2020年02月28日

2/28二月の終わりの金曜日。

朝から家で原稿書きや様々な些事をこなし、午前十時半過ぎに外出。テクテク歩いて高円寺「西部古書会館」の「西部展」初日を覗く。やはり新型コロナウィルスの影響か、いつもより人影は少なめであるが、それでもめげぬ挫けぬ、マスクを装着した古本修羅たちの姿が何とも頼もしい。映画・登山・自然科学・歴史関連の多い会場を、ジリジリクルクル見て回っていると、「なごみ堂」さん(2010/02/12参照)や「風書房」さんと遭遇。お二人ともすでに神保町を見てからこちらに来たとのこと。筋金のドビシッと入っている古本神の行動は、何があっても揺るがぬのだな、と大いに感心する。聚芳閣「萬國航海 西洋道中膝栗毛/假名垣魯文戯著」を500円で購入する。弥次喜多の孫二人が、大商人の手代となって、龍動(ロンドン)の博覧会に旅立つという、世界漫遊面白物語である。駱駝のイラストが脱力的にプリティ(『ムーミン』のスニフみたいだ…)。
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さらに帰り道の「DORAMA高円寺庚申通り店」で角川春樹事務所「コレデオシマイ。/山田風太郎」を110円で購入して帰宅する。戻って最初にするのは、もちろんうがい手洗い。夜になって、駅頭で受け渡しをひとつ。家に帰って、またもうがい手荒い。原稿を無事書き終えたので、亂歩の「世界犯罪叢書 変態殺人篇」を、表紙に描かれた赤い髑髏の横顔に手を添えながら、第三話の『寢䑓下の男』までフゥハァと読み進める。今のところイギリスでの事件が続いている。
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2020年02月27日

2/27三鷹で粋な紙物を。

正午前に下連雀に流れ着いたので、開店時間に合わせるようにして「りんてん舎」(2019/03/30参照)に駆け付ける。店頭でまずは思潮社「シュルレアリスム詩論/飯島耕一」(昭和36年刊。装幀は安部公房の妻・真知)をつかみ、さらに棚の下方に視線を投げ掛ける。すると単行本と単行本の間に挟まった、何かを詰めた透明のセロハン袋が目に留まる。手に取ってみると、色々な紙物が入った、お楽しみ袋的なものらしい…まるで「月の輪書林」の特製紙物袋みたいだ…袋に貼られた値札を見ると、『内容見本一括』と書かれている。おぉっ!まず見えているのは、薔薇十字社の総合目録である。1972年6月の横長サイズ…薔薇十字関連は、こういうのもちゃんと堀内誠一がデザインしてるんだよな。ほほぅ、『異人坂舞踏幻想』という、土方巽を追想するフィルム上映のリーフレット(題字・挿絵/永田耕衣)や参加申し込みハガキが!これはいい、いいぞ!他には『リブロ池袋本店40周年・閉店企画 『ひと月限りの〈ぽえむ・ぱろうる〉』』パンフ、「飯島晴子著作年表2」「新潮社版ドストエフスキー読本」などが入っている。そんな粋な紙物袋を店頭に出してくれた「りんてん舎」さんに感謝し、計220円で購入する。
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その後は強くなり始めた風に逆らいながら、テクテク吉祥寺まで歩き、連載の取材を素早く行う。その後は再び通常の古本屋観測ルートに戻り、「古本センター」(2017/03/06参照)でシナリオ文藝社「シナリオ文藝 第四號」を50円で購入し、「よみた屋」では福音館書店 はじめてであう科学絵本「はははのはなし/加古里子ぶん・え」(1972年新版)みすず書房 「現代美術5 エルンスト/滝口修造解説」を計220円で購入する。「エルンスト」は以前「りんてん舎」の店頭で嬉しく購入しているのだが(2019/12/29参照)、こちらの方がキレイで月報も挟まっている!というわけで購入した次第。
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2020年02月26日

2/26世界犯罪叢書 第二巻!

一日をバタバタと過ごし、何処にもお店には行けぬ始末。代わりと言っては何だが。午後三時過ぎに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に不要な古本を売りに行く。懇切丁寧にその場で店主・天野氏に査定してもらい、交渉成立。そして家に戻ると、鉄扉のポストに郵便の不在通知票が挟まっていた。これは、楽しみにしていたヤフオク落札品!とすぐさま電話機に齧り付き、再配達の依頼を行う。そして午後七時半過ぎ、働き者の郵便屋さんが、分厚い封筒を届けてくれた。ご苦労さまです。息を整え中身を取り出す。天人社「世界犯罪叢書第二巻 變態殺人篇/江戸川亂歩」である!
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おぉ、大亂歩の犯罪実録物!傷みがアリ、函ナシだが、1920円で落札。逸る読書欲をグッと抑えて、まずは自己流に修繕を施す。待ち時間の長いカップラーメンの出来上がりでも待つように、しばらく本を開くのを我慢して、心を別なことに差し向けて誤摩化す。そして三十分後、どうにか通常の読書に耐える状態になってくれた本を撫でさすり、パラパラとページを捲る。『絹帽の男』『美少女の妄想』『寝䑓下の男』『白眼鬼』『人間ゴリラ』…あぁ、たまらんなぁ。こういう実録怪奇犯罪物は、松本泰や牧逸馬の十八番だが、よもや亂歩でも読める日が来るとは。全く持って幸せである。一編ずつ大事に、血を凍らせながら読むことにしよう。そして巻末の天人社の自社広告を眺めていると、谷譲次「モダーン讀本」が混ざっているではないか。一度「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で現物を見せてもらったことがあるが、函入り手帖サイズの、モボモガのための素晴らしいコント集であった。いつかこの手にし、通読したいものだが、この広告でこの憧れの本のサイズが『モダン型』というイカしたものであることを知る。う〜む、恥ずかしいくらいに尖端的だ!
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2020年02月25日

2/25東京・豊玉南 潮路書房

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ここに最寄り駅というものは存在しない。敢て挙げるのならば、西武新宿線の野方駅か沼袋駅、それに西武池袋線の練馬駅か桜台駅、さらに都営大江戸線の新江古田駅である。本当に丁度、この五駅の中心辺りにある、静かな住宅街である…行き方がよく分からないので、結局阿佐ヶ谷から歩いてここまでたどり着いてしまった…。『豊玉南一丁目交差点』から、南の『中新井川緑道』に向かって美しいカーブを描く道を南東に進めば、左手に青い日除けを張り出し、店頭に立看板を出したカフェが現れる。お仕事支援系の一般社団法人が経営しているとのこと。一階はコーヒースタンドで、二階がカフェとなっているのだが、右側のドアが開け放しになった玄関に近付くと、中に無料の古本箱が置かれているのに気付くだろう。それに惹き付けられ、靴のまま建物内に上がり込み、廊下の奥へ進むと、いつの間にか小さな古本屋に入り込むことになる。ちょっと縦長で、奥が少し広い小部屋の右壁と、左奥の空間が少し広がる壁際に本棚が張り付いている。右壁には実用・自然・旅・雑誌・児童文学・絵本・社会・ノンフィクション・文学の単行本が並ぶ。左奥には、日本文学作家五十音文庫・ノベルス・コミック・海外文学文庫・新書が収まる。基本は単行本が300円均一、文庫・コミック・新書は100円均一である。例外もあり、その場合には背や背表紙に値札が貼付けられている。ほとんどが寄付で集まった本らしいが、新しめでキレイな並びである。漫画「忍者武芸帖」が詰め込まれたダンボール箱もアリ。文学最下段に江戸川乱歩賞受賞作がズラッと並んでいるのが、寄付者の好みをうかがわせて面白い。店番の、エプロンとマスクを着けた不動の男性を気にしながら、棚を端から端までしっかり眺め、三冊を選ぶ。そして精算をお願いすると、「こちらでお願いします」と、玄関近くの隣りのコーヒースタンドに通じた小窓に案内される。朝日文庫「東京《奇想》徘徊記/種村季弘」平凡社ライブラリー「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む/宮本常一」新潮社ポケット・ライブラリ「宇宙への道●ガガーリン大佐の体験記録/Y・ガガーリン」を購入する。このクオリティを保ち続けてもらえれば、タイミングが次第で面白そうな本に出会える気がする。またテクテク歩いてやって来よう。
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2020年02月24日

2/24果たして揃うのか?幻想小説シリーズ!

奥深げな武蔵野である深大寺に流れ着いたので。武蔵境近辺の古本屋さんを経巡ってみるが、「プリシアター・ポストシアター」(2015/01/03参照)と「浩仁堂」(2011/02/15参照)はお休みで、「おへそ書房」(2019/07/28参照)では収穫ナシ…散々な『武蔵境古本屋トライアングル』(2020/01/30参照)になってしまった…まぁ歩く距離は長めになるが、めげずにまたチャレンジしよう。そう決めたらスッキリして、荻窪駅にて下車する。西側の橋上改札を抜けて、車窓でしっかりと開店を確認していた「竹陽書房」(2008/08/23参照)に向かう。お店のオヤジさんが、花粉症の苦しみを吐露するのを聞きながら、店内をジリジリと一周する。すると左側通路の奥で、白水社の幻想小説シリーズが、またも追加されているのを発見する。…やはり、ジワジアと品出しされて行くようだ。今回並んでいたのは「現代ドイツ幻想小説/種村季弘編」と、前回購入したのにまたもや出現している「現代フランス小説集」である。迷わず「現代ドイツ小説集」を抜き出しつつ、さらに今後「ロシア」と「東欧」が出て来るのをますます期待しながら、500円で購入する。
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阿佐ヶ谷では「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭で講談社大衆文学館「真説・鉄仮面/久生十蘭」(ちょい水ヌレ跡アリ)を見つけたので110円で購入する。すると店主の天野氏が「氷川神社の骨董市って知ってますか?」「石神井の?」「そうです」「あの神社の能舞台の縁側に古本並べるやつでしょ」(2016/09/25参照)「やっぱり知ってるんですか…」などとやりとりする。
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2020年02月23日

2/23太郎本ばかり買う。

お昼前に家を出ようとすると、集合ポストに小さなチラシが放り込まれていた。取り出すと、それはホチキス留めされた二枚の紙で、『BOOK6 ROKUJYO BOOK』という古本屋さんの出張買取広告であった。この名前、以前古本屋さんについて調べていたら、引っ掛かったことがある。住所の大岡山に実店舗はあるのだろうか…おっ、説明文に『六畳ブックでは地域の人がご自由に置いたり、もっていったりできるご自由本棚を設置しています。少しでも本をムダにしません』とあるではないか。何らかの古本が見られる場所があるということだな。今度行ってみよう…などとチラシを手にしながら、テクテク歩いて荻窪で古本屋さんを眺めるが、珍しくめぼしい物に出くわさず、何も買わずに通り過ぎた状態になり、そのまま西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で店頭棚を注視していると、背後に大きな人影が張り付く。「オニイサン、いいものあるよ。例のヤツあるよ。上物だよ」と何故か危ないクスリの売人風に近付いて来た岡崎武志氏であった。元々盛林堂店内で落ち合うつもりだったのだが、店頭で発見され、奇怪なアプローチをされてしまった…とそこに補充古本を抱えた店主の小野氏も登場。何と奥さまが病気でダウンし、数日の間ひとりでお店を切り盛りせねばならず、てんてこ舞い中とのこと…奥さまの快癒を、心よりお祈りしております。そして「ほら、風太郎たくさん出てるから、買って買って」と促されたので、時代物山田風太郎本がギッシリ詰まった木箱をジッと覗き込む。そして素早く昭和三十年代出版の三冊をセレクト。さらに左側の本棚から谷川俊太郎を一冊選び、店内「フォニャルフ」棚にちょっぴり補充してから精算する。桃源社「不知火軍記」光文社「白浪五人帖」「かげろう忍法帖」共に山田風太郎、弘文堂「世界へ!/谷川俊太郎」を計400円で購入する。…太郎本ばかり買ってしまった…。
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その後は岡崎氏と連れ立ち「古本バル 月よみ堂」(2015/04/10参照)に向かうが、時間が早過ぎてまだ開いていない。仕方ないので近所のカレーの匂いが香ばしい地元喫茶店に入り、近況報告や情報交換やブレインストーミングを行う。もちろんすべて古本屋さんについてである。古本屋さんについてアレコレ話すのはやはり楽しい。もう何十年も、この二人のオッサンの心を捉えて離さぬ、古本屋について調べること、古本屋に向かうこと、店内で古本を買うこと、古本屋について回想することは、人生の中で特上の地位を占めているのである。氏と話し込んでいると、今後もそれが変わらず揺るがぬことが、ヒシヒシと伝わって来る。というわけで、もういつの間にか二月も終わりに近付いていますが、今年も古本屋さんの素晴らしさとそこで遊ぶ喜びを、二人で色々なカタチで、地道にばらまき続けて行きたいと思います。
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2020年02月21日

2/21清張厚着本。

本日は高野台というところにふうわり流れ着いたので、比較的近かった石神井公園駅に足を向ける。そして当然駅近の古本屋さん巡りを敢行。まずは裏通りの「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)へ。店頭棚と店頭壁棚と、店内に引き込まれた安売棚しか見られぬお店であるが、古い岩波・新潮・角川文庫がワンサカ並ぶ(海外文学多し)のがなかなか楽しい。新潮文庫「緑の館/ハドスン」「奇妙な花嫁/ガードナー」を計200円で購入する。次はバスと買い物客で賑わう駅前商店街の「草思堂書店」(2008/07/28参照)へ。左壁文庫棚に、あまり見慣れぬ清張の角川文庫を見つけ、何かモワンと伝わって来たので手に取ってみる。角川文庫「顔・白い闇/松本清張」…『顔』(車中で読了。犯人の計画には考え抜いたわりには大きな穴があるが(そのために窮地に陥る)、それを含めても面白く読ませるサスペンス小説であった)『張込み』『声』『地方紙を買う女』『白い闇』を収録した短篇集である。昭和三十四年の五刷…デザインや装画のクレジットが何もないカバーを思わず剥がしてみると、あっ!ちゃんとパラフィンが掛かり、緑の帯までもが隠されていた。厚着本なのか。面白いから買っておこうと、150円で購入する。これで角川文庫の厚着本は二冊目となる(2019/10/25参照)。
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こういう古本を手にしてしまうと、何故だかもっと古本が買いたくなって来てしまう。急いで駅に飛び込み、保谷に移動して「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)へ。店頭棚と店内入ってすぐ右の古本山を入念にチェックし、山手書房「鴉/渡辺啓助」毎日新聞社(大阪)工務局「活字と活版」緑の笛豆本の会「第二集 南部小絵馬物語/蘭繁之」(署名入)春秋社「現場を見た人 松川事件の真犯人は誰か/山田清三郎」(献呈署名入)を計440円で購入する。満足して石神井駅に舞い戻り、バスで阿佐ヶ谷に帰宅する。帰宅後、大阪に三十冊弱の古本を詰め込んだダンボール箱を送り出す。今回の目玉は、家内の古書タワーの隙間から奇跡的に発見された「野呂邦暢 古本屋写真集」であります。まだストックがあったのか!と驚き喜んだが、西の方々にも見ていただこうと勇気を奮って送り出した次第。しばらくすれば、古書コンシェルジュの手を経て、大阪「梅田蔦屋書店」の古書棚にひっそりと並ぶことでしょう。他にも愉快な古本をたくさん送り出しているので、どうぞお楽しみに!
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2020年02月20日

2/20足止めされても古本は買う。

昨日は午後イチの吉祥寺に流れ着いたので、いつもの流れで古本屋さんをハシゴする。「よみた屋」(2014/08/29参照)ではブラジル出版社「啄木の歌とそのモデル/宮本吉次」を110円で購入する。これは小型本で昭和四年刊だが、その後この著者は何度も違うカタチで、同書を増補再版している。それにしてもけったいな出版社名だ。巻末の出版予定も、この宮本吉次の本ばかりだし…。続いて「古本センター」(2017/03/06参照)ではビル廊下奥の安売店頭棚から、武侠社「近代犯罪科学全集10 犯罪者の心理/金子準二」を引っ張り出し、ちゃんと箱付きなのに80円の安値だったので購入する。グラビアページに有名な蘆原將軍や、当時社会を震撼させた犯罪者のポートレートが載っているのが衝撃である。最後に「一日」(2017/08/11参照)で、ハヤカワポケミス「ドグラ・マグラ/夢野久作」文松堂書店「リュブルック東遊伝/妹尾韶夫譯」を計660円で購入し、満足を覚えて帰宅する。

本日は仕事の締め切りに差し迫られ、家に足止め…午後三時までに入稿せよとの命なのだが、午後二時を過ぎても未だに何の連絡も来ない…いったいどうなっているんだぁ!…などと地団駄踏んでいたら、いつの間にか午後三時。約束の時刻であるが、連絡がなければ何も出来ぬので、午後三時と言う軛からは逃れ出た気がするので、取りあえず買物に出ることにし、その帰りに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭に目を光らせる。ふむぅ、古い荷風本が数冊並んでいる。水ヌレ跡があったり傷んでいたりと、状態はやはり良くないが、この春陽堂「花柳小説 腕くらべ/荷風小史著」(大正九年三版)は、背の端が傷んでいるくらいで、わりとまともじゃないか。この令和の時代に、三代前の大正の本が買えるとは。やはり古本屋さんって素晴らしい!そしてそこから視線を下げると。薄手で簡素なペーパーバックの背に『JEEVES』とあるのが目に入る。取り出すと、これが表紙絵がアメリカンに素敵なREADER'S LEAGUE OF AMERICA「JEEVES/P・G・WODEHOUSE」であった。計220円で購入し、そそくさと帰宅する。…だが、連絡は、まだない…。
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2020年02月18日

2/18「古書ますく堂」は西へ旅立つ。

中野に出て用事を一つ片付けた後、「古本案内処」(2015/08/23参照)で小学館文庫「ミステリー作家90人のマイ・ベストミステリー映画/テレパル編集部編」を275円で購入する。さて、ここから池袋方面に向かいたいのだが、中野駅に戻るのはめんどくさいし、何処からかバスが出ていないだろうか…と『早稲田通り』を東に歩き始める。ところがしばらくして見つかったバス停は、新宿駅西口行きのみである。仕方なく歩を少し早め、『山手通り』まで出ることにする。ここなら池袋行きが…そう信じて、広くキレイな歩道を、ダイナミックに下ったり上がったりしながら北へ。ところが、そんな風にして見つかったバス停は池袋行きなのだが、時刻表を見ると、ほぼ二時間に一本と言う異様な少なさなのであった…仕方ない、諦めて歩き続けよう。そう決めてテクテク歩いて椎名町駅着。線路を渡って住宅街の中を東に進み、ようやく「古書ますく堂」(2018/01/14参照)に到着する。ふぅ。相変わらず乱暴な店頭であるが、いつもと違うのは大きな貼紙が出されていること。
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『古書ますく堂 大阪へ移転!!3月上旬引越です。御来店頂いた方々、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。』と書かれている。そう、この池袋近辺に九年間『魔窟古本屋』として君臨したお店が(居抜きの元スナック店(2011/10/15参照)→元小料理屋店(2014/07/03参照)→現在の元事務所店と変化)、大阪へ移転してしまうのである。全く持って、東の人間としては寂しい限りである…だが、西の人間にとっては、あるいは朗報なのかもしれない…そんなことを思いながら雑然とした店内に進むと、そこには誰もいない…いったいますくさんは何処に行ってしまったのか?仕方ないのでしばらく棚にへばりつき古本を漁っていると、奥からガサゴソ物音がして、ますくさんが笑顔を見せながら登場し「忍者みたいに突然現れないで下さいよ」と言われたので「お店ほっぽらかしているからですよ」と言い返す。そしてさらに古本を漁りながら、今回の移転について色々質問を繰り出す。すると、営業は2/24くらいまでということ。隣りの保育園が拡張するので、円満に立ち退くこと(何と引っ越し代を出してくれるのだ!)。大阪に引っ越すのは知り合いが多いし、昔働いていた神戸も近いしとのこと。本は全部持って行くこと。場所は阿倍野で、今度の店舗は住宅街の平屋ということ。何かイベントがあれば、東京にも時々顔を出すこと。などなどが判明する。それにしても突然で驚いたが、まぁ遠くなるけどお店がなくなるわけではないのだ。いつか大阪に足を踏み入れることがあれば、必ず訪れることにしよう。と決めて、東京店での最後の買物をする。報知新聞社「やったるで!/巨人軍・金田正一著」を千円で購入する。ますくさん、西に行っても元気でね。帰りに駅前の「春近書店」(2009/02/24参照)に立ち寄るが、店頭棚を一渡り眺めた後、中に入ろうとすると、自動ドアの向こう側で放し飼いの小さなプードル犬が、ドアにガンガンぶつかりながら吠えまくっている。
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半狂乱で、飛び出して来そうな勢いだ…あまりの剣幕に、ドアが開いたら逃走してしまうことを怖れ、入店を諦めることにする。中村橋では「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、光文社「世界の自動車/高岸清」を110円で購入して帰宅する。
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2020年02月17日

2/17ボルボ文庫!

本日月曜日は定点観測の日!というわけで早朝からしていた仕事をキッチリ終わらせて、いつものように午前十一時半の荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ。棚の潮目が少し替わっており、何かありそうな予感…おっ、店頭新書棚の上段大判本ゾーンから、ビクター出版株式会社「野鳥の歌/日本野鳥の会収録 中西悟堂著」を取り出す。函からスイッと取り出すと、野鳥の声を収録したソノシート四枚が、ちゃんと完品なのが嬉しいじゃないか…これは近所に住む、古本好きの中西悟堂研究家さんは持っているのだろうか?そんなことを頭に浮かべつつ、大事に抱え込み、続いて文庫棚を精査して行く。すると歩道に近い雑本文庫ゾーンで、見たこともない文庫本を見つける。ボルボ文庫「小説家が書いたカタログ/鈴木光司・馳せ星周・谷村志穂・新野剛志・村山由佳」という、2018年当時のボルボ最新の90シリーズを物語へのジャンプ台にした短編小説集である。非売品のノベルティなのに執筆陣が豪華だ…カバーデザインが他社の既存文庫のパロディになっており(分類番号が『ボ90』となっている)なかなかクオリティが高い…背に使われたボルボのロゴがマッチしている…そういえば、小さい本スキー&非売品文庫本スキーの北原尚彦氏はお持ちだろうか…ホームズ関連&二次創作物探索の“北原案件”に続き、こういう見たことのないドマイナーな文庫についても、また大事な別件の“北原案件”なのである。というわけでこれは確保しておこうと、計220円で購入する。「藍書店」(2018/12/29参照)では新潮社「署長日記/伊藤永之介」を220円で購入してすぐに帰路に着くと、阿佐ヶ谷『中杉通り』の緩い坂を北に上がっている時に、坂上でこちらに向かって手を振る紳士がいる。あぁ!何たる偶然!先ほど古本を買って連想したばかりの、中西悟堂研究家さんではないか!早速近寄り、買って来たばかりの「野鳥の歌」を見せると、「ソノシート入りのやつですね。もちろん持ってますよ。でも、110円は安過ぎる!」とのことであった…や、やはり持っていたか。スゲェな。感心しながら家に戻り、昼食を摂ってから今度は高円寺に外出。「DORAMA高円寺庚申通店」でハヤカワポケミス「倍額保険/A・A・フェア 田中小実昌訳」を110円で購入する。またまた家に戻ってからは、そうだ!北原氏にボルボ文庫についてお知らせしなければ!と気付き、写真を撮ってメールする。するとすぐに返信があり、なんと知らない文庫だということが判明する。よってこのボルボ文庫は、あっさりと北原氏書庫に嫁入りすることが決定した。いや、よかったよかった。と喜んでいたら、再び北原氏からメールが届き『ボルボ文庫、全く知らなかったのでネットで調べたところ、メルカリにも出ていました。日下三蔵さんに「これ、日下さんも必要なんじゃない?」と連絡したら、すぐに「買いました!」と返信が来ました。』という、なんとも素晴らしい後日談…いや後分談というほどの素早く楽しいエピソードが届いたのであった。まったくホントに面白い人たちだよ。あぁ、それにしても、間接的に日下氏の蔵書を増やしてしまったことになるのか…次の書庫整理も、罪滅ぼしに頑張って働くことにしよう。
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ビクターのマークが可愛い「野鳥の歌」と、一部の古本神に旋風を巻き起こしたボルボ文庫。
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2020年02月16日

2/16バスに乗らなくてよかった…。

午後二時過ぎに、西荻窪の北西に流れ着く。雨もどうやら上がったので、目の前にあるバス停からバスに乗り、大泉学園駅にでも出張ろうかと思い、じっとバスを待つ。だが、丁度バスの到着時刻なのに、バスはなかなか姿を現さない…ダイヤが乱れているのだろうか…と十分ほど耐えるが、状況に変化は起こらない。うぁぁぁ!と痺れを切らしてしまい、結局西荻窪駅に向かってトボトボ歩き始める。その途中で、まずは『女子大通り』奥の「花鳥風月」(2009/04/28参照)に立ち寄る。あまりに久しぶりなせいか、店内でたくさんの欲しい本に巡り会う。そんな購入候補を胸に秘めつつ、右奥の自然生物関連棚に接すると、おぉ!毎日新聞社「雪男 ヒマラヤ動物記/林寿郎」があるではないか。値段を見ると、この本にしては安値の千円なので、迷わず家に連れて帰ることにする。
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表紙写真は、雪男の頭皮の裏側だ。いやぁ、スゲェ表紙だな…。

次は店頭雨仕様の「古書 音羽館」(2009/06/04参照)に足を停め、左側店頭棚でまずは、みすず書房「空気男爵の冒険/ケストナー」を手にする。そして右側店頭では、棚を前に不動の姿勢で沈思黙考する男性越しに棚を眺める。すると単行本棚左下に、少量の古書が固まっている。そっと手を伸ばして吟味して行くと、そのうちの一冊が春陽堂 世界探偵小説全集19「ライチエスタ事件・大破滅/ウエルシーニン・フレツチヤア 森下雨村譯」なのであった。ドゴン!と心臓を轟かせ、息を荒くしながら本の状態を素早く確かめる…なるほど、後見返しに悪戯書きがあり、「大破滅」の一ページ目が消失してしまっている…だが、それでもこれは買いだ!と喜び、お客さんのたくさんいる店内へ。本日お店を取り仕切っているのは、店主・広瀬氏の奥さんである。もちろん顔見知りなのだが、引っ込み思案でどうにも人見知りな私は、帽子を目深に被っているのを幸いとし、名もなきお客として、ただ古本を計200円で買って表に出てしまう。ふぅ、とため息を一つついていると、何か違和を感じた奥さんが飛び出して来て、結局正体が露見する。…あぁ、すみません。めんどくさい性格ですみません。もぅこれからは、きちんと正々堂々と挨拶するように気をつけます。と心に社交的鞭を入れたところで、「その本、まだ出して一時間も経っていないんですよ。で、古ツアさん向きの本だな。古ツアさんが買ってくれればいいのにな、って思ってたんですよ。そしたら本当に古ツアさんが買ってくれるなんて!」とお話しされる。うぅぅぅぅぅぅ、嬉しいです。俺も買えて良かったです。そして本当に次回からは小細工せずに、しっかりご挨拶する所存です!…それにしても結果としてバスに乗らずに、ここらで古本を買って、本当に良かったなぁ。
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2020年02月15日

2/15シャーロッキアン、おそるべし。

昨日、嫁より下賜された猫のチョコの缶を開けると、なんとその一個が、ちょっと薄めではあるが“北原案件”ではないか!慌てて写真を撮って北原尚彦氏にメールを送ると、すぐに返信があり『ゴンチャロフですね。いまシャーロッキアンの間で超話題になっております(笑)』とのことであった。ゴ、ゴンチャロフ?と、超絶開け難い缶のラベルを確認すると、確かにその名の会社で作られている製品であった。こんな、猫がディアストーカーを被ってるだけなのに…お、おそるべし、シャーロッキアンたち……。
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本日は上連雀に流れ着いたので、。太宰の跨線橋を越えて「りんてん舎」(2019/03/30参照)に向かうことにする。粗い礫が多く混ざる古いセメント階段をエッチラオッチラ上がると、華奢な橋の上にはたくさんの人がおり、ほとんどが眼下を通過する電車を眺めに来ているようだ。この街の、とても大切な非日常的空間であることを肌で感じ取りながら、人の間を擦り抜けるように、橋の真ん中を渡って行く。「りんてん舎」は、土曜とあって多くのお客さんで賑わっている。さて、今日は何を買おうかな…ノンビリ考えながら、ノンビリ店内を一周する。そして結局は中央通路左側の探偵&大衆小説コーナーに狙いを定めてしまう。選んだのは、660円の桃源社「虚無僧変化/城昌幸」である。こんなに安いのに、何故今日まで残っていたのだろうか?と不思議に思いながら購入する。他にもまだ、安値の珍しい大衆時代小説が残っているので、そっちもいつか思い切って買ってやろうと、心に決める。そしてトボトボ歩いて吉祥寺へ。ついこの間来たばかりだが、やはり馴染みのお店はチェックしておかなければ気が済まない。いつ何時面白い本が入り、売れてしまうのか分からないのだから、こちらは頻繁に足を運ぶしか、それを防ぐ手だてはないわけである。…だが頻繁に訪れ過ぎると、往々にしてそれほど変化のない光景にぶつかるだけで終わることが多い…いや、それでも良いのだ。見飽きるほど見ているからこそ、変化が起これば敏感に古本の流れを感じ取るのだ!などと考えながら、各店を経巡るが、甘い考えとは裏腹に残念ながらボウズ続きである。かろうじて「よみた屋」(2014/08/29参照)にて、文藝春秋新社「黄色い革命/大宅壮一」を110円で購入する。
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2020年02月14日

2/14補充したり、古本買ったり、お話ししたり。

インスタントラーメンを食べてから(美味しかった…)古本を抱えて外出。西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内の「フォニャルフ」に久々の補充を行う。驚くことにミッシリ並んでいた単行本がごっそり消えていたので、持って来た本がそこにピッタリ収まってしまった…ありがたやありがたや。帳場には今日は小野氏がひとりだけ。奥さまは大市の準備で神保町を駆け回っているそうである。その大市のおかげで、大量の古本荷を出品した盛林堂のバックヤードが異様にスッキリしている。どうせすぐにまた古本で埋まるので、束の間の珍しい光景と言えよう。氏と『盛林堂ミステリアス文庫』の出版スケジュール、TVアニメ『映像研には手を出すな!』、春陽堂の探偵小説『六角本』などについて熱く語り合うと同時に、少年少女講談社文庫「名探偵 明智小五郎 怪人二十面相/江戸川乱歩」リブロポート「ぼくの伯父さんの休暇/ジャック・タチ原案 ジャン=クロード・カリエール作」を計200円で購入する。お店を出て駅に向かう途中で、北側の「TIMELESS BOOK STORE」(2012/06/30参照)がマイナーチェンジしていたことを思い出し、早速向かうことにする。ほぉ、いつの間にか一人掛けソファと本を描いた電飾袖看板が設置されている。
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店名ロゴが描かれたガラスドアを開けて中に進むと、フロア中央に新たに棚が置かれている。その裏側には、お店のシンボルとなっている一人掛けソファがデンと置かれている。中央棚には主に文学が並び、以前より文学の割合が増した感がある。左奥の壁にも和洋文学が集まっているようだ。私は絵本棚の下に屈み込み、カバーナシの集英社 母と子の名作童話16「てん子ちゃんとアントン/ケストナー」を引っ張り出して330円で購入する。阿佐ヶ谷では帰り道の「ネオ書房」(2019/08/11参照)に吸い込まれる。帳場にお揃いの切通ご夫妻と挨拶を交わし、新しく出来た古本屋さんについてちょっと話し合いながら、主婦の友社 TOMOコミックス「名探偵シンキングマシン 完全脱獄/原作ジャック・フットレル 劇画桑田次郎」を1078円で購入する。家で本を開いていたら、帯が滑り出て来たので、嬉しさ倍増!
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2020年02月13日

2/13東小金井唯一の古本屋さんは三月末に閉店!

夕方前に下連雀の南に流れ着いたので、ちょっと遠いが頑張って「りんてん舎」(2019/03/30参照)までトボトボ向かう。アンダーパスで線路下を潜り、玉川上水を越え、トボトボ…だが、残念なことにお店は閉まっていた…ぉぉぉぉぉぉ、非常に楽しみにしていたのに…まぁこういうこともあるか…と、涙がちょちょ切れそうになりながらも、グッと堪えて「水中書店」(2014/01/18参照)に救いを求める。文春文庫「建築探偵述入門/東京建築探偵団」(永遠の名著!)集英社文庫「ショートショート全集 泥棒/結城昌治」を計500円で購入し、落ち着きを取り戻したところで、東小金井「BOOK ノーム」(2009/02/13参照)が三月末閉店を宣言し、セールをやっていることを思い出し、二駅移動して駆け付けることにする。いつの間にか時刻はすでに夕暮れ。ママさんたちが子供を引き連れ、商店街で買物をしている。そんな生活的に賑わう道を南下して行くと、「ノーム」がいつも通り営業している姿が見えて来た。嗚呼、ウィンドウには大きく『閉店SALE 全品30%オフ!』と貼り出され、他にも35年の愛顧に感謝を捧げつつ、三月末まで閉店セールを行う旨が貼り出されている。
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ここはそれほど特色のない、街の小さな新刊系古本屋さんであるが、こういう街の隙間と言うか、緩い柔らかさが消えてしまうのは、とても切ないことである。取りたてて何か買えたと言うわけではないのだが(それでも思い出を挙げるなら、オカルト系のレア本「七次元よりの使者 第0巻(大霊感)/五井野正」を100円で買ったことだろうか)、ふとした時に立ち寄れる、心休まる空間であった…さらに嗚呼…。願わくばこのひっそりと抜ける穴が、穴としてそのまま街に残ったり、スクエアなチェーン店で埋められないことを、祈るばかりである…。店頭店内をじっくり吟味して、東京創元社「推理小説の歴史はアルキメデスに始まる/フレイドン・ホヴェイダ」を30%オフの350円で購入する。閉店までまだしばらく時間があるので、またブラリと訪れます。
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2020年02月12日

2/12十錢文庫再び!

昨日は家族的行事で実家方面に帰省し、一日を過ごす。帰りにかろうじて阿佐ヶ谷「千章堂書店」(2009/12/29参照)で買物をする。ジャストシステム「テレビゲームから見た世界/山下恒男」を100円で。1995年刊の、様々なTVゲーム&パソコンゲーム&アーケードケームから、この隆盛著しい(当時)新しい文化を考察して行く内容。アドベンチャーゲームの章では、「ねじ式」と「弟切草」が取り上げられている…渋い。それにしてもワープロソフト『一太郎』で有名だったソフト会社が、出版もしていたのか。そして本日は吉祥寺に流れ着いたので、いつものようにお気に入りのお店を覗き込んで行くが、タイミングが悪いのか、何故だか妙に馬が合わない…まぁこういう時もあるさ…と半ば諦めながら、最後に「一日」(2017/08/11参照)に流れ着く。するとほぼ300均ガレージの奥の平台に、PARCO出版「乱歩と東京 1920 都市の貌/松山巖」が300円の顔で混ざってしまっているではないか。ちくま学芸文庫から復刊されたためだろうが、やっぱりこの大きなサイズが見やすくて頼もしいよね、とニコニコしながら330円で購入する。そして家に帰ると、久々のヤフオク落札品が待ってくれていた。誠文堂十錢文庫「探偵科學の話/高田義一郎」である。ライバルナシで1000円で落札(ということは元値・十銭の一万倍か…)。以前ささま店頭で十錢文庫を購い、その時に巻末広告を熟読し、欲しくて読みたい十銭文庫を挙げておいたのだが(2019/05/27参照)、この「探偵科學の話」はその内の一冊である。高田義一郎は医学博士の作家。なので内容は、人体に関わる法医学系の蘊蓄満載である。うわっ!たった四ヶ月で十七刷に到達している。昭和六年、探偵猟奇花盛り、といったところか。
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2020年02月10日

2/10月曜は律儀に定点観測。

月曜日はやはり自分に律儀に、判で捺したように定点観測する。テクテク荻窪まで歩いて開店したばかりの「ささま書店」(2018/08/20参照)。函ナシの書肆ユリイカ「中原中也研究/中村稔編」をガッチリ掴み出した後に、講談社「花の旅 夜の旅/皆川博子」を見つけてヘラヘラ喜ぶ。扶桑社文庫の『昭和ミステリ秘宝』で復刊された、皆川博子の初期ミステリ作品である。
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ついこの間は、店内の棚に帯付き「トマトゲーム」の単行本が挿さっていたが(2000円だった。速攻で売れてしまった。買えばよかった…)、よもや均一にもその余波が及ぶとは。そんな風に大げさに喜んで、二冊を計220円で購入する。さらにテクリと「藍書店」(2018/12/29参照)に足を延ばし、新潮社 海外文學新選 第二編「チヤッテルトン/アルフレッド・ドゥ・ヴィニイ」を220円で購入する。午後には中野に所用で出たついでに、『早稲田通り』沿いの「ブックオフ中野早稲田通店」(2012/12/15参照)を覗き込む。目指すは当然左端通路に小さく陣取る安売古書棚で(今後は210均になるらしい)、ニホンオオカミや山中の野生動物や妖物を追いかける新聞記者・斐太猪之介の著作が二冊並んでいたので、迷わず掴み取る。みき書房「山中奇談 白いオオカミも見た」文藝春秋「続山がたり 日本の野生動物」を計420円で購入する。そして最後は高円寺までテクテク歩いて、「都丸書店」(2010/09/21参照)で新書館「金銀砂岸/萩尾望都」を、手術する医師のようにいつでも青い手袋を装着した店主から300円で購入する。ふぅ、これにて定点観測とその延長を終了。古本を携えお家に帰投します。

そろそろ発売になる「本の雑誌 カイツブリ居眠り号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、経堂の「大河堂書店」に、古本神・森英俊氏の導きにより駆け付けております。「店頭で古い絵本雑誌が売られている」とのタレコミに基づき、泡を食って現場に急行。当然その雑誌は購入するのですが、さらに店内でもなんやかんやと購入してしまうという、良いお店に訪れた時の宿命をつぶさにレポートしております。今月もお楽しみいただければ幸いです。
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2020年02月08日

2/8見知らぬ同人誌。

昨日のことである。「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)にバッグ1.5杯分の不要本を持ち込み、買取依頼する。査定を待つ間に店内の本をじっくり楽しんでいると、中央通路南側の棚に、大量の中井英夫本が入荷しているのに気付く。「他人の夢」なんか二冊並んじゃってるぞ!などと秘かに冷やかしていると、単行本と単行本の間に、薄く黄色い素朴な冊子が挟まっており、瞬時に気になってしまう。これも中井関連なのだろうか?と思いながら抜き出すと、青玉舎「中井英夫の世界/濤岡寿子」という、1994年刊の同人誌であった。中を開くと、冒頭の中井の詩の再録以外は、「虚無への供物」に関するフィールドワークや論考で埋まっている。現代的女性像として奈々村久生を解剖していたり、「虚無への供物」MAPや五色不動巡り、そして四十四ページに渡る論文『都市の相貌 「虚無への供物」と東京』が骨太で読み応えがあり、大変に素晴らしいのである。というわけで査定終了後、古本を売ったお金の一部で購入する。家に帰って夢中で読み始め、あっという間に読了する。東京と言う都市の成り立ち(住宅や交通も含む)と『氷沼殺人事件』を密接に関連づけ、小説に内包される虚構を交えた世界観と中井英夫の練り込まれた思考を、より現実感の強いものとして立ち上げる試み…あぁ、これでまた「虚無への供物」が読みたくなって来た…。そして『後書きにかえて』を読むと、この論考は『第一回創元推理評論賞』を受賞しているとのことである。力と面白さに満ちた論文だ。さもありなん。
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そして本日は午後三時に高井戸に流れ着いたので、テクテクテクテク歩いて歩いて、荻窪「竹陽書房」(2008/08/23参照)にたどり着き、教育一新社「教授細目 小學手工指導精鋭/山口孝行」(函ナシ)を500円で購入する。昭和十年刊の教師が使う工作や家庭科の指導要綱なのだが、作例が色刷りで掲載されており、これが大変にプリティなのである。どれも非常に独特の味があり、作例なのに、すでに立派な美術作品と言っても過言ではない出来映え。
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2020年02月07日

2/7駅直上の古本屋さん。

朝の中央線混雑の洗礼をたっぷりと受けながら、午前九時五十分の御茶ノ水駅『聖橋口』。改札を抜けてすぐに西方向に進むと、駅直上の切り通し際に建つ「三進堂書店」(2009/04/07参照)が現れる。コメントタレコミでその突然の閉店を知り、慌てて見に来たのである。一月三十一日に閉店したので、シャッターはガッチリ下ろされている。
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そしてそこには『閉店のお知らせ』の貼紙が…昭和10年に創業し、この場所で昭和20年から営業して来たお店を、昨年春の店主の逝去に加え昨今の書籍を取り巻く厳しい状況を鑑み、一旦閉店すること。しかし3月末まで不定期営業を行い、次回の営業日は2月13日(木)で、店内全品50%オフセールを行うことなどが書かれていた。あのいつも、番台で貧乏を嘆く不思議な歌を唄っていた店主が、今となっては懐かしい。何処かの機会で店内セールには滑り込みたいものだ。そう思いながら、足を神保町方面に向ける。午前十時過ぎの神保町は、開店準備真っ最中のお店が多い。慌ただしく重々しい、様々な古本屋さんの店頭構築を眺めながら、すでに開店しているお店の店頭を覗いて行く。「慶文堂書店」(2012/01/14参照)では、お店にとっては専門外の、詩集や犯罪関連や新田次郎が投げ出されているのが目に留まる。偕成社「空の艦長/山岡荘八」講談社「道化師の森」「はがね野郎」共に新田次郎を計900円で購入する。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)では開店準備意中の髯の番頭さんに挨拶をし、外で古本を持つとたちまち氷のように冷える話などを少しする。『神保町交差点』を経由して『白山通り』に入り、「日本書房」(2011/08/24参照)に到着。100均文庫ゾーンにサンリオSF文庫「解放された世界/H・G・ウェルズ」を見つけたので確保しつつ、柔柔和本タワーに神経を集中する。口絵がなくなっている明治小説本が多く放出されているようだ。切り取って飾りでもしたのだろうか。菊池幽芳の「乳姉妹」が800円…よっ!春陽堂「深山の美人/村井弦斎」が200円だぞ。とこれも確保し、計300円で購入する。「深山の美人」は、表紙にさらに手製らしき表紙が付けられているのだが、ちゃんと印刷文字で『村井弦斎著 深山之美人 春陽堂出版』とある。本が入っていた袋を貼付け作ったものだろうか…。
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これは手製表紙を開き、本来の表紙が見えているところ。
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2020年02月05日

2/5果たして、売っているのかいないのか。

本日は上石神井の端に午後イチに流れ着く。…ここからなら、どうにか三鷹まで歩いて行けるか…おまけにこの暖かさだ。のんびり行こう。そう決めて、進む方角を何となく定めて歩き始める。関町〜吉祥寺北町と武蔵野の住宅街を潜り抜け、毎度毎度の「りんてん舎」(2019/03/30参照)を目指す。何故こうまでして「りんてん舎」に向かっているかと言うと、ある一冊の、あるかないかの古本を買うつもりだからである。始まりは先日「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で求めた、「吉行理恵レクイエム「青い部屋」」で、元々彼女の捩じれた雨垂れのような詩を好ましく思っていたのだが、収録の小説類も読み始めたら、いつの間にかその、想い出と妄想が鎖のように連なる文体に脳を搦めとられ、グングンと気になる作家にランクが上がってしまったのだ。本の巻末には絶版だらけの既刊リストが載っており、それを興味深く眺めていると、自費出版の詩集「青い部屋」の次に出したのは、講談社「まほうつかいのくしゃんねこ」という童話であることを知る。これがメジャーデビュー作品なのか…よ、読みたい。そんな欲望が瞬時に頭をもたげて来たので、ネットで本を検索してみると、ヒットはするのだが、とてもしっかりとした値段が付いてしまっている。これを買うのはちょっとなぁ…いや、でも、何処かでこの本は見かけた気がするなぁ…何処だったっけ…わりと大判の本で、箱入りだった気が…窓際に面陳されてたんだっけ…何処だっけなぁ…ちゃんと絵本が充実しているお店…もしかしたら「りんてん舎」だったかなぁ…。こう思ってしまうと、もはやそこにあるとしか思えなくなって来てしまう。とまぁ、こんな経緯で、お店をテクテク目指しているわけなのである。結局三キロほど歩いて、ようやく到着。店内絵本棚に心は飛んでいるのだが、まずは店頭をしっかりチェック。双葉文庫「怪談ミステリー集/中島河太郎編」「恐怖推理小説集/鮎川哲也編」東京おとなクラブ「東京おとなクラブ 創刊4号 特集:TV・CM 小特集:キム・ウンヨン少年」(トピック記事が連続するコラムページ『コモドジャーナル』に、横田順彌氏が神保町古書センター3Fの、近年にわかにSFに力を入れ始めた古本屋を訪れる小話が載っている…)を掴み取り、ようやく店内へ。すかさず右側通路手前の窓に近寄ると、あぁ、ない。レオ・レオーニの「あおくんときいろちゃん」の英語版が面陳してあるだけ…売れちゃったのか、それともやはり「りんてん舎」ではなかったのか…切ないため息を吐きながら、諦め切れずに棚に視線を移して行く。すると嬉しいことに、その中に『吉行理恵』の文字を発見する。あった!やっぱり「りんてん舎」だったんだ!と喜び取り出すと、箱に貼られた値札には『¥1000』の印字が。さらに喜び、迷わず帳場に持ち込んで、先ほどの本とともに計1430円で購入する。
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探していた古本を古本屋さんで見つけて買える喜び、ここにあり!
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2020年02月04日

2/4「モンガ堂」で少年少女科学小説をまとめ買いする。

色々こなしてから西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にタッタカ向かい、パシフィカ「探偵読本1 シャーロック・ホームズ」を100円で購入し、先月の「フォニャルフ」の売り上げを受け取り、北原尚彦氏への献上品を託す。お店を出たら、トットコ駅を越えて北に向かい、盛林堂とともに火曜定休じゃない「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)まで足を延ばす。すると店頭均一箱の一つが、麗しの古書箱の様相。茶色い本の見難い背表紙を必死に見分け、天佑書房「名剣士名刀匠/本山荻舟」を救い出す。サッシドアを押して店内へ進み、帳場で首を竦めて縮こまるモンガさんに挨拶。聞けば暖房が故障中とのこと。そして現在も開催中の『個人名のついた『研究会誌』展』(2012/12/09参照)は、なんと期間中に百人余の人が訪れ、研究会誌もだいぶ売れたそうである。「モンガ堂」にとっては、素晴らしい出来事じゃないですか!その他に首都圏某所にあるモンガさんのコンテナ倉庫の今後について話し合ったり、上林暁作品映画化のための署名をしたりしながら、さて、今日は何を値切って買って行こうか…と企みながら店内を徘徊していると、なんと珍しくモンガさんの方から、「古ツアさん、ここの本、一冊千円でどうですか?」と値切り提案して来てくれた。右端通路の棚下に集まる、昭和三十〜四十年代の少年少女科学小説たちである。これらが千円均一なら、喜んで力の限り買いましょう!といきり立ち、比較的状態の良い五冊を選ぶ。講談社 少年少女世界科学冒険全集「地底王国/カーター 久米元一訳」少年少女世界科学名作全集「11 緑の宇宙人/ザレム作 白木茂訳」「18 なぞの惑星/ライト作 内田庶訳」「20 宇宙への門/ベルナ作 那須辰造訳」世界の科学名作「3 地球さいごの日/ワイリー作 亀山龍樹訳」を「名剣士名刀匠」とともに計五千円で購入する。これは二月早々ラッキーな買物であった。モンガさんに深く深く感謝を捧げ、少年本で重くなったバッグを提げて、ニコニコと幸せに家路に着く。
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幸せな光景…やはり小松崎茂のアートワークは、ノスタルジックでありながらも、夢の未来世界をガキッと補強する永遠性を持っている。「地球さいごの日」のみ依光隆の仕事だが、これもまたイカしているのだ。
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