2017年08月08日

8/8東京・西太子堂 Cat's Meow Books

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路面電車の面影を残す世田谷線のホームから出て、踏切の南に立つ。そこからすぐに西に真っ直ぐ延びて行く、住宅街の細道に入り込む。ツツツツと百メートルも進めば、本日オープンしたばかりの、猫のいる新刊屋+古本屋+カフェな新店が左に輝き現れる。すでに店内は激しく賑わっており、何やら取材も入っているらしい。その小空間の喧噪にユラッと飛び込むと、左奥の帳場に立つ男女二人が「いらっしゃいませ」と迎えてくれて、女性の方が「こちらは新刊コーナーになってまして、奥は古本を販売しています。奥は靴を脱いで入っていただくんですが、猫がおりますので逃げ出さないよう素早い開け閉めをお願いします」とレクチャーされる。ちなみにこのお店の猫は、全員元保護猫の店員さん(店長さんもいるのだが、この時は二階に籠っているらしく姿を見せず…)という位置づけである。新刊コーナーにはテーブルを真ん中にして猫本が多く並び(犬本もあり)、帳場前には洋書の猫写真集や絵本が飾られている。また帳場背後頭上には、グロテスクなほど巨大な猫の顔面ぬいぐるみアリ。狭いカウンター前を通過して、奥の木の格子戸をスラリと開けて、素早く身を入れて閉めて、靴を脱ぐ。左右が猫も遊べる壁棚(棚の棚板や側板には、猫が通れるほどの大きな穴が空いているのだ。もちろんそこに本は置かれていない)となっており、中央には大きなテーブルが置かれている。おぉ!窓際に鯵虎猫が寝ている!そしてその姿をお客さんがかわりばんこに激写している!他にも黒猫がチラチラ姿を見せ、鯵虎猫の横に身を横たえると、控え目な歓声とともに激しいシャッター音が連続して鳴り響く。完全に猫カフェ的一幕が展開され続けている。本当は私も撫でたり話しかけたりしたいのだが、この大いなる猫人気者状況ではそれも叶わぬので、一心不乱に古本を眺めることにする。並んでいるのはすべてが猫に関する本なのだが、ボックスごとにテーマが何となく設定されているのが楽しい。『猫と文学』『猫とミステリー』『「我が輩は猫である」と猫』『猫と美術』『猫と科学』『猫と民俗学』『猫と歴史』『猫と怪談』『猫とパリ』『猫と海』『猫と島』『猫と町』『猫と犬』『空飛ぶ猫』etc.etc.etc.…と、かなりバラエティ豊かに展開して行くのである。私的には『猫と怪談』ブロックに注目し、もしや橘外男の怪猫物がしれッと紛れ込んでいるのではと、視線を何度も往復させるが、残念ながら最初から一ミリたりとも存在していなかった…。中には値段の付いていない本があるので、棚の整理をしているお姉さんに聞いてみると「今値付けしているところなんです。気になったのがあったらお調べしますよ」と言われたので、さっき目ざとく見つけておいた、サンリオSF文庫「猫城記」を差し出してみると、ネットでしっかりと調べられてしまい、4500円の値付が為されてしまった…大体ネット値付の中位を参考にしているらしい。と言うわけで、値付はわりとしっかりしております。裏表紙に値札の貼られた「猫城記」をそっと棚に戻し、別な本を取り出して、早々にスヤスヤ眠る猫店員さんたちに別れを告げて、格子戸の向こう側へ。人文書院「のら猫トラトラ/鴨居羊子」を購入する。まるで星新一の短編小説のように、猫にすべてが支配されているお店である。可愛い猫たちに振り回されたければ、この西太子堂の新店へどうぞ!

帰りに寄り道して、渋谷で『宮益坂』を上がり、「巽堂書店」(2008/07/04参照)で広済堂ブルーブックス「不連続殺人事件/坂口安吾」を100円で購入する。
posted by tokusan at 17:58| Comment(2) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする