2019年08月14日

8/14東京・高円寺 ヨーロピアンパパ

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今日も今日とて、雨と晴れを繰り返す表をボ〜ッと眺めながらだらしなく過ごす。だが、雨が上がり何度目かの晴れの午後に、実家から持ち帰ったレコードを抱えて外出する。本当に必要なもの以外は、もう売ってしまうことにしたのだ。トボトボ歩いて、高円寺北口の『あづま通り』に入り込む。グングン北へ進んで、「十五時の犬」(2011/11/22参照)の前を通り、さらに「越後屋書店」(2009/05/16参照)を通過すれば、左手に緑と白のだんだら日除けを張り出し、その下に安売レコード箱・DVD・雑貨、そしてコミックセットや古本を並べた平台が置かれた、中古CD&レコードの小さなお店が現れる。そう言えばここは、確かに以前から古本をチラチラ販売していたな。レコードを買い取ってもらうとともに、何かを買ってツアーと洒落込もう。そう決めて、まずは店頭の古本に目を凝らす。松本零士・日野日出志・諸星大二郎の激安コミックに、河合奈保子や大場久美子の雑誌別冊特集本…う〜む、店内にも古本はあるのだろうか…。ビニールカーテンを潜り、狭い通路に上がり込む。左側には主にCD、右側行き止まり通路にレコードが並ぶ小さな空間である。まずは奥のレジに声をかけ、パーマをかけたO次郎のような青年にレコード買取をお願いする。「三十分ほど時間がかかります」とのことなので、まずは店内をウロウロ。レジ前の小さな棚に音楽関連本・バンドスコアなどがあり、その脇に古い映画パンフをまとめたビニールも置かれている。レコードゾーンに進むと、棚に面陳で洋書の音楽詩集が並んでいる。他には通路に安売の雑誌箱がひとつ。それだけ確認してから、しばらく高円寺の街を時間潰しにウロウロする。水曜日は高円寺の古本屋さんは定休日が多いんだよな…などと考えながら駅の方まで行くと、ガード下の壁にたくさんのカラフルな付箋が貼付けられている。近付いて見てみると、『香港加油!』と香港のデモを応援するたくさんのメッセージであった。そんなことをしていたらたちまち三十分が経ち、店に戻って買取のお金を受け取りつつ安売雑誌箱にはみ出して挿さっていた、値段の付いていない気になる一冊を抜き出す。ヒマワリ社「中原淳一 きものノ繪本」。贅沢やお洒落を楽しむことが抑え付けられていた戦中にも出していた、ある意味反骨とも言えるファッション本である。これは昭和二十一年の戦後版であるが、何故レコード屋にこんなものが!と驚きながら、早速「これお幾らですか?」と切り出してみる。すると青年は「これ、みなさん手にするんですが、二千円って言うと戻しちゃうんです。いつまでも置いとくと傷んじゃうんですよね。ちょっと安くしますんで、お幾らなら買いますか?」と言われてしまったので「じゃあ千五百円でどうですか?」と、たちまちこちらも交渉成立する。レコード屋さんでこんな素晴らしい本と出会えるとは、ラッキーでした!
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昭和二十一年という“戦後すぐ”を感じさせる、粗悪だがなるべく丈夫な紙に、なるべくカラフルにカラー印刷が施されている。だが全ページには、お洒落出来る喜びと解放感が中原淳一の筆で美麗に爆発しまくっているのだ。
posted by tokusan at 16:53| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする