2017年11月03日

11/3百円の金語樓に慰められる

祝日なのに仕事に押し迫られ、大好きで堪らない古本屋に行くのがままならぬ状態。だがそれでも古本は買わねばならぬと、半段落着いたところで外に飛び出し、「ささま書店」(2008/08/23参照)に駆け付ける。少な過ぎる無理矢理捻出した自由時間を、一瞬の古本購入に賭けるのだ!と店頭棚を時間に追われて焦りながら、素早く精査して行く。屈むのも立ち上がるのも素早く!横に移動するのも裏側に移動するのも素早く!…今日は古めの戦後純文学が目につくな…と、その中の一冊の背に『金語樓』の文字を発見する。原稿用紙がモチーフの表紙に質の悪い帯が巻かれたその本を取り出すと、昭和二十六年刊の「笑話倶楽部 第一巻/柳家金語樓」であった。よもや店頭百均で、金語樓に出会える日が来るとは、無理にでも駆け付けた甲斐があると言うものだ。その一冊をつかんで店内もササッと巡回し、函ナシの經済知識社「夢のハイキング/磯辺晋」(昭和十年刊。丸ビル三階で耳鼻咽喉科を営む著者が集めた、人が見た“夢”の話集)とともに計945円で購入し、家へ飛んで帰る。そして午後二時過ぎに本当の一段落を迎えたので、ちょっとだけ「神田古本まつり」(2008/10/28参照)に行こうかと言う気が、ムクムクと湧き上がる。あっ!でもそうか、今日は「しのばずくんの本の縁日2017」(2016/11/03参照)も開かれているんだった!こちらは今日だけ…「神田古本まつり」はまだ日曜まで続くはずだ…よし、本駒込に向かおう。と再び慌てて家を飛び出すが、すでに時刻は午後二時半を回っている…イベントは午後四時まで…間に合うだろうか?総武線→中央線→南北線と乗り換え、本駒込駅に着いたのが午後三時二十分過ぎ。会場の養源寺を目指して歩いていると、駄々猫さんと擦れ違ったのでしばらく立ち話。五分弱消費する。…イカン!とようやくお寺の境内である会場に滑り込んだのが午後三時半過ぎ。今年は正面の参道からすでに古書ゾーンが始まっている。時間が時間なので、さほど出物は期待出来ないが、力の限り目を凝らして行こう!と気合いを入れて各店舗を巡って行くが、途端に店主やたくさんの知り合いに挨拶され、皆とそれぞれ短いながらも会話を交わす。だからそれだけで、時間がチクタク過ぎて行く…あぁ、ありがたいことであるが、古本を見なければ!と言うわけで、話しながらも古本に目を落としたり、そこそこの会話で引き上げ古本に集中したりする。そんな風に不義理しながらグルッと一周。「古書ソオダ水」に、美しい山本文庫が三冊並んでいたが、恐くて手を出せず終い。その後に面陳してあった「阿部金剛画集」がまた素晴らしくて、かなり欲しくなってしまうが、相場より安くとも六千円か…うぅ〜む。今回は迷って買わなかったが、次何処かで出会ったら、確実に買ってしまいそうだ…。結局宇宙関連本を並べた楽しい「古書鮫の葉」(2016/03/12参照)で、パラパラ立ち読みしている時に落葉がページに挟まって来た、ひばり書房ジュニア入門百科「やさしい宇宙科学 月旅行への招待」を700円で購入する。その後は『本の雑誌社』ブースに挨拶をしていると、エマーソン北村が妙なる音色を奏で始め、時刻はあっという間に午後四時。さぁ、古本も買ったし、もう帰らなければと会場を離脱する。だが早く帰らなければならないのに、地下鉄に乗らずにテクテク地上を歩き続けて、祝日でも営業してくれていた「第一書房」(2011/08/16参照)前。熱心に外棚を眺める外国人と視線を並べ、日本建築協会「建築と社会 2/1961 居留地建築特集」を100円で購入する。
kingorou.jpg
写真は「笑話倶楽部」の帯。ジャガイモの如き金語樓の生首イラストと、『魅力100%の笑いの原子爆弾』の惹句が、心に熱い楔を打ち込んでくる。
posted by tokusan at 20:33| Comment(4) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

11/1目論み崩れ、ただ古本を買う。

昨日話から始めると、夜の南荻窪に流れ着いたので、環八に出て荻窪駅方面にトボトボ向かい、この辺りでは定休日の多い火曜日でも営業している「竹陽書房」(2017/02/19参照)にフラリ。雑本の並ぶ棚をぐるりと一巡りし、彰国社「ライトの生涯/オルギヴァンナ・L・ライト」を300円で購入。阿佐ヶ谷に帰り着いて『旧中杉通り』を歩いていると、おや?定休日なのに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)が営業しているではないか。表で二冊、中の文庫棚で一冊選び精算。双葉社「半七捕物帳を歩く/田村隆一」新星出版社「たのしいあやとりの遊び方/あやとり研究会編」角川文庫「自動巻時計の一日/田中小実昌」を計515円で購入すると、昨日忘れたトートバッグを取り出し「中に本入れときますね」と手渡してくれた。ありがとうございます。さらに『中杉通り』を北上していると、「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)の灯りに誘われ、ユラリと入店。店内通路には未整理本が多数横積みされ、オヤジさんがヒイフウと片付けている。新潮文庫「追いつめられた男/カルコ」毎日新聞社「大逃走論/小田実・安岡章太郎」を計500円で購入する。

そして本日は午後一時前に外出。目指すは花小金井の事務所店「秋桜書店」である。「古書の日」スタンプラリー開催に伴い、一時的に事務所店を店舗として営業しているのだ。この稀なチャンスを逃してなるまじ!と、スタンプを捺すフリをして、一気にツアーしてしまおうと目論んだのである。そう、私は似非スタンプラリー参加者!偽りの訪問者なのである!その証拠である真っ白な台紙を携え、花小金井駅に降り立ち、南口側の『花小金井南町交差点』近くにあるお店を目指す。その交差点には、昭和な豆腐屋や焼鳥屋が肩を寄せ合っており、横断歩道を渡り脇道に少し入ったビル一階に、半分シャッターを下ろしたマジックミラーフィルムで通りを鏡のように映し込むお店があった。
cosmos_shoten.jpg
…だが、スタンプ台が外に出されてしまっている!これは、店主が外出している徴でもあるのだ!うぉぉぉ、なんたるタイミングの悪さ…扉に近づき、そっと隙間に目を凝らすと、鍵がガッチリと掛けられている…くぅ。仕方なく、所在なく、カフカ「変身」のスタンプを、取りあえず台紙に捺してみたりする。目論みは脆くも崩れ去り、ただのスタンプラリーを始めたばかりの者になってしまった…。さりとてこのまま帰るのも切ないので、青空に浮かぶ美しい鱗雲を眺めながら東村山まで移動して「なごやか文庫」(2012/01/10参照)に突入。こぐま社「かお かお どんなかお/柳原良平」立風書房「現代民話考[第二期]3 ラジオ・テレビ局の笑いと怪談/松谷みよ子」を計280円で購入する。スタンプラリー終了まで後四日か…。
posted by tokusan at 16:56| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする