2019年01月31日

1/31北町一郎を阿佐ヶ谷で。

今日も今日とて上連雀に流れ着いてしまったので、『三鷹跨線人道橋』にタッタカ上がり、青空と車両基地の煌めくレールの間を突き抜け、線路の北側へと降り立つ。
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天の邪鬼に三鷹には向かわず、西にテロテロ歩き始めて、武蔵境の「浩仁堂」(2011/02/15参照)へ。店頭&店内の安値古本をじっくりと愛で、古今書院「民家帖/民俗学研究所編」(カバーナシ。巻頭に柳田国男と今和次郎への謝辞あり。特に今和次郎への熱いリスペクトと憧れが、この本を成立させたとのこと。ステキ!)フォア文庫「のぼるはがんばる/東君平」福音館書店「タンタンの冒険旅行 黒い島のひみつ/エルジェ作」を計400円で購入する。電車内で「民家帖」をパラパラ捲りながら、束の間日本全国の民家を脳内で飛び回る。阿佐ヶ谷に着き、『旧中杉通り』を帰路に着いていると、29・30日とお休みだった「ネオ書房」(2019/01/06参照)が今日は開いている。何か動きはあるだろうか?何かまたもや買えるだろうか?と考えつつ、カラリと店内へ。あっ!帳場のオヤジさんが、いつの間にかハヅキルーペ(いや、もしかしたら、夢グループの夢メガネ(何だかドラえもんの秘密道具みたいなネーミングだ)かもしれない…)を掛けている!などと驚きつつ、棚にしつこく丁寧に視線を凝らして行く。すると帳場近くの棚に、以前はなかった本を発見。東方社「はだか太平記/北町一郎」である。昭和三十四年の初版で、4500円の値が付けられている。ということは、2250円か…買いだな!と即座に潔く購入する。よもや北町一郎を阿佐ヶ谷で買える日が訪れるとは、思ってもみなかった。これからもこまめにチェックを続けていけば、まだまだ面白い本を安値で買えることがありそうだ。
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2019年01月30日

1/30「あきら書房」の再開を願う!

朝から一本の原稿と首っ引き。どうにか必死に書き上げ、昼食を摂ってから、頭を冷やすためにブラブラ散歩に出る。ご近所の住宅街を彷徨い歩き、挙げ句向かった先は、最近閉まってばかりの「あきら書房」(2016/03/28参照)である。お店を継いだ奥さまがご高齢だったので、その去就がどうにも気になって仕方ないのだ。開いていることを祈りつつ、『青梅街道』から小道に入る。だが、左手に見える塀の向こうの自宅の一部である店舗部分は、冷たくシャッターを下ろしていた…今日もダメか…む?何だかサッシの門扉に貼付けられているぞ。あれは以前はなかったものだ。静かに、庭に向かって折り込まれた門扉にそっと近寄ると、そこには現在営業していない理由が、一月二十八日の日付けで、赤字で切々と書かれていた。いらない器(このお店は益子焼も商っているのだ)を当初は『ご自由にお持ち下さい』としていたが、去年全国各地で災害が頻発したことを憂い、器をひとつ十円とし、その売り上げを寄付することにしたのである。ところが値段を十円とした後も、お金を料金箱に入れずに持ち去る人が多かったため、一時閉店して今後どうするか考えたいとのことだったのである。う〜む、悲しいなぁ、切ないなぁ。こんなことで、「あきら書房」が閉まったままになるのは、阿佐ヶ谷古本界にとっても、大いなる損失である。こういうのが無人販売の難しさであるが、どうか憂いが消え、心が解け、営業を再開してくれることを、ひたすらに願うばかりである。もちろんその時には、器に十円を払うことが、しっかりと履行されなければならない。なにはともあれ、奥さまがご健在であることがわかったのは、大きな収穫であった。また偵察に来ることにしよう。
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この看板の奥にあるお店が、どうか、また開きますように。
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2019年01月28日

1/28定点観測が豊作だった。

二週間ぶりの定点観測に、いそいそと荻窪へ歩いて向かう。冷たい空気の中を急ぎ足でスイスイ進み、午前十一時三十五分の「ささま書店」(2018/08/20参照)店頭棚前。さぁて、何か買えるかな…腰と目玉をドッシリと据え、並ぶ古本一冊一冊に神経を集中する。するとまずは日本推理作家協会「推理小説研究19号 戦後推理小説・SF総目録(第五集)/中島河太郎編」を発見。こいつはラッキーだと手を伸ばすと、隣りに並ぶ背文字のない薄手の二冊が妙に気になる。取り出して確認すると、PAGE「THE BAKER STREET REGULARS/加登佐知子」「THE BAKER STREET REGULARS Vol.2/横山佐知子」というホームズの同人誌パロディマンガであった。二冊で『ボヘミアの醜聞』『まだらの紐』『最後の空家事件』『ぶな屋敷』『バスカビル家の犬』などを掲載。馬場のぼる+たむらしげるのようなタッチで、クオリティ高し。読みたいのでこれらも確保する。そして棚の裏側に回ると、うわぁ!曙出版 あけぼの少年文庫4「続・世界の怪奇ミステリー/南山宏」があるじゃないか!ワンダフル!
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と、これも素早く抱え込み、さらに文庫棚から春陽堂少年少女文庫「黄色い部屋の秘密/ルルー」を抜き取り、計540円で購入する。豊作だぁ〜豊作だぁ〜とスキップが出そうな勢いで、続いて「藍書店」(2018/12/24参照)を観測。店内の所々に、以前はなかった横田順彌先生の本が置かれている。それに乗せられるようにして、双葉文庫「ショート・ショート劇場1(SFワールド傑作選)・2(ショートSF傑作選)・3(SFバラエティ)」を計300円で購入する。足取り軽く家に戻って行くと、途中で暖かな南風が吹き始めたので、気分がさらに明るくなる。昼食後に古本を抱えて再び外出。ガレージ市やみちくさ市にも出さずにそっと除けておいた「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)用の美術&建築関連書を買い取ってもらうためである。およそ三十冊ほどをドカッと引き渡し、交渉成立後の書類に書き込んでいると、店主・天野氏より大阪の「天牛堺書店」(「古本屋ツアー・イン・京阪神」p128参照)が破産したことを教えられる。ひぇぇぇっ!どうなっちゃうんだろう…。その後は高架下を伝い、何だか空きテナントが多くなって寂しい限りの『阿佐ヶ谷アニメストリート』を抜けて高円寺へ。すると「都丸書店」(2010/09/21参照)高架側外棚で、場違いな講談社の絵本「ジャングル=ブック」を見つける。絵・小松崎茂/文・久米元一とはゴージャスな!500円で購入する。
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2019年01月27日

1/27おおきくなるの!

ひゃっこい強風に芥のように吹き流され、午後一時過ぎの吉祥寺。日曜日で人出が多いのはわかるが、なんだいつもよりさらに多い気がする…何故だろう?人混みを掻き分けていると、その理由は人々の会話からあっさり判明した。昨日『出没!アド街ック天国』で吉祥寺が特集されたための大混雑なのであった。…みんな良くテレビを見ていて、そして行動力があるんだなぁ…。そんないつも以上の街の喧噪に圧倒されながら、まずは「バサラブックス」(2015/03/28参照)に逃げ込む。ここも路上同様ギュウギュウであるが、どうにか奥のミステリコーナーを見て行きたい!と身体をねじ込むと、春陽文庫「姿なき怪盗/甲賀三郎」徳間文庫「ふらんす料理への招待/日影丈吉」が棚で輝いていた気がしたので、サッと抜き取り計850円で衝動的に購入する。続いてさらに人混みを掻き分け掻き分け「よみた屋」(2014/08/29参照)に向かうが、店頭では何も発見出来ず終い。入口近辺の安売棚にも念入りに目を凝らすが、今日は好みの本は何も見つからない。こういう時に無理をしてもしょうがない。仕方ない、帰るか。と潔くドア前で踵を返すと、路上に面したラックの横に、大量の「こどものとも」を中綴じの背を上にして詰めた箱が目に留まった。私の安い古本心がキュピン!と反応し、ほとんど歩道に跪くようにして、一冊一冊確認して行く。その結果、福音館書店「こどものとも99号 おおきくなるの/ほりうちせいいち さくとえ」「こどものとも244号 くった のんだ わらった/内田茉莉子再話 佐々木マキ画」を計400円で購入する。1964年出版の「おおきくなるの」オリジナル版が嬉しい。堀内の卓越したレイアウトセンスで、大胆に映画『荒野の用心棒』のようにドアップになった足元。その表紙の色づけには、1964年なのに蛍光色が使われている。そしてこの「おおきくなるの」というセンシティブなタイトル(福音館名物の英題は「We are growing」である)!おしゃまな三才の女の子の、成長という予感と変化と希望が、しっかりと込められているのだ。今日も楽しい買物が出来ました。
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本を表紙側でガバッと広げたところ。

そして先日訪れたばかりの閉店セール中だった「古書 信天翁」ですが(2019/01/25参照)、何と店主がインフルエンザに倒れ、しばらくの間お休みになるそうです。病魔退治後に、お店を開けるらしいので、気になる方は店主のつぶやきチェックをお薦めします。
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2019年01月26日

1/26「豊川堂」にようやく再会する。

夕方近くになって、突然冷たい風が吹き荒れる中、下高井戸の南の松原に流れ着く。…今日は土曜日。ということは、週末営業になった「豊川堂」(2016/07/04&2008/09/09参照)の開いているところを目撃できるかもしれない。そう信じて北に歩を進め。地下道で京王線をクリアし、駅前市場内を通過して『甲州街道』へつながる侘しい商店街に入ると、右手前方に見事に営業中の「豊川堂」が見えて来た。
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…あぁ、この景色が失われずに済んで、本当に良かった!店主さんが亡くなられ、一時はお店の存亡が危ぶまれたのだが、奥さまが週末営業形態でお店を継ぐことになっていたのである。ようやく本日、それを確かめることが出来た。奥さま、ありがとう!と心の中で高らかに叫びながら、サッシ扉をカラリと開ける。そこは以前と変わらぬ店内…いや、何か、キレイさに磨きがかかった感じがする。番台に座るのは、奥さまではなく娘さんだろうか?本の並びは以前とほとんど変わりない感じだが、じっくりと眺めて行く。岩波文庫「死者の書・口ぶえ/折口信夫」を250円で購入する。駅の近くに古本屋さんがあるって、全く持って素晴らしいなぁ。

家に一旦戻った後、エイヤ!と気合いを入れて、より寒くなった表に、古本をドッサリ抱えて飛び出す。すでに夕闇に包まれ始めた西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にたどり着き、「フォニャルフ」を入替補充する。12月と1月はガレージセールとみちくさ市にかまけていたので、かなり本格的に入れ替えました。今年も「フォニャルフ」と、盛林堂で買えるまだまだ絶賛発売中の「青春18きっぷ古本屋への旅」をよろしくお願いいたします!補充後はしばらく番台横に陣取り、不要本を買い取ってもらったり仕事の打ち合わせをしたりスゴい本を見せてもらったりして、世間のしがらみををしばし忘れ、陽気に楽しく過ごす。
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2019年01月25日

1/25谷中の「古書 信天翁」は二月三日まで。

白い曇り空の下の日暮里駅西口は、傾斜を持った橋の真ん中辺りにある。橋を南西に渡り切ると、道は『御殿坂』となる。そこを上がり切り、束の間の尾根を横断して行く。散歩中の白い雑種犬に目を取られていると、たちまち道はまた下り始め、左は『七面坂』右は『谷中銀座』の二叉となる。迷わず右に下って行くと、『夕やけだんだん』が見え始める前に、左側に古本が並んでいるのが見えて来る。その横の小ビルを見上げると、二階には「古書 信天翁」(2010/06/27参照)…八年半、この坂の上で古本を商って来たのだが、もうすぐ閉店してしまうのである。この路面の棚には、すでに『SALE 1万円までの商品→半額 1万円以上の商品→5000円値引』とある紙が貼り出されている。二階への外階段をカツコツ上り、同様にSALE紙が貼られた入口から店内へ。すると目の前には早速本を抱えた女性の姿が。さらに奥にも先客アリで、閉店セールで盛り上がっているようだ。入口の通路部分で児童文学や海外文学を眺め、続いて奥の文庫ゾーンに入り込んでいると、店主の山崎氏に挨拶される。そしておもむろに「ということになりまして…」と超短縮で事情を説明される。いや、もう、ただ、『お疲れさまでした。ありがとうございました』と言うしかありません。「まぁ何か掘り出して行って下さい」と言われてしまったので、まずは古本に集中する。おっ、夏に見かけた園田てる子の本がまだ残っているじゃないか。これはいただいて行こう。と小脇に抱え込み、人々と通路を譲り合いながら棚に目を凝らす。「山名文夫新聞広告集」がある。二万七千円が二万二千円になるのか…だがさすがに手は出ないな…。などとやりながら、ウロウロウロウロし、「信天翁」との別れを惜しむ。東京信友社「園田てる子青春論 恋愛ダイヤル」国書刊行会「香山滋名作選 蜥蜴夫人」の二冊を計972円で購入する。すると山崎氏が丁寧に領収書を書いた後に、後の棚から岡崎武志氏との共著「青春18きっぷ古本屋への旅」を取り出して来た。「ウチに取材に来た時に、『メトロポリス』のちらしを紹介してたじゃないですか(お持ちの古本好きのみなさま、P45参照!)」「ええ。あれ、格好良いですもんねぇ」「売れたんですよ。この「青春18きっぷ」を見て、買いに来てくれたんですよ」「えぇ〜っ!そりゃスゴい。そんなことがあるんですね。嬉しいなぁ。少しはお役に立てたってことですかね」。実は今日は、そのチラシを再び見ることも楽しみにしていたのだが、壁に飾られていないので、引っ込めたのかな?などと思っていたのだ。そんなことを話し、「ではまたどこかで」とお店を後にする。外階段に出ると、柵に掛けられた木の店看板の裏側が見えている。階段から身を乗り出し、看板を見下ろすと、白い鳥影が優雅に滑空している。もうすぐ、この坂の上から、一羽の信天翁が、何処かへ旅立とうとしている。みなさま、遥か上空に白い影が舞い上がる前に、お店の棚を見に行きましょう。尚最新情報では、2/3(日)までは営業する心積もりとのことである。
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2019年01月24日

1/24今度は単行本の革装本だ!

本日は冷たい強風に流されて仙川の南に流れ着く。ここまで来たならばこれ幸いと「文紀堂書店」(2015/03/31参照)へ。店頭の100均文庫が消えたと思っていたら、店内に移動し、足高の箱に重ねて詰められている様子。今まさに一人の女性が文庫本を鷲掴みにして、下部の文庫本のタイトルを確認している…。こちらはゆるゆると店内を一周して、東京美術「ビアス選集3 幽霊1」を500円で購入する。すると店主さんに「三省堂の古本まつりの目録が出来ましたので、どうぞ」と「三省堂書店 池袋本店 古本まつり 二〇一九年二月」をいただく。帰路の車中で繙いて行くと、巻頭の「にわとり文庫」さん(2009/07/25参照)が、とてもいい感じ!カバー欠のスゴい本がお手頃価格で並び、ため息が止まらなくなる。そんなことをしながら阿佐ヶ谷に帰り着き、そうだ!「銀星舎」(2018/10/09参照)さんに新年の挨拶をしなければ!と足を向ける。すると、店頭棚左側最下段に、早速嬉しい本を発見する。角川書店「悪霊島/横溝正史」であるが、2018/12/01に同店で手に入れた、ノベルティの革装ハードカバー文庫「獄門島」「迷路荘の惨劇」と同じ造りなのである。ただしこちらは単行本なので、丸背でデカイ。きっと同じ人の蔵書だったのだろう。それにしても、三冊もノベルティ本を所有していたということは、よっぽどの横溝ファンか関係者なのであろう。店内では第三文明社「生活に夢を持っていない人々の童話/稲垣足穂」を掴み、計500円で購入する。帳場に座っていたのは、久々にお会いする奥さま店主。ご無沙汰をお詫びすると、「口内炎が出来ちゃって痛いのよう!」と予想外の返しが。今年もよろしくお願いいたします。
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天金で、背文字は金の箔押し。昭和五十五年十月の第四版を改装してある。今年に入ってから、阿佐ヶ谷で面白い本が買えているなぁ。
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2019年01月23日

1/23東京・御徒町 第一回 上野広小路古本祭

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そう言えば日曜の「みちくさ市」(2019/01/21参照)の受付時に、「立石書店」さんが意気込みながら「上野で古本市やるんですよ。来て下さい!岡島一族(「岡島書店」(2010/02/02参照)「立石書店」「古書英二」)全員出るんですよ!」と言われ、思わず笑ってしまったことを思い出す。と言うわけでお昼ご飯を食べてから電車に飛び乗り、秋葉原から京浜東北線と競り合うように走る山手線で、御徒町駅下車。礫が混ざった凝固土の手摺を懐かしく感じながら階段を下り、北口に出る。高架下から西側に抜けると、北には『アメ横』の南端ゲートがあり、平日なのに多くの人でザワザワとしている。さらにザワザワは、そこから街中にあふれ出しているようで、パワーのある賑わいが続いて行く。『春日通り』をそのまま西に進むと、たちまち大きな『上野広小路交差点』である。北側には上野のお山が見え、南東には爽やかな建材パネルに包まれてしまった『松坂屋上野店』が『中央通り』に沿って、南へと伸びて行く。そして南西の角地には『凮月堂』に並び、緑色の演芸場ビル『上野広小路亭』が建っている。おぉ!その一階の『ギャラリー+スペース36』で、赤い『古本市開催中』の幟をはためかせ、教えられた通りに古本市が開かれているではないか。しかもかなり賑わっており、常にお客さんが出入りしている。表に出されたコンビニコミックワゴンや雑誌ワゴンや文庫ワゴンを眺めながら、窓に貼られたポスターにチラリと視線を移すと、『上野に古本催事が帰ってきました。個性豊かな古今の良書を揃えてお待ちしております』と書かれていた。入口横のワゴンも念入りにチェックし、その横に置かれたプラ箱も覗き込むと、古本ではなく演芸場のスリッパが大量に入っていた…すぐ隣りは階上の演芸場への入口なのか…。中に進むと、横長でそこまで広くはないスペース。壁際を本棚と木箱で造られた棚が覆い、中央にはプラ箱でまとめられた平台、右奥にはワゴン&木箱棚がつながって行く。左に帳場があり、その脇には貴重紙物のラックも置かれている。並んでいる本は、民俗学・郷土・歴史・江戸風俗・近代・戦争・自然・落語・演芸・映画・北杜夫・時代劇文庫・新書などが主で、独特な硬さを見せている。そして会場内は古書ファンと言うよりは、一般客でにぎわっている印象である。こりゃスゴい。最初は函が壊れている300円の木下杢太郎「其国其俗記」を買おうと思ったが、何となく気乗りせずに、未練たらしく一度見た棚を眺めていると、先ほどは不覚にもスルーしてしまっていた嬉しい一冊が目に留まった。白揚社「16の横顔 ボナールからアルプへ/滝口修造」である。カバーナシだが540円なので、「其国其俗記」はそっと元あった所に戻し、一冊だけをニコニコと購入する。この市は1/27(日)まで。
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1/22古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三章】

早朝午前七時。盛林堂・イレギュラーズの誇りを胸に抱き、勇気を持って寒い寒い戸外に飛び出す。西荻窪「盛林堂書房」前で店主の小野氏と待ち合わせ、フロントガラスに美しい霜の結晶が張り付いた盛林堂号で、一路神奈川県下にある日下三蔵邸を目指す。渋滞の都内を潜り抜け、高速道路を走り抜け、二時間弱で本邸に到着。すっかり準備万端の日下氏が「どうも。よろしくお願いします」と姿を現し、相変わらず後部座席に荷物を積み過ぎサスが沈み気味の日下号の先導で、本の家である別邸に向かう。本日の難関ミッションは、右奥の十年間誰も踏み込めていない六畳のコミック部屋を、どうにか片付け、壁際&窓際に棚を据えるところまで漕ぎ着けること!まずは満遍なく部屋全体に胸高までコミックが積み上がる部屋に小野氏が突入。バンバンと本を運び出し、それを私が中継し、日下氏が元リビングルームの巨大な本の軍艦が幅を利かせる通路で、版型仕分け&必要仕分けを行うことにする。三人即座にエンジンフルスロットルで、作業に専念する。だがいつもなら「こんなのが出てきました!」「ここにスゴいのが埋もれてました!」などが連発され、単調で苦しい作業に潤いが生まれるのだが、今回はほぼコミックばかりなので、ひたすら受け取った物に目もくれず、機械のようになり、ただただ作業を効率的にスピーディーに進めて行く。そのせいか驚くほど作業は進捗し、瞬く間に本の山の下から十年ぶりに顔を出した敷きっ放しの布団や、本に全面を囲まれていたテーブルや、本の山の向こうからブラウン管のテレビが発見されたりする。そんな味気ない作業をどうにか噛み締め、午後十二時半に昼食を摂るため外出。美味しいお寿司をお腹に詰め込み、必要な備品を買い揃え、午後二時には別邸に戻り、作業の続きに取りかかる。途中、偕成社「スパイ17号/柴田錬三郎」や「探偵倶楽部」などが発見されたりするが、やはり基本はコミックばかりなのであった。そしてどうにか窓際まで道が開けると、そこには大量のゴミが積み重なっていることが判明。後半は、そのゴミを袋詰めする作業にシフトするのだが、何と十年と言う歳月は非常に恐ろしく、ポリ袋やペットボトルやビニール類が、射し込んでいた日光のために劣化し、触った途端にモロモロハラハラと崩れ落ちるのであった。何だか遠い未来で、前世の遺物を見つけたと思ったら、儚く眼前で霧散して行くような、ちょっとロマンチックな光景なのである。たちまち畳の上に、今話題のマイクロプラスチックがこぼれ落ちる!嗚呼、まさか日下邸で、こんな世界を悩まし始めている物質を目にすることになるとは…。
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だが、これらもしっかりと片付けねばならぬのだ!と言うわけで、ド大量の本を部屋の片側に寄せ、ベランダからここも長年人の踏み入っていなかった庭にゴミを出し、少しずつ本ではなく人間の領土を広げて行く。ついに日下邸内で、初めて腰を下ろせるようになったぞ!これで人間の文化的な生活が、この場で窮屈ながらも、営めるようになったぞ!
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途中棚の買い出しに行く小野氏と日下氏を見送り、独り別邸に居残り、本の版型を揃えて積み上げ、マイクロプラをハンディ掃除機で吸い上げ、ゴミを袋に積め、それを庭に出して行く。何だか今回は、古本の整理をしに来たと言うよりは、便利屋が遺品整理しているような具合である。午後五時からは、日下氏は仕分けに専念し、盛林堂チームは、買ってきたカラーボックスをひたすら鬼のように組み上げる作業。結果十一本を組み立てて、午後七時に作業を終了する。みなさま、大変に大変におつかれさまでした。今日のハードな作業のお礼として、片付け途中に発掘された、ダブりまくっていた怪の会「エンサイクロペディア アワサカナ 泡坂妻夫大事典」をいただく。
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そして帰り際、、マンションの掲示板にふと目をやると、しばらくしたら部屋内立ち入りで排水管の清掃が実施されることが書かれているではないか。「日下さん、これ大丈夫ですか?」「無理です。その日は用事があります」「…いや、そういう問題ではなくて、本が邪魔で作業員の方、入れないですよね」「それにもうシンクにも風呂場にも本や棚が積み上がってるんで、絶対に無理です」…断固拒否、というよりは、当然物理的に不可能なのであった…。解決するには、もっともっと地道に片付けていくしかないのである。その後はちょっと遅い晩ご飯に焼肉をたらふくお腹に詰め込みながら、何故だかマンガの話で大いに盛り上がる。弓月光「ボクの初体験」が海野十三の「超人間X号」に似ていることや(マッドサイエンティストによる簡便な脳移植手術から巻き起こる大騒動)、水島新司が「球道くん」を連載していたのは『マンガくん』だったことなどなど。…あぁ、それにしてもハード過ぎる一日であった。やはり本との格闘は、とてつもない重労働なのである。
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2019年01月21日

1/21キング・オブ・仁木悦子旧蔵書!

昨日の「みちくさ市」は、寒いながらに四十二冊を売り上げ、まずまずの好成績。遊びに来ていただいたみなさま、本を買ってくれたみなさま、声をかけてくれたみなさま、本当にありがとうございました。午前の直射日光で顔面が日焼けしてしまい、奇妙にほてっていますが、毎度毎度楽しい幸せな五時間でありました。またおかしな古本を用意しますので、次の機会も何とぞよろしくお願いいたします。そして懸案の「野呂邦暢古本屋写真集 特装版」だが、何と始まって三十分ほどで、無事に旅立って行ったのである!気持ち半分は売りたくなかったので、思い切って一万円の高値をつけて、ひっそりと置いておいたら、皆本を手に取るのだが、ため息とともにそっと戻される行為が何度も繰り返されていた。さすがに『こりゃ売れないかな』と思っていると、眼光鋭い一人の古本猛者が、本を手に取りページを捲り値段を見ても、本をそっと戻さないではないか!…すげぇ!買うつもりだ……う、売れた。売れてしまった。そして猛者はさらにたくさんの古本を抱え込み、気持ち良過ぎる買いっぷりを見せてくれたのであった。ありがとうございます!

本日は夕方に三鷹に流れ着いてしまったので、定点観測はナシ。その代わり、駅に向かう道すがらの「上々堂」(2008/08/17参照)に飛び込み、「岡崎武志堂」が撤退した後の棚を観察してみる。そこはすでにネット販売用の本で埋められており、永井荷風関連本が目立っていた。向かいの文庫棚は、まだちょっと空いたままになっている部分もアリ。偕成社「絵とき百科 日本めぐり/山鹿誠次」(カバーナシ)を200円で購入する。暗くなり始めた阿佐ヶ谷に戻り、最近『閉店半額セール』で賑わいを見せている「ネオ書房」(2019/01/06参照)に、何か面白い物ないかなとブラリ立ち寄る。すると左壁棚下段の一角に、仁木悦子の本がチラホラと出されている。そのなかの「粘土の犬」を手に取ってみる。400円の値札があるので、つまりは200円になるということだ。そして見返しを見て、ゾッと鳥肌を立ててしまう。献呈署名が入っているのだ!しかもただの献呈署名ではない!『仁木悦子』から『大井三重子様』(仁木悦子の旧姓本名)へ献呈されているのだ!つまりこれは、推理小説作家・仁木悦子から、童話作家・大井三重子…いやそれより、やはり本人としての大井三重子に送られたものだろう!何という、茶目っ気たっぷりで、いじらしく可愛らしい署名献呈本!こんなの前代未聞である!以前もこのお店で仁木悦子の旧蔵書を手に入れたことがあるが(2016/07/20参照)、これは、自分自身への献呈という、キング・オブ・仁木悦子旧蔵書と言えるのではないだろうか!今高らかに『どひゃっほう!』と叫び震えながら、珍し過ぎる大物を我が物とする!講談社「粘土の犬/仁木悦子」論創社「山田風太郎少年小説コレクション1 夜光珠の怪盗」を計650円で購入する。
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2019年01月19日

1/19反町氏のリーフレットか分析してみる。

暖かな今日は三鷹に流れ着き、たくさんの猫を目撃した思い出を胸に、まずは「水中書店」(2014/01/18参照。おぉ、開店してから、もう五年経ったのか)へ。おぉ、土曜日の午後は、こんなにもお店が賑わうのだなと偉そうに感心し、京都新聞社「昭和古語辞典」奇想天外社「別冊奇想天外10 SFファンタジイ大全集」を計600円で購入する。そのままテクテク吉祥寺まで歩き、「一日」(2017/08/11参照)では洋泉社「幻の怪談映画を追って/山田誠二」を324円で購入し、駅に近付き「バサラブックス」(2015/03/28参照)では山手書房「鴉/渡辺啓助」を300円で購入する。そして駅を通り過ぎて高架を潜り「よみた屋」(2014/08/29参照)に至ると、店頭棚に薄手の古い古書目録がたくさん出されていて、古本屋好きには非常に楽しい状況が展開していた。…ほぅ、『杉並産業会館』で古本市を開いたことがあるのか…『白木屋』や上野『松坂屋』の古い催事の目録も楽しいなぁ…などと棚前にしゃがみ込み、一人お店を広げている状態に陥る。だが、楽しいが買ってしまうとキリがないので、興味のある二点に絞り、店内50均文庫棚からも一冊抜き出し精算する。創元推理文庫「思考機械の事件簿/ジャック・フットレル」太秦文庫「太秦文庫古書目録1986第6号」東京古典会「昭和61年度SAYONARA 東京古典会速報市」を計250円で購入する。「太秦文庫」の目録はモノクロで全28ページ。小川未明・宮澤賢治を中心に、古い児童文学の書影が掲載されていて、スコブル楽しい。探偵小説も少し載っている。もうひとつの「東京古典会速報市」は全10ページの入札用リーフレットなのだが、気になる記名がしてあるのだ。表には小さく、裏には大きめに『反町』とボールペンで書かれているのだ。
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…これはもしや、「弘文荘」(2017/04/05参照)の古本殿上人・反町茂雄氏が携えていたものなのか?…いやいや、まぁ冷静に分析してみよう。ここに名前を書く状況には、どんなものがあるだろうか?ちなみに筆跡は表裏とも同じで、ページ内の狙っている品目には、青で『◯』赤で『レ』が付けられている。1『反町氏を紹介された人が、名前を忘れないように書き留めた』2『会が反町氏用に記名してから渡した』3『実は反町“そりまち”ではなく“たんまち”と書かれている』4『何か氏が憎くて誰かが思わず書いてしまった』5『反町気分に浸りたくて、ついつい名前を書いてしまった』6『氏が自分の物とはっきり分かるように、表にも裏にも記名した』…まぁ結局真相は不明なのだが、面白い物なので、想像力を逞しくして大事にしてゆこう。そしてみなさま、明日の「みちくさ市」は、何とぞよろしくお願いいたします。それなりに暖かく、一月にしては古本日和になりそうなので、面白い本・欲しい本を探しに来て下さい。お待ちしております!
■「第45回 鬼子母神通り みちくさ市」
■1月20日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当日午前八時に天候による開催の有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/
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2019年01月18日

1/18どうにか早めに準備完了!

朝起き出してから、古本屋さんのように本の値付に取りかかる。テレビを漫然と見ながら作業していると、TVドラマ『家政婦は見た!』の原作が松本清張であることを知り、軽いショックを受ける。午後に昼食を摂ってから外出し、まずは「みちくさ市」用の釣り銭作り。その後は阿佐ヶ谷駅北口から関東バスに乗り込み、一気に中村橋まで向かう。商店街をテクテク歩いて「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)へ。店頭で三冊掴み、店内をウロウロ。左端通路がずいぶん奥まで伸び始めている。そして各棚にはしっかりと分類札が差し込まれ、お店として磨きがかなりかかってきている模様。児童文学棚に張り付いていると、最下段で山村正夫の「ぼくらの探偵大学」を見つけ、値段が400円だったのでウットリと幸福になる。朝日ソノラマ「ぼくらの探偵大学/山村正夫」少年倶楽部文庫「冒険ダン吉(2)/島田啓三」カッパブックス「記憶術/南博」文春文庫「知識的大衆諸君、これもマンガだ/関川夏央」を計778円で購入する。続いて西武池袋線に乗り込んで保谷まで移動。「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)の店頭棚を寒風に震えながら眺め、松本商會出版部「文豪傑作 雲か波か」(大正七年刊の文学アンソロジー。漱石・水陰・鏡花・虚子・秋骨・天外・桂月などななど)改造文庫「建築と繪畫/ラスキン」宝塚出版「てるてる坊主の歌/淺原六朗」を計300円で購入する。ここから一駅戻って大泉学園の「ポラン書房」(2009/05/08参照)へ。各通路を結束された本が低めに並び、古本の迷路みたいになっている。右奥の文学棚がとても良い感じだが、趣味に走ってちくま文庫 怪奇探偵小悦名作選「渡辺啓助集 地獄横丁」「海野十三集 三人の双生児」を計1150円で購入すると、店主に「古本屋ツアーさんでうか?」と今更ながら見破られる。それにしてもやっぱり、この『西武池袋線古本屋ライン』は上質だな。などと考えながら駅に戻って南口に出て、またもや関東バスに乗り込み西荻窪まで移動。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で「フォニャルフ」にちょっぴり補充。番台横では、近々の“盛林堂・イレギュラーズ”の活動について少し打ち合わせる。最後に慌ただしく阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)にて工学社「I/O別冊 ネットの怪談/心霊科学探偵団」創元推理文庫「死のある風景」「太鼓叩きはなぜ笑う」ともに鮎川哲也を計309円で購入する。

というわけで日曜日の古本の準備は無事に終了。今回何だか探偵小説類と怪談類が多めになってしまった。
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そして、家の本を掘り返している最中に、素敵な二冊を発見!一冊は木村生死による附録本SF小説「水星軍来襲」。どこに行っていたのか分からず、家の中で行方不明になっていたのだ。これはこれからも大事にしていかなければ。もう一冊は『あれ?こんなの持ってたっけ?』と思ってしまった、「野呂邦暢古本屋写真集」の特装ハードカバー本である。編者&出版元サイン入りの限定四部の特装本もあるのだが、それはこれとは別物である。多分盛林堂さんが、記念に作ったものであろう。…よし、これも「みちくさ市」に思い切って持って行くか!ただし値段はわりとしっかり付けるつもりなので、食指の蠢く皆様、ご覚悟を!
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2019年01月16日

1/16今年初の神保町パトロール

朝から昨日の続きで「みちくさ市」の準備。掘り起こしに飽きたところで、寒い表に飛び出して、今年初の神保町パトロールに向かう。午前十時二十分。珍しく御茶ノ水駅からアクセスすると、ありゃ?「三茶書房」(2010/10/26参照)の店頭ワゴンが、いつの間にか五台になっている。
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三台はいつも通りだが、新たなものは洋書と揃い本が詰まっている。そんな小さな変化をまずは目にして、『靖国通り』を西進して行く。「田村書店」(2010/12/21参照)では木製ワゴンの本の上に積み上がった文庫群の中から、ちくま文庫「画文集 山の声/辻まこと」を200円で購入。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)前では、表に出ていた番頭にさんに見事発見され、新年の挨拶を交わした後、冬の寒さと古本屋さんの古本屋巡りのジレンマなどについて言葉を交わす。そして店頭台に硬めな単行本が出ていたが、じっくり選んで函ナシだが評論社「旅と作家と私と/龍口直太郎」を200円で購入する。後で気付いたのだが、見返し裏に献呈署名入りであった(“たつぐち”だと思っていたら“たつのくち”であった)。『神保町交差点』を渡り、「ブンケン・ロックサイド」(2014/08/28参照)で集英社文庫「アニメ・キャラ大全集/鳴海丈編」を108円で購入。最後に『白山通り』北端の「丸沼書店」(2009/12/17参照)でちくま文庫「新編酒に飲まれた頭/吉田健一」集英社文庫「シャーロック・ホームズ傑作集/ドイル 中田耕す治編」を200円で購入し、午前中の内に家へと戻る。

そしてSF作家の横田順彌氏が旅立たれてしまった。「古本探偵の冒険」「古書ワンダーランド」などは、独自の目線で面白い本を探す楽しさに満ち溢れた古本屋ツーリストとしてのバイブルであり、「快男児 押川春浪」や「幻綺行 中村春吉秘境探検記」などは、明治にあまりにワールドワイドで規格外の人間がいることを、面白おかしく教えてくれた素敵な本であった。氏とは、盛林堂書房「荒熊雪之丞大全」の表紙デザインを手掛けた縁で、北原尚彦氏と盛林堂・小野氏に、番台横で紹介されたことがあった。氏は私を見るなり「細い、細いね〜。私なんかこんなだからねぇ。そんな風にならなきゃいけないねぇ。それにしても、細いね〜」と宣われた。こちらはただただ緊張するばかりだったが、一瞬でも同じ時を体験出来たことは、幸せこの上ない瞬間であった。きっと今頃は青い青い空の上で、天狗倶楽部に入部し、押川春浪と喧々諤々語り合っておられることであろう。横田先生、面白いことをたくさん教えていただき、本当にありがとうございました。
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これが「荒熊雪之丞大全」。楢喜八氏のイラストが素晴らしいので、ビシッと気持ち良くデザインできた覚えあり。
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2019年01月15日

1/15スピレイン以上のスリル!

最近大河ドラマで話題の『天狗倶楽部』と押川春浪であるが、先日の「ニワトリブンコ100均大会」(2019/01/04参照)で入手した著作「絶島軍艦」を昨日読了した。想像を超えた凄まじい物語であった。タイトルにもある“軍艦”は、敵対する露西亜・日本ともに途中で沈み(日本の軍艦“浮島丸”なんか、島の原住民の手にかかり『物凄く良く燃える油』で燃やされてしまうのだ…)、最後は露西亜・日本・原住民・人食い人種が、島で肉弾掃討戰を繰り広げる始末。日本の理学博士・吉野武夫は血刀を振りかざし、斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬りまくり、鬼神の如き活躍を見せるのだ…ウググ、メーターを振り切った話を読んでしまった…消化し切れない…でも面白いのは確かなのである…。

本日は突然の雨に祟られながら、世田谷の赤堤に流れ着いたので、豪徳寺まで濡れそぼりながら歩き、「靖文堂書店」(2011/09/06参照)でしばし雨宿りを兼ねた古本探しに取りかかる。帳場のテレビから聞こえるドラマ『捜査一課長』の内藤剛の力強い声に気を取られながらも、岩波写真文庫「近代藝術/監修 岡本太郎」改造社 世界大衆文學全集「ルコック探偵 河畔の悲劇/ガボリオー」(カバーナシ)春陽堂書店「半七捕物帳/岡本綺堂」を計600円で購入する。この「半七捕物帳」は昭和三十年刊の四六版ハードカバーで、貸本仕様。後見返しには『下北沢 ネオ書房』のハンコと『一般向 ネオ書房』のラベルが確認出来る。面白いのは帯の惹句や説明がすべて手書き文字で構成されているところ。表4は「江戸川乱歩全集 全15巻」の広告で、『スピレイン以上のスリル!サスペンス』と書かれている。かなり的外れな感じが、どうにもおかしい。
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雨が上がりつつあるので、世田谷線の線路を伝って下高井戸駅まで静かに歩く。家へ帰ってからは、日曜の「みちくさ市」の準備を少しずつ、ジワジワと進める。
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2019年01月14日

1/14高円寺経由定点観測

月曜日である。例の如く定点観測に向かう前に、今日が祝日故の催事最終日に向かうことにする。というわけで、テクテク顔を冷たくして歩いて、いつもとは逆の高円寺へ。「西部古書会館」で行われている「大均一祭」(2013/09/08参照)が驚異の50均で開かれているのである(一日目200円、二日目100円、三日目50円)。午前十時半過ぎだが、会場には熱気が渦巻いている。棚にはブランクが生まれ、もはや補充などない売り尽くし的雰囲気だが、来場者は皆懸命に棚に食らいつき、カゴや腕の中に本を積み上げている。そんな様子に気圧されながら棚を見て行く…か、硬い本が多い…だが、50円…と、こちらもこちらなりに懸命に一巡し、どうにか日新書院「隨筆 船醫手帖/伊藤行男」を50円で購入する。その後は駅に素早く向かい、電車で荻窪駅に移動する。車窓から見えた「ささま書店」(2018/08/20参照)は、すでに表に本棚を並べ終えたところである。皆「大均一祭」に行っているからだろうか、店頭にはまだ誰の姿も見えない。棚脇にはアルバイト募集の貼紙がある。週四〜六日で時給は1100円か…。ゆっくり眺めて三冊を掴んだ後は、店内の文庫棚に視線を注いで行く。日本人作家五十音順を入口側から見始め、次第に左に移動しつつ、最後はしゃがんで最下段の並びをチェックする。すると、すぐ左の海外文庫棚最下段に、横向きに無造作にレア文庫の「魔法入門」が置かれているではないか!慌てて手に取ると、初版・角川文庫フェスティバル帯付きで破格の1500円!定点観測、今週もバンザイ!と喜んでいただくことにする。角川文庫「魔法入門/W・E・バトラー」中央公論社「鍵 縮刷普及版/谷崎潤一郎」日本放送出版協会「写真表現の150年/伊藤俊治」文藝春秋「記念碑散歩/谷川吉郎編」を計1944円で購入する。
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安値で見つけた「魔法入門」はこれで三冊目(2016/12/18&2017/05/29参照)。「魔法入門」ハンターの称号を得るには、後二冊ぐらいは見つければ良いのではないだろうか。

続いて「藍書店」(2018/12/24参照)に足を向け、集英社文庫「海外版 怪奇ファンタジー傑作選/武田武彦編」を200円で購入してから、テクテク歩いて阿佐ヶ谷へ戻る。「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で春陽文庫「悪魔の百唇譜/横溝正史」を103円で購入すると、店主の天野氏が「先日ブログに書いていた「井草ワニ園」(2019/01/05参照)ですけど、ウチにも来るお客さんなんですよ。記事が載った後、メッチャお客さん来たらしいですよ」と教えてくれた。なんだかちょっと嬉しいぞ。
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2019年01月12日

1/12五年振りに「象のあし」にサヨナラを。

サラサラパラパラと、粗い砂糖のような霰を浴びながら、いつもとは違うルートで荻窪へ向かう。しばらくして到着したのは、『四面道交差点』近くの『青梅街道』沿いにある「象のあし」(2008/09/03参照)である。およそ五年前に閉店することになり、50%セールに駆け付けたことがあったが、その後何故か閉店せずに復活営業を継続(2013/12/23&2014/11/26参照)。そのまま月日は流れて行った…たが、ついに今回は正真正銘の閉店を1/20(日)に迎えることになったのである。ぬぬっ、店前には驚くほど自転車がたくさん停まり、店内が若者からお年寄りまでで、異様に混雑しているではないか。セール内容の貼紙に目を向けると、『22年間のご愛顧ありがとうございました』『990円以下は全て100円』『その他の商品は販売価格の80%OFF』となっている。本当に売り尽くすための値段設定ではないか。そりゃあ混むわけだ。早速店内に入り込み、熱心に古本を選ぶ人たちの間を縫いまくり、各棚をチェックして行く。驚くことに棚下のストック引き出しも開けられ『ご自由にご覧下さい』とある。今にバックヤードまでも開放しそうな、売り尽くしへの激しい勢いである。ウロウロして結局三冊。白亜書房「コーネル・ウールリッチ傑作短篇集2 踊り子探偵」東京創元社「樹のごときもの歩く/坂口安吾・高木彬光」ワニの本「世界の怪談集/矢野浩三郎・青木日出夫」を計830円で購入する。店長さんは「今までありがとうございました。1/20までやってますので、ぜひまたお越しください」と、誰にでも丁寧に頭を下げている(常連らしい奥様に「今度はホントに閉店しちゃうの?」と聞かれたりもしていた)。レジにあった黄色いオリジナル栞を摘み取り、かつてあった、おかしな名前の同チェーン店の名に瞳を凝らす。中目黒「たらの芽書店」(2010/10/13参照)「熊の木書店」祐天寺「あたた書店」学芸大学「本とうです。」(2009/01/16参照)高田馬場「キノコノクニヤ書店」(2008/10/06参照)「ばーばー書店」(2008/10/06参照)…すべて閉店してしまった。これで残るは、小岩「どですか書店」(2011/01/17参照)と西荻窪「ねこの手書店」(2010/07/27参照)の二店だけとなったのである。
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2019年01月11日

1/11「なごやか文庫」がっ!

朝からある原稿の準備をのんびり進めるが、まだそれほど切迫はしていないので、午前十時過ぎには、思い立って東村山に出かける。福祉系古本屋さんの「なごやか文庫」(2012/01/10参照)が、単行本30円・新書&文庫10円の『新春たなおろしセール』を実施しているんだっけ。段々と気温が上昇する郊外の街を歩き、『社会福祉センター』に到着する。自動ドアから薄暗い施設内に入り込み、左手の「なごやか文庫」で早速激安値の古本と戯れ始める。二十分ほど滞在し、水書坊「紫の履歴書/美輪明宏」21世紀BOX「殺人王 世界殺人鬼ファイル/目黒殺人鬼博物館編」河出書房新社「みがけば光る/石井桃子」新人物往来社「推理文学 1971新春特別号」理工図書株式会社「奇術 種あかし/柴田直光」講談社「岩のある庭の風景/外村繁」俳人協会「西東三鬼集」カッパブックス「民法入門/佐賀潜」(以前大阪の「絶版漫画バナナクレープ」さん(2016/08/21参照)に教えてもらった通り、挿絵が笠間しろう)講談社青い鳥文庫「幽霊たちの館/ブルックスほか」岩波文庫「手仕事の日本/柳宗悦」を計220円で購入する。よし、それなりに買ったぞ!とお店から出ると、左に手作りの立看板があるのに気付いた。…なにぃ〜!「なごやか文庫」が建物大規模修繕のため、2/18〜11/30の間、営業を休止するだとっ!ガガ〜ン。およそ九ヶ月の間、安値の古本を思うさま買う喜びに、浸れなくなってしまうとは…うぅ。だが耐え忍んで待ち続ければ、いずれ新しいお店が出迎えてくれるのだ。待ちます、九ヶ月!尚、たなおろしセールは2/3まで行われている。
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2019年01月09日

1/9一月のお知らせ二つ。

本日は寒さと強風に脅かされながら、国立の南側に吹き溜まったので、「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)にて小学館ミニレディー百科シリーズ15「バレエ入門/清水哲太郎」を100円で購入した後、震えながら阿佐ヶ谷へ戻り、さらに「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)で福音館書店「めのはなし/堀内誠一」(2005年特製版)を300円で買い足し、早々に家に逃げ帰る。
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子供用のハードカバー本は、とても頑丈である。

さて、これだけでは素っ気なさ過ぎるので、最近気になっていることの与太話をひとつ。もうすぐだが、1/25にダリオ・アルジェントのイタリアホラー映画『サスペリア』のリメイク作品が公開される。私にとって『サスペリア』は、小学校四年生の時に横浜の馬車道の映画館に『ラッシー』を家族で観に行ったら、ロビーに置かれたテレビでエンドレスで次回上映の『サスペリア』の予告編が流れており、血まみれの首吊り少女や、針金で身動きが取れぬ少女などが、バンバン目に飛び込んできてしまい、おかげで完全に『ラッシー』どころではなくなってしまった、トラウマ体験を持っている。また高校生の時に、深夜にテレビで『サスペリア2』(『サスペリア』より前に製作された作品で、正確には続編ではない)を恐いもの見たさで観ていたら、例の人形が出て来るシーンが余りにも恐過ぎて、その後朝まで眠れなかったことがあった。かように心に深い傷を残した『サスペリア』シリーズだが、さすがに五十歳を超えた今、もう脅かされることはないだろうと思っていた。だが、それは甘い考えであった。己を過信した、ただの思い込みであった。ふと目にした新作『サスペリア』のあるものに、奇妙な畏怖を抱いてしまったのだ。それは映画そのものではなく、映画の欧文ロゴに恐怖を感じ取ってしまったのである。…、なんだ、この心の落ち着きを奪い、良く分からぬ不安が黒雲のように胸に広がる、可愛いが気持ちの悪いロゴは。ボンヤリと血と痛みを感じさせ、底無しの狂気を孕んでいるようではないか。う〜ん、やだなぁ…恐いなぁ。この欧文ロゴに似せて作ってあるカタカナロゴからは(翻案したように良く出来ている)、そんなもの感じられないのになぁ。不思議だなぁ。いったい何が原因なんだろう。下部の埋め込まれ並んだ針のような飾りが、その原因のひとつであることは何となく感じるのだが。…あぁ、もやもやとして、理由が分からない。それともこれは、私の心の問題なのか?…あぁ、やっぱり、恐い。

とまぁ、何だか無闇に恐がっているのですが、一月のお知らせを二つ!
●明日辺りから発売になる「本の雑誌 雪かき突進号 No.428」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、漫画家・喜国雅彦氏の「ひとたな書房」を取り上げております。探偵小説の嵐が吹きまくる、棚一列の小さな古本屋さん。もうここで何冊の本を買ってしまったことだろうか。入手困難な憧れの本を、何冊手に入れてきただろうか…ちなみに去年は八冊も購入してしまっている。あぁ!今でも毎月二回の補充が、楽しみで楽しみでならないのだ!いったい今年は何冊買うことになるのだろうか…?
●今年最初の「みちくさ市」に駆け付けます!去年から始まった一月の古本市が、今年もまた開かれます。昨年十二月に大量放出したばかりですが、まだまだ家には良い本やおかしな本がブンブン唸っているので、冬の雑司が谷に持って行きます。油断していると、面白い本がパッパと売れちゃいますよ!その前に来て下さい!そして買って下さい!
■「第45回 鬼子母神通り みちくさ市」
■1月20日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当日午前八時に天候による開催の有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
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2019年01月08日

1/8「調布の古本市」でデパート展突入を疑似体験する。

阿佐ヶ谷駅前から、コミュニティバス・すぎ丸に乗り込み、浜田山で京王線に乗り換え、午前九時五十分過ぎに調布駅着。地上に出てロータリー越しに『調布パルコ』の入口付近を臨むと、すでに二十人弱の人が集まっているのが分かる。その先頭には、古本神・森英俊氏&風書房さんの姿が!…およそ百メートルは離れているのに、間違いなくあのお二人だということが、分かるぞ…。そのロータリーをグルッと回り込み、入口の小人波に近付いて行く。すると突然後から、「小山さん!」と声を掛けられる。振り向くより早く、風のように目の前に現れたのは、自転車に乗った北原尚彦氏であった。あぁっ!つい四日前と、まったく同じ出来事がっ(2019/01/04参照)!と笑い驚きつつ、自転車を駐輪場に停めに行く、氏の背中を見送る。入口に近付くと、他にも何人か四日前の「ニワトリブンコ100円均一大会」で見かけた方たちが…皆にわとりさんの「調布の古本市に来て下さい!」の言いつけを守り、ちゃんと馳せ参じるとは、自分も含めて義理堅い人たちだと感心する…いや、正直に告白すると、ただ古本を買いにきただけなのだが…。自転車を置いた北原氏が「間に合った」と姿を現すと、ガラス戸の向こうのガードマンたちが、腕時計で時間をチェックし始めた。ほどなくして午前十時になると、開店となりドアが開けられ、そこに並んでいた人たちが整然と、だが意外に素早く吸い込まれて行く。そして左にあった一基のエレベーターに全員が乗り込み、五階を目指す。北原氏に「なんかちょっと、話に聞く昔のデパート展突入シーンみたいですね」と言うと「うん、そんな感じするね」「昔、突入してました?」「いや、ないんじゃないかなぁ…あ、でも確か京王デパートで一回…」などと話していると、エレベーターの扉が五階で開く。するとゲートが開いた競走馬のように、半分以上の人が小走りになり、誰もいないフロアを催事場目指して突き進んで行く。先行隊に遅れて催事場入りするが、想像以上の混雑や争いはなく、余裕を持って各店のワゴンを見られる状態である。「ハナメガネ商会」(2014/04/26参照)の(2009/07/25参照)児童文学、「東京くりから堂」(2009/10/29参照)の旅古書、「うさぎ書林」(2009/07/07参照)の映画古書、「にわとり文庫」のジュニアミステリなどが目を惹きつける。ぐるぐる催事場を一筆書き(もちろん動線は交差してしまっているが…)で二周ほどして、「一角文庫」から出帆社「ルーフォック、オルメスの冒険/カミ」河出書房新社「生存術/吉田八岑・川村光曉」を選び、さらに「かぴぱら堂」でサンケイ新聞社「未来の仲間・大ロボット博」(1982年に『日本橋高島屋』で開かれた、当時最先端のピンからキリまでのロボットを展示した博覧会のパンフレット)などを選び、計1620円で購入する。精算時ににわとりさんの奥さまに「強制してしまってすみません」とにこやかに謝罪される。いえ、どうせ、強制されなくても、来ていたんです!買物を終えた北原氏と肩を並べて会場を離脱する。この「第4回 調布の古本市」は1/22(火)まで。一階エスカレータ下り口で氏と別れた後は、やはりビルの隙間の「円居」(2009/03/02参照)に足が向いてしまう。するとそこには市で見かけた方が一人二人…行動パターンが同じなのに、頬を少しだけ赤らめる。角川文庫「JAMJAM日記/殿山泰司」早川書房「SF英雄群像/野田昌宏」を計700円で購入し、往きのルートを逆になぞる形で帰路に着く。
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古本市は浅生ハルミンさんのイラストが目印!
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2019年01月07日

1/7古本屋さん定点観測初め!

朝の内に連載原稿を完成させ、送信してスッキリしてから外出する。月曜は「ささま書店」(2018/08/20参照)の定点観測日であるが、お正月を跨いだので、何だか久しぶりな気がする。いつも通り裏路地を伝い、テクテク歩いて、強い風に頬を冷やしながら、塀の上の首輪をした猫に話しかけたりして、店前にたどり着く。午前十一時三十三分であるが、すでに三人の人が棚前に張り付いている。首を竦め、ポケットに手を突っ込んだまま、少し前屈みになったりして寒さを凌ぎ、幻洋社「北海道こわいこわい物語/合田一道」文庫クセジュ「妖術/ジャン・バルー」「呪術/J・A・ロニー」を計324円で購入する。さて、去年ならばこのまま帰路に着いているのだが、今年からは一味違う。南側にググッと向かい、「藍書店」(2018/12/24参照)を定点観測ルートに組み入れたのだ。開いているかな?と思いながら、大通りから横道に入り込むと、おっ!ちゃんと本が表に出ている出ている。ゆっくりとプラ箱と棚を眺めて行くが、今回は表では手が出なかった。そこで即座に店内に進み、棚を詳しくチェックして行く。先日来た時と大勢で動きはないが、それでも細かいところに変化は生まれている。それを一冊も見逃さぬよう、目玉に神経を集中させる。すると、ウィンドウ際の棚下段に挿さっていた古書の背に、古本回路がショートするほど反応してしまう!松本泰の訳書だ。これ、いつか盛林堂さんに見せてもらったことのある本だ。取り出してページを開く。そうそう、前書きが、倫敦に暮す郡虎彦に、セルビアの劇作家ヨシフ・コーソルを紹介してもらうところから、始まるんだよな。盛林堂の番台横で読んだことのある、古い活字に必死に目を走らせる。やはり本と言う物体は、折に触れ、目にしたり手にしたりしておくべきものだな。だからこそ、こんな時にその淡いデータが生かされ、目に留まるのだ。大正十年刊のこの本は二編の戯曲を収録しているのだが、表題作ではない『不滅の船』がミステリ仕立てなのである。値段を見ると大喜びの二百円なので、浮かれながら奥の帳場へ進む。聚英閣「情火/ヨシフ・コーソル著 松本泰譯」を購入。年明け早々素晴らしいものが買えてしまった。定点観測、バンザイ!
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