2017年03月08日

3/8東京・御茶ノ水 エスパス・ビブリオ 第一回蔵出し古本市

早起きして地図作りを東小金井まで進める。作業の手を止め、身支度を整えて外出すると、午前十時半。総武線で水道橋に向かい、そのまま久しぶりの神保町パトロールに突入する。初っ端の「丸沼書店」(2009/12/17参照)で中公文庫「ダンディズム/生田耕作」国書刊行会「ク・リトル・リトル神話集H.P.ラヴクラフト他」を計500円で購入し、先陣を切る。そこからしばらく南に下った、いつでも店頭を楽しみにしている「日本書房」(2011/08/24参照)では、中央柔々和本タワーの間から、郷土研究社「爐辺叢書 越後三條南郷談/外山暦郎」を抜き出して500円で購入する。大正十五年刊、文庫サイズ167ページの民俗学調査的聞取り話集である。地名や方言や民話や農事などの項目もあるが、『化物のこと』『怪火』『天狗』『河童』『動物』『神』『變つた人々』などの妖怪や怪談奇談関連についても採集されている。自身の体験談や近しい人の聞取りが多く、主に明治〜大正と刊行時に近接した生々しい話が多い。特に『怪火』には、いわゆる火の玉以上の大きさや活動をする、UFO的な目撃体験談が多く含まれ、興味深い。よし、良いものが手に入ったぞ!と小さく喜びながら、「神田書房」(2012/02/16参照)では福武文庫「香港読本/山口文憲編」ちくま文庫「尾崎翠集成(上)/中野翠編」を計200円で購入する。だがその後は、「山本書店」(2012/04/25参照)にてハヤカワ文庫「幻想と怪奇 ポオ蒐集家/仁賀克雄編」を100円で購入するに留まる。残念ながらつい先頃閉店してしまった絵本のお店「BOOK HOUSE」が撤収中なのと、二階の「北沢書店」(2014/05/26参照)が必死に営業中であることをアピールしている巨大な貼紙を目撃する(だってお店への入口階段が、閉店した店内一階にあるんだもんな)。

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パトロールを終えて、駿河台崖下の『猿楽通』を北上している。途中脇道に入って『男坂』の石段を懸命に上がると、そこは『とちの木通』である。石段東南脇ビルの、地下にあるブックカフェ「エスパス・ビブリオ」への階段前に立つ。今日から3/17(金)まで、改装のための古本市が開かれているのである。このカフェに架蔵されているのは、主にアート・デザイン・建築・映画・写真集などであるが、果たしてどんな本が蔵出しされているのだろうか…。豪奢な階段を下り、ガラス張りの店内に滑り込むと、カフェは女性客で満杯である。もちろんそちらには目もくれずに、左の市が開かれている純白のギャラリースペースに足を向ける。右の壁際に長テーブルが二つ付けられ、100円の本が背を上にして置かれている。中央には大きなテーブルがあり、そこにも背を上にして、ぐるりと本の列が一周している、左にはセレクトされたバーゲン本アートブックが、500円と1000円の値で並んでいる。当然の如く100円のワンコイン本に己の耳目を集めてしまう。…なんだかわりと家庭的な古本市である。読み古された本や読み終えた本が多く、持ち寄った人の趣味嗜好がダイレクトに透かし見えているのだ。食や美術や旅行にカルチャー&美術雑誌、それに小さな展覧会の図録類も多い。クルクル回って三冊選び、レジで精算しようとするとそこには誰もいない。そのまま左奥の戦場のような厨房カウンターに声を掛け、忙しい中精算していただく。青土社「現代アメリカ映画談義/黒沢清+蓮實重彦」夏葉社「冬の本」新人物往来社「衝撃の絵師 月岡芳年」を計300円で購入する。帰りは『とちの木通』を北西に進み、『アテネフランセ』前を通過して、水道橋駅近辺のパノラマが楽しめる坂の上に脱出。さて、さっさと帰って机の前に座り、眼下の鉄路をさらに西へ向かうとするか…。
posted by tokusan at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする