2017年03月13日

3/13夕暮れ前の古本屋に立ち寄る。

本日色々こなした後に漂着したのは東松原。完全に曇っているのだが、まだ夕暮れには間がある時間帯である。踏切の音が聞こえてくる「古書瀧堂」(2014/05/01参照)前から、本を熱心に立ち読み座り読みしている地元のおば様たちに紛れ込む。外から来た身には暖房が効き過ぎているためか、たちまち古本棚の前で上気。だが顔をほてらせながらも、熱心で力のある棚造りに、次第に見蕩れて行く…ヒロシマ・ナガサキ・原爆棚は、他店では余り見かけぬ独特な光と重さをたたえている。昭和風俗棚も古書が時代の証言者となっており、ツボをひたと押さえている。文学棚も日本文学〜海外文学幅広く通路一面を占拠。その文学棚からわりと美本な一冊を選び、帳場に声を掛け差し出す。新潮社「空に浮かぶ騎士/吉田甲子太郎」を500円で購入する。レシートを受け取り、「そのままでいいですよ」と袋を辞退。だが店主が本を手にした瞬間、背から表紙にかけて元セロファンが少し剥がれているのに気付き、「あっ…」と声を上げて動きを止めてしまった…このままカバンに入れると破れが広がる、悲しい可能性を感じているのだろう。そんな気持ちを勝手に察し「やっぱり袋に入れて下さい」とこちらから改めてお願いする。すると店主は爆発物でも扱うように、指先で本を掴み、ゆっくり丁寧に袋の中に本を差し入れてくれた。…分かりました、これからも同様に丁寧に扱い、破れをこれ以上広げないよう、保護に努めます…。
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さて、来週3/20(月)に発売になる、交通新聞社「散歩の達人」4月号の特集『東京ディープ観光入門』で、二月に本屋ルポ連載をまとめた著書「東京こだわりブックショップ地図」を上梓した屋敷直子さんと、古本屋や本屋や本について対談させていただきました。全3ページを、予告編的にパパッと分かり易く紹介すれば、お店や本に対する欲望や役割を話し合い、初対面なのに当然の如く意気投合してしまう、楽しく奇妙な時間が流れております。そしてこの対談で、私はもはや未来には目を向けずに、古いものや過去に向かってひたすら突き進んでいることを認識してしまいました…。こんな私をご指名いただき、感謝であります。『個性派書店の深みにハマる』を、どうぞお楽しみに。
posted by tokusan at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする