2019年02月28日

2/28「ネオ書房」の会員証と「きょむへのくもつ」のビデオテープ!

予想外にしっかり降り続けた雨にいじめられ、濡れ鼠になって夕方の西荻窪に漂着する。ブルブル震えながらも古本は買って行こうと、暖かい灯りを湛たえている「TIMELESS」(2012/06/30参照)に飛び込む。百均ポケミスに目を付けて、具象表紙絵の二冊を選ぶ。ハヤカワポケミス「120 矢の家/A・E・メースン」「130 悪魔のような女/ポアロー ナルスジャック」を計200円で購入する。レジの女性は紙包装を二重にしてくれて「雨なのにありがとうございます」とマスク越しににっこり。心が暖まるなぁ。阿佐ヶ谷に帰り着いたら「ネオ書房」(2019/01/06参照)を当然覗く。雨降りなので、右側の店頭棚はブルーシートに覆われ、左側の店頭棚は店内左側通路に引き入れられてしまっている。一見入ってはいけないように見えるが、入っても全然大丈夫なのである。というわけで右側通路から帳場前を通過して左側通路までいつものように細かく検分する。新宿区観光協会「新宿・世界の繁華街」を200円で購入すると、突然オヤジさんが「お客さん、これいかがですか」と元気良く言い、帳場上に置いてあった一枚のカードを差し出した。「貸本屋時代の会員証。こんなのを使ってたんだよ」。おぉ!これが「ネオ書房」の会員証か。表面には『高円寺店』『阿佐ヶ谷店』とあり、裏面には『御注意』という名の規約が書かれている。これは良い物をいただいたぞ!
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ところで先日購入した湘南探偵倶楽部の「深夜の鐘/楠田匡介」を読了したのだが、何と「都会の怪獣」の続編とも言える作品だったので、意表を突かれてしまった。話はかなり怪奇に壊れ気味にぶっ飛び破綻もあり、埋もれても仕方のない作品と言ってしまえばそれまでなのだが、貴重な昭和三十年代の東京が活写されているのは、大きな魅力である。中でもアクションの舞台として、京成本線の『博物館動物園駅』が出て来たのには感動した。京成上野〜日暮里間にあった地下駅だが、2004年にその役目を終え、長らく閉鎖されていた後、今はアート空間として開放されている。開放と再活用には大いに賛成するが、アートを展示するギャラリー的なものになると、どうも作品の方のイメージが強くなり、元の駅としての雰囲気が遠退いてしまうのが、残念なところである。そんなことを考えていると、その昔、確か8ミリビデオで現役時の駅を撮っていたはずだなと思い出し、どうしてもそれが観たくなってしまう。簡単に観られるよう、VHSにダビングしておいたはずだが…とめぼしい場所を探してみるが、結局どうにも見つからずじまい。その代わりに背のラベルに平仮名で『きょむへのくもつ』と書かれたビデオを見つける。
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気になりデッキに放り込んでみると、九十年代後半に、様々なテレビ番組を録画したテープであったが(鴨居玲の『日曜美術館』、ロンドンブーツの『ガサ入れ』、コーネリアスの『バイノーラル録音実験番組』、映画監督ウォン・カーウァイのインタビュー、矢沢永吉出演の『HEY!HEY!HEY!』などなどメチャメチャ…)、冒頭に録画されていたのが、NHKドラマ『薔薇の殺意 虚無への供物』の最終回であった。中井英夫の「虚無への供物」を全六回でドラマ化したものである。確か出来が良かった記憶があるが…となんとなく観始めてしまうと、たちまち粗い画像の中に惹き込まれてしまう。小説とは、やはり一味異なる世界観だが、とても上手く感じをつかみ、ひとつの在り方を提示している。仲村トオル演じる氷沼蒼司の血の通い方も素晴らしいし、深津絵里演じる奈々村久生の絶望した菩薩のような表情も絶品である。ついつい時を忘れ、最後まで楽しく鑑賞してしまった。分かっていても衝撃を受ける巨大なメタ・トリックに、改めて感銘し、糾弾される側として少々落ち込んでしまう。そしてエンディングクレジットで、脚本が奥寺佐渡子、監督が平山秀行だったのを知り、目を瞠る。全然気付いてなかったけど、良い仕事してたんだなぁ。
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2019年02月27日

2/27ささやかな収穫を得る。

朝から真面目に原稿書きした後、昼食後に下北沢へ外出する。駅の工事が進み、使っていた新しい北口が消失しており、仕方なく踏切際の北口から外に出ると、なんだか変なところに顔を出してしまった…。多少迷いながら街を彷徨い、用事を一つこなした後に古本屋さんへ。うっ、「古書明日」(2017/01/31参照)は残念ながら臨時休業か。で、「ほん吉」(2008/06/01参照)へ足を向ける。楽しい楽しい店頭部分と対峙し、木星社書院「生命の藝術/萩原守衛」(函ナシ)主婦と生活社「世界ののりもの 船ふね/柳原良平」詩學社「現代英米詩選」を計600円で購入する。柳原良平の絵本も嬉しいが、北園克衛の譯詩が12P載っている昭和二十六年刊の「現代英米詩選」が殊更嬉しい。編集人は稲並昌幸、つまり城昌幸である。
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表紙は雑誌「りべらる」の表紙絵や挿絵で有名な中尾進。仙花紙探偵小説本の表紙絵も多く手掛けている。

そんなささやかな収穫たちを胸に阿佐ヶ谷に戻り、「ネオ書房」(2019/01/06参照)。いつものように店内を見回していると、左側通路の漫画束の上に、付録箱が出されているのに気付く。詰められた小冊子たちを繰ってみると、ほとんどが八十年代以降の付録漫画・付録ゲーム攻略本であった。講談社平成元年テレビマガジン五月号ふろく「仮面ライダーBLACK RX 大事典」小学館1981年小学三年生5月号ふろく「小三人気者まんが大行進」を計250円で購入する。またもやささやかな収穫である。
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2019年02月26日

2/26東京・西調布 喫茶 侘介

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本日は西調布駅北側の住宅街に流れ着くと、何の変哲もない運動場と遊具のある公園が、『鬼太郎公園』と名付けられているのを知る。公園自体に鬼太郎らしさは一切ないが、看板に水木しげるが書いた公園名とともに(大きく“水木しげる”のサインも)、鬼太郎が描かれている。少しだけ感動しながら駅に向かい、以前訪れたことのある古本も扱うリサイクルショップ「不思議屋」(2018/10/18参照)前を通りかかるが、残念ながらシャッターが下りたままである。お休みであろうか…せっかく安い古本を買う気満々でいたのに…。仕方なくそのまま駅方面に向かい、白けたように小綺麗な北口駅前の西側に隠れている、鄙びたお店が建て込む『西調布一番街』に進入する。だが、頼みの綱の「foklora」(2018/03/09参照)も、呆気なく定休日であった…くぅぅ、このままスゴスゴと帰るしかないのか…。気分を沈ませながら踵を返すと、その瞬間、奇跡のように古本が目に飛び込んで来た!うひょう!こんなことが起こるとは、俺は何たる幸せ者だ!と、古本に飢えていたので大げさに感激し、その感激の大きさの割には少なめの古本カゴに走り寄る。激シブな、スナックのような喫茶店の前に出された、古本カゴである。良く見ると、そのほとんどが「幽々白書」と「月刊ムー」なのであるが、傾向の掴めぬ単行本も十冊弱あり、カゴの縁には小さく『一さつ50円』と貼り出されている。それほど悩まずに、中央公論社「怪奇な話/吉田健一」せりか書房「路上のエスノグラフィ ちんどん屋からグラフィティまで/吉見俊哉・北田曉大編」を選び、木戸をガラリと引き開けると、優しい魔女のようなおばあさまが笑顔を出し、「あら、買ってくれるの。ありがとうございます。袋は?いいの?」と応対してくれた。二冊を計100円で購入する。とにかく古本に出会え、とにかく古本が買えたのは、とても目出度いことだ。買ったばかりの「路上のエスノグラフィ」を読みながら、京王線とすぎ丸を乗り継ぎ阿佐ヶ谷に帰り着く。そして「ネオ書房」(2019/01/06参照)に立ち寄り、箱ナシの小学館入門百科シリーズ10「まんが入門/赤塚不二夫監修」を300円で購入する。
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2019年02月25日

2/25カバーを剥いだら花森安治。

雨が降らねばよいのだが…と空模様を気にかけつつ、月曜日の定点観測に出かける。ぶらぶら荻窪に向かって歩いて行くと、一向に雨の降る気配は感じられず、薄日が射し込みちょっとだけ麗らかな陽気に変化して行く。これなら店頭が雨仕様になっていることはないだろう。そう確信して「ささま書店」(2018/08/20参照)店頭に立つ。百均棚から一冊、三百均棚から一冊、店内文庫棚から一冊を選び抜く。新潮社「日本再発見-芸術風土記-/岡本太郎」春陽堂「版画礼賛/稀書複製會編」(函ナシ)角川文庫「マンハッタン自殺未遂常習犯/草間彌生」を計684円で購入する。あまり見かけぬ「マンハッタン自殺未遂常習犯」が200円なのはラッキーであった。続いて「藍書店」(2018/12/24参照)に向かうと、珍しく先客がおひとり。譲り合うようにして狭い通路で本の背を眺めて行く。おきなわ社「琉球芸能全集1 琉球の民謡と舞踊1/島袋盛敏」(カバーナシ)浪速書房「天狗の面/土屋隆夫」ロッテ出版社「隨筆百話 からむ妖美/佐藤垢石」を計900円で購入する。本をぶら下げ表に出ると、店頭棚&箱に二人のお客さんが惹き付けられている。ここも段々荻窪の古本屋さんとして、認知されて来ているんだな、と偉そうに感じ入る。まぁ嬉しいことである。さて、買った本の中で驚いたのが、聞いたことのない出版社・ロッテ出版社の「からむ妖美」である。垢石の本が三冊ほど並んでいたのだが、まったく興味を持っていないはずなのに、何故かその中のシンプルな装幀の一冊に手を伸ばしてしまう。パラリと本を開いてみると、扉に描かれたカッパの絵が良さげだったので、目次裏にある装幀者の名を確認すると、そこには“花森安治”と記されていた。その途端に頭の上に?マークが浮かんでしまう。何故ならカバーは、シンプルな書き文字だけで構成されており、華がまったくない極めて素っ気ない状態なのだ。そこでグレーの薄い粗悪な紙のカバーをペラリと剥いでみると、途端に色鮮やかな河童と花をモチーフにしたアラベスクのようなイラストが姿を現した。おぅ、なんだこりゃ!まるでハンディ・ボンペイの遺跡ではないか!しかもカバーのタイトルは『からむ〜』なのに、本体は『絡む〜』となっている。カバーは単なる汚れ防止という位置づけなのかもしれない…。色々謎の多い本だが、美しく、興味が湧き上がってしまうことは、確かである。
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左がカバーが掛かった状態。右がカバーを剥いだら現れる表紙である。
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2019年02月24日

2/24華族の電報頼信紙!

せっかくの日曜なのに、色々制約があり、行動範囲は極狭。ならば思いっきり至近で何か買えればと、古道具屋の「J-house」(2015/12/26参照)に向かう。すると久しぶりに店頭に本らしきものが出されている。物色すると、そのほとんどが小さな和本で、歌やお茶関連である…だが、一番下に変なのがある!と引っ張り出してみると、とても古びた國誉(うわぁ、これ、文房具メーカーの『コクヨ』ってことだ。漢字で書くとこんなに厳めしいとは!)の「複寫式電報頼信紙」という代物であった。こ、これが電報を出す時に書いて使う紙なのか!初めて見たぞ!と驚き喜び、淡交新社淡交テキスト・ブック「小堀遠州」とともに計216円で購入する。いそいそと家に戻り、「電報頼信紙」を詳しく見て行くと、表紙には『大正拾二年九月一日午前十一時五拾八分大震災●●より使用 京都にて求む』と書かれている。そんな衝撃の日時に度肝を抜かれながら、縦長の冊子を捲ってみると、複寫式のため、元の文章や発信先発信元などの情報がちゃんと残されている。その紙は、薄い半透明の和紙で、文字はすべて鉛筆で書かれている。差出人はほぼ同一人で、個人が携え使用していたものらしい。大地震の一ヶ月後に東京から京都に赴き、俵屋旅館や瑞雲院に滞在し、各方面に電報を打ちまくっている。どうやらよほどのお金持ちらしく、発信先に『アリマハクシャクケ(有馬伯爵家)』『アリマダンシャクケ(有馬男爵家)』『キクテイコウシャクケ(菊亭侯爵家)』などがあり、驚きを禁じえない。これは調べたら面白いことになりそうだと、発信元をちょっと検索してみると、なんと三井男爵家のお偉いさんであったことが判明する。噫、いきなり大正時代の風俗だけでなく、無造作に華族や財閥の一端に触れてしまった驚きと喜びに、ブルリと大きく震えてしまう。これは、かなり貴重なものなのではないだろうか?一体どうしたらいいんだろう?俺が持っていてよいものなのだろうか…などと、嬉しいのに、何だかソワソワ持て余し始めてしまう…。それにしても、相変わらず不意打ちのように興味深い物が買えるな、「J-house」!
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2019年02月23日

2/23十三は青葉に乗艦していた。

今日はお昼過ぎに東府中に流れ着いたので、一駅だけ都心から離れるように府中に移動し、およそ九年ぶりの「夢の絵本堂」(2010/03/14参照)を目指すことにする。果たして営業しているだろうか?とドキドキしながら、旋風吹き荒れる『甲州街道』を経由して、まだまだ冬木の桜並木を通って、ちゃんとお店に到着する。おぉ、昔と寸分変わらぬ姿で営業中ではないか!店主が表に出て均一台の整理をしていたので、ペコリとお辞儀してから、百均絵本ラックやその下の単行本を眺め始める。二冊を手にして、風に背中を押されるようにして店内に進む。本がピシッと棚に収まる、整理整頓の行き届いた空間である。その中に『As Time Goes By』がエンドレスで流れ続けている。う〜ん、良いお店だなぁ〜と改めてひとしきり感心しながら入口入って直ぐの雑多雑誌棚や中央棚の古書&児童文学ゾーンに魂をグイグイ引っ張られる。4回目の『As Time Goes By』を聴きながら、全日本家庭教育研究会「子そだてゆうれい/平林英子文 木村円香絵」ワニブックス「またまたあぶない刑事シナリオ写真集」ナイトスポット社「ナイト・スポット 昭和四十四年SUMMER」(大人のための夜遊びガイド雑誌。富永一朗の横浜穴場めぐりや吉行淳之介のコールガールエッセイとか、キャバレーやナイトクラブや連れ込み宿の広告がイカしてる!)誠文堂新光社「人形劇・影絵芝居/藤城清治・町田仁・田中清之助編」(地味に探していた本なので嬉しい。人形劇&影絵芝居をするためのハウツー本なのだが、藤城の人形造りや人形劇に対する姿勢が厳し過ぎ、一切の手抜きを許さないスパルタ文章が連続して行く)を計2250円で購入する。ここはこれからも来ることにしよう。
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そして家に帰ると、久々のヤフオク落札品が到着していた。誠文堂新光社「僕らの科學文庫 僕らのラジオ/佐野昌一」である。昭和十七年初版のカバーナシで1900円であった。海野十三のもうひとつの顔(というか本名)が著した、ラジオの仕組みや電波や真空管についてやラジオの作り方などの、少年用ハウツー本である。センセイがラジオについて軽妙に講釈しながら、話が脱線するとどこからかハガキが届きそれを戒め、本線に戻すという奇怪なビートで各章が展開して行く。粗末な二色刷りのラジオ受信機グラビアの裏面には、ポツリと佐野昌一(海野十三)の海軍報道員服を着た姿が、ボンヤリと掲載されている。そうか、海野は確か南方に巡洋艦の青葉に乗って作家として従軍したんだよな…あれ?『青葉』……そうか、映画『この世界の片隅に』で、主人公すずさんの幼なじみ・水原哲が乗っていたのが『青葉』だったはず。じゃあもしかしたら、甲板に洗濯物を干しているシーンとかで、何処かに海野が登場しているかも!と思いつき(何故かと言うと、戦後の広島で、子供時代のアニメーター大塚康生らしき男の子が、一心不乱にジープをスケッチしていている嬉しいシーンがあったりするので、もしや!と思ってしまったのだった…)、録画してある映画をちょっと観てみるが、該当するような人物は見当たらなかった…フフフ、どうやら妄想が過ぎたようだ。
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これが妄想を加速させた、折込グラビア裏の、何だか映画『悪魔の手鞠唄』の小道具的な、ぼんやりとした海野の写真。
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2019年02月22日

2/22「古書ほうろう」千駄木ありがとう!! 移転セール!

午前中をぐずぐず過ごし、午後一時過ぎに外出。新宿で中央線から山手線に乗り換えて、上部をぐるっと回り込んで西日暮里駅下車。昭和の暗い雰囲気がわだかまる駅舎から外に出て、巨大な切り通しの中を、微妙な傾斜を足裏に感じながら東南へ歩んで行く。自転車の警察官が目を光らせる『道灌山下交差点』にたどり着けば、「古書ほうろう」(2009/05/10参照)はもう「不忍通り」沿いに見えている。只今四月の店舗移転に向けて、『移転セール古本全品3割引ッ!!』を行っているのである。横断歩道を渡ってお店に近付くと、立看板やガラス扉にその旨が貼り出されている。
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店内に進むと、ほぉっ、賑わっている。早速負けじと棚に視線を走らせて行くと、まだまだ良い本が居残っている。彌生書房「黒い終点」とか野口赫宙の推理小説とか恩地孝四郎デザインの「書窓」とかサンリオSF文庫の千円の「ノヴァ急報」とか創元推理文庫「怪盗レトン」とか…などと久しぶりの棚をじっくりと楽しむが、結局食らいついたのは右端通路の500均棚である。角川書店「逃亡将校/桶谷繁雄」(昭和三十五年刊。乱歩と木々に薦められ、『宝石』に連載した推理小説集。作者曰く、パリの半七捕物帳を目指したとのこと)ゆまに書房 復刻版新興藝術派叢書「僕の標本室/川端康成」「夜ふけと梅の花/井伏鱒二」を選んで、店主の宮地氏(2016/10/18参照)がお客さんに接する度に、移転場所とお店の広さと移転理由を説明している帳場へ赴く。挨拶を交わし「めっちゃ移転先説明してるじゃないですか。地図作ればいいじゃないですか」「家賃アップで移転することになったとか、めっちゃ明け透けじゃないですか」と冷やかすと、実は地図はちゃんと作ってあり、それでもなおかつ丁寧に説明しているのであった。そして移転理由を明け透けに話すのは、移転することによりお店が『近くなった』と喜ぶ方もいれば『遠くなった』と不便に思う方もいるので、しっかりと事情を説明しておきたいとのことであった。あぁ、なんという真摯な対応をされているのか!と冷やかしたことを恥じ入り、深く心中で頭を垂れる。「もう、今までで一番話しをしている感じです。顔見知りのお客さんとも、話すことにより関係性が新たになって、自分でも驚いています」「四月にはオープンしたいのですが、こちらの撤収と新店舗の造作次第がまだ不確定なので、はっきりと移転日を決められないんですよ。でも、4/28の「一箱古本市」には、絶対に間に合わせなければなりません!」などと忙しそうだが楽しげに語る宮地氏であった。先ほどの三冊を1050円で購入し、池之端の新店舗地図もいただく。このセールは3/3(日)まで。この後は古本神よりタレコミのあった、あるお店を見に行ってみるが、残念ながらお休みの模様。仕方ない、「バンゴブックス」(2011/07/28参照)に寄ってからブラブラ帰るかと『へび道』に向かう。ところが小さな店内に踏み入ると、いつの間にか中央の棚は姿を消し、店内中央に本の低山に渦巻かれた帳場が出現しているではないか。なので見られる棚は、店頭と右壁棚だけの状態になっていた。掘り返したらいつも通り面白そうな古本がザクザク出て来そうだが、少し勇気が必要なので、今日は萎縮してそのまま何も買わずにお店の外に脱出してしまう。また別の日にチャレンジしよう…。
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2019年02月21日

2/21賢治同級生の遺稿集

先週の土曜に続いて国立の南に流れ着いてしまう。また「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)に間抜け面を出すのも能がないので、思いっきり西に歩いて「飛葉堂」(2018/10/24参照)に向かうことにする。「一橋大学」の長く高いフェンス沿いに歩いて行くと、大学の林が、一陣の風にザザザザと、波のような音を立て続けている。そう言えば、遥か昔に『兼松講堂』(伊東忠太設計!)に、MUTE BEATのライブ(前座はblue tonicだった)を観に来たことがあったっけ…あれは大学生の頃だから…ゲゲゲゲッ!三十年前なのか!…本当にあれから、三十年も経ってしまったのだろうか…そんな風に突然幽霊のように立ち上がった現実を、愚かにも受け入れられないまま、店前に到着。うわっ、火・木は定休日だったか。それならば、素直に「ユマニテ」に寄れば良かった…そんなことを思っても、すっかり後の祭りである。ダラダラと国立駅へ向かい、「みちくさ書店」(2009/05/06参照)でハヤカワポケミス「疑惑の影/ディクスン・カー」を150円で購入し、それを読みながら阿佐ヶ谷に帰る。そして「ネオ書房」(2019/01/06参照)を定点観測すると、むむっ?帳場前の壁棚に、見慣れない古書列がいつの間にか出現しているではないか。目玉に力を入れて、三冊を選んでしまう。岩崎書店 少年少女宇宙科学冒険全集22「第二の地球/ツィオルコフスキー」(箱ナシ)羽田書店「自動車と汽車/隈部一雄」自費出版非賣品「身も魂も/故金田一他人」(大正十年刊。金田一他人(きんだいちおさと)は、金田一京助の弟で、盛岡中学では宮沢賢治と同級生であった。帝大法学部在学中に服毒自殺。この本は文庫サイズの遺稿集で、ほとんど詩のような歌で埋められている。ネ、ネオ書房でまさかこんな本まで買えるとは!)を計1350円で購入する。今日も良い買物をした気がする。
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左の小さな本が「身も魂も」である。
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2019年02月20日

2/20二冊目の地図シリーズ

月曜は「竜ヶ崎 古書モール」(2009/12/26参照)にお別れを言いに行ってしまったので、先週に続き二日遅れの定点観測に出かける。いつものように午前十一時半の「ささま書店」(2018/08/20参照)店頭ゾーン。やはりこれくらい気候が穏やかだと、実に本が見易い。店頭店内合わせ、徳間文庫「悪夢のカーニバル/レイ・ブラッドベリ」ハヤカワ文庫「人間以上/シオドア・スタージョン」法政大学出版局「日本の風土病 病魔に悩む僻地の実態/佐々学」(カバーなしで署名入り。昭和三十四年刊の、タイトル通りに日本各地に蔓延る風土病をフィールドワーク調査した労作。写真も豊富でなかなかに恐ろしい)創元推理文庫「真夜中の檻/平井呈一」を計648円で購入する。続いて「藍書店」(2018/12/24参照)に飛び込んで、青土社「ユリイカ 特集*久生十蘭」ニッコールクラブ「よみがえる日本の近代 石塚三郎旧蔵明治・大正ガラス乾板」を計500円で購入。一旦家に戻り、仕事をひとつ上手く片付けてから、取材のために再び外出する。その帰りに、中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、たいまつ社「私の函館地図/川崎彰彦」を500円で購入する。何故この本を買ってしまったのかというと、すでに持っている同じたいまつ社の「私の大阪地図/寺島珠雄」(月江寺の「不二御堂」(2012/06/02参照)で600円で購入)が頭に浮かび上がったからである。むぅ、これはある意味シリーズものなのか?と調べてみると、他にも異なる作者で「秩父」「いわき」「信濃川」…さらには「越後妻有郷」なんてのも出されているではないか。『私の◯◯地図』シリーズ…タイトルの元は、佐多稲子の名作「私の東京地図」であることは明らかである。
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私の地図シリーズ…二冊になってしまったが、今のところ集める気はナシ。
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2019年02月19日

2/19二冊目の大海赫

お昼過ぎに、気まぐれにパラつく雨に軽く打たれながら、阿佐谷南に流れ着く。ならば、天岩戸古本屋状態(2019/01/30参照)の「あきら書房」を偵察に行くかと、住宅街を縫い歩き、勘を頼りにお店の横手に到着する。だが、お店部分である部屋のシャッターは下りたままで、貼紙もそのままの状態である。…まだまだ開くには、時間がかかりそうだ。がっくりしながら中央線高架までたどり着き、高円寺へと足を向ける。そして『庚申通り』の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照。いつの間にか、開店四年目を迎えている!)へ。店内は若者たちでいやに賑わっている。おうっ!「遊」の稲垣足穂&野尻抱影追悼号が3200円か。相場より安くて欲しいのはやまやまだが、ちょっと考えちゃうなぁ…などと囚われ、店内を一周しながら逡巡していると、児童文学棚でじっくり探しているうちの一冊をぽかっと見つける。ブッキング「メキメキえんぴつ/大海赫 作・絵」である。私は幸か不幸か、この奇怪な童話を書き(描き)紡いでいた大海赫を、まったく知らずに生きてきてしまった。だから出会いは「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で同じくブッキングから復刊された「クロイヌ家具店」(カバーナシ)を515円で買ったのが、ファーストコンタクトである。以来、すっかり大人なのにその魅力にボワッと取り憑かれ、見かけたら手に入れるようにして行こうと思っていたのである。値段は2000円…少しだけ迷ってから帳場に持って行く。こういう出会いは、古本修羅としては大事にしなければいけないのだ。己から関わり気にしていれば、いつの日か復刻本ではなく、オリジナル本と出会える日も、きっと来ることだろう。そんな風に能天気に希望しながら、ダラダラ阿佐ヶ谷へと戻り始める。
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2019年02月18日

2/18さらば、竜ケ崎 古書モールよ!

月曜日、午前十一時の東京駅常磐線七番線ホーム、五号車前で岡崎武志氏と待ち合わせる…と思ったら、その前にホーム下のトイレ前で鉢合わせてしまい、顔を見合わせ苦笑い。「青春18きっぷ古本屋への旅」再び!という感じで始まった小さな旅の目的は、2/20に閉店してしまう「竜ヶ崎古書モール」(2009/12/26参照)の最後を見届けに行くこと!思えばおよそ九年前にこのモールにたどり着いて以来、さほど近くはない茨城県の竜ヶ崎に何度足を運んだことだろうか。その度にドッサリと古本を買い込み、常に古本購買欲を満足させてくれた、偉大な古書モールであった。その巨鯨が、ついに倒れてしまうのである。こんなに悲しいことはない…と思いつつ、半額閉店セールに卑しく心惹かれ、今日も面白い本が買えると良いのだがという胸算用を抱き、常磐線は荒涼とした枯れ野の関東平野を進んで行く。佐貫駅に着き。関東鉄道に乗り換える。固い赤いクッションに腰を下ろすと、「もうこれで、この路線に乗ることもないんやろな」と岡崎氏が呟く。十分ほどで竜ヶ崎に到着し、まずは駅前のフォークライブハウス兼リサイクルショップを岡崎氏に紹介すると、残念ながら定休日だったのだが、氏は“フォーク”に激しく反応し、「これは素晴らしい!」と興奮しながら店頭を激写しまくる。「いつかここでライブやるといいですよ」「遠いわ。誰も来ぃへんやろ」などと笑いながら話し、いざ巨大ショッピングモールへ。人気が少なく、虚しく無駄にゲームコーナーの音楽が響き渡っている。あっ!一階の古本売場は、『CDコミック館』になったのか。などと驚きながら、コミックはすっ飛ばして奥へ進む。するとそこには、動かぬエスカレーターが、二階への階段の役割を果たしているではないか。
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ベルト手すりの下には『階段の上り下りの際は、手すりにおつかまり下さい』の貼紙があり、正真正銘階段扱いされている。だがそこに足をかけると、エスカレーターは動くものと脳が認識しているので、どうにもガクガクアタフタしてしまう。「なんか転びそうやなぁ」としっかり手すりを掴んだ岡崎氏。ようやく二階に上がると、寒々しく撤退した店舗空間の向こうに、愛しの巨大古書モールが、ぼんやりと見えていた。
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急いで近付くと、『古書モール全品50%OFF』の立看板が置かれ、通路各所にも『全品半額』の貼紙が乱舞している。
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即座に岡崎氏と別れ、間引かれた蛍光灯の下の十本の通路を、じっくりと検分して行く。ここでの古本探しの流儀は、しっかり見ることと、途中で投げ出さないことである。本の並びは完全に玉石混淆なので、すべての棚に辛抱強く目玉を走らせて行く地道な探し方が、一番効果的なのである。そして、絶対に何かあるはずだと、信じること!そう自分に言い聞かせ、荒れた棚や箱をのぞき込んで行く。暖房はほぼ効いていない状態なので、段々に身体と手が冷えて行く。途中、岡崎氏が箱棚の向こうから「焦らずに、ゆっくり見ていいで」と優しく声をかけてくれる。奥のアダルトコーナーでは、ひとりの若者が笑顔で雑誌類と大格闘を続けている…。結局一時間強滞在し、五冊を手にする。鏡浦書房「いのち愛し/淡谷のり子」(函ナシ)六合書院「大江戸捕物秘帖/阪東逸平」無限十周年記念翻刻版「氷島/萩原朔太郎」戰旗社「定本日本プロレタリア作家叢書 蟹工船 改訂版/小林多喜二」新潮社「ボクは好奇心のかたまり/遠藤周作」(これは北原案件として購入。果たして持っておられるかな?)を計1150円で購入する。
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やはり「蟹工船」が嬉しい。復刻版ではないのに(昭和四年四刷)、この表紙の鮮やかさはどうだ!こんな本がひっそりと転がっている、この古書モールが、私は大好きだったんだ!知ってからの九年間、本当にありがとうございました!

帰りもアタフタと動かぬエスカレータを下り、関東鉄道で佐貫に引き返し、日高屋にて昼食を摂る。武蔵野線で帰る岡崎氏とは柏駅で別れ、「氷島」を読み耽りながら東京へ戻る。
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関東鉄道車内の岡崎氏。体内に静電気を激しく帯電しながら(金属製の手すりなどに触る度、『バチッ』と放電している…)、現在書き下ろし単行本と格闘中。三月には氏と何かやるかもしれないので、正確に決定したらお知らせいたします。古本好きのみなさま、のんびりとお待ちください。
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2019年02月16日

2/16掛紙は大浦天主堂

本日は国立の南に午後三時四十分に流れ着く…東村山には、到底間に合わないな…。涙を飲んで臍を噛み、至近の「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)で慰めて貰うことにする。右側の扉から中に入ると、通路棚の文庫ゾーンが二重になっているのが気になってしまったので、遠慮せずに掘り出してみることにする。左手で手前の文庫を六冊ほど鷲掴みにし、四十五度ほど手前に傾けて、奥の文庫を確認して行く。そんな作業を、執拗に丁寧に三十回ほど繰り返す。その結果、春陽文庫「信濃・甲州路殺人事件/萩原英夫」徳間文庫「サドン・デス/高橋泰邦」(ゴルフ推理…水谷準が喜びそうだ…)教養文庫「デザインハンドブック1 インダストリアルデザイン/GKインダストリアルデザイン研究所編」を計650円で購入する。めっけものは「デザインハンドブック」全三冊の内の一冊だが、昭和三十年代のミッドセンチュリーな工業製品の写真が満載!ちなみに今日は棚を見ている間に二人もお客さんが訪れ、少しびっくりする。一人目は若い女性で、結構棚をじっくり見ながら通路を一巡し、「ありがとうございました」と何も買わずに出て行った。その礼儀正しさに感心する。二人目は中年の男性で、右側通路に入って棚を見るなり「うわぁ、古い懐かしい本がいっぱいですねぇ」と帳場のご婦人に豪快に話しかけていた。その真っ直ぐな態度がちょっとだけ眩しかった。
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三冊にまるっと掛紙を巻いてもらった。図柄は見難いが『大浦天主堂』である。この愛すべきちょっとしたお土産感が嬉しい。

阿佐ヶ谷では当然の如く「ネオ書房」(2019/01/06参照)に寄り道する。今日は普通に文藝春秋「少女外道/皆川博子」を250円で購入する。そして昨日入手した「初稿半七捕物帳六十九話集」を読み始めているのだが、やはり抜群に面白い。江戸を舞台にした捕物帳なのに、このモダンさとスマートさは、どうだ!面白過ぎて格好良過ぎて、憧れて、段々半七になりたい願望が、中学生の時のように頭をもたげて来てしまう…あぁ、もうとっくに五十を過ぎていると言うのに、俺はいったい何を考えているんだ…。
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2019年02月15日

2/15これで半七を読み返す決心が!

昨日は『井の頭公園』の南側に流れ着いたので、「book obscura」(2018/01/12参照)の店頭にしがみつく。三冊五百円単行本の中に欲しい一冊を見つけてしまったので、後の二冊に多少苦労する。結果、岩波ようねんぶんこ「元気なポケット人形/ルーマー・ゴッデン」(これが欲しかった)晶文社「こんな家に住みたいナ 絵本にみる住宅と都市/延藤安弘」あるば書房「人魚と結婚した男 オークニー諸島民話集/トユ・ミュア」を500円で購入する。水の冷たく澄んだ冬の夕方の池を渡り「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。誠文堂新光社「僕らの科學文庫 火と焰/白井俊明」を100円で購入する。阿佐ヶ谷に帰ったら「ネオ書房」(2019/01/09参照)にも当然立ち寄り、八十〜九十年代パソコンゲーム雑誌の徒花、徳間書店「テクノポリス 1991 1月号」を150円で購入する。付録がフロッピー用のシールとか、懐かしいなぁ。

そして本日は朝からドタバタと仕事して、午後にまずは一瞬外出。中野の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で旅窓新書「一等車/内田百閨v星野書店「鑛物界新教科書/中村新太郎」を600円で購入した後、新宿で用事を済ませる。そのまま西武新宿線に飛び乗り、一路東村山へ。最近の岡崎武志氏とのメールのやりとりで、「なごやか文庫」の古本市(2019/02/11参照)の古書棚に、だいぶ補充されていたよと教えられ、何だかいてもたってもいられなくなってしまったのである…だが!午後三時四十五分に到着すると、そこにあったのは、すでに灯りを落とした古本市であった…あぁ!営業は午後三時までなのか!うわぁ〜ん!と泣きそうになりながら仕方なく家へ戻る。そしてさらに腰を落ち着ける間もなく、五冊ほどの古本を携え再度外出。西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の「フォニャルフ」棚に少数精鋭の古本を投入する。ほぅ、今月は意外にも動いているなぁ。おかげで補充した分だけでは足りないようだ。また用意しなければ…。そんなことを考えていると、居合わせた善渡爾宗衛氏に、出来立てホヤホヤの東都我刊我書房「初稿半七捕物帳六十九話集 江戸時代の探偵名話 半七捕物帳壹/岡本綺堂」を献本していただく。例の如くカバーデザインを担当させていただいたのだが、この本はとにかく出来上がりが楽しみで、一刻も早く読み始めたかったのだ。何たって、「半七捕物帳」の原初の姿を初出誌に求め、それを挿絵もひっくるめて誌面復刻しているのである。やはり現在本になっているものとは、違いがかなりあるらしいとのこと。常々半七は読み返したいと思っていたのだが、偶然にも素晴らしい機会が与えられたのである。尚このシリーズ、全六巻予定とのこと。続きも、楽しみ楽しみ。などとやっていると、小野氏が番台から立ち上がり「そうだ、小山さんにあれを売りつけなけりゃ」と奥からB5サイズの冊子を持ち出して来た。い、何時の間にこんなのが出ることに!買います。もちろん買いますとも」と、喜んで財布から2800円を差し出し、ものの見事に売りつけられる。
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2019年02月13日

2/13二日遅れの定点観測。

月曜は『古書狩り2019』を行ってしまったので、二日遅れの定点観測を行う。まずは判で捺したように午前十一時半の「ささま書店」(2018/08/20参照)店頭。ほほぅ、水曜も朝早くから、こんなにも人が来るものかと驚きつつ、光文社文庫「革服の男/エドワード・D・ホック」新潮文庫「シャーロック・ホームズの復活/ジュリアン・シモンズ」を計216円で購入する。そしてさらにババンと判で捺したように「藍書店」(2018/12/24参照)にも足を向け、新潮社「小説日本藝譚/松本清張」講談社文庫「異端教祖株式会社/アポリネール」を計300円で購入。そのまま調子に乗って、判で捺したような行動を裏切り、西の「竹陽書房」(2008/08/23参照)まで足を延ばしてみたが、残念ながらまだ開店していなかった。スゴスゴと阿佐ヶ谷へ戻る。そして午後三時前、昨日も訪れた「ネオ書房」(2019/01/06参照)に性懲りもなく向かう。店頭の変化をチェックしてから、店内も詳細に精査して行く…あぁ、この毎日じっくり棚を見に来る男を、店主はいったいどう思っているのだろうか…。そして右側通路の漫画雑誌が積み重なる横で、なんだか面白い本を発見する。セルフ出版「漫画ブリッコ 1984 7月号」は大塚英志が編集人を務めていた、伝説の美少女コミック誌。メジャーとマイナーの境で遊ぶ、八十年代のニューウェーブな空気に、堪らないものがある。藤子不二雄ファンクラブ「季刊UTOPIA 8号 9・10合併号」は、1982年の藤子不二雄ファンクラブマガジン。当時の単行本未収録作の掲載や、藤子本人へのインタビュー記事や、藤子スタジオレポートなど、ページを開けばアナログな楽しさに満ちている。計400円で購入する。明日も見に来ようっと!
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2019年02月12日

2/12東京・西国分寺 むさし結いの家

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本日は西国分寺南西の武蔵台という、お初の土地に流れ着く。悲しいことに西国分寺は、古本屋が絶えて久しい、絶望的に乾いた土地であるが、何の因果か偶然にも、小さな古本オアシスを発見してしまったのである!場所は駅から、武蔵野線西側を南に下り、国分寺崖線の高低差を感じながら、『武蔵国分尼寺跡』や、何だか古墳のような『黒鐘公園』通り過ぎた『東八道路』手前の北の裏路地に、そのワゴンは突然現れる。ビル一階の小さな福祉センターなのだが、そのセンター頭に、古着と共に文庫の古本ワゴンが出されているのだ。オアシスと言ってしまったが、雨上がりの水たまりのようなものである。だが、だが!この駅から半径一キロ以内に古本の姿など皆無だった西国分寺に、ひっそりと古本が並んでいたことが、とにもかくにも嬉しいのだ。俺は、水たまりの水を、喜んで啜るぞっ!と近付き、ワゴンを注視する。…赤川次郎…西村京太郎…赤川次郎…斉藤栄…草野唯雄…島田一男…赤川次郎…あぁっ!文庫は皆背が陽に焼け、砂にざらつき、ひしゃげているものもある。だが、何か買わねば、啜らねば…と、創元SF文庫「宇宙消失/グレッグ・イーガン」を選ぶことにする。おっ、入口左側の棚には単行本が……ふぅ、全部「ゴーマニズム宣言」か…。中に入ると、テーブルがたくさん並び、たくさんの人が着席し、活気のある室内である。一斉にみんながこちらを注視する。すると奥の事務所スペースから、ヒゲ&スキンヘッドの男性が「ちょっとお待ち下さい!」と飛び出して来て、本を受け取り布巾で拭きつつ「50円です」と教えてくれた。国分寺崖線の裾野で、古本が偶然に買えるなんて、思ってもみなかった。

坂を上がって中央線で阿佐ヶ谷に戻り、「ネオ書房」(2019/01/06参照)に寄り道。国立国会図書館「本の装幀 展示会目録 特別出品 芹沢_介装幀本」を150円で購入する。

※お知らせ
そろそろ発売の「本の雑誌 流れ雲ビーフン号 No.429」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、大森の「松村書店」を大フューチャー!あのお店の人間サイズの小ささと古さを、今後も偏愛し続けるぞ!
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2019年02月11日

2/11古書狩り2019!

午前七時に起床し、祝日だと言うのにバタバタと色々慌ただしく手掛けて、午前九時前に外出する。眦鋭く、冷たい空気を切り裂いて目指すのは、待ちに待った東村山「なごやか文庫」(2012/01/10参照)の「初売り大古本市」(2012/02/05参照)である。今日が祝日であることを警戒し、いつもより一本早い電車で現地へ向かう。早くも午前九時半には『社会福祉センター』にたどり着くと、すでに二十人ほどの古本修羅&レコード修羅がセンター内から列を作っており、その最後尾に張り付くと、入口からははみ出した寒い位置。震えつつ、身体を動かしつつ、三十分を耐え忍ぶ。今年も良い古書が買えるだろうか?…そんな不安に怯えながら、もしかしたらあんな本やこんな本が…などの妄想が心の中に錯綜する。もちろん目指すは、大会場入ってすぐ右の古書棚である。とにかく、良さげな本が気になったら、ガシガシ取り出し抱きしめて行こう…そんな風に決意し、忙しなく身体を動かし、突入に備える。開始一分前、革ジャンのジッパーをジャッと下ろし、機動性を確保した後、午前十時に会場へ突入する。「走らないでくださ〜い」の注意を守り、反則ギリギリの早足で、チャップリンのような直角カーブを二度繰り返し、夢にまで見た200円均一古書棚前へ。とにかくとにかく腕の中だ!と目玉と指先と腕を素早く活動させ、古書を確保して行く。いつの間にか、古書棚にも人垣が出来ている…これは、例年よりヒートアップしているぞ!と驚きつつ、ハートは熱く、頭脳と目玉は冷静に古書を精査して行く。結果、左壁の洋書コーナーにも一部食い込んだ古書ゾーンを、およそ十分弱で見終わった時には、腕の中には十五冊の古書が積み重なっていた。では、落ちついて吟味してみようと、隅っこで一冊一冊己に必要かどうか検分する。結果、棚に戻したのは一冊だけで、欲しい本を適確に抜き取っていたことが判明した。それらを抱え、会場内をさらに経巡るも、一瞬の古書狩りに魂を懸けてしまっていたので、もはや他に買う物はなし。その十四冊を計2800円で購入する。
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龍星閣の「詩集 智恵子抄/高村光太郎」はボロいがちゃんと函付き。昭和十七年の三刷というのが非常に惜しい。さらには、講談を速記した大川屋書店「空家の美人/松林伯知」落語家が論述した新聞小説の弘文館「渡る雁が音/鴬亭主人」後編しかないが金愼堂「都新聞探偵實話 海賊房次郎/」などの明治本が、予想外で嬉しい。そして狩りの顕著な成果はこの二冊。
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光文社 少年文庫「正義熱血 浮城の白銀王/鷲尾雨工」(貸本仕様。背だけカバー貼付。意外にキレイ。高畠華宵の美麗なイラストが眩しい!)實業之日本社「十人十話/森鴎外譯」(函ナシ)である。その後は重い古書袋をぶら下げ、奥のレコード&全集&大判本室や児童文学&漫画室も見て回るが、何も買わずに撤収する。あぁ、楽しい充実した古書狩りだった。この市は2/17まで。その後、「なごやか文庫」は十二月まで、長い長い休養に入ってしまう。
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2019年02月09日

2/9雪の日にささやかに買う。

大雪の予報が出ていたので、怖じ気づいて家に閉じこもり過ごすつもりだったが、結局野暮用で吉祥寺に外出する。幸いパラパラサラサラと砂糖のような粉雪が降るだけなので、ヒドい寒さを我慢すれば、どうってことはなかった。用事を済ませた後に、まずは「バサラブックス」(2015/03/28参照)へ。店内レジ横の本列に、薄い「こどものとも」のような中綴じ冊子が挟まっていたので、試しに抜き出してみる。一冊は福音館書店「こどものとも441号 ながれぼしのよる/たむらしげる」であった。300円なので小脇に抱える。もう一冊も「こどものとも」かと思ったら、何か違う。「HOECHST CAPSULE まちあいしつ Vol.1 No.2 ネコ語会話入門/神吉拓郎」という、昭和五十三年刊の医薬品会社の贅沢な造りのPR冊子であった。内容は飼い猫の二匹の黒猫、アルとナイについての虚実ないまぜのようなエッセイである。イラストはまえのまり。独特で不気味な可愛さが炸裂しているので、これも買うことにする。計600円。続いてバスに脅かされながらトトトト歩き、ビル一階奥の「古本センター」(2017/03/06参照)に逃げ込む。古書が並んでいる棚から、武侠社「人類性風俗史 牢獄編/南澤十七」なる特殊な監獄本を見つけてしまったので、函ナシだが1500円で買うことにする。阿佐ヶ谷に戻り、一昨日&昨日と開いていなかった「ネオ書房」(2019/01/06参照)を舐めるように見てみるが、残念ながら今日は収穫ナシであった。
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とまぁささやかな収穫であるが、古本さえ買えれば、いつでも幸せなのである。
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2019年02月08日

2/8東京・西荻窪 BREWBOOKS

早くから動き始め、午前十時過ぎの神保町に水道橋駅からアプローチする。『白山通り』を我が物顔に通過する冷たい風に抗いながら、まずは「丸沼書店」(2009/12/17参照)で評論社「アイルランドの怪奇民話」を400円で購入し、良い滑り出しを予感する。続いて「日本書房」(2011/08/24参照)の店頭中央和本ツインタワーから、春陽堂「武蔵の名香 阿剌比亞の林檎 東西短慮之刃/尾崎徳太郎」を800円で購入する。これは明治三十五年刊の、尾崎紅葉の講談物語に関する講演を筆記したもの。タイトルにある『武蔵の名香』『阿剌比亞の林檎』二つの話を弁じ比べ、共通点を炙り出す趣向である。こんなものが店頭に出ているとは、さすが「日本書房」!と褒めたたえながら、さらに南下を進める。「アムール」(2011/08/12参照)では日本経営史研究所「未踏世界への挑戦 味の素株式会社小史」角川文庫「娼婦の部屋/吉行淳之介」を計100円で購入する。光の当たる『神保町交差点』から『靖国通り』に入り、「明倫館書店」(2012/04/04参照)前で立ち止まる。ワゴン上に積み重なった古本もしっかりチェックして行くと、ちゃんと函付きの三省堂「趣味の植物採集/牧野富太郎」を300円で購入する。昭和十年刊で、牧野の活動している写真が豊富に掲載されているのがたまらない一冊である。
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さらに「八木書店」(2013/07/24参照)の店頭プラ箱から日本雄辯會「實業界大秘史 三菱王国/大瀧鞍馬」(巻末に『日本のコナンドイルと謳はるる』とある筑波四郎「探偵十種」の広告あり。どうやら実録犯罪ものらしい)日本書房「ディオール/杉野芳子」を計400円で購入する。すっかり身体を冷やしたところで、『東京堂書店』に赴き、待ち合わせていた神戸から上京した知り合いと無事に出会う。本の雑誌社に行きたいのだが、一人ではその勇気がないので引率して欲しいと頼まれていたのである。というわけで、珍しくメンバー全員勢揃いの本の雑誌社に優しく迎え入れられ、三十分ほど楽しく歓談させていただく。無事に役目を果たした後は、さらに古本屋を巡ると言う知り合いと別れ、帰路に着く。その時、「小宮山書店」(2014/05/31参照)の角をふいっと曲がったところで、店頭棚最下段に挿さっていた本が目に留まる。実相寺昭雄の「星の林に月の舟」であるが、背の一番下に大和書房の名がない。ということは、実相寺の饅頭本(葬式時に配る非売品本)じゃないか!と引き出すと、見返しに奥さま(映画『シン・ゴジラ』では逃げ遅れたおばあちゃんとして遠影で出演している)の挨拶カードと名刺が、ちゃんと挟まっていた。買わねば!と静かな店内に踊り込み、1080円で購入する。

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一旦家に戻ってから、午後三時前に西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に腰を据え、先月の売り上げを受け取りつつ、ひっそり出現している横田順彌棚に目を細めたり、打ち合わせや無駄話など。その中で小野氏が「そう言えばこの間、自転車で『西荻南児童公園』の脇道走ってたら、『本』って看板が出てる店が…」…!それって、もしかしたら遥か以前に「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の天野氏が、その辺に出来るらしいって言ってたお店じゃ!と気付き、「ひとたな書房」から高知県立文学館「探偵小説の父 森下雨村」を800円で購入しつつ、とにかく急行してみることにする。駅南口から『西荻南二丁目交差点』まで南に下り、後は東南に延びて行く『神明通り』をズンズカ進んで行く。200mも行けば『西荻児童館交差点』に差し掛かり、その際には小さな『西荻南児童公園』が現れる。そこで北へ向かう通りを覗き込むと、おっ!右手公園横の建物前に、確かに『本』の立看板が出ているではないか。一階がレンガタイルで化粧され、窓枠&扉が真っ青なお店である。窓際にはキレイな本が並び、中には本が上品にディスプレイされているのが伺える。扉を開けてお店に入ると、奥のカウンターの向こうから、身だしなみがファッショナブルな野比のび太風青年が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。表の立看板から引きちぎったチラシによると、新刊+古本を扱い、クラフトビールやソフトドリンクも楽しめ、さらには二階は『書斎』という名の時間制寛ぎ読書スペース&イベントスペースになっているとのことである。一階は左に洒落てシンプルな飾り棚がカクカクと繋ぎ合わさり、中央には木製の平台棚が二つ据えられている、右壁下はカウンター席となっており、最奥にはビール冷蔵庫を備えた広々としたカウンターがある。その右側は二階への通路となっており、そこにも棚が設えられている。本はそれほど多くはないが、全空間に、余裕を持ち満遍なく行き渡るようなカタチで、新刊と古本、単行本と文庫が混ざり合い、並んでいる。食・絵本・台所・暮らし・自然・妖怪・民俗学・本関連・酒・文学・西荻窪・旅・シベリア…アイヌの本を見つけて手にしてみると、アイヌ語の練習本のようなもので、語りのカセットテープ付き。思わず食指が動くが、三千円の値に二の足を踏む。気付けば青年店主は、カウンターの向こうで美味しそうにズバズバと麺を啜っている。セレクトブックショップに近いお店である。店主の審美眼が隅々まで行き届き、無駄のない潔い並びを見せている。新たに西荻窪本文化の一端を担う場所が、いつの間にか誕生していたとは。講談社「夜翔ぶ女/中井英夫」を購入する。
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2019年02月07日

2/7色々見て色々知った一日。

春が来たような暖かさに、無闇に焦りを覚えてしまいながら(春はクラス替えや入学や卒業や就職などを繰り返してきたため、心に環境が変わる時期!というのがすっかり刷り込まれているのだ…)北府中に流れ着く。ならばと『国分寺街道』に出て、特殊新刊書店「メリル」(2011/08/04参照)の無事は確認したが、その先の「BOOK-1府中店」(2011/08/04参照)はついに泡と消えてしまったようだ…せめてもう一回くらい入店し、古本を買いたかった…。力無く武蔵野線→中央線と乗り継ぎ、高円寺で下車する。コメントタレコミで、駅西側のガード下(マクドナルド向かい)に、「渡り鳥文庫」という名の、小さな小さな謎の本屋さんがあることを知ったからである。青のガードは何度も通っているけど、そんなの一度も気付いたことはないなぁ…と半信半疑で北口を出て西に向かい、早速ガード下に潜り込むと、おっ!そのガード始まりの壁際の、ほんの少しの出っ張りスペースを利用して、店名看板と二冊の本が並んでいるのが目に留まった。
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本当にあったぞ!どうやらゲリラ的にこの隅っこを利用しているようだが、こういう無意味な場所が小さな知恵により、意義ある場所にチェンジする行為には感心してしまう。都会には、こんな出来事が、もっともっと必要なのではないか!などと秘かに興奮してしまう。並んでいたのは、岩波文庫の「ガルガンチュア」と「美味しんぼ」のコンビニコミックのみである。どうやら古本らしいのだが、このお店のシステムがまったく不明なので、手を出すことが出来ない。恐らく自由に持って帰り、読み終わったら返却するか、別の本を並べるかすればよいのだろうが…。これから通りかかる度に、気にすることにしよう。そう誓いつつ、足は自然と『ルック商店街』の「アニマル洋子」(2014/03/14参照)へと向かう。店内で棚を見ていると、高円寺女子二人が「古本屋だぁ〜」「いいよね。こんなお店」「アタシ、本あんまり読まないけど好き!」「確かに欲しい本探すのも大変だよねぇ〜」「でもここは面白そう」「知ってる?神保町の古本屋ななか、超ガッツ入ってる感じなんだよ」などのイカす会話を耳にしながら、彰国社「マッキントッシュ/神代雄一郎」偕成社「星からきた人フュティノ/パトリス=ギロウ作 那須辰造訳」大日本図書「こびとのピコ/寺村輝夫」を計300円で購入する。「マッキントッシュ」と「星からきた人フュティノ」はなかなかの拾い物である。
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阿佐ヶ谷に戻り、当然「ネオ書房」(2019/01/06参照)に向かうが、残念ながら今日はお休みらしい。お楽しみはまた明日かな。
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2019年02月06日

2/6今日も今日とてイレギュラーズ!

本日は“盛林堂・イレギュラーズ”として、大量の本の移送作業に魂を打ち込む。盛林堂・小野氏だけではなく、別チームも加わっての大仕事で、マンションの上階から、およそ三百五十本の本束を階下に下ろし、トラックに積み込むのである。生憎の雨であるが、工夫してスムーズに進めたいものである。都心近郊某所に正午前に到着し、本束を玄関まで運び出すのが一人、玄関からマンション廊下にスタンバイした台車まで運ぶのが一人、台車に本束を積み上げ運んで運送屋さんのカーゴ詰めを手伝うのが二人、というような布陣で難事業は始まった。私は台車係を受け持ち、ひたすら本束を積み上げ、長いマンション廊下をガラゴロ運び、エレベーターで階下へ降りて、運送屋さんに本束を手渡して行く。廊下には一応屋根が付いているが、雨風は容赦なく吹き込んで来るので、本を濡らさぬよう慎重に台車を操って前進する。クランクする部分も華麗にクリアし、間断なく本を下ろして行く。
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これがクランク部分。上手くすり抜けると、脳内に勝手に『マッハGoGoGo』の主題歌が流れる。だがそれは何故だか『ブ〜タ〜も〜ふ〜るえ〜るヘアピンカ〜ブ〜♪』という奇怪な替え歌なのである。子供の頃から、何故かこう覚えてしまっているのだ…。

カーゴ前で運送屋さん(本の扱いに慣れており大変に頼もしい)に本をホイホイ手渡していると、「これが一番収まりがいいんだよ」と、本束のカーゴへの積み込み方法を丁寧に教えてくれた。後三列は縦に、そして前に横向きを三列+縦三列の組み合わせである。「分かった?じゃあそっちのカーゴに積んじゃって」といきなりカーゴ積めを任されてしまう…か、完全に古本屋さんだと思われている…。最初はこの台車作業を二人でやっていたが、途中で小野氏に別の仕事が生まれ、そこからほぼ一人で運び続ける状況に陥る。なにくそ、俺は盛林堂・イレギュラーズだ!このくらいっ!と、およそ二十往復する。それにしても、人がたくさんいると、やはり作業が早い。当初は四時間ほどかかると見込んでいたのだが、何と午後三時過ぎには終了し、見事にトラックに古本がみっしりと収まったのであった。
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爽やかな達成感に加え、あんなに本を運んだのに、意外に疲労していないことに驚きを感じる。午後五時前には無事に帰宅。…だが今日はまだ古本を買っていない!と夕闇迫る表に飛び出し、雨上がりのため店内に店頭棚&箱を引き込んだ「ネオ書房」(2019/01/06参照)に駆け込んでしまう。今日は何か買えるかな…残念ながらそれほど棚に動きはないか…これだけ通い詰めていると、映像記憶として何処になどんな感じの本があったのか大体把握しているので、ちょっとの変化でも敏感に気付くようになっているのである。だが今日は、飛び上がるような大物はナシ(いや、実際は見逃しているだけかもしれない。そう考えると、実に恐ろしいっ!)。慰めにJICC出版局「『宝島』臨時増刊1 宝島生活暦…街の歳時記」を100円で購入する。
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