2019年08月05日

8/5「武蔵野夫人」を少し読む。

朝からゴソゴソして、定期的なミニ蔵書整理の小さな古本の山をひとつ作った後、荻窪に向かい午前十一時半の「ささま書店」(2018/08/20参照)…と思ったら、午前十一時二十七分とちょっと早く着いたのでシャッターがまだ開いていない。踵を返して裏通りをぐるっと回り込んで、先に「藍書店」(2018/12/29参照)を見ることにする。しばらくこちらに足を向けていなかったので、店頭も店内も景色がかなり変わっている。講談社「武蔵野夫人/大岡昇平」を300円で購入する。続いて今度は開いている「ささま書店」へ。珍しく店頭では何も掴まず、店内文庫棚から新潮文庫「メイン・ディッシュはミステリー」「ミステリーは私の香水」ともに小泉喜美子を計400円で購入する。一旦家に戻り、古本の山を抱えて再外出。汗をかきながら古本を運んでいると、知り合いの野鳥&中西悟堂研究家(古本好き)と出会ったので、しばらくの間同道し会話する。「高く売れるといいですね〜」とにこやかなエールをいただき、そんな風にして運んだ古本を「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に持ち込むが、店主の天野氏が不在だったので、夜にもう一度訪ねることを約し、お店を後にする。またもや家に戻り、「武蔵野夫人」を少し読み進めるが、冒頭の武蔵野の描写が細かく興味深く、読むのを止めるに止められず、ぐいぐいアリ地獄のように意識を文章内に引きずり込まれてしまう。古い河岸段丘、野川、古代武藏原生林、関東ローム、砂礫層、湧水、はけ(武蔵野台地の崖地)…そんな自然の描写と土地の成り立ちから始まり、文章は至極なめらかにその地に住む人々に推移して行く…美しい流れの文章だなぁ。カバー絵は猪熊弦一郎の手によるもので、武蔵野の野川から眺められる雑木林を描いたものであろうか。細かく描き分けられた樹木の植生が楽しい。現在も、武蔵小金井から南に下り野川に至れば、似たような変わらぬ景色を見ることが出来る(2019/02/02参照)。
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夕食を摂り、涼みがてら夜の街に出て「古書コンコ堂」へ向かう。暗い裏路地では、夏らしくない「火のよ〜じん、空き巣用心、火のよ〜うじん」と拍子木を叩くボランティアパトロールに出会う。家路をたどるたくさんの人たちと擦れ違い、お店前。夜の古本屋さんは、昼間とは違う、何だか柔らかな表情を見せている。本の山の向こうに座る天野氏に挨拶し、買取のお金を受け取る。
posted by tokusan at 20:39| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする