画を追って/山田誠一」を計1600円で購入し、お店のオリジナルプラ袋に三冊を入れてもらい(結婚式を迎えた花婿&花嫁の間に天上への階段が伸び上がるシュールなイラスト。こんなのあったんだ)、フラフラと帰路に着く。

もうこの『映画秘宝コレクション』の単行本1と3を、私は何冊買ったことだろうか。ともにもう二十年前の本なのだが、未だにこの二冊は、我が心の中に作るべき本のバイブルとして、燦然と輝いているのだ。片や東映映画出演男優の極私的&偏執的エンサイクロペディア(後に徳間書店からA5版の増補本として復刻されるが、本としては断然こちらの方が素敵なのである)で、片や大蔵映画や新東宝の怪談映画をマニアックに追跡したノンフィクション。この人たちが取り上げなければ、きっと時代の片隅に永遠に忘れ去られたであろう人や事柄についての集積が、見事な本になっているのである。己の独自の視点で、まさにその己にしかまとめえない仕事…いつか、いつの日か、この二冊に比肩する本を作ってみたいと、常に目指し願っているのである。だがやはり、その道のりは、まだまだ果てしなく険しく遠い…。
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