2017年02月01日

2/1小山清に喜び六本木に古本屋さんの幻を視る。

午前から細かい仕事に集中していたら、ムラムラと古本が買いたくなってしまい、キリの良いところで家を飛び出し、早足で開店直後の荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)に駆け付ける。店頭はそれほどでもないが、店内にはすでに多数の古本修羅の侵入を許してしまっている…。買うぞ買うぞと意気込んで、店頭で四冊を掴んでから店内文庫棚にベタづきする。どこかに動きはないものかと、一棚ごとに視線をゲーム『ドンキーコング』の樽のように左から右→一段下→右から左と走らせることを繰り返し、結構下方の“こ”のコーナーに小山清の文庫が二冊並んでいるのを発見する。共に新潮文庫の「落穂拾ひ・聖アンデルセン」なのだが、一冊は平成復刻版でカバーに汚れがあるため420円。あれ?こっちは…元パラ&白帯…ということはオリジナル版か!そっと手に取り奥付を見ると、昭和三十年十一月二十日の初版である!初めて古本屋さんで出会ったぞ!では値段は?最終ページに貼付けられた値段札を見ると、これが525円!もちろん遠慮会釈なく買わさせてもらいます。今日もありがとう、「ささま書店」!桃源社「黄金バット 天空の魔城 彗星ロケット/永松健夫」芳賀書店「破滅SF 破滅の日/福島正美編」未来社「すねこ・たんぱこ 第二集 岩手の昔話/平野直編」大陸書房「日本の妖怪/早川純夫」山と渓谷社「現代の探検 創刊号」等とともに計1365円で購入する。
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喜びを記録しておくために、向かい側の歩道からお店とともに記念撮影。

満足したのでスタスタ家に戻り、しばらく真面目に仕事する。午後に再び外出し、先日の古本神と古本魔神の響宴に参加した折に耳にした、六本木にあった「竦書店誠志堂」(2008/12/16参照)が秘かにビル階上で営業しているらしいという情報を確かめに行く。深い深い大江戸線ホームから地上の『六本木交差点』に脱出し、早速交差点近くの古本屋さんのあったビルを見に行く。ビル入口や壁面には、店舗については何も情報が出ていない。だが、細く昭和の通路に踏み込み、ビルの案内板に目を凝らすと、五階部分に「竦書店誠志堂」の表示があるではないか。せっかくここまで来たんだ。とりあえずエレベーターで向かってみようと、通路奥のこれまた昭和なカゴに乗り込んで上階へ。扉が開くと、静かで人の気配はない。階段室から左側の通路の様子をうかがうと、奥に確かに古本屋さんが存在していた。
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壁に立て掛けられているのは、何処かで使っていた看板を外し、そのまま使用しているようだ。でもやっぱり、これは明らかに事務所店である。常連さんや、予約をしてから入店するのが、正しい作法であろう。忍び足でエレベータに引き返し、階下へ。

せっかくここまで来たので、歩いて渋谷方面を目指し、『宮益坂』上の古本屋さんを観測して行くことにする。交差点近くの『六本木通り』は、街にも道行く人にも生活感はにじんでおらず、ただリッチでハイソなライフスタイルの潤いのみに満ちあふれている。北側の歩道を西に歩いて行くと、首都高越しにかろうじて日光が降り注ぎ、少しだけ暖か。テクテクテクテク大都会を、蟻になった気分で歩き詰め、結構急な『霞坂』を下れば、そこが西麻布。谷底から、これも角度のきつい急坂を上がってさらに西に進み、化粧品広告ばかりがディスプレイされた『富士フィルム』ビル前を過ぎ、およそ一キロの『骨董通り』に入り込む。途中、現代的なビル一階に小さな本屋があるのに気付き、いそいそと近付いてみると、「BIBLE HOUSE」という、多種多様な聖書を集めて販売しているお店であった。そして七車線の『青山通り』を渡り、左に『青山学院大学』キャンパスを臨みながら渋谷方面に進んで行くと、まずは「巽堂書店」(2008/07/04参照)が出現。いつもとは逆のルートなので、なんかちょっと新鮮なアプローチである。牧神社「鳥葬 梅原彬暉詩集」講談社「燃える薔薇/中村真一郎」(函ナシ)能登印刷出版部「ふるさと文学探訪 鏡花・秋声・犀星」日本出版協同株式会社「ミッキー・スピレーン選集3 復讐は俺の手に」(元パラ帯付きで、帯文と解説は大下宇陀児である)を計400円で購入。続いて「中村書店」(2008/07/24参照)に飛び込み、角川文庫「JAMJAM日記/殿山泰司」朝日文庫「魔都/久生十蘭」を計830円で購入する。後は『宮益坂』をグングン下り、人が渦巻く谷底の駅へと向かう。
posted by tokusan at 18:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする