2020年09月29日

9/29神保町で変な本ばかり買う。

午前のうちに外出して神保町へ。古本神でもあるエロ漫画編集者・塩山芳明氏とちょっとやり取りをする中で、最近の神保町の様子が出て来たので、影響されてちょっとパトロールしたくなったのだ。午前十時半に水道橋に降り立ち、『白山通り』を南下して行く。ありゃ、「有文堂書店」(2010/09/23参照)には『暫くの間休みます』の貼紙アリ。さらに南に下って行き、タイムカプセル気味の「英山堂書店」(2009/12/31参照)で、店頭のフレーム棚下段に赤瀬川原平の単行本が数冊並んでいるのに気付く。水星文庫「いまやアクションあるのみ/赤瀬川原平」を200円で購入する。意外なお店で買物が出来たぞ、と喜びながら『靖国通り』に流れ込む。すると「ブンケン・ロック・サイド」(2012/09/01参照)店頭単行本ワゴンで、今は亡き洋泉社の面白ムック「活字秘宝」で紹介されていた泰流社「男たちのサラダ記念日 サラダ倶楽部作品」があるのに気付く。
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俵万智の大ベストセラー「サラダ記念日」に対し、勝手にどこの誰とも知れぬ男たちからの返歌を集めた一冊である。だが、まともに返歌しているのなら、ここで見つけて喜んだりはしない。確かにまともな歌もあるのだが、かなりの確率で、ピントがずれてチューニングの狂った、俵万智の歌が腸捻転を起こしたような奇怪な歌が紛れ込んでいるのである。『阪神がダメならハムがあるさって強がる背中も寂しい虎キチ』『今夜も又プロ野球ニュース見終わって枕を濡らす俺は虎キチ』『25才過ぎ猛スピードで年をとり30過ぎたらターボがついた』『「うすくなったみたい」と君が云ったからドナルドダックの手鏡を買ったよ』『SAS(サザン)にはいつもお世話になりました俺と桑田は顔だけ似てる』『ブラウスの袖口のレースに照れ笑う新郎は元柔道部主将』……ワハハハハ、やっぱりおかしいよ、この本!と220円で購入する。その後は通りの東側に移り、「澤口書店 東京古書店」の店頭に立っていると、端の棚に児童文学や絵本を店員さんがダシダシ補充し始めた。暫く待ってから棚の前に屈み込むと、偕成社 世界の幼年どうわ13「ジップくん宇宙へとびだす/ロターリ作」が棚の隙間に横向きに挿し込んであったので、ニヤリと取り出し300円で購入する。イタリアのSF風児童文学で、カラー絵はイタリアの映画製作者が描いているが、本文中の挿絵は鈴木義治が手掛けている。最後に「三茶書房」(2010/10/26参照)の店頭300均ワゴンに目を落とすと、端っこに置かれた二冊の新書サイズ本が目に留まる。サンデー社「ドキュメント 夜の公園/きむらわたる 赤外線撮影◉吉行耕平」ダイナミックセラーズ「ピンクロジー これが風俗最前線だ!!/いそのえいたろう」。ともに昭和の性風俗現場を体当たりで記録した、いまや貴重なフィールドワークである。計600円で購入し、丁寧に「三茶書房」の書皮を掛けていただく。何だか変な本ばかり買ってしまった、仲秋の神保町パトロールであった。
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2020年09月28日

9/28ルパン全集の黄色い帯。

朝から真面目に懸命にお仕事して、午後に強い日射しを浴びながら束の間外出する。テクテク歩いて向かったのはお馴染みの荻窪で、「竹陽書房」(2008/08/23参照)店頭台で、三笠書房のルパン全集が出されているのを見つける。そう珍しいわけではないが、五冊の内二冊に儚い橙々色の帯が巻かれていたので、購入を決意。何、百円なんだから安いものだ。三笠書房ルパン全集「虎の牙」「呪の狼」「妖魔の呪」「金三角 上」「金三角 下・刺青人生」すべてモーリス・ルブラン 保篠龍雄訳を計500円で購入する。
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帯の袖には、表2に『スピレーン選集』、表3にダールの「絶体絶命」の広告が載っている。

さて、次はどうしようか。思い切って西荻窪まで足を延ばすか…と思いつつも決めかねて、環八の上を超えて線路際をタラタラ西へ。そうだ、「絵本タイム猫タイム」(2016/02/19参照)は開いているだろうか?気になり低いガードを潜って線路の北側に出ると、これはラッキー!営業中だ。
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数段のステップを上がり、開け放しの扉から蚊遣りのの置い漂う小さな絵本だらけの店内に入る。棚の裏の店主さんは、今日は小さなポーチのような物をお裁縫中(前回来た時は機を織っていた…)。各棚にギュッと並んだ薄手の絵本の背を必死に追って、偕成社創作えほん「おおきな きが ほしい/ぶん・さとうさとる え・むらかみつとむ」(カバーナシ)を400円で購入する。

家に帰ったら、強い西日を浴びながら、ダンボールに詰めた三十冊ほどの本をエッチラオッチラ運び出し、郵便局から大阪に発送する。梅田・ルクアイーレ9F『梅田蔦屋書店』古書棚への補充本である。今回安めの面白本中心ですが、いつものように探偵小説系も入れ込んでありますので、西の皆さま引き続き蔦屋の中でおかしな方向に異彩を放つ濃厚な棚を、何とぞよろしくお願いいたします。
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2020年09月27日

9/27長々歩いて児童文学を。

今日は正午過ぎに下高井戸に流れ着いたので、よっしゃ!と思い切って南に進路を採り経堂までツラツラ歩き、愛しの「大河堂書店」(2009/03/26参照)へ。だがお店は食事休憩中だったので、ソワソワしながら暫く辺りをブラブラして戻ると、オヤジさんが店頭の布を退けたり、本をプラスしたりしている真っ最中であった。すかさず店内に突入して右側通路に入り込むと、壁棚に面陳された宝文館ペンギンどうわぶんこ「ながいながいペンギンの話/いぬい・とみこ」が眼底にキラキラと像を結ぶ!昭和34年の八刷りだが、破格の420円なのですぐさま確保する。さらに奥の棚下台に、戦前の「キンダーブック」が千〜五百円で重なっていたので、ここでも一冊確保し、さらに左端通路でもう一冊。と、お店からのお願いである三十分以内の買物を遵守し、「ながいながいペンギンの話」とともに、フレーベル館「観察絵本キンダーブック第十二輯第三編「メヅラシイドウブツ」/日本玩具研究會編」主婦と生活社「魔女と黒魔術/ピーター・ヘイニング」を計1420円で購入する。長々と歩いて来た甲斐がありましたな。というわけでまたもやツラツラ歩いて下高井戸に戻ったところで、そうだ!次は「七月堂古書部」に行ってみよう。と古本と古本屋さんへの興を維持しながら、京王線線路沿いに東に歩く。おぉ、踏切近くの「七月堂古書部」(2018/01/13参照)はちゃんと営業中だ。店頭で二冊を掴み、そして以前より入口側に移動し、店内と同じ高さレベルになった帳場で精算していただく。あかね書房「ゆうれい殺人事件/クレイトン・ロースン作」秋田書店「列車消失事件/中島河太郎編」(カバーナシ)を計600円で購入する。そして帳場にいた七月堂さんと、しばらくあれやこれや楽しくお話しする。コロナ禍での出版や古本屋経営、その出版のメインである詩集というジャンルの特異さと孤高さと不器用さと純粋さ、H氏賞を受賞した詩集が大判本過ぎる苦悩と喜び……いやぁ、七月堂さん、素晴らしいなぁ。真っ直ぐ詩集を愛して生きているなぁ。と大いに感心する。詩集がメインのお店なのに、いっつも「ゆうれい殺人事件」とか「列車消失事件」とかばかり買ってすみません。いつかいつの日か、ここで詩集を買わなければイカンですな。
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何はともあれ嬉しかったのはこの二冊で。児童文学は、何故いつまでもこんなに魅力的なのだろうか。
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2020年09月26日

9/26「Creep,Shadow!」

昨夜、晩ご飯を食べ始めようとしていたところに、一本の電話が入る。慌てて表に飛び出し、小走りで駅に向かい、営業行脚中の編集者さんと落ち合い、出来たばかりのカバーデザインを手掛けた新刊を受け取る。綺想社「綺想紙漿雑誌 暴譯叢書伍 這いよる影/エイブラム・メリット」である。「魔女を焼き殺せ」の姉妹編の、本邦初訳クトゥルー寄りのダーク・ファンタジーである(ちなみに「魔女を焼き殺せ」は「Burn,Witch,Burn!」が原題で、「這いよる影」は「Creep,Shadow!」と、勢いでもつながりアリ)!今回の基本色は赤。ただし気色悪い配色は健在。そして読み応えアリ過ぎのニ段組。ついにこの叢書、エイブラム・メリットにたどり着いてしまったが、実は早々に決まっている次巻が、まだカバーデザインもしていないのだが、楽しみでしょうがないのである。それにしても、刊行ペースが超スピードなので、大変に喜ばしいが、読むのが全然追いつかないのが切なくてたまらない…まずは二巻目の「妖蛆の王国」を読了しなければ…。というわけで、このアナーキーでオルタナティブで稀少なな翻訳叢書の新刊は、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)店頭と通販サイトや、中野「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)でお求め下さい。
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そして本日は南阿佐ヶ谷の南に流れ着いたので、傘を差しかけながら阿佐ヶ谷までエッチラオッチラ出て、「千章堂書店」(2009/12/29参照)で理論社「手と目と声と/灰谷健次郎」を100円で購入し、続いて『中杉通り』の「銀星舎」へ。するとちょうど旦那さま店主が出勤して来たところで、学研M文庫「ロンギヌスの槍/トレヴァ・レヴンズクロフト」を奥さま店主から400円で購入すると、二人に「全然気付かなかったぁ〜」と大いに驚かれる。まぁ、マスクして帽子被ってましたからね。仕方ないです。
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2020年09月25日

9/25旅窓新書の探偵小説。

懸案の原稿を書き終えて、ホッと一息の、いつの間にかの九月月末。ベランダを濡らす静かな雨を見ながら、そうだ!大阪に送る古本群を作らねばと思いつく。古本の山をあちこち掘り返し、まずは二十冊ほどを選出。その過程で忘れていた良い物を発見する。旅窓新書「地下鉄サム/J・S・マッカレー 坂本義雄訳」である。先日「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、同じく旅窓新書のルパン本を発見していたので(2020/08/27参照)、ぜひ一緒にしておきたいと思っていたのだ。「パルネ探偵局」が第4編で、「地下鉄サム」が第5編である。他にもこの旅窓新書に、探偵小説はあるのだろうか?この二冊の巻末自社広を見ても、近刊含め十冊が掲載されているが、他は隨筆ばかりである。そこでしつこく、たまたま持っていたもう一冊の旅窓新書第28編「真夏の巴里/畑市次郎」を繙いてみると、この時点でもやはり探偵小説はルパンとサムの二冊だけのようだ。第11編が「郵便やはいつも二度ベルを鳴らす」だが、やはりこれはちょっと違うか。出版元の朋文堂は登山関連に強い出版社。果たしてこの新書はどのくらいまで続いたのだろうか…?
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というわけで二冊揃ったところで記念撮影。むぅ、良い景色だ。

午後に所用あって雨の荻窪に出たので、ついでに昨日寄ったばかりの「古書ワルツ荻窪店」にフラリ。すると店内に引き込まれた低めの店頭百均棚の上段端に、学風書院「口紅から機関車まで 上・下/レイモンド・ローウイ」が、カバーナシだが仲良く並んでいたので、昨日はこんなのなかったのに、立ち寄って良かった!と計220円で購入する。インダストリアルデザインの名著である。上巻と下巻の厚さが随分違うのが、なんともおかしい。
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2020年09月24日

9/24店頭台で梅原北明を。

元台風の冷たい風を受け、午後二時過ぎに西荻窪と荻窪の間に流れ着く。やがて霧雨がペラペラ降り始めたので、家路をたどりつつ、少し古本屋さんを見て行くことにする。テント日除けがグッと店頭台の上に張り出しているので、この程度の雨では通常店頭状態の「竹中書店」(2009/01/23参照)。いつもは右側の二冊100円コーナーにお世話になりまくっているが、今日は到着した途端に左側の200均台に気になる一冊を見つけてしまう。函はないようだが、革装の豪華本…その時、背文字の一部に、金箔押しの“梅原北明”の名が見えた。分厚い古書を鷲掴みにして取り出すと、文藝市場社「談奇館隨筆第二編 秘戯指南/梅原北明」(昭和四年刊。定価金五圓!だいたい今の一万円くらいであろうか)であった。
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梅原北明お得意の、性愛に関するありとあらゆる事柄をおよそ千ページに収めた、学術的筆致を装っているが、エログロの大著である。全体の状態も良さげだし、装幀も重厚&モダンで素敵だし(目次で装幀者を確かめてみると、何と酒井潔の仕事であった。こちらもエログロナンセンスの旗手であるが、こういうお仕事もされていたとは!)、これが二百円なら万々歳だ!と店内に素早く入り込み、素早く購入する。さらに油断ならぬな、「竹中書店」。その後は「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に回り込み、店頭で立風書房「世界一周ひとりぼっち/堀江謙一」毎日新聞社「噴水/永井龍男」を抜き出し、計220円で購入する。さぁ、なんだか雨が酷くなりそうなので、細かな水滴に塗れる前に帰るとしよう。
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2020年09月22日

9/22『ひとごろし』

朝起き抜けに、まだなんだか薄暗い寝床の中で、大正十一年刊の崇文堂「よわい子供/ソログープ」を読み始めてしまう。そのなかの一編『罪のない赤ん坊を殺した人の話』を読んでいると、はたと気付いたことがある。羅馬の騎兵隊が攻め入った敵国で勝利を収めて帰還する途中、子供の一団に出会うが、その中の一人に「人殺し」と罵られたので、将来羅馬に仇為すような子供は殺してしまえと、全員が惨殺されてしまう。するとその夜、暗闇から「人殺し」の声が何度も聞こえて来る。恐れ戦いた騎兵たちは、声の元である殺したはずのズタボロの子供を見つけ、またも剣と槍で徹底的に打ち倒すのである。ところがその後も声は聞こえ続け、ついに騎兵隊は…と言うようななかなか残酷なお話なのだが、一枚の挿絵を見た時に『これは山本周五郎『ひとごろし』の元ネタではないだろうか?』と考えてしまったのである。実はこの話、以前にも春陽堂少年文庫「影絵 ソログーブ童話集」(こちらではタイトルは『少年の血』となっている)で読んでいたのだが、その時にはそんなことは微塵も気付きもしなかった。挿絵を描いたのは村山知義で、騎兵と歩く槍兵に向かって、子供が『ひとごろし』と平仮名文字で罵っているのである(本文はすべて漢字混じりの『人殺し』となっている)。この平仮名文字が、周五郎の『ひとごろし』と瞬時に結びついてしまったのだ。『ひとごろし』は藩に仇為した武芸者を追って、臆病者の若侍が上意討ちの旅に出るのだが、その上意討ちの方法が、武芸者から距離を取り、人の居る所で「ひ〜と〜ご〜ろ〜し〜」と叫び続け、精神的に追いつめて行くと言うものであった。片やシリアス、片やコミカルだが、力のない者が強い者を言葉のみで打ち倒そうとする姿勢は、まさに同じなのである。山本周五郎は、ソログープを読んでいたのだろうか…。などと寝床でゴソゴソリ。
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正午過ぎに、取りかかっていた原稿がカタチになってきたので、一息ついて外出する。中野で所用を済ませた後、『中野ブロードウェイ』に潜入して「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で、福音館書店こどものとも159号「こぶたのまーち/むらやまけいこさく・ほりうちせいいちえ」(1969年初版)イヴニングスター社「柳碧花紅録/徳川聲」を計220円で購入する。その後は『早稲田通り』を西進し、昨日来たばかりの「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。ブルース・インターアクションズ「雲の上の散歩/沼田元氣」バンダイ「機動戦士ガンダムZZ&Z保存版設定資料集」を計300円で購入する。昨日悩んだ買物は、まだまだちょっと悩み中…。
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2020年09月21日

9/21中井英夫の死亡記事。

新たな原稿に取りかかりながら、まだ締め切りが先のため何となくノンビリしてしまい、ついでに机の引き出しの中の片付け(現実逃避ともいう…)などしてしまう。すると一番底から出てきたのは、黄色に変色した1面と28面の一枚だけの、1993年12月11日(土)の朝日新聞朝刊であった。何故取ってあるんだろう?と、紙面の隅から隅まで目を通してみると、社会面の死亡欄に、中井英夫の記事が載っていた。これを取っておくなんて、当時よっぽど入れ込んでいたのだろう。それにしても、71歳なんて、若過ぎる!
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写真が小さいので、網点の大小で、中井英夫と認識出来る画像が構成されているのがよく分かる。つまりは人間の目が錯覚を起こして像を結んでいるわけだが、性能が優秀なんだか優秀じゃないんだか…。

午後にちょっと外出して「古書コンコ堂」(2011/06/20m参照)に足を向けると、お店は開いているのだが、店頭には暗幕が張られ、人が集まり、何か撮影している様子が見て取れる。お店の横の脇道を見ると、店主・天野氏が所在なさげに床敷きマットの埃叩きなどしている。挨拶がてらお話ししてみると、CM撮影にお店を提供したらしい。「じゃあ今日はお休みなんですか?」と聞くと「二時で終わるはずだったんですけど…終わりませんねぇ」とのこと。というわけでまた後で寄ることにして、ブラブラと高円寺へ向かうと、連休三日目とあって、結構な人出で賑わっている。『庚申通り』を遡上して「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。新宿書房「ぼくたちのちんどん屋日記/林幸次郎・赤江真理子」を100円で購入しつつ、児童文学&絵本コーナーに非常に気になる一冊を見つけてしまう…う〜む、買おうか買うまいか…ちょっと考えておこう。その後は馬鹿みたいに阿佐ヶ谷に引き返して「古書コンコ堂」に向かうと、無事に撮影は終わっており、通常の開店状態である。弘隆社「彷書月刊 11 1989 特集小栗虫太郎」を110円で購入する。
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2020年09月19日

9/19『探偵小説狂想曲』アンコール!

わりと涼しい風の吹く午後三時過ぎに吉祥寺の北へ流れ着いたので、駅に近付いてから恐ろしいほどの人波を擦り抜け潜り抜け、まずは「古本センター」(2013/07/01参照)へ。処分棚からたちまち八幡書店「新世紀未来科学/金子龍一」どうぶつ社「恐竜は生きている/アラン・チャーリング」宝島社「世紀末百貨店/伴田良輔」を抜き出し、計280円で購入する。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)では、まずは店頭棚上段から映画『タクシードライバー』のパンフを見つけて喜び(監督名がマーチン・スコルセーセになっている…)、成武堂「タイ案内/タイ室東京事務局」山王書房「明治のおもかげ/鴬亭金升」、そして森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」で有名になった大型絵本、岩波書店「ラ・タ・タ・タム ちいさな機関車の不思議な物語/ペーター・ニクルス文 ビネッテ・シュレーダー絵 矢川澄子訳」の初版(扉に『とまと文庫』と蔵印はあるが、ちゃんとカバーも付いてるぞ!)を見つけてさらに小さく喜ぶ。よし、これで今日は素晴らしい日になったぞ。そう確信して、手指を消毒し、計440円で購入する。そして阿佐ヶ谷に戻り「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、店頭棚に東都書房の推理小説全集などが出されている…こ、これは!きっと店内にも何か出ているはずだ!そう『探偵小説狂想曲』のアンコールを察知し、またもや手指消毒して店内に飛び込む。中央通路の茶色い探偵小説ゾーンに注目を浴びせると、推理小説の研究&評論本が何冊が棚出しされている。くむむむむ…愉快にと唸り、南北社「推理小説への招待/荒正人・中島河太郎編」を530円で購入する。様々な探偵小説かや評論家の論考集である。香山滋の『怪奇を生む鍵』とか鮎川哲也の『ペテン術の研鑽』とか、意外な村岡花子の『探偵小説と私』とか、たまらんですな。これでさらに今日が素晴らしい日になったというわけだ。
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2020年09月18日

9/18こんなパンフがあったのか…。

「少年探偵・エミール」を読み進めているが、やはり時代を越えた普遍性を獲得している岩波の高橋健二訳と違い(始まりの構成も違っている。岩波版は最初に序文の如き『話はまだぜんぜんはじまらない』と登場人物を紹介する『十枚の絵が説明する』が入るが、中央公論社版は序文はなくいきなり物語が始まり、その途中の所々に登場人物紹介が挿入されている)、時代を感じさせる仕上がりになっている。お金の単位が“圓”だったり、エミールが『合点』したり。とは言ってもこちらの方が物語が書かれた時代に近いので、リアルと言えばリアルなのかもしない…さぁ、また仕事の合間に、続きを読み進めよう。

だが、そんな仕事の連絡が何だか滞っているので、一瞬の隙を見て、風の強い真夏のような九月の街に脱出。テクテク歩いて荻窪に向かい「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)でハヤカワポケミス「海軍拳銃/フランク・グルーバー」を330円で購入する。続いて油断ならない「竹中書店」(2009/01/23参照)に立ち寄ると、店頭木製ワゴンの映画パンフレットが増加している。また何か面白いものはないだろうかと、丁寧に繰って繰って繰りまくる。すると珍品と呼ぶべき黒いB5サイズのパンフレットを発見してしまう。『DEEP THLOAT(ディープ・スロート)』…1975年日本公開の伝説の洋ピン映画(洋画のピンク成人映画)のパンフレットである。こ、こんなものが存在していたのか!映画館で、ピンク映画のパンフレットを売っていたのか!っていうか、パンフ作ってたんだ!そして買った人がいるんだ!と驚愕する。私は未見だが、世界に衝撃を与えたカルト映画として低俗に名高い作品である。だからパンフの中身は推して知るべし、と言っておこう。最後のページに主演女優・リンダ・ラブレイスのスキャンダル記事まで載っていて、ヒュー・ヘフナー、フランク・シナトラ、ジョン・レノン、エルビス・プレスリー、サミー・デイビス・ジュニアなどの並み居るスターを総嘗めにしたとか、スゴいことが書いてある…。というわけで、ヴィム・ヴェンダース監督「夢の涯てまでも」パンフとともに計100円で購入する。あぁ、こういう時代的なエロ風俗関連を発見したら、すぐに古本乙女のカラサキ・アユミさんに報告したくなってしまうなぁ。そしてお堅い「竹中書店」でこんなのを買う日が来るとは…。
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2020年09月17日

9/17昭和九年のエミール!

昨日は午後二時過ぎに上連雀に流れ着いたので、北上して「りんてん舎」(2019/03/30参照)へ。店頭棚&箱とにらめっこして、角川文庫「モルグ街の殺人事件/エドガア・アラン・ポオ」日本ブリタニカ「遊びの百科全署7[玩具館]/澁澤龍彦編」を計220円で購入する。そしてそのまま歩いて吉祥寺へ移動。う〜む、「一日」(2017/08/11参照)は相変わらず休業中か。もはや休業の案内すら出ていないので、いったいいつまで開かないのだろうかと、少し心配になる。そのまま駅に近付き「バサラブックス」で徳間書店「死の博物誌/神津拓夫」を百円で購入し、駅を通り過ぎて「よみた屋」へ。今日は入口前300〜500円棚から、裸本の南洋探検本、海洋文化社「メラネシア探檢/ベルナチク」を550円で購入する。昭和十八年発行なので、南進政策啓蒙の一冊と言ったところだろうか。ウィーンの民俗研究家が、ソロモン群島・ニュウギニア・バリ島を研究旅行し、原住民に密着撮影した貴重な写真を多数掲載。そして何より気になるのが、この本に捺された蔵書印である。見返しと本扉に捺されているのだが、あまり個人の蔵書印っぽくなく、とてもセンスがあり可愛いのだ。どこかの開架していた文庫のものだろうか?
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そして本日は梅ヶ丘に流れ着いたので、トボトボ元小田急線線路沿いを伝って下北沢にたどり着き、「ほん吉」(2008/06/01参照9で広済堂ブルーブックス「高木家の惨劇/角田喜久雄」を110円で購入してから「古書明日」(2017/01/31参照)へ。おっ!持っている本より状態の良い、おはなしチャイルド「がんばれねずみたち/作・山元護久 絵・高橋透」が百均絵本箱に入っているのを見つけたので、確保してから店内へ。さらに妙な新書本が混ざり込む棚からNESCO BOOKS「図解さあ、手づくりだ/小林泰彦」を選び取り、計600円で購入する。すっかり満足したので、京王線とすぎ丸を乗り継いで家に帰ると、その瞬間にピンポ〜ンとお届け物が到着した。待ち遠しかった、久々のヤフオク落札品である。ダンボール箱を開けると出てきたのは、黄色いクロス装の裸本、昭和九年刊の中央公論社「少年探偵・エミール/エリツヒ・ケストナー 菊池重三郎譯」である。ライバルナシの嬉し過ぎる880円で落札。映画の公開に伴い、1934年にドバッと出版された、三冊の内の貴重な一冊である。岩波書店のケストナー全集「エーミールと探偵たち」と同じ物語であるが、どれだけ訳や雰囲気が違うか、比べるのが楽しみ楽しみ。
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2020年09月15日

9/15謎の東天鬼。

昨日は一日中、ちょっと長めの原稿と取っ組み合い、悪戦苦闘する。だが昼過ぎには、古本は買っておきたいと素早く外出し、『早稲田通り』を東にタッタカ伝って「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)を見に行く。おじいさんの自転車が店頭棚の前に立ちはだかっているが、めげずにスルッと奥側に身を滑り込ませ、たちまち三冊を手にする。晩聲社「職人百づくし/絵・武田秀雄 文・野坂昭如」徳間ブックス14「暗号の話/田中潤司」すばる書房「マザーグース・ファンタジー/銅版画・東逸子 訳・矢川澄子」を計400円で購入し、満足してすぐさま家に引き返すが、道すがら、店頭でいつの間にかおでこを蚊に刺されていたのに気付き、途中寄った『セブンイレブン』では、お客と店員の現金の受け渡しを必要としない、感染予防新型レジを突然体験し、もはや自販機のような形態に軽くカルチャーショックを覚える。

そして本日も引き続き原稿とがっぷり四つに組み合う。そしてちょっと息抜きに夕方前に外出。少量の厳選古本を携えて、毎度お馴染み西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に向かい、「フォニャルフ」棚に補充する。裸本故に、安めの探偵小説が並んで眠っておりますので、お近くにお寄りの際はぜひとも冷やかして上げて下さい。そして帳場では店主・小野氏にここ最近仕入れた素晴らしい本を見せていただく。黒岩涙香と丸亭素人の合作って…うわぉ!春秋社の「探偵小説 山羊鬚編集長/夢野久作」だっ!吉田貫三郎の装幀が眩し過ぎる!本扉には小説集1とあるが、続きが出る予定だったのだろうか?そして極め付けは、素性のしれぬ謎の探偵小説作家・東天鬼の香蘭社書店「淫魔捕物帳」なるいかがわしい函入り本を見せていただく。うひゃぁ〜東天鬼だ。と慎重に函から取り出し、分厚い本のページを開く…あれ?あれ?あれ?俺、これを読んだことがあるぞ…とは言っても、読んだことがある東天鬼と言えば、神戸で二千円の安値で入手した(「古本屋ツアー・イン・京阪神」p255参照)大盛堂書店「探偵秘録 修羅の巷」(昭和参年壹月刊)しかない。小野氏にそのことを告げ、家に帰って本を確認してみると、あぁっ!やっぱり見事に同じ内容だ。生首の小包が伯爵家に届くところから、物語が始まってるじゃないか。「淫魔捕物帳」の方は昭和十二年刊。九年の時を超え、同じ内容をタイトルを変えて、さも違う本のように出版したのは明らかである。ますます謎が深まるなぁ、東天鬼…。
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これが俺の東天鬼だ!ちなみにずっとこの作家名を『トウテンキ』だと思っていたら、小野氏に『アヅマテンキ』であると教えられました。
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2020年09月13日

9/13油断ならない「竹中書店」。

本日は午後に芦花公園近くに流れ着いたので、関東バスに飛び乗り、環八を北上して荻窪へ。駅南口線路際の終点でバスを降り、フラフラと「竹中書店」(2009/01/23参照)へ。店頭の二冊100円ワゴンには、大量の映画&ミュージカルパンフが追加されているようだ。辛抱強く丁寧に、商店街を行き交うたくさんの人に背を向けて、薄手のアート紙冊子と曇り空の下で格闘する。ケイブルホーク「戦慄的サスペンス映画 フリッツ・ラング スペシャル「M」「マンハント」」をまずは確保。続いて東映「金田一耕助の冒険」を見つけたので計100円で購入する。「金田一耕助の冒険」は先日逝去した大林宣彦監督のナンセンス外伝的横溝映画。低予算ではあるが、わりと豪華なスタッフ&キャストが画面狭しと無闇に暴れ回る、映画業界のお祭り騒ぎ映画でもある。だが実は、角川文庫的探偵&推理小説お祭り騒ぎ映画の側面も持っているのだ。何たって、横溝正史先生が角川春樹からジュラルミンケース一杯の印税を貰ってほくそ笑むシーンがあるし、床屋の客として高木彬光が。またテレビ局のゲスト役で笹沢左保(凛々しいイケ面である)も顔を出しているのだ。同時上映は、村川透監督・松田優作主演のハードボイルド映画『蘇る金狼』(ただしクセの強過ぎる共演者たちが、よってたかって面白演技を展開しているので、優作が真面目にハードボイルドを演じれば演じるほど、周囲とのギャップが際立つ非常に楽しい映画となってしまっている)。ちなみにパンフ表4の『横溝正史フェア』の広告は、映画原作の文庫「金田一耕助の冒険1・2」とジュブナイル作品のみがラインナップされている。いやぁ、最近の「竹中書店」さんは、油断がならないなと感心しつつ、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。おぉっ、店内中ほど新書棚の横に、大量のポケミス棚が出現しているではないか。これは何か他にも動きがありそうだ…と察した矢先に、むぅ、新書棚にて古い新潮文庫「奇蹟の扉/大下宇陀兒」発見!多少疲れ気味だが、頑張って補強すれば、頼りになる手応えを取り戻してくれそうだ!と550円で購入する。
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2020年09月12日

9/12早稲田通りでちょっと結城昌治を。

雨が降ったり止んだりの中、所用あって下井草を訪れたので、やはりいつでも気になる元「芳林文庫」の前を戀に通りかかると…あぁっ、ついに店名木看板が無くなり(2018/02/09参照)、ここがマニアックなミステリ古本の供給源であったことは、もはや感じ取れない。だが中にはまだ、見たら涎が止まらなくなるような、探偵小説が渦巻いているのだろうな。相変わらずそんな愚かな妄想に囚われながら、トボトボ歩いてお家を目指す。途中『早稲田通り』沿いの小さな小さな『大鷲神社』にお参りして、「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)前で足を停める。視線を落としたのは漫画やノベルスの多い店頭ワゴンである。そのノベルの中に、一冊古めの本が混ざっている。文華新書138「狙った女 推理小説/結城昌治」である。こういうあまり見かけぬマイナー新書は、出会った時に買っておかなければ、次にいつ出会えるのかまったく予想がつかない。というわけで握り締めて店内に進むと、帳場には誰もいない。だがすぐに家の何処かからドタドタと動く音が聞こえ始め、しばらくすると、奥の引戸から奥さまが「お待たせしてすみません!」と姿を現した。いいえ、全然待ってないですよ。「あぁ、古い本ですね。拭きます拭きます」と丁寧にカバーを拭っていただき、百円で購入する。
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2020年09月11日

9/11柳瀬正夢初装幀本!

本日は少しノンビリした朝を過ごしながら、次第に部屋中から三十冊ほどの不要&読了本を掻き集める。午後に外出して「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)へ趣き、二週連続の買取をお願いする。査定中に店内を見回り、店頭から素晴らしき本を一冊掴み、査定終了とともに購入する。その際、店主・天野氏に「ブログ読みました。あんなに買ってたんですね〜」と言われる。2020/09/06『「探偵小説狂想曲」の顛末を並べてみる』の感想なのであるが、『全部アンタが売ったんだよ!』と心の中で軽くツッコミつつも「棚一列くらいになってますもんねぇ」「いや、もっとですよもっと」などとやり取りする。まぁまだ今並んでいる中からまた買うかもしれないし、新在庫が出たら買うかもしれないし、まだまだ増える可能性は大なのである。そして110円で買ったのは、我等社「長谷川如是閑創作集1 奇妙な精神病者の話」(大正12年刊。函ナシ)なのだが、実はこの本、『ねじ釘の画家』柳瀬正夢の記念すべき初装幀作品なのである。出版元の我等社は、長谷川如是閑が仲間とともにつくった出版社で、柳瀬はそこから出ていた雑誌『我等』の校正係を務めていた。なので画家としても活躍する柳瀬に、創作集装幀の白羽の矢が、ブスリと刺さったのかもしれない。大正12年ということは、このすぐ後に柳瀬も参加する伝説のダダ集団・MAVOが結成されるわけか…うぅ、今日も良い古本に安値で出会えて、興奮。
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これは本扉。描き文字は、背と表紙と扉でそれぞれ異なるが、この扉の文字が一番凝っている。中央の兎と亀のシンボルも素敵!

というわけで軽く脳内で一通り興奮した後、駅方面に足を延ばし「千章堂書店」(2009/12/29参照)で新潮文庫「人外魔境の秘密/横田順彌」を150円で購入する。

さらに夕刻、段々陽が落ちるのが早くなるのを実感しながら駅に向かい、出来たばかりのカバーデザイン担当新刊を受け取る。綺想社「綺想紙漿雑誌 暴譯叢書参 ハワードマガジン ソロモン・ケイン シリーズ2 死者の丘/ロバート・E・ハワード」である。清教徒ソロモン・ケインを主人公にしたヒロイック・ファンタジー第二弾!実はこのシリーズのデザインは、なるべく気色悪い色合いを出そう出そうと努めているのだが、今回は「妖蛆の国」に続くなかなかの秀作。この後もまだまだスゴい作品の訳が続く予定なので(次巻はエイブラム・メリット「這いよる影」だ!)、より一層気色悪さを増して行くよう精進いたします。「死者の丘」は明日9/12から「盛林堂書房」(2012/01/06参照)店頭や通販や、中野「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で購入可に。
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2020年09月10日

9/10新潮文庫のトレーナー。

風と曇り空でちょっと過ごし易い今日は、午後に下連雀に流れ着く。三鷹はちょっと久しぶりだなと思いつつ、線路を越えて北に出て、当然「りんてん舎」(2019/03/30参照)に顔を出す。店頭文庫棚に、カラーイラスト&写真満載の絶版名著と言える新潮文庫「アウトドアライフ入門/小林泰彦」があったので喜びつつ、河出書房新社「手塚治虫の絵本館3 空とぶラビ」とともに計220円で購入する。そのまま「水中書店」(2014/01/18参照)に足を延ばすと、店頭木箱にちょっと古めの建築雑誌が何冊か放り込まれている。そこから抜き出したのは、鹿島出版会「SD別冊NO.5 空間と象徴 最高裁判所における建築構想の展開」であった。お壕端の司法権威の象徴である厳粛で不可思議な建築『最高裁判所』のムックである。ほぼ建築写真集なのだが、掲載写真の撮影者がほとんど写真家・石元泰博なので、石元泰博の『最高裁判所』写真集と言える一冊なのである。これが百円は嬉しいと、すぐさま購入する。そのままツラツ東に歩き、昨日も来たはずの吉祥寺へ。「バサラブックス」(2015/03/28参照)でワニ文庫「にっぽん怪奇地帯/佐藤有文」を100円で購入し、「古本センター」(2013/07/01参照)と「よみた屋」(2014/08/29参照)も見て回るが、さすがに昨日の今日で買うものはナシ。それが確認出来ただけでも良しとして、潔く帰宅する。
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というわけで、この二冊が嬉しい今日の収穫。「アウトドアライフ入門」には、帯や当時の自社広が挟まっていた。その昭和58年当時の自社広『新潮文庫の100冊』のイメージキャラクターは、読売巨人軍の投手・江川卓で、キャッチコピーは『やる時は、やります。読む時は、読みます。』。折りの最後には『新潮文庫の100冊クイズ』が掲載され、江川が景品を持っている写真があるのだが、三千名に当たる『新潮文庫オリジナル・トレーナー賞』が衝撃。紺色のトレーナーの胸に、新潮文庫の象徴である葡萄のイラストとともに、ローマ字で『ShinchoBunko』とプリントされているのだ。トレーナーが一世を風靡していた時代とは言え、これはかなりダサイのでは…いや、でもレアと言えばレア…あえてちょっと欲しい気がしないでもない。着るかどうかは別として。
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2020年09月09日

9/9なんだか良い吉祥寺。

吉祥寺の北に午後に流れ着いたので、高架線を南に潜り、まずは「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。強い日光が容赦なく降り注ぐ、過酷な店頭である。だがめげずに視線を丁寧にぐうるりと巡らし、新書棚からアニメーション作家山村浩二のPARCO出版「マイブリッジの糸1・2」(四次元綴じフリップブック…パラパラ漫画ですな)を見つけたと思ったら、単行本棚から理論社小学生文庫「忍術らくだい生/古田足日・作 田島征三・え」(昭和43年初版)婦人之友社「ゆずりうけた母の味 辰巳浜子料理帖より/辰巳芳子」思索社「戦場のメリークリスマス 原作版 影の獄にて◎映画版/ヴァン・デル・ポスト」をたちまち引き出し、五冊の本を抱えつつ手指消毒して店内入りし、計550円で購入する。紙袋に入れてもらったら、何だか大物になってしまった…。

続いて駅前の雑踏を掻き分け「古本センター」(2013/07/01参照)に行くと、処分品棚にゲームボーイの生みの親・横井軍平の柔軟なアイデアの元となった講談社「水平思考の世界 電算機時代の創造的思考法/エドワード・デボノ」がキラリと輝いたので確保する…これを読めば、横井氏のような素晴らしく面白いアイデアにたどり着けたりするのだろうか…。そしてさらに棚横の横積みタワーに目を向けると、おっ!ハヤカワポケミスのナポレオン・ソロが挟まってる。と、「気ちがい科学者/ジョン・T・フィリフェント」「放射能キャラバン追跡/ピーター・レスリー」の二冊を引き出し、計180円で購入する。うむ、なんだか良い吉祥寺であった。
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「気ちがい科学者」は小鷹信光訳で、中には『ナポレオン・ソロシリーズ〔全13巻〕』の一色刷り二つ折り広告が挟まっていた。「ミステリマガジン臨時増刊」のナポレオン・ソロ特集なんてあるのか。これはぜひいつか読んでみたい。
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※そろそろ発売の「本の雑誌 柿の実とてちてた号」の連載「毎日でも通いたい古本屋さん」では、7/31日に本格オープンした後、すっかり定点観測店になっている「古書ワルツ荻窪店」に突撃!棚が古本市形式で安売本が雑多に並んでいるので、頻繁に全部の本が動いてるわけでもないのに、毎回行く度に全棚をチェックせねば気が治まらず、楽しいのですが、消耗したりもしています…。
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2020年09月07日

9/7TVドラマ『ハンマーを持つ人狼』!

昨晩、『探偵小説狂想曲』の顛末を並べて、ひとり悦に入った後、晩ご飯を食べてから、腹ごなしに漫然とテレビチャンネルの旅に出る。ポチポチ番組を切り換えまくり、最後に行き着いたのはCSのAXNミステリーチャンネル。放映していたのは1973年のTVドラマ『科学捜査官』であった。警視庁捜査一課(課長補佐警視・芦田伸介、科捜研部長・原保美、捜査主任警部・中野誠也)が手掛ける難事件を、科捜研(徳丸法医学技官・田中邦衛。意外にはまり役)の技官が科学力で証拠を分析収集し、事件解決に大いに貢献しまくる刑事ドラマである。原作・監修は島田一男先生!ほっほぅと、引き込まれるように観始めてしまうと、謎やサスペンスや科学技術の骨子がしっかりしており、セリフも練り込まれており、なかなか面白いじゃないかと感心することしきり。長谷川公之が脚本の回もあり、『事件記者』+『警視庁物語』!とコンボ技にちょっと興奮しながら、そのまま観続けてしまう。そして第15話『黒い通り魔』が始まった。厚生省に勤める女性が帰宅すると、計理士の兄が自宅の庭で殴り殺されている。それに驚く暇もなく、女性も殺されてしまう。その頃世田谷区では“黒い通り魔”と名付けられた、女性を鉄パイプで殴打する事件が連続発生していた。なので兄弟殺害事件も通り魔事件のひとつと考えられ、捜査は進んで行く。ところが科捜研の、殺された女性の親友であった女性心理技官が捜査の方向性に疑問を抱き、捜査主任と反目し合いながらも、夜の世田谷でおとりになることを志願する。ある夜の公園で、主任に守られながら夜の公園を歩く心理技官…ここまでおよそ三十分。このシーンを観た時に、突然襲う既視感。何かが頭の中でピシッと弾ける。『これ、これ、ホイット・マスタスンの「ハンマーを持つ人狼」じゃないかっ!』と気付き、驚きの電光が背骨を走り、全身に鳥肌を立ててしまう(「ハンマーを持つ人狼」については、創元推理文庫読了時に記事を作成している。2020/04/09参照)。その後も、多少登場人物の異同はあるにせよ、ほぼ原作通りに話は進み、無事に犯人は逮捕される。スゲェ面白かった。あの長いお話をよくもまぁわりと忠実に(ちなみに原作での『第二の事件 ふたりの女とガンマン』はカットされている)、一時間弱のドラマに仕上げたものだ。翻案物としては、非常に満足の行く出来である…あぁ、まさか「ハンマーを持つ人狼」が、日本でこんな風にひっそりと映像化されていたなんて。だがここで、それにしても!と思うことがある。これは完全に『原作・島田一男』ではなく、『原作・ホイット・マスタスン』ではないか!……し、島田先生ィ!もしかしたら担当脚本の池上金男が、「この小説、面白いんですよ。今回これを基にして作りましょう」と言ったのかもしれないが、明らかに丸パクリなのである。フフフフフ、おおらかな時代だったんだなぁ。この分なら、まだ他の話にも翻案物があるかもしれない。などと、偶然行き当たった昔のTVドラマに、他愛無い興奮を覚える夜を過ごす。
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そして風の強い、曇りで雨で晴れの月曜日。午後に一瞬だけ外出し、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で、萩原星文館「煙草と悪魔/芥川龍之介」(三版函ナシ)を110円で購入する。
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2020年09月06日

9/6『探偵小説狂想曲』の顛末を並べてみる。

今日も荻窪近辺に流れ着いてしまったので、ブラブラ吸い寄せられるように駅方面へ。西から古本屋さんの店先をたどって行こうと思っていたら、突然の大雨に見舞われる。どうせすぐ止むだろうと、ビシャビシャチャプチャプズブズブたどり始めると、あまりの土砂降りっぷりに、たちまち何処のお店も店頭は雨仕様となり、ビニール類でガッチリガードされてしまっていた。というわけでほとんど見ることが出来ずに、結局「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)にて雨宿りする…いつの間にかテント看板の文字が復活しているな。清流社「隨筆 探偵小説/江戸川乱歩」を330円で購入する。

家に帰って一息ついたら、戯れに『探偵小説狂想曲』at「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の顛末を、一列に並べてみることにする。
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…むぅぅぅぅぅ、三ヶ月の間に、これだけ買ったのか…安いとは言え、箍が完全に外れていたのであろう。ほとんどが函欠やカバ欠の本ばかりだが、それでもこの並びを眺めていると、ニヤニヤニヤニヤしてしまう。この中で読了したのは、「鐵の舌/大下宇陀兒」「呪ひの塔/横溝正史」「山峡の夜/ジヨルヂユ・シメノン」「蝋美人/横溝正史」の四冊だけで、摘み読み的に読書中なのが、「GUN教室/大藪春彦」「愛情會議/久生十蘭」「人間豹/江戸川乱歩」「爆風圏/海渡英祐」「完全殺人事件/C・ブッシュ」「或る年の記念/松本泰」の六冊である。いったい全部読み終わるのは、いつの日になることやら…いや、とても嬉しい贅沢な悩みである。
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2020年09月05日

9/5『サンダーバード6号』は三本立てだった。

秋の足音などさっぱり聞こえない、九月最初の酷暑の土曜日。荻窪駅の北側に流れ着いたので、地下道に入って線路下を潜り、ブラブラと「竹中書店」(2009/01/23参照)を見に行く。ギラつく日に照らされた店頭台に、己の影を落としつつ全体を俯瞰すると、右側二冊百円台に、古い映画パンフレットが新たに追加されているのに気付く。大体三十冊ほどか…一冊一冊丁寧に繰り、タイトルを確認して行く。六十〜七十年代のものが多く、邦画と洋画が絶妙な均衡を保っている。日本ヘラルド“アニメラマ”「千夜一夜物語」が出て来た。1969年の手塚治虫が製作・総指揮を務めた大人のための壮大な実験アニメーション映画である。演出は山本暎一、美術監督はやなせたかし、音楽は冨田勲で、構成協力に大宅壮一・北杜夫・小松左京が名を連ねている。…他にも何か、出て来そう…むっ、ユナイト映画「サンダーバード」と続編の「サンダーバード6号」発見。ちゃんと六十七・八年の当時公開物だ。中身はほとんど少年雑誌の特集記事みたいで(乗物や基地の紹介と図解、人形の仕組や、特撮撮影方法などなど)、丁寧な造りに好感を抱く。と、この三冊が喜ぶべき収穫なのだが、二冊百円なのでもう一冊選ばなければと、ユナイト映画「アラモ」を選んで、計200円で購入する。
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ところで「サンダーバード6号」だが、表紙をめくると、いきなり一ページ目に違う映画の紹介が登場する。『大怪獣メギラ』(原題は『THE MONSTER THAT CHALLENGED THE WORLD』…直訳すると『世界に挑戦した怪獣』といったところだろうか)。調べてみると、どうやら公開当時に同時上映された映画らしい。ウルトラマンに出て来た光熱怪獣キーラやラドンに出て来るヤゴ怪獣メガギラスみたいな顔した怪獣の造形が、不気味でとてもイカしている。2ページ目が『大怪獣メギラ』の詳細な物語説明になっているのだが、その最下段にはさらに、『アカデミー短篇漫画賞を受賞したデラックス・カラーまんが『いじわるヒョウ ペンキ屋の巻 デパートの巻』(ピンクパンサーですな)』載っている。さらに調べてみると、『サンダーバード6号』は『大怪獣メギラ』と『いじわるヒョウ』の三本立てだったのだ。なんて豪華なプログラムだ。そう言えばピンク・パンサーって、怪盗ファントマに狙われるダイヤの中に棲んでいるイメージキャラだったような…。
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posted by tokusan at 17:33| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする