2018年09月29日

9/29意外な編集委員

お昼過ぎに浜田山に流れ着いたので、いつものようにすぎ丸で帰ろうかと思うが、それではなんだか能がないので、一旦雨の吉祥寺に出て、古本屋をパトロールして帰ることにする。井の頭線の北側のドアにもたれかかっていると、吉祥寺駅手前で、一瞬「よみた屋」(2014/08/29参照)の店頭が眼下を通り過ぎる。その店頭に駅舎を抜け出て駆け付け、早速晶文社「浅草最終出口 浅草芸人・深見千三郎伝/伊藤精介」NHK人間大学「建築探偵・近代日本の洋館をさぐる/藤森照信」宝石社「別冊宝石120 現代作家シリーズ5 高木彬光篇」などを掴む。そして背中を少し雨に濡らしながら、古い児童文学が集まっている一角に注目する。その中の一冊、東西文明社「少年少女のための世界ノーベル文庫1 美しいたましいの歌(文学賞編 上)/日本児童文芸家協会編」を手にして、パラパラと捲ってみる。何気なく本扉で手を止めると、編集委員の中に驚くべき名を認める。大坪砂男!大坪が日本児童文芸家協会の一員なんてのに入っていたのか。下には木々高太郎の名もあるが、とにかく大坪砂男に衝撃を受けてしまう。もしや中に何か書いているか…と探してみるが、見つからない。木々はオイケンという哲学者について一文を寄せているのに。この文学賞編以外にも、『医学賞編』『物理学賞編』『化学賞編』『平和賞編』があり、全10巻なので、もしかしたら何処かに大坪の文章が残されているかもしれない。そんなことを思いながら計400円で購入する。
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続いて「古本センター」(2017/03/06参照)に向かい、谷根千工房「ジャーナリズムに見る明治の上野/藤島亥治郎」「赤レンガの東京 その保存・復元に向けて」を計230円で購入する。バスに轢かれぬよう注意して道を渡り、「バサラブックス」(2015/03/28参照)に身を寄せる。ここで六十年代から八十年代までの特撮ドラマの悪役を、プロダクションや作者やテレビ局の垣根を越えて集めたなかなかアナーキーな一冊、宇宙船文庫「日本最強悪役列伝 TV特撮シリーズ」を600円で購入する。初っ端の見開きが、ハカイダーとバルタン星人なのにシビれる。さらに高架下を潜って「百年」(2008/09/25参照)にも足を延ばす。おや、安売本はみんな「一日」(2017/08/11参照)に移ったのか。ここでも特撮関連の一冊、大和書房「夜ごとの円盤/実相寺昭雄」を1188円で購入してしまう。ふぅ、満足満足。そして阿佐ヶ谷に着き、駅から家に向かう途中で「J-house」(2015/12/26参照)の土曜市100均箱をいつもの習性で覗き込んでしまう。すると古いビニール袋に丸め込まれた、人形のようなものを発見する。袋の外側から観察すると、どうやら両手に拳銃を持った、2丁拳銃メキシコガンマンの操り人形らしい。興味が湧いて108円で購入し、家でこんがらがった糸をどうにか解きほぐし、熱心に動かしてみる。ワハハハ、こりゃ面白い。バキュンバキュン!愉快な動きをするもんだ。
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2018年09月28日

9/28東京・神保町 山吹書房

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朝から不慣れなテープおこしと組んず解れつしていると、正午過ぎに古本神・森英俊氏より一通のメールが届く。神保町で今日初めて、一年前にすでに開店していた未知のお店を発見したと言う。名前を見ると確かに知らないお店で、教えられた住所にもそんなお店があったことは知らなかった。慌ててすべてを放り出し、神保町に駆け付ける。早足でパトロールしながら、「原書房」(2014/05/15参照)で好尚會出版部「最後のマッチ/岡田播陽」を函ナシだが500円で見つける。大正十一年の第五版。ちらと本文を流し読みしてみると、宗教も最新科学も地獄も極楽も東洋も西洋も現代も過去も、ひとつの鍋にぶち込んで、小説仕立てで世界の秘密と有様と在り方を暴いて行く非常に熱量の多い本らしい。限り無く奇書っぽいので、こりゃあ面白そうだ。さらに「明倫館書店」(2012/04/04参照)では平凡社「人造人間 ヨゼフ・チャペック エッセイ集」を300円で購入する。そんな風に寄り道しながら、『すずらん通り』に入って東端に向かい、『神保町シアター』目指して南に曲がり込む。すると「羊頭書房」(2014/05/02参照)のある裏通りに出るのだが、さらに南に進んで行くと、右手の小さな雑居ビル群の一階に、確かに古本が出されているではないか。近寄ると、小さな本棚二本と多数の木箱とプラ箱に本が詰められた店頭である。値段は100〜500円で、古い本が多く混ざり込み、好感の持てる並びを見せている…これは、良いな。児童書や珍しい新書もチラホラ。サッシ扉を開けて店内に進むと、そのまま店頭の雰囲気がつながった感のある、狭く細長い空間である。左の壁際には文庫棚が二本並び、後は結束された未整理本で埋め尽くされている。入口右横には古書箱・音楽箱・宗教箱・考古学箱・遺跡箱などが集まっており、右壁棚は文庫本から始まる。その奥は、歴史・世界・アメリカ・民俗学などが並んで行く。中央には大きく頑丈で年季の入ったスチール棚が鎮座し、左に歴史小説&時代小説をこれでもかと収め、右には日本全国の郷土本や郷土資料がこれもまた執拗に集められている。入口側の棚脇には木箱を積み重ね、風俗や食の姿が。また奥の左側には古書棚があり、歴史関連とともに古い児童書もほのぼのと並べている。その右横が帳場になっているのだが、大きな本の壁が聳えており、釣り銭トレイがかなり標高の高い上部に置かれてしまっている。古書へのアプローチが魅力あるお店である。店内はさすがに歴史や郷土関連でアカデミックに固められているが、面白そうな本もチラホラし、やはり特に店頭で何か買えそうな雰囲気がある。値段は安め〜普通。神保町の外れであるが、今後はパトロールにしっかり組み込むことにしよう。古書箱の中から引きずり出した、暮しの手帖社「暮しの手帖臨時増刊 思いつき工夫の手帖」を、本の壁越しに大学の研究室にこもっている若い研究者のような男性から購入する。『白山通り』を伝って帰ると、通りには踏み砕かれた銀杏の匂いが漂い、いつの間にか忍び寄った秋の気配。
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2018年09月27日

9/27「豊川堂」の運命やいかに!?

今日は世田谷の赤堤に流れ着いたので、住宅街を縫って縫って縫いまくり、下高井戸駅に出る。そしてナナメの踏切を北に越え、『下高井戸駅前市場』の中を潜り抜け、小さな商店街に顔を出す。行く手には、「豊川堂」(2016/07/04&2008/09/09参照)の袖看板が見えている…だが、お店はやはり閉まっているのか。ここはまさに昔ながらの古〜いタイプの街の古本屋さんであったが、先頃店主が物故され、去就が大変気になっていたのである。この平日にシャッターを下ろしてしまっているということは、お店は辞めてしまったのであろうか。だが、シャッターには『閉店のお知らせ』などの貼紙は見当たらない…判断が難しいなぁ。しかしあの懐かしい市場を抜けて歩いて来れば、いつもお店はひっそり開いてくれていたので、シャッターが下りてしまっている光景には、やはり一抹の寂しさを覚えてしまう。また後日、偵察に来ることにしよう。その時は漠然とした不安を払拭するように、元気に開いてくれていたらよいのだが。
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帰りは浜田山まで出て、すぎ丸で阿佐ヶ谷に帰り着く。どうにか古本は買って行こうと、「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)の重いガラス扉を開ける。角川文庫「歯科医のロック/サエキけんぞう」BL出版「プフとユピーのクリスマス/ピエール・プロブスト」を計600円で購入する。「プフとユピーのクリスマス」は『カロリーヌの物語』シリーズの作者による、サブキャラのプフとユピーが活躍する絵本。2004年の出版だが、出ていたことも知らなかった。裏表紙には『カロリーヌプチえほん』とあるので、どうやらこちらもシリーズ物らしい。それにしても、プフ(白猫)とユピー(茶犬)は、本当に可愛いなぁ。
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2018年09月26日

9/26どうにかちょっとずつ色々進めてます。

今日は朝から仕事と原稿書きに没頭する。するとたちまち夕方となり、降り出した雨を恨めしく思いながら外出する。西荻窪「古書 音羽館」(2009/06/04参照)の店頭棚にへばりつき、意外な豊作に身を震わせて店内に入ると、後で落ち合うことを約束していた岡崎武志氏にバッタリ遭遇する…この古本屋好きの二人が古本屋さんで出会ってしまう。なんてベタな成り行きなんだ…とそんなことを思いつつ、JICC「上海 モダンの伝説/森田靖郎」新潮社「蜘蛛 周作恐怖譚/遠藤周作」筑摩書房「いまやアクションあるのみ!/赤瀬川原平」PARCO出版「東京ミキサー計画/赤瀬川原平」を計千円で購入する。店主の広瀬氏に慌ただしく挨拶し、岡崎氏とともにトボトボ駅の南側に移動して「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。「フォニャルフ」への少量の補充を済ませ、表紙デザインを手掛けた我刊我書房の新刊「蜂須賀正氏随筆集 鳥の棲む氷の国」の献本を受け取り、さらに先日日下三蔵邸で手に入れた「悪魔の山 復刻版/高木彬光」のダブり帯を小野氏より「これで完本になるよ」とプレゼントされる。やったぁ!その後は近所の喫茶店に腰を据え、岡崎氏との対談を敢行する。これは暑〜い夏から取りかかっていた、盛林堂書房出版の新刊「青春18きっぷ 古本屋への旅」の最後の仕上げなのである。これでようやく本格的な実務的制作作業に入れるので、古本&古本屋ファンのみなさま、このトボケた楽しい新刊を、どうぞお楽しみに!愉快に軽快に対談を終えた後は、盛林堂・小野氏が合流し、その新刊+別プロジェクトに関して、アルコールを身体に流し込みながら、真剣に打ち合わせする…その結論は、とにかく頑張って、期日までに仕上げろということらしい。よし!秋の始まりを打ち捨てて、楽しい本造りに邁進します!
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写真は、欲しかった今や何だか高値になりつつある「東京ミキサー計画」と、飲めば飲むほど能天気になる、愉快な六十一才岡崎武志氏である。
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2018年09月25日

9/25三ケタの落札品。

忙しいのと激しい雨に怖じ気づき、古本屋さんに足を向けずに一日を過ごす。だが、今日しかない今日という日を、何か記録を留めておきたいので、最近届いたヤフオク落札品でお茶を濁すことにする。しかもこれらは両方とも、ラッキーにもライバルナシの三ケタ値で入手できたものである。一冊目は講談社の昭和三十一年「少年クラブ三月号付録」探偵まんが「黄金仮面/田中久 江戸川乱歩・原作」。表紙の左下一部が欠けているが、百円で落札する。常にどうにかして手に入れたい大乱歩原作漫画(昔の物に限る)であるが、附録本も決して逃すことの出来ぬマストアイテムである。「黄金仮面」と言えば、当然ルパンvs明智ということになるのだが、この漫画の明智はケアレスミスが多く、思わず下唇を噛んでしまうような場面が連続し、むしろ小林少年の方が鋭く果敢にルパンと対決している。そしてもう一冊は、届きたてホヤホヤの昭和二十七年刊偕成社「謎の暗号/森下雨村」。ライバルナシの400円で落札する。表紙の一部や見返しに、貼付けられたカバーの一部が鮮やかに残っているので、「どうして剥がしちゃったんだよ!」と心の中で咆哮する。だがそのおかげで、本は意外とキレイである。この偕成社版「謎の暗号」は、戦前の講談社版「謎の暗号」とは、主人公も時代も違う別物らしい(あるいは時代を変えてアレンジしたか)。収録作は、『黒い爪の男』『謎の暗號』『おとし穴』『黄色の自動車』『緑色光線』『大爆發』の六作。なので読むのが大変楽しみなのである。「この本を、他人に渡してなるものか!この本はオレにこそ相応しいのだ!」と傲慢に、まま…いや、多々熱くなることの多い入札だが(こういう時は大抵落ちない…)、こんなことが時たまあるので、やはりヤフオクはやめられない。
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ところで悩みに悩んでいたあるひとつの取材だが、どうやら受けることになりそうである。詳細は後日発表予定…はぁ、あぁぁぁぁ……大丈夫だろうか…。
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2018年09月24日

9/24人魚の肉!

昨日は東京の北西にて取材し、本日は月曜日なので仕事を手早く済ませてから、荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)詣でに向かう。だが、珍しく何も買うことなくお店を後にしてしまう。こういうことは、通い詰めていたらまま起こることであり、ただまためげずにお店に足を運べば良いだけの話である。そして駅へと向かい、地下鉄丸ノ内線→銀座線と乗り換え、新橋駅西口の『SL広場』に顔を出す。今日から「新橋古本まつり」(2010/09/29参照)がスタートしているのである。広場に青と白のダンダラ模様のテントが蝟集し、多くの古本を並べ、すでに多くの人を惹き付けている。
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全体的に茶色い古書は少なめで、古本以外の物品も多く売られているが、値段はなんだかお安めである。およそ一時間程、幽鬼のようにテントの間を彷徨いながら、「澤口書店」(2014/04/12参照)が出していた大量の食関係図書館放出本(だから激安なのである)の中から、合同新聞社「昭和十三年合同年鑑別冊附録 郷土名物と傳説」を引っ張り出す。岡山県の出版社なので、表紙は素敵なカブトガニ!そしてページを開いたら、いきなり『人魚の肉』から始まるので、見事にノックアウトされてしまった。200円也。さらに端っこのテントの「古書窟 揚羽堂」では、白帯&元パラなしだが、創元推理文庫「アルザスの宿/ジョルジュ・シムノン」初版が百均ワゴンに薄く並んでいたので、ウヒョヒョヒョッと買わせていただく。ついでに揚羽堂さんに「あれ、あの人だよね?あれ、あれの人!」と笑顔で詰め寄られたので「そうです。あれですよ!」と答えながらご挨拶する。市は9/29まで。
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2018年09月22日

9/22昨日も今日も古本を買っていました。

昨日は千歳烏山に流れ着いたのだが、北口に出て「イカシェ天国」(2008/09/23参照)に足を向けることなく、下り電車に乗って隣駅の仙川まで出る。そしていそいそ「文紀堂書店」(2015/03/31参照)に向かうと、店内入口前に百均文庫棚が収納された雨仕様である。ここは日除けのテントがだいぶ大きく張り出しているのだが、それでも念入りに店頭棚の下部や脇がビニールで覆われている。店内に入ると女の子の先客がいたので、狭い通路でバッティングせぬよう、気配を察知して棚を見て行く。中央通路左側の棚は、以前は文庫がビッシリ収まっていたのに、今は文庫面陳の余裕棚に変貌を遂げている。入口左横の棚上に、こうの史代の名作漫画「夕凪の街 桜の国」が飾られているのだが、それをそっと退かすと、文庫サイズの古書が六冊ほど隠れるように並んでいるではないか。むっ、日本小説文庫「一寸法師/江戸川乱歩」があるが、三千円か…ぬっ、乱歩訳の「妖犬」もあるじゃないか。千円か…よし、これにしよう。というわけで平凡社「妖犬/コナン・ドイル作 江戸川乱歩譯」(昭和廿一年の第二刷。初刷は昭和五年なので、十六年ぶりの再版と言うわけである。ちなみに“ワトソン”は“ウオトスン”と訳されている)旺文社文庫「ボロ家の春秋 他五篇/梅崎春生」河出文庫「詐欺師ミステリー傑作選/小鷹信光編」を計1200円で購入する。家に戻ると、ある取材のお願いメールが届いている。以前も話があり、その時はある事情を包み隠さずお伝えすると、サラッと流れてしまったのだが、今回はその事情も丸々受け止めると言う…う〜ん、どうしたもんかなぁ…相当アナーキーなことになると思うけどなぁ…。
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このように店内に百均文庫棚が引き込まれております。

そして本日は砧に流れ着いたので、祖師ケ谷大蔵駅の北側までズンズン出張って、道すがらの「ドラマ祖師ケ谷part2店」で、中公文庫「本郷菊富士ホテル/近藤富枝」ちくま文庫「たましいの場所/早川義夫」を計216円で購入し、無事に「祖師谷書房」(2009/03/05参照)に到着。今日はサッシ戸が二つとも開けっ放しである。いつものように狭い通路に身を滑り込ませ、丁寧に棚を観察して行く…するとやった!良いものを引き当てたぞ!誠文堂「増刊 廣告界 廣告漫画集」である。昭和九年刊の、東京朝日新聞が懸賞付きで募集した、ヘチマコロン・カルピス・メヌマポマード・ウテナクリーム・モダンシャンプー・仁丹・クラブ歯磨・明治キャラメル・森永チョコレート・月桂冠・キッコーマン醤油などなどなどの、広告漫画を集めた図案集である。これが破格の1500円!う〜む、素晴らしい。他に新潮社「棒になった男/安部公房」小沢書店「箱舟時代/長田弘」とともに帳場に出し出すと、合計金額から200円のサービスとなり、計2500円で購入する。オヤジさん、ありがとうございます!
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2018年09月20日

9/20本棚探偵、バンザ〜イ!

しばらくほったらかしてしまっていた「フォニャルフ」棚に補充するため、家の古本を掻き集めて、雨が降り出す前にと、西荻窪へ向かう。駅から出ると、雨が音を立てて降り始め、あっという間にアスファルトを銀色に濡らして行く。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)も店頭にビニールカーテンを巡らせ、しっかりと雨仕様である。ビニール傘を傘立てに突っ込み、自動ドアを抜けると、右側通路では、キャップを被った男が、本棚の上部を熱心に眺めていた。あっ!本棚探偵・喜国雅彦氏ではないか。氏もこちらに気付き、にこやかに挨拶を交わす…まてよ、喜国氏がここにいるということは、そうか!「ひとたな書房」への補充が行われたんだな。足を早めて左側通路に入り、しゃがんで手早く補充に取りかかる。喜国氏が近付き、「天狗の面」や「地獄横丁」が安過ぎると言われるが、もうそんなことには構ってられない。放り込むようにして古本を収めると、立ち上がりつつ右上中段の「ひとたな書房」に目を凝らす。くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、黎明社の乱歩原作少年漫画『少年探偵団』シリーズが三冊ならんでいるじゃないかぁ!息を飲んでいると喜国氏が「確か前にボロボロの一冊を安く買ったって、書いてたよね(2018/04/24参照)。その値段ほどじゃないけど、まぁ安く付けてあるよ。お買い得だよ。買う?」と畳み掛けて来た。ゴクリと唾を飲みながら、一冊を抜き出して値段を確認する……一万五千円だ…安い…が、己の懐具合に比すれば、高い。実は今日は補充だけではなく、先日の盛林堂・イレギュラーズとしてのバイト代+長時間拘束手当をいただきに来たのだが、その報酬をアングリ飲み込んでしまう金額である。だが、欲しい!家に連れ帰りたい!読みたい!版ズレしたカラーページを愛したい!ガルルルルルルルルルルルル…心の中の古本獣が、理性の鎖を引きちぎろうと、暴れ始めている。そこに喜国氏が「もう今、これ見なくなったよね〜。手に入れるなら今だよ。今しかないよ。あ、特別に安くしてあげるよ。一万二千円でどう?」……ブツン。理性の鎖はいとも簡単に切れてしまったので、大喜びで買うことにする。喜国氏がいなかったら、多分そっと棚に戻していただろう。これも運命である。しかし「怪人二十面相」「妖怪博士」「虎の牙」どれを買うべきか…本当は三冊いっぺんに買いたいのだが、家計を大幅に傾けてしまう恐れがあるので、一冊で我慢するつもりなのである。やはりここは「怪人二十面相」か「妖怪博士」か…と迷っていると、喜国氏が「こっちでしょ。状態がいいよ」と「妖怪博士」を薦めてくれた。確かにカバーはないが、大変美しい…よし、こっちにしよう。ということで、黎明社「少年探偵団 妖怪博士の巻/原作・江戸川乱歩 画・わかとしろう」を一万二千円で購入する…よ、よ、よ、欲望のままに、か、か、か、買ってしまった。
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「お買い上げありがとうございます」と、何だか商売の上手い本棚探偵に購入本を持っていただき、店内で記念撮影。これで憧れのシリーズ二冊目を手に入れたことに。大事にします!本棚探偵、バンザ〜イ!
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2018年09月19日

9/18古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二章】

盛林堂・イレギュラーズとして早起きをし、午前七時には西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)前にてスタンバイ。小野氏がハンドルを華麗に捌く盛林堂号で、大渋滞の東京を抜け出して神奈川県入りする。本日のお仕事は、八ヶ月ぶりの日下三蔵氏邸書庫整理&買取である。日下邸に到着するや否や、氏のご母堂と遭遇し「本当にご苦労さまです」と挨拶される。玄関に入ったところで日下氏から小野氏に連絡が入り、仕事のメール送信を取りあえず済ませてしまうとのこと。その間、玄関に積み上がる古本タワーを高速で眺め、所々に潜むレア本を慈しむ。しばらくすると、本タワーに囲まれた玄関横の仕事場のドアがギギッと開き、「どうもどうも」と日下氏が姿を見せ、本タワーを跨いで玄関に下りて来た…斬新な登場の仕方である。そしてすぐさま車でマンション書庫に移動し、作業を早々と開始する。本日のミッションは、カラーボックス六本を組み立て、前回(2018/01/09参照)スペースを作った台所に配置し、床置き本をそこに収めるというもの。時間があればさらにカラーボックスを買い足し、リビング奥の窓際の単行本山脈を整理するとともに、さらに組み立てたカラーボックスにそれを収められれば御の字、というものである。カラーボックスの組み立ては電気ドリルで小野氏が行い、日下氏は仕分けと棚造りに専念、私はカラーボックス組立の準備や本の移動に時間を費やすこととなった。まずは狭い玄関と本が積み上がり曲がり込む廊下をクリアして、組み立て前のカラーボックスを運び込む作業。これが意外にしんどかった。進路は下の方が狭く、上の方が広がっているので、自然と肩に担ぎ上げて長い材料を運び込むこととなる。おまけに本などは決して崩してはならぬので、まるで黒部渓谷の山奥に建築材料を人力で運び上げているような気分になる。それを六回繰り返す間に、組み立て&仕分けも開始されている。
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しばらくは全員その作業に没頭しながら、およそ一時間半が経過する。あっという間に台所にはキレイにカラーボックスが積み上がり、日下氏が早速棚造りに取りかかり始める。部屋の奥から本を運び出し、氏の脇にそれをガシガシ積み上げて行く…「ワハハハハ、黒猫だ。本に塗り込められた!黒猫だ!」とテンション高めの日下氏。よほど本棚に本を並べる作業が楽しいらしい。「うおっ!」「これは!」「そう来たか!」「漫画みたいだ」「ダブってる!」「これもダブってる!」「これ持ってたんだ!」「十年ぶりに見た!」「ここにあったのか!」と、とにかく楽しそうである。
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それにしても、なんとダブり本の多いことか。いや、ダブり本どころか、トリプり本とか、クアドり本まで出現する始末なので、もう開いた口が塞がらない。そのため途中から、全員がレア本の発見よりダブり本の発見の方に注意を向けてしまうのが、何とも言えずおかしかった。

そんな風に日下氏がキャピキャピしている間にも、私は本の移動に全霊を傾け、小野氏は部屋奥の未開拓ゾーンを掘り起こし始めている。その行動力がパワフル過ぎるのだが、実はダブり本が見つかれば見つかるほど盛林堂が買い取れる確率が上がるので、驚くほど必死なのである。まさに商売人の鑑と言えよう。そんな中、あぁ!大河内常平の「夜に罪あり」が!
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見たこともない推理小説「暗い年輪/藤本明男」を見つけると「それはハードボイルドですよ」などと即座に日下氏が教えてくれる。教師の犯罪を描いているのに、ハードボイルド!?と激しく興味を掻き立てられたりしていると、たちまち下村明の「風花島殺人事件」などが出て来て、勉強になり過ぎて卒倒しそうになる…恐ろしい家だ、ここは…。
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そんなこんなで、午後一時過ぎには、ミステリー古書カロリーの高過ぎる棚が完成。見ているだけで鼻血が出そうになってしまう…あぁこれが古本屋さんだったら…。
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ここで一旦休憩となり、町に出て美味しいお寿司で英気を養った後、さらにミッションを進行すべく近所のDIY屋さんでカラーボックスを新たに十二本購入し、午後は部屋奥の壁一面をボックスで埋める作業に邁進することにする。またも小野氏が、もはや大工のように棚を組み上げまくって行く…その工作速度は、どんどん上昇しているようだ…。組み上げるや否や、それをソロソロと本の山を崩さぬよう担ぎ上げて運び、窓際に設置。と同時に、日下氏が単行本山の仕分けと棚造りを行って行く。私はコマネズミのように狭い通路を行ったり来たりして、二人の作業をフォローして行く。段々と体力を全員が消耗しながら、午後六時過ぎには作業が一段落。小野氏は、一日で計十八本のカラーボックスを組み立るとともに、十年間手つかずだった単行本山の整理を行った。日下氏は、およそ千冊以上の本を仕分け選別し、理想の棚造りを進めるとともに、およそ三百冊の不要本と計四十冊のダブり本を捻出した。本当に一日お疲れさまでした。最後に表から、またもソロソロと苦労して、とある場所に預けてあった、都筑道夫本箱を人足のように五箱運び込む。それもすぐさま棚に並べて行ったのだが、途中で本日最大の驚きが飛び出して来た。「ほら、これ見て下さい。スゴいのが出て来ましたよ」と日下氏。小野氏が受け取るや否や「うわぁ、何これ、ヤバい」、私が慌てて「何ですか何ですか」と近寄ると、手渡されたのは!都筑道夫の最初の単行本、若潮社の「魔海風雲録」であった!ぎょえ〜い、初めて見た!し、し、し、しかも献呈署名が入っている!何という恐ろしく素晴らしいものが飛び出して来たのか!あぁ、今日来て、激しく働いて本当に良かった。まさか生きている間に、この本が見られるなんて…。
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思わず「魔海風雲録」を、完成した素晴らしい棚とともに記念撮影!本もスゴいが、棚もスゴい!これはまるで、書庫じゃないか!まともな、書庫じゃないか!

日下氏に作業のお礼にと「ダブり本で欲しいのがあったら差し上げますよ」と言われたので大いに悩んでいると、小野氏が買取分から偕成社 世界探偵名作シリーズ7「OSS117の秘密/ブリューズ」講談社「随筆 猫/松本慶子」を分けてくれた。わぁい!と喜んでいると、日下氏が「それだけじゃ物足りないでしょ。まだいいですよ」と嬉しいことを言ってくれたので、玄関の棚にあった神月堂「悪魔の山 復刻版/高木彬光」を「ダブってるんですね。ダブってるんならいいですよ」と念押しされるがいただくことにする。ありがとうございます!
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すべての作業を終え、不要本を箱詰めして積み込んで、夜の街へ。焼肉をガツガツと食らって、本日の労働の成果を三人で褒めちぎり合う。そして、今年中に後一回は整理作業をしましょうと言うことになる。最後に、盛林堂号に積み込んだ不要本八箱を、突然降り出した豪雨のために屋根のある駐車場に入り、日下氏の車へとムリヤリ移動させる…傍から見ていると、何だか怪しい取引に見えなくもない。
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でも取引しているのはただの古本である。日下氏は、愛車のサスペンションをより一層沈め、テールランプを赤く光らせながら、雨の中を走り去って行くのであった。(つづく)
posted by tokusan at 00:22| Comment(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月17日

9/17ピタピタ古本を買いに行く。

朝からノンビリ昨日の片付けや古本の片付けや仕分けをしつつ、午前十一時に戻って来たような暑さに対抗して、ビーサンを履いてピタピタ外出する。もちろん向かうは荻窪の「ささま書店」(2018/08/20参照)なのだが、今日が祝日なのを良いことに、「ささま」の手前にある『丸長中華そば店』がいつも良いスープの匂いを漂わせているので(いつも通るだけで、一度も入ったことはない)、本を買い終わったらそこで昼食をと思ったりしたのだが、お店の前に差し掛かるとすでに店頭には長蛇の列が出来上がっていた…やめとこう。というわけで、いつものように午前十一時半の店頭棚に食らいつき、白水社「十三の不気味な物語/ハンス・ベニー・ヤーン 種村季弘訳」白夜書房「殺しがいっぱい ハードサスペンスアンソロジー/中田耕治編」サンリオSF文庫「ザ・ベスト・オブ・サキ/サキ」を計324円で購入する。「十三の不気味な物語」は北園克衛装幀で、表紙のオブジェ写真は、どうやら北園の写真詩『PLASTIC POEM』を使ったものみたいだ。なので家に帰ってから沖積舎「北園克衛写真集」にあたってみると、同じ素材の湾曲した針金と小石二個を使った似たカットの作品『NO.132』が確認出来たが、装幀と素材の配置も写真の露出も微妙に異なっていた。恐らく装幀には『PLASTIC POEM』を作成した時の没カットや、別パターンを使用したものと思われる。
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お店を出たら電車に乗って中野まで出る。北口駅前の立食い蕎麦屋『かさい』でアジ天そばを啜る。太麺で汁が濃いめで食べごたえアリ。満腹後に『中野ブロードウェイ』に潜入し、四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)のミステリーコーナーに直行する。しばらく来ないうちに、見慣れぬ裸本がそこかしこに紛れ込んでいるではないか。最初は香山滋の「蜥蜴夫人」に心動かされるが、背の傷みがかなりヒドい状態で三千円という値段に頭を抱える。一旦保留してさらに棚に熱い視線を注いで行くと、ほぉっ!日本公論社「マギル卿最後の旅/F・W・クロフツ」が二千円ではないか。こりゃ幸せだ!と即座に購入を決意する。この小説は、いずれ創元推理文庫の真鍋博装幀版で読むのを夢見ていたが、もう昭和十二年の訳で読めるのなら万々歳である。その他に、岩崎書店「アッシャー家の没落/エドガー・アラン・ポー 久米元一訳」とともに計2268円で購入する。
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クロス装の裸本の写真では寂しいので、少しは見栄えのする本扉をここに掲げる。

良い買物をしてブロードウェイを突き抜けて「古本案内処」(2015/08/23参照)を見に行くが、そうか、月曜日は定休日だったか!と気付き、北にピタピタ歩き続けて新井薬師前駅前の「文林堂書店」(2008/08/04参照)へ。ところがようやくお店を開け始めたところだったので、開店を待つことなく痺れを切らしてしまい、西武新宿線で帰路に着く。
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2018年09月16日

9/16久々に大台に到達する。

朝からゴロゴロ重い古本を引いて、電車に乗り、地下通路の人ごみを掻き分け、動く歩道の上を素早く移動し、「みちくさ市」に午前十一時から楽しく参加する。早速お出ましの古本神や古本高校生と情報交換したり、上目遣いに近付く「ドジブックス」さんから古本屋開店情報をタレ込まれたり、トーク登壇に向かう角田光代さんと道を挟んで手を振り合ったり、画家・武藤さんに遠目に作家の樋口毅弘さんを教えられたり、子供の手を引いたお父さんがカレル・チャペックの「園芸家十二ヶ月」を示しながら「ペチャックはいいぞ!」と真顔で言っていたり、隣りで売っていた『大鉄人17』のソノシートをきっかけに「JUNGLE BOOKS」(2018/06/16参照)ケンさんと主題歌について記憶を探ったり、オカルト関連本をゴッソリ買い占める勇者に目を丸くしたり、ママの押すベビーカーが目の前に停まり赤ちゃんと目が合ってニンマリ笑顔を見せたところ泣き出されたり、お客さんとECDについて喧々諤々の議論を交わしていたら唐突にカレーパン(豆入りで美味しかった!)を差し出されたり、塩山芳明氏の日本共産党参議院議員“吉良よし子”のニッチ過ぎるポスターヤフオク売買の話に爆笑したり、「朝霞書林」さんに一万円の両替を頼まれたり…などなどと、午後四時までの五時間を楽しく過ごす。おかげで今回は久々の大台突破となる、五十一冊を売り上げることが出来ました!会場にお越しのみなさま、足を停めて下さったみなさま、話しかけてくれたみなさま、古本をお買い上げのみなさま、わめぞのみなさま、今回もありがとうございました!そして今日の唯一の古本収穫は、市開始前に眠そうな駄々猫さんがスススと近寄り、「ハイ、これ。ようやく見つけたよ」と渡してくれた一冊。学研 昭和三十八年「中学一年コース」6月号第3付録「中学生傑作文庫 いなか保安官/レイモンド・チャンドラー」である。駄々猫さんが松本の一箱古本市で買った時から「とにかくヒドい表紙なの!」と言っていた珍品なのである。「古ツアさん向き」だと、譲り受ける約束をしてから一年以上…ようやく、新しい猫を飼い始めたために家の中を整理せざるを得なくなり、奥の奥から発見したとのことであった。うぅむ、確かにこの表紙はヒドい!表1だけだと、まぁ宙を掻きむしり無惨に琴切れた男と言った感じなのだが、実は表4に跨がるイラストを全体で見ると、ガ.ガニ股で死んでいる…こんな学習雑誌の付録があって良いものだろうか。とにかく駄々猫さん、ありがとうございます!
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2018年09月15日

9/15明日は「みちくさ市」!

本日は三鷹の天文台近くの大沢というところに流れ着き、どうにか三鷹駅にバスで帰還する。その後は吉祥寺までヒタヒタ歩き、雨上がりの「バサラブックス」(2015/03/28参照)店頭300均箱に憩いを求める。アスペクト「虹龍異聞 湊谷夢吉作品集1」青林工藝舎「月にひらく襟/鳩山郁子」を計600円で購入する。「虹龍異聞」を読みながら帰るが、やっぱり湊谷夢吉の漫画は面白いなぁ。上海・満州・特務機関・秘密結社・SF・疑似科学・民俗学・考古学・武術・飛行機・兵器などの知識が、グルグルグルグル「ちびくろサンボ」のバターのように溶け合いながらコマの中を緻密に巡り、素敵な夢を見せてくれるのだ。

そして家に帰り着き、必死に明日の「みちくさ市」へのラストスパート。どうやら天気は大丈夫そうなので、たくさん面白い本や無駄な本や懐かしい本や奇妙な本や探偵小説や附録本や絵本やブログでお披露目した本や文庫本などを並べ、下唇を噛んでお待ちしております!見に来て下さい、買って下さい!何だか秋めいた日曜日を費やして、雑司が谷で古本で遊びましょう!
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2018年09月14日

9/14失われた窓枠

今日も朝からノンビリ「みちくさ市」の準備を進めている。昼飯を食べた正午過ぎに外出し、銀行に釣り銭を作りに行く。だが、両替機の五百円玉がゼロになっている…仕方がないのでまずは百円玉を作り、その後駅の券売機で、SUICAに千円札を投入して五百円チャージを繰り返し、苦労して五百円玉を何枚か造り出す。そんなことをしていたら古本が買いたくなって来てしまったので、電車に飛び乗り武蔵小山の「九曜書房」(2009/03/26参照)に赴く。常に愛して止まない店内五百均単行本棚が、裏切らずに古本的輝きを強力に発していたので、たちまち三冊を選び取る。ほるぷ出版「注文の多い料理店/宮澤賢治」雄山閣出版「天狗の面/土屋隆夫」コバルト社「探偵クラブ 創刊6月号」(昭和五十年に発刊された、探偵小説ロマンの復活を謳った『捕物と探偵小説雑誌』。心なしか、昭和三十年代に出ていた共栄社の「探偵倶楽部」にデザインや色使いが似ている。だがコバルト社なので、ヌードグラビアがあったりSM雑誌やSM映画の広告が載っていたり、内容自体もいかがわしい方向に重心を置いている。なのに日影丈吉・加納一朗・城昌幸・中島河太郎なども寄稿しているのが意外である)を計1500円で購入する。お店を出ると、天気予報は外れてまだ雨は降りそうにもないので、テクテク歩いて西小山へ。薄暗い駅前商店街に潜り込むと「ハイカラ横丁まるや」(2015/02/18参照)は店主の姿がないのにしっかりと営業中である。中央棚奥側の本・雑誌・付録本ラックを漁る。実業之日本社「少女の友」昭和十年七月号附録「星の本」を見つけたところで、店主がアーケードに流れる懐メロに合わせて鼻歌を唄いながら帰って来た。「こんにちは」と挨拶しながら精算をお願いし、「細かくてすみません」と小銭で864円を支払う。この附録本は、星座表と星座の見方と星の神話で構成されている。表紙には贅沢にも窓枠が抜かれ、ガラス代わりに厚めのセロファンが貼付けてある。表紙下の口絵が、窓越しの景色として見える仕掛けになっているのだ。残念なことにセロファン上にあった窓枠は失われ、廃墟みたいに成り果てているが、八十三年前のセロファンが残っているのが、とてもいじらしい。当時は、いったいどんな少女が、手にしていたのだろうか。
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2018年09月12日

9/12準備とパトロール

日曜の「みちくさ市」の準備を、ジリジリノロノロ進める。あまり張り切り過ぎると、十月の「LOFT9 BOOK FES. 2018」が大変だぞ。それに大阪にも本を送らなければいけないじゃないか。などと思うが、色々思い切り、まずは目の前だけに集中することにする。午前十時過ぎに家を出て、久々の神保町パトロールに向かう。水道橋駅から『白山通り』を南下して、まずは「日本書房」(2011/08/24参照)前。木製単行本ワゴンに食指の動くものが見当たらないので、中央でやわやわ揺れる和本タワーに手を掛ける。その和本の隙間に隠れるようにして挟まっていた、田中平安堂「肥前古窯址めぐり/水町和三郎編」を300円で購入する。昭和十年刊の、九州北西部の古窯址めぐりのガイドブックである。本文は、およそ二百四十ヶ所の窯址をひたすら文章で紹介しているのだが、表見返しにはポケットが備えてあり、そこに『肥前古窯址巡リ附圖』地図が畳み込まれて入っている。広げるとかなり大きなものである。地図にプロットされた窯址と、口絵写真の掘り出された古陶器片を見ていると、何だか掘りに行きたくなってしまうじゃないか…。
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道すがら建て替え中だった「山口書店」(2017/12/01参照)前を通りかかると、すでに新しく美しい今時の店舗が誕生していた。半開きのシャッターの向こうを盗み見すると、棚に赤本を並べている真っ最中である。以前のように文庫や純文学は並べるのだろうか…秘かに、開店を心待ちにしておこう。
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『靖国通り』に入り、西端の「@ワンダー」(2009/01/21&2014/05/22参照)の歩道本棚から、カバーはないがなかなかレアな一冊を発見し、よくぞ売れずに残っていてくれたと、古本の神に感謝を捧げる。少年少女講談社文庫「わたしは幽霊を見た/村松定孝」を216円で購入する。口絵にある『大高博士をおそったほんものの亡霊』の絵が、とにかく強烈。よし、チャッチャと読み終わったら、早速「みちくさ市」で放出しちゃうことにするか!
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2018年09月11日

9/11『仁義なき戦い』の四年前。

今日は国立の北側にお昼過ぎに流れ着き、何でこっちの歩道はこう狭いんだろうと思いつつ、南側に出て「みちくさ書店」(2009/05/06参照)へ。ちくま文庫「ボン書店の幻/内堀弘」講談社文芸文庫「木山捷平全詩集」を計800円で購入する。気まぐれに「銀杏書房」(2011/11/14参照)の店先まで行ってみるが、やはり洋書絵本の波に簡単に恐れをなして、尻尾を巻いて即時退散する。中央線に乗って五駅移動して武蔵境で下車。北口に出て「浩仁堂」(2011/02/15参照)にたどり着く。絵本ラックと店頭棚が接近し過ぎているので、正面に回り、絵本ラックの足越しに棚下を眺める。すると良い映画本が集まっていたので手を伸ばして抜き出し、小さな店内でも予想外の一冊を掴み取る。キネマ旬報社「ディレクティング・ザ・フィルム/エリック・シャーマン編著」フィルムアート社「ジョン・フォードを読む/リンゼイ/アンダースン」荒地出版社「任侠映画の世界/楠本憲吉編」ボーイスカウト日本連盟「スカウティング フォア ボーイズ/ロバート・ベーデン・パウエル」を計600円で購入する。「スカウティング フォア ボーイズ」はボーイスカウト創始者の男爵による、ボーイスカウト虎の巻である。自然の中で生き抜くあらゆるテクニックや、様々な事象に対処する知恵と勇気が、克明に記されている。「任侠映画の世界」はその任侠映画全盛の一九六九年に出版された、任侠映画論考&エッセイ集である。そのなかに映画監督・深作欣二の『やくざ映画との出会い』という一編が収録されている。ギャング映画を撮り続けていた深作が、“やくざ映画”を冷笑しつつも、ある日『東京流れ者』を聴いた時にシビレてしまい、それ以来『これこそ“やくざ映画”のヒーローに通じるものではないか』という感覚が心の中で膨れ上がり、深夜興行の“ヤクザ映画”に熱心に通い詰め、のめり込み始めてしまうのだ。この時点で深作は、時代の流れに逆らえずに、すでに三本の“やくざ映画”を作っていたが、どこかまだ上すべりしていると感じていた。だが、『乗りかかった舟で、多少の無理をしても、わたしなりの“やくざ映画”を作ってみたいと思っているしだいです』と、最後の方で宣言している。深作が、“任侠映画”を越えた群像劇“やくざ映画”、名作『仁義なき戦い』を撮るのは、これを書いた四年後である。何という素晴らしき有言実行であろうか。
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2018年09月10日

9/10原稿とお知らせ。

宣言通りに朝から昨日を反芻して、原稿書きに専念する。だがごぜん十一時には家を出て、毎週恒例の月曜「ささま書店」(2018/08/20参照)詣でへ。金曜にイレギュラーで来たばかりなので、店頭では何も買えないかもと危惧するが、やはり「ささま」は大きく、そんな思いは杞憂であった。教養文庫「紙上殺人現場/大井廣介」秋元文庫「非行少女の告白日記 ツッパリぶるーす/関根洋子」羽村郷土博物館「中里介山 人と作品」筑摩書房世界「ユーモア文学全集(1)(13)」を計540円で購入する。「中里介山 人と作品」は郷土博物館で行われた五講演を収録。こういう出ていることさえ知らなかった本に、ふいに出会えるのは誠に嬉しい。第一回の講演者が谷川健一なのだが、学生時代に大菩薩峠を登っていたら、森の中で映画『大菩薩峠』の撮影現場に出会ってしまった話が愉快。さぞ驚いたことだろう。家に戻ったらば、原稿の続きに取りかかる。
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口絵写真の一枚。愛犬デン公が可愛い。

そしていくつかお知らせを。
1. そろそろ発売になる「本の雑誌 へそくり虎視眈々号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、下北沢の「ほん吉」を直撃。みなさんは、東京創元社の創元推理文庫附録「創元推理コーナー」が、どのように配布されていたかご存知であろうか?そのひとつの形を、店頭で発見することに成功しているので、ご一読いただければ幸いである。
2. もはや一週間を切りましたが、日曜の雑司が谷「みちくさ市」に懲りずに参加いたします。様々な古本をヒイコラ持って行きますので、ぜひとも遊びに来て下さい!
■「第43回 鬼子母神通り みちくさ市」
■9月16日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当
日午前八時に天候による開催の有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/
3. そして十月の話ですが、今年も派手に開催される「LOFT9 BOOK FES .2018」に古本市フリマ部門で参加いたします。多様過ぎる異常なトーク陣に負けぬよう、楽しい古本をたくさん仕込んで参ります。「みちくさ市」から半月余りのスピード出店ですが、頑張って完全新作で臨むつもりです。恐らく…いや絶対にビールを飲みながら座っていると思いますので、こちらも遠慮なく遊びに来て下さい!
■「LOFT9 BOOK FES .2018」
■10月7日(日)12:00〜19:00
■LOFT9 Shibuya
◆古本市参加店舗:ハナメガネ商会、にわとり文庫、BOOKS青い
カバ、古書現世、三楽書房、立石書店、JUNGLE BOOKS、ひぐらし
文庫、ブックギャラリー・ポポタム、トーク物販:北書店
◆古本フリマ参加者:小山力也(ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパ
ン」)、とみきち屋、つぐみ文庫、ドジブックス、えほんやハコのな
か、甘夏書店、雨の実、M&M書店、コトナ書房、モロ古書店、嫌記箱
(塩山芳明)、ロフトブックス
◆たま書店開店! 姫乃たまが1日古本屋デビュー! 蔵書
を販売します。
https://rooftop.cc/news/2018/08/01003000.php
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2018年09月09日

9/9取材!

昨日は吉祥寺に流れ着いたので、「よみた屋」(2014/08/29参照)でサンケイ新書「剣道一路/高野茂義」を100円で購入し、「バサラブックス」(2015/03/28参照)で桃源社「地獄横丁/渡辺啓助」を500円で購入し、さらに阿佐ヶ谷の「j-house」(2015/12/26参照で線引きありの桜楓社「竹久夢二 その弟子 岩田準一画文集」を108円で購入し、小さな満足感を積み重ねる。

そして本日は、午前七時前から東京を離脱し、岡崎武志氏と共著の古本屋本単独取材で静岡方面にガタゴト向かう。雨上がりの駿府の街を駆け回り、さらに長年行きたかったのだが、行く必要のない場所であることは分かり切っているので、行くべきかどうか迷っていた場所に、あえて赴いてしまう。…だが、行って良かった。人間バカみたいに、考えなしで行動してみるもんだ。下記の写真がその場所の看板なのだが、もちろん詳しくはその古本屋本にて紹介予定である。取材過程で本もたくさん買ってしまったなぁ…ふぅ、楽しかったが、やはり疲れた。早速明日起きたら、原稿を書き始めることにしよう。鉄は、熱いうちに打てっ!
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途中、「古書 音羽館」(2009/06/04参照)の広瀬氏から「今日の西荻ブックマーク(南陀楼綾繁『蒐める人』刊行記念トークイベント 『sumus』から生まれた本のこと【東京篇】)見に来て下さい」と電話があるが、念願の場所に向って酷暑の田舎の街道を歩き詰めている最中であり、とても開始時間には間に合わないので(この時点で午後二時過ぎ)、泣く泣く断念する。岡崎さん、南陀楼さん、魚雷さん、ずびばせん!
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2018年09月07日

9/7間一髪!

昨日は古本神・岡崎武志氏と共著古本屋本の取材にて、高崎&前橋へ。これが、途中下車あり・行き先変更あり・謎の飛び入りありの、見事なまでのポンコツ珍道中と相成ってしまった。後少しだけまだ取材旅をして、本格的な本作りに突入予定。発売は十月後半をどうにか目指しているので、もうしばらくだけ、刮目してお待ち下さい!

本日は天沼に流れ着いたので、線路下を潜って「ささま書店」(2018/08/20参照)へ向かう。定点観測店を不意打ちしてみるのも、たまには良いものだ。でもやっぱり月曜に来たばかりだからな…などと思っていたら、手の中にはマガジンハウス「星の都」JICC宝島COLLECTION「ミニシアターをよろしく」が滑り込んでいたのだ、計648円で購入する。ペタペタ歩いて阿佐ヶ谷にたどり着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)では十三舎「ペンで征く/海野十三」を824円でを購入し、店主・天野氏より真実味はあるが確実性のあやふやな新古本屋情報をタレ込まれる。だが、今度見に行ってみよう。この世は、何が起こるかわからないのだ。

そして家に帰り着くと、楽しみにしていたヤフオク落札品が届いていた。大盛堂書店「少年叢書 間一髪/浪」(B6版、全96頁、大正十三年刊)である。ライバルナシで1110円で落札。パラパラ読み進めてみると、函館在住の冒険家、高山岩夫と荒海航一の二青年が、獺虎の密猟に参加することに端を発し、カムチャッカ〜オホーツク辺りで、次々と罰ゲームのようなトラブル(海賊船!巨大海馬!ブリザード!人食い熊!謎の怪物!盗賊!)に巻込まれつつも、それを快闊な力とピストルを撃ちまくることでで突破して行くという冒険物語らしい。ワハハハハ、無邪気だ。荒唐無稽だ。買って良かった。
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2018年09月05日

9/5東京・国分寺 第1回国分寺大古書市&大物古本トレード!

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午後十二時半に国分寺駅着。改札から北口側に足を向けると、いつの間にか商業ビル『ミーツ国分寺』が完成しており、北への通路がかなり長くなってしまっている。本日からその『ミーツ』三階で、古本市が開かれるとのタレコミを、作家&ホームズ研究家の北原尚彦氏よりいただていたのである。感謝しながらエスカレーターを上がり、真っ白い空間に茶色の古本が集まる会場にたどり着く。およそ六十台のワゴンで六本の通路が造り出され、一般的な本や文庫や雑誌に加え、戦記・ミステリ・映画・宗教・歴史・郷土・山岳・美術・文学などが、わりと硬めな顔を見せている。高知県の「ぶっくいん高知・古書部」や広島県「ひろしま文庫」の古本が見られるのは、なかなか良い経験である。ツラツラと会場を眺めていると、いつの間にか午後一時を回っていた。すると、キビキビとした黒い影がこちらに急接近し、「どうもどうも」と挨拶の言葉を発した。タレコミ元の北原尚彦氏である。だがこれは、偶然の出会いではない。実は、北原氏がかねてから所望する私のある蔵書を、ついにトレードに出す決心をしたので、打ち合わせて本日の古本トレード会合となったわけなのである。なので、メインは古本市より当然トレード!即座に交渉に入りたいところだが、北原氏も尊い古本神なので「もちろん見ますよ」とワゴンに食らいつき始める。その間にこちらは、汐文社「絵本 はだしのゲン/中沢啓治作・絵」晶文社「ただただ右往左往/岡本喜八」湯川弘文館「天日の子ら/藏原伸二郎」(カバーナシ)現代思潮社「赤瀬川原平の文章 オブジェを持った無産者」(輸送箱ナシ)を計1980円で購入する。「はだしのゲン」は、見返しに中沢啓二の絵本出版当時のサイン入りであった。やれ、嬉しや。市は10/3までと、結構長く一ヶ月近く続く。
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そして小さな文庫サイズの『カラーブックス』のパロディ同人誌を買った北原氏と、「まずはトレード済ませてしまいましょう」と合意し、同じ階にある喫茶店の片隅に腰を落ち着ける。そして飲み物をレトロなメイド服に身を包んだウェイトレスさんに注文するや否や、ナプキンで机をテキパキ拭き清め、お互いに茶色い本をドサリと出す。こちらは磯部甲陽堂「幽霊探訪/大窪逸人」と不二書房「鐡腕拳闘王/大下宇陀児」の二冊。「幽霊探訪」の作者は実は山中峯太郎なのだが、この本はディープな峯太郎ファンでも、見かけた事のない稀少な本だそうだ。なので北原氏は、ホームズ翻訳の大家の資料として、いつかは手にいれたい!と思っていたそうである。「鐡腕拳闘王」はドイルのホームズ物『六つのナポレオン像』を翻案した「六人の眠人形」が挿絵入りで掲載されているため、こちらもホームズ研究家としては、ぜひとも入手しなければならない本なのであった。…もうこんな風に切望されたら、ウチでいつまでも横積みしているわけにはいかないのである。必要としている人のところに行って、存分に役に立ってくれ!と決断し、本日の大物トレードが実現となったわけである。お前たち、幸せになるんだよ。そして北原氏が差し出したトレード要員は、何と三冊!香風閣「現代戦争文學全集3 猛る空中艦隊/フォン・ヘルデス少佐」(イギリスとフランスの航空線を描いた未来戦記物。うひゃっ、面白そう!)三教書院「不死人/伊藤銀月」(異様な妄想に次ぐ妄想で展開して行く、世界を旅して繙く狂った書。北原氏もあまりのクレージーぶりに内容を説明しかね「横田順彌氏の「SFこてん古典」を読めば、少しは内容がわかるだろう」とのことであった…ちゃんと読んだ横田さん、すげぇ。オレ、この奇天烈な本、最後まで読むことが出来るだろうか…)世間書房「黄金假面/江戸川乱歩」である。手にして思わずニンマリ。前々回(2017/11/07参照)と前回(2018/05/12参照)のトレード同様、やはり基本的には変化球…クセは強いが特殊能力を持つ、楽しい選手をトレードに出したのであった。よし、頭がどうにかなりそうなのを覚悟して、まずは「不死人」から読み始めるか!と心に決めて、本の入手を喜ぶ北原氏を記念撮影。人の喜ぶ姿を見るのは、いつでも楽しいものである。またトレードしましょう。
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その後は古本と古本探しと古本マニアと書庫と古本屋とSFとホームズなどについて話しまくった後、お店から神輿を上げて南口に出て「まどそら堂」(2015/06/08参照)へ。店主と挨拶を交わし、「国分寺大古書市」の情報を提供しながら、福音館書店こどものとも344号「とらのゆめ/タイガー立石 さく・え」を千円で購入する。続いて激変しつつある北口に向かい、これも激変しつつある「七七舎」(2016/02/06参照)へ。現在1号店の隣りのお店を改装して、お店の拡大を図っている真っ最中である。
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トランスアート「ブルーノ・ムナーリ」を100円で購入する。駅で北原氏と分かれた後は、西荻窪駅で途中下車。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に先月の「フォニャルフ」売り上げを受け取りに行く。すると思ったより売れていたので、ついつい四千円の芸文新書アクション・シリーズ「残酷なブルース/河野典生」を購入してしまう。
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2018年09月04日

9/4当店のベストスリー

台風が関東に猛威を奮い出す前に、どうにか豪徳寺に流れ着く。ならば「靖文堂書店」だなと心を決め、ちゃんとサッシドアを開けたお店に飛び込む。入口横の児童文学棚を腰を屈めて見ていると、チャイルド社おはなしチャイルド第31号「がんばれねずみたち/作・山元護久 絵・高橋透」を見つける。作者はテレビ人形劇「ネコジャラ市の11人」(2017/09/16参照)や犯罪アクション童話「ピストルをかまえろ」(2017/10/22参照)を手掛けた人物である。これも恐らく奇天烈な物語なのだろうと頁を開くと、案の定ギャングの悪だくみを聞いたネズミが、あらゆる乗物に乗り込んで逃げると、ギャングたちがあらゆる乗物で追いかけて来ると言う、スピードアクション絵本であった。もちろん買うことにする。他に集英社コバルト文庫「ふしぎBOOK/グループMUSS編」講談社「衆妙の門/金子光晴」人文書院「物の見えたる/安東次男」を選び、計500円で購入する。

この「靖文堂書店」のサッシ扉には、「五反田遊古会」のポスターや営業時間などが貼り出されているのだが、その中になんだか見慣れぬ一枚を発見する。タイトルは『当店のベストスリー』とあり、●レコード・LP1枚100エン●洋書 オール1冊100エン●書道関係となっており、最後に■店の三分の一は文庫中心とあるのだ。…これは、何のベストスリーであろうか?売り上げなのか、得意分野のベストスリーなのか?…まぁ値段が書かれているのと、最後に文庫について書かれているので、“お店の売り”ベストスリーなんだろうなぁ。ウフフフフ、何だかアサッテの方向を狙っているようなアピールが、愉快ではないか。
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posted by tokusan at 16:24| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする