2017年08月02日

8/2こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、「幸福論」!

所用で高田馬場に出たついでに、『早稲田古本街』のパトロールに取りかかる。だがまずは「ブックオフ 高田馬場北店」(2012/11/15参照)に立ち寄り、東峰書房「一筆対面/清水崑」を108円で購入してから、細かい雨の降る中を神田川沿いに東へと向かう。静かな裏通りをひたすら歩き続け、『明治通り』の坂を上がって『早稲田通り』に到達する。北側歩道→南側歩道と古本街を巡るつもりで、まずは「平野書店」(2010/01/12参照)。桃源書房「若さま侍任侠剣/城昌幸」を100円で購入して表に出ると、偶然に自転車で坂を上がって来た「古書現世」(2009/04/04参照)向井氏に声をかけられる。まさか巡り初めの初っ端に、最後にたどり着く予定のお店の店主にお会いしてしまうとは…区役所に向かう氏と後ほどお店で会うことを約束して、しばしのお別れ。そのまま疎らに続く店頭をたどって行く。だがなんだかあまり買うことなく、ようやく「三幸書房」(2012/09/05参照)でちくま少年文学館1「ユリアと魔法の都/辻邦生」を100円で買い、谷底に下って行くと、またも偶然区役所から帰還した向井氏と遠目に遭遇する。氏は颯爽と片手を上げてこちらに合図を送りながら、お店への横丁に曲がり込んで行った。遅れて店頭に到着すると、お父様と店番を交代しながら「さぁ、どうぞ」と店内に招き入れてくれた。左壁沿いには、古本市から戻って来た本や未整理本が積み上がるが、久しぶりに見た棚はその様相を変えて輝いており、たちまち何かないかと鼻をピクつかせて探索モードに。凸凹と同じ棚に様々なサイズの本が肩を並べるお店独特の景色を楽しみながらも、決して眩惑されて見逃さぬよう、本と本の間の影のような隙間にも視線を通して行く。すると、右壁中ほどの棚に、恐るべき本を発見してしまった!筑摩書房「幸福論/小山清」である。昭和三十年発行の新書サイズの、清貧小説家の随筆集であるが、その姿をお店で見られるのは大変に稀なことである。うぉぉぉぉ!と興奮しながら、これは万難を排してでも買わなければいけないのでは?と、こういう時にだけ発現する『男らしい古本心』が早速気弱な心に囁きかけて来るではないか…まぁしかしこの場合の『万難』というのは、概ね価格のことなのだが…。そういうわけで、何はともあれ値段を確認してみようと決めて、後の見返しを開いた瞬間、嬉しいことに万難は、いとも容易く排されてしまったのである!三千円!買える!読める!家に来てもらえる!そのまま奥の帳場に直行し、絞り出すようにして「これをくださいっ」と氏に差し出す。「小山清、こんな本出してたんですね」と精算してもらい本を受け取る。そして我慢し切れずに「向井さん、この本きっともっと高いですよ」と言うと「あぁ、そうでしょうね。でも自分そのくらいしか付けられないんですよ。まぁ古ツアさんに買ってもらえるなら、それで充分です」と嬉しさ倍増のお言葉をいただく。即座に、どひゃっほう!読みます!大事にします!このことは一生忘れません!これからは何でも言いつけて下さい!と盛大に心の中で謝辞を並べてしまう。それほど、とてもとても嬉しい一冊なのである。うぅむぅ、やっぱりお店には労を厭わずに足を運んでみるものだと、改めて思ってしまった、八月最初の古本的慶事体験!俺は今日、この本に出会うために、古本の神に、早稲田へと導かれたのだ…。その後は、鞄の中の「幸福論」の存在を、大きく幸せに感じながら、帳場前に立ち尽くして一時間ほど色々お喋りしてしまう。
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posted by tokusan at 18:13| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする