2018年06月30日

6/30炎天下ムサシノ・パトロール。

炎天下の午後一時過ぎに東小金井に流れ着いたので、「尾花屋」(2017/06/15参照)→「BOOK・ノーム」(2009/02/13参照)→「浩仁堂」(2011/02/15参照)と、安値で古本が買えるお店を繋いでみることにする。新小金井駅前の「尾花屋」では、店頭100〜300円棚から何をとち狂ったか女子的な二冊を掴んでしまう。学研ユアコースシリーズ「ジュニアの楽しいあみもの」(カバーや扉絵はみつはしちかこだが、中身は無名デザイナーが担当している)暮しの手帖社「貝のうた/沢村貞子」を計300円で購入する。長閑でスクエアな住宅街を北に抜けて「BOOK・ノーム」の店頭台に視線を落とす。即座にワゴンと足下の箱から一冊ずつ文庫を抜き出し、店内にて精算。すると店主の奥さまは、「一冊五十円ですけど、もう一冊選んでいただければ三冊で百円…あら?こちらはもしかしたら下の箱から?」「あっ、もうそのままの値段で大丈夫です。二冊で百五十円で」「あっ、本当ですか?申し訳ありませ〜ん。ではすみませんが百五十円で」…五十円・百円で繰り広げられる売る側と買う側の思いやり合戦……やっぱり古本屋さんって、この世知辛い世の中では、心温まる稀少な空間である。角川文庫「走れ、コヨーテ/戸井十月」ちくま文庫「野を駆ける光/虫明亜呂無」を計150円で購入する。そのまま東小金井駅まで出て、我慢できずに缶ビールを一本買ってから、北側に出て高架沿いを東に向かってトボトボ歩んで行く。ここはまだ比較的新しく作られた道路で、開発中の土地も多く、周囲からの接続などが中途半端な状態なので、車通りも人通りも少なめな、およそ一キロの直線道。
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何もないからこそ、ボ〜ッと何も考えずに、足を左右交互に進めてさえいれば、いつしか武蔵境に着いているのである。ただただ、街の中で、歩くだけの人になれる瞬間を、缶ビールで喉を潤しながら味わって行く。高架下には、お洒落な飲食店やフリーペーパー書店や、夢がはち切れそうになった小さな独房のようなミニショップや、駐車場や薬屋や、鉄道をモチーフにした児童用のクオリティ高い遊戯施設や、駐輪場などが連続して行く。そんなものたちを横目で見ながら、スタスタスタスタ…おや、いつの間にか武蔵境駅。北口の「浩仁堂」にほろ酔いでたどり着くと、店頭がいつもと違い、絵本箱多めの児童用仕様となっている。店内の正面棚の半分が絵本棚として開放されていたんので、結局手にした二冊は絵本となってしまう。福音館書店「ぴかっ ごろごろ/フランクリン・M・ブランリーぶん エド・エンバリ―え」(原題は「FLASh,CRASH,RUMBLEAND ROLL」)至光社「もず/作版・初山滋 詞・古倫不子 曲・諸井誠」を計200円で購入する。いや、この二冊はなかなかに良い買物が出来ました。
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2018年06月29日

6/29「九曜書房」で快気祝いを。

どうにか一週間でポンコツから脱せたようなので、快気祝いに古本を買いに出かける。あぁっ、自由に動けるって、本当に気持ちいい!目指すは大好きな「九曜書房」(2009/03/26参照)。足取り軽く、強い日射しが降り注ぎ強風が吹き荒れる、早過ぎる梅雨明けの東京の街を、古本のことだけを考えて前進する。地下駅から炎熱の地上に出て、高校グラウンド脇の小道に入り込むと、お店も暑さに喘ぐように営業中であった。背中を焼かれながら店頭本を眺めた後、ちょっとだけ涼しい店内に進み、良質の五百均本棚から二冊抜き出す。後は左側通路に進み、通路棚の文庫ゾーンをチェックしてから、奥の古書棚にテール・トゥ・ノーズでピタリと張り付く。既視の古書と未知の古書が絶妙にブレンドされている。声高に何度でも言おう、ここはやはり良いお店である!「ダダイスト新吉の詩」が裸本で一万!うぅぅぅぅ、昭和八年の見たこともない「白木屋の大火災」なんて本が…四千円かぁ。などとガサゴソガサゴソ気になる本を引き出しまくり、そこだけでおよそ十分弱たっぷりと楽しんでしまう。…だが、少し楽しみ過ぎた。そしていじり過ぎた…こうなると、ここから何も買わずに引き上げるのは、何だか悪いような気がして来てしまう。もちろん本は充分に丁寧に扱い、何も臆する必要はないのだが、気の小ささと自意識過剰気味の心の働きが、そうさせようとしているのかもしれない…いやさらに考えを突き詰めると、もしかしたらただ本が欲しいがために、自分にそのように思わせる暗示を掛けて、購入させようとしているのかもしれない……などと決して決着のつかぬ思考を疑い深く無駄に掘り下げつつ、やはり古書棚からも一冊抜き取ってしまう。岩谷書店 岩谷選書8「厨子家の惡靈/山田風太郎」小学館「恐怖の灯台/つげ義春」国際情報社「快楽亭ブラック 文明開化のイギリス人落語家/小島貞二」を計3000円で購入する。
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2018年06月27日

6/27神奈川・山手 古書けやき

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ポンコツ具合がだいぶ快方に向かっているので、古本神・森英俊氏よりタレ込まれたのに放置していたお店を目指すことにする。中央線→湘南新宿ライン→根岸線と乗り継いで、一時間ちょっと。改札を抜け、線路下を潜って駅の東側に出て、細い坂道階段を、山の上目指して上がって行く。山全体を覆う住宅街の中を縫うように、喘ぎながら上昇して行く。階段が終わると『ふぞく坂』に抜け出るので、道なりに南東に上がって行くと、山の尾根を南北に貫く『YC&AC通り』。続いてうねる尾根道を南に歩いて行く。低い山とは言え、青い空が格段に近く広くなっている。左手にチラリとレインボーブリッジが見え、Suchmosを大音量で流しながら運動会の練習をする学校脇を過ぎ、道は東西二股に分かれる場所に出る。東の遠くには本牧の青黒い海と工場が見えている。だが西の住宅街に進路を採り、住宅街の中の坂道を下って行く。行き当たった三叉路で東に折り返し、さらに坂道を下る。下る。下る。小さな切り通しを通過し、ようやっと『本牧通り』に到達すると、そこは『閘門バス停』前(閘門は“こうもん”ではなく“くまかど”と読む)。東側の歩道に渡り、二つ先の『二の谷バス停』を目標に、東北に通りを進んで行く。テクテク歩いて『東福院前バス停』をクリアし、やがて目標の『二の谷バス停前』着。道路を挟んで、西の山沿いには巨大な集合住宅や商業施設が広がり始め、右の山沿いには昔ながらの住宅が集まっている。バス停手前の、その住宅街への小道を東にズンズン入り込んで行く。一軒家ばかりである。だが、横切る小道も無視し、奥の奥である行き止まり部分に達すると、庭に草木が咲き誇り、古民家や住居が建つ門に、「けやき」と大書した看板が現れた。これなのか?と訝しがりながら、お店への小道を伝う。途中パラソルの下に、カバーナシや文庫本を入れた無料箱が出現。本当にお店なんだ…と思いつつ、右に古民家と井戸を見ながら、さらに奥に足を踏み入れると、左手母屋の奥が古本屋さんに改造されていた。す、素晴らしい胸躍る光景!ウッドデッキに上がり込むと、椅子や台の上に百均の絵本や単行本が並べられている。目の前の大きなサッシ扉を開き、靴を脱いでから店内に上がり込む。六畳間ほどの空間で、右壁一面に100均文庫・一般文庫・時代劇文庫・時代小説・文学の棚、左壁に落語・歌舞伎・酒・料理・洋裁・暮し・映画・美術・横浜・大判本・美術作品集・図録などを並べた五×五のボックス棚。奥壁右に海外ミステリ・音楽・LPレコードが集まり、左側が児童文学&絵本棚をカウンターにした帳場が設えられている。その奥の手が届かぬ棚には、レコードプレーヤーとともに、シャーロック・ホームズ関連本が多く集められている。入った時はそこに誰もいなかったのだが、本を見ている途中で、暖簾で分けられた左奥の生活空間から、奥さんらしい人が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれ、続いてメガネを掛けた凛々しい小松政夫風男性店主が「いらっしゃいませ」と登場した。本の数はそこまで多くないが、古本屋があるとはとても思えぬアプローチと、民家の一部を改装した完全隠れ家店舗に、激しくトキメキを覚えてしまう。古い本はあまりなく、値段は安め〜普通。朝日ソノラマ「オールカラー版 ペパモ 紙で作るヒコーキ/田中愛望考案」サンリード「みんな とぶぞ/ささき まき」を購入する。とにかく駅から遠いので、バスで来ることをお薦めします。

車中の読書は、手に入れたばかりの文圃堂「宮澤賢治全集 第三巻」。コンコ堂の七周年記念ポーチを活用し、本が傷まないように大切に扱っている。往きに『銀河鐡道の夜』、還りに『グスコーブドリの傳記』を読了。『さあ、切符をしつかり持つておいで。お前はもう夢の鐡道の中でなしに本統の世界の火やはげしい波の中を大股にまつすぐに歩いて行かなければいけない。天の川のなかでたつた一つのほんたうのその切符を決しておまへはなくしてはいけない。』…ぅぅぅぅぅぅ……。
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2018年06月26日

6/26文圃堂の「銀河鐡道の夜」!

ポンコツ模様+読了した「紙魚殺人事件」に見事に騙されたショックを受けたまま(こんなにも探偵小説を読んでいるのに、毎度トリックに騙されてしまう己をついつい呪ってしまう。本当は鼻歌でも歌いながら明晰にズバッと犯人を嗅ぎ付けたいのだが、すぐにストーリーにブンブン振り回されてしまい、作家の思う壷に嵌ってしまっているのだ。まぁだからこそ、いつまでも楽しく色んな探偵小説を読み続けられるのだが…)、日野の崖上に流れ着く。見たことのない西東京の景色が、眼下に壮大に広がっている…。

本来ならば八王子にでも足を延ばして古本屋を巡るべきだが、ポンコツボディを労り、そのまま帰路に着きつつ西荻窪で途中下車。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に飛び込み、表紙デザインを担当した盛林堂ミステリアス文庫新刊「怪魔山脈/西條八十著・芦辺拓編」を受け取る。本棚探偵・喜国雅彦氏のイラストとともに良い仕事が出来たと自負してしまう出来映え。まだ読み始めていないのだが、編者芦辺氏によると、少女ばかりでなく、男の子にも容赦しない怪奇探偵小説で、ひたすら猛烈なアクションと無茶なアイデアが繰り出されるらしい…さすがクレイジー・八十の面目躍如!早く読み始めなければ…。
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だがヨロヨロ家に帰り着くと、嬉しい嬉しい嬉しいヤフオク落札品が投函されていた。昭和九年刊の文圃堂「宮澤賢治全集 第三巻 作品 童話・寓話・劇」(函ナシ)である。ライバルと闘いつつ5500円にて落札す。賢治の死後最初に出た本で、編者は高村光太郎・宮澤清六・草野心平・横光利一。薄めの藍色のクロス装で、高村光太郎による背文字の金はしっかりと残っている。欲しくて欲しくてたまらなかった、『銀河鐡道の夜』を初めて活字化した本でもある。オリジナルの「春と修羅」や「注文の多い料理店」を手に入れることなど望むべくもないが、賢治が生きた時代に近接した童話集が手に入ったのは、間違いなく僥倖である。こっちから先に読む、読むぞ!しっかりと楽しんで、賢治を側に感じて読み込むぞ!

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口絵写真と本扉。文圃堂書店は一〜三巻を出して潰れてしまい、紙型はそのまま十字屋書店へと受け継がれた。十字屋版は一〜六巻+別巻の布陣である。
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2018年06月25日

6/25西口広場で探偵双書!

徐々に快方に向かっているのだが、未だポンコツ模様であることに変わりはない。だがそれでも古本屋には行きたい!古本は買いたい!というわけで午後に己を甘やかすように、『新宿駅西口広場』で今日から始まった、「第32回新宿古本まつり」を見に行って、お茶を濁すことにする。たくさんのお店が向こうから出向いて来てくれているのだ。盛大に甘えてしまおう。そう思い、ゆっくり歩いて電車に乗って新宿駅へ。地下の西口改札を抜け、雑踏を構成する一人となり、円形の『東京都交通広場』を目指して歩いていると、目の前に大きく手を振る人が。あっ、『本の雑誌社』の独り営業マン・炎さんじゃないか。どうやら西口側のビル内新刊書店を営業行脚しているところらしい。「古本市ですか。でも、時間がちょっと遅いんじゃないですか?」「いや、このくらいでいいんですよ。初日ですから。きっとなにかあります」「あぁっ、私も後で寄ろうッと。もし見かけても、見なかったことにして下さい!」などと会話する。会場には、およそ百二十のワゴンが、六台〜八台単位で固まり古本島を作り、広場の半円を埋め尽くしている。各通路には、古本修羅と通りがかりの人が混合して蠢き、かなりの賑わいを見せている。端っこから、丁寧に本の背を追っかけて行く。一番心惹かれたのは「雲雀洞」さん(2016/07/22参照)ゾーン。深みのある雜本具合と、珍しい古書が安値でポロリと出現する瞬間を味わえるのがたまらない。春陽堂の探偵双書「湖底の囚人/島田一男」「奇蹟の扉/大下宇陀児」が共に1500円。ちょっと悩んで状態がなかなか良い「湖底の囚人」をセレクトする。他に講談社現代新書「ファンタジーの世界/佐藤さとる」をワゴン下部から見つけ、満足を大いに深める。結局あっという間に一時間弱が経過。レジに居合わせた、鬚が生えてちょっとワイルドになった「一角文庫」さんと挨拶を交わし、前記の二冊を計1944円で購入する。市は6/30まで。
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この『探偵双書』は巻末に『「探偵双書」刊行のことば』というのがあるのだが、探偵小説の歴史と現代での効用と必要性を説きつつ、探偵小説というジャンルの未来を大きく語っている。そして最後に『小社は大正元年、わが国の探偵小説勃興期以来。斯界の発展に微力を尽くして参りましたし、近くは「日本探偵小説全集」「江戸川乱歩全集」等を刊行致しました。この度更に探偵小説の普及に一段と努力を傾注すべく、内外の名品佳品を厳選し、それらを軽装廉価版の形式で続々世に問いたいと存じます』とあるのだ。探偵小説をここまで力強く大プッシュ。いよっ、頼もしいっ!さすがは春陽堂書店!
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2018年06月24日

6/24 A・C・B殺人事件!

相変わらず転倒によるポンコツ模様が続いているが、早い昼食を摂って家を出て、杉並区長選に投票。せっかくなのでそのままの足でゆっくりジリジリと高円寺に向かい、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に憩いを求める。朝日新聞社「回転する円のヒストリア/中村禎里」実業之日本社「怪奇の創造 城昌幸傑作選/星新一編」を計900円で購入すると、店主の粟生田さんは「怪奇の創造」を指し示し「これ、きっと気に入ってくれるんじゃないかと思って、並べてたんですよ」と嬉しい発言。お客の顔を思い浮かべ、棚に古本を並べてくれている。通い詰めている甲斐があるもんだ。これでまたもや「サンカクヤマ」が好きになりました!そんな風に気を良くしながら、移動スピードは相変わらずゆっくりで、頑張って荻窪まで移動。続いて「ささま書店」(2008/08/23参照)に憩いを求める。店内奥の文学棚で、著作権継承者の全貌が掴み切れなかったので自費出版の形を採ったとあるゾーオン社「三陽堂(復刻版)料理小説集/吉田静代編」を500円で購入する。元版は大正七年出版。タイトル通り料理に関する小説を集めたもので、鏡花・漱石・三重吉・時雨・白鳥・虚子・紅葉・谷崎・花袋・藤村・独歩などなどの小説が、登場する料理により春夏秋冬に分けられ掲載されている。ちなみ小説本文の上には、料理と料理方法についての注釈が事細かく付けられており、読んでいると涎がとろりと垂れそうになる。

さてさて、日頃からお世話になっているお店で、今日も良い買物が出来たと噛み締めながら、いつもの二分の一のスピードで家路をたどる。

そして今、楽しく楽しく新保教授より合法的に強奪した「紙魚殺人事件」を読んでいる真っ最中なのだが、巻末広告に恐るべき誤植を発見する。アガサ・ クリスチイの「A・B・C殺人事件」が「A・C・B殺人事件」になってる!……ライブハウス『新宿ACB(アシベ)』で起きた連続殺人事件に、来日していたポワロが挑む!…あぁ、くだらない連想をしてしまった。それにしも、何だってこんな間違いをしでかしてしまっているのか。誤植と言うのは、本当に恐ろしい…。
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2018年06月22日

6/22古本屋ツアー・イン・教授トランクルーム【第一章】

昨日、雨上がりの濡れた階段にパーフェクトに足を取られ、仰向けにひっくり返り、尾てい骨と右肘を強打。一瞬にしてポンコツな身体になってしまう…うぅぅぅ、痛い…。だがしかし、本日は“盛林堂イレギュラーズ”として、大いなる難敵に立ち向かわねばならぬのだ。ゆっくりゆっくり歩いて、大阪に向けて古本を発送した後(近日中に「梅田蔦屋書店」ラウンジ壁面古書棚に並ぶ予定)、都内某所のビルにあるトランクルームに向かう。表からすでに内部で作業を始めている方に電話をし、扉を開けてもらう。するとそこには、懐かしき新保博久教授の姿が!数日間の東京滞在の一日を割き、一月の引越以来放置していた、隔たりが多過ぎる飛び地書庫であるトランクルームの整理に、いよいよ端緒を付けるつもりなのである。「盛林堂」小野氏はまだ到着していないので、教授の近況など聞きつつトランクルーム三部屋の現状を確認する。大部屋1は、扉を明けるとダンボールが乱雑に放り込まれ、すでに雪崩始めているのを脚立が止めている惨憺たる有様。
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大部屋2は四本通路のうち二本の極狭通路手前以外は、ダンボールが詰め込まれて進入出来ない状況。三方を棚に囲まれた小部屋は、通路にやはりうずたかくダンボールが積み上がった状態である。初っ端から絶望的な状態であるのが丸分かりだが、今日の教授はとっても一味違っていた。「いや、もうここにあるってことは使わないってことですから、ほとんど手放そうと思っています。ダンボールは別ですが、棚に入ってる本や雑誌は、もう小野さんに任せて、バンバン処分して行こうかと…」。それならば話は早い!いらないものから結束して運び出し、場所を作り部屋を減らし、どんどん作業効率を上げて行くことが出来るのだ。遅刻して登場した小野氏もその話を聞き、早速スピード早めの長期的な整理方針を組み立てて行く。というわけで今日の作業は、まず大部屋1の手前棚の本を出し、結束していつでも運び出せるようにすること。そうと決まれば、即座にあの年末年始のチームワークが復活し、テキパキと静かなトランクルームで作業は粛々と進行して行く。本を私が出し、教授が選別し、小野氏が縛る。廊下も大胆に使用して、あっという間に本の山やダンボールの山や解体された本棚が流れ出す。
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おぉ、極狭通路しかなかった大部屋に、トランクルーム本来の余裕あるスペースが生まれたではないか。途中、教授からシューアイスを椀子そばのように四個差し入れられ、早食いしながら目を白黒させる。棚脇の下部に置かれた箱を開けると『香山滋全集』。すると教授が「その箱、いっつもなんだろう?って忘れていて開けてみるんですが、『香山滋全集』が出て来るんですよ。ちょうどいい。京都に送っちゃいます」と廊下へ運び出し、むりやりダンボールに詰め込んで行く。
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そんな風に、いつの間にかフロア全体のエアコンが停止していた蒸し暑い中で、四時間弱作業する。どうにか来月中には、一部屋減らすところまで漕ぎ着けようと決め、今日のところは終了。大変おつかれさまでした。そしてもはや教授書棚整理作業の恒例ともなっている、重労働に比例した古本を鉄面皮にいただくことにする。選んだ三冊は、日本公論社「紙魚殺人事件/バアナビイ・ロツス作 伴大矩譯」ポプラ社世界推理小説文庫「怪盗ファントマ/南洋一郎」王さまのアイデア事業部「王さまのアイディア NO.7」(その昔日本全国に展開していた、便利グッズ・珍グッズを販売するお店のカタログである。『こんな本出てたんだ!』と驚くとともに『何で教授こんなのを大事に本棚に並べてるんですか!』という気持ちが湧き上がる…)を拝受する。小野氏に「「ファントマ」と「ジゴマ」、本当に好きだねぇ〜」と言われる。すると教授が「「ファントマ」は「消えた鬼刑事」が共本なんですよ」「えっ?あれも『ファントマ』なんですか?」「そうです。元々「幻の怪盗」だったのが、何故か「消えた鬼刑事」に題名を変えたんです。だからこれは第二作というわけです」「なにぃ〜!」…だがすでに「鬼刑事」は、撤収荷物を詰め込んだ奥深く隠れてしまっていた…じ、次回の楽しみにとっておきます…。
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役得の三冊。「紙魚殺人事件」のアールデコ風な装画に俄然痺れてしまう。教授、教授、ありがとうございます!
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2018年06月20日

6/20「ゾンビ」in七周年記念ポーチ!

昼食を摂ってから、雨粒の感触の無い霧雨に傘を差しかけながら、神保町パトロールに向かう。当然各店はすっかり雨仕様なので、店頭に懸ける身としては、味気ないパトロールとなってしまう。「澤口書店」(2014/04/12参照)のビニールシートに守られた店頭で、古い文庫二重棚に挑みかかるが、残念ながら成果ナシ。結局「日本書房」(2011/08/24参照)で河出書房新社「追悼特集 山田風太郎」を300円で買うに留まる。その後、同神保町で一時間ほど打ち合わせをして、水道橋駅から阿佐ヶ谷に帰還する。

色々買物をして『旧中杉通り』を北に進んで行くと、娘さんを連れた「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)天野氏とバッタリ。店先の、平野甲賀フォントの貼紙を指差し「今日で七周年です」と改めて教えられる。
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七周年記念品として、3000円以上お買い上げ時に、単行本も入る大きさの、オリジナル・ポーチがいただけるらしい。「お祝いしようと、寄ろうと思っていたところです」とニコヤカに答える。すると氏は「月曜に高い本買ってもらったじゃないですか。今日何か買ってもらえれば、あれと合わせてで、特別にポーチプレゼントしますよ」と提案。「マジですか、やった!」と単純に喜んでしまう。月曜に2625円の「昭和遊撃隊」を買ってしまったのを、早まったなと多少後悔していたのである。粋な古本屋さんの情に感謝して店内に突入。すると映画棚で、ABC出版「ゾンビ/ジョージ・A・ロメロ+スザンナ・スパロウ」が、帯付きの1030円で並んでいたので、即座にこれにしよう!と決める。帳場で奥さまに精算していただき、外に出て、娘さんとお店挨拶巡りをしている天野氏に、ドアガラス越しに挨拶する。七年…二千五百五十五日。長いようで、短いようで、気の遠くなるようで、あっという間なようで。それでもお店は、いつしか阿佐ヶ谷の立派なランドマークの一つとなり、60Wの白熱電球のような、人をホッとさせてくれる、柔らかな輝きを放っている。往き還りの通り道に「コンコ堂」があることが、どんなに日常の景色を、豊かにしてくれたことか。これからも面白い古本をドバッと並べ、阿佐ヶ谷をほんわか照らし出していただければ幸いです。
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取りあえずいただいた可愛いポーチに、買った「ゾンビ」を入れてみる…。このプレゼントは7/29までで、無くなり次第終了とのことである。
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2018年06月19日

6/19据え膳的古本をいただかぬは古本修羅の恥!

大阪に本を送ろうと思っていたところに、昨日の地震が起きてしまった。すぐにメールで「梅田蔦屋書店」の古書コンシェルジュを見舞うと、『館が比較的新しいためか、店舗や商品の被害はほとんどありません』と今日になって返事をいただいた(書店は梅田駅駅ビルの九階にある)。何はともあれ、良かった良かった。近日中に本をまとめて送ることにする。

そして本日、色々片付けてから古本を携えて西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の「フォニャルフ」棚にドドッと補充する。現在三段で展開しているが、七月終り辺りには、ちょっと縮小して濃縮的二段になる予定である。そして小野氏に何だかめんどうくさくスケジュールの無さそうな仕事を、畳み掛けるような早口で頼まれたので、有無を言う暇もなく承諾させられてしまう。…まぁなんとかなるだろう。しゃがんで右側通路壁棚の春陽文庫ゾーンを眺めていると、比較的珍しい島田一男先生の「社会部記者『午前零時の出獄』『環状線の女』」の二冊がともに安値の500円で売られているのに気付いてしまう。購入を決めつつ「なんでこんなに安いの?」と純真な子供のように小野氏に聞いてみると「だって初版じゃないし。裏にまだ三冊ぐらいあるし」とのことであった。いや、どんな理由であれ、安値で買えるならオールオッケイ!である。色々打ち合わせて帰り際に「これいる?」と鱒書房 軽文学新書「推理小説集2」を差し出される。『据え膳的古本をいただかぬは古本修羅としては恥』なので、遠慮なくいただくことにする。まぁ恐らくは、めんどくさい仕事を精神的に緩和するための布石なのだが…いや、頑張りますよ。しっかりお仕事しますよ!永瀬三吾の『妻の見た殺人』が載っているので、帰りの車中で読み始めると、ピリピリ既読感が立ち上がって来る…あぁこれ、春陽文庫「売国奴」並載の『桂井助教授探偵日記』の第五話じゃないか。ちぃ、見知らぬ永瀬三吾作品が読めると思っていたのに。こうなると、俄然本は高値で未読の「白眼鬼」が読みたくなって来てしまう。そう言えば、日下三蔵氏邸で、いつでも同じところに積み上がっていたなぁ(2014/12/09参照)。今でも積み上がっているんだろうなぁ。果たしていつの日か、読めるかなぁ。読みたい、読みたいなぁ…。
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2018年06月18日

6/18昨日のみちくさと今日の謎の推理小説。

昨日は過ごしやすい曇り空の下の「みちくさ市」。のんびりと四十七冊の古本を売り、様々な方と言葉を交わす。いつもより文庫が動いた印象で、「古本屋探検術」も多くの方に手渡すことが出来た。途中、駄々猫さんからいつも「猫ノフルホン市」に来てくれるお礼として、ソノラマ文庫「地底怪生物マントラ/福島正美」をいただく。ちなみに「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)では「第伍回猫ノフルホン市」が6/24(日)まで堂々開催中なのである。手に入れた古本はその他に、マンションの漏水で水濡れ被害に遭った本をド安値で販売していた「中野古本店」で、ミルクホール(今は亡き千駄木の「結構人ミルクホール」(2008/0811参照)である。こんな素晴らしい出版をしていたとは!)「デウスエクスマキな食堂『世田谷近代化遺産』『団地団地レボリューション!』『向島迷宮地帯』」「sumus第3号 特集:関西モダニズム」の計四冊を五百円で購入。さらには出店場所の隣りの隣りにお店を出していた「しま書房」で、復刻版の「こどものとも」、「みなみからきたつばめたち」「とんだよ、ひこうき」「ピー,うみへいく」の三冊を計300円で購入する。1989年の復刻版とは言え、極美と言える状態なのが素晴らしい。聞けばこれらは姉妹の間で不人気(「絵が可愛くない!」とのこと)なせいで、ほとんど触れられることがなかったそうである。家にはまだまだ絵本が残っているらしいが、人気の本は読み込み過ぎてボロボロとのこと。実は市の途中から、その「こどものとも」の中にかこさとしの「だむのおじさん」が混ざっているのを見つけていたので、『売れ残ったら買うぞ!』と思っていたら、目をキラキラ輝かせた「甘夏書店」(2014/11/02参照)さんに浚われてしまった…くぅぅぅぅぅぅ。ちなみに「おじさんの話なんて、可愛くないから一切読みませんでした」と言う理由で、「だむのおじさん」も見事なまでにピカピカでした…。というわけで、ご来場のみなさま、本をお買い上げのみなさま、話しかけていただいたみなさま、「古本屋探検術」を手にしてくれたみなさま、ありがとうございました。また古本を介して、遊びましょう!

明けて本日、朝の大阪の大きな地震に驚き、とにかく京阪神の古本屋さんの無事を祈る。テクテク荻窪まで歩き、雨仕様第一形態の「ささま書店」(2008/08/23参照)を一番乗りで定点観測する。すると面白い本を一冊発見する。推理文芸出版会「上海リル/川崎朝彦」。1984年の自費出版らしい。表題作は、昭和初期戦争直前上海での、楽譜に隠された暗号を巡るスパイ推理らしく、他に“推理短篇”の名の下に、『最後の魔弾で花嫁は死ぬ』『真犯人』『時効』『壮烈なる戦死』『宇佐美夫人のウイスキーボンボン』の五編(何故か二編は脚本形式)が収録されている。う〜む、怪しい本だ。だからこそ楽しそうだ。出版企画をしている『推理文芸出版会』もまた、怪しいじゃないか。文芸春秋新社「河童会議/火野葦平」とともに計216円で購入する。帰り道の途中で、開店したばかりの「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄ると、店内文学棚に昭和十三年五十八刷でちゃんと函付きの「昭和遊撃隊/平田晋作」が2575円で売られているのを発見してしまったので、我慢できずに朝日文庫「帝都復興せり!/松葉一清」とともに2678円で購入する。店主・天野氏と「ニコニコ堂」の話(2018/05/26参照。よくあの近くに買取に出向き、店前を通る度、気になってしょうがなかったらしい)や、明後日二十日(水)に迎える開店七周年の話など。また性懲りもなく、クオリティの高い記念グッズを作成したらしいので、ついつい今から心待ちにしてしまう。
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2018年06月16日

6/16梅雨の隙間に「みちくさ市」へ!

すっかり雨が上がった土曜の午後に、下連雀に流れ着いたので、まずはなんだかお客の多い「上々堂」(2008/08/17参照)を覗いてみる。入口右横の絵本台で、箱ナシのポプラ社「王さまブルブル/舟崎克彦・作 西村郁雄・絵」を手にするが、値段が何処にも見当たらない。奥の帳場に持ち込み値段を聞いてみると「おっ、剥がれてしまったようですね。すみません。状態があまり良くないので……二百円でいかがですか?」と言うことになったので、ストレートに購入する。続いてテクテク北に歩き詰め、三鷹駅を乗り越え「水中書店」(2014/01/18参照)へ。店頭の馨しい蚊取り線香の匂いを嗅いだ後、講談社ノベルス「匣の中の失楽/竹本健治」松籟社「戦後創世期ミステリ日記/紀田順一郎」を計900円で購入する。帰りの車中で「戦後創世期ミステリ日記」を早速繙いてみるが、無闇矢鱈と面白い。冒頭ページ近くに『「ポケット・ミステリ」発刊時の「推薦の言葉」』という誌面の小さな写真が掲載されているのだが、水谷準推薦文のタイトルが『探偵小説よ、はぴこれ!』となっている。…“はぴこれ”…“ハッピーコレクション”ってことか?ずいぶん斬新な今時とも言える略語を使っているな。ポケミスの誕生が喜ばしいとは言え、ちょっとはしゃぎ過ぎでは?などと一瞬思うが、良く見たら『探偵小説よ、はびこれ!』であった…どうも目が疲れているようだ…。

そして家に戻ったら、明日の「みちくさ市」準備の大詰め。どうにか全冊に値札を挟み込んだところで、疲労の極みに達してしまう。もう今日はここまででいいや。後はビールを飲みながら「戦後創世期ミステリ日記」の続きを読むことにしよう。というわけで明日は、梅雨の隙間のように天気が保ちそうな雑司が谷で、みなさんの来店をお待ちしております。「古本屋探検術」も持って行きますので、こちらもよろしくお願いいたします!
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2018年06月15日

6/15駅前の独立系「古本市場」よ、さようなら。

梅雨寒の金曜日。正午前に家を出て、駅近くの銀行で日曜日の釣り銭を調達した後に、小田急線で神奈川県の真ん中辺りに位置する大和へと向かう。駅前にある独立系の「古本市場」(2013/01/05参照)が明日で閉店してしまうのである。五年前の記憶をたどり、何となく見覚えのあるロータリーに出ると、街路樹の向こうのビル一階に、光を薄く湛えた『本CDお売り下さい』ネオン看板が輝いていた。地右側から回り込んでお店に近付くと、店頭には『閉店』『全品半額』『閉店セール50%OFF』『25年間ご愛顧いただきありがとうございました』などのビラが多数賑やかに貼り出されていた。奥深い店内に入り込むと、CD・ゲーム・コミック・アダルト目当てのお客さんが動き回っている。こちらは奥の古本ゾーンにすぐさま取り憑き、丁寧に本の背を眺めて行く。途中「あの本は売れちゃったの?」「いつまで?明日まで!?」「今駅前のCD屋が閉店セールしてるのよ!何か欲しいのある?買ってって上げる(電話で)」などの、ちょっとした“閉店狂騒曲”的場面が展開したりする。独立系なので、古書もしっかりと混ざり込む棚に感心するが、十五分ほどの滞在で、結局掴んだのは文庫のみ。双葉文庫「横浜・山手の出来事/徳岡孝夫」中公文庫「風俗時評/花森安治」「笑わずに生きるなんて/赤塚不二夫」を計432円で購入する。駅前で二十五年間、おつかれさまでした。…相鉄線&小田急江ノ島線沿線の古本屋地図も、段々と寂しくなって行くなぁ。
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古本をもう少しだけ買いたくなって、帰りに下北沢で途中下車。北口から街に出て、傘を差しながら雨仕様の「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭棚に眺め入り、桃源社ポピュラーブックス「わが一高時代の犯罪/高木彬光」(帯が付いており、『NHKテレビ放送 絶賛好評!!』のキャッチがある。…ドラマ化されていたのか。興味を持って調べてみると、1966年に一時間番組『テレビ指定席』の枠で放送されたらしい、神津恭介は津川雅彦!)ポケット文春「外事局第五課/藤村正太」自由国民社「世界の推理小説総解説/中島河太郎・権田萬治」を計500円で購入する。
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2018年06月13日

6/13「ジリウク」とフラットウッズ!

昨日は荻窪に流れ着くが、火曜日だったので「ささま書店」(2008/08/23参照)は定休日。まぁ連投するのも恥ずかしいので、今日のところは良しとし、「竹陽書房」(2008/08/23参照)脇のコンビニ前で、お店が午後一時に開店するのをジッと待つ。店頭台の準備が終わったのを見計らい、店内に素早く突入する。洋泉社「世界鬼才映画監督列伝」映画パンフ東宝「星の王子様」「地中海殺人事件」を計700円で購入する。阿佐ヶ谷に戻り、続いて渋いお店をつなぐように「千章堂書店」(2009/12/29参照)に飛び込み、新潮文庫「ひみつの王国 評伝 石井桃子/尾崎真理子」を380円で購入。『中杉通り』を北へ遡上して、今まさに開店準備中の「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)のオヤジさんと挨拶を交わしつつ店内に入り込み、講談社「井上陽水 孤独の世界/塩沢茂」を1500円で購入する。

本日は仕事をひとまとめした後、古本屋さんの楽しみ方を指南する無料リーフレット「古本屋探検術」三十冊ほどを携え、早稲田へと向かう。地下構内に溢れる大量の大学生に履いているビーサンを踏まれまくり、這々の体で地上に抜け出し、一路「古書現世」(2009/04/04参照)へ。店奥に座る店主の向井氏は、その山のような体躯を帳場周りの本の山にほとんど隠し、集中力高くお仕事中である。その隙に、店内の棚すべてに熱い視線を注ぐと、春秋社「猶太人ジリウク/ジョルジュ・シメノン」を発見出来たので、いやらしくほくそ笑む。昭和十二年の出版以来、復刊されることがなかったので、長らく読めない作品となっていたのだが、2016年に湘南探偵倶楽部が転写復刻した短篇集である。本の整理に追われて重度の寝不足に陥っている向井氏に差し出し1800円(やった!復刻版より安いぞ!とさらにいやらしくほくそ笑む)で購入する。さらに「古本屋探検術」をドッサリと託す(裏表紙に『古書現世!!!』の文字と署名入り)。その後は氏と、買取が連続して本が溢れんばかりになってしまっている顛末や、日曜の「みちくさ市」の話や、古本屋さん情報あれこれについて語り合う。その中で、今回の「みちくさ市」に参加する元アイドル後アーティスト・テンテンコちゃんの『テンテン商店』で、手作りの『フラットウッズの宇宙人』グッズが売られることを知る(本人がUFO関連にハマっているらしいとのこと)。フラットウッズファンの一員としては、聞き捨てならぬ情報である。商品の画像を見せてもらうと、ベースボールシャツがとてもプリティな仕上がりなのに驚く…か、買ってしまうかもしれない…。さらに見せてもらった、手作り故の家内制手工業的製造過程に苦笑する。朝の連ドラ『カーネーション』で、主人公の糸子が手作りで百貨店の制服を何着も作っている様子みたいだ…。
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というわけで家に戻ってから、嬉しい収穫「ジリウク」とともに、大事な『フラットウッズの宇宙人』のソフビを一枚の写真に収めてしまう。色んな意味で日曜日が楽しみになって来た!
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2018年06月11日

6/11雨仕様第二形態!

昨晩から、安定した水音を響かせている雨の中、荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)を見に行く。ほどなくして午前十一時半に店頭にたどり着くと、店頭棚は出ておらず店内廊下に置かれ、300均棚には一冊も本が入っておらず、自動ドアは半開き状態…お店の方々はすでに忙しく働いているが、これはまだ開店状態前ということなのだろうか…。
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ならば街路を一ブロックグルッと巡って来れば、その時にはすでに開店しているだろう。そう目論んで、五分ほどかけて雨の中を散歩して戻って来る。ありゃ、状態は変わらず蚊…ではもう一周…………あれ、まだ開いてない…いや、もしかしたらこれはすっかり開店している状態なのでは…そうか、これから雨風が強くなるのに備えて、いつもより深く雨仕様にしているのだな。通常の雨仕様は、店頭棚二台を軒下に出し、300均棚にも本が並び、通路に百均文庫棚が置かれ、帳場前に百均文庫&新書棚が置かれる形だが、この第二形態は、店頭には何もなく、二本の手前通路に二台の店頭棚がそれぞれ置かれ、帳場前に文庫&新書棚、そして奥の中央スチール棚脇に百均文庫棚が置かれているのだ。通路格納時の百均棚は、裏側が非常に見難いのだが、身を壁棚との間にちょっと滑り込ませたり、少しだけ棚自体を移動させたりして、どうにかチェックを進める。結果、風塵社「ヘンな本あります/北尾トロ」現代書館「霧社事件 台湾先住民、日本軍への魂の闘い/邱若龍作画」鱒書房コバルト新書「悪魔にもとめる女/松本清張」角川ホラー文庫「歯車/石ノ森章太郎」を計540円で購入する。
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まぁまぁの拾い物はこの二冊。コバルト新書の清張はあまり見かけたことがない。純文学と大衆小説の中間辺りの心理スリラー小説集である。1993年刊の「霧社事件」は、昭和五年に日本支配下の台湾で起きた、高地民族による武力蜂起を描いた漫画である。描いたのは台湾人で、高地人300人×日本軍隊&警察連合軍4000人の五十日の壮絶な闘いが、独特な漫画のリズムで力瘤強く悲しく展開して行く。

午後は家に閉じこもって仕事をしながら、少しずつ日曜の「みちくさ市」の準備も進める。3/24以来の古本販売なので、良い本がだいぶ溜まっておる…。天気予報によると、今のところ曇りの予想。このまま保ってくれると良いのだが。
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2018年06月10日

6/10古本ト占 JUNGLE BOOKS

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なかなかにハードだったここ一週間の、抜け切らぬ疲労を背負いながら、それでも突然の肌寒さに抗い、ヨタヨタ雑司が谷へと向かう。『弦巻通り商店街』の外れにあった半地下の古本屋さん「JUNGLE BOOKS」(2010/08/20参照)が、同商店街の中心部に移転開店したのである。地下深き副都心線の駅から、何度もエスカレーターを乗り換えて『1番出口』から、都電荒川線線路脇に顔を出す。池袋方面に足を向け、『大鳥神社』脇の踏切から東に折れ曲がり、街中のうねった道を進んで行く。ウネウネグイグイ歩いて行くと、やがて右手に「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)が現れ、おっ!そのすぐ先左手に、ピカピカの「JUNGLE BOOKS」が出来ていた。古本を扱うお店が近接しているのは、誠に嬉しい限りである。ジャングルっぽく緑と焦茶を基調にしているのは相変わらずで、緑の日除けの下にはガラスウィンドウが曇天の下でも輝き、移転開店祝のお花が溢れ返っている。中に入ると、焦茶のウッディでシックな空間。奥の帳場に座るジャングル・ケンさんと挨拶を交わす。ここは完全でまともな古本屋空間と化しており、奥のガラス障子で仕切られたスペースが、占い空間として独立している様子である。その証拠に奥からは、ジャングル・ユキさんがフランクにフレンドリーに託宣を告げていたり、筮竹を鳴らしているような音が聞こえて来る。古本屋空間は、左右の両壁棚と、真ん中に平台棚が置かれたシンプルな構成。以前のお店とそんなに蔵書量は変わっていない感じである。左壁棚には、日本文学文庫・ちくま文庫・講談社文芸&学術文庫・ミステリ系文庫・SF文庫などが質高く並べられ、さらに性愛・映画・ミステリ&エンタメ・文化・占い関連・新刊・占いグッズ・CDなどが続いて行く。中央の平台棚には雑貨類とともに、幻想文学・アート・絵本が集められている。入口右横にはLPや奇妙なプレイヤーが置かれ、右壁棚に児童文学・絵本・古書・神秘学・オカルト・民俗学・海外幻想文学が並んで行く。質は高いがその分値段はしっかり目である。ケンさんに引越は近所だからと言ってまさか台車で?と聞いてみると、ちゃんと車で運んだそうである。旧店にあった時から買おうかどうか迷っていた、博文館「動物小説集 紅鱒/乾信一郎」がまだ残っていたので、心を決めてついに買うことにする。函ナシで1500円也。

帰りに新宿で途中下車し、『BERG』のカウンターに寄りかかり、ハーフ&ハーフを傾けつつ小林信彦「冬の神話」を読み耽る。山奥の鍾乳洞を訪れる下りで、連想した江戸川乱歩「妖怪博士」を長々と引用する箇所があるのだが、それを受けた文章が残虐な展開になっているのが何とも不思議である。あれ?二十面相こんなことしたっけ?まぁもう、四十年前くらいに、親戚の家の近くの図書館で借りて一晩で読んだのが最後だからなぁ。でもやっぱり、二十面相は、こんなことしないはずだが…小林信彦の秘められた妄想、いや願望なのであろうか。などと思考を余計な脇道に盛大に逸らせ、雑踏の地下道の片隅のお店で、緩い読書の時間を満喫する。
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2018年06月09日

6/9お知らせ二つ。

今日は昼過ぎに吉祥寺に流れ着き、住宅街の中で、色とりどりの花を咲かせて散らしている庭のある一軒の住宅に魅せられると、何とそこは楳図かずお邸であった。木々の向こうに、赤と白のダンダラ模様の外壁を持つ奇異な家が建っているではないか。「蠅の王」に匹敵する永遠の傑作漫画「漂流教室」へのリスペクトの意志を表すため、エグエグしながらも邸前で“グワシ”を敢行する…ふぅ、満足。その後は「よみた屋」(2014/08/29参照)に立ち寄り、大正十三年刊行の朝日新聞社「アサヒグラフ臨時増刊 映画號」と偕成社SF名作シリーズ23「超能力作戦/ラッセル・作 中尾明・訳」を計千円で購入する。さらに「古本センター」(2017/03/06参照)に足を延ばし、新潮文庫「魔風戀風/小杉天外」春陽文庫「死人に口なし/城昌幸」(復刻版)「江川蘭子/江戸川乱歩他」「蝶々殺人事件/横溝正史」を計950円で購入し、あまりの炎熱に舌をハァハァ出しながら、命からがら帰宅する。
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B4サイズの「アサヒグラフ臨時増刊 映画號」をパラパラ捲ると、撮影所の屋根と屋根の間を幅跳びする、命知らずの高木永二の写真が!…危ない、危ないなぁ…。
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そしてさらにページを捲ると、米國では自動車が空を飛ぶ写真が!…危ない、危ないなぁ…。

※お知らせ二つ
1. 「本の雑誌7月へちま提灯ゆらり号 No.421」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』で今回訪れたのは、京都の「古書 善行堂」。重度の古本バカをいつ何時でも優しく受け入れてくれるお店は、京都に行ったならば、何を置いても駆け付けたい癒しの空間なのです。面白過ぎる本誌特集の『巨魁・西村寿行伝説!』と合わせてお楽しみ下さい!
2. 6/17(日)の『鬼子母神通り みちくさ市』に参戦いたします。探偵小説や付録本、日本近代文学・珍しい本・下らない本・ブログに登場した本など販売しますので、お誘い合わせの上お越しくださいませ!そしてどうか、雨よ、降らないでくれたまえ!私のすべての幸いをかけて、願ったり願わなかったり……。
『第42回 鬼子母神通り みちくさ市』
◆2018年6月17日(日)
◆11:00〜16:00(雨天中止。当日8:00に天候による開催の有無を決定)
◆雑司が谷・鬼子母神通り(東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周
辺・東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ)
◆お問い合わせ michikusaichi●gmail.com(●をアットマークに変えて送信
してください)
みちくさ市本部 携帯電話:090−8720−4241
http://kmstreet.exblog.jp/
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2018年06月07日

6/7月状顔!

今日はまたもや“盛林堂イレギュラーズ”として、先日作業した某研究所(2018/05/14参照)から古本を運び出す力仕事に従事する。正午過ぎの研究所門内にワゴン車を乗り入れ、箱入り本や大型本を働き蟻のようにセッセと運び出す。門内は台車が使えないので、ひたすら人力に頼るしかないのである。…と、と、とにかく本が大きい!重い!盛林堂・小野氏と力を合わせて、素早く四十分ほどで作業終了。その後は直接神保町に向かい、「東京古書会館」に搬入する。ところが一階の荷捌場が、明日の市の搬入のために満車状態。仕方なく会館前に停め、奥からカーゴを引っ張り出して来て、素早く車から本を下ろして行く。
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すぐさま他の古本屋さんが寄って来て、品定めなどしながら情報交換…おぉ、すでに入札の闘いは、この時点から始まっているのだ!などと、何気ないプロの駆け引と腹の探り合いを横目にしながら、本をダンダン積み上げる。カーゴ二台半に凶悪に重い本たちが無事に収まり、小野氏の手によって会館の中に無事消えて行った。その隙にこちらは受付に姿を現し、広報さんから新たな「古本屋探検術」を百部ほど受け取る。たった三時間くらいしか働いてないのに、わりと疲弊して西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に無事帰還する。ついでなので「古本屋探検術」二十部ほどに、帳場脇に立ち尽くしながら署名を入れ(今回識語はないのだが、署名は表紙に入っております)、置いておくことにする。そして小野氏から本日のボーナスとして、お店でダブっている『春陽堂世界名作文庫』を何冊かいただくことに。よっ!その中にジャック・ロンドンの短篇集「月状顔 外七篇」が入っているじゃないか!文庫本一冊でたちまち疲れが吹き飛んでしまう、安い安いイレギュラーズなのであった。
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昭和七年刊。表題作の『月状顔』とは、まん丸い顔のこと。つまり原題の『MOON FACE』を直訳したものなのである。月状顔……。
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2018年06月06日

6/6怪談じゃない!

シトシト雨の中、午後に東恋ケ窪に流れ着く。よし、では今日こそはと、西武国分寺線で一駅北に進んで、四年ぶりの「古本ゆめや」(2009/06/26参照)を訪れる。店先では、店主が椅子に深く腰掛けながら、向かい合ってこれまた椅子に座っているうら若き女性と、バリトンボイスを響かせながら歓談中である。一瞬お店に入るのを躊躇してしまうが、店主&女性ともに「どうぞどうぞ、いらっしゃいませ」と迎え入れてくれる体勢。座る二人の間を通って店内に進み、古本棚と向かい合う。創元推理文庫「スーパーゲームアドベンチャー バック・トゥ・ザ・フューチャー/安田均・TTG」角川文庫「エレファントマン/マイカル・ハウエル ピーター・フォード」を計920円で購入する。
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古本を買って家に帰れば、ヤフオクで落札した古本が、封筒の中から出されるのを待ってくれていた。ライバル少しありの3100円で落札した、大川屋書店「怪談百物語 船幽靈/高山怨縁編」である。大正六年刊で、表題作以外に『死人喰ひ』『清が淵』を収録。縦148mm×横88mmのポケットサイズ。巻末の広告を見ると、他に「化物長屋」「麻布七不思議」「鍋島の化猫」「本所七不思議」「不思議の白虎」「幽靈の手引」などがラインナップされている。広告上部には『ポケット形怪談百物語 全百冊』とあるが、本当に百冊も出したのだろうか…。
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写真は上が素晴らしいカバー絵と、これまた素晴らしい1色の表紙絵である。下は見返しのこれまた素晴らしい口絵。すべて『船幽靈』からのワンシーンである。とここで、絵に違和感を覚えたので、すぐに本編を読み始めることにする。…どうやらいわゆる『船幽靈』の怪談とは違い、オリジナルあるいはアレンジ作らしいな…。早々に九十四ページの中編を読み終えると、思わず口元が盛大に綻んでしまう。ぜんっぜん怪談じゃない!むしろSF作品じゃないか!海に現れる巨大な幽靈に端を発し、取りあえず怪談らしく物語は進んで行くのだが、途中、帆船+蒸気船の怪船が出現する頃から、話は怪しくなって行く。船から続々姿を現す幽靈軍団と、その高さ二丈に及ぶ巨大幽靈(大体六〜七メートルであろうか。表紙の絵はこの幽靈である)!その幽靈出現の元、謎のオーバーテクノロジー『幻靈機』!そして臺湾征服の野望!…もうメチャクチャ過ぎて、やはり落として良かったと思える逸品なのであった。こうなると他の巻も俄然読みたくなって来る。取りあえずは「幽靈の手引」辺りが、怪しい怪しい…。
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2018年06月05日

6/5岡崎武志邸再び!

昨日は品薄になってしまった奇天烈識語署名入り「古本屋探検術」を三たび大阪「梅田蔦屋書店」に送付し(近日中に古書関連コーナーに並ぶはず)、その後は余暇時間を定店観測に費やす。「ささま書店」(2008/08/23参照)ではハヤカワポケミス「シャーロック・ホームズの復活/アーサー・コナン・ドイル」を108円で購入し、一旦家に戻ってから西武新宿線に乗り込み東村山へ。無人販売帯の「なごやか文庫」(2012/01/10参照)をじっくり観察し、創樹社「海辺の生と死/島尾ミホ」晩聲社「水俣・韓国・ベトナム/桑原史成」大陸書房「失われたムー大陸/ジェームズ・チャーチワード」を計390円で購入する。

本日お昼前にTVを見ていると、日大アメフト問題に絡んで日大の在校生が路上でインタビューされるシーンが映し出された。その背後には麗しの「日本書房」(2011/08/24参照)の店頭が!しかも木製台を人が覗き込んでいる!今直ぐ水道橋に飛んで行きたくなるが、そんなことをしたら後の予定がガラガラと音を立てて崩れてしまうので、グッと我慢してやるべきことを片付ける。

午後三時に外出して、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、店内で“盛林堂イレギュラーズ”に変身する。店主小野氏とともに都内某所の岡崎武志邸に向かい(ドアに『歓迎!盛林堂ご一行様』の貼紙を出しテンション高めに迎え入れてくれた岡崎武志氏である)、
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地下の書庫兼書斎を埋め尽くしてしまった、いつかしら溜まりに溜まっていた古本を整理する作業に従事する。玄関を入った途端に出迎えたのは、黒猫と黒灰虎猫。目をまんまるにして、闖入者に怯えながらも興味を持ち、しばらくつかず離れずの距離を保っていたが、やがて本を運び出す音に怯え、二階へと避難してしまった…。
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一時間半、三人ともくしゃみを連発しながら、およそ三百冊ほどの本を一階に運び上げる。地下は涼しく暗く、まるで古本で出来た深海のようである…。
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あっという間に古本で埋まってしまった居間の一角。その塊を見て本日は満足し、最寄りの『王将』にて打ち上げてしまう。そして本日の報酬として、ちゃっかりと荒木書房「密林の寶庫/里見孝」をせしめてニンマリとする。
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2018年06月03日

6/3ツアーしていない“いとう”であった。

早起きして一仕事済ませ、その後家内の古本と多少格闘する。午前十時に古本を抱えて外へ飛び出し、一路分倍河原へ。「ブックセンターいとう分倍駅前店」が本日閉店するタレコミを複数いただいたので、背中を押されて見に行くことにしたのである。だが、ごちゃついた小道と異様に立体的な跨線橋がつながる駅前で、ふと気付いたことがある。『ここのいとうには、来たことがない。かつてツアーしたことがない』ということに。焦って端を南に渡り、駅のすぐ横にあるお店に駆け寄る…やっぱり来たことがない。閉店情報に派手に彩られた店舗の中に入り込むと、お店は開店したばかりなのに、たくさんの人が押し寄せている。閉店セールは全品30%オフ。一階はトレカやゲームやアダルトとともに文庫本が奥に集められている。一通り棚を眺めて二階に進むと、一階とは比べ物にならぬ広さで、奥三分の二はコミックに占められ、手前側に児童文学・雑誌・映画・音楽・日本&海外文学・文化・実用・新書・100均文庫が固まっている。古書がないか慎重に各棚や通路の隅に視線を巡らすが、残念ながらその影はナシ。二冊の本を選んで階下のレジに向かうと、そこには十人ほどの列が出来ている。トレカやコミックセット大量買いの人々の精算をボ〜ッと待ちながら、ワイズ出版「映画の胡弓 澤井信一郎の監督作法/澤井信一郎・鈴木一誌」大和書房「傷だらけの天使/市川森一」を計1610円で購入する。出会った瞬間にさらば。分倍河原の“いとう”よ。
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その後は昨日訪れたばかりの西荻窪に向かい、「フォニャルフ」に気合いを入れて補充する。本棚探偵に負けてなるものかと、独り相撲でありながらも、竹中労「団地 七つの大罪」やウェルズの「モロオ博士の嶋」(ドクターモロー初訳本)などのレア本を並べておりますので、何とぞよろしくお願いいたします!
posted by tokusan at 14:36| Comment(6) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする