2017年04月15日

4/15昭和四年の川端康成に一刀両断される。

本日色々こなして漂着したのは吉祥寺の北…武蔵野の風景の真っただ中と言えば聞こえは良いが、風が吹く度に黒土が舞う畑の間である。口の中をじゃりつかせながらそこを抜け出し、幸福そうな住宅街の中を長い間潜り抜け、どうにか吉祥寺の繁華街にたどり着く。思いついて寄ったのは、東急デパート脇の二階の古本屋さん「百年」(2008/09/25参照)である。
hyakunen0415.jpg
先日のトークでも店主さんにはお世話になったのだが、今日は帳場の中に姿は見えず。たくさんのお客さんと通路を譲り合いながら、講談社現代新書「明日、機械がヒトになる/海猫沢めろん」を432円で購入する。好きな作家の一人だが、いつの間にこんな科学系の新書を出していたんだ…。階下におりて駅に向かい、駅ビルの『LEMON DROP』で今夜の贅沢なデザート・チーズケーキを購入して帰路に着く。

家に帰り着くと今日もヤフオク落札本が到着している。新潮社「文學時代 昭和四年七月特集探偵小説号」である。191ページ以降が落丁し、表紙にも穴が開いているジャンク本なのだが、国会図書館にも所蔵されていないようなので資料用に購入したのである。なんたって今秋に編集予定の探偵小説集の、目当ての作家の未知の小説が掲載されているのだ。だがそれ以外にも、『探偵小説座談会』『探偵劇のポスタア』『探偵小説發達史』などが載っており、大変に読み応えあり。惜しむらくはやはり、落丁部分の探偵小説、甲賀三郎「發聲フィルム」内田百閨u影」(ともに竹中英太郎畫!)が読めないことであろうか。だが嬉しい誤算もあり、川端康成の小品「都會の手帳」「逗子・鎌倉 ロマンス以前」は、まさに新感覚派の真骨頂とも言える、ギリギリまで尖った意味喪失寸前の文章で、現実を麻酔するほどの力を発揮している!詩が小説となり、小説が詩と化す、才気の暴走が、文章に感化され鋭敏になった心を、一刀両断!他にも龍胆寺雄の映画評や浅原六朗のエッセイなどがあり、当分この一冊で昭和初期を楽しめそうな予感を、ヒシヒシと感じている。
bungakujidai.jpg
posted by tokusan at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする