2017年02月03日

2/3「雲波」復活!久米元一!! 中川信夫!!!

昨年店主の急逝により、休店を余儀なくされていた国分寺の「古本 雲波」(014/09/05参照)が、いよいよ本日から奥さまが店を継がれ、再始動!新たなるお店の門出を目撃するために、中央線で西へ。巨大タワーマンション建築の槌音が響く北口を抜け、商店街を通って『国分寺街道』の坂道に出る。北にグイグイと向かい、ベーグル屋の前を通り、右手前方に今日も「才谷屋書店」(2012/05/07参照)が開いていないのを確認すると、青い日除けの下の「雲波」は、以前と同じ姿で営業中であった。
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均一壁棚を眺めてから店内に上がり込むと、すでに先客が三人ほど。恐らく本日の再開を待ち望んでいた方々ではないだろうか。棚には変わりなく本が詰まり、安値で良書を並べていた雲波らしさを保持している。つまりは、左側の絵本や児童文学関連(絶版漫画が繁殖中…)以外は、元のままなのである。だがこれからは、奥さまが棚を整理したり補充したり買取したりして、古本屋を営んで行くことにより、ゆっくりゆるゆると変化し続け、新たな雲波の展開を見せて行くのだろう。それにしても、いつの間にか店内には、本棚や床板の木の香りではなく、古本の匂いが満ち満ちている。…う〜む、とても良い香りだ…。じっくりと店内を一周している間に、先客はみな古本を買っていく。奥さまは活版印刷について聞かれたり、「これからもう、ずっと開いてるの?」などと聞かれたりしながら、新たな営業日と営業時間を伝えている(12:30〜19:00で金土日月営業。夏休み&冬休みあり)。くさぶえ文庫「子どものための科学の本/吉村証子」毎日新聞社「餓鬼一匹/山中恒」を計650円で購入し、新たな門出をささやかに祝う。

再び中央線の人となって、西荻窪下車。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に立ち寄り「フォニャルフ」に補充する。すると同じ「古本ナイアガラ」の「本棚探偵のひとたな書房」が、入替補充したばかりなのにもはやスカスカになっている、背筋も凍る状況が目に留まる。だが!スカスカでもそこには、素晴らしき本がナナメになりつつも、まだ並んでいた!偕成社「白髪鬼/久米元一」である!貸本仕様で、落書き(文字の落書きで『ガンテツ』『くそたれ』『ニクリロ』などの言葉が見返しに書かれている)はあるが、それでもカバーはキレイだし、見返しがテープで補強してあり、糸かがりされているとは言え、本文ページはいたってまとも。それが値段を見ると、何と2000円なのである!本棚探偵に膝を屈するように、購入を決意する。聞けば棚には同様のジュニア探偵小説が並んでいたそうだが、二人の古本神が神速でかっさらっていったとのこと。ところがこの「白髪鬼」は、神たちがすでに所持していると言う理由で、奇跡的に残されていたのであった。
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というわけでお店に許可を採り、本棚探偵棚札とともに、喜び悶えながら記念撮影。

その後は帳場にて店主・小野氏と、仕事の打ち合わせや月末に予定している個人古本市(近日中に詳細発表いたします)の話をしていると、先日手伝った買取本が、整理も値付も終わって棚に並んでいるというので、より充実した映画棚を、わが子を見るように観察する。ところがその中の一冊に、おかしな気を感じ取る。映画監督・中川信夫の詩集?中川信夫が詩集を出していた?思わず苦笑いしながら、その詩集を手にして開いてみると、途端に本扉裏に筆で書かれた識語署名が現れた。それを隣で見ていた小野氏が「あっ…」と微かな声を上げる。こちらも「これ…」と、思わず時間が停まる。値段は激安の千円なのだが、このまま購入してよいものか逡巡すると、小野氏は即座に覚悟を決め「いいよ、千円で。いいよ」と男気を見せてくれた。ありがとうございます!雑草社「中川信夫詩集 業(ごう)」を購入する。奥付を見てみると、発行所と著者である中川信夫の住所が一緒なので、ほぼ自費出版本であることが分かる。ビニカバが付いて、何故か小豆色と紺色の帯二種(表1表4のアオリやキャッチが異なる)が巻かれている。長らく絶版だったらしく(自費出版本だから当然か…)、2009年に『中川信夫偲ぶ会酒豆忌』により復刻されたことを後で知る。
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再び喜び悶えながら記念撮影。今日は何だか、素晴らしい古本日和であった。
posted by tokusan at 18:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする