2017年08月06日

8/6「獏の店」の野望を嗅ぎ付ける。

本日は三鷹台に流れ着いたので、『神田川』を渡って「絵本&アート 獏の店」(2015/08/10参照)の様子を見に行くことにする。途中おばあさんが店番をする、お洒落さゼロの余りに日本的なアンティークショップの50%OFFセールに惹き付けられつつも、記憶をガツガツ掘り起こして水色の日除けのお店にたどり着く。店頭絵本箱をまずは漁り、300円の福音館書店ものがたりえほん36「あな/谷川俊太郎作・和田誠絵」をパスポートとして店内に突入。中央テーブルには絵本空間に似合わぬオッチャンが店番をしており「いらっしゃいませ」とボソリ…のっぴきならぬ理由で頼まれての店番中だろうか…。主に右壁棚の箱入児童文学本に熱心な視線を注ぐが、本日は出物なし。ということであっさりと表から持ち込んだ絵本を購入することに。そこに外から戸川昌子風マダム店主が帰還し、いきなり「何?何買ったの?」とフレンドリー過ぎる距離感で、心の垣根をを飛び越えて来た。谷川俊太郎&和田誠コンビの絵本であることを告げると「そっかー。俊太郎さんかぁ」と感心し始める。そしておもむろに「今は絵本が多いんだけどね、近々絵の展示を始めようと思うの」「はぁ…」「現代美術なんだけど。その壁に飾ってあるリトグラフ、いつ頃のだか分かる」「う〜ん、1950年代くらいでしょうか…」「生まれたのは1885年生まれの人の作品よ。ドローネ。ソニア・ドローネ」「あっ、知ってます!(何故知っているかと言うと、昔録画したNHK『日曜美術館』の鴨居玲特集で、本編終了後の展覧会紹介ミニコーナー『アートシーン』の初っ端が、ソニア・ドローネ展だったのである。…ただそれだけなのだが、何度もその録画番組を見ているせいか、名前だけが頭の中にこびり付いていたのである…)」と答えると「ちょっとアナタ時間ある?」と奥に引っ込んでしまった。すかさずオッチャンが「時間、なくてもいいですよ」と助け舟を出してくれるが、ちょっと面白そうなのでマダムの話を拝聴する覚悟を決める。持ち出して来た、しっかりと作成された自分史のファイルを紐解きながら長いお話がスタート。聴けばその昔、神保町でギャラリーを開いており、ソニア・ドローネのコーディネーターもされていたとのこと。上野の『西洋美術館』での展覧会も、彼女が当時の美術館館長にフランス語を教えていた縁で、ドローネ展(1979年)の企画が通ったとのことであった。うむ、それはスゴい。その他にも前衛芸術運動『コブラ』の話(こちらの日本への紹介にも大いに貢献していた模様)などの数々を、学生気分でおとなしく聴き続ける。と言うわけで「獏の店」は、いずれソニア・ドローネとコブラ派の作品で、埋め尽くされることになりそうです。最後の最後に「あなたは学生さん」「いえいえいえいえ、もう全然とっくのとうに卒業してますよ」と言うと「あら、やぁねぇ〜。もう年取ると、年下はみんな学生に見えちゃうのよ」とひとり大笑いされている。この場所の旧店である「B-RABBITS」(2008/08/27参照)の女性店主も面白い人だったけど、「獏の店」も負けず劣らずだなと感じ入り、雲がモクモク広がる青空の下を、京王線浜田山駅からすぎ丸に乗り込んで帰路に着く。
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posted by tokusan at 21:25| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする